JP2007171307A - レンズ基板の製造方法、レンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ - Google Patents

レンズ基板の製造方法、レンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】長期間使用しても、紫外線の影響による劣化が生じ難いレンズ基板を、容易かつ確実に製造することができるレンズ基板の製造方法を提供すること、紫外線の影響による劣化が生じ難いレンズ基板を提供すること、また、前記レンズ基板を備えた、信頼性の高い透過型スクリーン、リア型プロジェクタを提供すること。
【解決手段】本発明のレンズ基板の製造方法は、多数のレンズ部を有する基板本体を備えたレンズ基板を製造する方法であって、製造すべき基板本体のレンズ部が設けられた面側の反転形状を有する成形型の面上に、紫外線の照射により硬化し得る成分を含み、流動性を有する組成物を付与する組成物付与工程と、成形型上の組成物を押圧する押圧工程と、紫外線を照射することにより、組成物を硬化させる硬化工程とを有し、組成物中に、紫外線吸収剤を含む材料で構成された複数個の固形物を分散させた状態で、押圧工程を行うことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、レンズ基板の製造方法、レンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタに関するものである。
近年、リア型プロジェクタは、ホームシアター用モニター、大画面テレビ等に好適なディスプレイとして、需要が高まりつつある。
リア型プロジェクタを構成する透過型スクリーンには、レンチキュラレンズ、マイクロレンズのような微小なレンズ部を有するレンズ基板が用いられている。このようなレンズ基板は、一般に、レンズ基板用の成形型(スタンパ)に紫外線硬化樹脂を供給し、その後、紫外線を照射することにより、硬化させる方法により製造されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記紫外線硬化樹脂には、紫外線と相互作用する官能基や反応性基を含む化合物が使用されているため、外光等に含まれる紫外線の影響によって、経時的に、レンズ基板の構成材料が劣化し、その結果、レンズ基板の光学特性等が低下するという問題があった。
特開2005−37694号公報
本発明の目的は、長期間使用しても、紫外線の影響による劣化が生じ難いレンズ基板を、容易かつ確実に製造することができるレンズ基板の製造方法を提供すること、紫外線の影響による劣化が生じ難いレンズ基板を提供すること、また、前記レンズ基板を備えた、信頼性の高い透過型スクリーン、リア型プロジェクタを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のレンズ基板の製造方法は、多数のレンズ部を有する基板本体を備えたレンズ基板を製造する方法であって、
製造すべき前記基板本体の前記レンズ部が設けられた面側の反転形状を有する成形型の面上に、紫外線の照射により硬化し得る成分を含み、流動性を有する組成物を付与する組成物付与工程と、
紫外線を照射することにより、前記組成物を硬化させる硬化工程とを有し、
前記組成物中に、紫外線吸収剤を含む材料で構成された複数個の固形物を分散させた状態で、前記押圧工程を行うことを特徴とするレンズ基板の製造方法。
これにより、長期間使用しても、紫外線の影響による劣化が生じ難いレンズ基板を、容易かつ確実に製造することができるレンズ基板の製造方法を提供することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、複数個の前記固形物は、前記押圧工程において、ほぼ一定の高さを呈するギャップ材として機能するものであることが好ましい。
これにより、基板本体の厚さの不本意なばらつきをより確実に防止することができ、レンズ基板の光学特性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記固形物は、略球状または略円柱状をなすものであり、その直径が30〜200μmであることが好ましい。
これにより、レンズ基板の製造時において、効率良く組成物を硬化させることができるとともに、製造されるレンズ基板においては、より効果的に固形物に紫外線を吸収させることができ、レンズ基板の耐久性を特に優れたものとすることができる。また、基板本体の厚さを最適なものとすることができ、レンズ部に欠陥等が生じた場合であっても色ムラ等の画質の低下を効果的に防止することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記固形物中における前記紫外線吸収剤の含有率は、1〜80wt%であることが好ましい。
これにより、レンズ基板の製造時において、効率良く組成物を硬化させることができるとともに、製造されるレンズ基板においては、より効果的に固形物に紫外線を吸収させることができ、レンズ基板の耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記成形型上に付与される前記組成物と前記固形物との比率は、体積比で、1:4〜30:1であることが好ましい。
これにより、レンズ基板の製造時において、効率良く組成物を硬化させることができるとともに、製造されるレンズ基板においては、より効果的に固形物に紫外線を吸収させることができ、レンズ基板の耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記固形物は、前記紫外線のほかに、樹脂成分を含む材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、製造されるレンズ基板における固形物と組成物の硬化物との密着性を特に優れたものとすることができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記固形物の構成材料の絶対屈折率と、前記組成物の硬化物の絶対屈折率との差の絶対値が、0.20以下であることが好ましい。
これにより、レンズ基板の光学特性を特に優れたものとすることができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記成形型上に付与された前記組成物上にシート材を載置した状態で、前記シート材を介して前記組成物を押圧することが好ましい。
これにより、基板本体の厚さの不本意なばらつきをより確実に防止することができ、レンズ基板の光学特性、信頼性を特に優れたものとすることができる。また、レンズ基板の生産性を、特に優れたものとすることができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記成形型上に付与された前記組成物上にシート材を載置した状態で、前記シート材を介して前記組成物を押圧する押圧工程を有し、
前記固形物は、略球状または略円柱状をなすものであり、
前記固形物の直径をD[μm]、前記シート材の厚さをT[μm]、前記レンズ部の焦点距離をF[μm]としたとき、−300≦(D+T)−F≦300の関係を満足することが好ましい。
これにより、レンズ基板を用いて表示される画像のコントラスト、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
本発明のレンズ基板は、本発明の方法により製造されたことを特徴とする。
これにより、長期間使用しても、紫外線の影響による劣化が生じ難いレンズ基板を提供することができる。
本発明の透過型スクリーンは、本発明のレンズ基板を備えたことを特徴とする。
これにより、長期間使用しても、紫外線の影響による劣化が生じ難く、信頼性に優れた透過型スクリーンを提供することができる。
本発明の透過型スクリーンでは、光の出射側にフレネルレンズが形成されたフレネルレンズ部と、
前記フレネルレンズ部の光の出射側に配置された前記レンズ基板とを備えたことが好ましい。
これにより、長期間使用しても、紫外線の影響による劣化が生じ難く、信頼性に優れた透過型スクリーンを提供することができる。
本発明のリア型プロジェクタは、本発明の透過型スクリーンを備えたことを特徴とする。
これにより、長期間使用しても、紫外線の影響による劣化が生じ難く、信頼性に優れたリア型プロジェクタを提供することができる。
以下、本発明のレンズ基板の製造方法、レンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタについて、添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、本発明において、「基板」とは、実質的に可撓性を有さない、比較的肉厚の大きいものから、シート状のものや、フィルム状のもの等の含む概念のことを指す。
本発明のレンズ基板の用途は、特に限定されないが、以下の説明では、レンズ基板を、主に、透過型スクリーン、リア型プロジェクタを構成する部材として用いるものとして説明する。
まず、本発明のレンズ基板および透過型スクリーンの構成について説明する。
図1は、本発明のレンズ基板(マイクロレンズ基板)の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図、図2は、図1に示すレンズ基板(マイクロレンズ基板)の平面図、図3は、図1に示すレンズ基板(マイクロレンズ基板)を備えた、本発明の透過型スクリーンの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図1、図3中の左側を「(光の)入射側」、右側を「(光の)出射側」と言う。また、本発明においては、特に断りのない限り、「(光の)入射側」、「(光の)出射側」とは、それぞれ、画像光(映像光)を得るための光の「入射側」、「出射側」のことを指し、外光等の「入射側」、「出射側」のことを指すものではない。
マイクロレンズ基板(レンズ基板)1は、後述する透過型スクリーン10を構成する部材であり、図1に示すように、所定のパターンで配列された複数個のマイクロレンズ(レンズ部)21を備えた基板本体2と、ブラックマトリックス(遮光膜)3と、入射した光を乱反射させることにより拡散させる機能を有する拡散部4とを備えている。
基板本体2は、通常、主として光透過性を有する材料で構成される。
基板本体2の構成材料としては、例えば、各種樹脂材料、各種ガラス材料等を用いることができるが、基板本体2の生産性や、後述するブラックマトリックス3との密着性等の観点から、樹脂材料が好ましい。
基板本体2を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができる。
基板本体2の構成材料(固化した状態の材料)は、一般に、各種気体(マイクロレンズ基板1が用いられる雰囲気)より大きな絶対屈折率を有するものであるが、絶対屈折率の具体的な値は、1.35〜1.9であるのが好ましく、1.40〜1.75であるのがより好ましい。基板本体2の構成材料の絶対屈折率が前記範囲内の値であると、光(入射光)の利用効率を特に優れたものとしつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
そして、マイクロレンズ基板1においては、基板本体2中に、紫外線吸収剤を含む材料で構成された粒状体(固形物)27が含まれている。これにより、外光等に含まれる紫外線を、粒状体27が吸収するので、長期間使用しても、紫外線の影響による劣化を抑えることが可能となる。その結果、長期間に亘って使用しても画像品質が劣化せず、優れた画像を表示することができる。特に、紫外線吸収剤は、粒状体27中に局在化(偏在)しており、ミクロ的には、基板本体2全体に均一に含まれるものではない。このように、紫外線吸収剤が粒状体に局在化していることにより、後に詳述するような製造方法において、組成物23の硬化を円滑に進行し、基板本体2の生産性を優れたものとすることができる。上記のように、紫外線吸収剤は、ミクロ的には粒状体27に局在化(偏在)しているが、マクロ的には基板本体2全体(特に、基板本体2の面方向のほぼ全体)に含まれているため、基板本体2の構成材料の劣化、光学特性の低下を十分に防止することができる。
粒状体(固形物)27は、紫外線吸収剤を含む材料で構成されたものであればいかなるものであってもよいが、樹脂成分を含む材料で構成されているのが好ましい。これにより、基板本体2において、粒状体27と、基板本体2の粒状体27以外の部位との密着性を優れたものとすることができ、マイクロレンズ基板1の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。また、粒状体27が樹脂成分を含む材料で構成されたものであると、基板本体2の透明性を特に高いものとすることができ、マイクロレンズ基板1全体としての光学特性を特に優れたものとすることができる。
粒状体27を構成する樹脂成分としては、例えば、基板本体を構成する樹脂材料として例示したようなものを用いることができる。
粒状体(固形物)27を構成する紫外線吸収剤としては、例えば、フェノール系化合物、芳香族アミン系化合物、サルファイド系化合物、リン系化合物、サリシレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダートアミン系化合物、Ni系化合物、シアノアクリレート系化合物、オキザリックアシッドアニリド系化合物、シュウ酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体、酸アミン系化合物、グアニジン類、メルカプトベンゾチアゾール金属塩(例えば、ナトリウム塩)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
以下、これらの紫外線吸収剤について詳細に説明する。
[1]フェノール系化合物
