JP2001181563A - 接着剤組成物、これを用いた接着フィルム、半導体チップ搭載用基板及び半導体装置 - Google Patents
接着剤組成物、これを用いた接着フィルム、半導体チップ搭載用基板及び半導体装置Info
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Abstract
インターポーザと呼ばれる配線基板に熱膨張係数の差が
大きい半導体チップを実装する場合に必要な耐熱性、耐
湿性、高温接着性等の信頼性を有し、かつ保存安定性に
優れた接着剤組成物、これを用いた接着フィルム、半導
体チップ搭載用基板、及びこの接着フィルムを用いた半
導体装置を提供する。 【解決手段】 (1)分子内に2個以上のエポキシ基を
有するエポキシ樹脂及び(2)硬化剤として分子内に2
個以上のフェノール性水酸基と1個以上のカルボキシル
基を有する化合物の総量を100重量部ならびに(3)
カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、アミド
基及びエポキシ基の少なくとも1を有するアクリル系共
重合体50〜300重量部を含有する接着剤組成物、こ
れを用いた接着フィルム、半導体チップ搭載用基板及び
半導体装置。
Description
用部材としての信頼性に優れた接着剤組成物、これを用
いた接着フィルム、半導体チップ搭載用基板及び半導体
装置に関する。
搭載する半導体パッケージは基板への高密度実装が要求
されるようになり、小型化・軽量化が進むと共に、CS
P(チップサイズパッケージ)やμBGA(ボールグリ
ッドアレイ)と呼ばれる小型パッケージの開発が進めら
れている。
性の一つとして信頼性があるが、特に接続信頼性は実装
基板を用いた機器の品質に直接関係するため、非常に重
要な項目となっている。この接続信頼性を低下させる原
因としては、半導体チップと電子部品を実装する基板の
熱膨張係数の差から生じる熱応力が挙げられる。これは
半導体チップの熱膨張係数が約4ppm/℃と小さいの
に対し、電子部品を実装する配線板の熱膨張係数が15
ppm/℃以上と大きいことから、熱衝撃により生じる
歪みが発生した際、その歪みによって熱応力が発生する
ものである。
チップの電極と配線板の配線パッドを接続するはんだボ
ール部分に熱応力が集中し、接続信頼性を低下させてい
た。この熱応力の分散にはアンダーフィルと呼ばれる樹
脂をチップと配線板の間に注入することが有効であるこ
とが分かっているが、実装工程の増加、コストアップの
原因となっていた。
て、CSPには多くの構造が提案されており、例えばμ
BGAにおいては半導体チップとインターポーザと呼ば
れる配線基板との間には、それぞれの熱膨張率差から生
じる熱応力を低減できるよう、低弾性の絶縁性接着剤が
用いられる。近年、このような分野に適した絶縁性の接
着剤としては低弾性接着フィルムが作業性も良く接続信
頼性も高いといった報告(特開平8−266460)が
されている。低弾性接着フィルムに要求される物性とし
ては、チップと配線基板の熱応力低減の他、接着性、温
度サイクル性、耐湿性等がある。また、さらに近年にお
いては接着剤の保存安定性やチップ圧着時の生産性を向
上させる要求が高まりつつある。
板等で用いられており、接着剤にアクリルゴム、アクリ
ロニトリルブタジエンゴム等の各種ゴムを主成分とする
系が多く用いられている。これらのゴムは、接着剤の強
度、可撓性及び密着性を改善するために使用されてい
る。
る系では、高温長時間処理後の接着力の低下は比較的小
さいが、高温時の接着強さが不十分である他、吸湿時の
特性低下が大きいという欠点があった。また、アクリロ
ニトリルブタジエンゴムを主成分とする系では、高温長
時間処理後の接着力の低下が大きいことや、耐電食性に
劣るなどの欠点があった。特に、半導体関連部品の信頼
性の評価で用いられるPCT(プレッシャークッカーテ
スト)処理等の厳しい条件下で耐湿性試験を行った場合
の劣化が大きかった。吸湿後のはんだ耐熱性を向上させ
たものとしては、特開昭60−243180号公報に示
されるアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネ
ート及び無機フィラーを含む接着剤があり、また特開昭
61−138680号公報に示されるアクリル系樹脂、
エポキシ樹脂、分子中にウレタン結合を有する両末端が
第1級アミン化合物及び無機フィラーを含む接着剤があ
る。しかしながら、これらの接着剤を用いて半導体チッ
プをプリント配線板に実装する場合には、半導体チップ
とプリント配線板の熱膨張係数の差が大きくリフロー時
にクラックが発生するために使用できなかった。また、
温度サイクルテストやPCT処理等の厳しい条件下での
耐湿性試験を行った場合の劣化が大きく、使用できなか
