JP2007177655A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸発燃料経路の漏れ判定を行う際に、燃料残量が変化した場合であっても、燃料ベーパが大気放出されてしまうことを確実に抑止する。
【解決手段】燃料タンク10と、燃料タンク10と接続され、燃料タンク10内で発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタ12と、キャニスタ12と接続され、キャニスタ12を介して燃料タンク10を含む閉路空間に負圧を導入する負圧ポンプ38と、閉路空間に負圧を導入する前に、負圧ポンプ38を反転させることでキャニスタ12を介して閉路空間に正圧を導入する正圧導入手段と、燃料タンク10内の燃料残量を取得する液面センサ15と、燃料残量が少ない場合ほど閉路空間に正圧を導入する時間を長くする正圧導入時間制御手段と、を備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、蒸発燃料処理装置に関し、特に、燃料タンク内で生じた蒸発燃料を処理する装置に適用して好適である。
従来、燃料タンク内で発生する蒸発燃料(燃料ベーパ)をキャニスタに吸着することで、その燃料ベーパが大気に放出されるのを防止する蒸発燃料処理装置が知られている。
このような蒸発燃料処理装置において、閉路空間における漏れを判定するため、蒸発燃料経路に圧力を付与する方法が知られている。例えば、特開2003−42014号公報には、燃料タンクを含む蒸発燃料経路にポンプを用いて負圧を導入し、そのときの圧力情報に基づいて閉路空間の漏れを判定する方法が記載されている。
特開2003−42014号公報
しかしながら、上記従来の技術において、漏れ判定を行う際にポンプで負圧を導入すると、閉路空間からポンプへ向かう流れが生じる。このため、閉路空間内のポンプの近傍に燃料ベーパが浮遊していると、燃料ベーパがポンプから大気中に放出されるという問題が生じる。また、燃料ベーパの発生量は燃料タンクの空間容積(燃料残量)に応じて変動するため、燃料残量が変動すると燃料ベーパの大気放出を抑制することがより困難になるという問題がある。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、蒸発燃料経路の漏れ判定を行う際に、燃料残量が変化した場合であっても、燃料ベーパが大気放出されてしまうことを確実に抑止することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、燃料タンクと、前記燃料タンクと接続され、前記燃料タンク内で発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、前記キャニスタと接続され、前記キャニスタを介して前記燃料タンクを含む閉路空間に負圧を導入するポンプと、前記閉路空間に負圧を導入する前に、前記ポンプを反転させることで前記キャニスタを介して前記閉路空間に正圧を導入する正圧導入手段と、前記閉路空間に正圧を導入する時間を制御する正圧導入時間制御手段と、を備えたことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記燃料タンク内の燃料残量を取得する燃料残量取得手段を備え、前記正圧導入時間制御手段は、燃料残量が少ない場合ほど前記閉路空間に正圧を導入する時間を長くすることを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、燃料残量が多い場合ほど前記閉路空間に負圧を導入する時間を短くする負圧導入時間制御手段を更に備えたことを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、前記負圧導入時間制御手段は、燃料残量が多い場合ほど前記閉路空間に負圧を導入する時間の上限値を短時間に設定することを特徴とする。
第5の発明は、第1〜第4の発明のいずれかにおいて、前記ポンプにより前記閉路空間に負圧を導入した状態で、前記閉路空間での圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段で検出された圧力に基づいて、前記燃料タンクを含む閉路空間における漏れの状態を判定する判定手段と、を更に備えたことを特徴とする。
第6の発明は、上記の目的を達成するため、燃料タンクと、前記燃料タンクと接続され、前記燃料タンク内で発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、前記キャニスタと接続され、前記キャニスタを介して前記燃料タンクを含む閉路空間に負圧を導入するポンプと、前記ポンプにより負圧を導入した際に前記ポンプから排出された蒸発燃料を捕集する捕集手段と、前記閉路空間に負圧を導入した後、前記ポンプを反転させることで前記キャニスタを介して前記閉路空間に正圧を導入し、前記捕集手段内の蒸発燃料を前記閉路空間に戻す正圧導入手段と、前記閉路空間に正圧を導入する時間を制御する正圧導入時間制御手段と、を備えたことを特徴とする。
第7の発明は、第6の発明において、前記燃料タンク内の燃料残量を取得する燃料残量取得手段を備え、前記正圧導入時間制御手段は、燃料残量が少ない場合ほど前記閉路空間に正圧を導入する時間を長くすることを特徴とする。
第8の発明は、第6又は第7の発明において、前記ポンプにより前記閉路空間に負圧を導入した状態で、前記閉路空間での圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段で検出された圧力に基づいて、前記燃料タンクを含む閉路空間における漏れの状態を判定する判定手段と、を更に備えたことを特徴とする。
