JP2007154581A - 搬送式ハウス - Google Patents
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Abstract
【課題】水平方向のみならず、上下方向へも拡張し縮小することのできる搬送式ハウスを提供すること。
【解決手段】搬送車両に積載し得る基台1と、主室23を形成する本体部2と、本体部2の側面に入れ子式に設けられ、拡張室33を形成する拡張部3と、拡張部3を本体部2に対し水平移動させて搬送式ハウス10を水平方向に拡縮する水平拡縮手段と、を備えており、本体部2を本体下部ユニット21と本体上部ユニット22とから構成するとともに、拡張部3を拡張下部ユニット31と拡張上部ユニット32とから構成し、本体上部ユニット22を本体下部ユニット21に対し上下移動させる上下拡縮手段6を設けた。
【選択図】図1
【解決手段】搬送車両に積載し得る基台1と、主室23を形成する本体部2と、本体部2の側面に入れ子式に設けられ、拡張室33を形成する拡張部3と、拡張部3を本体部2に対し水平移動させて搬送式ハウス10を水平方向に拡縮する水平拡縮手段と、を備えており、本体部2を本体下部ユニット21と本体上部ユニット22とから構成するとともに、拡張部3を拡張下部ユニット31と拡張上部ユニット32とから構成し、本体上部ユニット22を本体下部ユニット21に対し上下移動させる上下拡縮手段6を設けた。
【選択図】図1
Description
本発明は、トラック、トレーラー等の搬送車両に積載して運搬することができる搬送式ハウスに関するものである。
従来、例えば工事現場やイベント会場等における簡易事務所、或いは、被災地における仮設住宅として、トラック等に積載して運搬できるプレハブ式ハウスが利用されている。ところが、このプレハブ式ハウスは、道路交通法等の車両運搬時の法規制によってその大きさが制限されていた。
そこで、現在までに、設営時に水平方向に拡張でき、そして、車両運搬時に縮小することができる簡易住宅が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、従来の拡張式の簡易住宅は、その水平方向には拡張できても、上下方向には拡張することができず、天井が低くて圧迫感を感じざるを得なかった。
特開昭62−233381号公報
本発明は、従来の拡張式簡易住宅に上記ような難点があったことに鑑みて為されたもので、その水平方向のみならず、上下方向へも拡張、縮小することのできる搬送式ハウスを提供することを技術的課題とする。
本発明は、搬送車両に積載し得る基台と、該基台上に固定され、主室を形成する箱型の本体部と、該本体部の側面に開設された開口部に水平移動可能に設けられ、前記主室に連通する拡張室を形成する箱型の拡張部と、該拡張部を前記本体部の主室内に収納した縮小位置と該本体部の外側へ拡張した拡張位置との間で該拡張部を水平移動させる水平拡縮手段と、を備えた搬送式ハウスであって、
前記本体部が、本体下部ユニットと、本体上部ユニットと、から構成され、前記拡張部が、拡張下部ユニットと、拡張上部ユニットと、から構成され、前記本体部の前記本体上部ユニットを前記本体下部ユニットに対し上下移動させる上下拡縮手段と、前記拡張部の拡張上部ユニットを前記本体部の本体上部ユニットの下方に水平移動可能に吊り下げる吊支手段と、を備えており、
前記上下拡縮手段により前記本体部の本体上部ユニットと前記拡張部の拡張上部ユニットとを同時に上下移動させることを特徴としている。
前記本体部が、本体下部ユニットと、本体上部ユニットと、から構成され、前記拡張部が、拡張下部ユニットと、拡張上部ユニットと、から構成され、前記本体部の前記本体上部ユニットを前記本体下部ユニットに対し上下移動させる上下拡縮手段と、前記拡張部の拡張上部ユニットを前記本体部の本体上部ユニットの下方に水平移動可能に吊り下げる吊支手段と、を備えており、
前記上下拡縮手段により前記本体部の本体上部ユニットと前記拡張部の拡張上部ユニットとを同時に上下移動させることを特徴としている。
また、本発明は、前記水平拡縮手段が、前記本体部の本体上部ユニットと前記拡張部の拡張上部ユニットとの間に配設され、前記拡張部の拡張上部ユニットと拡張下部ユニットとを上下移動可能に連結する連結手段を備えており、
該水平拡縮手段により前記拡張部の拡張上部ユニットと拡張下部ユニットとを同時に水平移動させることを特徴とする。
