JP2007167055A - 挿し木の発根方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素原子数が5〜24のケトール脂肪酸であって、炭素原子間の二重結合の数が1〜6個であり、かつαケトール構造又はγケトール構造を有するケトール不飽和脂肪酸を有効成分化合物として用いてサクラ属樹木、オトギリソウ属樹木又はマメ科パラセリアンテス属樹木に、有効成分化合物を含有する液剤もしくは乳剤を散布または塗布するか又は樹木を有効成分化合物を含む液に含浸させることによって挿し木を発根させる。
【選択図】図1
Description
それは純系の種子を用いないと繁殖植物の形質が区々になってしまうからであるが、種子繁殖では純系の種子を得ることに困難を伴う植物も多い。
さらに、種子繁殖では、種子が容易に採取できる植物に繁殖対象が限定されてしまうという別な問題もある。
また、それらの下に付記されたアンダーラインは、「Z」及び「E」が本来イタリック体で表記されるべきものであることを示す。
本発明で用いる植物発根誘導剤の有効成分は、前記ケトール不飽和脂肪酸(好ましくは前記した炭素原子数が5〜24のケトール脂肪酸であって、炭素間の二重結合が1〜6であり、かつαケトール構造又はγケトール構造を有する9−ヒドロキシ−10−オキソ−12(Z),15(Z)−オクタデカジエン酸)、である。このαケトール構造又はγ構造ケトール構造を持つケトール不飽和脂肪酸はカルボニル基を構成する炭素原子と水酸基が結合した炭素原子がα位又はγ位の位置にある不飽和脂肪酸である。
以下において、本発明の植物発根誘導剤の有効成分であるα又はγケトール構造を有するケトール不飽和脂肪酸の製造方法について、前記した特定ケトール脂肪酸(1a)ないし(4a)を例に用いながら詳細に説明する。なお、本発明のサクラ属樹木、オトギリソウ属樹木又はマメ科パラセリアンテス属樹木の発根方法では、炭素原子数が5〜24のケトール脂肪酸であって、炭素原子間の二重結合の数が1〜6個であり、かつαケトール構造又はγケトール構造を有するケトール不飽和脂肪酸を有効成分として用いるものである。
(1)天然物に含まれていることが明らかな態様の特定ケトール脂肪酸は、この天然物から抽出精製することで製造することができる(以下、抽出法という)。
(2)不飽和脂肪酸にリポキシゲナーゼ等の酵素を、植物体内における脂肪酸代謝経路に準じて作用させることにより特定ケトール脂肪酸を得ることができる(以下、酵素法という)。
(3)所望する特定ケトール脂肪酸の具体的構造に応じて、既知の通常の化学合成法を駆使して特定ケトール脂肪酸を得ることができる(以下、化学合成法という)。
それらの製造方法に関し、以下において具体的に説明する。
特定ケトール脂肪酸(1a)は、ウキクサ科植物の一種であるアオウキクサ(Lemna paucicostata) から抽出・精製して得ることができる。この抽出法における原材料となるアオウキクサ(Lemna paucicostata) は、池や水田の水面に浮遊し、かつ水面に浮かぶ葉状体が各々1本の根を水中に下ろす小型の水草であり、比較的増殖速度が速いことで知られている。その花は、葉状体の体側に形成され、1本の雄しべだけからなる雄花2個と1個の雌しべからなる雌花が、共通した小さな苞に包まれている。
浸漬時間は、室温で2〜3時間程度でも可能であるが、特に限定されるべきものではない。前記した方法で特定ケトール脂肪酸(1a)の出発物を調製する場合には、予め特定のストレスを与えることで、アオウキクサ内に特定ケトール脂肪酸(1a)をより産生するように誘導することができ、特定ケトール脂肪酸(1a)の製造効率上好ましい。
前記のように調製した出発物に以下に示すような分離・精製手段を施して、所望する特定ケトール脂肪酸(1a)を製造することができる。
以上、特定ケトール脂肪酸(1a)を抽出法で製造する工程について説明したが、所望する態様の特定ケトール脂肪酸が、アオウキクサ以外の植物において存在する場合には、上記に準じた方法や、上記の方法の変法を駆使することにより、その特定ケトール脂肪酸を製造することが可能である。
