JP2007170200A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】蒸発燃料経路の漏れ判定を行う際に、外気温度が変化した場合であっても、燃料ベーパが大気放出されてしまうことを確実に抑止する。
【解決手段】燃料タンク10と、燃料タンク10と接続され、燃料タンク10内で発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタ12と、キャニスタ12と接続され、キャニスタ12を介して燃料タンク10を含む閉路空間に負圧を導入する負圧ポンプ38と、閉路空間に負圧を導入する前に、負圧ポンプ38を反転させることでキャニスタ12を介して閉路空間に正圧を導入する正圧導入手段と、外気温度を取得する温度センサ52と、外気温度が高い場合ほど閉路空間に正圧を導入する時間を長くする正圧導入時間制御手段と、を備える。
【選択図】図7
【解決手段】燃料タンク10と、燃料タンク10と接続され、燃料タンク10内で発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタ12と、キャニスタ12と接続され、キャニスタ12を介して燃料タンク10を含む閉路空間に負圧を導入する負圧ポンプ38と、閉路空間に負圧を導入する前に、負圧ポンプ38を反転させることでキャニスタ12を介して閉路空間に正圧を導入する正圧導入手段と、外気温度を取得する温度センサ52と、外気温度が高い場合ほど閉路空間に正圧を導入する時間を長くする正圧導入時間制御手段と、を備える。
【選択図】図7
Description
本発明は、蒸発燃料処理装置に関し、特に、燃料タンク内で生じた蒸発燃料を処理する装置に適用して好適である。
従来、燃料タンク内で発生する蒸発燃料(燃料ベーパ)をキャニスタに吸着することで、その燃料ベーパが大気に放出されるのを防止する蒸発燃料処理装置が知られている。
このような蒸発燃料処理装置において、閉路空間における漏れを判定するため、蒸発燃料経路に圧力を付与する方法が知られている。例えば、特開2003−42014号公報には、燃料タンクを含む蒸発燃料経路にポンプを用いて負圧を導入し、そのときの圧力情報に基づいて閉路空間の漏れを判定する方法が記載されている。
しかしながら、上記従来の技術において、漏れ判定を行う際にポンプで負圧を導入すると、閉路空間からポンプへ向かう流れが生じる。このため、閉路空間内のポンプの近傍に燃料ベーパが浮遊していると、燃料ベーパがポンプから大気中に放出されるという問題が生じる。また、燃料ベーパの発生量は外気温度に応じて変動するため、外気温度の変動に伴って大気中に放出される燃料ベーパ量が変化するという問題が生じる。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、蒸発燃料経路の漏れ判定を行う際に、外気温度が変化した場合であっても、燃料ベーパが大気放出されてしまうことを確実に抑止することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、燃料タンクと、前記燃料タンクと接続され、前記燃料タンク内で発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、前記キャニスタと接続され、前記キャニスタを介して前記燃料タンクを含む閉路空間に負圧を導入するポンプと、前記閉路空間に負圧を導入する前に、前記ポンプを反転させることで前記キャニスタを介して前記閉路空間に正圧を導入する正圧導入手段と、外気温度を取得する外気温度取得手段と、外気温度が高い場合ほど前記閉路空間に正圧を導入する時間を長くする正圧導入時間制御手段と、を備えたことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記ポンプにより前記閉路空間に負圧を導入した状態で、前記閉路空間での圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段で検出された圧力に基づいて、前記燃料タンクを含む閉路空間における漏れの状態を判定する判定手段と、を更に備えたことを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、外気温度が高い場合ほど前記閉路空間に負圧を導入する時間を短くする負圧導入時間制御手段と、を備えたことを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、前記負圧導入時間制御手段は、外気温度が高い場合ほど前記閉路空間に負圧を導入する時間の上限値を短時間に設定することを特徴とする。