った。
て、反応性を有するアクリルゴム、アクリロニトリルブ
タジエンゴム等をエポキシ樹脂に混合した接着剤があ
り、これらの接着剤は、高温接着性等が改善されてい
る。反応性ゴム系接着剤として反応性アクリル系接着剤
は、特開平3−181580号公報に示されるように、
カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基含有アク
リルエラストマ及びアルキルフェノール、エポキシ樹脂
及びイミダゾリウムトリメリテートからなる接着剤組成
物があり、フレキシブル印刷配線板のベースフィルムと
銅箔とを接着する分野に用いられる。また光沢面との接
着性、耐熱性を向上させたものとして特開平7−766
79号公報のエポキシ基を有するアクリルエラストマ6
0〜80重量部及びアルキルフェノール8〜20重量
部、エポキシ樹脂8〜20重量部、イミダゾール系硬化
剤0.2〜1.0重量部を必須成分とする抵抗回路付き
シートヒーター用接着剤組成物がある他、特開平7−1
73449号公報に示されるように、エポキシ基含有ア
クリルエラストマ系接着剤組成物がある。
された接着フィルムでも、長期間保存後の基板への貼り
付け性や半導体チップとの接着性が低下するといった問
題点を生じていた。
ブル基板等のインターポーザと呼ばれる配線基板に熱膨
張係数の差が大きい半導体チップを実装する場合に必要
な耐熱性、耐湿性、高温接着性等の信頼性を有し、かつ
保存安定性に優れた接着剤組成物、これを用いた接着フ
ィルム、半導体チップ搭載用基板、及びこの接着フィル
ムを用いた半導体装置を提供することを目的とする。
2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂及び(2)
硬化剤として分子内に2個以上のフェノール性水酸基と
1個以上のカルボキシル基を有する化合物を合わせて1
00重量部ならびに(3)カルボキシル基、ヒドロキシ
ル基、酸無水物基、アミド基及びエポキシ基の少なくと
も1を有するアクリル系共重合体50〜300重量部を
含有する接着剤組成物に関する。
エポキシ基を有するエポキシ樹脂としては硬化して接着
作用を呈するものであればよく、二官能及び/又は多官
能のエポキシ樹脂を用いることができる。二官能エポキ
シ樹脂としては室温で液状のものと固体のものがあり、
これらの樹脂は市場で容易に入手することができる。例
えばエピコート827,828,834,1001,1
004,1007,1009,1010(油化シェルエ
ポキシ(株)製)、アラルダイトGY252,250,
260,280,6099(チバ・ガイギー(株)
製)、D.E.R330,331,336,337,6
68,669(ダウ・ケミカル(株)製)、YD812
5,YDF170(東都化成(株)製)等が挙げられ
る。
ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラックエポキシ樹
脂、α−ナフトールノボラックエポキシ樹脂、臭素化ノ
ボラックエポキシ樹脂等があり、これらの樹脂も市場で
容易に入手することができる。例えば、フェノールノボ
ラックエポキシ樹脂としてはDEN−431,438,
439(ダウ・ケミカル(株)製)、エピコート15
2,154(油化シェルエポキシ(株)製)、EPPN
−201,202(日本化薬(株)製)、クレゾールノ
ボラックエポキシ樹脂としてはEOCN−102S,1
03S,104S,1020,1025,1027(日
本化薬(株)製)、ESCN−001,195X,20
0S,220(住友化学工業(株)製)、YDCN−7
03(東都化成(株)製)、ビスフェノールAノボラッ
クエポキシ樹脂としては、N−865,N−880(大
日本インキ化学工業(株)製)、α−ナフトールノボラ
ックエポキシ樹脂としてはEXB−4300(大日本イ
ンキ化学工業(株)製)、臭素化フェノールノボラック
エポキシ樹脂としては、BREN−S(日本化薬(株)
製)等が挙げられる。
で用いても、2種類以上を組み合わせてもよい。
内に2個以上のフェノール性水酸基と1個以上のカルボ
キシル基を有する化合物の具体例としては、ジヒドロキ
シ安息香酸、(2,5−ジヒドロキシフェニル)酢酸、
2,6−ジヒドロキシイソニコチン酸、N,N−ビス
(2−ヒドロキシエチル)グリシン、4,8−ジヒドロ
キシキナルジン酸、3,4−ジヒドロキシけい皮酸、プ
ロトカテキュ酸、トリヒドロキシ安息香酸、フェノール
フタリン、フェノールフタレインコンプレキソン、下記
一般式(I)
ルキル基を表し、これらは互いに同じでも異なっていて
もよく、nは0〜6の整数である。)で表される化合
