JP2007160758A - インクジェット記録体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上にインク受容層を有するインクジェット記録体において、支持体が、紙基材の表面に顔料と結着剤を含有する塗工層を少なくとも1層有し、且つ、該塗工層面のJIS P8140で規定するコッブ吸水度の30秒値が20.0g/m2以下である紙支持体であり、インク受容層が、支持体の該塗工層上に形成され、且つ、BETによる細孔容積が0.5ml/g以上、平均粒子径が700nm以下の微細顔料と接着剤を主成分とする塗被層であることを特徴とするインクジェット記録体。
【選択図】なし
Description
[1]支持体上にインク受容層を有するインクジェット記録体において、支持体が、紙基材の表面に顔料と結着剤を含有する塗工層を少なくとも1層有し、且つ、該塗工層面のJIS P8140で規定するコッブ吸水度の30秒値が20.0g/m2以下である紙支持体であり、インク受容層が、支持体の該塗工層上に形成され、且つ、BETによる細孔容積が0.5ml/g以上、平均粒子径が700nm以下の微細顔料と接着剤を主成分とする塗被層であることを特徴とするインクジェット記録体である。
[2]紙支持体の塗工層中に含有する顔料が、カオリン、炭酸カルシウム、サチンホワイトから選ばれる1種を主成分とする[1]記載のインクジェット記録体。
[3]紙支持体の塗工層面のJ.TAPPI No.5b法で規定する王研式平滑度が、300秒以上である[1]又は[2]記載のインクジェット記録体。
木材パルプは、各種化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等を使用することができ、これらのパルプは、紙力、抄紙適性等を調整するために、叩解機により叩解度を調整できる。パルプの叩解度(フリーネス)は特に限定しないが、一般に250〜550ml(CSF:JIS P8121)程度である。上記コッブ吸水度にするためには、フリーネスは300〜500ml程度に調整することが好ましい。
本発明のインク受容層は、特定の微細な顔料を用いて形成するので、塗工層の表面の風合いが、インクジェット記録体の記録面の風合いとなることがある。
特に、塗工層面がJ.TAPPI No.5b法で規定する王研式平滑度が300秒以上であると、均一なインク受容層が形成できるので、画質の優れたインクジェット記録体が得られるので好ましい。
中でも、ポリビニルアルコールは、成膜性とインク吸収性とのバランスを良好にするために好ましく、2000以上の重合度を有するものがより好ましく、重合度3600〜5000のポリビニルアルコールが特に好ましい。
この場合、インク受容層における微細顔料と接着剤との乾燥固形分質量比率は、顔料100質量部に対し5〜30質量部の範囲であることが好ましい。インク吸収性と塗膜強度のバランスをさらに良くするためには10〜25質量部であることが好ましい。
架橋剤は、公知の材料が適宜使用でき、ポリビニルアルコールを例にすると、架橋剤としては、ホウ素化合物、エポキシ化合物、グリシジル化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、クロム化合物等などが例示できるが、なかでもホウ素化合物は塗料の増粘またはゲル化が早く生じるので特に好ましい。
ホウ素化合物としては、ホウ素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことである。例としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸、及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。このなかで、オルトホウ酸と四ホウ酸二ナトリウムが塗料を適度に増粘させる効果があるために好ましく用いられる。
なお、ポリビニルアルコールを代表例としたが、本発明はポリビニルアルコールに限定するものではない。
なお、カチオン性高分子は、分子量が5000より低いとインク吸収性を阻害するおそれがあるので、分子量5000以上のものを用いることが好ましい。カップリング剤としてはアンモニウム基を持つシランカップリング剤が好ましい。水溶性多価金属塩としては、ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウム、ポリ乳酸アルミニウムがなどのアルミニウム化合物、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム等のジルコニウム化合物が好ましい。
