JP2007161168A - インホイールモータシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】スペース効率を確保することができるとともに、モータを車輌バネ下部に対して確実にフローティングマウントできるインホイールモータシステムを提供する。
【解決手段】電気モータ10と減速歯車機構11とをフレキシブルカップリング12により連結するとともに、上記電気モータ10のモータケース10aを、その上部側から、ダンパーと上記モータケース10aの上面側で、上記モータケース10aのタイヤ前後方向の中心に配置されたバネ部材21と、上記バネ部材21とダンパーとの作動方向を案内する、2本のガイド部材23とを備えた緩衝機構20を介して、車両バネ下部品であるナックル5、または、上記ナックル5を車体に懸架するストラット4に配設したモータ取付部材4mに取り付け、上記電気モータ10の質量のみをダイナミックダンパーの質量として作用させるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】電気モータ10と減速歯車機構11とをフレキシブルカップリング12により連結するとともに、上記電気モータ10のモータケース10aを、その上部側から、ダンパーと上記モータケース10aの上面側で、上記モータケース10aのタイヤ前後方向の中心に配置されたバネ部材21と、上記バネ部材21とダンパーとの作動方向を案内する、2本のガイド部材23とを備えた緩衝機構20を介して、車両バネ下部品であるナックル5、または、上記ナックル5を車体に懸架するストラット4に配設したモータ取付部材4mに取り付け、上記電気モータ10の質量のみをダイナミックダンパーの質量として作用させるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、ホイール内に車輪を駆動する駆動用モータを備えたインホイールモータシステムに関するもので、特に、上記モータを、車両の足回り部品に対して、緩衝機構または緩衝部材を介して支持する構成のインホイールモータシステムに関する。
近年、電気自動車などのモータによって駆動される車両においては、電気モータ、あるいは、電気モータと遊星減速機とをモータケースに一体に組み込んだギヤードなどの駆動用モータを車輪に内蔵するインホイールモータシステムが採用されつつある。
一方、足回りにバネ等のサスペンション機構を備えた車両においては、一般に、ホイールやナックル、サスペンションアームといったバネ下に相当する部品の質量、いわゆるバネ下質量が大きい程、凹凸路を走行したときにタイヤの接地力が変動し、ロードホールディング性が悪化する。しかしながら、従来は、上記駆動用モータが車両の足回りを構成する部品の一つである、アップライトまたはナックルと呼ばれる部品に接続されているため、インホイールモータの搭載によりバネ下質量が増加してしまいロードホールディング性が悪化してしまうといった問題点があった。
これに対して、インホイールモータを、緩衝機構または緩衝部材を介して、ナックル等の車両の足回り部品に対して弾性支持することにより、モータを車両の足回り部品に対してフローティングマウントし、モータ自身をダイナミックダンパーのウエイトとして作用させることにより、悪路走行時における接地性能、及び、乗り心地性能をともに大幅に向上させることができるインホイールモータシステムが注目されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
WO 02/083446 A1
特開2005−126037号公報
特開2005−225486号公報
一方、足回りにバネ等のサスペンション機構を備えた車両においては、一般に、ホイールやナックル、サスペンションアームといったバネ下に相当する部品の質量、いわゆるバネ下質量が大きい程、凹凸路を走行したときにタイヤの接地力が変動し、ロードホールディング性が悪化する。しかしながら、従来は、上記駆動用モータが車両の足回りを構成する部品の一つである、アップライトまたはナックルと呼ばれる部品に接続されているため、インホイールモータの搭載によりバネ下質量が増加してしまいロードホールディング性が悪化してしまうといった問題点があった。
これに対して、インホイールモータを、緩衝機構または緩衝部材を介して、ナックル等の車両の足回り部品に対して弾性支持することにより、モータを車両の足回り部品に対してフローティングマウントし、モータ自身をダイナミックダンパーのウエイトとして作用させることにより、悪路走行時における接地性能、及び、乗り心地性能をともに大幅に向上させることができるインホイールモータシステムが注目されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