該水平拡縮手段により前記拡張部の拡張上部ユニットと拡張下部ユニットとを同時に水平移動させることを特徴とする。
更にまた、本発明は、前記拡張部の拡張下部ユニットを前記基台に対し上下移動させる拡張部昇降手段を備えており、
該拡張部昇降手段により前記拡張位置にある前記拡張下部ユニットの床面の高さを前記本体部の本体下部ユニットの床面の高さに合わせ得ることを特徴とする。
該拡張部昇降手段により前記拡張位置にある前記拡張下部ユニットの床面の高さを前記本体部の本体下部ユニットの床面の高さに合わせ得ることを特徴とする。
本発明に係る搬送式ハウスによれば、水平拡縮手段を作動させることにより搬送式ハウスを水平方向に拡張し、縮小することができるだけでなく、上下拡縮手段を作動させれば、搬送式ハウスを上下方向にも拡張し、縮小することができる。したがって、従来の簡易住宅のように床面積は拡大することができるものの天井が低くて圧迫感を感じてしまう難点もなく、広くて天井の高い空間を提供することが可能となる。
また、本発明に係る搬送式ハウスによれば、上下拡縮手段により本体部の本体上部ユニットを本体下部ユニットに対し上下移動させることができ、そして、吊支手段により本体上部ユニットの下方に拡張部の拡張上部ユニットを吊り下げることができるので、拡張部の拡張上部ユニットを拡張下部ユニットに対し上下移動させるための他の駆動手段を設ける必要がなく、ハウスの構成を大幅に簡素化し、軽量化することができる。
更に、連結手段を備えた本発明に係る搬送式ハウスによれば、水平拡縮手段により拡張部の拡張上部ユニットを本体部に対し水平移動させることができ、そして、この連結手段により拡張部の拡張上部ユニットと拡張下部ユニットとを水平方向に連結することができるので、拡張部の拡張下部ユニットを本体部に対し水平移動させるための他の駆動手段を設ける必要がなく、このことによっても、ハウス構成の簡素化、軽量化を図ることができる。
更にまた、拡張部昇降手段を備えた本発明に係る搬送式ハウスによれば、この拡張部昇降手段によって、拡張位置にある拡張下部ユニットの床面の高さを本体部の本体下部ユニットの床面の高さに合わせることができる。したがって、主室及び拡張室の床面全体に亘って平らとなり、バリヤフリーを実現した広い空間を提供することができる。
以下に、本実施形態の搬送式ハウス10について、図1〜図11を参照しながら説明する。
本実施形態の搬送式ハウス10は主として、図1〜図4に示すように、搬送車両に積載し得る基台1と、この基台1上に固定され、主室23を形成する箱型の本体部2と、この本体部2の側面に開設された開口部20に水平移動可能に入れ子式に設けられ、主室23に連通した拡張室(33A、33B)を形成する箱型の拡張部(3A、3B)と、これら拡張部(3A、3B)を水平移動させて搬送式ハウス10を水平方向に拡張し、縮小するための水平拡縮手段4と、搬送式ハウス10を上下方向に拡張し、縮小するための上下拡縮手段6と、拡張状態にある拡張室(33A、33B)の床面を主室23の床面に合わせるための拡張部昇降手段9と、から構成されている。
なお、本実施形態では、図1に示すように、直方体形状の本体部2の長手方向に沿った両側の側面に一対の開口部20・20が開設されており、一方の開口部20に第一の拡張部3Aが設けられ、他方の開口部20に第二の拡張部3Bが設けられている。そして、搬送式ハウス10を水平方向に縮小したとき、図2及び図3に示すように、本体部2の主室23内に第一の拡張部3Aが収納され、さらに第一の拡張部3Aの拡張室33A内に第二の拡張部3Bが収納される。これら第一の拡張部3A及び第二の拡張部3Bは、そのサイズや出入口の有無等を除いて、基本的な構成は共通している。したがって、本実施形態において、単に拡張部3というときは、特に断らない限り、第一の拡張部3A及び第二の拡張部3Bの両方をさすものとする。勿論、本発明において、本体部の側面の片側にのみ開口部を設け、この開口部に一つの拡張部を水平移動可能に設けても良い。
以下、各構成部について、図面を参照しながら順に詳しく説明する。
基台1は、図1に示すように、搬送式ハウス10の長さ方向に沿う角形鋼管から成る計4本の主フレーム11と、各主フレーム11の両端部に直交状態で溶接され、搬送式ハウス10の幅方向に沿う角形鋼管から成る計2本の副フレーム12とから構成されている。この基台1の長さ及び幅は、トラック等の搬送車両の荷台に積載したときに法規制を満たすサイズに形成してある。
