JP2014231752A - ロータリコンプレッサ及び冷凍サイクル装置 - Google Patents

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安孝 伊藤
平山 卓也
Takuya Hirayama
卓也 平山
一彦 三浦
Kazuhiko Miura
一彦 三浦
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Abstract

【課題】シリンダ室を覆う仕切り部材と偏心輪との間のシールの信頼性を確保しつつ偏心輪を軽量化でき、偏心輪の製造性も向上可能なロータリコンプレッサを提供する。【解決手段】駆動部の回転軸24により駆動される圧縮機構部は、シリンダ、偏心輪51、仕切り部材、及び給油手段を有する。シリンダは回転軸24が挿通されたシリンダ室を有する。偏心輪51は、回転軸24が挿通される孔52,53、これらの孔の径より大径な周壁55、周壁55の軸方向両端から孔52,53に夫々わたる第1の端壁56並びに第2の端壁及び周壁55で囲まれ孔52,53の径より大径な溝59を有する。偏心輪51は、回転軸24が有する偏心カム27に回転可能に嵌められてシリンダ室で偏心回転する。仕切り部材は、シリンダ室を覆っており、第1の端壁56並びに第2の端壁が摺動するシール面を有する。【選択図】図6

Description

本発明の実施形態は、ロータリコンプレッサ及びこのコンプレッサを備える冷凍サイクル装置に関する。
冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置が備える圧縮機には、ロータリコンプレッサが多用されている。ロータリコンプレッサが有する圧縮機構部は、駆動部の回転軸に形成された偏心カム、及びこのカムの周面に回転可能に嵌められた偏心輪を有する。この圧縮機構部は駆動部の回転軸により駆動される。
即ち、回転軸が回転されると、偏心輪が、シリンダ室を区画したシリンダの壁面に接しながら偏心回転される。この偏心輪に従動してベーンが往復移動されることによって、シリンダ室が吸込み室と圧縮室とに区画される。そのため、吸込み室に吸入された低圧の冷媒ガスが圧縮室で圧縮され高温高圧の冷媒ガスとなって、外部に吐出される。
このロータリコンプレッサで、偏心輪の軽量化(つまり、偏心輪の質量を小さくすること)は、ロータリコンプレッサの運転効率の向上に貢献できる。更に、偏心輪の軽量化は、偏心輪の慣性力を低下させることになる。それにより、偏心輪とベーンとの相対速度が減少される。したがって、ベーン先端部の過剰摩耗や焼き付きが防止されて、ロータリコンプレッサの耐久性も向上できる。
偏心輪の端面は、シリンダ室を覆った軸受等の仕切り部材が有するシール面を摺動する。このため、ロータリコンプレッサは、偏心輪の端面とこの端面が摺動するシール面との間に油膜が形成されるように構成されている。この油膜により、吸込み室と圧縮室とがシールされ、かつ、摺動部での摩擦損失を低減できる。
偏心輪を軽くする手法は種々提案されている。しかし、偏心輪の軽量化に伴って、偏心輪の端面の面積が減少してしまうことがあると、前記シールの信頼性が低下し、ロータリコンプレッサの運転効率が低下する可能性がある。そのため、こうした事態を招かないようにして偏心輪を軽量化する必要がある。
更に、偏心輪を軽くする場合、偏心輪の部品点数や製造工数が増えると、偏心輪の製造性が低下し、コスト高となるので、好ましくない。
特開2008−180178号公報 特開2011−74813号公報
実施形態は、シリンダ室を覆う仕切り部材と偏心輪との間のシールの信頼性を確保しつつ偏心輪を軽量化できるとともに、偏心輪の製造性も向上することが可能なロータリコンプレッサ、及びこのコンプレッサを備える冷凍サイクル装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、実施形態のロータリコンプレッサは、駆動部の回転軸により駆動される圧縮機構部を備え、この圧縮機構部は、シリンダ、偏心輪、仕切り部材、及び給油手段を有する。シリンダは回転軸が挿通されたシリンダ室を有する。偏心輪は、回転軸が挿通される孔、この孔の径より大径な周壁、周壁の軸方向両端から孔に夫々わたる第1、第2の端壁、及び周壁で囲まれ孔の径より大径な溝を有する。偏心輪は、回転軸が有する偏心カムに回転可能に嵌められてシリンダ室で偏心回転する。仕切り部材は、シリンダ室を覆っており、第1、第2の端壁が摺動するシール面を有する。給油手段により、第1、第2の端壁とシール面との間に油膜を形成する潤滑油を供給することを特徴としている。