第1の発明によれば、閉路空間に正圧を導入する時間を制御することができるため、蒸発燃料の浮遊量に応じた最適な時間でポンプを作動することができ、ポンプの近傍に浮遊している蒸発燃料を確実にキャニスタに吸着させることができる。従って、閉路空間に負圧を導入した際に、蒸発燃料が大気放出されてしまうことを確実に抑止できる。また、ポンプの作動時間を最小限に抑えることができるため、システムの効率を向上することができる。
第2の発明によれば、蒸発燃料の浮遊量は燃料残量が少ない場合ほど多くなるため、燃料残量が少ない場合ほど閉路空間に正圧を導入する時間を長くすることで、ポンプの近傍に浮遊している蒸発燃料を確実にキャニスタに吸着させることが可能となる。また、燃料残量が多く、蒸発燃料の浮遊量が少ない場合には、閉路空間に正圧を導入する時間を最小限に抑えることができるため、システムの効率を向上することができる。
第3の発明によれば、燃料残量が多い場合ほど閉路空間に負圧を導入する時間を短くするため、燃料タンク内の空間容積に応じた最適な時間で閉路空間に負圧を導入することができる。従って、燃料残量が多い場合に、負圧を導入する時間を最小限に抑えることができ、負圧導入時に蒸発燃料が大気中に放出されてしまうことを確実に抑止することができる。
第4の発明によれば、燃料残量が多い場合ほど閉路空間に負圧を導入する時間の上限値を短時間に設定するため、閉路空間に負圧を導入する時間を短くすることが可能となる。
第5の発明によれば、圧力検出手段で検出された圧力に基づいて、燃料タンクを含む閉路空間における漏れの状態を判定することが可能となる。
第6の発明によれば、閉路空間に負圧を導入した際に閉路空間から排出された蒸発燃料を捕集することができ、閉路空間に負圧を導入した後、閉路空間に正圧を導入して捕集した蒸発燃料を閉路空間に戻すようにしたため、閉路空間内の蒸発燃料が大気中に放出されることを確実に抑止できる。そして、正圧を導入する時間を制御することができるため、蒸発燃料の浮遊量に応じた最適な時間でポンプを作動することができる。従って、捕集した蒸発燃料を確実にキャニスタに吸着させるとともに、ポンプの作動時間を最小限に抑えることができ、システムの効率を向上することが可能となる。
第7の発明によれば、蒸発燃料の浮遊量は燃料残量が少ない場合ほど多くなるため、燃料残量が少ない場合ほど閉路空間に正圧を導入する時間を長くすることで、捕集した蒸発燃料を確実にキャニスタに吸着させることが可能となる。また、燃料残量が多く、蒸発燃料の浮遊量が少ない場合には、正圧を導入する時間を最小限に抑えることができるため、システムの効率を向上することができる。
第8の発明によれば、圧力検出手段で検出された圧力に基づいて、燃料タンクを含む閉路空間における漏れの状態を判定することが可能となる。
以下、図面に基づいてこの発明のいくつかの実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る蒸発燃料処理装置の概要を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態の装置は、燃料タンク10、キャニスタ12、ポンプモジュール14、エアフィルタ16を有して構成されている。
燃料タンク10には、ベーパ通路18を介してキャニスタ12が連通している。キャニスタ12には、ポンプ通路20を介してポンプモジュール14が連通している。キャニスタ12の内部には、燃料タンク10から流入してくる燃料ベーパを吸着するための活性炭22が充填されている。また、キャニスタ12には、ベーパ通路18と接続されるベーパポート24、ポンプ通路20と接続されるポンプ側ポート26、および後述するパージ通路30に連通するパージポート32が設けられている。図1に示すように、ベーパポート24、ポンプ側ポート26、パージポート32は、活性炭22に対して同じ側に設けられている。また、キャニスタ12の内部には、活性炭22内でのガス、燃料ベーパの流れを規制する障壁34,35が設けられている。
パージ通路30は、内燃機関の吸気通路(不図示)に連通する通路である。パージ通路30の途中には、その導通状態を制御するためのパージVSV36が設けられている。内燃機関の運転中は、内燃機関の吸気負圧がパージ通路30の内部に導かれる。また、後述するように、内燃機関の運転中は、ポンプ側ポート26が大気(エアフィルタ16側)へ開放されるようにポンプモジュール14の状態が設定される。この状態でパージVSV36が開かれると、その吸気負圧がキャニスタ12のパージポート32にまで到達し、その結果、ポンプ側ポート26からパージポート32へ向かう空気の流れが生ずる。このような空気の流れが生ずると、活性炭22に吸着されている燃料に脱離が生ずる。従って、内燃機関の運転中にパージVSV36を適当に開くことにより、キャニスタ12に吸着されている燃料を適当に内燃機関にパージさせることができる。
燃料タンク10の内部には、燃料の液面高さを検出するための液面センサ15が設けられている。液面センサ15によれば、燃料タンク10内の燃料の残量を検知することができる。また、燃料タンク10内の空間容積V、つまり、燃料タンク10の内部において、燃料ベーパと空気とによって占められている容積Vは、燃料の液面高さに応じた値となる。従って、液面センサ15の出力によれば、その空間容積Vを検知することができる。
図2は、ポンプモジュール14の構成を示す模式図である。ポンプモジュール14は、負圧ポンプ38、圧力センサ40、切換弁(VSV)42、切換アクチュエータ44、基準オリフィス46、逆止弁48、正圧導入弁49を有して構成されている。切換弁42は、通路42a、通路42bを有している。また、基準オリフィス46は、漏れ判定に使用するリファレンス圧PREFを測定するために設けられた基準孔(例えばφ0.5mm)である。また、逆止弁48は、負圧ポンプ38から圧力センサ40側に向かうガスの流れを遮断する機能を有している。
切換弁42は、切換アクチュエータ44への通電によって駆動され、図2(A)、および図2(B)に示すいずれかの状態に設定される。ここで、図2(A)に示す状態(VSV-ON)では、通路42aによって負圧ポンプ38とキャニスタ12のポンプ側ポート26が接続される。また、図2(B)に示す状態では、通路42bによってエアフィルタ16から基準オリフィス46を経て負圧ポンプ38に至る経路が接続される。
