JP4607603B2 - 車輪支持装置 - Google Patents

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この発明は、車輪支持装置に関し、特に耐久性が高い車輪支持装置に関するものである。
従来のインホイールモータ駆動方式として、中空モータをモータサスペンションによって支持したものが知られている(非特許文献1)。中空モータは、車輪のホイールに連結されており、ホイールを回転させる。中空モータは、モータサスペンションによって車両の上下方向に振動可能に支持され、バネ下重量から切離される。そして、ホイールは、サスペンションアームによって車両に支持される。このインホイールモータ駆動方式においては、車輪が振動すると、中空モータは、車輪の振動をホイールを介して受け、車両の上下方向に振動する。そして、中空モータの振動は、バネ下の振動を相殺する。
特開平5−319103号公報 特開平11−170831号公報 特許第3440082号公報 長屋 豪、若尾 泰通、阿部 明彦,"ダイナミックダンパ型インホイールモータの開発",社団法人 自動車技術会,2002年11月26日,学術講演会前刷集 No. 83-02,p9−12
しかし、従来のインホイールモータ駆動方式においては、車輪の回転によってモータが回転し、そのモータの回転によってモータ支持部に剪断力がかかり、モータ支持部の耐久性が低下するという問題がある。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、耐久性が高い車輪支持装置を提供することである。
この発明によれば、車輪支持装置であって、車輪のホイール内に設けられたインホイールモータに取り付けられ、車輪の振動と前記インホイールモータの振動とを互いに減衰するように配置された弾性部材と、一方端が車体の上下方向に回動可能に車体に固定されたサスペンションアームと、サスペンションアームの他方端および弾性部材に連結され、車輪のホイールを回転可能に支持する回転支持部材と、一方端が前記インホイールモータに連結されるとともに、他方端が回転支持部材に連結され、車輪の回転によるインホイールモータの回転を抑制する回転抑制部材とを備える。弾性部材は、車体の進行方向の一方向側のみにインホイールモータに取り付けられる。回転抑制部材は、上記一方向側のみにインホイールモータに取り付けられる。弾性部材は、車体の進行方向から見たときに、インホイールモータとの固定点が、インホイールモータの重心を通り、かつ車体の上下方向に延在する重心線上に位置するようにインホイールモータに固定される。
好ましくは、弾性部材は、インホイールモータとの固定点を中央部として、車体の上下方向に直列に配置された一対の弾性部材と、一対の弾性部材の振動を減衰する振動減衰機構とを含む。一対の弾性部材は、各々が、インホイールモータとの固定点と回転支持部材との間に予め自然長から圧縮された状態で組み付けられる
好ましくは、インホイールモータは、動力を発生するモータと、モータにより発生された動力をホイールに伝達するモータ出力軸とを含む。モータ出力軸は、動力をホイールに伝達する等速ジョイントに連結され、かつ、モータを、モータ出力軸と等速ジョイントとの連結部分を支点として支持する
この発明による車輪支持装置は、車輪の回転によるインホイールモータの回転を抑制する回転抑制部材を備えるので、車輪の回転によるインホイールモータの回転力がインホイールモータの支持部である弾性部材にかかるのが抑制され、弾性部材への剪断力が抑制される。
したがって、この発明によれば、インホイールモータの支持部の耐久性を向上できる。すなわち、車輪支持装置の耐久性を向上できる。
また、この発明による車輪支持装置は、弾性部材がインホイールモータの重心を支持するようにインホイールモータに固定されるため、インホイールモータの振動を安定させることができるとともに、等速ジョイントの荷重負荷が低減される。
したがって、この発明によれば、等速ジョイントの耐久性を向上できる。すなわち、車輪支持装置の耐久性を向上できる。さらに、等速ジョイントの小型軽量化が可能となる。
また、この発明による車輪支持装置は、弾性部材および回転抑制部材が、回転支持部材の近傍に配置されることから、インホイールモータの振動によって回転支持部材にかかる曲げ応力を低減することができる。
したがって、この発明によれば、回転支持部材の耐久性を向上できる。すなわち、車輪支持装置の耐久性を向上できる。
さらに、この発明による車輪支持装置は、弾性部材および回転抑制部材を、インホイールモータの重心線に対して車体の進行方向の少なくとも一方向にオフセットして配置することにより、インホイールモータの車体の上下方向にスペースを確保することができ、車輪支持装置の搭載性を向上できる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
参考例1]
図1は、この発明の実施の形態の第1の参考例による車輪支持装置およびそれによって支持される電動輪の概略断面図である。図1を参照して、電動輪100は、ホイールディスク10と、ホイールハブ20と、等速ジョイント30と、ブレーキロータ40と、ブレーキキャリパ50と、インホイールモータIWMと、タイヤ250とを備える。
インホイールモータIWMは、ケース60と、シャフト110とを有する。また、インホイールモータIWMは、モータと、プラネタリギヤと、オイルポンプと、オイル通路とを含む。モータ、プラネタリギヤ、オイルポンプおよびオイル通路は、ケース60に収納されているため、図1においては図示されていない。
また、車輪支持装置200は、モータマウント140,150と、ボールジョイント160,170と、ナックル180と、トルクロッド190と、部材194と、アッパーアーム210と、ロアアーム220と、ショックアブソーバ230とを含む。
ホイールディスク10は、略カップ型形状を有し、ディスク部10Aとリム部10Bとからなる。そして、ホイールディスク10は、ホイールハブ20、ブレーキロータ40、ブレーキキャリパ50、およびインホイールモータIWMを収納するようにしてもよい。ホイールディスク10は、ディスク部10Aをネジ1,2によってホイールハブ20に締結することによりホイールハブ20と連結される。ホイールハブ20は、等速ジョイント30を内蔵し、その内蔵した等速ジョイント30を介してインホイールモータIWMのシャフト110に連結される。そして、ホイールハブ20は、ハブベアリング11,12によってナックル180に回転自在に支持される。
