JP2007161825A - 熱収縮性空孔含有フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル及び容器 - Google Patents

熱収縮性空孔含有フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル及び容器 Download PDF

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Abstract

【課題】植物由来であるポリ乳酸を主として用いることで、石油資源の使用を抑えた熱収縮性フィルムに、高い剛性を持たせつつ、空孔を持たせて軽量性、断熱性、隠蔽性を発現させるとともに、耐破断性に優れ、自然収縮が小さい熱収縮性フィルムを提供する。
【解決手段】ポリ乳酸系樹脂組成物(A)100質量部に対して、ポリオレフィン系樹脂組成物(B)を10〜90質量部含有させ、軟質成分(C)を20〜80質量部の質量比で含有させた樹脂組成物からなる未延伸フィルムを、少なくとも1軸以上に延伸して、空孔を有し、かつ80℃の温水中に10秒間浸漬した際の収縮率を20〜80%である、熱収縮性空孔含有フィルムを製造する。
【選択図】なし

Description

この発明は、熱収縮性空孔含有フィルム、これを用いた成形品、熱収縮性ラベル及び容器に関し、より詳しくは石油資源の使用を抑えた熱収縮性フィルムに、高い剛性を持たせつつ、空孔を持たせて軽量性、断熱性、隠蔽性を発現させるとともに、剛性及び耐破断性に優れ、自然収縮が小さい熱収縮性空孔含有フィルム、熱収縮性ラベル及び容器に関する。
現在、容器などを包装したり結束したりする用途に、加熱によって収縮して容器などに密着する熱収縮性フィルムが多く用いられている。
このような熱収縮性フィルムの原料としては、従来、主としてポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂などが用いられていた。しかし、これらの樹脂はいずれも枯渇性の石油資源を原料として使用するため、資源保護の観点からは使用量を減少させる必要に迫られてきた。
また、樹脂によっては使用後に焼却する際の燃焼時に有毒物質を発生させたり、燃焼カロリーが高すぎるために燃焼炉を傷めて炉の寿命を縮めたりするといった不具合や、廃棄時に微生物による分解がなされず、長期間にわたって形状を保持し環境汚染の原因になるという不具合を生じることがあった。
これらの樹脂の使用によって生じる問題を解決する材料としてポリ乳酸が注目を集めている。ポリ乳酸はとうもろこしなどのバイオマスを原料とし、工業的に生産が可能であるため、持続可能型社会を目指す上で好適である。また、燃焼時に有毒物質を発生することもなく石油を原料とする樹脂に比べて燃焼カロリーが低いために燃焼炉を傷めるおそれも少なく、かつ、環境中に廃棄された場合でも微生物により分解可能であるという好ましい特性を持っている。
ただし、熱収縮性ラベルの原料としてポリ乳酸を使用すると、剛性が高く、低温収縮性に優れ、かつ自然収縮が小さいという特長を有する反面で、耐破断性に問題があり、ポリ乳酸単独では高品質な熱収縮性ラベルを作成することが困難であった。このようなポリ乳酸の耐破断性を改良するために、ポリ乳酸に相溶可能な軟質成分を添加した熱収縮性フィルムが検討されており、例えば、特許文献1に記載されている。
また、熱収縮性ラベルに限らず、熱可塑性樹脂を用いた成形品中に空孔を形成させることにより、成形品の嵩比重を低下させることで樹脂使用量を減少し環境負荷を低減させ、さらに遮光性、断熱性、クッション性などの機能付与が可能であることが知られている。この空孔形成の手法にはさまざまな方法が用いられるが、熱可塑性樹脂を用いた延伸フィルムの場合、該熱可塑性樹脂に対し非相溶成分を添加した後に少なくとも1方向以上に延伸する手法が知られている。
このような空孔を有する熱収縮性空孔含有ラベルを作成するため、熱収縮性ラベルに用いる樹脂に非相溶成分を添加した後に、1方向、又は複数方向に延伸して空孔を形成する手法が用いられている。ポリ乳酸についても、これに非相溶樹脂を添加した後に延伸することで空孔を形成して嵩比重を低下させたフィルムが、特許文献2に記載されている。また、ポリ乳酸以外のポリエステル系樹脂を用いて、同様に非相溶樹脂を添加し、延伸して空孔を形成した熱収縮性フィルムが、特許文献3に記載されている。
特開2003−119367号公報 特開2002−146071号公報 特開2003−321562号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような、ポリ乳酸に軟質成分を添加した熱収縮性フィルムでは、剛性が低下してしまい、自然収縮が大きくなるという不具合があり、かつ、前述した空孔形成がなされないため樹脂使用量の低減や望ましい機能付与に至っていなかった。
また、特許文献2に記載のような空孔フィルムは、延伸後に熱処理を施しているため、熱収縮性ラベルとして利用することができなかった。さらに、特許文献3に記載のような、ポリエステル系樹脂に非相溶樹脂を添加した熱収縮性フィルムは、延伸時の空孔形成がポリ乳酸を用いたフィルムに比べて困難であり、また、ポリ乳酸を用いるフィルムよりも比重が大きく、ポリエステル系樹脂が石油由来原料であるので、資源保護の観点からは有効ではなかった。
そこでこの発明は、植物由来であるポリ乳酸を主として用いることで、石油資源の使用を抑えた熱収縮性フィルムに、高い剛性を持たせつつ、空孔を持たせて軽量性、断熱性、隠蔽性を発現させるとともに、剛性及び耐破断性に優れ、自然収縮が小さい熱収縮性空孔含有フィルムと、そのフィルムの性質を活かした成形品、熱収縮性ラベル及びこの成形品又は熱収縮性ラベルを装着した容器を提供することを目的とする。
この発明は、ポリ乳酸系樹脂組成物(A)100質量部に対して、ポリオレフィン系樹脂組成物(B)を10質量部以上、90質量部以下含有し、かつ軟質成分(C)を20質量部以上、80質量部以下の質量比で含有する樹脂組成物からなる未延伸フィルムを、少なくとも1軸以上に延伸して、空孔を含有し、かつ、80℃の温水中に10秒間浸漬した際の収縮率が20%以上、80%以下である、熱収縮性空孔含有フィルムを製造することにより、上記の課題を解決したのである。
すなわち、この発明の熱収縮性空孔含有フィルム(以下、この発明のフィルムともいう。)は、ポリ乳酸系樹脂組成物(A)だけでなく、上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)と上記軟質成分(C)とを上記の範囲で両方含み、それを上記の収縮率となるように延伸することで、上記軟質成分(C)だけを添加したものよりも確実に多くの空孔を形成し、遮光性や断熱性、軽量性に優れるとともに、十分な延伸により必要な収縮率を確保できる。また、ポリ乳酸系樹脂組成物(A)及び軟質成分(C)と、これらに非相溶であるポリオレフィン系樹脂組成物(B)との延伸性の違いにより必要な空孔を生じるため、空孔による軽量性、断熱性、隠蔽性を十分に確保できる。
この発明にかかる熱収縮性空孔含有フィルムは、ポリ乳酸系樹脂を主成分とするため、石油資源の消費を抑制し、循環型社会を構築する上で有用である。また、上記の組成からなる樹脂組成物からなる未延伸フィルムを延伸して得られるフィルムは、延伸により空孔を容易に生じさせており、この空孔により軽量性、断熱性、隠蔽性を発現でき、さらに、この樹脂組成物は耐破断性に優れ、自然収縮が小さく、得られるフィルムは高い剛性を有しているため、有用な熱収縮性フィルムとして活用できる。
以下、この発明について詳細に説明する。
この発明は、ポリ乳酸系樹脂組成物(A)100質量部に対して、ポリオレフィン系樹脂組成物(B)を10質量部以上、90質量部以下含有し、かつ軟質成分(C)を20質量部以上、80質量部以下の質量比で含有する樹脂組成物からなる未延伸フィルムを、少なくとも1軸以上に延伸した熱収縮性フィルムである。
上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)とは、乳酸を主成分とする組成物をいう。具体的には、乳酸の単独重合体や、乳酸と、乳酸以外のα−ヒドロキシカルボン酸、ジオール成分及びジカルボン酸成分、又はこれらの両方との共重合体を主成分とする乳酸系共重合体も含むものである。なお、主成分とするとは、この発明にかかる熱収縮性空孔含有フィルムの効果を妨げない範囲で、他の成分を含んでも良いが、少なくとも70質量%以上を占めることをいい、80質量%以上を占めると好ましく、90質量%以上を占めるとより好ましい。