第1実施形態に係るロータリコンプレッサの縦断側面図とともに、このコンプレッサを備える冷凍サイクル装置の概略構成を示す図である。 図1のロータリコンプレッサが備える給油手段の一部を示す断面図である。 図1中F3−F3線に沿ってロータリコンプレッサが備える圧縮機構部を示す横断平面図である。 図3の圧縮機構部が有する偏心輪を示す斜視図である。 図4の偏心輪を示す断面図である。 図4の偏心輪と回転軸の偏心カムとの関係を示す断面図である。 第2実施形態に係るロータリコンプレッサの圧縮機構部が有する偏心輪をスリーブとともに示す斜視図である。 図7の偏心輪と回転軸の偏心カムとスリーブとの関係を示す断面図である。 図7の偏心輪と回転軸の偏心カムとスリーブとの関係を回転軸が傾いた状態で示す断面図である。 第2実施形態に係るロータリコンプレッサが備える圧縮機構部を示す図3相当の横断平面図である。 第3実施形態に係るロータリコンプレッサの圧縮機構部が有する偏心輪をスリーブとともに示す斜視図である。 図11の偏心輪をスリーブとともに示す断面図である。 図11の偏心輪と回転軸の偏心カムとスリーブとの関係を示す断面図である。 第4実施形態に係るロータリコンプレッサの圧縮機構部が有する偏心輪をスリーブとともに示す斜視図である。 図14の偏心輪をスリーブとともに示す断面図である。 図14の偏心輪と回転軸の偏心カムとスリーブとの関係を示す断面図である。
以下、第1の実施の形態について、図1〜図6を参照して詳細に説明する。
図1中符号1で示す冷凍サイクル装置は、ロータリコンプレッサ(以下コンプレッサと略称する。)2と、凝縮器3と、膨張装置例えば膨張弁4と、蒸発器5と、アキュームレータ6等を備える。これらの各機器は冷媒管7で接続されている。この冷凍サイクル装置1において、コンプレッサ2で圧縮された冷媒ガスは、冷媒管7に導かれて前記各機器を前記記載順に流通して冷凍サイクル作用をなし、再びコンプレッサ2に吸込まれて圧縮される。この冷凍サイクル装置1は例えば空気調和機等として使用される。
コンプレッサ2は密閉型のロータリコンプレッサである。つぎに、このコンプレッサ2について説明する。
コンプレッサ2は、ケーシング例えば密閉ケース11と、この密閉ケース11に収容された駆動部21と、同じく密閉ケース11に収容された圧縮機構部31を備える。
密閉ケース11はその上下両端部が閉じられた円筒状である。この密閉ケース11は、複数のケース部材を溶接などにより連結することで形成されている。密閉ケース11の内底部は油溜り部12として利用される。図1中符号12Lは油溜り部12に溜められた潤滑油の液面を示している。
密閉ケース11が有する蓋ケース部材11aの中央部に、これを垂直に貫通して吐出管7aが連結されている。吐出管7aは、冷媒管7の一端部をなしていて、密閉ケース11の外部で凝縮器3に連通されている。圧縮機構部31で圧縮された冷媒ガスは、吐出管7aを通って吐出され凝縮器3に導かれる。
密閉ケース11の下部具体的には液面12Lより下方位置に、吸込み管7bが水平に貫通し連結されている。吸込み管7bは、冷媒管7の他端部をなしていて、密閉ケース11の外部でアキュームレータ6に連通されている。アキュームレータ6で液冷媒から分離された低圧の冷媒ガスは、吸込み管7bを通って圧縮機構部31に吸込まれる。
駆動部21は密閉ケース11の上部に収容されている。この駆動部21は、例えばステータ22とロータ23を備えた電動機部例えばブラシレスDC同期モータ等からなる。
ステータ22は密閉ケース11の上部内周面に焼きばめ等により固定されている。ステータ22は、環状であり、その中心線に向けて突出される複数の突極を有する。各突極には夫々巻線が巻き付けられている。
ロータ23は、上下方向に延びる回転軸24と、この回転軸24の上部に固定されたロータ要素25を有する。ロータ要素25はステータ22の内側に配置されている。これらロータ要素25とステータ22の各突極との間に磁気ギャップ26が形成されている。なお、駆動部21にはACモータや汎用モータなどを使用することも可能である。
回転軸24の中心線とロータ要素25の中心線は密閉ケース11の中心線上に位置されているとともに、この中心線上に吐出管7aが配管されている。回転軸24は、ロータ要素25より長い。回転軸24の下部はロータ要素25の下方に突出されている。
回転軸24の下部は、後述する偏心カム27と、この上側に連続する上側軸部28と、偏心カム27の下側に連続する下側軸部29を有している。これら上側軸部28と下側軸部29の直径は後述する偏心輪51の内径より小さい。なお、上側軸部28の上方に連続し、この上側軸部28より小径の上側回転軸部位を偏心カム27の上面に連続させて、上側軸部28を省略してもよい。同様に、下側軸部29の下方に連続し、この下側軸部29より小径の下側回転軸部位を偏心カム27の下面に連続させて、下側軸部29を省略してもよい。
圧縮機構部31は密閉ケース11の底部に収容されている。この圧縮機構部31は、シリンダ32と、第1の仕切り部材41と、第2の仕切り部材45と、偏心輪51と、ベーン61と、給油手段65等を備えている。
図3に示すようにシリンダ32は、平面視円形であり、シリンダ室33及びベーン室34を有する。
シリンダ室33はシリンダ32の中央部をシリンダ32の厚み方向に貫通した円形の孔で形成されている。したがって、シリンダ室33はシリンダ32の内周面32aで区画されている。
ベーン室34は、シリンダ32の厚み方向に貫通した縦孔34a及びガイド孔34bからなる。ガイド孔34bは、スロット状であり、シリンダ32の半径方向に延びている。図3においてガイド孔34bの一端はシリンダ室33に開放され、ガイド孔34bの他端は縦孔34aに開放されている。したがって、ガイド孔34bを経由してシリンダ室33と縦孔34aとは連通されている。