第1の発明によれば、蒸発燃料の浮遊量は外気温度が高い場合ほど多くなるため、外気温度が高い場合ほど閉路空間に正圧を導入する時間を長くすることで、ポンプの近傍に浮遊している蒸発燃料を確実にキャニスタに吸着させることが可能となる。従って、閉路空間に負圧を導入した際に、蒸発燃料が大気放出されてしまうことを確実に抑止できる。また、蒸発燃料の浮遊量が少ない低温時には、閉路空間に正圧を導入する時間を最小限に抑えることができるため、システムの効率を向上することができる。
第2の発明によれば、圧力検出手段で検出された圧力に基づいて、燃料タンクを含む閉路空間における漏れの状態を判定することが可能となる。
第3の発明によれば、外気温度が高い場合ほど閉路空間に負圧を導入する時間を短くするため、キャニスタにおける蒸発燃料の吸着量に応じた最適な時間で閉路空間に負圧を導入することができる。従って、外気温度が高く、キャニスタにおける蒸発燃料の吸着量が多い場合であっても、負圧導入時に蒸発燃料が大気中に放出されてしまうことを確実に抑止することができる。
第4の発明によれば、外気温度が高い場合ほど閉路空間に負圧を導入する時間の上限値を短時間に設定するため、閉路空間に負圧を導入する時間を短くすることが可能となる。
以下、図面に基づいてこの発明のいくつかの実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の各実施形態に係る蒸発燃料処理装置の概要を説明するための図である。図1に示す装置は、燃料タンク10、キャニスタ12、ポンプモジュール14、エアフィルタ16を有して構成されている。
図1は、本発明の各実施形態に係る蒸発燃料処理装置の概要を説明するための図である。図1に示す装置は、燃料タンク10、キャニスタ12、ポンプモジュール14、エアフィルタ16を有して構成されている。
燃料タンク10には、ベーパ通路18を介してキャニスタ12が連通している。キャニスタ12には、ポンプ通路20を介してポンプモジュール14が連通している。キャニスタ12の内部には、燃料タンク10から流入してくる燃料ベーパを吸着するための活性炭22が充填されている。また、キャニスタ12には、ベーパ通路18と接続されるベーパポート24、ポンプ通路20と接続されるポンプ側ポート26、および後述するパージ通路30に連通するパージポート32が設けられている。図1に示すように、ベーパポート24、ポンプ側ポート26、パージポート32は、活性炭22に対して同じ側に設けられている。また、キャニスタ12の内部には、活性炭22内でのガス、燃料ベーパの流れを規制する障壁34,35が設けられている。
パージ通路30は、内燃機関の吸気通路(不図示)に連通する通路である。パージ通路30の途中には、その導通状態を制御するためのパージVSV36が設けられている。内燃機関の運転中は、内燃機関の吸気負圧がパージ通路30の内部に導かれる。また、後述するように、内燃機関の運転中は、ポンプ側ポート26が大気(エアフィルタ16側)へ開放されるようにポンプモジュール14の状態が設定される。この状態でパージVSV36が開かれると、その吸気負圧がキャニスタ12のパージポート32にまで到達し、その結果、ポンプ側ポート26からパージポート32へ向かう空気の流れが生ずる。このような空気の流れが生ずると、活性炭22に吸着されている燃料に脱離が生ずる。従って、内燃機関の運転中にパージVSV36を適当に開くことにより、キャニスタ12に吸着されている燃料を適当に内燃機関にパージさせることができる。
図2は、ポンプモジュール14の構成を示す模式図である。ポンプモジュール14は、負圧ポンプ38、圧力センサ40、切換弁(VSV)42、切換アクチュエータ44、基準オリフィス46、逆止弁48、正圧導入弁49を有して構成されている。切換弁42は、通路42a、通路42bを有している。また、基準オリフィス46は、漏れ判定に使用するリファレンス圧PREFを測定するために設けられた基準孔(例えばφ0.5mm)である。また、逆止弁48は、負圧ポンプ38から圧力センサ40側に向かうガスの流れを遮断する機能を有している。