ここで乳酸とは、D−乳酸とL−乳酸の両方を示し、上記の乳酸の単独重合体としては、例えば、D−乳酸の単独重合体であるポリ(D−乳酸)、L−乳酸の単独重合体であるポリ(L−乳酸)、L−乳酸とD−乳酸との共重合体からなるポリ(DL−乳酸)、及びこれらの混合体が挙げられる。以下、これらの乳酸のみからなる重合体を乳酸系樹脂と称する。また、乳酸と、乳酸以外のα−ヒドロキシカルボン酸、ジオール成分及びジカルボン酸成分、又はこれらの両方との共重合体を主成分とする乳酸系共重合体は、使用する乳酸がD−乳酸又はL−乳酸のみであるものと、D−乳酸とL−乳酸との両方であるものとの、いずれでもよい。
ただし、上記乳酸系樹脂と上記乳酸系共重合体のいずれの場合も、乳酸としてD−乳酸とL−乳酸との両方を含んでいると、いずれか一方の乳酸のみを含むものよりも、収縮ムラを抑えることができるため好ましい。具体的には、上記乳酸系樹脂及び上記乳酸系共重合体を構成するD−乳酸とL−乳酸との構成割合は、L−乳酸:D−乳酸=99:1〜90:10の範囲、又は1:99〜10:90の範囲であることが好ましい。L−乳酸又はD−乳酸の比率が99%以下であれば、収縮ムラを抑えることができ、また、前記比率が90%以上であれば、十分な収縮特性を有するフィルムを得やすい。
なお、上記乳酸系共重合体を用いる場合、構成成分の共重合割合は特に限定されないが、乳酸の占める割合が高いほど、石油資源の消費が少ないため好ましく、また後述するビカット軟化点の範囲を超えない程度の割合で共重合すると好ましい。
具体的には乳酸と、α−ヒドロキシカルボン酸、脂肪族ジオール、又は脂肪族ジカルボン酸との共重合体の共重合比率は、質量比で、乳酸:α−ヒドロキシカルボン酸、脂肪族ジオール、又は脂肪族ジカルボン酸=100:0乃至95:5、好ましくは90:10乃至10:90、さらに好ましくは80:20乃至20:80、最も好ましくは30:70乃至70:30である。共重合比が上記範囲内であれば、剛性、透明性、耐衝撃性などの物性バランスの良好なフィルムを得ることができる。
なお、上記乳酸系樹脂及び乳酸系共重合体は、単独で用いても混合して用いても構わない。
また、上記乳酸系樹脂の製造に開環重合法(ラクチド法)を用いた場合、乳酸の環状2量体であるラクチドを、必要に応じて重合調整剤等を用いながら、所定の触媒の存在下で開環重合をして、任意の組成を有する乳酸系樹脂を得ることができる。用いる前記ラクチドとしては、L−乳酸の2量体であるL−ラクチド、D−乳酸の2量体であるD−ラクチド、及びD−乳酸とL−乳酸との2量体であるDL−ラクチドが挙げられる。これらを必要に応じて混合し、重合することにより、任意の組成及び結晶性を有する上記乳酸系樹脂を得ることができる。
上記乳酸系共重合体の製造に用いる、単量体である上記のα−ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
上記乳酸系共重合体の製造に用いる単量体である上記のジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロへキサンジメタノール等が挙げられる。また、ジカルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸及びドデカン二酸等が挙げられる。
上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)は、耐熱性を向上させるために、少量の他の共重合成分を含有していてもよい。そのような共重合成分としては、例えば、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール等が挙げられる。さらに上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)は、分子量を増加させる目的で、少量の鎖延長剤、例えばジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物等を含有していてもよい。
上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)のビカット軟化点は、50℃以上であるとよく、55℃以上であると好ましい。ビカット軟化点が50℃以上であれば、得られる熱収縮性空孔含有フィルムを常温よりやや高い温度、例えば夏場に放置しておいても、自然収縮を抑制できるが、50℃未満であるとこの自然収縮を抑制しきれなくなってしまうおそれがある。一方で、ビカット軟化点は95℃以下であるとよく、85℃以下であると好ましい。95℃を超えるとフィルムの延伸時に低温延伸を行うことが難しくなり、得られるフィルムに良好な収縮特性を与えることが難しくなってしまう。
上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)の質量平均分子量は、50,000以上であるとよく、100,000以上であるとより好ましい。質量平均分子量が50,000以上であれば、機械的強度が劣るなどの不具合を生じづらく好適である。一方で400,000以下であるとよく、250,000以下の範囲であるとより好ましい。400,000以下であれば溶融粘度が高くなりすぎ成形加工性を低下させるなどの不具合を生じづらく好適である。
このような、上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)として使用できる代表的な樹脂組成物としては、三井化学(株)製の「レイシア」シリーズ、Nature WorksLLC社製の「Nature Works」シリーズ等が商業的に入手されるものとして挙げられる。
上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)とは、上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)及び上記軟質成分(C)に非相溶である、ポリオレフィン樹脂を主成分とした樹脂である。この、非相溶であるとは、上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)及び上記軟質成分(C)と上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)との混合樹脂組成物を電子顕微鏡等の光学装置を用いて観察したときに、上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)及び上記軟質成分(C)中において上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)がドメインを形成している状態となることをいう。この発明にかかる熱収縮性空孔含有フィルムでは、上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)よりも上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)及び上記軟質成分(C)の方が多く存在するため、上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)及び上記軟質成分(C)が海部分、すなわちマトリックスを形成し、上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)が島部分、すなわち分散ドメインを形成する。
このようなポリオレフィン系樹脂組成物(B)としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、高結晶性ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン、又はこれらの混合樹脂等が挙げられ、好ましくは高結晶性ホモポリプロピレンである。これらの樹脂は単体で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらのポリオレフィン系樹脂組成物(B)として、より具体的には、ポリエチレン系樹脂として商品名「ノバテックHD、LD、LL」「カーネル」「タフマーA,P」(日本ポリエチレン(株))、「サンテックHD,LD」(旭化成ライフ&リビング(株)製)、「HIZEX」「ULTZEX」「EVOLUE」(三井化学(株)製)、「モアテック」(出光興産(株)製)、「UBEポリエチレン」「UMERIT」(宇部興産(株)製)、「NUCポリエチレン」「ナックフレックス」(日本ユニカー(株)製)、「Engage」(ダウケミカル社製)などが市販されている。またポリプロピレン系樹脂としては、商品名「ノバテックPP」「WINTEC」「タフマーXR」(日本ポリプロ社製)、「三井ポリプロ」(三井化学(株)製)、「住友ノーブレン」「タフセレン」「エクセレンEPX」(住友化学(株)製)、「IDEMITSU PP」「IDEMITSU TPO」(出光興産(株)製)、「Adflex」「Adsyl」(サンアロマー(株)製)などが市販されている。また、ポリメチルペンテン系樹脂としては、「TPX」(三井化学(株)製)が市販されている。これらは、各々単独に、又は2種以上を混合して使用することができる。