図1に示すように、本実施形態の蒸発燃料処理装置は、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50には、ポンプモジュール14内の負圧ポンプ38、圧力センサ40、切換アクチュエータ44、正圧導入弁49、および液面センサ15などが接続されている。
以上のように構成された本実施形態の蒸発燃料処理装置において、蒸発燃料経路の漏れ判定を行う方法を以下に説明する。本実施形態では、ポンプモジュール14によって燃料タンク10、キャニスタ12を含む蒸発燃料経路に負圧を付与し、圧力センサ40で検出された圧力に基づいて漏れ判定を行う。
漏れ判定を行う際には、最初にリファレンス圧PREFを測定する。リファレンス圧PREFを測定する際は、切換弁42が図2(B)に示す位置に設定される(VSV-OFF)。また、正圧導入弁49は閉じられる。図2(B)に示す状態で負圧ポンプ38を駆動すると、逆止弁48側の空気が負圧ポンプ38によって吸引され、図2(B)中に矢印で示す方向へ向かう空気の流れが生じる。これにより、圧力センサ40が設けられた基準オリフィス46の上流側が負圧となり、この状態で圧力センサ40によって圧力を測定することで、φ0.5mmの基準オリフィス46に対応したリファレンス圧PREFを検出することができる。
次に、燃料タンク10、キャニスタ12を含む蒸発燃料経路に負圧を導入するため、パージVSV36を閉じ、切換弁42が図2(A)に示す位置に設定される(VSV-ON)。正圧導入弁49は閉じた状態が維持される。この状態で負圧ポンプ38を駆動すると、キャニスタ12内の空気が負圧ポンプ38によって吸引され、図2(A)中に矢印で示す方向へ向かう空気の流れが生じる。これにより、燃料タンク10、キャニスタ12を含む蒸発燃料経路に負圧が導入される。そして、このときの圧力P実測値を圧力センサ40で測定する。
図3は、燃料タンク10、キャニスタ12を含む蒸発燃料経路に負圧を導入した際に、圧力センサ40で検出される圧力P実測値の推移と、リファレンス圧PREFとの関係を示す模式図である。図3に示すように、負圧ポンプ38を作動させて、燃料タンク10内、キャニスタ12を含む蒸発燃料経路に負圧を付与すると、圧力P実測値は低下していき、一定時間を経過した後、定常状態に落ち着く。圧力P実測値は、定常状態に落ち着いた後、リファレンス圧PREFと比較される。なお、図3において、PREF、P実測値はいずれも負の値である。
図3中に実線で示すように、圧力P実測値がリファレンス圧PREFより高い場合は、負圧を付与しているのにも関わらず、蒸発燃料経路の圧力がφ0.5mm相当の漏れ孔が生じている場合の圧力よりも高い状態にあると判断できる。従って、この場合は、蒸発燃料経路にφ0.5より大きな漏れ孔が形成されていると判断できる。
一方、図3中に破線で示すように、圧力P実測値がリファレンス圧PREFよりも低い場合は、蒸発燃料経路の圧力がφ0.5mm相当の漏れ孔が生じている場合の圧力よりも低い状態にあると判断できる。従って、この場合は、蒸発燃料経路の漏れ孔がφ0.5より小さいと判断できる。
このように、本実施形態の蒸発燃料処理装置によれば、圧力P実測値とリファレンス圧PREFとを比較した結果に基づいて、蒸発燃料経路に漏れ孔が生じているか否かを判定することができる。
蒸発燃料経路に負圧を導入すると、燃料タンク10を含む蒸発燃料経路内のガスがエアフィルタ16から大気に放出される。このとき、蒸発燃料経路内に燃料ベーパが浮遊していると、燃料ベーパが大気中に放出される場合がある。特に、ポンプモジュール14、ポンプ通路20に燃料ベーパが浮遊している場合、負圧を導入すると燃料ベーパが大気中に放出され易くなる。また、キャニスタ12における燃料ベーパの吸着状態が飽和している場合は、負圧の導入によって吸着された燃料ベーパの一部が乖離し、やはり燃料ベーパが大気中に放出され易くなる。
このため、本実施形態では、蒸発燃料経路に負圧を導入する前に、負圧ポンプ38を反転させ、エアフィルタ16側からキャニスタ12側に向けて空気を送り込むようにしている。これにより、ポンプモジュール14、またはポンプ通路20の近傍に浮遊している燃料ベーパをキャニスタ12へ送ることができ、浮遊していた燃料ベーパをキャニスタ12の活性炭22に付着させることができる。従って、漏れ検出の際に蒸発燃料経路に負圧を導入した際に、浮遊していた燃料ベーパが大気中に放出されてしまうことを抑止できる。
図4は、負圧ポンプ38を反転動作させて、蒸発燃料経路に空気を送り込む際のポンプモジュール14の状態を示す模式図である。蒸発燃料経路に空気を送り込む際には、切換弁42を図4に示す位置に設定し(VSV-ON)、また、正圧導入弁49を開く。そして、この状態で負圧ポンプ38を反転させる。これにより、エアフィルタ16側の空気が負圧ポンプ38によって吸引され、図4中に矢印で示す方向へ向かう空気の流れが生じる。これにより、燃料タンク10、キャニスタ12を含む蒸発燃料経路に正圧が導入され、蒸発燃料経路に空気が送り込まれる。
図5は、キャニスタ12の周辺における燃料ベーパの浮遊状態、吸着状態を示す模式図である。ここで、図5(A)は、蒸発燃料経路に負圧を導入する以前の状態を示している。図5(A)に示すように、燃料タンク10内で発生した燃料ベーパは、キャニスタ12の活性炭22に吸着されている。そして、燃料ベーパの一部は、キャニスタ12からポンプモジュール14側に流れ、ポンプモジュール14内、またはポンプ通路20の近傍に浮遊している。
図5(B)は、図5(A)に示す状態から、負圧ポンプ38を反転させた状態を示している。図5(B)に示すように、負圧ポンプ38を反転動作させると、ポンプモジュール14側からキャニスタ12に向かう空気の流れが生じ、ポンプモジュール14、またはポンプ通路20の近傍に浮遊していた燃料ベーパがキャニスタ12の活性炭22に吸着される。
