JP2007170402A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機外部への潤滑油の吐出を可能な限り抑制して、常に密閉ケース内底部の油溜り部に所定量の潤滑油が溜まるようにして、安定した給油をなし信頼性の高い圧縮機を提供しようとするものである。
【解決手段】吸込み管17a,17bと吐出管19が接続される密閉ケース3内に、圧縮機構部4と、この圧縮機構部を駆動するステータ8およびロータ9とから構成されるモータ部5とを収容する圧縮機において、モータ部は、ステータ鉄心30を構成するティース部33に絶縁部材を介して巻線する、いわゆる集中巻き方式であり、モータ部に圧縮機構部から吐出されるガスが通過するガス通路25を設け、このガス通路の全面積に対してステータ鉄心のスロットと巻線との隙間であるスロット隙間部cの面積の割合を、0.3以上に設定した。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧縮機構部で圧縮された高圧ガスに、圧縮機構部を潤滑する潤滑油が混合して吐出管を介して密閉ケースの外部へ吐出してしまうことの阻止をなす、ガス通路構造を改良した圧縮機に関する。
たとえば冷凍機や空気調和機に用いられる圧縮機は、吸込み管と吐出管が接続される密閉ケース内に、冷媒を圧縮する圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動するステータとロータを備えたモータ部とが収容されてなる。
上記圧縮機構部で圧縮され高圧化したガスは、この吐出ポートから一旦密閉ケース内に放出され、さらにモータ部に設けられるガス通路に導かれ、密閉ケースに接続される吐出管から外部機器へ吐出されるようになっている。
一方、密閉ケースの内底部には潤滑油を集溜する油溜り部が形成されていて、圧縮機構部の作動にともなって潤滑油が吸上げられ、各摺動部を潤滑したあと再び油溜り部に戻って循環する。
しかしながら、圧縮機構部を潤滑したあとの一部の潤滑油は油粒状(ミスト状)となって高圧ガスに混合してしまい、モータ部のガス通路に導かれてそのまま吐出管から外部機器へ吐出される虞れがある。
モータ部のガス通路を構成するものとして、ステータ外径と密閉ケース内径との隙間と、ステータ鉄心に設けられる貫通孔と、ステータにおけるステータ鉄心のスロットと巻線との隙間であるスロット隙間部と、ロータ外径とステータ内径との隙間であるエアーギャップおよびロータ鉄心に貫通して設けられるガス孔がある。
従来、このような複数の隙間の合計からなるガス通路の設計において、ガス通路間相互の関係などについては特に考慮されておらず、たとえばガス通路全面積に対するスロット隙間部の合計面積の割合(スロット隙間部合計面積/ガス通路全面積)は、0.1前後になっていた。
また、1スロットあたりのスロット隙間部面積は、圧縮された高圧ガスを一旦密閉ケース内に放出案内する吐出ポートの面積に対して極めて小さく、その比率(スロット1ヶ所あたりのスロット隙間部面積/吐出ポート面積)は、0.1程度になっていた。
しかるに、上述の構成では、スロット隙間部を通過するガスに潤滑油がミスト状になって含まれ、圧縮機から外部に吐出される潤滑油の量が多く、油溜り部の油量が確保できなくなって摺動部が損傷するなどの虞れがある。
そこで、たとえば[特許文献1]に記載されるように、エアーギャップを上昇してきた吐出ガスを上部コイルエンドに衝突させ、遠心分離作用を積極的に利用してガス中の油ミストを分離し、ステータ外周の隙間から密閉ケース内底部の油溜り部に戻す技術が開示されている。
特許第1468483号公報
ところで、近年の空気調和機における省エネ化と快適性を追求するため、圧縮機の回転数を可変できるインバータ駆動方式が主流となっている。この種の装置において、主運転回転数は室温が安定したあとの低回転であるが、始動時など循環量が増大する高回転になり、このときに上述の油回収サイクルが確実になされない。