物、たとえば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロピオン酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン酸、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、4,4−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、
2,2−ビス〔3−(2−メチルエチル)−4−ヒドロ
キシフェニル〕フロピオン酸、4,4−ビス(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、2,
2−ビス〔3−(2,2−ジメチルエチル)−4−ヒド
ロキシフェニル〕プロピオン酸、4,4−ビス〔3−
(2−メチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕ペン
タン酸、4,4−ビス〔3−(2,2−ジメチルエチ
ル)−4−ヒドロキシフェニル〕ペンタン酸等を挙げる
ことができる。
1個以上のカルボキシル基を有する化合物は1種類のみ
で用いても、2種類以上を組み合わせてもよい。耐熱性
と密着性の点から下記の一般式(I)
ルキル基を表し、これらは互いに同じでも異なっていて
もよく、nは0〜6の整数である。)で表される化合物
が好ましく、また、耐熱性、密着性及び保存安定性の点
から2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ン酸および4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペ
ンタン酸、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオン酸が特に好ましい。
剤の総量を100重量部として、エポキシ樹脂は40〜
90重量部であり、好ましくは50〜80重量部であ
り、より好ましくは50〜70重量部である。エポキシ
樹脂の量が少なすぎると接着性が不十分となる傾向があ
り、多すぎると耐熱性が不十分となる傾向がある。
内に2個以上のフェノール性水酸基と1個以上のカルボ
キシル基を有する化合物の他に、本発明の効果を損なわ
ない程度に他のエポキシ樹脂硬化剤として多官能フェノ
ール樹脂を併用することができる。多官能フェノール樹
脂としては、フェノール性水酸基を分子内に2個以上有
する化合物であるビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールS、臭素化ビスフェノールA、臭素
化ビスフェノールF、フェノールノボラック樹脂、クレ
ゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹
脂等があり、これらは市場で容易に入手できる。例えば
臭素化ビスフェノールAとしてはファイヤーガードFG
2000(帝人化成(株)製)、ノボラック樹脂として
はフェノライトLF2882,F2822,TD−20
90,TD−2149,VH4150,VH4170
(大日本インキ化学工業(株)製)、PSM−4300
(群栄化学(株)製)、H−100(明和化成(株)
製)等が挙げられる。これらの硬化剤は硬化剤の総量を
100重量部とした場合に20重量部以下の範囲で用い
ることが好ましい。これらの量が多すぎると保存安定性
及び低温硬化性が不十分となる傾向がある。
ドロキシル基、酸無水物基、アミド基及びエポキシ基の
少なくとも1を有するアクリル系共重合体としては、以
下に示すような非官能性モノマーと官能性モノマーを共
重合することにより得られる。
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸アルキル
エステル、アクリル酸ノルボルニル、アクリル酸ノルボ
ルニルメチル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸ト
リシクロ[5.2.1.02.6 ]デカン−8−イル、ア
クリル酸トリシクロ[5.2.1.02.6 ]デカン−3
(または4)−イルメチル、アクリル酸ボルニル、アク
リル酸イソボルニル、アクリル酸メチルシクロヘキシル
等のアクリル酸シクロアルキルエステル、アクリル酸フ
ェニル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸芳香族エス
テル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の
メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸ノルボル
ニル、メタクリル酸ノルボルニルメチル、メタクリル酸
アダマンチル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.
