JP4560733B2 - 木質系住宅の床構造 - Google Patents

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本発明は、例えば一般住宅や集合住宅(アパート、マンション)等の木質系住宅の床構造に関する。
一般住宅等においては、床に飛び跳ねや踏み台からの降下等による衝撃が加わると振動が発生し、その振動が不快音や不快震動等の原因となることから問題となる。特に、複数階建ての戸建住宅や集合住宅等においては、居室や廊下の床に発生する振動や衝撃音が下階に直接的に伝播されるため、下階の住人にとっては甚だしい騒音となる場合がある。
そこで、一般住宅等の床に発生する振動や衝撃音を抑制するために、従来より種々の対策が講じられており、例えば木質系住宅においては、特許文献1〜3に開示されているような床衝撃音対策が主流である。特許文献1には、根太上に床材として張設される二層の合板の間に石膏ボードを張設することにより、防耐火性能及び遮音性能の向上を図った床構造が開示されている。また、特許文献2及び3には、床根太上に配設される床下地板と床仕上げ板との間に緩衝シート材や制振シート(アスファルトシート)等の遮音シートを介在させることにより、防音効果や軽量床衝撃音遮断性能の向上を図った床構造が開示されている。
また、コンクリート系住宅や鉄骨系住宅においては、特許文献4〜6に開示されているように、床(スラブ)或いは該床を支持する梁や根太等の床支持部材に対して、質量体として機能するマス部材と該マス部材を弾性支持しばねとして機能するばね部材とからなるダイナミックダンパを設置して、床に発生する振動や衝撃音を低減する方法が提案されている。このダイナミックダンパは、振動入力によって床や床支持部材が特定の周波数で振動するときに、床や床支持部材に対してマス部材がばね部材のばね作用を介して共振することにより、床や床支持部材の振動を減衰させて抑制することができる。なお、ダイナミックダンパの共振周波数は、マス部材の質量とばね部材のばね定数とによって基本的に定まり、低減すべき振動や衝撃音の周波数に合わせてチューニングされる。
ところで、建築構造物の床の遮音性能は、JIS・A1418−2「建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法・第2部:標準重量衝撃源による方法」に基づいて一般に評価されている。この評価において、上記特許文献1〜3のように、木質系住宅に対して石膏ボードや遮音シートを敷設した場合には、重量床衝撃音(63Hz帯域)のレベル等級がLH70程度となっており、良好な遮音性能とはいえない。即ち、木質系住宅においては、石膏ボードや遮音シート等を採用することによって、重量床衝撃音を充分に低減させることは困難である。
なお、床の遮音性能を向上させる方策として、床重量を重くする方法が有効であることから、石膏ボードや遮音シートの敷設量(重量)を多くすることにより、遮音性能を向上させることが可能である。しかし、床重量がアップするのに伴い、躯体や基礎を大きくしたり頑強に補強する必要があるため、建築構造物の基本構造の変更やコストアップを招くこととなり、床重量を重くする方法には限界がある。
そこで、木質系住宅の床や床支持部材に、ダイナミックダンパを設置することが考えられるが、木質系住宅の床や床支持部材は主として木質材料で構成されていることから、コンクリート系住宅や鉄骨系住宅の床構造に比べて、強度や特性或いは諸条件等が種々異なるため、重量床衝撃音の低減をより効果的にできるようにするためには、ダイナミックダンパの設置箇所のバランスや重量効率等を考慮して工夫が必要となる。
特開平6−57861号公報 特開平6−322951号公報 特開2001−132151号公報 特開昭62−170658号公報 特開平3−260245号公報 特開2004−3280号公報
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、木質系住宅の床や床支持部材に対してダイナミックダンパを設置するに際して、重量床衝撃音をより効果的に低減することができるようにした木質系住宅の床構造を提供することを解決すべき課題とするものである。
