JP5084137B2 - レーザ照射装置及びレーザ照射方法、並びに半導体装置の作製方法 - Google Patents

レーザ照射装置及びレーザ照射方法、並びに半導体装置の作製方法 Download PDF

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本発明は、半導体膜などにレーザビームを照射し、結晶化、再結晶化又はイオン注入後の活性化をするレーザ照射装置およびレーザ処理方法に関する。また、本発明は、多結晶質あるいは多結晶質に近い状態の半導体膜にレーザビームを照射し、半導体膜の結晶性を向上させるレーザ照射装置およびレーザ処理方法に関する。以下、上記のような処理をレーザアニールと称す。また、前記レーザ処理の工程に含んで作製された半導体装置の作製方法に関する。なお、ここでいう半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス(EL)表示装置等の電気光学装置及び該電気光学装置を部品として含む電子装置も含まれるものとする。
近年、基板上にTFT(薄膜トランジスタ)を形成する技術が大幅に進歩し、アクティブマトリクス型の半導体表示装置への応用開発が進められている。特に、多結晶半導体膜を用いたTFTは、従来の非晶質半導体膜を用いたTFTよりも電界効果移動度(単にモビリティともいう)が高いので、高速動作が可能である。そのため、従来基板の外部に設けられた駆動回路で行っていた画素の制御を、画素と同一の基板上に形成した駆動回路で行う技術開発が進められている。
ところで半導体装置に用いる基板は、コストの面から単結晶シリコン基板よりも、ガラス基板が有望視されている。ガラス基板は耐熱性に劣り、熱変形しやすいため、ガラス基板上にポリシリコンTFTを形成する場合には、ガラス基板の熱変形を避けるために、半導体膜の結晶化にレーザアニールが用いられる場合が多い。
レーザアニール法の特徴は、輻射加熱或いは伝導加熱を利用するアニール法と比較して処理時間を大幅に短縮できることや、半導体基板又は半導体膜を選択的、局所的に加熱して、基板に殆ど熱的損傷を与えないことなどが挙げられる。
なお、ここでいうレーザアニール法とは、半導体基板又は半導体膜に形成されたアモルファス層を再結晶化する技術や、基板上に形成された非晶質半導体膜を結晶化させる技術を指している。また、半導体基板又は半導体膜の平坦化や表面改質に適用される技術も含んでいる。
レーザアニールを行う場合、エキシマレーザ等の出力の大きいパルス発振式のレーザビームを、被照射面において、数cm角の四角いスポットや、長さ10cm以上の線状となるように光学系にて加工し、ビームスポットの照射位置を被照射面に対して相対的に走査させる方法が、量産性が良く、工業的に優れているため好んで使用される。(例えば、特許文献1参照)。
特に、線状のビームスポットを用いると、前後左右の走査が必要な点状のビームスポットを用いた場合とは異なり、線状のビームスポットの線方向に垂直な方向(以下、幅方向と称する)だけの走査で被照射面全体にレーザビームを照射することができるため、高い量産性が得られる。ここで線状のビームスポットとはアスペクト比が大きい長方形状のビームスポットとする。ビームスポットの幅方向に走査するのは、それが最も効率のよい走査方向であるからである。この高い量産性により、現在レーザアニールにはパルスレーザであるエキシマレーザから射出したレーザビームを適当な光学系で成形した線状のビームスポットを使用することが主流になりつつある。
特開平8−195357号公報
近年レーザ発振器の大出力化により、前記線状のビームスポットの長さが従来より長いものの形成が可能となっている。これに伴い、レーザアニールの際に用いる基板の大面積化がますます進んでいる。これは、1枚の基板から1つの液晶表示装置用パネルあるいはEL表示装置用パネルなどの半導体装置を作製するより、1枚の大面積基板を用いて複数の液晶表示装置用パネルあるいはEL表示装置用パネルなどの半導体装置を作製する方が、スループットが高く、コストの低減が実現できるためである。大面積基板として、例えば600mm×720mmの基板、円形の12インチ(直径約300mm)の基板等が使用されるようになっている。さらに、将来的には一辺が2000mmを越える基板も用いられるものと考えられる。
しかしながら、例えば長さ300mmの線状のビームスポットを成形する光学系の光路長は5000mmにもなる。このような光路長の長い光学系に対して光学調整を行うのは非常に困難である。また、フットプリントが大きくなるため、装置が大型化するという問題がある。
なお、より短い光路長で本光学系を設計すると、得られる線状のビームスポットの形状は、例えば、樽状もしくは糸巻き状となる。これは、前記線状のビームスポットの線方向における両端のピント位置がずれていることにより生じる。
ここで、ずれの原因について説明する。レンズ2001に対して斜めに入射するレーザビームは垂直に入射するレーザビームに比べて光路長が長くなる。また、斜めに入射するレーザビームの入射角度が大きいほど、垂直に入射するレーザビームとの光路差は大きくなる。このような入射位置や入射角度による光路長の差がピント位置のずれとなり、線状のビームスポットの端に行くにつれて像がぼける、つまり図14で示すような、像が曲面上に形成される像面湾曲が生じる。このようなビームスポットを用いて被照射面2002に対してアニールを行っても、一様なアニールを行うことはできない。
また、基板が大面積化する中で、長辺方向の長さが1000mm程度のビームスポットの形成が急務となっている。例えば、600mm×720mmの基板のような大面積基板に対してアニールを行う場合、長辺方向の長さが300mmのビームスポットを用いると、1回の走査だけでは、前記大面積基板の全面をアニールすることはできず、少なくとも複数回の走査が必要となり、スループットが低下する。その結果、線状のビームスポットの走査の仕方によっては、アニールが複数回行われる領域や、アニールが行われない領域が形成されることもあり、一様なアニールが行われない。そこで、長さが大面積基板に対して一方向に移動するだけで全面をアニールできる、例えば、1000mmの線状のビームスポットに成形する光学系を設計したところ、やはり照射面における長辺方向の両端のピント位置がずれてしまった。
長い線状のビームスポットを成形することで、その線方向の両端のピント位置がずれる原因も、光路長を短くしたときの原因と同様に、入射位置や入射角度による光路長の差がピント位置のずれとなり、像面湾曲が生じるためである。一様なアニールを行うために長辺方向の長さを長くしても、このようなビームスポットであれば、一様なアニールを行うことは困難である。
そこで本発明は、短い光路長で線状のビームスポットを形成でき、または長辺方向の長さが長い線状のビームスポットを形成でき、さらにその線方向の両端における集光位置のずれを解消できるレーザ照射装置を提供することを課題とする。また、このようなレーザ照射装置を用いたレーザ照射方法を提供し、前記レーザ照射方法を工程に含む半導体装置の作製方法を提供することを課題とする。
本発明の一は、レーザ発振器と、レーザ発振器から射出したレーザビームを、長辺方向と短辺方向とを有する線状のビームスポットに成形する光学系と、を有するレーザ照射装置において、光学系は、レーザ発振器から射出したレーザビームを長辺方向に分割する長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイと、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイで分割されたレーザビームを重畳する長辺方向重畳用シリンドリカルレンズと、レーザ発振器から射出したレーザビームを短辺方向に分割する短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイと、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイで分割されたレーザビームを重畳して均一面を形成する短辺方向重畳用シリンドリカルレンズと、均一面を照射面に投影する短辺方向投影用シリンドリカルレンズと、を有し、短辺方向重畳用シリンドリカルレンズと短辺方向投影用シリンドリカルレンズとの間に長辺方向重畳用シリンドリカルレンズが配置され、長辺方向重畳用シリンドリカルレンズで均一面の位置のずれを発生させ、均一面から短辺方向投影用シリンドリカルレンズまでの距離が画角によらず一定となるようにすることを要旨とする。ここで、画角とはレーザビームの光路と光軸とがなす角度をいうものとする。
本発明の一は、レーザ発振器と、レーザ発振器から射出したレーザビームを、長辺方向と短辺方向とを有する線状のビームスポットに成形する光学系と、を有するレーザ照射装置において、光学系は、レーザ発振器から射出したレーザビームを長辺方向に分割する長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイと、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイで分割されたレーザビームを重畳する長辺方向重畳用シリンドリカルレンズと、レーザ発振器から射出したレーザビームを短辺方向に分割する短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイと、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイで分割されたレーザビームを重畳して均一面を形成する短辺方向重畳用シリンドリカルレンズと、均一面を照射面に投影する短辺方向投影用シリンドリカルレンズと、を有し、短辺方向重畳用シリンドリカルレンズと短辺方向投影用シリンドリカルレンズとの間に長辺方向重畳用シリンドリカルレンズが配置され、短辺方向重畳用シリンドリカルレンズにより形成される均一面の位置は、長辺方向重畳用シリンドリカルレンズの屈折の影響を受けて照射面寄りにずれて形成され、均一面から短辺方向投影用シリンドリカルレンズまでの距離が画角によらず一定となるように、長辺方向重畳用シリンドリカルレンズの曲率半径が調整されていることを要旨とする。
本発明の一は、レーザ発振器と、レーザ発振器から射出したレーザビームを、長辺方向と短辺方向とを有する線状のビームスポットに成形する光学系と、を有するレーザ照射装置において、光学系は、レーザ発振器から射出したレーザビームを長辺方向に分割する長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイと、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイで分割されたレーザビームを重畳する長辺方向重畳用シリンドリカルレンズと、レーザ発振器から射出したレーザビームを短辺方向に分割する短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイと、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイで分割されたレーザビームを重畳して均一面を形成する短辺方向重畳用シリンドリカルレンズと、均一面を照射面に投影する短辺方向投影用シリンドリカルレンズと、を有し、短辺方向重畳用シリンドリカルレンズと短辺方向投影用シリンドリカルレンズとの間に長辺方向重畳用シリンドリカルレンズが配置され、長辺方向重畳用シリンドリカルレンズで均一面の位置のずれを発生させ、画角の大きなレーザビームによる均一面から短辺方向投影用シリンドリカルレンズまでの距離と画角の小さなレーザビームによる均一面から短辺方向投影用シリンドリカルレンズまでの距離とが等しくなるようにすることを要旨とする。
本発明のレーザ照射装置において、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイを形成するシリンドリカルレンズには、レンズの母線に対して左右の幅が異なるシリンドリカルレンズが用いられ、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイを形成する全てのシリンドリカルレンズは、均一面から短辺方向投影用シリンドリカルレンズまでの距離が画角によらず一定となるように設計されていることを要旨とする。
本発明のレーザ照射装置において、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイを形成するシリンドリカルレンズには、レンズの母線に対して左右の幅が等しいシリンドリカルレンズと、レンズの母線に対して左右の幅が異なるシリンドリカルレンズとが用いられ、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイを形成する全てのシリンドリカルレンズは、均一面から短辺方向投影用シリンドリカルレンズまでの距離が画角によらず一定となるように設計されていることを要旨とする。
本発明の一は、レーザ発振器と、レーザ発振器から射出したレーザビームを、長辺方向と短辺方向とを有する線状のビームスポットに成形する光学系と、を有するレーザ照射装置において、光学系は、レーザ発振器から射出したレーザビームを長辺方向に分割する長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイと、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイで分割されたレーザビームを重畳する長辺方向重畳用シリンドリカルレンズと、レーザ発振器から射出したレーザビームを短辺方向に分割する短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイと、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイで分割されたレーザビームを重畳して均一面を形成する短辺方向重畳用シリンドリカルレンズと、均一面を照射面に投影する短辺方向投影用シリンドリカルレンズと、を有し、短辺方向重畳用シリンドリカルレンズと短辺方向投影用シリンドリカルレンズとの間に長辺方向重畳用シリンドリカルレンズが配置され、長辺方向重畳用シリンドリカルレンズで均一面の位置のずれを発生させ、画角の大きなレーザビームによる均一面から短辺方向投影用シリンドリカルレンズまでの距離が画角の小さなレーザビームによる均一面から短辺方向投影用シリンドリカルレンズまでの距離よりも短くなるようにすることを要旨とする。
本発明の一は、本発明のレーザ照射装置を用いて成形した線状のビームスポットを被照射面に照射し、被照射面に対して線状のビームスポットを相対的に走査することにより、被照射面全体をレーザアニールするレーザ照射方法を要旨とする。
本発明の一は、基板上に半導体膜を形成し、本発明のレーザ照射装置を用いて成形した線状のビームスポットを半導体膜に照射し、半導体膜に対して線状のビームスポットを相対的に走査することにより、半導体膜全体をレーザアニールする半導体装置の作製方法を要旨とする。
本発明の一は、レーザ発振器から射出したレーザビームを、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ及び短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイを通過させることにより長辺方向および短辺方向に分割し、分割されたレーザビームを、短辺方向重畳用シリンドリカルレンズを通過させることにより短辺方向に分割されたレーザビームを重畳させ、さらに長辺方向重畳用シリンドリカルレンズを通過させることにより、短辺方向に重畳されたレーザビームを屈折させ、短辺方向の均一面の位置を照射面寄りに形成するとともに、長辺方向に分割されたレーザビームを重畳させ、均一面を短辺方向投影用シリンドリカルレンズにより照射面に投影し、かつ長辺方向に分割されたレーザビームを照射面において重ね合わせることにより、長辺方向と短辺方向とを有する線状のビームスポットを照射面に照射するレーザ照射方法であって、均一面から短辺方向投影用シリンドリカルレンズまでの距離が画角によらず一定となるように均一面を形成することを要旨とする。
