JP2003516614A - 亜鉛空気電池 - Google Patents

亜鉛空気電池

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Abstract

(57)【要約】 亜鉛空気減極電池(10)の陽極ケーシング(60)を、ケーシングが形成された後、亜鉛を含む陽極材料(50)が挿入される前に熱処理する方法(プロセス)。陽極ケーシングは内側表面に銅層を有している。プロセスは、約200℃から700℃の間、好ましくは約300℃から600℃の間の温度のガスを陽極ケーシングに接触した状態で通し、熱処理された陽極ケーシングを形成する熱処理工程と、熱処理された陽極ケーシングを大気温度まで冷却する工程とを含む。熱処理された陽極ケーシングは、電池の組み立てにおいて陽極活性材料が中に挿入されるまでの間大気から離して保管される。この熱処理プロセスにより、電池の放電中、および保管中に発生するガスが著しく減少し、陽極材料に水銀を添加する必要がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、亜鉛を含む陽極と、空気陰極とを有する、金属空気電池に関する。
【0002】 また、本発明は、電池の陽極ケーシングの内側表面を形成する銅の面を、熱し
たガスをこの面と接触するように通すことによって熱処理するプロセスに関する
【0003】 亜鉛空気電池は、一般的に、特にプログラマブルタイプの補聴器を含む、電子
補聴器の電池として用いられる、小型ボタン電池の形をとっている。このような
小型電池は、一般的に、直径が約4mmから12mmの間、高さが約2mmから
6mmの間の、円盤状の円筒形をしている。亜鉛空気電池は、やや大きめに製造
し、従来の単五、単四、単三、単二、単一サイズの亜鉛/二酸化マンガンアルカ
リ電池と互換性のあるサイズの、円筒形のケーシングを持つようにしてもよいし
、さらに大きなサイズにしてもよい。
【0004】 小型亜鉛空気ボタン電池は、一般的に陽極ケーシング(陽極カップ)と、陰極
ケーシング(陰極カップ)とを有している。陽極ケーシングと陰極ケーシングと
は、それぞれ閉鎖端と開放端を有している。陽極ケーシングと陰極ケーシングと
に必要な材料が挿入された後、通常陽極ケーシングの開放端が陰極ケーシングの
開放端に挿入され、電池はクリンピングによって封口される。陽極ケーシングに
は、微粒子亜鉛を含む混合物を充填することができる。通常、亜鉛混合物は水銀
およびゲル化剤を含み、電解液が加えられるとゲル化する。電解液は通常、水酸
化ナトリウムの水溶液であるが、他のアルカリ電解物の水溶液を用いることもで
きる。陰極ケーシングは、その閉鎖端の内側表面を覆う、エアディフューザ(エ
アフィルタ)を有している。エアディフューザは、紙や多孔性の高分子材料を含
む、様々な通気性材料から選択できる。エアディフューザは、陰極ケーシングの
閉鎖端の表面にある空気孔に隣接して置かれる。一般的に、粒子状の二酸化マン
ガン、カーボン、および疎水性バインダの混合物を含む触媒物質が、陰極ケーシ
ングに挿入され、空気孔に接触しない側のエアディフューザの上に置かれる。通
常、イオン透過性セパレータが陰極ケーシングの開放端に面するように触媒物質
の上に置かれている。
【0005】 陰極ケーシングは、一般的に、例えばニッケルメッキされたステンレス鋼から
成り、ニッケルメッキが陰極ケーシングの外側表面を形成し、ステンレス鋼がケ
ーシングの内側表面を形成している。陽極ケーシングもまた、ニッケルメッキさ
れたステンレス鋼で形成することができ、一般的にニッケルメッキがケーシング
の外側表面を形成している。陽極ケーシングは、外側にニッケル層、内側に銅層
を有するステンレス鋼から成る、三重被覆材料(三層構造材)で形成されてもよ
い。このような実施の形態では、一般的にニッケル層は陽極ケーシングの外側表
面を形成し、銅層は内側表面を形成する。銅層が内側にあると、亜鉛粒子と、陽
極ケーシングの閉鎖端にある電池の負極との間の導電性が非常に高くなるので、
望ましい。耐久性のある、高分子材料でできた絶縁リングが陽極ケーシングの外
側表面上に挿入される。絶縁リングは一般的に、圧搾された時に流動(塑性流動
)しない、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、またはナイロンから成る。
【0006】 陽極ケーシングに亜鉛混合物が充填され、エアディフューザ、触媒、およびイ
オン透過性セパレータが陰極ケーシング内に配置された後、陽極ケーシングの開
放端は陰極ケーシングの開放端に挿入される。そして陰極ケーシングの周辺端は
陽極ケーシングの周辺端上にクリンプされ、厳重に密封された電池ができあがる
。陽極ケーシングの周囲の絶縁リングは、陽極カップと陰極カップとの間の電気
的接触を防止する。陰極ケーシングの表面上の空気孔上に、取り外し可能なタブ
が置かれる。使用する前にタブが取り除かれ、空気孔を露出させて空気が進入で
きるようにし、電池を活性化させる。陽極ケーシングの閉鎖端の一部は電池の負
極として機能してもよく、陰極ケーシングの閉鎖端の一部は電池の正極として機
能してもよい。
【0007】 通常、陽極の混合物内の亜鉛の少なくとも1重量パーセント、例えば約3重量
パーセントの水銀が加えられる。水銀は、放電中、および放電前又は後に電池が
保管されている亜鉛空気電池内で副反応として起こる、水素ガスの発生を減少さ
せるために陽極の混合物に加えられる。ガスの発生が過剰になると、電池の容量
を減少させ、電解液が漏れる可能性が大きくなる。電解液が漏れると電源投入中
の補聴器や他の電子機器にダメージを与えたり破壊したりする。現在では、世界
の多くの地域で、環境問題への配慮から、電気化学電池への水銀の使用を大きく
制限している。もし水銀の代わりに他の潜在ガス反応抑制剤が用いられると、陽
極の導電性が著しく減少したり、かなりの量を加えなければならなくなり、電池
の容量(mAh)を著しく減少させることになる。
【0008】 米国特許第3,897,265号には、陽極ケーシングが陰極ケーシングに挿
入された亜鉛空気ボタン電池構造の代表的なものが開示されている。陽極は、水
銀とアマルガム化された亜鉛を有している。この電池は、エアディフューザ、陰
極触媒、および陰極ケーシングの表面の空気孔に面するように陰極ケーシングの
閉鎖端に置かれるセパレータを含む組立体を有している。
【0009】 米国特許第5,279,905号には、陽極の混合物に水銀が含まれていない
か、あるいはほとんど含まれていない、小型亜鉛空気電池が開示されている。そ
の代わり、陽極ケーシングの内側層はインジウム層でコーティングされている。
開示された陽極ケーシングは、外側表面がニッケルでメッキされ、内側表面が銅