図1に示すようにシリンダ32は、その外周面を密閉ケース11の内周面に密接させて、駆動部21の下方で密閉ケース11に固定されている。このシリンダ32は、図3に示す吐出切欠35と、図1及び図3に示す吸込みポート36を有している。
吐出切欠35はベーン室34の片側近傍に設けられている。この吐出切欠35は、シリンダ32の上面に開放されている。シリンダ室33を基準とする吐出切欠35の奥行きは、シリンダ32の上面に近付く程深くなっている。
吸込みポート36は、ベーン室34を境に吐出切欠35と反対側に設けられている。吸込みポート36はシリンダ室33に連通している。この吸込みポート36に密閉ケース11を貫通した吸込み管7bが接続されている。これにより、冷媒ガスをアキュームレータ6から吸込みポート36を経由してシリンダ室33に吸込み可能となっている。
第1の仕切り部材41は第2の仕切り部材45の上方に配置される。図1に示すように第1の仕切り部材41は、シリンダ室33を上方から覆っている。即ち、第1の仕切り部材41は、上部軸受を兼ねており、取付け部42と軸受部43とで形成されている。取付け部42は、円板状であり、シリンダ室33を上方から覆ってシリンダ32の上面に固定されている。第1の仕切り部材41は、シリンダ室33に上方から対向するシール面42aを有する。軸受部43は、円筒形状であり、取付け部42の中央部から上向きに突設され、かつ、その上下両端は夫々開放されている。
第1の仕切り部材41には、シリンダ室32の吐出切欠35に対向する位置に図示しない吐出ポートが形成されているとともに、この吐出ポートを開閉する吐出弁機構が設けられている。吐出弁機構は、その受圧部に所定圧以上の圧力がかかった場合にのみ開かれて圧縮室33aの高圧ガスを排出させ、受圧部にかかる圧力が所定圧未満である場合、閉じた状態を維持するように構成されている。この吐出弁機構から排出された高圧ガスは密閉ケース11内に放出される。
前記油溜り部12に溜められた潤滑油の液面12Lは、第1の仕切り部材41の取付け部42に達している。このため、圧縮機構部31は、その第1の仕切り部材41の軸受部43を除く圧縮機構部31の大部分が、潤滑油に漬かった状態に配置されている。
第1の仕切り部材41の下方に配置される第2の仕切り部材45は、シリンダ室33を下方から覆っている。即ち、第2の仕切り部材45は、下部軸受を兼ねており、取付け部46と軸受部47とで形成されている。取付け部46は、円板状であり、シリンダ室33を下方から覆ってシリンダ32の下面に固定されている。第2の仕切り部材45は、シリンダ室33に下方から対向するシール面46aを有する。軸受部47は、短い円筒形状であり、取付け部45の中央部から下向きに突設され、かつ、その上下両端は夫々開放されている。
したがって、シリンダ室33はその上下から第1の仕切り部材41と第2の仕切り部材45とで閉じられている。これら第1の仕切り部材41と第2の仕切り部材45の中心線は密閉ケース11の中心線上に位置されている。
前記ロータ23は、その回転軸24の下部を軸受部43及び軸受部47に回転自在に嵌合させた状態で、第1の仕切り部材41と第2の仕切り部材45とで支持されている。このため、回転軸24の下部はシリンダ室33を上下方向に挿通している。
回転軸24はシリンダ室33内に配置される偏心カム27を有している。偏心カム27は例えば回転軸24に一体に形成されている。図3に示すように偏心カム27は平面視円形であり、その中心は回転軸24の中心からずれている。これら中心のずれ量に従って偏心カム27は偏心回転する。
偏心輪(これはローリングピストンとも称される。)51はシリンダ室33より小径である。この偏心輪51は、偏心カム27に後で詳しく説明するように嵌められて、シリンダ室33に配設されている。回転軸24の回転に伴って偏心輪51は、その外周の一部をシリンダ32の内周面32aに接触しながらシリンダ室33を偏心回転する。この場合、偏心輪51と内周面32aとは上下方向に直線状に接触する。
鉄系材料の一体品からなる偏心輪51は、図4〜図6に示すように第1の孔52〜第3の孔54、周壁55、第1の端壁56、第2の端壁57、中間壁58、及び少なくとも一つの溝例えば上下の溝59を有し、この構成により、軽量化されている。この偏心輪51の重量(質量)は、溝59が形成される以前の偏心輪素材の重量の半分以下であることが好ましい。なお、溝59が形成される以前のリング形をなした偏心輪素材の重量は、次式で算出できる。
π*(r0−r1)*B×pr
この式において、r0は偏心輪51の中心から外周までの半径、r1は偏心輪51の中心から内周までの半径、Bは偏心輪51の厚み(高さ)、prは偏心輪51を構成する鉄の密度(7.87×103[kg/m3])を示している。
第1の孔52〜第3の孔54は偏心輪51の中央部に形成された円形でかつ同径の孔である。これら第1の孔52〜第3の孔54に、図6に示すように回転軸24が挿通される。周壁55は、円筒形であって、第1の孔52〜第3の孔54の径より大径である。
第1の端壁56は、周壁55の軸方向一端(上端)から第1の孔52にわたっている。言い換えれば、第1の端壁56は、周壁55と一体でこの周壁55の上端から折れ曲がるように設けられて、第1の孔52を区画している。したがって、第1の端壁56の中央部に第1の孔52が形成されている。
