JP2007165731A - 絶縁膜の製造方法、薄膜トランジスタの製造方法及び液晶表示デバイスの製造方法 - Google Patents

絶縁膜の製造方法、薄膜トランジスタの製造方法及び液晶表示デバイスの製造方法 Download PDF

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忠 新村
Keisuke Unosawa
圭佑 宇野澤
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Abstract

【課題】結晶化半導体薄膜の表面上に低温及び短時間において絶縁耐性に優れた良質な膜質を有する絶縁膜を形成する絶縁膜の製造方法、薄膜トランジスタの製造方法及び液晶表示デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁膜(ゲート絶縁膜3)及び薄膜トランジスタ10の製造方法において、基板1上に半導体薄膜2を形成し、半導体薄膜2を結晶化し、結晶化半導体薄膜20を形成し、結晶化半導体薄膜20の表面に異方性酸化を行い、結晶化半導体薄膜20の表面上に異方性酸化膜31を形成し、異方性酸化膜31の表面上に絶縁膜32を成膜する工程を備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、絶縁膜の製造方法、薄膜トランジスタの製造方法及び液晶表示デバイスの製造方法に関し、特に結晶化半導体薄膜の表面上に絶縁膜を形成する絶縁膜の製造方法、この絶縁膜をゲート絶縁膜として使用する薄膜トランジスタの製造方法及びこの薄膜トランジスタを備えた液晶表示デバイスの製造方法に関する。本発明は、特に液晶表示装置等の電子デバイスを構築する薄膜トランジスタの製造方法に適用して有効な技術に関する。
液晶表示装置(液晶表示パネル)を構築する薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)の製造方法には、下記工程が含まれる。
まず最初に、石英ガラス基板上に非晶質シリコン薄膜を成膜する。比較的低温において結晶化が可能なELA(エキシマレーザーアニール)を使用し、非晶質シリコン薄膜を溶融し凝固することにより多結晶シリコン薄膜を形成する。この多結晶シリコン薄膜上にゲート絶縁膜を形成する。ゲート絶縁膜上にゲート電極を成膜し、このゲート電極を所定の形状にパターンニングする。更に、ゲート電極の両側にソース領域及びドレイン領域として使用される一対の主電極領域を形成することにより、薄膜トランジスタを製造することができる。
この薄膜トランジスタの製造方法において、成膜時間が短く、低温成膜が可能なTEOS(Tetraethoxysilane)膜がゲート絶縁膜に使用されている。下記特許文献1及び特許文献2に記載されるように、プラズマ酸化法を利用して成膜された酸化膜は、良質な膜質を有し、ゲート絶縁膜には最適である。ところが、プラズマ酸化法を利用してゲート絶縁膜を形成する場合には成膜時間が長くなり、プラズマ酸化法は液晶表示装置の量産化に適してしない。
また、熱酸化法を利用して成膜された酸化膜は、プラズマ酸化法を利用して成膜された酸化膜と同様に良質な膜質を有する。ところが、熱酸化法を利用してゲート絶縁膜を形成する場合には1000℃程度の高温が必要であり、石英ガラス基板自体が400℃程度の耐熱温度しかないので、熱酸化法は液晶表示装置の製造プロセスに適していない。
特開平4−43642号公報 特開2002−164543号公報
前述の液晶表示装置の製造方法、詳細には薄膜トランジスタの製造方法においては、以下の点について配慮がなされていなかった。ゲート絶縁膜の形成に先立ち、ELAを使用して非晶質シリコン薄膜から多結晶シリコン薄膜に結晶化すると、結晶粒の成長過程において結晶粒と結晶粒との間の結晶粒界が隆起し突起が生成されてしまう。そして、ゲート絶縁膜はこの多結晶シリコン薄膜の突起が存在する表面上に成膜される。
このような多結晶シリコン薄膜の突起が存在する表面上にゲート絶縁膜を成膜した薄膜トランジスタにおいては、ゲート絶縁膜の突起に接する部分に応力集中が生じ、ゲート絶縁膜にクラックが発生し易い。また、ゲート絶縁膜の突起が存在する部分の膜厚はそれ以外の膜厚に比べて薄くなり、かつ多結晶シリコン薄膜つまりゲート電極の突起部分には電界集中が生じるので、ゲート絶縁膜のリーク電流が増大し易く、或いはゲート絶縁膜の絶縁耐圧が劣化し易い。結果的に、薄膜トランジスタの製造上の歩留まりが低下するばかりか、液晶表示装置の製造上の歩留まりが低下してしまう。
