JP2007150272A - レーザ照射装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

レーザ照射装置及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シリンドリカルレンズアレイを用いて線状ビームを形成する際に、原ビームの光軸ずれを防止することでシリンドリカルレンズアレイにおける原ビームの入射位置のずれを防止し、安定的に均一強度分布の線状ビームを形成すること。
【解決手段】レーザ発振器から射出されるレーザビームを偏向する偏向ミラーと、転送レンズと、転送レンズを通過したレーザビームを複数に分割するシリンドリカルレンズアレイと、シリンドリカルレンズアレイで形成されたレーザビームを重ね合わせる集光レンズとを備え、レーザ発振器の射出口から偏向ミラーまでの距離をa、偏向ミラーから前記転送レンズまでの距離をb、転送レンズからシリンドリカルレンズアレイの入射面までの距離をc、転送レンズの焦点距離をfとした場合、これらが次式、
1/f=1/(a+b)+1/c
を満たすように配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザビームを集光する光学系を備えたレーザ照射装置に関する。特に当該光学系により、照射面に線状ビームを照射することのできるレーザ照射装置に関する。また、本発明は、そのようなレーザ照射装置を用いる半導体装置の製造方法に関する。
パルス発振エキシマレーザビームを光学系により線状に加工して、非晶質珪素膜に対し線状ビームを走査させながら照射して結晶化する技術が知られている。この技術はエキシマレーザアニール(ELA)とも呼ばれている。
エキシマレーザアニールは、非晶質珪素膜を形成したガラス基板を高温に加熱せずに、線状ビームを走査しながら珪素の結晶化を行うことができるという利点がある。しかし、線状ビームの強度分布が変化すると、ビームを走査する際に照射ムラが発生するという問題がある。この照射ムラがあると基板面内で半導体特性が異なることになるため、照射ムラのある膜を使用して、ドライバー画素一体型(システムオンパネル)の表示装置を作製した場合、この照射ムラが画面にそのまま出てしまう不都合が生じている。
レーザ照射装置において線状ビームを形成する場合、レーザ発振器から射出したレーザビーム(以下、「原ビーム」と言う)は、通常シリンドリカルレンズアレイにより分割される。さらに、分割された成分はシリンドリカルレンズを通過することにより互いに重ね合わさり、照射面において線状ビームが形成される。この線状ビームを用いて半導体膜の処理を行う場合には、エネルギー密度の変動が数%以内の高い均一性が求められる。
しかし、この要求を満たすことができない場合、例えば線状ビームの長手方向のエネルギー分布が均一でない場合、長手方向の全ての領域にわたって最適エネルギー範囲内でレーザ処理を行うことが困難となる。その結果、基板全面を均一に処理することが不可能となり照射ムラが発生する。
線状ビームの均一性は、原ビームの強度分布により影響を受ける。一般に、線状ビームの均一性を向上させるためには、シリンドリカルレンズアレイを構成するシリンドリカルレンズ数を増やし、原ビームの分割数を増やす方法が利用される。しかし、分割数が大きくなると分割されたビーム間での干渉が顕著となり、照射面において縞模様が発生することがある。また、レンズ幅とレンズ長のアスペクト比が高いシリンドリカルレンズを作製し、シリンドリカルレンズアレイを構成しようとする場合、十分な強度やレンズ精度が得られにくいため、所望のビームが得られないことがある。したがって、実際には分割数をある一定数以上に大きくしてレーザ照射することは難しい。
このような問題点を克服するために、シリンドリカルレンズの形状および構成を工夫することで、原ビームの強度分布の変動による影響を排除し、より高い均一性を実現できるレーザアニール装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−253916号公報
しかしながら、線状ビームを形成する光学系において、光軸がずれてしまうと線状ビームの均一性が変動するという問題点が残っている。例えば、照射面において均一な線状ビームを形成するためには、シリンドリカルレンズアレイにおいて、原ビームの入射位置を調整し、照射面に形成される線状ビームの均一性が良好となるように光学系の最適化を行う必要がある。ここで光軸ずれが発生すると、ビームの入射位置が最適位置からずれて、線状ビームの均一性が悪化することになる。この際、均一性に対する原ビームの光軸ずれの公差は非常に小さいものである。したがって、光学系の調整は困難であるとともに、光学系の調整後に、地震などにより装置に揺れや振動が発生し、光学系に光軸ずれが発生すると、照射面における線状ビームの均一性が確保できなくなる。
図3は線状ビームを照射するレーザ照射装置の概略を示したものである。レーザ照射装置には偏向ミラー2001、2002、2003が配置されている。偏向ミラー2001、2002、2003は、レーザ発振器2000から射出されたレーザビームをその進行方向と垂直な面内で90度回転させたり、レーザビームの光軸位置を調整するための機能を有する。偏向ミラー2001、2002、2003を通過したレーザビームは、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ2004、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ2005、長辺方向投影用シリンドリカルレンズ2006、短辺方向重畳用シリンドリカルレンズ2007、短辺方向投影用シリンドリカルレンズ2009によって、長辺方向及び短辺方向のエネルギー分布の均一化がなされる。その後、搬送ステージ2010上の基板2011に照射される。なお、図3中の2008は、短辺方向重畳用シリンドリカルレンズ2007から射出したレーザビームの進行方向を変化させるために配置されたミラーを示す。ここで、偏向ミラーは上記の機能を有するが、光学系に配置された偏向ミラーの固定角度のずれが発生すると、レーザビームの進行方向にずれが生じ、光軸ずれが発生する。偏向ミラーでのずれ量をθとすると、偏向角度のずれ量は2θとなるため、わずかな固定角度のずれでビームの進行方向が大きく変動することになる。その結果、シリンドリカルレンズアレイに作用するレーザビームの入射位置がずれ、所望の線状ビームの均一性が確保できなくなる。なお、光軸ずれは偏向ミラーのずれによるものに限られない。つまり、光学系内のレンズのずれや、レーザ照射装置のぶれ等が光軸ずれの原因となることもある。
また、本発明者らは、原ビームの両端部の領域のレーザビームをシリンドリカルレンズアレイに作用させると、照射面における線状ビームの均一性が急速に悪化することを見出した。図2(a)はレーザ発振器から射出した原ビームの典型的な実測値の一例を示したものである。図2(a)は原ビームのエネルギー分布を示しており、原ビームの中央部は比較的エネルギー分布が平坦な、平坦領域3000となっている。
一方、原ビーム両端のビーム端領域3001はエネルギー分布が不均一であり、強度分布の変動も大きな領域となっている。このような原ビームをシリンドリカルレンズに作用させた場合について図2(b)および図2(c)の模式図により説明する。図2(b)は平坦領域2110のみにシリンドリカルレンズアレイ(アレイ数5)を作用させた例を示している。このとき、一つ一つのシリンドリカルレンズに作用するレーザビームのエネルギーの変動は小さいため、これらのビームを重ね合わせることにより均一な線状ビームを容易に形成することが可能である。
図2(c)は平坦領域2110とビーム端領域2111にシリンドリカルレンズアレイを作用させたときの模式図であり、平坦領域2110とビーム端領域2111に作用させるシリンドリカルレンズ枚数をそれぞれ4枚、1枚とした例を示している。なお、図2(b)、(c)で、2112はシリンドリカルレンズ幅を、2113はシリンドリカルレンズアレイが作用する領域をそれぞれ示す。ここで、ビーム端領域2111のエネルギー分布は不均一であるが、平坦領域2110のエネルギー分布は比較的平坦となっている。そのため、ビーム端領域2111の不均一性を相殺できるエネルギー分布が存在しないことになるため、十分に均一な線状ビームを照射面に形成することが困難となる。したがって、シリンドリカルレンズアレイにビーム端領域2111が入射することになると、前記特許文献1によるレーザアニール装置においても、レーザビームのエネルギー分布の均一化が難しい。つまり、線状ビームの均一性を高く保つためには、レーザビームの光軸を一定の範囲内に抑制し、エネルギー分布変動の比較的小さい原ビームの平坦領域をシリンドリカルレンズアレイに作用させることが必要となる。
このような状況に鑑み、シリンドリカルレンズアレイを用いて線状ビームを形成する際に、原ビームの光軸ずれを防止することでシリンドリカルレンズアレイにおける原ビームの入射位置のずれを防止することを目的とする。また、安定的に均一強度分布の線状ビームを形成することができるレーザ照射方法及びレーザ照射装置を提供することを目的とする。
本発明は、照射面上に均一強度の線状ビームを投影できるレーザ照射方法及びレーザ照射装置を提供するものである。このレーザ照射装置はレーザ発振器、レーザ発振器から射出したレーザビームを転送する転送レンズ(リレーレンズともいう)、レーザビームを複数に分割するシリンドリカルレンズアレイを備えている。また、該シリンドリカルレンズにより分割されたレーザビームを重ね合わせる集光レンズを備えていてもよい。また、本発明に係るレーザ照射方法は、レーザ発振器から射出したレーザビームを転送レンズによりシリンドリカルレンズアレイ上に投影し、光学系内における光軸のずれを防止することを要旨としている。
本発明のレーザ照射装置は、レーザ発振器と、レーザ発振器から射出されるレーザビームを転送する転送レンズと、転送レンズを通過したレーザビームを複数に分割するシリンドリカルレンズアレイと、シリンドリカルレンズアレイで形成されたレーザビームを重ね合わせる集光レンズとを備えている。
本発明のレーザ照射装置は、レーザ発振器と、レーザ発振器から射出されるレーザビームを偏向する偏向ミラーと、偏向ミラーで偏向されたレーザビームを転送する転送レンズと、転送レンズを通過したレーザビームを複数に分割するシリンドリカルレンズアレイと、シリンドリカルレンズアレイで形成されたレーザビームを重ね合わせる集光レンズと、集光レンズを通過したレーザビームを投影させる照射面を設置するステージとを備えている。この場合、レーザ発振器の射出口から偏向ミラーまでの距離をa、偏向ミラーから前記転送レンズまでの距離をb、転送レンズからシリンドリカルレンズアレイの入射面までの距離をc、転送レンズの焦点距離をfとした場合、これらが次式(1)を満たすように配置することが好ましい。
Figure 2007150272
このように、本発明のレーザ照射装置は、レーザ発振器の射出口とシリンドリカルレンズアレイの入射面の位置とを互いに共役の関係にするように、転送レンズを配置する。これによって、転送レンズを通過したレーザビームはその進行方向が補正されるため、シリンドリカルレンズアレイに入射するレーザビームの強度分布の変化を抑制することができる。すなわち、光学系内の偏向ミラー等のずれによる光軸ずれを抑制することができ、照射面において均一性の高い線状ビームを形成することができる。
本発明のレーザ照射装置は、レーザ発振器と、レーザ発振器から射出されるレーザビームを転送する第1の転送レンズと、第1の転送レンズを通過したレーザビームを偏向する偏向ミラーと、偏向ミラーで偏向したレーザビームを転送する第2の転送レンズと、第2の転送レンズを通過したレーザビームを複数に分割するシリンドリカルレンズアレイと、シリンドリカルレンズアレイで形成されたレーザビームを重ね合わせる集光レンズと、集光レンズを通過したレーザビームを投影させる照射面を設置するステージとを有している。
この場合、レーザ発振器の射出口から第1の転送レンズまでの距離をa、第1の転送レンズから偏向ミラーまでの距離をb、第1の転送レンズの焦点距離をfとした場合、これらが次式(2)を満たす関係にあり、偏向ミラーから第2の転送レンズまでの距離をc、第2の転送レンズから前記シリンドリカルレンズアレイまでの距離をd、第2の転送レンズの焦点距離をfとした場合、これらが次式(3)を満たすように配置することが好ましい。
Figure 2007150272
Figure 2007150272
このように、本発明のレーザ照射装置においては、レーザ発振器の射出口と前記偏向ミラーとは互いに共役となる位置に配置し、偏向ミラーとシリンドリカルレンズアレイとは互いに共役となる位置に配置することで、光学系内の偏向ミラーの固定角度にずれが発生しても、転送レンズを通過したレーザビームはその進行方向が補正される。そのため、シリンドリカルレンズアレイに入射するレーザビームの強度分布の変化を抑制することができる。すなわち、光学系内の偏向ミラー等のずれによる光軸ずれを抑制することができ、照射面において均一性の高い線状ビームを形成することができる。
本発明に係るレーザ照射方法は、レーザ発振器から射出したレーザビームを転送レンズによりシリンドリカルレンズアレイ上に投影し、シリンドリカルレンズアレイで該レーザビームを複数に分割し、集光レンズにより、シリンドリカルレンズアレイで形成されたレーザビームを重ね合わせて照射することを要旨としている。レーザ発振器から射出したレーザビームをシリンドリカルレンズアレイで複数に分割するときに、レーザ発振器の射出口とシリンドリカルレンズアレイの入射面の位置を互いに共役の関係にするように配置された転送レンズを用い、該転送レンズによりシリンドリカルレンズアレイ上にレーザビーム投影するようにしても良い。
このように、本発明に係るレーザ照射方法は、転送レンズを有効に用いてレーザビームを照射することで、光学系内における光軸のずれを防止することができ、照射面において均一性の高い線状ビームを照射することができる。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、レーザ発振器から射出したレーザビームを転送レンズによりシリンドリカルレンズアレイ上に投影し、シリンドリカルレンズアレイで該レーザビームを複数に分割し、集光レンズにより、シリンドリカルレンズアレイで形成されたレーザビームを重ね合わせて照射して結晶化又は半導体に添加した導電型を制御する不純物の活性化を行う工程を有している。この場合において、レーザ発振器から射出したレーザビームをシリンドリカルレンズアレイで複数に分割するときに、レーザ発振器の射出口とシリンドリカルレンズアレイの入射面の位置を互いに共役の関係にするように配置された転送レンズを用い、該転送レンズによりシリンドリカルレンズアレイ上にレーザビーム投影するようにしても良い。
このように、本発明に係る半導体装置の製造方法は、転送レンズを有効に用いてレーザビームを照射することで、光学系内における光軸のずれを防止することができ、均一性の高い線状ビームを照射して結晶化若しくは活性化を行うことができる。
なお、レーザ発振器の射出口とは、シリンドリカルレンズアレイに入射させるレーザビームのプロファイルをあらかじめ確認できる位置を示すものとして、共振器直後のビームプロファイル変動が小さい場所である。このような意味において、レーザ発振器の射出口は、レーザ光源ともみなすことができる。