等速ジョイント30は、インナー31と、ボール32とを含む。インナー31は、シャフト110に嵌合される。ボール32は、シャフト110の回転軸方向に設けられたホイールハブ20の溝とインナー31の溝とに噛合っており、シャフト110の回転に伴ってホイールハブ20を回転させる。また、ボール32は、ホイールハブ20およびインナー31に設けられた溝に沿ってシャフト110の回転軸方向に移動可能である。
ブレーキロータ40は、内周端がネジ3,4によってホイールハブ20の外周端に固定
され、外周端がブレーキキャリパ50内を通過するように配置される。ブレーキキャリパ50は、ナックル180に固定される。そして、ブレーキキャリパ50は、ブレーキピストン51と、ブレーキパッド52,53とを含む。ブレーキパッド52,53は、ブレーキロータ40の外周端を挟み込む。
開口部50Aからブレーキオイルが供給されると、ブレーキピストン51は、紙面右側へ移動し、ブレーキパッド52を紙面右側へ押す。ブレーキパッド52がブレーキピストン51によって紙面右側へ移動すると、それに応答してブレーキパッド53が紙面左側へ移動する。これにより、ブレーキパッド52,53は、ブレーキロータ40の外周端を挟み込み、電動輪100にブレーキがかけられる。
ケース60は、ホイールハブ20の紙面左側に配置される。そして、ケース60は、シャフト110と、図示省略されたモータ、プラネタリギヤ、オイルポンプおよびオイル通路とを収納する。
シャフト110は、一方端がプラネタリギヤに連結されており、他方端が等速ジョイント30のインナー31にスプライン嵌合され、ベアリング(図示せず)によって回転自在に支持される。
ケース60に収納されたモータは、ステータコアと、ステータコイルと、ロータとからなり、ステータコイルに電流が流されることによってロータが回転し、所定のトルクを出力する。そして、プラネタリギヤは、モータの回転速度を減速し、モータから出力されたトルクを大きくしてシャフト110に伝達する。シャフト110は、プラネタリギヤから伝達されたトルクによって、等速ジョイント30を介して所定の回転数でホイールハブ20およびホイールディスク10を回転する。このように、インホイールモータIWMは、ホイールディスク10に収納され、所定のトルクによってホイールハブ20およびホイールディスク10を所定の回転数で回転する。これにより、電動輪100は、所定の回転数で回転する。そして、インホイールモータIWMの駆動中、インホイールモータIWMに内蔵されたオイルポンプは、オイル溜に溜まったオイルをオイル通路を介して汲み上げ、その汲み上げたオイルをモータのステータコイル、プラネタリギヤおよびベアリング等に供給し、ステータコイルを冷却するとともにプラネタリギヤおよびベアリングを潤滑する。
タイヤ250は、ホイールディスク10のリム部10Bの外縁に固定される。
モータマウント140,150は、車体の上下方向DR1に伸縮可能な構成からなり、インホイールモータIWMのケース60に取り付けられる。より具体的には、モータマウント140,150は、車体の上下方向DR1からケース60に取り付けられる。ボールジョイント160,170は、それぞれ、モータマウント140,150に取り付けられる。
ナックル180(180a)は、一方端がボールジョイント160に連結され、他方端がハブベアリング11,12を介してホイールハブ20に連結される。ナックル180(180b)は、一方端がボールジョイント170に連結され、他方端がハブベアリング11,12を介してホイールハブ20に連結される。これによって、ナックル180は、ホイールハブ20およびホイールディスク10を回転可能に支持する。
トルクロッド190は、直線部191と、湾曲部192と、端部193とからなる。直線部191は、その一方端がボールジョイント160に連結され、他方端が湾曲部192に連結される。湾曲部192は、部材194に設けられた孔(図示せず)に挿入され、部材194を貫通する。そして、湾曲部192は、一方端が直線部191に連結され、他方端が端部193に連結される。湾曲部192は、等速ジョイント30の中心Oから半径Rの軌道OBTに沿って湾曲している。部材194は、ケース60の端面60Aに固定される。
アッパーアーム210およびロアアーム220は、車体の上下方向DR1に配置される。アッパーアーム210は、一方端がボールジョイント160に連結され、他方端が車体の上下方向DR1に回動可能に車体に固定される。ロアアーム220は、一方端がボールジョイント170に連結され、他方端が車体の上下方向DR1に回動可能に車体に固定される。また、ロアアーム220は、ショックアブソーバ230を介して車体に連結される。これにより、電動輪100は、車体に懸架される。
このように、アッパーアーム210およびロアアーム220は、車体の上下方向DR1からそれぞれボールジョイント160,170を介してモータマウント140,150に連結される。
リンク240は、一方端がボールジョイント170に連結される。そして、リンク240は、車体のステアリング(ハンドル)からの回転力に応じて、車両の進行方向に対して右方向または左方向に電動輪100を回動する。
アッパーアーム210およびロアアーム220は、車体の上下方向DR1に回動自在に車体に固定され、ロアアーム220は、ショックアブソーバ230を介して車体に連結されるので、アッパーアーム210、ロアアーム220およびショックアブソーバ230は、サスペンションとして機能する。そして、アッパーアーム210およびロアアーム220は、「サスペンションアーム」を構成する。
図2は、図1に示すA方向から見た電動輪100および車輪支持装置200の平面図である。図2を参照して、アッパーアーム210は、2つの端部210A,210Bを有し、端部210A,210Bによって車体の上下方向DR1に回動可能に車体に固定される。トルクロッド190は、2つの直線部191A,191Bと、2つの湾曲部192A,192Bと、2つの端部193A,193Bとからなる。部材194は、2つの部材194A,194Bからなる。そして、部材194A,194Bは、車体の進行方向DR2に対して所定の間隔で配置され、ケース60の端面60Aに固定される。