一方、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜の膜厚を厚くすれば、ゲート絶縁膜のクラックの発生、リーク電流の増加、絶縁耐圧の劣化を抑制することができる。しかしながら、ゲート絶縁膜の膜厚の増加に伴い、ゲート電極に印加する動作電圧を上昇する必要があり、液晶表示装置の消費電力が増大してしまう。また、動作電圧を上昇しない場合には、薄膜トランジスタのオン動作が遅くなるので、液晶表示装置の動作速度特に画像表示速度が低下してしまう。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、結晶化半導体薄膜の表面上に低温及び短時間において絶縁耐性に優れた良質な膜質を有する絶縁膜を形成することができる絶縁膜の製造方法を提供することである。
更に、本発明の目的は、結晶化半導体薄膜の表面上に低温及び短時間において絶縁耐性に優れた良質な膜質を有するゲート絶縁膜を形成することができる薄膜トランジスタ及び液晶表示デバイスの製造方法を提供することである。
本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、絶縁膜の製造方法において、基板上に半導体薄膜を形成する工程と、半導体薄膜を結晶化し、結晶化半導体薄膜を形成する工程と、結晶化半導体薄膜の表面に異方性酸化を行い、結晶化半導体薄膜の表面上に異方性酸化膜を形成する工程と、異方性酸化膜の表面上に絶縁膜を成膜する工程とを備える。
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、絶縁膜の製造方法において、基板上に非晶質シリコン薄膜を形成する工程と、非晶質シリコン薄膜にレーザ光を照射して溶融し、引き続き冷却して多結晶シリコン薄膜を形成する工程と、多結晶シリコン薄膜の表面に異方性酸化を行い、多結晶シリコン薄膜の表面の粒界に発生する突起を選択的に酸化し、多結晶シリコン薄膜の表面上に異方性酸化膜を形成する工程と、異方性酸化膜の表面上に絶縁膜を成膜する工程とを備える。
本発明の実施の形態に係る第3の特徴は、薄膜トランジスタの製造方法において、基板上に非晶質シリコン薄膜を形成する工程と、非晶質シリコン薄膜にレーザ光を照射して溶融し、引き続き冷却して多結晶シリコン薄膜を形成する工程と、多結晶シリコン薄膜の表面に異方性酸化を行い、多結晶シリコン薄膜の表面の粒界に発生する突起を選択的に酸化し、多結晶シリコン薄膜の表面上に異方性酸化膜を形成する工程と、異方性酸化膜の表面上に絶縁膜を成膜する工程と、を備え、更に異方性酸化膜及び絶縁膜を含むゲート絶縁膜を形成する工程と、ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、ゲート電極の両側に一対の主電極領域を形成する工程とを備える。
本発明の実施の形態に係る第4の特徴は、液晶表示デバイスの製造方法において、第1の透明基板上に非晶質シリコン薄膜を形成する工程と、非晶質シリコン薄膜にレーザ光を照射して溶融し、引き続き冷却して多結晶シリコン薄膜を形成する工程と、多結晶シリコン薄膜の表面に異方性酸化を行い、多結晶シリコン薄膜の表面の粒界に発生する突起を選択的に酸化し、多結晶シリコン薄膜の表面上に異方性酸化膜を形成する工程と、異方性酸化膜の表面上に絶縁膜を成膜する工程と、異方性酸化膜及び絶縁膜を含むゲート絶縁膜を形成する工程と、ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、ゲート電極の両側に一対の主電極領域を形成し、ゲート絶縁膜、ゲート電極及び一対の主電極領域を有する薄膜トランジスタを形成する工程と、第1の透明基板上に第2の透明基板を対向配置させ、第1の透明基板と第2の透明基板との間に液晶を封入する工程とを備える。
本発明によれば、結晶化半導体薄膜の表面上に低温及び短時間において絶縁耐性に優れた良質な膜質を有する絶縁膜を形成することができる絶縁膜の製造方法を提供することができる。
更に、本発明によれば、結晶化半導体薄膜の表面上に低温及び短時間において絶縁耐性に優れた良質な膜質を有するゲート絶縁膜を形成することができる薄膜トランジスタ及び液晶表示デバイスの製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