本発明の一は、レーザ発振器から射出したレーザビームを、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ及び短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイを通過させることにより長辺方向および短辺方向に分割し、分割されたレーザビームを、短辺方向重畳用シリンドリカルレンズを通過させることにより短辺方向に分割されたレーザビームを重畳させ、さらに長辺方向重畳用シリンドリカルレンズを通過させることにより、短辺方向に重畳されたレーザビームを屈折させ、短辺方向の均一面の位置を照射面寄りに形成するとともに、長辺方向に分割されたレーザビームを重畳させ、均一面を短辺方向投影用シリンドリカルレンズにより照射面に投影し、かつ長辺方向に分割されたレーザビームを照射面において重ね合わせることにより、長辺方向と短辺方向とを有する線状のビームスポットを照射面に照射するレーザ照射方法であって、均一面から短辺方向投影用シリンドリカルレンズまでの距離が画角によらず一定となるように長辺方向重畳用シリンドリカルレンズの曲率半径を調整することを要旨とする。
本発明の一は、レーザ発振器から射出したレーザビームを、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ及び短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイを通過させることにより長辺方向および短辺方向に分割し、分割されたレーザビームを、短辺方向重畳用シリンドリカルレンズを通過させることにより短辺方向に分割されたレーザビームを重畳させ、さらに長辺方向重畳用シリンドリカルレンズを通過させることにより、短辺方向に重畳されたレーザビームを屈折させ、短辺方向の均一面の位置を照射面寄りに形成するとともに、長辺方向に分割されたレーザビームを重畳させ、均一面を短辺方向投影用シリンドリカルレンズにより照射面に投影し、かつ長辺方向に分割されたレーザビームを照射面において重ね合わせることにより、長辺方向と短辺方向とを有する線状のビームスポットを照射面に照射するレーザ照射方法であって、画角の大きなレーザビームによる均一面から短辺方向投影用シリンドリカルレンズまでの距離と画角の小さなレーザビームによる均一面から短辺方向投影用シリンドリカルレンズまでの距離とが等しくなるように均一面を形成することを要旨とする。
本発明のレーザ照射方法において、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイを形成するシリンドリカルレンズには、レンズの母線に対して左右の幅が異なるシリンドリカルレンズを用い、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイを形成する全てのシリンドリカルレンズは、均一面から短辺方向投影用シリンドリカルレンズまでの距離が画角によらず一定となるように設計されていることを要旨とする。
本発明のレーザ照射方法において、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイを形成するシリンドリカルレンズには、レンズの母線に対して左右の幅が等しいシリンドリカルレンズと、レンズの母線に対して左右の幅が異なるシリンドリカルレンズとを用い、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイを形成する全てのシリンドリカルレンズは、均一面から短辺方向投影用シリンドリカルレンズまでの距離が画角によらず一定となるように設計されていることを要旨とする。
本発明の一は、レーザ発振器から射出したレーザビームを、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ及び短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイを通過させることにより長辺方向および短辺方向に分割し、分割されたレーザビームを、短辺方向重畳用シリンドリカルレンズを通過させることにより短辺方向に分割されたレーザビームを重畳させ、さらに長辺方向重畳用シリンドリカルレンズを通過させることにより、短辺方向に重畳されたレーザビームを屈折させ、短辺方向の均一面の位置を照射面寄りに形成するとともに、長辺方向に分割されたレーザビームを重畳させ、均一面を短辺方向投影用シリンドリカルレンズにより照射面に投影し、かつ長辺方向に分割されたレーザビームを照射面において重ね合わせることにより、長辺方向と短辺方向とを有する線状のビームスポットを照射面に照射するレーザ照射方法であって、画角の大きなレーザビームによる均一面から短辺方向投影用シリンドリカルレンズまでの距離が画角の小さなレーザビームによる均一面から短辺方向投影用シリンドリカルレンズまでの距離よりも短くなるように均一面を形成することを要旨とする。
本発明の一は、基板上に半導体膜を形成し、本発明のレーザ照射方法を用いて線状のビームスポットを半導体膜に照射し、半導体膜に対して線状のビームスポットを相対的に走査することにより、半導体膜全体をレーザアニールする半導体装置の作製方法を要旨とする。
本発明において、レーザ発振器には、エキシマレーザ、YAGレーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、YLFレーザまたはArレーザを用いる。
本発明では、レーザビーム成形用光学系において、短辺方向重畳用シリンドリカルレンズ(以下、第一の短辺方向集光用シリンドリカルレンズともいう)と短辺方向投影用シリンドリカルレンズ(以下、第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズともいう)との間に長辺方向重畳用シリンドリカルレンズ(以下、長辺方向集光用シリンドリカルレンズともいう)を配置する。凸レンズである長辺方向集光用シリンドリカルレンズ(長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズ)は、レーザビームが通過する位置によりレンズ厚さが異なる。ここで、第一の短辺方向集光用シリンドリカルレンズにより形成される均一面の位置は、長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズでの屈折の影響を受け、照射面寄りにずれることになる。そのずれ量はレンズ厚さが厚い領域で顕著となる。本発明の光学系は上記の特性を利用し、長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズで意図的に均一面の位置のずれを発生させ、均一面から第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズまでの距離を画角によらず一定とするものである。これにより、線状のビームスポットの長辺方向の中央から端まで全ての領域にわたり、像面湾曲による影響を受けず、レーザビームの焦点位置を照射面またはその近傍の平面に一致させることが可能となる。なお、本発明において、画角とはレーザビームの光路と光軸とがなす角度をいうものとする。また、前記の構成により、長辺方向における長さが従来より長いビームスポットを形成することが可能になる。これは、大面積基板を処理する際には特に有効となる。また、レーザビームの画角による影響を相殺できるため、光路長の短い光学系を構成することも可能である。さらに、本光学系においては、照射面におけるレーザビームのピント位置のずれを補正するコンペンセータ等の光学素子を光学系に導入する必要がないため、光学系を構成するレンズ数を削減することが可能である。これにより、光学調整が容易になる利点もある。また、フットプリントを抑えることが可能となり、装置の小型化が実現できる。そのため、単位面積辺りのコストが非常に高いクリーンルームに設置してもコストを抑えることが可能である。
以上の利点を満たした上で、アクティブマトリクス型の表示装置に代表される半導体装置において、半導体装置の動作特性および信頼性の向上を実現することができる。さらに、半導体装置のコストの低減を実現することができる。
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
本発明のレーザビームの成形の態様について、図1を参照して説明する。初めに、図1(a)の平面図により、線状のビームスポットの長辺方向の成形方法について説明する。ビームスポットの長辺方向の成形には長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ101と長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズ104を使用する。レーザビームの長辺方向の成形は、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ101で分割されたレーザビームを照射面において重ね合わせることで行われる。
また、図1(b)の側面図により線状のビームスポットの短辺方向の成形方法ついて説明する。レーザビームの短辺方向の成形は、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ102で分割されたレーザビームを第一の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ103で集光することにより、短辺方向のエネルギー分布の均一化された均一面105を形成し、その均一面105を第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ106で照射面107に投影することにより行われる。
ここで、本発明によるレーザ照射装置の光学系において、照射面に形成されるビームスポットのピント位置のずれを緩和できる理由を以下で詳しく説明する。図1(a)において、照射面上の点107aは長辺方向の画角の小さなレーザビームにより形成される点である。一方、照射面上の点107bは長辺方向の画角の大きなレーザビームにより形成される点である。また、均一面上の点105aは画角の小さなレーザビームにより形成される点であり、均一面上の点105bは画角の大きなレーザビームにより形成される点である。ここで、画角とはレーザビームの光路と光軸とがなす角度を言うものとする。例えば画角の大きなレーザビームの画角とは、図1(a)において、レーザビームの光路と凸シリンドリカルレンズ104の光軸とがなす角θをいう。図1(c)は長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズ104の側面図であり、線状のビームスポットの短辺方向にレーザビームが集光され、均一面が形成される様子を表している。
図1(c)の破線は、照射面上の点107aを形成するレーザビームが通過する光路を示したものである。上記のレーザビームの光路は長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズ104による屈折の影響を受け、長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズ104が無いときに形成される均一面の位置よりも照射面寄りに均一面が形成される。ここで、長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズ104の厚さをdとおくと、均一面の照射面寄りへのずれ量xは、下記の式(1)で近似することができる。
Figure 0005084137
なお、式(1)において、θは長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズ104へ入射するレーザビームの入射角(図1(c)中のθ)、nは長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズ104の屈折率である。また、図1(c)において、一点鎖線で示した光路は、照射面上の点107bを形成するレーザビームが通過する光路を示したものであり、長辺方向の画角の大きなレーザビームが通過する光路である。画角の大きなレーザビームも同様に、その光路は長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズ104による屈折の影響を受け、長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズ104が無いときに形成される均一面の位置よりも照射面寄りに均一面が形成される。なお、上記の一点鎖点で示した光路を通過するレーザビームは長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズ104の中央付近を通過するため、レンズ中央部でのレンズ厚さd’は前記のレンズ厚さdよりも厚くなる。ここで、均一面の照射面側へのずれ量xは、式(1)で表されるため、レンズ厚さが厚くなることにより、均一面の形成される位置もより照射面寄りにずれることになる。なお、上記の均一面のずれ量は、長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズの曲率半径等を変えることにより調整することができる。例えば、曲率半径が500mm、曲率を有する方向の長さが300mmの長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズを使用すると、レンズの最も厚い部分と最も薄い部分の差は40mm程度になる。そのため、このレンズにより、数mmから数十mm程度の均一面のずれを生じさせることができる。
このようにして、画角の大きなレーザビームについては長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズ104から均一面までの距離を、図1(a)中でL、画角の小さなレーザビームについては長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズ104から均一面までの距離を、L’とすると、L>L’とすることができる。前記の構成により、L>L’として画角による光路差を相殺するように均一面を形成することで、均一面105から第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ106までの距離をレーザビームの画角によらず一定とすることができる。すなわち図1中で均一面105から第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ106までの距離を、画角の大きなレーザビームについてはa、画角の小さなレーザビームについてはa’とすると、a≒a’とすることができる。
なお、上記光学系において、均一面105は第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ106により照射面107に投影される。したがって下記の式(2)で示す共役方程式が成立することになる。
Figure 0005084137