図5(B)の状態では、ポンプモジュール14、またはポンプ通路20の近傍に燃料ベーパは殆ど浮遊していないため、負圧ポンプ38を正転動作させてキャニスタ12を含む蒸発燃料経路に負圧を導入した場合であっても、エアフィルタ16から大気中へ燃料ベーパが放出されてしまうことを抑えることができる。
図5(C)は、図5(A)に示す状態から、負圧ポンプ38を反転動作させることなく、蒸発燃料経路に負圧を導入した場合を示している。このように、負圧ポンプ38を反転動作させない場合は、ポンプモジュール14、またはポンプ通路20の近傍に浮遊していた燃料ベーパがエアフィルタ16を通過して大気中に放出されてしまう。
従って、本実施形態によれば、漏れ検出を行う前に負圧ポンプ38を反転動作させてポンプモジュール14に浮遊していた燃料ベーパをキャニスタ12へ送ることで、漏れ検出の際に燃料ベーパが大気中に放出されることを確実に抑止することができる。
ところで、図1のシステム内における燃料ベーパの量は、燃料タンク内の燃料の残量が少ない程、多くなる。燃料の残量が少ない場合は、燃料タンク内の空間容積が大きくなるため、燃料の残量が多い場合に比べて空間内に浮遊する燃料ベーパが多くなるためである。
ところで、図1に示すシステム内に浮遊する燃料ベーパの量は、燃料タンク10内の燃料残量に応じて変動する。図6は、燃料の残量に応じてシステム内の燃料ベーパが変化する様子を示す模式図である。ここで、図6(A)は燃料の残量が比較的多い場合を示しており、図6(B)は、図6(A)の場合に比べて燃料の残量が少ない場合を示している。
図6(B)に示すように、燃料の残量が少ない場合は、燃料タンク10内の空間容積が大きくなり、空間内に多くの燃料ベーパが溜まる。一方、図6(A)に示すように、燃料の残量が多い場合は、燃料タンク10内の空間容積が小さくなるため、空間内の燃料ベーパの量は図6(B)の場合に比べて少なくなる。このため、図6(B)の場合は、図6(A)の場合に比べてより多くの燃料ベーパがキャニスタ12に吸着される。
このように、キャニスタ12における燃料ベーパの吸着量は、燃料の残量が少ない場合ほど多くなる。そして、キャニスタ12よりも大気側(エアフィルタ16側)の空間、ポンプモジュール14内に浮遊する燃料ベーパは、キャニスタ12に吸着された燃料ベーパが脱離したものであるため、ポンプモジュール14内の近傍に浮遊する燃料ベーパの量は、キャニスタ12における吸着量が多いほど、すなわち燃料残量が少ないほど多くなる。これにより、燃料残量が少ない場合ほど、負圧ポンプ38の反転動作後にポンプモジュール14内の近傍に燃料ベーパが残留してしまい、負圧導入時に燃料ベーパが大気に放出されてしまうことが想定される。
このため、本実施形態では、負圧ポンプ38を反転させる時間を燃料の残量に応じて補正するようにしている。図7は、燃料残量と負圧ポンプ38の目標反転時間との関係を規定したマップを示す模式図である。図7に示すように、燃料残量が少ない場合ほど負圧ポンプ38の目標反転時間は長時間に設定される。これにより、燃料ベーパの浮遊量に応じた最適な時間で負圧ポンプ38を作動することができる。従って、燃料残量が少なく、浮遊する燃料ベーパの量が多い場合であっても、ポンプモジュール14内の近傍の燃料ベーパを確実にキャニスタ12に吸着させることができ、負圧導入時に燃料ベーパが大気中に放出されてしまうことを抑止できる。
また、燃料残量が多く、燃料ベーパの浮遊量が少ない場合には、負圧ポンプ38の反転時間を最小限に抑えることが可能となる。従って、負圧ポンプ38の消費電力を最小限に抑えることができ、燃費を低減するとともに、システムの効率向上を達成できる。更に、消費電力の低減により、負圧ポンプ38、および負圧ポンプ38に電力を供給するバッテリーの寿命を延ばすことが可能となる。
次に、図8のフローチャートに基づいて、本実施形態の蒸発燃料処理装置のシステムにおける処理の手順を説明する。図8の処理は、所定時間毎に行われるものである。先ず、ステップS1では、現在の条件が蒸発燃料経路の漏れ検出を行う条件に該当しているか否かを判定する。具体的には、機関停止後、所定時間が経過したか否かを判定する。漏れ検出を行う条件に該当している場合はステップS2へ進み、条件に該当していない場合は処理を終了する(RETURN)。
次のステップS2では、負圧ポンプ38の作動条件が成立しているか否かを判定する。作動条件が成立している場合はステップS3へ進み、作動条件が成立していない場合は処理を終了する(RETURN)。
次のステップS3では、Xポンプ反転フラグの状態が1であるか否かを判定する。ここで、Xポンプ反転フラグは、負圧ポンプ38を反転させる動作が完了したか否かを識別するためのフラグである。反転動作が完了している場合はXリファレンスフラグが1に設定され、反転動作が完了していない場合はXリファレンスフラグが0に設定される。
ステップS3でXポンプ反転フラグ=1の場合は、ステップS4へ進む。ステップS4では、負圧ポンプ38を反転させる動作が完了した後、所定のA時間が経過したか否かを判定する。A時間が経過している場合はステップS5へ進み、A時間が経過していない場合は処理を終了する(RETURN)。
一方、ステップS3でXポンプ反転フラグ=0の場合は、ステップS23へ進む。ステップS23では、燃料残量を取り込む。ここで、燃料残量は液面センサ15の検出値から求めることができる。次のステップS24では、燃料残量から負圧ポンプの目標反転時間Bを算出する。ここでは、図7のマップに基づいて目標反転時間Bを算出する。
次のステップS25では、現時点における負圧ポンプ38の反転時間と目標反転時間Bとを比較し、反転時間<目標反転時間Bであるか否かを判定する。反転時間<目標反転時間Bの場合は、ステップS26へ進む。この場合、負圧ポンプ38の反転動作が全く行われていない状態、または負圧ポンプ38の反転動作が不足している状態であるため、ステップS26では、切換弁42の状態を図4に示す状態に設定し(VSV-ON)、正圧導入弁49を開き、負圧ポンプ38の反転動作を行う。これにより、図5(B)で説明したように、ポンプモジュール14内またはその近傍に浮遊していた燃料ベーパがキャニスタ12内に送られる。
