JP2007173220A - アルカリ電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルカリ電池において、保存中の水素ガス発生を抑制し、保存特性を向上させる。
【解決手段】正極と、負極と、負極と接触する導電部材とを有し、負極は、亜鉛を含む負極活物質と、アルカリ電解液とを含み、アルカリ電解液は、水酸化カリウム水溶液を含み、負極活物質と、アルカリ電解液と、導電部材の負極との接触面とが、同一の金属元素Mを含み、金属元素Mは、亜鉛以外の金属元素である、アルカリ電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池内部での水素ガス発生を抑制できる保存特性に優れたアルカリ電池に関する。
一般的なアルカリ電池は、アルカリ電解液として水酸化カリウム水溶液を含み、負極活物質として粒子状の亜鉛を含む。しかし、亜鉛はアルカリ電解液中では腐食しやすい。よって、亜鉛粒子の表面から亜鉛が溶解する自己放電反応が生じる。亜鉛の溶解は、亜鉛イオンと電子とを生成させる。亜鉛粒子の表面では、生成した電子と電解液中のプロトンとが反応し、水素ガスが発生する。電池内部で発生した水素ガスは、電池内圧を上昇させ、保存中にアルカリ電解液の漏液を生じさせることがある。
亜鉛の自己放電を抑制する最も有効な手段は、水銀を用い、亜鉛をアマルガム化させることである。水銀は、亜鉛粒子の表面を完全に覆うことが可能であり、かつ水素過電圧が大きい。しかし、現在は、環境への配慮から他の代替手段が用いられている。代替手段としては、亜鉛を他の金属と合金化して、耐食性を向上させる方法が一般的である。他の金属には、例えばアルミニウム、カルシウム、ビスマス、インジウムなどが用いられている。また、アルカリ電解液中に酸化亜鉛や水酸化亜鉛を予め溶解させておくことで、亜鉛の腐食を抑制する方法も挙げられる。
しかし、亜鉛の耐食性の向上だけでは、電池内部での水素ガス発生を低減する十分な効果は得られない。そこで、アルカリ乾電池では、電池内部に水素ガスが逃げ込む空間を設け、水素ガス発生による電池内圧の上昇を抑制している。
アルカリ電池内部での水素ガス発生を抑制する手段として、特許文献1は、負極集電体の表面を水素過電圧の高い金属でコーティングすることを提案している。また、特許文献1は、電解液または負極活物質中にインヒビターを添加することを提案している。特許文献2および3は、ビスマス、スズ等を亜鉛合金に含有させ、亜鉛合金粉体にインジウム酸化物などの無機インヒビターを添加することを提案している。
なお、酸化銀電池では、正極活物質である酸化銀が、負極で発生した水素ガスを水へ酸化させる触媒作用を有する。これにより、水素ガスが電池内部に蓄積する速度が遅くなる。よって、電池内圧の上昇が緩やかになり、漏液を防止することができる。
特開平7−6759号公報 特開平10−334904号公報 特開平10−334906号公報
特許文献1が提案するように、集電体の表面を水素過電圧の高い金属でコーティングすることで、集電体表面からの水素ガス発生は抑制される。一方、集電体よりも表面積の大きな亜鉛合金粒子からの水素ガス発生は抑制することができない。よって、水素ガス発生を抑制する十分な効果は得られていない。
また、特許文献1が提案するように、電解液または負極活物質中にインヒビターとして無機化合物が添加された場合、亜鉛合金粒子の表面では、いわゆる置換メッキ反応が生じる。すなわち、亜鉛の溶解が起こると同時に、無機化合物から生じた金属イオンが、粒子表面に金属となって析出する。その際、亜鉛合金粒子の表面では、電解液中のプロトンに電子が供与されて水素ガスが発生する反応が競争的に起こる。そのため、保存初期の水素ガス発生量は大きくなる。
特許文献2および3が提案するように、ビスマス、スズ等を亜鉛合金に含有させ、さらに亜鉛合金粉体に無機インヒビターを添加する場合も、同様に、水素ガス発生を抑制する十分な効果は得られない。
さらに、負極活物質と集電体との間に局部電池が形成されるため、亜鉛の溶解反応と、負極活物質表面での金属の析出反応とが促進される。そのため、負極活物質と集電体との接触抵抗が増大し、保存中の電池の内部抵抗が大きく増加する。よって、重負荷放電性能、特にパルス放電特性が低下してしまう。
インヒビターとして有機化合物を添加する場合には、有機インヒビターが亜鉛合金粒子の表面を覆うことで、水素ガス発生の活性点が減少し、保存初期の水素ガス発生は抑制される。しかし、粒子の表面を被覆した有機インヒビターが、亜鉛の反応を阻害するため、放電特性が低下してしまう。さらに、有機インヒビターで被覆された亜鉛合金は、放電により微細化しやすく、亜鉛合金の表面から剥離した有機インヒビターは、粒子表面に再吸着しにくい。そのため、放電後の粒子表面からの水素ガス発生が増大する。
上記のように、負極活物質や集電体の表面で置換メッキ反応が起こる際には、水素ガス発生反応が同時に生じるため、保存初期の水素ガス発生量が大きくなる。よって、競争的に生じる水素ガス発生反応を抑制することが望まれる。また、重負荷放電特性の低下を抑制するには、負極活物質と集電体との接触抵抗の増大を抑制する必要がある。
アルカリ電池のなかでもボタン型空気電池は、電池内部に水素ガスが逃げ込む空間を設けることが困難である。仮に空間を設けた場合、負極活物質の充填量を減少させる必要があるため、十分な放電容量を確保できなくなる。酸化銀電池のように、水素ガスを水へ酸化させる触媒を空気電池の正極(空気電極)に用いることも考えられるが、正極の酸素還元能力の低下や製造コストの上昇を招く。
以上を鑑み、本発明は、電池内部での水素ガス発生を抑制し、未使用時および部分放電後の両方の状態において、優れた保存特性を有するアルカリ電池を提供することを目的とする。
本発明は、正極と、負極と、負極と接触する導電部材とを有し、負極は、亜鉛を含む負極活物質と、アルカリ電解液とを含み、アルカリ電解液は、水酸化カリウム水溶液を含み、負極活物質と、アルカリ電解液と、導電部材の負極との接触面とが、同一の金属元素Mを含み、金属元素Mは、亜鉛以外の金属元素である、アルカリ電池に関する。
負極活物質は、金属元素Mと亜鉛とを含む合金を含むことが好ましい。
アルカリ電解液は、水酸化カリウム水溶液と、水酸化カリウム水溶液に溶解した溶質とを含み、溶質は、亜鉛化合物と、金属元素Mを含む化合物とを含むことが好ましい。
導電部材は、金属元素Mを含む合金または金属元素Mの単体を含むことが好ましい。
導電部材は、負極との接触面に、金属元素Mを含むメッキを有するものでもよい。
金属元素Mは、銅、スズおよびインジウムからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
アルカリ電解液における金属元素Mの含有量は、0.0016〜0.079重量%であることが好ましい。
負極活物質における金属元素Mの含有量は、0.0015〜0.06重量%であることが好ましい。
溶質は、更に、リチウム化合物を含むことが好ましい。アルカリ電解液におけるリチウム化合物の含有量は、0.01〜2重量%であることが好ましい。
また、本発明は、正極ケースと、正極ケースに収容された中空円筒状の正極と、中空に充填された負極と、負極に挿入された負極集電体とを有し、負極は、亜鉛を含む負極活物質と、アルカリ電解液とを含み、アルカリ電解液は、水酸化カリウム水溶液を含み、負極活物質と、アルカリ電解液と、負極集電体の表面とが、同一の金属元素Mを含み、金属元素Mは、亜鉛以外の金属元素である、アルカリ乾電池に関する。
また、本発明は、負極ケースと、負極ケースに収容された負極と、負極と対向する空気電極とを有し、負極は、亜鉛を含む負極活物質と、アルカリ電解液とを含み、アルカリ電解液は水酸化カリウム水溶液を含み、負極活物質と、アルカリ電解液と、負極ケースの負極との接触面とが、同一の金属元素Mを含み、金属元素Mは、亜鉛以外の金属元素である、空気亜鉛電池に関する。
さらに、本発明は、水酸化カリウムを含むアルカリ電解液を得る工程と、ゲル化剤と負極活物質とを含み、負極活物質が亜鉛と亜鉛以外の金属元素Mとを含む負極合剤を得る工程と、アルカリ電解液と、負極合剤とを混合して、ゲル状の負極を得る工程と、負極に、金属元素Mを含む導電部材を接触させる工程とを有するアルカリ電池の製造方法に関する。アルカリ電解液を得る工程は、水酸化カリウム水溶液と溶質とを混合し、溶質を溶解させる工程を含む。溶質は、亜鉛化合物と、金属元素Mを含む化合物とを含み、好ましくは、更にリチウム化合物を含む。
負極活物質と、アルカリ電解液と、負極と接触する導電部材とが、同一の金属元素を含むことにより、負極活物質の自己放電が十分に抑制される。よって、電池内部での水素ガス発生を従来よりも効果的に抑制することができる。また、未使用時および部分放電後の両方の状態において、優れた保存特性を有するアルカリ電池が得られる。
本発明のアルカリ電池は、負極活物質と、アルカリ電解液と、負極と接触する導電部材とが、亜鉛以外の同一の金属元素Mを含むことを特徴の1つとする。このような構成により、常温でアルカリ電池を長期間保存する場合に、アルカリ電解液中の金属元素Mのイオン濃度が、常に高い濃度に保たれる。そのため、負極活物質の表面および導電部材と負極との接触面で、金属元素Mの析出反応が起こる割合が高まる。これにより、競争的に起こる水素ガス発生反応を抑制することができる。
負極活物質には、金属元素Mと亜鉛とを含む合金が含まれることが好ましい。
負極活物質や導電部材に含まれる金属元素Mは、亜鉛以外の金属元素である。金属元素Mは、アルカリ電解液に溶出し、金属イオンとなって存在する。金属イオンは、置換メッキ反応により、負極活物質の表面や導電部材上に金属として析出する。そして、置換メッキ反応と同時に、水素ガス発生反応が競争的に起こる。それぞれの反応速度は、アルカリ電解液中の金属イオンの濃度に依存する。金属イオンの濃度が高い場合には、金属析出反応が起こる割合が高まる。一方、金属イオンの濃度が低い場合には、水素ガス発生反応が起こる割合が高まる。ここで、本発明では、導電部材に含まれる金属元素Mが、アルカリ電解液と負極活物質の両方に含まれている。よって、アルカリ電解液の金属イオンの濃度は、常に高い状態に保たれる。このため、水素ガス発生反応を抑制することができる。
負極活物質の表面に析出する金属が、導電部材に含まれる金属と同一である場合、負極活物質と導電部材との間で、局部電池が形成されにくい。よって、負極活物質と導電部材との接触抵抗の増大を抑制することができる。従って、重負荷放電性能、特にパルス放電特性の低下を抑制することが可能である。