本体部2は、図1に示すように、上記基台1に固定された本体下部ユニット21と、この本体下部ユニット21に対し上下移動可能に設けられた本体上部ユニット22とから構成されている。本体下部ユニット21は、主室23の床面を構成する本体床部211と、主室23の幅方向に沿った壁面の下部を構成する本体下壁部212とを備えており、他方、本体上部ユニット22は、主室23の天井面を構成する本体天井部221と、主室23の幅方向に沿った壁面の上部を構成する本体上壁部222とを備えている。この本体下部ユニット21の本体下壁部212の上部外面に、本体上部ユニット22の本体上壁部222の下部内面が重なった状態で、本体上部ユニット22が本体下部ユニット21に対して上下移動する。なお、符号223で指示するものは、本体上部ユニット22を支える角形鋼管から成る支持フレームである。
拡張部3は、図1に示すように、拡張下部ユニット31と、この拡張下部ユニット31に対し上下移動可能に設けられた拡張上部ユニット32とから構成されている。拡張下部ユニット31は、拡張室33の床面を構成する拡張床部311と、拡張室33の三方の壁面の下部を構成する拡張下壁部312とを備えており、他方、拡張上部ユニット32は、拡張室33の天井面を構成する拡張天井部321と、拡張室33の三方の壁面の上部を構成する拡張上壁部322とを備えている。この拡張下部ユニット31の拡張下壁部312の上部外面に、拡張上部ユニット32の拡張上壁部322の下部内面が重なった状態で、拡張上部ユニット32が拡張下部ユニット31に対して上下移動する。
水平拡縮手段4は、図4に示すように、拡張部3(3A、3B)を本体部2に対し水平方向に移動させることによって、搬送式ハウス10を水平方向に拡張し、縮小する。水平拡縮手段4は、図4に示すように、本体部2の本体上部ユニット22と拡張部3の拡張上部ユニット32との間に配設されており、縮小用駆動部41と拡張用駆動部42とから構成されている。
縮小用駆動部41は、一端部410が拡張部3の拡張上部ユニット32の拡張天井部321の外側縁部に固定されたワイヤ411と、本体部2の本体上部ユニット22に設けられ、ワイヤ411の他端側を巻き取り可能な縮小用ウィンチ412と、本体部2の本体上部ユニット22の本体天井部221の下面に軸支され、ワイヤ411の牽引方向を変更する支持プーリ413及び案内プーリ414と、から構成されている。縮小用ウィンチ412を駆動してワイヤ411を牽引することによって、拡張部3を本体部2の内側へ移動させ、搬送式ハウス10を水平方向に縮小する。
拡張用駆動部42は、一端部420が拡張部3の拡張上部ユニット32の拡張天井部321の内側縁部に固定されたワイヤ421と、本体部2の本体上部ユニット22に設けられ、ワイヤ421の他端側を巻き取り可能な拡張用ウィンチ422と、本体部2の本体上部ユニット22の本体天井部221の下面に軸支され、ワイヤ421の牽引方向を変更する支持プーリ423及び案内プーリ424と、から構成されている。拡張用ウィンチ422を駆動してワイヤ421を牽引することによって、拡張部3を本体部2の外側へ移動させ、搬送式ハウス10を水平方向に拡張する。なお、これら縮小用ウィンチ412及び拡張用ウィンチ422は、電動式、油圧式、手動式等の種々のウィンチを使用することができる。また、本体上部ユニット22に設けたウィンチ412、422の代わりに、外部のウィンチでワイヤ411、421の他端側を牽引しても良い。勿論、これらウィンチ、ワイヤ、プーリの代わりに、流体圧シリンダ、ピニオン−ラック機構、送りねじ機構等の種々の駆動機構を使用して拡張部3を水平方向に拡縮移動させても良いが、ワイヤ機構を採用すれば、搬送式ハウスの軽量化を図ることができる。
なお、本実施形態の搬送式ハウス10は、図5に示すように、拡張部3の拡張上部ユニット32と拡張下部ユニット31とを上下移動可能に水平方向に連結するための連結手段5を備えている。
