JP2007177569A - 床構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】床を支持するC型鋼よりなる根太に対してダイナミックダンパを設置するに際して、重量床衝撃音をより効果的に低減することができるようにした床構造を提供する。
【解決手段】床を支持するC型鋼よりなる第1〜第6根太11〜16に対して、第1及び第2ダイナミックダンパD1、D2を抱き合わせた状態で次のように設置する。第1〜第6根太11〜16の長手方向の中央位置に一列状に設置する。第1〜第6根太11〜16の並び方向において両外側に配置された2本の梁1b、2dから該2本の梁1b、2d間の距離の1/4となる距離を隔てた位置に最も近い位置に配置された2本の第2及び第5根太12、15には、それらの長手方向に沿ってそれぞれ3箇所に設置する。
【選択図】図1
【解決手段】床を支持するC型鋼よりなる第1〜第6根太11〜16に対して、第1及び第2ダイナミックダンパD1、D2を抱き合わせた状態で次のように設置する。第1〜第6根太11〜16の長手方向の中央位置に一列状に設置する。第1〜第6根太11〜16の並び方向において両外側に配置された2本の梁1b、2dから該2本の梁1b、2d間の距離の1/4となる距離を隔てた位置に最も近い位置に配置された2本の第2及び第5根太12、15には、それらの長手方向に沿ってそれぞれ3箇所に設置する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば一般住宅や集合住宅(アパート、マンション)等の建築構造物の床構造に関する。
一般住宅等においては、床に飛び跳ねや踏み台からの降下等による衝撃が加わると振動が発生し、その振動が不快音や不快震動等の原因となることから問題となる。特に、複数階建ての戸建住宅や集合住宅等においては、居室や廊下の床に発生する振動や衝撃音が下階に直接的に伝播されるため、下階の住人にとっては甚だしい騒音となる場合がある。
そこで、一般住宅等の床に発生する振動や衝撃音を抑制するために、従来より種々の対策が講じられており、例えば特許文献1〜6に開示されているように、質量体として機能するマス部材と該マス部材を弾性支持しばねとして機能するばね部材とからなるダイナミックダンパを設置して遮音性能の向上を図るようにした床構造が知られている。特許文献1〜3には、コンクリート系住宅の床(スラブ)に対してダイナミックダンパを設置することにより、床に発生する振動や衝撃音を低減する方法が提案されている。また、特許文献4〜6には、一般住宅等の建築構造物において床を支持する梁や根太等の床支持部材に対してダイナミックダンパを設置することにより、床に発生する振動や衝撃音を低減する方法が提案されている。
このダイナミックダンパは、振動入力によって床や床支持部材が特定の周波数で振動するときに、床や床支持部材に対してマス部材がばね部材のばね作用を介して共振することにより、床や床支持部材の振動を減衰させて抑制することができる。なお、ダイナミックダンパの共振周波数は、マス部材の質量とばね部材のばね定数とによって基本的に定まり、低減すべき振動や衝撃音の周波数に合わせてチューニングされる。
ところで、床の遮音性能を向上させる方策として、床重量を重くする方法が有効であることから、高質量で高剛性の軽量気泡コンクリート(ALC)製の床パネルを床材として採用し、この床パネルを支持する梁や根太あるいは柱を鋼材で構成した鉄骨系住宅が増加している。このような鉄骨系住宅においても、上記のダイナミックダンパを梁や根太あるいは床パネル等に設置することによって、重量床衝撃音(63Hz帯域)を低減することが可能である。
しかし、重量床衝撃音をより効果的に低減できるようにするためには、床が振動するときの振動モードを考慮したり、ダイナミックダンパの設置箇所のバランスや重量効率等を考慮して工夫が必要となる。
特開昭62−170658号公報
特開平2−272138号公報
特開平3−260245号公報
特開2000−355994号公報
特開2003−278409号公報
特開2004−3280号公報
