JP2007154964A - 車両制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】シフトバイワイヤ装置の安全性の向上と車両盗難防止とを両立する車両制御システムを提供する。
【解決手段】SBW装置30による自動変速機60の制御が妨げられているとき、搭乗者はバックアップ装置70によって自動変速機60のシフトレンジを手動で強制的に切り換えることができる。そのため、自動変速機60のシフトレンジがSBW装置30によって切り換えられないときでも、自動変速機60は任意のシフトレンジへ切り換えられる。これにより、車両を移動または停車させることができ、安全性が向上する。バックアップ装置70は、イモビライザ16による認証が得られるまで作動させることができない。そのため、バックアップ装置70を作動させることができるのはイモビライザ16による認証が得られる車両の正規の所有者に限られる。そのため、バックアップ装置70を搭載する車両であっても、車両の盗難が防止される。
【選択図】図1
【解決手段】SBW装置30による自動変速機60の制御が妨げられているとき、搭乗者はバックアップ装置70によって自動変速機60のシフトレンジを手動で強制的に切り換えることができる。そのため、自動変速機60のシフトレンジがSBW装置30によって切り換えられないときでも、自動変速機60は任意のシフトレンジへ切り換えられる。これにより、車両を移動または停車させることができ、安全性が向上する。バックアップ装置70は、イモビライザ16による認証が得られるまで作動させることができない。そのため、バックアップ装置70を作動させることができるのはイモビライザ16による認証が得られる車両の正規の所有者に限られる。そのため、バックアップ装置70を搭載する車両であっても、車両の盗難が防止される。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両の変速機を電気的に変速するシフトバイワイヤ装置を備える車両制御システムに関する。
近年、車両制御の分野において、車両状態を変化させるアクチュエータを車両搭乗者の指令によってバイワイヤ制御回路により電気制御するバイワイヤシステムが採用されつつある。例えば、車両の搭乗者の指令によって車両の自動変速機のシフトレンジを変化させるシフトバイワイヤ装置が公知である(特許文献1参照)。
このようなシフトバイワイヤ装置の場合、例えばバッテリの電圧低下あるいは配線の切断などのように電力供給系統に以上が生じると、シフトバイワイヤ装置の電気的な制御が不能となる。その結果、シフトレンジの切り換えができなくなるという問題がある。例えばPレンジへの切り換えができない場合、特に坂路などで車両を停止させることが困難になる。また、例えばPレンジから他のレンジへの切り換えができない場合、車両の移動や牽引が困難になる。そこで、手動でのシフトレンジの切り換えを許容するバックアップ装置を設けることが知られている(特許文献2、3、4、5参照)。
引用文献1に開示されているシフトバイワイヤ装置の場合、変速機を駆動する駆動装置として、同期モータを有するアクチュエータ、油圧弁を切り換えるソレノイド、あるいはブラシ付きのモータなどが用いられる。例えば、駆動装置として同期モータを有するアクチュエータを用いる場合、同期モータを制御するための専用の電子制御装置(ECU)を必要とする。
ところで、近年では、車両の盗難を防止するため、車両メーカにはステアリングまたはシフトレバーなどの少なくともいずれかにロック機構を設けることが義務づけられている。この場合、シフトバイワイヤ装置を搭載する車両に同期モータを有するアクチュエータを適用することにより、例えば配線を短絡などの操作を行っても、アクチュエータの作動は規制される。その結果、引用文献1に開示されているようにシフトバイワイヤ装置に同期モータを有するアクチュエータを適用することにより、シフトロック機構が付加され、他の盗難防止機構は不要となる。
しかしながら、シフトバイワイヤ装置に特許文献2から5に開示されているバックアップ装置を追加すると、車両の電源がオンにならなくても、シフトレンジの切り換えが可能となる。そのため、引用文献1に開示されているシフトバイワイヤ装置のように同期モータを有するアクチュエータを適用しても、シフトロック機能はバックアップ装置によって解除可能となる。したがって、車両には、他のステアリングロック機構あるいはシフトロック機構を追加する必要があるという問題が生じる。
そこで、本発明の目的は、シフトバイワイヤ装置の安全性の向上と車両盗難防止とを両立する車両制御システムを提供することにある。
請求項1記載の発明では、変速機の任意のシフトレンジへの移行を許容するバックアップ装置は、規制手段によって作動が規制されている。そして、イモビライザによって認証が得られると、規制制御手段は規制手段によるバックアップ装置の作動規制を解除する。バックアップ装置の作動規制を解除することにより、変速機はシフトバイワイヤ装置を経由せずに手動でシフトレンジが切り換えられる。したがって、シフトバイワイヤ装置の安全性を向上することができる。一方、バックアップ装置の作動規制を解除するためには、イモビライザによる認証を必要とする。そのため、車両の所有者以外の者は、バックアップ装置の作動規制を解除することはできない。その結果、車両の所有者以外の者は、車両を移動させることができない。したがって、バックアップ装置を備える場合でも、車両の盗難を防止することができる。
請求項2記載の発明では、走行検出手段により車両の走行が検出されると、規制制御手段は規制手段によりバックアップ装置の作動を規制する。これにより、車両の走行中に、搭乗者が誤ってバックアップ装置を作動させることはない。したがって、安全性を向上することができる。
請求項3記載の発明では、動力源から動力の供給が絶たれると、規制制御手段は規制手段によりバックアップ装置の作動を規制する。例えば規制手段が電力によって作動する電動モータや電動アクチュエータの場合、電力の供給が絶たれると、規制手段はバックアップ装置の作動を規制する。また、例えば規制手段が油圧によって作動する油圧アクチュエータの場合、作動油の供給が絶たれると、規制手段はバックアップ装置の作動を規制する。これにより、例えばイモビライザによる認証が得られず車両の電源がオンされない状態あるいはエンジンが停止しているときは、バックアップ装置の作動は規制される。したがって、車両の盗難を防止することができる。