金属元素Mは、銅、スズおよびインジウムからなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。これらの金属は水素過電圧が大きいため、負極活物質や導電部材に含まれることで、水素ガス発生を抑制する良好な効果が得られる。なお、水素過電圧の大きさや材料コストの点から、スズを用いることが最も好ましい。
本発明において、アルカリ電池とは、特にアルカリ一次電池を意味する。アルカリ一次電池は、例えば、アルカリ乾電池、空気亜鉛電池、ニッケルマンガン乾電池、ニッケル亜鉛電池、酸化銀電池およびニッケル乾電池を包含する。
本発明において、導電部材とは、例えば、アルカリ乾電池の負極集電体およびボタン型空気亜鉛電池の負極ケースを包含する。
導電部材は、例えば、金属元素Mの単体でもよく、金属元素Mを含む合金または化合物であってもよい。さらに、表面(負極との接触面)に金属元素Mを含む層(真鍮等)を有するものでもよい。
導電部材の表面に金属元素Mを含む層を形成する方法としては、例えば、メッキ、クラッドメタル化等が挙げられる。なかでも、導電部材にメッキを施すことが好ましい。メッキの厚みが薄い場合、電池の保存中にメッキの下地が現れてアルカリ電解液と接触し、水素ガス発生が起こる可能性がある。よって、メッキの厚みは1μm以上が好ましく、1.5μm〜5μmがさらに好ましい。メッキの方法としては、例えば電解メッキ、無電解メッキ、溶融メッキ等が挙げられる。なかでも電解メッキあるいは溶融メッキが好ましい。メッキの厚みを制御することが容易であるという観点から、電解メッキが最も好ましい。
負極活物質は、例えば、金属元素Mを含む亜鉛合金や、金属元素Mを含むメッキを有する亜鉛または亜鉛合金を含むことが好ましい。亜鉛合金は、亜鉛と金属元素M以外に、例えば、アルミニウム、ビスマス、カルシウム、鉛等を含むことができる。亜鉛合金は、30μm〜400μmの平均粒径を有する粉末であることが好ましい。なお、負極活物質には、微量の不可避不純物が含まれていてもよい。このような負極活物質を得る方法としては、例えば以下が挙げられる。
第一に、溶融状態の亜鉛または亜鉛合金に金属元素Mを溶解させ、アトマイズ法により溶融合金を粒子化させる方法が挙げられる。
第二に、亜鉛または亜鉛合金の粒子の表面に、置換メッキ法により金属元素Mを析出させる方法が挙げられる。置換メッキ法では、亜鉛または亜鉛合金の粒子を、金属元素Mのイオン種を含む水溶液に予め浸漬させ、粒子の表面に金属元素Mを金属状態で析出させる。その結果、金属元素Mのメッキを有する粒子が得られる。金属元素Mのメッキを有する粒子の表面では、水素ガス発生が起こり得る活性点が減少している。そのため、水素ガス発生量を効果的に減少させることができる。
負極活物質における金属元素Mの含有量は、0.0015〜0.06重量%であることが好ましい。これにより、負極活物質の自己放電に由来する水素ガス発生を低減させることができる。より最適な含有量は、0.003〜0.05重量%である。負極活物質における金属元素Mの含有量が多すぎると、金属元素Mが負極活物質の粒子の表面に不均一に分布する場合があり、少なすぎると、負極活物質の粒子の表面に十分量の金属元素Mを存在させることができない場合がある。
アルカリ電解液は、水酸化カリウム水溶液と、前記水酸化カリウム水溶液に溶解した溶質とを含む。水酸化カリウム水溶液は、例えば、水酸化カリウムを25重量%〜45重量%含むことが好ましい。溶質は、金属元素Mを含む化合物を含むことが好ましい。
金属元素Mを含む化合物としては、銅の水溶性化合物、スズの水溶性化合物、インジウムの水溶性化合物などが好ましい。銅の水溶性化合物としては、例えば、硫酸銅、塩化銅が挙げられる。スズの水溶性化合物としては、例えば、酸化第一スズ、酸化第二スズ、スズ酸カリウム、スズ酸ナトリウムが挙げられる。なかでも4価のスズ化合物が好ましく、酸化第二スズ、スズ酸カリウム、スズ酸ナトリウムが適している。インジウムの水溶性化合物としては、例えば、酸化インジウム、水酸化インジウム、硫酸インジウム、塩化インジウムが挙げられる。
アルカリ電解液における金属元素Mの含有量は、0.0016〜0.079重量%であることが好ましい。これにより、アルカリ電解液における金属元素Mの濃度を高い濃度に保持し、水素ガス発生反応を効果的に抑制することができる。より最適な濃度は、0.0039〜0.063重量%である。
アルカリ電解液に含まれる溶質は、亜鉛化合物を含むことが好ましい。溶質が亜鉛化合物を含むことで、亜鉛の腐食を抑制することができる。亜鉛化合物には、例えば酸化亜鉛、水酸化亜鉛などを用いることができる。亜鉛化合物は、飽和に達するまでアルカリ電解液に溶解させてもよい。ただし、アルカリ電解液における亜鉛化合物の含有量は、飽和濃度の50〜90%であることが好ましい。なお、亜鉛化合物の飽和濃度は、アルカリ電解液の水酸化カリウム濃度によって変化する。
溶質は、更に、リチウム元素を含むことが好ましい。溶質がリチウム元素を含むことで、水素ガス発生を効果的に抑制することができる。水素ガス発生が抑制される理由については、明確に解明できていないが、次の理由が考えられる。水素ガスは、負極活物質粒子の表面で、プロトンに電子が供与されることで発生する。アルカリ電解液に含まれるリチウムイオンは、正に帯電しており、その一部は負極活物質粒子の表面近傍に存在する。粒子の表面近傍に存在するリチウムイオンは、プロトンへの電子供与を妨げる。そのため、水素ガス発生が抑制されると考えられる。
例えば、リチウム化合物をアルカリ電解液に溶解させることにより、リチウム元素を含むアルカリ電解液が得られる。リチウム化合物は特に制限されないが、水溶性であることが好ましい。例えばリチウムの水酸化物あるいは酸化物を用いることができる。アルカリ電解液におけるリチウム化合物の含有量は、0.01〜2重量%であることが好ましい。含有量が0.01重量%未満の場合は、負極活物質の粒子の表面でプロトンに電子が供与される反応を十分に阻害することができない。よって、水素ガス発生速度を十分に遅らせることができない可能性がある。含有量が2重量%よりも大きい場合は、負極活物質粒子の表面に金属元素Mが析出する、置換メッキ反応を阻害する可能性がある。よって、水素ガス発生を十分に抑制することができない場合がある。より最適な含有量は0.05〜1.5重量%である。このような水素ガス発生速度を遅延させる効果は、リチウムの代わりに、ナトリウム、カルシウム、アルミニウムを用いた場合でも得られることが確認されている。この効果には、イオン半径の大きさなどが影響していると考えられる。
本発明のアルカリ電池は、例えば、正極ケースと、正極ケースに収容された中空円筒状の正極と、中空に充填された負極と、負極に挿入された負極集電体とを有するアルカリ乾電池を含む。アルカリ乾電池において、負極は、亜鉛を含む負極活物質と、アルカリ電解液とを含む。アルカリ電解液は、水酸化カリウム水溶液を含む。この場合、負極活物質と、アルカリ電解液と、負極集電体の表面とが、同一の金属元素Mを含み、金属元素Mは、亜鉛以外の金属元素である。
アルカリ乾電池について、図1を参照しながら説明する。アルカリ乾電池は、筒状の正極合剤ペレット13と、その中空に充填されたゲル状負極16とを有する。正極と負極との間にはセパレータ14が介在している。正極ケース11の内面は、ニッケルのメッキを有し、その上には、黒鉛塗装膜12が形成されている。
アルカリ乾電池は、例えば以下のようにして作製される。
まず、正極ケース11の内部に、短筒状の正極合剤ペレット13を複数個挿入し、正極ケース11内において正極合剤ペレット13を再加圧する。これにより正極合剤ペレット13は、正極ケース11の内面に密着する。次に、正極合剤ペレット13の中空にセパレータ14と絶縁キャップ15とを配置する。
その後、セパレータ14と正極合剤ペレット13とを湿潤させる目的でアルカリ電解液を中空に注液する。電解液の注液後、セパレータ14の内側にゲル状負極16を充填する。
次に、負極集電体(導電部材)10をゲル状負極16に差し込む。なお、負極集電体は、樹脂製封口板17、外部端子を兼ねる底板18および絶縁ワッシャー19と一体化されている。正極ケース11の開口端部を、樹脂封口体17の端部を介して、底板18の周縁部にかしめつけることにより、正極ケース11の開口部が密閉される。最後に、正極ケース11の外表面を外装ラベル101で被覆することで、アルカリ乾電池が得られる。
アルカリ乾電池に含まれる正極としては、従来公知のものを用いることができる。例えば、正極活物質である二酸化マンガンと、アルカリ電解液とを混合し、ミキサーで攪拌する。得られた粒状物を中空円筒状に加圧成形する。これにより得られる、正極合剤ペレットを正極として用いることができる。
負極をゲル化させる際のゲル化剤としては、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。
セパレータにも、従来公知のものを用いることができる。例えば、アセタール化ポリビニルアルコール繊維の不織布、ポリビニルアルコール繊維およびレーヨン繊維を混抄した不織布等が挙げられる。
本発明のアルカリ電池は、また、負極ケースと、負極ケースに収容された負極と、負極と対向する空気電極とを有する空気亜鉛電池を含む。空気亜鉛電池において、負極は、亜鉛を含む負極活物質と、アルカリ電解液とを含む。アルカリ電解液は、水酸化カリウム水溶液を含む。この場合、負極活物質と、アルカリ電解液と、負極ケースの負極との接触面とが、同一の金属元素Mを含み、金属元素Mは、亜鉛以外の金属元素である。
空気亜鉛電池について、図2を参照しながら説明する。図2は、ボタン型空気亜鉛電池の縦断面図である。ボタン型空気亜鉛電池の正極ケース22は、底部凹部に空気孔23を有する。正極ケース22の底部凹部内面には、空気拡散紙21、撥水膜25、空気電極26およびセパレータ27が順次配されている。セパレータ27を介して、負極28が配されている。負極28は、負極ケース(導電部材)29に充填されており、負極ケース29の内壁面は、負極28と電気的に接している。負極ケース29は、正極ケース22の開口部を封口する役割も有する。正極ケース22の底部凹部の外面には、電池が未使用の状態では、空気孔23を塞ぐようにシールテープ(図示せず)が貼り付けられている。シールテープを正極ケース22から取り外すことで、電池内部に酸素が侵入し、起電力が発生する。
空気亜鉛電池は、例えば、以下のようにして作製される。
まず、正極ケース22の底部凹部の内面に、空気拡散紙21、撥水膜25、空気電極26およびセパレータ27を順次に積層配置する。負極ケース29へ、アルカリ電解液を含む負極28を充填する。負極ケース29と正極ケース22との間に、絶縁ガスケット20を配置し、かしめ封口により正極ケース22の開口部を封止することで、空気亜鉛電池を得ることができる。
