JP2007178006A - 薬液弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 流体が流れる流路上に設けられ、ダイアフラム弁体15を作動させて弁座14に当接又は離間させることにより流体の供給を制御するものであって、ダイアフラム弁体15とサックバック用ダイアフラム弁体16とを一体的に作動させるようにした薬液弁であって、一端がサックバック用ダイアフラム弁体16と連結され、他端11aが球面状であってダイアフラム弁体15と当接する連結棒11を有している。
【選択図】 図1
Description
すなわち、従来のサックバック機構は、薬液弁とサックバックバルブとが経時的変化により作動タイミングにズレを発生し、薬液の吸い戻し量にバラツキを生じていた。薬液弁とサックバックバルブは、一定のタイミングで出力される電気信号に従って作動するが、薬液弁のダイアフラム弁体と、サックバックバルブのダイアフラム弁体とを機械的に作動させるため、電気信号が出力される電気信号出力時間と作動を完了する作動完了時間との間にタイムラグが生じ、さらに、薬液弁の作動完了時間とサックバックバルブの作動完了時間との間にタイムラグが生じていた。
ここで、薬液弁とサックバックバルブは、各々のダイアフラム弁体を独立して作動させるため、ダイアフラム弁体の劣化の程度に差が生じ、タイムラグが経時的変化によってズレを生じていた。このタイムラグのズレにより、サックバックバルブが薬液を吸い戻すタイミングや液量などにバラツキが生じ、ひいては、薬液を塗布ノズルの先端から所定の位置まで引き込むことが困難な場合があった。
その弁の構造は、ダイアフラム弁体15と、それと略同一形状で逆向きに取り付けられたサックバック用ダイアフラム弁体とを連結棒23で連結させ、同期させて動かすことを基本的な技術的思想としている。
(1)特許文献1には明確に記載されていないが、本出願人の特願2002−77522号には、図5に示す薬液弁が開示されている。ただし、図5は、図中「上」「下」と記載されたように取り付けられるが、これは、特願2002−77522号の図1を90度回転させた状態を示している。
貫通孔10に嵌挿された連結棒11の左端部は円筒形状であり、弁座14に当接又は離間するダイアフラム弁体15に形成された円筒孔が、連結棒11の左端部に嵌合され連結されている。また、連結棒11の右端部は円筒形状であり、ダイアフラム弁体15と同一
形状をなすサックバック用ダイアフラム弁体16に形成された円筒孔が、連結棒11の右端部に嵌合され連結されている。これにより、ダイアフラム弁体15とダイアフラム弁体16とは逆向きに連結され、ダイアフラム弁体15とサックバック用ダイアフラム弁体16とは、貫通孔10に対して、対向する様にそれぞれ取り付けられている。
しかしながら、図2のように使用しても、ダイアフラム作動室17の上部に気泡が滞留する問題があった。
(1)流体が流れる流路上に設けられ、ダイアフラム弁体を作動させて弁座に当接又は離間させることにより流体の供給を制御するものであって、ダイアフラム弁体とサックバック用ダイアフラム弁体とを一体的に作動させるようにした薬液弁であって、一端がサックバック用ダイアフラム弁体と連結され、他端が球面状であってダイアフラム弁体と当接する連結棒を有する。
(2)(1)に記載する薬液弁において、前記サックバック用ダイアフラム弁体は、前記ダイアフラム弁体と略同一形状をなし、前記ダイアフラム弁体とは逆向きに取り付けられることを特徴とする。
上記(1)に記載する薬液弁によれば、ダイアフラム弁体側の連結棒の端部が球面状であって、ダイアフラム弁体と当接しているので、ダイアフラム弁体が連結棒に対して回動可能な状態にある。それにより、ダイアフラム弁体が弁座に当接したときに、ダイアフラム弁体がサックバック用ダイアフラムの影響を受けることが無いため、ダイアフラム弁体が弁座に均一に当接でき、シール性が向上する。ここで、ダイアフラム弁体と連結棒とは当接しているのみで連結されていないが、上下に設けられた圧縮バネによりダイアフラム弁体と連結棒とは常に当接する方向に付勢されているので、上下方向には連結された状態で作動している。