平均粒子径が1μmを超える場合は、ホモミキサーなどの弱い機械力で処理すれば十分分散するが、平均粒子径を1μm以下に粉砕するにはより強い機械力を加えることが効果的であり、圧力式分散方法を用いることが好ましい。圧力式分散方法である高圧粉砕機としては、圧力式ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、マイクロフルイタイザー、ナノマイザーが挙げられるが、特に高速流衝突型ホモジナイザーとしてマイクロフルイタイザー、ナノマイザ−が好ましい。
インク受容層は、1層であっても多層であっても構わない。多層の場合、層ごとに配合がことなっていても構わない。
インク受容層の塗工には、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター、スライドビードコーター等の各種塗工装置を用いることができる。
測定方法は、顔料濃度が3質量%の水分散液200gを調整し、これをホモミキサーに供して1000rpm、30分間の攪拌分散処理を施した後、直ちにこの分散液を電子顕微鏡(SEMとTEM)観察に供して1万〜40万倍の電子顕微鏡写真を撮り、写真中の5cm×5cm四方の面積中に存在する粒子のマーチン径を測定し平均したものである。「微粒子ハンドブック」、朝倉書店、p52、1991年参照)。
無機顔料、もしくは該無機顔料の分散液を105℃で乾燥し、測定用粉体試料を得た。この粉体試料の細孔容積を、窒素ガス吸着法比表面積・細孔分布測定装置〔Coulter社製SA3100plus型〕を用い、前処理として200℃で2時間真空脱気した後に測定した。また、細孔容積は細孔径3〜200nmの全細孔容積の値(窒素相対圧0.991)を使用した。
[紙支持体の製造]
「紙基材の形成」
LBKP90部(フリーネス440ml/csf)、NBKP10部(フリーネス510ml/csf)からなるパルプスラリー中に、パルプ固形分に対して填料として軽質炭酸カルシウムを紙灰分で10%となるように添加し、さらに内添サイズ剤としてAKDサイズ剤(商品名:サイズパインK−902、荒川化学工業社製)0.05%および硫酸アルミニウム0.5%をそれぞれ添加して紙料を調成した。このように調成された紙料を用いて、ハイブリッドタイプのツインワイヤ抄紙機で抄紙、乾燥を行って成紙(基紙)を得た。次いで、このようにして得られた基紙の両面に2本ロールサイズプレス装置を介して、6%濃度の酸化澱粉糊液(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)を両面固形分換算で1.4g/m2となるように塗布、乾燥して米坪が75g/m2の紙基材を得た。
顔料として平均粒子径が0.8μmの重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、備北粉化工業社製)100質量%からなる顔料スラリーに、顔料100質量部に対して、モノマー比としてアクリロニトリルを17質量%含有し、平均粒子径が125nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:T−2629M、ジェイエスアール社製)を8部、酸化澱粉糊液(商品名:エースB、王子コーンスターチ社製)を1部、(いずれも固形分換算)および消泡剤、染料などの助剤を添加し、最終的に固形分濃度が64%の塗被液を調製した。
平均粒子径0.8μmの重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、備北粉化工業社製)40質量%および平均粒子径0.3μmの微細カオリン(商品名:ミラグロス、エンゲルハード社製:米国)60質量%からなる顔料をコーレス分散機で水中に分散して顔料スラリーを得た。上記の顔料スラリーに、顔料100質量部に対して、モノマー比としてアクリロニトリルを21質量%含有し、平均粒子径が95nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:PA2323、日本エイアンドエル社製)11部、酸化澱粉糊液(商品名:エースB、王子コーンスターチ社製)3部、(いずれも固形分換算)および消泡剤、染料などの助剤を添加して、最終的に固形分濃度が64%の塗被液を調製した。