セパレータには、多孔質材料を用いる。セパレータの材質は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。セパレータは、親水処理が施された微多孔膜であることが好ましい。例えば、酸素プラズマなどによる物理的な表面処理により、微多孔膜の表面に親水性のヒドロキシル基(−OH)を形成してもよく、あるいは界面活性剤を用いて微多孔膜に親水性を付与してもよい。負極内部で発生する水素ガスは、セパレータの細孔を通過し、空気電極を通過し、さらに空気孔を通過して外部へ排出される。セパレータを通過した水素ガスは、空気孔がシールテープで塞がれている場合でも、テープの糊の層を伝って外部へ排出される。
空気電極には、従来公知のものを用いることができる。例えば、マンガン酸化物、活性炭、カーボンブラック(ケッチェンブラック)およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末を含む混合物を用いることができる。
空気拡散紙には、従来公知のものを用いることができる。例えば、ビニロン製不織布等が挙げられる。空気拡散紙は、空気孔から取り入れた空気を均一に拡散させる機能を有する。
撥水膜にも、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の微多孔膜等が挙げられる。撥水膜は、空気電極への酸素供給と、電解液の電池外部への漏出防止の役割を有する。
本発明の空気亜鉛電池においては、水素ガスの発生が抑制され、かつ発生した水素ガスは電池外部へ排出される。よって、負極に水銀を添加しなくても、保存特性に優れた空気亜鉛電池を得ることができる。
以上のような特徴を有するアルカリ電池を用いることで、電池内部での水素ガス発生を十分に抑制することができる。よって、未使用または放電後の電池を保存する場合に、優れた保存特性が得られる。
また、本発明は、アルカリ電池の製造方法にも関する。本発明の製造方法は、水酸化カリウム水溶液を含むアルカリ電解液を得る工程を有する。この工程は、水酸化カリウム水溶液と溶質とを混合し、水で希釈することで溶質を溶解させる工程を含む。このとき、希釈による発熱で温度が上昇し、溶質が完全に溶解し、アルカリ電解液が得られる。これにより、金属イオン種の濃度が一定のアルカリ電解液を容易に調製することができる。溶質は、亜鉛化合物と、金属元素Mを含む化合物とを含む。好ましくは、溶質が更に、リチウム化合物を含む。
本発明の製造方法は、ゲル化剤と負極活物質とを含み、負極活物質が亜鉛と亜鉛以外の金属元素Mとを含む負極合剤を得る工程も有する。負極合剤は、ゲル化剤と、金属元素Mを含む負極活物質とを、粉末状態で乾式混合することにより得られる。
また、本発明の製造方法は、アルカリ電解液と、負極合剤とを混合してゲル状の負極を得る工程も有する。アルカリ電解液と負極合剤とを、湿式混合することで、負極合剤とゲル化剤とが均一に混合され、ゲル状の負極を得ることができる。こうして得られたゲル状の負極に、金属元素Mを含む導電部材を接触させる。
《実施例1》
図1に示すような単3サイズのアルカリ乾電池を作製した。
(アルカリ電解液の調製)
アルカリ電解液には、水酸化カリウムを40重量%、酸化亜鉛を3重量%および金属元素Mを含む化合物である硫酸第一銅を0.05重量%(銅元素を0.028重量%)含むアルカリ水溶液を用いた。アルカリ水溶液は、以下のようにして調製した。
まず、水酸化カリウム濃度が60重量%の水酸化カリウム水溶液に、酸化亜鉛粉末と硫酸第一銅粉末とを加えた。その後、水酸化カリウムの濃度が40重量%となるように混合物を希釈した。その際、アルカリ水溶液は発熱し、温度が上昇した。そのため、上記の各粉末は、攪拌により容易に溶解された。
(負極の作製)
アトマイズ法を用いて、亜鉛合金粉末を調製した。具体的には、アルミニウム0.003重量%(30ppm)、ビスマス0.015重量%(150ppm)、インジウム0.05重量%(500ppm)、および金属元素Mである銅0.005重量%(50ppm)を溶融状態の亜鉛に溶解させた。これをアトマイズすることによって、金属元素Mである銅を0.005重量%含む亜鉛合金粉末を調製した。亜鉛合金粉末は、篩によって分級し、平均粒径150μm(45〜150メッシュ)の負極活物質とした。得られた負極活物質と、ゲル化剤であるポリアクリル酸ナトリウムとを、粉末状態で混合し、負極合剤を得た。負極合剤と、アルカリ電解液とを混合して、ゲル状の負極を作製した。負極活物質の量は、アルカリ電解液100重量部に対して、200重量部とした。ポリアクリル酸ナトリウムの量は、アルカリ電解液100重量部に対して、3重量部とした。
(負極集電体へのメッキ)
負極集電体には、真鍮で構成された釘状の導電部材を用いた。集電体の表面に金属元素Mとして銅を電解メッキした。電解メッキで形成された銅メッキの厚さは2μmであった。
(正極の作製)
正極活物質として東ソー(株)製のアルカリ電池用電解二酸化マンガンHH−PFを用いた。二酸化マンガン100重量部と、平均粒径150μmの黒鉛を11重量部と、上記で調製した電解液1重量部とを、ミキサーで混合して10〜100メッシュの粒度に整粒し、正極合剤を得た。正極合剤を中空円筒型に加圧成型し、正極合剤ペレットとした。
セパレータには、ポリビニルアルコール繊維およびレーヨン繊維を混抄した不織布を用いた。
(アルカリ乾電池の作製)
正極ケース11には、鉄材SPCD(JIS規格)にニッケルメッキが施されたものを用いた。正極ケース11の内部に、正極合剤ペレット13を複数個挿入した。これを正極ケース11内において再加圧して、正極ケース11の内面に密着させた。正極合剤ペレット13の中空に、セパレータ14と絶縁キャップ15を挿入した後、アルカリ電解液を注液した。注液後、セパレータ14の内側にゲル状負極16を充填した。
次に、負極集電体10を、ゲル状負極16に差し込んだ。正極ケース11の開口端部を樹脂封口体17の端部を介して底板18の周縁部にかしめつけて、正極ケース11の開口部を密閉した。最後に、正極ケース11の外表面を外装ラベル101で被覆し、実施例1に係るアルカリ乾電池を作製した。
《実施例2》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を硫酸第二銅とし、銅元素の含有量を0.020重量%としたこと以外、実施例1と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例3》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を塩化第一銅とし、銅元素の含有量を0.032重量%としたこと以外、実施例1と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例4》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を塩化第二銅とし、銅元素の含有量を0.024重量%としたこと以外、実施例1と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例5》
アルカリ電解液に、さらに水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例1と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例6》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を硫酸第二銅とし、さらにアルカリ電解液に水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例1と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例7》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を塩化第一銅とし、さらにアルカリ電解液に水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例1と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例8》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を塩化第二銅とし、さらにアルカリ電解液に水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例1と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《比較例1》
負極活物質およびアルカリ電解液が、金属元素Mとして銅を含まないこと以外、実施例1と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《比較例2》
負極活物質に、金属元素Mとして銅を0.005重量%含ませたこと以外、比較例1と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《比較例3》
アルカリ電解液に、金属元素Mを含む化合物として硫酸第二銅を0.05重量%(銅元素0.020重量%)含ませたこと以外、比較例1と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《比較例4》
集電体の表面に、銅の代わりにスズをメッキしたこと以外、実施例1と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例9》
集電体の表面には、金属元素Mとしてスズをメッキした。負極活物質には、金属元素Mとして、銅の代わりにスズを0.005重量%(50ppm)含ませた。アルカリ電解液には、金属元素Mを含む化合物として酸化第一スズを0.05重量%(スズ元素0.044重量%)含ませた。それ以外は、実施例1と同様に実施例9のアルカリ乾電池を作製した。
《実施例10》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を酸化第二スズとし、スズ元素の含有量を0.039重量%としたこと以外、実施例9と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例11》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物をスズ酸カリウムとし、スズ元素の含有量を0.020重量%としたこと以外、実施例9と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例12》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物をスズ酸ナトリウムとし、スズ元素の含有量を0.022重量%としたこと以外、実施例9と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例13》