上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)は、周波数10Hz、歪み0.1%で測定したときの80℃における貯蔵弾性率が0.25GPa以上であると好ましく、0.4GPa以上であるとより好ましい。貯蔵弾性率が0.25GPa未満であると、後述する延伸工程において、フィルムに空孔を付与することができなくなる場合がある。一方で、同様の条件における貯蔵弾性率は、2.0GPa以下であると好ましい。2.00GPaを超えると、所望の結晶性が得られにくくなり、かつ、比重も大きくなりすぎるため、目的とする嵩比重のフィルムを得ることができなくなってしまう場合がある。
また、上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)は、JIS K7211に基づいて測定されるメルトフローレート(以下、「MFR」と略記する。)が、0.5g/10分以上であると好ましく、1.0g/10分以上であるとより好ましい。またMFRは、50g/10分以下であると好ましく、35g/10分以下であるとより好ましく、20g/10分以下であるとさらに好ましい。ポリオレフィン系樹脂組成物(B)のMFRが1.0g/10分以上であれば、フィルムに海島構造が形成された際に分散ドメインのサイズが大きくなりすぎたり、分散状態が悪く空孔が均一に発生しにくくなったりするなどの不具合を生じることなく、好適である。一方、ポリオレフィン系樹脂組成物(B)のMFRが50g/10分以下であれば、前記の海島構造が形成された際に分散ドメイのンサイズが小さくなり、ドメイン自体の強度が低下し、低温での耐破断性を十分に付与できないなどの不具合を生じることなく好適である。
上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)は、ポリ乳酸系樹脂組成物(A)と軟質成分(C)からなるマトリックス成分中に、分散ドメインとして存在することができる。この分散ドメインの大きさ及び形状は、混練条件、シート化条件、延伸倍率、延伸方向等により適宜決定され得る。延伸後の分散ドメインの長手方向、すなわち延伸方向と平行する方向の断面形状は楕円形であることが好ましい。断面形状が楕円形である場合、この分散ドメインの短軸方向の最大軸長は0.1μm以上であると好ましく、0.2μm以上であるとより好ましく、0.3μm以上であるとさらに好ましい。一方、この短軸方向の最大軸長は5μm以下であると好ましく、4μm以下であるとさらに好ましい。短軸方向の最大軸長が0.1μm以上であれば、マトリックスと分散ドメインとの界面における剥離が生じ、空孔を形成するのに好適であり、またこの最大軸長が5μm以下であれば、表面に著しい凹凸が生じにくく、かつ外見も均一に保つことができるため好適である。
上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)の密度は、0.50g/cm3以上1.00g/cm3以下の範囲が好ましく、より好ましくは0.65g/cm3以上0.96g/cm3以下、さらに好ましくは0.80g/cm3以上0.92g/cm3以下の範囲である。密度が1.00g/cm3以下であればフィルム全体の比重を低減させる効果が大きく、密度が0.50g/cm3以上であれば剛性に欠け延伸時に空孔を生じさせにくいなどの不具合が起こりづらく、好適である。
上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)として用いられるポリオレフィン系樹脂は、上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)より比重が小さい。そのため、この発明にかかる熱収縮性空孔含有フィルム(以下、「この発明のフィルム」と略記する。)は、上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)単独からなるフィルムの場合と比較して、比重をより小さくすることができる。さらに、上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)が存在することによって延伸時に生じる空孔により、嵩比重をより小さくすることができる。
上記軟質成分(C)は、上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)以外のゴム弾性を示すゴム成分であり、この発明のフィルムの耐衝撃性を向上させる目的で、この発明のフィルムの剛性を損なわない範囲内で添加することができる。軟質成分(C)は特に限定されるものではないが、上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)以外の、Tgが0℃以下である乳酸系共重合体、脂肪族ポリエステル、芳香族脂肪族ポリエステル、ジオールとジカルボン酸と乳酸系樹脂との共重合体やコアシェル構造型ゴム、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(EMA)、エチレン−メチル(メタ)アクリル酸共重合体(EMMA)などが好適に使用される。この中でもコアシェル構造ゴムがポリ乳酸系樹脂組成物(A)に対する分散性に優れるため、耐衝撃性改良効果が大きく、また、空孔形成を阻害しづらいため、より好適に使用できる。
上記の軟質成分(C)に用いる上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)以外の乳酸系共重合体の具体例としては、乳酸を除くα−ヒドロキシカルボン酸の単独重合体、ジオール残基とジカルボン酸残基との共重合体、又はこれらの共重合体が挙げられ、α−ヒドロキシカルボン酸残基としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸から誘導される残基やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類から誘導される残基が挙げられる。また、ジオール残基としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロへキサンジメタノール等から誘導される残基が挙げられる。また、ジカルボン酸残基としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸及びドデカン二酸等から誘導される残基が挙げられる。
商業的に入手可能な上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)以外の乳酸系共重合体の例としては、例えば商品名「プラメート」(大日本インキ化学工業(株)製)や商品名「GS−PLA」(三菱化学(株)製)などが挙げられる。
また、上記軟質成分(C)として用いる上記脂肪族ポリエステルとしては、例えば、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸とを縮合して得られる脂肪族ポリエステル、環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステル、合成系脂肪族ポリエステル等のPLA系樹脂を除く脂肪族ポリエステル樹脂が挙げられる。
上記の、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸とを縮合して得られる脂肪族ポリエステルとしては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族ジオール又はこれらの無水物や誘導体と、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸又はこれらの無水物や誘導体との中からそれぞれ1種類以上選んで縮合重合することにより得られたものが挙げられる。この際、必要に応じてイソシアネート化合物等で鎖延長することにより、所望のポリマーを得ることができる。