式(2)において、fは第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ106の焦点距離(焦点距離は近似的にレーザビームの画角によらずほぼ一定であるとする)、aは均一面105から第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ106までの距離である。また、bは第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ106から照射面107までの距離を表すため、式(2)により照射面におけるレーザビームのピント位置を算出することができる。
従来の光学系においては均一面から第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズまでの距離はレーザビームの画角により異なり、例えば、均一面から第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズまでの距離を、画角の大きなレーザビームについてはa、画角の小さなレーザビームについてはa’とすると、a>a’となっていた。そのため、第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズから照射点までの距離は、画角の大きなレーザビームについてはb、画角の小さなレーザビームについてはb’とするとb<b’となり、ピント位置のずれが増大していた。しかし、本発明のレーザ照射装置では上記の方法により、均一面から第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズまでの距離を画角によらず一定とすることができ、a=a’とすることができる。その結果、第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズから照射面までの距離をb=b’とすることができる。そのため、照射面におけるピント位置のずれを緩和させることが可能である。
上記した通り、本発明による光学系の大きな特徴は、長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズ104により、均一面の位置のずれを意図的に発生させ、それを活用することにより、画角に起因する均一面から第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズまでの距離のずれを相殺し、照射面におけるピント位置を補正するものである。また、本発明のもう一つの特徴は、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ101を構成するシリンドリカルレンズとして、レンズの芯取りを母線に対して左右非対称として行った軸外しシリンドリカルレンズを使用していることである。軸外しシリンドリカルレンズをシリンドリカルレンズアレイにして用いるとレーザビームの進行方向を所望の方向にコントロールできるため、上記の画角による光路差を相殺するなどの機能を持つ光学系の設計が容易になる利点がある。また、長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズ104の曲率半径を小さくする、すなわちレンズ厚さが中央部と端部で大きく異なるシリンドリカルレンズを使用することが可能になる。したがって、均一面のずれを容易に発生させることが可能になる。このようにして、図1には図示しないが、シリンドリカルレンズアレイを構成する全てのシリンドリカルレンズについても同様に均一面105から第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ106までの距離を等しくするように設計する。前記の構成により、照射面における焦点位置のずれを緩和することができる。レーザアニールを行う場合、処理が適切に行える焦点深度の範囲内にビームスポットの焦点位置が収まるようにすると良い。
なお、長いビームスポットを形成したり光路長を短くしようとすると、レーザビームの長辺方向の画角が大きくなり、均一面105から第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ106までの距離を一定とするだけでは照射面におけるピント位置の像面湾曲を十分に低減できない場合がある。その場合は、長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズの曲率半径や軸外しシリンドリカルレンズアレイの構成等を最適化することにより、均一面105から第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ106までの距離を調整し、画角の大きなレーザビームによる前記距離aを画角の小さなレーザビームによる前記距離a’よりも短くすればよい。この場合、a<a’となるため、式(2)より、第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズから照射点までの距離は、画角の大きなレーザビームについてはb、画角の小さなレーザビームについてはb’とするとb>b’となることがわかる。これにより、像面湾曲を補正するようにピント位置を照射面またはその近傍の平面に一致させることが可能になる。
なお、照射面におけるビームスポットの短辺方向の幅は、式(2)により求めることができ、均一面における短辺方向の幅と、倍率b/aにより決定される。ここで、a<a’とするなどして、均一面から第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズまでの距離をレーザビームの画角に依存して変化させると、上記の倍率が異なることになる。これにより、照射面において線状のビームスポットの短辺方向の幅が、線状のビームスポットの長辺方向の中央部と端部で異なることが予想される。しかし、レーザ照射装置で使用する光学系のフットプリント等を考慮すると、ビームスポットの短辺方向の幅の変動は大きくても±1%程度である。この変動は、例えば半導体膜のレーザアニールを行う場合、特性に与える影響は殆ど無いため無視できるものである。
前記のピント位置を照射面に一致させる方法のより大きな利点は、ビームスポットの中央から端までの全ての領域において、照射面上またはその近傍にピント位置を形成できることである。照射面に形成されるビームスポットはシリンドリカルレンズアレイにより分割されたレーザビームが重ね合わさり形成されたものであるが、焦点位置を外れた位置ではビームスポットの重ね合わせが不十分であるため、ビームスポットのエネルギー分布の変動が顕著となる。そのため、レーザアニールを正常に行うことが困難である。しかし、本発明によるレーザ照射装置は、焦点位置を照射面またはその近傍に一致させることが可能であるため、安定してレーザ照射を行うことが可能である。また、基板面内を均一にレーザアニール処理することが可能になる。
また、上記の方法は、均一面の位置ずれを積極的に活用することで、画角に起因する照射面でのピント位置のずれを緩和するものであり、本発明の光学系はこの知見を利用することを特徴としている。したがって、本発明の光学系ではレーザビームの画角を緩和させる必要がないため、光学系を構成するレンズの大きさを小さくできる。例えば、従来、レーザビームの画角を緩和させる方法としては、照射面に形成されるビームスポットの長辺方向の長さ程度にまでレーザビームを一旦長く伸ばしてから光学系を通過させる方法が知られていた。しかし、この方法の場合、必然的に光学系を構成するレンズは、照射面で得られる線状のビームスポットの長辺方向の長さよりも長いものとする必要があった。しかし、本発明のレーザ照射装置では、前記軸外しシリンドリカルレンズアレイを使用し、光線の進行方向を容易にコントロールして光学設計することが可能になる。また、レーザビームが大きな画角を持っている場合でも、小さな曲率半径を持つ長手方向集光用凸シリンドリカルレンズにより、ピント位置を補正することが可能である。したがって、ビームスポットの長辺方向の長さが短いレンズを使用しても、より長い線状のビームスポットを形成できる。
本発明は、上記した通り、線状のビームスポットの形成用光学系において、照射面に形成されるビームスポットのピント位置のずれを相殺するように、レーザビームの光路を最適化するものである。そのため、均一面から第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ106までの間で発生していた、レーザビームの画角に起因する光路差を相殺することができる。また、照射面における焦点位置のずれを緩和することが可能となる。そのため、レーザビームの画角が大きく、照射面において像面湾曲が著しい場合でも、線状のビームスポットの長辺方向の中央と端の焦点位置を照射面またはその近傍の平面上に一致させることが可能となる。
以下に、本発明のレーザ照射装置の一態様に関し、図2及び図3を用いて更に具体的に説明する。ここでは、レーザから射出されたレーザビームを長さ300mmのビームスポットに成形するための光学系について説明するが、本発明はビームスポットの長さを300mmに限定するものではなく、300mmよりも長い場合にも短い場合についても同様に適用できる。
なお、本明細書において、レンズの配置についての説明は、レーザビームの進行方向を前方としている。また、レンズはレーザビームの入射側を第1面、射出側を第2面と表す。そして、用いる曲率半径の符号は、曲率中心がレンズからみてレーザビームの入射側にあるときは負、射出側にあるときは正とし、平面の場合は∞とする。さらに、用いるレンズはすべて合成石英ガラス製(屈折率1.485634)とするが、これに限らない。また、用いるレーザの波長により合成石英ガラスの表面に施されているコーティング材を適切なものに変えれば、さまざまなレーザに適用できる。
まず図2(b)の平面図について説明する。レーザ発振器201から射出したレーザビームは、図2中、矢印の方向に伝播され、球面レンズ202a及び202bより構成されるビームエキスパンダーにより長辺方向および短辺方向ともにそれぞれ約2倍に拡大される。球面レンズ202aは半径50mm、厚さ7mm、第1面の曲率半径が−220mmであり、202bは半径50mm、厚さ7mm、第2面の曲率半径が−400mmである。なお、ビームエキスパンダーはレーザから射出されたレーザビームの形状が小さい場合に特に有効なものであり、レーザビームの大きさ等によっては用いなくてもよい。そして、ビームエキスパンダーを通過したレーザビームは、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ203a及び203bにより、レーザ光のビームスポットが短辺方向に分割される。短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ203aは、第1面の曲率半径が+200mmで、厚さが5mm、幅4mmのシリンドリカルレンズを曲率方向に8個並べたものである。短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ203bは第1面の曲率半径が−160mm、厚さ5mm、幅4mmのシリンドリカルレンズを曲率方向に8個並べたものである。また、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ203aは照射面から 2927mmの位置に配置し、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ203aと203bとの間隔は150mmとした。
その後、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ203bに対して照射面寄り301mmに置かれた第1面の曲率半径が+486mm、厚さ20mmの第一の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ205にて、レーザビームを集光する。これにより各アレイを透過した光線が一箇所に集光される。これにより、ビームスポットの短辺方向のエネルギー分布の均一化がなされ、形成された均一面を照射面に結像させることによって均一なエネルギー分布を持つビームスポットを形成することができる。ビームの結像を行うために、第一の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ205よりも照射面寄りに第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ207を配置する。そして、第一の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ205と第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ207との間に長辺方向集光用シリンドリカルレンズ206を配置する。長辺方向集光用シリンドリカルレンズは、レーザビームが通過する位置によりレンズ厚さが異なる。ここで、第一の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ205により形成される均一面の位置は、長辺方向集光用シリンドリカルレンズ206での屈折の影響を受け、照射面寄りにずれる。そのずれ量はレンズ厚さが厚い領域で顕著となる。この特性を利用して、長辺方向集光用シリンドリカルレンズ206で意図的に均一面の位置のずれを発生させ、均一面から第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ207までの距離を画角によらず一定とすることができる。
ビームの結像を行うために、第一の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ205から2180mm照射面寄りに第二の短辺方向集光用シリンドリカルレンズ207としてダブレットシリンドリカルレンズを配置する。ここでダブレットシリンドリカルレンズとは、2枚のシリンドリカルレンズで構成されているレンズのことをいう。前記ダブレットシリンドリカルレンズは、シリンドリカルレンズ207a及びシリンドリカルレンズ207bにより構成される。シリンドリカルレンズ207aは第1面の曲率半径が+125mm、第2面の曲率半径が+77mm、厚さ10mmであり、シリンドリカルレンズ207bは第1面の曲率半径が+97mm、第2面の曲率半径が−200mm、厚さ20mmである。また、2枚のシリンドリカルレンズの間隔は5.5mmである。これにより、レーザ光のビームスポットの短辺方向のエネルギー分布の均一化がなされ、短辺方向の長さが決定される。前記ダブレットシリンドリカルレンズは使用しなくとも構わないが、前記ダブレットシリンドリカルレンズを用いることにより、光学系と照射面との間に距離がとれるため、空間的な余裕ができる。前記ダブレットシリンドリカルレンズから光路上において230mmに配置した照射面208に光線を集光する。これにより、短辺方向に均一なエネルギー分布を持つビームを形成することができる。