連結手段5は、拡張部3の拡張上部ユニット32の拡張上壁部322の内面に突設された外側フック51と、拡張部3の拡張下部ユニット31の拡張下壁部312の外面に突設され、外側フック51に係合可能な内側フック52と、から構成されている。本実施形態では、図5に示すように、複数の横断面コ字形状の溝型鋼を用いて複数枚のパネルを並列状態に連結することによって、拡張上壁部322及び拡張下壁部312を構成しており、これら溝型鋼の片側の屈曲部を外側フック51及び内側フック52として利用している。外側フック51は、拡張上壁部322の高さ方向全体に設けられており、内側フック52は、拡張下壁部312の高さ方向全体に設けられている。なお、連結手段は、本体部2の本体上部ユニット22の本体上壁部222と本体下部ユニット21の本体下壁部212との間にも設けられている。
このように搬送式ハウス10は、連結手段5を備えているので、拡張上部ユニット32を、拡張下部ユニット31に対して上下方向へは自由に移動させることはできるが、拡張下部ユニット31に対し水平方向へは移動させることができない。したがって、上述した水平拡縮手段4により拡張部3の拡張上部ユニット32を水平移動させれば、この連結手段5によって下方の拡張下部ユニット31も同時に水平移動させることができる。なお、本実施形態では、図5に示すように、拡張下壁部312の角部に、角型鋼管から成るコーナ部313が設けられており、拡張上壁部322の角部には、コーナ部313を囲むように断面L字形状の山型鋼から成るコーナ部323が設けられている。したがって、これらコーナ部313、323によっても、拡張上部ユニット32と拡張下部ユニット31とを同時に水平移動させることができる。
上下拡縮手段6は、図1に示すように、本体部2の本体上部ユニット22を本体下部ユニット21に対し上下方向に移動させることによって、搬送式ハウス10を上下方向に拡張し、縮小する。上下拡縮手段6は、基部1の副フレーム12と、本体上部ユニット22の支持フレーム223との間に配設されている。
本実施形態の上下拡縮手段6は、図6に示すように、基部1の副フレーム12の端部に上方へ向けて立設された角型鋼管から成る下側支柱61と、本体上部ユニット22の支持フレーム223の端部に下方へ向けて垂設され、下側支柱61の外側に被嵌された上側支柱62と、下側支柱61の上端に軸支された支持プーリ63と、下側支柱61の下端側に軸支された案内プーリ64と、一端部650が上側支柱62の下端部の内面に固定され、支持プーリ63及び案内プーリ64を経由して下側支柱61の管内に引き通されたワイヤ65と、副フレーム12に設けられ、ワイヤ65の他端側を巻き取り可能なウィンチ66と、から構成されている。このウィンチ66を駆動してワイヤ65を牽引することにより本体上部ユニット22を本体下部ユニット21に対して上昇させることができる。なお、このウィンチ66についても、電動式、油圧式、手動式等の種々のウィンチを使用することができ、また、ウィンチ66の代わりに、外部のウィンチでワイヤ65の他端側を牽引しても良い。更にまた、これらウィンチ、ワイヤ、プーリの代わりに、流体圧シリンダ、ピニオン−ラック機構、送りねじ機構等の種々の駆動機構を使用して本体上部ユニット22を上下方向に移動させても良い。
また、本実施形態の搬送式ハウス10は、上下拡縮手段6によって上下移動させた本体上部ユニット22をその位置に確実に固定する固定手段7を備えている。
固定手段7は、図6に示すように、下側支柱61の管壁に高さ方向に並んで開設された複数の留め孔71・71…と、上側支柱62の管壁に開設された挿入孔72と、留め孔71および挿入孔72に抜き差し可能に挿通される固定ピン73と、から構成されている。上述した上下拡縮手段6により本体上部ユニット22を上下移動させ、挿入孔72と複数の留め孔71・71…のいずれかとに固定ピン73を差し通すことによって、本体上部ユニット22をその位置に確実かつ安定に固定することができる。
また、本実施形態の搬送式ハウス10は、図7に示すように、拡張部3の拡張上部ユニット32を本体部2の本体上部ユニット22の下方に水平移動可能に吊り下げるための吊支手段8を備えている。
吊支手段8は、図7に示すように、本体部2の本体上部ユニット22の支持フレーム223の下方に突設された上側フック81と、拡張部3の拡張上部ユニット32の拡張天井部321の上面に突設され、上側フック81に係合可能な下側フック82とから構成されている。本実施形態では、図7に示すように、複数の横断面コ字形状の溝型鋼を用いて複数枚のパネルを並列状態に連結することによって、拡張天井部321を構成しており、これら溝型鋼の片側の屈曲部を下側フック82として利用している。また、支持フレーム223に下向き状態で溶接された横断面C字形状のリップ溝型鋼を上側フック81として利用している。図3に示すように、下側フック82は拡張天井部321の幅方向全体に設けられているのに対し、上側フック81は、支持フレーム223の幅と略同じ長さで設けられている。