なお、レーザビームが拡がり角をもつ場合、その発散特性がガウスビームの挙動を示すことがある。その場合、本発明における光学系は、レーザ発振器の射出口とシリンドリカルレンズアレイとを共役とする代わりに、ガウスビームのビームウエストとシリンドリカルレンズアレイとが共役関係となる位置に配置しても良い。ここで、ガウスビームのビームウエストは、レーザ波長、共振器長、共振ミラーの曲率等により決定されるものである。そのため、ビームウエストの位置は共振内のほぼ一定の場所に固定される。また、レーザビームは、ビームウエストの位置を基準点として射出しているとみなすことができる。したがって、上記の構成によりレーザビームのポインティングスタビリティの影響を緩和し、安定的に均一な線状ビームを形成することが可能となる。
レーザ発振器のビーム射出口とシリンドリカルレンズアレイ入射面とが共役となるように転送レンズを配置し、該転送レンズによりレーザビームをレーザ発振器の射出口からシリンドリカルレンズアレイ入射面に投影する。その結果、光学系内の偏向ミラー等の固定角度にずれが発生しても、転送レンズを通過したレーザビームはその進行方向が補正される。そのため、シリンドリカルレンズアレイに作用するレーザビームの強度分布の変化を抑制することができる。
したがって、光学系内の偏向ミラー等のずれによる光軸ずれを抑制することができ、照射面において均一性の高い線状ビームを形成することができる。さらに、原ビームのポインティングスタビリティの影響を受けにくい光学系を構成することが可能になる。また、このような有利な効果により、光学系の光学調整が簡便に行うことができ、レーザ照射装置の保守点検も容易なものとすることができる。
以下、発明の実施の形態及び実施例について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細をさまざまに変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
本発明のレーザ照射装置は、レーザ発振器から射出した原ビームを、転送レンズによりシリンドリカルレンズアレイ入射面に投影する光学系を構成する。図1は上記課題を解決するレーザビームの成形の態様であり、紙面に対して平行な方向が線状ビームの長辺方向である。
図1(a)は、レーザ発振器の射出口101から射出したレーザビームを、シリンドリカルレンズアレイ104に入射させるまでの光学系の光路図を示したものである。また、図1(a)は光学系内に偏向ミラーを一つ配置した例について示しており、偏向ミラー102が配置されている。また、偏向ミラー102により生じるレーザビームの光軸ずれは角度βで表される。前記の光軸ずれを抑制するため、光学系内に転送レンズ103を配置する。
ここで、レーザ発振器の射出口101から偏向ミラー102までの距離をa、偏向ミラー102から転送レンズ103までの距離をb、転送レンズ103からシリンドリカルレンズアレイ104入射面までの距離をcとする。この時、転送レンズ103の焦点距離をfとすると、上記の光学系は下記の式(4)を満たしている。つまり、レーザ発振器の射出口101とシリンドリカルレンズアレイ104入射面とが、互いに共役となる位置に転送レンズ103が配置されている。
Figure 2007150272
偏向ミラー102において光軸ずれが無い場合、レーザビームは105の光路を通過して、シリンドリカルレンズアレイ104に入射する。一方、偏向ミラー102において角度ずれが生じた場合、レーザビームの光路は、図中の光路106となる。このとき、偏向ミラー102における偏心角度をβとすると、光路105からのずれ量は、シリンドリカルレンズアレイ104の入射面上において(ac/(a+b))tanβとなる。
なお、偏向ミラー102における偏心角度がβで、転送レンズ103を配置しなかった場合のレーザビームの光路は、図中一点破線で示した光路107となる。このとき、光路105からのずれ量は、シリンドリカルレンズアレイ104の入射面上において(b+c)tanβとなる。上記の光路105からのずれ量の値は、常に(ac/(a+b))tanβ<(b+c)tanβとなる。そのため、転送レンズ103を配置することにより、偏心角度βによらず、シリンドリカルレンズアレイ104におけるレーザビームの入射位置のずれを抑制できることになる。したがって、転送レンズ103により光軸ずれの影響を緩和させることが可能となる。なお、軸ずれ量の抑制の効果をできるだけ大きくするためには、a<bまたはa+b>cとすると良い。実際の光学系の設計にあたっては、上記の式を考慮に入れながら、ミラー素子やシリンドリカルレンズアレイの大きさを勘案して最適な素子構成を決定すると良い。上記の構成により、光学系内の偏向ミラー等のずれによる光軸ずれの影響を緩和させることができる。
また上記の構成の他にも、図1(b)に示すように、レーザ発振器の射出口110から偏向ミラー面へレーザビームを転送し、さらに、偏向ミラー面からシリンドリカルレンズアレイ114入射面へとレーザビームを転送する構成としても良い。この構成も同様に、偏向ミラー112の固定角度にずれが生じてもレーザビームの光軸ずれを抑制することが可能である。図1(b)は、光学系内に偏向ミラー112を一つ配置した例である。ここで、レーザ発振器の射出口110から転送レンズ111までの距離をa、転送レンズ111から偏向ミラー112までの距離をbとする。この時、転送レンズ111の焦点距離をfとすると、上記の光学系は下記の式(5)を満たしている。
Figure 2007150272
つまり、レーザ発振器の射出口110と偏向ミラー112とは、互いに共役となる位置に配置されている。また、偏向ミラー112から転送レンズ113までの距離をc、転送レンズ113からシリンドリカルレンズアレイ114までの距離をdとする。この時、転送レンズ113の焦点距離をfとすると、上記の光学系は下記の式(6)を満たしている。
Figure 2007150272
つまり、偏向ミラー112とシリンドリカルレンズアレイ114とは、互いに共役となる位置に配置されている。上記の構成により、偏向ミラー112において角度ずれが生じても常にシリンドリカルレンズアレイ114の所望の位置にレーザビームを入射させることが可能である。
なお、図1の光学系において、偏向ミラーを複数使用する場合、隣り合う偏向ミラー間に転送レンズを配置し、2枚の偏向ミラーを互いに共役となる位置に配置しても良い。これにより、偏向ミラー間での光軸ずれを解消することができる。また、図1の光学系は、線状ビームの長辺方向を形成する例について示したものであるが、レーザビームの長辺方向と短辺方向に作用させる転送レンズを用意し、レーザビームをそれぞれ長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ面上、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ面上に転送させる構成としても良い。これにより、レーザビームの長辺方向、短辺方向への光軸ずれを同時に緩和させることができる。なお、この場合、2種類の転送レンズを使用するかわりに、一枚のレンズに長辺方向および短辺方向の投影機能を持たせたトロイダルレンズ、またはクロスドシリンドリカルレンズ等を使用しても良い。
このように、レーザ発振器のビーム射出口とシリンドリカルレンズアレイ入射面とを共役となる位置に配置し、転送レンズによりレーザビームをレーザ発振器の射出口からシリンドリカルレンズアレイ入射面に投影する。その結果、光学系内の偏向ミラーの固定角度にずれが発生しても、転送レンズを通過したレーザビームはその進行方向が補正される。そのため、シリンドリカルレンズアレイに作用するレーザビームの強度分布の変化を抑制することができる。
なお、レーザ発振器から射出されたレーザビームが拡がり角をもつ場合、その発散特性がガウスビームの挙動を示すことがある。その場合、本発明における光学系は、レーザ発振器の射出口とシリンドリカルレンズアレイとを共役とする代わりに、ガウスビームのビームウエストとシリンドリカルレンズアレイとが共役の関係となる位置に配置しても良い。ここで、ガウスビームのビームウエストは、レーザ波長、共振器長、共振ミラーの曲率等により決定されるものである。そのため、ビームウエストの位置は共振内のほぼ一定の場所に固定される。また、レーザビームは、ビームウエストの位置を基準点として射出しているとみなすことができる。したがって、上記の構成によりレーザビームのポインティングスタビリティの影響を緩和し、安定的に均一な線状ビームを形成することが可能となる。
(実施の形態1)
以下に、本発明に係るレーザ照射装置の一態様に関し、図4を用いて更に具体的に説明する。ここでは、線状ビームの長辺方向の光軸ずれを防止する光学系の例を示す。また、レーザ発振器から射出したレーザビームを長さ150mmのビームスポットに成形するための光学系について説明するが、本発明はビームスポットの長さを150mmに限定するものではなく、150mmよりも長い場合にも短い場合についても同様に適用できる。
なお、本明細書において、レンズの配置についての説明は、レーザビームの進行方向を前方としている。また、レンズはレーザビームの入射側を第1面、射出側を第2面と表す。そして、用いる曲率半径の符号は、曲率中心がレンズからみてレーザビームの入射側にあるときは負、射出側にあるときは正とし、平面の場合は∞とする。さらに、用いるレンズはすべて合成石英ガラス製(屈折率1.485634)とするが、これに限らない。また、用いるレーザの波長により合成石英ガラスの表面に施されているコーティングを適切なものに変えれば、さまざまなレーザに適用できる。
まず図4(b)の側面図について説明する。レーザ発振器201から射出したレーザビームは、図4中、矢印の方向に伝播され、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ203a及び203bにより、レーザビームのビームスポットが短辺方向に分割される。短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ203aは、第1面の曲率半径が+146mmで、厚さが5mm、幅3.5mmのシリンドリカルレンズを曲率方向に6個並べたものである。短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ203bは第1面の曲率半径が−219mm、厚さ5mm、幅3.5mmのシリンドリカルレンズを曲率方向に6個並べたものである。また、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ203aは照射面209から2667mmの位置に配置し、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ203aと203bとの間隔は510mmとした。
その後、集光レンズにより短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ203a及び203bを透過した光線を一箇所に重畳する。本実施の形態では短辺方向重畳用シリンドリカルレンズ206にて、レーザビームを集光する。短辺方向重畳用シリンドリカルレンズ206は、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ203bに対して照射面寄り265mmに置かれており、第1面の曲率半径が+194mm、厚さが20mmである。短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ203a及び203bを透過した光線を一箇所に重畳することで、ビームスポットの短辺方向のエネルギー分布の均一化がなされ、形成された均一面を照射面209に結像させることによって均一なエネルギー分布を持つビームスポットを形成することができる。ビームの結像を行うために、短辺方向重畳用シリンドリカルレンズ206から1650mm照射面寄りに短辺方向投影用シリンドリカルレンズであるダブレットシリンドリカルレンズ208を配置する。ここでダブレットシリンドリカルレンズとは、2枚のシリンドリカルレンズで構成されているレンズのことをいう。ダブレットシリンドリカルレンズ208は、シリンドリカルレンズ208a及びシリンドリカルレンズ208bにより構成される。シリンドリカルレンズ208aは第1面の曲率半径が+125mm、第2面の曲率半径が+47mm、厚さ8mmであり、シリンドリカルレンズ208bは第1面の曲率半径が+52mm、第2面の曲率半径が−200mm、厚さ20mmである。また、2枚のシリンドリカルレンズ208a及び208bの間隔は5.5mmである。これにより、レーザビームのビームスポットの短辺方向のエネルギー分布の均一化がなされ、短辺方向の長さが決定される。ダブレットシリンドリカルレンズ208は使用しなくとも構わないが、前記ダブレットシリンドリカルレンズ208を用いることにより、光学系と照射面との間に距離がとれるため、空間的な余裕ができる。ダブレットシリンドリカルレンズ208から照射面寄り204mmに配置した照射面209に光線を投影する。これにより、短辺方向に均一なエネルギー分布を持つビームを形成することができる。
次に、図4(a)の平面図について説明する。レーザ発振器201から射出したレーザビームは、転送レンズとして機能する長辺方向転送用シリンドリカルレンズ202を通過する。長辺方向転送用シリンドリカルレンズ202は、レーザ発振器201の射出口と、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ205とが共役となるように配置されている。長辺方向転送用シリンドリカルレンズ202は第1面の曲率半径が+150mmであり、レーザ発振器201の射出口から照射面寄り600mmに配置する。ここで、図示しない偏向ミラーはレーザ発振器201と長辺方向転送用シリンドリカルレンズ202との間に設置されている。偏向ミラーは、レーザビームの光路を調整し、照射面209において線状ビームのエネルギー分布を最適化するために設置するが、偏向ミラーの固定角度にずれが生じるとレーザビームの進行方向が変化する。しかし、上記の構成により、偏向ミラーにより発生したビームの進行方向のずれを抑制することが可能となるため、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ205において、所望の位置にレーザビームを入射させることができる。
なお、本光学系には長辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ204をレーザビームの広がり角を補正するために設置する。長辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ204は、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ205の直前に配置する。長辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ204の曲率は、レーザビームをコリメートさせるため、長辺方向転送用シリンドリカルレンズ202と同程度とするとよい。本実施の形態では、長辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ204は第1面の曲率半径を+150mmとした。