上記の脂肪族ポリエステルの商業的に入手可能な例としては、「ビオノーレ」(昭和高分子(株)製)が例示できる。
また、上記の環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステルとしては、環状モノマーとして、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等から1種類以上を選択して重合したものが挙げられる。さらに、上記の合成系脂肪族ポリエステルとしては、無水コハク酸等の環状酸無水物と、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のオキシラン類との共重合体等が挙げられる。
このような脂肪族ポリエステルの商業的に入手可能な例としては、商品名「セルグリーン」(ダイセル化学工業(株)製)や、商品名「トーンポリマー」(ユニオンカーバイト日本社製)が挙げられる。
さらにまた、上記軟質成分(C)として用いる上記芳香族脂肪族ポリエステル樹脂とは、脂肪族ジオール若しくはその誘導体と、脂肪族ジカルボン酸若しくはその誘導体と、芳香族ジカルボン酸又はその誘導体とを、縮合重合したものである。また、上記芳香族ポリエステル樹脂とは、芳香族ジカルボン酸若しくはその誘導体と、芳香族ジカルボン酸又はその誘導体とを、縮合重合したものである。このうち、芳香族ジオール若しくはその誘導体としては、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。また、芳香族ジカルボン酸若しくはその誘導体としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,4−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニルジカルボン酸などが挙げられる。この縮合重合の際、必要に応じてイソシアネート化合物等で鎖延長することにより、所望のポリマーを得ることができる。
上記の芳香族ポリエステル樹脂の商業的に入手可能な例としては、商品名「イースターバイオ」(イーストマンケミカルズ社製)や、商品名「エコフレックス」(BASF社製)が挙げられる。
上記軟質成分(C)として用いる上記乳酸系共重合体、脂肪族ポリエステル樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、脂肪族−芳香族ポリエステル樹脂の質量(重量)平均分子量は、50,000以上であると好ましく、100,000以上であるとより好ましい。50,000以上であれば機械的強度が劣るなどの不具合が生じづらく、好適である。一方で、400,000以下であると好ましく、250,000以下であるとより好ましい。400,000以下であれば、溶解粘度が高くなりすぎて成形加工性を低下させるなどの不具合が生じづらく、好適である。
また、上記の軟質成分(C)として使用するコアシェル構造ゴムとしては、メタクリル酸−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などのジエン系コアシェル型重合体、メタクリル酸−スチレン−アクリロニトリル共重合体などのアクリル系コアシェル型重合体、シリコーン−メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体、シリコーン−メタクリル酸−アクリロニトリル−スチレン共重合体などのシリコーン系コアシェル型共重合体が挙げられる。この中でも上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)との相溶性が良好であり、フィルムの耐衝撃性、透明性のバランスのとれるシリコーン−メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体がより好適に用いられる。
上記コアシェル構造ゴムのシェル部の質量(重量)平均分子量は、10,000以上であると好ましく、50,000以上であるとより好ましい。10,000以上であれば機械的強度が劣るなどの不具合が生じづらく、好適である。一方で、前記重量平均分子量は1,500,000以下であると好ましく、100,000以下であるとより好ましい。1,500,000以下であれば、溶解粘度が高くなりすぎて成形加工性を低下させるなどの不具合が生じづらく、好適である。
このようなコアシェル構造ゴムの商業的に入手可能な例としては、「メタブレンC、S、E、W」(三菱レイヨン(株)製)、「カネエース」((株)カネカ製)などが挙げられる。
さらに、上記の軟質成分(C)として用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(EMA)、エチレン−メチル(メタ)アクリル酸エステル共重合体(EMMA)としては、エチレン以外のコモノマー含有量が20質量%以上90質量%以下、好ましくは40質量%以上80質量%以下のものが好適に使用される。エチレン以外のコモノマー含有量が20質量%以上であればフィルムの耐破断性に対する効果が十分に得られるほか、透明性も維持できるため好ましい。一方、エチレン以外のコモノマー含有量が80質量%以下であればフィルム全体の剛性、耐熱性を良好に維持できるため好ましい。これらの中でも、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)がより好適に使用される。
上記EVA、EAA、EMMAのメルトフローレート(MFR)は、特に制限されるものではないが、通常、MFR(JIS K 7210、温度:190℃、荷重:2.16kgでの値)が、0.5g/10分以上15g/10分以下であることが好ましく、1.0g/10分以上10g/10分以下であることがさらに好ましい。
商業的に入手できる上記軟質成分(C)を例示すると、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)としては「EVAFLEX」(三井デュポンポリケミカル(株)製)、「ノバテックEVA」(三菱化学(株)製)、「エバスレン」(大日本インキ化学工業(株)製)、「エバテート」(住友化学(株)製)、「ソアブレン」(日本合成化学(株)製)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)としては「ノバテックEAA」(三菱化学(株)製)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EMA)やエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(EMA)としては「ノアフロイAC」(三井デュポンポリケミカル(株)製)、エチレン−メチル(メタ)アクリル酸共重合体(EMMA)としては「アクリフト」(住友化学(株)製)などが挙げられる。
上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)と、上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)との質量比は、上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)100質量部に対して、上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)は10質量部以上であることが必要であり、20質量部以上であると好ましく、30質量部以上であるとより好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂組成物(B)の前記質量比の上限は90質量部以下であり、80質量部以下であるとより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂組成物(B)の含有量がポリ乳酸系樹脂組成物100質量部に対して20質量部以上であれば、層内に空孔を形成できるため好ましい。一方、この含有量が90質量部以下であれば、マトリックスに対して均一に分散した海島構造を形成することができて好ましい。
また、上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)と上記軟質成分(C)の質量比は、上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)100質量部に対して、上記軟質成分(C)は20質量部以上であることが必要であり、30質量部以上であると好ましく、40質量部以上であるとより好ましい。また、軟質成分(C)の前記質量比の上限は80質量部以下であり、70質量部以下であるとより好ましい。軟質成分(C)の含有量がポリ乳酸系樹脂組成物100質量部に対して20質量部以上であれば、耐破断性を付与できるため好ましい。一方、この含有量が80質量部以下であれば、剛性を低下させないため好ましい。
