JP2004119900A - 半導体薄膜の結晶化方法およびレーザ照射装置 - Google Patents

半導体薄膜の結晶化方法およびレーザ照射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スーパーラテラル成長による半導体薄膜の結晶化工程において、結晶化に要する時間を短くする。
【解決手段】半導体薄膜にマスク3を介して、レーザ光を所定方向に走査しつつ照射して半導体薄膜を溶融再結晶化させる方法において、等間隔pで並ぶk個のスリットが設けられたマスクを用いて、1回のレーザ照射毎にスリットが並ぶ方向にd+Δd(d=r×p、rは1≦r<kである整数、dは1回のレーザ照射によって結晶成長する長さ以下の距離)だけレーザ光の照射位置を移動させながらレーザ光を照射する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光を照射して半導体薄膜を結晶化させる半導体薄膜の結晶化方法および半導体薄膜の結晶化に用いられるレーザ照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、非晶質シリコン薄膜に対してレーザ光を照射することによって600℃以下の低温で非晶質シリコン薄膜を結晶化させる技術を用いて、ガラス基板に多結晶シリコンからなる薄膜トランジスタ(P−SiTFT)を形成した表示装置が、低価格で供給されるようになっている。
【0003】
このP−Si TFTは、キャリア(電子)の移動度が高いため、非晶質シリコンからなる薄膜トランジスタ(a−SiTFT)と比べて、多くの利点を有している。例えば、表示装置の画素部分にスイッチング素子としてP−Si TFTを設けた場合、画素周辺部分に駆動回路、一部の周辺回路等をP−SiTFTによって構成することができるため、駆動回路、周辺回路等を画素部と同じ一枚の基板上に作製することができる。このため、ドライバIC、駆動回路用基板等を別途作製して表示装置に実装する必要がなくなり、表示装置を低価格で供給することが可能となる。さらに、P−SiTFTによれば、トランジスタの寸法を微細化することができるので、画素部分に設けられるスイッチング素子が小さくなり、表示装置を高開口率化することができる。このため、高輝度、かつ、高精細な表示装置を供給することが可能となる。
【0004】
以下に、レーザ光を用いた一般的な従来の半導体薄膜の結晶化方法について説明する。
【0005】
図7は、従来の半導体薄膜の結晶化方法を説明するための平面図である。
【0006】
この従来の半導体薄膜の結晶化方法では、予め非晶質シリコン薄膜を成膜したガラス基板125を400℃程度に加熱し、長さ200mm〜400mm、幅0.2mm〜1.0mm程度の線状のレーザ光126を、ガラス基板125に対して一定速度で矢印方向に走査しながら、ガラス基板125上に照射する。この方法によって、粒径0.2μm〜0.5μm程度の結晶粒が形成される。このとき、レーザ光126が照射された部分の非晶質シリコン薄膜は、厚さ方向全域にわたって溶融するのではなく、一部の非晶質領域がガラス基板125の表面側に残るため、レーザ照射部分全面にわたって、いたるところに結晶核が発生して、その結晶核からシリコン薄膜の最表層に向かって結晶が成長し、ランダムな方位の結晶粒が形成される。
【0007】
さらに高性能な表示装置を得るためには、多結晶シリコンの結晶粒径を大きくするか、または結晶方位を制御することが必要であり、単結晶シリコンに近い性能を得るために、多くの研究開発がなされている。
【0008】
スリット状のレーザパルスをシリコン薄膜に照射し、シリコン薄膜をレーザ照射領域の厚さ方向全域にわたって溶融・凝固させて結晶化する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
以下に、特許文献1に記載されている従来の半導体薄膜の結晶化方法について説明する。
【0010】
図8は、一回のレーザパルス照射で形成される針状結晶組織を説明するための模式図である。
【0011】
例えば、幅2μm〜3μmのスリット状のレーザパルスを照射することによって、レーザ照射領域121が溶融し、未溶融領域と溶融領域との境界120aから溶融領域に向かって横方向(ガラス基板に水平な方向)122に結晶が成長する。そして、溶融領域の中央部で両側から成長した結晶同士が衝突し、成長が終了する。これによって、結晶方位が揃った結晶領域123が形成される。このように、ガラス基板に水平な方向122への結晶成長をスーパラテラル成長と称し、ガラス基板に水平な方向122をスーパーラテラル成長方向と称する。
【0012】
図9(a)〜図9(c)は、それぞれ、複数回のレーザパルス照射によるスーパーラテラル成長の様子を説明するための模式図である。
【0013】
まず、図9(a)に示すように、1回目のレーザパルス照射(121aで示す領域)で形成された針状結晶123aの一部に重複するように2回目のレーザパルス照射(121bで示す領域)を行う。これによって、図9(b)に示すように、1回目のレーザパルス照射で形成された針状結晶123aを引き継いで、2回目のレーザパルス照射によってさらに長い針状結晶123bが形成される。次に、図9(b)に示すように、2回目のレーザパルス照射(121bで示す領域)で形成された針状結晶123bの一部に重複するように3回目のレーザパルス照射(121cで示す領域)を行う。4回目のパルス照射も同様に、3回目のレーザパルス照射で形成された針状結晶の一部に重複するように行うことによって、図9(c)に示すように、3回目のレーザパルス照射で形成された針状結晶を引き継いで、4回目のレーザパルス照射によってさらに長い針状結晶123dが形成される。同様に、図9(c)に示すように、n−1回目のレーザパルス照射(121dで示す領域)で形成された針状結晶123dの一部に重複するようにn回目のレーザパルス照射(121eで示す領域)を行う。以降、同様にレーザパルスの照射位置を移動させながら、シリコン薄膜へのレーザ光照射を行う。
【0014】
図8に示すように、スーパーラテラル成長は、レーザパルスを1回照射することによって完了するが、図9(a)〜図9(c)に示すように、1回前のレーザパルス照射で形成された針状結晶の一部に重複するようにレーザパルス照射位置を移動させながら順次レーザパルスを照射することによって、既に成長した結晶を引き継いで、さらに長い針状結晶が成長し、結晶成長方向に結晶方位が揃った長結晶が得られる。
【0015】
【特許文献1】
特表2000−505241号公報
【特許文献2】
特開2000−306859号公報
【0016】
【非特許文献1】
応用物理学会結晶工学分科会第112回研究会テキストp.19〜p.25
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載されている半導体薄膜の結晶化方法(スーパーラテラル成長)において、1回のパルス照射で成長する結晶の長さは、成長条件によって異なり、例えば、基板温度300℃において、波長308nmのエキシマレーザを照射した場合には、最長1μm〜1.2μm程度の長さとなることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0018】
従って、長結晶を得るためには、1回のレーザ照射で成長する結晶の長さの1/2〜1/3程度の間隔、すなわち、0.3μm〜0.6μm程度の極めて微小な間隔でパルス照射を繰り返し行うことになる。このため、基板面積全体にわたって成膜されたシリコン薄膜を結晶化するためには、極めて長い時間が必要であった。
【0019】