[薄膜トランジスタ及びそのゲート絶縁膜の製造方法]
本発明の第1の実施の形態は、液晶表示装置(液晶表示パネル)を構築する薄膜トランジスタの製造方法、更に詳細には薄膜トランジスタのゲート絶縁膜の製造方法に本発明を適用した例を説明するものである。
第1の実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法は、図1に示すように、まず最初に基板1を準備し、この基板1の表面上の全面に非晶質シリコン薄膜(結晶化前の半導体薄膜)2を成膜する。基板1には石英ガラス基板が使用される。非晶質シリコン薄膜2はCVD法又はスパッタリング法により成膜することができる。
次に、ELAを使用して非晶質シリコン薄膜2を溶融し、冷却凝固することにより、図2に示すように、結晶化された多結晶シリコン薄膜(結晶化半導体薄膜)20を形成する。この多結晶シリコン薄膜20の結晶粒の成長過程において、結晶粒と結晶粒との間の結晶粒界が隆起し突起201が生成される。
この突起201が存在する状態において、フォトリソグラフィ技術を使用して多結晶シリコン薄膜20を所定の形状にパターンニングし、多結晶シリコン薄膜20の島領域を形成する。ここで、フォトリソグラフィ技術とは、フォトレジスト膜の塗布工程、露光工程及び現像工程を経てエッチングマスクを形成する工程と、このエッチングマスクを使用して多結晶シリコン薄膜20をパターンニングする工程と、エッチングマスクを除去する工程とを含む意味において使用されている。また、所定の形状とは、第1の実施の形態においては薄膜トランジスタを製造するので、薄膜トランジスタのソース領域、ドレイン領域及びチャネル形成領域の輪郭形状である。
次に、図3に示すように、多結晶シリコン薄膜20の表面にプラズマを用いた異方性酸化を行い、多結晶シリコン薄膜20の表面の結晶粒界に発生する突起201を選択的に酸化し、多結晶シリコン薄膜20の表面上に異方性酸化膜(プラズマ酸化膜)31を形成する。異方性酸化膜(プラズマ酸化膜)31は、アルゴン(Ar)−酸素(O)雰囲気中、基板温度250℃〜450℃で、周波数40MHz〜100MHの高周波で励起したプラズマに、多結晶シリコン薄膜20を曝すことで形成することが出来る。例えば、アルゴン(Ar)−酸素(O)流量:700/10sccm、圧力:133Pa、基板温度:400℃、周波数:40MHz、高周波出力:500W、処理時間:10分の条件下においては、15nm程度の膜厚の酸化膜を、多結晶シリコン薄膜20の表面に形成することができる。
このような条件下において異方性酸化膜31を形成すると、この異方性酸化膜31の成長過程おいて、多結晶シリコン薄膜20の表面に存在する突起201に電界集中が発生し、この突起201のシリコンと酸素との反応が選択的に促進され、そして酸化が助長されるので、酸化によりシリコンが食われ、突起201の形状を小さくすることができるだけでなく、突起201の尖った形状が緩和され丸みを帯びてくる。図7(A)〜図7(C)は、多結晶シリコン20の突起201が存在する表面に異方性酸化膜31を成膜した後、異方性酸化膜31をウエットエッチングにより取り除いた状態を観察した写真である。図7(A)に示す写真において異方性酸化膜31の成膜時間(酸化時間)は1分、図7(B)に示す写真において成膜時間は3分、図7(C)に示す写真において成膜時間は10分である。これらの写真から明らかなように、異方性酸化膜31を形成することによって突起201の形状を小さくすることができ、かつ尖った形状を緩和することができる。更に、成膜時間を増やすことによって、突起201の形状の変化は顕著になる。換言すれば、異方性酸化膜31を形成することにより、多結晶シリコン薄膜20の表面に存在する突起201の形状を緩和することができるので、異方性酸化膜31の表面の平坦化を促進することができる。
また、異方性酸化膜31は、高電子密度のプラズマを利用して、更に基板1側に電圧を印加することにより形成してもよい。高電子密度のプラズマを利用する場合においては、ラジカル酸化により成膜中の異方性酸化膜31の表面にプラズマ中の電子を引き込み、異方性酸化膜に電界が与えられる。この与えられた電界によりイオン化した多結晶シリコン薄膜20のシリコンが異方性酸化膜31中に引き込まれ拡散され、シリコン表面に付着した酸素を負イオン化して基板1側にドリフトさせることができるので、シリコンと酸素との反応をより一層促進することができる。すなわち、多結晶シリコン薄膜20の表面に存在する突起201により一層電界集中が生じ易くなり、突起201の形状の変化をより顕著なものにすることができる。