直線部191A,191Bは、その一方端がボールジョイント160に連結され、他方端がそれぞれ湾曲部192A,192Bに連結される。湾曲部192A,192Bは、一方端がそれぞれ直線部191A,191Bに連結され、他方端がそれぞれ端部193A,193Bに連結される。そして、直線部191A,191Bは、ボールジョイント160との連結部から車体に向かう方向(紙面奥から手前に向かう方向)に相互の間隔が広くなるように配置される。これによって、湾曲部192A,192Bは、車体の進行方向DR2に対して所定の間隔で配置される。
湾曲部192Aは、部材194Aの孔1941に挿入され、部材194Aを貫通して端部193Aに連結される。また、湾曲部192Bは、部材194Bの孔1942に挿入され、部材194Bを貫通して端部193Bに連結される。そして、部材194A,194Bは、インホイールモータIWMが車体の上下方向DR1に振動することに伴ってそれぞれ湾曲部192A,192Bに沿って車体の上下方向DR1に振動可能である。
端部193A,193Bは、それぞれ、孔1941,1942よりも大きい直径を有し、それぞれ、湾曲部192A,192Bの他方端に連結される。そして、端部193A,
193Bは、インホイールモータIWMがロアアーム220側に移動したことに伴って部材194A,194Bに当接し、部材194A,194Bがロアアーム220側へ一定範囲を超えて移動するのを抑止する。つまり、端部193A,193Bは、インホイールモータIWMがロアアーム220側へ一定範囲を超えて移動するのを抑止する。これによって、インホイールモータIWMのロアアーム220への衝突が回避される。
電動輪100は、インホイールモータIWMから出力されるトルクによって回転されるので、電動輪100の回転に伴って、電動輪100の回転方向DR3と反対の回転方向DR4に回転しようとする回転反力がインホイールモータIWMに生じ、インホイールモータIWMは、回転方向DR4に回転する。
そうすると、部材194A,194Bは、インホイールモータIWMのケース60に固定されており、直線部191A,191Bは、ボールジョイント160に連結され、湾曲部192A,192Bは、それぞれ、部材194A,194Bを貫通しているので、トルクロッド190および部材194A,194B(部材194)は、回転方向DR4へのインホイールモータIWMの回転を抑制する。これによって、インホイールモータIWMの回転方向DR4への回転による剪断力がモータマウント140(インホイールモータIWMの支持部)にかかるのが抑制される。
再び図1を参照して、車輪支持装置200は、モータマウント140,150をインホイールモータIWMのケース60に固定し、ボールジョイント160,170によってサスペンションアーム(アッパーアーム210およびロアアーム220)をモータマウント140,150およびナックル180に連結することにより、電動輪100を車体に支持する。
すなわち、車輪支持装置200は、アッパーアーム210、ロアアーム220およびナックル180によってホイールディスク10およびホイールハブ20を回転可能に支持し、アッパーアーム210、ロアアーム220およびモータマウント140,150によってインホイールモータIWMを車体の上下方向DR1に振動可能に支持する。
車両の走行中に、電動輪100が路面状態等に応じて車体の上下方向DR1に振動を受けると、ダンパーマスとなるインホイールモータIWMによってモータマウント140,150は、車体の上下方向DR1に伸縮し、電動輪100が受けた振動と位相のずれたインホイールモータIWMの上下方向DR1への振動を発生させる。つまり、モータマウント140,150は、電動輪100の振動をインホイールモータIWMの振動に変換する。そして、モータマウント140,150は、電動輪100が受けた振動をインホイールモータIWMに相殺させる。すなわち、モータマウント140,150は、電動輪100の振動とインホイールモータIWMの振動を互いに減衰する。そうすると、電動輪100の振動は、アッパーアーム210およびロアアーム220を介して車体に伝達されにくくなる。
これにより、タイヤ250からのバネ下入力が緩和される。すなわち、ショックアブソーバ230によって吸収し切れない振動が吸収される。その結果、車両の乗り心地が向上する。
インホイールモータIWMが電動輪100の振動を減衰するように車体の上下方向DR1に振動する場合、トルクロッド190および部材194は、インホイールモータIWMの車体の上下方向DR1への振動を軌道OBT上に規制する。ボール32は、ホイールハブ20の溝およびインナー31の溝に沿ってシャフト110の回転軸方向に移動可能であるので、インホイールモータIWMは、ナックル180およびモータマウント140,150を介してホイールディスク10およびホイールハブ20から上下方向DR1の振動を受けると、等速ジョイント30の中心Oを中心として車体の上下方向DR1に振動する。また、部材194は、インホイールモータIWMのケース60に固定されており、トルクロッド190は、部材194を貫通しているので、インホイールモータIWMの上下方向DR1への振動は、軌道OBT上に規制される。すなわち、トルクロッド190および部材194は、インホイールモータIWMの上下方向DR1への振動を、等速ジョイント30の中心Oを中心とし、かつ、等速ジョイント30との距離を半径Rとする軌道OBT上に規制する。
また、車両の走行中に、電動輪100が回転方向DR3に回転すると、インホイールモータIWMは、回転方向DR4に回転する(図2参照)。そうすると、トルクロッド190および部材194は、電動輪100の回転によって生じるインホイールモータIWMの回転を抑制する。また、トルクロッド190および部材194は、電動輪100の上下方向DR1への振動に伴ってインホイールモータIWMを軌道OBTに沿って振動させるとともに、インホイールモータIWMがロアアーム220に衝突するのを防止する。その結果、インホイールモータIWMの回転方向DR4への回転による剪断力がモータマウント140(インホイールモータIWMの支持部)にかかるのが抑制され、車輪支持装置200の耐久性を向上できる。