<空孔>
上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)、上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)及び上記軟質成分(C)を含有する上記樹脂組成物は、上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)及び上記軟質成分(C)がマトリックスを形成し、上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)が分散ドメインを形成する。上記の質量比で上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)を含有して全体として海島構造を形成する上記樹脂組成物からなるフィルムを延伸することにより、マトリックスと分散ドメインとの界面で剥離を生じさせて、空孔を形成させることができる。これにより、後述する嵩比重の小さく、遮光性や断熱性の良好なフィルムを得ることができる。
フィルム製作時において、マトリックス成分(すなわちポリ乳酸系樹脂組成物(A)と軟質成分(C))とともに、分散ドメイン(すなわちポリオレフィン系樹脂組成物(B))も主収縮方向と直交する方向(流れ方向)に延ばされ、特に分散ドメイン(ポリオレフィン系樹脂組成物(B))は、流れ方向(フィルム主収縮方向と直交する方向)に伸長された状態となる。このときの分散ドメイン(ポリオレフィン系樹脂組成物(B))のアスペクト比は、1より大きく、好ましくは3以上、さらに好ましくは5以上であり、かつ50以下、好ましくは40以下、さらに好ましくは35以下となるように調整されることが望ましい。前記分散ドメイン(ポリオレフィン系樹脂組成物(B))のアスペクト比が1より大きければ流れ方向と直交する方向に延伸したときに空孔を生じさせ易く、また前記アスペクト比が50以下であれば、分散ドメインが細かくなりすぎて延伸しても空孔を生じさせ難いという不具合をおこしづらく、好ましい。
分散ドメイン(ポリオレフィン系樹脂組成物(B))が所定のアスペクト比を有するようにしたとき、この分散ドメインは、フィルム外表面に対して平行となり、かつ、一方向、すなわち、フィルムの流れ方向(フィルム主収縮方向に直交する方向)に伸長したものとなる。このため、一軸延伸の延伸方向又は二軸延伸の一方の延伸方向を流れ方向に対して直角方向(フィルム主収縮方向)とすることにより、マトリックス(ポリ乳酸系樹脂組成物(A)と軟質成分(C))と分散ドメイン(ポリオレフィン系樹脂組成物(B))との境界の剥離をより生じさせやすくなり、かつ多くの空孔を形成することができる。
なお、本明細書において「主収縮方向」とは、縦方向と横方向のうち収縮率の大きい方向を意味し、例えば、ボトルに装着する場合にはその外周方向に相当する方向である。また、「主収縮方向と直交する方向」とは、収率縮の大きい方向と直交する方向をいう。
<熱収縮性空孔含有フィルムの製造方法>
この発明のフィルムは、上記樹脂組成物からなる未延伸のフィルムを、少なくとも1軸方向に延伸することにより作製できる。具体的には、まず上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)、上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)及び上記軟質成分(C)を上記の質量混合比で混合して上記樹脂組成物を得る。また、さらに可塑剤、熱安定剤、抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、顔料、着色剤、滑剤、核剤、加水分解防止剤等の添加剤を必要に応じて加えることが出来る。この混合する方法としては、例えば、同方向2軸押出機、ニーダー、ヘンシェルミキサー等を用いてプレコンパウンドを得る方法がある。
次にフィルムを成形する方法としては、上記樹脂組成物を押出機に投入し、溶融押出成形する。溶融押出されたフィルムは、冷却ロール、空気、水等で冷却される。この際の押出方法としては、Tダイ法、チューブラ法等の公知の方法を採用できる。
なお、これらの成分を予め混合した後にフィルムを成形するのではなく、上記樹脂混合物の構成成分である上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)、上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)及び上記軟質成分(C)を、直接にフィルム押出機に投入し、混合とフィルム成形を同一装置で行ってもよい。
得られた上記の未延伸フィルムを、熱風、温風、紫外線、炭酸ガスレーザー、マイクロウェーブ等の方法で再加熱し、ロール法、テンター法、チューブラ法等により、少なくとも1方向、すなわち一軸方向又は二軸方向に延伸することで、マトリックスとドメインとの界面で剥離を生じさせ、空孔を形成させることにより本発明にかかる熱収縮性空孔含有フィルムを作製できる。上記の延伸を一軸延伸とするか、二軸延伸とするかは、製造するフィルムの用途によって適宜決定できる。
上記の延伸を行う温度は、上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)、上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)及び上記軟質成分(C)の軟化温度や、得られる熱収縮性空孔含有フィルムの用途等によって変動し得るが、60℃以上であると好ましく、65℃以上であるとさらに好ましい。延伸温度が60℃以上であれば、延伸過程において原料の弾性率が高くなり、良好な延伸性が得られにくくフィルム破断や厚み斑が起こるという不具合を生じづらく、好適である。一方で、85℃以下であると好ましく、80℃以下であるとより好ましい。延伸温度が85℃以下であれば、所望の収縮特性を発現できなくなる、マトリックスと分散ドメインとの界面での剥離が促進せず十分な空孔が得られなくなるなどの不具合を生じづらく、好適である。
上記の延伸を行う際の延伸倍率は、上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)、上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)成分及び上記軟質成分(C)を混合した樹脂組成物の構成組成、延伸手段、延伸温度、目的の製品形態等に応じて適宜選択することができるが、一般に、1.5倍以上であると好ましく、3倍以上であるとより好ましい。延伸倍率が1.5倍以上であれば、十分な空孔が得られず所望の機能が得られないなどの不具合を生じることがなく好適であり、一方で、延伸倍率は8倍以下であると好ましく、6倍以下であるとより好ましい。8倍以下であれば強度上問題を生じるなどの不具合を生じる事がなく、実用的な性能が得ることができ、空孔を十分に形成することができるためである。
上記延伸工程での延伸方向は、目的用途によって適宜選択することができるが、本発明のフィルムは、フィルムの引き取り方向(MD)に上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)の分散ドメインが伸長した構造をとりやすいため、伸長方向と垂直の方向(TD)に延伸すると、容易に空孔を形成することができるため好ましい。
また、一軸延伸の場合でも、必要に応じてフィルムの主収縮方向と直交する方向に1.01倍から1.8倍程度の弱延伸を付与すると、得られる熱収縮性空孔含有フィルムの機械的物性が改良されるのでより好ましい。
分散ドメインのアスペクト比は、フィルムの自重による方法で生じさせることが好ましいが、それでは不十分な場合がある。このような場合、押出機と冷却ロールとの間で多少延伸させることが望ましい。すなわち、押出機の押出口金の間隔(リップギャップ)に対し、製膜する延伸フィルムの厚みを変えることにより、流れ方向(フィルム主収縮方向に直交する方向)に伸長させ、また、その比によって、上記分散ドメイン(ポリオレフィン系樹脂組成物(B))のアスペクト比を制御することが可能となる。