次に、図4に示すように、異方性酸化膜31上に酸化膜32を成膜し、異方性酸化膜31及び酸化膜32を有するゲート絶縁膜3を形成する。酸化膜32は、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜、特に液晶表示装置を構築する薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として好適な、成膜時間が短く、低温成膜を実現することができるTEOS膜を使用する。具体的には、TEOS膜は、350℃以下の温度のプラズマCVD法を使用し、80nm〜200nmの範囲内の膜厚において成膜される。
図5に示すように、ゲート絶縁膜3の酸化膜32上にゲート電極4を形成する。ゲート電極4には例えばスパッタリング法により成膜したMoW膜を実用的に使用することができる。ゲート電極4は、成膜後にフォトリソグラフィ技術を使用して所定の形状にパターンニングされる。
図6に示すように、ゲート電極4のチャネル長方向の両側において、多結晶シリコン薄膜20に不純物を注入し、ソース領域及びドレイン領域として使用される一対の主電極領域22及び23を形成する。主電極領域22及び23は、例えばnチャネル導電型薄膜トランジスタを製造する場合にはAs、P等のn型不純物をイオン注入法により多結晶シリコン薄膜20中に注入し、注入された不純物を活性化することにより形成することができる。一対の主電極領域22及び23を形成することにより、双方の間においてゲート電極4下の多結晶シリコン薄膜20にチャネル形成領域21を形成することができる。
これら一連の製造工程が完了すると、液晶表示装置を構築するnチャネル導電型薄膜トランジスタ10を完成させることができる。
[薄膜トランジスタのゲート絶縁膜の絶縁破壊特性]
前述の第1の実施の形態に係る製造方法によって製造された薄膜トランジスタ10の絶縁破壊特性を説明する。
図8には絶縁破壊特性試験に使用されたモデルを示し、図9には絶縁破壊特性試験の測定結果を示す。図8において、薄膜トランジスタ10のチャネル形成領域21(多結晶シリコン薄膜20)とゲート電極4との間に直流電源11が挿入され、双方の間に直流電圧が印加される。図9において、下辺横軸は電界(MV/cm)を示し、上辺横軸は直流電圧(V)を示し、縦軸は直流電流(A)を示す。試料Aは膜厚100nmを有するTEOS膜のみの絶縁破壊特性を示す。試料Bは、異方性酸化膜31を10nmの膜厚において形成した後に膜厚100nmを有する絶縁膜(TEOS)32を形成したゲート絶縁膜3の絶縁破壊特性を示す。試料Aに示す、TEOS膜のみのゲート絶縁膜においては、ゲート電極4と多結晶シリコン薄膜20間に電圧を印加すると、2MV/cm以下の小さな電界強度においても、〜10-10A以上のリーク電流が流れているのに対して、試料Bに示す、異方性酸化膜31を形成したゲート絶縁膜3においては、2MV/cm以下の電界強度では、リーク電流を10-10A以下に抑制することができている。図9において、試料Bに示す、異方性酸化膜31を形成したゲート絶縁膜3における、3MV/cm程度の電界強度での急激な電流の増加は、異方性酸化膜が絶縁破壊したことを示している。このときゲート電極4と多結晶シリコン薄膜20間に印加される電圧は、およそ30V程度であり、現実の素子を動作させる上で、異方性酸化膜31は十分な絶縁破壊電圧を有していることが分かる。
以上説明したように、第1の実施の形態に係る、液晶表示装置の薄膜トランジスタ10の製造方法においては、異方性酸化膜31を形成する工程を追加することにより、多結晶シリコン薄膜(結晶化半導体薄膜)20の表面上に低温及び短時間において絶縁耐性に優れた良質な膜質を有するゲート絶縁膜3を形成することができ、ゲート電極4と多結晶シリコン薄膜20間のリーク電流を減少させることができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、前述の第1の実施の形態に係る液晶表示装置を構築する薄膜トランジスタ10の製造方法において異方性酸化膜31の製造にVHF(very high frequency)帯容量結合プラズマを使用した例を説明するものである。
[薄膜トランジスタ及びそのゲート絶縁膜の製造方法]