結晶化に要する時間を短縮するための方法として、スリット状の光透過部を設けたマスクを用いて、基板面にマスク像を結像させる方法が記載されている(例えば、特許文献2参照)。
【0020】
図10は、特許文献2に記載されている半導体薄膜の結晶化方法を説明するための平面図である。
【0021】
この半導体薄膜の結晶化方法では、予め非晶質シリコン薄膜を成膜したガラス基板155に対して、スリット状の光透過部を設けたマスクを介してレーザパルスを照射し、1回前のレーザパルス照射で形成された結晶の一部に重複するようにレーザパルス照射位置を移動させながら、順次レーザパルスを照射することによって照射領域144を結晶化させる。このときのレーザパルス照射位置は、隣接するスリットによる照射位置と重ならないように、各スリットの間隔内で移動される。そして、1つの照射領域144(幅b)が結晶化されると、次の領域(矢印144a方向)に照射位置を移動させて結晶化を行い、1段目の各領域(幅a)が結晶化されると、次の段(矢印144b方向)に照射位置を移動させて結晶化を行う。
【0022】
この特許文献2に記載の半導体薄膜の結晶化方法では、1回のレーザ照射によって成長される結晶の長さは、スリット状光透過部の間隔と結像光学系の倍率とによって決定される、スリット状光透過部の像の間隔となる。このため、[tasaki1] 多結晶シリコンは複数の結晶化領域に分割される。この結晶化領域とは、結晶長のほぼ等しい結晶が結晶長の方向と垂直な方向に並んでいる領域であり、スリット状光透過部の像の間隔によって寸法が決定される。従って、形成される多結晶シリコンは、結晶化領域間の移動度はあまり高くないが、一つの結晶化領域内の移動度は高くなる。その結果、ひとつの結晶化領域の寸法を、少なくともひとつのトランジスタを形成可能な寸法とし、ひとつの結晶化領域内にトランジスタを形成することによって、高性能なTFTを作製することができる。
【0023】
しかしながら、特許文献2に記載の半導体薄膜の結晶化方法では、図10に示すレーザ照射領域144を結晶化し、照射領域を基板上の次の領域(矢印144a方向または矢印144b方向)に移動させて、順次結晶化を繰り返すことになる。このとき、基板またはマスクを次の照射領域に移動する間は、結晶化が行われないため、無駄な時間となる。
【0024】
以上のように、スーパーラテラル成長では、従来の半導体薄膜の結晶化方法に比べて、良質の結晶を得ることができるが、結晶化に要する時間が非常に長くなり、効率が悪いという問題がある。
【0025】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、良質の結晶性半導体薄膜を効率良く作製することができる半導体薄膜の結晶化方法および半導体薄膜の結晶化に用いられるレーザ照射装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体薄膜の結晶化方法は、予め基板に成膜された半導体薄膜に対して、レーザ光の一部が透過する複数のパターンが設けられたマスクを介して、レーザ光を所定方向に走査しつつ照射して該半導体薄膜を溶融再結晶化させる方法であって、等間隔d(dは半導体薄膜表面にマスク像が照射されたときのサイズ)で並ぶn個(nは2≦nである整数)の一次光透過部群が設けられると共に、該一次光透過部の各々から等間隔p(p<d、pは半導体薄膜表面にマスク像が照射されたときのサイズ)で並ぶr−1個(rは2≦rである整数)の二次光透過部群が設けられたマスクを用いて、1回のレーザ照射毎に光透過部が並ぶ方向にd±△d(△dは1回のレーザ照射によって結晶成長する長さ以下の距離)だけレーザ光の照射位置を移動させ、そのことにより上記目的が達成される。
【0027】
本発明の半導体薄膜の結晶化方法は、予め基板に成膜された半導体薄膜に対して、レーザ光の一部が透過する複数のパターンが設けられたマスクを介して、レーザ光を所定方向に走査しつつ照射して該半導体薄膜を溶融再結晶化させる方法であって、等間隔p(pは半導体薄膜表面にマスク像が照射されたときのサイズ)で並ぶk個(kは2≦kである整数)の光透過部が設けられたマスクを用いて、1回のレーザ照射毎に光透過部が並ぶ方向にd±△d(d=r×p、rは1≦r<kである整数、△dは1回のレーザ照射によって結晶成長する長さ以下の距離)だけレーザ光の照射位置を移動させ、そのことにより上記目的が達成される。
【0028】
好ましくは、マスクと半導体薄膜とを相対的に一定速度で移動させながら、一定時間毎にレーザ照射を行う。
【0029】
好ましくは、前記Δdは、1回のレーザ照射によって結晶成長する長さの1/3倍以上1/2倍以下の距離である。
【0030】
本発明のレーザ照射装置は、予め基板に成膜された半導体薄膜に対して、レーザ光の一部が透過する複数のパターンが設けられたマスクを介してレーザ光を照射して該半導体薄膜を溶融再結晶化させると共に、レーザ光の照射位置を変えて順次レーザ光を照射して結晶成長させるレーザ照射装置であって、レーザ放射手段と、予め半導体薄膜が成膜された基板を移動保持する基板移動保持手段と、等間隔d(dは半導体薄膜表面にマスク像が照射されたときのサイズ)で並ぶn個(nは2≦nである整数)の一次光透過部群が設けられると共に、該一次光透過部の各々から等間隔p(p<d、pは半導体薄膜表面にマスク像が照射されたときのサイズ)で並ぶr−1個(rは2≦rである整数)の二次光透過部群が設けられたマスクと、該基板と該レーザ放射手段との間に配置され、該マスクを移動保持するマスク移動保持手段と、該基板の位置情報を基にして該基板移動保持手段および該マスク移動保持手段の少なくとも一方の位置を制御する位置制御手段と、該基板の位置情報を基にして該レーザ放射手段によるレーザ照射をon/off制御するレーザ照射制御手段とを有し、該位置制御手段は、1回のレーザ照射毎に光透過部が並ぶ方向にd±△d(△dは1回のレーザ照射によって結晶成長する長さ以下の距離)だけレーザ光の照射位置が移動するように、該基板移動保持手段および該マスク移動保持手段の少なくとも一方を制御し、該レーザ照射制御手段は該レーザ放射手段を制御し、そのことにより上記目的が達成される。
【0031】
本発明のレーザ照射装置は、予め基板に成膜された半導体薄膜に対して、レーザ光の一部が透過する複数のパターンが設けられたマスクを介してレーザ光を照射して該半導体薄膜を溶融再結晶化させると共に、レーザ光の照射位置を変えて順次レーザ光を照射して結晶成長させるレーザ照射装置であって、レーザ放射手段と、予め半導体薄膜が成膜された基板を移動保持する基板移動保持手段と、等間隔p(pは半導体薄膜表面にマスク像が照射されたときのサイズ)で並ぶk個(kは2≦kである整数)の光透過部が設けられたマスクと、該基板と該レーザ放射手段との間に配置され、該マスクを移動保持するマスク移動保持手段と、該基板の位置情報を基にして該基板移動保持手段および該マスク移動保持手段の少なくとも一方の位置を制御する位置制御手段と、該基板の位置情報を基にして該レーザ放射手段によるレーザ照射をon/off制御するレーザ照射制御手段とを有し、該位置制御手段および該レーザ照射制御手段は、1回のレーザ照射毎に光透過部が並ぶ方向にd±△d(d=r×p、rは1≦r<kである整数、△dは1回のレーザ照射によって結晶成長する長さ以下の距離)だけレーザ光の照射位置が移動するように、該基板移動保持手段および該マスク移動保持手段の少なくとも一方を制御し、該レーザ照射制御手段は該レーザ放射手段を制御し、そのことにより上記目的が達成される。
【0032】
好ましくは、前記位置制御手段は、前記マスク移動保持手段と前記基板移動保持手段とを相対的に一定速度で移動させ、前記レーザ照射制御手段は、一定時間毎にレーザ照射が行われるように該レーザ放射手段を制御する。