制御部は、円筒形状のシリンダ2にカバー3を取り付けてピストン室4が形成され、そのピストン室4にピストンロッド5が摺動可能に嵌挿されて、上側ピストン室4aと下側ピストン室4bに分割されている。ピストンロッド5には、上側ピストン室4aに装備された付勢バネ6によって常に図中下向きの力が作用している。その一方で、上側ピストン室4aにはカバー3に形成された吸排気ポート7が連通するとともに、下側ピストン室4bにはシリンダ2に形成された操作ポート8が連通している。そのため、ピストンロッド5には、操作ポート8から下側ピストン室4bに圧縮空気を流入させることによって図中左向きの力を作用させることができ、さらに、操作ポート8から圧縮空気を流出させることによって、図中右向きの力を解除させることができるようになっている。
貫通孔10に嵌挿された連結棒11の左端部11aは半球面状である。そして、弁座14に当接又は離間するダイアフラム弁体15の右端面には、左端部11aと略同じ形状の半球面孔が形成されている。その半球面孔に連結棒11の左端部11aが当接されており、連結棒11は、ダイアフラム弁体15に対して回動自在とされている。
連結棒11の右端部には、ダイアフラム弁体15と同一形状をなすサックバック用ダイアフラム弁体16がダイアフラム弁体15とは逆向きに固定され、そのダイアフラム弁体15とサックバック用ダイアフラム弁体16は制御部側(図中左側)開口部と反制御部側(図中右側)開口部に対向する様にそれぞれ取り付けられている。
従って、入力ポート12と出力ポート13は、ダイアフラム作動室17、弁座14、貫通孔10、サックバック室20を介して連通し、薬液の流路を形成している。
ダイアフラム作動室17の断面積は、ダイアフラムの薄膜部15b側が小さく弁座14側が大きく形成されている。すなわち、ダイアフラム作動室17の外壁部は弁座側に向かって広がるように傾斜が形成されている。その傾斜の頂点付近の一箇所、図中ダイアフラム作動室17の最上端部に気泡用開口18が形成されている。
気泡用開口18は、連通路40を介して気泡抜き弁室44と連通している。気泡抜き弁室44には、弁座39が形成されている。弁座39には、ダイアフラム弁体38が当接及び離間可能なように取り付けられている。ダイアフラム弁体38は、パイロット弁のピストンロッド32の右端部に連結されている。ピストンロッド32のピストン部は、シリンダ室45a,45bとを隔離している。シリンダ室45aには、パイロット空気供給口33が連通され、気泡抜き弁2を作動させるための作動空気が供給される。ピストンロッド32は、バネ34により常に弁座39に当接する方向に付勢されている。
一方、ピストンロッド32の左端には、調整ロッド35が当接しており、調整ロッド35の位置により、気泡抜きの量を調整可能としている。調整ロッド35は、調整つまみ36により調整され、ロックナット37により固定される。
図1の状態で操作ポート8から下側ピストン室4bに圧縮空気を供給すると、ピストンロッド5が付勢バネ6の力に反して図中上向きに移動し、ダイアフラム弁体15の弁体部15cを図1の状態から図2の状態まで引き上げる。そのため、ダイアフラム弁体15の弁体部15cは、弁座14から離間する一方、連結棒11を介してサックバック用ダイアフラム弁体16の弁体部16cをスプリング23の図中下方向の力に反して図1の状態から図2の状態まで引き上げる。これにより、入力ポート12と出力ポート13が弁座14を介して連通し、薬液が図示しない塗布ノズルから半導体ウエハ上に塗布される。