次に、図2(a)の平面図について説明する。レーザ発振器201から射出したレーザビームは、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ204により、ビームスポットが長辺方向に分割される。長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ204は、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ203bから206mm照射面寄りに配置する。その後、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ204に対して照射面寄り310mmに置かれた第1面の曲率半径が+360mm、厚さ40mmの長辺方向集光用シリンドリカルレンズ206により、レーザビームは照射面208にて1つに合成される。これにより、レーザ光のビームスポットの長辺方向のエネルギー分布の均一化がなされ、長辺方向の長さが決定される。ここで、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ204は、第1面の曲率半径が+22mmで、厚さが5mm、幅10mmのシリンドリカルレンズを曲率方向に11個並べたものである。図3に長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ204の平面図を示す。長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ204の中央に配置したシリンドリカルレンズ3001は、レンズの母線に対して左右の幅が等しい通常のシリンドリカルレンズである。しかし、残りの10個のシリンドリカルレンズはレンズの母線に対して左右の幅が異なっている。シリンドリカルレンズ3002及び3003はレンズの母線がレンズの幅方向の中心軸から0.5mmレンズの外側方向にずれるよう作製されている。さらに、シリンドリカルレンズ3004及び3005はレンズの母線が幅方向の中心軸から1.0mm、シリンドリカルレンズ3006及び3007はレンズの母線が幅方向の中心線から1.6mm、シリンドリカルレンズ3008及び3009はレンズの母線が幅方向の中心線から2.2mm、シリンドリカルレンズ3010及び3011はレンズの母線が幅方向の中心線から2.9mm、レンズの外側にずれるよう作製したものである。以上のように長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ204を構成するシリンドリカルレンズが母線に対して左右の幅のずれ量を持つことにより、光線の進行方向を所望の方向へコントロールすることが可能である。前記の構成により、長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ204と長辺方向集光用シリンドリカルレンズ206を透過した光線を全て照射面の同一箇所に集光させることができる。
また、前記の構成により、照射面に形成されるビームスポットの焦点位置を、ビームスポットの長辺方向の位置によらず照射面またはその近傍に配置させることが可能となる。このような光学系により形成される照射面208におけるビームスポットのエネルギー分布の計算結果を図4に表す。図4は線状のビームスポットの短辺方向のエネルギー分布を示している。図4において実線はビームスポットの長辺方向の中央部におけるエネルギー分布であり、破線は中央部から150mmの位置におけるエネルギー分布である。図4より、ビームスポットの長辺方向における中央部と端部では、短辺方向の幅がほぼ等しくなっていることがわかる。これは、照射面において集光位置が一致していることに相当する。
なお、本実施形態では、長辺方向集光用シリンドリカルレンズとして第1面の曲率が正の平凸シリンドリカルレンズを用いているが、これに限らず、第1面の曲率が正、第2面の曲率が負となるような両凸シリンドリカルレンズ等を使用しても良い。他にも、第一の短辺方向集光用レンズの第2面に、長辺方向に平行な方向に負の曲率をつけ作製したクロスドシリンドリカルレンズなどを用いることもできる。
また、本実施形態では、照射面における形状が線状であるビームスポットを形成しているが、本発明は線状に限らない。例えば、図2において、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ203a、203bにより短辺方向への縮小機能を持たせているが、短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ203bを除去することで、レーザビームの縮小が行われないため、図2で示す光学系により形成されるビームスポットよりアスペクト比の小さいビームスポットが形成される。また、レーザから射出したレーザビームの形状はレーザの種類により異なり、光学系によって成形されるビームスポットは元の形状の影響を受けやすい。例えば、XeClエキシマレーザ(波長308nm、パルス幅30ns)から射出されたレーザビームの形状は、10mm×30mm(共にビームプロファイルにおける半値幅)の矩形状であり、固体レーザから射出されたレーザビームの形状は、ロッド形状が円筒形であれば円状となり、スラブ型であれば矩形状である。いずれの形状においても、被照射体のアニールに十分なエネルギー密度であるのなら問題はなく、本発明に適用することが可能である。
本発明のレーザ照射装置で使用するレーザ発振器は、大出力でかつ半導体膜によく吸収される波長域を有するものが好ましい。半導体膜として珪素(以下、「シリコン」とも記す)膜を用いた場合、非晶質珪素の吸収率を考慮し、用いるレーザ発振器の射出するレーザビームの波長は600nm以下であることが好ましい。このようなレーザビームを射出するレーザ発振器には、例えば、エキシマレーザ、YAGレーザ(高調波)、ガラスレーザ(高調波)などがある。また、現在の技術ではまだ大出力は得られていないが、珪素膜の結晶化に適当な波長のレーザビームを発振するレーザ発振器として、例えば、YVOレーザ(高調波)、YLFレーザ(高調波)、Arレーザなどがある。
次に、本発明のレーザ照射装置を用いた使用態様として、半導体装置を作製する場合について説明する。まず、大きさが600×720×0.7mmのガラス基板を用意する。この基板には600℃までの温度であれば充分な耐久性のあるものを使用する。前記ガラス基板上に下地膜として厚さ200nmの酸化珪素膜を成膜する。さらに、その上から厚さ55nmの非晶質珪素膜を成膜する。成膜は、共にスパッタ法、あるいはプラズマCVD法にて行う。
前記成膜済の基板を、450℃の窒素雰囲気中で1時間加熱する。本工程は非晶質珪素膜中の水素濃度を減らすための工程である。膜中の水素が多すぎると膜がレーザエネルギーに対して耐えきれないので本工程をいれる。前記膜内の水素の濃度は1020/cm程度が適当である。ここで、1020/cmとは、1cmあたりに水素原子が1020個存在するという意味である。
本作製方法の具体例においては、レーザ発振器として、ラムダフィジック社製STEEL1000(XeClエキシマレーザ)を使う。該エキシマレーザは、パルスレーザであり、最大エネルギーは、1パルスあたり1000mJ、発振波長は308nm、最大周波数は300Hzである。基板1枚をレーザ処理する間、該パルスレーザの1パルスごとのエネルギー変動は、±5%以内、好ましくは±2%以内に収まっていると、均一な結晶化が行える。ここで述べているレーザエネルギーの変動は、以下のように定義する。すなわち、基板1枚を照射している期間のレーザエネルギーの平均値を基準とし、その期間の最小エネルギーまたは最大エネルギーと前記平均値との差を%で表したものである。
レーザビームの照射は例えば、図2に示した照射面208をのせたステージを長方形状のビームスポットの短辺方向に走査させながら行う。このとき、被照射面におけるビームスポットのエネルギー密度や、走査のスピードなどのプロセス条件は、実施者が適宜決めればよい。そのプロセス条件のおおよその目安として、エネルギー密度は300mJ/cm〜1000mJ/cmの範囲、走査のスピードは、長方形状のビームスポットの短辺方向の幅が90%程度もしくはそれ以上で互いに重なり合う範囲で適当なものを選ぶと、均一なレーザアニールを行える可能性が高い。最適な走査スピードは、レーザ発振器の周波数に依存し、比例すると考えてよい。
以上の処理を行うことにより、レーザアニール工程が終了する。前記工程を繰り返すことにより、多数の基板を処理できる。該基板を利用して例えばアクティブマトリクス型の液晶ディスプレイやELディスプレイを公知の方法に従って作製することができる。本作製方法においては、レーザ発振器にエキシマレーザを用いた。エキシマレーザはコヒーレント長が数μmと非常に小さいため、前記例の光学系に適している。
以下に示すレーザにはコヒーレント長が長いものもあるが、作為的にコヒーレント長を変えたものを用いればよい。YAGレーザの高調波やガラスレーザの高調波を用いても同様な大出力が得られ、かつ珪素膜にレーザビームのエネルギーが良く吸収されるので好ましい。珪素膜の結晶化に適当なレーザ発振器として、YVOレーザ(高調波)、YLFレーザ(高調波)、Arレーザなどがある。これらのレーザビームの波長域は珪素膜によく吸収される。
前記した半導体装置の作製方法における具体例については、非単結晶半導体膜には非晶質珪素膜を使ったが、本発明は他の非単結晶半導体にも適用できることが容易に推測できる。例えば、非単結晶半導体膜に非晶質珪素ゲルマニウム膜などの非晶質構造を有する化合物半導体膜を使用しても良い。あるいは、非単結晶半導体膜に多結晶珪素膜を使用してもよい。
以下において、本発明に関し、半導体装置を作製するための実施例を挙げて更に具体的に説明する。
以下に本発明を用いたTFTの作製手順を簡略に図5を用いて示す。
図5(A)中、10は、絶縁表面を有する基板、11はブロッキング層となる絶縁膜、14はレーザビームの照射によって結晶構造を有する半導体膜である。
図5(A)において、基板10はガラス基板、石英基板、セラミック基板などを用いることができる。また、シリコン基板、金属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。また、本工程の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよい。
まず、図5(A)に示すように基板10上に酸化珪素膜、窒化珪素膜または酸化窒化珪素膜(SiO:x>y>0)等の絶縁膜から成る下地絶縁膜11を形成する。代表的な一例は下地絶縁膜11として2層構造から成り、SiH、NH、及びNOを反応ガスとして成膜される窒化酸化珪素膜を50〜100nm、SiH、及びNOを反応ガスとして成膜される酸化窒化珪素膜を100〜150nmの厚さに積層形成する構造が採用される。また、下地絶縁膜11の一層として膜厚10nm以下の窒化珪素膜(SiN膜)、或いは窒化酸化珪素膜(SiN:x>y>0)を用いることが好ましい。また、窒化酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化珪素膜とを順次積層した3層構造を用いてもよい。
次いで、下地絶縁膜上に非晶質構造を有する半導体膜を形成する。半導体膜は、シリコンを主成分とする半導体材料を用いる。代表的には、非晶質シリコン膜又は非晶質シリコンゲルマニウム膜などを公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)により25〜80nm(好ましくは30〜60nm)の厚さで成膜する。本実施例では、プラズマCVD法を用い、55nmの非晶質珪素膜を成膜する。次いで、結晶化処理を行って結晶構造を有する半導体膜を得る。この結晶化処理は、発明の実施の形態に示したレーザ結晶化法を用いて行う。もちろん、レーザ結晶化法だけでなく、他の公知の結晶化処理(RTAやファーネスアニール炉等を利用した熱結晶化法、ニッケル等の触媒を用いた熱結晶化法等)と組み合わせて行ってもよい。
図5(A)は半導体膜14に本発明のレーザ照射方法を適用して、レーザ結晶化法により結晶質珪素膜を形成した工程断面図である。この工程により結晶構造を有する半導体膜を得ることができる。また、図5レーザ結晶化法以外の方法で得られた結晶構造を有する半導体膜の結晶化率を高めるために本発明のレーザ光を照射する工程を行ってもよい。その場合には、レーザ光を照射する前に形成される表面の自然酸化膜を除去しておくことが好ましい。レーザ照射方法については発明の実施の形態で示した方法を採用するのが好ましい。
レーザ照射に用いるレーザ発振器としては、紫外光、可視光、又は赤外光を発振することが可能なレーザ発振器を用いることができる。レーザ発振器としては、KrF、ArF、KrF、XeCl、Xe等のエキシマレーザ発振器、He、He−Cd、Ar、He−Ne、HF等の気体レーザ発振器、YAG、GdVO、YVO、YLF、YAlOなどの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶を使った固体レーザ発振器、GaN、GaAs、GaAlAs、InGaAsP等の半導体レーザ発振器を用いることができる。なお、固体レーザ発振器においては、基本波の第1高調波〜第5高調波を適用するのが好ましい。
代表的には、レーザ光として波長400nm以下のエキシマレーザ光や、YAGレーザの第2高調波、第3高調波を用いる。例えば、繰り返し周波数10Hz〜100MHz程度のパルスレーザ光を用いる。
これらのレーザを用いる場合には、レーザ発振器から放射されたレーザビームを光学系で線状に集光し半導体膜に照射する方法を用いる。結晶化の条件は実施者が適宣選択するものであるが、エキシマレーザを用いる場合はパルス発振周波数30〜300Hzとし、レーザーエネルギー密度を100〜800mJ/cm(代表的には200〜700mJ/cm)とする。また、YAGレーザを用いる場合にはその第2高調波を用いパルス発振周波数1〜10000Hzとし、レーザエネルギー密度を300〜1000mJ/cm(代表的には350〜800mJ/cm)とすると良い。そして幅100〜1000μm、例えば400μmで線状に集光したレーザビームを基板全面に渡って照射する。
次いで、フォトリソ技術を用いて選択的にエッチングを行い、半導体層17を得る。(図5(B))エッチングにおけるレジストマスク形成を行う前には半導体層を保護するためにオゾン含有水溶液、または酸素雰囲気でのUV照射によってオゾンを発生させて酸化膜を形成している。ここでの酸化膜はレジストのぬれ性を向上させる効果もある。
なお、必要があれば、選択的なエッチングを行う前に、TFTのしきい値を制御するために微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピングを上記酸化膜を介して行う。上記酸化膜を介してドーピングを行った場合には、酸化膜を除去し、再度オゾン含有水溶液によって酸化膜を形成する。
次いで、半導体層17の表面を覆って、ゲート絶縁膜18となる珪素を主成分とする絶縁膜を形成する。(図5(C))ここでは工程数削減のため、酸化膜を除去せずにゲート絶縁膜18を形成する。なお、ゲート絶縁膜18を形成する前に酸化膜をフッ酸を含むエッチャントにより除去してもよい。また、半導体層17の酸化膜を完全に除去する必要は特になく、薄く酸化膜を残していてもよい。オーバーエッチングして半導体層17を露呈させてしまうと、半導体層17の表面が不純物で汚染される恐れがある。
次いで、ゲート絶縁膜18の表面を洗浄した後、ゲート電極19を形成する。次いで、半導体にn型を付与する不純物元素(P、As等)、ここではリンを適宜添加して、ソース領域20及びドレイン領域21を形成し、チャネル形成領域22を画定する。次いで、層間絶縁膜31を形成する。この層間絶縁膜31としては、プラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを100〜200nmとして珪素を含む絶縁膜で形成する。本実施例では、プラズマCVD法により膜厚150nmの酸化窒化珪素膜を形成した。もちろん、層間絶縁膜31は酸化窒化珪素膜に限定されるものでなく、他の珪素を含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。その後、不純物元素を活性化するために加熱処理、強光の照射、またはレーザ光の照射を行う。また、活性化と同時にゲート絶縁膜へのプラズマダメージやゲート絶縁膜と半導体層との界面へのプラズマダメージを回復することができる。特に、室温〜300℃の雰囲気中において、表面または裏面からYAGレーザの第2高調波を照射して不純物元素を活性化させることは非常に有効である。YAGレーザはメンテナンスが少ないため好ましい活性化手段である。レーザアニール法を用いる場合には、発明の実施の形態で示した方法を採用するのが好ましい。