酵素法の出発物質として典型的なものとしては、所望する特定ケトール脂肪酸の構造に応じた位置に二重結合が存在し、かつその炭素数が5〜24の各種不飽和脂肪酸を挙げることができる。前記不飽和脂肪酸としては、例えばオレイン酸、バクセン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、9,11-octadecadienoic acid 、10,12-octadecadienoic acid、9,12,15-octadecatrienoic acid 、6,9,12,15-octadecatetraenoic acid 、11,14-eicosadienoic acid、5,8,11-eicosatrienoic acid、11,14,17-eicosatrienoic acid、5,8,11,14,17-eicosapentaenoic acid、13,16-docosadienoic acid、13,16,19-docosatrienoic acid、7,10,13,16-docosatetraenoic acid、7,10,13,16,19-docosapentaenoic acid 、4,7,10,13,16,19-docosahexaenoic acid等を挙げることができるが、これらの不飽和脂肪酸に限定されるものではない。
なお、前記した2工程の酵素反応は、別々に行うことも、連続して行うことも可能である。
このγ−ケトール化合物は、上記(1)の欄で述べたHPLC等の既知の通常の分離手段を用いることにより容易にα−ケトール化合物と分離することができる。
特定ケトール脂肪酸は、既知の通常の化学合成法を駆使することにより製造することもできる。例えば、その一端にアルデヒド基等の反応性基を有し、他端に保護基を結合させたカルボキシル末端を付加させた飽和炭素鎖を既知の通常の方法により合成し、これとは別にcis-3-ヘキセン-1-オール等の不飽和アルコール等を出発物質として、所望の位置に不飽和基を有する反応性末端を有する不飽和炭素鎖とを合成する。次いで、上記飽和炭化水素鎖とこの不飽和炭素鎖とを反応させて、特定のケトール脂肪酸を製造することができる。なお、この一連の反応において、反応を企図しない末端に付加する保護基や反応を促進するための触媒は、具体的な反応様式に応じて適宜選択して用いることができる。
i)特定ケトール脂肪酸(1a)の合成
本発明の発根方法の有効成分である特定ケトール脂肪酸(1a)は、以下の方法で製造することができる。
Nonanedioic acid monoethyl esterを出発原料として、N,N'-carbonyldiimidazoleと反応させ、酸イミダゾリドとした後に、低温でLiAlH4還元して対応するアルデヒドをまず合成する。
なお、上記出発物質を例えば1,9-nonanediol等のジオールとして、同様のアルデヒドを合成することも可能である。
以下に、この特定ケトール脂肪酸(1a)の合成工程について、簡単なフローチャートを示す。
Nonanedioic acid monoethyl ester を出発原料として、塩化チオニルと反応させることにより酸クロリドとし、その後NaBH4還元を行い酸アルコールを生成させる。
次いで、この酸アルコールの遊離カルボン酸を保護した後に、triphenylphosphine及びcarbon tetrabromideと反応させ、得られた臭化化合物にtriphenylphosphineを反応させ、更にn−BuLiの存在下でchloroacetaldehydeと反応させることによりcisオレフィンを構築し、更にこれとmethylthiomethyl p-tolyl sulfoneとを反応させた。
この反応物をn−BuLiの存在下で、これとは別にcis-3-hexen-1-olのPCC酸化により誘導したアルデヒドと反応させ、最後に脱保護することにより、所望する特定ケトール脂肪酸(2a)を合成することができる。
