JP2007165448A - 窒化物半導体レーザ素子及びその製造方法 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】窒化物半導体レーザの横モードを安定化させて、低閾値の窒化物半導体レーザ素子とその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基板と、該基板上に積層され、その表面にリッジを有する窒化物半導体層と、少なくともリッジ両側の窒化物半導体層表面を被覆する第1の保護膜と、リッジ上及び第1の保護膜上に形成された電極とを備えた窒化物半導体レーザ素子であって、前記リッジ両側の窒化物半導体層上であって、第1の保護膜と電極との間に空洞が、あるいは第1の保護膜と電極とで囲まれた空洞が配置されている窒化物半導体レーザ素子。
【選択図】 図1

Description

本発明は、窒化物半導体レーザ素子及びその製造方法に関し、より詳細には、リッジ導波路構造を有した窒化物半導体レーザ素子及びその製造方法に関する。
窒化物半導体は、InxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、0≦x+y≦1)の化合物半導体によって形成されており、これを用いた半導体レーザ素子は、次世代DVDなどの大容量・高密度の情報記録・再生が可能な光ディスクシステムへの利用、パーソナルコンピュータ等の電子機器への利用など、種々の要求が高まりつつある。このため、窒化物半導体を用いた半導体レーザ素子の研究が盛んに行われている。
特に、レーザ素子構造に関しては、種々の研究がなされており、横モードの好適な制御を可能にする構造、低消費電力化、高出力化、高信頼性、小型化、長寿命化などを図るための構造などが提案されている。なかでも、リッジ導波路構造を有するものが、特に有望視されており、世界に先駆けて出荷が開始された窒化物半導体レーザ素子でも、この構造が採用されている。
このようなリッジ導波路構造の窒化物半導体レーザ素子を、上述した光ディスクシステムに適用するためには、より高速応答性が求められる。レーザ素子の高速化は、例えば、レーザ素子の等価回路のRC時定数(Rは素子抵抗、Cは素子容量)を小さくすることによって、パルス駆動電流入力に対する応答性(立上り時間、立下り時間)を短くすることが考えられる。
しかし、InxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、0≦x+y≦1)化合物半導体は、発光波長が短いために大容量・高密度の記録・再生を実現することはできるが、その材料固有の物性として、抵抗値が大きい。従って、高速応答性を図るためには、レーザ素子自体の容量を低減させることが要求される。
そこで、レーザ素子における素子容量に着目し、種々の工夫がなされている(例えば、特許文献1〜3等)が、未だ満足いくものが得られていないのが現状である。
特開平8−213691号 特開2001−44566号 特開2003−168845号
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、レーザ素子自体の容量をより低減することにより、高速応答性を向上させることができる窒化物半導体レーザ素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の窒化物半導体レーザ素子は、基板と、該基板上に積層され、その表面にリッジを有する窒化物半導体層と、少なくともリッジ両側の窒化物半導体層表面を被覆する第1の保護膜と、リッジ上及び第1の保護膜上に形成された電極とを備えた窒化物半導体レーザ素子であって、(1)前記リッジ両側の窒化物半導体層上であって、第1の保護膜と電極との間に空洞が配置されているか、(2)前記リッジ両側の窒化物半導体層上には、前記第1の保護膜と前記電極とで囲まれた空洞が配置されていることを特徴とする。
これらの窒化物半導体レーザ素子においては、空洞は、(1)リッジと略並行に配置されているか、(2)その高さh1がリッジの高さh2に対して1/50以上、1未満である
か、(3)第1の保護膜側において0.01〜2μmの幅を有することが好ましい。
また、第1の保護膜は、(1)空洞と接触する領域において均一な膜厚であるか、(2)窒化物半導体層よりも屈折率が小さいことが好ましい。
さらに、第1の保護膜上に第2の保護膜を有することが好ましい。
また、電極は、(1)第1の電極層と第2の電極層とを備えた2層以上の多層構造をしており、第1の保護膜に接して配置された前記第1の電極層の端面と、該第1の電極層を被覆する前記第2の電極層の端面との段差によって空洞の一部が規定されてなるか、(2)第1の電極層と第2の電極層とを備えた2層以上の多層構造であり、空洞は、第1の保護膜と第1の電極層と第2の電極層とで囲まれることにより形成されるか、(3)第1の電極層と第2の電極層とを備えた2層以上の多層構造であり、空洞は、第1の保護膜と第1の電極層と第2の電極層と第2の保護膜とで囲まれることにより形成されるか、(4)第1の電極層と第2の電極層と第3の電極層とを備えた3層以上の多層構造であり、空洞は、第1の保護膜と第1の電極層と第2の電極層と第3の電極層とで囲まれることにより形成されるか、(5)第1の電極層と第2の電極層と第3の電極層とを備えた3層以上の多層構造であり、前記空洞は、第1の保護膜と第2の電極層と第3の電極層とで囲まれることにより形成されるか、(6)第1の電極層と第2の電極層と第3の電極層とを備えた3層以上の多層構造であり、空洞は、第1の保護膜と第1の電極と第2の電極と第3の電極と第2の保護膜とで囲まれることにより形成されるか、(7)第1の電極層と第2の電極層と第3の電極層とを備えた3層以上の多層構造であり、空洞は、第1の保護膜と第2の電極と第3の電極と第2の保護膜とで囲まれることにより形成されることが好ましい。
さらに、第1の電極層の幅が前記第2の電極層の幅よりも小さいことが好ましい。
また、本発明の窒化物半導体レーザ素子の製造方法は、基板上に、表面にリッジを有する窒化物半導体層を形成する工程と、