さらに、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ205により、ビームスポットが長辺方向に分割される。その後、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ205に対して照射面寄り425mmに置かれた第1面の曲率半径が+800mm、厚さ20mmの長辺方向投影用シリンドリカルレンズ207により、レーザビームは照射面209にて1つに合成される。これにより、レーザビームのビームスポットの長辺方向のエネルギー分布の均一化がなされ、長辺方向の長さが決定される。
ここで、照射面209に形成される線状ビームの長辺方向のエネルギー分布を電子計算機を用いて検討した結果を図5に示す。図5は図4の光学系において、レーザ発振器201と長辺方向転送用シリンドリカルレンズ202との中間位置に偏向ミラーを配置し、偏向ミラーでの角度ずれを0.4°とした場合の例である。図5(a)は長辺方向転送用シリンドリカルレンズ202を設置していない場合に得られるエネルギー分布であり、軸ずれの影響が緩和されていないため、線状ビームのエネルギー分布が不均一となっている。一方、図5(b)は、本発明の光学系により得られるエネルギー分布である。本光学系の効果により、軸ずれが補正されるため、均一性の良好な線状ビームが得られることがわかる。
また、図6は、線状ビームの均一性の変化を計算した結果である。図6において横軸は偏向ミラーにおける偏心角度、縦軸は線状ビームの均一性を示している。均一性は、線状ビームの長辺方向の強度の平均値に対する変動の範囲である。ここで、図6において点線で示したグラフは、長辺方向転送用シリンドリカルレンズ202を設置していない場合に得られる結果である。この結果から、偏心角度が大きくなると均一性が急速に悪化することがわかる。一方、図6において実線は、本発明の光学系により得られる線状ビームの均一性であり、広い角度領域で均一性の変化が小さくなっていることがわかる。したがって、長辺方向転送用シリンドリカルレンズ202を設置することにより、偏向ミラーでの角度ずれが補正され、線状ビームの均一性を良好に保つことができることになる。
なお、本実施の形態では、照射面における形状が線状であるビームスポットを形成しているが、本発明は線状のビームに限らない。例えば、図4において、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ203a、203bにより短辺方向への縮小機能を持たせている。しかし、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ203bを除去すると、レーザビームの縮小が行われないため、図4で示す光学系により形成されるビームスポットよりアスペクト比の小さいビームスポットが形成される。また、レーザから射出したレーザビームの形状はレーザの種類により異なり、光学系によって成形されるビームスポットは元の形状の影響を受けやすい。例えば、XeClエキシマレーザ(波長308nm、パルス幅30ns)から射出されたレーザビームの形状は、10mm×30mm(共にビームプロファイルにおける半値幅)の矩形状である。また、固体レーザから射出されたレーザビームの形状は、ロッド形状が円筒形であれば円状となり、スラブ型であれば矩形状である。いずれの形状においても、被照射体のアニールに十分なエネルギー密度であれば問題なく本発明を適用することが可能である。
本発明に係るレーザ照射装置で使用するレーザ発振器は、大出力でかつ半導体膜によく吸収される波長域を有するものが好ましい。半導体膜として珪素膜を用いた場合、吸収率を考慮し、用いるレーザ発振器の射出するレーザビームの波長は600nm以下であることが好ましい。このようなレーザビームを射出するレーザ発振器には、例えば、エキシマレーザ、YAGレーザ(高調波)、ガラスレーザ(高調波)などがある。また、珪素膜の結晶化に適当な波長のレーザビームを発振するレーザ発振器として、例えば、YVOレーザ(高調波)、YLFレーザ(高調波)、Arレーザなどがある。
次に、本発明に係るレーザ照射装置を用いた使用態様として、半導体装置を作製する場合について説明する。まず、大きさが600mm×720mm×0.7mmのガラス基板を用意する。当該基板には600℃までの温度であれば充分な耐久性のあるものを使用する。前記ガラス基板上に下地膜として厚さ200nmの酸化珪素膜を成膜する。さらに、その上から厚さ55nmの非晶質珪素膜を成膜する。成膜は、下地膜、非晶質珪素膜共にスパッタ法、あるいはプラズマCVD法にて行う。
成膜が済んだ基板を、450℃の窒素雰囲気中で1時間加熱する。本工程は非晶質珪素膜中の水素濃度を減らすための工程である。非晶質珪素膜中の水素が多すぎると非晶質珪素膜がレーザエネルギーに対して耐えきれないので本工程をいれる。
前記非晶質珪素膜内の水素の濃度は1×1020/cmから1×1022/cmが適当である。ここで、1×1020/cmとは、1cmあたりに水素原子が1×1020個存在するという意味である。
本作製方法の具体例においては、レーザ発振器として、ラムダフィジック社製STEEL1000(XeClエキシマレーザ)を使う。該エキシマレーザは、パルスレーザを発振する。エキシマレーザの最大エネルギーは、1パルスあたり1000mJ、発振波長は308nm、最大周波数は300Hzである。基板を1枚、レーザ処理する間、該パルスレーザの1パルスごとのエネルギー変動は、±5%以内、好ましくは±2%以内に収まっていると、均一な結晶化が行える。ここで述べているレーザエネルギーの変動は、以下のように定義する。すなわち、基板を1枚、照射している期間のレーザエネルギーの平均値を基準とし、その期間の最小エネルギーまたは最大エネルギーと前記平均値との差を%で表したものである。
レーザビームの照射は例えば、図4に示した照射面209に、被照射物をのせたステージを長方形状のビームスポットの短辺方向に走査させながら行う。このとき、被照射面におけるビームスポットのエネルギー密度や、走査のスピードなどのプロセス条件は、実施者が適宜決めればよい。そのプロセス条件のおおよその目安として、エネルギー密度は300mJ/cm〜1000mJ/cmの範囲、走査のスピードは、長方形状のビームスポットの短辺方向の幅が90%程度もしくはそれ以上で互いに重なり合う範囲で適当なものを選ぶと、均一なレーザアニールを行える可能性が高い。最適な走査スピードは、レーザ発振器の周波数に依存し、前記周波数に比例すると考えてよい。
以上の処理を行うことにより、レーザアニール工程が終了する。この工程を繰り返すことにより、多数の基板を処理できる。基板を利用して例えばアクティブマトリクス型の液晶ディスプレイやELディスプレイを作製することができる。本作製方法においては、レーザ発振器にエキシマレーザを用いた。エキシマレーザはコヒーレント長が数μmと非常に小さいため、本作製方法の具体例の光学系に適している。
以下に示すレーザにはコヒーレント長が長いものもあるが、作為的にコヒーレント長を変えたものを用いればよい。YAGレーザの高調波やガラスレーザの高調波を用いても同様な大出力が得られ、かつ珪素膜にレーザビームのエネルギーが良く吸収されるので好ましい。珪素膜の結晶化に適当なレーザ発振器として、YVOレーザ(高調波)、YLFレーザ(高調波)、Arレーザなどがある。これらのレーザビームの波長域は珪素膜によく吸収される。
前記した半導体装置の作製方法における具体例については、非単結晶半導体膜には非晶質珪素膜を使ったが、本発明は他の非単結晶半導体にも適用できることが容易に推測できる。例えば、非単結晶半導体膜に非晶質珪素ゲルマニウム膜などの非晶質構造を有する化合物半導体膜を使用しても良い。あるいは、非単結晶半導体膜に多結晶珪素膜を使用してもよい。
本実施の形態によれば、レーザ発振器のビーム射出口とシリンドリカルレンズアレイ入射面とを共役となる位置に転送レンズを配置し、当該転送レンズによりレーザビームをレーザ発振器の射出口からシリンドリカルレンズアレイ入射面に投影する。その結果、光学系内の偏向ミラーの固定角度にずれが発生しても、転送レンズを通過したレーザビームはその進行方向が補正される。そのため、シリンドリカルレンズアレイに作用するレーザビームの強度分布の変化を抑制することができる。したがって、光学系内の偏向ミラー等のずれによる光軸ずれを抑制することができ、照射面において均一性の高い線状ビームを形成することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明に係るレーザ照射装置で用いる光学系について、実施の形態1に記載した光学系とは別の光学系について説明する。図7は実施の形態1の光学系に、短軸方向の光軸ずれを補正する機能を追加した光学系の例である。
まず図7(b)の側面図について説明する。レーザ発振器301から射出したレーザビームは、短辺方向転送用シリンドリカルレンズ302を通過する。短辺方向転送用シリンドリカルレンズ302は、レーザ発振器301の射出口と、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ305aとが共役となるように配置されている。短辺方向転送用シリンドリカルレンズ302は第1面の曲率半径が+80mmであり、レーザ発振器301の射出口から照射面寄り320mmに配置する。ここで、図示しない偏向ミラーはレーザ発振器301と短辺方向転送用シリンドリカルレンズ302との間に設置されている。偏向ミラーは、レーザビームの光路を調整し、照射面311において線状ビームのエネルギー分布を最適化するために設置するが、偏向ミラーの固定角度にずれが生じるとレーザビームの進行方向が変化する。しかし、上記の構成により、偏向ミラーにより発生したビームの進行方向のずれを抑制することが可能となる。
なお、本光学系には短辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ304をレーザビームの広がり角を補正するために設置する。短辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ304は、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ305aの直前に配置する。短辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ304の曲率は、レーザビームをコリメートさせるため、短辺方向転送用シリンドリカルレンズ302と同程度とするとよい。本実施の形態では、短辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ304は第1面の曲率半径を+80mmとした。さらに、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ305a及び305bにより、レーザビームのビームスポットが短辺方向に分割される。短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ305aは、第1面の曲率半径が−146mmで、厚さが5mm、幅3.5mmのシリンドリカルレンズを曲率方向に6個並べたものである。短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ305bは第1面の曲率半径が+219mm、厚さ5mm、幅3.5mmのシリンドリカルレンズを曲率方向に6個並べたものである。また、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ305aは照射面311から2667mmの位置に配置し、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ305aと305bとの間隔は510mmとした。
その後、集光レンズにより各シリンドリカルレンズアレイを透過した光線を一箇所に重畳する。本実施の形態では短辺方向重畳用シリンドリカルレンズ308にて、レーザビームを集光する。短辺方向重畳用シリンドリカルレンズ308は、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ305bから照射面寄り265mmに置かれており、第1面の曲率半径が+194mm、厚さが20mmである。各シリンドリカルレンズアレイを透過した光線を一箇所に重畳することで、ビームスポットの短辺方向のエネルギー分布の均一化がなされ、形成された均一面を照射面311に結像させることによって均一なエネルギー分布を持つビームスポットを形成することができる。ビームの結像を行うために、短辺方向重畳用シリンドリカルレンズ308から1650mm照射面寄りに短辺方向投影用シリンドリカルレンズであるダブレットシリンドリカルレンズ310を配置する。ここでダブレットシリンドリカルレンズとは、2枚のシリンドリカルレンズで構成されているレンズのことをいう。前記ダブレットシリンドリカルレンズ310は、シリンドリカルレンズ310a及びシリンドリカルレンズ310bにより構成される。シリンドリカルレンズ310aは第1面の曲率半径が+125mm、第2面の曲率半径が+47mm、厚さ8mmであり、シリンドリカルレンズ310bは第1面の曲率半径が+52mm、第2面の曲率半径が−200mm、厚さ20mmである。また、2枚のシリンドリカルレンズ310a、310bの間隔は5.5mmである。これにより、レーザビームのビームスポットの短辺方向のエネルギー分布の均一化がなされ、短辺方向の長さが決定される。前記ダブレットシリンドリカルレンズ310は使用しなくとも構わないが、前記ダブレットシリンドリカルレンズ310を用いることにより、光学系と照射面311との間に距離がとれるため、空間的な余裕ができる。前記ダブレットシリンドリカルレンズ310から照射面寄り204mmに配置した照射面311に光線を投影する。これにより、短辺方向に均一なエネルギー分布を持つビームを形成することができる。
次に、図7(a)の平面図について説明する。レーザ発振器301から射出したレーザビームは、長辺方向転送用シリンドリカルレンズ303を通過する。長辺方向転送用シリンドリカルレンズ303は、レーザ発振器301の射出口と、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ307とが共役となるように配置されている。長辺方向転送用シリンドリカルレンズ303は第1面の曲率半径が+150mmであり、レーザ発振器301の射出口から照射面寄り600mmに配置する。
なお、本光学系には長辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ306をレーザビームの広がり角を補正するために設置する。長辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ306は、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ307の直前に配置する。長辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ306の曲率は、レーザビームをコリメートさせるため、長辺方向転送用シリンドリカルレンズ303と同程度とするとよい。本実施の形態では、長辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ306は第1面の曲率半径を+150mmとした。
さらに、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ307により、ビームスポットが長辺方向に分割される。その後、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ307に対して照射面寄り425mmに置かれた第1面の曲率半径が+800mm、厚さ20mmの長辺方向投影用シリンドリカルレンズ309により、レーザビームは照射面311にて1つに合成される。これにより、レーザビームのビームスポットの長辺方向のエネルギー分布の均一化がなされ、長辺方向の長さが決定される。