切換弁42は、切換アクチュエータ44への通電によって駆動され、図2(A)、および図2(B)に示すいずれかの状態に設定される。ここで、図2(A)に示す状態(VSV-ON)では、通路42aによって負圧ポンプ38とキャニスタ12のポンプ側ポート26が接続される。また、図2(B)に示す状態では、通路42bによってエアフィルタ16から基準オリフィス46を経て負圧ポンプ38に至る経路が接続される。
図1に示すように、本実施形態の蒸発燃料処理装置は、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50には、ポンプモジュール14内の負圧ポンプ38、圧力センサ40、切換アクチュエータ44、正圧導入弁49、および外気温度を検出する温度センサ52などが接続されている。
以上のように構成された本実施形態の蒸発燃料処理装置において、蒸発燃料経路の漏れ判定を行う方法を以下に説明する。本実施形態では、ポンプモジュール14によって燃料タンク10、キャニスタ12を含む蒸発燃料経路に負圧を付与し、圧力センサ40で検出された圧力に基づいて漏れ判定を行う。
漏れ判定を行う際には、最初にリファレンス圧PREFを測定する。リファレンス圧PREFを測定する際は、切換弁42が図2(B)に示す位置に設定される(VSV-OFF)。また、正圧導入弁49は閉じられる。図2(B)に示す状態で負圧ポンプ38を駆動すると、逆止弁48側の空気が負圧ポンプ38によって吸引され、図2(B)中に矢印で示す方向へ向かう空気の流れが生じる。これにより、圧力センサ40が設けられた基準オリフィス46の上流側が負圧となり、この状態で圧力センサ40によって圧力を測定することで、φ0.5mmの基準オリフィス46に対応したリファレンス圧PREFを検出することができる。
次に、燃料タンク10、キャニスタ12を含む蒸発燃料経路に負圧を導入するため、パージVSV36を閉じ、切換弁42が図2(A)に示す位置に設定される(VSV-ON)。正圧導入弁49は閉じた状態が維持される。この状態で負圧ポンプ38を駆動すると、キャニスタ12内の空気が負圧ポンプ38によって吸引され、図2(A)中に矢印で示す方向へ向かう空気の流れが生じる。これにより、燃料タンク10、キャニスタ12を含む蒸発燃料経路に負圧が導入される。そして、このときの圧力P実測値を圧力センサ40で測定する。
図3は、燃料タンク10、キャニスタ12を含む蒸発燃料経路に負圧を導入した際に、圧力センサ40で検出される圧力P実測値の推移と、リファレンス圧PREFとの関係を示す模式図である。図3に示すように、負圧ポンプ38を作動させて、燃料タンク10内、キャニスタ12を含む蒸発燃料経路に負圧を付与すると、圧力P実測値は低下していき、一定時間を経過した後、定常状態に落ち着く。圧力P実測値は、定常状態に落ち着いた後、リファレンス圧PREFと比較される。なお、図3において、PREF、P実測値はいずれも負の値である。
図3中に実線で示すように、圧力P実測値がリファレンス圧PREFより高い場合は、負圧を付与しているのにも関わらず、蒸発燃料経路の圧力がφ0.5mm相当の漏れ孔が生じている場合の圧力よりも高い状態にあると判断できる。従って、この場合は、蒸発燃料経路にφ0.5より大きな漏れ孔が形成されていると判断できる。
一方、図3中に破線で示すように、圧力P実測値がリファレンス圧PREFよりも低い場合は、蒸発燃料経路の圧力がφ0.5mm相当の漏れ孔が生じている場合の圧力よりも低い状態にあると判断できる。従って、この場合は、蒸発燃料経路の漏れ孔がφ0.5より小さいと判断できる。
このように、本実施形態の蒸発燃料処理装置によれば、圧力P実測値とリファレンス圧PREFとを比較した結果に基づいて、蒸発燃料経路に漏れ孔が生じているか否かを判定することができる。
蒸発燃料経路に負圧を導入すると、燃料タンク10を含む蒸発燃料経路内のガスがエアフィルタ16から大気に放出される。このとき、蒸発燃料経路内に燃料ベーパが浮遊していると、燃料ベーパが大気中に放出される場合がある。特に、ポンプモジュール14、ポンプ通路20に燃料ベーパが浮遊している場合、負圧を導入すると燃料ベーパが大気中に放出され易くなる。また、キャニスタ12における燃料ベーパの吸着状態が飽和している場合は、負圧の導入によって吸着された燃料ベーパの一部が乖離し、やはり燃料ベーパが大気中に放出され易くなる。