【0033】
好ましくは、前記Δdは、1回のレーザ照射によって結晶成長する長さの1/3倍以上1/2倍以下の距離である。
【0034】
以下に、本発明の作用について説明する。
【0035】
本発明にあっては、等間隔d(dは半導体薄膜表面にマスク像が照射されたときのサイズ)で並ぶn個(nは2≦nである整数)の一次光透過部群(例えばスリット状光透過部)が設けられると共に、各一次光透過部から等間隔p(p<d、pは半導体薄膜表面にマスク像が照射されたときのサイズ)で並ぶr−1個(rは2≦rである整数)の二次光透過部群が設けられたマスクを用いて、1回のレーザ照射毎に光透過部が並ぶ方向にd±△d(△dは1回のレーザ照射によって結晶成長する長さ以下の距離)だけレーザ光の照射位置を移動させる。例えば、i+1回目のレーザ光照射時には、j番目の一次光透過部を透過したレーザ光によって、i回目のレーザ光照射時にj+1番目の一次光透過部(j番目の一次光透過部に対して結晶成長方向側に隣接する一次光透過部)を透過したレーザ光によって結晶化した結晶を引き継いで、さらに長い針状の結晶が成長する。同様に、i+1回目のレーザ光照射時には、j番目の一次光透過部からk番目の二次光透過部を透過したレーザ光によって、i回目のレーザ光照射時にj+1番目の一次光透過部からk番目の二次光透過部を透過したレーザ光によって結晶化した結晶を引き継いで、さらに長い針状の結晶が成長する。また、i+1回目のレーザ光照射時に、j+1番目の一次光透過部を透過したレーザ光が照射される領域では、i回目のレーザ光照射時にj+2番目の一次光透過部を透過したレーザ光によって結晶化した結晶を引き継いで、さらに長い針状の結晶が成長するため、全体として流れ作業のように結晶化が行われる。これによって、特許文献2に記載の半導体薄膜の結晶化方法のように、レーザ光照射領域を結晶化した後に、次のレーザ光照射領域まで移動する必要が無いため、次のレーザ光照射領域まで移動するために必要な時間分だけ、処理時間を短縮化することができる。
【0036】
また、本発明にあっては、等間隔p(pは半導体薄膜表面にマスク像が照射されたときのサイズ)で並ぶk個(kは2≦kである整数)の光透過部(例えばスリット状光透過部)が設けられたマスクを用いて、1回のレーザ照射毎に光透過部が並ぶ方向にd±△d(d=r×p、rは1≦r<kである整数、△dは1回のレーザ照射によって結晶成長する長さ以下の距離)だけレーザ光の照射位置を移動させる。これによって、i+1回目のレーザ光照射時には、j番目の光透過部を透過したレーザ光によって、i回目のレーザ光照射時にj+1番目の光透過部(j番目の光透過部に対して結晶成長方向側に隣接する光透過部)を透過したレーザ光によって結晶化した結晶を引き継いで、さらに長い針状の結晶が成長する。また、i+1回目のレーザ光照射時に、j+1番目の光透過部を透過したレーザ光が照射される領域では、i回目のレーザ光照射時にj+2番目の光透過部を透過したレーザ光によって結晶化した結晶を引き継いで、さらに長い針状の結晶が成長するため、全体として流れ作業のように結晶化が行われる。これによって、特許文献2に記載の半導体薄膜の結晶化方法のように、レーザ光照射領域を結晶化した後に、次のレーザ光照射領域まで移動する必要が無いため、次のレーザ光照射領域まで移動するために必要な時間分だけ、処理時間を短縮化することができる。また、全部の光透過部が等間隔に設けられているため、一次光透過部と二次光透過部とが設けられたマスクに比べて、レーザ光照射工程の次数nによって決定される結晶の長さを、マスクを変更することなく容易に変更することができる。
【0037】
さらに、マスクと半導体薄膜とを相対的に一定速度vで移動させながら、一定時間(1/f)毎にレーザ照射を行うことによって、レーザ光の照射毎にマスクまたは半導体薄膜(半導体薄膜が成膜された基板)を静定する必要が無いため、高速にレーザ照射することができる。また、マスクと半導体薄膜とを相対的に一定速度で移動させつつ、一定時間毎にレーザ照射を行うことができるため、容易に照射位置を制御してレーザ光を照射することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0039】
図1は、本発明の一実施形態であるレーザ照射装置の構成を示すブロック図である。この図において、点線はレーザ光の照射経路を示し、矢印は制御信号、位置情報等の流れを示している。
【0040】
このレーザ照射装置100は、半導体薄膜の結晶化工程において用いられ、レーザ放射手段1、レーザ光学手段2、マスク3、マスクXYステージ4、マスク像結像手段5、基板6、基板XYステージ7、基板XYステージ位置制御部8、マスクXYステージ位置制御部9、レーザ照射制御部10およびメインコントローラ11を備えている。
【0041】
レーザ放射手段1からは、シリコンを溶融することが可能なパルス状のレーザが出射される。このようなレーザ放射手段1としては、例えば、エキシマレーザ、YAGレーザに代表される各種固体レーザ発信器など、紫外域の波長を有する光を出射する光源を用いることが望ましい。本実施形態では、波長308nmの波長を有する光を出射するエキシマレーザ発信器を用いた。
【0042】
レーザ光学手段2は、可変減衰手段2a、レーザ整形手段2b、照度均一化手段2c、3つの放射方向変更手段2d、12d、22dおよびレンズ2eによって構成されており、レーザ放射手段1から入射されたレーザ光が整形・均一化されるようになっている。
【0043】
レーザ放射手段1から出射されたレーザ光は、ミラー、レンズなどによって構成されている放射方向変更手段2dによって放射方向が変更され、可変減衰手段2aに入射される。
【0044】
可変減衰手段2aは、複数のフィルター12aおよび22aによって構成されている。可変減衰手段2aに入射されたレーザ光は、基板面に照射されるレーザ光の放射照度が所定の照度となるように減衰され、レーザ整形手段2bに入射される。
【0045】
レーザ整形手段2bは、複数のレンズ12b、22bおよび32bによって構成されている。レーザ整形手段2bに入射されたレーザ光は、予め定められた直径の光束に整形され、放射方向変更手段12dによって放射方向が変更されて、照度均一化手段2cに入射される。
【0046】
照度均一化手段2cは、不均一であるビームの放射照度を均一化する手段であり、シリンドリカルレンズアレイとコンデンサレンズとを用いて、ガウシアン型放射照度分布のビームを一旦分散してマスク3の表面に再度重ね合わせて放射することなどによって実現される。本実施形態では、2組のシリンドリカルレンズアレイ12cおよび22c、32cおよび42cと、コンデンサレンズ52cとによって構成されている。一つの方向について均一化するためには2つ(一組)のシリンドリカルレンズアレイが必要とされ、X方向、Y方向について、それぞれ均一化するために2つのレンズアレイが必要になるため、合計で4つのシリンドリカルレンズアレイ12c、22c、32cおよび42cを用いている。シリンダの配置方向は、12cおよび22cと、32cおよび42cとで互いに直交する位置関係とされている。照度均一化手段2cに入射されたレーザ光は、2組のレンズアレイ12cおよび22cと32cおよび42cとによって分割されて、それぞれの光がレンズ52cによって集光され、レンズ2eを介してマスク3に照射されるようになっている。これによって、レーザ光の不均一な放射照度を均一化して、放射照度が均一化されたレーザ光をマスク3に入射させることができる。
【0047】