本発明のフィルムは単層で用いてもよいし、収縮特性の調整、印刷性、溶剤シール性、バリア性、隠蔽性、断熱性、閲覧性等の向上などの目的のために、2層以上の層構成を有するように積層を行ってもよい。積層する層としては、印刷層、蒸着層などが挙げられる。単層構成で用いる場合、フィルムの厚みは、30μm以上、好ましくは40μm以上、さらに好ましくは50μm以上であり、かつ200μm以下、好ましくは175μm以下、さらに好ましくは150μm以下とすることが望ましい。また、積層構成で用いる場合には、中間層として用いることが好ましい。その場合、フィルム全体の厚みに対する本発明のフィルムの厚み比は、20%以上、好ましくは25%以上、さらに好ましくは30%以上とし、かつ95%以下、好ましくは90%以下、さらに好ましくは85%以下とすることが望ましい。
本発明のフィルムを積層構成の一部として用いた場合、層構成は特に限定されるものではない。本発明のフィルムを(I)層、第二の層を(II)層と表記した場合、層構成としては(I)層に隣接して(II)層が片面又は両面に積層されている態様のみならず、(I)層と(II)層との間に接着性の改良やバリア性、隠蔽性、断熱性等を付与する目的のため、第3の層を有する場合も含まれる。好ましくは中間層として(I)層、表面層として(II)層を有する2種3層の層構成((II)層/(I)層/(II)層)、又は中間層と表面層との間に接着層を有する3種5層の層構成((II)層/接着層/(I)層/接着層/(II)層)などの層構成が挙げられる。
(I)層以外の層に用いられる樹脂組成物は特に限定されるものではないが、(I)層との接着性、フィルム全体のリサイクル性などを考慮すると、(I)層に用いられるポリ乳酸系樹脂組成物(A)を主成分として構成することが好ましい。さらに、(II)層には、印刷性、溶剤シール性、耐融着性など表面層としての要求される諸特性を損なわない範囲で、層間接着性の向上、嵩比重の低減、耐破断性の向上、収縮特性の調整などを目的としてポリ乳酸系樹脂組成物以外の熱可塑性樹脂を含むことができる。ポリ乳酸系樹脂組成物以外の熱可塑性樹脂を例示すると、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、アミド系樹脂、脂肪族及び/又は芳香族ポリエステル系樹脂などが挙げられ、中でも上述したポリオレフィン系樹脂組成物(B)や軟質成分(C)も好適に使用できる。
また、(I)層及び(II)層を構成する樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で可塑剤、熱安定剤、抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、顔料、着色剤、滑剤、核剤、加水分解防止剤等の添加剤を添加してもよい。
上述の積層フィルムは(I)層と、その他の層を積層した未延伸フィルムを少なくとも一方向に延伸する方法、あるいは(I)層を少なくとも一方向に延伸した後、その他の層の未延伸フィルムまたは延伸フィルムを公知の方法によって熱または溶剤によりラミネーションする方法、あるいは(I)層を少なくとも一方向に延伸した後、その他の層に用いられる樹脂組成物を公知の方法によりコーティングする方法により作製できる。
この発明のフィルムは、80℃の温水中で10秒間浸漬した際の収縮率が20%以上である必要があり、25%以上であると好ましく、30%以上であるとより好ましい。一方で前記収縮率は80%以下である必要があり、75%以下であると好ましい。これは、例えばペットボトルなどの包装に用いる熱収縮性ラベルなどのように、熱収縮性ラベルとして用いるには、少なくとも20%の熱収縮率が要求される一方で、80%を超えると熱収縮後の形態を制御することが難しくなってしまうためである。なお、収縮率とは、元の長さを100%とした時の、収縮前後の長さの差をいう。
現在、ペットボトルのラベル装着用途に工業的に最も多く用いられている収縮加工機の例としては、収縮加工を行う加熱媒体として水蒸気を用いる蒸気シュリンカーと一般に呼ばれているものがある。熱収縮性ラベルは被覆対象物への熱の影響などの点からできるだけ低い温度で十分熱収縮することが必要であり、さらに、近年のラベリング工程の高速化に伴い、より低温で素早く収縮する要求が高くなってきた。このような工業生産性も考慮して、上記条件における熱収縮率が20%以上のフィルムであれば、収縮加工時間内に十分に被覆対象物に密着することができるため好ましい。
この発明のフィルムにおいて、80℃の温水中に10秒浸漬した際の主収縮方向の熱収縮率を上記範囲に調整するためには、樹脂組成をこの発明で記載するように調整するとともに、延伸温度を後述する範囲に調整することが好ましい。例えば、熱収縮率をより増加させたい場合には、ポリ乳酸系樹脂組成物(A)の光学異性体比率を大きくする、軟質成分(C)の含有量を上げる、延伸倍率を高くする、延伸温度を低くする等の手段を用いるとよい。
また、この発明のフィルムをラベルとして用いる場合、フィルムの収縮方向と直交する方向の熱収縮率は、80℃の温水中で10秒間浸漬したときは10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることがさらに好ましい。主収縮方向と直交する方向の熱収縮率が10%を超えるフィルムだと、収縮後の主収縮方向と直交する方向の寸法自体が短くなったり、収縮後の印刷柄や文字の歪み等が生じやすくなったり、角型ボトルの場合においては縦ひけ等のトラブルが発生したりする問題が無視できなくなる。
この発明のフィルムの自然収縮率は、できるだけ小さいほうが望ましいが、例えば、30℃で30日保存後の自然収縮率が3.0%以下、好ましくは2.0%以下、さらに好ましくは1.5%以下であることが望ましい。上記条件下における自然収縮率が3.0%以下であれば作製したフィルムを長期保存する場合であっても容器等に安定して装着することができ、実用上問題を生じにくいが、3.0%を超えると接着安定性に問題を生じる場合がある。
この発明のフィルムにおいて、自然収縮率を上記範囲に調整するためには、樹脂組成をこの発明で記載するように調整するとともに、延伸温度を上述する範囲に調整することが好ましい。例えば、自然収縮率をより低下させたい場合には、ポリ乳酸系樹脂組成物(A)の光学異性体比率を小さくする、軟質成分(C)の含有量を下げる、延伸倍率を小さくする、延伸温度を高くする、延伸後熱固定の温度を高くする、延伸後熱固定時間を長くする等の手段を用いるとよい。
また、この発明のフィルムは空孔を有するため、この発明のフィルムに用いる樹脂の真比重よりも、フィルムとした場合の嵩比重の方が低下する。この発明のフィルムの嵩比重の真比重に対する割合は、50%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上であり、かつ90%以下、好ましくは85%以下、さらに好ましくは80%以下であると望ましい。嵩比重の真比重に対する割合が50%未満であると、空孔の占める割合が多すぎることで、このフィルムの強度が不十分となるなどの不具合を生じるおそれがある。一方で、90%を超えると、空孔の形成が少なすぎて遮光性や断熱性が不十分となる場合がある。
また、嵩比重が1.0未満であると、この熱収縮性空孔含有フィルムをポリエチレンテレフタレート製ボトルに被覆ラベルとして用いたものを廃棄処理する際に、液比重法によりポリエチレンテレフタレートと容易に分離させることができ、さらに好ましい。
上記嵩比重を所望の値に調整する方法としては、例えば上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)、上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)及び上記軟質成分(C)のうち、比重が小さい成分の混合比率を増加させる方法や、延伸倍率を上記の範囲で大きくする、延伸温度を低くするなどの延伸条件を操作することにより空孔を多く生じさせるといった方法が挙げられる。
この発明のフィルムは、上記樹脂組成物と空孔との界面で光線が屈折・反射すること、および樹脂組成物中に光線が一部吸収されることによって不透明白色の光線遮断性(遮光性)を有している。内容物を劣化、変質させる恐れのある240nm以上、400nm以下の紫外領域、および内容物の隠蔽性にかかわる400nm以上、800nm以下の可視領域をあわせた240nm以上、800nm以下(紫外可視領域)での、JIS K 7015に基づいて測定された光線透過率がいずれの波長においても50%以下であることが必要であり、40%以下であると好ましく、30%以下であるとより好ましい。50%以下であれば遮光性が不十分であり、内容物保護、隠蔽性に欠けるという不具合を発現しづらく、好適である。