このため、本実施形態では、蒸発燃料経路に負圧を導入する前に、負圧ポンプ38を反転させ、エアフィルタ16側からキャニスタ12側に向けて空気を送り込むようにしている。これにより、ポンプモジュール14、またはポンプ通路20の近傍に浮遊している燃料ベーパをキャニスタ12へ送ることができ、浮遊していた燃料ベーパをキャニスタ12の活性炭22に付着させることができる。従って、漏れ検出の際に蒸発燃料経路に負圧を導入した際に、浮遊していた燃料ベーパが大気中に放出されてしまうことを抑止できる。
図4は、負圧ポンプ38を反転動作させて、蒸発燃料経路に空気を送り込む際のポンプモジュール14の状態を示す模式図である。蒸発燃料経路に空気を送り込む際には、切換弁42を図4に示す位置に設定し(VSV-ON)、また、正圧導入弁49を開く。そして、この状態で負圧ポンプ38を反転させる。これにより、エアフィルタ16側の空気が負圧ポンプ38によって吸引され、図4中に矢印で示す方向へ向かう空気の流れが生じる。これにより、燃料タンク10、キャニスタ12を含む蒸発燃料経路に正圧が導入され、蒸発燃料経路に空気が送り込まれる。
図5は、キャニスタ12の周辺における燃料ベーパの浮遊状態、吸着状態を示す模式図である。ここで、図5(A)は、蒸発燃料経路に負圧を導入する以前の状態を示している。図5(A)に示すように、燃料タンク10内で発生した燃料ベーパは、キャニスタ12の活性炭22に吸着されている。そして、燃料ベーパの一部は、キャニスタ12からポンプモジュール14側に流れ、ポンプモジュール14内、またはポンプ通路20の近傍に浮遊している。
図5(B)は、図5(A)に示す状態から、負圧ポンプ38を反転させた状態を示している。図5(B)に示すように、負圧ポンプ38を反転動作させると、ポンプモジュール14側からキャニスタ12に向かう空気の流れが生じ、ポンプモジュール14、またはポンプ通路20の近傍に浮遊していた燃料ベーパがキャニスタ12の活性炭22に吸着される。
図5(B)の状態では、ポンプモジュール14、またはポンプ通路20の近傍に燃料ベーパは殆ど浮遊していないため、負圧ポンプ38を正転動作させてキャニスタ12を含む蒸発燃料経路に負圧を導入した場合であっても、エアフィルタ16から大気中へ燃料ベーパが放出されてしまうことを抑えることができる。
図5(C)は、図5(A)に示す状態から、負圧ポンプ38を反転動作させることなく、蒸発燃料経路に負圧を導入した場合を示している。このように、負圧ポンプ38を反転動作させない場合は、ポンプモジュール14、またはポンプ通路20の近傍に浮遊していた燃料ベーパがエアフィルタ16を通過して大気中に放出されてしまう。
従って、本実施形態によれば、漏れ検出を行う前に負圧ポンプ38を反転動作させてポンプモジュール14に浮遊していた燃料ベーパをキャニスタ12へ送ることで、漏れ検出の際に燃料ベーパが大気中に放出されることを確実に抑止することができる。
ところで、図1に示すシステム内に浮遊する燃料ベーパの量は、外気温度に応じて変動する。図6は、外気温度に応じてシステム内の燃料ベーパの量が変化する様子を示す模式図である。ここで、図6(A)は外気温度が比較的低い状態を示しており、図6(B)は、図6(A)の場合に比べて外気温度が高い状態を示している。
図6(A)に示すように、外気温度が低い状態では、燃料タンク10内の燃料ベーパの発生量が少なくなり、これに伴ってキャニスタ12における燃料ベーパの吸着量が少なくなる。一方、図6(B)に示すように、外気温度が高くなると、燃料タンク10内の燃料ベーパの発生量が多くなり、キャニスタ12内の燃料ベーパの吸着量が多くなる。キャニスタ12よりも大気側(エアフィルタ16側)の空間、ポンプモジュール14内に浮遊する燃料ベーパは、キャニスタ12に吸着された燃料ベーパが脱離したものであるため、ポンプモジュール14内の近傍に浮遊する燃料ベーパの量は外気温度が高くなるほど多くなる。これにより、外気温度が高い場合ほど、負圧ポンプ38の反転動作後にポンプモジュール14内の近傍に燃料ベーパが残留してしまい、負圧導入時に燃料ベーパが大気に放出されてしまうことが想定される。