以降の工程は、層間絶縁膜23を形成し、水素化を行って、ソース領域、ドレイン領域に達するコンタクトホールを形成し、導電膜を成膜して選択的にエッチングを行い、ソース電極24、ドレイン電極25を形成してTFT(nチャネル型TFT)を完成させる。(図5(E))ソース電極24、ドレイン電極25は、Mo、Ta、W、Ti、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料の単層、またはこれらの積層で形成する。例えば、Ti膜と、純Al膜と、Ti膜との3層構造、或いはTi膜と、NiとCを含むAl合金膜と、Ti膜との3層構造を用いる。さらに後の工程で層間絶縁膜等を形成することを考慮して、電極断面形状をテーパー形状とすることが好ましい。
また、本発明は図5(E)のTFT構造に限定されず、必要があればチャネル形成領域とドレイン領域(またはソース領域)との間にLDD(Lightly Doped Drain)領域を有する構造としてもよい。この構造はチャネル形成領域と、高濃度に不純物元素を添加して形成するソース領域またはドレイン領域との間に低濃度に不純物元素を添加した領域を設けたものであり、この領域をLDD領域と呼んでいる。さらにゲート絶縁膜を介してLDD領域をゲート電極と重ねて配置させた構造としてもよい。
また、ここではnチャネル型TFTを用いて説明したが、n型不純物元素に代えてp型不純物元素を用いることによってpチャネル型TFTを形成することができることは言うまでもない。
また、ここではトップゲート型TFTを例として説明したが、TFT構造に関係なく本発明を適用することが可能であり、例えばボトムゲート型(逆スタガ型)TFTや順スタガ型TFTに適用することが可能である。
本発明のレーザアニール方法を採用することにより、輻射加熱あるいは伝導加熱を利用するアニール法と比較し、処理時間を大幅に短縮でき、また基板を選択的に加熱して、基板に殆ど熱的損傷を与えないで処理を行うことができる。そして、照射面におけるレーザ光の形状が線状となるように光学系にて成形し、レーザ光の照射位置を照射面に対し相対的に移動させて照射することで、一度に広い面積の半導体をアニールすることができ、高い生産性を持つため工業的に優れている。本発明のレーザアニール方法を採用することにより、レーザ光の形状を線状に成形するときに、その線方向の両端のピント位置がずれないように成形できるため、基板に対して一様にアニールを行うことができる。
本実施例では、有機ELディスプレイ、又は有機発光ダイオードとも呼ばれているEL素子を有する発光装置(図6)の作製方法について説明する。
なお、有機化合物を含む層を発光層とするEL素子は、有機化合物を含む層(以下、EL層と記す)が陽極と、陰極との間に挟まれた構造を有し、陽極と陰極とに電界を加えることにより、EL層からルミネッセンス(Electro Luminescence)が生じる。またEL素子からの発光は、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)とがある。
まず、基板810上に下地絶縁膜811を形成する。基板810側を表示面として発光を取り出す場合、基板810としては、光透過性を有するガラス基板や石英基板を用いればよい。また、処理温度に耐えうる耐熱性を有する光透過性のプラスチック基板を用いてもよい。また、基板810側とは逆の面を表示面として発光を取り出す場合、前述の基板の他にシリコン基板、金属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。ここでは基板810としてガラス基板を用いる。なお、ガラス基板の屈折率は1.55前後である。
下地絶縁膜811としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜から成る下地膜を形成する。ここでは下地膜として2層構造を用いた例を示すが、前記絶縁膜の単層膜または2層以上積層させた構造を用いても良い。なお、特に下地絶縁膜を形成しなくてもよい。
次いで、下地絶縁膜上に半導体層を形成する。半導体層は、非晶質構造を有する半導体膜を公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)により成膜する。次いで、結晶化処理を行って得られた結晶質半導体膜を得る。この結晶化処理は、発明の実施の形態に示したレーザ結晶化法を用いて行う。もちろん、レーザ結晶化法だけでなく、他の公知の結晶化処理(RTAやファーネスアニール炉等を利用した熱結晶化法、ニッケルなどの触媒を用いた熱結晶化法等)と組み合わせて行ってもよい。結晶質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(SiGe)合金などで形成すると良い。なお、レーザ光に用いるレーザ発振器としては、紫外光、可視光、又は赤外光を発振することが可能なレーザ発振器を用いることができる。代表的には、レーザ光として波長400nm以下のエキシマレーザ光や、YAGレーザの第2高調波、第3高調波を用いる。例えば、繰り返し周波数10Hz〜100MHz程度のパルスレーザ光を用いる。
また、非晶質構造を有する半導体膜の結晶化処理または結晶化後のレーザ光照射に連続発振のレーザを用いてもよく、非晶質半導体膜の結晶化に際し、大粒径に結晶を得るためには、連続発振が可能な固体レーザを用い、基本波の第2高調波〜第4高調波を適用するのが好ましい。代表的には、Nd:YVOレーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を適用すればよい。
次いで、オゾン水で表面に約2nmの極薄い酸化膜を形成する。次いで、TFTのしきい値を制御するために微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピングを行う。本実施例では、ジボラン(B)を質量分離しないでプラズマ励起したイオンドープ法を用い、ドーピング条件を加速電圧15kV、ジボランを水素で1vol%に希釈したガス流量30sccm、ドーズ量2×1012/cmで非晶質シリコン膜にボロンを添加する。
次いで、表面の極薄い酸化膜を除去し、再度、薄い酸化膜を形成した後、第1のフォトマスクを用いてレジストからなるマスクを形成し、所望の形状にエッチング処理して島状に分離された半導体層を形成する。なお、この段階で半導体層の厚さは25〜80nm(好ましくは30〜70nm)の厚さとなるように設定する。
次いで、フッ酸を含むエッチャントで酸化膜を除去すると同時にシリコン膜の表面を洗浄した後、ゲート絶縁膜812となる珪素を主成分とする絶縁膜を形成する。ここでは、プラズマCVD法により115nmの厚さで酸化窒化シリコン膜(組成比Si:O:N:H=32:59:7:2)で形成する。
次いで、ゲート絶縁膜812上に膜厚20〜100nmの第1の導電膜と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜とを積層形成する。本実施例では、ゲート絶縁膜上に膜厚50nmの窒化タンタル膜、膜厚370nmのタングステン膜を順次積層する。第1の導電膜及び第2の導電膜を形成する導電性材料としてはTa、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成する。
次いで、第2のフォトマスクを用いてレジストマスクを形成し、ドライエッチング法またはウェットエッチング法を用いてエッチングを行う。このエッチング工程によって、導電膜をエッチングして、導電層814a、814b、815a、815bを得る。本実施例では、ICP(Inductively Coupled Plasma)エッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することによって所望のテーパー形状に膜を1回または複数回エッチングする。なお、エッチング用ガスとしては、Cl、BCl、SiCl、CClなどを代表とする塩素系ガスまたはCF、SF、NFなどを代表とするフッ素系ガス、またはOを適宜用いることができる。導電層814aのテーパー部の角度は15〜45°とし、導電層814bのテーパー部の角度は60〜89°とする。
なお、導電層814a、814bはTFTのゲート電極となり、導電層815a、815bは端子電極となる。
次いで、レジストマスクを除去した後、第3のフォトマスクを用いてレジストマスクを新たに形成し、ここでは図示しないnチャネル型TFTを形成するため、半導体にn型を付与する不純物元素(代表的にはリン、またはAs)を低濃度にドープするための第1のドーピング工程を行う。レジストマスクは、pチャネル型TFTとなる領域と、導電層の近傍とを覆う。この第1のドーピング工程によって絶縁膜を介してドープを行い、低濃度不純物領域を形成する。一つの発光素子は、複数のTFTを用いて駆動させるが、pチャネル型TFTのみで駆動させる場合には、上記ドーピング工程は特に必要ない。
次いで、レジストマスクを除去した後、第4のフォトマスクを用いてレジストマスクを新たに形成し、半導体にp型を付与する不純物元素(代表的にはボロン)を高濃度にドープするための第2のドーピング工程を行う。この第2のドーピング工程によってゲート絶縁膜812を介してドープを行い、p型の高濃度不純物領域817、818を形成し、チャネル形成領域819を画定する。
次いで、第5のフォトマスクを用いてレジストマスクを新たに形成し、ここでは図示しないnチャネル型TFTを形成するため、半導体にn型を付与する不純物元素(代表的にはリン、またはAs)を高濃度にドープするための第3のドーピング工程を行う。第3のドーピング工程におけるイオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×1015/cmとし、加速電圧を60〜100keVとして行う。レジストマスクは、pチャネル型TFTとなる領域と、導電層の近傍とを覆う。この第3のドーピング工程によってゲート絶縁膜812を介してドープを行い、n型の高濃度不純物領域を形成する。
この後、レジストマスクを除去し、水素を含む絶縁膜813を成膜した後、半導体層に添加された不純物元素の活性化および水素化を行う。水素を含む絶縁膜813は、PCVD法により得られる窒化酸化珪素膜(SiN:x>y>0)を用いる。不純物元素の活性化および水素化は、加熱処理、強光の照射、またはレーザ光の照射によって行う。この処理により、同時にゲート絶縁膜へのプラズマダメージやゲート絶縁膜と半導体層との界面へのプラズマダメージを回復することができる。特に、室温〜300℃の雰囲気中において、表面または裏面からYAGレーザの第2高調波を照射して不純物元素を活性化させることは非常に有効である。YAGレーザはメンテナンスが少ないため好ましい活性化手段である。レーザアニール法を用いる場合には、発明の実施の形態で示した方法を採用するのが好ましい。なお、水素を含む絶縁膜813は、層間絶縁膜の1層目であり、酸化珪素を含んでいる。
次いで、層間絶縁膜の2層目となる高耐熱性平坦化膜816を形成する。高耐熱性平坦化膜816としては、塗布法によって得られるシリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される絶縁膜を用いる。本実施例では、塗布カップ内に基板が水平に収納され、塗布カップごと全体が回転する機構と、塗布カップ内の雰囲気は圧力制御することができる機構とを備えたスピン式の塗布装置を用い、シロキサン系ポリマーを溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテル(分子式:CHOCHCH(OH)CH))に溶解させた液状原料に用いた塗布材料液をノズルから滴下しながら徐々に基板をスピン(回転数0rpm→1000rpm)させて塗布材料液を遠心力で万遍なく広げる。次いで、塗布装置に備えられたエッジリムーバーによって、エッジ除去処理を行う。次いで、110℃のベークを170秒行ってプリベークを行う。次いで、スピン式の塗布装置から基板を搬出して冷却した後、さらに270℃、1時間の焼成を行う。こうして膜厚0.8μmの高耐熱性平坦化膜816を形成する。
なお、シロキサンの構造により、例えば、シリカガラス、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化シルセスキオキサンポリマー、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマーなどに分類することができる。シロキサン系ポリマーの一例としては、東レ製塗布絶縁膜材料であるPSB−K1、PSB−K31や触媒化成製塗布絶縁膜材料であるZRS−5PHが挙げられる。
次いで、高耐熱性平坦化膜816の脱水のため250℃〜410℃、1時間の加熱を行う。なお、この加熱処理で半導体層に添加された不純物元素の活性化および水素化を兼ねてもよい。また、高耐熱性平坦化膜816上に3層目の層間絶縁膜として、PCVD法により得られる窒化酸化珪素膜(SiN(x>y>0):膜厚100nm〜200nm)を形成してもよい。3層目の層間絶縁膜を形成した場合、三層目は後に形成される配線822または第1の電極をマスクとして選択的に除去することが好ましい。
次いで、第6のマスクを用いて高耐熱性平坦化膜816にコンタクトホールを形成すると同時に周縁部の高耐熱性平坦化膜816を除去する。ここでは、絶縁膜813と選択比が取れる条件でエッチング(ウェットエッチングまたはドライエッチング)を行う。用いるエッチング用ガスに限定はないが、ここではCF、O、He、Arとを用いることが適している。
次いで、第6のマスクをそのままマスクとしてエッチングを行い、露呈しているゲート絶縁膜812、絶縁膜813を選択的に除去する。エッチング用ガスにCHFとArを用いてゲート絶縁膜812、絶縁膜813のエッチング処理を行う。なお、半導体層上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。
次いで、第6のマスクを除去し、導電膜(Ti、Al、Tiの順で積層した導電膜、或いはMo、Al、Moの順で積層した導電膜)を形成した後、第7のマスクを用いてエッチングを行い、配線822を形成する。
次いで、第8のマスクを用いて第1の電極823R、823G、即ち、有機発光素子の陽極(或いは陰極)を形成する。第1の電極823R、823Gの材料としては、Ti、TiN、TiSi、Ni、W、WSi、WN、WSi、NbN、Cr、Pt、Zn、Sn、In、またはMoから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料、あるいはこれらの合金材料もしくは化合物材料を主成分とする膜またはそれらの積層膜を総膜厚100nm〜800nmの範囲で用いればよい。
なお、基板810側を表示面として発光を取り出す場合には、第1の電極の材料として、ITSO(酸化珪素を含むITO(インジウム錫酸化物))を用いる。ITSOは、熱処理しても結晶化しないので平坦性がよく、洗浄や研磨を行って凸部をなくす処理が特に必要ないため第1の電極の材料として望ましい。ITSOの他、酸化珪素を含み酸化インジウムに2〜20at%の酸化亜鉛(ZnO)を混合した透光性酸化物導電膜などの透明導電膜を用いても良い。また、Gaを含むZnO(GZOとも呼ばれる)の透明導電膜を用いても良い。