以下に、この特定ケトール脂肪酸(2a)の合成工程の一例の簡単なフローチャートを示す。
Methyl vinyl ketoneを出発原料とし、LDA及びDMEの存在下でtrimethylsilylchlorideを反応させ、得られたシリルエーテルを、低温(-70℃)でMCPBA及びtrimethylamine hydrofluoric acidを添加してケトアルコールを調製する。
その後、このケトアルコールのカルボニル基を保護した後に、triphenylphosphine及びtrichloroacetoneを反応試薬に用いて、オレフィンに塩化物を付加させることなく反応させる。
以下に、この特定ケトール脂肪酸(3a)の合成工程について簡単なフローチャートを示す。
本植物発根誘導剤の有効成分は、前記したとおり炭素原子数が5〜24のケトール脂肪酸であって、炭素間の二重結合が1〜6であり、かつαケトール構造又はγケトール構造を有するケトール不飽和脂肪酸である。そのうちのαケトール構造を有するケトール不飽和脂肪酸は、炭素原子数が5〜24であって、炭素間の二重結合が1〜6であり、前記一般式(1)又は(2)で表すことができる。また、γケトール構造を有するケトール不飽和脂肪酸は、炭素原子数が7〜24であって、炭素間の二重結合が1〜6であり、前記一般式(3)又は(4)で表すことができる。
なお、それらの一般式におけるR1、R2、R3及びR4は前記したとおりである。
その最も特徴的なところは、植物の生長点のみならず、茎や葉をはじめとする植物体の一部又は全体に液剤や乳剤として散布、滴下あるいは塗布等することができることであり、この点が従来のオーキシン系発根誘導剤と大きく異なる。
オーキシン系発根誘導剤は、挿し木や挿し芽の切り口を土壌に挿す前に高濃度のオーキシン溶液に数時間浸漬するか、あるいはオーキシンの粉剤切り口に一本ずつ添着させることが必要で大量処理を困難にしていた。
以下において、本発明の植物発根誘導剤に使用する化合物の特定ケトール脂肪酸(1a)の製造例、その化合物の同定試験例及びその化合物による発根誘導性能試験例を実施例1として具体的に示すが、本発明は、この実施例によって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
本植物発根誘導剤の一種であり、かつ特定ケトール脂肪酸(1a)である〔9-hydroxy-10-oxo-12 (Z), 15(Z)-octadecadienoic acid 〕を酵素法により以下のとおり製造した。
1.コメ胚芽由来のリポキシゲナーゼの調製
コメ胚芽350g を石油エーテルで洗浄、脱脂及び乾燥したもの(250g )を、0.1M酢酸緩衝液(pH4.5)1.25Lに懸濁し、この懸濁物をホモジナイズした。
その後かかるホモジナイズ抽出液を16000rpmで15分間遠心分離し、上清(0.8L)を得た。
その後、遠心を9500rpmで30分間行い、これにより得られた沈澱物(コメ胚芽抽出液の硫安30〜70%飽和画分)をpH4.5の酢酸緩衝液300mLに溶解し、63℃で5分間加熱処理を行った。
さらに、生成した沈澱物を除去して、得られた上清を、RC透析チューブ(Spectrum社製ポア4:MWCO 12000〜14000)を用いて透析(3L×3)により脱塩後、所望するコメ胚芽由来のリポキシゲナーゼの粗酵素液を得た。
アマ種子は、一丸ファルコス社から購入し、このアマ種子200gに、アセトン250mLを添加してホモジナイズ(20s×3)し、得られた沈澱物を目皿ロートで濾取し、溶媒を除去した。
次いで、その沈澱物を再びアセトン250mLに懸濁してホモジナイズ(10s×3)し、再度沈澱物を得た。
その沈澱物をアセトン及びエチルエーテルで洗浄後、乾燥して、アマ種子のアセトン粉末を得た(150g )。