マスク3は、k個のスリット状光透過部が設けられている。マスク3のスリット状光透過部は、半導体薄膜表面にマスク像が照射されたときに、スリット幅qおよびピッチpの等間隔のk個のスリットが得られるように構成されている。レーザ光学手段2から照射されたレーザ光は、マスク3に設けられたスリット状光透過部を透過し、放射方向変更手段22dによって放射方向が変更されて、マスク像結像手段5を介して基板6の表面に照射される。
【0048】
マスク像結像手段5は、複数のレンズ5a〜5dによって構成されており、マスク3のスリット状光透過部を透過して形成されたスリット状レーザ光を所定の倍率で拡大し、基板6に成膜された半導体薄膜の表面にマスク像として結像させるようになっている。これによって、基板6上に成膜された半導体薄膜にスリット状レーザ光が照射され、半導体薄膜が結晶化される。
【0049】
上記マスク3は、XY方向に移動可能なマスクXYステージ4に搭載されている。このマスクXYステージ4は、例えば、駆動源がリニアモータ(図示せず)によって構成され、案内部がボールベアリングもしくはエアーベアリング(図示せず)によって構成されたXステージ4aおよびYステージ4bが重ねられており、Xステージ4aまたはYステージ4bにマスク3が搭載されている。これによって、マスク3はXY平面内で任意の方向に移動可能となっている。
【0050】
マスクXYステージ4は、マスクXYステージ位置制御部9によって移動速度、位置等が制御されている。例えば、マスクXYステージ4に搭載されているマスクXリニアスケール(図示せず)およびマスクYリニアスケール(図示せず)の出力パルスを位置検出信号としてスケールカウンタにてカウントし、そのカウント値によってマスクXYステージ4の現在位置を検出すると共に、出力パルスの周期を計測することによってマスクXYステージ4の移動速度を検出することができる。マスクXYステージ位置制御部9は、検出した現在位置および移動速度を基に、マスクXリニアモータおよびマスクYリニアモータを駆動制御して、マスクXYステージ4の位置および移動速度を制御することができる。
【0051】
また、上記基板6は、XY方向に移動可能なマスクXYステージ7に搭載されている。この基板XYステージ7は、例えば、駆動源がリニアモータ(図示せず)によって構成され、案内部がボールベアリングもしくはエアーベアリング(図示せず)によって構成されたXステージ7aおよびYステージ7bが重ねられており、Xステージ7aまたはYステージ7bに基板6が搭載されている。これによって、基板6をXY平面内で任意の方向に移動可能せしめている。
【0052】
基板XYステージ7は、基板XYステージ位置制御部8によって移動速度、位置等が制御されている。例えば、基板XYステージ7に搭載されている基板Xリニアスケール(図示せず)および基板Yリニアスケール(図示せず)の出力パルスを位置検出信号としてスケールカウンタにてカウントし、そのカウント値によって基板XYステージ7の現在位置を検出すると共に、出力パルスの周期を計測することによって基板XYステージ7の移動速度を検出することができる。基板XYステージ位置制御部8は、検出した現在位置および移動速度を基に、基板Xリニアモータおよび基板Yリニアモータを駆動制御して、基板XYステージ7の位置および移動速度を制御することができる。
【0053】
また、レーザ放射手段1は、レーザ照射制御部10によってレーザ照射のON/OFFが制御されるようになっている。
【0054】
さらに、基板XYステージ位置制御部8、マスクXYステージ位置制御部9およびレーザ照射制御部10は、メインコントローラ11から各種の制御信号が入力されるようになっている。また、各制御部8〜10からメインコントローラ11に対して、位置情報などの各種情報が出力されるようになっている。メインコントローラ11は、基板6に対して所望位置でレーザ照射が行われるように、各ステージ、制御部等に対する動作指令が制御信号として順次出力されるように設定されており、各制御部8〜10に対して適切な制御信号が出力されて、レーザ照射が行われる。
【0055】
なお、上記説明では、ステージ位置情報を得るためにリニアスケールを用いているが、例えばレーザ測長器のようなものを用いることもできる。また、レーザ照射装置100は、基板6上の任意の位置に、適切、かつ、均一な照度のスリット状レーザ光を照射することができるものであれば、以上に説明したような装置構成に限定されるものではない。また、前記各放射方向変更手段2d、以下の放射変更手段12dおよび22dは、配置箇所・数量には制限はなく、レーザ照射装置100の光学設計・機構設計に応じて適切に配置することができる。
【0056】
次に、本実施形態のレーザ照射装置100におけるマスク3の構成について、さらに詳細に説明する。
【0057】
図2(a)は、本実施形態のマスク3におけるスリット状光透過部の形状と配置とを示す部分拡大平面図であり、図2(b)は、マスク3の全体のサイズを示す平面図である。なお、本実施形態において、スリット状光透過部を透過したスリット状レーザ光は、マスク像結像手段5によって、一定倍率で半導体薄膜上に結像され、スリット状光透過部の形状と、スリット状レーザ光の形状とは相似である。以下の説明では、マスク3のスリット状光透過部に係わる寸法は、上記一定倍率を考慮して、半導体薄膜上に結像された状態の寸法を示すものとする。
【0058】
図2(b)において、寸法(縦×横)A×Bの矩形状領域である有効領域12は、1回のパルス状レーザ光によって照射されるマスク3上の領域を示している。なお、上記有効領域12に対応する半導体薄膜上の領域を照射領域13と称する。
【0059】
図2(a)に示すように、マスク3におけるスリット状光透過部slの形状は矩形状であり、スリット幅はq(図2においてpおよびqが指し示す位置が異なります。また、sl2が指している場所が違います。)である。また、左端のスリット状光透過部sl1は、マスク3のエッジから距離cの位置に配置されている。各スリット状光透過部slは、それぞれ、ピッチpの等間隔で配置され、全部でk個のスリット状透過部slが配置されている。また、マスク3は、寸法dのn個の領域それぞれにr個のスリット状透過部slがそれぞれ配置されている。すなわち、k、n、rには、k=n×rの開係がある。
【0060】
次に、このように構成された本実施形態のレーザ照射装置100を用いて、基板に設けられた半導体薄膜の表面全体を結晶化する方法について説明する。
【0061】
図3は、レーザ光照射領域の移動軌跡を示す平面図である。以下では、基板XYステージ7によって、図中のX軸方向にレーザ照射領域を移動させてレーザ光を照射する場合について説明する。ここでは、基板XYステージ7を(+)X方向に移動させることによって照射領域13が図3の左側に移動され、基板XYステージ7を(−)X方向に移動させることによって照射領域13が図3の右側に移動されるものとする。また、基板XYステージ7には半導体薄膜が成膜された基板6が搭載され、マスクXYステージ5にはマスク3が搭載されており、基板6およびマスク3の各X軸、Y軸、θ角などを微調整するアライメント作業は既に終了しているものとする。
【0062】
まず、予めプログラムに入力された開始位置座標がメインコントローラ11から基板XYステージ位置制御部8に入力され、基板Xリニアモータを所望の位置に移動させることによって、照射開始位置である、被結晶化領域14の左上端部40に、照射領域13が移動される。
【0063】