本実施の形態によれば、レーザ発振器のビーム射出口とシリンドリカルレンズアレイ入射面とを共役となる位置に転送レンズを配置し、当該転送レンズによりレーザビームをレーザ発振器の射出口からシリンドリカルレンズアレイ入射面に投影する。その結果、光学系内の偏向ミラーの固定角度にずれが発生しても、転送レンズを通過したレーザビームはその進行方向が補正される。そのため、シリンドリカルレンズアレイに作用するレーザビームの強度分布の変化を抑制することができる。したがって、光学系内の偏向ミラー等のずれによる光軸ずれを抑制することができ、照射面において均一性の高い線状ビームを形成することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明に係るレーザ照射装置で用いる光学系について、実施の形態1および実施の形態2に記載した光学系とは別の光学系について説明する。図8はレーザ発振器から射出したレーザビームを偏向ミラー面上に転送する光学系の例である。
まず図8(b)の側面図について説明する。レーザ発振器401から射出したレーザビームは、転送レンズ402に入射する。転送レンズ402は第1面の曲率半径を+80mmとする。また、レーザ発振器401から偏向ミラー403までの距離は640mmであり、転送レンズ402はレーザ発振器401と偏向ミラー403とが共役となる位置に配置する。これにより、レーザビームがレーザ発振器401の射出口から偏向ミラー403上に投影されることになる。さらに偏向ミラー403で進行方向が曲げられたレーザビームが転送レンズ404に入射する。転送レンズ404は第1面の曲率半径を+80mmとする。また、偏向ミラー403から偏向ミラー405までの距離は640mmであり、転送レンズ404は偏向ミラー403と偏向ミラー405とが共役となる位置に配置する。これにより、レーザビームが偏向ミラー403から偏向ミラー405上に投影されることになる。上記の構成により、偏向ミラー等のずれによる光軸ずれを補正し、偏向ミラー面の特定の箇所にレーザビームを入射させることができる。さらに偏向ミラー405で進行方向が曲げられたレーザビームが短辺方向転送用シリンドリカルレンズ406を通過する。転送レンズとして機能する短辺方向転送用シリンドリカルレンズ406は、偏向ミラー405と、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ409aとが共役となるように配置されている。短辺方向転送用シリンドリカルレンズ406は第1面の曲率半径が+80mmであり、偏向ミラー405から照射面寄り320mmに配置する。上記の構成により、偏向ミラー405により発生したビームの進行方向のずれを抑制することが可能となるため、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ409aにおいて、所望の位置にレーザビームを入射させることができる。
なお、本光学系には短辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ408をレーザビームの広がり角を補正するために設置する。短辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ408は、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ409aの直前に配置する。短辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ408の曲率は、レーザビームをコリメートさせるため、短辺方向転送用シリンドリカルレンズ406と同程度とするとよい。本実施の形態では、短辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ408は第1面の曲率半径を+80mmとした。さらに、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ409a及び409bにより、レーザビームのビームスポットが短辺方向に分割される。短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ409aは、第1面の曲率半径が+146mmで、厚さが5mm、幅3.5mmのシリンドリカルレンズを曲率方向に6個並べたものである。短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ409bは第1面の曲率半径が−219mm、厚さ5mm、幅3.5mmのシリンドリカルレンズを曲率方向に6個並べたものである。また、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ409aは照射面415から2667mmの位置に配置し、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ409aと409bとの間隔は510mmとした。
その後、集光レンズにより各シリンドリカルレンズアレイを透過した光線を一箇所に重畳する。本実施の形態では短辺方向重畳用シリンドリカルレンズ412にて、レーザビームを集光する。短辺方向重畳用シリンドリカルレンズ412は、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ409bに対して照射面寄り265mmに置かれており、第1面の曲率半径が+194mm、厚さが20mmである。各シリンドリカルレンズアレイを透過した光線を一箇所に重畳することで、ビームスポットの短辺方向のエネルギー分布の均一化がなされ、形成された均一面を照射面に結像させることによって均一なエネルギー分布を持つビームスポットを形成することができる。ビームの結像を行うために、短辺方向重畳用シリンドリカルレンズ412から1650mm照射面寄りに短辺方向投影用シリンドリカルレンズであるダブレットシリンドリカルレンズ414を配置する。ここでダブレットシリンドリカルレンズとは、2枚のシリンドリカルレンズで構成されているレンズのことをいう。ダブレットシリンドリカルレンズ414は、シリンドリカルレンズ414a及びシリンドリカルレンズ414bにより構成される。シリンドリカルレンズ414aは第1面の曲率半径が+125mm、第2面の曲率半径が+47mm、厚さ8mmであり、シリンドリカルレンズ414bは第1面の曲率半径が+52mm、第2面の曲率半径が−200mm、厚さ20mmである。また、2枚のシリンドリカルレンズ414a及び414bの間隔は5.5mmである。これにより、レーザビームのビームスポットの短辺方向のエネルギー分布の均一化がなされ、短辺方向の長さが決定される。ダブレットシリンドリカルレンズ414は使用しなくとも構わないが、ダブレットシリンドリカルレンズ414を用いることにより、光学系と照射面415との間に距離がとれるため、空間的な余裕ができる。ダブレットシリンドリカルレンズ414から照射面寄り204mmに配置した照射面415に光線を投影する。これにより、短辺方向に均一なエネルギー分布を持つビームを形成することができる。
次に、図8(a)の平面図について説明する。レーザ発振器401から射出したレーザビームは、転送レンズ402および偏向ミラー403を通過して、偏向ミラー405に入射する。偏向ミラー405で進行方向が曲げられたレーザビームは、長辺方向転送用シリンドリカルレンズ407を通過する。転送レンズとして機能する長辺方向転送用シリンドリカルレンズ407は、偏向ミラー405と、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ411とが共役となるように配置されている。長辺方向転送用シリンドリカルレンズ407は第1面の曲率半径が+150mmであり、偏向ミラー405から照射面寄り600mmに配置する。
なお、本光学系には長辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ410をレーザビームの広がり角を補正するために設置する。長辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ410は、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ411の直前に配置する。長辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ410の曲率は、レーザビームをコリメートさせるため、長辺方向転送用シリンドリカルレンズ407と同程度とするとよい。本実施の形態では、長辺方向角度補正用シリンドリカルレンズ410は第1面の曲率半径を+150mmとした。
さらに、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ411により、ビームスポットが長辺方向に分割される。その後、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ411から照射面寄り425mmに置かれた第1面の曲率半径が+800mm、厚さ20mmの長辺方向投影用シリンドリカルレンズ413により、レーザビームは照射面415にて1つに合成される。これにより、レーザビームのビームスポットの長辺方向のエネルギー分布の均一化がなされ、長辺方向の長さが決定される。
本実施の形態によれば、レーザ発振器のビーム射出口とシリンドリカルレンズアレイ入射面とを共役となる位置に転送レンズを配置し、当該転送レンズによりレーザビームをレーザ発振器の射出口からシリンドリカルレンズアレイ入射面に投影する。その結果、光学系内の偏向ミラーの固定角度にずれが発生しても、転送レンズを通過したレーザビームはその進行方向が補正される。そのため、シリンドリカルレンズアレイに作用するレーザビームの強度分布の変化を抑制することができる。したがって、光学系内の偏向ミラー等のずれによる光軸ずれを抑制することができ、照射面において均一性の高い線状ビームを形成することができる。なお、レーザビームの照射は例えば、図8に示した照射面415に、被照射物をのせたステージを走査させながら行う。
以下において、本発明に関し、TFTを作製するための実施例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によってなんら限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
この実施例においては、本発明によるレーザ照射装置を用いて、薄膜トランジスタ(TFT)を作製する工程について、図9を用いて説明する。
図9(A)中、10は、絶縁表面を有する基板、11はブロッキング層となる下地絶縁膜、14はレーザビームが照射された結晶構造を有する半導体膜である。
図9(A)において、基板10にはガラス基板、石英基板、セラミック基板などを用いることができる。また、シリコン基板、金属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。また、本工程の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよい。
まず、図9(A)に示すように基板10上に酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜(SiO)等の絶縁膜から成る下地絶縁膜11を形成する。代表的な一例は下地絶縁膜11として2層構造から成り、SiH、NH、及びNOを反応ガスとして成膜される窒化酸化珪素膜を50nm以上100nm以下、SiH、及びNOを反応ガスとして成膜される酸化窒化珪素膜を100nm以上150nm以下の厚さに積層形成する構造が採用される。また、下地絶縁膜11の一層として膜厚10nm以下の窒化シリコン膜(SiN膜)、或いは酸化窒化珪素膜(SiN膜(X>Y))を用いることが好ましい。また、窒化酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化シリコン膜とを順次積層した3層構造を用いてもよい。
次いで、下地絶縁膜11上に非晶質構造を有する半導体膜を形成する。半導体膜は、シリコンを主成分とする半導体材料を用いる。代表的には、非晶質シリコン膜又は非晶質シリコンゲルマニウム膜などをスパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等により25nm以上80nm以下(好ましくは30nm以上60nm以下)の厚さで成膜する。本実施例では、プラズマCVD法を用い、55nmの非晶質珪素膜を成膜する。次いで、結晶化処理を行って結晶構造を有する半導体膜14を得る。この結晶化処理は、本発明に係るレーザ結晶化法を用いて行う。もちろん、レーザ結晶化法だけでなく、他の結晶化処理(RTAやファーネスアニール炉等を利用した熱結晶化法、ニッケルなどの触媒を用いた熱結晶化法等)と組み合わせて行ってもよい。
図9(A)は半導体膜に本発明に係るレーザ照射方法を適用して、レーザ結晶化法により結晶質珪素膜を形成した工程断面図である。この工程により結晶構造を有する半導体膜14を得ることができる。また、図9(A)において、レーザ結晶化法以外の方法で得られた結晶構造を有する半導体膜の結晶化率を高めるために、本発明に係るレーザビームを照射する工程を行ってもよい。その場合には、レーザビームを照射する前に結晶化工程で形成される表面の自然酸化膜を除去しておくことが好ましい。レーザ照射方法については本発明の実施の形態で示した方法を採用するのが好ましい。
レーザ照射に用いるレーザ発振器としては、紫外光、可視光、又は赤外光を発振することが可能なレーザ発振器を用いることができる。レーザ発振器としては、KrF、ArF、XeCl、Xe等のエキシマレーザ発振器、He、He−Cd、Ar、He−Ne、HF等の気体レーザ発振器、YAG、GdVO、YVO、YLF、YAlOなどの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶を使った固体レーザ発振器、GaN、GaAs、GaAlAs、InGaAsP等の半導体レーザ発振器を用いることができる。なお、固体レーザ発振器においては、基本波の第1高調波〜第5高調波を適用するのが好ましい。
代表的には、レーザビームとして波長400nm以下のエキシマレーザビームや、YAGレーザの第2高調波、第3高調波を用いる。例えば、繰り返し周波数10Hz〜1GHz程度のパルスレーザビームを用いる。
これらのレーザを用いる場合には、レーザ発振器から放射されたレーザビームを光学系で線状に集光し半導体膜に照射する方法を用いる。結晶化の条件は実施者が適宣選択するものであるが、エキシマレーザを用いる場合はパルス発振周波数30〜300Hzとし、レーザエネルギー密度を100〜800mJ/cm(代表的には200〜700mJ/cm)とする。また、YAGレーザを用いる場合にはその第2高調波を用いパルス発振周波数1〜10000Hzとし、レーザエネルギー密度を300〜1000mJ/cm(代表的には350〜800mJ/cm)とすると良い。そして幅100〜1000μm、例えば400μmで線状に集光したレーザビームを基板全面に渡って照射する。