上記においては、トルクロッド190は、アッパーアーム210側に配置されたボールジョイント160に連結されると説明したが、この発明においては、これに限らず、トルクロッド190は、ロアアーム220側に配置されたボールジョイント170に連結されてもよい。また、この発明においては、トルクロッドは、アッパーアーム210側に配置されたボールジョイント160およびロアアーム220側に配置されたボールジョイント170の両方に連結されていてもよい。つまり、この発明においては、トルクロッドは、アッパーアーム210側に配置されたボールジョイント160およびロアアーム220側に配置されたボールジョイント170の少なくとも一方に連結されていればよい。
なお、ホイールディスク10およびホイールハブ20は、「ホイール」を構成する。
また、モータマウント140,150は、「弾性部材」を構成する。
さらに、トルクロッド190および部材194は、「回転抑制部材」を構成する。そして、回転抑制部材は、一方端がボールジョイント160に連結され、他方端が2つの連結部(部材194A,194B)によってインホイールモータIWMに連結される。
さらに、ナックル180は、電動輪100のホイール(ホイールディスク10およびホイールハブ20)を回転可能に支持する「回転支持部材」を構成する。
参考例2]
図3は、この発明の実施の形態の第2の参考例による車輪支持装置およびそれによって支持される電動輪の概略断面図である。また、図4は、図3に示すA方向から見たインホイールモータIWMおよび車輪支持装置の平面図である。
図3を参照して、電動輪100は、車輪支持装置200Aによって支持される。
図3および図4を参照して、車輪支持装置200Aは、車輪支持装置200のトルクロッド190および部材194をそれぞれトルクロッド290および部材294に代えたものであり、その他は、車輪支持装置200と同じである。
トルクロッド290は、直線部291と、湾曲部292と、端部293とからなる。直線部291は、その一方端がボールジョイント160に連結され、他方端が湾曲部292に連結される。湾曲部292は、部材294に設けられた孔2941に挿入され、部材294を貫通する。そして、湾曲部292は、一方端が直線部291に連結され、他方端が端部293に連結される。湾曲部292は、等速ジョイント30の中心Oから半径Rの軌道OBTに沿って湾曲されている。端部293は、部材294の孔2941の直径よりも大きい直径を有する。
直線部291は、ボールジョイント160との連結部から車体に向かう方向(紙面奥から手前に向かう方向)に、車体の進行方向DR2に対して斜め方向に配置される。
部材294は、ケース60の端面60Aに固定される。そして、部材294は、インホイールモータIWMが車体の上下方向DR1に振動することに伴って湾曲部292に沿って車体の上下方向DR1に振動可能である。
端部293は、インホイールモータIWMがロアアーム220側に移動したことに伴って部材294に当接し、部材294がロアアーム220側へ一定範囲を超えて移動するのを抑止する。つまり、端部293は、インホイールモータIWMがロアアーム220側へ一定範囲を超えて移動するのを抑止する。これによって、インホイールモータIWMのロアアーム220への衝突が回避される。
トルクロッド290および部材294は、車輪支持装置200のトルクロッド190および部材194と同じ機能を果たし、電動輪100の回転方向DR3への回転によって生じるインホイールモータIWMの回転方向DR4への回転を抑制する。また、トルクロッド290および部材294は、電動輪100の上下方向DR1への振動に伴うインホイールモータIWMの上下方向DR1への振動を軌道OBT上に規制するとともに、インホイールモータIWMがロアアーム220に衝突するのを防止する。
そして、トルクロッド290および部材294は、「回転抑制部材」を構成し、回転抑制部材は、一方端がボールジョイント160に連結され、他方端が1つの連結部(部材294)によってインホイールモータIWMに連結される。
このように、参考例2による回転抑制部材は、1つのトルクロッド290および1つの部材294によって構成されることを特徴とする。
なお、上記においては、トルクロッド290は、アッパーアーム210側に配置されたボールジョイント160に連結されると説明したが、この発明においては、これに限らず、トルクロッド290は、ロアアーム220側に配置されたボールジョイント170に連結されてもよい。また、この発明においては、トルクロッドは、アッパーアーム210側に配置されたボールジョイント160およびロアアーム220側に配置されたボールジョイント170の両方に連結されていてもよい。つまり、この発明においては、トルクロッドは、アッパーアーム210側に配置されたボールジョイント160およびロアアーム220側に配置されたボールジョイント170の少なくとも一方に連結されていればよい。
その他は、参考例1と同じである。
上述した参考例1,2において、回転抑制部材(トルクロッド190および部材194またはトルクロッド290および部材294)は、2つの連結部(194A,194B)または1つの連結部(294)によってインホイールモータIWMに連結されると説明したが、この発明においては、回転抑制部材は、少なくとも1つの連結部によってインホイールモータIWMに連結されていればよい。
[実施の形態]
図5は、この発明の実施の形態による車輪支持装置およびそれによって支持される電動輪の概略断面図である。また、図6は、図5に示すA方向から見た電動輪および車輪支持装置の平面図である。
図5を参照して、電動輪100は、ホイールディスク10と、ホイールハブ20と、等速ジョイント30と、ブレーキロータ40と、ブレーキキャリパ50と、インホイールモータIWMと、タイヤ250とを備える。
インホイールモータIWMは、ケース60と、シャフト110とを有する。また、インホイールモータIWMは、モータと、プラネタリギヤと、オイルポンプと、オイル通路とを含む。モータ、プラネタリギヤ、オイルポンプおよびオイル通路は、ケース60に収納されているため、図5においては図示されていない。