でメッキされたステンレス鋼から成る、三重被覆材料から形成されてもよい。銅
層は少なくとも1マイクロインチ(25.4x10−6mm)である。この文献
は、陽極ケーシングの内側表面の銅層に、インジウム層をコーティングすること
を開示している。インジウム層は、約1マイクロインチから、5マイクロインチ
(25.4x10−6mmから127x10−6mm)の間と記載されている。
【0010】 このように、水銀を加えることなく亜鉛空気電池を製造するのが望ましい。
【0011】 電池内のガス発生を増加させることなく、また電池性能が良好な状態で、亜鉛
空気電池に水銀を加える必要性をなくすのが望ましい。
【0012】 本発明の1つのアスペクトは、金属空気減極電池の陽極ケーシング、望ましく
は亜鉛空気電池の陽極ケーシングの熱処理に関する。本発明は特に、補聴器の電
源として有用な小型亜鉛空気ボタン電池の陽極ケーシングの熱処理に関する。本
発明のプロセスは、好ましくは陽極ケーシングが打ち抜き(スタンプ)成形され
た後で、陽極活性物質が中に挿入される前に、陽極ケーシングを熱処理すること
に関する。このように、陽極ケーシングが形成された後、中に活性物質が挿入さ
れる前に陽極ケーシングを熱処理することは、本明細書では陽極ケーシングの後
熱処理として記載する。これは、陽極ケーシングが形成されるメタルシーティン
グが、スタンピングの前に熱処理されるという意味ではない。陽極ケーシングは
、その内側表面を覆う、銅層を有している。陽極ケーシングは、好ましくは外側
にニッケル層、内側に銅層を有するステンレス鋼を有する三重被覆材料から成る
【0013】 本発明の基本的なアスペクトでは、(a)陽極ケーシングに接して通過する、
約200℃から700℃、好ましくは約300℃から600℃のガスによって陽
極ケーシングを熱処理し、熱処理済みの陽極ケーシングを形成し、(b)熱処理
済みの陽極ケーシングを大気温度まで冷却する。次に、熱処理済みの陽極ケーシ
ングは、電池を組み立てる工程で陽極活性物質を充填される準備ができるまで、
好ましくは例えば真空バッグに入れられ、大気中から離して保管される。好まし
くは、陽極ケーシングは石英炉内で、熱処理ガスを陽極ケーシングに接触するよ
うに通過させることにより熱処理するのがよい。炉内の石英管内に陽極ケーシン
グを配置し、処理ガスを陽極ケーシングに接触するように炉内に通してもよい。
好ましくは処理ガスは、例えば水素を含む還元ガスである。好適な還元ガスは、
5重量%の水素と、95重量%の、例えばアルゴンや窒素のような、不活性また
はほとんど不活性のガスを含む。
【0014】 陽極ケーシングの熱処理は、望ましくは基本的に2つの工程で実行される。a
.1)炉の温度と、ひいては陽極ケーシングに接触するように炉内を通過する処
理ガスの温度とが、初期温度から所望の上昇(ソーク)温度まで、徐々に増加す
る、初期加熱期(ランプ期)と、a.2)陽極ケーシングと接触する処理ガスの
温度が一定時間(ソーク時間)上昇(ソーク)温度に保たれる、一次加熱期であ
る。陽極ケーシングと接触する処理ガスの初期温度は、だいたい室温(20℃)
か、それより低くてもよく、例えば約20℃から30℃のように、高めでもよい
。望ましくはソーク温度は約300℃から700℃で、好ましくは約300℃か
ら600℃であり、さらに好ましくは約400℃から600℃であるとよい。ソ
ーク温度は好ましくは上述のソーク温度の範囲で一定に保たれるとよいが、上述
のソーク温度の範囲で変動してもよい。陽極ケーシングと接触する処理ガスの流
れは、一次加熱・ソーク期の間、維持される。一度ソーク温度が達成されると、
陽極ケーシングは望ましくは約5分から25分という比較的短い間、好ましくは
約15分間、ソーク温度の処理ガスの流れにさらされる。処理ガスは、層流また
は乱流の形で陽極ケーシングに接触するように炉内を通過する。このように、ガ
ス流の速度は重要ではなく、毎分約8から10立方センチメートルで十分である
。ソーク期の後、炉は停止され、熱処理済みの陽極ケーシングはまだ炉内にある
ものの、ゆっくりと周辺温度、例えば20℃から30℃の間まで冷却される、冷
却工程に入る。室温まで冷却されると、好ましくは加熱処理済みの陽極ケーシン
グは、例えば真空バッグの中に入れられるなどして、電池の製造中に陽極活性物
質を充填される時まで、大気から隔離される。
【0015】 陽極ケーシングに適用される本発明の加熱処理工程は、加熱処理されたケーシ
ングを用いて亜鉛空気電池のガスの発生を減少させる。ガスの発生がいちじるし
く減少した結果、陽極混合物に水銀を加える必要性が全くなくなる。
【0016】 本発明の熱処理工程により、なぜ電池のガスの発生がいちじるしく減少するの
かははっきりとはわからない。ケーシングが例えばスタンピングによって形成さ
れた後、電池の組み立て工程で実際に使われるまでの、数週間または数ヶ月の期
間である、保管期において、陽極ケーシングの内側層である銅が、表面に酸化銅
(CuO)や他の酸化物および不純物を堆積させることは理論上想定されている
。これらの酸化物は亜鉛と水が反応して亜鉛酸化物と水素ガスとを発生させる一
次ガス反応の速度を増す触媒として作用できる。本発明の熱処理工程は、銅酸化
物、他の酸化物、および不純物を銅層の表面から減少させ、それにより水素ガス
の生成を減少させていると信じられている。本発明の加熱処理工程はまた、陽極
ケーシングの内側表面の銅をより滑らかにし、よってガス反応を起こす活性部位
の数を減らしている。
【0017】 本発明は、図面を参照することにより、より理解することができる。
【0018】 本発明は、ガス減極電気化学電池に関する。これらの電池は、一般的には亜鉛
を含む金属陽極と、空気陰極を備える。この電池は普通、金属空気減極電池と称
され、さらに一般的には亜鉛空気電池と称される。
【0019】 本発明の亜鉛空気電池は、基本的には水銀を用いず、望ましくは小型ボタン電
池の形をしている。特に電子補聴器の電源としての用途がある。本発明の小型亜
鉛空気電池は一般的に直径が約4mmから16mmの間、好ましくは約4mmか
ら12mmの間で、高さが約2mmから9mmの間、好ましくは約2mmから6
mmの間の、ディスク状の円柱形をしている。小型亜鉛空気電池の動作負荷電圧
は一般的に、約1.1ボルトから0.2ボルトの間になっている。電池の放電電
圧プロファイルは通常実質的に平坦であり、約1.1ボルトから約0.9ボルト
であるが、次に突然ゼロまで落ち込む。電池は、約5ミリアンペアから15ミリ
アンペアの間で放電する。本明細書中では、「小型電池」や「小型ボタン電池」
の語は、これら小さいサイズのボタン電池を指しているが、それに限るものでは
ない。他の形や大きさの小さい亜鉛空気電池も可能だからである。例えば、従来
型の単五、単四、単三、単二、単一型の亜鉛・二酸化マンガンアルカリ電池に相