すなわち、圧縮機構部の吐出ポートを介して密閉ケース内に吐出された高圧ガスは、ロータとステータとのエアーギャップのみならず、ステータ外径と密閉ケース内径との隙間からも上昇して、ここを自由落下しようとする潤滑油を吹き上げて密閉ケース外部へ吐出してしまう。
また、従来のモータ部においてステータはスロット数が20を越える3の倍数(たとえば24スロット)に設定されているので、スロット内に挿入された巻線のスペースファクタを効率向上のため高くとると、スロット内におけるガス通路がほとんど存在しなくなっており、エアーギャップの拡大もモータ部性能の確保の点から困難である。
本発明は上記事情にもとづきなされたものであり、その目的とするところは、圧縮機外部への潤滑油の漏れを可能な限り抑制し、常に密閉ケース内底部の油溜り部に所定量の潤滑油が溜るようにして、安定した給油をなし信頼性の高い圧縮機を提供しようとするものである。
上記目的を満足するため、本発明の圧縮機は、吸込み管と吐出管が接続される密閉ケース内に、圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動するステータおよびロータとから構成されるモータ部とを収容し、上記モータ部は、ステータ鉄心を構成するティース部に絶縁部材を介して巻線する、いわゆる集中巻き方式であり、モータ部に圧縮機構部から吐出されるガスが通過するガス通路を設け、このガス通路の全面積に対するモータ部のステータにおけるステータ鉄心のスロットと巻線との隙間であるスロット隙間部の合計面積の割合を、0.3以上に設定した。
さらに、本発明の圧縮機は、吸込み管と吐出管が接続される密閉ケース内に、圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動するステータおよびロータとから構成されるモータ部とを収容し、上記モータ部は、ステータ鉄心を構成するティース部に絶縁部材を介して巻線する、いわゆる集中巻き方式であり、上記モータ部に、上記圧縮機構部から吐出されるガスが通過するガス通路を設け、このガス通路の全面積Aは、スロット隙間部の合計面積を含む内側面積A1と、ステータ外周と密閉ケース内径との間の通路面積およびステータ外周近傍に孔部がある場合は、その孔部の開口面積を含む面積A2との合計(A=A1+A2)であり、A1>A2の関係に設定するとともに、スロット隙間部の合計面積を上記ロータとステータ間の隙間であるエアーギャップの面積よりも大きくした。
本発明の圧縮機によれば、潤滑油が圧縮機外部へ吐出されることをモータ部において可能な限り抑制し、常に密閉ケース内底部の油溜り部に所定量の潤滑油が溜まるようにして、安定した給油をなし、信頼性の向上を図れるという効果を奏する。
以下、本発明の一実施の形態を、図面にもとづいて説明する。
図1に示す、1は密閉形の圧縮機であり、2はアキュームレータである。圧縮機1は、密閉ケース3内の下部に圧縮機構部4が収容され、上部にはモータ部5が収容される。これら圧縮機構部4とモータ部5とは、回転軸6を介して連結されている。
上記モータ部5は、密閉ケース3の内面に固定されたステータ8と、このステータ8の内側に所定の間隙を存して配置され、かつ上記回転軸6が介挿されるロータ9とから構成される。
そして、モータ部5の上下面に貫通して複数の隙間からなるガス通路25が設けられていて、圧縮機構部4で圧縮され密閉ケース3内に放出される高圧ガスを導くようになっている。なお、ガス通路25については後述する。
上記圧縮機構部4は、回転軸6の下部に仕切り板10を介して上下に配設された2つのシリンダ11A,11Bを備えている。上部シリンダ11Aは、その上面部が主軸受12に取付固定される。下部シリンダ11Bの下面部には副軸受13が取付け固定される。