フェノール系化合物としては、例えば、N,N’−ジサリチリデン−1,2−プロパンジアミン、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−2−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、スチレン化されたフェノール、スチレン化されたクレゾール、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(6−シクロヘキシル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール、2,2’−エチリデン−ビス−(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリ−エチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N’−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヘキサメチレンジアミン、2,2’−チオ−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオ−ジエチレン−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−t−ブチル−4−メチル−6−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフテート、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス[2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシヒドロ−シナモイルオキシル)エチル]イソシアヌレート、トリス−(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、エチル−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)リン酸の金属塩(例えばカルシウム塩)、プロピル−3,4,5−トリ−ヒドロキシベンゼンカルボネート、オクチル−3,4,5−トリ−ヒドロキシベンゼンカルボネート、ドデシル−3,4,5−トリ−ヒドロキシベンゼンカルボネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[2]芳香族アミン系化合物
芳香族アミン系化合物としては、例えば、アルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N、N’−ジアリール−p−フェニレンジアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ヒドロキノリン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノン(高分子化されたものを含む)、アルドール−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ジオクチル−ジフェニルアミンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[3]サルファイド系化合物
サルファイド系化合物としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−メチル−3,3’−チオジプロピオネート、ラウリル−ステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ}−5−t−ブチルフェニル]サルファイド、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾールや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[4]リン系化合物
リン系化合物としては、例えば、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、フェニルジイソオクチルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、ホスホナスアシッド[1,1−ジフェニル−4,4’−ジイルビステトラキス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェニル]エステル、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、4,4’−イソプロピリデン−ジフェノールアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニル−ビスフェノールA ペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル−4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)−ジホスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスフェート ジエチルエステル、9,10−ジヒドロ−9−エクサ−10−ホスホフェナンスレン−10−オキシド、ビス(4−t−ブチルフェニル)リン酸の金属塩(例えば、ナトリウム塩)、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸の金属塩(例えば、ナトリウム塩)、1,3−ビス(ジフェノキシホスホニルオキシ)ベンゼンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[5]サリシレート系化合物
サリシレート系化合物としては、例えば、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−オクチルフェニルサリシレートや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[6]ベンゾフェノン系化合物
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[7]ベンゾトリアゾール系化合物
ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、トリルトリアゾール金属塩(例えば、カリウム塩)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]や、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[8]ヒンダートアミン系化合物
ヒンダートアミン系化合物としては、例えば、フェニル−4−ピペリジニルカーボネート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノール]]、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、コハク酸と4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの共重合体、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−トリデシル−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−トリデシル−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物や、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[9]Ni系化合物
Ni系化合物としては、例えば、[2,2’−チオ−ビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、ニッケルジブチル−ジチオカルバメート、[2,2’−チオ−ビス(4−t−オクチルフェノラート)]−n−ブチルアミンニッケル(II)、ニッケル−ビス(オクチルフェニル)サルファイド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル酸モノエチルエステル−Ni錯体、2,2’−チオ−ビス(4−t−オクチルフェノラート)トリエタノールアミンニッケル(II)や、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[10]シアノアクリレート系化合物
シアノアクリレート系化合物としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[11]オキザリックアシッドアニリド系化合物
オキザリックアシッドアニリド系化合物としては、例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリドや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[12]シュウ酸誘導体
シュウ酸誘導体としては、例えば、シュウ酸−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、N,N’−ビス{2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシル]エチル}オキサミドや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[13]サリチル酸誘導体
サリチル酸誘導体としては、例えば、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、1,12−ドデカン酸−ビス[2−(2−ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[14]ヒドラジド誘導体
ヒドラジド誘導体としては、例えば、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、イソフタル酸−ビス[2−フェノキシプロピオニルヒドラジド]や、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[15]その他
その他の紫外線吸収剤としては、例えば、酸アミン系化合物、グアニジン類、メルカプトベンゾチアゾール金属塩(例えば、ナトリウム塩)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
以上説明したものの中でも、紫外線吸収剤としては、フェノール系化合物、芳香族アミン系化合物、サルファイド系化合物、リン系化合物、サリシレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダートアミン系化合物、Ni系化合物、シアノアクリレート系化合物、オキザリックアシッドアニリド系化合物、シュウ酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体のうち少なくとも1種を含むものが好ましく、ベンゾトリアゾール系化合物またはヒンダートアミン系化合物を主とするものがより好ましい。このような材料は、紫外線吸収能が特に高く、マイクロレンズ基板1の耐久性(耐光性)を特に優れたものとすることができる。
また、紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系化合物またはヒンダートアミン系化合物を主とするものを用いた場合、耐光性の向上とともに、耐熱性も向上する。その結果、マイクロレンズ基板1全体としての安定性、信頼性が特に優れたものとなる。
また、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダートアミン系化合物は、前述した粒状体27の構成材料として用いられる樹脂材料との親和性(溶解性)が高く、基板本体2の耐久性向上の他、基板本体2の透明性を向上させる観点からも有利である。
粒状体27の形状は、特に限定されないが、略球状、略円柱状であるのが好ましい。これにより、マイクロレンズ基板1に入射した紫外線を効率良く粒状体27を構成する紫外線吸収剤に吸収させることができる。その結果、マイクロレンズ基板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。
粒状体27の形状が略球状または略円柱状である場合、粒状体27の直径は、30〜200μmであるのが好ましく、50〜100μmであるのがより好ましい。粒状体27の直径が前記範囲内の値であると、マイクロレンズ基板1に入射した紫外線をより効率良く粒状体27を構成する紫外線吸収剤に吸収させることができ、マイクロレンズ基板1の耐久性をさらに優れたものとすることができるとともに、マイクロレンズ基板1の製造時においては、効率良く組成物23を硬化させることができ、組成物の劣化を防止することができ、マイクロレンズ基板1の生産性を特に優れたものとすることができる。
粒状体27中における紫外線吸収剤の含有率は、1〜80wt%であるのが好ましく、30〜50wt%であるのがより好ましい。紫外線吸収剤の含有率が前記範囲内の値であると、マイクロレンズ基板1に入射した紫外線をより効率良く粒状体27を構成する紫外線吸収剤に吸収させることができ、マイクロレンズ基板1の耐久性をさらに優れたものとすることができるとともに、マイクロレンズ基板1の製造時においては、効率良く組成物23を硬化させることができ、組成物の劣化を防止することができ、マイクロレンズ基板1の生産性を特に優れたものとすることができる。
粒状体27は、紫外線吸収剤、樹脂成分以外の構成成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、拡散材等が挙げられる。粒状体に拡散材が含まれることにより、基板本体2内で、入射光を適度に乱反射させることができ、マイクロレンズ基板1の視野角特性を特に優れたものとすることができる。
マイクロレンズ基板1は、光の入射する面側に凸面を有する凸レンズとしてのマイクロレンズ(レンズ部)21を複数個備えている。
本実施形態において、マイクロレンズ(レンズ部)21は、マイクロレンズ基板1を平面視した際の縦幅(鉛直方向の幅)が横幅(水平方向の幅)よりも小さい扁平形状(略楕円形、略俵形)を有している。マイクロレンズ21がこのような形状を有することにより、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。