請求項3記載の発明では、動力源から動力の供給が絶たれると、規制制御手段は規制手段によりバックアップ装置の作動を規制する。例えば規制手段が電力によって作動する電動モータや電動アクチュエータの場合、電力の供給が絶たれると、規制手段はバックアップ装置の作動を規制する。また、例えば規制手段が油圧によって作動する油圧アクチュエータの場合、作動油の供給が絶たれると、規制手段はバックアップ装置の作動を規制する。これにより、例えばイモビライザによる認証が得られず車両の電源がオンされない状態あるいはエンジンが停止しているときは、バックアップ装置の作動は規制される。したがって、車両の盗難を防止することができる。
請求項4記載の発明では、作動検出手段によって規制手段の作動規制の解除が検出されると、シフトバイワイヤ装置は変速機の制御を停止する。これにより、バックアップ装置が作動するとき、手動による変速機の制御とシフトバイワイヤ装置による変速機の制御とが対立することはない。したがって、手動によって変速機を確実に制御することができ、安全性を向上することができる。
請求項5記載の発明では、作動検出手段によって規制手段の作動規制の解除が検出されると、警告手段は聴覚的な音声または視覚的な表示によって警告を発する。これにより、車両の搭乗者は、規制手段の作動規制が解除されことを認識することができる。
請求項6記載の発明では、規制制御手段は車両ごとに個別に設定されている鍵によって規制手段によるバックアップ装置の作動規制を解除する。車両の正規の所有者は、その車両の対応する鍵を有している。そのため、車両の正規の搭乗者は、バックアップ装置の作動規制を解除することができる。また、鍵を有しているのは車両の正規の所有者であると考えられるので、車両の盗難を防止することができる。
請求項6記載の発明では、規制制御手段は車両ごとに個別に設定されている鍵によって規制手段によるバックアップ装置の作動規制を解除する。車両の正規の所有者は、その車両の対応する鍵を有している。そのため、車両の正規の搭乗者は、バックアップ装置の作動規制を解除することができる。また、鍵を有しているのは車両の正規の所有者であると考えられるので、車両の盗難を防止することができる。
請求項7記載の発明では、規制手段はロック部によってバックアップ装置の作動を機械的に規制する。これにより、規制手段を確実に作動することができる。
請求項8記載の発明では、規制手段はバックアップ装置の収納部を開閉するカバーを有している。これにより、規制手段によるバックアップ装置の作動規制を解除するとき、カバーを開放する必要がある。バックアップ装置はカバーによって覆われているため、正規の搭乗者以外の者はカバーが開放されない限りバックアップ装置を操作することができない。したがって、車両の盗難を防止することができる。一方、バックアップ装置の作動を要求しないとき、バックアップ装置はカバーによって覆われている。したがって、車両の搭乗者による誤ったバックアップ装置の操作を防止することができる。
請求項8記載の発明では、規制手段はバックアップ装置の収納部を開閉するカバーを有している。これにより、規制手段によるバックアップ装置の作動規制を解除するとき、カバーを開放する必要がある。バックアップ装置はカバーによって覆われているため、正規の搭乗者以外の者はカバーが開放されない限りバックアップ装置を操作することができない。したがって、車両の盗難を防止することができる。一方、バックアップ装置の作動を要求しないとき、バックアップ装置はカバーによって覆われている。したがって、車両の搭乗者による誤ったバックアップ装置の操作を防止することができる。
請求項9記載の発明では、シフトバイワイヤ装置を駆動するアクチュエータは、同期モータを有している。同期モータは、作動のために専用のECUを必要とする。そのため、例えば配線を直結したとしても、アクチュエータによってシフトバイワイヤ装置を作動させることはできない。したがって、車両の盗難をより確実に防止することができる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、電子制御ユニットを「ECU」と略記する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による車両制御システム10を示している。例えば四輪車両に搭載されている車両制御システム10は、自動変速機制御装置20、シフトバイワイヤ装置(以下、シフトバイワイヤ装置を「SBW装置」とする。)30、エンジン制御装置40、および統合ECU11などから構成されている。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による車両制御システム10を示している。例えば四輪車両に搭載されている車両制御システム10は、自動変速機制御装置20、シフトバイワイヤ装置(以下、シフトバイワイヤ装置を「SBW装置」とする。)30、エンジン制御装置40、および統合ECU11などから構成されている。
自動変速機制御装置20、SBW装置30およびエンジン制御装置40は、それぞれAT−ECU21、SBW−ECU31およびEC−ECU41を有している。統合ECU11、AT−ECU21、SBW−ECU31およびEC−ECU41は、いずれもマイクロコンピュータを主体に構成された電気回路である。統合ECU11、AT−ECU21、SBW−ECU31およびEC−ECU41は、それぞれ車内のLAN回線12を経由して電気的または光学的に相互に接続されている。また、統合ECU11、AT−ECU21、SBW−ECU31およびEC−ECU41は、車両の電源であるバッテリ13と電気的に接続しており、このバッテリ13から供給された電力によって作動する。統合ECU11は、上述のAT−ECU21、SBW−ECU31およびEC−ECU41と共同して車両制御システム10の全体を制御する。
