JP2005175337A - 半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 回路面にはんだ突起電極が形成された半導体チップまたは回路基板に、エポキシ樹脂組成物を塗布し、該エポキシ樹脂組成物を介して電極が電気接合されるように回路基板と半導体チップとを位置合わせした後、はんだの融点以上に加熱し該突起電極と回路基板を電気的に接合し、樹脂を硬化させて製造することを特徴とする半導体装置の製造方法であって、前記エポキシ樹脂組成物が、(A)エポキシ樹脂、(B)フラックス活性を有する第1の硬化剤、(C)フラックス活性を有する第2の硬化剤、を必須成分とするものであり、更に第1の硬化剤(B)の融点が該はんだの融点+30℃以下−30℃以上であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【選択図】 図1
Description
該方法は、はんだ融点まで急速に加熱するため、樹脂を硬化する際に、樹脂且つ又は基板から発生する揮発成分によるボイドの問題があった。
(1)樹脂中の加熱温度範囲で揮発する成分を極力低減する。
(2)温度プロファイルの最適化
(3)樹脂の各基材への濡れ性改良
(4)樹脂の硬化性の最適化
(5)基板の予備乾燥
等が検討されているが十分ではなかった。
また、一般に鉛フリーはんだは酸化され易いため、該硬化剤のフラックス活性では十分でなく、検討の余地があった。
(1) 回路面にはんだ突起電極が形成された半導体チップまたは回路基板に、エポキシ樹脂組成物を塗布し、該エポキシ樹脂組成物を介して電極が電気接合されるように回路基板と半導体チップとを位置合わせした後、はんだの融点以上に加熱し該突起電極と回路基板を電気的に接合し、樹脂を硬化させて製造することを特徴とする半導体装置の製造方法であって、前記エポキシ樹脂組成物が、(A)常温で液状であり、1分子中にエポキシ基を2個以上含むエポキシ樹脂、(B)フラックス活性を有し、1分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基と1個の芳香族カルボキシル基を含む第1の硬化剤、(C)フラックス活性を有し、第1の硬化剤(B)より低い融点を有し、少なくとも2個以上のカルボキシル基を含んでなる第2の硬化剤、を必須成分とするものであり、更に第1の硬化剤(B)の融点が該はんだの融点+30℃以下−30℃以上であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(2) 第1の硬化剤(B)の融点と第2の硬化剤(C)の融点との差が10℃以上である(1)項記載の半導体装置の製造方法。
(3) 第2の硬化剤(C)が第1及び第2の硬化剤((B)+(C))中に5重量%〜50重量%含まれてなる(1)または(2)項記載の半導体装置の製造方法。
(4) (1)〜(3)項のいずれかに記載の半導体装置の製造方法を用いて製作された半導体装置。
ーテル型エポキシ、4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキ
シ、1,6−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、臭素型クレゾールノボラック型エポキシ、ビスフェノールDジグリシジルエーテル型エポキシ,1,6ナフタレンジオールのグリシジルエーテル、アミノフェノール類のトリグリシジルエーテル、等がある。これらは単独又は混合して用いても差し支えない。更にフェノールノボラック型エポキシ樹脂、固体のエポキシ樹脂を液状のエポキシ樹脂に溶解、又は分散しても構わない。また、信頼性の優れた液状封止樹脂組成物を得るために、エポキシ樹脂のNa+、Cl-等のイオン性不純物はできるだけ少ないものが好ましい。
次に本発明に用いられる第2の硬化剤(C)は少なくとも2つのカルボキシル基を含むことが必須である。また、第1の硬化剤(B)のエポキシ樹脂への溶解及び樹脂組成物全体のフラックス活性を助けるために第2の硬化剤(C)は作用するため、第2の硬化剤(C)の融点は第1の硬化剤(B)の融点より低いことが必要である。第1の硬化剤(B)を複数用いる場合は、第1の硬化剤中最も高い融点のものより、第2の硬化剤の融点が低いことが必要である。
第1の硬化剤(B)の融点は、はんだの融点+30℃以下、はんだの融点−30℃以上であることが必要である。はんだの融点+30℃より高いと硬化剤(B)の溶解温度が上がり、フラックス作用が発現しないばかりか硬化剤(C)の効果が現れ難く、ボイド発生の原因となり好ましくない。またはんだの融点−30℃より低い場合は、溶解温度は低くなるが、反応が低い温度から開始し、系内の粘度上昇が半田の融点付近で高すぎるため、接続不良を起こし易いので好ましくない。
<実施例1>
(A)成分としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(当量165)100重量部、(B)成分として予め120℃、5torrで5時間真空乾燥したフェノールフタリン(融点234℃)40重量部、(C)成分として同様に乾燥したo−フタル酸(融点191℃) 25重量部、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール0.5重量部を秤量し3本ロールにて分散混練し、真空下脱泡処理をして液状封止樹脂組成物を得た。次に、得られたエポキシ樹脂組成物を基板に塗布し、上部よりフリップチップボンダー用いて位置決めを行ないながらフリップチップを設置した。その際、フリップチップは約100℃に加温させておいた。次に図1で示された温度プロファイルを用いてはんだを溶融、接続を行なった。接続率はデイジーチェーンでつながった四つのブロック単位で確認した。すなわちあるブロックにおいては一つでも接続不良が出た場合は導通しないため、接続率は導通ブロック数/総ブロック数(=4×5)でカウントした。その後、後硬化として150℃、90分にて封止材を硬化させ、下記試験を行った。