平面視したときのマイクロレンズ21の短軸方向(縦方向)の長さをL[μm]、長軸方向(横方向)の長さをL[μm]としたとき、0.10≦L/L≦0.99の関係を満足するのが好ましく、0.50≦L/L≦0.95の関係を満足するのがより好ましく、0.60≦L/L≦0.80の関係を満足するのがさらに好ましい。上記のような関係を満足することにより、上述したような効果がさらに顕著なものとなる。
平面視したときのマイクロレンズ21の短軸方向の長さ(マイクロレンズ21の縦幅)は、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜100μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、スクリーンに投影される画像において十分な解像度を得ることができるとともに、マイクロレンズ基板1(透過型スクリーン10)の生産性をさらに高めることができる。
また、平面視したときのマイクロレンズ21の長軸方向の長さ(マイクロレンズ21の横幅)は、15〜750μmであるのが好ましく、45〜450μmであるのがより好ましく、70〜150μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、スクリーンに投影される画像において十分な解像度を得ることができるとともに、マイクロレンズ基板1(透過型スクリーン10)の生産性をさらに高めることができる。
また、マイクロレンズ21の曲率半径は、7.5〜375μmであるのが好ましく、22.5〜225μmであるのがより好ましく、35〜75μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の曲率半径が前記範囲内の値であると、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。なお、マイクロレンズ21は、短軸方向についての曲率半径と、長軸方向の曲率半径が異なるものであってもよいが、このような場合、長軸方向の曲率半径が上記の範囲内の値であるのが好ましい。
また、マイクロレンズ21の高さは、7.5〜375μmであるのが好ましく、22.5〜225μmであるのがより好ましく、35〜75μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の高さが前記範囲内の値であると、光の利用効率および視野角特性を、特に優れたものとすることができる。
また、これら複数個のマイクロレンズ21は、千鳥状(千鳥格子状)に配列している。このようにマイクロレンズ21が配列することにより、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止することができる。これに対し、例えば、マイクロレンズが正方格子状等に配列したものであると、マイクロレンズ21の大きさ等によっては、モアレ等の不都合の発生を十分に防止することが困難となる場合がある。また、マイクロレンズをランダムに配した場合、マイクロレンズ21の大きさ等によっては、マイクロレンズが形成されている有効領域におけるマイクロレンズの占有率を十分に高めるのが困難となり、マイクロレンズ基板の光の透過率(光の利用効率)を十分に高めるのが困難となり、得られる画像が暗いものとなる可能性がある。
上記のように、本実施形態において、マイクロレンズ21は、マイクロレンズ基板1を平面視したときに、千鳥格子状に配列しているが、複数のマイクロレンズ21で構成される第1の行25と、それに隣接する第2の行26とが、縦方向に半ピッチ分だけずれているのが好ましい。これにより、光の干渉によるモアレの発生等をより効果的に防止するとともに、かつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
なお、マイクロレンズ21の配列方式は、上記のようなものに限定されず、例えば、正方格子状の配列であっても、光学的にランダムな配列(マイクロレンズ基板1の主面側から平面視したときに、各マイクロレンズ21が互いにランダムな位置関係となるように配されたもの)であってもよい。
また、マイクロレンズ基板1を光の入射面側(図2で示した方向)から平面視したときの、マイクロレンズ21が形成されている有効領域において、マイクロレンズ21の占有率は、90〜100%であるのが好ましい。マイクロレンズ21の占有率が前記範囲内の値であると、光利用効率をさらに向上させることができ、投影させる画像の輝度、コントラストを特に優れたものとすることができる。なお、マイクロレンズ21の占有率は、平面視したときのマイクロレンズ21の中心211と、当該マイクロレンズ21に隣接する、マイクロレンズ21が形成されていない部位の中心部とを結ぶ線分において、マイクロレンズ21が形成されている部位の長さL[μm]と、前記線分の長さL[μm]との比率(L/L×100[%])として求めることができる(図2参照)。
上記のように、マイクロレンズの形状や配列方式等を厳密に規定することにより、光の干渉によるモアレの発生を効果的に防止しつつ、視野角特性等を特に優れたものとすることができる。特に、マイクロレンズの形状や配列方式等を上記のように厳密に規定することにより、上記のような形状、配列方式のマイクロレンズを有することによる効果と、後に詳述するような方法により形成されたブラックマトリックス3を有することによる効果とが相乗的に作用し合い、特に優れた効果(例えば、特に優れた視野角特性、光利用効率等)が得られる。
また、各マイクロレンズ21は、入射側に突出した凸レンズとして設けられており、焦点fが、基板本体2の出射側の表面付近、ブラックマトリックス(遮光膜)3の開口部31の近傍に位置するように設計されている。すなわち、マイクロレンズ基板1に対して、ほぼ垂直な方向から入射した平行光La(後述するフレネルレンズ部5からの平行光La)は、マイクロレンズ基板1の各マイクロレンズ21によって集光され、基板本体2の出射側の表面付近、ブラックマトリックス3の開口部31近傍で焦点fを結ぶ。このように、基板本体2の出射側の表面付近、ブラックマトリックス3の開口部31の近傍でマイクロレンズ21が焦点を結ぶことにより、光の利用効率を特に優れたものとすることができる。その結果、マイクロレンズ基板1を透過した光により形成される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
また、基板本体2の光の出射側の面には、ブラックマトリックス(遮光膜)3が設けられている。
ブラックマトリックス3は、遮光性を有する材料で構成され、膜状に形成されたものである。このようなブラックマトリックス3を有することにより、当該ブラックマトリックス3に、外光(投影画像を形成する上で好ましくない外光)を吸収させることができ、スクリーンに投影される画像を、コントラストに優れたものとすることができる。
このようなブラックマトリックス3は、各マイクロレンズ21を透過した光の光路上に開口部31を有している。これにより、各マイクロレンズ21で集光された光を、効率良く、ブラックマトリックス3の開口部31を通過させることができる。その結果、マイクロレンズ基板1の光利用効率を高いものとすることができる。
開口部31は、後に詳述するように(後に詳述するような方法により)、ブラックマトリックス3の開口部31以外の部位で外光の反射を効果的に防止しつつ、画像形成用の光がブラックマトリックス3により吸収、反射されるのを十分に防止するような大きさで設けられている。
ブラックマトリックス3の開口部31は、いかなる形状のものであってもよいが、平面視したときの形状が略円形であるのが好ましい。開口部31が略円形である場合、開口部31の大きさは、特に限定されないが、その直径が、5〜100μmであるのが好ましく、15〜90μmであるのがより好ましく、20〜70μmであるのがさらに好ましい。これにより、スクリーンに投影される画像を、よりコントラストに優れたものとすることができる。
また、ブラックマトリックス3の厚さ(平均厚さ)は、0.3〜8μmであるのが好ましく、0.8〜7μmであるのがより好ましく、1.4〜6μmであるのがさらに好ましい。ブラックマトリックス3の厚さが前記範囲内の値であると、ブラックマトリックス3の不本意な剥離、クラック等をより確実に防止しつつ、ブラックマトリックス3としての機能(すなわち、画像のコントラストを向上させる機能)をより効果的に発揮させることができ、例えば、マイクロレンズ基板1を備えた透過型スクリーン10において、投影される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
また、平面視したときの開口部31のブラックマトリックス3に対する面積比(開口率)は、5〜70%であるのが好ましく、10〜40%であるのがより好ましく、20〜30%であるのがさらに好ましい。開口率が前記範囲内の値であると、外光(例えば、光の入射側とは反対側から不本意に入射した外光等)が、出射側に反射するのを十分に低く抑えることができ、光の利用効率を特に優れたものとしつつ、映り込みを防止して、得られる画像のコントラストを特に優れたものとすることができるとともに、マイクロレンズ基板1の視野角特性を特に優れたものとすることができる。これに対し、開口率が前記下限値未満であると、光の利用効率、視野角特性を十分に優れたものとするのが困難となる可能性がある。また、開口率が前記上限値を越えると、外光反射を十分に低く抑えることが困難となり、映り込みを防止して、得られる画像のコントラストを十分に優れたものとするのが困難となる可能性がある。
また、マイクロレンズ基板1の光の出射側の面には、拡散部4が設けられている。拡散部4は、入射した光(入射光)を乱反射させることにより拡散させる機能を有するものである。このような拡散部4を有することにより、視野角特性を優れたものとすることができる。また、拡散部4は、ブラックマトリックス3より光の出射側に形成された領域を有するものである。このような構成であることにより、拡散部4に入射した光を、出射側(光の入射側とは反対側の方向)に効率よく向かわせることができ、透過型スクリーン10の視野角特性を特に優れたものにすることができる(スクリーンに投影される画像を好適に視認することができる視野角を特に大きいものとすることができる)。本実施形態では、拡散部4は、光透過性に優れた実質的に透明な材料(例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂等)中に、拡散材が分散した構成になっている。拡散材としては、例えば、微粒子状(ビーズ状)のシリカ、ガラス、樹脂等を用いることができる。拡散材の平均粒径は、特に限定されないが、1〜50μmであるのが好ましく、2〜10μmであるのがより好ましい。
また、拡散部4の厚さは、特に限定されないが、0.05〜5mmであるのが好ましく、0.7〜4mmであるのがより好ましく、1.0〜3mmであるのがさらに好ましい。拡散部4の厚さが前記範囲内の値であると、光の利用効率を十分に高いものとしつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。これに対し、拡散部4の厚さが前記下限値未満であると、拡散部4を設けることによる効果が十分に発揮されない可能性がある。また、拡散部4の厚さが前記上限値を超えると、光(光子)と拡散材とが衝突する確率(頻度)が急激に高くなる傾向を示し、消光が起こり易く、また、光拡散部内に入射した光(光子)が、再び入射側に戻る可能性も高くなる。その結果、光の利用効率を十分に高めるのが困難になる可能性がある。
次に、上述したようなマイクロレンズ基板1を備えた透過型スクリーン10について説明する。
図3に示すように、透過型スクリーン10は、フレネルレンズ部5と、前述したマイクロレンズ基板1とを備えている。フレネルレンズ部5は、光(画像光)の入射側に設置されており、フレネルレンズ部5を透過した光が、マイクロレンズ基板1に入射する構成になっている。
フレネルレンズ部5は、出射側表面に、ほぼ同心円状に形成されたプリズム形状のフレネルレンズ51を有している。このフレネルレンズ部5は、投射レンズ(図示せず)からの画像光を屈折させ、マイクロレンズ基板1の主面の垂直方向に平行な平行光Laにするものである。
以上のように構成された透過型スクリーン10では、投射レンズからの映像光が、フレネルレンズ部5によって屈折し、平行光Laとなる。そして、この平行光Laは、マイクロレンズ基板1のマイクロレンズ(レンズ部)21が設けられた面側から入射し、各マイクロレンズ21によって集光し、焦点を結んだ後に拡散する。開口部31を通過した光は、拡散し、観察者に平面画像として観測される。
次に、前述したマイクロレンズ基板1の製造方法の一例について説明する。
図4は、粒状体(固形物)の製造方法を示す模式図である。図5は、マイクロレンズ基板の製造に用いる凹部付き部材を示す模式的な縦断面図、図6は、図5に示す凹部付き部材の製造方法を示す模式的な縦断面図である。図7、図8は、図1に示すマイクロレンズ基板の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図、図9、図10、図11は、基板本体に光を照射する際の光の入射方向(フォトポリマーを露光する際の光の照射方法)を説明するための図である。なお、以下の説明では、図6〜図8中の下側、図9〜図11中の上側を「(光の)入射側」、図6〜図8の上側、図9〜図11中の下側を「(光の)出射側」と言う。また、凹部付き部材の製造においては、実際には基板上に多数の凹部を形成し、マイクロレンズ基板(基板本体)の製造においては、実際には多数の凸部(凸レンズ)を形成するが、ここでは、説明をわかりやすくするために、その一部分を強調して示した。
まず、マイクロレンズ基板の製造方法の説明に先立ち、マイクロレンズ基板1の製造に用いる粒状体27の作製方法について説明する。
粒状体27の成形方法は、特に限定されないが、粒状体27の形状が略球状の場合、例えば、粒状体27形成用の液状の材料(粒状体形成用材料)を、例えばインクジェット手段により滴状に吐出させ、吐出された材料を固化させて粒状体27を得る方法(インクジェット法)等が挙げられる。
一方、粒状体27の形状が略円柱状の場合、例えば、粒状体27形成用の材料(粒状体形成用材料)を、押出成形し、その後、必要に応じて、適度な長さに切断、粉砕する方法等が挙げられる。