この発明のフィルムにおいて、240nm以上、800nm以下の光線透過率を上記範囲に調整するためには、樹脂組成をこの発明で記載するように調整するとともに、延伸温度を上述する範囲に調整することが好ましい。例えば、光線透過率をより低下させたい場合には、ポリ乳酸系樹脂組成物(A)の光学異性体比率を小さくする、ポリオレフィン系樹脂(B)の含有量を上げる、軟質成分(C)の含有量を下げる、延伸倍率を高くする、延伸温度を低くする等の手段を用いるとよい。また、収縮率や耐破断性などの諸特性を低下させない範囲で顔料や着色剤、無機粒子などを添加することも有効である。
さらに、この発明のフィルムは空孔を有するため、空孔の無い一般的な熱可塑性樹脂を用いたフィルムよりも熱伝導効率が低くなる。このため、ホット飲料用ラベルなどの断熱性・保温性を求められる用途に特に好適に用いることができる。
飲料用自動販売機やコンビニエンスストアなどのホットウォーマーなどによって加熱されて販売される飲料は、販売機内の温度分布なども考慮に入れると60〜70℃にて販売されている。この飲料容器が金属製のものは、ガラス製、樹脂製などの飲料容器よりも著しく高い熱伝導率を持つため、同じ温度にて加熱されたものであってもより熱さを感じやすく、熱さを和らげる必要がある。本発明の熱収縮フィルムは空孔を有し、これを被覆することにより熱が飲料容器から伝わりづらくなるため、好適に用いることが出来る。
上記断熱性・保温性をより高める方法としては、例えば上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)の光学異性体比率を小さくする、ポリオレフィン系樹脂(B)の含有量を上げる、軟質成分(C)の含有量を下げる、延伸倍率を高くする、延伸温度を低くする等の手段を用いるとよい。
この発明にかかる熱収縮性空孔含有フィルムの耐破断性は、JIS K 7127の引張破断伸度により評価される。0℃環境下の引張試験において、特にラベル用途ではフィルムの引き取り方向(MD)の引張破断伸度が100%以上であると好ましく、150%以上であるとより好ましく、200%以上であるとさらに好ましい。0℃環境下での引張破断伸度が100%未満であると、印刷・製袋などの工程時にフィルムが破断するなどの不具合を生じるおそれが高くなってしまう。また、引張破断伸度が150%以上あれば、印刷・製袋などの工程のスピードアップにともなってフィルムに対してかかる張力が増加するような際にも破断しづらく、より好ましい。また、上限値は特に指定されないが、現在の工程スピードを考えた場合、500%ほどあれば十分だと考えることができる。
この発明のフィルムにおいて、0℃環境下での引張破断伸度を上記範囲に調整するためには、樹脂組成をこの発明で記載するように調整するとともに、延伸温度を後述する範囲に調整することが好ましい。例えば、引張破断伸度をより向上させたい場合には、軟質成分(C)の含有量を上げる、MDに対して弱延伸を与える等の手段を用いるとよい。
この発明のフィルムの腰、すなわち常温での剛性は、主収縮方向と直交する方向の引張弾性率が1.2GPa以上であると好ましく、1.4GPa以上であるとより好ましく、1.6GPa以上であるとさらに好ましい。1.2GPa未満であると、特にフィルムの厚みを薄くした場合に、ペットボトルなどの容器に製袋したフィルムをラベリングマシン等で被せる際に、斜めに被ったり、フィルムの腰折れなどで歩留まりが低下したりしやすいなどの問題点が発生やすくなってしまう。一方で、熱収縮性フィルムの引張弾性率の上限値は3.0GPa程度であるのが一般的であり、好ましくは2.9GPa程度であり、さらに好ましくは2.8GPa程度である。3.0GPa以下であれば弾性率が高くなりすぎて使用時にごわごわしたような風合いになるというような不具合を生じづらく、好適である。
この発明のフィルムにおいて、常温での腰を上記範囲に調整するためには、樹脂組成をこの発明で記載するように調整するとともに、延伸温度を後述する範囲に調整することが好ましい。例えば、腰をより向上させたい場合には、軟質成分(C)の含有量を下げる、主収縮方向と直交する方向に弱延伸を与える等の手段を用いるとよい。
この発明のフィルムは、ブローボトルなどのプラスチックボトル、トレー、弁当箱、総菜容器、乳製品容器等の様々な成形品として用いることができる。このような成形品の製造は、一般的な成形品の製造方法を用いることができる。
また、この発明のフィルムを、清涼飲料水用や食品用のPETボトル、ガラス瓶などの食品容器用熱収縮性ラベルとして用いることもでき、その場合は、例えば中心がくびれた円柱や、角のある四角柱、五角柱、六角柱などの複雑な形状であっても、熱収縮によりその形状に密着可能であり、皺やアバタの無い美麗なラベルが装着された容器を得ることができる。このような装着を行う熱収縮の方法は、一般的な熱収縮の方法を用いることができる。
この発明のフィルムは、優れた低温収縮性、収縮仕上がり性を有するので、熱収縮性ラベルとして用いる場合には、高温に加熱すると変形が生じるようなプラスチック成形品の熱収縮性ラベルとして用いたり、熱膨張率や吸水性等が本発明の熱収縮性空孔含有フィルムとは極めて異なる材質の包装体の熱収縮性ラベルとして好適に利用できる。このような、包装体を形成する材質としては、例えば、金属、磁器、ガラス、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリメタクリル酸エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂から選ばれる少なくとも1種を構成素材として用いたものが挙げられる。
さらに、この発明のフィルムを熱収縮性ラベルとして用いることのできる包装体を構成する材質としては、上記の樹脂の他に、ポリスチレン、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−ブチルアクリレート共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができ、これらの2種以上の混合物でもよいし、積層体であってもよい。
以下、この発明について実施例を挙げてより具体的に説明する。まず、用いる樹脂と熱収縮性空孔含有フィルムの製造方法を説明する。
[ポリ乳酸系樹脂組成物(A)]
・Nature WorksLLC社製:NatureWorks4050、L体/D体=95/5(以下、「PLA1」と表記する)
・Nature WorksLLC社製:NatureWorks4060、L体/D体=95/5(以下、「PLA2」と表記する)
[ポリオレフィン系樹脂組成物(B)]
・日本ポリプロ(株)製:ポリプロピレン樹脂ノバテックFY6H(80℃における弾性率=0.72GPa MFR=1.9g/10分)(以下、「PO1」と表記する)
[軟質成分(C)]
・大日本インキ(株)製:プラメートPD150、乳酸系共重合体(以下、「軟質1」と表記する)
・三菱レイヨン(株)製:メタブレンS2001、コアシェル構造アクリル−シリコーン共重合体(以下、「軟質2」と表記する)
・昭和高分子(株)(株)製:ビオノーレ3003、ポリブチレンサクシネート・アジペート共重合体(以下、「軟質3」と表記する)
[その他添加物]
・白石カルシウム(株)製:オプチホワイト、特殊焼成カオリンクレイ(以下、「無機粒子」と表記する)
(熱収縮性空孔含有フィルムの製造方法)
(実施例1乃至3)
ポリ乳酸系樹脂組成物(A)、ポリオレフィン系樹脂組成物(B)及び、上記軟質成分(C)をそれぞれ表1の混合比率で混合し、2軸押出機(三菱重工業(株)製)に投入し、設定温度200℃で溶融混合し、設定温度200℃の口金より押し出して、50℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて、幅300mm、厚さ200μmの未延伸フィルムを得た。
得られた未延伸フィルムをロール縦延伸機(三菱重工業(株)製)により65〜75℃にて1.05倍に延伸した後に、フィルムテンター(三菱重工業(株)製)予熱温度80〜90℃、延伸温度65〜75℃で横軸方向に4.0倍に延伸して厚さ80μmの熱収縮性空孔含有フィルムを得た。
(実施例4)
表1に示したポリ乳酸系樹脂組成物(A)、ポリオレフィン系樹脂組成物(B)及び、上記軟質成分(C)の混合樹脂からなる(I)層の両側に、PLA2を100質量部用いた(II)層を形成するよう300mm幅2種3層マルチマニホールドダイを用いた共押出法により積層した未延伸フィルムを得たのち、上述した方法にて延伸をおこない、厚さ80μm(表層8μm/中間層64μm/裏層8μm)の熱収縮性空孔含有フィルムを得た。