次いで、第9のマスクを用いて第1の電極823R、823Gの端部を覆う絶縁物829(隔壁、障壁などと呼ばれる)を形成する。絶縁物829としては、塗布法により得られる有機樹脂膜、或いはSOG(Spin on Glass)膜(例えば、アルキル基を含むSiOx膜)を膜厚0.8μm〜1μmの範囲で用いる。
次いで、有機化合物を含む層である正孔注入層824H、発光層824R、824G、電子輸送層824Eを、蒸着法または塗布法を用いて形成する。なお、信頼性を向上させるため、正孔注入層824Hの形成前に真空加熱を行って脱気を行うことが好ましい。例えば、有機化合物材料の蒸着を行う前に、基板に含まれるガスを除去するために減圧雰囲気や不活性雰囲気で200℃〜400℃の加熱処理を行うことが望ましい。本実施例では、層間絶縁膜を高耐熱性を有するSiOx膜で形成しているため、高い加熱処理に耐えうる。
また、スピンコートを用いた塗布法により有機化合物を含む層を形成する場合、塗布した後、真空加熱で焼成することが好ましい。例えば、正孔注入層824Hとして作用するポリ(エチレンジオキシチオフェン)と、ポリ(スチレンスルホン酸)の水溶液(それぞれ、PEDOT、PSSとも呼ぶ)を全面に塗布、焼成する。
また、正孔注入層は蒸着法によって形成してもよく、例えば、酸化モリブデン(MoOx:x=2〜3)等の酸化物とα−NPDや、該酸化物とルブレンを共蒸着して形成し、ホール注入性を向上させることもできる。
次いで、有機化合物を含む層である発光層824R、824G、電子輸送層824Eの形成に蒸着法を用い、真空度が0.665Pa以下、好ましくは0.133×10−1〜10−3Torrまで真空排気された成膜室で蒸着を行う。蒸着の際、予め、抵抗加熱により有機化合物は気化されており、蒸着時にシャッターが開くことにより基板の方向へ飛散する。気化された有機化合物は、上方に飛散し、メタルマスクに設けられた開口部を通って基板に蒸着される。
フルカラー化するために、発光色(R、G、B)ごとにマスクのアライメントを行う。なお、白色の発光を示す電界発光層を形成し、カラーフィルタ、又はカラーフィルタ及び色変換層などを別途設けることによってフルカラー表示を行うこともできる。
例えば、発光層824RとしてDCMが添加されたAlqを40[nm]成膜し、赤色発光領域を形成する。また、発光層824GとしてDMQDが添加されたAlqを40[nm]成膜し、緑色発光領域を形成する。また、ここでは図示していないが青色の発光層としてCBP(4,4’−ビス(N−カルバゾリル)−ビフェニル)が添加されたPPD(4,4’−ビス(N−(9−フェナントリル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル)を30nm、ブロッキング層としてSAlq(ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム)を10[nm]成膜し、青色発光領域を形成する。
次いで、電子輸送層824EとしてAlqを40[nm]成膜する。
次いで、第2の電極825、即ち、有機発光素子の陰極(或いは陽極)を形成する。第2の電極825の材料としては、MgAg、MgIn、AlLi、CaF、Caなどの合金、または周期表の1族もしくは2族に属する元素とアルミニウムとを共蒸着法により形成した膜を用いればよい。第2の電極825に透光性を持たせる場合には、透明導電膜を形成すればよい。
また、第2の電極825を形成する前に陰極バッファ層としてCaF、MgF、またはBaFからなる透光性を有する層(膜厚1nm〜5nm)を形成してもよい。
また、第2の電極825を保護する保護層(窒化珪素または炭素を主成分とする薄膜)を形成してもよい。
次いで、封止基板833をシール材828で貼り合わせて発光素子を封止する。シール材828が高耐熱性平坦化膜816の端部(テーパー部)を覆うように貼りあわせる。なお、シール材828で囲まれた領域には透明な充填材827を充填する。充填材827としては、透光性を有している材料であれば特に限定されず、代表的には紫外線硬化または熱硬化のエポキシ樹脂を用いればよい。また、充填材827に乾燥剤を含ませてもよい。ここでは屈折率1.50、粘度500cps、ショアD硬度90、テンシル強度3000psi、Tg点150℃、体積抵抗1×1015Ω・cm、耐電圧450V/milである高耐熱のUVエポキシ樹脂(エレクトロライト社製:2500Clear)を用いる。また、充填材827を一対の基板間に充填することによって、全体の透過率を向上させることができる。
また、液滴吐出法により不活性気体雰囲気または減圧下で封止基板833上にシール材828をパターン形成した後、シールパターン内にインクジェット装置またはディスペンサ装置で充填材827を滴下し、気泡が入らないように減圧下で一対の基板を貼りあわせてもよい。貼りあわせると同時に紫外線照射や熱処理を行って、減圧下でシール材828を硬化させてもよい。なお、紫外線照射に加えて、熱処理を行ってもよい。
また、シール材828で囲まれた領域を乾燥した不活性気体で充填してもよい。気体で充填する場合、封止基板833の一部を削って凹部を形成し、その凹部に乾燥剤を配置することが好ましい。
最後にFPC(フレキシブルプリントサーキット)832を異方性導電膜831により公知の方法で端子電極として用いられる導電層815a、815bと貼りつける。導電層815a、815bは、ゲート配線と同時に形成される。(図6(A))なお、第1の電極823R、823Gを形成する際、導電層815a、815b上に透明導電膜を形成してもよい。
また、上面図を図6(B)に示す。図6(B)に示すように、高耐熱性平坦化膜の端部834がシール材828で覆われている。なお、図6(B)中の鎖線A−Bで切断した断面図が図6(A)に相当する。
こうして作製されたアクティブマトリクス型発光装置は、TFTの層間絶縁膜として高耐熱性平坦化膜816、代表的にはシリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される材料とし、さらに第1の電極にも酸化珪素を含ませている。アクティブマトリクス型発光装置の構成材料を比較的安定である酸化珪素を含む材料として、発光装置の信頼性を向上させている。
第1の電極を透明材料、第2の電極を金属材料とすれば、基板810を通過させて光を取り出す構造、即ちボトムエミッション型となる。また、第1の電極を金属材料、第2の電極を透明材料とすれば、封止基板833を通過させて光を取り出す構造、即ちトップエミッション型となる。また、第1の電極および第2の電極を透明材料とすれば、基板810と封止基板833の両方を通過させて光を取り出す構造とすることができる。本発明は、適宜、いずれか一の構造とすればよい。
また、本発明の発光装置において、画面表示の駆動方法は特に限定されず、例えば、点順次駆動方法や線順次駆動方法や面順次駆動方法などを用いればよい。代表的には、線順次駆動方法とし、時分割階調駆動方法や面積階調駆動方法を適宜用いればよい。また、発光装置のソース線に入力する映像信号は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよく、適宜、映像信号に合わせて駆動回路などを設計すればよい。
さらに、ビデオ信号がデジタルの発光装置において、画素に入力されるビデオ信号が定電圧(CV)のものと、定電流(CC)のものとがある。ビデオ信号が定電圧のもの(CV)には、発光素子に印加される電圧が一定のもの(CVCV)と、発光素子に印加される電流が一定のもの(CVCC)とがある。また、ビデオ信号が定電流のもの(CC)には、発光素子に印加される電圧が一定のもの(CCCV)と、発光素子に印加される電流が一定のもの(CCCC)とがある。
また、本発明の発光装置において、静電破壊防止のための保護回路(保護ダイオードなど)を設けてもよい。
また、TFT構造に関係なく本発明を適用することが可能であり、例えば、トップゲート型TFTや、ボトムゲート型(逆スタガ型)TFTや、順スタガ型TFTを用いることが可能である。また、シングルゲート構造のTFTに限定されず、複数のチャネル形成領域を有するマルチゲート型TFT、例えばダブルゲート型TFTとしてもよい。
またコントラストを高めるため、偏光板又は円偏光板を設けてもよい。例えば、表示面の一面又は両面に偏光板、若しくは円偏光板を設けることができる。
本発明のレーザアニール方法を採用することにより、輻射加熱あるいは伝導加熱を利用するアニール法と比較し、処理時間を大幅に短縮でき、また基板を選択的に加熱して、基板に殆ど熱的損傷を与えないで処理を行うことができる。そして、照射面におけるレーザ光の形状が線状となるように光学系にて成形し、レーザ光の照射位置を照射面に対し相対的に移動させて照射することで、一度に広い面積の半導体をアニールすることができ、高い生産性を持つため工業的に優れている。本発明のレーザアニール方法を採用することにより、レーザ光の形状を線状に成形するときに、その線方向の両端のピント位置がずれないように成形できるため、基板に対して一様にアニールを行うことができる。
実施例2では、画素部と端子部のみを図示したが、本実施例では、画素部と駆動回路と端子部とを同一基板上に形成する例を図7に示す。
基板1610上に下地絶縁膜を形成した後、各半導体層を形成する。次いで、半導体層を覆うゲート絶縁膜を形成した後、各ゲート電極、端子電極を形成する。次いで、nチャネル型TFT1636を形成するため、半導体にn型を付与する不純物元素(代表的にはリン、またはAs)をドープし、pチャネル型TFT1637を形成するため、半導体にp型を付与する不純物元素(代表的にはボロン)をドープしてソース領域およびドレイン領域、必要であればLDD領域を適宜形成する。
次いで、層間絶縁膜となる高耐熱性平坦化膜1616を形成する。高耐熱性平坦化膜1616としては、塗布法によって得られるシリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される絶縁膜を用いる。
次いで、マスクを用いて水素を含むSiN膜(x>y>0)および高耐熱性平坦化膜にコンタクトホールを形成すると同時に基板の周縁部の高耐熱性平坦化膜を除去する。SiN膜(x>y>0)および高耐熱性平坦化膜は1回のエッチングでテーパー形状としてもよいし、複数のエッチングによってテーパー形状にしてもよい。
次いで、高耐熱性平坦化膜1616をマスクとしてエッチングを行い、露呈している水素を含むSiNO膜またはゲート絶縁膜を選択的に除去する。
次いで、導電膜を形成した後、マスクを用いてエッチングを行い、ドレイン配線やソース配線を形成する。
次いで、透明導電膜からなる第1の電極1623、即ち、有機発光素子の陽極(或いは陰極)を形成する。同時に端子電極の上にも透明導電膜を形成する。
以降の工程は、実施例2と同様に絶縁物1629、有機化合物を含む層1624、導電膜からなる第2の電極1625、透明保護層1626を形成し、封止基板1633をシール材1628で貼り合わせて発光素子を封止する。なお、シール材1628で囲まれた領域には透明な充填材1627を充填する。最後にFPC1632を異方性導電膜1631により公知の方法で端子電極と貼りつける。端子電極は、ゲート配線と同時に形成された電極とその上に透明導電膜を積層させたものであることが好ましい。
以上の工程によって、画素部と駆動回路と端子部とを同一基板上に形成する。本実施例に示すように同一基板上にnチャネル型TFTとpチャネル型TFTとを作製することができるため、駆動回路や保護回路を同一基板上に作り込むことができ、駆動用のIC(Integrated Circuit)チップの実装部品を少なくすることができる。
また、本発明の発光装置は、同一基板上にnチャネル型TFTとpチャネル型TFTを作製することに限定されず、画素部および駆動回路は、nチャネル型TFTのみで構成してもよいし、pチャネル型TFTのみで構成して工程を短縮してもよい。
本実施例では、アクティブマトリクス型の液晶表示装置(図8)の作製例を示す。
まず、実施例1に従って、基板1100上に半導体層および該半導体層を活性層とするTFT1105などを作製して画素部を形成する。画素部は、マトリクス状に配置された画素電極1101と、該画素電極と接続されているスイッチング素子、ここではトップゲート型TFT1105と、保持容量とで構成する。また、保持容量は、画素電極に接続した電極と、半導体層とで挟まれた絶縁膜を誘電体としている。本発明により、透過光量のバラツキによる表示むらを低減することができる。また、本発明により、平坦な半導体層が得られるため、均一な膜厚の絶縁膜が得られ、保持容量のバラツキが低減されている。
なお、本実施例ではオフ電流低減のため、チャネル形成領域を複数有するダブルゲート型のTFTとした例を示している。
また、画素部を形成したら、配向膜の形成、ラビング処理、球状スペーサ散布、或いは柱状スペーサ形成、またはカラーフィルタの形成などを行う。
次いで、液滴吐出法により不活性気体雰囲気または減圧下で対向基板上にシール材1107をパターン形成する。ここでは、ディスペンサ装置またはインクジェット装置でシール材1107を所定の位置(画素部を囲む閉パターン)に形成する。半透明なシール材1107としてはフィラー(直径6μm〜24μm)を含み、且つ、粘度40〜400Pa・sのものを用いる。なお、後に接する液晶に溶解しないシール材料を選択することが好ましい。シール材としては、アクリル系光硬化樹脂やアクリル系熱硬化樹脂を用いればよい。また、簡単なシールパターンであるのでシール材1107は、印刷法で形成することもできる。次いで、シール材1107を仮硬化させておく。
次いで、シール材1107に囲まれた領域に液晶をインクジェット装置またはディスペンサ装置により滴下する。液晶としては、インクジェット装置またはディスペンサ装置によって吐出可能な粘度を有する公知の液晶材料を用いればよい。また、液晶材料は温度を調節することによって粘度を設定することができるため、液滴吐出法に適している。液滴吐出法により無駄なく必要な量だけの液晶をシール材1107に囲まれた領域に保持することができる。
液晶を滴下した後、気泡が入らないように減圧下で一対の基板を貼りあわせる。ここでは、貼りあわせると同時に紫外線照射や熱処理を行って、減圧下でシール材1107を硬化させる。なお、紫外線照射に加えて、熱処理を行ってもよい。
次いで、適宜、パネルサイズの基板分断を行った後、FPCやICや光学フィルムなどを適宜貼り付け、液晶モジュールを作製する。
次いで、得られた液晶モジュールにバックライトバルブ1104およびミラーを設け、カバー1106で覆えば、図8にその断面図の一部を示したようなアクティブマトリクス型液晶表示装置(透過型)が完成する。また、バックライトを表示領域の外側に配置して、導光板を用いてもよい。なお、カバーと液晶モジュールは接着剤や有機樹脂を用いて固定する。また、透過型であるので偏光板1103は、アクティブマトリクス基板と対向基板の両方に貼り付ける。また、他の光学フィルム(反射防止フィルムや偏光性フィルムなど)や、保護フィルム(図示しない)を設けてもよい。
なお、図8中、1100は基板、1101は画素電極、1102は柱状のスペーサ、1107はシール材、1120はカラーフィルタとして機能する着色層、1125は平坦化膜、1121は対向電極、1122、1123は配向膜、1124は液晶層、1119は保護膜である。
また、本発明の液晶表示装置は、同一基板上にnチャネル型TFTとpチャネル型TFTを作製することに限定されず、画素部および駆動回路は、nチャネル型TFTのみで構成してもよいし、pチャネル型TFTのみで構成して工程を短縮してもよい。