シリンダ11A,11Bの上下面は、上記仕切り板10および主軸受12と副軸受13で区画され、その内部にシリンダ室15a,15bが形成される。それぞれのシリンダ室15a,15bには、回転軸6の回転にともなってローラを偏心回転駆動するとともに、ベーンによってシリンダ室を高圧側と低圧側に仕切る、いわゆるロータリ式圧縮機構16A,16Bが構成される。
また、主軸受12と副軸受13には、それぞれ吐出ポート12a,13aが設けられており、これら吐出ポート12a,13aはバルブカバー18A,18Bで覆われている。これらバルブカバー18A,18B内に吐出された高圧ガスはバルブカバー18Cに導かれるようになっている。
このバルブカバー18Cには、ガスを密閉ケース内に放出案内する吐出孔20が設けられる。さらに、両シリンダ11A,11B内のシリンダ室15a,15bは、それぞれ吸込み管17a,17bを介して上記アキュームレータ2に連通される。
このような密閉ケース3の内底部には潤滑油Oを集溜する油溜り部22が形成されている。潤滑油Oとして、エーテル油と、エステル油およびアルキルベンゼン油の、いずれかが用いられる。
一方、上記密閉ケース3の上面部には吐出冷媒管19が接続され、図示しない凝縮器に連通される。上記アキュームレータ2の上面部には吸込み冷媒管21が接続され、図示しない蒸発器に連通される。上記凝縮器と上記蒸発器との間には膨張機構が接続されていて、圧縮機1−凝縮器−膨張機構−蒸発器を介して上記アキュームレータ2に順次連通する冷凍サイクルが構成され、冷媒としてHCFC冷媒と、HFC冷媒およびHC冷媒のいずれかが用いられる。
つぎに、以上の圧縮機1における作用を説明する。
図1の矢印は、ガスの流れを示している。アキュームレータ2から吸込み管17a,17bを介して圧縮機1の圧縮機構部4に吸込まれた低圧のガスは、シリンダ室15a,15b内で圧縮されて高圧化した状態で吐出ポート12a,13aと、バルブカバー18A,18Bを通ってバルブカバー18Cに集溜され、さらに吐出孔20から密閉ケース3内に放出される。
高圧ガスは圧縮機構部4の上部からモータ部5に流れて、ここに形成されるガス通路25に沿って導かれ、モータ部5上方の密閉ケース3内空間に充満する。そして、密閉ケース3上端部に接続される吐出管19から圧縮機1外部に吐出され、図示しない凝縮器に導かれて冷凍サイクルを構成する。
一方、冷媒ガスの圧縮作用にともなって密閉ケース3内底部の油溜り部22に集溜する潤滑油Oが圧縮機構部4に吸上げられ、各摺動部を潤滑し、そのあと流下して再び油溜り部22に戻る。
ほとんど大部分の潤滑油Oは、以上のように導かれて循環するが、一部の潤滑油Oは圧縮機構部4から高圧ガスと共に吹き上げられ、油粒となって高圧ガスに混合しモータ部5に設けられるガス通路25に導かれてしまう。
このモータ部5のガス通路25を潤滑油の油粒がそのまま通過すると、ついには高圧ガスとともに圧縮機1外部へ吐出されることが多いので、本発明においては以下に述べるようにモータ部5の特にステータ8構造と、それにともなうガス通路25の見直し設計を行い、高圧ガスのみ円滑に流通させる反面、潤滑油油粒の通過阻止を図っている。
図4に、この圧縮機における一定運転条件下でのガス通路全面積に対するスロット隙間部合計面積の割合と、冷媒循環量に対する吐油量との変化の特性に関する実験結果を示す。
この割合が実験結果より0.3より大であれば吐油量が低く抑えられ、0.3より小さいと吐油量が増大して圧縮機構部に対する潤滑油供給量が減少し機械的損傷の虞れが大になり、かつ外部機器と接続配管に吐出した潤滑油が付着して性能の低下をきたすことが分かる。
また、図5は、ガス通路全面積に対するスロット隙間部合計面積の割合と、モータ効率との変化を表す。前記割合が大きいほど吐油量は低くできるが、モータ効率は低下する。上記割合が0.6以下であれば、モータ効率を高い状態に保持できるが、0.6以上であるとモータ部における巻線の占有率が極端に小さくなり、そのためモータ効率として低い値になり、圧縮機の性能低下をきたす。したがって、これらの結果から、上記割合は0.3〜0.6の範囲が望ましい。