自動変速機制御装置20は、車両の自動変速機60を油圧により駆動する。自動変速機制御装置20は、自動変速機60のシフトレンジおよび変速段を切り換える油圧回路61を備えている。自動変速機60には、走行レンジとして前進レンジであるDレンジおよび後進レンジであるRレンジと、非走行レンジとして駐車レンジであるPレンジおよび中立レンジであるNレンジなどのシフトレンジが設定されている。油圧回路61は、レンジ位置を選択するマニュアルバルブ62を有している。マニュアルバルブ62は、移動することにより油圧回路61を切り換える。マニュアルバルブ62が油圧回路61を切り換えることにより、自動変速機60は上記のシフトレンジのいずれかに設定される。自動変速機60は、いずれかのシフトレンジまたは変速段で締結する複数の摩擦係合要素を備えている。これにより、各摩擦係合要素は、電磁弁63から供給される油圧によって締結または解放される。
AT−ECU21は、油圧回路61の電磁弁63などの電気要素に電気的に接続している。これにより、AT−ECU21は、各電磁弁63からの出力油圧を電気的に制御する。AT−ECU21によって電磁弁63からの出力油圧を制御することにより、自動変速機60の各摩擦係合要素は締結または解放される。また、本実施形態の場合、AT−ECU21は、例えば自動変速機60の出力軸の回転数などから車両の速度を検出する車速センサ22と電気的に接続している。AT−ECU21は、車速センサ22から出力された検出信号を受信して車両の速度を検出し、各電磁弁63を制御する。
SBW装置30は、自動変速機制御装置20のマニュアルバルブ62を駆動するアクチュエータ32を備えている。電磁駆動式のアクチュエータ32は、同期モータ33およびエンコーダ34を有している。SBW−ECU31は、同期モータ33に駆動信号を出力する。これにより、同期モータ33は、SBW−ECU31から入力された駆動信号にしたがって図示しない軸部材を回転させる。同期モータ33の回転運動は、図示しない減速部などで減速された後、伝達機構部35に伝達される。伝達機構部35は、同期モータ33から出力された駆動力をマニュアルバルブ62に伝達する。
ニュートラルスイッチ36は、自動変速機60の実際のシフトレンジ(以下、「実レンジ」という。)を検出する。ニュートラルスイッチ36は、マニュアルバルブ62の位置を検出する。ニュートラルスイッチ36は、マニュアルバルブ62が「Pレンジ」、「Rレンジ」、「Nレンジ」または「Dレンジ」のいずれにあるかを検出し、検出したマニュアルバルブ62の位置を電気信号としてSBW−ECU31に出力する。
SBW−ECU31は、アクチュエータ32の同期モータ33およびエンコーダ34、ニュートラルスイッチ36、ならびに車両のレンジセレクタ14のセレクタセンサ15と電気的に接続している。車両の搭乗者は、レンジセレクタ14から所望のシフトレンジを入力する。エンコーダ34は、例えばロータリエンコーダなどであり、同期モータ33の回転角度に応じたパルス信号を出力し、SBW−ECU31でパルス信号をカウントすることで同期モータ33の回転角度を検出する。上述のように自動変速機60のシフトレンジは、同期モータ33の回転角度によって変化する。そのため、エンコーダ34のパルス信号をカウントすることにより検出される同期モータ33の回転角度は、自動変速機60で実現されているシフトレンジを間接的に示している。
セレクタセンサ15は、車両の搭乗者がレンジセレクタ14を操作することにより指令されたレンジ(以下、「指令レンジ」という。)を検出する。セレクタセンサ15は、検出した信号をSBW−ECU31へ出力する。このように、エンコーダ34、ニュートラルスイッチ36およびセレクタセンサ15から出力信号を受信したSBW−ECU31は、それらの検出信号が表す物理量に基づいて同期モータ33へ出力する信号を制御する。
本実施形態のようにアクチュエータ32の動力源として同期モータ33を適用する場合、同期モータ33はSBW−ECU31によって駆動が制御される。すなわち、同期モータ33は、エンコーダ34から出力されるパルス信号をカウントするSBW−ECU31によって回転角度が制御される。そのため、例えばバッテリ13と同期モータ33とを電気的に直結しても、同期モータ33はSBW−ECU31からの制御信号が入力されない限り作動しない。したがって、盗難に対する車両の安全性を高めることができる。
EC−ECU41は、車両のエンジン42のスロットル43、インジェクタ44およびアクセルペダル45のアクセルセンサ46と電気的に接続している。スロットル43は、エンジン42の吸気通路を流れる吸気の流量を調整する。インジェクタ44は、エンジン42の吸気通路または各気筒へ噴射する燃料の量を調整する。アクセルセンサ46は、車両の搭乗者によるアクセルペダル45の操作量を検出し、検出した信号をEC−ECU41に出力する。このような構成により、EC−ECU41は、車両の搭乗者によってアクセルペダル45が操作されると、その操作に基づいてスロットル43およびインジェクタ44などを電気的に制御する。その結果、EC−ECU41は、エンジン42の回転数および出力トルクを調整する。
車両制御システム10は、車両の運転を許容するイモビライザ16を搭載している。イモビライザ16は、統合ECU11に接続している。イモビライザ16は、車両の搭乗者が所持する端末装置との間で認証情報を照合する。照合の結果、車両の搭乗者が所持する端末装置が正規のものであると認証が得られると、統合ECU11は車両の運転すなわちエンジン42の始動を許可する。本実施形態の場合、搭乗者が所持する端末装置は、車両ごとに個別に設定されている鍵17である。なお、端末装置は、鍵17に限らず、例えばカードなど搭乗者を特定することができ、車両ごとに個別に設置されるものであればよい。
統合ECU11は、イモビライザ16だけでなく警告装置18とも接続している。警告装置18は、統合ECU11からの指令によって警告を発する。警告装置18が発する警告としては、例えばダッシュボードに所定の表示を行うことにより搭乗者に警告を発する視覚的な警告、あるいは例えば車両のホーンやブザーによって音声を鳴動させることにより搭乗者に警告を発する聴覚的な警告を適用することができる。