次いで、フォトリソグラフィー技術を用いて、半導体層17を形成する(図9(B))。フォトリソグラフィーにおけるレジストマスク形成を行う前には半導体層17を保護するためにオゾン含有水溶液、または酸素雰囲気でのUV照射によってオゾンを発生させて酸化膜を形成している。ここでの酸化膜はレジストのぬれ性を向上させる効果もある。
なお、必要があれば、この工程を行う前に、TFTのしきい値電圧を制御するために微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピングを上記酸化膜を介して行う。上記酸化膜を介してドーピングを行った場合には、酸化膜を除去し、再度オゾン含有水溶液によって酸化膜を形成する。
次いで、半導体層17の表面を覆って、ゲート絶縁膜18となる珪素を主成分とする絶縁膜を形成する(図9(C))。ここでは工程数削減のため、酸化膜を除去せずにゲート絶縁膜18を形成する。なお、ゲート絶縁膜18を形成する前に酸化膜をフッ酸を含むエッチャントにより除去してもよい。また、半導体層17の酸化膜を完全に除去する必要は特になく、薄く酸化膜を残していてもよい。オーバーエッチングして半導体層17を露呈させてしまうと、表面が不純物で汚染される恐れがある。
次いで、ゲート絶縁膜18の表面を洗浄した後、ゲート電極19を形成する。次いで、半導体にn型を付与する不純物元素(P、As等)を、適宜添加して、ソース領域20及びドレイン領域21を形成し、チャネル形成領域22を画定する。本実施例では、不純物元素としてリンを添加した。次いで、層間絶縁膜31を形成する。この層間絶縁膜31としては、プラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さが100〜200nmの珪素を含む絶縁膜を形成する。本実施例では、プラズマCVD法により膜厚150nmの酸化窒化珪素膜を形成した。もちろん、層間絶縁膜31は酸化窒化珪素膜に限定されるものでなく、他の珪素を含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。その後、不純物元素を活性化するために加熱処理、または強光の照射、またはレーザビームの照射を行う。また、活性化と同時にゲート絶縁膜18へのプラズマダメージまたはゲート絶縁膜18と半導体層17との界面へのプラズマダメージを回復することができる。特に、室温〜300℃の雰囲気中において、表面または裏面からYAGレーザの第2高調波を照射して不純物元素を活性化させることは非常に有効である。YAGレーザはメンテナンスが少ないため好ましい活性化手段である。レーザアニール法を用いる場合には、発明の実施の形態で示した方法を採用するのが好ましい。
以降の工程は、層間絶縁膜23を形成し、水素化を行って、ソース領域、ドレイン領域に達するコンタクトホールを形成する。その後、導電膜を成膜してソース電極24、ドレイン電極25を形成してTFT(nチャネル型TFT)を完成させる(図9(E))。ソース電極24、ドレイン電極25は、Mo、Ta、W、Ti、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料の単層、またはこれらの積層で形成する。例えば、Ti膜と、純Al膜と、Ti膜との3層構造、或いはTi膜と、NiとCを含むAl合金膜と、Ti膜との3層構造を用いる。さらに後の工程で層間絶縁膜等を形成することを考慮して、電極断面形状をテーパー形状とすることが好ましい。
また、本発明は図9(E)のTFT構造に限定されず、必要があればチャネル形成領域とドレイン領域(またはソース領域)との間にLDD(Lightly Doped Drain)領域を有する低濃度ドレイン構造としてもよい。この構造はチャネル形成領域と、高濃度に不純物元素を添加して形成するソース領域またはドレイン領域との間に低濃度に不純物元素を添加した領域を設けたものであり、この領域をLDD領域と呼んでいる。さらにゲート絶縁膜を介してLDD領域をゲート電極と重ねて配置させた、いわゆるGOLD(Gate−drain Overlapped LDD)構造としてもよい。
また、ここではnチャネル型TFTを用いて説明したが、半導体にn型を付与する不純物元素に代えて、半導体にp型を付与する不純物元素(ボロン等)を用いることによってpチャネル型TFTを形成することができることは言うまでもない。
また、ここではトップゲート型TFTを例として説明したが、TFT構造に関係なく本発明を適用することが可能である。例えばボトムゲート型(逆スタガ型)TFTや順スタガ型TFTに適用することが可能である。
本発明に係るレーザ照射装置を用いたレーザアニール方法を採用することにより、輻射加熱あるいは伝導加熱を利用するアニール法と比較し、処理時間を大幅に短縮でき、また半導体基板を選択的に加熱して、基板に殆ど熱的損傷を与えないで処理を行うことができる。そして、照射面におけるレーザビームの形状が線状となるように光学系にて成形し、レーザビームの照射位置を照射面に対し相対的に移動させて照射することで、一度に広い面積の半導体をアニールすることができ、高い生産性を持つため工業的に優れている。また、本発明に係るレーザ照射装置を用いたレーザアニール方法を採用することにより、光学系内での光軸ずれを防止することができるため、安定的に均一強度の線状ビームを成形できる。そのため、基板に対して一様にアニールを行うことができる。
本実施例では、有機ELディスプレイ、又は有機発光ダイオードとも呼ばれているEL素子を有する発光装置(図10)の作製方法について説明する。
なお、有機化合物を含む層を発光層とするEL素子は、有機化合物を含む層(以下、EL層と記す)が陽極と、陰極との間に挟まれた構造を有し、陽極と陰極とに電界を加えることにより、EL層からルミネッセンス(Electro Luminescence)が発光する。またEL素子からの発光は、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)とがある。
まず、基板810上に下地絶縁膜811を形成する。基板810側を表示面として発光を取り出す場合、基板810としては、光透過性を有するガラス基板や石英基板を用いればよい。また、処理温度に耐えうる耐熱性を有する光透過性のプラスチック基板を用いてもよい。また、基板810側とは逆の面を表示面として発光を取り出す場合、前述の基板の他にシリコン基板、金属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。ここでは基板810としてガラス基板を用いる。なお、ガラス基板の屈折率は1.55前後である。
下地絶縁膜811としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜から成る下地膜を形成する。ここでは下地膜として2層構造を用いた例を示すが、前記絶縁膜の単層膜または2層以上積層させた構造を用いても良い。なお、特に下地絶縁膜を形成しなくてもよい。
次いで、下地絶縁膜811上に半導体層を形成する。半導体層は、非晶質構造を有する半導体膜をスパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等により成膜する。次いで、結晶化処理を行って得られた結晶質半導体膜を得る。この結晶化処理は、本発明に係るレーザ結晶化法を用いて行う。もちろん、レーザ結晶化法だけでなく、他の結晶化処理(RTAやファーネスアニール炉等を利用した熱結晶化法、ニッケルなどの触媒を用いた熱結晶化法等)と組み合わせて行ってもよい。結晶質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(SiGe)合金などで形成すると良い。なお、レーザビームに用いるレーザ発振器としては、紫外光、可視光、又は赤外光を発振することが可能なレーザ発振器を用いることができる。代表的には、レーザビームとして波長400nm以下のエキシマレーザビームや、YAGレーザの第2高調波、第3高調波を用いる。例えば、繰り返し周波数10Hz〜1GHz程度のパルスレーザビームを用いる。
また、非晶質構造を有する半導体膜の結晶化処理または結晶化後のレーザビーム照射に連続発振のレーザを用いてもよい。非晶質半導体膜の結晶化に際し、大粒径に結晶を得るためには、連続発振が可能な固体レーザを用い、基本波の第2高調波〜第4高調波を適用するのが好ましい。代表的には、Nd:YVOレーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を適用すればよい。
次いで、オゾン水で半導体層の表面に約2nmの極薄い酸化膜を形成する。次いで、TFTのしきい値電圧を制御するために微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピングを行う。本実施例では、ジボラン(B)を質量分離しないでプラズマ励起したイオンドープ法を用いる。ドーピング条件は、例えば、加速電圧15kV、ジボランを水素で1%に希釈したガス流量30sccm、ドーズ量2×1012/cmで非晶質シリコン膜にボロンを添加する。
次いで、表面の極薄い酸化膜を除去する。その後、再度、オゾン水で薄い酸化膜を形成した後、第1のフォトマスクを用いてレジストからなるマスクを形成し、所望の形状にエッチング処理して島状に分離された半導体層を形成する。なお、この段階で半導体層の厚さは25〜80nm(好ましくは30〜70nm)の厚さとなるように設定する。
次いで、フッ酸を含むエッチャントで酸化膜を除去すると同時にシリコン膜の表面を洗浄する。その後、ゲート絶縁膜812となる珪素を主成分とする絶縁膜を形成する。ここでは、プラズマCVD法により115nmの厚さで酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)で形成する。
次いで、ゲート絶縁膜812上に膜厚が20〜100nmの第1の導電膜と、膜厚が100〜400nmの第2の導電膜とを積層形成する。本実施例では、ゲート絶縁膜上に膜厚が50nmの窒化タンタル膜、膜厚が370nmのタングステン膜を順次積層する。第1の導電膜及び第2の導電膜を形成する導電性材料としてはTa、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成する。
次いで、第2のフォトマスクを用いてレジストマスクを形成し、ドライエッチング法またはウェットエッチング法を用いてエッチングを行う。このエッチング工程によって、第1及び第2の導電膜をエッチングして、導電層814a、814b、815a、815bを得る。本実施例では、ICPエッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することによって所望のテーパー形状に膜を1回または複数回エッチングする。なお、エッチング用ガスとしては、Cl、BCl、SiCl、CClなどを代表とする塩素系ガスまたはCF、SF、NFなどを代表とするフッ素系ガス、またはOを適宜用いることができる。導電層814aのテーパー部の角度は15〜45°とし、導電層814bのテーパー部の角度は60〜89°とする。
なお、導電層814a、814bはTFTのゲート電極となり、導電層815a、815bは端子電極となる。
レジストマスクを除去した後、第3のフォトマスクを用いてレジストマスクを新たに形成する。ここでは図示しないnチャネル型TFTを形成するため、半導体にn型を付与する不純物元素(代表的にはリン、またはAs)を低濃度にドープするための第1のドーピング工程を行う。レジストマスクは、pチャネル型TFTとなる領域と、導電層の近傍とを覆う。この第1のドーピング工程によってゲート絶縁膜812を介してドーピングを行い低濃度不純物領域を形成する。一つの発光素子は、複数のTFTを用いて駆動させるが、pチャネル型TFTのみで駆動させる場合には、上記ドーピング工程は特に必要ない。
レジストマスクを除去した後、第4のフォトマスクを用いてレジストマスクを新たに形成し、半導体にp型を付与する不純物元素(代表的にはボロン)を高濃度にドープするための第2のドーピング工程を行う。この第2のドーピング工程によってゲート絶縁膜812を介してドーピングを行い、p型の高濃度不純物領域817、818を形成し、チャネル形成領域819を画定する。
次いで、第5のフォトマスクを用いてレジストマスクを新たに形成し、ここでは図示しないnチャネル型TFTを形成するため、半導体にn型を付与する不純物元素(代表的にはリン、またはAs)を高濃度にドープするための第3のドーピング工程を行う。第3のドーピング工程におけるイオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×1015/cmとし、加速電圧を60〜100keVとして行う。該レジストマスクは、pチャネル型TFTとなる領域と、導電層の近傍とを覆う。この第3のドーピング工程によってゲート絶縁膜812を介してドーピングを行い、n型の高濃度不純物領域を形成する。
レジストマスクを除去した後、水素を含む絶縁膜813を成膜する。その後、半導体層に添加された不純物元素の活性化および水素化を行う。水素を含む絶縁膜813には、PCVD法により得られる窒化酸化珪素膜(SiNO膜)を用いる。不純物元素の活性化および水素化は、加熱処理、または強光の照射、またはレーザビームの照射によって行う。この処理により、同時にゲート絶縁膜812へのプラズマダメージまたはゲート絶縁膜812と半導体層との界面へのプラズマダメージを回復することができる。特に、室温〜300℃の雰囲気中において、表面または裏面からYAGレーザの第2高調波を照射して不純物元素を活性化させることは非常に有効である。YAGレーザはメンテナンスが少ないため好ましい活性化手段である。レーザアニール法を用いる場合には、本発明に係るレーザ照射方法を採用するのが好ましい。なお、水素を含む絶縁膜813は、層間絶縁膜の1層目であり、酸化珪素を含んでいる。
次いで、層間絶縁膜の2層目となる高耐熱性平坦化膜816を形成する。高耐熱性平坦化膜816としては、塗布法によって得られるシリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される絶縁膜を用いる。本実施例では、スピン式の塗布装置を用い、シロキサン系ポリマーを溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテル(分子式:CHOCHCH(OH)CH))に溶解させた液状原料を用いた塗布材料液をノズルから滴下しながら、回転数0rpmから1000rpmまで徐々にスピンさせて塗布材料液を遠心力で万遍なく広げる。当該スピン式の塗布装置は、塗布カップ内に基板が水平に収納されており、塗布カップごと全体が回転する機構と、塗布カップ内の雰囲気は圧力制御することができる機構とを備えている。次いで、塗布装置に備えられたエッジリムーバーによって、エッジ除去処理を行う。次いで、110℃のベークを170秒行ってプリベークを行う。次いで、スピン式の塗布装置から基板を搬出して冷却した後、さらに270℃、1時間の焼成を行う。こうして膜厚0.8μmの高耐熱性平坦化膜816を形成する。
なお、シロキサンの構造により、例えば、シリカガラス、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化シルセスキオキサンポリマー、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマーなどに分類することができる。シロキサン系ポリマーの一例としては、東レ製塗布絶縁膜材料であるPSB−K1、PSB−K31や触媒化成製塗布絶縁膜材料であるZRS−5PHが挙げられる。