このように搬送式ハウス10は、吊支手段8を備えているので、拡張上部ユニット32を、本体上部ユニット22に対して水平方向へは自由に移動させることはできるが、本体上部ユニット22に対し上下方向へは移動させることができない。したがって、上述した上下拡縮手段6により本体部2の本体上部ユニット22を上下移動させれば、この吊支手段8によって拡張上部ユニット32も同時に上下移動させることができる。なお、図1に示すように、本実施形態では、第一の拡張部3Aに計5つの吊支手段8を設け、第二の拡張部3Bに計4つの吊支手段8を設けているが、本発明は勿論これに限定されるものではない。
拡張部昇降手段9は、図2及び図3に示すように、拡張部3の拡張下部ユニット31を基台1に対し上下方向に移動させることによって、拡張位置にある拡張下部ユニット31の拡張床部311の床面を本体部2の本体下部ユニット21の本体床部211の床面の高さに合わせる。拡張部昇降手段9は、基部1と拡張下部ユニット31の拡張床部311との間に配設されている。
本実施形態の拡張部昇降手段9は、図2及び図3に示すように、基部1の主フレーム11に固定されたベース91と、このベース91上に固定され、駆動軸92を回転させて作用端を上下動させるパンタグラフ型ジャッキ93と、このジャッキ93の作用端に軸支され、拡張下部ユニット31の拡張床部311を支える支持ローラ94と、から構成されている。このジャッキ93の駆動軸92を回転させることによって、拡張下部ユニット31を基台1に対し上昇させることができる。なお、図3中、符号95で指示するものは、拡張床部311の下面に設けられた車輪である。この車輪95によって、搬送式ハウス10が水平方向に拡張する際に、第一の拡張部3Aの拡張下部ユニット31は、本体部2の本体下部ユニット21の床部材211の床面上を走行し、第二の拡張部3Bの拡張下部ユニット31は、第一の拡張部3Aの拡張下部ユニット31の床部材311の床面上を走行する。
以下、図8〜図11を参照しながら、本実施形態の搬送式ハウス10の設営手順について説明する。
本実施形態の搬送式ハウス10は、図8に示すように、トラックTの荷台上に積載して運搬することができる。運搬時には、搬送式ハウス10は、その水平方向および上下方向に縮小しており、道路交通法等の車両運搬時の法規制を満たしている。
次に、搬送式ハウス10を設営場所まで運搬し、公知のクレーン等を利用して搬送式ハウス10をトラックTの荷台から降ろす。その後、上下拡縮手段6を作動させ、図9に示すように、本体部2の本体上部ユニット22を本体下部ユニット21に対し上昇させることにより搬送式ハウス10を上下方向に拡張する。そして、上述した固定手段7により上昇させた本体上部ユニット22をその位置に固定する。このことで、天井が高くなり圧迫感を感じることがない空間を提供することが可能となる。
次に、上述した水平拡縮手段4を作動させ、図10に示すように、拡張部3(3A、3B)を本体部2に対し外側へ移動させることによって搬送式ハウス10を水平方向に拡張する。拡張移動時には、拡張部3(3A、3B)の拡張下部ユニット31の外側下部に、昇降ジャッキ付きの車輪34を取り付け、各拡張下部ユニット31を支持する。これらの車輪34は予め各拡張下部ユニット31に取り付けておいても良い。このことで、主室23の左右に拡張室33A、33Bが連通する広い空間を提供することが可能となる。
そして、図11に示すように、拡張部昇降手段9を作動させ、拡張部3(3A、3B)の拡張下部ユニット31を基台1に対し下降させることによって、水平拡張位置にある拡張下部ユニット31の拡張床部311の床面の高さを、本体部2の本体下部ユニット21の本体床部211の床面の高さに合わせる。このことで、主室23と拡張室33との間の床面の段差を解消することができ、主室23及び拡張室33の全体に亘って床面が平らとなる。こうして、搬送式ハウス10を、例えば、工事現場やイベント会場等の簡易事務所、冠婚葬祭時の集会所、或いは被災地の仮設住宅として使用する。この搬送式ハウス10を撤去する場合は、上述した設営手順とは逆の手順で行う。