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、床を支持するC型鋼よりなる根太に対してダイナミックダンパを設置するに際して、重量床衝撃音をより効果的に低減することができるようにした床構造を提供することを解決すべき課題とするものである。
上記課題を解決する本発明は、矩形に組まれた梁の内側に互いに距離を隔てて並列状に配置されて前記梁と共に上階の床を支持するC型鋼よりなる複数本の根太に対して、マス部材と該マス部材を弾性支持するばね部材とからなる複数個のダイナミックダンパが設置されている床構造であって、前記ダイナミックダンパは、各前記根太の長手方向の中央位置に設置されているとともに、前記根太の並び方向において両外側に配置された2本の梁から該2本の梁間の距離の1/4となる距離を隔てた位置に最も近い位置に配置された根太には、該根太の長手方向に沿ってそれぞれ複数箇所に設置されていることを特徴としている。
本発明の床構造では、C型鋼よりなる各根太の長手方向の中央位置にダイナミックダンパが設置されていることにより、根太の並び方向においてダイナミックダンパが一列状に設置されている。また、根太の並び方向において両外側に配置された2本の梁から該2本の梁間の距離の1/4となる距離を隔てた位置に最も近い位置に配置された根太にはそれぞれ複数箇所にダイナミックダンパが設置されていることにより、根太の長手方向においてダイナミックダンパが二列状に設置されている。
このようにダイナミックダンパが設置された本発明の床構造において、飛び跳ねや踏み台からの下降等による衝撃が加わって床に振動が発生すると、各ダイナミックダンパのマス部材がばね部材のばね作用を介して共振することにより、床や床支持部材の特定の周波数の振動が抑制され、下階の部屋に伝播される放射音が低減される。本発明の床構造においては、上記のようにダイナミックダンパが設置されていることにより、重量床衝撃音をより効果的に低減することが可能となる。
本発明において、ダイナミックダンパ、矩形に組まれた梁の内側に互いに距離を隔てて並列状に配置されて梁と共に上階の床を支持するC型鋼よりなる複数本の根太に対して設置される。ダイナミックダンパは、各根太の長手方向中央位置に設置されていることにより、根太の並び方向においては一列状に設置され、所定の2本の根太にはそれぞれ複数箇所に設置されていることにより、根太の長手方向においては二列状に設置されている。なお、ダイナミックダンパが複数箇所に設置される根太は、根太の並び方向において両外側に配置された2本の梁から該2本の梁間の距離の1/4となる距離を隔てた位置に最も近い位置(特定位置)に配置された根太であるが、それに該当する(特定位置から等距離隔てている)根太が複数本ある場合には、何れかの根太を選択してもよく、或いは該当する全ての根太を選択してもよい。
本発明において採用されるダイナミックダンパは、従来より公知の種々のものを採用することができるが、C型鋼に設置されることを考慮すると、長尺柱状のマス部材と該マス部材の両端を弾性支持する一対のゴム弾性体(ばね部材)を有する一対の弾性支持部材とを備えたタイプのものが好適である。このタイプのものは、設置スペースを容易に確保することができる。また、ダイナミックダンパは、C型鋼(根太)のフランジ部よりもウエブに取付けるようにする方が好ましく、このようにすれば、より良好なダンパ効果が得られる。
また、ダイナミックダンパの1箇所の設置箇所には、C型鋼のウエブの両側面に抱き合わせた状態に、或いはC型鋼のウエブの一側面に並列状に抱き合わせた状態に、複数のダイナミックダンパを設置するようにしてもよい。このようにする場合、異なる共振周波数にチューニングされた複数のダイナミックダンパを設置するようにしてもよい。例えば、共振周波数が45Hz〜55Hzの範囲にチューニングされたものと、55Hz〜65Hzの範囲にチューニングされたものとを設置することにより、重量床衝撃音(63Hz帯域)をより効果的に低減することが可能となる。