図5は、従来のダブルウイッシュボーン型サスペンションを有する車輪支持装置を備えたインホイールモータシステムの一構成例を示す図で、このインホイールモータシステムでは、電気モータ50aと遊星減速機50bとをモータケース50cに一体に組み込んだギヤードモータ(インホイールモータ)50の上記モータケース50cを、上,下から、車体の上下方向に伸縮可能なゴムまたはスプリングから成るモータマウント51a,51bに取付けるとともに、このモータマウント51a,51bとナックル52とを、ボールジョイント53a,53bを介して、上,下のサスペンションアーム54a,54bに連結する構成とすることにより、上記モータ50を上記バネ下部品であるナックル52の間にフローティングマウントして、上記モータ50をダイナミックダンパーのウエイトとして作用させるとともに、上記遊星減速機50bの出力軸50jを、等速ジョイント55を介して、ホイール56のディスク部56aに取付けられたホイールハブ57に連結することにより、上記モータ50の駆動力をホイール56に確実に伝達することができるようにしている。なお、同図において、58はホイール56のリム部56bに装着されるタイヤ、59は上,下のサスペンションアーム54a,54bに取付けられるショックアブゾーバ等から成るサスペンション部材である。
ところで、上記従来のインホイールモータシステムでは、電気モータ50aと遊星減速機50bとが一体になった、容量が大きく、かつ、重量も大きなギヤードモータ50を、ナックル52に取付けるようにしているため、上記モータケース50cを上,下からモータマウント51a,51bで支持するとともに、これをナックル52の内側の空間に配置する必要があった。
このため、上記モータ50の大きさが制限されるので、十分な駆動力を得ることが困難であった。また、ギヤードモータ50は重量が大きいため、これを路面入力に対するダイナミックダンパーの質量として有効に動作させるためには、バネ定数を大きくしてモータ部の共振周波数を高めてやる必要がある。しかしながら、モータマウント51a,51bに使用するスプリング径を太くし、かつ、ストローク幅を確保するためにその長さを長くすれば、上記モータ50の大きさが更に制限されてしまうといった問題点があった。なお、モータマウント51a,51bをゴムで構成する場合には、バネ定数を大きく、かつ、ストローク幅を確保するのは困難である。
このため、上記モータ50の大きさが制限されるので、十分な駆動力を得ることが困難であった。また、ギヤードモータ50は重量が大きいため、これを路面入力に対するダイナミックダンパーの質量として有効に動作させるためには、バネ定数を大きくしてモータ部の共振周波数を高めてやる必要がある。しかしながら、モータマウント51a,51bに使用するスプリング径を太くし、かつ、ストローク幅を確保するためにその長さを長くすれば、上記モータ50の大きさが更に制限されてしまうといった問題点があった。なお、モータマウント51a,51bをゴムで構成する場合には、バネ定数を大きく、かつ、ストローク幅を確保するのは困難である。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、スペース効率を確保することができるとともに、モータを車輌バネ下部に対して確実にフローティングマウントすることのできるインホイールモータシステムを提供することを目的とする。
本願の請求項1に記載の発明は、駆動輪にホイールを駆動する電気モータが組込まれたインホイールモータシステムであって、上記モータのステータ側を支持するモータケースの上面側と車輪部に連結されるナックルとを、ダンパーとバネ部材とを備えた緩衝機構により連結するとともに、上記バネ部材を、上記モータケースの上面側で、上記モータケースのタイヤ前後方向の中心に配置したことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインホイールモータシステムにおいて、上記モータケースの上面側で、上記バネ部材のタイヤ前後方向の中心に対して対称な位置に、上記バネ部材とダンパーとの作動方向を案内する2本のガイド部材とを設けたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のインホイールモータシステムにおいて、上記ナックルを車体に懸架するストラットにモータ取付部材を配設して、このモータ取付部材と上記モータケースの上面側との間に上記緩衝機構を配設したものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のインホイールモータシステムにおいて、上記モータの駆動力をフレキシブルカップリングを介して上記ホイールに伝達するようにしたものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のインホイールモータシステムにおいて、上記モータの回転を減速してホイールに伝達する減速歯車