当する大きさや、それ以上の大きさの円柱状のケーシングを有する、やや大きめ
のサイズの亜鉛空気電池を製造することが可能である。本発明はこのような大き
めのサイズの電池や、例えば角柱状や楕円状のような、他の形の電池にも適用で
きる。
【0020】 本発明の電池は水銀が添加されておらず(ゼロ添加水銀電池)、基本的に水銀
を含んでいない。このようなゼロ添加水銀電池では、水銀は添加されておらず、
亜鉛中に自然に存在する微量の水銀のみが存在する。よって、本発明の電池では
、水銀の総含有量は、電池全体の重量の約百万分の50未満、好ましくは百万分
の20未満、さらに好ましくは百万分の10未満である。(本明細書中で「基本
的に水銀を含んでいない」というのは、電池の水銀含有量が、総重量の百万分の
50未満であるという意味である。)本発明の電池では、陽極に添加される鉛の
量は極めて微量である。たとえ鉛が陽極に添加されるとしても、電池内の鉛の含
有量は、陽極中の金属含有量の約100ppmから600ppmの間である。し
かし、本発明の電池では、望ましくは鉛は添加されることなく、故に鉛を含んで
おらず、鉛の総含有量は陽極の総金属含有量の30ppm未満であり、望ましく
は15ppm未満となる。
【0021】 本発明の亜鉛空気電池10は、陽極ケーシング60と、陰極ケーシング40と
、これらの間に置かれる電気絶縁材料70とを備える。陽極ケーシング60は、
本体63と、一体型閉鎖端69と、開放端67とを有する。陰極ケーシング40
は、本体42と、一体型閉鎖端49と、開放端47とを有する。陽極ケーシング
60は、亜鉛とアルカリ電解物とを含む陽極混合物50を収容している。陰極ケ
ーシング40は、その閉鎖端の表面に複数の空気孔43を有しており、触媒性複
合材料34が、空気孔の近くのケーシング内に置かれている。電池が放電してい
るとき、触媒性材料34は、大気中の酸素が空気孔43を通り抜けるときに、そ
れを用いた電気化学反応を促進する。
【0022】 本発明の亜鉛空気電池10の陽極ケーシング60の内部表面が銅の層66でメ
ッキされ、ケーシングが形成された後陽極材料50が挿入される前にホットガス
などによって銅が熱処理されると、電池が放電したり保管されたりしている間、
ガスの発生が著しく減少することが明らかになっている。本発明の熱処理工程は
、銅層の表面から酸化銅、他の酸化物、および不純物を除去することによって、
電池が放電したり保管されたりしている間、水素ガスの発生率を減少すると思わ
れる。銅層66を熱処理することによって実現される電池のガスの発生の減少に
より、陽極活性混合物50への水銀の添加の必要性が無くなる。特に、亜鉛およ
び陽極混合物に他のガス反応抑制剤を加えることなく、従来添加されていた陽極
混合物の約3重量パーセントの水銀を除くことできることが明らかになっている
。さらに、陽極混合物50中の亜鉛の総量は水銀の分だけ増やすことができ、電
池の容量(ミリアンペア時)が増えるということになる。
【0023】 図1は、本発明の亜鉛空気電池の好適な実施の形態を示す。図1の実施の形態
は、小型ボタン電池である。電池10は、陰極ケーシング(陰極カップ)40と
、陽極ケーシング(陽極カップ)60と、これらの間の電気絶縁物質70とを備
える。望ましくは、絶縁物70は図1の陽極ケーシング本体63の外側表面上に
挿入されるリングの形をとる。絶縁リング70は、望ましくは陽極ケーシングの
周辺端68を越えてせり出た拡大部73aを有する(図1)。拡大部73aを有
する絶縁物70は、電池が密封された後、陽極活性物質が陰極ケーシング40と
接触するのを防止する。絶縁物70は、圧搾されたときに耐流動性(耐塑性流動
性)を有する高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、又はナイロンなどの、丈夫
な電気絶縁物から成る。
【0024】 陽極ケーシング60と、陰極ケーシング40とは、最初は別々の部材である。
陽極ケーシング60と、陰極ケーシング40とは、別々に活性物質を充填され、
次に陽極ケーシング60の開放端67は、陰極ケーシング40の開放端47に挿
入される。陽極ケーシング60は、周辺端68から陽極ケーシング60の高さの
少なくとも50%以上、垂直下方に伸びる第1の直線本体部63aと(図1)、
引き続き陽極ケーシングが内側に曲がって形成される傾斜中間部63bとを有す
ることを特徴とする。中間部63bの端部からは、第2の直線部63cが垂直下
方に伸びている。第2の直線部63cの直径は、直線部63aの直径より小さい
。部材63cの端部は90℃曲がって、比較的平坦な負極面65を有する閉鎖端
69となっている。陰極ケーシング40の本体42は、最大径を有し、閉鎖端4
9から垂直下方に伸びる、直線部42aを有している。本体42の端部は、周辺
端42bとなっている。陰極ケーシング40の周辺端42bと、その内側にある
絶縁リング70の周辺端73bとは、当初はまっすぐであり、陽極ケーシング6
0の傾斜中間部63b上に機械的に折り曲げられる(crimp)。これにより、陰
極ケーシング40を陽極ケーシング60上に固定し、厳重に封口された電池を作
る。
【0025】 陽極ケーシングは、粒子状の亜鉛と粉状のゲル化剤物質の混合物をまず用意す
ることによって、陽極活性物質を単独に充填することができる。亜鉛の平均粒子
サイズは、望ましくは約30ミクロンと350ミクロンの間である。亜鉛は純粋
な亜鉛でもよいし、インジウム(100から1000ppm)と合金化された粒
子化された亜鉛でもよい。さらに、亜鉛はインジウム(100から1000pp
m)と鉛(100から1000ppm)と合金化された粒子状の亜鉛でもよい。
他の亜鉛合金、例えばインジウム(100から1000ppm)とビスマス(1
00から1000ppm)と合金化された粒子状の亜鉛、も用いることができる
。これらの特殊亜鉛合金は、基本的に純粋な亜鉛を有し、本質的に純粋な亜鉛の
電気化学キャパシティを有する。このように、「亜鉛」という語は、上述の物質
を含むものとして解釈される。ゲル化剤物質は、アルカリ電解液には実質的に不
溶性である、様々な公知のゲル化剤から選択できる。これらのゲル化剤は、例え
ば架橋カルボキシメチルセルロース(CMC)、例えば商品名ウォーターロック
A221(グレインプロセッシング社)として入手可能な、でんぷんのバックボ
ーンにグラフトされたポリアクリロニトリル加水分解物のようなでんぷんグラフ
ト化共重合体、商品名カーボポルC940(B.F.グッドリッチ社)として入
手可能な、ポリアクリル酸重合体、商品名ウォーターロックA400(グレイン
プロセッシング社)として入手可能な、アルカリ鹸化ポリアクリロニトリル、お
よび商品名ウォーターロックJ−500またはJ−550として入手可能であり