前記の紙基材の両面に、上記第1塗工層用塗被液を、片面当りの乾燥重量が10g/m2となるようにブレードコーターを使用して片面ずつの塗工、乾燥を行って第1塗工層を設けた。次いで、上記第2塗工層用塗被液を片面当りの乾燥重量が10g/m2となるようにブレードコーターで片面ずつの塗工、乾燥を行って水分が5.0%の片面2度塗りの塗工紙を得た。このようにして得られた塗被紙を、スーパーカレンダー(10ニップ、線圧250kg/cm、400m/分)に通紙して紙支持体を得た。
「シリカ微粒子分散液の調製」
平均粒子径1.0μmの気相法シリカ(日本アエロジル社製、商品名:エアロジルA300、平均1次粒子径:約8nm)を用い、ホモミキサーにより分散した後、平均二次粒子径が800nmになるまで高速流衝突型ホモジナイザーで粉砕分散し、10質量%のシリカ微粒子分散液を調製した。
このシリカ微粒子分散液100質量部に対し、5員環アミジン構造を有するカチオン性化合物(ハイモ社製、商品名:SC−700M、分子量:3万)10質量部を添加し、高速流衝突型ホモジナイザーで更に分散し、平均二次粒子径が0.15μmの10質量%のカチオン性高分子−シリカ複合粒子分散液を調製した。この複合粒子のBETによる細孔容積は1.1ml/gであった。
微細顔料として、上記カチオン性高分子−シリカ複合粒子分散液100質量部(固形分)に、バインダーとして重合度3500、ケン化度88.5%のポリビニルアルコール18質量部と、分散剤(東亜合成社製、商品名:アロンSD−10)0.05質量部とを水中で混合して水分散液(濃度:15質量%)を調製した。
紙支持体の塗工層面に、8%硼砂水溶液を塗布した後、上記組成のインク受容層用塗被液を塗工してハイドロゲル化させ、引き続きこのハイドロゲル化した塗工液層を、乾燥機で乾燥してインクジェット記録体を作製した。インク受容層の乾燥塗工量は22g/m2であった。
なお、紙支持体のインク受容層を塗布する面のコッブ吸水度(30秒値)は、19.4g/m2であり、王研式平滑度は908秒であった。
[紙支持体の製造]
「紙基材の形成」
実施例1と同様にして紙基材を得た。
実施例1と同様にして第1塗工層用塗被液を調製した。
平均粒子径2μmの軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパール121、奥多摩工業株式会社製)を30質量%添加し、平均粒子径0.3μmの微細カオリン(商品名:ミラグロス、エンゲルハード社製:米国)を60質量%から30質量%に変更した以外は実施例1と同様にして第2塗工層用塗被液を調製した。
前記の紙基材の両面に、上記第1塗工層用塗被液を、片面当りの乾燥重量が10g/m2となるようにブレードコーターを使用して片面ずつの塗工、乾燥を行って第1塗工層を設けた。次いで、上記第2塗工層用塗被液を片面当りの乾燥重量が10g/m2となるようにブレードコーターで片面ずつの塗工、乾燥を行って水分が5.0%の片面2度塗りを行い、このようにして得られた塗被紙をスーパーカレンダー(4ニップ、線圧100kg/cm、400m/分)に通紙して、紙支持体を得た。
得られた紙支持体を用い、実施例1と同様にして、インク受容層を形成した。
なお、紙支持体のインク受容層を塗布する面のコッブ吸水度(30秒値)は、22.1g/m2であり、王研式平滑度は137秒であった。
[紙支持体の製造]
「紙基材の形成」
米坪が135g/m2となるようにした以外は実施例1と同様にして紙基材を得た。
実施例1と同様にして、第1塗工層用塗被液を調製した。
平均粒子径0.8μmの重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、備北粉化工業社製)10質量%、平均粒子径2μmの軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパール121、奥多摩工業株式会社製)を10質量%添加し、平均粒子径0.3μmの微細カオリン(商品名:ミラグロス、エンゲルハード社製:米国)80質量%からなる顔料をコーレス分散機で水中に分散して顔料スラリーを得た。上記の顔料スラリーに、顔料100質量部に対して、モノマー比としてアクリロニトリルを21質量%含有し、平均粒子径が95nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:PA2323、日本エイアンドエル社製)11部、酸化澱粉糊液(商品名:エースB、王子コーンスターチ社製)1部、(いずれも固形分換算)および消泡剤、染料などの助剤を添加して、最終的に固形分濃度が64%の塗被液を調製した。