機構を備えたことを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のインホイールモータシステムにおいて、上記モータと上記減速歯車機構とをフレキシブルカップリングにより連結したものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインホイールモータシステムにおいて、上記モータケースの上面側で、上記バネ部材のタイヤ前後方向の中心に対して対称な位置に、上記バネ部材とダンパーとの作動方向を案内する2本のガイド部材とを設けたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のインホイールモータシステムにおいて、上記ナックルを車体に懸架するストラットにモータ取付部材を配設して、このモータ取付部材と上記モータケースの上面側との間に上記緩衝機構を配設したものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のインホイールモータシステムにおいて、上記モータの駆動力をフレキシブルカップリングを介して上記ホイールに伝達するようにしたものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のインホイールモータシステムにおいて、上記モータの回転を減速してホイールに伝達する減速歯車機構を備えたことを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のインホイールモータシステムにおいて、上記モータと上記減速歯車機構とをフレキシブルカップリングにより連結したものである。
本発明によれば、駆動輪に組込まれたホイールを駆動する電気モータのステータ側を支持するモータケースの上面側と車輪部に連結されるナックルとを、ダンパーとバネ部材とを備えた緩衝機構により連結するとともに、上記バネ部材を、上記モータケースの上面側で、上記モータケースのタイヤ前後方向の中心に配置した構成としたので、スペース効率を高めることができるとともに、上記モータの質量をダイナミックダンパーの質量として安定して作用させることができる。
なお、上記モータは、緩衝機構を介してナックルに取付けられるので、上記モータの駆動力は、ユニバーサルジョイントやフレキシブルカップリングなどの動力伝達機構を介して上記ホイールに伝達される。
また、上記電気モータに代えて、電気モータとこの電気モータの回転を減速する減速歯車機構を備えたギヤードモータを用いる場合には、上記モータと上記減速歯車機構とをフレキシブルカップリングにより連結する構成とすれば、緩衝機構を小型化できるとともに、動力伝達機構の耐久性を向上させることができる。
なお、上記モータは、緩衝機構を介してナックルに取付けられるので、上記モータの駆動力は、ユニバーサルジョイントやフレキシブルカップリングなどの動力伝達機構を介して上記ホイールに伝達される。
また、上記電気モータに代えて、電気モータとこの電気モータの回転を減速する減速歯車機構を備えたギヤードモータを用いる場合には、上記モータと上記減速歯車機構とをフレキシブルカップリングにより連結する構成とすれば、緩衝機構を小型化できるとともに、動力伝達機構の耐久性を向上させることができる。
以下、本発明の最良の形態について、図面に基づき説明する。
図1は、本最良の形態に係るインホイールモータシステムの構成を示す縦断面図で、図2は斜視図である。各図において、1はタイヤ、2はリム2aとホイールディスク2bとから成るホイール、3は上記ホイール2とその回転軸において連結されたホイールハブ、4はコイルバネ4aとショックアブゾーバ4bとを備え、上記ホイールバブ3と軸受け5jを介して連結されるナックル5を車体に懸架するストラット、6は上記ホイールハブ3に装着された制動装置、7は上記ストラット4に接続される上アーム、8は上記ナックル5を下部から支持する下アームである。
また、10はステータ10S側を支持するモータケース10aと、上記モータケース10aに軸受け10jを介して回転自在に取付けられた出力軸10bと、この出力軸10bに取付けられたロータ10Rとを備えた電気モータ、11は上記電気モータ10の出力軸10bに連結される第1のギヤ部11aとこの第1のギヤ部11aと上記ホイールハブ3とを連結する第2のギヤ部11bとを備え、上記電気モータ10の回転を減速して上記ホイール2に伝達する減速歯車機構である。
本例では、上記電気モータ10と上記減速歯車機構11とを、オルダムカップリングなどの回転力伝達機構であるフレキシブルカップリング12で連結するとともに、上記ストラット4の下部側にモータ取付部材4mを設けて、上記電気モータ10のステータ10S側を支持するモータケース10aを、緩衝機構20を介して、上記モータ取付部材4mに取り付けるようにしている。