該リッジ上面を露出するように窒化物半導体層上に第1の保護膜を形成する工程と、
前記リッジ上面に電気的に接触するように第1の電極層を形成する工程と、
該第1の電極層上に第2の電極層を形成する工程と、
所定の形状に加工された第2の電極層をマスクとして用いて、第1の電極層をエッチングすることにより、第1の電極層と第2の電極層との端面間に段差を形成する工程と、
さらに第2の電極層及び第1の保護膜の一部を被覆するように第3の電極層を形成することにより、第1の保護膜と電極との間に空洞を形成する工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、レーザ素子自体の容量をより低減することにより、高速応答性を向上させることができる。これにより、例えば、パルス駆動電流入力に対する応答性が1ns程度以下を実現でき、DVDの読み出し/書き込み用光源に適用した場合には、読み出し/書き込みの倍速化以上の高速化を実現することが可能となる。
また、本発明の窒化物半導体レーザ素子の製造方法によれば、特別な工程を追加することなく、簡便に上記レーザ素子を製造することが可能となる。
本発明の窒化物半導体レーザ素子は、主として、基板、窒化物半導体層、電極及び第1の保護膜を含んで構成される。
例えば、図1(a)及び(b)に示したように、2つの主面を有する基板10上に、窒化物半導体層として、n型半導体層11、活性層12、p型半導体層13がこの順に形成されている。窒化物半導体の表面にはリッジ14が形成されている。このリッジ14延長方向に対して略直交する方向の端面に共振面が形成される。リッジ14の両側であって、窒化物半導体層の表面には、第1の保護膜15が形成されている。リッジ14の上面には
、第1の保護膜15上からリッジ14上面にかけて、リッジ14と電気的に接続される電極、いわゆるp電極16が形成されている。このp電極16は、第1の保護膜18を介して、少なくともリッジ14の側面と窒化物半導体層の表面の一部上に形成されている。さらに、p電極16上には、p電極16に接続されるとともに、第1の保護膜15上におよぶパッド電極17が形成されている。
この窒化物半導体レーザ素子では、第1の保護膜15とp電極16及び/又はパッド電極17との間に、あるいは第1の保護膜15とp電極16及び/又はパッド電極17とで囲まれた空洞18が配置されている(図1(b)、図2及び図3参照)。第1の保護膜と電極との間とは、かならずしも、空洞の全ての部分が、第1の保護膜または電極に挟まれていることまでは必要としない。また、第1の保護膜と電極とで囲まれたとは、かならずしも、空洞の全ての部分が、第1の保護膜又は電極に接触している(囲まれている)ことまでは必要としない。
空洞は、特にその大きさは限定されないが、例えば、第1の保護膜側において0.01〜2μmの幅を有することが適当であり、その高さh1がリッジの高さh2に対して1/50以上、1未満であることが適当である。これらの範囲において、空洞の大きさの制御が容易だからである。ただし、空洞は、矩形、台形、三角形、L字型、不定形など、種々の断面形状を有していてもよい。
空洞は、リッジと略並行に存在することが好ましく、共振器方向に、1つの連なった空洞であってもよいし、複数の空洞に分割されて存在していてもよい。その共振器方向における端部に存在する空洞は保護膜等で埋め込まれていてもよいし、開放状態であってもよい。なお、空洞は必ずしも全ての領域において上述した幅及び高さを有していなくてもよい。また、空洞は、さらに第1の保護膜と電極との間の領域、あるいは第1の保護膜と電極とで囲まれる領域に、2以上形成されていてもよい。容量の低減に寄与するからである。
本発明において、基板は、絶縁性基板であってもよいし、導電性基板であってもよい。なお、絶縁性基板の場合には、窒化物半導体層の一部が厚さ方向に除去されてn型半導体層を露出し、その露出面に接触するようにn電極を配置することができる。導電性基板の場合には、窒化物半導体層が形成された面と反対側の面に接触するようにn電極を配置することができる。
窒化物半導体層としては、一般式InxAlyGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)のものを用いることができる。また、これに加えて、III族元素としてBが一部に置換されたものを用いてもよいし、V族元素としてNの一部をP、Asで置換されたものを用いてもよい。n型半導体層は、n型不純物として、Si、Ge、Sn、S、O、Ti、Zr、CdなどのIV族元素又はVI族元素等のいずれか1つ以上を含有している。また、p型半導体層は、p型不純物として、Mg、Zn、Be、Mn、Ca、Sr等を含有している。不純物は、例えば、5×1016/cm3〜1×1021/cm3程度の濃度範囲で含有されていることが好ましい。
活性層は、多重量子井戸構造又は単一量子井戸構造のいずれでもよい。
窒化物半導体層は、n型半導体層とp型半導体層に光の導波路を構成する光ガイド層を有することで、活性層を挟んだ分離光閉じ込め型構造であるSCH(Separate Confinement Heterostructure)構造とすることが好ましい。但し、本発明は、これらの構造に限定されるものではない。
窒化物半導体層の成長方法は、特に限定されないが、MOVPE(有機金属気相成長法
)、MOCVD(有機金属化学気相成長法)、HVPE(ハイドライド気相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)など、窒化物半導体の成長方法として知られている全ての方法を好適に用いることができる。特に、MOCVDは結晶性良く成長させることができるので好ましい。
窒化物半導体層、つまり、p型半導体層の表面に形成されたリッジは、導波路領域として機能するものである。リッジの幅は1.0μm〜30.0μm程度、さらに、1.0μm〜3.0μm程度が好ましい。その高さ(エッチングの深さ)は、p型半導体層を構成する層の膜厚、材料等によって適宜調整することができ、例えば、0.1〜2μmが挙げられる。なお、リッジは、共振器方向の長さが100μm〜2000μm程度になるように設定することが好ましい。リッジは、共振器方向においてすべて同じ幅でなくてもよいし、その側面が垂直であっても、テーパー状であってもよい。この場合のテーパー角は45〜90°程度が適当である。