本発明の床構造によれば、ダイナミックダンパは、各根太の長手方向の中央位置に設置されているとともに、根太の並び方向において両外側に配置された2本の梁から該2本の梁間の距離の1/4となる距離を隔てた位置に最も近い位置に配置された根太には、該根太の長手方向に沿ってそれぞれ複数箇所に設置されているため、重量床衝撃音をより効果的に低減することができる。具体的には、重量床衝撃音のΔ5dB以上の低減効果を達成することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔実施形態1〕
図1は本実施形態に係る床構造において上階の床を下階側から見たときのダイナミックダンパの設置箇所を模式的に示す説明図である。
〔実施形態1〕
図1は本実施形態に係る床構造において上階の床を下階側から見たときのダイナミックダンパの設置箇所を模式的に示す説明図である。
本実施形態の床構造は、図1に示すように、複数階建ての鉄骨系住宅において、上階の一つの部屋を区画する矩形の床を支持するC型鋼よりなる6本の第1〜第6根太11〜16に対して、共振周波数が異なる2種類の第1及び第2ダイナミックダンパD1、D2が抱き合わされた状態で所定箇所に設置されているものである。なお、本実施形態の床構造においては、床支持部材上に、所定の大きさの長方形板状に規格形成された複数枚の軽量気泡コンクリート(以下、「ALC」という。)製の床パネル(図示せず)が配設されている。
床パネルを支持する床支持部材は、C型鋼により2P×4P(Pは長方形に形成された1枚のALC製床パネルの幅方向の長さ単位)の大きさの長方形に組まれた二組の梁1a〜1d、2a〜2dを連結させて4P×4Pの大きさの正方形に組まれた梁1a〜1d、2a〜2dと、梁1a〜1c、2a、2c、2dの内側に互いに距離を隔てて並列状に配置されたC型鋼よりなる6本の第1〜第6根太11〜16とから構成されている。なお、二組の梁1a〜1d、2a〜2dは、図1の上方側で長方形に組まれた梁1a〜1dのうちの下方の長辺部(梁1d)と、図1の下方側で長方形に組まれた梁2a〜2dのうちの上方の長辺部(梁2b)とが平行に並んで接する状態に連結されている。
第1〜第6根太11〜16は、図1の左右方向において相対向する梁(1a、1c)(2a、2c)にそれぞれの両端が連結固定されて、図1において左右方向に延びる梁1b、1d、2b、2dと平行な状態で互いに距離を隔てて並列状に配置されている。この場合、第1〜第3根太11〜13及び第4〜第6根太14〜16は、それぞれ図1の上下方向において両外側に位置する2本の梁1b、2dの間の距離の1/8となる距離を隔てて等間隔に配設されている。なお、第2及び第5根太12、15は、それぞれ2本のC型鋼のウエブどうしを接合させて1本化することにより、強度が高められたものである。
これら第1〜第6根太11〜16に対して、第1ダイナミックダンパD1と第2ダイナミックダンパD2が抱き合わされた状態で次の10箇所に設置されている。6本の第1〜第6根太11〜16の全てに対しては、それらの長手方向の中央位置にそれぞれ設置されている。そして、図1の上下方向において両外側に位置する2本の梁1b、2dから、該2本の梁1b、2d間の距離の1/4となる距離を隔てた位置に最も近い位置に配置された2本の第2及び第5根太12、15には、それらの長手方向に沿って3箇所に設置されている。本実施形態の場合には、第2及び第5根太12、15の長手方向両端から、それらの長さの1/4となる距離を隔てた位置の2箇所にもそれぞれ設置されている。
上記のように設置される第1及び第2ダイナミックダンパD1、D2は、C型鋼のウエブに取付けられる一対の取付部材31、31と、両取付部材31、31の間に配置される柱状のマス部材32と、ばねとして機能するゴム弾性体33aとマス部材32の端部を保持するホルダ33bとを有し両取付部材31、31に対してマス部材32の両端を弾性支持する一対の弾性支持部材33、33と、マス部材32の落下を防止する落下防止部材34と、からなるものが採用されている。なお、第1ダイナミックダンパD1は、マス部材32の質量(7.5kg)とゴム弾性体33aのばね定数とに基づいて共振周波数が50Hzにチューニングされたものであり、第2ダイナミックダンパD2は、同様にして共振周波数が60Hzにチューニングされたものである。