粒状体形成用材料としては、例えば、作製すべき粒状体27と実質的に同一の材料を用いてもよいし、粒状体27の構成材料の前駆体(例えば、作製すべき粒状体27が樹脂成分を含むものである場合、当該樹脂成分のモノマー、ダイマー、オリゴマー、プレポリマー等)を用いてもよい。また、粒状体形成用材料中には、溶媒(溶剤)、分散媒等の液性媒体が含まれていてもよい。
また、粒状体27は、紫外線吸収剤を含む粒状体形成用材料を用いて作製されたものであってもよいし、紫外線吸収剤を含まない粒状体形成用材料を用いて上記と同様にして、略球形状、略円柱状の粒状体本体を作製した後に、その表面付近に紫外線吸収剤を付与することにより作製されたものであってもよい。粒状体本体の表面付近に紫外線吸収剤を付与する方法としては、例えば、紫外線吸収剤を含む液体(溶液、分散液等)に、粒状体本体を添加し、攪拌後、ろ過、加熱、減圧等により液体を除去する方法等が挙げられる。
以下、インクジェット法による略球状の粒状体27のより具体的な作製方法の一例について説明する。以下の説明では、粒状体形成用材料がエネルギー線硬化性樹脂を含むものであるとして説明する。
JIS K 7177で規定される粘度試験方法に順じて測定される粒状体形成用材料の25℃における粘度は、特に限定されないが、10mPa・s〜2000Pa・sであるのが好ましく、30mPa・s〜1000Pa・sであるのがより好ましい。これにより、粒状体形成用材料をインクジェット法により吐出させた際に、所望の形状、大きさの粒状体27を容易かつ確実に得ることができる。
粒状体形成用材料中は、必要により、重合開始剤や、硬化触媒、酸化防止剤、分散剤、レベリング剤、シランカップリング剤等の各種添加剤を含むものであってもよい。
図4に示すように、このような粒状体形成用材料を、インクジェット手段12により滴状に吐出させて略球状の液滴28とし、硬化手段13により粒状体形成用材料で構成された液滴28を硬化させることにより、粒状体27が得られる。
インクジェット手段12としては、公知のインクジェット方式による液滴吐出ヘッドを使用することができ、その制御方法も特に限定されず、例えば、オンディマンド方式、荷電制御方式、サーマルヘッドにより液滴を吐出させる方式が代表的なものとして挙げられる。
ディスペンサーとしては、公知のオートディスペンサーを使用することができ、その制御方法も、連続吐出(但し、所望の滴状粒子を形成する時間内での連続した吐出)または間欠的吐出を行っても良い。
硬化手段13としては、例えば、加熱手段、紫外線照射手段等を用いることができるが、紫外線照射手段を用いた場合には、液滴28中に含まれる紫外線吸収剤により照射した紫外線が吸収されてしまい、液滴の硬化に効率良く利用することが困難となってしまう可能性がある。このため、硬化手段13としては、加熱手段を用いるのが好ましい。これにより、液滴28を効率良く硬化させることができる。なお、液滴28を構成する粒状体形成用材料が紫外線硬化性樹脂を含むものである場合であっても、硬化手段13として加熱手段を好適に用いることができる。これは、紫外線硬化性樹脂は、紫外線の照射により硬化するものであるが、一般に、加熱によっても硬化する性質を有しているためである。特に、上記のような方法では、粒状体形成用材料が比表面積の大きい液滴28として存在する際に加熱が行われるため、熱エネルギーが粒状体形成用材料の硬化に効率良く利用され、粒状体27を効率良く作製することができる。また、硬化手段13として加熱手段を用いることにより、粒状体形成用材料(液滴28)が溶媒、分散媒等の液性媒体を含む場合であっても、当該液性媒体を効率良く除去することができ、粒状体27の生産性を特に優れたものとすることができる。
なお、上記の説明では、粒状体形成用材料(液滴28)が、エネルギー線硬化性樹脂を含むものとして説明したが、粒状体形成用材料が熱可塑性樹脂を含むものである場合、例えば、硬化手段の代わりに、冷却手段等を用いることにより、効率良く粒状体27を作製することができる。
次に、マイクロレンズ基板の製造に用いる凹部付き部材(成形型)の構成およびその製造方法について説明する。
凹部付き部材(成形型)6は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、たわみを生じ難く、傷つき難い材料で構成されたものであるのが好ましい。凹部付き部材6の構成材料としては、例えば、各種ガラス材料、各種樹脂材料等が挙げられる。ガラス材料としては、例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等が挙げられ、また、樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等の各種樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。この中でも、凹部付き部材6の構成材料としては、ガラス材料が好ましく、ソーダガラス、結晶性ガラス(例えば、ネオセラム等)、無アルカリガラスがより好ましい。このような材料は、一般に、形状の安定性に優れている。このため、凹部付き部材6が有する凹部61の形状の安定性(信頼性)や、当該凹部61を用いて形成されるマイクロレンズ21の寸法精度等を特に優れたものとすることができ、レンズ基板としての光学特性を特に信頼性の高いものとすることができる。また、ガラス材料は、一般に、形状の安定性に優れているため、後に詳述するマイクロレンズ基板1の製造方法において、製造された基板本体2の取り扱い性が向上する。また、ソーダガラス、結晶性ガラス、無アルカリガラスは、加工が容易であるとともに、比較的安価であり、製造コストの面からも有利である。
凹部付き部材(成形型)6は、マイクロレンズ21の配列方式に対応する方式(転写された位置関係)で配列した、複数個の凹部61を備えている。そして、これらの凹部61は、マイクロレンズ21が凸部であるのに対し凹部である以外は、マイクロレンズ21に対応する形状(転写された形状である以外は実質的に同一の形状)、寸法を有している。
より詳しく説明すると、本実施形態において、凹部61は、凹部付き部材6を平面視した際の縦幅(鉛直方向の幅)が横幅(水平方向の幅)よりも小さい扁平形状(略楕円形、略俵形)を有している。凹部61がこのような形状を有することにより、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができるマイクロレンズ基板1の製造に好適に用いることができる。
また、平面視したときの凹部61の短軸方向(縦方向)の長さをL[μm]、長軸方向(横方向)の長さをL[μm]としたとき、0.10≦L/L≦0.99の関係を満足するのが好ましく、0.50≦L/L≦0.95の関係を満足するのがより好ましく、0.60≦L/L≦0.80の関係を満足するのがさらに好ましい。上記のような関係を満足することにより、上述したような効果がさらに顕著なものとなる。
また、平面視したときの凹部61の短軸方向の長さは、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜100μmであるのがさらに好ましい。凹部61の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、製造されるマイクロレンズ基板1の視野角特性、およびマイクロレンズ基板1により投影される画像のコントラスト、輝度を特に優れたものとしつつ、投影される画像において十分な解像度を得ることができる。また、凹部61の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、製造されるマイクロレンズ基板1を用いた際に、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止することができるとともに、マイクロレンズ基板1(凹部付き部材6)の生産性をさらに高めることができる。
また、平面視したときの凹部61の長軸方向の長さは、15〜750μmであるのが好ましく、45〜450μmであるのがより好ましく、70〜150μmであるのがさらに好ましい。凹部61の長軸方向の長さが前記範囲内の値であると、製造されるマイクロレンズ基板1の視野角特性、およびマイクロレンズ基板1により投影される画像のコントラスト、輝度を特に優れたものとしつつ、投影される画像において十分な解像度を得ることができる。また、凹部61の長軸方向の長さが前記範囲内の値であると、製造されるマイクロレンズ基板1を用いた際に、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止することができるとともに、マイクロレンズ基板1(凹部付き部材6)の生産性をさらに高めることができる。
また、凹部61の曲率半径は、7.5〜375μmであるのが好ましく、22.5〜225μmであるのがより好ましく、35〜75μmであるのがさらに好ましい。凹部61の曲率半径が前記範囲内の値であると、製造されるマイクロレンズ基板1の視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。なお、凹部61は、短軸方向についての曲率半径と、長軸方向の曲率半径が異なるものであってもよいが、このような場合、長軸方向の曲率半径が上記の範囲内の値であるのが好ましい。
また、凹部61の深さは、7.5〜375μmであるのが好ましく、22.5〜225μmであるのがより好ましく、35〜75μmであるのがさらに好ましい。凹部61の深さが前記範囲内の値であると、製造されるマイクロレンズ基板1の視野角特性を、特に優れたものとすることができる。
また、これら複数個の凹部61は、千鳥状(千鳥格子状)に配列している。このように凹部61が配列することにより、製造されるマイクロレンズ基板1を用いた際に、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止することができる。これに対し、例えば、凹部が正方格子状等に配列したものであると、凹部(マイクロレンズ)の大きさ等によっては、モアレ等の不都合の発生を十分に防止することが困難となる。また、凹部をランダムに配した場合、凹部(マイクロレンズ)の大きさ等によっては、凹部が形成されている有効領域における凹部の占有率を十分に高めるのが困難となり、マイクロレンズ基板の光の透過率(光の利用効率)を十分に高めるのが困難となり、得られる画像が暗いものとなる可能性がある。
また、上記のように、凹部61は、凹部付き部材6を平面視したときに、千鳥格子状に配列しているが、複数の凹部61で構成される第1の行と、それに隣接する第2の行とが、縦方向に半ピッチ分だけずれているのが好ましい。これにより、製造されるマイクロレンズ基板1を用いた際に、光の干渉によるモアレの発生等をより効果的に防止することができるとともに、かつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
なお、上記の説明では、凹部61が、凹と凸の関係である以外は、マイクロレンズ21と、実質的に同一の形状(寸法)、配列方式を有しているものとして説明したが、例えば、基板本体2の構成材料が収縮し易いものである場合(基板本体2を構成する組成物が硬化等により収縮する場合)、その収縮率等を考慮し、マイクロレンズ21と凹部61とについて、これらの間で、形状(寸法)、占有率等が異なるようにしてもよい。
次に、凹部付き部材の製造方法について、図6を参照しながら説明する。なお、実際には基板上に多数の凹部を形成するが、ここでは、説明をわかりやすくするために、その一部分を強調して示した。
まず、凹部付き部材6を製造するに際し、基板7を用意する。
この基板7は、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。また、基板7は、洗浄等により、その表面が清浄化されているものが好ましい。
<A1>用意した基板7の表面に、多数個の初期孔(開口部)81を有するマスク8を形成するとともに、基板7の裏面(マスク8が形成される面と反対側の面)に裏面保護膜89を形成する(マスキング工程、図6(a)、図6(b)参照)。
特に、本実施形態では、まず、図6(a)に示すように、用意した基板7の裏面に裏面保護膜89を形成するとともに、基板7の表面にマスク形成用膜9を形成し(マスク形成用膜形成工程)、その後、図6(b)に示すように、マスク形成用膜9に初期孔81を形成すること(初期孔形成工程)によりマスク8を得る。マスク形成用膜9および裏面保護膜89は同時に形成することもできる。
マスク形成用膜9は、レーザ光の照射等により、後述する初期孔81を形成することができるとともに、後述するエッチング工程におけるエッチングに対する耐性を有するものが好ましい。換言すれば、マスク形成用膜9(マスク8)は、エッチングレートが、基板7と略等しいか、または、基板7に比べて小さくなるように構成されるのが好ましい。
かかる観点からは、マスク形成用膜9(マスク8)を構成する材料としては、例えばCr、Au、Ni、Ti、Pt等の金属やこれらから選択される2種以上を含む合金、前記金属の酸化物(金属酸化物)、シリコン、樹脂等が挙げられる。
また、マスク形成用膜9(マスク8)は、例えば、実質的に均一な組成を有するものであってもよいし、異なる複数の層を有する積層体等であってもよい。
上記のように、マスク形成用膜9(マスク8)の構成は、特に限定されるものではないが、主としてクロムで構成される層と、主として酸化クロムで構成される層とを有する積層体であるのが好ましい。このような構成のマスク形成用膜9は、後述するようなレーザ光の照射等により、所望の形状の開口部を容易かつ確実に形成することができるものであり、また、このような構成のマスク形成用膜9を用いて得られるマスク8は、様々な組成のエッチング液に対して優れた安定性を有している(後述するエッチング工程において基板7をより確実に保護することができる)。また、基板7がガラスで構成されたものであり、かつマスク形成用膜9(マスク8)が上記のような構成のものであると、例えば、後述するエッチング工程において、エッチング液として一水素二フッ化アンモニウムを含む液体を好適に用いることができる。一水素二フッ化アンモニウムは毒劇物ではないため、作業中の人体や環境への影響をより確実に防止することができる。また、上記のような構成のマスク形成用膜9(マスク8)は、マスクの内部応力を効率良く緩和することができ、基板7との密着性(特に、エッチング工程における密着性)に特に優れている。このようなことから、上記のような構成のマスク形成用膜9(マスク8)を用いることにより、所望の形状の凹部61を容易かつ確実に形成することができる。