次に、照射領域13が被結晶化領域14の左端にある場合には、照射領域13が被結晶化領域14の右端に達するまで、基板XYステージ7を(−)X方向(左方向)に移動させる。基板XYステージ7の移動が開始されると、基板Xリニアスケールから出力パルスが出力され、基板XYステージ7の位置情報が基板XYステージ位置制御部8およびメインコントローラ11に入力される。そして、基板XYステージ7の位置が予めプログラムに入力されているか、または計算された所望の位置と一致した時点で、メインコントローラ11からレーザ照射制御部10にトリガー信号が入力される。これによって、レーザ照射制御部10からレーザ放射手段1にレーザ発振制御パルス信号が出力され、レーザ放射手段1からレーザ光が発振されて、帯状領域14aに対して逆方向帯状領域結晶化工程が行われる。以下、結晶化工程における方向は、基板XYステージの移動方向が(−)X方向であれば逆方向と称し、(+)X方向であれば順方向と称する。
【0064】
照射領域13が被結晶化領域14の右端に達し、被結晶化領域14から外れると同時にレーザ発振は中断され、基板XYステージ7が減速されて右端で停止する。
【0065】
その後、基板XYステージ7を(+)Y方向(下方向)にaだけ移動させて、先の帯状領域結晶化工程とは逆方向である(+)X方向に基板XYステージ7を移動させ、所望の位置でレーザ発振させることによって、帯状領域14bに対して順方向帯状領域結晶化工程が行われる。以降同様に、逆方向帯状領域結晶化工程および順方向帯状領域結晶化工程を行い、被結晶化領域14全体にレーザ光を照射して結晶化することができる。
【0066】
なお、照射領域13は、基板6とマスク3とを相対的に移動させることによって移動させることができ、基板XYステージ7およびマスクXYステージ4のいずれか一方、または両方を移動させることができる。
【0067】
次に、半導体薄膜の結晶化工程について、さらに詳細に説明する。
【0068】
図4(a)〜図4(f)は、それぞれ、上記逆方向帯状領域結晶化工程において帯状領域が結晶化されていく様子を説明するための図である。図4(a)、図4(c)および図4(e)は、それぞれ、マスク3と基板6との位置関係を示す平面図であり、図4(b)、図4(d)および図4(f)は、それぞれ、半導体薄膜の結晶成長状態を示す模式図である。なお、ここでは、マスク3を右へ移動させるのではなく、基板6を左へ移動させることによって照射領域を右へ移動させている。
【0069】
まず、図4(a)に示す第1次結晶化工程において、マスク3の有効領域Eにレーザ光を照射して、半導体薄膜の領域Aを結晶化させる。このとき、図2(a)に示すスリット状光透過部sl3を透過して半導体薄膜上の領域15に結像されたレーザ光によって結晶化された結晶の様子を、図4(b)に示す。21aは、第1次結晶化工程においてスリット状光透過部sl3を透過して半導体薄膜にレーザ光が照射される領域であり、21bは、次の第2次結晶化工程においてスリット状光透過部sl2を透過して半導体薄膜にレーザ光が照射される領域である。
【0070】
次に、図4(c)に示す第2次結晶化工程において、基板6を左側にd+Δdだけ移動させて、マスク3の有効領域にレーザ光を照射する。このときの移動距離Δdは、半導体薄膜をスーパーラテラル成長させるためのもので、一回のレーザ照射によって形成または成長される結晶の長さの1/3倍から1/2倍程度の長さに設定することが望ましい。第2次結晶化工程と第1次結晶化工程とで重複する領域Gにおいて、スリット状光透過部を透過したレーザ光によって形成された個々の結晶は、第1次結晶化工程によって成長された結晶を引き継いで結晶成長する。このとき、第1次結晶化工程において図2(a)に示すスリット状光透過部Sl3を透過したレーザ光によって結晶化された結晶を引き継いで、第2次結晶化工程においてスリット状光透過部Sl2を透過したレーザ光によって、さらに長い針状の結晶が成長する様子を図4(d)に示す。21bは、第2次結晶化工程においてスリット状光透過部sl2を透過して半導体薄膜にレーザ光が照射される領域であり、21cは、次の第3次結晶化工程においてスリット状光透過部sl1を透過して半導体薄膜にレーザ光が照射される領域である。
【0071】
次に、図4(e)に示す第3次結晶化工程において、基板6を左側にd+Δdだけ移動させて、マスク3の有効領域にレーザ光を照射する。第3次結晶化工程と第2次結晶化工程とで重複する領域Hにおいて、スリット状光透過部を透過したレーザ光によって形成された個々の結晶は、第1次結晶化工程および第2次結晶化工程によって成長された結晶を引き継いで結晶成長する。このとき、第w次結晶化工程において図2(a)に示すスリット状光透過部Sl2を透過したレーザ光によって結晶化された結晶を引き継いで、第3次結晶化工程においてスリット状光透過部Sl1を透過したレーザ光によって、さらに長い針状の結晶が成長する様子を図4(f)に示す。21cは、第3次結晶化工程においてスリット状光透過部sl1を透過して半導体薄膜にレーザ光が照射される領域であり、21dは、第4次結晶化工程においてsl1と隣接するスリット状光透過部を透過して半導体薄膜にレーザ光が照射される領域である。
【0072】
以降、第3次結晶化工程と同様に、第4次結晶化工程、・・・、第n次結晶化工程において基板を左に(d+Δd)だけ移動させてマスク3の有効領域にレーザ光を照射することによって、結晶化領域を拡大することができる。
【0073】
本実施形態では、照射領域を距離d+Δdずつ左から右に移動させながら第1次結晶化工程から第n次結晶化工程までを行うため、照射領域を移動させた帯状領域では、第1次結晶化工程から第n次結晶化工程までが流れ作業のように順次行われ、長い針状結晶からなる結晶化領域が形成される。
【0074】
次に、順方向帯状領域結晶化工程について説明する。順方向帯状領域結晶化工程は、照射領域の移動方向が右から左であること、第n次結晶化工程、第n−1次結晶化工程、・・・、第2次結晶化工程、第1次結晶化工程の順に結晶化工程が行われること、および結晶の成長方向が右から左であることを除いて、上記逆方向帯状領域結晶化工程と同様であり、逆方向帯状領域結晶化工程と同様の長い針状結晶からなる結晶化領域を形成することができる。
【0075】
次に、マスク3におけるスリット状光透過部の配置と、照射位置の移動速度およびレーザ照射間隔との関係について説明する。以下では、
基板XYステージの移動速度:v
レーザ発振周波数:f
マスクサイズ(有効領域:縦×横):A×B
マスクスリット幅:q
マスクスリットピッチ:p
スリット状透過部のマスクエッジまでの距離:c
結晶引き継ぎ長さ:Δd
として説明する。
【0076】
各結晶化工程で発生する基板移動距離d+△dは、
d+△d=v/f
によって表される。また、結晶化工程の次数であるnは、
n= (B−c)/d
を満たす整数である。さらに、第1次結晶化工程から第n次結晶化工程までの結晶化工程によって成長された結晶長は、マスクスリットピッチpと同等以上であることが望ましい。従って、
n×Δd≧p
を満足することが望ましい。以上によって、
B≧((v/f)−△d)×(p/ Δd)+c
と表される。また、マスク3において距離d間に設けられるスリット数rは、マスクスリットピッチpと距離dとによって、
r=d/p
=(v / f−△d)/ p
と表される。
【0077】
ここで、(1)(v/f−△d)/p が整数の場合には、
r=(v/f−△d)/p
となり、図2に示すように、マスク3のスリット状光透過部slは、等間隔pのピッチで配置される。また、マスク3のスリット状透過部slの総数kは、
k=n×r
と表される。
【0078】
一方、(2) (v/f−△d)/pが整数でない場合にはrは、
r≧(v/f−△d)/p