図5および図6を参照して、電動輪100は、車輪支持装置200Bによって支持される。車輪支持装置200Bは、ダイナミックダンパマス機構300と、ボールジョイント160,170と、ナックル280と、トルクロッド390と、アッパーアーム210と、ロアアーム220と、ショックアブソーバ(図示せず)とを含む。
ナックル280(280a)は、一方端がボールジョイント160に連結され、他方端がハブベアリング11,12を介してホイールハブ20に連結される。ナックル280(280b)は、一方端が図示しないプレートにボルトにより固定され、他方端がハブベアリング11,12を介してホイールハブ20に連結される。なお、図示しないプレートは、ボールジョイント170に連結される。これによって、ナックル280は、ホイールハブ20およびホイールディスク10を回転可能に支持する。
トルクロッド390(390a)は、一方端がインホイールモータIWMのケース60に連結され、他方端がナックル280(280a)に連結される。トルクロッド390(390b)は、一方端がケース60に連結され、他方端がナックル280(280b)に連結される。
図6に示すように、トルクロッド390は、車両の進行方向DR2に対して、インホイールモータIWMを挟んで、ブレーキキャリパ50の反対側に配置される。そして、トルクロッド390aとトルクロッド390bとは、車両の上下方向DR1に沿って所定の距離を隔てて配置される。
電動輪100は、インホイールモータIWMから出力されるトルクによって回転されるので、電動輪100の回転に伴って、電動輪100の回転方向DR3と反対の回転方向DR4に回転しようとする回転反力がインホイールモータIWMに生じ、インホイールモータIWMは、回転方向DR4に回転する。
そうすると、トルクロッド390a,390bは、一方端がインホイールモータIWMのケース60に固定されており、他方端がナックル280a,280bにそれぞれ連結されているので、回転方向DR4へのインホイールモータIWMの回転を抑制する。すなわち、トルクロッド390は、回転抑制部材を構成し、インホイールモータIWMの回転方向DR4への回転による剪断力がナックル280にかかるのが抑制される。
ダイナミックマスダンパ機構300は、車両の上下方向に設けられる1対の弾性部材であるスプリング302,304から構成される。ダイナミックマスダンパ機構300の中央部306は、インホイールモータIWMのケース60の外周側面に取り付けられる。
ここで、本実施の形態において、ダイナミックマスダンパ機構300は、図5に示すように、車体の進行方向(紙面垂直方向に相当)から見て、中央部306がインホイールモータIWMの重心線L1上に位置するように取り付けられることを特徴とする。なお、重心線L1とは、インホイールモータIWMの重心を通り、かつインホイールモータIWMの振動方向(車両の上下方向DR1に相当)に平行な直線である。さらに、ダイナミックマスダンパ機構300の中央部306は、インホイールモータIWMの回転軸と同じ高さになる位置に取り付けられる。
そして、ダイナミックマスダンパ機構300の上部310は、ナックル280aに接続される。上部310と中央部306とは、スプリング302を介して接続される。ダイナミックマスダンパ機構300の下部312は、ナックル280bに接続される。中央部306と下部312とは、スプリング304を介して接続される。
また、ダイナミックマスダンパ機構300の上部310と下部312との間には、中央部306を貫通してアブソーバ314が配される。アブソーバ314は、一方端が中央部306に固定されるシャフト316を含む。シャフト316は、スプリング304の伸縮に応じて上下方向に振動する。アブソーバ314は、シャフト316の上下方向の振動を減衰させる。中央部306を貫通するシャフト316は、ブッシュ308により車両の進行方向DR2の位置が制限される。また、アブソーバ314の下端は、ブッシュ326により車両の進行方向DR2の位置が制限される。
さらに、本実施の形態において、ダイナミックマスダンパ機構300は、図6に示すように、車両の進行方向DR2に沿って、インホイールモータIWMを挟んでブレーキキャリパ50と反対側に配置されることを特徴とする。すなわち、本実施の形態において、ダイナミックマスダンパ機構300およびトルクロッド390と、ブレーキキャリパ50とは、車両の進行方向DR2に沿って、インホイールモータIWMの両側にそれぞれ配置される。
その結果、トルクロッド390およびダイナミックマスダンパ機構300の各々は、回転支持部材であるナックル280の近傍に配設される。これにより、ナックル280とトルクロッド390およびダイナミックマスダンパ機構300との間の相対的な距離が縮められ、ナックル280にかかる曲げモーメントが低減されることから、ナックル280の耐久性の向上できる。すなわち、車輪支持装置200Bの耐久性を向上できる。
さらに、ナックル280がインホイールモータIWMを支持するのに必要な強度は、従来の車輪支持装置に対して相対的に低いもので十分であることから、ナックル280の小型軽量化を図ることができる。
さらに、車輪支持装置200Bは、図6に示すように、トルクロッド390およびダイナミックマスダンパ機構300がインホールモータIWMの重心線から車体の進行方向DR2にオフセットして配置されることから、車体の上下方向DR1に沿って、インホイールモータIWMの上方および下方にトルクロッド190およびモータマウント140,150が配置される図1の電動輪100に対して、インホイールモータIWMの車両の上下方向DR1により広いスペースを確保することができる。これにより、車輪支持装置200Bの搭載性が向上する。
また、ダイナミックマスダンパ機構300をインホイールモータIWMの一方向側にのみ配置することによって、インホイールIWMの他方側(ブレーキキャリパ50側)に有効なスペースを確保することができる。
なお、本実施の形態において、ダイナミックマスダンパ機構300は、インホイールモータIWMの車体の進行方向DR2の一方向側にのみに配置されるが、トルクロッド390が、インホイールモータIWMの回転方向DR4への回転を抑制し、インホイールモータIWMの振動方向を車両の上下方向DR1に規制することから、所望のダンパー性能を実現することができる。