第2の端壁57は、周壁55の軸方向他端(下端)から第2の孔53にわたっている。言い換えれば、第2の端壁57は、周壁55と一体でこの周壁55の下端から折れ曲がるように設けられて、第2の孔53を区画している。したがって、第2の端壁57の中央部に第2の孔53が形成されている。第1の端壁56と第2の端壁57の厚みは同じであることが好ましい。これらの端壁は、互に平行で、シール壁として機能する。
中間壁58は周壁55の厚み方向中間部から第3の孔54にわたっている。言い換えれば、中間壁58は、第1の端壁56と第2の端壁57間に周壁55と一体に設けられて、第3の孔54を区画している。したがって、中間壁58の中央部に第3の孔54が形成されている。この中間壁58の厚みDは、第1の端壁56及び第2の端壁57の厚みと同じでも差し支えない。しかし、偏心カム27との間の油膜形成面積をより多く確保するために、中間壁58の厚みDは、第1の端壁56及び第2の端壁57の厚みより厚くすることが好ましい。
上下の溝59のうちで上側の溝59は、第1の端壁56と周壁55の上部と中間壁58とで区画されている。下側の溝59は、第2の端壁57と周壁55の下部と中間壁58とで区画されている。これらの溝59は偏心輪51の中央部側に開放されている。言い換えれば、溝59は偏心輪51を挿通した回転軸24に対向して開放されている。
偏心輪51の製造方法の一例を以下説明する。まず、所定の直径と厚みを有した偏心輪素材を用意する。この素材は、所定の直径をなした円柱材料を、所定の厚みに切断すること等により容易に入手できる。次に、この素材の中央部にセンター孔を開ける加工をする。センター孔の径は、第1の孔52〜第3の孔54の径と同じである。最後に、センター孔になかぐり用の切削工具を配置し、この工具により、偏心輪51の中央部側から周壁55に向けて切削し、上下の溝加工をする。したがって、溝加工により抉り取られた切削加工跡で上下の溝59が形成される。この溝59の径は、溝加工に伴って形成された第1の孔52〜第3の孔54の径より大きく、かつ、周壁55の径(外径)より小さい。
前記構成の偏心輪51の厚みB(図5参照)は、図1に示すように相対向するシール面42aとシール面46aとの離間距離(これを以下シール面間距離Aと称する。)より薄い。シール面間距離Aはシリンダ32の厚みに等しい。偏心輪51は、その溝59を回転軸24に対向させて偏心カム27に回転可能に嵌められている。この偏心輪51は、第1の端壁56をシール面42aに接触させるとともに、第2の端壁57をシール面46aに接触させた形態で、シリンダ室33に収容されている。なお、回転軸24の上側軸部28の上面もシール面42aに接触されて、回転軸24の下側軸部29の下面はシール面46aに接触されている。
図6に示すように偏心カム27の厚みCは、中間壁58の厚みD(図5参照)より厚く、かつ、第1の端壁56と第2の端壁57の内面間距離E(図5参照)より薄い。この偏心カム27は、偏心輪51の第3の孔54に嵌っていて、第1の孔52及び第2の孔53には嵌っていない。このため、上側の溝59は閉じられておらず第1の孔52に連通され、同様に下側の溝59も閉じられておらず第2の孔53に連通されている。
図3に示すようにベーン61はベーン室34に移動自在に収容されている。平面視においてベーン61の長さは、ガイド孔34bの平面視における長さより長い。このベーン61は、縦孔34aに収容された圧縮ばね63によって、偏心輪51に向けて付勢されている。この付勢により、ベーン61の先端は偏心輪51の外周面に接触された状態に保持される。ベーン61の先端部は、平面視において半球状に形成されているので、偏心輪51の外周面に対し偏心輪51の厚み方向(回転軸の軸方向)に沿って直線状に接触する。ベーン61は、偏心輪51の偏心回転に伴いガイド孔34bで案内され、シリンダ32の半径方向に沿って往復移動される。それにより、ベーン61は、シリンダ室33に突没可能である。
偏心輪51に対するベーン61の接触により、シリンダ室33が、偏心輪51の偏心回転に伴って容積を可変される圧縮室33aと吸込み室33bとに区画される。圧縮室33aに吐出ポートが対向され、吸込み室33bに吸込みポート36が対向されている。
図1に示す給油手段65はロータ23の回転に伴って潤滑を要する箇所に潤滑油を供給するための構成である。ここで、潤滑を要する箇所とは、軸受部43とこれに嵌合して支持された回転軸24の上側回転軸部位との間、軸受部47とこれに嵌合して支持された回転軸24の下側回転軸部位との間、偏心カム27と偏心輪51との間、偏心輪51の第1の端壁56とシール面42aとの間、及び偏心輪51の第2の端壁57とシール面46aとの間等である。
給油手段65は、例えば、主給油路66と、この主給油路66から分岐された複数例えば二つの分岐給油路67,68と、インペラ69(図2参照)とを有している。
主給油路66は回転軸24の中心部に上下方向に延びて形成されている。主給油路66の上端は閉じている。主給油路66の下端は、主給油路66の入口をなして油溜り部12に開放されている。分岐給油路67は、回転軸24の上側回転軸部位と軸受部43との間と、主給油路66とを連通して、回転軸24に設けられている。分岐給油路68は、上側軸部28の周面との間と偏心輪51の内周面と主給油路66とを連通して、回転軸24に設けられている。