また、上記フレキシブルカップリング12により、上記電気モータ10とダイナミックダンパーから切り離された減速歯車機構11のケース11cは上記ナックル5に固定され、上記第2のギヤ部11bの図示しないリングギヤの最後段に連結されたキャリア11kは、ホイールハブ3の回転軸3kと、スプライン結合またはセレーション結合されている。これにより、上記回転軸3kの軸方向移動を許容しつつ、ホイール2に回転力を伝達することができる。
図1は、本最良の形態に係るインホイールモータシステムの構成を示す縦断面図で、図2は斜視図である。各図において、1はタイヤ、2はリム2aとホイールディスク2bとから成るホイール、3は上記ホイール2とその回転軸において連結されたホイールハブ、4はコイルバネ4aとショックアブゾーバ4bとを備え、上記ホイールバブ3と軸受け5jを介して連結されるナックル5を車体に懸架するストラット、6は上記ホイールハブ3に装着された制動装置、7は上記ストラット4に接続される上アーム、8は上記ナックル5を下部から支持する下アームである。
また、10はステータ10S側を支持するモータケース10aと、上記モータケース10aに軸受け10jを介して回転自在に取付けられた出力軸10bと、この出力軸10bに取付けられたロータ10Rとを備えた電気モータ、11は上記電気モータ10の出力軸10bに連結される第1のギヤ部11aとこの第1のギヤ部11aと上記ホイールハブ3とを連結する第2のギヤ部11bとを備え、上記電気モータ10の回転を減速して上記ホイール2に伝達する減速歯車機構である。
本例では、上記電気モータ10と上記減速歯車機構11とを、オルダムカップリングなどの回転力伝達機構であるフレキシブルカップリング12で連結するとともに、上記ストラット4の下部側にモータ取付部材4mを設けて、上記電気モータ10のステータ10S側を支持するモータケース10aを、緩衝機構20を介して、上記モータ取付部材4mに取り付けるようにしている。
また、上記フレキシブルカップリング12により、上記電気モータ10とダイナミックダンパーから切り離された減速歯車機構11のケース11cは上記ナックル5に固定され、上記第2のギヤ部11bの図示しないリングギヤの最後段に連結されたキャリア11kは、ホイールハブ3の回転軸3kと、スプライン結合またはセレーション結合されている。これにより、上記回転軸3kの軸方向移動を許容しつつ、ホイール2に回転力を伝達することができる。
上記緩衝機構20は、詳細には、コイルバネから成るバネ部材21と、シリンダ22aと図示しないピストンとこのピストンに連結されたシャフト22bとを有するダンパー22と、固定部23aとガイドシャフト23bとから成り、上記バネ部材21とダンパー22の作動方向を上下方向に案内する2つのガイド部材23(23A,23B)とを備えたもので、上記バネ部材21は一端が上記モータ取付部材4mに取付けられ、他端側がモータケース10aの上面側の中央部に取付けられている。また、上記ダンパー22のシリンダ22aはモータケース10aの一方の側面側に、シャフト22bの一端側は上記モータ取付部材4mの一方の端部に取付けられている。
また、2つのガイド部材23A,23Bは、上記バネ部材21を中心にタイヤ前後方向に対称に配置されており、それぞれの固定部23a,23aは上記モータ取付部材4mに取付けられ、ガイドシャフト23b,23bは上記モータケース10aにそれぞれ立設されている。
本例では、上記バネ部材21を1個とし、これをモータケース10aの上面側の中央部に取付け、その両側に2つのガイド部材23A,23Bを配置する構成とすることにより、上記バネ部材21を上下方向に確実に案内することができるので、上記電気モータ10をダイナミックダンパーとして十分に機能させることができるとともに、緩衝装置20の構成を簡素化することができる。
また、2つのガイド部材23A,23Bは、上記バネ部材21を中心にタイヤ前後方向に対称に配置されており、それぞれの固定部23a,23aは上記モータ取付部材4mに取付けられ、ガイドシャフト23b,23bは上記モータケース10aにそれぞれ立設されている。
本例では、上記バネ部材21を1個とし、これをモータケース10aの上面側の中央部に取付け、その両側に2つのガイド部材23A,23Bを配置する構成とすることにより、上記バネ部材21を上下方向に確実に案内することができるので、上記電気モータ10をダイナミックダンパーとして十分に機能させることができるとともに、緩衝装置20の構成を簡素化することができる。
一般に、電気モータ10と減速歯車機構11とを組合わせた回転駆動機構を用いた場合には、ホイール2を直接駆動するダイレクトドライブモータに比べて、高回転・低トルクの小型のモータを用いることができる。本例では、上記減速歯車機構11を第1のギヤ部11aと第2のギヤ部11bとを直列接続して2連としたので、電気モータ10を更に小型軽量化できるので、上記減速歯車機構11の質量から切り離された電気モータ10を弾性支持する際には、上記のように、上記モータケース10aを、その上部側からのみ支持すれば十分であり、これにより、緩衝機構20を小型軽量化できるとともに、スペース効率を向上させることができる。