車両制御システム10は、バックアップ装置70を備えている。自動変速機60は、SBW装置30によってシフトレンジの切り換えが制御されている。しかし、例えばレンジセレクタ14あるいはSBW装置30に不具合が生じると、SBW装置30による自動変速機60の制御が妨げられる。例えば自動変速機60のシフトレンジが「Pレンジ」のとき、車両の牽引や移動は困難である。そのため、例えばレンジセレクタ14またはSBW装置30の不具合により、自動変速機60のシフトレンジが「Pレンジ」から他のシフトレンジ、すなわち「Dレンジ」、「Rレンジ」または「Nレンジ」のいずれにも切り換えることができないとき、車両を所定の場所へ移動させることは困難である。バックアップ装置70は、このようにSBW装置30による自動変速機60の制御が妨げられているとき、SBW装置30による自動変速機60の制御を解除し、搭乗者の手動による自動変速機60の変速制御を可能とするものである。
バックアップ装置70は、例えば搭乗者が希望するシフトレンジをAT−ECU21へ直接入力する構成とすることができる。これにより、AT−ECU21は、バックアップ装置70から入力されたシフトレンジに基づいて自動変速機60を強制的に入力されたシフトレンジへ切り換える。また、バックアップ装置70は、例えばマニュアルバルブ62に接続する機械的な機構を有する構成としてもよい。これにより、自動変速機60は、バックアップ装置70からマニュアルバルブ62へ直接入力されたシフトレンジに基づいて強制的に入力されたシフトレンジへ切り換えられる。バックアップ装置70の作動規制が解除され、バックアップ装置70が作動すると、統合ECU11はバックアップ装置70の作動を検出する。すなわち、統合ECU11は、特許請求の範囲の作動検出手段である。
車両制御システム10は、上記のバックアップ装置70の作動を規制する規制手段としての規制装置80を備えている。規制装置80は、バックアップ装置70の作動を機械的に規制するロック部81と、ロック部81を駆動する駆動部82とを有している。上述のように、バックアップ装置70を搭載すると、自動変速機60のシフトレンジは任意の時期に任意のシフトレンジへ切り換えることができる。そのため、バックアップ装置70を作動させることにより常に自動変速機60のシフトレンジの切り換えが可能となり、車両の盗難を招くおそれがある。そこで、本実施形態では、所定の時期、すなわちバックアップ装置70を操作する者が車両の所有者である搭乗者と認められたときに限り、バックアップ装置70の作動を許容する規制装置80を備えている。
規制制御手段としての統合ECU11は、イモビライザ16を用いた認証によりバックアップ装置70を操作する者が車両の正規の所有者であると認められると、規制装置80の駆動部82を駆動し、ロック部81を解除する。これにより、規制装置80は、バックアップ装置70の作動規制を解除する。したがって、バックアップ装置70による自動変速機60の変速制御が可能となる。
規制装置80の駆動部82は、例えばモータや電磁ソレノイドなどのようにバッテリから供給される電力によって駆動される。駆動部82は、統合ECU11からの指令によってバッテリ13から電力が供給されると、ロック部81によるバックアップ装置70の作動規制を解除する。そのため、バッテリ13からの電力の供給が停止しているとき、ロック部81はバックアップ装置70の作動規制を継続する。これにより、例えばバックアップ装置70を操作する者が車両の正規の所有者であると認められないとき、統合ECU11は車両の電源をオンにしない。その結果、駆動部82には電力が供給されず、規制装置80によるバックアップ装置70の作動規制は解除されない。したがって、車両の盗難を防止することができる。ロック部81は、機械的にバックアップ装置70の作動を規制している。例えばバックアップ装置70が搭乗者によって操作されるレバーやスイッチを有している場合、ロック部81はレバーの移動自体あるいはスイッチの押し込みを規制する。
次に、上記の構成による車両制御システム10の作動を図2に基づいて説明する。
統合ECU11は、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの制御が妨げられているかを検出する(S101)。統合ECU11は、SBW−ECU31およびAT−ECU21から、レンジセレクタ14を経由して入力されている指令レンジと、自動変速機60の実レンジとを入手する。そして、統合ECU11は、指令レンジと実レンジとが相違するとき、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの制御が妨げられていると判断する。統合ECU11は、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの制御が妨げられていないと判断したとき、車両制御システム10は正常と判断し、処理を終了する。
統合ECU11は、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの制御が妨げられているかを検出する(S101)。統合ECU11は、SBW−ECU31およびAT−ECU21から、レンジセレクタ14を経由して入力されている指令レンジと、自動変速機60の実レンジとを入手する。そして、統合ECU11は、指令レンジと実レンジとが相違するとき、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの制御が妨げられていると判断する。統合ECU11は、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの制御が妨げられていないと判断したとき、車両制御システム10は正常と判断し、処理を終了する。