前記の紙基材の両面に、上記第1塗工層用塗被液を、片面当りの乾燥重量が12g/m2となるようにブレードコーターを使用して片面ずつの塗工、乾燥を行って第1塗工層を設けた。次いで、上記第2塗工層用塗被液を片面当りの乾燥重量が12g/m2となるようにブレードコーターで片面ずつの塗工、乾燥を行って水分が5.0%の片面2度塗りの塗工紙を得た。このようにして得られた塗被紙を、スーパーカレンダー(10ニップ、線圧250kg/cm、400m/分)に通紙して紙支持体を得た。
得られた紙支持体を用い、実施例1と同様にして、インク受容層を形成した。
なお、紙支持体のインク受容層を塗布する面のコッブ吸水度(30秒値)は、17.5g/m2であり、王研式平滑度は1320秒であった。
[紙支持体の製造]
「紙基材の形成」
米坪が135g/m2となるようにした以外は実施例1と同様にして紙基材を得た。
実施例1と同様にして、第1塗工層用塗被液を調製した。
平均粒子径0.8μmの重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、備北粉化工業社製)40質量%、平均粒子径2μmの軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパール121、奥多摩工業株式会社製)を40質量%、平均粒子径0.3μmの微細カオリン(商品名:ミラグロス、エンゲルハード社製:米国)10質量%、平均粒子径0.6μmのカオリン(商品名:ウルトラホワイト90、エンゲルハード社製:米国)20質量%からなる顔料をコーレス分散機で水中に分散して顔料スラリーを得た。上記の顔料スラリーに、顔料100質量部に対して、モノマー比としてアクリロニトリルを21質量%含有し、平均粒子径が95nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:PA2323、日本エイアンドエル社製)10部、酸化澱粉糊液(商品名:エースB、王子コーンスターチ社製)3部、(いずれも固形分換算)および消泡剤、染料などの助剤を添加して、最終的に固形分濃度が64%の塗被液を調製した。
前記の紙基材の両面に、上記第1塗工層用塗被液を、片面当りの乾燥重量が12g/m2となるようにブレードコーターを使用して片面ずつの塗工、乾燥を行って第1塗工層を設けた。次いで、上記第2塗工層用塗被液を片面当りの乾燥重量が12g/m2となるようにブレードコーターで片面ずつの塗工、乾燥を行って水分が5.0%の片面2度塗りの塗工紙を得た。このようにして得られた塗被紙を、上から弾性ロール、硬質粗面化ロール(Rmax:10μm)、弾性ロールの3本のロールを組み合わせてなる粗面化カレンダーに、片方の面が粗面化ロールに二回、他方の面が弾性ロールに二回、圧接するようにロ通紙して紙支持体を得た。
得られた紙支持体を用い、実施例1と同様にして、インク受容層を形成した。
なお、紙支持体のインク受容層を塗布する面は、粗面化ロールで処理をした面であり、コッブ吸水度(30秒値)は、15.5g/m2であり、王研式平滑度は290秒であった。
[紙支持体の製造]
「紙基材の形成」
米坪が150g/m2となるようにした以外は実施例1と同様にして紙基材を得た。
実施例1と同様にして、第1塗工層用塗被液を調製した。
実施例1と同様にして、第2塗工層用塗被液を調製した。
実施例1と同様にして、塗工層を形成し、紙支持体を得た。
得られた紙支持体を用い、実施例1と同様にして、インク受容層を形成した。
なお、紙支持体のインク受容層を塗布する面のコッブ吸水度(30秒値)は、23.4g/m2であり、王研式平滑度は830秒であった。
[紙支持体の製造]
実施例1と同様にして紙支持体を得た。
「シリカ微粒子分散液の調製」
(a)活性ケイ酸水溶液の調製
SiO2濃度:30質量%、SiO2/Na2Oモル比3.1のケイ酸ソーダ溶液(トクヤマ社製、商品名:三号珪酸ソーダ)に蒸留水を混合し、SiO2濃度:4.0質量%の希ケイ酸ソーダ水溶液を調製した。この水溶液を、水素型陽イオン交換樹脂(三菱化学社製、商品名:ダイヤイオンSK−1BH)が充填されたカラムに通じて活性ケイ酸水溶液を調製した。得られた活性ケイ酸水溶液中のSiO2濃度は4.0質量%、pHは2.9であった。また、Na2O換算濃度は0.1質量%以下であった。
(b)シード液の調製
還流器、攪拌機、温度計を備えた5リットルのガラス製反応容器中で、500gの蒸留水を100℃に加温した。この熱水を100℃に保ちながら、上記の活性ケイ酸水溶液を1.5g/分の速度で合計450g添加し、シード液を調製した。
(c)シリカ微粒子分散液の調製