第1の保護膜は、リッジ側面の一部又は全部を被覆し、さらに窒化物半導体層表面の一部又は全部を被覆するように形成されている。
第1の保護膜は、例えば、窒化物半導体層よりも屈折率が小さな絶縁材料によって形成することが好ましい。具体的には、Zr、Si、V、Nb、Hf、Ta、Al等の酸化物及び窒化物等の単層又は複数層が挙げられる。これにより、窒化物半導体層、特にp型半導体層に対する屈折率差を確保して、活性層からの光の漏れを制御することができ、リッジ内に効率的に光閉じ込めができる。また、リッジ基底部近傍における絶縁性をより確保することができ、リーク電流の発生を回避することができる。なお、第1の保護膜の膜厚は、特に限定されるものではないが、例えば、100Å〜20000Å程度、好ましくは100Å〜5000Åとすることが適当である。第1の保護膜の膜厚を厚くすることにより、より容量を低減させることができる。特に、第1の保護膜の膜厚が500Å以上である場合には、容量低減効果及びその他のLD特性をより向上させることができる。空洞が形成されている領域の第1の保護膜は、均一な膜厚であることが好ましい。これにより、容量の制御がより容易となる。
本発明における電極は、いわゆるp側の窒化物半導体層に電気的に接続される電極と、それに対になるn側の窒化物半導体層に電気的に接続される電極を意味する。
特に、p側の電極は、2層以上の多層構造で形成されることが好ましい。このように、多層構造とすることで、例えば、図1(b)に示すように、第1の保護膜15に接して配置された第1の電極層16aの端面と、第1の電極層と被覆する第2の電極層16bの端面との段差によって、空洞18の一部を規定することができる。つまり、特別な製造工程を追加することなく、第1の電極層16aと、第2の電極層16bとの膜厚及び/又は幅を所定の値に設定することにより、空洞18の大きさ及び形状等を自在に調整することが可能となり、容量の制御をより容易に行うことができる。このとき第1の電極層は、リッジ上面の窒化物半導体層との界面におけるオーミックをとる機能を有する。
具体的には、図2(a)に示すように、p側の電極が、第1の保護膜15に接して配置された第1の電極層16aと、第1の電極層と被覆する第2の電極層16bとから構成されていることにより、空洞28を、第1の保護膜15と、第1の電極層16aと、第2の電極層16bとで囲まれるように形成することができる。この場合、第1の電極層16aの幅を、第2の電極層16bの幅よりも小さくなるように設定し、第2の電極層16bが第1の保護膜15と接するようにすればよい。
また、図1(b)に示すように、p側の電極が、3層以上の多層構造で形成される場合、例えば、p側の電極として、いわゆるパッド電極17を構成する第3の電極層が、第2の電極層16bと第1の保護膜15上の一部領域とを被覆するように配置されていること
により、空洞18の別の部分が規定される。つまり、空洞18を、第1の保護膜15と、第1の電極層16aと、第2の電極層16bと、第3の電極層であるパッド電極17とで囲むことにより形成することができる。これにより、パッド電極材料を成膜するという通常の方法又はそれに準じた方法を実施することによって、空洞18を簡便に確保することが可能となる。
なお、図2(b)に示すように、空洞38を、第1の保護膜15と、第2の電極層26bと、第3の電極層であるパッド電極27とで囲まれることにより形成してもよい。
p側の電極を構成する電極層、例えば、第1〜第3の電極層は、いずれも単層であってもよいし、2層以上の積層構造であってもよい。特に、第1の電極層を積層構造とする場合には、第1の電極層の1層目の電極材料及び膜厚を適宜選択することにより、第1の保護膜及び半導体層との密着性を確保し、2層目以降で空洞の幅を制御して容量を低減させることが可能となる。また、第1の電極層を、NiとAuとの積層構造とした場合、Niがリッジ上面に付着している不純物を取りこむ効果があり、これにより電極と半導体層との界面の不純物による障壁を低減できるため、コンタクト抵抗が低減し、電圧を低減させるとともに、高速応答性をさらに高めることができる。
電極は、例えば、パラジウム、白金、ニッケル、金、チタン、タングステン、銅、銀、亜鉛、錫、インジウム、アルミニウム、イリジウム、ロジウム、ITO等の金属又は合金の単層膜又は積層膜により形成することができる。なかでも、抵抗が低いものが好ましい。p電極としては、例えば、Ni−Au系、Ni−Au−Pt系、Pd−Pt系、Ni−Pt系の電極材料等が挙げられる。電極の膜厚は、用いる材料等により適宜調整することができ、例えば、500〜5000Å程度が適当である。これらは公知の方法、例えば蒸着法、スパッタ法等により形成することができる。
さらに、第1の保護膜上の一部領域には第2の保護膜が形成されていることが好ましい。第2の保護膜は、窒化物半導体層の側面及び/又は基板の側面又は表面等をさらに被覆していることが好ましい。第2の保護膜は、第1の保護膜と同様の材料で形成することができる。これにより、絶縁性のみならず、露出した側面又は表面等を確実に保護することができる。第2の保護膜の膜厚は、特に限定されるものではなく、例えば、1000〜10000Å程度が適当である。
特に、第2の保護膜が形成されている場合には、図3(a)に示すように、空洞18を、第1の保護膜15と、第1の電極層16aと、第2の電極層16bと、第2の保護膜29とで囲むように形成してもよいし、空洞を、第1の保護膜と、第1の電極と、第2の電極と、第3の電極と、第2の保護膜とで囲むように形成してもよいし、図3(b)に示すように、第1の保護膜15と、第2の電極26bと、第3の電極であるパッド電極37と、第2の保護膜29とで囲むように形成してもよい。また、第2の保護膜は電極の一部(例えば第2の電極層)を被覆するように形成されていてもよい。