、ポリアクリル酸ナトリウム高吸収性重合体と呼ばれる、ポリアクリル酸のナト
リウム塩などがある。粒子化した亜鉛と、ゲル化剤粉末との乾燥混合物は、一般
的に乾燥混合物の約0.1重量パーセントから1重量パーセントの間のゲル化剤
を用いて作られる。約30から40重量パーセントの水酸化カリウム(KOH)
と、約2重量パーセントの酸化亜鉛(ZnO)とを含む水酸化カリウム(KOH
)水溶液の電解液が乾燥混合物に加えられ、できあがった湿性の陽極混合物50
が、陽極ケーシング60に挿入される。あるいは、粒子状の亜鉛とゲル化剤の乾
燥粉末混合物がまず陽極ケーシング60内に置かれ、次に電解液が加えられて湿
性の陽極混合物50を形成してもよい。
【0026】 触媒性陰極組立体30とエアディフューザ31が、以下のようにケーシング4
0内に挿入される。通気性フィルタペーパーや多孔性重合体材料のような、エア
ディフューザディスク31(図1、2)が、空気孔42をふさぐように陰極ケー
シング40内に挿入される。例えばポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登
録商標))性の別の電解物バリア層32を、エアディフューザ31上に挿入して
もよい。バリア層32が採用された場合は疎水性のものでなくてはならず、望ま
しくは電池内への空気の流入を著しく遅らせることなく電解物が電池から漏れる
のを防ぐ機能を持つものがよい。図2に示される触媒性陰極組立体30は、電解
物バリア材料の層35、バリア層35の下に置かれる陰極触媒コンポジット34
、および触媒コンポジット34の下に置かれるイオン透過性セパレータ材料38
を有する積層体であってもよい。これらの層はそれぞれ個別に作られ、熱や圧力
を加えられることによって積層され、触媒性組立体30を形成してもよい。電解
物バリア層35は、望ましくはポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商
標))から成る。セパレータ38は、セロファン、ポリ塩化ビニール、アクリロ
ニトリル、微小孔ポリプロピレンなどの従来のイオン透過性セパレータ材料から
選択できる。
【0027】 触媒性陰極コンポジット34は、望ましくは粒子状の二酸化マンガンと、カー
ボンと、好ましくはニッケルメッシュスクリーンである導電性のスクリーン37
の表面に従来の塗布方法で塗布される、疎水性バインダとから成る、疎水性触媒
性陰極混合物33を有する。銀、プラチナ、パラジウム、ルテニウムなどの金属
や、金属やマンガンの酸化物(MnO)、および酸素還元反応の触媒になる公
知のコンポーネントなどの他の触媒性材料が含まれたり採用されたりしてもよい
。塗布されている間に、触媒性混合物33は、実質的にスクリーン37の多孔性
メッシュに吸収される。触媒性混合物33に用いられる二酸化マンガンは、例え
ば電解二酸化マンガン(EMD)のような、従来の電池用の二酸化マンガンでよ
い。さらに、触媒性混合物33の二酸化マンガンは、硝酸マンガンMn(NOの熱分解によって得られる二酸化マンガンでよい。混合物33を用意するの
に用いられるカーボンは、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラッ
クなど、様々な形でよい。表面積が広いため、好ましいカーボンはカーボンブラ
ックである。適当な疎水性バインダとしてはポリテトラフルオロエチレン(テフ
ロン(登録商標))がある。触媒性混合物33は一般的に、約3から10重量パ
ーセントのMnO、10から20重量パーセントのカーボン、そして残りの部
分を埋めるバインダから成る。電池の放電中、触媒性混合物33は主として、進
入してくる空気を使用して起こる、電気化学反応を促進する触媒として作用する
。しかし、触媒にさらに二酸化マンガンを加えて、電池がエアアシスト亜鉛空気
電池またはエアアシストアルカリ電池に変換されてもよい。これらの電池では、
少なくとも二酸化マンガンの一部が放出される。つまり、酸素の供給に伴う電気
化学放電中、マンガンが減少する。
【0028】 それぞれの層、つまりバリア層35、触媒コンポジット34、およびセパレー
タ38は、熱と圧力を加えて積層され、図2の触媒性組立体30を形成する。図
1に示されるように、組立体30はエアディフューザ31の隣に、セパレータ層
38が陰極ケーシング40の開放端の方を向くように、陰極ケーシング40に挿
入される。エアディフューザ31と触媒性組立体30とがケーシング40に挿入
された後、充填済みの陽極ケーシング60の開放端67が陰極ケーシング40の
開放端47に挿入される。陰極ケーシングの周辺端42bは、上述の通り絶縁物
70を間に挟んで陽極ケーシングの傾斜中間部63b上にクリンプされる。
【0029】 好適な実施の形態(図1)では、陽極ケーシング60は、内側表面にメッキま
たは被覆した銅の層66を有し、組立後の電池では陽極亜鉛混合物50が銅層に
接触するようになっている。銅メッキは、亜鉛が放電する際に陽極50から負極
65への電子の流れの高導電経路となるため望ましい。陽極ケーシング60は、
望ましくは内側表面が銅層でメッキされたステンレス鋼である。好ましくは、陽
極ケーシング60は、図3に示すように、内側表面に銅層66、外側表面にニッ
ケル層62を有するステンレス鋼64を備える三重被覆材(三層構造材)である
。このように、組立後の電池10では、銅層66が陽極亜鉛混合物50と接触す
る陽極ケーシングの内側表面を形成し、ニッケル層62が陽極ケーシングの外側
表面を形成する。
【0030】 望ましくは、銅層66は約0.0002インチ(0.005mm)から0.0
02インチ(0.05mm)の間の厚みを有する。ステンレス鋼は一般的に約0
.001インチ(0.0254mm)から0.01インチ(0.254mm)の
間の厚みを有し、ニッケル層は約0.0001インチ(0.00254mm)か
ら0.001インチ(0.0254mm)の間の厚みを有する。三重被覆材を有
する陽極ケーシングの壁全体の厚みは、望ましくは約0.001インチ(0.0
254mm)から0.015インチ(0.38mm)の間である。
【0031】 本発明の方法(プロセス)では、陽極ケーシング60がまず、図1に示されて
いるのと同じか類似の形にスタンピングされる。陽極ケーシングは、ケーシング
の内側表面となる銅層66を有する上述の三重被覆材から成る。本発明によれば
、ケーシング60が所望の形にスタンピングされた後、約200℃から700℃
、好ましくは約300℃から600℃に熱せられた処理ガス、好ましくは還元ガ
スの流れに陽極ケーシング60がさらされることにより、銅の表面は熱処理(後
熱処理)される。他の公知の熱処理およびガス接触法を用いることもできる。好
ましい還元ガスとしては、望ましくは5重量パーセントの水素と95重量パーセ