再び図5を参照して、アッパーアーム210およびロアアーム220は、車体の上下方向DR1に配置される。アッパーアーム210は、一方端がボールジョイント160に連結され、他方端が車体の上下方向DR1に回動可能に車体に固定される。ロアアーム220は、一方端がボールジョイント170に連結され、他方端が車体の上下方向DR1に回動可能に車体に固定される。また、ロアアーム220は、図示しないショックアブソーバを介して車体に連結される。これにより、電動輪100は、車体に懸架される。
このように、アッパーアーム210およびロアアーム220は、車体の上下方向DR1からそれぞれボールジョイント160,170を介してナックル280a,280bにそれぞれ連結される。
そして、ナックル280a,280bは、図示しないステアリングタイロッドの一方端に連結される。ステアリングタイロッドは、車体のステアリング(ハンドル)からの回転力に応じて、車両の進行方向に対して右方向または左方向に電動輪100を回動する。
アッパーアーム210およびロアアーム220は、車体の上下方向DR1に回動自在に車体に固定され、ロアアーム220は、ショックアブソーバ230を介して車体に連結されるので、アッパーアーム210、ロアアーム220およびショックアブソーバ230は、サスペンションとして機能する。そして、アッパーアーム210およびロアアーム220は、「サスペンションアーム」を構成する。
ダイナミックマスダンパ機構300は、中央部306において、インホイールモータIWMのケース60に固定される。また、ダイナミックマスダンパ機構300は、ナックル280に連結される。そして、ボールジョイント160,170によって、ナックル280とサスペンションアーム(アッパーアーム210およびロアアーム220)とを連結することにより、車輪支持装置200Bは、電動輪100を車体に支持する。
すなわち、車輪支持装置200Bは、アッパーアーム210、ロアアーム220およびナックル280によって、ホイールディスク10およびホイールハブ20を回転可能に支持するとともに、アッパーアーム210、ロアアーム220およびダイナミックマスダンパ機構300によって、インホイールモータIWMを車両の上下方向DR1に振動可能に支持する。
また、車両の走行中に、電動輪100が回転方向DR3に回転すると、インホイールモータIWMは、回転方向DR4に回転する。そうすると、トルクロッド390は、電動輪100の回転によって生じるインホイールモータIWMの回転を抑制する。
以上の構成において、車両の走行中に、電動輪100が路面状態等に応じて車体の上下方向DR1に振動を受けると、ダンパーマスとなるインホイールモータIWMによってダイナミックマスダンパ機構300のスプリング302,304は、車体の上下方向DR1に伸縮する。スプリング302,304は、電動輪100が受けた振動と位相のずれたインホイールモータIWMの上下方向DR1への振動を発生させる。つまり、ダイナミックマスダンパ機構300は、電動輪100の振動をインホイールモータIWMの振動に変換する。このとき、電動輪100の振動とインホイールモータIWMの振動とは互いに位相がずれているため、電動輪100が受けた振動は、インホイールモータIWMに生じた振動によって相殺される。すなわち、ダイナミックマスダンパ機構300は、電動輪100の振動とインホイールモータIWMの振動とを互いに減衰する。そうすると、電動輪100の振動は、アッパーアーム210およびロアアーム220を介して車体に伝達されにくくなる。
インホイールモータIWMは、等速ジョイント30を介して上下に振動する。具体的には、インホイールモータIWMは、等速ジョイント30を回転中心として、車体の上下方向DR1に円弧を描くように振動する。このとき、インホイールモータIWMの車体の進行方向DR2の振動は、ダイナミックマスダンパ機構300の中央部306および下部312にそれぞれ設けられるブッシュ308,326により吸収される。
さらに、ダイナミックマスダンパ機構300の中央部306は、先述のように、インホイールモータIWMの重心線L1上でインホイールモータIWMに固定される。これによれば、スプリング302,304の伸縮によって生じるインホイールモータIWMの振動の安定度を高めることができる。より詳細には、インホイールモータIWMは、電動輪100の振動に応じて、等速ジョイント30を回転中心として、車両の上下方向DR1に円弧を描くように振動する。このとき、ダイナミックマスダンパ機構300は、ダンパーマスとなるインホイールモータIWMの重心を常に支持することから、インホイールモータIWMの振動を安定させるとともに、この振動をアブソーバ314によって効率良く減衰させることができる。その結果、等速ジョイント30にかかる荷重負荷が低減され、等速ジョイント30の耐久性を向上できる。すなわち、車輪支持装置200Bの耐久性を向上できる。また、等速ジョイント30を小型軽量化できることから、車輪支持装置200Bの小型軽量化にも有効である。
このようにして、タイヤ250からのバネ下入力が緩和される。すなわち、電動輪100に振動が生じると、サスペンションに設けられるショックアブソーバによって吸収し切れない振動がダイナミックマスダンパ機構300によって吸収される。その結果、車両の乗り心地が向上する。
なお、本実施の形態において、ダイナミックマスダンパ機構300は、互いに独立したスプリング302,304から構成される。そして、スプリング302,304は、それぞれ、車体の上下方向DR1のストローク範囲中において撓みを持つ状態となっている。
このような構成とすることにより、中央部306、上部310および下部312の少なくとも1つにおいて、スプリング302,304のバネ座面の位置を容易に調整することができる。例えば、図5のように、上部310をシム3100とスナップリング3102とを組み合わせて構成すれば、これらの車体の上下方向DR1の高さを変更することによって、容易にスプリング302のバネ座面の位置を調整することができる。あるいは、上部310を、図7に示すように、2つのナット3104,3106(またはボルト)を連結して構成すれば、各ナットの車体の上下方向DR1の高さを変更することによって、容易にバネ座面の位置を調整することができる。そして、図5および図7のいずれかの構成を、中央部306または下部312にも適用することにより、インホイールモータIWMの中立位置の調整およびスプリング302,304のストローク調整を容易に行なうことができ、設計変更に伴なうコストを大幅に低減することができる。