02,6 ]デカン−8−イル、メタクリル酸トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン−3(または4)−イル
メチル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸イソボル
ニル、メタクリル酸メチルシクロヘキシル、メタクリル
酸シクロヘキシル等のメタクリル酸シクロアルキルエス
テル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等
のメタクリル酸芳香族エステル、スチレンまたはα−メ
チルスチレン、α−エチルスチレン等のα−置換スチレ
ン、クロロスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチ
レン等の核置換スチレン、N−メチルマレイミド、N−
エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチ
ルマレイミド等のN−アルキル基置換マレイミド、N−
シクロヘキシルマレイミド等のN−シクロアルキル基置
換マレイミド、N−フェニルマレイミド等のN−アリー
ル基置換マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれ
る少なくとも1種の化合物を使用することができる。非
官能性モノマーは、共重合体のTgが−20℃〜30℃
となるように選択することが好ましく、−10℃〜20
℃となることがより好ましい。Tgが低すぎるとBステ
ージ状態での接着フィルムのタック性が大きくなり取扱
性が悪化する傾向があり、高すぎると接着性が不十分と
なる傾向がある。
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のカルボキシ
ル基含有モノマー、アクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸
−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロ
キシプロピル、N−メチロールアクリルアミド、N−メ
チロールメタクリルアミド、(o−、m−、p−)ヒド
ロキシスチレン等のヒドロキシル基含有モノマー、無水
マレイン酸等の酸無水物基含有モノマー、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド等のアミド基含有モノマー、アク
リル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチ
ルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸
グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、ア
クリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−
3,4−エポキシブチル、アクリル酸−4,5−エポキ
シペンチル、メタクリル酸−4,5−エポキシペンチ
ル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリ
ル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル
酸−6,7−エポキシヘプチル、アクリル酸−3−メチ
ル−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3−メチ
ル−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−4−メチル
−4,5−エポキシペンチル、メタクリル酸−4−メチ
ル−4,5−エポキシペンチル、アクリル酸−5−メチ
ル−5,6−エポキシヘキシル、メタクリル酸−5−メ
チル−5,6−エポキシヘキシル、アクリル酸−β−メ
チルグリシジル、メタクリル酸−β−メチルグリシジ
ル、α−エチルアクリル酸−β−メチルグリシジル、ア
クリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、メタ
クリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、アク
リル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、メタ
クリル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、ア
クリル酸−5−メチル−5,6−エポキシヘキシル、メ
タクリル酸−5−メチル−5,6−エポキシヘキシル等
のエポキシ基含有モノマーからなる群より選ばれる少な
くとも1種の化合物を使用することができる。これらの
うち、保存安定性の点でエポキシ基含有モノマーが好ま
しく、メタクリル酸グリシジルがより好ましい。
重合比率は、通常これらの総量を100重量部として非
官能性モノマー/官能性モノマーが90/10〜99.
9/0.1重量部の範囲であり、好ましくは93/7〜
99.5/0.5の範囲であり、より好ましくは95/
5〜99/1の範囲である。官能性モノマーの量が多す
ぎると共重合する際にゲル化しやすくなる傾向があり、
少なすぎると接着性が不十分となる傾向がある。これら
のアクリル系共重合体を得るための重合方法としては、
塊状重合、パール重合、乳化重合、溶液重合等が挙げら
れる。また、これらのアクリル系共重合体の分子量とし
ては好ましくは重量平均分子量(Mw)が10,000
〜500,000であり、より好ましくは30,000
〜300,000である。分子量が大きすぎると共重合
する際にゲル化しやすくなる傾向があり、小さすぎると
接着性が不十分となる傾向がある。
ドロキシル基、酸無水物基、アミド基及びエポキシ基の
少なくとも1を有するアクリル系共重合体の量は、エポ
キシ樹脂および硬化剤の総量を100重量部とした場合
に、50〜300重量部であり、好ましくは80〜30
0重量部であり、より好ましくは100〜300重量部
である。アクリル系共重合体の量が少なすぎると接着性
が低下する傾向があり、多すぎるとタック性が高くなり
すぎて取り扱いにくくなる傾向がある。
なわない程度に(4)硬化促進剤を用いることが好まし
い。硬化促進剤としては、通常エポキシ樹脂の硬化に際
して用いられるものが使用できる。具体的には、塩酸等
の無機酸、酢酸、シュウ酸等の有機酸、トリエチルアミ
ン、ベンジルジメチルアミン等の第三級アミン類、1−
ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−
メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−
4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェ
ニルホスフィン等のホスフィン類、BF3 等のルイス酸
またはルイス酸塩等を挙げることができ、保存安定性や
耐熱性等の点で好ましくはイミダゾール類が用いられ
る。イミダゾール類は、市場で容易に入手することがで
き、例えば2E4MZ,1B2MZ,2E4MZ−C
N,2PZ−CN,2PZ−CNS(四国化成工業
(株)製)等がある。
脂および硬化剤の総量を100重量部に対して、好まし
くは0.01〜10重量部であり、より好ましくは0.