を満たす最小の整数とする。従って、マスク3は、図5に示すように、等間隔dで並ぶn個(nは2≦nである整数)の一次スリット群と、一次スリットの各々から等間隔p(p<d)で並ぶr−1個(rは2≦rである整数)の二次スリット群とが設けられたマスクパターンとなる。
【0079】
上記(1)および(2)のいずれの場合でも、結晶化工程の手順は同様である。但し、全部のスリット状透過部が等間隔に配置される上記(1)の方が、結晶化工程の次数n(所望の長さの針状結晶を成長するまでにレーザ照射を行う回数)を容易に変更することができる。
【0080】
上記説明では、基板上に設けられた半導体薄膜の全面を結晶化させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、表示装置の駆動回路、周辺回路等を構成する半導体薄膜を作製する場合には、画素領域周辺の額縁領域を結晶化することによって、キャリア移動度の高いシリコンにより高速なトランジスタを作製することができ、画素駆動または信号処理を高速化することができる。以下に、このような額縁領域を結晶化する場合の結晶化工程について、説明する。
【0081】
図6は、額縁領域を結晶化する場合の照射領域の移動について説明するための平面図である。
【0082】
まず、基板6の左上端部40の位置に、レーザ光の照射領域を配置する。そして、基板6の右端に達するまで照射領域を移動させて逆方向帯状領域結晶化工程を行い、幅αの一行分の額縁領域32aを結晶化する。次に、矢印41に示すように、その下の一連の額縁領域32bの行に照射領域を移動させる。そして、照射領域が基板6の左端に達するまで照射領域を移動させて順方向帯状領域結晶化工程を行い、一行分の額縁領域32bを結晶化する。次に、矢印42に示すように、その下の一連の額縁領域32cの行に照射領域を移動させる。以上の工程を同様に繰り返し、図中X方向の全ての額縁領域が結晶化されると、基板6の配置または[tasaki2] マスク3の配置を90度回転させ、Y軸方向に対して上記と同様の結晶化工程を行って、全ての額縁領域32を結晶化させる。
【0083】
これによって、高い移動度が要求される額縁領域32は結晶化され、高い移動度が要求されない画素領域31は結晶化されないため、基板全面を結晶化させる場合と比較して、製造時間を短縮することができる。通常、額縁領域32は、全基板面積の10%から20%程度であるので、画素領域31を結晶化しないことによって、大幅に結晶化時間を短縮することができる。
【0084】
なお、図6では、画素領域31の四方にある額縁領域32を結晶化しているが、4つの額縁領域32のうち、1つ以上の額縁領域について、その全部または一部を結晶化してもよい。その場合には、結晶化された額縁領域に、キャリア移動度の高いシリコンにより高速なトランジスタを作製することができる。
【0085】
なお、上記実施形態では、照射領域の移動距離をd+△dとして説明したが、d−△dとしても同様に、半導体薄膜を結晶化することができる。この場合、移動距離をd+△dとした場合と比較して、わずかではあるが、移動距離を短くすることができるため、移動速度を遅くするか、または移動時間を短くすることができる。
【0086】
次に、本実施形態の半導体薄膜の結晶化方法と、特許文献2に記載されている従来の半導体薄膜の結晶化方法方法とについて、それぞれの処理速度を比較して説明する。なお、以下では、本実施形態のマスク3において、上記(1)に示すようなマスクパターンを形成した場合について説明する。
【0087】
レーザパルスを照射してから、次にレーザパルスを照射するまでの時間は、基板6もしくはマスク3を移動させて照射領域を次の照射位置まで移動させる時間、およびレーザ放射手段1において次のパルス照射が可能になるまでの時間のうち、長い方の時間である。
【0088】
特許文献2に記載されている従来の半導体薄膜の結晶化方法では、照射領域を距離△d(Δdは、1回のレーザ照射によって結晶成長する長さ以下の距離)だけ移動させてレーザパルスを照射する工程を繰り返して1つの照射領域を結晶化させた後に、照射領域を次の領域まで距離b−p(bは照射領域の横方向の長さ、pは基板面に照射されたスリット状レーザのピッチ)だけ移動させる。照射領域を距離△dだけ移動させてレーザパルスを照射するときには、移動距離が極めて短いため、移動はすぐに完了する。従って、レーザパルスを照射してから次にレーザパルス照射をするまでの時間は、レーザ放射手段1において次のパルス照射が可能になるまでの時間と等しくなる。また、1つの照射領域を結晶化させた後に次の領域まで距離b−pだけ移動させるときには、移動距離が長いため、移動に時間がかかる。その間、レーザ放射手段1はパルス照射を行わずに待機状態となっている。
【0089】
一方、本実施形態の半導体薄膜の結晶化方法では、レーザ放射手段1においてレーザパルスを照射してから次のパルス照射が可能になるまでの時間の間に照射領域を移動可能な最長の長さよりも短くなるように、距離d+△dを設定することによって、レーザ放射手段1はパルス照射可能な最も短い周期(照射周波数)でレーザパルスを放射し続けることができる。また、特許文献2に記載されている従来の半導体薄膜の結晶化方法のように、1つの照射領域を結晶化させた後に照射領域を次の領域まで長い距離を移動させる必要が無いため、照射領域を次の領域まで移動させるために必要な時間分だけ、処理時間を短くすることができる。
【0090】
ここで、本実施形態の半導体薄膜の結晶化方法と、特許文献2に記載されている従来の半導体薄膜の結晶化方法方法とについて、それぞれの結晶化時間をさらに具体的な数値によって説明する。
【0091】
なお、両結晶化方法に共通する条件として、
基板6の寸法:320mm×400mm
レーザ放射手段1のレーザパルス照射周波数f:300Hz
スーパーラテラル成長におけるパルス照射毎の送りピッチ
=照射領域の移動距離△d:0.5μm
と設定する。また、
スーパーラテラル成長による針状結晶の長さ
=基板面に照射されたスリット状レーザのピッチp:50μm
マスク像の結像倍率:1/5
照射領域:20mm×20mm
マスク面での有効領域:100mm×100mm
と設定する。
【0092】
まず、特許文献2に記載されている従来の半導体薄膜の結晶化方法によって基板全面に設けられた半導体薄膜を結晶化するために必要な時間を算出する。
【0093】
図10に示すように、特許文献2に記載の半導体薄膜の結晶化方法では、等ピッチで形成したスリット状光透過部を形成したマスクを用いている。この場合、レーザ照射領域144毎に結晶化を完了させてから、次の照射領域(矢印144a方向または矢印144b方向)に移動させて基板全面に設けられた半導体薄膜を結晶化させる。
【0094】
ここで、 図10に示す1つの照射領域144を結晶化させるために必要とされるレーザパルス照射回数nは、
(1つの照射領域に対するレーザパルス照射回数n)=(針状結晶の長さp)/(送りピッチΔd)=0.05/0.0005=100(回)
となる。
【0095】
1つの照射領域144の結晶化させるために必要とされる時間tは、
(1つの照射領域を結晶化させる時間t)=(1つの照射領域に対するレーザパルス照射回数n)/(レーザパルス照射周波数f)=100/300=0.333(秒)
となる。
【0096】
また、隣接する照射領域への移動は、例えば、基板を移動させることによって行われるが、基板移動と基板静定とに必要とされる時間は、合計0.3秒程度である。
【0097】
上述したように、基板寸法は320mm×400mmであるから、
(320/20)×(400/20)=320個
の照射領域を順に結晶化させることになる。従って、
(基板全面に設けられた半導体薄膜を結晶化するために要する時間)={(1つの照射領域を結晶化させる時間)+(隣接する照射領域への移動時間)}×(照射領域の数)=(0.333+0.3)×320=203秒