アルカリ電解液に、さらに水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例9と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例14》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を酸化第二スズとし、さらにアルカリ電解液に水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例9と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例15》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物をスズ酸カリウムとし、さらにアルカリ電解液に水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例9と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例16》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物をスズ酸ナトリウムとし、さらにアルカリ電解液に水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例9と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《比較例5》
負極活物質およびアルカリ電解液が、金属元素Mとしてスズを含まないこと以外、実施例9と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《比較例6》
負極活物質に、金属元素Mとしてスズを0.005重量%含ませたこと以外、比較例5と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《比較例7》
アルカリ電解液に、金属元素Mを含む化合物として酸化第二スズを0.05重量%(スズ元素0.039重量%)含ませたこと以外、比較例5と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《比較例8》
集電体の表面に、スズの代わりに銅をメッキしたこと以外、実施例9と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例17》
集電体の表面には、金属元素Mとしてインジウムをメッキした。負極活物質には、0.003重量%(30ppm)のアルミニウム、0.015重量%(150ppm)のビスマスおよび0.05重量%(500ppm)のインジウムを含ませた亜鉛合金粉末を用いた。アルカリ電解液には、金属元素Mを含む化合物として酸化インジウムを0.05重量%(インジウム元素0.041重量%)含ませた。それ以外は、実施例1と同様に実施例17のアルカリ乾電池を作製した。
《実施例18》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を水酸化インジウムとし、インジウム元素の含有量を0.035重量%としたこと以外、実施例17と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例19》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を硫酸インジウムとし、インジウム元素の含有量を0.022重量%としたこと以外、実施例17と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例20》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を塩化インジウムとし、インジウム元素の含有量を0.020重量%としたこと以外、実施例17と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例21》
アルカリ電解液に、さらに水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例17と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例22》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を水酸化インジウムとし、さらにアルカリ電解液に水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例17と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例23》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を硫酸インジウムとし、さらにアルカリ電解液に水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例17と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例24》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を塩化インジウムとし、さらにアルカリ電解液に水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例17と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《比較例9》
アルカリ電解液が、金属元素Mとしてインジウムを含まないこと以外、実施例17と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《比較例10》
集電体の表面に、インジウムの代わりにスズをメッキしたこと以外、実施例17と同様にアルカリ乾電池を作製した。
上記で作製したアルカリ乾電池の負極活物質および集電体の表面の構成を表1に示す。また、アルカリ電解液の構成を表2に示す。
Figure 2007173220
Figure 2007173220
(評価試験)
実施例1〜24および比較例1〜10で作製したアルカリ乾電池の保存特性の評価は、以下の手順で行った。作製した電池を、60℃の恒温環境に1週間保存した。保存後、20℃の環境下、1000mAの定電流で10秒間放電後、50秒間休止させるというパターンで電池のパルス放電を行った。電圧が終止電圧0.9Vに至るまでの放電時間を測定した。電池3個の平均値を、パルス放電時間とした。測定結果を表3に示す。
また、水素ガス発生量の評価は、以下のようにして行った。
保存後の電池を、流動パラフィン中で分解してガスを捕集し、電池内部に蓄積したガス量を定量した。水素ガス発生量の値は、実施例、比較例ともに電池3個の値を平均した。比較例1の水素ガス発生量を100とし、実施例1〜24および比較例2〜10の水素ガス発生量は、比較例1に対する相対値とした。測定結果を表3に示す。
Figure 2007173220
比較例1〜3は集電体の表面に銅をメッキした電池である。アルカリ電解液が金属元素Mとして銅を含む比較例3、負極活物質が銅を含む比較例2、負極活物質およびアルカリ電解液が、銅を含まない比較例1の順に、60℃、1週間保存後のパルス放電時間は低下し、水素ガス発生量が増加している。比較例4は、集電体の表面のみ銅を含まない電池である。比較例4では、比較例1〜3よりもパルス放電時間は向上し、水素ガス発生量は低下しているが、十分ではない。
比較例5〜7は集電体の表面にスズをメッキした電池である。アルカリ電解液が金属元素Mとしてスズを含む比較例7、負極活物質がスズを含む比較例6、負極活物質およびアルカリ電解液が、スズを含まない比較例5の順に、60℃、1週間保存後のパルス放電時間は低下し、水素ガス発生量が増加している。比較例8は、集電体の表面のみスズを含まない電池である。この電池においても、十分なパルス放電時間が得られず、水素ガス発生量も抑制されていない。
比較例9は集電体の表面にインジウムをメッキした電池である。負極活物質は、金属元素Mとしてインジウムを含んでいる。この電池も、集電体表面および負極活物質が銅を含む比較例2と同様に、60℃、1週間保存後のパルス放電時間が低下しており、水素ガス発生量が増加している。比較例10は、集電体の表面のみインジウムを含まない電池である。この電池においても、十分なパルス放電時間は得られず、水素ガス発生量も抑制されていない。
実施例1〜4、9〜12および17〜20は、負極活物質と、アルカリ電解液と、集電体の表面とが全て金属元素Mを含む電池である。表3から、実施例1〜4、9〜12および17〜20では、比較例1〜10よりもパルス放電時間が向上している。また、1週間保存後の水素ガス発生量も低減されていることがわかる。
実施例5〜8、13〜16および21〜24は、負極活物質と、アルカリ電解液と、集電体の表面とが全て金属元素Mを含み、さらにアルカリ電解液が水酸化リチウム0.5重量%を含む電池である。実施例5〜8、13〜16および21〜24では、上記実施例1〜4、9〜12および17〜20よりもさらにパルス放電時間が増加し、水素ガス発生量が低下している。よって、アルカリ電解液が水酸化リチウムを含むことでさらに良好な保存特性が得られることがわかる。
以上のように、負極活物質と、アルカリ電解液と、負極集電体とが、同一の金属元素Mを含むことにより、60℃保存中の水素ガス発生が抑制され、1週間保存後のパルス放電時間が向上した。また上記のような構成の電池において、さらにアルカリ電解液が水酸化リチウムを含むことで、良好な保存特性が得られた。特に、アルカリ電解液が4価のスズを含む電池においては、水酸化リチウムを含まない場合(実施例10〜12)、水酸化リチウムを含む場合(実施例14〜16)ともに最も良好な保存特性が得られた。
《実施例25》
アルカリ電解液において、水酸化リチウムの含有量を0.005重量%としたこと以外、実施例5と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例26》