得られた抽出物を、11000rpmで30分間遠心し、これにより得られた上清(380mL)に硫酸アンモニウム105.3g(0〜45%飽和)を加え、氷冷下で1時間静置し、さらに11000rpmで30分間遠心して得られた沈澱物を、50mMリン酸緩衝液(pH7.0)150mLに溶解し、透析して脱塩し(3L×3)、所望するアマ種子由来のアレンオキサイドシンターゼの粗酵素液を得た。
出発原料とするα−リノレン酸は、水における溶解性が著しく低いので、酵素基質として働くことを容易にするために、α−リノレン酸をナトリウム塩化した。
すなわち、炭酸ナトリウム530mgを、精製水10mLに溶解して55℃に加温し、これにα−リノレン酸(ナカライテスク社)を278mg滴下して、3時間攪拌した。
反応終了後、イオン交換樹脂[Dowex50W-X8(H+form)(ダウケミカル社製)]で中和すると沈澱物が生成した。
これを濾過して樹脂を分離し、MeOHで溶解後、減圧下で溶媒を留去した。
これにより得られた生成物をイソプロパノールで再結晶し、所望するα−リノレン酸のナトリウム塩(250mg,83%)を得た。
上記3により得られたα−リノレン酸のナトリウム塩(15mg:50μmol )を、0.1Mのリン酸緩衝液(pH7.0)30mLに溶解した。
得られた溶液に、酸素気流下25℃で上記1により得たコメ胚芽由来のリポキシゲナーゼの粗酵素液を3.18mL添加し、30分間攪拌し、その後、更に同じくコメ胚芽由来のリポキシゲナーゼの粗酵素液3.18mLを添加して30分間攪拌した。
この攪拌終了後、このリポキシゲナーゼ反応物に、窒素気流下で上記2で得たアレンオキサイドシンターゼの粗酵素液34.5mLを添加して、30分間攪拌した後、氷冷下希塩酸を添加して反応溶液のpHを3.0に調整した。
その抽出により得られた有機層に硫酸マグネシウムを加えて脱水し、減圧下、溶媒を留去して乾燥した。
このようにして得られた粗生成物をHPLCにかけて、その特定ケトール脂肪酸(1a)と認められるピーク(リテンションタイム:16分付近)を分取した。
その分取した画分にクロロホルムを加え、クロロホルム層を分離して水洗し、エバポレーターでこのクロロホルムを留去して、精製物を得た。
この得られた精製物の構造を確認するために重メタノール溶液で1H及び13C−NMRスペクトルを測定し、その測定スペクトルを表Iに示した。
さらに、前記測定した表1の13C−NMRのケミカルシフト値を、特定ケトール脂肪酸(1a)の13C−NMRのケミカルシフト値(〔特許文献3、第7頁第11欄下から第1行目以降に記載されている「製造例(抽出法)」における13C−NMRのケミカルシフト値(第8頁左欄第3行目以降段落番号0054・段落番号0055)〕と比較したところ一致した。
したがって、上記のようにして得た酵素法による合成品は、確かに、特定ケトール脂肪酸(1a)の9-hydroxy-10-oxo-12 (Z), 15(Z)-octadecadienoic acidであることが確認できた。
この実施例2においては、本発明の発根方法の有効成分化合物である特定ケトール脂肪酸(1a)、すなわち9−ヒドロキシ−10−オキソ−12(Z),15(Z)−オクタデカジエン酸を用いてソメイヨシノ(桜)の発根誘導性能試験を行い、その観察結果を示すが、本発明は、この実施例によって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。その評価試験方法及び試験結果は以下のとおりである。
本発根剤単独、それと既存の発根剤との組み合わせ等の15種の実験区を用いて、ソメイヨシノに関し発根誘導性能試験を行った。その試験に用いた既存の発根剤は、下記式(5)で示されインドール誘導体(以下、「IBL」と略記する)及びオキシベロン(以下「OX」又は「Oxy」と略記する)である。なお、本試験においては、本発根剤は「KODA」と略記する。
各実験区で用いた発根剤組成は、以下のとおりである。