このため、本実施形態では、負圧ポンプ38を反転させる時間を外気温度に応じて補正するようにしている。図7は、外気温度と負圧ポンプ38の目標反転時間との関係を規定したマップを示す模式図である。図7に示すように、外気温度が高くなるほど負圧ポンプ38の目標反転時間は長時間に設定される。これにより、燃料ベーパの浮遊量に応じた最適な時間で負圧ポンプを作動することができる。従って、外気温度が高く、浮遊する燃料ベーパの量が多い場合であっても、ポンプモジュール14内の近傍の燃料ベーパを確実にキャニスタ12に吸着させることができ、負圧導入時に燃料ベーパが大気中に放出されてしまうことを抑止できる。
また、燃料ベーパの浮遊量が少ない低温時には、負圧ポンプ38の反転時間を最小限に抑えることが可能となる。従って、負圧ポンプ38の消費電力を最小限に抑えることができ、燃費を低減するとともに、システムの効率向上を達成できる。更に、消費電力の低減により、負圧ポンプ38、および負圧ポンプ38に電力を供給するバッテリーの寿命を延ばすことが可能となる。
次に、図8のフローチャートに基づいて、本実施形態の蒸発燃料処理装置のシステムにおける処理の手順を説明する。図8の処理は、所定時間毎に行われるものである。先ず、ステップS1では、現在の条件が蒸発燃料経路の漏れ検出を行う条件に該当しているか否かを判定する。具体的には、機関停止後、所定時間が経過したか否かを判定する。漏れ検出を行う条件に該当している場合はステップS2へ進み、条件に該当していない場合は処理を終了する(RETURN)。
次のステップS2では、負圧ポンプ38の作動条件が成立しているか否かを判定する。作動条件が成立している場合はステップS3へ進み、作動条件が成立していない場合は処理を終了する(RETURN)。
次のステップS3では、Xポンプ反転フラグの状態が1であるか否かを判定する。ここで、Xポンプ反転フラグは、負圧ポンプ38を反転させる動作が完了したか否かを識別するためのフラグである。反転動作が完了している場合はXリファレンスフラグが1に設定され、反転動作が完了していない場合はXリファレンスフラグが0に設定される。
ステップS3でXポンプ反転フラグ=1の場合は、ステップS4へ進む。ステップS4では、負圧ポンプ38を反転させる動作が完了した後、所定のA時間が経過したか否かを判定する。A時間が経過している場合はステップS5へ進み、A時間が経過していない場合は処理を終了する(RETURN)。
一方、ステップS3でXポンプ反転フラグ=0の場合は、ステップS23へ進む。ステップS23では、外気温度を取り込む。次のステップS24では、外気温度から負圧ポンプの目標反転時間Bを算出する。ここでは、図7のマップに基づいて目標反転時間Bを算出する。
次のステップS25では、現時点における負圧ポンプ38の反転時間と目標反転時間Bとを比較し、反転時間<目標反転時間Bであるか否かを判定する。反転時間<目標反転時間Bの場合は、ステップS26へ進む。この場合、負圧ポンプ38の反転動作が全く行われていない状態、または負圧ポンプ38の反転動作が不足している状態であるため、ステップS26では、切換弁42の状態を図4に示す状態に設定し(VSV-ON)、正圧導入弁49を開き、負圧ポンプ38の反転動作を行う。これにより、図5(B)で説明したように、ポンプモジュール14内またはその近傍に浮遊していた燃料ベーパがキャニスタ12内に送られる。
ステップS25で反転時間≧時間Bの場合は、ステップS27へ進む。この場合、負圧ポンプ38の反転動作は十分に行われているため、ステップS27では、Xポンプ反転フラグを1に設定する。ステップS27の後はステップS28へ進む。ステップS28では、切換弁42の状態を図2(B)に示す状態に設定し(VSV-OFF)、正圧導入弁49を閉じ、負圧ポンプ38を停止する。ステップS28の後は処理を終了する(RETURN)。
ステップS4からステップS5へ進んだ場合、ステップS5では、Xリファレンスフラグの状態が0であるか否かを判定する。ここで、Xリファレンスフラグは、リファレンス圧PREFの測定が完了したか否かを識別するためのフラグである。リファレンス圧PREFの測定が完了している場合はXリファレンスフラグが1に設定され、リファレンス圧PREFの測定が完了していない場合はXリファレンスフラグが0に設定される。
ステップS5でXリファレンスフラグ=0の場合は、ステップS6へ進む。この場合、リファレンス圧PREFの測定が完了していないため、以降の処理でリファレンス圧PREFを測定する。すなわち、ステップS6では、切換弁42の状態を図2(B)に示す状態に設定し(VSV-OFF)、正圧導入弁49を閉じる。次のステップS7では、負圧ポンプ38を正転作動させ、次のステップS8では負圧ポンプ38の作動時間が所定時間(T時間)を経過したか否かを判定する。ここで、時間Tは、リファレンス圧PREFが定常状態に達しているか否かを判定するためのしきい値である。