マスク形成用膜9の形成方法は特に限定されないが、マスク形成用膜9(マスク8)をクロム(Cr)、金(Au)等の金属材料(合金を含む)や金属酸化物(例えば酸化クロム)、またはこれらの複合材料(例えば、金属材料で構成された金属層と、金属酸化物で構成された金属酸化物層とを有する積層体等)で構成されたものとする場合、マスク形成用膜9は、例えば、蒸着法やスパッタリング法等により、好適に形成することができる。また、マスク形成用膜9(マスク8)をシリコンで構成されたものとする場合、マスク形成用膜9は、例えば、スパッタリング法やCVD法等により、好適に形成することができる。
マスク形成用膜9(マスク8)の厚さは、マスク形成用膜9(マスク8)を構成する材料によっても異なるが、0.01〜2.0μm程度が好ましく、0.01〜0.3μm程度がより好ましい。厚さが前記下限値未満であると、マスク形成用膜9の構成材料等によっては、後述する初期孔形成工程(開口部形成工程)において形成される初期孔81の形状が歪んでしまう可能性がある。また、後述するエッチング工程でウェットエッチングを施す際に、基板7のマスクした部分を十分に保護できない可能性がある。一方、上限値を超えると、マスク形成用膜9の構成材料等によっては、後述する初期孔形成工程において、貫通する初期孔81を形成するのが困難になるほか、マスク形成用膜9(マスク8)の内部応力によりマスク形成用膜9(マスク8)が剥がれ易くなる場合がある。
裏面保護膜89は、次工程以降で基板7の裏面を保護するためのものである。この裏面保護膜89により、基板7の裏面の侵食、劣化等が好適に防止される。この裏面保護膜89は、例えば、マスク形成用膜9(マスク8)と同様の構成を有している。このため、裏面保護膜89は、マスク形成用膜9の形成と同時に、マスク形成用膜9と同様に設けることができる。
次に、図6(b)に示すように、マスク形成用膜9に、複数個の初期孔(開口部)81を形成し、マスク8を得る(初期孔形成工程)。本工程で形成される初期孔81は、後述するエッチングの際のマスク開口として機能するものである。
初期孔81の形成方法は、特に限定されないが、レーザ光の照射による方法であるのが好ましい。これにより、所望のパターンに配列した所望の形状の初期孔81を容易かつ精確に形成することができる。その結果、凹部61の形状、配列方式等をより確実に制御することができる。また、初期孔81をレーザの照射により形成することにより、凹部付き部材を生産性良く製造することができる。特に、大面積の基板にも簡単に凹部を形成することができる。また、レーザ光の照射でマスク形成用膜9に初期孔81を形成することで、従来のようなフォトリソグラフィ法によってレジスト膜に開口部を形成する場合に比べて、簡単かつ安価に開口部(初期孔81)を形成することができる。
また、レーザ光の照射により初期孔81を形成する場合、使用するレーザ光の種類は、特に限定されないが、ルビーレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、フェムト秒レーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、Ne−Heレーザ、Arレーザ、COレーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。また、各レーザのSHG、THG、FHG等の波長を使っても良い。
本工程で形成する初期孔81は、その形状、大きさは特に限定されないが、略円形で、その直径が、0.5〜30μmであるのが好ましく、1.0〜10μmであるのがより好ましく、1.5〜5μmであるのがさらに好ましい。初期孔81の直径が前記範囲内の値であると、後述するエッチング工程において、前述したような形状の凹部61を確実に形成することができる。ただし、初期孔81が、略楕円形のように扁平形状のものである場合、短軸方向の長さを、直径の値として代用することができる。すなわち、本工程で形成する初期孔81が扁平形状のものである場合、初期孔81の幅(短軸方向の長さ)は、特に限定されないが、0.8〜30μmであるのが好ましく、1.0〜10μmであるのがより好ましく、1.5〜5μmであるのがさらに好ましい。初期孔81の幅が前記範囲内の値であると、後述するエッチング工程において、前述したような形状の凹部61を確実に形成することができる。
また、本工程で形成する初期孔81が扁平形状のものである場合、初期孔81の長さ(長軸方向の長さ)は、0.5〜30μmであるのが好ましく、1.0〜15μmであるのがより好ましく、1.5〜10μmであるのがさらに好ましい。初期孔81の長さが前記範囲内の値であると、後述するエッチング工程において、前述したような形状の凹部61をより確実に形成することができる。
<A2>次に、図6(c)に示すように、初期孔81が形成されたマスク8を用いて基板7にエッチングを施し、基板7上に多数の凹部61を形成する(エッチング工程)。
エッチングの方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチング等が挙げられる。以下の説明では、ウェットエッチングを用いる場合を例に挙げて説明する。
初期孔81が形成されたマスク8で被覆された基板7に対して、エッチング(ウェットエッチング)を施すことにより、図6(c)に示すように、基板7は、マスク8が存在しない部分(マスク8の初期孔81に対応する部位)より食刻され、基板7上に多数の凹部61が形成される。上述したように、マスク8に形成された初期孔81が千鳥状(千鳥格子状)の配置であるため、形成される凹部61は、基板7の表面に千鳥状(千鳥格子状)に配置されたものとなる。
また、ウェットエッチング法を用いると、凹部61を好適に形成できる。そして、エッチング液として、例えば、一水素二フッ化アンモニウムを含むエッチング液を用いると、基板7をより選択的に食刻することができ、凹部61を好適に形成することができる。
マスク8(マスク形成用膜9)が主としてクロム、酸化クロムで構成されたものである場合、フッ酸系エッチング液としては、一水素二フッ化アンモニウムを含む液体が特に好適である。一水素二フッ化アンモニウム溶液は毒劇物ではないため、作業中の人体や環境への影響を防止することができる。また、エッチング液として、一水素二フッ化アンモニウムを用いる場合、該エッチング液中には、例えば、過酸化水素および/または硫酸が含まれていてもよい。これにより、エッチングスピートをより速くすることができる。
また、ウェットエッチングによれば、ドライエッチングに比べて簡単な装置で処理を行うことができ、さらに、一度に多くの基板に対して処理を行うことができる。これにより生産性が向上し、安価に凹部付き部材6を提供することができる。
<A3>次に、図6(d)に示すように、マスク8を除去する(マスク除去工程)。また、この際、マスク8の除去とともに、裏面保護膜89も除去することにより、凹部付き部材6が得られる。
マスク8が、前述したような主としてクロムで構成される層と、主として酸化クロムで構成される層とを有する積層体である場合、マスク8の除去は、例えば、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含む混合物を用いたエッチングにより好適に行うことができる。
また、例えば、凹部付き部材6の凹部61が設けられている面側に、離型処理を施してもよい。これにより、後に詳述するマイクロレンズ基板1の製造方法において、基板本体2が有するマイクロレンズ21にカケ等の欠陥が生じるのを十分に防止しつつ、凹部付き部材6を容易に取り外すことができ、結果として、最終的なマイクロレンズ基板1において、マイクロレンズ21の欠陥を防止することができる。離型処理としては、アルキルポリシロキサン等のシリコーン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等の離型性を有する物質で構成される被膜の形成、ヘキサメチルジシラザン([(CHSi]NH)等のシリル化剤による表面処理、フッ素系ガスによる表面処理等が挙げられる。
以上により、図6(d)および図5に示すように、基板7上に多数の凹部61が千鳥状に形成された凹部付き部材6が得られる。
基板7上に千鳥状に配された複数個の凹部61を形成する方法は、特に限定されるものではないが、上述したような方法(レーザ光の照射によりマスク形成用膜9に初期孔81を形成してマスク8を得、その後、そのマスク8を用いてエッチングを行うことにより、基板7上に凹部61を形成する方法)により形成した場合、以下のような効果が得られる。
すなわち、レーザ光の照射によりマスク形成用膜9に初期孔81を形成することで、従来のようなフォトリソグラフィ法によって開口部を形成する場合に比べて簡単かつ安価に、所定パターンで開口部(初期孔81)を有するマスクを得ることができる。これにより生産性が向上し、安価に凹部付き部材6を提供することができる。
また、上述したような方法によれば、大型の基板に対する処理も容易に行うことができる。大型の基板(凹部付き部材、レンズ基板)を製造する場合に、従来のように複数の基板を貼り合わせる必要がなくなり、貼り合わせの継ぎ目をなくすことができる。これにより高品質で大型の基板(凹部付き部材、レンズ基板)を簡便な方法で安価に製造することができる。
また、初期孔81の形成をレーザの照射により行う場合、形成される初期孔81の形状、大きさ、配列等を、容易かつ確実に管理することができる。
次に、上述した凹部付き部材6を用いて、マイクロレンズ基板1を製造する方法について説明する。
<B1>まず、図7(a)に示すように、凹部付き部材6の凹部61が形成された側の面に、流動性を有する状態の組成物23(例えば、未重合(未硬化)の樹脂材料)を付与する(組成物付与工程)とともに、粒状体(固形物)27を付与する。
粒状体27を付与するタイミングは特に限定されず、例えば、凹部付き部材6上に粒状体27を配した状態で組成物23を付与してもよいし、組成物23の供給後に粒状体27を付与してもよいし、凹部付き部材6上に付与する組成物23中に、予め粒状体27を混合しておいてもよい。凹部付き部材6上に粒状体27を配した状態で組成物23を付与した場合、例えば、粒状体27を付与した後で組成物23を付与する前に、凹部付き部材6に振動を加えることにより、粒状体27を凹部付き部材6の凹部内に効率良く収めることができ、製造される基板本体2の厚さの不本意なばらつきをより確実に防止することができる。また、組成物23に予め粒状体27を混合しておくことにより、容易に、粒状体27の分散状態をより良好なものとすることができる。
粒状体27は、組成物23(硬化後の組成物23)と同程度の屈折率を有する材料で構成されているのが好ましく、より具体的には、硬化後の組成物23の構成材料の絶対屈折率と硬化後の組成物23の絶対屈折率との差の絶対値が、0.20以下であるのが好ましく、0.10以下であるのがより好ましく、0.02以下であるのがさらに好ましい。これにより、マイクロレンズ基板1の光学特性を特に優れたものとすることができる。
粒状体27の形状が略球状または略円柱状である場合、粒状体27の直径は、30〜200μmであるのが好ましく、50〜100μmであるのがより好ましい。粒状体27の直径が前記範囲内の値であると、後述する工程において、効率良く組成物23を硬化させることができ、マイクロレンズ基板1の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、硬化時における組成物23の劣化を防止することができる。また、得られるマイクロレンズ基板1においては、入射した紫外線をより効率良く粒状体27を構成する紫外線吸収剤に吸収させることができ、マイクロレンズ基板1の耐久性をさらに優れたものとすることができる。
粒状体27中における紫外線吸収剤の含有率は、1〜80wt%であるのが好ましく、30〜50wt%であるのがより好ましい。紫外線吸収剤の含有率が前記範囲内の値であると、後述する工程において、効率良く組成物23を硬化させることができ、マイクロレンズ基板1の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、硬化時における組成物23の劣化を防止することができる。また、得られるマイクロレンズ基板1においては、入射した紫外線をより効率良く粒状体27を構成する紫外線吸収剤に吸収させることができ、マイクロレンズ基板1の耐久性をさらに優れたものとすることができる。
また、凹部付き部材6上に付与される組成物23と粒状体27との比率は、体積比で、1:4〜30:1であるのが好ましく、1:1〜20:1であるのがより好ましい。これにより、後述する工程において、効率良く組成物23を硬化させることができるとともに、製造されるマイクロレンズ基板1においては、より効果的に紫外線吸収剤に紫外線を吸収させることができ、マイクロレンズ基板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。
粒状体27は、紫外線吸収剤を含むもので得あればいかなるものであってもよいが、本実施形態では、複数の粒状体27は、ほぼ一定の高さを呈するギャップ材として機能するものである。これにより、基板本体2の厚さの不本意なばらつきをより確実に防止することができ、マイクロレンズ基板1の光学特性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
粒状体27の高さ(粒状体27が略球状または略円柱状の場合は、その直径)の標準偏差は、1μm以下であるのが好ましく、0.3μm以下であるのがより好ましい。このように、粒状体27の高さのばらつきが十分に小さいものであると、ギャップ材としての機能をより効果的に発揮することができる。
また、粒状体27が略円形状または略円柱状の場合、その曲率半径(粒状体27の半径)は、マイクロレンズ21の曲率半径よりも小さいものであるのが好ましい。これにより、凹部付き部材6の凹部61内に粒状体27を確実に収めた状態で、後述する硬化工程を行うことができ、これにより、基板本体2の厚さの不本意なばらつきがより効果的に抑制される。その結果、マイクロレンズ基板1の光学特性、信頼性は、特に優れたものとなる。
