JP2007150161A - 半導体装置とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱疲労等の従来からの信頼性を損なわずに、マイグレーションに対する信頼性の高い半導体装置とその製造方法を提供する。
【解決手段】 配線基板の一表面上にバンプ電極を介在して半導体チップが塔載され、前記配線基板と前記半導体チップとの間の間隙部に樹脂組成物が充填された半導体装置であって、前記樹脂組成物は熱硬化性樹脂とフィラーとを含有してなるものであり、樹脂組成物中のフィラー体積分率は半導体チップ周辺部の方が半導体チップ中央部よりも大きく、硬化後の樹脂中に界面がない半導体装置であり、配線基板上に半導体チップを接合し、間隙部に樹脂組成物を充填した後、半導体装置を回転させることにより樹脂組成物中のフィラーを偏析させる工程を有する半導体装置の製造方法である。

Description

本発明は、半導体装置、およびその製造方法に関するものである。
半導体装置として、例えばフリップチップ構造の半導体装置(以下フリップチップと略す)は、配線基板の一表面上にバンプ電極を介在して半導体チップを塔載した構成になっている。バンプ電極は、配線基板の一表面に配置された電極と半導体チップの主面(回路形成面)に配置された電極との間に介在され、両者を電気的にかつ機械的に接続している。バンプ電極としては、例えばPb(鉛)−Sn(錫)組成の金属材からなるバンプ電極が用いられている。
前記フリップチップは、配線基板と半導体チップとの熱膨張係数の差に起因するバンプ電極の破損を抑制するため、配線基板の一表面と半導体チップの主面との間の間隙部に樹脂組成物を充填した構成になっている。樹脂組成物としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に多数のフィラーを混入した樹脂組成物が用いられており、通称アンダーフィルと称されるものである。フィラーとしては、樹脂の熱膨張係数とバンプ電極の熱膨張係数との整合を図るため、溶融シリカ(SiO2)若しくはアルミナ(Al23)等からなる無機フィラーが用いられている。
しかしながら、アンダーフィル内でのマイグレーションによる信頼性の低下が懸念されるようになってきている。というのは、電子機器の軽薄短小化の流れから、近将来でのフリップチップにおいてバンプ間や配線間の距離が今よりも狭くなるのは必然であり、それに伴いそれに用いられる半導体装置のバンプや配線間にかかる電界の大きさは増加する傾向にあることから、マイグレーションがより起こり易くなってきていると考えられるからである。
樹脂中におけるマイグレーションについては古くからよく研究されており、樹脂中に含まれるイオンや水分で加速される。そのため、マイグレーションを防ぐためには樹脂中の水分を低下させることは非常に有効であり、手法として、吸湿しない成分、特にシリカ等のフィラーの含有量を上げることがよく使われている。
このフィラーを添加する手法をアンダーフィルに応用する際に問題が生じる。というのは、多くの場合アンダーフィルにはすでにフィラーが添加されており、マイグレーションを防ぐ目的でアンダーフィルに更にフィラーを添加しようとすると、アンダーフィルが高粘度化する傾向になり、例えばチップと基板の間にアンダーフィルを充填する工程において、チップと基板の間に存在する空気と樹脂との置換がうまくいかず気泡として残り、信頼性の低下、特に吸湿時においてマイグレーションが発生しやすくなるという問題がある。
これを改善する手段としては、特許文献1には、フィラーの含有率の低いアンダーフィルとフィラーの含有率が高いアンダーフィルの2種類を用い、フィラーの含有率が低いアンダーフィルをフリップチップの中央部に注入し、フィラーの含有率が高いアンダーフィルをフリップチップの周辺部に注入して半導体装置を作製することが提案されている。この場合水分の進入口となるチップ周辺部はフィラー量が多く低吸水であり、マイグレーションが軽減することが可能となる。
その反面、特許文献1で提案された技術では2種類のアンダーフィルを使用するため、そのアンダーフィルの間に界面が生じる。異なる樹脂の間の界面に水分がたまる現象はよく知られており、マイグレーションを起こす要因が増加する。また、フィラーの含有量が異なると弾性率が異なることから、1種類のアンダーフィルから形成された半導体装置とは異なる応力集中が異なるアンダーフィル間の界面近辺で生じ、機械的に破壊され易くなるという問題がある。