アルカリ電解液において、水酸化リチウムの含有量を0.01重量%としたこと以外、実施例5と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例27》
アルカリ電解液において、水酸化リチウムの含有量を0.05重量%としたこと以外、実施例5と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例28》
アルカリ電解液において、水酸化リチウムの含有量を0.1重量%としたこと以外、実施例5と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例29》
アルカリ電解液において、水酸化リチウムの含有量を1.5重量%としたこと以外、実施例5と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例30》
アルカリ電解液において、水酸化リチウムの含有量を2重量%としたこと以外、実施例5と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例31》
アルカリ電解液において、水酸化リチウムの含有量を3重量%としたこと以外、実施例5と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例32》
アルカリ電解液において、酸化第二スズの含有量を0.001重量%(スズ元素0.00079重量%)としたこと以外、実施例10と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例33》
アルカリ電解液において、酸化第二スズの含有量を0.002重量%(スズ元素0.0016重量%)としたこと以外、実施例10と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例34》
アルカリ電解液において、酸化第二スズの含有量を0.005重量%(スズ元素0.0039重量%)としたこと以外、実施例10と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例35》
アルカリ電解液において、酸化第二スズの含有量を0.08重量%(スズ元素0.063重量%)としたこと以外、実施例10と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例36》
アルカリ電解液において、酸化第二スズの含有量を0.1重量%(スズ元素0.079重量%)としたこと以外、実施例10と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例37》
アルカリ電解液において、酸化第二スズの含有量を0.15重量%(スズ元素0.118重量%)としたこと以外、実施例10と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例38》
負極活物質において、金属元素Mとして含まれるスズの含有量を0.001重量%(10ppm)としたこと以外、実施例10と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例39》
負極活物質において、金属元素Mとして含まれるスズの含有量を0.0015重量%(15ppm)としたこと以外、実施例10と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例40》
負極活物質において、金属元素Mとして含まれるスズの含有量を0.003重量%(30ppm)としたこと以外、実施例10と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例41》
負極活物質において、金属元素Mとして含まれるスズの含有量を0.05重量%(500ppm)としたこと以外、実施例10と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例42》
負極活物質において、金属元素Mとして含まれるスズの含有量を0.06重量%(600ppm)としたこと以外、実施例10と同様にアルカリ乾電池を作製した。
《実施例43》
負極活物質において、金属元素Mとして含まれるスズの含有量を0.07重量%(700ppm)としたこと以外、実施例10と同様にアルカリ乾電池を作製した。
上記で作製したアルカリ乾電池の負極活物質および集電体の表面の構成を表4に示す。また、アルカリ電解液の構成を表5に示す。
Figure 2007173220
Figure 2007173220
実施例25〜43で作製したアルカリ乾電池の保存特性の評価として、上記と同様にパルス放電特性および水素ガス発生量の測定を行った。測定結果を表6に示す。
Figure 2007173220
実施例25〜31は、負極活物質と、アルカリ電解液と、集電体とが全て金属元素Mとして銅を含み、さらにアルカリ電解液が水酸化リチウムを含む電池において、水酸化リチウムの含有量を変化させたものである。水酸化リチウムの含有量が0.005重量%である実施例25と、含有量が3重量%である実施例31では、水酸化リチウムを含まない実施例1に対して、パルス放電時間、水素ガス発生量ともにほぼ同一となり、水酸化リチウムを含むことによる影響は現れていない。水酸化リチウムの含有量が0.01重量%である実施例26と、含有量が2重量%である実施例30では、水酸化リチウムを含まない実施例1に対して、パルス放電時間は増加し、水素ガス発生量は低減している。このことから、水酸化リチウムの含有量を0.01〜2重量%とすることにより、良好な保存特性が得られることがわかる。さらに、実施例27〜29において、パルス放電時間の増加、水素ガス発生量の低減ともに著しいことから、水酸化リチウムの含有量は0.05〜1.5重量%とすることが最適であると考えられる。
実施例32〜37は、負極活物質と、アルカリ電解液と、集電体の表面とが全て金属元素Mとしてスズを含む電池において、アルカリ電解液に含まれる酸化第二スズの含有量(スズ元素の含有量)を変化させたものである。酸化第二スズの含有量が0.001重量%(スズ元素の含有量が0.00079重量%)である実施例32と、酸化第二スズの含有量が0.15重量%(スズ元素の含有量が0.118重量%)である実施例37では、電解液がスズを含まない比較例6に対して、パルス放電時間の増加、及び水素ガス発生量の低下の効果がわずかではあるが認められた。一方、酸化第二スズの含有量が0.002重量%(スズ元素の含有量が0.0016重量%)である実施例33と、酸化第二スズの含有量が0.1重量%(スズ元素の含有量が0.079重量%)である実施例36では、比較例6に対して、パルス放電時間の増加、および水素ガス発生量の低減ともに大きくなっている。このことから、酸化第二スズの含有量を0.002〜0.1重量(スズ元素の含有量を0.0016〜0.079重量%)とすることにより良好な保存特性が得られることがわかる。さらに、実施例34〜35では、放電時間の増加、水素ガス発生量の低減ともに著しいことから、酸化第二スズの含有量は0.005〜0.08重量%(スズ元素の含有量を0.0039〜0.063重量%)とすることが最適であると考えられる。
また、アルカリ電解液中に酸化第二スズ以外のスズを含む化合物、例えば、酸化第一スズ、スズ酸カリウム、スズ酸ナトリウムなどを含む電池においても、その含有量を同様に変化させた。このとき、パルス放電時間の増加、及び水素ガス発生量の低減ともに、同等の効果が得られた。
また、負極活物質と、アルカリ電解液と、集電体の表面とが全て金属元素Mとして銅を含む電池においても、アルカリ電解液に含まれる銅を含む化合物の含有量(銅元素の含有量)を変化させた。このとき、前述したスズの場合と同様の効果が得られるのを確認した。
また、負極活物質と、アルカリ電解液と、集電体の表面とが全て金属元素Mとしてインジウムを含む電池においても、アルカリ電解液に含まれるインジウムを含む化合物の含有量(インジウム元素の含有量)を変化させた。このとき、前述したスズの場合と同様の効果が得られるのを確認した。
実施例38〜43は、負極活物質と、アルカリ電解液と、集電体の表面とが全て金属元素Mとしてスズを含む電池において、負極活物質におけるスズの含有量を変化させたものである。負極活物質におけるスズの含有量が0.001重量%(10ppm)である実施例38と、含有量が0.07重量%(700ppm)である実施例43では、負極活物質がスズを含まない比較例7に対して、パルス放電時間の増加、および水素ガス発生量の低下の効果がわずかではあるが認められた。一方、負極活物質におけるスズの含有量が0.0015重量%(15ppm)である実施例39と、含有量が0.06重量%(600ppm)である実施例42では、負極活物質がスズを含まない比較例7に対して、パルス放電時間の増加、および水素ガス発生量の低減ともに大きくなっている。このことから、負極活物質におけるスズの含有量を0.0015〜0.06重量%(15〜600ppm)とすることにより良好な保存特性が得られることがわかる。さらに、実施例40〜41では、放電時間の増加、水素ガス発生量の低減ともに著しいことから、負極活物質におけるスズの含有量は0.003〜0.05重量%(30〜500ppm)とするのが最適であることがわかる。
また、負極活物質と、アルカリ電解液と、集電体の表面とが全て金属元素Mとして銅を含む電池において、負極活物質に含まれる銅の含有量を変化させた。このとき、前述したスズの場合と同様の効果が得られるのを確認した。
また、負極活物質と、アルカリ電解液と、集電体の表面とが全て金属元素Mとしてインジウムを含む電池において、負極活物質に含まれるインジウムの含有量を変化させた。このとき、前述したスズの場合と同様の効果が得られるのを確認した。
《実施例44》
図2に示すようなR44サイズ、すなわち直径11.6mm、高さ5.4mmのボタン型形状(JIS規格)の空気亜鉛電池を作製した。
(アルカリ電解液の調製)
アルカリ電解液には、水酸化カリウムを40重量%、酸化亜鉛を3重量%、および金属元素Mを含む化合物として硫酸第一銅を0.05重量%(銅元素0.028重量%)含むアルカリ水溶液を用いた。アルカリ水溶液は、実施例1と同様に調製した。
(負極の作製)
実施例1と同様にして、金属元素Mとして銅を0.005重量%(50ppm)含む亜鉛合金粉末を調製した。亜鉛合金粉末に、実施例1と同様にゲル化剤およびアルカリ電解液を混合してゲル状の負極を得た。
(負極ケースの作製)
負極ケースには、導電部材であるニッケル−ステンレス−銅の三層クラッド材を用いた。クラッド材は、負極と接触する面が銅になるようにケース状に成形した。