本願発明者等は、木質系住宅の床や床支持部材に対するダイナミックダンパの設置箇所のバランスや重量効率等を考慮して鋭意研究を重ねた結果、重量床衝撃音をより効果的に低減することができる最適な床構造を見出した。即ち、上記課題を解決する本発明は、上階の一つの部屋を区画する矩形の床又は該床を支持する床支持部材に対して、マス部材と該マス部材を弾性支持するばね部材とからなる複数個のダイナミックダンパが設置されている木質系住宅の床構造であって、前記ダイナミックダンパは、床面の対角線の交点位置と各該対角線の両端から各該対角線の長さの1/4となる距離を隔てた位置の合計5箇所に設置され、前記床面の一方側で相対向する二辺から該二辺間の距離の1/8となる距離を隔てた位置を通るそれぞれの直線上の少なくとも1箇所に設置され、前記二辺から該二辺間の距離の1/4となる距離を隔てた位置を通るそれぞれの直線に沿ってそれぞれ複数箇所に設置され、前記二辺から該二辺間の距離の3/8となる距離を隔てた位置を通るそれぞれの直線に沿ってそれぞれ複数箇所に設置されていることを特徴としている。
本発明の木質系住宅の床構造において、飛び跳ねや踏み台からの下降等による衝撃が加わって床に振動が発生すると、床又は床支持部材に設置されているダイナミックダンパのマス部材がばね部材のばね作用を介して共振することにより、床や床支持部材の特定の周波数の振動が抑制され、これにより下階の部屋に伝播される放射音が低減される。本発明の床構造においては、床又は床支持部材に対して、ダイナミックダンパが上記のように配設されていることにより、重量床衝撃音をより効果的に低減することが可能となる。
本発明において、ダイナミックダンパは、上階の一つの部屋を区画する矩形の床又は該床を支持する床支持部材に対して、上記の複数の設置特定箇所に複数個のものが設置される。この場合、床とは、床材として採用される例えば木質系のパネル材や板材等のことである。また、床支持部材とは、矩形に組まれた梁や、該梁の内側に互いに距離を隔てて並列状に配設された複数本の根太等のことであるが、本発明においては、主として根太にダイナミックダンパが設置される。
ダイナミックダンパは、その設置特定箇所を規定する、床面の対角線上、床面の一方側で相対向する二辺から該二辺間の距離の1/8となる距離を隔てた位置を通る直線上、前記二辺から該二辺間の距離の1/4となる距離を隔てた位置を通る直線上、及び前記二辺から該二辺間の距離の3/8となる距離を隔てた位置を通る直線上に、ダイナミックダンパの一部が位置するように設置される。なお、床面の前記二辺から該二辺間の距離の3/8となる距離を隔てた位置を通る各直線上に設置されるダイナミックダンパは、床面の各対角線上に設置されていることが好ましい。このようにすれば、重量床衝撃音の更なる低減効果が期待できる。
床に対してダイナミックダンパを設置する場合には、通常、床の裏面にダイナミックダンパを固定することにより設置されるが、ダイナミックダンパの上記の設置特定箇所に床支持部材等が配設されているときには、その設置特定箇所付近で最も近い設置可能な所にダイナミックダンパが設置される。一方、床支持部材に対してダイナミックダンパを設置する場合には、ダイナミックダンパの上記の設置特定箇所に配設されている床支持部材に対してダイナミックダンパが設置される。なお、ダイナミックダンパの上記の設置特定箇所に床支持部材が配設されていないときには、その設置特定箇所に最も近い位置に配設された床支持部材に対してダイナミックダンパが設置される。
本発明において採用されるダイナミックダンパは、従来より公知の種々のものを採用することができ、特に限定されない。例えば、長尺柱状のマス部材と該マス部材の両端を弾性支持するゴム弾性体を有する一対の弾性支持部材とを備えたタイプのものや、ブロック状のマス部材と該マス部材を弾性支持するブロック状のゴム弾性体(弾性支持部材)とを備えたタイプのもの、更には、ブロック状のマス部材とブロック状のゴム弾性体とからなる複数個のダイナミックダンパを組み合わせたマルチタイプのものなど、設置箇所や設置スペース等を考慮して適宜選択することができる。
なお、ダイナミックダンパの振動低減効果をより良好に発揮させるためには、ダイナミックダンパのマス部材の総重量が、床の総重量の5〜20%にされているのが好ましい。マス部材の総重量が床の総重量の5%未満であると、ダイナミックダンパによる充分なダンパ効果を期待できなくなる。逆に、マス部材の総重量が床の総重量の20%を越えると、躯体や基礎を大きくしたり頑強に補強する必要があり、住宅の基本構造の変更やコストアップを招くこととなる。