統合ECU11は、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの制御が妨げられていると判断すると、車両が走行中が否かを判断する(S102)。統合ECU11は、例えば自動変速機60の走行検出手段としての車速センサ22を経由して入手した情報から車両の速度を検出する。なお、統合ECU11は、自動変速機60の車速センサ22に限らず、例えば車輪の回転数から車両の速度を検出する車速センサ、または車両に加わる力を検出するGセンサやナビゲーションシステムのGPS位置情報などから車両の走行状態を検出する構成としてもよい。
車両が走行中の場合、バックアップ装置70を作動させると、車両の安定した走行に支障をきたすおそれがある。そのため、統合ECU11は、車両が所定の速度以下になるまで、または車両が停止するまで車両の速度を監視する。そして、統合ECU11は、車両が所定の速度以下または停止すると、後続する処理へ移行する。
統合ECU11は、車両が所定の速度以下または停止していることを検出すると、イモビライザ16による認証を行う(S103)。イモビライザ16は、例えば搭乗者が所有している鍵17やカードとの間で通信を行い、搭乗者が所有している鍵17やカードが正規のもの、すなわち搭乗者が車両の正規の所有者であるかを照合する。照合の結果、搭乗者が車両の正規の所有者であることが認証されると、後続する処理へ移行する。一方、搭乗者が車両の正規の所有者でない、例えば車両の盗難を図る者などのようにイモビライザ16による認証が行えない場合、統合ECU11は処理を終了する。
統合ECU11は、搭乗者が車両の正規の所有者であると認証されると、規制装置80によるバックアップ装置70の作動規制を解除する(S104)。このとき、統合ECU11は、規制装置80の駆動部82に信号を出力し、ロック部81によるバックアップ装置70の作動規制を解除する。駆動部82は、バッテリ13から供給される電力によってロック部81を駆動し、バックアップ装置70の作動規制を解除する。
統合ECU11がバックアップ装置70の作動規制の解除を検出すると、統合ECU11はSBW装置30による自動変速機60のシフトレンジ切り換え操作を停止させる(S105)。本実施形態による車両制御システム10は、SBW装置30による自動変速機60の制御が妨げられているときにバックアップ装置70によって自動変速機60の強制的な操作を行うものである。そのため、例えばSBW装置30に不具合が生じ、バックアップ装置70による自動変速機60の制御を開始した後、SBW装置30が復旧すると、SBW装置30による自動変速機60の制御とバックアップ装置70による自動変速機60の制御とが対立するおそれがある。そこで、バックアップ装置70の作動規制が解除されると、統合ECU11はSBW装置30による自動変速機60の制御を停止させる。
バックアップ装置70の作動規制が解除されると、バックアップ装置70は作動可能となる(S106)。バックアップ装置70が作動可能になると、搭乗者はバックアップ装置70により自動変速機60のシフトレンジを手動で強制的に切り換える。このとき、バックアップ装置70を経由することにより、自動変速機60のシフトレンジは、例えば「Pレンジ」から「Dレンジ」、「Rレンジ」または「Nレンジ」のいずれかへ切り換えることができる。また、バックアップ装置70を経由することにより、自動変速機60のシフトレンジは、例えば「Dレンジ」、「Rレンジ」または「Nレンジ」から「Pレンジ」へ切り換えることもできる。自動変速機60を「Pレンジ」から解除することにより、車両は移動させることができる。また、自動変速機60を「Pレンジ」へ移行することにより、例えば坂路などであってもパーキングブレーキや車止めに依存することなく車両を確実に停車させることができる。したがって、車両の安全性を向上させることができる。
統合ECU11がバックアップ装置70の作動規制の解除を検出すると、統合ECU11は警告装置18により搭乗者に警告を発する(S107)。警告装置18は、例えばダッシュボードに所定の表示を行うことにより搭乗者に警告を発する視覚的な警告、あるいは例えば車両のホーンやブザーによって音声を鳴動させることにより搭乗者に警告を発する聴覚的な警告を行う。警告装置18は、警告を発することにより、搭乗者へバックアップ装置70の作動が解除されていることの認識を促す。これにより、バックアップ装置70の作動が解除されている状態での車両の運転は防止される。
バックアップ装置70の作動により、自動変速機60のシフトレンジが搭乗者により手動で強制的に切り換えられると、搭乗者は車両の移動が可能となる(S108)。これにより、車両は、安全な場所あるいは所定の場所へ移動される。
以上の操作により、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの切り換えが妨げられているときでも、搭乗者はバックアップ装置70を用いて自動変速機60のシフトレンジを切り換えることができる。したがって、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの切り換えに不具合が生じても、車両を移動または車両を停車させることができ、安全性を高めることができる。一方、バックアップ装置70は、イモビライザ16による認証が得られるまで作動させることができない。そのため、バックアップ装置70を作動させることができるのは車両の正規の所有者に限られる。したがって、バックアップ装置70を搭載する車両であっても、車両の盗難を防止することができる。