(空気電極の作製)
空気電極には、以下の手順で作製したシート構造のものを用いた。まず、マンガン酸化物、活性炭、ケッチェンブラックおよびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末を40重量%、30重量%、20重量%および10重量%の割合で十分に混合した。この混合物を、ミキサーで粉砕して粉末にし、ニッケルメッキを施した30メッシュのステンレスネット(線径0.016mm)に圧着し、空気電極のシートを得た。得られたシートの片面に、空孔率40%のPTFE膜を圧着し、その後、所定寸法に打ち抜いた。空気電極の厚さは0.3mm、空気電極とPTFE膜との積層体のガーレー数(Gurley数)は10000秒とした。
セパレータには、親水処理を施したポリプロピレン微多孔膜とポリプロピレン不織布とを貼り合せた二層膜を用いた。親水処理は、酸素プラズマにより行った。空気拡散紙には、厚さ0.13mmのビニロン製不織布を用いた。また、撥水膜には、厚さ0.1mm、空孔率20%のPTFE微多孔膜を用いた。
(空気亜鉛電池の作製)
正極ケース22には、鉄材SPCDにニッケルをメッキしたものを用いた。正極ケース22は、底部凹部に空気孔23として、直径0.5mmの孔を4個有し、かつ上部端が開口型となる形状である。正極ケース22の側壁部には電解液の漏出を防止する目的でピッチを塗布した。正極ケース22の底部凹部内面に、空気拡散紙21、撥水膜25と空気電極26との積層体およびセパレータ27を順次積層配置した。負極ケース29へ、アルカリ電解液を含む負極28を充填した。次いで、負極ケース29と正極ケース22との間に、ナイロンからなる絶縁ガスケット20を配置し、かしめ封口により正極ケース22の開口部を封止し、実施例44に係る空気亜鉛電池を作製した。
《実施例45》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を硫酸第二銅とし、銅元素の含有量を0.020重量%としたこと以外、実施例44と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例46》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を塩化第一銅とし、銅元素の含有量を0.032重量%としたこと以外、実施例44と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例47》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を塩化第二銅とし、銅元素の含有量を0.024重量%としたこと以外、実施例44と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例48》
アルカリ電解液に、さらに水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例44と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例49》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を硫酸第二銅とし、さらにアルカリ電解液に水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例44と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例50》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を塩化第一銅とし、さらにアルカリ電解液に水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例44と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例51》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を塩化第二銅とし、さらにアルカリ電解液に水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例44と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《比較例11》
負極活物質およびアルカリ電解液が、金属元素Mとして銅を含まないこと以外、実施例44と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《比較例12》
負極活物質に、金属元素Mとして銅を0.005重量%含ませたこと以外、比較例11と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《比較例13》
アルカリ電解液に、金属元素Mを含む化合物として硫酸第二銅を0.05重量%(銅元素0.020重量%)含ませたこと以外、比較例11と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《比較例14》
負極ケースの内面(負極との接触面)に、スズをメッキしたこと以外、実施例44と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例52》
負極ケースの内面(負極との接触面)には、金属元素Mとしてスズをメッキした。負極活物質には、金属元素Mとして、銅の代わりにスズを0.005重量%(50ppm)含ませた。アルカリ電解液には、金属元素Mを含む化合物として酸化第一スズを0.05重量%(スズ元素0.044重量%)含ませた。それ以外は、実施例44と同様にして、実施例52の空気亜鉛電池を作製した。
《実施例53》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を酸化第二スズとし、スズ元素の含有量を0.039重量%としたこと以外、実施例52と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例54》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物をスズ酸カリウムとし、スズ元素の含有量を0.020重量%としたこと以外、実施例52と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例55》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物をスズ酸ナトリウムとし、スズ元素の含有量を0.022重量%としたこと以外、実施例52と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例56》
アルカリ電解液に、さらに水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例52と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例57》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を酸化第二スズとし、さらにアルカリ電解液に水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例52と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例58》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物をスズ酸カリウムとし、さらにアルカリ電解液に水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例52と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例59》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物をスズ酸ナトリウムとし、さらにアルカリ電解液に水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例52と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《比較例15》
負極活物質およびアルカリ電解液が、金属元素Mとしてスズを含まないこと以外、実施例52と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《比較例16》
負極活物質に、金属元素Mとしてスズを0.005重量%含ませたこと以外、比較例15と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《比較例17》
アルカリ電解液に、金属元素Mを含む化合物として酸化第二スズを0.05重量%(スズ元素0.039重量%)含ませたこと以外、比較例15と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《比較例18》
負極ケースの内面(負極との接触面)にスズをメッキしなかったこと以外、実施例52と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例60》
負極ケースの内面(負極との接触面)には、金属元素Mとしてインジウムをメッキした。負極活物質には、0.003重量%(30ppm)のアルミニウム、0.015重量%(150ppm)のビスマスおよび0.05重量%(500ppm)のインジウムを含ませた亜鉛合金粉末を用いた。アルカリ電解液には、金属元素Mを含む化合物として酸化インジウムを0.05重量%(インジウム元素0.041重量%)含ませた。それ以外は、実施例44と同様にして、実施例60の空気亜鉛電池を作製した。
《実施例61》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を水酸化インジウムとし、インジウム元素の含有量を0.035重量%としたこと以外、実施例60と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例62》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を硫酸インジウムとし、インジウム元素の含有量を0.022重量%としたこと以外、実施例60と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例63》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を塩化インジウムとし、インジウム元素の含有量を0.020重量%としたこと以外、実施例60と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例64》