更に、フィラーの含有率の高いアンダーフィルを注入する際、そのアンダーフィルがより高粘度であるため充填が難しいことや、すでにフィラーの含有率の低いアンダーフィルがチップ中央の部位に存在することから空気の逃げ道が少なくボイドが発生しやすい等の問題がある。これらによって、チップ構造の破壊やマイグレーション試験や熱ストレス試験等に対する信頼性が低下する等の問題が生ずる。
理想的には吸水をしない物質をアンダーフィルのフィレット部に塗布するとアンダーフィルの吸湿が理想的にはまったく無くなり、吸湿の影響が大きなマイグレーションに対する信頼性は著しく向上すると考えられる。アンダーフィルを低吸水化するためには、ほとんど吸湿しないフィラーを添加することは非常に有効である。
しかしながら、多くのアンダーフィルの場合、弾性率の向上や線膨張係数のチップや基板とのマッチングのためすでにフィラーが含まれている。このようなアンダーフィルに更にフィラーを添加してマイグレーションの信頼性をより向上させようとすると、アンダーフィルがより高粘度化、高チキソ化してしまい、特にチップと基板の間に充填不良が発生したり、たとえ充填がうまくいってもフィラーの沈降等によりフィラー分布が一様でなくなり不良が発生する恐れがある。
以上のように、フィラーを含むアンダーフィルについて、熱疲労等の信頼性を損なわずにマイグレーションに対する信頼性を向上させることは困難であった。
特開平8−195414号公報
本発明の目的は、熱疲労等の従来からの信頼性を損なわずに、マイグレーションに対する信頼性の高い半導体装置とその製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記[1]〜[5]記載の本発明により達成される。
[1]配線基板の一表面上にバンプ電極を介在して半導体チップが塔載され、前記配線基板と前記半導体チップとの間の間隙部に樹脂組成物が充填された半導体装置であって、前記樹脂組成物は熱硬化性樹脂とフィラーとを含有してなる1種類の樹脂組成物であり、樹脂組成物中のフィラー体積分率は半導体チップ周辺部(B)の方が半導体チップ中央部(A)よりも大きいことを特徴とする半導体装置。
[2] 硬化後の樹脂中に界面がないものである[1]項記載の半導体装置。
[3] 半導体チップ周辺部(B)のフィラー体積分率が、半導体チップ中央部(A)の体積分率の110%以上200%以下である[1]又は[2]項記載の半導体装置。
[4] 樹脂組成物全体におけるフィラー体積分率が20%以上80%以下である[1][2]又は[3]項記載の半導体装置。
[5] 配線基板上に半導体チップを接合し、間隙部に樹脂組成物を充填した後、半導体装置を回転させることにより樹脂組成物中のフィラーを偏析させる工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
本発明によれば、他の物性を損なうことなく、信頼性が向上した半導体装置を提供できる。
以下、本発明の半導体装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態1である半導体装置の模式断面図である。
図1に示すように、半導体装置は、配線基板1の一表面上にバンプ電極3を介在して半導体チップ2を塔載したパッケージ構造で構成されている。
前記配線基板1は、これに限定されないが、例えばガラス繊維にエポキシ系の樹脂若しくはポリイミド系の樹脂を含浸させた樹脂基板を主体とする多層配線構造で構成されている。また、セラミック基板を用いることもできる。前記配線基板1の一表面には電極1Aが複数個配置され、また、配線基板1の一表面と対向するその裏面には電極1Bが複数個配置されている。この電極1A、電極1Bの夫々は、配線基板1の配線を介して互いに電気的に接続されている。
前記配線基板1の裏面には外部端子としてバンプ電極6が複数個配置されている。この複数個のバンプ電極6の夫々は、配線基板1の裏面に配置された複数個の電極1Bの夫々に固着され、電気的にかつ機械的に接続されている。バンプ電極6としては、例えば183[℃]程度の融点を有する37[重量%]Pb(鉛)−63[重量%]Sn(錫)組成の金属材からなる球状バンプ電極が用いられている。
前記半導体チップ2は、これに限定されないが、例えば単結晶珪素からなる半導体基板上に絶縁層、配線層の夫々を順次積層した構造で構成されている。
前記半導体チップ2の主面(回路形成面)には電極2Aが複数個配置されている。この複数個の電極2Aの夫々は、半導体チップ2に塔載された回路システムに電気的に接続されている。