ステップS25で反転時間≧時間Bの場合は、ステップS27へ進む。この場合、負圧ポンプ38の反転動作は十分に行われているため、ステップS27では、Xポンプ反転フラグを1に設定する。ステップS27の後はステップS28へ進む。ステップS28では、切換弁42の状態を図2(B)に示す状態に設定し(VSV-OFF)、正圧導入弁49を閉じ、負圧ポンプ38を停止する。ステップS28の後は処理を終了する(RETURN)。
ステップS4からステップS5へ進んだ場合、ステップS5では、Xリファレンスフラグの状態が0であるか否かを判定する。ここで、Xリファレンスフラグは、リファレンス圧PREFの測定が完了したか否かを識別するためのフラグである。リファレンス圧PREFの測定が完了している場合はXリファレンスフラグが1に設定され、リファレンス圧PREFの測定が完了していない場合はXリファレンスフラグが0に設定される。
ステップS5でXリファレンスフラグ=0の場合は、ステップS6へ進む。この場合、リファレンス圧PREFの測定が完了していないため、以降の処理でリファレンス圧PREFを測定する。すなわち、ステップS6では、切換弁42の状態を図2(B)に示す状態に設定し(VSV-OFF)、正圧導入弁49を閉じる。次のステップS7では、負圧ポンプ38を正転作動させ、次のステップS8では負圧ポンプ38の作動時間が所定時間(T時間)を経過したか否かを判定する。ここで、時間Tは、リファレンス圧PREFが定常状態に達しているか否かを判定するためのしきい値である。
ステップS8で負圧ポンプ38の作動時間がT時間を経過している場合は、ステップS9へ進む。この場合、リファレンス圧PREFが定常状態に達していると考えられるため、ステップS9では、圧力センサ40の検出値からリファレンス圧PREFを求める。一方、ステップS8で負圧ポンプ38の作動時間がT時間に達していない場合は、処理を終了する(RETURN)。
ステップS9の次はステップS10へ進む。ステップS10では、リファレンス圧PREFの絶対値と所定のしきい値(目標PM1(>0))とを比較し、目標PM1<|PREF|であるか否かを判定する。ここで、しきい値PM1は、リファレンス圧PREFに基づいてシステムの異常を判定するためのしきい値である。
ステップS10でPM1<|PREF|の場合は、リファレンス圧PREFが十分に低下しているため、測定されたPREFが正常な値と判断し、ステップS11へ進む。ステップS11では、測定されたPREFの絶対値を漏れ判定の際の目標圧力(=PM2)として設定する。一方、ステップS10でPM1≧|PREF|の場合は、リファレンス圧PREFが十分に低下していないため、負圧ポンプ38または圧力センサ40などに異常が発生していると判断できる。従って、この場合はステップS14へ進み、負圧ポンプ38等に異常が生じていると判定し、切換弁42の状態を図2(A)に示す状態に設定(VSV-OFF)し、制圧導入弁49を閉じ、負圧ポンプ38の作動を停止する。ステップS14の後は処理を終了する(END)。
一方、ステップS10からステップS11に進んだ場合は、次のステップS12へ進み、リファレンス圧PREF(目標圧力PM2)の取得が完了したため、Xリファレンスフラグの状態を1に設定する。次のステップS13では、切換弁42の状態を図2(A)に示す状態に設定し(VSV-ON)、負圧ポンプ38の作動を停止する。ステップS13の後は処理を終了する(RETURN)。
リファレンス圧PREF(目標圧力PM2)が既に取得されている場合、すなわち、ステップS5でXリファレンスフラグ=1の場合は、ステップS15へ進む。この場合、以降の処理でリファレンス圧PREFに基づいて漏れ判定を行う。
ステップS15では、切換弁42の状態を図2(A)に示す状態に設定し(VSV-ON)、負圧ポンプ38を正転作動させる。これにより、燃料タンク10、キャニスタ12を含む蒸発燃料経路に負圧が導入される。
次のステップS16では、蒸発燃料経路に負圧を導入した状態で、圧力センサ40の検出値から圧力P実測値を求める。次のステップS17では、ステップS11で設定した目標圧力PM2と、ステップS16で検出した圧力P実測値の絶対値とを比較し、目標圧力PM2>|P実測値|であるか否かを判定する。
ステップS17で目標圧力PM2>|P実測値|の場合は、次のステップS18へ進む。この場合、P実測値の絶対値が目標圧力PM2に到達していないため、蒸発燃料経路にφ0.5mm以上の大きさの漏れ孔が生じている可能性があるが、負圧ポンプ38の作動時間が短いためにP実測値の絶対値が目標圧力PM2に到達していないことも考えられる。従って、ステップS18では、負圧ポンプ38の作動時間が上限値であるC時間以内であるか否かを判定する。
ステップS18で負圧ポンプ38の作動時間がC時間以内の場合は、負圧ポンプ38の作動時間が短いためにP実測値が目標圧力PM2に到達していないことが想定されるため、ステップS19へ進み、負圧ポンプ38の作動を継続する。
一方、ステップS18で負圧ポンプ38の作動時間がC時間を超えている場合は、ステップS21へ進む。この場合、負圧ポンプ38が十分に作動しているため、ステップS16で検出した圧力P実測値の値はリファレンス圧PREFと比較できる値であると判断できる。従って、圧力P実測値に基づいて漏れ判定を行うことが可能である。この場合、既にステップS17で圧力P実測値が目標圧力PM2に到達していないことが判定されているため、蒸発燃料経路にφ0.5mm以上の大きさの漏れ孔が生じていると判断できる。従って、ステップS21では、蒸発燃料経路に漏れが生じているとの判定(異常判定)を行う。