以上の操作により、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの切り換えが妨げられているときでも、搭乗者はバックアップ装置70を用いて自動変速機60のシフトレンジを切り換えることができる。したがって、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの切り換えに不具合が生じても、車両を移動または車両を停車させることができ、安全性を高めることができる。一方、バックアップ装置70は、イモビライザ16による認証が得られるまで作動させることができない。そのため、バックアップ装置70を作動させることができるのは車両の正規の所有者に限られる。したがって、バックアップ装置70を搭載する車両であっても、車両の盗難を防止することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による車両制御システムを図3に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施例による車両制御システム10は、図3に示すように規制装置80の構成が第1実施形態と異なる。第2実施形態では、規制装置80は、バックアップ装置70を収納する収納部83を有している。また、規制装置80は、収納部83を覆うカバー84を有している。カバー84は、規制制御手段である統合ECU11によって開閉が制御されている。これにより、カバー84は統合ECU11からの指令があると開放され、バックアップ装置70の操作が可能となる。一方、統合ECU11からの指令があるまでカバー84は収納部83を覆っており、バックアップ装置70の操作は不可能となる。
本発明の第2実施形態による車両制御システムを図3に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施例による車両制御システム10は、図3に示すように規制装置80の構成が第1実施形態と異なる。第2実施形態では、規制装置80は、バックアップ装置70を収納する収納部83を有している。また、規制装置80は、収納部83を覆うカバー84を有している。カバー84は、規制制御手段である統合ECU11によって開閉が制御されている。これにより、カバー84は統合ECU11からの指令があると開放され、バックアップ装置70の操作が可能となる。一方、統合ECU11からの指令があるまでカバー84は収納部83を覆っており、バックアップ装置70の操作は不可能となる。
規制装置80は、カバー84の開閉を規制する規制部85を有している。規制部85は、バッテリ13から供給される電力によってカバー84の開閉の規制を解除する。そのため、バッテリ13からの電力の供給が停止しているとき、規制部85はカバー84の開閉規制を継続する。これにより、例えばバックアップ装置70を操作する者が車両の正規の所有者であると認められないとき、統合ECU11は車両の電源をオンにしない。その結果、規制部85には電力が供給されず、規制装置80によるバックアップ装置70の作動規制は解除されない。したがって、車両の盗難を防止することができる。規制部85は、機械的にカバー84の移動自体を規制する。
次に、第2実施形態の車両制御システム10の作動について図4に基づいて説明する。
統合ECU11は、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの制御が妨げられているかを検出する(S201)。統合ECU11は、SBW−ECU31およびAT−ECU21から、レンジセレクタ14を経由して入力されている指令レンジと、自動変速機60の実レンジとを入手する。そして、統合ECU11は、指令レンジと実レンジとが相違するとき、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの制御が妨げられていると判断する。統合ECU11は、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの制御が妨げられていないと判断したとき、車両制御システム10は正常と判断し、処理を終了する。
統合ECU11は、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの制御が妨げられているかを検出する(S201)。統合ECU11は、SBW−ECU31およびAT−ECU21から、レンジセレクタ14を経由して入力されている指令レンジと、自動変速機60の実レンジとを入手する。そして、統合ECU11は、指令レンジと実レンジとが相違するとき、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの制御が妨げられていると判断する。統合ECU11は、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの制御が妨げられていないと判断したとき、車両制御システム10は正常と判断し、処理を終了する。
統合ECU11は、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの制御が妨げられていると判断すると、車両が走行中が否かを判断する(S202)。統合ECU11は、例えば自動変速機60の車速センサ22から入手した情報から車両の速度を検出する。なお、統合ECU11は、自動変速機60の車速センサ22に限らず、例えば車輪の回転数から車両の速度を検出する車速センサ、または車両に加わる力を検出するGセンサやナビゲーションシステムのGPS位置情報などから車両の走行状態を検出する構成としてもよい。
車両が走行中の場合、バックアップ装置70を作動させると、車両の安定した走行に支障をきたすおそれがある。そのため、統合ECU11は、車両が所定の速度以下になるまで、または車両が停止するまで車両の速度を監視する。そして、統合ECU11は、車両が所定の速度以下または停止すると、後続する処理へ移行する。
統合ECU11は、車両が所定の速度以下または停止していることを検出すると、イモビライザ16による認証を行う(S203)。イモビライザ16は、例えば搭乗者が所有している鍵17やカードとの間で通信を行い、搭乗者が所有している鍵17やカードが正規のもの、すなわち搭乗者が車両の正規の所有者であるかを照合する。照合の結果、搭乗者が車両の正規の所有者であることが認証されると、後続する処理へ移行する。一方、搭乗者が車両の正規の所有者でない、例えば車両の盗難を図る者などのようにイモビライザ16による認証が得られない場合、統合ECU11は処理を終了する。