次いで、高耐熱性平坦化膜816の脱水のため250℃〜410℃、1時間の加熱を行う。なお、この加熱処理で半導体層に添加された不純物元素の活性化および水素化を兼ねてもよい。また、高耐熱性平坦化膜816上に3層目の層間絶縁膜として、PCVD法により得られる窒化酸化珪素膜(SiNO膜:膜厚100nm〜200nm)を形成してもよい。3層目の層間絶縁膜を形成した場合、後に形成される配線822または第1の電極823R、823Gをマスクとして選択的に除去することが好ましい。
第6のマスクを用いて高耐熱性平坦化膜816にコンタクトホールを形成すると同時に周縁部の高耐熱性平坦化膜816を除去する。ここでは、絶縁膜813と選択比が取れる条件でエッチング(ウェットエッチングまたはドライエッチング)を行う。用いるエッチング用ガスに限定はないが、ここではCF、O、He、Arのうち少なくとも一つを用いることが好ましい。
第6のマスクをそのままマスクとして用いてエッチングを行い、露呈しているゲート絶縁膜812、及び絶縁膜813を選択的に除去する。エッチング用ガスにCHFとArを用いてゲート絶縁膜812及び絶縁膜813のエッチング処理を行う。なお、半導体層上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。
第6のマスクを除去し、導電膜(Ti/Al/Ti、或いはMo/Al/Mo)を形成した後、第7のマスクを用いてエッチングを行い、配線822を形成する。
第8のマスクを用いて第1の電極823R、823G、即ち、有機発光素子の陽極(或いは陰極)を形成する。第1の電極823R、823Gの材料としては、Ti、TiN、TiSi、Ni、W、WSi、WN、WSi、NbN、Cr、Pt、Zn、Sn、In、またはMoから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料を主成分とする膜またはそれらの積層膜を総膜厚100nm〜800nmの範囲で用いればよい。
なお、基板810側を表示面として発光を取り出す場合には、第1の電極として、透明導電膜を用いる。透明導電膜としては、酸化インジウム−酸化スズ(以下ITOと示す)を用いることができるが、ITOに酸化珪素が2〜10重量%含まれたターゲットを用いてスパッタリング法で形成した、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(以下ITSOと示す)を用いても良い。ITSOは熱処理しても結晶化しないので平坦性がよく、洗浄や研磨を行って凸部をなくす処理が特に必要ないため第1の電極823R、823Gの材料として望ましい。ITSOの他、酸化珪素を含み酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合した透光性酸化物導電膜などの透明導電膜を用いても良い。また、Gaを含むZnO(GZOとも呼ばれる)の透明導電膜を用いても良い。
次いで、第9のマスクを用いて第1の電極823R、823Gの端部を覆う絶縁物829(バンク、隔壁、障壁、土手などと呼ばれる)を形成する。絶縁物829としては、塗布法により得られる有機樹脂膜、或いはSOG膜(例えば、アルキル基を含むSiOx膜)を膜厚0.8μm〜1μmの範囲で用いる。
次いで、有機化合物を含む層である正孔注入層824H、発光層824R、824G、電子輸送層824Eを、蒸着法または塗布法を用いて形成する。なお、信頼性を向上させるため、正孔注入層824Hの形成前に真空加熱を行って脱気を行うことが好ましい。例えば、有機化合物材料の蒸着を行う前に、基板に含まれるガスを除去するために減圧雰囲気や不活性雰囲気で200℃〜400℃の加熱処理を行うことが望ましい。本実施例では、層間絶縁膜を高耐熱性を有するSiOx膜で形成しているため、高い加熱処理に耐えうる。
また、スピンコートを用いた塗布法により有機化合物を含む層を形成する場合、塗布した後、真空加熱で焼成することが好ましい。例えば、正孔注入層824Hとして作用するポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)を全面に塗布した後、真空加熱で焼成する。
また、正孔注入層824Hは蒸着法によって形成してもよい。例えば、酸化モリブデン(MoOx:x=2〜3)等の酸化物とα−NPDやルブレンを共蒸着して形成し、ホール注入性を向上させることもできる。
次いで、有機化合物を含む層である発光層824R、824G、電子輸送層824Eの形成に蒸着法を用い、真空度が0.665Pa以下、好ましくは0.133×10−1〜10−3Paまで真空排気された成膜室で蒸着を行う。蒸着の際、予め、抵抗加熱により有機化合物は気化されており、蒸着時にシャッターが開くことにより基板810の方向へ飛散する。気化された有機化合物は、上方に飛散し、メタルマスクに設けられた開口部を通って基板810に蒸着される。
フルカラー化するために、発光色(R、G、B)ごとにマスクのアライメントを行う。なお、白色の発光を示す電界発光層を形成し、カラーフィルタ、又はカラーフィルタ及び色変換層などを別途設けることによってフルカラー表示を行うこともできる。
例えば、発光層824RとしてDCMが添加されたAlqを40nm成膜し、赤色発光領域835を形成する。また、発光層824GとしてDMQDが添加されたAlqを40nm成膜し、緑色発光領域836を形成する。また、ここでは図示していないが青色の発光層としてCBP(4,4’−ビス(N−カルバゾリル)−ビフェニル)が添加されたPPD(4,4’−ビス(N−(9−フェナントリル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル)を30nm、ブロッキング層としてSAlq(ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム)を10nm成膜し、青色発光領域を形成する。次いで、電子輸送層824EとしてAlqを40nm成膜する。
次いで、第2の電極825、即ち、有機発光素子の陰極(或いは陽極)を形成する。第2の電極825の材料としては、MgAg、MgIn、AlLi、CaF、窒化カルシウムなどの合金、または周期表の1族もしくは2族に属する元素とアルミニウムとを共蒸着法により形成した膜を用いればよい。第2の電極825に透光性を持たせる場合には、透明導電膜を形成すればよい。
また、第2の電極825を形成する前に陰極バッファ層としてCaF、MgF、またはBaFからなる透光性を有する層(膜厚1nm〜5nm)を形成してもよい。
また、第2の電極825を保護する保護層(窒化珪素または炭素を主成分とする薄膜)を形成してもよい。
次いで、封止基板833をシール材828で貼り合わせて発光素子を封止する。シール材828が高耐熱性平坦化膜816の端部(テーパー部)を覆うように貼りあわせる。なお、シール材828で囲まれた領域には透明な充填材827を充填する。充填材827としては、透光性を有している材料であれば特に限定されず、代表的には紫外線硬化または熱硬化のエポキシ樹脂を用いればよい。また、充填材827に乾燥剤を含ませてもよい。ここでは屈折率1.50、粘度500cps、ショアD硬度90、テンシル強度3000psi、Tg点150℃、体積抵抗1×1015Ω・cm、耐電圧450V/milである高耐熱のUVエポキシ樹脂(エレクトロライト社製:2500Clear)を用いる。また、充填材827を一対の基板間に充填することによって、全体の透過率を向上させることができる。
また、液滴吐出法により不活性気体雰囲気または減圧下で封止基板833上にシール材828をパターン形成した後、シールパターン内にインクジェット装置またはディスペンサ装置で充填材827を滴下し、気泡が入らないように減圧下で一対の基板を貼りあわせてもよい。貼りあわせると同時に紫外線照射や熱処理を行って、減圧下でシール材828を硬化させてもよい。なお、紫外線照射に加えて、熱処理を行ってもよい。
また、シール材828で囲まれた領域を乾燥した不活性気体で充填してもよい。気体で充填する場合、封止基板833の一部を削って凹部を形成し、その凹部に乾燥剤を配置することが好ましい。
最後にFPC(フレキシブルプリントサーキット)832を異方性導電膜831により端子電極として用いられる導電層815a、815bと貼りつける。導電層815a、815bは、ゲート配線と同時に形成される。(図10(A))なお、第1の電極823R、823Gを形成する際、導電層815a、815b上に透明導電膜を形成してもよい。
また、上面図を図10(B)に示す。図10(B)に示すように、高耐熱性平坦化膜の端部834がシール材828で覆われている。なお、図10(B)中の鎖線A−Bで切断した断面図が図10(A)に相当する。
こうして作製されたアクティブマトリクス型発光装置は、TFTの層間絶縁膜として高耐熱性平坦化膜816、代表的にはシリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される材料とし、さらに第1の電極823G、823Rにも酸化珪素を含ませている。アクティブマトリクス型発光装置の構成材料を比較的安定である酸化珪素を含む材料として、発光装置の信頼性を向上させている。
第1の電極823G、823Rを透光性を有する材料、第2の電極825を金属材料とすれば、基板810を通過させて光を取り出す構造、即ちボトムエミッション型となる。また、第1の電極823G、823Rを金属材料、第2の電極825を透光性を有する材料とすれば、封止基板833を通過させて光を取り出す構造、即ちトップエミッション型となる。また、第1の電極823G、823Rおよび第2の電極825を透光性を有する材料とすれば、基板810と封止基板833の両方を通過させて光を取り出す構造とすることができる。本発明は、適宜、いずれか一の構造とすればよい。
また、本発明の発光装置において、画面表示の駆動方法は特に限定されず、例えば、点順次駆動方法や線順次駆動方法や面順次駆動方法などを用いればよい。代表的には、線順次駆動方法とし、時分割階調駆動方法や面積階調駆動方法を適宜用いればよい。また、発光装置のソース線に入力する映像信号は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよく、適宜、映像信号に合わせて駆動回路などを設計すればよい。
さらに、ビデオ信号がデジタルの発光装置において、画素に入力されるビデオ信号が定電圧(CV)のものと、定電流(CC)のものとがある。ビデオ信号が定電圧のもの(CV)には、発光素子に印加される電圧が一定のもの(CVCV)と、発光素子に印加される電流が一定のもの(CVCC)とがある。また、ビデオ信号が定電流のもの(CC)には、発光素子に印加される電圧が一定のもの(CCCV)と、発光素子に印加される電流が一定のもの(CCCC)とがある。
また、本実施例に係る発光装置において、静電破壊防止のための保護回路(保護ダイオードなど)を設けてもよい。
また、本実施例に係る発光装置ではTFT構造に限定はなく、例えば、トップゲート型TFTや、ボトムゲート型(逆スタガ型)TFTや、順スタガ型TFTを用いることが可能である。また、シングルゲート構造のTFTに限定されず、複数のチャネル形成領域を有するマルチゲート型TFT、例えばダブルゲート型TFTとしてもよい。
また画素部のコントラストを高めるため、偏光板又は円偏光板を設けてもよい。例えば、表示面の一面又は両面に偏光板、若しくは円偏光板を設けることができる。
本発明に係るレーザ照射装置を用いたレーザアニール方法を採用することにより、輻射加熱あるいは伝導加熱を利用するアニール法と比較し、処理時間を大幅に短縮でき、また半導体基板を選択的に加熱して、基板に殆ど熱的損傷を与えないで処理を行うことができる。そして、照射面におけるレーザビームの形状が線状となるように光学系にて成形し、レーザビームの照射位置を照射面に対し相対的に移動させて照射することで、一度に広い面積の半導体をアニールすることができ、高い生産性を持つため工業的に優れている。また、本発明に係るレーザ照射装置を用いたレーザアニール方法を採用することにより、光学系内での光軸ずれを防止することができるため、安定的に均一強度の線状ビームを成形できる。そのため、基板に対して一様にアニールを行うことができる。
実施例2では、画素部837と端子部838のみを図示したが、本実施例では、画素部と駆動回路と端子部とを同一基板上に形成する例を図11に示す。
基板1610上に下地絶縁膜を形成した後、各半導体層を形成する。次いで、半導体層を覆うゲート絶縁膜を形成した後、各ゲート電極、端子電極を形成する。次いで、nチャネル型TFT1636を形成するため、半導体にn型を付与する不純物元素(代表的にはリン、またはAs)をドープする。また、pチャネル型TFT1637を形成するため、半導体にp型を付与する不純物元素(代表的にはボロン)をドープする。これによって、ソース領域およびドレイン領域、必要であればLDD領域を適宜形成する。
次いで、層間絶縁膜となる水素を含むSiNO膜及び高耐熱性平坦化膜1616を形成する。高耐熱性平坦化膜1616としては、塗布法によって得られるシリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される絶縁膜を用いる。
マスクを用いて水素を含むSiNO膜および高耐熱性平坦化膜1616にコンタクトホールを形成すると同時に周縁部1641の高耐熱性平坦化膜1616を除去する。1回のエッチングでテーパー形状としてもよいし、複数のエッチングによってテーパー形状にしてもよい。
次いで、高耐熱性平坦化膜1616をマスクとして用いてエッチングを行い、露呈している水素を含むSiNO膜またはゲート絶縁膜を選択的に除去する。
導電膜を形成した後、マスクを用いてエッチングを行い、ドレイン配線やソース配線を形成する。次いで、透明導電膜からなる第1の電極1623、即ち、有機発光素子の陽極(或いは陰極)を形成する。同時に端子電極の上にも透明導電膜を形成する。
以降の工程は、実施例2と同様に絶縁物1629、有機化合物を含む層1624、導電膜からなる第2の電極1625、透明保護層1626を形成し、封止基板1633をシール材1628で貼り合わせて発光素子を封止する。なお、シール材1628で囲まれた領域には透明な充填材1627を充填する。最後にFPC1632を異方性導電膜1631により端子電極と貼りつける。端子電極には、透明導電膜を用いることが好ましく、ゲート配線と同時に形成する。
以上の工程によって、画素部1638と駆動回路1639と端子部1640とを同一基板上に形成する。本実施例に示すように同一基板上にnチャネル型TFTとpチャネル型TFTとを作製することができるため、駆動回路や保護回路を作り込むことができ、駆動用のICチップの実装部品を少なくすることができる。
なお、本実施例に係る発光装置は、同一基板上にnチャネル型TFTとpチャネル型TFTを作製することに限定されない。例えば画素部および駆動回路は、nチャネル型TFTのみで構成してもよいし、pチャネル型TFTのみで構成して工程を短縮してもよい。
いずれにしても、本発明に係るレーザ照射装置を用いたレーザアニール方法を採用することにより、輻射加熱あるいは伝導加熱を利用するアニール法と比較し、処理時間を大幅に短縮でき、また半導体基板を選択的に加熱して、基板に殆ど熱的損傷を与えないで処理を行うことができる。そして、照射面におけるレーザビームの形状が線状となるように光学系にて成形し、レーザビームの照射位置を照射面に対し相対的に移動させて照射することで、一度に広い面積の半導体をアニールすることができ、高い生産性を持つため工業的に優れている。また、本発明に係るレーザ照射装置を用いたレーザアニール方法を採用することにより、光学系内での光軸ずれを防止することができるため、安定的に均一強度の線状ビームを成形できる。そのため、基板に対して一様にアニールを行うことができる。