これら共振周波数が異なる2個一組の第1及び第2ダイナミックダンパD1、D2は、図2〜図5に示すように、取付ボルト35及びナット36で取付部材31、31をC型鋼(第1〜第6根太11〜16)のウエブに固定することにより、C型鋼のウエブの両側面に背向するように抱き合わされた状態に取付けられている。なお、本実施形態の場合には、図3〜図5に示すように、第1及び第2ダイナミックダンパD1、D2がC型鋼のウエブの両側で対向するように取付けられているが、図6(図4と対応)及び図7(図5と対応)に示すように、C型鋼のウエブの片側に二つの第1及び第2ダイナミックダンパD1、D2を並列状に配置して抱き合わせた状態に設置するようにしてもよい。このようにすれば設置スペースの効率を向上させることが可能である。
なお、本実施形態の床構造において、床支持部材上に配設された床パネル全体を例えば50Hzで加振させた時の振動モードを、有限要素法による解析(FEM解析)により調べたところ、図1に示すような結果が得られた。即ち、図1の下側には、第1〜第6根太11〜16の並び方向に沿った方向に見たときの振動モードが模式的に示されている。また、図1の左側には、第1〜第6根太11〜16の長手方向に沿った方向に見たときの振動モードが模式的に示されている。
図1の下側に示された振動モードの場合には、中央の1箇所に腹が出現しており、その腹の位置は、第1〜第6根太11〜16の長手方向の中央位置に一列状に設置された第1及び第2ダイナミックダンパD1、D2の列と一致している。また、図1の左側に示された振動モードの場合には、中間の3箇所(第2根太12、梁1d、2b及び第5根太15の位置)に腹が出現しており、両側の2箇所の腹の位置は、第2及び第5根太12、15にそれらの長手方向に沿ってそれぞれ3箇所ずつ二列状に設置された第1及び第2ダイナミックダンパD1、D2の列と一致している。よって、第1及び第2ダイナミックダンパD1、D2は、両振動モードの腹の位置に対応して設置されている。
以上のように、本実施形態の床構造によれば、第1及び第2ダイナミックダンパD1、D2が、第1〜第6根太11〜16の長手方向の中央位置に設置されているとともに、第1〜第6根太11〜16の並び方向において両外側に配置された2本の梁1b、2dから該2本の梁1b、2d間の距離の1/4となる距離を隔てた位置に最も近い位置に配置された2本の第2及び第5根太12、15には、それらの長手方向に沿ってそれぞれ3箇所に設置されているため、重量床衝撃音をより効果的に低減することができる。具体的には、Δ5dB以上の良好な低減効果を達成できることが後述の試験により確認された。
特に、本実施形態の床構造では、ダイナミックダンパの1箇所の設置箇所に、共振周波数が50Hzにチューニングされた第1ダイナミックダンパD1と共振周波数が60Hzにチューニングされた第2ダイナミックダンパD2が抱き合わされた状態で設置されているため、同じ共振周波数(50Hz又は60Hz)にチューニングされた1種類のダイナミックダンパを同一箇所に同数設置した場合に比べて、重量床衝撃音をより効果的に低減することができる。この点についても、後述の試験により確認されているが、同じ共振周波数(50Hz又は60Hz)にチューニングされた1種類のダイナミックダンパを採用した場合でも、Δ5dB以上の低減効果を達成することが充分に可能である。
なお、本実施形態の床構造においては、床の中央を横切るように配置されている梁1d、2bには、構造上、ダイナミックダンパの設置が困難であるため設置されていないが、前記の有限要素法による解析(FEM解析)の結果から、梁1d、2bの位置にも振動モードの腹が出現するため、これら梁1d、2bに対してダイナミックダンパの設置が可能であれば、設置する方が好ましい。
〔試験〕
本発明の床構造について、重量床衝撃音の優れた低減効果が得られることを確認するため、JIS・A1418−2「建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法・第2部:標準重量衝撃源による方法」に基づき、オクターブバンド中心周波数63HzでのL値(床衝撃音レベル値)を測定して比較する試験を行った。この試験では、上記実施形態1の床構造を実施例1とし、実施例2として、共振周波数が50Hzの第1ダイナミックダンパD1を2セット一組として10箇所に設置したこと以外は実施例1と同じ床構造を準備し、実施例3として、共振周波数が60Hzの第2ダイナミックダンパD2を2セット一組として10箇所に設置したこと以外は実施例1と同じ床構造を準備した。