上側軸部28の周面に開放された分岐給油路68は、偏心輪51の内周面と、上側軸部28の周面と、シール面42aと、偏心カム27の上面とで区画される上部油溜りFに連通している。この上部油溜りFは、偏心カム27と偏心輪51との間、偏心輪51の第1の端壁56とシール面42aとの間、及び上側軸部28とシール面42aとの間に夫々連通している。
偏心輪51の内周面と、下側軸部29の周面と、シール面46aと、偏心カム27の下面とは、下部油溜りGを区画している。この下部油溜りGは、偏心カム27と偏心輪51との間、偏心輪51の第2の端壁57とシール面46aとの間、及び下側軸部29とシール面46aとの間に夫々連通している。更に、下部油溜りGは、下側軸部29とシール面46aとの間を経由して回転軸24の下側回転軸部位と軸受部47との間にも連通している。
インペラ69は、潤滑油に漬かった主給油路66の下端部に収容されている。このインペラ69は、主給油路66に対しその開放された下端から油溜り部12内の潤滑油を上向きに送り込むポンプ作用をするように捻られている。
前記構成のコンプレッサ2において、回転軸24、シリンダ32、第1の仕切り部材41、第2の仕切り部材45、及び偏心輪51等は、いずれも熱膨張率が略同じ金属製であることが好ましい。例えば、回転軸24、シリンダ32、第1の仕切り部材41、第2の仕切り部材45を、鋳鉄以外の鉄系金属製とし、偏心輪51を鋳鉄製とすることができる。それによって、温度変化に起因する熱膨張差に基づく油膜厚さの変動による金属同士の固体接触が防止される。
次に、第1実施形態の作用を説明する。
コンプレッサ2は通電されることにより運転される。つまり、通電により駆動部21のステータ22に回転磁界が発生し、この磁界によってロータ23が回転される。それにより、ロータ23の回転軸24が圧縮機構部31に駆動トルクを与えるので、回転軸24の偏心カム27と偏心輪51とがシリンダ室33において偏心回転する。
既述のようにシリンダ室33は、偏心カム27の外周面に接したベーン61によって圧縮室33aと吸込み室33bとに区画される。このため、偏心輪51がシリンダ32の内周面32aに接しながら偏心回転すると、この回転に従動するベーン61の往復移動に伴い、吸込み室33bの容積が徐々に拡大する一方で、圧縮室33aの容積が徐々に縮小する。
圧縮室33aに閉じ込められているガス冷媒は、圧縮室33aの容積縮小に伴い圧縮される。この圧縮は吐出弁機構(図示しない)が閉じた状態にあることにより実現される。圧縮室33aの容積が所定の容積に縮小したとき、ガス冷媒は所定の高圧状態となるとともに高温となる。
圧縮されて所定の高温高圧となった冷媒ガスは、吐出ポートを経由し吐出弁機構(図示しない)を開いて、密閉ケース11内に排出され、この密閉ケース11に充満される。密閉ケース11内の高温高圧の冷媒ガスは、密閉ケース11に接続された冷媒管7の吐出管7aに吐出される。
こうしてコンプレッサ2から吐出されたガス冷媒は、冷媒管7により凝縮器3に導かれ、この凝縮器3でおいて外気若しくは水等と熱交換され、それに伴い凝縮液化し液冷媒となる。この液冷媒は、冷媒管7により凝縮器3から膨張弁4に導かれて、この膨張弁4で断熱膨張される。次に、液冷媒は、冷媒管7により膨張弁4から蒸発器5に導かれ、この蒸発器5の周辺の空気と熱交換して蒸発する。
冷媒の蒸発に伴い、熱交換される周辺空気から熱が奪われ、蒸発器5の周辺空気は冷気となる。蒸発器5で蒸発した冷媒は、冷媒管7によりアキュームレータ6に導かれて気液分離される。分離された低圧のガス冷媒は、偏心輪51の偏心回転とこの回転に従動するベーン61の往復移動に伴い、シリンダ室33の吸込み室33bの容積が徐々に拡大するときに、冷媒管7の吸込み管7bを通って、吸込みポート36から吸込み室33bに吸込まれる。
吸込み室33bに吸込まれた冷媒ガスは、偏心輪51の偏心回転とこの回転に従動するベーン61の往復移動に伴い、再び既述のように圧縮され高温高圧のガスに変わって、以上説明した冷凍サイクル作用を繰り返す。
コンプレッサ2の偏心輪51とこの外周面に接したベーン61との焼き付きのパラメータは、PV値であることが知られている。ここで、Pは接触面圧であり、Vは相対速度(相対すべり速度とも称される。)である。
既述のように偏心輪51は溝59を有し、この溝59がない偏心輪の重量と比較して半分以下に軽量化されている。これにより、偏心輪51の慣性力が減少される。それに伴い、偏心軸51とベーン61の先端との相対速度Vが減少されるので、PV値を下げることができる。
例えば、60Hzで定格運転されるコンプレッサにおいて、偏心輪51の重量が、溝59がない偏心輪の重量の半分である場合、偏心輪51とベーン61の先端との相対速度Vは略0となり、PV値を大幅に減少できる。相対速度Vが略0である状態は、所謂連れ回りの状態である。これにより、コンプレッサ2の能力の増大に伴い接触面圧Pが上昇された条件下においても、PV値の上昇が抑制される。したがって、偏心輪51とベーン61との焼き付き防止の信頼性を確保することが可能である。
コンプレッサ2の運転中、給油手段65による給油が行なわれる。即ち、回転軸24とともに回転されるインペラ69により、密閉ケース11の内底部に溜まっている潤滑油が主給油路66に吸上げられる。主給油路66内の潤滑油は、遠心力によって各分岐給油路67,68を流通する。