ントの窒素とを含む水素窒素混合ガスがある。熱処理は従来通り、陽極ケーシン
グ60を、上側が開いているセラミックケーシングまたはボートに入れて行われ
る。ケーシング60を入れたセラミックケーシングは、電気的に加熱された石英
炉の石英受け管の中に置かれる。処理ガスは炉内に入ったときに大気温度かそれ
以下であるが、炉内をゆっくりと進み陽極ケーシングと接触するにつれ、ほとん
どすぐに炉内温度となる。このように、ガスが陽極ケーシングと接触する際の初
期温度は室温(20℃)でよい。しかし、ガスが陽極ケーシングと接触する際の
初期温度はもっと高くてもよく、例えば室温ほどの約20℃から30℃の間でも
よい。ケーシング60が炉内にあり、処理ガスが通過して陽極ケーシングと接触
すると、熱処理は基本的に以下の2工程で達成される。a)炉の温度、ひいては
炉を通る還元ガスの温度が、初期温度から所望の高温まで次第に上昇する、初期
加熱期(ランプ期)およびb)ガスの温度が指定の期間(ソーク期間)、高温に
維持される、一次(ソーク)加熱期である。
【0032】 初期(ランプ)加熱期間の間、炉の温度と炉を通る処理ガスの温度とは、毎分
約5℃から15℃の割合でゆっくりと上昇する。初期(ランプ)加熱期間の間、
処理ガスの流速は、好ましくは毎分約8から10立方センチメートルの間という
、ゆっくりとした速度に保たれる。しかし、処理ガスの流速は、例えば乱流速度
のような、より速い速度でもよい。初期(ランプ)加熱は約15分から60分の
間、炉温の上昇速度の選択によってはより長い時間行われる。初期(ランプ)加
熱は一般的に所望の高ソーク温度に至るまで続けられる。所望のソーク温度は、
約200℃から700℃の間、好ましくは約300℃から600℃の間、さらに
好ましくは約400℃から600℃の間である。好ましくはソーク温度は、操作
を容易にするためと、製品のむらを少なくするため、一定の温度に保たれる。し
かし、約200℃から700℃の範囲、好ましくは約300℃から600℃の範
囲にある限り、初期(ソーク)加熱期にソーク温度が変動してもかまわない。ソ
ーク温度に到達すると、陽極ケーシング60は約5分から25分(一次加熱期)
、好ましくは約15分という比較的短い間、ソーク温度の還元ガスの流れにさら
される。ソーク期間中、処理ガスの流速は変動してもよく、より速い速度になっ
てもよい。しかし、初期期間と一次加熱期間のどちらも、処理ガスの流速をだい
たい同じ、すなわち毎分約8立方センチメートルから10立方センチメートルの
間というゆっくりとした流速に維持しておけばよい。
【0033】 一次(ソーク)加熱期の後炉は停止され、熱処理されたケーシング60がまだ
炉内にある状態で、ケーシングは好ましくはまだ還元ガスの流れに接触したまま
で、例えば約20℃から30℃の間であろう室温までゆっくりと冷やされる。室
温まで冷えると、熱処理後の陽極ケーシングは電池を組み立てる際に陽極亜鉛混
合物を充填するときまで、真空バッグに保管される。
【0034】 上述の陽極ケーシング60の熱処理に、アルゴンのような不活性ガスの処理ガ
スを用いることが可能である。しかし、好適な処理ガスは例えば約5重量パーセ
ントの水素と95重量パーセントの窒素とを有するガスである、還元ガスである
。処理時間全体を通して同じ組成のガスを維持するのがよい。
【0035】 本発明の効果は、以下の実施例で明らかになる。
【0036】実施例1(添加水銀無し/還元ガスによる陽極ケーシングの熱処理) ニッケルの外側層62、ステンレス鋼の中間層64、および銅の内側層66を
有する三重被覆材から成る陽極ケーシング60がシート材から作成される。陽極
ケーシングの総厚みは約0.0119インチ(0.302mm)である。ステン
レス鋼層の厚みは約0.009インチ(0.229mm)であり、ニッケル層の
厚みは約0.000928インチ(0.0236mm)である。銅層の厚みは約
0.00194インチ(0.049mm)である。三重被覆シート材は打ち抜か
れて、図1に示す構造をもつ、空の陽極ケーシング60に成型される。できあが
った陽極ケーシングは、5重量パーセントの水素と95重量パーセントの窒素を
含む還元ガスを用いた上述の熱処理工程にかけられた。
【0037】 具体的には、空の陽極ケーシング60は、開放型のセラミックボートに入れら
れ、さらに石英炉に入れられた。陽極ケーシングは、約8から10cc/分の速
度で炉内を流れる還元ガスと共に初期(ランプ)加熱期におかれた。炉の温度、
ひいては陽極ケーシング上を通過して接触する還元ガスの温度は、大気温度(2
0℃)から所望のソーク温度である、約215℃に達するまで、毎分約15℃の
割合で徐々に上昇された。次に炉は、だいたいソーク温度で維持された。陽極ケ
ーシング60は、約5分である一次(ソーク)期間の間、約215℃である一定
のソーク温度で、陽極ケーシングの上を通過する還元ガスと共に加熱された。ソ
ーク期間中、炉内の還元ガスの流速は、約8から10cc/分であった。次に炉
は停止され、陽極ケーシング60は徐々に大気温度まで冷却された。冷却期間は
、ソーク温度のピークにより、5時間から12時間であった。次にケーシングは
炉から出され、例えば真空バッグなどに入れられて大気から離して保管された。
【0038】 次に、上述(図1)の構成要素を持つ小型亜鉛空気電池が作られた。この電池
は、全径が約0.608インチ(15.4mm)であり、高さ(正極から負極ま
で)が0.314インチ(7.98mm)であった。用いられた陽極ケーシング
60は、上述の通り、215℃に加熱されたものであった。陰極ケーシング40
は、壁厚が約0.01インチ(0.25mm)のニッケルメッキ鋼であった。陰
極触媒コンポジット37は、以下の組成であった。二酸化マンガン4.6重量パ
ーセント、カーボンブラック15.3重量パーセント、テフロン(登録商標)バ
インダ18.8重量パーセント、ニッケルメッシュスクリーン61.2重量パー
セント。陰極触媒コンポジット34の総重量は0.140gであった。陽極50
の添加水銀はゼロ(水銀の含有量は電池の重量の20ppm未満)で、以下の組
成を有していた。亜鉛77.8重量パーセント(亜鉛はそれぞれ200から50
0ppmのインジウムと鉛との合金)、電解物21.9重量パーセント(KOH
40重量パーセント、ZnO2重量パーセント)、ゲル化剤(ウォーターロック
J−550)0.3重量パーセント、鉛400ppm(0.04重量パーセント
)。陽極50の総重量は2.43gであり、亜鉛は1.9gであった。
【0039】 電池は二つのグループに分けられた。一つのグループはカットオフ電圧0.2
ボルトまで220オームという一定の負荷で放電され、放電した電池は大気温度
で7日間、密封したフォイルバッグ中に保管された。第2のグループは、電池の