本発明の窒化物半導体レーザ素子の製造方法としては、以下の方法が例示される。
(窒化物半導体の形成)
まず、基板上に、表面にリッジを有する窒化物半導体層を形成する。
この基板としては、例えば、第1主面及び/又は第2主面に0°以上10°以下のオフ角を有する窒化物半導体基板とする。その膜厚は50μm以上10mm以下、好ましくは100μm以上1000μm以下である。窒化物半導体基板は、MOCVD法、HVPE法、MBE法等の気相成長法、超臨界流体中で結晶育成させる水熱合成法、高圧法、フラックス法、溶融法等により形成することができる。なお、市販のものを用いてもよい。
この窒化物半導体基板の第1主面上に、窒化物半導体層を成長させる。
窒化物半導体層は、n型半導体層、活性層、p型半導体層を、この順に、例えば、MOCVD法により、減圧〜大気圧の条件で成長させる。なお、n型半導体層、p型半導体層は、単一膜構造、多層膜構造又は組成比が互いに異なる2層からなる超格子構造としてもよい。
n型半導体層は、多層膜で形成することが好ましい。例えば、第1のn型半導体層としてはAlxGa1-xN(0≦x≦0.5)、好ましくはAlxGa1-xN(0<x≦0.3)である。具体的な成長条件としては、反応炉内での成長温度を1000℃以上、圧力を600Torr以下とする。また、第1のn型半導体層はクラッド層として機能させることができる。膜厚は0.5〜5μm程度が適当である。
第2のn型半導体層は、光ガイド層として機能させることができ、AlxGa1-xN(0≦x≦0.3)によって形成することができる。膜厚は0.5〜5μmが適当である。
活性層は、少なくともInを含有している一般式InxAlyGa1-x-yN(0<x≦1、0≦y<1、0<x+y≦1)を有することが好ましい。Al含有量を高くすることで紫外域の発光が可能となる。また、長波長側の発光も可能であり360nm〜580nmまでが発光可能となる。活性層を量子井戸構造で形成することにより、発光効率を向上させることができる。
活性層上にp型半導体層を積層する。第1のp型半導体層としてはp型不純物を含有したAlxGa1-xN(0≦x≦0.5)とする。第1のp型半導体層161はp側電子閉じ込め層として機能する。第2のp型半導体層は、AlxGa1-xN(0≦x≦0.3)、第3のp型半導体層は、p型不純物を含有したAlxGa1-xN(0≦x≦0.5)で形成することができる。第3のp型半導体層はGaNとAlGaNとからなる超格子構造であることが好ましく、クラッド層として機能する。第4のp型半導体層は、p型不純物を含有したAlxGa1-xN(0≦x≦1)で形成することができる。これらの半導体層にInを混晶させてもよい。なお、第1のp型半導体層、第2のp型半導体層は省略可能である。各層の膜厚は、30Å〜5μm程度が適当である。
任意に、窒化物半導体層をエッチングして、n型半導体層(例えば、第1のn型半導体層)を露出させてもよい。露出は、例えば、RIE法により、Cl2、CCl4、BCl3、SiCl4ガス等を用いて行うことができる。これによって、応力を緩和させることができる。また、このn型半導体層の露出の際に、ストライプ状の導波路領域に垂直な端面を露出するようにエッチングすることで、共振器面を同時に形成することもできる。ただし、共振器面の形成は、劈開によって、これとは別工程で行ってもよい。
その後、反応容器内において、ウェハを窒素雰囲気中、700℃以上の温度でアニールして、p型半導体層を低抵抗化することが好ましい。
リッジは、窒化物半導体層上に第1のマスクパターンを形成し、この第1のマスクパターンを用いてエッチングすることにより形成することができる。
第1のマスクパターンは、例えば、SiO2等の酸化膜、SiN等の窒化物を用いて、フォトリソグラフィ及びエッチング工程等の公知の方法を利用して、所望の形状に形成することができる。第1のマスクパターンの膜厚は、リッジが形成された後に、リッジ上に残存する第1のマスクパターンが、後の工程でリフトオフ法により除去することができるような膜厚であることが適当である。例えば、0.1〜5.0μm程度が挙げられる。
例えば、第1のマスクパターンは、CVD装置等を用いて形成することが好ましい。
また、RIE法等を用いて第1のマスクパターンを所望の形状にエッチングすることが好ましい。エッチングは、RIE法を用い、Cl2、CCl4、SiCl4及び/又はBC
3等のような塩素系のガスを用いることが適している。
(第1の保護膜の形成)
次いで、リッジ上面を露出するように、窒化物半導体層上に第1の保護膜を形成する。
第1の保護膜の形成方法は、当該分野で公知の方法によって形成することができる。なお、第1の保護膜を形成する場合には、上述したリッジの形成の際に用いた第1のマスクパターンをそのまま存在させた状態で、窒化物半導体層上に第1の保護膜を形成し、その後、第1のマスクパターン上に存在する第1の保護膜と、第1のマスクパターンとを除去する。これらの除去は、公知のドライ又はウェットエッチングにより行うことができる。例えば、HF又はBHFを用いたウェットエッチング、リフトオフ法により行うことが適当である。
(第1の電極層の形成)
その後、リッジ上面に接触するように第1の電極層を形成する。
第1の電極層は、例えば、NiとAuとからなる2層構造であれば、まず、窒化物半導体層上にNiを50Å〜200Åの膜厚で形成し、次に、Auを500Å〜3000Åの膜厚で形成する。
(第2の電極層の形成)
また、この第1の電極層の上に第2の電極層を形成する。例えば、第2の電極層は、第1の電極層とエッチングレートが異なる材料を用いて形成することが好ましい。例えば、Pt又はPdを500Å〜5000Åの膜厚で形成する。
続いて、第2の電極層を所定の形状にパターニングする。
パターニングは、当該分野で公知の方法により行うことができる。例えば、上述したように、第1の電極層及び第2の電極層の形成を連続的に行う場合には、フォトリソグラフィ及びエッチング工程を利用することが適当である。また、第1の電極層を形成した後、予め第2の電極層を形成する前に、第2の電極層の形成を意図しない領域にマスクパターンを形成し、その後、第2の電極層を形成し、リフトオフ法を行ってもよい。