統合ECU11は、搭乗者が車両の正規の所有者であると認証されると、規制装置80によるバックアップ装置70の作動規制を解除する。このとき、統合ECU11は、規制装置80のカバー84を開くことができる状態とする。規制装置80は、カバー84の開閉を規制する規制部85を有している。規制部85は、例えばバッテリ13から供給される電力によってカバー84の移動規制を解除する。統合ECU11は、イモビライザ16による認証が得られると、規制部85によるカバー84の移動規制を解除し、カバー84を開くことができる状態にする(S204)。これにより、搭乗者は、カバー84を開くことができ、収納部83に収納されているバックアップ装置70の操作が可能となる。通常は規制部85が開閉を規制しているため、バッテリ13から電力が供給されない限り、カバー84を開くことはできない。
統合ECU11がカバー84の開放を検出すると、統合ECU11はSBW装置30による自動変速機60のシフトレンジ切り換え操作を停止させる(S205)。本実施形態による車両制御システム10は、SBW装置30による自動変速機60の制御が妨げられているときにバックアップ装置70によって自動変速機60の強制的な操作を行うものである。そのため、例えばSBW装置30に不具合が生じ、バックアップ装置70による自動変速機60の制御を開始した後、SBW装置30が復旧すると、SBW装置30による自動変速機60の制御とバックアップ装置70による自動変速機60の制御とが対立するおそれがある。そこで、カバー84が開放されると、統合ECU11はSBW装置30による自動変速機60の制御を停止させる。
搭乗者は、カバー84を開くことにより、バックアップ装置70を作動させることができる(S206)。搭乗者は、収納部83に収納されているバックアップ装置70を操作することにより自動変速機60のシフトレンジを手動で強制的に切り換える。このとき、バックアップ装置70を経由することにより、自動変速機60のシフトレンジは、「Pレンジ」から他のシフトレンジ、または他のシフトレンジから「Pレンジ」への切り換えることができる。
搭乗者がカバー84を開くと、統合ECU11はカバー84が開放されたことを検出する。そして、統合ECU11がカバー84の開放を検出すると、統合ECU11は警告装置18により搭乗者に警告を発する(S207)。警告装置18は、例えばダッシュボードに所定の表示を行うことにより搭乗者に警告を発する視覚的な警告、あるいは例えば車両のホーンやブザーによって音声を鳴動させることにより搭乗者に警告を発する聴覚的な警告を行う。警告装置18は、警告を発することにより、搭乗者へカバー84が開いていることの認識を促す。これにより、カバー84が開き、バックアップ装置70を操作可能な状態での車両の運転は防止される。
バックアップ装置70の作動により、自動変速機60のシフトレンジが搭乗者により手動で強制的に切り換えられると、搭乗者は車両の移動が可能となる(S208)。これにより、車両は、安全な場所あるいは所定の場所へ移動される。
以上の操作により、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの切り換えが妨げられているときでも、搭乗者はバックアップ装置70を用いて自動変速機60のシフトレンジを「Pレンジ」から「Dレンジ」、「Rレンジ」または「Nレンジ」に切り換えることができる。したがって、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの切り換えに不具合が生じても、車両を移動させることができ、安全性を高めることができる。一方、バックアップ装置70を収納する収納部83は、イモビライザ16による認証が得られるまでカバー84が開かない。そのため、バックアップ装置70を操作することができるのは車両の正規の所有者に限られる。したがって、バックアップ装置70を搭載する車両であっても、車両の盗難を防止することができる。
以上の操作により、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの切り換えが妨げられているときでも、搭乗者はバックアップ装置70を用いて自動変速機60のシフトレンジを「Pレンジ」から「Dレンジ」、「Rレンジ」または「Nレンジ」に切り換えることができる。したがって、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの切り換えに不具合が生じても、車両を移動させることができ、安全性を高めることができる。一方、バックアップ装置70を収納する収納部83は、イモビライザ16による認証が得られるまでカバー84が開かない。そのため、バックアップ装置70を操作することができるのは車両の正規の所有者に限られる。したがって、バックアップ装置70を搭載する車両であっても、車両の盗難を防止することができる。
また、第2実施形態では、バックアップ装置70は収納部83に収納され、収納部83はカバー84で覆われている。そのため、カバー84が開かない限り、バックアップ装置70は操作することができない。したがって、車両の走行中などに誤ってバックアップ装置70を操作することがなく、安全性を高めることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による車両制御システムを図5に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第3実施形態による車両制御システムは、第1実施形態の変形例である。図5に示すように、第3実施形態による車両制御システム10では、規制装置80は車両の鍵17を挿入可能なキー挿入口86を有している。電力の供給が停止されているとき、規制装置80によるバックアップ装置70の作動規制は解除されない。このとき、第3実施形態では、キー挿入口86に鍵17を挿入することにより、電力の供給が停止されていても、規制装置80によるバックアップ装置70の作動規制を解除することができる。
本発明の第3実施形態による車両制御システムを図5に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第3実施形態による車両制御システムは、第1実施形態の変形例である。図5に示すように、第3実施形態による車両制御システム10では、規制装置80は車両の鍵17を挿入可能なキー挿入口86を有している。電力の供給が停止されているとき、規制装置80によるバックアップ装置70の作動規制は解除されない。このとき、第3実施形態では、キー挿入口86に鍵17を挿入することにより、電力の供給が停止されていても、規制装置80によるバックアップ装置70の作動規制を解除することができる。