上記のガラス製反応容器中で、950gの上記シード液に対しアンモニア0.015モルを添加して安定化し、100℃に加温した。このシード液に対して、上記の活性ケイ酸水溶液合計550gを、1.5g/分の速度で添加した。活性ケイ酸の添加終了後、そのまま溶液を100℃に保って9時間加熱還流を行い、シリカ微粒子分散液を得た。この分散液をエバポレーターにて濃縮し、10質量%のシリカ微粒子分散液を調製した。
このシリカの粒子径は0.1μmであった。
このシリカ微粒子分散液100質量部に対し、5員環アミジン構造を有するカチオン性化合物(ハイモ社製、商品名:SC−700M、分子量:3万)10質量部を添加し、高速流衝突型ホモジナイザーで更に分散し、平均二次粒子径が0.1μmの10質量%のカチオン性高分子−シリカ複合粒子分散液を調製した。この複合粒子のBETによる細孔容積は0.4ml/gであった。
微細顔料として、上記カチオン性高分子−シリカ複合粒子分散液100質量部(固形分)に、バインダーとして重合度3500、ケン化度88.5%のポリビニルアルコール18質量部と、分散剤(東亜合成社製、商品名:アロンSD−10)0.05質量部とを水中で混合して水分散液(濃度:15質量%)を調製した。
上記インク受容層用塗被液を用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録体を作製した。インク受容層の乾燥塗工量は22g/m2であった。
なお、紙支持体のインク受容層を塗布する面のコッブ吸水度(30秒値)は、19.4g/m2であり、王研式平滑度は908秒であった。
[紙支持体]
焼成カオリン10部を、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP:ろ水度440mlCSF)100部に添加し、カチオン澱粉1.0部、ロジン系サイズ剤0.7部、硫酸バンド2.0部添加し、十分に混合して抄紙原料とし、長網多筒式抄紙機を用いて抄紙し、水分を10%まで乾燥させ、サイズプレスで酸化澱粉の7%水溶液を両面あたり4g/m2塗布、乾燥し、水分5.0%まで乾燥させて坪量190g/m2、の紙支持体(塗工層無し)を得た。
得られた紙支持体を用い、実施例1と同様にして、インク受容層を形成した。
なお、紙支持体のインク受容層を塗布する面のコッブ吸水度(30秒値)は46.3g/m2であり、王研式平滑度は8秒であった。
得られたインクジェット記録体のインク吸収性、光沢、画質、耐コックリング適性を下記に示す方法で評価した。尚、評価には染料インクジェットプリンター(EPSON社製、商標:PM−G820、印字モード:EPSON写真用紙 きれいモード)を使用した。評価結果を表1に示す。
黒色で重色部をベタ印字し、その色濃度をマクベス反射濃度計(モデル:Macbeth RD−920、マクベス社製)にて測定した。
供試された記録体に、ISO−400の画像(「高精細カラーディジタル標準画像データISO/JIS−SCID」、p13、画像名称:果物かご)を印刷し、画像を、記録体表面に対して傾斜している角度から目視し、下記の5段階に評価した。
5:銀塩写真と同レベルの光沢感がある。
4:銀塩写真より若干劣るが、充分な光沢感がある。
3:光沢紙としては、光沢感が足りないが、セミグロスの光沢感を有する。
2:マットより光沢は高めの感がある。
1:マットに近い光沢感。
供試された記録体に黒色をベタ印字し、ベタ印字画像中にコックリング(用紙の送り方向に平行な波打ち)があるかどうかを目視で観察し、下記の3段階に評価した。コックリングは、打ち込まれたインク中の水分で用紙が伸びようとすることによって生ずる現象である。
○:コックリングがほとんど認められない。
△:コックリングが認められ、実用上、問題がある。
×:コックリングがはなはだしく、実用に耐えない。
Claims (3)
- 支持体上にインク受容層を有するインクジェット記録体において、支持体が、紙基材の表面に顔料と結着剤を含有する塗工層を少なくとも1層有し、且つ、該塗工層面のJIS P8140で規定するコッブ吸水度の30秒値が20.0g/m2以下である紙支持体であり、インク受容層が、支持体の該塗工層上に形成され、且つ、BETによる細孔容積が0.5ml/g以上、平均粒子径が700nm以下の微細顔料と接着剤を主成分とする塗被層であることを特徴とするインクジェット記録体。
- 紙支持体の塗工層中に含有する顔料が、カオリン、炭酸カルシウム、サチンホワイトから選ばれる1種を主成分とする請求項1記載のインクジェット記録体。
- 紙支持体の塗工層面のJ.TAPPI No.5b法で規定する王研式平滑度が、300秒以上である請求項1又は2記載のインクジェット記録体。
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