はんだ:錫−銀(融点:221℃)
バンプ数:400(100バンプ/1ブロック)
バンプ高さ:80μm
チップサイズ:10mm角
パッシベーション:ポリイミド
チップ厚み:500μm
使用した基板
BT基板(接続パッド:金メッキ表面)
封止樹脂を硬化させた後、超音波探傷装置(SAT)を用いてボイド、剥離を観察した。(各水準n=5) 界面の剥離状態は一箇所でも剥離が生じたパッケージを不良とし、その大きさを明記した。
(2)耐リフロー試験
接続率100%のパッケージを選び、30℃、60%、72時間吸湿させたあと最大温度260℃の温度プロファイルのリフローに3回通過させ、封止樹脂外観クラック、界面の剥離状態をSATで調べた(各水準n=5)。 界面の剥離状態は一箇所でも剥離が生じたパッケージを不良とし、その大きさを明記した。
(2)耐リフロー試験を行ったパッケージを引き続き−55℃、30分/−125℃、30分の条件でT/C試験を行った。(各水準n=5)
クラック、剥離の状態を250時間おき最大1000時間観察した。界面の剥離状態は一箇所でも剥離が生じたパッケージを不良とし、その大きさを明記した。
(4)耐湿度試験
封止樹脂を硬化した直後の接続率100%のパッケージを130℃、85%RHの環境で100時間、200時間処理した後の接続率と界面の剥離状態をSATで観察した。(各水準n=5)界面の剥離状態は一箇所でも剥離が生じたパッケージを不良とし、その大きさを明記した。
実施例1における第2の硬化剤(C)をヘキサヒドロフタル酸(融点185℃)25重量部とした以外は実施例1と同様に試験を行った。
<実施例3>
実施例2において第1の硬化剤(B)を2,5−ジヒドロキシ安息香酸(融点205℃)20重量部とした以外は同様に試験を行った。
<実施例4>
実施例1において第1の硬化剤(B)を20重量部、硬化剤(C)を40重量部とした以外は同様に試験を行った。
<実施例5>
実施例2において第2の硬化剤(C)として4−ヒドロキシ−(o−フタル酸)(融点204℃)26重量部とした以外は同様に試験を行った。
実施例1において全硬化剤をo−フタル酸 25重量部とした以外は同様に試験を行った。
<比較例2>
実施例1において全硬化剤をフェノールフタリン60重量部とした以外は同様に試験を行った。
<比較例3>
実施例1において第2の硬化剤(C)をトリメリット酸(融点:238℃)30重量部とした以外は同様に試験を行なった。
<比較例4>
実施例1において、接続するはんだを錫−鉛はんだ(融点183℃)に変えた以外は同様に試験を行った。但し、この場合リフロー温度は図2で示された温度プロファイルを用いた。
<比較例5>
実施例3において硬化剤(B)を2,6−ジヒドロキシ安息香酸(融点166℃)にした以外は同様に試験を行った。
比較例2は全硬化剤をジヒドロキシモノカルボン酸化合物としたためフラックス活性が不足のため初期接続不良が起き、硬化剤の溶解温度が高くなるためボイドも多数発生した。更にT/Cにおいて、接続不良が起きていた。はんだの接続が不十分であることと考えられる。
比較例4は、第1の硬化剤(B)の融点がはんだの融点+30℃を下回っているため、ボイドが多く発生し、ボイドに起因する初期接続不良が起きている。但し、錫−鉛はんだのため接続したものに関して信頼性は問題なかった。
比較例5は第1の硬化剤(B)の融点がはんだの融点−30℃を下回っているため、はんだの融点に到達する間にエポキシ樹脂組成物の反応がかなり起こったため接続不良が起こってしまい、以後の信頼性評価は中止した。
Claims (4)
- 回路面にはんだ突起電極が形成された半導体チップまたは回路基板に、エポキシ樹脂組成物を塗布し、該エポキシ樹脂組成物を介して電極が電気接合されるように回路基板と半導体チップとを位置合わせした後、はんだの融点以上に加熱し該突起電極と回路基板を電気的に接合し、樹脂を硬化させて製造することを特徴とする半導体装置の製造方法であって、前記エポキシ樹脂組成物が、(A)常温で液状であり、1分子中にエポキシ基を2個以上含むエポキシ樹脂、(B)フラックス活性を有し、1分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基と1個の芳香族カルボキシル基を含む第1の硬化剤、(C)フラックス活性を有し、第1の硬化剤(B)より低い融点を有し、少なくとも2個以上のカルボキシル基を含んでなる第2の硬化剤、を必須成分とするものであり、更に第1の硬化剤(B)の融点が該はんだの融点+30℃以下−30℃以上であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 第1の硬化剤(B)の融点と第2の硬化剤(C)の融点との差が10℃以上である請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 第2の硬化剤(C)が第1及び第2の硬化剤((B)+(C))中に5重量%〜50重量%含まれてなる請求項1または2記載の半導体装置の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法を用いて製作された半導体装置。
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