このように、本最良の形態によれば、電気モータ10と減速歯車機構11とをフレキシブルカップリング12により連結するとともに、上記電気モータ10のモータケース10aを、その上部側から、ダンパー22と上記モータケース10aの上面側で、上記モータケース10aのタイヤ前後方向の中心に配置されたバネ部材21と、上記バネ部材21とダンパー22との作動方向を案内する、2本のガイド部材23A,23Bとを備えた緩衝機構20を介して、車両バネ下部品であるナックル5を車体に懸架するストラット4に配設したモータ取付部材4mに取り付け、上記電気モータ10の質量のみをダイナミックダンパーの質量として作用させるようにしたので、緩衝機構20を小型軽量化できるとともに、緩衝機構20の弾性定数を適切に設定することができるので、上記電気モータ10をダイナミックダンパーとして十分に機能させることができ、悪路走行時における接地性能、及び、乗り心地性能をともに大幅に向上させることができる。
また、電気モータ10と減速歯車機構11とフレキシブルカップリング12で連結しているので、負荷トルクを小さくでき、耐久性を向上させることができる。
また、電気モータ10と減速歯車機構11とフレキシブルカップリング12で連結しているので、負荷トルクを小さくでき、耐久性を向上させることができる。
なお、上記最良の形態では、車輪部を車体に懸架するサスペンションをストラット型としたが、本発明はこれに限るものではなく、ダブルウイッシュボーン型のサスペンションなど、他の構成のサスペンションを有する車両にも適用可能である。例えば、ダブルウイッシュボーン型のサスペンションの場合には、図3に示すように、ナックル5の上アーム7との連結点近傍にモータ取付部材5mを設け、このモータ取付部材5mとモータケース10aとを上記緩衝部材20により連結するか、あるいは、ナックル5をその上部側が電気モータ10方向に突出した構成とし、この突出部に上記緩衝部材20を取付ける構成とすればよい。なお、この場合にも、2本のガイド部材23A,23Bは、上記モータケース10cのタイヤ前後方向の中心に対して対称な位置にそれぞれ配置することが肝要で、これにより、電気モータ10を、ナックル5に対して、安定してフローティングマウントすることができる。
また、減速歯車機構11についても必ずしも2連とする必要はなく、例えば、小型タイヤなど出力トルクを必要としないタイヤなどについては、上記図3に示すように、1個としてもよい。これは、電気モータ10の質量と減速歯車機構11の質量とは、フレキシブルカップリング12により切り離されていることによるもので、上記緩衝機構20により、モータケース10aをその上部側からのみ支持しても、上記電気モータ10をダイナミックダンパーとして十分に機能させることができる。
また、減速歯車機構11についても必ずしも2連とする必要はなく、例えば、小型タイヤなど出力トルクを必要としないタイヤなどについては、上記図3に示すように、1個としてもよい。これは、電気モータ10の質量と減速歯車機構11の質量とは、フレキシブルカップリング12により切り離されていることによるもので、上記緩衝機構20により、モータケース10aをその上部側からのみ支持しても、上記電気モータ10をダイナミックダンパーとして十分に機能させることができる。
また、上記例では、上記電気モータ10と上記減速歯車機構11とをフレキシブルカップリング12により連結したが、上記電気モータ10と上記減速歯車機構11とを連結する動力伝達機構としては、上記フレキシブルカップリング12に限るものではなく、等速ジョイントなどのモータの出力軸と減速歯車機構の入力軸との間の偏心・偏角を許容するものであればよい。
また、上記例では、駆動用モータとして、電気モータ10と減速歯車機構11とを備えたギヤードモータを用いた例を示したが、図4に示すように、電気モータ10のみでホイール2を駆動する形態でもよい。この場合には、ナックル5の上アーム7側にモータ取付部材5mを設け、このモータ取付部材5mとモータケース10aとを上記緩衝部材20により連結するとともに、モータの出力軸10bとホイールハブ3の回転軸3kとを、例えば、フレキシブルカップリング12のような動力伝達機構で連結する構成とすればよい。なお、図4は、車輌サスペンションをダブルウイッシュボーン型とした例であるが、ストラット型の場合にも適用可能であることはいうまでもない。