アルカリ電解液に、さらに水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例60と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例65》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を水酸化インジウムとし、さらにアルカリ電解液に水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例60と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例66》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を硫酸インジウムとし、さらにアルカリ電解液に水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例60と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例67》
アルカリ電解液において、金属元素Mを含む化合物を塩化インジウムとし、さらにアルカリ電解液に水酸化リチウムを0.5重量%含ませたこと以外、実施例60と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《比較例19》
アルカリ電解液が、金属元素Mとしてインジウムを含まないこと以外、実施例60と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《比較例20》
負極ケースの内面(負極との接触面)に、インジウムの代わりにスズをメッキしたこと以外、実施例60と同様に空気亜鉛電池を作製した。
上記で作製した空気亜鉛電池の負極活物質および負極ケースの内面の構成を表7に示す。また、アルカリ電解液の構成を表8に示す。
Figure 2007173220
Figure 2007173220
(評価試験)
実施例44〜67および比較例11〜20の電池について以下のようにして保存特性を評価した。まず、組立て後の電池の空気孔をシールテープで密閉し、60℃の恒温環境に2週間保存した。その後2mAの定電流で連続放電させ、電圧が終止電圧0.9Vに至るまでの放電持続時間を測定した。また、保存前後の電池の厚みを測定し、膨れ量を評価した。放電持続時間、及び保存による電池の膨れ量について、それぞれ3個の電池の平均値求めた。結果を表9に示す。
Figure 2007173220
比較例11〜13は負極ケースの内面が銅である空気亜鉛電池である。アルカリ電解液が金属元素Mとして銅を含む比較例13、負極活物質が金属元素Mとして銅を含む比較例12、負極活物質およびアルカリ電解液が、銅を含まない比較例11の順に、60℃2週間保存後の2mA放電持続時間が低下している。比較例14は、負極ケースの内面が銅を含まない電池である。比較例14では、比較例11〜13よりも2mA放電持続時間は向上しているが、十分ではない。
比較例15〜17は負極ケースの内面にスズをメッキした電池である。アルカリ電解液が金属元素Mとしてスズを含む比較例17、負極活物質がスズを含む比較例16、負極活物質およびアルカリ電解液が、スズを含まない比較例15の順に、60℃2週間保存後の2mA放電持続時間が低下している。比較例18は、負極ケースの内面がスズを含まない電池である。この電池においても、十分な2mA放電持続時間は得られていない。
比較例19は負極ケースの内面にインジウムをメッキした電池である。負極活物質は、金属元素Mとしてインジウムを含んでいる。この電池も、負極ケースおよび負極活物質が銅を含む比較例12と同様に、60℃2週間保存後の2mA放電持続時間が低下している。比較例20は、負極ケースの内面がインジウムを含まない電池である。この電池においても、十分な2mA放電持続時間は得られていない。
実施例44〜47、52〜55および60〜63は、負極活物質と、アルカリ電解液と、負極ケースの内面とが全て金属元素Mを含む電池である。表9から、実施例44〜47、52〜55および60〜63では、比較例11〜20よりも放電持続時間が増加している。このことから、負極活物質と、導電部材の表面(負極との接触面)と、電解液とが全て金属元素Mを含むことで、保存特性が向上することがわかる。
実施例48〜51、56〜59および64〜67は、負極活物質と、アルカリ電解液と、負極ケースの内面とが全て金属元素Mを含み、さらにアルカリ電解液が、水酸化リチウム0.5重量%を含む電池である。実施例48〜51、56〜59および64〜67では、上記実施例44〜47、52〜55および60〜63よりもさらに放電持続時間が増加している。よって、アルカリ電解液が水酸化リチウムを含むことで、さらに良好な保存特性が得られることがわかる。
《実施例68》
アルカリ電解液において、水酸化リチウムの含有量を0.005重量%としたこと以外、実施例48と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例69》
アルカリ電解液において、水酸化リチウムの含有量を0.01重量%としたこと以外、実施例48と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例70》
アルカリ電解液において、水酸化リチウムの含有量を0.05重量%としたこと以外、実施例48と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例71》
アルカリ電解液において、水酸化リチウムの含有量を0.1重量%としたこと以外、実施例48と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例72》
アルカリ電解液において、水酸化リチウムの含有量を1.5重量%としたこと以外、実施例48と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例73》
アルカリ電解液において、水酸化リチウムの含有量を2重量%としたこと以外、実施例48と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例74》
アルカリ電解液において、水酸化リチウムの含有量を3重量%としたこと以外、実施例48と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例75》
アルカリ電解液において、酸化第二スズの含有量を0.001重量%(スズ元素0.00079重量%)としたこと以外、実施例53と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例76》
アルカリ電解液において、酸化第二スズの含有量を0.002重量%(スズ元素0.0016重量%)としたこと以外、実施例53と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例77》
アルカリ電解液において、酸化第二スズの含有量を0.005重量%(スズ元素0.0039重量%)としたこと以外、実施例53と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例78》
アルカリ電解液において、酸化第二スズの含有量を0.08重量%(スズ元素0.063重量%)としたこと以外、実施例53と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例79》
アルカリ電解液において、酸化第二スズの含有量を0.1重量%(スズ元素0.079重量%)としたこと以外、実施例53と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例80》
アルカリ電解液において、酸化第二スズの含有量を0.15重量%(スズ元素0.118重量%)としたこと以外、実施例53と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例81》
負極活物質において、金属元素Mとして含まれるスズの含有量を0.001重量%(10ppm)としたこと以外、実施例53と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例82》
負極活物質において、金属元素Mとして含まれるスズの含有量を0.0015重量%(15ppm)としたこと以外、実施例53と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例83》
負極活物質において、金属元素Mとして含まれるスズの含有量を0.003重量%(30ppm)としたこと以外、実施例53と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例84》
負極活物質において、金属元素Mとして含まれるスズの含有量を0.05重量%(500ppm)としたこと以外、実施例53と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例85》
負極活物質において、金属元素Mとして含まれるスズの含有量を0.06重量%(600ppm)としたこと以外、実施例53と同様に空気亜鉛電池を作製した。
《実施例86》
負極活物質において、金属元素Mとして含まれるスズの含有量を0.07重量%(700ppm)としたこと以外、実施例53と同様に空気亜鉛電池を作製した。
上記で作製した空気亜鉛電池の負極活物質および負極ケースの内面の構成を表10に示す。また、アルカリ電解液の構成を表11に示す。
Figure 2007173220
Figure 2007173220
実施例68〜86で作製した空気亜鉛電池の保存特性の評価として、上記と同様に2mA放電持続時間および電池の膨れ量の測定を行った。測定結果を表12に示す。
Figure 2007173220