また、この発明において、スプリング302,304は互いに独立し、予め自然長から圧縮された状態で組み付けられていることから、単一のスプリングでダイナミックマスダンパ機構300を構成するのに対して、スプリングのバネ定数は略半分となる。その結果、スプリング302,304の素線径を細くして内径を大きくとることができ、スプリング302,304の内周側にアブソーバ314を配置することができる。
なお、ホイールディスク10およびホイールハブ20は、「ホイール」を構成する。
また、ダイナミックマスダンパ機構300は、「弾性部材」を構成し、スプリング302,304は、「1対の弾性部材」を構成する。そして、アブソーバ314は、「振動減衰機構」を構成する。
さらに、トルクロッド390は、「回転抑制部材」を構成する。
さらに、ナックル280は、電動輪100のホイール(ホイールディスク10およびホイールハブ20)を回転可能に支持する「回転支持部材」を構成する。
参考例3
図8は、この発明の実施の形態の第3の参考例による車輪支持装置およびそれによって支持されるインホイールモータIWMの概略断面図である。
図8を参照して、車輪支持装置200Cは、車輪支持装置200Bのダイナミックマスダンパ機構300を、2個のダイナミックマスダンパ機構300,300Aに代えたものである。なお、ダイナミックマスダンパ機構300Aは、図5および図6で示したダイナミックマスダンパ機構300と同一の構造からなる。
より詳細には、ダイナミックマスダンパ機構300,300Aは、車両の進行方向DR1に沿ってインホイールモータIWMの両側に配設される。
ダイナミックマスダンパ機構300,300Aは、図示は省略するが、いずれもインホイールモータIWMの重心線L1上に中央部306が位置するように、インホイールモータIWMの外周側面に取り付けられる。このとき、ダイナミックマスダンパ機構300,300Aにおいて、アブソーバ314は、中央部306に設けたブッシュ308によって、インホイールモータIWMの回転方向DR4への回転を許容するように固定される。さらに、アブソーバ314は、下部312に設けたブッシュ326によって、インホイールモータIWMの回転方向DR4への回転を許容するように固定される。
トルクロッド390(390a,390b)は、上述したように、インホイールモータIWMの回転方向DR4への回転を抑制し、インホイールモータIWMの振動方向を車両の上下方向DR1に規制する。
このような構成とすることにより、インホイールモータIWMに生じた車両の上下方向DR1の振動は、インホイールモータIWMの両側に位置するダイナミックマスダンパ機構300,300Aに均等に伝達されることになる。すなわち、ダイナミックマスダンパ機構300,300Aの各々が、インホイールモータIWMの振動を吸収するように働くことから、図5の車輪支持装置200Bに対して、部品点数が増えるものの、電動輪100に生じた振動をより効率良く吸収することができ、乗り心地がさらに向上する。
なお、本参考例において、インホイールIWMのシャフト110とホイールディスク10とを連結する等速ジョイント30(図示せず)は、インホイールモータIWMのシャフト110を回転軸方向に固定するタイプもしくは、シャフト110を回転軸方向にスライド可能なタイプのいずれをも適用することができる。
参考例4
図9は、この発明の実施の形態の第4の参考例による車輪支持装置およびそれによって支持されるインホイールモータIWMの概略断面図である。
図9を参照して、車輪支持装置200Dは、車輪支持装置200Cの一対のダイナミックマスダンパ機構300,300Aを、一対のダイナミックマスダンパ機構310,310Aに代えたものである。また、車輪支持装置200Dは、車輪支持装置200Cからトルクロッド390を削除したものである。
ダイナミックマスダンパ機構310,310Aは、車両の進行方向DR2に沿ってインホイールモータIWMの両側に配設される。また、ダイナミックマスダンパ機構310,310Aは、それぞれインホイールモータIWMの重心線L1上に中央部306が位置するように、インホイールモータIWMの外周側面に取り付けられる。
ダイナミックマスダンパ機構310,310Aは、スプリング302,304と、アブソーバ314と、アブソーバ314を車両の上下方向DR1に支持する直動ガイドLGとを含む。
直動ガイドLGは、一方端がナックル280(280a)に固定して連結され、他方端がアブソーバ314に連結される。直動ガイドLGは、一方端がナックル280(280b)に固定して結合され、他方端がアブソーバ314に連結される。直動ガイドLGによって、スプリング302,304およびアブソーバ314の振動は、車両の上下方向DR1に規制される。すなわち、ダイナミックマスダンパ機構310,310Aによって、インホイールモータIWMの振動は、車両の上下方向DR1に規制されることになる。その結果、インホイールモータIWMの回転方向DR4への回転が抑制される。すなわち、車両支持装置200Dにおいて、直動ガイドLGは、インホイールモータIWMの回転方向DR4への回転を抑制する回転抑制部材を構成する。
なお、本参考例において、図示しない等速ジョイント30は、インホイールモータIWMの回転軸方向への振動を考慮して、シャフト110を回転軸方向にスライド可能なタイプが適用される。
参考例5
図10は、この発明の実施の形態の第5の参考例による車輪支持装置およびそれによって支持されるインホイールモータIWMの概略断面図である。
図10を参照して、車輪支持装置200Eは、車輪支持装置200Cのトルクロッド390(390a,390b)を、単一のトルクロッド490に代えたものである。