第1の電極層の形成後、第2の電極層の形成後、第2の電極層のパターニング後の任意の時点で、オーミックアニールを行うことが好ましい。アニールは、例えば、窒素及び/又は酸素含有雰囲気下にて、300〜700℃の温度範囲で行うことが好ましい。
(段差の形成)
続いて、所定形状に加工された第2の電極層をマスクとして用いて、第1の電極層をエッチングに付す。
この場合のエッチングは、ウェットエッチング及びドライエッチングのいずれを用いてもよい。なかでも、等方性エッチングが可能なエッチング法を選択することが好ましい。
また、第1の電極層が2層以上の多層構造である場合には、かならずしも第1の電極層を構成する各層が同程度のエッチングレートを有するエッチング法を用いなくてもよく、各層ごとにエッチング法又はエッチング条件等を変更してもよい。第1の保護膜に接触する層が最も大きなエッチングレートとなるエッチング法及びエッチング条件を選択することが好ましい。例えば、ウェットエッチングを利用する場合には、エッチャントの組成を変更するか、各層をエッチングする際のエッチャントの種類を変更するなどの方法が挙げられる。エッチングレートが比較的小さい(エッチング速度が遅い)エッチャントを用いることにより、電極層のエッチング量の制御を容易とすることができ、空洞を制御よく形成することができる。具体的には、電極材料がAuの場合にはヨウ素系の溶液や王水など、Niの場合には硝酸を含んだ溶液、ITOの場合には塩酸、硝酸を含む溶液、Ti、Al等の
場合にはフッ化水素酸または硝酸を含んだ溶液など、電極材料によって適宜選択することが可能である。このようなエッチングにより、第2の電極層の下側、つまり、第1の電極層の内側にエッチャントが回りこむこととなり、第1の電極層と第2の電極層との端面に段差を形成することができる。これにより、第1の電極層の幅が、第2の電極層の幅よりも小さくなるように電極を形成することができる。
なお、通常、第2の電極層を形成した後、第2の電極層をパターニングした後、第1の電極層をパターニングした後の任意の時点で、少なくとも第1の保護膜の一部上を覆う第2の保護膜を形成してもよい。第2の保護膜は、当該分野で公知の方法により形成することができる。
(第3の電極層の形成)
その後、第2の電極層及び第1の保護膜を被覆するように第3の電極層を形成する。
第3の電極層は、通常、パッド電極と呼ばれるものを利用することが適している。パッド電極は、Ni、Ti、Au、Pt、Pd、W等の金属からなる積層体とすることが好ましい。具体的には、パッド電極は、p電極側からW−Pd−Au又はNi−Ti−Auの順に形成する。パッド電極の膜厚は特に限定されないが、最終層のAuの膜厚を1000Å以上とすることが好ましい。これにより、第1の保護膜と電極との間に空洞を形成することができる。
窒化物半導体基板の第2主面には、部分的又は全面に、n電極が形成されていることが好ましい。例えば、基板側から、V(膜厚100Å)、Pt(膜厚2000Å)、Au(膜厚3000Å)を形成する。n電極は、例えば、スパッタ法、CVD、蒸着等で形成することができる。n電極の形成には、リフトオフ法を利用することが好ましい。また、n電極を形成した後、アニールしてもよい。その場合は、200℃以上でアニールを行うことが好ましい。
さらに、n電極上に、メタライズ電極を形成してもよい。メタライズ電極は、例えば、Ti−Pt−Au−(Au/Sn)、Ti−Pt−Au−(Au/Si)、Ti−Pt−Au−(Au/Ge)、Ti−Pt−Au−In、Au/Sn、In、Au/Si、Au/Ge等により形成することができる。
n電極を形成した後、ストライプ状のp電極に垂直な方向であって、窒化物半導体層の共振器端面を形成するために、ウェハをバー状に分割することが好ましい。ここで、共振器端面は、M面(1−100)又はA面(11−20)とする。ウェハをバー状に分割する方法としては、ブレードブレイク、ローラーブレイク又はプレスブレイクがある。
また、共振器端面に、反射ミラーを形成してもよい。反射ミラーはSiO2、ZrO2、TiO2、Al23、Nb25等からなる誘電体多層膜である。反射ミラーは、共振面の光反射側及び/又は光出射面に形成することが好ましい。また、共振面の光反射側及び光出射面に形成することが好ましい。劈開によって形成された共振面であれば、反射ミラーを再現性よく形成することができる。また、エアギャップの端面がミラーによって被覆されていてもよい。これにより、この後の工程やレーザの駆動時に粉塵等がエアギャップに入り込み、エアギャップの機能を低下させるのを防ぐことができる。
バー状となった窒化物半導体基板は、電極のストライプ方向に平行に分割して、窒化物半導体レーザ素子をチップ化することができる。
なお、本発明においては、空洞を複数形成する場合には、第2の電極層を開口部を設けたパターンを用いて形成することが例示される。この方法によれば、複数の空洞を効率よく同時に形成することができる。これにより、製造時間の短縮や工程を簡略化をすること
ができ、量産性という点において好ましい。つまり、まず、上述した方法により第1の電極層46aを形成し、図6(a)に示すように、その上に、開口部を設けたレジストパターン33を形成する。続いて、第2の電極層46bを形成し、リフトオフ法により、レジストパターン33を除去して、図6(b)に示すように、開口34を有する第2の電極層46bを形成する。次に、図6(c)に示すように、第2の電極層46bをマスクパターンとして第1の電極層46aをエッチングすることにより、第1の電極層46aの幅を、第2の電極層46bの幅よりも狭くなるように形成する。その後、上述したのと同様に、第2の保護膜(図示せず)、第3の電極層であるパッド電極47等を形成することによって、図6(d)に示すように、複数の空洞58を形成することができる。これにより、幅の小さい空洞を複数形成することができる。空洞の幅を小さくすると、空洞の上部を規定する電極又は保護膜が垂れてくることがないため、空洞の高さが低くなることがない。従って、幅の大きい1つの空洞を形成するよりも空洞の体積を大きくすることができ、より効果的に容量を低減することができる。