本発明の木質系住宅の床構造によれば、ダイナミックダンパは、床面の2本の対角線の交点位置と各該対角線の両端から各該対角線の長さの1/4となる距離を隔てた位置の合計5箇所に設置され、床面の一方側の相対向する二辺から該二辺間の距離の1/8となる距離を隔てた位置を通るそれぞれの直線上の少なくとも1箇所に設置され、前記二辺から該二辺間の距離の1/4となる距離を隔てた位置を通るそれぞれの直線に沿ってそれぞれ複数箇所に設置され、前記二辺から該二辺間の距離の3/8となる距離を隔てた位置を通るそれぞれの直線に沿ってそれぞれ複数箇所に設置されているため、重量床衝撃音をより効果的に低減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態に係る木質系住宅の床構造において上階の床を下階側から見たときのダイナミックダンパの配置状態を示す説明図である。
本実施形態の木質系住宅の床構造は、図1に示すように、上階の一つの部屋を区画する矩形の床1を支持する床支持部材に対して、22個のダイナミックダンパD、…、Dが所定個所に設置されているものである。ここでの床1は、床支持部材上に、木質のパネル材や板材等の複数の床材を重ね合わせた状態で張設されている。この床1を支持する床支持部材は、木材により床1と同じ大きさの矩形に組まれた梁2a〜2dと、該梁2a〜2dの内側に互いに距離を隔てて並列状に配設された7本の第1〜第7根太11〜17とにより構成されている。
第1〜第7根太11〜17は、矩形に組まれた梁2a〜2dの一方側(図1において左右方向となる側)で相対向する2本の梁2a、2cにそれぞれの両端が連結固定されて、矩形に組まれた梁2a〜2dの他方側(図1において上下方向となる側)で相対向する2本の各梁2b、2dから両梁2b、2d間の距離の1/8となる距離を隔てて等間隔に配設されている。即ち、梁2a〜2dが床1と同じ大きさの矩形に組まれていることから、第1〜第7根太11〜17は、床1に対して、床面の一方側で相対向する二辺から該二辺間の距離の1/8となる距離を隔てて等間隔に配設されている。
ダイナミックダンパD、…、Dは、第1〜第7根太11〜17の全てに対して、次の個所に設置されている。床面の2本の対角線La、Laの交点位置P1を通るように中央に配設された第4根太14には、交点位置P1の両側面にそれぞれ1個ずつダイナミックダンパD、Dが設置されている。各対角線La、Laの両端から各対角線La、Laの長さの1/4となる距離を隔てた位置P2〜P5を通るように配設された第2及び第6根太12、16には、位置P2〜P5の両側面にそれぞれ1個ずつダイナミックダンパD、Dが設置されている。この第2及び第6根太12、16には、長手方向の中央の両側面にもそれぞれ1個ずつダイナミックダンパD、Dが設置されており、それぞれ3箇所ずつに設置されている。
そして、2本の各梁2b、2dから両梁2b、2d間の距離の1/8となる距離を隔てた位置を通る直線上に配設された第1及び第7根太11、17には、第1及び第7根太11、17の両端からそれらの長さの3/8となる距離を隔てた位置の内側面に、それぞれ1個ずつダイナミックダンパD、…、Dが設置されている。また、2本の各梁2b、2dから両梁2b、2d間の距離の3/8となる距離を隔てた位置を通る直線上に配設された第3及び第5根太13、15には、第3及び第5根太13、15の両端からそれらの長さの3/8となる距離を隔てた位置の内側面に、それぞれ1個ずつダイナミックダンパD、…、Dが設置されている。
なお、本実施形態では、ダイナミックダンパD、…、Dは、第1〜第7根太11〜17に互いに距離を隔ててビス止めにより取付けられる一対の取付部材と、一対の該取付部材の間に配置される長尺柱状のマス部材と、一対の前記取付部材にそれぞれ設けられて前記マス部材の両端を弾性支持する一対のゴム弾性支持部材(ばね部材)とからなり、重量が5.0kgのものが採用されている。このダイナミックダンパD、…、Dは、マス部材の質量とゴム弾性支持部材のばね定数とに基づいて、共振周波数が50Hzとなるようにチューニングされている。ダイナミックダンパD、…、Dのマス部材の総重量は、床1の総重量の5〜20%の範囲になるように設定されている。
以上のように構成された本実施形態の木質系住宅の床構造について、JIS・A1418−2「建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法・第2部:標準重量衝撃源による方法」に基づいて遮音性能を調べる試験を行ったところ、図2に示す結果が得られた。なお、この試験においては、床1にタイヤを落下させて加振する位置(打点)は、床面の対角線の交点位置と、各対角線の両端から各対角線の長さの1/4となる距離を隔てた位置の合計5箇所とした。また、この場合の床構造は、床1の下に下階の天井が配設されている構造のものである。