放電を行うことなく、大気温度で30日間、密封したフォイルバッグ中に保管さ
れた。それぞれのグループの電池中で発生したガスの量が測定された。第1のグ
ループ(放電された電池)で、放電中とその後の保管中に発生したガスは測定さ
れ、表1に記載されている。第2のグループ(放電されなかった電池)で、大気
温度での1ヶ月の保管期間に発生したガスは測定され、表2に記載されている。
表のデータは電池内に残留したガスと(電池内)、保管中にフォイルバッグ中に
漏れたガス(バッグ内)とから成る。放電した電池は、放電が完了するとバッグ
に納められた。
【0040】 電池の保管中に密封したフォイルバッグ中に発生したガスの量は、保管期間前
後での総バッグ重量を比較して測定された。電池内に残されたガス(残留ガス)
は、電池穿刺試験によって測定された。この試験は、針で電池を刺すものである
。電池から出たガスは、キャビティに入り、圧力変換器で測定される。
【0041】 同一の三重被覆陽極ケーシングが、ソーク温度が約500℃であったのを除い
て同様の方法で熱処理された。次に炉は、だいたいソーク温度で維持された。陽
極ケーシング60は、還元ガスが上部を通過する状態で、約500℃という一定
のソーク温度で約15分という一次(ソーク)期間、熱せられた。次に炉は停止
され、陽極ケーシングは大気温度まで冷却された。冷却時間は約8時間であった
。ケーシングは炉から出され、真空バッグに保管された。次に、この実施例では
電池は上述と同一の陽極および陰極触媒組成を用いて組み立てられた。500℃
で熱処理された陽極ケーシングが電池を組み立てるのに用いられた。電池は2つ
のグループに分けられた。一つのグループは、0.2ボルトのカットオフ電圧ま
で220オームという一定の負荷で放電され、放電後の電池は大気温度で7日間
密封フォイルバッグ中に保管された。第2のグループは電池を放電させることな
く、大気温度で30日間密封フォイルバッグ中に保管された。それぞれのグルー
プで電池の放電中と保管中に発生した発生したガスの量が測定された。第1のグ
ループ(放電された電池)で、放電中とその後の保管中に発生したガスは測定さ
れ、表1に記載されている。第2のグループ(放電されなかった電池)で、大気
温度での1ヶ月の保管期間に発生したガスは測定され、表2に記載されている。
【0042】実施例2(比較)(添加水銀無し/スタンピング後陽極ケーシング熱処理無し) 実施例1と同じサイズおよび構成要素、同じ三重被覆陽極ケーシングおよび陰
極触媒組成であって、打ち抜き成型された後、陽極ケーシングが熱処理されない
ことを除き、同じ(添加水銀ゼロ)陽極組成を有する電池が準備された。
【0043】 実施例1と同様に、電池は2つのグループに分けられた。一つのグループはカ
ットオフ電圧0.2ボルトまで220オームという一定の負荷で放電され、放電
した電池は大気温度で7日間、密封したフォイルバッグ中に保管された。第2の
グループは、電池を放電することなく、大気温度で30日間、密封したフォイル
バッグ中に保管された。それぞれのグループの電池中で発生したガスの量が測定
された。第1のグループ(放電された電池)で、放電中(電池内)とその後の保
管中(放電後)に発生したガスは測定され、表1に記載されている。第2のグル
ープ(放電されなかった電池)で、大気温度での1ヶ月の保管期間に発生したガ
スは測定され、表2に記載されている。
【0044】実施例3(比較)陽極に水銀添加/スタンピング後陽極ケーシング熱処理無し 実施例1と同じサイズおよび構成要素であって、打ち抜き成型された後、陽極
に水銀が添加され、陽極ケーシングが熱処理されないことを除き、同じ三重被覆
陽極ケーシングおよび陰極触媒組成を有する電池が準備された。陽極50は、実
施例1と同じ量の亜鉛(1.9グラム)を有していた。陽極50の組成は以下の
通りであった。亜鉛76.0重量パーセント、電解物(KOH40重量パーセン
ト、ZnO2重量パーセント)21.3重量パーセント、ゲル化剤(ウォーター
ロックJ−550)0.3重量パーセント、鉛400ppm(0.04重量パー
セント)、水銀2.4重量パーセント。陽極50の総重量は、2.48gであっ
た。触媒性陰極コンポジット34は、実施例1と同様に以下の組成であった。M
nO4.6重量パーセント、カーボンブラック15.3重量パーセント、テフ
ロン(登録商標)バインダ18.8重量パーセント、ニッケルメッシュスクリー
ン61.2重量パーセント。触媒性陰極コンポジットの総重量は0.140gで
あった。
【0045】 実施例1と同様に、電池は2つのグループに分けられた。一つのグループは、
0.2ボルトのカットオフ電圧まで220オームという一定の負荷で放電され、
放電後の電池は大気温度で7日間密封フォイルバッグ中に保管された。第2のグ
ループは電池を放電させることなく、大気温度で30日間密封フォイルバッグ中
に保管された。それぞれのグループで発生したガスの量が測定された。第1のグ
ループ(放電された電池)で、放電中(電池内)とその後の保管中(放電後)に
発生したガスは測定され、表1に記載されている。第2のグループ(放電されな
かった電池)で、大気温度での1ヶ月の保管期間に発生したガスは測定され、表
2に記載されている。
【0046】
【表1】
【表2】 表1の結果を検討すると、水銀を添加せず、また陽極ケーシングに後熱処理を
行わなかった放電済み比較用電池(実施例2)のガスと比較すると、水銀を添加
せず、陽極ケーシングに後熱処理を行った本発明による放電済み電池(実施例1
)のガスは、著しく減少していることがわかる。さらに、表1の結果によると、
約3重量パーセントの水銀が用いられ、陽極ケーシングの後熱処理がされなかっ
た比較用電池(実施例3)と比較すると、水銀を添加せず、陽極ケーシングを後
熱処理した本発明による電池(実施例1)は、ガスのレベルはほぼ一緒で、電池
の放電容量がわずかに低いということがわかる。このように、陽極材料に水銀を
加える代わりに、陽極ケーシングを後熱処理することで、ガスの減少と全体的な
性能について同じ効果が見られると判断できた。さらに、陽極に水銀が添加され
ていないにもかかわらず、本発明による後熱処理された陽極ケーシングを有する
電池では、電解物のリークはなかった。
【0047】 表2の結果を検討すると、水銀を添加せず、また陽極ケーシングに後熱処理を
行わなかった比較用電池(実施例2)のガスと比較すると、水銀を添加せず、陽
極ケーシングに後熱処理を行った本発明による未放電電池(実施例1)のガスは
、著しく減少していることが明らかである。
【0048】 上述の実施例における陽極ケーシングの後熱処理は、水素5重量パーセントお
よび窒素95重量パーセントから成る還元ガスを用いて行われる。実施例1(水
銀添加無し)と同様の電池に、5重量パーセントの還元ガスの代わりにアルゴン