また、ステップS17でPM2≦|P実測値|の場合は、圧力P実測値が目標圧力PM2に到達しているため、蒸発燃料経路にφ0.5mm以上の大きさの漏れ孔が生じていないと判断できる。従って、この場合はステップS20へ進み、蒸発燃料経路に漏れが生じていないとの判定(正常判定)を行う。
ステップS20またはステップS21で判定を行った後は、ステップS22へ進み、切換弁42の状態を図2(B)に示す状態に設定し(VSV-OFF)、正圧導入弁49を閉じ、負圧ポンプ38を停止する。ステップS22の後は処理を終了する(END)。
以上説明したように実施の形態1によれば、漏れ検出を行う前に負圧ポンプ38を反転動作させるため、ポンプモジュール14に浮遊していた燃料ベーパを確実にキャニスタ12へ吸着させることができ、漏れ検出の際に燃料ベーパが大気中に放出されることを確実に抑止することが可能となる。そして、負圧ポンプ38を反転させる際には、燃料残量に応じて負圧ポンプ38の反転時間を可変するため、燃料ベーパの浮遊量に応じた最適な時間で負圧ポンプ38を作動することが可能となる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2は、実施の形態1の制御に加えて、漏れ判定時に負圧ポンプ38を正転動作する場合においても、燃料残量に応じて負圧ポンプ38の正転時間を可変するものである。
実施の形態1で説明したように、漏れ判定時の際には、負圧ポンプ38を作動させた状態で目標圧力PM2と圧力P実測値の絶対値とを比較し(図8のステップS17)、PM2>|P実測値|となる状態がC時間を超えた場合は、蒸発燃料経路に漏れが生じていると判定する(図8のステップS21)。
この際、燃料残量が多い場合は、燃料残量が少ない場合に比べて燃料タンク10内の空間容積が少なくなるため、負圧導入時の圧力P実測値はより短時間で低下する。従って、負圧ポンプ38の作動時間の上限値(C時間)を一定値に設定しておくと、燃料残量が多く、圧力P実測値が短時間で低下する条件下であっても、負圧ポンプ38がC時間の間だけ作動してしまうため、負圧ポンプ38が余分に駆動されることが懸念される。従って、蒸発燃料経路に基準孔よりも大きい漏れ孔が生じている場合に、負圧ポンプ38の作動時間が必要以上に長くなり、キャニスタ20に吸着されていた燃料ベーパが脱離して大気に放出されることが想定される。
このため、実施の形態2では、燃料残量が多い場合ほど、負圧ポンプ38の正転時間を短くするように制御を行う。具体的には、燃料残量が多い場合ほど、正転時間の上限値(C時間)を短くするように制御を行う。
図9は、燃料残量と負圧ポンプ38の正転時間の上限値との関係を規定したマップを示す模式図である。図9に示すように、燃料残量が多くなるほど、負圧ポンプ38の正転時間の上限値は短時間に設定される。これにより、漏れ判定の際に、燃料タンク10内の空間容積に応じた最適な時間で負圧ポンプ38を正転動作させることができる。従って、燃料残量が多く、燃料タンク10内の空間容積が少ない場合は、負圧ポンプ38の作動時間を最小限に抑えることができ、負圧導入時に燃料ベーパが大気中に放出されてしまうことを確実に抑止することができる。
図10は、実施の形態2における処理の手順を示すフローチャートである。図10のフローチャートは、図8のフローチャートにステップS29,S30の処理が追加されたものである。図10の他の処理については図8と同様であるため、ここではステップS29、ステップS30の処理を中心に説明する。
ステップS17で目標圧力PM2>|P実測値|の場合は、ステップS29へ進む。ステップS29では、燃料残量を取り込む。次のステップS30では、燃料残量から負圧ポンプ38の正転時間の上限値(C時間)を算出する。ここでは、図9のマップに基づいてC時間を算出する。
次のステップS18では、負圧ポンプ38の作動時間がステップS30で算出されたC時間以内であるか否かを判定する。ステップS18で負圧ポンプ38の作動時間がC時間以内の場合は、負圧ポンプ38の作動時間が短いためにP実測値が目標圧力PM2に到達していないことが想定されるため、ステップS19へ進み、負圧ポンプ38の作動を継続する。一方、ステップS18で負圧ポンプ38の作動時間がC時間を超えている場合は、ステップS21へ進み、蒸発燃料経路に漏れが生じているとの判定(異常判定)を行う。
以上説明したように実施の形態2によれば、燃料残量が多い場合は負圧ポンプ38の正転時間を短くするように制御を行うため、燃料タンク10内の空間容積が少ない場合に負圧ポンプ38の作動時間を最小限に抑えることができる。従って、負圧導入時に燃料ベーパが大気中に放出されてしまうことを確実に抑止することができる。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について説明する。図11は、実施の形態3に係る蒸発燃料処理装置の概要を説明するための図である。図11に示すように、実施の形態3では、エアフィルタ16とポンプモジュール14との間にトラップ容器52を設けている。
実施の形態1で説明したように、ポンプモジュール14、またはポンプ通路20の近傍に燃料ベーパが浮遊している状態で蒸発燃料経路に負圧を導入すると、浮遊している燃料ベーパが大気中に放出される場合がある。
実施の形態3では、蒸発燃料経路に負圧を導入した際に、ポンプモジュール14、またはポンプ通路20の近傍に浮遊している燃料ベーパがエアフィルタ16側に流れた場合、燃料ベーパをトラップ容器52内に捕獲するようにしている。すなわち、本実施形態において、トラップ容器52は、ポンプモジュール14からエアフィルタ16側に燃料ベーパ、ガスが流れた際に、これらを捕集する捕集手段(吸着材、バッファ)として機能する。