本発明のレーザアニール方法を採用することにより、輻射加熱あるいは伝導加熱を利用するアニール法と比較し、処理時間を大幅に短縮でき、また基板を選択的に加熱して、基板に殆ど熱的損傷を与えないで処理を行うことができる。そして、照射面におけるレーザ光の形状が線状となるように光学系にて成形し、レーザ光の照射位置を照射面に対し相対的に移動させて照射することで、一度に広い面積の半導体をアニールすることができ、高い生産性を持つため工業的に優れている。本発明のレーザアニール方法を採用することにより、レーザ光の形状を線状に成形するときに、その線方向の両端のピント位置がずれないように成形できるため、基板に対して一様にアニールを行うことができる。それにより、この方法を用いた液晶表示装置は動作特性および信頼性の向上を実現できるという効果を奏することができる。
以下に本発明を用いた電界効果トランジスタ(以下、FETという)の作製手順を簡略に図9(A)及び図9(B)を用いて示す。
まず、単結晶シリコンからなるシリコン基板301を用意する。そして、シリコン基板の主面(素子形成面または回路形成面)の第1の素子形成領域にn型ウェル302を、第2の素子形成領域にp型ウェル303をそれぞれ選択的に形成する。
次いで、第1の素子形成領域と第2の素子形成領域とを区画するための素子分離領域となるフィールド酸化膜306を形成する。フィールド酸化膜306は厚い熱酸化膜であり、公知のLOCOS(local oxidation of silicon)法を用いて形成すればよい。なお、素子分離法は、LOCOS法に限定されず、例えば素子分離領域はトレンチ分離法を用いてトレンチ構造を有していてもよいし、LOCOS構造とトレンチ構造の組み合わせであってもよい。
次いで、シリコン基板の表面を、例えば熱酸化させることによってゲート絶縁膜を形成する。ゲート絶縁膜は、CVD法を用いて形成してもよく、酸化窒化珪素膜や酸化珪素膜や窒化珪素膜やそれらの積層膜を用いることができる。例えば、熱酸化により得られる膜厚5nmの酸化珪素膜とCVD法で得られる膜厚10nm〜15nmの酸化窒化珪素膜の積層膜を形成する。
次いで、ポリシリコン層311a、317aとシリサイド層311b、317bとの積層膜を全面に形成し、積層膜を選択的にエッチングすることによってゲート絶縁膜上にポリサイド構造を有するゲート電極311、317を形成する。ポリシリコン層311a、317aは低抵抗化するために予め、1021/cm程度の濃度でリン(P)をドープしておいても良いし、ポリシリコン層を形成した後に高濃度でn型不純物を拡散させても良い。また、シリサイド層311b、317bを形成する材料はモリブデンシリサイド(MoSix)、タングステンシリサイド(WSix)、タンタルシリサイド(TaSix)、チタンシリサイド(TiSix)などを適用することが可能であり、公知の方法に従い形成すれば良い。
次いで、ゲート絶縁膜を介してシリコン半導体基板にn型不純物またはp型不純物を浅く低濃度でイオン注入を行い、p−領域307、n−領域313を形成する。このp−領域307、n−領域313を形成することによって、ゲート電極端部で不純物の濃度勾配ができ、FETの信頼性が向上する。
本実施例は、CMOSを製造する場合であるので、pチャネル型FETを形成すべき第1の素子形成領域をレジスト材料で被覆し、n型不純物であるヒ素(As)やリン(P)をシリコン基板に注入する。また、nチャネル型FETを形成すべき第2の素子形成領域をレジスト材料で被覆し、p型不純物であるボロン(B)をシリコン基板に注入する。
次いで、注入された不純物イオンの活性化および、イオン注入によって発生したシリコン基板における結晶欠陥を回復するために、第1回目の活性化処理を行う。本実施例においては、発明の実施の形態に示したレーザアニール方法を用いて活性化を行う。このとき、Siの融点程度の温度まで半導体基板を瞬間的に加熱し、表面の薄い層を局所的に加熱して活性化する。本プロセスにより、注入されている不純物を十分に活性化することができる。また、本プロセスによる不純物の移動距離は1nm程度以下と短く、これによって不純物の拡散を極力抑えることができる。
次いで、ゲート電極の側壁にサイドウォール312、318を形成する。例えば酸化珪素からなる絶縁材料層を全面にCVD法にて堆積させ、かかる絶縁材料層をエッチバックすることによってサイドウォールを形成すればよい。エッチバックの際に自己整合的にゲート絶縁膜を選択的に除去してもよい。また、エッチバック後にゲート絶縁膜のエッチングを行ってもよい。こうして、ゲート電極の幅と、そのゲート電極の側壁の両側に設けられたサイドウォールの幅とを合計した幅を有するゲート絶縁膜310、316が形成される。
次いで、ソース領域およびドレイン領域を形成するために、露出したシリコン基板にイオン注入を行う。CMOSを製造する場合であるので、pチャネル型FETを形成すべき第1の素子形成領域をレジスト材料で被覆し、n型不純物であるヒ素(As)やリン(P)をシリコン基板に注入してソース領域314及びドレイン領域315を形成する。また、nチャネル型FETを形成すべき第2の素子形成領域をレジスト材料で被覆し、p型不純物であるボロン(B)をシリコン基板に注入してソース領域308及びドレイン領域309を形成する。
次いで、イオン注入された不純物の活性化および、イオン注入によって発生したシリコン基板における結晶欠陥を回復するために、第2回目の活性化処理を行う。第2回目の活性化処理も、発明の実施の形態に示したレーザアニール方法を用いて活性化を行う。この段階での断面図が図9(A)に相当する。
そして、活性化後に層間絶縁膜やプラグ電極やメタル配線等を形成する。第1の層間絶縁膜331は、プラズマCVD法や減圧CVD法を用いて酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などで100〜2000nmの厚さに形成する。さらにその上にリンガラス(PSG)、あるいはボロンガラス(BSG)、もしくはリンボロンガラス(PBSG)の第2の層間絶縁膜332が形成する。第2の層間絶縁膜332は、平坦性を上げるため、スピンコート法や常圧CVD法で作製する。
ソース電極333、335、及びドレイン電極334、336は、第1の層間絶縁膜331および第2の層間絶縁膜332にそれぞれのFETのソース領域及びドレイン領域に達するコンタクトホールを形成した後に形成するもので、低抵抗材料として通常良く用いられるアルミニウム(Al)を用いると良い。また、Alとチタン(Ti)の積層構造としても良い。
また、ここでは図示していないが、第1の層間絶縁膜331および第2の層間絶縁膜332にゲート電極に達するコンタクトホールが設けられ、第1の層間絶縁膜上に設けられている配線と電気的に接続する電極が形成する。
最後に、パッシベーション膜341と第3の層間絶縁膜342を形成し、図9(B)の状態を得る。図9(B)において向かって左側がpチャネル型FET401であり、右側がnチャネル型FET402である。
パッシベーション膜341は、プラズマCVD法で窒化シリコン膜、または酸化シリコン膜、あるいは窒化酸化シリコン膜で形成されている。さらに、第3の層間絶縁膜342は有機樹脂材料で1μm〜2μmの厚さに形成する。有機樹脂材料として、ポリイミド、ポリアミド、アクリル、ベンゾシクロブテン(BCB)などを用いることができる。有機樹脂膜を用いることの利点は、膜の形成方法が簡単である点や、比誘電率が低いので寄生容量を低減できる点、平坦化するのに適している点などがある。勿論、上述した以外の有機樹脂膜を用いても良い。
本発明のレーザアニール方法を採用することにより、輻射加熱あるいは伝導加熱を利用するアニール法と比較し、処理時間を大幅に短縮でき、また基板を選択的に加熱して、基板に殆ど熱的損傷を与えないで処理を行うことができる。そして、照射面におけるレーザ光の形状が線状となるように光学系にて成形し、レーザ光の照射位置を照射面に対し相対的に移動させて照射することで、一度に広い面積の半導体をアニールすることができ、高い生産性を持つため工業的に優れている。本発明のレーザアニール方法を採用することにより、レーザ光の形状を線状に成形するときに、その線方向の両端のピント位置がずれないように成形できるため、基板に対して一様にアニールを行うことができる。
本発明のレーザアニール法を用いて作製したTFTを集積した集積回路を搭載し、様々な電子機器を完成させることができる。また、本発明のレーザアニール法を用いて作製したTFTをスイッチング素子とし、該スイッチング素子に接続する画素電極を設けることによってアクティブマトリクス基板を作製することができ、該アクティブマトリクス基板を用いて電子機器の表示部を構成し、様々な電子機器を完成させることができる。
そのような電子機器としては、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクター、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD))等が挙げられる。
本発明の電子機器の1つである携帯電話を例に挙げ、図10に示す。本実施例は、実施例2〜4で説明したEL素子を有する発光装置またはアクティブマトリクス型の液晶表示装置で携帯電話機900を完成させる一例について例示する。
図10で示す携帯電話機は、操作スイッチ類904、マイクロフォン905などが備えられた本体(A)901と、表示パネル(A)908、表示パネル(B)909、スピーカ906などが備えられた本体(B)902とが、蝶番910で開閉可能に連結されている。表示パネル(A)908と表示パネル(B)909は、回路基板907と共に本体(B)902の筐体903の中に収納される。表示パネル(A)908及び表示パネル(B)909の画素部は筐体903に形成された開口窓から視認できように配置される。
表示パネル(A)908と表示パネル(B)909は、その携帯電話機900の機能に応じて画素数などの仕様を適宜設定することができる。例えば、表示パネル(A)908を主画面とし、表示パネル(B)909を副画面として組み合わせることができる。
表示パネル(A)908は、本発明のレーザアニール方法を採用することにより、輻射加熱あるいは伝導加熱を利用するアニール法と比較し、処理時間を大幅に短縮でき、また基板を選択的に加熱して、基板に殆ど熱的損傷を与えないで処理を行うことができる。そして、照射面におけるレーザ光の形状が線状となるように光学系にて成形し、レーザ光の照射位置を照射面に対し相対的に移動させて照射することで、一度に広い面積の半導体をアニールすることができ、高い生産性を持つため工業的に優れている。本発明のレーザアニール方法を採用することにより、レーザ光の形状を線状に成形するときに、その線方向の両端のピント位置がずれないように成形できるため、基板に対して一様にアニールを行うことができる。それにより、この表示パネル(A)908を備える電子機器は動作特性および信頼性の向上を実現できるという効果を奏することができる。
このような表示パネルを用いることにより、表示パネル(A)908を文字や画像を表示する高精細のカラー表示画面とし、表示パネル(B)909を文字情報を表示する単色の情報表示画面とすることができる。特に表示パネル(B)909をアクティブマトリクス型として、高精細化をすることにより、さまざまな文字情報を表示して、一画面当たりの情報表示密度を向上させることができる。例えば、表示パネル(A)908を、2〜2.5インチで64階調、26万色のQVGA(320ドット×240ドット)とし、表示パネル(B)909を、単色で2〜8階調、180〜220ppiの高精細パネルとすれば、ローマ字、ひらながな、カタカナをはじめ、漢字やアラビア文字などを表示することができる。
本実施例に係る携帯電話機は、その機能や用途に応じてさまざまな態様に変容し得る。例えば、蝶番910の部位に撮像素子を組み込んで、カメラ付きの携帯電話機としても良い。また、操作スイッチ類904、表示パネル(A)908、表示パネル(B)909を一つの筐体内に納めた構成としても、上記した作用効果を奏することができる。また、表示部を複数個そなえた情報表示端末に本実施例の構成を適用しても、同様な効果を得ることができる。
本発明のレーザアニール法を用いて作製したTFTを用いて様々な電子機器を完成させることができる。その具体例を図11〜13を用いて説明する。
図11は表示パネル1711と、回路基板1721を組み合わせ接続配線1731により接続した液晶モジュールあるいはELモジュールを示している。回路基板1721には、例えば、コントロール回路1722や信号分割回路1723などが形成されている。
この表示パネル1711は、画素部1712と、走査線駆動回路1713、選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路1714を備えており、この構成は実施例2、3または4と同様である。
この液晶モジュールあるいはELモジュールによりテレビ受像機を完成させることができる。図12は、テレビ受像機の主要な構成を示すブロック図である。チューナ1811は映像信号と音声信号を受信する。映像信号は、映像信号増幅回路1812と、そこから出力される信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路1813と、その映像信号をドライバICの入力仕様に合わせて変換するためのコントロール回路1814により処理される。コントロール回路1814は、走査線側と信号線側にそれぞれ信号を出力する。デジタル駆動する場合には、信号線側に信号分割回路1815を設け、入力デジタル信号をm個に分割して供給する構成としても良い。表示パネル1711は図11と同様であり、画素部1712と、走査線駆動回路1713、選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路1714を備えている。
チューナ1811で受信した信号のうち、音声信号は音声信号増幅回路1821に送られ、その出力は音声信号処理回路1822を経てスピーカ1823に供給される。制御回路1831は受信局(受信周波数)や音量の制御情報を入力部1832から受け、チューナ1811や音声信号処理回路1822に信号を送出する。
図13に示すように、液晶モジュールあるいはELモジュールを筐体1911に組みこんで、テレビ受像機を完成させることができる。液晶モジュールあるいはELモジュールにより、表示画面1912が形成される。また、スピーカ1823、操作スイッチ1914などが適宜備えられている。
このテレビ受像機は、表示パネル1711を含んで構成される。この表示パネル1711は、本発明のレーザアニール方法を採用することにより、輻射加熱あるいは伝導加熱を利用するアニール法と比較し、処理時間を大幅に短縮でき、また基板を選択的に加熱して、基板に殆ど熱的損傷を与えないで処理を行うことができる。そして、照射面におけるレーザ光の形状が線状となるように光学系にて成形し、レーザ光の照射位置を照射面に対し相対的に移動させて照射することで、一度に広い面積の半導体をアニールすることができ、高い生産性を持つため工業的に優れている。本発明のレーザアニール方法を採用することにより、レーザ光の形状を線状に成形するときに、その線方向の両端のピント位置がずれないように成形できるため、基板に対して一様にアニールを行うことができる。それにより、この表示パネル1711を備えたテレビ受像機は動作特性および信頼性の向上を実現できるという効果を奏することができる。
勿論、本発明はテレビ受像機に限定されず、コンピュータのモニタをはじめ、鉄道の駅や空港などにおける情報表示盤や、街頭における広告表示盤など特に大面積の表示媒体として様々な用途に適用することができる。
本発明が開示するレーザ照射装置によるエネルギー分布の均一化を説明する図。 本発明が開示するレーザ照射装置の例を示す図。 本発明が開示するレーザ照射装置のシリンドリカルレンズアレイの例を示す図。 ビームスポットのエネルギー分布の例を示す図。 TFTの作製工程の断面図 アクティブマトリクス型EL表示装置の構成を示す断面図 EL表示装置の断面図 アクティブマトリクス型液晶表示装置の断面図 FETの作製工程の断面図 電子機器の一例を示す図 電子機器の一例を示す図 電子機器の一例を示す図 電子機器の一例を示す図 像面湾曲が形成される例を示す図