本発明の床構造について、重量床衝撃音の優れた低減効果が得られることを確認するため、JIS・A1418−2「建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法・第2部:標準重量衝撃源による方法」に基づき、オクターブバンド中心周波数63HzでのL値(床衝撃音レベル値)を測定して比較する試験を行った。この試験では、上記実施形態1の床構造を実施例1とし、実施例2として、共振周波数が50Hzの第1ダイナミックダンパD1を2セット一組として10箇所に設置したこと以外は実施例1と同じ床構造を準備し、実施例3として、共振周波数が60Hzの第2ダイナミックダンパD2を2セット一組として10箇所に設置したこと以外は実施例1と同じ床構造を準備した。
また、比較例1として、抱き合わせた状態で設置される第1及び第2ダイナミックダンパD1、D2が図8に示す箇所に設置されていること以外は実施例1と同じ床構造を準備した。この比較例1では、第2及び第5根太12、15には、長手方向の中央位置の1箇所に第1及び第2ダイナミックダンパD1、D2が設置されており、第1、第3、第4及び第6根太11、13、14、16には、それらの長手方向の両端からそれらの長さの1/4となる距離を隔てた位置の2箇所ずつに第1及び第2ダイナミックダンパD1、D2が設置されている。
上記の実施例1〜3及び比較例1の床構造は、床の下に下階の天井が配設されていない「天井なし」の構造のものである。これら実施例1〜3及び比較例1について、オクターブバンド中心周波数63HzでのL値を測定したところ、表1に示す結果が得られた。なお、表1に示すように、第1及び第2ダイナミックダンパD1、D2が設置されていないベースのL値は、77.8dBであった。
表1から明らかなように、比較例1の場合には、L値が73.0dBであり、ベースに対する低減効果がΔ4.8dB(Δ5dB以下)であることからそれほど良好とはいえない。これに対して、実施例1の場合には、L値が69.1dBであり、Δ8.7dBの大幅な低減効果が得られた。この結果から、実施例1の場合には、比較例1に対して、第1及び第2ダイナミックダンパD1、D2の設置箇所が異なるのみで、低減効果が大幅に上昇していることが解る。
また、実施例2の場合には、L値が70.9dBで、低減効果がΔ6.9dBであり、実施例3の場合には、L値が70.2dBで、低減効果がΔ7.6dBであった。この結果から、実施例2、3のように、実施例1に対して、共振周波数が同じ1種類のダイナミックダンパを採用した点で異なる場合でも、ダイナミックダンパが実施例1と同じ箇所に設置されていることにより、Δ6.9dB以上の充分な低減効果が得られることが解る。また、逆にいえば、実施例1のように、共振周波数が異なる2種類の第1及び第2ダイナミックダンパD1、D2を抱き合わせた状態で1箇所に設置することによって、より良好な低減効果が得られることが解る。
なお、上記試験でのL値の測定結果は、「天井なし」の床構造におけるものであるが、実在する住宅のように、床の下に下階の天井が配設されている「天井有り」の床構造においては、「天井なし」の床構造でΔ6dB以上の低減効果があれば、Δ5dB以上の低減効果を満足することができるため、実施例1〜3の何れの場合にもΔ5dB以上の低減効果が得られると考えられる。一方、比較例1の場合には、「天井なし」の床構造において低減効果がΔ4.8dBであるため、「天井有り」の床構造における低減効果は、4dB以下になると考えられる。なお、「天井なし」の床構造に対して「天井有り」の床構造にすると、減衰要素が増加するため、L値は下がる。
〔実施形態2〕
図9は本実施形態に係る床構造において上階の床を下階側から見たときのダイナミックダンパの配置状態を模式的に示す説明図である。