トラップ容器52の容積は、漏れ判定時に蒸発燃料経路に負圧を導入した際に、蒸発燃料経路から排出される空気の体積と同等、またはそれ以上の容積が望ましい。これにより、蒸発燃料経路に負圧を導入した際に、ポンプモジュール14、またはポンプ通路20の近傍に浮遊している燃料ベーパがトラップ容器52側に流れたとしても、燃料ベーパがトラップ容器52の外に排出されてしまうことを抑止できる。従って、排出される空気の体積と同等又はそれ以上のトラップ容積を設ければ、燃料ベーパが大気中に放出されてしまうことを確実に抑止できる。
具体的には、燃料タンク10が空の場合を想定し、燃料タンク10、キャニスタ12を含む蒸発燃料経路の空間体積が100リットル、大気圧が760mmHg、リファレンス圧PREFが−30mmHgである場合、蒸発燃料経路に漏れが生じていないとすると、圧力P実測値が−30mmHgに達するまでに蒸発燃料経路から排出される空気量V1は、下式から求めることができる。
V1=100(リットル)×(1−(760−30)/760)≒4(リットル)…(1)
従って、大気圧が760mmHgの場合、漏れ判定の際には約4リットルの空気が蒸発燃料経路から排出される。従って、トラップ容器52の容積は4リットル以上としておくことが好適である。
図12は、キャニスタ12、トラップ容器52の周辺における燃料ベーパの浮遊状態、吸着状態を示す模式図である。ここで、図12(A)は、蒸発燃料経路に負圧を導入する以前の状態を示している。図12(A)に示すように、燃料タンク10内で発生した燃料ベーパは、キャニスタ12の活性炭22に吸着されている。そして、燃料ベーパの一部は、キャニスタ12からポンプモジュール14側に流れ、ポンプモジュール14、またはポンプ通路20の近傍に浮遊している。
図12(B)は、図12(A)に示す状態から、漏れ判定のために、負圧ポンプ38を作動させて蒸発燃料経路に負圧を導入した状態を示している。蒸発燃料経路に負圧を導入すると、キャニスタ12からトラップ容器52に向かう空気の流れが生じる。
この際、上述したようにトラップ容器52の容積は、負圧導入時に蒸発燃料経路から排出される空気の体積と同等、またはそれ以上の容積とされているため、図12(B)に示すように、ポンプモジュール14、またはポンプ通路20の近傍に浮遊していた燃料ベーパはトラップ容器52内に捕獲され、エアフィルタ16側へ流れることはない。
また、図11及び図12に示すように、トラップ容器52には仕切り板52aが設けられているため、ポンプモジュール14からトラップ容器52に流れたガス、燃料ベーパは、仕切り板52aによってトラップ容器52の底に送られる。従って、トラップ容器52に流れた燃料ベーパがエアフィルタ16側へ流れることを確実に抑止できる。
漏れ判定後に負圧ポンプ38の作動を停止した後は、燃料ベーパは空気よりも重いため、トラップ容器52の底の方に溜まる。この際、図12(B)に示すように、エアフィルタ16はトラップ容器52の上部に接続されているため、トラップ容器52の底に溜まった燃料ベーパがエアフィルタ16側に流れることが抑止される。従って、負圧ポンプ38の作動を停止した後においても、燃料ベーパが大気中に放出されることを抑止できる。
漏れ判定を行った後、内燃機関が運転されると、パージVSV36が開かれて、吸気管の負圧がキャニスタ12側に導入される。これにより、キャニスタ12に吸着されていた燃料ベーパが吸気管内にパージされる。この際、ポンプモジュール14の切換弁42を図2(B)に示す状態(VSV-OFF)に設定しておくことで、吸気管負圧によりトラップ容器52からキャニスタ12に向かう流れを生じさせることができる。これにより、トラップ容器52内に捕獲した燃料をキャニスタ12側へ送ることが可能となり、トラップ容器52内から燃料ベーパを排出することができる。
また、トラップ容器52内の燃料ベーパを排出するため、負圧ポンプ38を反転作動させても良い。図13は、図12(B)に示す状態の後、負圧ポンプ38を反転作動させた状態を示している。
この際、ポンプモジュール14の切換弁42の状態は図4で説明した状態に設定される。この状態で負圧ポンプ38を反転作動させると、トラップ容器52からキャニスタ12に向かう流れが生じ、トラップ容器52内の燃料ベーパがキャニスタ12側へ送られる。これにより、トラップ容器52内から燃料ベーパを排出することができる。そして、内燃機関の運転中にパージVSV36を開くことで、キャニスタ12に送られた燃料ベーパを吸気管へパージすることができる。
この際、実施の形態1で説明したように、燃料残量が少ないほどシステム内の燃料ベーパ量が多くなるため、燃料残量が少ないほどトラップ容器52に捕集される燃料ベーパ量は多くなる。従って、実施の形態1と同様に、燃料残量に応じて負圧ポンプ38を反転する時間を可変することで、トラップ容器52に捕集された燃料ベーパの量に応じた最適な時間で負圧ポンプ38を作動することができ、トラップ容器52内から燃料ベーパを確実に排出するとともに、システムの効率を向上することができる。
また、漏れ判定の際の負圧導入時には、実施の形態2と同様に、燃料残量に応じて負圧を導入する時間を可変することが好適である。これにより、漏れ判定の際にキャニスタ12における燃料ベーパ吸着量に応じた最適な時間で負圧ポンプ38を正転動作させることができる。従って、負圧導入時に燃料ベーパが大気中に放出されてしまうことをより確実に抑止することができる。
以上説明したように実施の形態3によれば、ポンプモジュール14とエアフィルタ16の間にトラップ容器52を設けたため、漏れ判定の際の負圧導入時にポンプモジュール14からエアフィルタ16側に向かって流れた燃料ベーパをトラップ容器52内に捕獲することが可能となる。この場合においても、燃料残量に応じて負圧ポンプ38の駆動時間を可変することで、燃料ベーパが大気中に放出されることを確実に抑止するとともに、システムの効率を向上することができる。