図2(A)は、本発明の一実施の形態における上記モータ部5の断面構造であり、図2(B)は比較例として従来構造のモータ部5Zを断面にして示す。ここでは、本発明のモータ部5構造から説明する。
上記ステータ8は、円環状継鉄であるヨーク部32と、このヨーク部32の内側に一体に設けられ、互いに所定間隔を存して放射状に設置される複数(6個)のティース部33とから構成され、鋼板を積層してなるステータ鉄心30を備えている。
上記ティース部33は、図示しない絶縁部材で覆われていて、この絶縁部材を介して直接巻線31が施される。この状態で、隣接するティース部33,33の巻線31、31相互間とステータ鉄心30との間には所定の隙間を存するように設計されていて、上記隙間をスロット隙間部cと呼ぶ。
圧縮機構部4から吐出された高圧ガスを通過させるためにモータ部5に設けられたガス通路25は、ステータ8外周に設けられた切欠と密閉ケース3内径との間の隙間aと、ステータ8内周とロータ9外周との間の隙間であるエアーギャップbと、先に説明したスロット隙間部cがある。
上記ティース部33が6個設けられ、6スロットに形成されているので、上記スロット隙間部cも6個形成されることになる。なお、特にステータ鉄心30に貫通孔が設けられず、ロータ9にはガス孔が存在しない。
実際には、ステータ8の外周切欠a面積の合計が232mm、ステータ鉄心30に孔部がないので0mm、ロータ9とステータ8との間隙であるエアーギャップbの面積が151mm、ロータ9にガス孔がないので0mm、スロット隙間部cの合計面積が最小値196mmに設計されている。
したがって、モータ部5に設けられるガス通路25の全面積は579mmとなり、またスロット隙間部cの合計面積が196mmであるので、ガス通路25の全面積に対するスロット隙間部cの合計面積の割合(スロット隙間部の合計面積/ガス通路の全面積)は、約0.34になる。
一方、図2(B)に示す比較例としての従来のモータ部5Zは、以下のようなガス通路25Zを備えている。
ステータ外周切欠a’の合計面積が334mm、ステータ鉄心30Zに設けられる貫通孔d部の合計面積が101mm、エアーギャップb’の面積が151mm、ロータに貫通するガス孔eの合計面積が107mm、24個あるスロット隙間部c’の合計面積が111mmである。
したがって、従来構造のモータ部5Zにおけるガス通路25Zの全面積は804mmとなり、ガス通路25Zの全面積に対するスロット隙間部c’の合計面積の割合が、約0.14しかない。
本発明のモータ部5構造であれば、従来のモータ部5Z構造よりもスロット隙間部cの割合が大幅に増える(従来0.14−本発明0.34)ことによって、スロット隙間部cを通過する高圧ガスの流速Vが、従来のものよりも大幅に低下する。その結果、スロット隙間部cから上部へ吹き上げられる油量が減少する。
それでもモータ部5から吹き上げられる潤滑油は、上述の構造から再びモータ部5の下部側へ流下し易くなるため、結果として、圧縮機1から外部へ吐出される油量が少なくなり、油溜り部22における集溜量が常に充分に確保される。圧縮機構部4の各摺動部に対して充分な量の潤滑油が常に供給されることとなり、これらの円滑な潤滑が保証されて信頼性の向上を得られる。
さらに、図2(A)(B)で示すモータ部5,5Zを備えて運転をなし、各種の実験を行って以下のような結果を得た。
図3に、本発明の一実施の形態に係わるモータ部5を備えた圧縮機1と、従来のモータ部5Zを備えた圧縮機における、外部へ吐出される潤滑油の油量の比較データを示す。
従来構造のモータ部5Zを備えた圧縮機であると、回転数にほぼ比例して外部への吐油量が増大する。これに対して本発明のモータ部5を備えた圧縮機1であれば、回転数が上昇してもほとんど吐油量が低い状態で推移する。したがって、本発明のモータ部5を備えた圧縮機1が極めて有効である。