このため、上側の分岐給油路67を通った潤滑油によって、回転軸24の上側回転軸部位と第1の仕切り部材41の軸受部43との間に油膜が形成される。この油膜により、回転軸24と軸受部43との間が潤滑される。
回転軸24と軸受部43との間に供給された潤滑油は、この下方に連通した前記上部油溜りFに流出する。これとともに、上部油溜りFに下側の分岐給油路68を通った潤滑油が流出される。上部油溜りF内の潤滑油は、偏心カム27と偏心輪51との間、偏心輪51の第1の端壁56と第1の仕切り部材41のシール面42aとの間、及び上側軸部28とシール面42aとの間に流出し、その流出箇所に夫々油膜を形成して潤滑をする。
更に、偏心カム27と偏心輪51との間に供給された潤滑油は、この下方に連通した前記下部油溜りGに流出する。この下部油溜りG内の潤滑油は、偏心輪51の第2の端壁57と第2の仕切り部材45のシール面46aとの間、及び回転軸24と軸受部47との間に流出し、その流出箇所に夫々油膜を形成して潤滑をする。
このように給油手段65の給油作用によって潤滑を必要とする箇所に油膜が形成される。このため、潤滑対象箇所での金属同士の摩擦及び摩耗の進行による焼付けを防止することができる。
偏心輪51の第1の端壁56と第1の仕切り部材41のシール面42aとの間は、そこに形成された油膜によりシールされる。同様に、偏心輪51の第2の端壁57と第2の仕切り部材45のシール面46aとの間も、そこに形成された油膜によりシールされる。これらのシールによって、高圧となる圧縮室33aと低圧の吸込み室33bとの連通が絶たれる。
既述のように偏心輪51を挿通した回転軸24側に限って開放される溝59を、偏心輪51に設けることで、偏心輪51は軽量化されている。このため、偏心輪51を軽量化するための溝59を原因として、第1の端壁56及び第2の端壁57の面積が減ることがない。言い換えれば、前記油膜によるシール面積が減ることがない。したがって、圧縮室33aと吸込み室33bと間をシールする信頼性が向上されるに伴い、コンプレッサ2の運転効率が低下することを抑制可能である。
即ち、以上説明したようにシリンダ室33を覆う第1の仕切り部材41及び第2の仕切り部材45と偏心輪51との間のシールの信頼性を確保しつつ偏心輪51を軽量化できる。偏心輪51の軽量化に従い、コンプレッサ2の運転効率を向上できるとともに、偏心輪51の慣性力が低下されるに伴い、偏心輪51とベーン61との相対速度が減少されて、ベーン先端部の過剰摩耗や焼き付きも防止できる。
更に、偏心輪51は、複数の部品を組み合わせて形成されるのではなく、単一の一体品であるので、偏心輪51を組立てる手間を要しない。しかも、軽量化のための溝59は、周壁55に沿って円環状に形成され、数多く要することがなく、既述の製造方法のように切削により容易に設けることができる。したがって、偏心輪51の製造性を向上することが可能である。
しかも、第1実施形態では、回転軸24の偏心輪51内に位置された軸部位に向けて上下の溝59が開放されている。これにより、上部油溜りFに連続された上側の溝59と、同様に下部油溜りGに連続された下側の溝59を、夫々油溜り部として利用できる。そのため、上側の溝59内に溜まった潤滑油により、中間壁58と偏心カム27との間に給油する信頼性を高めることが可能である。これとともに、下側の溝59に溜まった潤滑油により、第2の端壁57とシール面46aとの間に給油する信頼性を高めることが可能である。
図7〜図10は第2の実施の形態を示している。第2実施形態は以下説明する構成が第1実施形態とは相違しており、それ以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第1実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。なお、以下の説明においては、第1実施形態の説明で用いた図3等も必要により参照する。
この第2実施形態は、図9及び図10に示すように円筒形のスリーブ71を更に備えている。スリーブ71は、偏心輪51の内側に固定されることなく配置され、中間壁58に形成された第3の孔54に嵌合している。このスリーブ71の内周面に偏心カム27の周面が接している。したがって、スリーブ71は、中間壁58と偏心カム27との間にこれらで挟まれるように介在されている。
図8に示すようにスリーブ71の長さは、中間壁58の厚みDより長く、例えば偏心カム27の厚みCと略同じである。更に、スリーブ71の長さは、第1の端壁56と第2の端壁57との内面間距離Eより短い。スリーブ71は鋳鉄以外の金属製であることが好ましい。
こうしたスリーブ71を備えることで以下の利点がある。
第1に、偏心輪51の材料とスリーブ71の材料とを最適化できる。つまり、スリーブ71を偏心輪51より耐摩耗性に優れた材料製とし、偏心輪51を相対的に耐摩耗性が低い材料性とすることができる。これにより、コンプレッサ2の運転時に高速で回転される回転軸24にスリーブ71が擦れ合うので、偏心輪51と回転軸24の偏心カム27とが直接擦れ合ってこれらの少なくとも一方が早期に摩耗することを防止可能である。