一方、組成物23は、紫外線の照射により硬化し得る成分(例えば、紫外線硬化性樹脂)を含むものであり、必要に応じて、例えば、溶媒や分散媒等の液性媒体、重合開始剤、硬化触媒、酸化防止剤、分散剤、レベリング剤、シランカップリング剤等の各種添加剤を含むものであってもよい。
上記のように、紫外線吸収剤は、流動性を有する組成物23の構成材料としてではなく、粒状体(固形物)27の構成材料として用いられる。これにより、後述する工程において、効率良く組成物23を硬化させることができるとともに、製造されるマイクロレンズ基板1においては、紫外線吸収剤が紫外線を吸収することができ、マイクロレンズ基板1は耐久性に優れたものとなる。
なお、流動性を有する組成物中に、紫外線吸収剤を直接添加すると、後述する硬化工程において、紫外線吸収剤が組成物の硬化に必要な紫外線まで吸収してしまい、組成物の硬化を妨げてしまう。これにより、組成物を硬化させるのに多大なエネルギーを要することとなり、省エネルギーの観点から好ましくないばかりか、得られる基板本体の構成材料の劣化等を招く可能性もある。
<B2>次に、図7(b)に示すように、凹部付き部材6に付与された組成物23、粒状体27の上に、基材フィルム(シート材)24を載せ、この基材フィルム24を介して、組成物23を平板(押圧部材)11で押圧する(押圧工程)。
本工程においては、組成物23を押圧することにより、固形物としての粒状体27がギャップ材として機能し、組成物23で構成された層の厚さを均一なもの(ただし、凹部付き部材6が有する凹部61による高低差を除く)とすることができ、不本意な厚さのばらつきが抑制されたものとすることができる。その結果、後の工程で得られる基板本体2は、不本意な厚さがばらつきが抑制されたものとなる。
基材フィルム(シート材)24を用いることなく、直接、組成物23を押圧してもよいが、本実施形態では、押圧工程は、凹部付き部材6上に付与された組成物23上に基材フィルム(シート材)24を載置した状態で行う。これにより、基板本体2の厚さの不本意なばらつきをより確実に防止することができ、マイクロレンズ基板1の光学特性、信頼性を特に優れたものとすることができる。また、マイクロレンズ基板1の生産性を、特に優れたものとすることができる。
基材フィルム24は、組成物23(硬化後の組成物23)と同程度の屈折率を有する材料で構成されているのが好ましく、より具体的には、基材フィルム24の構成材料の絶対屈折率と硬化後の組成物23の絶対屈折率との差の絶対値が、0.20以下であるのが好ましく、0.10以下であるのがより好ましく、0.02以下であるのがさらに好ましい。これにより、マイクロレンズ基板1の光学特性を特に優れたものとすることができる。基材フィルム24は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、ポリエチレンテレフタレートで構成されたものであるのが好ましい。また、基材フィルム24は、比較的厚いものを用いてもよいし、実質的に可撓性を有さないものを用いてもよい。
また、粒状体27の直径をD[μm]、基材フィルム(シート材)24の厚さをT[μm]、形成すべきマイクロレンズ21の焦点距離をF[μm]としたとき、−300≦(D+T)−F≦300の関係を満足するのが好ましく、−100≦(D+T)−F≦100の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、マイクロレンズ基板1を用いて表示される画像のコントラスト、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
<B3>次に、組成物23に対して紫外線を照射することにより、組成物23を硬化させ、マイクロレンズ21を備えた基板本体2を得る(硬化工程。図7(c)参照)。
紫外線の照射は、例えば、平板11や凹部付き部材6を介して行うことができる。
上記のように、紫外線吸収剤は、流動性を有する組成物23の構成材料としてではなく、粒状体(固形物)27の構成材料として用いられる。これにより、後述する工程において、効率良く組成物23を硬化させることができるとともに、製造されるマイクロレンズ基板1においては、紫外線吸収剤が紫外線を吸収することができ、マイクロレンズ基板1は耐久性に優れたものとなる。
なお、基板本体を構成する樹脂材料中に、紫外線吸収剤を直接添加すると、後述するように、基板本体の製造時において、組成物の硬化に必要な紫外線まで吸収してしまうため、組成物の硬化を妨げてしまう可能性がある。これにより、組成物を硬化させるのに多大なエネルギーを要することとなり、省エネルギーの観点から好ましくないばかりか、得られる基板本体の構成材料の劣化等を招く可能性もある。
また、上述したように、紫外線吸収剤は、組成物23の構成材料としてではなく、粒状体(固形物)27の構成材料として含まれているため、組成物23の硬化を妨げることがなく、また、最終的なマイクロレンズ基板1においては、紫外線を吸収し基板本体2の劣化を防止する機能を発揮することができる。
なお、必要に応じて組成物23および/または基材フィルム24の中には、光源からの入射光を拡散させるために、拡散材として例えばポリスチレンビーズ、ガラスビーズ、有機架橋ポリマー等が含まれていてもよい。ここで拡散材は組成物23および/または基材フィルム24全体に含まれるものであってもよいし、一部にのみに含まれるものであってもよい。
また、本工程では、紫外線の照射とともに、組成物23の加熱を行ってもよい。これにより、組成物23の硬化が促進され、基板本体2の生産性の更なる向上を図ることができる。
<B4>次に、形成された基板本体2から、凹部付き部材6および平板11を取り除く(押圧部材・凹部付き部材除去工程。図7(d)参照)。本工程で除去された凹部付き部材6および平板11は、マイクロレンズ基板1の製造に繰り返し使用することができる。これにより、製造されるマイクロレンズ基板1の品質の安定性を高めることができるとともに、製造コスト面でも有利となる。
<B5>次に、上記のようにして作製された基板本体2の出射側表面に、ブラックマトリックス(遮光膜)3を形成する。
本実施形態では、遮光膜の形成を、基板本体に遮光膜形成用材料を付与する工程(遮光膜形成用材料付与工程)と、当該遮光膜形成用材料に光を照射する処理を施し、開口部を形成する工程(開口部形成工程)とを経て行う。遮光膜形成用材料としては、開口部を形成しうるものであればいかなるものであってもよいが、感光性を有する成分を含むものであるのが好ましい。これにより、容易かつ確実に好適な形状の開口部を形成することができる。以下の説明では、主に、遮光膜形成用材料として、ポジ型のフォトポリマー32を用いるものとして説明する。
まず、図8(e)に示すように、基板本体2の出射側表面に、遮光性を有するポジ型のフォトポリマー(遮光膜形成用材料)32を付与する(遮光膜形成用材料付与工程)。基板本体2表面へのフォトポリマー32の付与方法としては、例えば、ディップコート、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター等の各種塗布法等を用いることができる。フォトポリマー32は、遮光性を有する樹脂で構成されたものであってもよいし、(遮光性の低い)樹脂材料に、遮光性の材料が分散または溶解したものであってもよい。フォトポリマー32の付与後、必要に応じて、例えば、プレベーク処理等の熱処理を施してもよい。
<B6>次に、基板本体2に光(露光用光)Lbを照射する。
照射された光(露光用光)Lbはマイクロレンズ21に入射することにより屈折し、集光する。そして、集光されることにより、光度(光束)の大きくなった光が照射された部位のフォトポリマー32が露光され、それ以外の部分のフォトポリマー32は露光されないか、または露光量が少なくなり、光度(光束)の大きくなった光が照射された部位のフォトポリマー32のみが感光する。
ここで、本実施形態では、図9に示すように、基板本体2の主面の法線方向(垂線方向)に対して所定の角度θだけ傾斜した方向から、光を基板本体2に入射させる。このようにして、光を入射させることにより、基板本体2の入射側表面に垂直な方向(基板本体2の主面の法線方向)に光を照射した場合には、開口部を形成することができなかった部位にも、十分に高い光度(エネルギー)の光を照射することができ、当該部位をブラックマトリックス(遮光膜)3の開口部31とすることができる。その結果、ブラックマトリックス3により画像形成用の光の一部が吸収されてしまうのをより確実に防止することができ、高コントラストで視野角特性に優れた画像を表示することができる。
光(露光用光)Lbを照射するに際し、基板本体2の主面の法線方向に対して所定の角度θだけ傾斜した方向から光(露光用光)Lbを基板本体2に入射させるためには、例えば、露光用光Lbの光源を斜めに設置してもよいし、基板本体2側を傾けてもよい。また、光源と基板本体2との間に偏光フィルターやスリット等を介して照射する場合、当該偏光フィルターやスリット等を斜めに傾けてもよい。
基板本体2を斜めに傾ける方法としても、特に限定されるものではなく、例えば、支持部材等を用いて基板本体2の一端部を持ち上げて支持することにより傾けてもよいし、また、くさび形等の傾斜形状を有する傾斜部材を基板本体2の下側に配することで基板本体2を斜めに傾けてもよい。この場合、上記傾斜部材の材質としては、露光用光Lbを反射しないものが好ましい。
光の入射方向と基板本体2の主面の法線方向とでなす角度θは、特に限定されないが、2〜15°であるのが好ましく、3〜10°であるのがより好ましく、3〜8°であるのがさらに好ましい。角度θが前記範囲内の値であると、前述したようなブラックマトリックス3(所定の大きさの開口部31を有するブラックマトリックス3、所定の開口率を有するブラックマトリックス3)をより確実に形成することができ、表示される画像のコントラスト、視野角特性を、いずれも、特に優れたものとすることができる。これに対し、角度θが前記下限値未満であると、十分な大きさの開口部31を形成したり、ブラックマトリックス3の開口率を十分に高いものとすることが困難となり、マイクロレンズ基板1の視野角特性を十分に優れたものとするのが困難となる可能性がある。一方、角度θが前記上限値を超えると、形成されるブラックマトリックス3の外光反射防止の特性が低下してしまい、得られる画像のコントラストを十分に優れたものとするのが困難となる可能性がある。また、角度θが前記上限値を超えると、マイクロレンズ21形状等によっては、マイクロレンズ21の頂部に対応する部位に開口部31を確実に形成することが困難となる可能性がある。
基板本体に照射する光(露光用光)Lbは、特に限定されないが、平行光であるのが好ましい。これにより、形成すべき開口部31の大きさ、ブラックマトリックス3の開口率等をより確実に制御することができ、より確実に、表示される画像のコントラスト、視野角特性を、いずれも、特に優れたものとすることができる。
また、開口部形成用の光(露光用光)Lbは一方向からだけではなく、基板本体2に対し複数の方向から入射させるのが好ましい。これにより、より広い領域に効率良く十分な光度(光束)の光を照射することができ、必要十分な大きさの開口部31をより効率良く形成することができる。
複数の方向から光を入射させる方法としては、例えば、複数の光源を用意し、これらを異なる部位に設置し、これら複数の光源から同時または順番に光を照射する方法や、光源から照射された光を分岐させ、これらの分岐した光を異なる方向から基板本体2に入射させる方法も挙げられるが、例えば、基板本体2と光源とを相対的に移動(変位)させつつ、光源から光(露光用光)Lbを照射する方法が挙げられる。基板本体2と光源とを相対的に移動(変位)させる方法としては、例えば、基板本体2を固定した状態で光源を移動(変位)させる方法、光源を固定した状態で基板本体2を移動(変位)させる方法、光源および基板本体2をともに移動(変位)させる方法が挙げられる。
以下、基板本体2を移動(変位)させる方法について、より具体的に説明する。
基板本体側を動かす具体的な方法としては、例えば、図10に模式的に示すように、少なくとも、互いに直交する4方向に、それぞれ角度θずつ基板本体2を傾ける方法が挙げられる。
このように、基板本体2を動かすことにより、例えば、得られるマイクロレンズ基板1を各方向(左右方向および上下方向)での視野角特性が特に優れたものとすることができる。
また、光(露光用光)Lbの照射は、基板本体2が所定の角度に傾いた状態においてのみ行うものであってもよいが、基板本体2を動かしている間、連続的または断続的に行うものであってもよい。すなわち、角度θの値は、経時的に変化するものであってもよい。これにより、例えば、角度θの値(角度θの最大値)が比較的大きい場合であっても、マイクロレンズ21の頂部に対応する部位に開口部31を確実に形成することができる。このように、角度θの値が経時的に変化する場合、その最大値が前述した範囲に含まれるものであるのが好ましい。また、例えば、光(露光用光)Lbの照射時に、角度θがゼロとなる時点が存在してもよい。
また、光(露光用光)Lbを複数の方向から照射する際に、各方向についての光(露光用光)Lbの入射角度θの最大値が異なるものとなるようにしてもよい。これにより、例えば、形状が非対称な(例えば、点対称ではない)開口部31等のように、複雑な形状の開口部31も容易かつ確実に形成することができる。これにより、例えば、透過型スクリーン10や後述するようなリア型プロジェクタ300の仕様、使用環境(設置場所等)に応じて、容易に、各方向における視野角特性を最適なものとすることができる。
また、光の入射方向を変化させる方法の他の一例(基板本体側を動かす他の一例)を、図11に模式的に示す。
図11に示す例では、基板本体2の主面の法線と軸90の長手方向とのなす角が、所定の角度θを維持するように、基板本体2を、軸90上でこまのように回転させる構成になっている。言い換えると、図11に示す例では、軸90の延長線が基板本体2の表面(入射面)に接触する部位における基板本体の主面の法線が、軸90を中心とした円錐の周面を形成するように、基板本体が回転する。このような構成であることにより、例えば、光(露光用光)Lbの入射方向に対して、基板本体2の主面の法線が角度θだけ傾斜した状態を維持しつつ、光Lbの入射方向を経時的に変化させることができる。これにより、表示される画像のコントラスト、視野角特性のいずれもが、特に優れたマイクロレンズ基板1を生産性良く製造することができる。