また、窒化物半導体レーザ素子の別の製造方法として以下の方法が挙げられる。
まず、図7(a)に示すように、上述した方法により第1の電極層66aを、第1のマスク60を用いてパターニングし、図7(b)に示すように、第1のマスク60の上にさらに第2のマスク61を形成する。その後、図7(c)に示すように、リフトオフ法を用いて、第1のマスク60、第1のマスク60上の第2のマスク61を除去する。続いて、図7(d)に示すように、第2の電極層66bを形成し、第2のマスク61を除去し、さらに、第3の電極層であるパッド電極67を形成することにより、空洞68を形成することができる。
さらに、別の製造方法として、図7(b)の工程の後、図7(b−2)に示すように、第2のマスク61を、第1のマスク60表面が露出する程度にエッチングし、その後、図7(c)に示すように、第1のマスク60を除去し、以降、上述した方法と同様に、空洞68を形成する。
以下に、本発明の窒化物半導体レーザ素子及びその製造方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
窒化物半導体レーザ素子は、図1(a)及び(b)に示したように、n型GaN基板10上に、n型半導体層11として、第1のn型半導体層(Si:8×1017/cm3〜3×1018/cm3ドープAl0.036Ga0.964N、膜厚2μm)、第2のn型半導体層(アンドープGaN、膜厚:0.19μm)が形成されている。
その上に、SiドープIn0.02Ga0.98Nからなる障壁層(140Å)と、アンドープIn0.07Ga0.93Nからなる井戸層(70Å)とが2回交互に積層され、その上に障壁層が形成された、総膜厚560Åの多重量子井戸構造(MQW)の活性層12が形成されている。
さらに、その上に、p型半導体層13として、第1のp型半導体層(Mg:1×1019/cm3〜1×1020/cm3ドープ、Al0.25Ga0.75N、100Å)と、第2のp側窒化物半導体層(アンドープGaN、0.125μm)と、第3のp型半導体層(アンドープAl0.10Ga0.90N(25Å)とMg:1.25×1019/cm3ドープGaN(25Å)との総膜厚0.45μmの超格子層)と、第4のp型半導体層(Mg:1×1020/cm3ドープ、GaN、150Å)とが形成されている。
p型半導体層の表面には、リッジ14が形成されており、その両側面及びp型半導体層13の表面を被覆するように、膜厚1000ÅのZrO2からなる第1の保護膜15が形成されている。
また、第1の保護膜15の上には、リッジ14と電気的に接続するように、Ni(750Å)−Au(1500Å)からなる第1の電極層16aが形成されており、その上に、Pt(750Å)からなる第2の電極層16bが形成されて、p電極16が構成されている。p電極16においては、第1の電極層16aの端面は、第2の電極層16bの端面から、8000Å程度内側に回りこんでいる。これら第1の電極層16a及び第2の電極層16bの上には、Ni(1000Å)−Ti(1000Å)−Au(8000Å)からなるpパッド電極17が形成されている。このp電極16及びpパッド電極17により、第1の電極層16aの端面の内側に回りこんだ領域に、幅8000Å、高さ2250Å程度の空洞18が配置されている。この空洞18は、共振器方向に略リッジに並行に配置されている。
また、n型GaN基板10の裏面には、V(100Å)−Pt(2000Å)−Au(3000Å)からなるn電極20が形成されている。
この窒化物半導体レーザ素子は、以下の製造方法によって形成することができる。
(リッジを有する窒化物半導体層の形成)
基板上に窒化物半導体を成長させて積層構造体を形成する。その後、積層された窒化物半導体層上のほぼ全面にSiO2からなる第1のマスクパターンを形成し、この第1のマスクパターンをストライプ状に加工する。次に、RIEエッチング装置でCl2、SiCl4ガスを用いて第1のマスクパターンをエッチングすることにより、リッジを形成する。リッジ形成により露出する窒化物半導体層の表面は活性層より上面とする。
(第1の保護膜の形成)
次に、第1のマスクパターン及びエッチングにより露出した窒化物半導体層上に酸化ジルコニウムからなる第1の保護膜を形成する。この第1の保護膜は、スパッタ装置を用いて、膜厚1000Åで形成する。得られた第1の保護膜を酸素雰囲気下で、600℃にて10分間熱処理する。
ウェハをフッ酸に浸漬し、第1のマスクパターンと、第1のマスクパターン上に存在する第1の保護膜とをリフトオフ法により除去する。これにより、リッジの表面が露出され、リッジの両側及びエッチングにより露出した窒化物半導体層上に第1の保護膜が残る。
(第1の電極層の形成)
続いて、図4(a)に示すように、露出したリッジ14の表面及び第1の保護膜15の上に、スパッタ装置を用いて、第1の電極層16aとしてNi−Au(100Å−750Å)を形成する。
図4(b)に示すように、第1の保護膜15及び第1の電極層16a上に、レジストをコートする。このレジストは後工程でリフトオフを行うために、第2のマスクパターン30として形成する。この第2のマスクパターン30の形状は、リッジ14上面および近傍に開口部を設けた形状とする。
(第2の電極層の形成)
次に、図4(c)に示すように、スパッタ装置を用いてウエハ全面に第2の電極層16bとしてPt(750Å)を成膜する。
その後、リフトオフ法を用いて、第2のマスクパターン30と第2のマスクパターン上に形成された第2の電極層16bとを除去する(図4(d))。
(段差の形成)
次いで、図5(e)に示すように、第2の電極層16bをマスクパターンとして第1の電極層16aをヨウ素ヨウ化カリウム溶液と、酢酸、燐酸、硝酸を含むエッチング液を用いてエッチングする。この際にエッチング溶液を第2の電極層16bの端面から回りこま