図2からも明らかなように、ダイナミックダンパが設置されていないベースの場合には、オクターブバンド中心周波数63HzでのL値(床衝撃音レベル値)は72.0dBであるのに対して、本実施形態の床構造のように22セットのダイナミックダンパが設置されている場合にはL値が65.6dBに低下している。よって、本実施形態の床構造によれば、ダイナミックダンパが設置されていないベースの場合に比べて、Δ6.4dBの大幅な低減効果が得られることが解る。
以上のように、本実施形態の木質系住宅の床構造は、床1を支持する第1〜第7根太11〜17に対して、上記のような特定個所に複数個のダイナミックダンパD、…、Dが設置されているため、ダイナミックダンパD、…、Dの設置箇所のバランスや重量効率を高めて、重量床衝撃音をより効果的に低減することができる。なお、本実施形態のようなダイナミックダンパの設置特定箇所は、下記の試験により導き出されたものである。
〔試験〕
本発明の木質系住宅の床構造を完成するに際して、床1の下に下階の天井が配設されていないこと以外は上記実施形態と同じ床構造において、ダイナミックダンパの設置個数や設置箇所を種々変更したパターンA〜Dの4パターンについて、オクターブバンド周波数63HzでのそれぞれのL値を測定し、遮音性能を比較する試験を行った。この試験は、JIS・A1418−2「建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法・第2部:標準重量衝撃源による方法」に基づいて、上記実施形態の場合と同じ方法で行った。
パターンAは、図3に示すように、ダイナミックダンパ(図中、黒太線で示されている)を14セット設置したもので、床重量比は11.8%である。パターンA1では、第1〜第7根太11〜17の全てに1セット以上のダイナミックダンパが設置されているのに対して、パターンA2では、第1及び第7根太11、17にダイナミックダンパが設置されていない点で大きく異なる。また、パターンA1では、第3及び第5根太13、15にダイナミックダンパが1セットずつ設置されているのに対して、パターンA2では、第3及び第5根太13、15にダイナミックダンパが2セットずつ設置されている点で異なる。この場合、パターンA1のL値は70.7dBであり、パターンA2のL値は71.0dBであった。この結果から、パターンA1のように、ダイナミックダンパが第1〜第7根太11〜17の全てに設置されている方が遮音効果が高いことが解る。
パターンBは、図4に示すように、ダイナミックダンパ(図中、黒太線で示されている)を18セット設置したもので、床重量比は15.2%である。パターンB1では、第2及び第6根太12、16にそれぞれダイナミックダンパが4セットずつ設置され、第1及び第7根太11、17にそれぞれダイナミックダンパが2セットずつ設置されている。これに対して、パターンB2では、第2及び第6根太12、16にそれぞれダイナミックダンパが5セットずつ設置され、第1及び第7根太11、17にそれぞれダイナミックダンパが1セットずつ設置されている点で異なる。この場合、パターンB1のL値は70.3dBであり、パターンB2のL値は69.7dBであった。この結果から、パターンB2のように、床への加振位置(4箇所の打点位置)に配設されている第2及び第6根太12、16には、より多くのダイナミックダンパが設置されている方が遮音効果が高いことが解る。
パターンCは、図5に示すように、ダイナミックダンパ(図中、黒太線で示されている)を22セット設置したもので、床重量比は18.6%である。パターンC1では、第1根太11、第3根太13、第5根太15及び第7根太17にそれぞれダイナミックダンパが2セットずつ設置され、第4根太14にはダイナミックダンパが2セット設置されている。これに対して、パターンC2では、第1根太11、第3根太13、第5根太15及び第7根太17にそれぞれダイナミックダンパが1セットずつ設置され、第4根太14にはダイナミックダンパが6セット設置されている点で異なる。この場合、パターンC1のL値は67.7dBであり、パターンC2のL値は69.1dBであった。この結果から、パターンC1のように、第2及び第6根太12、16のそれぞれの両側に位置する第1根太11、第3根太13、第5根太15及び第7根太17には、ダイナミックダンパが複数設置されている方が遮音効果が高いことが解る。