本実施例では、アクティブマトリクス型の液晶表示装置(図12)の作製例を示す。
まず、実施例1に従って、基板1100上に半導体層および該半導体層を活性層とするTFT1105などを作製して画素部1126を形成する。画素部1126は、マトリクス状に配置された画素電極1101と、該画素電極1101と接続されているスイッチング素子、ここではトップゲート型TFT1105と、保持容量1127とで構成する。また、保持容量1127は、画素電極に1101接続した電極と、半導体層とで挟まれた絶縁膜を誘電体としている。本発明により、半導体層に対して一様にアニールすることができ、平坦な半導体層が得られるため、均一な膜厚の絶縁膜が得られ、保持容量1127のバラツキが低減されている。
なお、本実施例ではオフ電流低減のため、チャネル形成領域を複数有するダブルゲート型のTFTとした例を示している。
画素部1126を形成した後、配向膜1123の形成、ラビング処理、球状スペーサ散布、或いは柱状スペーサ形成、またはカラーフィルタの形成などを行う。
次いで、液滴吐出法により不活性気体雰囲気または減圧下で対向基板上にシール材1107をパターン形成する。ここでは、ディスペンサ装置またはインクジェット装置でシール材1107を所定の位置(画素部を囲む閉パターン)に形成する。半透明なシール材1107としてはフィラー(直径6μm〜24μm)を含み、且つ、粘度40〜400Pa・sのものを用いる。なお、後に接する液晶に溶解しないシール材料を選択することが好ましい。シール材としては、アクリル系光硬化樹脂やアクリル系熱硬化樹脂を用いればよい。また、簡単なシールパターンであるのでシール材1107は、印刷法で形成することもできる。次いで、シール材1107を仮硬化させておく。
シール材1107に囲まれた領域に液晶をインクジェット装置またはディスペンサ装置により滴下する。液晶としては、インクジェット装置またはディスペンサ装置によって吐出可能な粘度を有する液晶材料を用いればよい。また、液晶材料は温度を調節することによって粘度を設定することができるため、液滴吐出法に適している。液滴吐出法により無駄なく必要な量だけの液晶をシール材1107に囲まれた領域に保持することができる。
液晶を滴下した後、気泡が入らないように減圧下で一対の基板を貼りあわせる。ここでは、貼りあわせると同時に紫外線照射や熱処理を行って、減圧下でシール材1107を硬化させる。なお、紫外線照射に加えて、熱処理を行ってもよい。
パネルサイズの基板分断を行った後、FPCやICや光学フィルムなどを適宜貼り付け、液晶モジュールを作製する。得られた液晶モジュールにバックライトバルブ1104およびミラーを設け、カバー1106で覆えば、図12にその断面図の一部を示したようなアクティブマトリクス型液晶表示装置(透過型)が完成する。また、バックライトを表示領域の外側に配置して、導光板を用いてもよい。なお、カバーと液晶モジュールは接着剤や有機樹脂を用いて固定する。また、透過型であるので偏光板1103は、アクティブマトリクス基板と対向基板の両方に貼り付ける。また、他の光学フィルム(反射防止フィルムや偏光性フィルムなど)や、保護フィルム(図示しない)を設けてもよい。
なお、図12中、1100は基板、1101は画素電極、1102は柱状のスペーサ、1107はシール材、1120はカラーフィルタとして機能する着色層、1125は平坦化膜、1121は対向電極、1122及び1123は配向膜、1124は液晶層、1119は保護膜である。
また、本実施例に係る液晶表示装置は、同一基板上にnチャネル型TFTとpチャネル型TFTを作製することに限定されず、画素部1126および駆動回路は、nチャネル型TFTのみで構成してもよいし、pチャネル型TFTのみで構成して工程を短縮してもよい。
本発明に係るレーザ照射装置を用いたレーザアニール方法を採用することにより、輻射加熱あるいは伝導加熱を利用するアニール法と比較し、処理時間を大幅に短縮でき、また半導体基板を選択的に加熱して、基板に殆ど熱的損傷を与えないで処理を行うことができる。そして、照射面におけるレーザビームの形状が線状となるように光学系にて成形し、レーザビームの照射位置を照射面に対し相対的に移動させて照射することで、一度に広い面積の半導体をアニールすることができ、高い生産性を持つため工業的に優れている。また、本発明に係るレーザ照射装置を用いたレーザアニール方法を採用することにより、光学系内での光軸ずれを防止することができるため、安定的に均一強度の線状ビームを成形できる。そのため、基板に対して一様にアニールを行うことができる。これによって本発明に係るレーザ照射装置を用いたレーザアニール方法を採用した液晶表示装置は動作特性および信頼性の向上を実現できるという効果を奏することができる。
以下に本発明を用いた電界効果トランジスタ(以下、FETという)の作製手順を簡略に図13(A)及び図13(B)を用いて示す。
まず、単結晶シリコン基板501を用意する。そして、単結晶シリコン基板501の主面(素子形成面または回路形成面)の第1の素子形成領域にn型ウェル502を、第2の素子形成領域にp型ウェル503をそれぞれ選択的に形成する。
第1の素子形成領域と第2の素子形成領域とを区画するための素子分離領域となるフィールド酸化膜506を形成する。フィールド酸化膜506は厚い熱酸化膜であり、LOCOS法を用いて形成すればよい。なお、素子分離法は、LOCOS法に限定されず、例えば素子分離領域はトレンチ分離法を用いてトレンチ構造を有していてもよいし、LOCOS構造とトレンチ構造の組み合わせであってもよい。
シリコン基板501の表面を、例えば熱酸化させることによってゲート絶縁膜を形成する。ゲート絶縁膜は、CVD法を用いて形成してもよく、酸化窒化珪素膜や酸化珪素膜や窒化珪素膜やそれらの積層膜を用いることができる。例えば、熱酸化により得られる膜厚5nmの酸化珪素膜とCVD法で得られる膜厚10nm〜15nmの酸化窒化珪素膜の積層膜を形成する。
ポリシリコン層511a、517aとシリサイド層511b、517bとの積層膜を全面に形成し、リソグラフィ技術およびドライエッチング技術に基づき積層膜を所定のパターンにすることによってゲート絶縁膜上にポリサイド構造を有するゲート電極511、517を形成する。ポリシリコン層511a、517aは低抵抗化するために予め、1021/cm程度の濃度でリン(P)をドープしておいても良いし、ポリシリコン膜を形成した後で濃いn型を付与する不純物を拡散させても良い。また、シリサイド層511b、517bを形成する材料はモリブデンシリサイド(MoSix)、タングステンシリサイド(WSix)、タンタルシリサイド(TaSix)、チタンシリサイド(TiSix)などを適用することが可能である。
次に、ゲート絶縁膜を介してシリコン基板501にn型を付与する不純物またはp型を付与する不純物を浅く低濃度でイオン注入して、p領域507、n領域513をそれぞれ形成する。このp領域507、n領域513を形成することによって、ゲート電極端部で不純物の濃度勾配ができ、FETの信頼性が向上する。
本実施例は、CMOS回路を製造する場合であるので、pチャネル型FETを形成すべき第1の素子形成領域をレジスト材料で被覆し、n型を付与する不純物であるヒ素(As)やリン(P)をシリコン基板に注入する。また、nチャネル型FETを形成すべき第2の素子形成領域をレジスト材料で被覆し、p型を付与する不純物であるボロン(B)をシリコン基板に注入する。
次いで、イオン注入された不純物の活性化および、イオン注入によって発生したシリコン基板における結晶欠陥を回復するために、第1回目の活性化処理を行う。本実施例においては、発明の実施の形態に示したレーザアニール方法を用いて活性化を行う。このとき、Siの融点程度の温度まで半導体基板を瞬間的に加熱し、表面の薄い層を局所的に加熱して活性化する。本プロセスにより、注入されている不純物を十分に活性化することができる。また、本プロセスによる不純物の移動距離は1nm程度以下と短く、これによって不純物の拡散を極力抑えることができる。
次いで、ゲート電極の側壁にサイドウォール512、518を形成する。例えば酸化珪素からなる絶縁材料層を全面にCVD法にて体積させ、かかる絶縁材料層をエッチバックすることによってサイドウォール512、518を形成すればよい。エッチバックの際に自己整合的にゲート絶縁膜を選択的に除去してもよい。また、エッチバック後にゲート絶縁膜のエッチングを行ってもよい。こうして、ゲート電極511、517の幅と、そのゲート電極511、517の側壁の両側に設けられたサイドウォールの幅とを合計した幅を有するゲート絶縁膜510、516が形成される。
次いで、ソース領域およびドレイン領域を形成するために、露出したシリコン基板501にイオン注入を行う。本実施例は、CMOS回路を製造する場合であるので、pチャネル型FETを形成すべき第1の素子形成領域をレジスト材料で被覆し、n型を付与する不純物であるヒ素(As)やリン(P)をシリコン基板に注入してソース領域514及びドレイン領域515を形成する。また、nチャネル型FETを形成すべき第2の素子形成領域をレジスト材料で被覆し、p型を付与する不純物であるボロン(B)をシリコン基板501に注入してソース領域508及びドレイン領域509を形成する。
次いで、イオン注入された不純物の活性化および、イオン注入によって発生したシリコン基板501における結晶欠陥を回復するために、第2回目の活性化処理を行う。第2回目の活性化処理も、発明の実施の形態に示したレーザアニール方法を用いて活性化を行う。この段階での断面図が図13(A)に相当する。
そして、活性化後に層間絶縁膜やプラグ電極やメタル配線等を形成する。第1の層間絶縁膜531は、プラズマCVD法や減圧CVD法を用いて酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などで100〜2000nmの厚さに形成する。さらにその上にリンガラス(PSG)、あるいはボロンガラス(BSG)、もしくはリンボロンガラス(PBSG)の第2の層間絶縁膜532を形成する。第2の層間絶縁膜532は、平坦性を上げるため、スピンコート法や常圧CVD法で形成する。
ソース電極533、535、及びドレイン電極534、536は、第1の層間絶縁膜531および第2の層間絶縁膜532にそれぞれのFETのソース領域及びドレイン領域に達するコンタクトホールを形成した後に形成するもので、低抵抗材料として通常良く用いられるアルミニウム(Al)を用いると良い。また、Alとチタン(Ti)の積層構造としても良い。
また、ここでは図示していないが、第1の層間絶縁膜531および第2の層間絶縁膜532にゲート電極に達するコンタクトホールを設けて、第1の層間絶縁膜531上に設けられている配線と電気的に接続する電極を形成する。
最後に、パッシベーション膜541と第3の層間絶縁膜542を形成し、図13(B)の状態を得る。図13(B)において向かって左側がpチャネル型TFT601であり、右側がnチャネル型TFT602である。
パッシベーション膜541として、プラズマCVD法によって窒化シリコン膜、または酸化シリコン膜、あるいは窒化酸化シリコン膜が形成されている。さらに、第3の層間絶縁膜542は有機樹脂材料で1μm〜2μmの厚さに形成する。有機樹脂材料として、ポリイミド、ポリアミド、アクリル、ベンゾシクロブテン(BCB)などを用いることができる。有機樹脂膜を用いることの利点は、膜の形成方法が簡単である点、または比誘電率が低いので寄生容量を低減できる点、または平坦化するのに適している点などがある。勿論、上述した以外の有機樹脂膜を用いても良い。
本発明に係るレーザ照射装置を用いたレーザアニール方法を採用することにより、輻射加熱あるいは伝導加熱を利用するアニール法と比較し、処理時間を大幅に短縮でき、また半導体基板を選択的に加熱して、基板に殆ど熱的損傷を与えないで処理を行うことができる。そして、照射面におけるレーザビームの形状が線状となるように光学系にて成形し、レーザビームの照射位置を照射面に対し相対的に移動させて照射することで、一度に広い面積の半導体をアニールすることができ、高い生産性を持つため工業的に優れている。また、本発明に係るレーザ照射装置を用いたレーザアニール方法を採用することにより、光学系内での光軸ずれを防止することができるため、安定的に均一強度の線状ビームを成形できる。そのため、基板に対して一様にアニールを行うことができる。
本発明に係るレーザアニール法を用いて作製したTFTで形成した集積回路を搭載し、様々な電子機器を完成させることができる。また、本発明に係るレーザアニール法を用いて作製したTFTをスイッチング素子とし、該スイッチング素子に接続する画素電極を設けることによってアクティブマトリクス基板として電子機器の表示部を構成し、様々な電子機器を完成させることができる。
上述のような電子機器としては、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクター、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD))等が挙げられる。
本実施例に係る電子機器の1つである携帯電話を例に挙げ、図14に示す。本実施例は、実施例2〜4で説明したEL素子を有する発光装置またはアクティブマトリクス型の液晶表示装置で携帯電話機900を完成させる一例について例示する。
図14に示す携帯電話機は、操作スイッチ904、マイクロフォン905などが備えられた本体(A)901と、表示パネル(A)908、表示パネル(B)909、スピーカ906などが備えられた本体(B)902とが、蝶番910で開閉可能に連結されている。表示パネル(A)908と表示パネル(B)909は、回路基板907と共に本体(B)902の筐体903の中に収納される。表示パネル(A)908及び表示パネル(B)909の画素部は筐体903に形成された開口窓から視認できように配置される。
表示パネル(A)908と表示パネル(B)909は、その携帯電話機900の機能に応じて画素数などの仕様を適宜設定することができる。例えば、表示パネル(A)908を主画面とし、表示パネル(B)909を副画面として組み合わせることができる。
表示パネル(A)908および表示パネル(B)909は、本発明に係るレーザ照射装置を用いたレーザアニール方法を採用することにより、輻射加熱あるいは伝導加熱を利用するアニール法と比較し、処理時間を大幅に短縮できる。また半導体基板を選択的に加熱して、基板に殆ど熱的損傷を与えないで処理を行うことができる。そして、照射面におけるレーザビームの形状が線状となるように光学系にて成形し、レーザビームの照射位置を照射面に対し相対的に移動させて照射することで、一度に広い面積の半導体をアニールすることができ、高い生産性を持つため工業的に優れている。また、本発明に係るレーザ照射装置を用いたレーザアニール方法を採用することにより、光学系内での光軸ずれを防止することができるため、安定的に均一強度の線状ビームを成形できる。そのため、基板に対して一様にアニールを行うことができる。それにより、この表示パネル(A)908および表示パネル(B)909を備える電子機器は動作特性および信頼性の向上を実現できるという効果を奏することができる。