前記バンプ電極3は、配線基板1の電極1Aと半導体チップ2の電極2Aとの間に介在されている。このバンプ電極3は、配線基板1の電極1A、半導体チップ2の電極2Aの夫々に固着され、電気的にかつ機械的に接続されている。バンプ電極3としては、例えば221[℃]程度の融点を有する96.5[重量%]Sn−3.5[重量%]Ag(銀)組成の金属材からなる球状バンプ電極が用いられている。即ち、本実施形態の半導体装置は、製造プロセスでの形成順序毎にバンプ電極の溶融温度が順次低くなる温度階層構造で構成されている。
前記配線基板1の一表面と半導体チップ2の主面との間には、配線基板1と半導体チップ2との熱膨張係数の差に起因するバンプ電極3の破損を抑制するため、アンダーフィル4が充填されている。アンダーフィル4としては、熱硬化性樹脂に多数のフィラー5を混入した樹脂組成物が用いられている。熱硬化性樹脂としては例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、ウレタン樹脂等を用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるわけではない。これらの中で、不純物が少ないことからエポキシ樹脂を使用することが好ましい。また、これらの樹脂は単独、または組み合わせて使用することができる。エポキシ樹脂の硬化剤としてはフェノール樹脂、ジアミン、酸無水物等を使用することができる。
また、フィラー5としてはシリカ、アルミナ等一般的に使われているものは使用が可能であり、特に好ましくは不純物の含有量が小さいシリカが好ましい。
本発明に用いる該樹脂組成物(アンダーフィル)は1種類の樹脂組成物で構成されており、充填される部位によりアンダーフィルの組成を変えたものを用いることなく1種類のアンダーフィルを充填することにより達成されるので充填作業を非常に簡便に行うことが出来る。
また、硬化後の樹脂中に界面がないものであることが好ましい。硬化樹脂中に界面がないことにより、界面におけるマイグレーションやクラックの発生を防ぐことが出来る。
さらにアンダーフィルについてチップ周辺部にフィラーを偏析させる。これによりチップ周辺部のアンダーフィルを低吸水化することが可能になり、チップ周辺のアンダーフィルのフィレット部位から拡散してくる水分の滲入速度を遅らせることが可能になることからマイグレーションに対する信頼性を向上させるのと同時に、作業性、信頼性等他の重要な物性を損なわないことが可能になる。
本発明の半導体装置において、半導体チップ中央部(A)のフィラーの体積分率と比較して半導体チップ周辺部(B)のアンダーフィルのフィラー体積分率の方が110%以上200%以下の範囲であるとよい。この範囲をはずれると偏析の効果が不十分である。特に好ましくは120%以上180%以下の範囲であり、この範囲であると生産時のバラツキ等で若干のフィラー体積分布が生じても十分に効果があり、容易に生産することが可能である。
ここで半導体チップ周辺部(B)とは、最小の場合、図3に示すように半導体チップの端面から中央に向かって、チップと基板の間隙hに等しい距離hまでであり、最大の場合は半導体チップの端面から一番近い距離にあるバンプまでである。
アンダーフィルのフィラー含有率が高い半導体チップ周辺部(B)が、これ以下であると信頼性の向上が不十分であり、これ以上であるとバンプが存在するチップ内部でフィラーの偏析が生じることになり、場合によっては主に弾性率や線膨張係数の変化がバンプ周辺で大きく変化し、その結果熱疲労等の他の物性に悪影響が生じる可能性が生じる。バンプ周辺のとバンプの一番端のバンプに信頼性向上の効果が及ばなくなる。
なお、半導体チップ周辺部(B)のフィラーを高含有率にしているが、その過剰の分のフィラーはチップ中央部(A)から供給されるものである。しかしながら、通常の半導体チップでは半導体チップ中央部(A)と半導体チップ周辺部(B)の体積比率は(A)が数倍以上あるため、半導体チップ中央部(A)のフィラー含有率が減少することによる半導体チップ中央部(A)の物性に与える影響は小さく問題はない。
本発明に用いるアンダーフィル全体におけるフィラーの体積分率は、20%以上80%以下の範囲であることが好ましい。この範囲を外れると偏析の効果が顕著に現れないため好ましくない。また、特に好ましくは40%以上74%以下の範囲であり、この範囲であると偏析の効果がよく発現することに加えて、熱ストレス試験等の熱ひずみ起因の信頼性に悪影響を及ぼすことなく信頼性が発現する。