符号の説明
10 基板
11 下地絶縁膜
14 半導体膜
17 半導体層
18 ゲート絶縁膜
19 ゲート電極
20 ソース領域
21 ドレイン領域
22 チャネル形成領域
23 層間絶縁膜
24 ソース電極
25 ドレイン電極
31 層間絶縁膜
101 長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ
102 短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ
103 短辺方向集光用シリンドリカルレンズ
104 長辺方向集光用凸シリンドリカルレンズ
105a 均一面上の点
105b 均一面上の点
106 短辺方向集光用シリンドリカルレンズ
107 照射面
107a 照射面上の点
107b 照射面上の点
201 レーザ発振器
202a 球面レンズ
202b 球面レンズ
203a 短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ
203b 短辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ
204 長辺方向形成用シリンドリカルレンズアレイ
205 短辺方向集光用シリンドリカルレンズ
206 長辺方向集光用シリンドリカルレンズ
207 短辺方向集光用シリンドリカルレンズ
207a シリンドリカルレンズ
207b シリンドリカルレンズ
208 照射面

Claims (15)

  1. レーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から射出したレーザビームを、長辺方向と短辺方向とを有する線状のビームスポットに成形する光学系と、
    を有するレーザ照射装置であって、
    前記光学系は、
    前記レーザ発振器から射出したレーザビームを前記長辺方向に分割する第1のシリンドリカルレンズアレイと、
    前記第1のシリンドリカルレンズアレイで分割されたレーザビームを重畳する第1のシリンドリカルレンズと、
    前記レーザ発振器から射出したレーザビームを前記短辺方向に分割する第2のシリンドリカルレンズアレイと、
    前記第2のシリンドリカルレンズアレイで分割されたレーザビームを重畳して、短辺方向のエネルギー分布が均一化された均一面を形成する第2のシリンドリカルレンズと、
    前記均一面を照射面に投影する第3のシリンドリカルレンズと、
    を有し、
    前記第2のシリンドリカルレンズと前記第3のシリンドリカルレンズとの間に前記第1のシリンドリカルレンズが配置され、
    前記第1のシリンドリカルレンズで前記均一面の位置のずれを発生させ、前記均一面から前記第3のシリンドリカルレンズまでの距離が前記レーザビームの画角によらず一定となるようにすることを特徴とするレーザ照射装置。
  2. レーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から射出したレーザビームを、長辺方向と短辺方向とを有する線状のビームスポットに成形する光学系と、
    を有するレーザ照射装置であって、
    前記光学系は、
    前記レーザ発振器から射出したレーザビームを前記長辺方向に分割する第1のシリンドリカルレンズアレイと、
    前記第1のシリンドリカルレンズアレイで分割されたレーザビームを重畳する第1のシリンドリカルレンズと、
    前記レーザ発振器から射出したレーザビームを前記短辺方向に分割する第2のシリンドリカルレンズアレイと、
    前記第2のシリンドリカルレンズアレイで分割されたレーザビームを重畳して、短辺方向のエネルギー分布が均一化された均一面を形成する第2のシリンドリカルレンズと、
    前記均一面を照射面に投影する第3のシリンドリカルレンズと、
    を有し、
    前記第2のシリンドリカルレンズと前記第3のシリンドリカルレンズとの間に前記第1のシリンドリカルレンズが配置され、
    前記第2のシリンドリカルレンズにより形成される前記均一面の位置は、前記第1のシリンドリカルレンズの屈折の影響を受けて、前記第1のシリンドリカルレンズが無いときに形成される均一面の位置よりも照射面寄りにずれて形成され、
    前記均一面から前記第3のシリンドリカルレンズまでの距離が前記レーザビームの画角によらず一定となるように、前記第1のシリンドリカルレンズの曲率半径が調整されていることを特徴とするレーザ照射装置。
  3. レーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から射出したレーザビームを、長辺方向と短辺方向とを有する線状のビームスポットに成形する光学系と、
    を有するレーザ照射装置であって、
    前記光学系は、
    前記レーザ発振器から射出したレーザビームを前記長辺方向に分割する第1のシリンドリカルレンズアレイと、
    前記第1のシリンドリカルレンズアレイで分割されたレーザビームを重畳する第1のシリンドリカルレンズと、
    前記レーザ発振器から射出したレーザビームを前記短辺方向に分割する第2のシリンドリカルレンズアレイと、
    前記第2のシリンドリカルレンズアレイで分割されたレーザビームを重畳して、短辺方向のエネルギー分布が均一化された均一面を形成する第2のシリンドリカルレンズと、
    前記均一面を照射面に投影する第3のシリンドリカルレンズと、
    を有し、
    前記第2のシリンドリカルレンズと前記第3のシリンドリカルレンズとの間に前記第1のシリンドリカルレンズが配置され、
    前記第1のシリンドリカルレンズで前記均一面の位置のずれを発生させ、画角の大きなレーザビームによる前記均一面から前記第3のシリンドリカルレンズまでの距離と画角の小さなレーザビームによる前記均一面から前記第3のシリンドリカルレンズまでの距離とが等しくなるようにすることを特徴とするレーザ照射装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一において、前記第1のシリンドリカルレンズアレイを形成するシリンドリカルレンズには、レンズの母線に対して左右の幅が異なるシリンドリカルレンズが用いられ、前記第1のシリンドリカルレンズアレイを形成する全てのシリンドリカルレンズは、前記均一面から前記第3のシリンドリカルレンズまでの距離が前記レーザビームの画角によらず一定となるように設計されていることを特徴とするレーザ照射装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一において、前記第1のシリンドリカルレンズアレイを形成するシリンドリカルレンズには、レンズの母線に対して左右の幅が等しいシリンドリカルレンズと、レンズの母線に対して左右の幅が異なるシリンドリカルレンズとが用いられ、前記第1のシリンドリカルレンズアレイを形成する全てのシリンドリカルレンズは、前記均一面から前記第3シリンドリカルレンズまでの距離が前記レーザビームの画角によらず一定となるように設計されていることを特徴とするレーザ照射装置。
  6. レーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から射出したレーザビームを、長辺方向と短辺方向とを有する線状のビームスポットに成形する光学系と、
    を有するレーザ照射装置であって、
    前記光学系は、
    前記レーザ発振器から射出したレーザビームを前記長辺方向に分割する第1のシリンドリカルレンズアレイと、
    前記第1のシリンドリカルレンズアレイで分割されたレーザビームを重畳する第1のシリンドリカルレンズと、
    前記レーザ発振器から射出したレーザビームを前記短辺方向に分割する第2のシリンドリカルレンズアレイと、
    前記第2のシリンドリカルレンズアレイで分割されたレーザビームを重畳して、短辺方向のエネルギー分布が均一化された均一面を形成する第2のシリンドリカルレンズと、
    前記均一面を照射面に投影する第3のシリンドリカルレンズと、
    を有し、
    前記第2のシリンドリカルレンズと前記第3のシリンドリカルレンズとの間に前記第1のシリンドリカルレンズが配置され、
    前記第1のシリンドリカルレンズで前記均一面の位置のずれを発生させ、画角の大きなレーザビームによる前記均一面から前記第3のシリンドリカルレンズまでの距離が画角の小さなレーザビームによる前記均一面から前記第3のシリンドリカルレンズまでの距離よりも短くなるようにすることを特徴とするレーザ照射装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一において、前記レーザ発振器には、エキシマレーザ、YAGレーザ、ガラスレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザまたはArレーザを用いることを特徴とするレーザ照射装置。
  8. レーザ発振器から射出したレーザビームを、第1のシリンドリカルレンズアレイ及び第2のシリンドリカルレンズアレイを通過させることにより長辺方向および短辺方向に分割し、
    前記分割されたレーザビームを、第2のシリンドリカルレンズを通過させることにより前記短辺方向に分割されたレーザビームを重畳させ、さらに第1のシリンドリカルレンズを通過させることにより、前記短辺方向に重畳されたレーザビームを屈折させ、前記短辺方向のエネルギー分布が均一化された均一面の位置を、前記第1のシリンドリカルレンズが無いときに形成される均一面の位置よりも照射面寄りに形成するとともに、前記長辺方向に分割されたレーザビームを重畳させ、
    前記均一面を第3のシリンドリカルレンズにより照射面に投影し、かつ前記長辺方向に分割されたレーザビームを前記照射面において重ね合わせることにより、長辺方向と短辺方向とを有する線状のビームスポットを前記照射面に照射するレーザ照射方法であって、
    前記均一面から前記第3のシリンドリカルレンズまでの距離が前記レーザビームの画角によらず一定となるように前記均一面を形成することを特徴とするレーザ照射方法。
  9. レーザ発振器から射出したレーザビームを、第1のシリンドリカルレンズアレイ及び第2のシリンドリカルレンズアレイを通過させることにより長辺方向および短辺方向に分割し、
    前記分割されたレーザビームを、第2のシリンドリカルレンズを通過させることにより前記短辺方向に分割されたレーザビームを重畳させ、さらに第1のシリンドリカルレンズを通過させることにより、前記短辺方向に重畳されたレーザビームを屈折させ、前記短辺方向のエネルギー分布が均一化された均一面の位置を、前記第1のシリンドリカルレンズが無いときに形成される均一面の位置よりも照射面寄りに形成するとともに、前記長辺方向に分割されたレーザビームを重畳させ、
    前記均一面を第3のシリンドリカルレンズにより照射面に投影し、かつ前記長辺方向に分割されたレーザビームを前記照射面において重ね合わせることにより、長辺方向と短辺方向とを有する線状のビームスポットを前記照射面に照射するレーザ照射方法であって、
    前記均一面から前記第3のシリンドリカルレンズまでの距離が前記レーザビームの画角によらず一定となるように前記第1のシリンドリカルレンズの曲率半径を調整することを特徴とするレーザ照射方法。
  10. レーザ発振器から射出したレーザビームを、第1のシリンドリカルレンズアレイ及び第2のシリンドリカルレンズアレイを通過させることにより長辺方向および短辺方向に分割し、
    前記分割されたレーザビームを、第2のシリンドリカルレンズを通過させることにより前記短辺方向に分割されたレーザビームを重畳させ、さらに第1のシリンドリカルレンズを通過させることにより、前記短辺方向に重畳されたレーザビームを屈折させ、前記短辺方向のエネルギー分布が均一化された均一面の位置を、前記第1のシリンドリカルレンズが無いときに形成される均一面の位置よりも照射面寄りに形成するとともに、前記長辺方向に分割されたレーザビームを重畳させ、
    前記均一面を第3のシリンドリカルレンズにより照射面に投影し、かつ前記長辺方向に分割されたレーザビームを前記照射面において重ね合わせることにより、長辺方向と短辺方向とを有する線状のビームスポットを前記照射面に照射するレーザ照射方法であって、
    画角の大きなレーザビームによる前記均一面から前記第3のシリンドリカルレンズまでの距離と画角の小さなレーザビームによる前記均一面から前記第3のシリンドリカルレンズまでの距離とが等しくなるように前記均一面を形成することを特徴とするレーザ照射方法。
  11. 請求項8乃至10のいずれか一において、前記第1のシリンドリカルレンズアレイを形成するシリンドリカルレンズには、レンズの母線に対して左右の幅が異なるシリンドリカルレンズを用い、前記第1のシリンドリカルレンズアレイを形成する全てのシリンドリカルレンズは、前記均一面から前記第3のシリンドリカルレンズまでの距離が前記レーザビームの画角によらず一定となるように設計されていることを特徴とするレーザ照射方法。
  12. 請求項8乃至10のいずれか一において、前記第1のシリンドリカルレンズアレイを形成するシリンドリカルレンズには、レンズの母線に対して左右の幅が等しいシリンドリカルレンズと、レンズの母線に対して左右の幅が異なるシリンドリカルレンズとを用い、前記第1のシリンドリカルレンズアレイを形成する全てのシリンドリカルレンズは、前記均一面から前記第3のシリンドリカルレンズまでの距離が前記レーザビームの画角によらず一定となるように設計されていることを特徴とするレーザ照射方法。
  13. レーザ発振器から射出したレーザビームを、第1のシリンドリカルレンズアレイ及び第2のシリンドリカルレンズアレイを通過させることにより長辺方向および短辺方向に分割し、
    前記分割されたレーザビームを、第2のシリンドリカルレンズを通過させることにより前記短辺方向に分割されたレーザビームを重畳させ、さらに第1のシリンドリカルレンズを通過させることにより、前記短辺方向に重畳されたレーザビームを屈折させ、前記短辺方向のエネルギー分布が均一化された均一面の位置を、前記第1のシリンドリカルレンズが無いときに形成される均一面の位置よりも照射面寄りに形成するとともに、前記長辺方向に分割されたレーザビームを重畳させ、
    前記均一面を第3のシリンドリカルレンズにより照射面に投影し、かつ前記長辺方向に分割されたレーザビームを前記照射面において重ね合わせることにより、長辺方向と短辺方向とを有する線状のビームスポットを前記照射面に照射するレーザ照射方法であって、
    画角の大きなレーザビームによる前記均一面から前記第3のシリンドリカルレンズまでの距離が画角の小さなレーザビームによる前記均一面から前記第3のシリンドリカルレンズまでの距離よりも短くなるように前記均一面を形成することを特徴とするレーザ照射方法。
  14. 請求項8乃至13のいずれか一において、前記レーザ発振器には、エキシマレーザ、YAGレーザ、ガラスレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザまたはArレーザを用いることを特徴とするレーザ照射方法。
  15. 基板上に半導体膜を形成し、
    請求項8乃至13のいずれか一において、前記照射面において重ね合わせた線状のビームスポットを前記半導体膜に対して相対的に走査することを特徴とする半導体装置の作製方法。
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