これにより、第3実施形態では、バッテリ13の電圧低下などにより十分な電力が供給されないときでも、キー挿入口86へ鍵17を挿入することにより、規制装置80によるバックアップ装置70の作動規制が解除される。そのため、SBW装置30による自動変速機60のシフトレンジの切り換えが妨げられ、かつバッテリ13からの電力の供給が十分でないときでも、搭乗者はバックアップ装置70を用いて自動変速機60のシフトレンジを切り換えることができる。したがって、車両を移動させることができ、安全性をさらに高めることができる。一方、バックアップ装置70は、各車両に個別に設定されている鍵17によって規制装置80による作動の規制が解除される。そのため、バックアップ装置70を作動させることができるのは、イモビライザ16による認証が得られ、かつ車両に個別に設定されている鍵17を有する車両の正規の所有者に限られる。したがって、バックアップ装置70を搭載する車両であっても、車両の盗難を防止することができる。
なお、第3実施形態では、第1実施形態の変形例として、鍵17によって規制装置80によるバックアップ装置70の作動規制を解除する場合について説明した。しかし、第2実施形態の変形例として、バックアップ装置70を収納する収納部83のカバー84を、鍵17によって開くことができる構成としてもよい。
(その他の実施形態)
本発明の複数の実施形態では、規制装置80が例えばモータや電磁ソレノイドなどバッテリからの電力によって作動する例について説明した。しかし、規制装置80には例えば油圧によって作動する油圧アクチュエータを適用してもよい。この場合、油圧を生成するエンジン42の油圧ポンプが動力源となる。
また、本発明の複数の実施形態では、規制装置80によるバックアップ装置70の作動規制を解除する規制制御手段として統合ECU11を例に説明した。しかし、規制装置80に専用のECUを設け、この専用のECUによって規制装置80を制御する構成としてもよい。
上述のように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
本発明の複数の実施形態では、規制装置80が例えばモータや電磁ソレノイドなどバッテリからの電力によって作動する例について説明した。しかし、規制装置80には例えば油圧によって作動する油圧アクチュエータを適用してもよい。この場合、油圧を生成するエンジン42の油圧ポンプが動力源となる。
また、本発明の複数の実施形態では、規制装置80によるバックアップ装置70の作動規制を解除する規制制御手段として統合ECU11を例に説明した。しかし、規制装置80に専用のECUを設け、この専用のECUによって規制装置80を制御する構成としてもよい。
上述のように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
10 車両制御システム、11 統合ECU(規制制御手段、作動検出手段)、13 バッテリ(動力源)、16 イモビライザ、17 鍵、18 警告装置(警告手段)、20 自動変速機制御装置、22 車速センサ(走行検出手段)、30 SBW装置、32 アクチュエータ、33 同期モータ、42 エンジン(動力源)、60 自動変速機、70 バックアップ装置、80 規制装置(規制手段)、81 ロック部(規制手段)、82 駆動部(規制手段)、83 収納部(規制手段)、84 カバー(規制手段)、85 規制部(規制手段)、86 キー挿入口(規制手段)
Claims (9)
- 車両に搭載されているエンジンから入力された駆動力を変速して出力する変速機と、
電気信号により前記変速機のシフトレンジを制御するシフトバイワイヤ装置と、
前記シフトバイワイヤ装置による前記変速機のシフトレンジの制御が妨げられているとき、前記変速機の任意のシフトレンジへの移行を許容するバックアップ装置と、
前記車両の運転を許容するための認証を行うイモビライザと、
前記バックアップ装置の作動を規制する規制手段と、
前記イモビライザによって認証が得られると、前記規制手段による前記バックアップ装置の作動規制を解除する規制制御手段と、
を備える車両制御システム。 - 前記車両の走行を検出する走行検出手段をさらに備え、
前記走行検出手段によって前記車両の走行が検出されると、前記規制制御手段は前記規制手段により前記バックアップ装置の作動を規制する請求項1記載の車両制御システム。 - 前記規制制御手段は、動力源からの動力の供給が絶たれると、前記規制手段により前記バックアップ装置の作動を規制する請求項1または2記載の車両制御システム。
- 前記規制手段による前記バックアップ装置の作動を検出する作動検出手段をさらに備え、
前記作動検出手段が前記規制手段の作動規制の解除を検出すると、前記シフトバイワイヤ装置は前記変速機の制御を停止する請求項1、2または3記載の車両制御システム。 - 前記作動検出手段が前記規制手段の作動規制の解除を検出すると、聴覚的な音声または視覚的な表示の少なくとも一方によって警告を発する警告手段をさらに備える請求項4記載の車両制御システム。
- 車両ごとに個別に設定されている鍵をさらに備え、
前記規制制御手段は、前記鍵によって前記規制手段による前記バックアップ装置の作動規制を解除する請求項1から5のいずれか一項記載の車両制御システム。 - 前記規制手段は、前記バックアップ装置の作動を機械的に規制するロック部と、前記規制制御手段によって制御され前記ロック部を駆動する駆動部とを有する請求項1から6のいずれか一項記載の車両制御システム。
- 前記規制手段は、前記バックアップ装置を収納する収納部、および前記規制制御手段によって開閉が制御され前記収納部を覆うカバーを有する請求項1から6のいずれか一項記載の車両制御システム。
- 同期モータを有し、前記シフトバイワイヤ装置を駆動するアクチュエータをさらに備える請求項1から8のいずれか一項記載の車両制御システム。
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