ガスが用いられて、陽極ケーシング60の後熱処理が同様に行われた。電池は、
実施例1と同様の方法で放電された(カットオフ電圧0.2Vまで220オーム
一定負荷)。(放電中および放電後一週間の保管期間後)発生したガスの総量が
、実施例1と同様の方法で測定された。この、アルゴンガスを用いて後熱処理さ
れた陽極ケーシングを有する電池は、同じ(水銀添加無しの)電池であって、陽
極ケーシングに後熱処理が施されていないものと比較してガスの発生が少なかっ
た。しかし、熱処理工程中水素5重量パーセントおよび窒素95重量パーセント
の混合ガスのような還元ガスを用いた場合の方が、ガスの減少がより顕著であっ
た。例えば、還元ガス(水素5重量パーセントおよび窒素95重量パーセント)
を用いて500℃で後熱処理された陽極ケーシングを有する放電済みの(水銀添
加無し)電池の総ガス放出量は0.3mlであった。それと比べて、アルゴンガ
スを用いて500℃で後熱処理された陽極ケーシングを有する放電済みの(水銀
添加無し)電池の総ガス放出量は、0.4mlで、後熱処理されない陽極ケーシ
ングを有する同様に放電された(水銀添加無し)電池の総ガス放出量は、5.3
mlであった。
【0049】 本発明は特定の実施例を参照して記載したが、本発明の概念から逸脱すること
なく、他の実施例も可能である。機械的研磨、薬品処理、ガスプラズマ中へのケ
ーシングの投入など他の方法を用いて、酸化物、不純物、その他の表面の異常の
割合を減少させた、所望の陽極ケーシングを得ることができる。故に、本発明は
特定の実施例に制限されることなく、その範囲は請求項とその同等物に表される
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による亜鉛空気電池の実施の形態の等角断面図。
【図2】 図1における触媒性陰極組立体とエアディフューザの分解図。
【図3】 陰極ケーシング壁の実施の形態の断面図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 デイビッド、パパス アメリカ合衆国マサチューセッツ州、ウォ ルサム、キングス、ウェイ、40 (72)発明者 グアン、ウェイ アメリカ合衆国マサチューセッツ州、サウ スボロー、クレモンス、ストリート、5 Fターム(参考) 5H011 AA02 AA06 AA13 CC06 CC10 DD03 DD09 DD18 KK01 KK02 KK04 5H032 AA02 AS03 AS11 BB02 BB05 BB06 CC01 CC11 EE01 HH01 HH04 HH06

Claims (44)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側表面に銅層を備える陽極ケーシングであって、 前記銅層は、 (a)前記陽極ケーシングを加熱する工程と、 (b)前記熱処理された陽極ケーシングを冷却する工程と、 によって熱処理されることを特徴とする、陽極ケーシング。
  2. 【請求項2】 前記工程(a)での加熱は、約200℃から700℃の間の温度のガスを前記
    陽極ケーシングと接触するように通し、熱処理された陽極ケーシングを形成する
    ことで行われることを特徴とする、請求項1に記載の陽極ケーシング。
  3. 【請求項3】 前記工程(b)での前記熱処理された陽極ケーシングの前記冷却は、大気温度
    まで行われることを特徴とする、請求項2に記載の陽極ケーシング。
  4. 【請求項4】 (c)前記熱処理された陽極ケーシングを、陽極活性材料が中に入れられると
    きまで、大気から隔離して保管する工程、 をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の陽極ケーシング。
  5. 【請求項5】 前記陽極ケーシングは、外側表面にニッケル層、内側表面に銅層を有するステ
    ンレス鋼を備える三重被覆材から成ることを特徴とする、請求項1に記載の陽極
    ケーシング。
  6. 【請求項6】 前記ガスは還元ガスであることを特徴とする、請求項2に記載の陽極ケーシン
    グ。
  7. 【請求項7】 前記ガスは水素を含む還元ガスであることを特徴とする、請求項2に記載の陽
    極ケーシング。
  8. 【請求項8】 陽極ケーシングと、 陰極ケーシングと、 前記陽極ケーシング内に収容され、亜鉛とアルカリ電解物とを含む陽極材料と
    、 前記陰極ケーシング内に収容される触媒性陰極と、 を備え、 前記陽極ケーシングは内側表面に、前記亜鉛と接触する銅層を有し、 前記銅層は、前記陽極ケーシングが形成された後、前記陽極材料がその中に入
    れられる前に熱処理され、 前記熱処理は (a)約200℃から700℃の間の温度のガスを、前記陽極ケーシングと接
    触するように通すことによって前記陽極ケーシングを熱処理し、熱処理された陽
    極ケーシングを形成する工程と、 (b)前記熱処理された陽極ケーシングを大気温度まで冷却する工程と、 を有することを特徴とする、亜鉛空気減極電池。
  9. 【請求項9】 (c)前記熱処理された陽極ケーシングを、前記陽極材料が中に入れられると
    きまで、大気から隔離して保管する工程、 をさらに有することを特徴とする、請求項8に記載の電池。
  10. 【請求項10】 前記陽極ケーシングは、外側表面にニッケル層、内側表面に銅層を有するステ
    ンレス鋼を備える三重被覆材から成り、前記銅層は前記亜鉛に接触していること
    を特徴とする、請求項8に記載の電池。
  11. 【請求項11】 前記陽極ケーシングの壁厚は、約0.001インチ(0.0254mm)と0
    .015インチ(0.38mm)との間であることを特徴とする、請求項10に
    記載の電池。
  12. 【請求項12】 前記銅層の厚さは、約0.0002インチ(0.005mm)と0.002イ
    ンチ(0.05mm)との間であることを特徴とする、請求項10に記載の電池
  13. 【請求項13】 前記熱処理により、前記銅層の表面の酸化物が除かれることを特徴とする、請
    求項8に記載の電池。
  14. 【請求項14】 前記酸化物は銅酸化物を含むことを特徴とする、請求項13に記載の電池。
  15. 【請求項15】 前記ガスは還元ガスであることを特徴とする、請求項8に記載の電池。
  16. 【請求項16】 前記ガスは水素を含む還元ガスであることを特徴とする、請求項15に記載の
    電池。
  17. 【請求項17】 前記熱処理は、約300℃から600℃の間の範囲の温度のガスを用いて行わ
    れることを特徴とする、請求項8に記載の電池。
  18. 【請求項18】 前記熱処理は、約400℃から600℃の間の範囲の温度のガスを用いて行わ