なお、上述した各実施形態では、蒸発燃料経路の漏れ判定を行うシステムにおいて、燃料タンク10を含む蒸発燃料経路の閉路空間に負圧を導入しているが、本発明は、漏れ判定を行うシステム以外のシステムに適用することも可能である。例えば、本実施形態の蒸発燃料処理装置を搭載した車両が停止した際に、燃料タンク10を含む蒸発燃料経路の閉路空間内に燃料ベーパが充満することを防ぐために、負圧ポンプ38を作動させて閉路空間内に負圧を導入することで、閉路空間内の燃料ベーパをキャニスタ12に吸着するシステムへの適用など、様々なシステムに適用することが可能である。この場合においても、燃料ベーパが大気中に放出されることを確実に抑止することが可能となる。
本発明の実施の形態1に係る蒸発燃料処理装置の概要を説明するための図である。 ポンプモジュールの構成を示す模式図である。 燃料タンク、キャニスタを含む蒸発燃料経路に負圧を導入した際に、圧力センサで検出される圧力P実測値の推移と、リファレンス圧PREFとの関係を示す模式図である。 負圧ポンプを反転動作させて、蒸発燃料経路に空気を送り込む際のポンプモジュールの状態を示す模式図である。 キャニスタの周辺における燃料ベーパの浮遊状態、吸着状態を示す模式図である。 燃料残量に応じてシステム内の燃料ベーパの量が変化する様子を示す模式図である。 燃料残量と負圧ポンプの目標反転時間との関係を規定したマップを示す特性図である。 実施の形態1のシステムにおける処理の手順を示すフローチャートである。 燃料残量と負圧ポンプの正転時間の上限値との関係を規定したマップを示す模式図である。 実施の形態2のシステムにおける処理の手順を示すフローチャートである。 実施の形態3に係る蒸発燃料処理装置の概要を説明するための図である。 実施の形態3において、キャニスタ、トラップ容器の周辺における燃料ベーパの浮遊状態、吸着状態を示す模式図である。 図12(B)に示す状態の後、負圧ポンプを反転作動させた状態を示す模式図である。
符号の説明
10 燃料タンク
12 キャニスタ
14 ポンプモジュール
15 液面センサ
38 負圧ポンプ
40 圧力センサ
50 ECU
52 トラップ容器

Claims (8)

  1. 燃料タンクと、
    前記燃料タンクと接続され、前記燃料タンク内で発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、
    前記キャニスタと接続され、前記キャニスタを介して前記燃料タンクを含む閉路空間に負圧を導入するポンプと、
    前記閉路空間に負圧を導入する前に、前記ポンプを反転させることで前記キャニスタを介して前記閉路空間に正圧を導入する正圧導入手段と、
    前記閉路空間に正圧を導入する時間を制御する正圧導入時間制御手段と、
    を備えたことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  2. 前記燃料タンク内の燃料残量を取得する燃料残量取得手段を備え、
    前記正圧導入時間制御手段は、燃料残量が少ない場合ほど前記閉路空間に正圧を導入する時間を長くすることを特徴とする請求項1記載の蒸発燃料処理装置。
  3. 燃料残量が多い場合ほど前記閉路空間に負圧を導入する時間を短くする負圧導入時間制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項2記載の蒸発燃料処理装置。
  4. 前記負圧導入時間制御手段は、燃料残量が多い場合ほど前記閉路空間に負圧を導入する時間の上限値を短時間に設定することを特徴とする請求項3記載の蒸発燃料処理装置。
  5. 前記ポンプにより前記閉路空間に負圧を導入した状態で、前記閉路空間での圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段で検出された圧力に基づいて、前記燃料タンクを含む閉路空間における漏れの状態を判定する判定手段と、
    を更に備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蒸発燃料処理装置。
  6. 燃料タンクと、
    前記燃料タンクと接続され、前記燃料タンク内で発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、
    前記キャニスタと接続され、前記キャニスタを介して前記燃料タンクを含む閉路空間に負圧を導入するポンプと、
    前記ポンプにより負圧を導入した際に前記ポンプから排出された蒸発燃料を捕集する捕集手段と、
    前記閉路空間に負圧を導入した後、前記ポンプを反転させることで前記キャニスタを介して前記閉路空間に正圧を導入し、前記捕集手段内の蒸発燃料を前記閉路空間に戻す正圧導入手段と、
    前記閉路空間に正圧を導入する時間を制御する正圧導入時間制御手段と、
    を備えたことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  7. 前記燃料タンク内の燃料残量を取得する燃料残量取得手段を備え、
    前記正圧導入時間制御手段は、燃料残量が少ない場合ほど前記閉路空間に正圧を導入する時間を長くすることを特徴とする請求項6記載の蒸発燃料処理装置。
  8. 前記ポンプにより前記閉路空間に負圧を導入した状態で、前記閉路空間での圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段で検出された圧力に基づいて、前記燃料タンクを含む閉路空間における漏れの状態を判定する判定手段と、
    を更に備えたことを特徴とする請求項6又は7記載の蒸発燃料処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009293615A (ja) * 2008-05-09 2009-12-17 Nissan Motor Co Ltd エバポパージシステムのリーク診断装置
JP2013245653A (ja) * 2012-05-29 2013-12-09 Denso Corp 燃料蒸気漏れ検出装置

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