実施例68〜74は、負極活物質と、アルカリ電解液と、負極ケースの内面とが全て金属元素Mとして銅を含み、さらにアルカリ電解液が水酸化リチウムを含む電池において、水酸化リチウムの含有量を変化させたものである。水酸化リチウムの含有量が0.005重量%である実施例68と、含有量が3重量%である実施例74では、水酸化リチウムを含まない実施例44に対して、放電時間にあまり差はない。つまり、水酸化リチウムを含むことによる影響は少ない。水酸化リチウムの含有量が0.01重量%である実施例69と、含有量が2重量%である実施例73では、水酸化リチウムを含まない実施例44に対して、放電時間は増加している。このことから、水酸化リチウムの含有量を0.01〜2重量%とすることにより良好な保存特性が得られることがわかる。さらに、実施例70〜72で、60℃2週間保存後の2mA放電時間の増加が著しいことから、水酸化リチウムの含有量は0.05〜1.5重量%とすることが最適であることがわかる。
実施例75〜80は、負極活物質と、アルカリ電解液と、負極ケースの内面とが全て金属元素Mとしてスズを含む電池において、アルカリ電解液に含まれる酸化第二スズの含有量(スズ元素の含有量)を変化させたものである。酸化第二スズの含有量が0.001重量%(スズ元素の含有量が0.00079重量%)である実施例75と、含有量が0.15重量%(スズ元素の含有量が0.118重量%)である実施例80では、電解液がスズを含まない比較例16に対して、放電時間の増加の効果が認められた。一方、酸化第二スズの含有量が0.002重量%(スズ元素の含有量が0.0016重量%)である実施例76と、含有量が0.1重量%(スズ元素の含有量が0.079重量%)である実施例79では、比較例16に対して、放電時間がさらに増加している。このことから、酸化第二スズの含有量を0.002〜0.1重量%(スズ元素の含有量を0.0016〜0.079重量%)とすることにより良好な保存特性が得られることがわかる。さらに、実施例77〜78では、放電時間の増加がより大きくなっていることから、酸化第二スズの含有量は0.005〜0.08重量%(スズ元素の含有量を0.0039〜0.063重量%)とするのが最適であると考えられる。
アルカリ電解液中に酸化第二スズ以外のスズを含む化合物、例えば、酸化第一スズ、スズ酸カリウム、スズ酸ナトリウムなどを含む電池において、その含有量を同様に変化させた。このとき、放電時間の増加に対して、同等の効果が得られた。
また、負極活物質と、アルカリ電解液と、負極ケースの内面とが全て金属元素Mとして銅を含む電池において、アルカリ電解液に含まれる銅を含む化合物の含有量(銅元素の含有量)を変化させた。このとき、前述したスズの場合と同様の効果が得られるのを確認した。
また、負極活物質と、アルカリ電解液と、負極ケースの内面とが全て金属元素Mとしてインジウムを含む電池において、アルカリ電解液に含まれるインジウムを含む化合物の含有量(インジウム元素の含有量)を変化させた。このとき、前述したスズの場合と同様の効果が得られるのを確認した。
実施例81〜86は、負極活物質と、アルカリ電解液と、負極ケースの内面とが全て金属元素Mとしてスズを含む電池において、負極活物質に含まれるスズの含有量を変化させたものである。負極活物質におけるスズの含有量が0.001重量%(10ppm)である実施例81と、含有量が0.07重量%(700ppm)である実施例86では、負極活物質中にスズを含まない比較例17に対して、放電時間の増加の効果が認められた。一方、負極活物質におけるスズの含有量が0.0015重量%(15ppm)である実施例82と、含有量が0.06重量%(600ppm)である実施例85では、負極活物質がスズを含まない比較例17に対して、放電時間がさらに増加している。このことから、負極活物質におけるスズの含有量を0.0015〜0.06重量%(15〜600ppm)とすることにより良好な保存特性が得られることがわかる。さらに、実施例83〜84では、放電時間の増加が著しいことから、負極活物質におけるスズの含有量は0.003〜0.05重量%(30〜500ppm)とするのが最適であることがわかる。
また、負極活物質と、アルカリ電解液と、負極ケースの内面とが全て金属元素Mとして銅を含む電池において、負極活物質における銅の含有量を変化させた。このとき、前述したスズの場合と同様の効果が得られるのを確認している。
また、負極活物質と、アルカリ電解液と、負極ケースの内面とが全て金属元素Mとしてインジウムを含む電池において、負極活物質におけるインジウムの含有量を変化させた。このとき、前述したスズの場合と同様の効果が得られるのを確認している。
以上のように、負極活物質と、アルカリ電解液と、導電部材である負極ケースの内面とが、同一の金属元素Mを含むことにより、60℃2週間保存後の2mA放電時間が増加した。また上記のような構成の電池において、さらにアルカリ電解液に水酸化リチウムを含ませることで、良好な保存特性が得られた。特に、アルカリ電解液が4価のスズを含む電池においては、水酸化リチウムを含まない場合(実施例52〜55)、水酸化リチウムを含む場合(実施例56〜59)ともに最も良好な保存特性が得られた。
これにより、空気亜鉛電池においても、アルカリ乾電池と同様に、保存による放電特性の低下が抑制されたことがわかる。
また、上記のようなボタン型電池は、保存中に電池内部で水素ガスが発生し、その水素ガスが蓄積された場合、電池内部の圧力が上昇して電池が厚み方向に膨らむ。そこで、保存前後の電池の厚みを測定し、膨れ量を評価することで、電池内部圧力の比較を行った。
実施例44〜86および比較例11〜20の電池の厚みを測定した結果、それらの厚みの値に有意差はなく、水素ガス発生による電池内部の圧力上昇の度合いに差はないと考えられる。
実施例44〜86の放電持続時間は、比較例11〜20と比べて増加していた。このことには、以下の理由、すなわち実施例44〜86電池が負極活物質と、アルカリ電解液と、負極ケースの内面とが全て、同一の金属元素Mを含んだ構成を有することが挙げられる。これにより、60℃2週間保存中の水素ガス発生量が低減されたと考えられる。
上記のような電池構成、すなわち、負極活物質と、アルカリ電解液と、導電部材とが同一の金属元素Mを含む構成を採用することにより、アルカリ電池の保存特性を向上することができる。
本発明に係るアルカリ電池は、保存中に電池内部で発生する水素ガス量を低減することができる。よって、優れた保存特性を有するアルカリ電池を提供することができる。また、電池内部の圧力の上昇が抑制されるため、漏液が非常に起こりにくい。本発明は、アルカリマンガン電池、ニッケルマンガン電池、酸化銀電池、空気亜鉛電池、ニッケル亜鉛電池などのアルカリ系電池において有用である。
本発明のアルカリ電池の一例であるアルカリ乾電池の部分縦断面図である。 本発明のアルカリ電池の他の一例であるボタン形空気亜鉛電池の縦断面図である。
符号の説明
10 負極集電体
11 正極ケース
12 黒鉛塗装膜
13 正極合剤ペレット
14 セパレータ
15 絶縁キャップ
16 ゲル状負極
17 樹脂製封口板
18 底板
19 絶縁ワッシャー
101 外装ラベル
20 絶縁ガスケット
21 空気拡散紙
22 正極ケース
23 空気孔
25 撥水膜
26 空気電極
27 セパレータ
28 負極
29 負極ケース

Claims (13)

  1. 正極と、負極と、前記負極と接触する導電部材とを有し、
    前記負極は、亜鉛を含む負極活物質と、アルカリ電解液とを含み、
    前記アルカリ電解液は、水酸化カリウム水溶液を含み、
    前記負極活物質と、前記アルカリ電解液と、前記導電部材の前記負極との接触面とが、同一の金属元素Mを含み、
    前記金属元素Mは、亜鉛以外の金属元素である、アルカリ電池。
  2. 前記負極活物質が、前記金属元素Mと亜鉛とを含む合金を含む、請求項1記載のアルカリ電池。
  3. 前記アルカリ電解液が、水酸化カリウム水溶液と、前記水酸化カリウム水溶液に溶解した溶質とを含み、前記溶質が、亜鉛化合物と、前記金属元素Mを含む化合物とを含む、請求項1記載のアルカリ電池。
  4. 前記導電部材が、前記金属元素Mを含む合金または前記金属元素Mの単体を含む、請求項1記載のアルカリ電池。
  5. 前記導電部材の前記負極との接触面が、前記金属元素Mを含むメッキを有する、請求項1記載のアルカリ電池。
  6. 前記金属元素Mが、銅、スズおよびインジウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1記載のアルカリ電池。
  7. 前記アルカリ電解液における前記金属元素Mの含有量が、0.0016〜0.079重量%である、請求項1記載のアルカリ電池。
  8. 前記負極活物質における前記金属元素Mの含有量が、0.0015〜0.06重量%である、請求項1記載のアルカリ電池。
  9. 前記溶質が、更に、リチウム化合物を含み、前記アルカリ電解液における前記リチウム化合物の含有量が、0.01〜2重量%である、請求項3記載のアルカリ電池。
  10. 正極ケースと、前記正極ケースに収容された中空円筒状の正極と、前記中空に充填された負極と、前記負極に挿入された負極集電体とを有し、
    前記負極は、亜鉛を含む負極活物質と、アルカリ電解液とを含み、
    前記アルカリ電解液は、水酸化カリウム水溶液を含み、
    前記負極活物質と、前記アルカリ電解液と、前記負極集電体の表面とが、同一の金属元素Mを含み、
    前記金属元素Mは、亜鉛以外の金属元素である、アルカリ乾電池。
  11. 負極ケースと、前記負極ケースに収容された負極と、前記負極と対向する空気電極とを有し、
    前記負極は、亜鉛を含む負極活物質と、アルカリ電解液とを含み、
    前記アルカリ電解液は、水酸化カリウム水溶液を含み、
    前記負極活物質と、前記アルカリ電解液と、前記負極ケースの前記負極との接触面とが、同一の金属元素Mを含み、
    前記金属元素Mは、亜鉛以外の金属元素である、空気亜鉛電池。
  12. 水酸化カリウム水溶液を含むアルカリ電解液を得る工程と、
    ゲル化剤と負極活物質とを含み、前記負極活物質が亜鉛と亜鉛以外の金属元素Mとを含む負極合剤を得る工程と、
    前記アルカリ電解液と、前記負極合剤とを混合して、ゲル状の負極を得る工程と、
    前記負極に、前記金属元素Mを含む導電部材を接触させる工程とを有し、
    前記アルカリ電解液を得る工程が、水酸化カリウム水溶液と溶質とを混合し、前記溶質を溶解させる工程を含み、前記溶質が、亜鉛化合物と、前記金属元素Mを含む化合物とを含む、アルカリ電池の製造方法。
  13. 前記溶質が、更に、リチウム化合物を含む、請求項12記載のアルカリ電池の製造方法。
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