(比較例1乃至4)
ポリ乳酸系樹脂組成物(A)、ポリオレフィン系樹脂組成物(B)、その他無機粒子、及び上記軟質成分(C)をそれぞれ表1の混合比率で混合し、実施例1に記した方法と同様に熱収縮性空孔含有フィルム及び熱収縮性フィルムを得た。
(比較例5)
表1の混合比率で混合し、実施例1に記した方法と同様に未延伸フィルムを延伸した後、そのまま80℃雰囲気中にて熱固定を行い、空孔含有フィルムを得た。
得られた熱収縮性空孔含有フィルムについて、以下の評価を行った。その結果をそれぞれ表1に示す。なお、以下の文中で、フィルムの引き取り方向をMD、直交方向をTDと記載する。
[収縮率測定]
得られたフィルムをMD100mm×TD100mmの大きさに切り出し、80℃の温水バスに10秒間浸漬して収縮させ、収縮前の原寸に対する収縮後のMD方向及びTD方向の長さをそれぞれ測定して、変化幅の原寸に対する比率を求め、その比率の大きい方の値を求めた。この値が、30%以上、75%以下であれば○と評価し、20%以上30%未満又は75%を超え80%以下のものを△と評価し、それ以外は×と評価した。
[引張破断伸度(耐破断性)測定]
得られたフィルムをMD100mm×TD4mmの大きさに切り出し、JIS K 7127に準拠し、引張速度100mm/minで雰囲気温度0℃におけるフィルムのMD方向の引張伸度を測定し、10回の測定値の平均値を求めた。この伸度が150%を超えるものを○、100%以上150%未満のものを△と評価し、それ以外は×と評価した。
[引張弾性率(剛性)測定]
得られたフィルムをMD100mm×TD4mmの大きさに切り出し、JIS K 7127に準じて、温度23℃の条件でフィルムの主収縮方向と直交する方向(縦方向)について測定した。
[自然収縮率測定]
得られたフィルムをMD100mm×TD1000mmの大きさに切り取り、30℃の雰囲気の恒温槽に30日間放置し、それぞれの方向の収縮前の原寸に対する収縮後の長さを測定して収縮幅の比率を求め、高い方の比率を自然収縮率として得た。この自然収縮率が1.5%以下であれば○と評価し、1.5%を超えて3.0%以下であれば△と評価し、3.0%を超えれば×と評価した。
[ポリオレフィン系樹脂組成物(B)の貯蔵弾性率測定]
熱プレス装置((株)神藤金属工業所製)によりポリオレフィン系樹脂を用いて厚み200μmの未延伸フィルムを作製し、次いで、4mm×60mmの大きさに切り出し、粘弾性スペクトロメーター(アイティー計測(株)製:DVA−200)を用い、振動周波数10Hz、ひずみ0.1%、チャック間2.5cm、昇温速度1℃/分で40℃から150℃までの範囲で長手方向(辺長60mmの方向)について測定し、80℃おける貯蔵弾性率を測定した。
[ポリオレフィン系樹脂組成物(B)の粒子径測定]
得られたフィルムをミクロトームでTD10mm×MD1mm×厚み80μmの大きさに切り出し、電子顕微鏡でフィルム厚み中央部の分散ドメイン形状を10カ所観察し、流れ方向の最大幅の平均値を長径とした場合における分散ドメインの厚み方向における最大幅の平均値を短径として算出した。
[真比重測定]
使用した樹脂の真比重をd1、d2・・・(g/cm)とし、それぞれの樹脂の質量部をr1、r2・・・とし、次式の通り真比重(g/cm)を算出した。
真比重=(d1×r1+d2×r2+・・・)/(r1+r2+・・・) (1)
[嵩比重測定]
得られたフィルムをMD100mm×TD100mmの大きさに切り出して質量w(g)を量り、そのフィルムの厚みを50点で測定し、その平均厚みt(μm)を得て、下記式(2)により嵩比重(g/cm)を算出した。
嵩比重=(w/t)×100 (2)
[光線透過度測定]
得られたフィルムをMD50mm×TD50mmの大きさに切り出し、積分球が取り付けたられた分光光度計(「U―4000」、(株)日立製作所製)にて波長240nmから800nmまで走査周期0.5nmmにて光線透過率を測定し、光線透過率の最大値が50%を超えるものを×、50〜25%のものを○、25%未満のものを◎としてそれぞれ評価した。
[断熱性測定]
得られたフィルムをMD98mm×TD208mmの大きさに切り出し、収縮率20%となるように本発明のフィルムを収縮させて被覆した金属缶(東洋製罐(株)製:TEC200)に、65℃の熱湯190mLを注ぎ、直ちに素手で保持して熱さを感じずに持ち続けることができる秒数を測定し、下記の通り評価した。
3名の測定者(25歳男性、25歳女性、35歳男性)により測定された秒数の平均値を算出し、その値が30秒以上であれば○、30秒未満であれば×とした。なお、60秒以上持ち続けることができたものは60秒として評価した。
Figure 2007161825
表1より本発明で規定される組成、熱収縮率および貯蔵弾性率(E’)、嵩比重、粒子径を有するフィルムは、耐衝撃性、遮光性及び断熱性が優れていた。これに対し、ポリオレフィン系樹脂(B)および軟質成分(C)を用いない場合(比較例1)には耐破断性をまったく満たさず、ポリ乳酸系樹脂(A)と軟質成分(C)よりなるフィルム(比較例2乃至4)では、延伸時に空孔が生じなかったため、嵩比重が大きく、また遮光性、断熱性に著しく劣っていた。また、軟質成分をもちいず、さらに熱固定をおこなった場合(比較例3)には、収縮率が著しく低く熱収縮性ラベルへの使用が困難であった。さらに、軟質成分(C)を含有せず、熱固定したフィルム(比較例5)は、ほとんど収縮が見られなかった。
これより、本発明の熱収縮性フィルムは、熱収縮性、耐衝撃性、遮光性、断熱性等の機械的特性に優れ、かつ嵩比重を減らし樹脂の使用量を抑えることが可能なものであることが分かる。

Claims (11)

  1. ポリ乳酸系樹脂組成物(A)100質量部に対し、ポリオレフィン系樹脂組成物(B)を10質量部以上、90質量部以下、軟質成分(C)を20質量部以上、80質量部以下の質量比で含有する樹脂組成物からなる未延伸フィルムを少なくとも一軸以上に延伸してなり、空孔を含有し、80℃の温水中に10秒間浸漬した際の主収縮方向の収縮率が20%以上、80%以下である熱収縮性空孔含有フィルム。
  2. 上記ポリ乳酸系樹脂組成物(A)を構成する乳酸のD体とL体との構成比率が、1:99乃至10:90、又は99:1乃至90:10である、請求項1に記載の熱収縮性空孔含有フィルム。
  3. 上記軟質成分(C)が、ポリ乳酸系樹脂組成物(A)以外の脂肪族ポリエステル、芳香族脂肪族ポリエステル、ジオールとジカルボン酸と乳酸系樹脂との共重合体、コアシェル構造型ゴム、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、及びエチレン−メチル(メタ)アクリル酸共重合体から選ばれる少なくとも1種からなる樹脂又は樹脂混合体である、請求項1又は2に記載の熱収縮性空孔含有フィルム。
  4. 上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)が、温度80℃、周波数10Hz、歪み0.1%の条件で測定した貯蔵弾性率が、0.25GPa以上、2.00GPa以下である、請求項1乃至3のいずれかに記載の熱収縮性空孔含有フィルム。
  5. 上記熱収縮性空孔含有フィルムの嵩比重が、熱収縮性空孔含有フィルムに用いる樹脂の真比重に対して50%以上、90%以下である請求項1乃至4のいずれかに記載の熱収縮性空孔含有フィルム。
  6. 上記熱収縮性空孔含有フィルムの240nm以上、800nm以下の範囲における光線透過率が50%以下である請求項1乃至5のいずれかに記載の熱収縮性空孔含有フィルム。
  7. 上記熱収縮性空孔含有フィルム中に分散する上記ポリオレフィン系樹脂組成物(B)の短軸方向の最大軸長が、0.1μm以上、5μm以下である、請求項1乃至6のいずれかに記載の熱収縮性空孔含有フィルム。
  8. JIS K7127による0℃における引張破断伸度が100%以上である、請求項1乃至7のいずれかに記載の熱収縮性空孔含有フィルム。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の熱収縮性空孔含有フィルムを用いた成形品。
  10. 請求項1乃至8のいずれかに記載の熱収縮性空孔含有フィルムを用いた熱収縮性ラベル。
  11. 請求項9に記載の成形品又は請求項10に記載の熱収縮性ラベルを装着した容器。
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