第2に、スリーブ71の長さが偏心輪51の中間壁58の厚みDより長いことに伴い、偏心カム27に対する潤滑面積が第1実施形態の構成より増える。この潤滑面積に応じて偏心カム27とスリーブ71との間に形成される油膜により、偏心カム27とスリーブ71との間の摩擦の増大が抑制される。このため、コンプレッサ2の運転効率を向上できる。
なお、偏心カム27とスリーブ71との間への潤滑油の供給は、前記上部油溜りFを経由してなされる。これとともに、偏心輪51の中間壁58とスリーブ71との間への潤滑油の供給は、上部油溜りF及び潤滑油が溜められた上側の溝59を経由してなされる。
第3に、スリーブ71は偏心輪51に固定されていない。このため、スリーブ71が摩耗した場合、スリーブ71を交換してメンテナンスをすることが可能である。
第4に、偏心輪51に固定されていないスリーブ71の長さは、中間壁58の厚みDより長く、偏心輪51の内面間距離Eより短い。このため、図3に示した圧縮室33aと吸込み室33bとの間のシール性の低下を抑制できる。
即ち、回転軸24は鉛直線に対し傾いて支持されることがある。偏心カム27が中間壁58の第3の孔54に接するように嵌合された構成で、回転軸24が鉛直線に対し傾くと、この回転軸24の傾きに倣って偏心輪51も傾いてしまう。このようになると、回転軸24の傾きに応じてシール面42a(図1参照)と第1の端壁56との間の最大隙間、及びシール面46aと第2の端壁57との間の最大隙間が広がる。そのため、シール面42aと第1の端壁56との間に形成された油膜によるシール性能が低下することがあるとともに、シール面46a(図1参照)と第2の端壁57との間に形成された油膜によるシール性能が低下されることがある。
これに対して、第2実施形態の構成では、既述のスリーブ71が偏心カム27と中間壁58との間に介在されている。このため、図9に示すように回転軸24が鉛直線に対し傾いて支持された場合、偏心カム27とスリーブ71との間の油膜形成用の隙間、及びスリーブ71と中間壁58との間の油膜形成用の隙間によって、偏心カム27の傾きが偏心輪51に波及することを吸収できる。
これにより、回転軸24の傾きと同様に偏心輪51が傾くことが抑制される。これに伴い、シール面42aと第1の端壁56との間のシール性能が維持されるとともに、シール面46aと第2の端壁57との間のシール性能が維持される。したがって、図3に示した圧縮室33aと吸込み室33bとの間のシールの低下を抑制できる。
第2実施形態のコンプレッサ2について、以上説明した以外の図示されない構成及び作用効果は第1実施形態と同じである。したがって、この第2実施形態においても、シリンダ室33を覆う仕切り部材と偏心輪51との間のシールの信頼性を確保しつつ偏心輪51を軽量化でき、偏心輪51の製造性も向上可能なロータリコンプレッサ2を提供することができる。
図11〜図13は第3の実施の形態を示している。第3実施形態は以下説明する構成が第2実施形態とは相違しており、それ以外の構成は第2実施形態と同じである。このため、第2実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、第2実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。なお、以下の説明においては、第1実施形態の説明で用いた図も必要により参照する。
この第3実施形態で、偏心輪51の内側に配設したスリーブ71の長さは、偏心カム27の厚みCより長く、偏心輪51の厚みB以下である。好ましい例として、図13に示すように偏心輪51の厚みBと同じ長さのスリーブ71が使用されている。
この場合、スリーブ71の上端面は、第1の端壁56の外面と面一に連続し、この外面とともにシール面42a(図1参照)に摺動される。このため、スリーブ71とシール面42aとの間にも油膜が形成される。同様に、スリーブ71の下端面は、第2の端壁57の外面と面一に連続し、この外面とともにシール面46a(図1参照)に摺動される。このため、スリーブ71とシール面46aとの間にも油膜が形成される。こうして油膜が形成される領域が増加されることで、図3に示した圧縮室33aと吸込み室33bと間のシールの信頼性をより向上することができる。
更に、既述の長さのスリーブ71の採用によって、偏心輪51が有する上下の溝59は閉じられている。このため、第3実施形態において上下の溝59は油溜りとして使用されない。この第3実施形態で、スリーブ71は、偏心輪51に固定されていても、或いは固定されることなく偏心輪51に対して回転可能に嵌合されていても差し支えない。
既述のようにスリーブ71が偏心カム27の厚みCより長いので、偏心カム27に対する潤滑面積が、偏心カム27の厚みCに応じて確保され、第1実施形態の構成より増やすころができる。この潤滑面積に応じて偏心カム27とスリーブ71との間に形成される油膜により、偏心カム27とスリーブ71との間の摩擦の増大が抑制される。このため、コンプレッサ2の運転効率を向上できる。
第3実施形態のコンプレッサ2について、以上説明した以外の図示されない構成及び作用効果は第2実施形態と同じである。したがって、この第3実施形態においても、シリンダ室33(図3参照)を覆う仕切り部材と偏心輪51との間のシールの信頼性を確保しつつ偏心輪51を軽量化でき、偏心輪51の製造性も向上可能なロータリコンプレッサ2を提供することができる。