    れることを特徴とする、請求項8に記載の電池。
  19. 【請求項19】 工程(a)での前記熱処理は、炉内で前記ガスを前記陽極ケーシング上に通す
    ことにより行われることを特徴とする、請求項8に記載の電池。
  20. 【請求項20】 工程(a)での前記熱処理は、(a.1)前記ガスが前記陽極ケーシングに接
    触した状態で、前記ガスの温度を約300℃から600℃の間のソーク温度に達
    するまで上昇させることにより前記陽極ケーシングを初期加熱する工程と、(a
    .2)前記ガスと接触している前記陽極ケーシングを、約5分から25分の間、
    約300℃から600℃の間のソーク温度に保つ工程と、によって行われること
    を特徴とする、請求項8に記載の電池。
  21. 【請求項21】 前記陽極ケーシングは、前記工程(a.1)において前記ガスが接触した状態
    で初期熱処理され、前記ガスの初期温度は約20℃から30℃の間の室温ほどで
    あることを特徴とする、請求項20に記載の電池。
  22. 【請求項22】 前記陽極材料は、電池重量の約百万分の50未満の水銀を有することを特徴と
    する、請求項8に記載の電池。
  23. 【請求項23】 前記陽極材料は、電池重量の約百万分の20未満の水銀を有することを特徴と
    する、請求項8に記載の電池。
  24. 【請求項24】 内側表面を形成する銅層を有する陽極ケーシングを熱処理する方法であって、 (a)前記陽極ケーシングを加熱する工程と、 (b)前記熱処理された陽極ケーシングを冷却する工程と、 を備える、方法。
  25. 【請求項25】 前記工程(a)での加熱は、約200℃から700℃の間の温度のガスを前記
    陽極ケーシングと接触するように通し、熱処理された陽極ケーシングを形成する
    ことで行われることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記工程(b)での前記熱処理された陽極ケーシングの前記冷却は、大気温度
    まで行われることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】 (c)前記熱処理された陽極ケーシングを、陽極活性材料が中に入れられると
    きまで、大気から離して保管する工程、 をさらに有することを特徴とする、請求項24に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記陽極ケーシングは、外側表面にニッケル層、内側表面に銅層を有するステ
    ンレス鋼を備える三重被覆材から成ることを特徴とする、請求項24に記載の方
    法。
  29. 【請求項29】 前記ガスは還元ガスであることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記ガスは水素を含む還元ガスであることを特徴とする、請求項25に記載の
    方法。
  31. 【請求項31】 内側表面を形成する銅層を有する、亜鉛空気減極電池の陽極ケーシングを、前
    記ケーシングが形成された後、亜鉛を含む陽極材料が中に入れられる前に熱処理
    する方法であって、 (a)約200℃から700℃の間の温度のガスを、前記陽極ケーシングと接
    触するように通すことによって前記陽極ケーシングを熱処理し、熱処理された陽
    極ケーシングを形成する工程と、 (b)前記熱処理された陽極ケーシングを大気温度まで冷却する工程と、 を有することを特徴とする、方法。
  32. 【請求項32】 (c)前記熱処理された陽極ケーシングを、大気から離して保管する工程、 をさらに有することを特徴とする、請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記陽極ケーシングは、外側表面にニッケル層、内側表面に銅層を有するステ
    ンレス鋼を備える三重被覆材から成ることを特徴とする、請求項31に記載の方
    法。
  34. 【請求項34】 前記ケーシングの壁厚は、約0.001インチ(0.0254mm)と0.0
    15インチ(0.38mm)との間であることを特徴とする、請求項33に記載
    の方法。
  35. 【請求項35】 前記銅層の厚さは、約0.0002インチ(0.005mm)と0.002イ
    ンチ(0.05mm)との間であることを特徴とする、請求項33に記載の方法
  36. 【請求項36】 前記熱処理により、前記銅層の表面の酸化物が除かれることを特徴とする、請
    求項31に記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記酸化物は銅酸化物を含むことを特徴とする、請求項36に記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記熱処理ガスは還元ガスであることを特徴とする、請求項31に記載の方法
  39. 【請求項39】 前記ガスは水素を含む還元ガスであることを特徴とする、請求項38に記載の
    方法。
  40. 【請求項40】 前記熱処理は、前記陽極ケーシングに接触した状態の、約300℃から600
    ℃の間の範囲の温度のガスを用いて行われることを特徴とする、請求項31に記
    載の方法。
  41. 【請求項41】 前記熱処理は、約400℃から600℃の間の範囲の温度の前記ガスを用いて
    行われることを特徴とする、請求項31に記載の方法。
  42. 【請求項42】 工程(a)での前記熱処理は、炉内で前記ガスを前記陽極ケーシング上に通す
    ことにより行われることを特徴とする、請求項31に記載の方法。
  43. 【請求項43】 工程(a)での前記熱処理は、(a.1)前記ガスが前記陽極ケーシングに接
    触した状態で、前記ガスの温度を約300℃から600℃の間のソーク温度に達
    するまで上昇させることにより前記陽極ケーシングを初期加熱する工程と、(a
    .2)前記ガスと接触している前記陽極ケーシングを、約5分から25分の間、
    約300℃から600℃の間のソーク温度に保つ工程と、によって行われること
    を特徴とする、請求項31に記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記陽極ケーシングは、前記工程(a.1)において前記ガスが接触した状態
    で初期熱処理され、前記ガスの初期温度は約20℃から30℃の間の室温ほどで
    あることを特徴とする、請求項43に記載の方法。
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