ステップS8で負圧ポンプ38の作動時間がT時間を経過している場合は、ステップS9へ進む。この場合、リファレンス圧PREFが定常状態に達していると考えられるため、ステップS9では、圧力センサ40の検出値からリファレンス圧PREFを求める。一方、ステップS8で負圧ポンプ38の作動時間がT時間に達していない場合は、処理を終了する(RETURN)。
ステップS9の次はステップS10へ進む。ステップS10では、リファレンス圧PREFの絶対値と所定のしきい値(目標PM1(>0))とを比較し、目標PM1<|PREF|であるか否かを判定する。ここで、しきい値PM1は、リファレンス圧PREFに基づいてシステムの異常を判定するためのしきい値である。
ステップS10でPM1<|PREF|の場合は、リファレンス圧PREFが十分に低下しているため、測定されたPREFが正常な値と判断し、ステップS11へ進む。ステップS11では、測定されたPREFの絶対値を漏れ判定の際の目標圧力(=PM2)として設定する。一方、ステップS10でPM1≧|PREF|の場合は、リファレンス圧PREFが十分に低下していないため、負圧ポンプ38または圧力センサ40などに異常が発生していると判断できる。従って、この場合はステップS14へ進み、負圧ポンプ38等に異常が生じていると判定し、切換弁42の状態を図2(A)に示す状態に設定(VSV-OFF)し、制圧導入弁49を閉じ、負圧ポンプ38の作動を停止する。ステップS14の後は処理を終了する(END)。
一方、ステップS10からステップS11に進んだ場合は、次のステップS12へ進み、リファレンス圧PREF(目標圧力PM2)の取得が完了したため、Xリファレンスフラグの状態を1に設定する。次のステップS13では、切換弁42の状態を図2(A)に示す状態に設定し(VSV-ON)、負圧ポンプ38の作動を停止する。ステップS13の後は処理を終了する(RETURN)。
リファレンス圧PREF(目標圧力PM2)が既に取得されている場合、すなわち、ステップS5でXリファレンスフラグ=1の場合は、ステップS15へ進む。この場合、以降の処理でリファレンス圧PREFに基づいて漏れ判定を行う。
ステップS15では、切換弁42の状態を図2(A)に示す状態に設定し(VSV-ON)、負圧ポンプ38を正転作動させる。これにより、燃料タンク10、キャニスタ12を含む蒸発燃料経路に負圧が導入される。
次のステップS16では、蒸発燃料経路に負圧を導入した状態で、圧力センサ40の検出値から圧力P実測値を求める。次のステップS17では、ステップS11で設定した目標圧力PM2と、ステップS16で検出した圧力P実測値の絶対値とを比較し、目標圧力PM2>|P実測値|であるか否かを判定する。
ステップS17で目標圧力PM2>|P実測値|の場合は、次のステップS18へ進む。この場合、P実測値の絶対値が目標圧力PM2に到達していないため、蒸発燃料経路にφ0.5mm以上の大きさの漏れ孔が生じている可能性があるが、負圧ポンプ38の作動時間が短いためにP実測値の絶対値が目標圧力PM2に到達していないことも考えられる。従って、ステップS18では、負圧ポンプ38の作動時間が上限値であるC時間以内であるか否かを判定する。
ステップS18で負圧ポンプ38の作動時間がC時間以内の場合は、負圧ポンプ38の作動時間が短いためにP実測値が目標圧力PM2に到達していないことが想定されるため、ステップS19へ進み、負圧ポンプ38の作動を継続する。
一方、ステップS18で負圧ポンプ38の作動時間がC時間を超えている場合は、ステップS21へ進む。この場合、負圧ポンプ38が十分に作動しているため、ステップS16で検出した圧力P実測値の値はリファレンス圧PREFと比較できる値であると判断できる。従って、圧力P実測値に基づいて漏れ判定を行うことが可能である。この場合、既にステップS17で圧力P実測値が目標圧力PM2に到達していないことが判定されているため、蒸発燃料経路にφ0.5mm以上の大きさの漏れ孔が生じていると判断できる。従って、ステップS21では、蒸発燃料経路に漏れが生じているとの判定(異常判定)を行う。