図14〜図16は第4の実施の形態を示している。第4実施形態は以下説明する構成が第3実施形態とは相違しており、それ以外の構成は第3実施形態と同じである。このため、第3実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、第3実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。なお、以下の説明においては、第1実施形態の説明で用いた図も必要により参照する。
この第4実施形態で、偏心輪51は既述した第1〜第3の実施形態で説明した中間壁に相当する構成は省略されており、それに伴い偏心輪51の溝59は単一である。そのため、第4実施形態で、溝59は、周壁55全体と、第1の端壁56と、第2の端壁57によって区画されている。これとともに、溝59は、第1の端壁56と第2の端壁57とにわたって配設されたスリーブ71で閉じられている。スリーブ71は、偏心輪51に固定されていても、或いは固定されることなく偏心輪51に対して回転可能に嵌合されていても差し支えない。
このように偏心輪51の溝59を単一としたことにより、例えば第3実施形態の偏心輪の各部の壁の厚みを同じとした条件では、第4実施形態の方が溝59の容積を大きくできる。換言すれば、溝59の容積の増加に応じて偏心輪51の重量を軽くできる。これに伴い、PV値の相対速度Vがより減少され、PV値をより下げることができる。
第4実施形態のコンプレッサ2について、以上説明した以外の図示されない構成及び作用効果は第3実施形態と同じである。したがって、この第4実施形態においても、シリンダ室33(図3参照)を覆う仕切り部材と偏心輪51との間のシールの信頼性を確保しつつ偏心輪51を軽量化でき、偏心輪51の製造性も向上可能なロータリコンプレッサ2を提供することができる。
以上のように本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であるとともに、発明の要旨を逸脱しない限り、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形などは、発明の範囲に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…冷凍サイクル装置、コンプレッサ(ロータリコンプレッサ)、3…凝縮器、4…膨張弁(膨張装置)、5…蒸発器、7…冷媒管、11…密閉ケース(ケーシング)、21…駆動部、24…回転軸、27…偏心カム、31…圧縮機構部、32…シリンダ、33…シリンダ室、33a…圧縮室、33b…吸込み室、34…ベーン室、41…第1の仕切り部材、42a…シール面、45…第2の仕切り部材、46a…シール面、51…偏心輪、52…第1の孔、53…第2の孔、54…第3の孔、55…周壁、56…第1の壁部、57…第2の壁部、58…中間壁、59…溝、61…ベーン、65…給油手段、71…スリーブ、A…シール面間距離、B…偏心輪の厚み、C…偏心カムの厚み、D…中間壁の厚み、E…内面間距離

Claims (6)

  1. ケーシング内に駆動部とこの駆動部の回転軸により駆動される圧縮機構部を備えるロータリコンプレッサにおいて、
    前記圧縮機構部が、
    前記回転軸が挿通されたシリンダ室を有するシリンダと、
    前記回転軸が挿通される孔、この孔の径より大径である周壁、この周壁の軸方向両端から前記孔部に夫々わたる第1、第2の端壁、及び前記孔の径より大径でかつ前記周壁で囲まれた溝を有し、前記回転軸が有する円形の偏心カムに回転可能に嵌められて前記シリンダ室で偏心回転する偏心輪と、
    前記第1、第2の端壁が摺動するシール面を有し前記シリンダ室を覆った仕切り部材と、
    前記第1、第2の端壁と前記シール面との間に油膜を形成する潤滑油を供給する給油手段と、
    を備えることを特徴とするロータリコンプレッサ。
  2. 前記孔に嵌合されるとともに前記偏心カムの周面が接するスリーブを、更に備えることを特徴とする請求項1に記載のロータリコンプレッサ。
  3. 前記スリーブの長さが、前記偏心カムの厚みより長いことを特徴とする請求項2に記載のロータリコンプレッサ。
  4. 前記偏心輪が、前記第1、第2の端壁間にこれら端壁のうちの一方及び前記周壁ともに前記溝を区画する中間壁を更に有し、この中間壁に形成された前記孔に前記偏心カムが嵌められ、前記偏心カムの厚みが、前記中間壁の厚みより厚いとともに前記第1、第2の端壁の内面間距離より薄いことを特徴とする請求項1に記載のロータリコンプレッサ。
  5. 前記中間壁に形成された前記孔に回転可能に嵌合されるとともに前記偏心カムの周面が接するスリーブを更に備え、このスリーブの長さが、前記中間壁の厚みより長く前記内面間距離より短いことを特徴とする請求項4に記載のロータリコンプレッサ。
  6. 前記請求項1から5のうちのいずれか一項に記載のロータリコンプレッサと、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器とを備え、これらを冷媒管により連通して冷凍サイクルを構成してなることを特徴とする冷凍サイクル装置。
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