せる。これによって、第1の電極層16aの幅を、第2の電極層16bの幅よりも狭く形成する。具体的には、第1の電極層16aの幅を8μm、第2の電極層16bの幅を12μmとする。このように、エッチング溶液の配合を調整することによって、第1電極層16aと第2電極層16bとのエッチング速度を適宜変更することが可能となり、第1の電極層16aと第2の電極層16bとの端面に段差を形成することができる。
その後、例えば、窒素及び酸素を含有する雰囲気下、500℃程度の温度でアニールを行う。
(第2の保護膜の形成)
次に、図5(f)に示すように、第2の電極層16aから第1の保護膜15の上に渡って、幅15μmのストライプ状の第3のマスクパターン31を形成し、その上にSiO2からなる第2の保護膜19(膜厚:5000Å)を形成する。次に、図5(g)に示すように、リフトオフ法により、第3のマスクパターン31及び第3のマスクパターン31上の第2の保護膜19を除去する。
(第3の電極層の形成)
続いて、図5(h)に示すように、第2の電極層16b及び第2の保護膜19上に、パッド電極17として、第3の電極層を形成する。この第3の電極層は、ストライプ幅を略140μmとし、第2の電極層16b上にNi−Ti−Au(1000Å−1000Å−8000Å)で設ける。第3の電極層は、第2の電極層16bの上面、第2の電極層16bの側面、第1の保護膜15、第2の保護膜19と接するように形成されており、第1の保護膜15、第1の電極層16a、第2の電極層16b及び第3の電極層が、空洞18を規定している。
また、比較のために、第2の電極層を形成せず、空洞を有しない以外、実施例1と同様の窒化物半導体レーザ素子を作製した。
得られた実施例及び比較のための窒化物半導体レーザ素子をそれぞれ10チップずつ取り出し、25℃にて、5mW又は65mWを負荷した場合の容量を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2007165448
表1から、実施例は比較例に対して、有意に、容量が低減していることが確認された。
実施例2
第1の電極層の膜厚をNi−Au(100Å−1500Å)とし、燐酸、酢酸の濃度を2倍にしたエッチング液を用いてエッチングし、空洞の幅を種々変更した以外は実施例1と同様にして、窒化物半導体レーザ素子をそれぞれ作製した。
この窒化物半導体レーザ素子は、実施例1と同様に、リッジを挟んで両側に1つづつ空洞を有する。なお、空洞の幅は、図1(b)において、第1の電極層16aの端面から第2の電極層16bの端面までの距離である。
得られた窒化物半導体レーザ素子を、それぞれ5チップずつ取り出し、25℃にて、5
mWを負荷した場合の容量を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2007165448
表2から、空洞幅が大きくなると容量が低減することが確認された。
これらの結果から、空洞部の大きさと容量の低減率とについて検証を行った。
なお、第2の電極層の面積は、第2の電極層の幅:12μm、第2の電極層の共振器方向の長さ:596.5μmより、12μm×596.5μm=7158μm2。第1の電極層の厚み(空洞の高さ)は一定なので、エッチング回り込み量(空洞の幅)の差が空洞の割合の差となる。
第1の電極層の両端において幅0.3μmの空洞を有する場合(表2中、a及びb)、第1の電極層の幅は、第2の電極層の幅:12μmから両端におけるエッチング回り込み量:0.3μm×2を引いた値となる。第1の電極層の面積は、(12−0.3×2)μm×595.9μm(第1の電極層の共振器方向の長さ)=6793.26μm2、これより電極面積に対する空洞の割合:(7158−6793.26)/7158=0.051。
表2におけるa及びbでは、電極面積に対して約5%が空洞であり、その容量の平均は表2中、a及びbの容量から(12.43+12.71)/2=12.57pFである。
第1の電極層の両端において幅2.0μmの空洞を有する場合(表2中、c及びd)、第1の電極層の幅は、第2の電極層の幅:12μmから両端におけるエッチング回り込み量:2.0μm×2を引いた値となる。第1の電極層の面積は、(12−2.0×2)μm×592.5μm(第1の電極層の共振器方向の長さ)=4740μm 2、これより電極面積に対する空洞の割合:(7158−4740)/7158=0.338。
表2におけるc及びdでは、電極面積に対して約33.8%が空洞であり、その容量の平均は表2中、c及びdの容量から(10.08+10.20)/2=10.14pFである。
つまり、空洞が28.8%増えると、容量Cは(12.57−10.14)/12.57=0.193により19%低減する。これにより、空洞が約30%増えると、容量Cは、約20%低減されるという結果が得られ、空洞を形成することが容量低減に有利であることが確認された。
本発明の窒化物半導体レーザ素子は、光ディスク用途、光通信システム、印刷機、露光用途、測定等に利用することができる。また、特定波長に感度を有する物質に窒化物半導体レーザから得た光を照射することで、その物質の有無または位置を検出することができるバイオ関連の励起用光源等に利用することもできる。
本発明の窒化物半導体レーザ素子の構造を説明するための要部の概略断面図である。 本発明の別の窒化物半導体レーザ素子の構造を説明するための要部の概略断面図である。 本発明のさらに別の窒化物半導体レーザ素子の構造を説明するための要部の概略断面図である。 本発明の窒化物半導体レーザ素子の製造方法を説明するための概略断面工程図である。 図4の続きを示す概略断面工程図である。 本発明の窒化物半導体レーザ素子の別の製造方法を説明するための概略断面工程図である。 本発明の窒化物半導体レーザ素子のさらに別の製造方法を説明するための概略断面工程図である。
符号の説明
10 基板
11 n型半導体層
12 活性層
13 p型半導体層
14 リッジ
15 第1の保護膜
16、26 p電極
16a、26a、46a、66a 第1の電極層
16b、26b、46b、66b 第2の電極層
17、27、37、47、67 pパッド電極
18、28、38、48、58、68 空洞
19、29 第2の保護膜
20 n電極
30 第2のマスクパターン