1〜5重量部である。硬化促進剤が多すぎると保存安定
性や接着性が低下する傾向がある。
面結合をよくするために、(5)カップリング剤を配合
することもできる。カップリング剤としては、シランカ
ップリング剤が好ましい。シランカップリング剤として
は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルト
リエトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
手することができる。例えば、NUC A−187,A
−189,A−1160,A−1120(日本ユニカー
(株)製)、SH6040,SH6062,SH602
0(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)等が
ある。
および硬化剤の総量の100重量部に対して好ましくは
0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量
部である。添加量が少なすぎる場合には接着性が十分に
向上しない傾向があり、多すぎる場合には耐熱性が低下
する傾向がある。
を吸着して、吸湿時の絶縁信頼性をよくするために、
(6)イオン捕捉剤を配合することができる。イオン捕
捉剤としては、銅がイオン化してとけ出すのを防止する
ため銅害防止剤として知られる化合物、例えば、ビスフ
ェノール系還元剤、トリアジンチオール化合物を配合す
ることもできる。ビスフェノール系還元剤としては、
2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−第3ブ
チルフェノール)、4,4′−チオ−ビス−(3−メチ
ル−6−第3ブチルフェノール)等が挙げられる。トリ
アジンチオール化合物を成分とする銅害防止剤は、三協
製薬株式会社から、ジスネットDBの商品名で市販され
ている。ビスフェノール系還元剤を成分とする銅害防止
剤は、吉富製薬株式会社から、ヨシノックスBBという
商品名で市販されている。
成化学工業(株)からジルコニウム系化合物を成分とす
るものがIXE−100の商品名で、アンチモンビスマ
ス系化合物を成分とするものがIXE−600の商品名
で、マグネシウムアルミニウム系化合物を成分とするも
のがIXE−700の商品名で市販されている。また、
ハイドロタルサイトは、協和化学工業から、DHT−4
Aの商品名で市販されている。
脂および硬化剤の総量を100重量部に対して、好まし
くは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5
重量部とされる。添加量が少なすぎる場合にはイオン捕
捉能力が十分に作用しない傾向があり、多すぎる場合に
は耐熱性が低下する傾向がある。
溶剤に溶解・分散したワニスをそのまま使用するほか、
ワニスを基材上に塗布し、加熱して溶剤を除去してフィ
ルム状態で使用することが可能である。ワニス化の溶剤
は、比較的低沸点の、メチルエチルケトン、アセトン、
メチルイソブチルケトン、2−エトキシエタノール、ト
ルエン、ブチルセロソルブ、メタノール、エタノール、
2−メトキシエタノール等を用いるのが好ましい。ま
た、塗膜性を向上するなどの目的で、高沸点溶剤を加え
ても良い。高沸点溶剤としては、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン、シクロ
ヘキサノン等が挙げられる。ワニスの製造は、本発明の
構成成分を上記溶剤に溶解することが可能な装置であれ
ば特に制限はなく、攪拌機等を備えた溶解槽等を用いて
行われる。溶解は室温〜150℃、好ましくは室温〜1
20℃の範囲で通常1時間〜50時間程度行われる。溶
解温度が高すぎると溶解中にエポキシ基等が反応して、
接着性を低下させる傾向がある。
ニス中の気泡を除去することが好ましい。基材として
は、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポ
リプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム等やそれら
を離型処理したフィルム等を使用することができる。塗
工方法は特に制限するものではないが、例えば、ロール
コート、リバースロールコート、グラビアコート、バー
コート等が挙げられる。また、基材の両面に接着剤層を
有する接着フィルムは、基材のそれぞれの面にワニスを
塗布、加熱して溶剤を除去することで得られる。また耐
熱性フィルム上に塗布した接着剤層を基材の両面にラミ
ネーションで貼り合わせることにより得ることができ
る。この時、ラミネートの圧力は接着フィルムの変形が
起こらない圧力で行うことが好ましい。両面に接着層を
形成する場合は、片面と他面の接着剤の厚みが異なって