図9は本実施形態に係る床構造において上階の床を下階側から見たときのダイナミックダンパの配置状態を模式的に示す説明図である。
本実施形態の床構造は、図9に示すように、床パネルを支持する床支持部材が、2P×4Pの大きさに組まれた梁4a〜4dと1P×4Pの大きさに組まれた梁5a〜5dとを連結させて3P×4Pの大きさの長方形に組まれたC型鋼よりなる梁4a〜4d、5a〜5dと、梁4a〜4c、5a、5c、5dの内側に互いに距離を隔てて並列状に配置されたC型鋼よりなる4本の第1〜第4根太41〜44とから構成されている点で、上記実施形態1と異なるものである。なお、本実施形態では、第2根太42のみが2本のC型鋼のウエブどうしを接合させて1本化されている。
本実施形態の場合には、第1〜第4根太41〜44に対して、実施形態1と同様に構成された第1ダイナミックダンパD1と第2ダイナミックダンパD2が抱き合わされた状態で次の8箇所に設置されている。4本の第1〜第4根太41〜44の全てに対しては、それらの長手方向の中央位置にそれぞれ設置されている。そして、図9の上下方向において両外側に位置する2本の梁4b、5dから、該2本の梁4b、5d間の距離の1/4となる距離を隔てた位置に最も近い位置に配置された2本の第2及び第4根太42、44には、それらの長手方向に沿って3箇所に設置されている。本実施形態の場合には、第2及び第4根太42、44の長手方向両端から、それらの長さの1/4となる距離を隔てた位置の2箇所にもそれぞれ設置されている。
なお、梁4bから、2本の梁4b、5d間の距離の1/4となる距離を隔てた位置(特定位置)に最も近い位置に配置された根太として第2根太42が選択されているが、第1根太41も特定位置から略等距離隔てているので、第2根太42に代えて第1根太41に或いはその両方に、第1及び第2ダイナミックダンパD1、D2を複数箇所に設置するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態の床構造の場合にも、第1及び第2ダイナミックダンパD1、D2が、第1〜第4根太41〜44の長手方向の中央位置に設置され、第1〜第4根太41〜44の並び方向において両外側に配置された2本の梁4b、5dから該2本の梁4b、5d間の距離の1/4となる距離を隔てた位置に最も近い位置に配置された2本の第2及び第4根太42、44には、それらの長手方向に沿ってそれぞれ3箇所に設置されているため、重量床衝撃音をより効果的に低減することができ、実施形態1の場合と同様の作用及び効果を奏する。
1a〜1d、2a〜2d、4a〜4d、5a〜5d…梁、 11〜16…第1〜第6根太、 41〜44…第1〜第4根太、 D1…第1ダイナミックダンパ、 D2…第2ダイナミックダンパ、 31…取付部材、 32…マス部材、 33…弾性支持部材、 33a…ゴム弾性体、 33b…ホルダ、 34…落下防止部材、 35…取付ボルト、 36…ナット。
Claims (4)
- 矩形に組まれた梁の内側に互いに距離を隔てて並列状に配置されて前記梁と共に上階の床を支持するC型鋼よりなる複数本の根太に対して、マス部材と該マス部材を弾性支持するばね部材とからなる複数個のダイナミックダンパが設置されている床構造であって、
前記ダイナミックダンパは、各前記根太の長手方向の中央位置に設置されているとともに、前記根太の並び方向において両外側に配置された2本の梁から該2本の梁間の距離の1/4となる距離を隔てた位置に最も近い位置に配置された根太には、該根太の長手方向に沿ってそれぞれ複数箇所に設置されていることを特徴とする床構造。 - 前記ダイナミックダンパの1箇所の設置箇所には、共振周波数が異なる複数のダイナミックダンパが設置されている請求項1に記載の床構造。
- 前記ダイナミックダンパは、共振周波数が45Hz〜55Hzの範囲にチューニングされたものと、55Hz〜65Hzの範囲にチューニングされたものが設置されている請求項2に記載の床構造。
- 前記ダイナミックダンパは、前記C型鋼のウエブに取付けられている請求項1〜3の何れか1項に記載の床構造。
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