また、ステップS17でPM2≦|P実測値|の場合は、圧力P実測値が目標圧力PM2に到達しているため、蒸発燃料経路にφ0.5mm以上の大きさの漏れ孔が生じていないと判断できる。従って、この場合はステップS20へ進み、蒸発燃料経路に漏れが生じていないとの判定(正常判定)を行う。
ステップS20またはステップS21で判定を行った後は、ステップS22へ進み、切換弁42の状態を図2(B)に示す状態に設定し(VSV-OFF)、正圧導入弁49を閉じ、負圧ポンプ38を停止する。ステップS22の後は処理を終了する(END)。
以上説明したように実施の形態1によれば、漏れ検出を行う前に負圧ポンプ38を反転動作させるため、ポンプモジュール14に浮遊していた燃料ベーパを確実にキャニスタ12へ吸着させることができ、漏れ検出の際に燃料ベーパが大気中に放出されることを確実に抑止することが可能となる。そして、負圧ポンプ38を反転させる際には、外気温度に応じて負圧ポンプ38の反転時間を可変するため、燃料ベーパの浮遊量に応じた最適な時間で負圧ポンプ38を作動することが可能となる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2は、実施の形態1の制御に加えて、漏れ判定時に負圧ポンプ38を正転動作する場合においても、外気温度に応じて負圧ポンプ38の正転時間を可変するものである。
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2は、実施の形態1の制御に加えて、漏れ判定時に負圧ポンプ38を正転動作する場合においても、外気温度に応じて負圧ポンプ38の正転時間を可変するものである。
上述したように、外気温度が高くなるほど、システム内に浮遊する燃料ベーパの量が増加し、キャニスタ12における燃料ベーパの吸着量が多くなる。このため、外気温が高く、キャニスタ12における燃料ベーパの吸着量が多い状態で負圧ポンプ38の正転時間を必要以上に長くすると、キャニスタ12に吸着されている燃料ベーパが脱離して大気に放出されてしまう場合が想定される。
このため、実施の形態2では、外気温度が高い場合ほど、負圧ポンプ38の正転時間を短くするように制御を行う。この際、実施の形態1で説明したように、負圧ポンプ38の正転時間には上限値(C時間)が定められているため、外気温度が高くなるほど正転時間の上限値を短くするように制御を行う。
図9は、外気温度と負圧ポンプ38の正転時間の上限値との関係を規定したマップを示す模式図である。図9に示すように、外気温度が高くなるほど、負圧ポンプ38の正転時間の上限値は短時間に設定される。これにより、漏れ判定の際にキャニスタ12における燃料ベーパ吸着量に応じた最適な時間で負圧ポンプ38を正転動作させることができる。従って、外気温度が高く、キャニスタ12における燃料ベーパの吸着量が多い場合であっても、負圧導入時に燃料ベーパが大気中に放出されてしまうことを確実に抑止することができる。
図10は、実施の形態2における処理の手順を示すフローチャートである。図10のフローチャートは、図8のフローチャートにステップS29,S30の処理が追加されたものである。図10の他の処理については図8と同様であるため、ここではステップS29、ステップS30の処理を中心に説明する。
ステップS17で目標圧力PM2>|P実測値|の場合は、ステップS29へ進む。ステップS29では、外気温度を取り込む。次のステップS30では、外気温度から負圧ポンプ38の正転時間の上限値(C時間)を算出する。ここでは、図9のマップに基づいて上限値(C時間)を算出する。
次のステップS18では、負圧ポンプ38の作動時間がステップS30で算出されたC時間以内であるか否かを判定する。ステップS18で負圧ポンプ38の作動時間がC時間以内の場合は、負圧ポンプ38の作動時間が短いためにP実測値が目標圧力PM2に到達していないことが想定されるため、ステップS19へ進み、負圧ポンプ38の作動を継続する。一方、ステップS18で負圧ポンプ38の作動時間がC時間を超えている場合は、ステップS21へ進み、蒸発燃料経路に漏れが生じているとの判定(異常判定)を行う。
以上説明したように実施の形態2によれば、外気温度が高い場合は負圧ポンプ38の正転時間を短くするように制御を行うため、キャニスタ12における燃料ベーパの吸着量が多い場合に、負圧ポンプ38の正転時間が過度に長くなることを抑止できる。従って、キャニスタ12に吸着されている燃料ベーパが大気中に放出されてしまうことを確実に抑止することが可能となる。