となる。
【0098】
次に、本実施形態の半導体薄膜の結晶化方法によって基板全面に設けられた半導体薄膜を結晶化するために必要な時間を算出する。
【0099】
図3に示す幅a(=20mm)の帯状領域14aを結晶化するための基板移動速度sは、
s=(d+△d)×f=((b−c)/n+△d)×f=((b−c)×△d/p+△d)×f=((20−0)×0.0005/0.05)+0.0005)×300=60.15(mm/sec)
となる。ここで、bは照射領域の横方向の長さであって、図2に示すマスクの長さB(=20mm)に対応する。また、cは0とした。
【0100】
基板全面に設けられた半導体薄膜を結晶化するためには、ひとつの帯状領域14aを結晶化させた後、照射領域を隣接する帯状領域14bに移動させ、同様の結晶化工程を繰り返す。隣接する帯状領域への移動は、例えば、基板を移動させることによって行われるが、基板移動と基板静定とに必要とされる時間は、従来の半導体薄膜の結晶化方法と同様に、0.3秒程度必要である。
【0101】
上述したように、基板寸法は320mm×400mmであるから、
320/20=16個
の帯状領域を順に結晶化させることになる。従って、
(基板全面に設けられた半導体薄膜を結晶化するために要する時間)={(1つの帯状領域を結晶化させる時間)+(隣接する帯状領域への移動時間)}×(帯状領域の数)
で表される。
【0102】
長さ400mmの帯状領域を結晶化するためには、
400+b−(d+△d)=400+20(1−0.0005/0.05)−0.0005≒419.8
の距離を移動させながらレーザ照射を行う必要があるため、基板全面を結晶化するために要する時間は、
(419.8/60.15+0.3)×16=116秒
となる。従って、本実施形態によれば、特許文献2に記載されている半導体薄膜の結晶化方法に比べて、結晶化時間を約43%も短縮化することが可能になる。
【0103】
さらに、ラテラル成長による針状結晶の長さpを20μmとすると、この時間短縮効果はより一層顕著になる。各種条件を上述した通りに設定し、同様の計算を行うと、特許文献2に記載されている半導体薄膜の結晶化方法による場合には、
(0.133+0.3)×320=139秒
となる。
【0104】
一方、本実施形態の半導体薄膜の結晶化方法による場合には、
(419.5/150.15+0.3)×16=49.5秒
となり、結晶化時間を約64%も短縮化することが可能になる。
【0105】
なお、本実施形態においては、マスク3の光透過部の形状を矩形状スリットとしたが、光透過部の形状はこれに限定されるものではなく、メッシュ形状、鋸歯形状、波状など、種々の形状を用いることができる。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、等間隔dで並ぶn個の一次光透過部群が設けられると共に、各一次光透過部から等間隔pで並ぶr−1個の二次光透過部群が設けられたマスクを用いて、1回のレーザ照射毎に光透過部が並ぶ方向にd±△d(△dは1回のレーザ照射によって結晶成長する長さ以下の距離)だけレーザ光の照射位置を移動させる。これによって、特許文献2に記載の半導体薄膜の結晶化方法のように、レーザ光照射領域を結晶化した後に、次のレーザ光照射領域まで移動する必要が無いため、次のレーザ光照射領域まで移動するために必要な時間分だけ、処理時間を短縮化することができる。従って、本発明によれば、高品質で大きな結晶粒の多結晶シリコン薄膜を、短時間で作製することができる。
【0107】
また、本発明にあっては、等間隔pで並ぶk個の光透過部が設けられたマスクを用いて、1回のレーザ照射毎に光透過部が並ぶ方向にd±△d(d=r×p、rは1≦r<kである整数、△dは1回のレーザ照射によって結晶成長する長さ以下の距離)だけレーザ光の照射位置を移動させる。これによって、特許文献2に記載の半導体薄膜の結晶化方法のように、レーザ光照射領域を結晶化した後に、次のレーザ光照射領域まで移動する必要が無いため、次のレーザ光照射領域まで移動するために必要な時間分だけ、処理時間を短縮化することができる。また、全部の光透過部が等間隔に設けられているため、一次光透過部と二次光透過部とが設けられたマスクに比べて、レーザ光照射工程の次数nによって決定される結晶の長さを、マスクを変更することなく容易に変更することができる。従って、本発明によれば、高品質で大きな結晶粒の多結晶シリコン薄膜を、短時間で作製することができる。
【0108】
さらに、マスクと半導体薄膜とを相対的に一定速度vで移動させながら、一定時間(1/f)毎にレーザ照射を行うことによって、レーザ光の照射毎にマスクまたは半導体薄膜(半導体薄膜が成膜された基板)を静定する必要が無いため、高速にレーザ照射することができる。また、マスクと半導体薄膜とを相対的に一定速度で移動させつつ、一定時間毎にレーザ照射を行うことができるため、容易に照射位置を制御してレーザ光を照射することができる。
【0109】
本発明の半導体薄膜の結晶化方法によって結晶化された半導体薄膜を、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置等に応用することによって、画素部分にスイッチング素子を形成するだけでなく、同一基板上の画素周辺部分に駆動回路、一部の周辺回路等を作製することができるため、ドライバIC、駆動回路基板等を別に作製して表示装置に実装する必要がなくなるため、表示装置を低価格で作製することができる。さらに、キャリアが移動度が高い結晶性半導体薄膜を用いることによってトランジスタの寸法を微細化することができるため、画素部分に形成されスイッチング素子を小さくして表示装置の高開口率化を図ることができ、高輝度・高精細な表示装置を作製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるレーザ照射装置の構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は、実施形態のレーザ照射装置においてマスクに設けられたスリット状光透過部の形状と配置とを示す部分拡大平面図であり、(b)は、マスクの全体のサイズを示す平面図である。
【図3】実施形態の半導体薄膜の結晶化方法におけるレーザ光照射領域の移動軌跡を示す平面図である。
【図4】(a)、(c)および(e)は、それぞれ、実施形態の半導体薄膜の結晶化方法におけるマスクと基板との位置関係を示す平面図であり、それぞれ、第1次結晶化工程、第2次結晶化工程および第3次結晶化工程を示す。(b)、(d)および(f)は それぞれ、実施形態の半導体薄膜の結晶化方法における半導体薄膜の結晶成長状態を示す模式図であり、それぞれ、第1次結晶化工程、第2次結晶化工程および第3次結晶化工程を示す。
【図5】実施形態のレーザ照射装置においてマスクに設けられる他のスリット状光透過部の形状と配置とを示す平面図である。
【図6】実施形態の半導体薄膜の結晶化方法において、額縁領域を結晶化する場合の照射領域の移動について説明するための平面図である。
【図7】従来の半導体薄膜の結晶化方法を説明するための平面図である。
【図8】スーパーラテラル成長により一回のレーザパルス照射で形成される針状結晶組織を説明する模式図である。
【図9】複数回のレーザパルス照射によるスーパーラテラル成長の様子を説明するための模式図である。
【図10】特許文献2に記載の半導体薄膜の結晶化方法を説明するための平面図である。
【符号の説明】
1 レーザ放射手段
2 レーザ光学手段
2a  可変減衰手段
12a、22a  フィルター