次に本発明の半導体装置の製造方法について以下に述べる。
まず、バンプ電極3を有する半導体チップ2を準備する。バンプ電極3は、半導体チップ2の主面(回路形成面)に配置された電極パッド2Aの表面上に形成されている。次に、前記半導体チップ2の主面に配置された電極2Aと配線基板1の一表面に配置された電極1Aとの間にバンプ電極3が介在されるように、配線基板1の一表面上に半導体チップ2を配置する。次に、前記バンプ電極3を溶融し、配線基板1の電極1Aと半導体チップ2の電極2Aとをバンプ電極3で固着する。
次に、前記配線基板1の一表面と半導体チップ2の主面との間の間隙部にアンダーフィル4を充填する。半導体チップ周辺部(B)のアンダーフィルにフィラーが多く含まれ、かつアンダーフィル内でアンダーフィル間の界面が存在しない構造を達成するために、本発明ではまず通常用いられるアンダーフィルを注入し、その後注入した半導体装置を回転させてフィラーをチップ周辺に偏析させる。次に加熱することにより、アンダーフィルを完全硬化させ、本発明の半導体装置を製造することができる。
本発明で用いるアンダーフィルは、通常用いられるアンダーフィルであり、作業性の悪化やボイド発生による信頼性低下を発生することはない。
以下に、本半導体装置の製造方法の一例を示すが、必ずしもこの方法に限定されるわけではない。
まず、回路を形成したFR−4基板にフリップチップボンダーにてチップをマウントする。
次にアンダーフィルを充填する工程では、通常と同じように1辺もしくは2辺から樹脂を流し込む。この段階で特に特殊な工程が必要でないことも本半導体装置のメリットである。
完全に樹脂が充填されたところで、加熱しながらフリップチップを加熱している熱板を回転させる。この際発生する遠心力によりフィラーがチップ周辺に偏析する。
回転する速度は、樹脂の粘度やチキソ性、また樹脂に含まれるフィラーの粒径に大きく依存するが、回転が遅すぎる場合は回転する効果が発現し難く、回転が速すぎる場合は注入したアンダーフィルのフィレットの構造が異常になり、チップが割れたり、熱ストレス試験が悪化する恐れが生じる。
このときの温度としては、アンダーフィルを充填する温度がアンダーフィルの粘度が低く、かつアンダーフィルの硬化もほぼ進まないことから最もよい。
アンダーフィル中のフィラーを偏析させた後、さらに温度を上げることによりアンダーフィルを完全に硬化させる。加熱については半田リフロー炉、熱風乾燥機、熱板等により行うことができる。
以上のようにして、本発明の半導体装置を作製できる。
本発明の半導体装置について、チップ周辺部のアンダーフィルにフィラーが高充填しているかどうかについては、本半導体装置の断面を走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡の測定で得られた画像を処理することにより、それぞれの体積比を定量化することで判定することが可能である。
マイグレーションに対する信頼性試験についてはHHBTおよびHAST試験で確認することができる。
本発明の半導体装置は電子基板上で使用することができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは無い。
(実施例1)
<フリップチップ用配線基板の作成>
FR−4(ELC4765、住友ベークライト株式会社製)に感光性レジストフィルム(AUS308、太陽インク製造株式会社社製)をラミネートし、測定のための端子および電極を形成したマスクをかけ、露光機により露光した。
露光後現像し、余分なレジストを取り除いた。その後、エッチングを行い銅を取り除き、更にレジストを取り除くことにより、フリップチップ用基板を得た。
<フリップチップの作成>
チップはTEGチップ「phase2」(株式会社日立超LSIシステムズ製)を使用した。
プリント配線基板はFR−4の基板(ELC−4781、住友ベークライト(株)製)に評価用の回路を作成したものを使用した。
フリップチップボンダーにてチップをマウントし、最高温度が270℃になるようにプログラミングした窒素リフロー炉で窒素雰囲気下にて5分間加熱して、チップと基板を接続した。
その後、フラックス洗浄機にて余分なフラックスを除去した後、150℃にて2時間乾燥させた。
これにアンダーフィル(CRP4152D1、住友ベークライト(株)製)を120℃で1辺から流し込んだ。流し込んだ後、120℃で加熱しながら5分間300rpmで回転させ、フィラーを偏析させた。