また、上記例では、駆動用モータとして、電気モータ10と減速歯車機構11とを備えたギヤードモータを用いた例を示したが、図4に示すように、電気モータ10のみでホイール2を駆動する形態でもよい。この場合には、ナックル5の上アーム7側にモータ取付部材5mを設け、このモータ取付部材5mとモータケース10aとを上記緩衝部材20により連結するとともに、モータの出力軸10bとホイールハブ3の回転軸3kとを、例えば、フレキシブルカップリング12のような動力伝達機構で連結する構成とすればよい。なお、図4は、車輌サスペンションをダブルウイッシュボーン型とした例であるが、ストラット型の場合にも適用可能であることはいうまでもない。
以上説明したように、本発明によれば、悪路走行時における接地性能、及び、乗り心地性能をともに向上させることができるとともに、緩衝機構を小型軽量化できるので、スペース効率にも優れたインホイールモータシステムを提供することができる。
1 タイヤ、2 ホイール、2a リム、2b ホイールディスク、
3 ホイールハブ、4 ストラット、4a コイルバネ、4b ショックアブゾーバ、
4m モータ取付部材、5 ナックル、5j 軸受け、6 制動装置、7 上アーム、
8 下アーム、10 電気モータ、10a モータケース、10b 出力軸、
10j 軸受け、10S ステータ、10R ロータ、11 減速歯車機構、
11a 第1のギヤ部、11b 第2のギヤ部、11c ケース、
12 フレキシブルカップリング、20 緩衝機構、21 バネ部材、
22 ダンパー、22a シリンダ、22b シャフト、23A,23B ガイド部材、23a 固定部、23b ガイドシャフト。
3 ホイールハブ、4 ストラット、4a コイルバネ、4b ショックアブゾーバ、
4m モータ取付部材、5 ナックル、5j 軸受け、6 制動装置、7 上アーム、
8 下アーム、10 電気モータ、10a モータケース、10b 出力軸、
10j 軸受け、10S ステータ、10R ロータ、11 減速歯車機構、
11a 第1のギヤ部、11b 第2のギヤ部、11c ケース、
12 フレキシブルカップリング、20 緩衝機構、21 バネ部材、
22 ダンパー、22a シリンダ、22b シャフト、23A,23B ガイド部材、23a 固定部、23b ガイドシャフト。
Claims (6)
- 駆動輪にホイールを駆動する電気モータが組込まれたインホイールモータシステムにおいて、上記モータのステータ側を支持するモータケースの上面側と車輪部に連結されるナックルとを、ダンパーとバネ部材とを備えた緩衝機構により連結するとともに、上記バネ部材を、上記モータケースの上面側で、上記モータケースのタイヤ前後方向の中心に配置したことを特徴とするインホイールモータシステム。
- 上記モータケースの上面側で、上記バネ部材のタイヤ前後方向の中心に対して対称な位置に、上記バネ部材とダンパーとの作動方向を案内する2本のガイド部材とを設けたことを特徴とする請求項1に記載のインホイールモータシステム。
- 上記ナックルを車体に懸架するストラットにモータ取付部材を配設して、このモータ取付部材と上記モータケースの上面側との間に上記緩衝機構を配設したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインホイールモータシステム。
- 上記モータの駆動力をフレキシブルカップリングを介して上記ホイールに伝達するようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のインホイールモータシステム。
- 上記モータの回転を減速してホイールに伝達する減速歯車機構を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかインホイールモータシステム。
- 上記モータと上記減速歯車機構とをフレキシブルカップリングにより連結したことを特徴とする請求項5に記載のインホイールモータシステム。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005362310A JP2007161168A (ja) | 2005-12-15 | 2005-12-15 | インホイールモータシステム |
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WO2010134297A1 (ja) * | 2009-05-19 | 2010-11-25 | 東海ゴム工業株式会社 | 電動モータ駆動式車両用の駆動ユニット防振保持装置 |
-
2005
- 2005-12-15 JP JP2005362310A patent/JP2007161168A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010134297A1 (ja) * | 2009-05-19 | 2010-11-25 | 東海ゴム工業株式会社 | 電動モータ駆動式車両用の駆動ユニット防振保持装置 |
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