第2の実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法は基本的には前述の第1の実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法と同様であるが、異方性酸化膜31の製造方法が相違し、VHF帯容量結合プラズマを使用して異方性酸化膜31が形成されている。高周波プラズマ装置は、基板1を載置するステージをアースに接続し、基板1上の上部電極に高周波(RF)を供給する機能を備えている。この高周波の作用により、多結晶シリコン薄膜20の表面の結晶粒界に発生する突起201(図2参照)には電界をより一層集中させることができる。特に、40MHz〜100MHzの範囲内の周波数帯域のVHF帯容量結合プラズマを使用して成膜された異方性酸化膜31は、成膜時間が短く、かつ良質な膜質を備えている。
[薄膜トランジスタのゲート絶縁膜の成膜速度と膜質との間の関係]
図10には第2の実施の形態に係るゲート絶縁膜3の異方性酸化膜の膜質と屈折率との関係を示す。図10中、横軸は高周波の周波数(MHz)を示し、左辺縦軸は異方性酸化膜31の酸化速度(nm/min)を示し、右辺縦軸は異方性酸化膜31の屈折率を示す。
図10に示すように、高周波の周波数の増加に伴い異方性酸化膜31の屈折率が増加する傾向にあり、逆に高周波の周波数の増加に伴い酸化速度が減少する傾向にある。屈折率の増加は異方性酸化膜31の膜質が良好であることを意味する。第2の実施の形態においては、異方性酸化膜31の製造に上記VHF帯が使用されている。周波数帯域が40MHz未満の場合には、異方性酸化膜31の屈折率が上昇傾向にあるが、酸化速度の減少の傾きが大きい。また、周波数帯域が100MHzを越えるの場合には、異方性酸化膜31の屈折率は若干上昇傾向にあるものの、酸化速度がなかり減少する。従って、屈折率の上昇傾向が安定域にありかつ酸化速度の減少傾向が許容可能な範囲内の40MHz〜100MHzの範囲内の周波数帯域のVHF帯容量結合プラズマを使用して異方性酸化膜31が形成されている。
以上説明したように、第2の実施の形態に係る、液晶表示装置の薄膜トランジスタ10の製造方法においては、異方性酸化膜31を形成する工程を追加することにより、多結晶シリコン薄膜(結晶化半導体薄膜)20の表面上に低温及び短時間において絶縁耐性に優れた良質な膜質を有するゲート絶縁膜3を形成することができる。
(その他の実施の形態)
本発明は、前述の一実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変形可能である。例えば、前述の実施の形態においては、薄膜トランジスタ10のゲート絶縁膜3が異方性酸化膜31と酸化膜32との2層構造を有する場合について説明したが、本発明は、更に絶縁膜を追加して3層構造以上のゲート絶縁膜3にしてもよい。また、本発明は、ゲート絶縁膜3の少なくとも1つの層を窒化膜としてもよい。また、本発明は、単結晶シリコン薄膜若しくは多結晶シリコン薄膜(半導体薄膜)を結晶化つまり再結晶化により多結晶シリコン薄膜20にする場合にも適用することができる。
更に、本発明は、液晶表示装置を構築する薄膜トランジスタに限定されるものではなく、結晶性半導体薄膜を動作領域として使用するトランジスタ、例えばSOI(silicon on insulator)基板上に形成される薄膜トランジスタを集積化したロジック、メモリ等を搭載する電子デバイスに適用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示装置及び薄膜トランジスタの製造方法を説明する第1の工程断面図である。 第2の工程断面図である。 第3の工程断面図である。 第4の工程断面図である。 第5の工程断面図である。 第6の工程断面図である。 (A)乃至(C)第1の実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法において多結晶シリコン薄膜の表面状態を示す写真である。 第1の実施の形態に係る薄膜トランジスタの絶縁破壊特性試験に使用されたモデル図である。 図8のモデルを使用した絶縁破壊特性試験の測定結果を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示装置及び薄膜トランジスタの製造方法においてゲート絶縁膜を製造する際の高周波周波数と酸化速度と屈折率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…基板、2…非晶質シリコン薄膜(半導体薄膜)、20…多結晶シリコン薄膜(結晶化半導体薄膜)、21…チャネル形成領域、22、23…主電極領域、201…突起、3…ゲート絶縁膜、31…異方性酸化膜、32…絶縁膜、4…ゲート電極、10…薄膜トランジスタ、11…直流電源。