いてもよい。図1は基材の両面に接着剤を備えた接着フ
ィルムの断面図である。図において1は接着剤、2は基
材である。
成する際には、加熱により溶剤を除去するが、この時、
接着剤の組成物の硬化反応が進んでゲル化する。その際
の硬化状態が接着剤の流動性に影響し、接着性や取り扱
い性を適性化する。DSC(示差走査熱量測定)は、測
定温度範囲内で、発熱、吸熱のない標準試料との温度差
をたえず打ち消すように熱量を供給、または除去するゼ
ロ位法を測定原理とするものであり、測定装置が市販さ
れており、それを用いて測定できる。本発明の接着剤組
成物の反応は、発熱反応であり、一定の昇温速度で試料
を加熱していくと、試料が反応し熱量が発生する。その
発熱量をチャートに出力し、ベースラインを基準として
発熱曲線とベースラインで囲まれた面積を求め、これを
発熱量とする。室温から250℃まで10℃/分の昇温
速度で測定し、上記の発熱量を求める。次に、上記基材
に塗布し、乾燥して得た接着剤の発熱量は次のようにし
て求める。まず、25℃で真空乾燥器を用いて溶剤を乾
燥させた未硬化試料の全硬化発熱量を測定し、これをA
(J/g)とする。次に塗工、乾燥した試料の発熱量B
を測定し、試料の硬化度C(%)(加熱、乾燥により発
熱を終えた状態)は、次の式1で与えられる。 [式1] C(%)=(A−B)×100/A
を用いて測定した場合の全硬化発熱量の10〜40%の
発熱を終えた状態にすることが望ましい。
分に発生していないため、流動性が大きすぎる状態で被
着面と接着するため、接着性が低下する傾向がある。ま
た、硬化度が40%を越えると、網目構造が密になり、
逆に流動性がなくなりすぎて接着性が低下する傾向があ
る。
の効果を損なわない程度に、その他の成分を混合して使
用することができる。このような成分としては、フェノ
キシ樹脂、官能基含有アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム、無機フィラー等がある。
ック性の低減や、硬化後の接着剤の可撓性の付与等を目
的として混合することができる。フェノキシ樹脂は、市
場で容易に入手することができる。例えば、フェノトー
ト YP−40,YP−50,YP−60(東都化成
(株)製)等がある。フェノキシ樹脂の配合量はエポキ
シ樹脂および硬化剤の総量を100重量部とした場合
に、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重
量部以下の範囲とされる。混合量が多すぎる場合には耐
熱性が低下する傾向がある。
ゴムとしては、カルボキシル基等の官能基を付加したア
クリロニトリル−ブタジエンゴムが挙げられ、タック性
の低減や、硬化後の接着剤の可撓性の付与等を目的とし
て混合することができる。このような官能基含有アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴムは、市場で容易に入手する
ことができる。例えばPNR−1(日本合成ゴム(株)
製)、ニポール1072(日本ゼオン(株)製)等があ
る。このような官能基含有アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴムの配合量は、エポキシ樹脂および硬化剤の総量を
100重量部とした場合に、好ましくは20重量部以
下、より好ましくは10重量部以下とされる。混合量が
多すぎる場合には耐熱性やPCT処理後の接着性が低下
する傾向がある。
ソトロピー性等を付与する目的で混合することができ
る。無機フィラーとしては、水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウ
ム、酸化マグネシウム、アルミナ、窒化アルミニウム、
ホウ酸アルミニウムウイスカ、窒化ホウ素、結晶性シリ
カ、炭化ケイ素等が挙げられる。
窒化アルミニウム、窒化ホウ素、結晶性シリカ、非晶性
シリカ、炭化ケイ素などが特に好ましい。この内、アル
ミナは放熱性がよく、耐熱性、絶縁性が良好な点で好適
である。また、結晶性シリカまたは非晶性シリカは、放
熱性の点ではアルミナより劣るが、イオン性不純物が少
ないため、PCT処理後の絶縁性が高く、銅箔、アルミ
線、アルミ板等の腐食が少ない点で好適である。また、
難燃性を与えるためには、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、アンチモン酸化物等が好ましい。
は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ
酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、