このように、本実施形態の搬送式ハウス10によれば、水平拡縮手段4を作動させることにより搬送式ハウス10を水平方向に拡張し、縮小することができるだけでなく、上下拡縮手段6を作動させれば、搬送式ハウス10を上下方向にも拡張し、縮小することができる。したがって、従来の簡易住宅のように床面積は拡大することができるものの天井が低くて圧迫感を感じてしまう難点もなく、広くて天井の高い空間を提供することが可能となる。
また、本実施形態の搬送式ハウス10によれば、上下拡縮手段6により本体部2の本体上部ユニット22を本体下部ユニット21に対し上下移動させることができ、そして、吊支手段8により本体上部ユニット22の下方に拡張部3の拡張上部ユニット32を吊り下げることができるので、拡張部3の拡張上部ユニット32を拡張下部ユニット31に対し上下移動させるための他の駆動手段を設ける必要がなく、ハウスの構成を大幅に簡素化し、軽量化することができる。
更に、本実施形態の搬送式ハウス10によれば、水平拡縮手段4により拡張部3の拡張上部ユニット32を本体部2に対し水平移動させることができ、そして、連結手段5により拡張部3の拡張上部ユニット32と拡張下部ユニット31とを水平方向に連結することができるので、拡張部3の拡張下部ユニット31を本体部2に対し水平移動させるための他の駆動手段を設ける必要がなく、このことによっても、ハウス構成の簡素化、軽量化を図ることができる。
更にまた、本実施形態の搬送式ハウス10によれば、拡張部昇降手段9により、拡張位置にある拡張下部ユニット31の床面の高さを本体部2の本体下部ユニット21の床面の高さに合わせることができる。したがって、主室23及び拡張室33の床面全体に亘って平らとなり、バリヤフリーを実現した広い空間を提供することが可能となり、例えば、工事現場やイベント会場等の簡易事務所としては勿論のこと、冠婚葬祭時の集会所、或いは被災地の仮設住宅としても好適に利用することができる。
以上、本実施形態の搬送式ハウス10について説明したが、本発明に係る搬送式ハウスは、その他の形態でも実施することができる。
例えば、図12〜図14に示す搬送式ハウス20のように、基部1の副フレーム12に着脱可能なアウトリガー100を設けても良い。図12に示すように、本実施形態のアウトリガー100は、油圧でロッド101を進退動作させる油圧シリンダ102と、この油圧シリンダ102の側方に突設され、角型鋼管から成る副フレーム12の管内へ差込可能な差込部103と、から構成されている。このアウトリガー100を使用することによって、トラックTに対する搬送式ハウス20の荷降し作業、及び荷積み作業を容易化することが可能となる。
即ち、まず、図12に示すように、トラックTの荷台上に積載された搬送式ハウス20の副フレーム12にアウトリガー100の差込部103を差し込んで固定する。次に、搬送式ハウス20をトラックTの荷台上に載せたまま、ロッド101を伸長させる。ロッド101の下端部が接地した後も、ロッド101を所定の長さ分伸長させることによって、図13に示すように、搬送式ハウス20をトラックTの荷台から所定の高さ分、持ち上げる。
次に、トラックTを走行させることにより搬送式ハウス20の下からトラックTの荷台を抜く。その後、図14に示すように、アウトリガー100のロッド101を退縮させることによって搬送式ハウス20を下降させて設営場所に設置する。設置後、アウトリガー100を取り外しても良く、そのまま副フレーム12内に差し込んでおいても良い。その後、上述した搬送式ハウス10と同様、搬送式ハウス20を水平方向及び上下方向へ拡張する。搬送式ハウス20の荷積み作業は、上述した荷降し手順と逆の手順で行う。
また、図15に示す搬送式ハウス30のように、上下拡縮手段6のワイヤ65の他端側を、アウトリガー100のロッド101で牽引することにより、搬送式ハウス30を上下方向へ拡張するようにしても良い。搬送式ハウス30においては、アウトリガー100のシリンダ102に案内プーリ104が軸支されており、この案内プーリ104を経由してワイヤ65の他端部67をロッド101の下端部に着脱可能に接続する。