先に説明したように、本発明のモータ部5構造であれば、ガス通路25の全面積に対するスロット隙間部cの合計面積の割合が0.34である一方、従来のモータ部5Zでは0.14なので、本発明構造では何らの不具合もないが、従来構造であると先に説明した欠点が顕著に現れる。
また、従来のモータ部5Z構造では、スロット隙間部c’の合計面積が111mmであり、24スロットあるところから、1スロットのスロット隙間部面積が4.5mmである。一方、圧縮機構部4に備えられる吐出ポート12a,13aの開口面積は56mm(本発明と従来構造とも同一)であり、1スロットあたりのスロット隙間部面積4.5mmに対する吐出ポート面積56mmの比は0.08となっている。
これに対して、本発明構造のモータ部5の場合、6スロットであり、1スロットあたりのスロット隙間部面積に対する吐出ポート面積の比は0.58となっている。
図6は、1スロットあたりのスロット隙間部c面積に対する吐出ポート面積の比と、冷媒循環量に対する潤滑油の外部への吐油量の特性を示す。同図から、上記比が0から0.25までの範囲は吐油量が多いが、0.25以上では吐油量が顕著に少なくなり、複雑な油分離機能などが不要となる。
これは、モータ部において潤滑油を吹き上げさせないためには、潤滑油Oの表面張力を考慮すると、小面積の通路を多数設けることよりも、一ヶ所当たりの通路の断面積を大きくとる方が有効であることを示している。
一般的に、油溜り部22における油面の確保と、外部機器および接続配管への潤滑油膜の付着を考慮すると、吐油量は1.5%以下が望ましいとされている。したがって、1スロットあたりのスロット隙間部面積に対する吐出ポート面積の比を0.25以上とすることが望ましく、0.25倍以上に設定することにより潤滑油の吹き上げ現象に対して充分な効果を得られる。
図7は、回転軸6の回転数に対する吐油量(冷媒循環量比)の特性を示す。本発明構造のモータ部5における1スロットあたりのスロット隙間部c面積と吐出ポート12a,13aの断面積の割合を0.58とした場合の、吐油量と同じ値が0.08である従来構造におけるモータ部5Zの吐油量の比較である。
このように、回転数があがるにつれて吐油量の差が大きくなり、120rpsにおいては従来構造のモータ部5Zよりも本発明構造のモータ部5がほとんど1/20以下となって、本発明構造のモータ部5が極めて有効である。
また、先に説明したように、ステータ鉄心30を構成するティース部33に絶縁部材を介して巻線31が施されているが、この絶縁部材の最外周の一部を他の部分に対して高く設定している。
一方、図1に示すように、ロータ9上端には各構成部品を固定するためのピン40の頭部が突出している。そして、バルブカバー18Cの吐出孔20の位置を上記絶縁部材の最外周よりも内側に配置している。
さらに、モータ部5のガス通路の全面積Aは、上記スロット隙間部cの合計面積を含む内側面積A1と、ステータ外周切欠a面積およびステータ8外周近傍に孔部がある場合は、その孔部の開口面積を含む面積A2との合計(A=A1+A2)であり、かつ A1>A2 の関係に設定してある。
圧縮機構部4から放出される高圧ガスはモータ部5を通過するが、上述のように構成することにより、主としてロータ9の回転の影響を受け難いステータ8のスロット隙間部c内を通過する。すなわち、ロータ9とステータ8との間であるエアーギャップcを高圧ガスの主流が通過しないので、ロータ9の回転による流速変化や通過する潤滑油粒の微細化がない。
そして、ロータ9上端面の突部であるピン40の頭部付近で発生したガスの乱れ(遠心力)により、流速の遅い上昇ガスは外周方向にも力を受け、重量の重い油粒はステータ8の外周側通路面積A2であるステータ切欠aと、ステータ8の外周近傍に孔部がある場合は、その孔部(開口面積)を通過して密閉ケース3内底部の油溜り部22へ戻る。