ダイナミックマスダンパ機構300,300Aは、車両の進行方向DR1に沿ってインホイールモータIWMの両側に配設される。また、ダイナミックマスダンパ機構300,300Aは、それぞれインホイールモータIWMの重心線L1上に中央部306が位置するように、インホイールモータIWMの外周側面に取り付けられる。
トルクロッド490は、一方端がインホイールモータIWMのケース60に連結され、他方端がナックル280に連結される。トルクロッド490は、トルクロッド390と同様に「回転抑制部材」を構成し、インホイールモータIWMの回転方向DR4への回転を抑制し、インホイールモータIWMの振動方向を車両の上下方向DR1に規制する。
このような構成とすることにより、インホイールモータIWMに生じた車両の上下方向DR1の振動は、インホイールモータIWMの両側に位置するダイナミックマスダンパ機構300,300Aに均等に伝達される。すなわち、ダイナミックマスダンパ機構300,300Aの各々が、インホイールモータIWMの振動を吸収するように働くことから、車輪支持装置200Bに対して、電動輪100に生じた振動をより効率良く吸収することができ、乗り心地がさらに向上する。
また、トルクロッド490を単一としたことによって、インホイールモータIWMの外周側面へのダイナミックナスダンパ機構300,300AのインホイールモータIWMへの取り付けが容易となる。
なお、本参考例において、等速ジョイント30は、インホイールモータIWMの回転軸方向への振動を考慮して、シャフト110を回転軸方向にスライド可能なタイプが適用される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、耐久性が高い車輪支持装置に適用される。
この発明の実施の形態の第1の参考例による車輪支持装置およびそれによって支持される電動輪の概略断面図である。 図1に示すA方向から見た電動輪および車輪支持装置の平面図である。 第2の参考例による車輪支持装置およびそれによって支持される電動輪の概略断面図である。 図3に示すA方向から見たインホイールモータおよび車輪支持装置の平面図である。 この発明の実施の形態による車輪支持装置およびそれによって支持される電動輪の概略断面図である。 図5に示すA方向から見た電動輪および車輪支持装置の平面図である。 図5におけるダイナミックマスダンパ機構の構成例を示す概略断面図である。 この発明の実施の形態の第3の参考例による車輪支持装置およびそれによって支持されるインホイールモータIWMの概略断面図である。 この発明の実施の形態の第4の参考例による車輪支持装置およびそれによって支持されるインホイールモータIWMの概略断面図である。 この発明の実施の形態の第5の参考例による車輪支持装置およびそれによって支持されるインホイールモータIWMの概略断面図である。
符号の説明
1〜4 ネジ、10 ホイールディスク、10A ディスク部、10B リム部、11,12 ハブベアリング、20 ホイールハブ、30 等速ジョイント、31 インナー、32 ボール、40 ブレーキロータ、50 ブレーキキャリパ、50A 開口部、51 ブレーキピストン、52,53 ブレーキパッド、60 ケース、60A 端面、100 電動輪、110 シャフト、140,150 モータマウント、160,170 ボールジョイント、180 ナックル、190,290,390,390a,390b,490 トルクロッド、191,191A,191B,291 直線部、192,192A,192B,292 湾曲部、193,193A,193B,293 端部、194,194A,194B,294 部材、200,200A〜200E 車両支持装置,210 アッパーアーム、210A,210B 端部、220 ロアアーム、230 ショックアブソーバ、240 リンク、250 タイヤ、300,300A,310,310A ダイナミックマスダンパ機構、302,304 スプリング、306 中央部、308,326 ブッシュ、310 上部、312 下部、314 アブソーバ、316 シャフト、1941,1942,2941 孔、3100 シム、3102 スナップリング、3104,3106 ナット、IWM インホイールモータ。

Claims (3)

  1. 車輪のホイール内に設けられたインホイールモータに取り付けられ、前記車輪の振動と前記インホイールモータの振動とを互いに減衰するように配置された弾性部材と、
    一方端が車体の上下方向に回動可能に前記車体に固定されたサスペンションアームと
    前記サスペンションアームの他方端および前記弾性部材に連結され、前記車輪のホイールを回転可能に支持する回転支持部材と
    一方端が前記インホイールモータに連結されるとともに、他方端が前記回転支持部材に連結され、前記車輪の回転による前記インホイールモータの回転を抑制する回転抑制部材とを備え、
    前記弾性部材は、前記車体の進行方向の一方向側のみに前記インホイールモータに取り付けられ、
    前記回転抑制部材は、前記一方向側のみに前記インホイールモータに取り付けられ、
    前記弾性部材は、前記車体の進行方向から見たときに、前記インホイールモータとの固定点が、前記インホイールモータの重心を通り、かつ前記車体の上下方向に延在する重心線上に位置するように前記インホイールモータに固定される、車輪支持装置。
  2. 前記弾性部材は、
    前記インホイールモータとの固定点を中央部として、前記車体の上下方向に直列に配置された一対の弾性部材と、
    前記一対の弾性部材の振動を減衰する振動減衰機構とを含み、
    前記一対の弾性部材は、各々が、前記インホイールモータとの固定点と前記回転支持部材との間に予め自然長から圧縮された状態で組み付けられる、請求項に記載の車輪支持装置。
  3. 前記インホイールモータは、
    動力を発生するモータと、
    前記モータにより発生された動力を前記ホイールに伝達するモータ出力軸とを含み、
    前記モータ出力軸は、前記動力を前記ホイールに伝達する等速ジョイントに連結され、かつ、前記モータを、前記モータ出力軸と前記等速ジョイントとの連結部分を支点として支持する、請求項1または請求項2に記載の車輪支持装置。
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