この後、150℃で2時間加熱し、アンダーフィルを完全硬化させ、本発明の半導体装置を得た。
<粒径比と体積比の測定>
得られた半導体装置を厚み方向に切断および研磨して、断面のサンプルを得た。
電子顕微鏡で観察および写真撮影をすることにより画像データを得た。必要に応じて、電子顕微鏡の設定や画像処理を行うことにより粒子の輪郭を強調した。このような画像データから、粒径を測定し、そのサンプルの平均粒径とフィラーの体積分率を得た。このような操作を10回繰り返し、前述の粒径の比について平均値を取ることにより、最終的な平均粒径と体積分率とした。また、これをチップ周辺部として、チップ端から1mmのところを1mm角で10箇所、チップ中央で1mm角で10箇所測定したところ、チップの周辺部においてフィラーの体積分率は67.0体積%、中央部で43.4体積%の結果となった。この場合、チップ周辺部のフィラーの体積分率はチップ中央のそれの154%となり、本特許での半導体装置を作成したことを確認した。
<信頼性試験の測定>
HAST試験機にて、IEC 68-2-66 TEST Cxに準拠し、試験条件を130℃85%5Vで96時間試験片を処理し、処理済みのサンプルについて電気測定を実施することによりリークの有無を判定した。なお、リークの判定は106Ωよりも抵抗値が小さい場合リークが生じたと判断し、サンプル数を50個としてその中のリーク数で最終的に判断した。
結果を表1に示すが、リークは全く発生しなかった。
(比較例1)
実施例1においてアンダーフィルを充填した後、回転させずに、そのまま150℃2時間硬化した。
このときのフィラーの体積%は前述のSEM観察および画像処理の結果チップ周辺でのフィラー含有率は42.6体積%、チップ中央でのフィラー含有率43.8体積%であった。
ここで本アンダーフィルのフィラー配合率は65重量%であり、これから計算すると体積分率は44.7体積%である。体積比の計算に当たっては、シリカの密度は2.3g/cm3、絶縁性樹脂の密度が1.0g/cm3の値を使用した。
Figure 2007150161
電子顕微鏡の画像に基づき得られた体積比率と樹脂処方に基づく体積比率とを比較すると、絶縁性樹脂が、画像解析による体積分率の方が5%過剰に検出されたが、画像処理時に生じる誤差、密度の誤差や断面観察を行うためのサンプル作成における誤差等が考えられる。特にサンプル作成の際、断面を研磨するが、マイクログラインダー等の使用で注意して研磨したにもかかわらずフィラーが樹脂部分から若干脱落してしまったからと推定される。しかしながら、比較的良好な精度で体積比の測定値と計算値が一致し、電子顕微鏡による画像解析が粒径比や体積比を実測するのに適当な手段と考えられる。
<信頼性試験の測定>
実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示すが、サンプル50個中3個にリークが発生した。
本発明で得られる半導体装置は高温で使用されるFA用の装置やCPU、GPU等発熱が多いデバイスに使用することが特に好ましい。
本発明の半導体装置の模式断面図である。 図1の平面図及び要部拡大模式断面図である。
符号の説明
1 配線基板
1A,1B 電極
2 半導体チップ
2A 電極
3 バンプ電極
4 アンダーフィル
6 バンプ電極

Claims (5)

  1. 配線基板の一表面上にバンプ電極を介在して半導体チップが塔載され、前記配線基板と前記半導体チップとの間の間隙部に樹脂組成物が充填された半導体装置であって、前記樹脂組成物は熱硬化性樹脂とフィラーとを含有してなる1種類の樹脂組成物であり、樹脂組成物中のフィラー体積分率は半導体チップ周辺部(B)の方が半導体チップ中央部(A)よりも大きいことを特徴とする半導体装置。
  2. 硬化後の樹脂中に界面がないものである請求項1記載の半導体装置。
  3. 半導体チップ周辺部(B)のフィラー体積分率が、半導体チップ中央部(A)の体積分率の110%以上200%以下である請求項1又は2記載の半導体装置。
  4. 樹脂組成物全体におけるフィラー体積分率が20%以上80%以下である請求項1、2又は3記載の半導体装置。
  5. 配線基板上に半導体チップを接合し、間隙部に樹脂組成物を充填した後、半導体装置を回転させることにより樹脂組成物中のフィラーを偏析させる工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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