上記のような方法等により光Lbを照射した後、現像を行う。ここで、このフォトポリマー32はポジ型のフォトポリマーであるので、集光された光が照射された部位のフォトポリマー32が現像により溶解、除去される。その結果、図8(f)に示すように、開口部31が形成されたブラックマトリックス3が形成される。現像の方法は、フォトポリマー32の組成等により異なるが、例えば、KOH水溶液等のアルカリ性溶液を用いて行うことができる。
本実施形態のように、フォトポリマーにマイクロレンズによって集光させた光(露光用光)を照射しブラックマトリックス(開口部を有する遮光膜)を形成することにより、例えばフォトリソグラフィ技術を使用するのに比べて、簡易な工程でブラックマトリックスを形成することができる。
なお、現像後、必要に応じて、例えば、ポストベーク処理等の熱処理を施してもよい。
また、上記の説明では、(<B4>、<B5>において、)遮光膜形成用材料として、ポジ型のフォトポリマーを用いて遮光膜(ブラックマトリックス3)を形成するものとして説明したが、フォトポリマー以外の材料を用いてもよい。例えば、遮光膜形成用材料としては、銀塩感光材料等の反転現像材料を用いてもよい。銀塩感光材料(反転現像材料)を用いた場合、上記のような露光後、一旦、露光部分のみが脱塩されるような処理を施し、その後さらに、全面露光し現像する方法を用いることにより、最初の露光部分を光透過性の非遮光部とし、それ以外の部位を遮光部(遮光領域)とすることができる。また、遮光膜の形成には、感光性材料を用いなくてもよい。例えば、感光性材料以外の遮光膜形成用材料で構成された膜を基板本体上に成膜した後、光(エネルギー線)を照射することにより、レンズ部により集光され、エネルギー密度が高くなった光で、遮光膜形成用材料で構成された膜の一部を弾き飛ばしたり、蒸発させること等により、開口部を有する遮光膜としてもよい。
また、遮光膜の形成は、上述した例に限定されず、例えば、ポジ型の感光性粘着剤を基板本体上に付与した後、光を照射する処理を施し、感光部の粘着性を低下させ、感光部以外の部位上に、遮光性材料を付与することにより、開口部を有する遮光膜としてもよい。
また、上記のような遮光膜形成用材料の付与、光の照射(露光)等の一連の処理を、繰り返し行ってもよい。これにより、遮光膜(ブラックマトリックス)をより厚いものとして形成することができ、コントラストの更なる向上を図ることができる。
また、上記の説明では、基板本体2の表面(光の出射面側の表面)に、直接、遮光膜形成用材料(フォトポリマー)を付与するものとして説明したが、遮光膜形成用材料は、基板本体2の表面に直接付与されるものでなくてもよい。例えば、基板本体2の表面(光の出射面側の表面)に、露光後に、十分な遮光性を発揮しない感光性材料の付与、現像等の一連の処理を行った後に、上記のような遮光膜形成用材料を用いた処理を行ってもよい。これにより、遮光膜(ブラックマトリックス)をより厚いものとして形成することができる。
<B7>次に、図8(g)に示すように、基板本体2のブラックマトリックス3が設けられた面側に、拡散部4を形成する(拡散部形成工程)。これにより、マイクロレンズ基板1が得られる。
拡散部4は、例えば、予め、板状に成形された拡散板を接合したり、拡散材を含み、流動性を有する拡散部形成用材料を付与した後に、当該材料を固化させること等により形成することができる。
拡散部形成用材料の付与方法としては、例えば、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター等の各種塗布法や、基板本体2を拡散部形成用材料中に浸漬するディッピング等の方法が挙げられる。
以下、前記透過型スクリーンを用いたリア型プロジェクタについて説明する。
図12は、本発明のリア型プロジェクタの構成を模式的に示す図である。
同図に示すように、リア型プロジェクタ300は、投写光学ユニット310と、導光ミラー320と、透過型スクリーン10とが筐体340に配置された構成を有している。
そして、このリア型プロジェクタ300は、上記のような透過型スクリーン10を備えているので、コントラストに優れた画像を得ることができるとともに、外光等に含まれる紫外線の影響による劣化が抑えられ、長期間に亘って優れた画像を得ることができる。
また、特に、前述したマイクロレンズ基板1では、楕円形状のマイクロレンズ21が千鳥状(千鳥格子状)に配されているので、リア型プロジェクタ300では、モアレ等の問題が特に発生し難い。
以上、本発明について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、レンズ基板(マイクロレンズ基板)、透過型スクリーン、リア型プロジェクタを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成を追加してもよい。
また、レンズ基板(マイクロレンズ基板)の製造方法においては、任意の工程を追加してもよい。
また、レンズ基板の製造方法における各工程の順序は、前述したようなものに限定されず、必要に応じて、その順序を変更してもよい。
また、粒状体(固形物)の製造方法においては、任意の工程を追加してもよい。
また、粒状体(固形物)は、前述したような方法により製造されたものに限定されず、いかなる方法で製造されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、凹部付き部材の表面に組成物を付与するものとして説明したが、例えば、平板の表面(または平板上に載置された基材フィルム)に組成物を付与し、これを凹部付き部材で押圧することにより、マイクロレンズ基板を製造してもよい。
また、前述した実施形態では、板状の凹部付き部材(凹部付き基板)を用いて、基板本体を製造するものとして説明したが、基板本体は、例えば、ロール状の凹部付き部材を用いて製造してもよい。
また、前述した実施形態では、ブラックマトリックス(遮光膜)を形成する際に、凹部付き部材を取り外した状態で光(露光用光)を照射するものとして説明したが、凹部付き部材が基板本体に取り付けられた状態で、ブラックマトリックスを形成してもよい。すなわち、感光性粘着剤層で構成された光透過層に光を照射する際に、凹部付き部材を介して光を照射してもよい。
また、前述した実施形態では、凹部付き部材を除去するものとして説明したが、凹部付き部材は、必ずしも除去しなくてもよい。すなわち、凹部付き部材は、レンズ基板の一部を構成するものであってもよい。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズ基板が、層状の拡散部を有するものとして説明したが、拡散部の形状はこれに限定されるものではない。例えば、拡散部は、ブラックマトリックスの開口部に対応する部位に凸状に設けられたものであってもよい。このような場合であっても、前述したような効果が得られる。また、このような拡散部を形成することにより、ブラックマトリックスの開口部以外の部位での外光の反射をより効果的に防止することができるため、得られる画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
また、前述した実施形態では、レンズ基板がマイクロレンズを備えるマイクロレンズ基板であるものとして説明したが、本発明において、レンズ基板は、例えば、レンチキュラレンズ基板等であってもよい。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズ基板(レンズ基板)が、基板本体と、ブラックマトリックス(遮光膜)と、拡散部とを有するものとして説明したが、本発明のレンズ基板は、遮光膜や拡散部を備えていなくてもよい。例えば、本発明のレンズ基板は、実質的に基板本体のみで構成されるものであってもよい。
また、前述した実施形態では、透過型スクリーンが、マイクロレンズ基板とフレネルレンズとを備えるものとして説明したが、本発明の透過型スクリーンは、必ずしも、フレネルレンズを備えたものでなくてもよい。例えば、本発明の透過型スクリーンは、実質的に、本発明のマイクロレンズ基板のみで構成されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、レンズ基板は、透過型スクリーン、リア型プロジェクタを構成する部材であるものとして説明したが、本発明のレンズ基板の用途は、前記のようなものに限定されず、いかなるものであってもよい。例えば、本発明のレンズ基板は、拡散板、ブラックマトリックススクリーン、ビーズスクリーン、投射型表示装置(フロントプロジェクタ)のスクリーン(フロントプロジェクションスクリーン)、投射型表示装置(フロントプロジェクタ)の液晶ライトバルブの構成部材等に適用されるものであってもよい。
[レンズ基板および透過型スクリーンの作製]
(実施例1)
<凹部付き部材(成形型)の製造>
まず、以下のように、マイクロレンズ形成用の凹部を備えた凹部付き部材を製造した。
まず、基板として、横1.2m×縦0.7m角、厚さ4.8mmのソーダガラス基板(絶対屈折率n:1.50)を用意した。
このソーダガラス基板を、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む洗浄液に浸漬して6μmエッチングを行い、その表面を清浄化した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
次に、このソーダガラス基板上に、スパッタリング法にて、クロム/酸化クロムの積層体(クロムの外表面側に酸化クロムが積層された積層体)を形成した。すなわち、ソーダガラス基板の表面に、クロム/酸化クロムの積層体で構成されたマスク形成用膜および裏面保護膜を形成した。クロム層の厚さは0.03μm、酸化クロム層の厚さは0.01μmであった。
次に、マスク形成用膜に対してレーザ加工を行い、マスク形成用膜の中央部113cm×65cmの範囲に多数の初期孔を形成し、マスクとした。
なお、レーザ加工は、エキシマレーザを用いて、エネルギー密度1.2J/cm、加工点でのビーム直径2μm、走査速度0.1m/秒という条件で行った。
これにより、マスク形成用膜の上記範囲全面に亘って、略円形の初期孔が、千鳥状に配されたパターンで形成された。初期孔の直径は2μmであった。
次に、ソーダガラス基板にウェットエッチングを施し、ソーダガラス基板上に多数の平面視したときの形状が扁平形状(略楕円形状)の凹部を形成した。形成された多数の凹部は、互いにほぼ同一の形状を有していた。形成された凹部の短軸方向の長さ(ピッチ)は54μm、長軸方向の長さは82μm、曲率半径は40μm、深さは40μmであった。また、凹部が形成されている有効領域における凹部の占有率は100%であった。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む水溶液を用い、浸漬時間は2.0時間とした。
次に、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸との混合物を用いてエッチングすることにより、マスクおよび裏面保護膜を除去した。
次に、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
その後、基板の凹部が形成されている面側に、ヘキサメチルジシラザンによる気相表面処理(シリル化処理)を行い、離型処理部を形成した。
これにより、ソーダガラス基板上に、マイクロレンズ形成用の多数の凹部が千鳥状に配列された凹部付き部材を得た。得られた凹部付き部材を平面視したときに、凹部が形成されている有効領域において、凹部が占める面積の割合が100%であった。
<粒状体(固形物)の製造>
また、以下のように、紫外線吸収剤を含有する粒状体を作製した。
まず、アクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))の前駆体としてのモノマー:20重量部と、紫外線吸収剤としてのトリス(イソデシル)ホスファイト:1重量部とを混合することにより、粒状体形成用材料を調製した。
粒状体形成用材料の粘度(JIS K 7177で規定される粘度試験方法に順じて測定される25℃における粘度)は、300Pa・sとなるように調整した。
次に、図4に示すように、インクジェット手段にて、上記粒状体形成用材料を吐出させて略球状の液滴とした。続いて、液滴を加熱することにより硬化させ、略球状の粒状体を作製した。得られた粒状体の平均粒径(直径)は、7.5μmであった。また、粒状体の粒径の標準偏差は、0.3μm以下であった。また、得られた粒状体の屈折率(絶対屈折率)は、1.57であった。また、粒状体中における紫外線吸収剤の含有率は、50wt%であった。
<マイクロレンズ基板(レンズ基板)、透過型スクリーンの製造>
次に、凹部付き部材の凹部が形成された側の面に、上記の粒状体を付与した。その後、粒状体が付与された凹部付き部材に振動を加え、粒状体を凹部内に収めた。
次に、凹部付き部材の粒状体が付与された側の面に、未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))で構成された組成物を付与した。
凹部付き部材上に付与された組成物と粒状体との比率は、体積比で、20:1であった。
組成物の上に、ポリエチレンテレフタレート(PET)で構成された基材フィルム(厚さ:75mm)を載せた。基材フィルムを構成するポリエチレンテレフタレートの屈折率(絶対屈折率n)は、1.66であった。
次に、ソーダガラスで構成された平板で、基材フィルムを介して、前記組成物を押圧した。この際、基材フィルムと組成物との間に、空気が侵入しないようにした。また、このとき、粒状体は、ギャップ材として機能した。
その後、平板で押圧した状態で、組成物に紫外線を照射することにより、組成物を完全に硬化させ、基板本体を得た。得られた基板本体は、凹部付き部材が有する凹部に対応する形状のマイクロレンズを有するものであった。形成されたマイクロレンズは、扁平形状(略楕円形状)をなすものであり、長軸方向の長さが72μm、曲率半径が36μm、高さが36μmであった。また、マイクロレンズが形成されている有効領域におけるマイクロレンズの占有率は100%であった。また、形成された硬化部を構成する材料の屈折率(絶対屈折率n)は、1.56であった。また、得られた基板本体のマイクロレンズについての焦点距離は85μmであった。