上述のような表示パネルを用いることにより、表示パネル(A)908を顔文字や画像を表示する高精細のカラー表示画面とし、表示パネル(B)909を文字情報を表示する単色の情報表示画面とすることができる。特に表示パネル(B)909をアクティブマトリクス型として、高精細化をすることにより、さまざまな文字情報を表示して、一画面当たりの情報表示密度を向上させることができる。例えば、表示パネル(A)908を、2〜2.5インチで64階調、26万色のQVGA(320ドット×240ドット)とし、表示パネル(B)909を、単色で2〜8階調、180〜220ppiの高精細パネルとして、ローマ字、ひらがな、カタカナをはじめ、漢字やアラビア文字などを表示することができる。
本実施例に係る携帯電話機は、その機能や用途に応じてさまざまな態様に変容し得る。例えば、蝶番910の部位に撮像素子を組み込んで、カメラ付きの携帯電話機としても良い。また、操作スイッチ904、表示パネル(A)908、表示パネル(B)909を一つの筐体内に納めた構成としても、上記した作用効果を奏することができる。また、表示部を複数個そなえた情報表示端末に本実施例の構成を適用しても、同様な効果を得ることができる。
本発明に係るレーザアニール法を用いて作製したTFTを用いて様々な電子機器を完成させることができる。その具体例を図15〜17を用いて説明する。
図15は表示パネル1711と、回路基板1721を組み合わせ、接続配線1731により接続した液晶モジュールあるいはELモジュールを示している。回路基板1721には、例えば、コントロール回路1722や信号分割回路1723などが形成されている。
この表示パネル1711は、画素部1712と、走査線駆動回路1713、選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路1714を備えており、この構成は実施例2、3または4と同様である。
この液晶モジュールあるいはELモジュールによりテレビ受像機を完成させることができる。図16は、テレビ受像機の主要な構成を示すブロック図である。チューナ1811は映像信号と音声信号を受信する。映像信号は、映像信号増幅回路1812と、そこから出力される信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路1813と、その映像信号をドライバICの入力仕様に変換するためのコントロール回路1814により処理される。コントロール回路1814は、走査線側と信号線側にそれぞれ信号が出力する。デジタル駆動する場合には、信号線側に信号分割回路1815を設け、入力デジタル信号をm個に分割して供給する構成としても良い。表示パネル1711は図15と同様であり、画素部1712と、走査線駆動回路1713、選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路1714を備えている。
チューナ1811で受信した信号のうち、音声信号は音声信号増幅回路1821に送られる。音声信号の出力は音声信号処理回路1822を経てスピーカ1823に供給される。制御回路1831は受信局(受信周波数)や音量の制御情報を入力部1832から受け、チューナ1811や音声信号処理回路1822に信号を送出する。
図17に示すように、液晶モジュールあるいはELモジュールを筐体1911に組みこんで、テレビ受像機を完成させることができる。液晶モジュールあるいはELモジュールにより、表示画面1912が形成される。また、スピーカ1823、操作スイッチ1914などが適宜備えられている。
このテレビ受像機は、表示パネル1711を含んで構成される。この表示パネル1711は、本発明に係るレーザ照射装置を用いたレーザアニール方法を採用することにより、輻射加熱あるいは伝導加熱を利用するアニール法と比較し、処理時間を大幅に短縮できる。また半導体基板を選択的に加熱して、基板に殆ど熱的損傷を与えないで処理を行うことができる。そして、照射面におけるレーザビームの形状が線状となるように光学系にて成形し、レーザビームの照射位置を照射面に対し相対的に移動させて照射することで、一度に広い面積の半導体をアニールすることができ、高い生産性を持つため工業的に優れている。また、本発明に係るレーザ照射装置を用いたレーザアニール方法を採用することにより、光学系内での光軸ずれを防止することができるため、安定的に均一強度の線状ビームを成形できる。そのため、基板に対して一様にアニールを行うことができる。それにより、この表示パネル1711を備えたテレビ受像機は動作特性および信頼性の向上を実現できるという効果を奏することができる。
勿論、本発明はテレビ受像機に限定されず、コンピュータのモニタをはじめ、鉄道の駅や空港などにおける情報表示盤や、街頭における広告表示盤など特に大面積の表示媒体として様々な用途に適用することができる。
本発明が開示するレーザ照射装置の態様を示す図。 原ビームのエネルギー分布および均一化の方法を説明する図。 レーザ照射装置の例を示す図。 本発明が開示するレーザ照射装置の光学系を示す図。 線状ビームのエネルギー分布の例を示す図。 線状ビームの均一性変動の例を示す図。 本発明が開示するレーザ照射装置の光学系を示す図。 本発明が開示するレーザ照射装置の光学系を示す図。 TFTの作製工程の断面図。 アクティブマトリクス型EL表示装置の構成を示す図。 EL表示装置の断面図。 アクティブマトリクス型液晶表示装置の断面図。 FETの作製工程の断面図。 電子機器の一例を示す図。 電子機器の一例を示す図。 電子機器の一例を示す図。 電子機器の一例を示す図。
符号の説明
10 基板
11 下地絶縁膜
14 半導体膜
17 半導体層
18 ゲート絶縁膜
19 ゲート電極
20 ソース領域
21 ドレイン領域
22 チャネル形成領域
23 層間絶縁膜
24 ソース電極
25 ドレイン電極
31 層間絶縁膜
101 レーザ発振器の射出口
102 偏向ミラー
103 転送レンズ
104 シリンドリカルレンズアレイ
105 光路
106 光路
107 光路
110 レーザ発振器の射出口
111 転送レンズ
112 偏向ミラー
113 転送レンズ
114 シリンドリカルレンズアレイ

Claims (18)

  1. レーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から射出されるレーザビームを転送する転送レンズと、
    前記転送レンズを通過したレーザビームを複数に分割するシリンドリカルレンズアレイと、
    を有することを特徴とするレーザ照射装置。
  2. レーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から射出されるレーザビームを転送する転送レンズと、
    前記転送レンズを通過したレーザビームを複数に分割するシリンドリカルレンズアレイと、
    前記シリンドリカルレンズアレイで形成されたレーザビームを重ね合わせる集光レンズと
    を有することを特徴とするレーザ照射装置。
  3. レーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から射出されるレーザビームを偏向する偏向ミラーと、
    前記偏向ミラーで偏向されたレーザビームを転送する転送レンズと、
    前記転送レンズを通過したレーザビームを複数に分割するシリンドリカルレンズアレイと、
    前記シリンドリカルレンズアレイで形成されたレーザビームを重ね合わせる集光レンズと、
    前記集光レンズを通過したレーザビームを投影させる照射面を設置するステージと
    を有することを特徴とするレーザ照射装置。
  4. 請求項3において、
    前記レーザ発振器の射出口と、前記偏向ミラーと、前記転送レンズと、前記シリンドリカルレンズアレイは、
    前記レーザ発振器の射出口から前記偏向ミラーまでの距離をa、前記偏向ミラーから前記転送レンズまでの距離をb、前記転送レンズから前記シリンドリカルレンズアレイの入射面までの距離をc、前記転送レンズの焦点距離をfとした場合、これらが次式、
    Figure 2007150272
    を満たす関係にあることを特徴とするレーザ照射装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項において、
    前記転送レンズは、前記レーザ発振器の射出口と、前記シリンドリカルレンズアレイの入射面の位置を互いに共役の関係にするように配置されていることを特徴とするレーザ照射装置。
  6. レーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から射出されるレーザビームを転送する第1の転送レンズと、
    前記第1の転送レンズを通過したレーザビームを偏向する偏向ミラーと、
    前記偏向ミラーで偏向したレーザビームを転送する第2の転送レンズと、
    前記第2の転送レンズを通過したレーザビームを複数に分割するシリンドリカルレンズアレイと、
    前記シリンドリカルレンズアレイで形成されたレーザビームを重ね合わせる集光レンズと、
    前記集光レンズを通過したレーザビームを投影させる照射面を設置するステージと
    を有することを特徴とするレーザ照射装置。
  7. 請求項6において、
    前記レーザ発振器の射出口と、前記偏向ミラーと、前記第1の転送レンズと、前記第2の転送レンズと、前記シリンドリカルレンズアレイは、
    前記レーザ発振器の射出口から前記第1の転送レンズまでの距離をa、前記第1の転送レンズから前記偏向ミラーまでの距離をb、前記第1の転送レンズの焦点距離をfとした場合、これらが次式、
    Figure 2007150272
    を満たす関係にあり、
    前記偏向ミラーから前記第2の転送レンズまでの距離をc、前記第2の転送レンズから前記シリンドリカルレンズアレイまでの距離をd、前記第2の転送レンズの焦点距離をfとするとした場合、これらが次式、
    Figure 2007150272
    を満たす関係にあることを特徴とするレーザ照射装置。
  8. 請求項6又は7において、
    前記レーザ発振器の射出口と前記偏向ミラーとは、互いに共役となる位置に配置され、
    前記偏向ミラーと前記シリンドリカルレンズアレイとは、互いに共役となる位置に配置されていることを特徴とするレーザ照射装置。
  9. ガウスビームを射出するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から射出されるガウスビームを偏向する偏向ミラーと、
    前記偏向ミラーで偏向されたガウスビームを転送する転送レンズと、
    前記転送レンズを通過したガウスビームを複数に分割するシリンドリカルレンズアレイと、
    前記シリンドリカルレンズアレイで形成されたガウスビームを重ね合わせる集光レンズと、
    前記集光レンズを通過したガウスビームを投影させる照射面を設置するステージと
    を有することを特徴とするレーザ照射装置。
  10. 請求項9において、
    前記ガウスビームのビームウエストと、前記偏向ミラーと、前記転送レンズと、前記シリンドリカルレンズは、
    前記ガウスビームのビームウエストから前記偏向ミラーまでの距離をa、前記偏向ミラーから前記転送レンズまでの距離をb、前記転送レンズから前記シリンドリカルレンズアレイの入射面までの距離をc、前記転送レンズの焦点距離をfとした場合、これらが次式、
    Figure 2007150272
    を満たす関係にあることを特徴とするレーザ照射装置。
  11. 請求項9又は10において、
    前記転送レンズは、前記ガウスビームのビームウエストと、前記シリンドリカルレンズアレイの入射面の位置を互いに共役の関係にするように配置されていることを特徴とするレーザ照射装置。
  12. ガウスビームを射出するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から射出されるガウスビームを転送する第1の転送レンズと、
    前記第1の転送レンズを通過したガウスビームを偏向する偏向ミラーと、
    前記偏向ミラーで偏向したガウスビームを転送する第2の転送レンズと、
    前記第2の転送レンズを通過したガウスビームを複数に分割するシリンドリカルレンズアレイと、
    前記シリンドリカルレンズアレイで形成されたガウスビームを重ね合わせる集光レンズと、
    前記集光レンズを通過したガウスビームを投影させる照射面を設置するステージと
    を有することを特徴とするレーザ照射装置。
  13. 請求項12において、
    前記ガウスビームのビームウエストと、前記偏向ミラーと、前記第1の転送レンズと、前記第2の転送レンズと、前記シリンドリカルレンズは、
    前記ガウスビームのビームウエストから前記第1の転送レンズまでの距離をa、前記第1の転送レンズから前記偏向ミラーまでの距離をb、前記第1の転送レンズの焦点距離をfとした場合、これらが次式、
    Figure 2007150272
    を満たす関係にあり、
    前記偏向ミラーから前記第2の転送レンズまでの距離をc、前記第2の転送レンズから前記シリンドリカルレンズアレイまでの距離をd、前記第2の転送レンズの焦点距離をfとするとした場合、これらが次式、
    Figure 2007150272
    を満たす関係にあることを特徴とするレーザ照射装置。
  14. 請求項12又は13において、
    前記ガウスビームのビームウエストと前記偏向ミラーとは、互いに共役となる位置に配置され、
    前記偏向ミラーと前記シリンドリカルレンズアレイとは、互いに共役となる位置に配置されていることを特徴とするレーザ照射装置。
  15. レーザ発振器から射出したレーザビームを転送レンズによりシリンドリカルレンズアレイ上に投影し、
    前記シリンドリカルレンズアレイで該レーザビームを複数に分割し、
    集光レンズにより、前記シリンドリカルレンズアレイで形成されたレーザビームを重ね合わせて照射することを特徴とするレーザ照射方法。
  16. レーザ発振器から射出したレーザビームをシリンドリカルレンズアレイで複数に分割するときに、前記レーザ発振器の射出口と前記シリンドリカルレンズアレイの入射面の位置を互いに共役の関係にするように配置された転送レンズを用い、該転送レンズにより前記シリンドリカルレンズアレイ上にレーザビーム投影し、
    集光レンズにより、前記シリンドリカルレンズアレイで形成されたレーザビームを重ね合わせて照射することを特徴とするレーザ照射方法。
  17. レーザ発振器から射出したレーザビームを転送レンズによりシリンドリカルレンズアレイ上に投影し、
    前記シリンドリカルレンズアレイで該レーザビームを複数に分割し、
    集光レンズにより、前記シリンドリカルレンズアレイで形成されたレーザビームを重ね合わせて半導体膜に照射して結晶化を行う工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  18. レーザ発振器から射出したレーザビームをシリンドリカルレンズアレイで複数に分割するときに、前記レーザ発振器の射出口と前記シリンドリカルレンズアレイの入射面の位置を互いに共役の関係にするように配置された転送レンズを用い、該転送レンズにより前記シリンドリカルレンズアレイ上にレーザビーム投影し、
    集光レンズにより、前記シリンドリカルレンズアレイで形成されたレーザビームを重ね合わせて半導体膜に照射して結晶化を行う工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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