この搬送式ハウス30によれば、例えば、トラックTの荷台から搬送式ハウス30を降ろす際に、ワイヤ65の他端部67を予めロッド101に接続しておけば、ロッド101を伸長させるだけで、その油圧を利用して搬送式ハウス30を上下方向へ拡張することが可能となる。搬送式ハウス30を目的の高さに拡張したとき、一旦ロッド101の伸長を停止し、上述した固定手段7によりその拡張位置に固定する。その後、ワイヤ65の他端部67をロッド101から取り外し、再びロッドの伸長を開始して搬送式ハウス30の荷降ろし作業を続行する。このように、搬送式ハウス30によれば、アウトリガー100の油圧を利用できるので、ウインチ等の他の駆動手段を用いる必要がなく、ハウスの構成を更に簡素化し、軽量化し得る。
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づいて種々の改良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものである。同一の作用または効果が生じる範囲内でいずれかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良く、また、一体に構成されている発明特定事項を複数の部材から構成したり、複数の部材から構成されている発明特定事項を一体に構成した形態で実施しても良い。
10、20、30 搬送式ハウス
1 基台
2 本体部
20 開口部
21 本体下部ユニット
22 本体上部ユニット
23 主室
3 拡張部
31 拡張下部ユニット
32 拡張上部ユニット
33拡張室
4 水平拡縮手段
5 連結手段
6 上下拡縮手段
7 固定手段
8 吊支手段
9 拡張部昇降手段
1 基台
2 本体部
20 開口部
21 本体下部ユニット
22 本体上部ユニット
23 主室
3 拡張部
31 拡張下部ユニット
32 拡張上部ユニット
33拡張室
4 水平拡縮手段
5 連結手段
6 上下拡縮手段
7 固定手段
8 吊支手段
9 拡張部昇降手段
Claims (3)
- 搬送車両に積載し得る基台と、該基台上に固定され、主室を形成する箱型の本体部と、該本体部の側面に開設された開口部に水平移動可能に設けられ、前記主室に連通する拡張室を形成する箱型の拡張部と、該拡張部を前記本体部の主室内に収納した縮小位置と該本体部の外側へ拡張した拡張位置との間で該拡張部を水平移動させる水平拡縮手段と、を備えた搬送式ハウスであって、
前記本体部が、本体下部ユニットと、本体上部ユニットと、から構成され、
前記拡張部が、拡張下部ユニットと、拡張上部ユニットと、から構成され、
前記本体部の前記本体上部ユニットを前記本体下部ユニットに対し上下移動させる上下拡縮手段と、
前記拡張部の拡張上部ユニットを前記本体部の本体上部ユニットの下方に水平移動可能に吊り下げる吊支手段と、を備えており、
前記上下拡縮手段により前記本体部の本体上部ユニットと前記拡張部の拡張上部ユニットとを同時に上下移動させることを特徴とした搬送式ハウス。 - 前記水平拡縮手段が、前記本体部の本体上部ユニットと前記拡張部の拡張上部ユニットとの間に配設され、
前記拡張部の拡張上部ユニットと拡張下部ユニットとを上下移動可能に連結する連結手段を備えており、
該水平拡縮手段により前記拡張部の拡張上部ユニットと拡張下部ユニットとを同時に水平移動させる請求項1記載の搬送式ハウス。 - 前記拡張部の拡張下部ユニットを前記基台に対し上下移動させる拡張部昇降手段を備えており、
該拡張部昇降手段により前記拡張位置にある前記拡張下部ユニットの床面の高さを前記本体部の本体下部ユニットの床面の高さに合わせ得る請求項1または請求項2記載の搬送式ハウス。
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---|---|---|---|
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JP2005354238A JP2007154581A (ja) | 2005-12-08 | 2005-12-08 | 搬送式ハウス |
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- 2005-12-08 JP JP2005354238A patent/JP2007154581A/ja active Pending
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