次に、平板および凹部付き部材を取り除いた。
次に、基板本体の出射側(マイクロレンズが形成されている面とは反対側の面)表面に、遮光性材料(カーボンブラック)が添加されたポジ型のフォトポリマー(PC405G:JSR株式会社製)を、ロールコーターにより付与した。フォトポリマー(遮光膜形成用材料)中における遮光性材料の含有量は、20wt%であった。
次に、90℃×30分のプレベーク処理を施した。
次に、基板本体のマイクロレンズが形成されている面側から、60mJ/cmの平行光としての紫外線を照射した。このとき、図10に示すように、基板本体の4つの辺に対応する4方向について、基板本体の主面の法線方向が、基板本体への光の入射方向が所定角度(θ=7°)だけ傾斜するように、基板本体を動かしつつ、紫外線の照射を行った。
その結果、照射した紫外線は、各マイクロレンズで集光され、集光された紫外線が照射された部位のフォトポリマーを選択的に露光した。
その後、0.5wt%のKOH水溶液を用いて、40秒の現像処理を施した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行い、さらに、200℃×30分のポストベーク処理を施した。これにより、各マイクロレンズに対応した開口部を有するブラックマトリックスが形成された。開口部の直径は20μmであった。また、形成されたブラックマトリックスの厚さは5.0μmであった。
次に、基板本体のブラックマトリックスが形成された面側に、拡散部を形成し、マイクロレンズ基板を得た。拡散部の形成は、アクリル系樹脂中に、拡散材(平均粒径8μmのシリカ粒子)が分散した構成の拡散板を熱融着により接合することにより行った。なお、拡散部の厚さは、2.0mmであった。
以上のようにして製造されたマイクロレンズ基板と、押出成形により作製したフレネルレンズ部とを組み立てることにより、図3に示すような透過型スクリーンを得た。
(実施例2〜7)
粒状体を構成する紫外線吸収剤として表1に示すようなものを用い、かつ、粒状体形成用材料の各成分の使用量を調節するとともに、インクジェット手段による液滴の吐出条件を変更することにより、粒状体の構成を表1に示すようにし、さらに、凹部付き部材上に付与する組成物と粒状体との比率を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(実施例8)
粒状体として、略円柱形状のものを用いた以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
粒状体としては、押出成形により得られた長尺物を所定の長さに粉砕することにより得られたものを用いた。粒状体の直径は、7.5μmであった。また、粒状体の直径の標準偏差は、0.3μm以下であった。また、粒状体の長さは、120μmであった。また、粒状体の屈折率(絶対屈折率)は、1.56であった。また、粒状体中における紫外線吸収剤の含有率は、20wt%であった。
(実施例9〜14)
粒状体を構成する紫外線吸収剤として表1に示すようなものを用い、かつ、粒状体形成用材料の各成分の使用量を調節するとともに、押出成形に用いる装置のダイの直径、長尺物の粉砕条件を変更することにより、粒状体の構成を表1に示すようにし、さらに、凹部付き部材上に付与する組成物と粒状体との比率を表1に示すようにした以外は、前記実施例8と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(比較例1)
基板本体を作製する際に、粒状体を用いなかった以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(比較例2)
ブラックマトリックスを形成する際に、露光用の光を基板本体の主面の法線方向(垂線方向)から照射した以外は、前記比較例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(比較例3)
粒状体として、紫外線吸収剤を含まずに、アクリル系樹脂で構成されたものを用いた以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(比較例4)
基板本体を製造する際に、粒状体を用いることなく、組成物として、未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂)):99重量部と、紫外線吸収剤としてのトリス(イソデシル)ホスファイト:1重量部との混合物を用いた以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。なお、本比較例では、組成物の硬化に長時間を要した。また、組成物を硬化させるための紫外線の照射を続けているうちに、基板本体の変色が進行した。
前記各実施例および各比較例について、粒状体の構成、基板本体上に付与される組成物と粒状体との比率(体積比)を、(D+T)−Fの値(ただし、Dは粒状体の直径[μm]、Tは基材フィルムの厚さ[μm]、Fはマイクロレンズの焦点距離[μm])、マイクロレンズ基板の生産性の評価とともに表1にまとめて示す。なお、表1中、トリス(イソデシル)ホスファイトをA、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾールをB、フェニル−4−ピペリジニルカーボネートをCで示した。
Figure 2007171307
[リア型プロジェクタの作製]
前記各実施例および各比較例の透過型スクリーンを用いて、図17に示すようなリア型プロジェクタを、それぞれ作製した。
[コントラストの評価]
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタについて、コントラストの評価を行った。
コントラスト(CNT)として、暗室において413lxの全白光が入射した時の白表示の正面輝度(白輝度)LW[cd/m]と、明室において光源を全消灯した時の黒表示の正面輝度の増加量(黒輝度増加量)LB[cd/m]との比LW/LBを求めた。なお、黒輝度増加量は、暗室の黒表示の輝度に対する増加量をいう。また、明室での測定は、外光照度が約185lxの環境下で行った。暗室での測定は、外光照度が0.1lx以下の環境下で行った。
[視野角の測定]
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタの透過型スクリーンにサンプル画像を表示させた状態で、鉛直方向(上下方向)および水平方向(左右方向)での視野角の測定を行った。
視野角の測定は、変角光度計(ゴニオフォトメータ)で、1度間隔で測定するという条件で行った。
[回折光、モアレ、色ムラの評価]
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタの透過型スクリーンにサンプル画像を表示させた。表示された画像について、回折光、モアレ、色ムラの発生状況を以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:回折光、モアレ、色ムラが全く認められない。
○:回折光、モアレ、色ムラがほとんど認められない。
△:回折光、モアレ、色ムラのうち少なくとも一つがわずかに認められる。
×:回折光、モアレ、色ムラのうち少なくとも一つが顕著に認められる。
[耐久性の評価]
前記各実施例および比較例のリア型プロジェクタについて、25℃の環境下で、35[mW/cm]の紫外線を、透過型スクリーンに向かって照射し続けた状態で、透過型スクリーンにサンプル画像を表示させた。1.0時間経過後において透過型スクリーンに表示されたサンプル画像の画質を確認し、紫外線による劣化の状況を以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:紫外線による劣化が全く認められない。
○:紫外線による劣化ほとんど認められない。
△:紫外線による劣化がわずかに認められる。
×:紫外線による劣化が顕著に認められる。
これらの結果を表2にまとめて示す。
Figure 2007171307
表2から明らかなように、本発明では、いずれも、紫外線による劣化が十分に防止され、長期間に亘って優れた画像を表示することができた。また、本発明では、いずれも、高コントラストの画像を安定的に表示することができた。また、本発明では、いずれも、視野角特性にも優れており、回折光、モアレ、色ムラの発生も十分に防止されていた。これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。
本発明のマイクロレンズ基板(レンズ基板)の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すマイクロレンズ基板の平面図である。 図1に示すマイクロレンズ基板(レンズ基板)を備えた、本発明の透過型スクリーンの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。 粒状体(固形物)の製造法を示す模式図である。 マイクロレンズ基板の製造に用いる凹部付き部材を示す模式的な縦断面図である。 図5に示す凹部付き部材の製造方法を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すマイクロレンズ基板(レンズ基板)の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すマイクロレンズ基板(第1実施形態)の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 基板本体に光を照射する際の光の入射方向(フォトポリマーを露光する際の光の照射方法)を説明するための図である。 基板本体に光を照射する際の光の入射方向(フォトポリマーを露光する際の光の照射方法)を説明するための図である。 基板本体に光を照射する際の光の入射方向(フォトポリマーを露光する際の光の照射方法)を説明するための図である。 本発明の透過型スクリーンを適用したリア型プロジェクタを模式的に示す図である。
符号の説明
1…マイクロレンズ基板(レンズ基板) 2…基板本体 21…マイクロレンズ(レンズ部) 211…中心 23…組成物 24…基材フィルム(シート材) 25…第1の行 26…第2の行 27粒状体(固形物) 28…液滴 3…ブラックマトリックス(遮光膜) 31…開口部 32…フォトポリマー 4…拡散部 5…フレネルレンズ部 51…フレネルレンズ 6…凹部付き部材(成形型) 61…凹部 9…マスク形成用膜 7…基板 8…マスク 81…初期孔(開口部) 89…裏面保護膜 11…平板 10…透過型スクリーン 12…インクジェット手段 13…硬化手段 300…リア型プロジェクタ 310…投写光学ユニット 320…導光ミラー 340…筐体

Claims (13)

  1. 多数のレンズ部を有する基板本体を備えたレンズ基板を製造する方法であって、
    製造すべき前記基板本体の前記レンズ部が設けられた面側の反転形状を有する成形型の面上に、紫外線の照射により硬化し得る成分を含み、流動性を有する組成物を付与する組成物付与工程と、
    紫外線を照射することにより、前記組成物を硬化させる硬化工程とを有し、
    前記組成物中に、紫外線吸収剤を含む材料で構成された複数個の固形物を分散させた状態で、前記押圧工程を行うことを特徴とするレンズ基板の製造方法。
  2. 複数個の前記固形物は、前記押圧工程において、ほぼ一定の高さを呈するギャップ材として機能するものである請求項1に記載のレンズ基板の製造方法。
  3. 前記固形物は、略球状または略円柱状をなすものであり、その直径が30〜200μmである請求項1または2に記載のレンズ基板の製造方法。
  4. 前記固形物中における前記紫外線吸収剤の含有率は、1〜80wt%である請求項1ないし3のいずれかに記載のレンズ基板の製造方法。
  5. 前記成形型上に付与される前記組成物と前記固形物との比率は、体積比で、1:4〜30:1である請求項1ないし4のいずれかに記載のレンズ基板の製造方法。
  6. 前記固形物は、前記紫外線のほかに、樹脂成分を含む材料で構成されたものである請求項1ないし5のいずれかに記載のレンズ基板の製造方法。
  7. 前記固形物の構成材料の絶対屈折率と、前記組成物の硬化物の絶対屈折率との差の絶対値が、0.20以下である請求項1ないし6のいずれかに記載のレンズ基板の製造方法。
  8. 前記成形型上に付与された前記組成物上にシート材を載置した状態で、前記シート材を介して前記組成物を押圧する請求項1ないし7のいずれかに記載のレンズ基板の製造方法。
  9. 前記成形型上に付与された前記組成物上にシート材を載置した状態で、前記シート材を介して前記組成物を押圧する押圧工程を有し、
    前記固形物は、略球状または略円柱状をなすものであり、
    前記固形物の直径をD[μm]、前記シート材の厚さをT[μm]、前記レンズ部の焦点距離をF[μm]としたとき、−300≦(D+T)−F≦300の関係を満足する請求項1ないし8のいずれかに記載のレンズ基板の製造方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の方法により製造されたことを特徴とするレンズ基板。
  11. 請求項10に記載のレンズ基板を備えたことを特徴とする透過型スクリーン。
  12. 光の出射側にフレネルレンズが形成されたフレネルレンズ部と、
    前記フレネルレンズ部の光の出射側に配置された前記レンズ基板とを備えた請求項11に記載の透過型スクリーン。
  13. 請求項11または12に記載の透過型スクリーンを備えたことを特徴とするリア型プロジェクタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104821370A (zh) * 2015-04-08 2015-08-05 王超群 一种紫外led集成透镜

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