2b  レーザ整形手段
12b、22b、32b  レンズ
2c  照度均一化手段
12c、22c、32c、42c  レンズアレイ
52c  レンズ
2d、12d、22d  放射方向変更手段
2e  レンズ
3 マスク
4 マスクXYステージ
4a  Xステージ
4b  Yステージ
5 マスク像結像手段
5a〜5d  レンズ
6 基板
7 基板XYステージ
7a  Xステージ
7b  Yステージ
8 基板XYステージ位置制御部
9 マスクXYステージ位置制御部
10 レーザ照射制御部
11 メインコントローラ
12 マスクの有効領域
13 照射領域
14  被結晶化領域
14a、14b  帯状領域
15  レーザ照射領域
21a、121a 第1回目のレーザ照射領域
21b、121b 第2回目のレーザ照射領域
21c、121c 第3回目のレーザ照射領域
21d、121d 第(n−1)回目のレーザ照射領域
21e、121e 第n回目のレーザ照射領域
31  画素領域
32、32a、32b  額縁領域
41、42、144a、144b  照射領域の移動方向
40  被結晶化領域の左上端部
100  レーザ照射装置
120a  溶融領域と未溶融領域との境界
122 スーパーラテラル成長方向
123  結晶領域
123a、123b、123d  針状結晶
125、155  ガラス基板
126  レーザ光
144  レーザ照射領域

Claims (8)

  1. 予め基板に成膜された半導体薄膜に対して、レーザ光の一部が透過する複数のパターンが設けられたマスクを介して、レーザ光を所定方向に走査しつつ照射して該半導体薄膜を溶融再結晶化させる方法であって、
    等間隔d(dは半導体薄膜表面にマスク像が照射されたときのサイズ)で並ぶn個(nは2≦nである整数)の一次光透過部群が設けられると共に、該一次光透過部の各々から等間隔p(p<d、pは半導体薄膜表面にマスク像が照射されたときのサイズ)で並ぶr−1個(rは2≦rである整数)の二次光透過部群が設けられたマスクを用いて、1回のレーザ照射毎に光透過部が並ぶ方向にd±△d(△dは1回のレーザ照射によって結晶成長する長さ以下の距離)だけレーザ光の照射位置を移動させる半導体薄膜の結晶化方法。
  2. 予め基板に成膜された半導体薄膜に対して、レーザ光の一部が透過する複数のパターンが設けられたマスクを介して、レーザ光を所定方向に走査しつつ照射して該半導体薄膜を溶融再結晶化させる方法であって、
    等間隔p(pは半導体薄膜表面にマスク像が照射されたときのサイズ)で並ぶk個(kは2≦kである整数)の光透過部が設けられたマスクを用いて、1回のレーザ照射毎に光透過部が並ぶ方向にd±△d(d=r×p、rは1≦r<kである整数、△dは1回のレーザ照射によって結晶成長する長さ以下の距離)だけレーザ光の照射位置を移動させる半導体薄膜の結晶化方法。
  3. マスクと半導体薄膜とを相対的に一定速度で移動させながら、一定時間毎にレーザ照射を行う請求項1または請求項2に記載の半導体薄膜の結晶化方法。
  4. 前記Δdは、1回のレーザ照射によって結晶成長する長さの1/3倍以上1/2倍以下の距離である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の半導体薄膜の結晶化方法。
  5. 予め基板に成膜された半導体薄膜に対して、レーザ光の一部が透過する複数のパターンが設けられたマスクを介してレーザ光を照射して該半導体薄膜を溶融再結晶化させると共に、レーザ光の照射位置を変えて順次レーザ光を照射して結晶成長させるレーザ照射装置であって、
    レーザ放射手段と、
    予め半導体薄膜が成膜された基板を移動保持する基板移動保持手段と、
    等間隔d(dは半導体薄膜表面にマスク像が照射されたときのサイズ)で並ぶn個(nは2≦nである整数)の一次光透過部群が設けられると共に、該一次光透過部の各々から等間隔p(p<d、pは半導体薄膜表面にマスク像が照射されたときのサイズ)で並ぶr−1個(rは2≦rである整数)の二次光透過部群が設けられたマスクと、
    該基板と該レーザ放射手段との間に配置され、該マスクを移動保持するマスク移動保持手段と、
    該基板の位置情報を基にして該基板移動保持手段および該マスク移動保持手段の少なくとも一方の位置を制御する位置制御手段と、
    該基板の位置情報を基にして該レーザ放射手段によるレーザ照射をon/off制御するレーザ照射制御手段とを有し、
    該位置制御手段は、1回のレーザ照射毎に光透過部が並ぶ方向にd±△d(△dは1回のレーザ照射によって結晶成長する長さ以下の距離)だけレーザ光の照射位置が移動するように、該基板移動保持手段および該マスク移動保持手段の少なくとも一方を制御し、該レーザ照射制御手段は該レーザ放射手段を制御するレーザ照射装置。
  6. 予め基板に成膜された半導体薄膜に対して、レーザ光の一部が透過する複数のパターンが設けられたマスクを介してレーザ光を照射して該半導体薄膜を溶融再結晶化させると共に、レーザ光の照射位置を変えて順次レーザ光を照射して結晶成長させるレーザ照射装置であって、
    レーザ放射手段と、
    予め半導体薄膜が成膜された基板を移動保持する基板移動保持手段と、
    等間隔p(pは半導体薄膜表面にマスク像が照射されたときのサイズ)で並ぶk個(kは2≦kである整数)の光透過部が設けられたマスクと、
    該基板と該レーザ放射手段との間に配置され、該マスクを移動保持するマスク移動保持手段と、
    該基板の位置情報を基にして該基板移動保持手段および該マスク移動保持手段の少なくとも一方の位置を制御する位置制御手段と、
    該基板の位置情報を基にして該レーザ放射手段によるレーザ照射をon/off制御するレーザ照射制御手段とを有し、
    該位置制御手段は、1回のレーザ照射毎に光透過部が並ぶ方向にd±△d(d=r×p、rは1≦r<kである整数、△dは1回のレーザ照射によって結晶成長する長さ以下の距離)だけレーザ光の照射位置が移動するように、該基板移動保持手段および該マスク移動保持手段の少なくとも一方を制御し、該レーザ照射制御手段は該レーザ放射手段を制御するレーザ照射装置。
  7. 前記位置制御手段は、前記マスク移動保持手段と前記基板移動保持手段とを相対的に一定速度で移動させ、
    前記レーザ照射制御手段は、一定時間毎にレーザ照射が行われるように該レーザ放射手段を制御する請求項5または請求項6に記載のレーザ照射装置。
  8. 前記Δdは、1回のレーザ照射によって結晶成長する長さの1/3倍以上1/2倍以下の距離である請求項5〜請求項7のいずれかに記載のレーザ照射装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007150272A (ja) * 2005-10-26 2007-06-14 Semiconductor Energy Lab Co Ltd レーザ照射装置及び半導体装置の製造方法
JP2008042032A (ja) * 2006-08-08 2008-02-21 Sumitomo Heavy Ind Ltd ステージ駆動方法及び該方法を用いたレーザ加工装置
US8891170B2 (en) 2005-10-26 2014-11-18 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Laser irradiation apparatus and manufacturing method of semiconductor device

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