アルミナ、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が好ましい。
これらの無機フィラーはエポキシ樹脂および硬化剤の総
量の100重量部に対して、好ましくは100重量部以
下、より好ましくは60重量部以下とされる。混合量が
多すぎる場合には、接着剤の貯蔵弾性率の上昇、接着性
の低下などを起こす傾向がある。
を有する。 1)未反応のエポキシ樹脂成分が適度に残存しているこ
とにより、圧力がかかった場合、ゲル中より未反応成分
が浸み出すため、多量の高分子量成分やフィラーを多量
に含む場合でも接着性が良好である。 2)分子内に2個以上のフェノール性水酸基と1個以上
のカルボキシル基を有する化合物とエポキシ樹脂との硬
化反応が比較的高温で開始するため、接着剤及び接着フ
ィルムの室温における保存安定性(ライフ)が良好であ
る。 3)本発明における官能基を有するアクリル共重合体を
使用することにより、接着剤の低弾性率化を図ることが
でき、かつPCT処理後の接着性や耐電食性を付与する
ことができる。 4)アクリル共重合体等の高分子量成分がゲル化してい
るため、エポキシ樹脂の未反応成分が多数残存している
場合に圧力をかけたとしても、未反応成分が極端に流動
して多量の浸み出しを発生して接続端子を覆う等の不良
が発生しない。 5)上記の効果に加えて、接着剤に熱伝導性や難燃性等
を付与できる。本発明になる接着フィルムを所定の配線
と外部接続用端子が形成されている有機系支持基板に接
着して半導体チップ搭載用基板とされ、これを用いて半
導体装置が製造される。
着フィルムを作製した。エポキシ樹脂としてビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量200、油化シェ
ルエポキシ(株)製商品名、エピコート828を使用)
45重量部とクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エ
ポキシ当量220、住友化学工業(株)製商品名、ES
CN001を使用)15重量部、エポキシ樹脂の硬化剤
として4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン酸40重量部、アクリル系共重合体としてエポキシ基
含有アクリルゴム(重量平均分子量800,000、帝
国化学産業株式会社製商品名、HTR−860P−3を
使用)200重量部、硬化促進剤として1−シアノエチ
ル−2−フェニルイミダゾール(四国化成工業(株)製
商品名、キュアゾール2PZ−CNを使用)0.5重量
部、カップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン(日本ユニカー(株)製商品名、NUC
A−189を使用)2.5重量部、γ−ウレイドプロ
ピルトリエトキシシラン(日本ユニカー(株)製商品
名、NUC A−1160を使用)2.5重量部からな
る組成物に、メチルエチルケトン1200重量部を加え
て撹拌混合し、真空脱気した。得られたワニスを、基材
として厚さ50μmの離型処理ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上に塗布し、120℃で10分間乾燥して
膜厚が75μmのBステージ状態の接着フィルムを作製
した。なおこの状態での接着剤の硬化度は、DSC(デ
ュポン社製商品名・912型DSC)を用いて測定(昇
温速度、10℃/分)した結果、硬化度は全硬化発熱量
の16%の発熱を終えた状態であった。
ヒドロキシフェニル)ペンタン酸から2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸に変更した以外
は、実施例1と同様の方法で接着フィルムを作製した。
なおこの状態での接着剤の硬化度は、DSCを用いて測
定した結果、硬化度は全硬化発熱量の13%の発熱を終
えた状態であった。
ヒドロキシフェニル)プロピオン酸25重量部及びビス
フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業製の
LF2882を使用)15重量部に変更した以外は、実
施例1と同様の方法で接着フィルムを作製した。なおこ
の状態での接着剤の硬化度は、DSCを用いて測定した
結果、硬化度は全硬化発熱量の20%の発熱を終えた状
態であった。
は、実施例1と同様の方法で接着フィルムを作製した。
なおこの状態での接着剤の硬化度は、DSCを用いて測
定した結果、硬化度は全硬化発熱量の10%の発熱を終
えた状態であった。
ラック樹脂(大日本インキ化学工業製のLF2882を
使用)25重量部に変更した以外は、実施例1と同様の
方法で接着フィルムを作製した。なおこの状態での接着
剤の硬化度は、DSCを用いて測定した結果、硬化度は