31 第3のマスクパターン
33 レジストパターン
34 開口
60 第1のマスク
61 第2のマスク

Claims (17)

  1. 基板と、該基板上に積層され、その表面にリッジを有する窒化物半導体層と、少なくともリッジ両側の窒化物半導体層表面を被覆する第1の保護膜と、リッジ上及び第1の保護膜上に形成された電極とを備えた窒化物半導体レーザ素子であって、
    前記リッジ両側の窒化物半導体層上であって、第1の保護膜と電極との間に空洞が配置されていることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  2. 基板と、該基板上に積層され、その表面にリッジを有する窒化物半導体層と、少なくともリッジ両側の窒化物半導体層表面を被覆する第1の保護膜と、リッジ上及び第1の保護膜上に形成された電極とを備えた窒化物半導体レーザ素子であって、
    前記リッジ両側の窒化物半導体層上には、前記第1の保護膜と前記電極とで囲まれた空洞が配置されていることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  3. 空洞は、リッジと略並行に配置されている請求項1又は2に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  4. 空洞は、その高さh1がリッジの高さh2に対して1/50以上、1未満である請求項1〜3のいずれか1つに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  5. 空洞は、第1の保護膜側において0.01〜2μmの幅を有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  6. 第1の保護膜は、空洞と接触する領域において均一な膜厚である請求項1〜5のいずれか1つに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  7. 第1の保護膜は、窒化物半導体層よりも屈折率が小さい請求項1〜6のいずれか1つに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  8. さらに、第1の保護膜上に第2の保護膜を有する請求項1〜7のいずれか1つに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  9. 電極は、第1の電極層と第2の電極層とを備えた2層以上の多層構造をしており、第1の保護膜に接して配置された前記第1の電極層の端面と、該第1の電極層を被覆する前記第2の電極層の端面との段差によって空洞の一部が規定されてなる請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  10. 電極は、第1の電極層と第2の電極層とを備えた2層以上の多層構造であり、空洞は、第1の保護膜と第1の電極層と第2の電極層とで囲まれることにより形成される請求項9に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  11. 電極は、第1の電極層と第2の電極層とを備えた2層以上の多層構造であり、空洞は、第1の保護膜と第1の電極層と第2の電極層と第2の保護膜とで囲まれることにより形成される請求項8に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  12. 電極は、第1の電極層と第2の電極層と第3の電極層とを備えた3層以上の多層構造であり、空洞は、第1の保護膜と第1の電極層と第2の電極層と第3の電極層とで囲まれることにより形成される請求項8に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  13. 電極は、第1の電極層と第2の電極層と第3の電極層とを備えた3層以上の多層構造で
    あり、前記空洞は、第1の保護膜と第2の電極層と第3の電極層とで囲まれることにより形成される請求項8に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  14. 電極は、第1の電極層と第2の電極層と第3の電極層とを備えた3層以上の多層構造であり、空洞は、第1の保護膜と第1の電極と第2の電極と第3の電極と第2の保護膜とで囲まれることにより形成される請求項8に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  15. 電極は、第1の電極層と第2の電極層と第3の電極層とを備えた3層以上の多層構造であり、空洞は、第1の保護膜と第2の電極と第3の電極と第2の保護膜とで囲まれることにより形成される請求項8に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  16. 第1の電極層の幅が前記第2の電極層の幅よりも小さい請求項9〜15のいずれか1つに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  17. 基板上に、表面にリッジを有する窒化物半導体層を形成する工程と、
    該リッジ上面を露出するように窒化物半導体層上に第1の保護膜を形成する工程と、
    前記リッジ上面に電気的に接触するように第1の電極層を形成する工程と、
    該第1の電極層上に第2の電極層を形成する工程と、
    所定の形状に加工された第2の電極層をマスクとして用いて、第1の電極層をエッチングすることにより、第1の電極層と第2の電極層との端面間に段差を形成する工程と、
    さらに第2の電極層及び第1の保護膜の一部を被覆するように第3の電極層を形成することにより、第1の保護膜と電極との間に空洞を形成する工程とを備えることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子の製造方法。

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