10 燃料タンク
12 キャニスタ
14 ポンプモジュール
38 負圧ポンプ
40 圧力センサ
50 ECU
52 温度センサ
12 キャニスタ
14 ポンプモジュール
38 負圧ポンプ
40 圧力センサ
50 ECU
52 温度センサ
Claims (4)
- 燃料タンクと、
前記燃料タンクと接続され、前記燃料タンク内で発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、
前記キャニスタと接続され、前記キャニスタを介して前記燃料タンクを含む閉路空間に負圧を導入するポンプと、
前記閉路空間に負圧を導入する前に、前記ポンプを反転させることで前記キャニスタを介して前記閉路空間に正圧を導入する正圧導入手段と、
外気温度を取得する外気温度取得手段と、
外気温度が高い場合ほど前記閉路空間に正圧を導入する時間を長くする正圧導入時間制御手段と、
を備えたことを特徴とする蒸発燃料処理装置。 - 前記ポンプにより前記閉路空間に負圧を導入した状態で、前記閉路空間での圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段で検出された圧力に基づいて、前記燃料タンクを含む閉路空間における漏れの状態を判定する判定手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の蒸発燃料処理装置。 - 外気温度が高い場合ほど前記閉路空間に負圧を導入する時間を短くする負圧導入時間制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の蒸発燃料処理装置。 - 前記負圧導入時間制御手段は、外気温度が高い場合ほど前記閉路空間に負圧を導入する時間の上限値を短時間に設定することを特徴とする請求項3記載の蒸発燃料処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005365067A JP2007170200A (ja) | 2005-12-19 | 2005-12-19 | 蒸発燃料処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005365067A JP2007170200A (ja) | 2005-12-19 | 2005-12-19 | 蒸発燃料処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007170200A true JP2007170200A (ja) | 2007-07-05 |
Family
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JP2005365067A Withdrawn JP2007170200A (ja) | 2005-12-19 | 2005-12-19 | 蒸発燃料処理装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013019396A (ja) * | 2011-07-14 | 2013-01-31 | Denso Corp | 燃料蒸気漏れ検出装置 |
WO2018230169A1 (ja) * | 2017-06-14 | 2018-12-20 | 愛三工業株式会社 | 蒸発燃料処理装置 |
-
2005
- 2005-12-19 JP JP2005365067A patent/JP2007170200A/ja not_active Withdrawn
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US11274614B2 (en) | 2017-06-14 | 2022-03-15 | Aisan Kogyo Kabushiki Kaisha | Evaporated fuel processing device having selectively adjustable pump body speed based on temperature |
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