実験区(1)水:実験区(2)KODA10μM:実験区(3)KODA100μM:実験区(4)Oxy:実験区(5)IBL50ppm:実験区(6)IBL100ppm:実験区(7)KODA10μM+Oxy:実験区(8)KODA100μM+Oxy:実験区(9)KODA10μM+IBL50ppm:実験区(10)KODA100μM+IBL50ppm:実験区(11)KODA10μM+IBL100ppm:実験区(12)KODA100μM+IBL100ppm:実験区(13)KODA10μM+IBL50ppm+Oxy:実験区(14)KODA100μM+IBL50ppm+Oxy:実験区(15)KODA100μM+IBL100ppm+Oxy。
実験に使用したソメイヨシノの枝は、住友林業緑化(株)から購入した。
それを先端から5〜8cm程度の長さをカットして、赤玉土とバーミキュライトとを7:3の比率にて配合されたトレイ中の混合土壌に挿した。
その際、各実験区には10本の枝を用いた。
なお、その実験の開始は、3月上旬だったので葉は未だ展開していなかった。
発根試験に使用するオキシベロン(Oxy)は、オキシベロン液剤(インドール酪酸0.4%含有、バイエルクルップサイエンス)を40倍に希釈し、それにOxyを用いる実験区(4)(7)(8)(13)(14)(15)用のソメイヨシノの枝を3時間漬けた後、それぞれの実験区の土壌に挿した。
実験区(1)0%:実験区(2)10%:実験区(3)10%:実験区(4)0%:実験区(5)0%:実験区(6)0%:実験区(7)30%:実験区(8)10%:実験区(9)20%:実験区(10)30%:実験区(11)20%:実験区(12)30%:実験区(13)10%:実験区(14)20%:実験区(15)30%。
なお、生存している挿し木は全て活発な発根が認められた。
以上のとおりであるから、本発根剤は、従来挿し木は不可能とされていたソメイヨシノに対し優れた発根誘導性能を有することがわかる。
この実施例3においては、実施例2と同様に、本発明の発根方法の有効成分である特定ケトール脂肪酸(1a)を用いて、ビヨウヤナギの発根誘導性能試験を行った。
その各実験区において用いた発根剤組成及び発根試験手順は、実施例2と同様とした。
その試験の結果、本発根剤(10μM)及びIBL(50ppm)を用いた場合には、ビヨウヤナギの挿し木は100%生存することがわかった。
すなわち、棒グラフの頭部に「*」が配置された実験区においては、水処理区(実験区(1))に比較して発根量が明らかに増加したことを示すものである。
〔ファルカタの発根誘導性能試験〕
合板の製造原料として有用なファルカタ(Paraserianthes falcataria)は熱帯木であるが、他の樹種と同様に木のエイジが進むと挿し木が不可能になる。挿し木が不可能になったファルカタを用いて、KODAまたは既存の発根誘導剤オキシベロン(バイエルクロップサイエンス株式会社製)を用いて、挿し木増殖を試みた。培養土は赤玉小粒を用いた。2ヶ月後の結果を表IIに示したとおり、ファルカタはオキシベロンでも全く発根が誘導されなかったが、10μMのKODAを噴霧することにより44%の発根率を得た。
Claims (4)
- サクラ属樹木、オトギリソウ属樹木又はマメ科パラセリアンテス属樹木の切断木に、炭素原子数が5〜24のケトール脂肪酸であって、炭素原子間の二重結合の数が1〜6個であり、かつαケトール構造又はγケトール構造を有するケトール不飽和脂肪酸を含む溶液を塗布又は散布することを特徴とする挿し木の発根方法。
- サクラ属樹木、オトギリソウ属樹木又はマメ科パラセリアンテス属樹木の切断木を炭素原子数が5〜24のケトール脂肪酸であって、炭素原子間の二重結合の数が1〜6個であり、かつαケトール構造又はγケトール構造を有するケトール不飽和脂肪酸を含む溶液に含浸することを特徴とする挿し木の発根方法。
- 前記樹木がソメイヨシノ又はビヨウヤナギである請求項1又は2に記載の発根方法。
- 前記ケトール脂肪酸が9−ヒドロキシ−10−オキソ−12(Z),15(Z)−オクタデカジエン酸である請求項1〜3のいずれか1項に記載の発根方法。
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