パターンDは、図6に示すように、ダイナミックダンパ(図中、黒太線で示されている)を28セット設置したもので、床重量比は23.7%である。パターンD1では、第1及び第7根太11、17にそれぞれダイナミックダンパが2セットずつ設置され、第2根太12、第4根太14及び第6根太16にそれぞれダイナミックダンパが6セットずつ設置され、第3及び第5根太13、15にはダイナミックダンパが3セットずつ設置されている。これに対して、パターンC2では、第1〜第7根太11〜17にそれぞれダイナミックダンパが4セットずつ均等に設置されている点で異なる。この場合、パターンD1のL値は67.5dBであり、パターンC2のL値は70.2dBであった。この結果から、パターンD1のように、床への加振位置(5箇所の打点位置)に配設されている第2根太12、第4根太14及び第6根太16には、より多くのダイナミックダンパが設置されている方が遮音効果が高いことが解る。
以上のパターンA〜Dの結果より、次のようなダイナミックダンパの最適な設置条件が見出された。即ち、ダイナミックダンパは、(1)床面の対角線の交点位置と各該対角線の両端から各該対角線の長さの1/4となる距離を隔てた位置の合計5箇所に設置されていること(パターンDより)、(2)前記床面の一方側で相対向する二辺から該二辺間の距離の1/8となる距離を隔てた位置を通る直線上の少なくとも1箇所にダイナミックダンパが設置されていること(パターンAより)、(3)前記二辺から該二辺間の距離の1/4となる距離を隔てた位置を通る直線に沿ってそれぞれ複数箇所に設置されていること(パターンBより)、(4)前記二辺から該二辺間の距離の3/8となる距離を隔てた位置を通る直線に沿ってそれぞれ複数箇所に設置されていること(パターンCより)、により、ダイナミックダンパの設置箇所のバランスや重量効率を高めて、重量床衝撃音をより効果的に低減することができる。
本発明の実施形態に係る木質系住宅の床構造において上階の床を下階側から見たときのダイナミックダンパの配置状態を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る木質系住宅の床構造のレベル等級の測定結果を示すグラフである。 試験においてパターンAの場合のダイナミックダンパの設置状態を示す説明図である。 試験においてパターンBの場合のダイナミックダンパの設置状態を示す説明図である。 試験においてパターンCの場合のダイナミックダンパの設置状態を示す説明図である。 試験においてパターンDの場合のダイナミックダンパの設置状態を示す説明図である。
符号の説明
1…床、2a〜2d…梁、11〜17…第1〜第7根太、D…ダイナミックダンパ。

Claims (4)

  1. 上階の一つの部屋を区画する矩形の床又は該床を支持する床支持部材に対して、マス部材と該マス部材を弾性支持するばね部材とからなる複数個のダイナミックダンパが設置されている木質系住宅の床構造であって、
    前記ダイナミックダンパは、床面の対角線の交点位置と各該対角線の両端から各該対角線の長さの1/4となる距離を隔てた位置の合計5箇所に設置され、前記床面の一方側で相対向する二辺から該二辺間の距離の1/8となる距離を隔てた位置を通るそれぞれの直線上の少なくとも1箇所に設置され、前記二辺から該二辺間の距離の1/4となる距離を隔てた位置を通るそれぞれの直線に沿ってそれぞれ複数箇所に設置され、前記二辺から該二辺間の距離の3/8となる距離を隔てた位置を通るそれぞれの直線に沿ってそれぞれ複数箇所に設置されていることを特徴とする木質系住宅の床構造。
  2. 前記二辺から該二辺間の距離の3/8となる距離を隔てた位置を通る各前記直線上に設置される前記ダイナミックダンパは、各前記対角線上に設置されている請求項1に記載の木質系住宅の床構造。
  3. 前記床支持部材は、矩形に組まれた梁と該梁の内側に互いに距離を隔てて並列状に配設された複数本の根太とからなり、各該根太に対して前記ダイナミックダンパが設置されている請求項1又は2に記載の木質系住宅の床構造。
  4. 前記ダイナミックダンパの前記マス部材の総重量は、前記床の総重量の5〜20%にされている請求項1〜3の何れか1項に記載の木質系住宅の床構造。
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