したがって、潤滑油の油粒がモータ部5から円滑に油溜り部22へ戻る。なお、ロータ9の上端部にディスク(油分離板)を設けた場合は、同等以上の効果を奏する。
図8に示すように、横置きタイプの圧縮機1Aにも上述の構成が適用できる。圧縮機構部4Aに設けられる吐出孔20Aの位置はステータ8Aのティース部に嵌め込まれる絶縁部材の最外周よりも内側に配置してあるため、吐出ガスは油面を乱すことがなくスロット隙間部(ともに図示しない)を通過する。
横置き型であるのでモータ部5Aの外周は密閉ケース3Aの底部となり油溜り部22Aが形成されるので、潤滑油Oによりモータ部5Aが冷却される。しかも、この潤滑油Oに浸漬する部分はガス通路25Aを確保しているため、油溜り部22Aにおける潤滑油面の安定性が得られる。特に、横置きタイプの圧縮機ではロータ9Aと油溜り部22A油面との距離が、先に説明した縦型圧縮機よりもとりにくいため、本構造の採用は極めて有効である。
本発明の一実施の形態を示す、圧縮機の断面図。 同実施の形態の、モータ部の横断平面図と、比較例としての従来構造のモータ部の横断平面図。 同実施の形態の、回転数と吐油量との変化を示す特性図。 同実施の形態の、スロット隙間部の面積の割合と冷媒循環量に対する吐油量との変化を示す特性図。 同実施の形態の、スロット隙間部面積の割合とモータ効率との変化を示す特性図。 同実施の形態の、1スロットあたりのスロット隙間部面積/吐出ポート面積と吐油量との変化を示す特性図。 同実施の形態の、従来構造と本発明構造の、回転数と吐油量の変化を示す特性図。 他の同実施の形態の、横置き型圧縮機の断面図。
符号の説明
19…吐出冷媒管、3…密閉ケース、4…圧縮機構部、8…ステータ、9…ロータ、5…モータ部、25…ガス通路、30…ステータ鉄心、31…巻線、c…スロット隙間部、12a,13a…吐出ポート。

Claims (3)

  1. 吸込み管と吐出管が接続される密閉ケース内に、圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動するステータおよびロータとから構成されるモータ部とを収容する圧縮機において、
    上記モータ部は、ステータ鉄心を構成するティース部に絶縁部材を介して巻線する、いわゆる集中巻き方式であり、
    上記モータ部に、上記圧縮機構部から吐出されるガスが通過するガス通路を設け、このガス通路の全面積に対する上記モータ部のステータにおけるステータ鉄心のスロットと巻線との隙間であるスロット隙間部の合計面積の割合を、0.3以上に設定したことを特徴とする圧縮機。
  2. 上記モータ部のガス通路全面積に対して、上記スロット隙間部の合計面積の割合が0.6以下であることを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
  3. 吸込み管と吐出管が接続される密閉ケース内に、圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動するステータおよびロータとから構成されるモータ部とを収容する圧縮機において、
    上記モータ部は、ステータ鉄心を構成するティース部に絶縁部材を介して巻線する、いわゆる集中巻き方式であり、
    上記モータ部に、上記圧縮機構部から吐出されるガスが通過するガス通路を設け、このガス通路の全面積Aは、上記モータ部のステータにおけるステータ鉄心のスロットと巻線との隙間であるスロット隙間部の合計面積を含む内側面積A1と、ステータ外周と密閉ケース内径との間の通路面積およびステータ外周近傍に孔部がある場合は、その孔部の開口面積を含む面積A2との合計(A=A1+A2)であり、かつA1>A2の関係に設定するとともに、スロット隙間部の合計面積を上記ロータとステータ間の隙間であるエアーギャップの面積よりも大きくしたことを特徴とする圧縮機。
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