Claims (8)

  1. 基板上に半導体薄膜を形成する工程と、
    前記半導体薄膜を結晶化し、結晶化半導体薄膜を形成する工程と、
    前記結晶化半導体薄膜の表面に異方性酸化を行い、前記結晶化半導体薄膜の表面上に異方性酸化膜を形成する工程と、
    前記異方性酸化膜の表面上に絶縁膜を成膜する工程と、
    を備えたことを特徴とする絶縁膜の製造方法。
  2. 前記異方性酸化膜を形成する工程は、プラズマを用いた異方性酸化を行い、前記結晶化半導体薄膜の表面上に異方性酸化膜を形成する工程であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁膜の製造方法。
  3. 前記異方性酸化膜を形成する工程は、VHF帯容量結合プラズマを用いた異方性酸化を行い、前記結晶化半導体薄膜の表面上に異方性酸化膜を形成する工程であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の絶縁膜の製造方法。
  4. 前記異方性酸化膜を形成する工程は、40MHz〜100MHzの範囲内の周波数帯域のVHF帯容量結合プラズマを用いた異方性酸化を行い、前記結晶化半導体薄膜の表面上に異方性酸化膜を形成する工程であることを特徴とする請求項3に記載の絶縁膜の製造方法。
  5. 基板上に非晶質シリコン薄膜を形成する工程と、
    前記非晶質シリコン薄膜にレーザ光を照射して溶融し、引き続き冷却して多結晶シリコン薄膜を形成する工程と、
    前記多結晶シリコン薄膜の表面に異方性酸化を行い、前記多結晶シリコン薄膜の表面の粒界に発生する突起を選択的に酸化し、前記多結晶シリコン薄膜の表面上に異方性酸化膜を形成する工程と、
    前記異方性酸化膜の表面上に絶縁膜を成膜する工程と、
    を備えたことを特徴とする絶縁膜の製造方法。
  6. 基板上に非晶質シリコン薄膜を形成する工程と、
    前記非晶質シリコン薄膜にレーザ光を照射して溶融し、引き続き冷却して多結晶シリコン薄膜を形成する工程と、
    前記多結晶シリコン薄膜の表面に異方性酸化を行い、前記多結晶シリコン薄膜の表面の粒界に発生する突起を選択的に酸化し、前記多結晶シリコン薄膜の表面上に異方性酸化膜を形成する工程と、
    前記異方性酸化膜の表面上に絶縁膜を成膜する工程と、を備え、
    更に、前記異方性酸化膜及び前記絶縁膜を含むゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極の両側に一対の主電極領域を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 第1の透明基板上に非晶質シリコン薄膜を形成する工程と、
    前記非晶質シリコン薄膜にレーザ光を照射して溶融し、引き続き冷却して多結晶シリコン薄膜を形成する工程と、
    前記多結晶シリコン薄膜の表面に異方性酸化を行い、前記多結晶シリコン薄膜の表面の粒界に発生する突起を選択的に酸化し、前記多結晶シリコン薄膜の表面上に異方性酸化膜を形成する工程と、
    前記異方性酸化膜の表面上に絶縁膜を成膜する工程と、
    前記異方性酸化膜及び前記絶縁膜を含むゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極の両側に一対の主電極領域を形成し、前記ゲート絶縁膜、前記ゲート電極及び前記一対の主電極領域を有する薄膜トランジスタを形成する工程と、
    前記第1の透明基板上に第2の透明基板を対向配置させ、前記第1の透明基板と前記第2の透明基板との間に液晶を封入する工程と、
    を備えたことを特徴とする液晶表示デバイスの製造方法。
  8. 前記異方性酸化膜を形成する工程は、プラズマを用いた異方性酸化を行いて異方性酸化膜を形成する工程であることを特徴とする請求項5に記載の絶縁膜の製造方法、請求項6に記載の薄膜トランジスタの製造方法又は請求項7に記載の液晶表示デバイスの製造方法。
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