弁体15の弁体部15cは、弁座14に当接する一方、連結棒11を介してサックバック用ダイアフラム弁体16の弁体部16cを押し下げる。このとき、サックバック用ダイアフラム弁体16は、スプリング23の図中右向きの力を連結棒11を介してダイアフラム弁体15に伝達し、ダイアフラム弁体15には、付勢バネ6とスプリング23の図中右向きの力が作用して、弁体部15cが弁座14に密着する。これにより、入力ポート12と出力ポート13がダイアフラム弁体15で遮断され、薬液が塗布ノズル60から半導体ウエハ上に塗布されなくなる。
ここで、連結棒11の左端部11aが半球形状であり、一方ダイアフラム弁体15の右端面に略同じ半球形状孔が形成されていて、半球形状孔に左端部11aが当接しているので、連結棒11は、ダイアフラム弁体15と左右方向に一体的に移動しながら、回動できるため、ダイアフラム弁体15は、弁座14に対して均一な力で当接できる。これにより、シール性が向上し、流体が漏れるおそれがない。
c側端部を所定量Mだけ押し下げ、薄膜部15bによって仕切られる容積をSだけ小さくするため、ダイアフラム作動室17の容積が小さくなる。それに対して、サックバック用ダイアフラム弁体16では、図4に示すように、薄膜部16bの弁体部16c側端部を所定量Mだけ押し下げられ、薄膜部16bによって仕切られる容積がTだけ大きくなるため、サックバック室20の容積が大きくなる。ここで、ダイアフラム弁体15とサックバック用ダイアフラム弁体16とは同一形状をなし、しかも、薄膜部15b,16bの変位量が同じであるため、ダイアフラム作動室17の容積減少量Sとサックバック室20の容積増加量Tとが同じになり、ダイアフラム作動室17とサックバック室20の総容積は、ダイアフラム弁体15の閉動作によって変化しない。
パイロット空気供給口33に空気を供給することにより、ピストンロッド32が調整ロッド35に当接する位置まで左側に移動する。これにより、弁が開いて気泡抜き開口31と気泡抜き口44とが連通し、気泡は気泡抜き口44へと移動する。
このとき、ダイアフラム作動室17に傾斜が設けられており、気泡抜き開口31がダイアフラム作動室の最上部に形成されているので、ダイアフラム作動室17内にある全ての気泡を効率よく抜くことができる。
これにより、薬液を供給するときに薬液に気泡が混入することがなくなり、安定して薬液を供給することができる。
弁体16とを一体的に作動させるようにした薬液弁であって、一端がサックバック用ダイアフラム弁体16と連結され、他端11aが球面状であってダイアフラム弁体15と当接する連結棒11を有しているので、ダイアフラム弁体15が弁座14に当接したときに、ダイアフラム弁体15がサックバック用ダイアフラム16の影響を受けることが無いため、ダイアフラム弁体15が弁座14に均一に当接でき、シール性が向上する。
例えば、上記実施形態の連結棒の左端部11aは、半球形状としたが、半球状でなくても円弧状であってダイアフラム弁体15がある程度回動できるものであれば良い。
また、気泡抜き弁として空気圧によるパイロット弁を説明したが、電磁弁等を用いても良いのは当然である。
11 連結棒
14 弁座
15 ダイアフラム弁体
16 サックバック用ダイアフラム弁体
Claims (1)
- 流体が流れる流路上に設けられ、ダイアフラム弁体を作動させて弁座に当接又は離間させることにより流体の供給を制御するものであって、前記ダイアフラム弁体とサックバック用ダイアフラム弁体とを一体的に作動させるようにした薬液弁において、
前記ダイアフラム弁体がその一部を形成するものであり、前記ダイアフラム弁体側から前記弁座側へ広がるように外壁部に傾斜が設けられたダイアフラム弁室と、
前記傾斜の頂点付近に設けられた気泡用開口と、
前記気泡用開口と連通して、前記ダイアフラム作動室に停滞した気泡を自動的に排除する気泡抜き弁とを有することを特徴とする薬液弁。
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