全硬化発熱量の30%の発熱を終えた状態であった。
ラック樹脂(大日本インキ化学工業製のLF2882を
使用)25重量部に変更し、さらに硬化促進剤を用いな
い以外は、実施例1と同様の方法で接着フィルムを作製
した。なおこの状態での接着剤の硬化度は、DSCを用
いて測定した結果、硬化度は全硬化発熱量の5%の発熱
を終えた状態であった。以上の配合を表1に示した。
び接着強度(引き剥し強度)の経時変化を評価した。流
れ性は、一定サイズで切り出した接着剤をスライドグラ
ス上に接着剤層を貼り付けた評価用サンプルをテスター
産業株式会社作製の熱圧着機で、金型温度160℃(両
面)、圧力2MPa、圧着時間18秒の条件で熱圧着さ
せた際、従来のサイズからどの程度接着剤が流れ出たか
を測定し、ワニス作製直後に塗工した接着剤の流れ性を
100とし、25℃保存下での7日後、30日後、60
日後、90日後の流れ性を測定した。流れ性が80〜1
20の範囲内にあるものを○、それ以上に変動している
ものを×とした。
ラス板とポリイミド(宇部興産株式会社製 ユーピレッ
クス50S)の間に接着剤を挟み、金型温度160℃
(両面)、圧力2MPa、圧着時間18秒の条件で熱圧
着させた後、170℃の条件下に1時間放置し硬化反応
を終了させ、テスター産業株式会社製90度ピール強度
測定機を用いて、ポリイミドフィルムの引き剥がし強度
を測定し、接着剤製造時の異なる3サンプルの平均値が
200g/cm未満のものを×、200〜500g/c
mの範囲内のものを△、500g/cm以上のものを○
とした。さらに、25℃保存下での7日後、30日後、
60日後及び90日後の引き剥がし強度を測定し、数値
により上記と同様の判定を行った。これらの結果を表2
に示した。
を、基材として厚さ25μmのポリイミドフィルム(宇
部興産性のユーピレックスSGA−25を使用)の両面
に温度85℃、圧力2.5MPa、ラミネート速度1.
0m/分の条件でホットロールラミネーターを用いて貼
り付け、ポリイミドフィルムの両面に接着剤層を備えた
接着フィルムを作製した。得られた接着フィルムを25
℃保存下での7日、30日、60日及び90日放置した
ものを用いて、図2に示すような半導体チップと75μ
mのポリイミドフィルムを基材に用いた配線基板を接着
剤で貼り合わせた半導体装置サンプル(片面にはんだボ
ールを形成)を作製し、耐熱性及び耐湿性を評価した。
図2はその断面図を示し、図2において、3は配線、4
は半導体配線基板、5は半導体チップ、6は半導体チッ
プ接続部材、7は封止材、8ははんだボールである。
ク性と温度サイクル試験を適用した。耐リフロークラッ
ク性の評価はサンプル表面が240℃でこの温度を20
秒間保持するように温度設定したIRリフロー炉にサン
プルを通し、室温で放置することにより冷却する処理を
2回繰り返したサンプル中のクラックを観察することに
より行った。クラックの発生していないものを○とし、
発生したものを×とした。温度サイクル試験はサンプル
を−55℃雰囲気に30分間放置し、その後120℃の
雰囲気に30分放置する工程を1サイクルとして測定
し、500サイクルまでに破壊が生じなかったものを○
で示した。また、耐湿性評価は、プレッシャークッカー
試験機中で96時間処理(121℃、2気圧、PCT処
理)後接着部材の剥離を観察することにより行った。接
着部材の剥離の認められなかったものを○とし、剥離の
あったものを×とした。
成物を用いて、実施例5と同様にポリイミドフィルムの
両面に接着剤層を備えた接着フィルムを作製し、実施例
5と同様に25℃保存下での7日、30日、60日及び
90日放置したものを用いて、耐熱性と耐湿性の評価を
行った。以上の結果を表3に示した。
着フィルム、この接着フィルムを用いた半導体チップ搭
載用基板及び半導体装置は、室温付近での弾性率が低い
ために、半導体装置において、半導体チップと配線基板
との熱膨張率差から加熱冷却時に発生する熱応力を緩和
させることができる。そのため、リフロー時のクラック
の発生が認められず、耐熱性に優れている。またエポキ
シ基含有アクリル系共重合体を低弾性率成分として含ん
でおり、耐湿性、特にPCT処理等厳しい条件下で耐湿
試験を行った場合の劣化が少なく優れた特長を有する接
着剤組成物、接着フィルム、半導体チップ搭載用基板及
びこれを用いた半導体装置を提供することができる。さ
らに本発明の接着剤組成物、及びこれを用いた接着フィ
ルムは、保存安定性が良好であるために、長期間保存し
た後でも、配線基板に対する貼り付け性やチップとの接
着性が低下することがなく、パッケージの信頼性を向上
することができる。
着フィルムの断面図。
フィルムを用いた半導体装置の断面図。
Claims (10)
- 【請求項1】 (1)分子内に2個以上のエポキシ基を
有するエポキシ樹脂及び(2)硬化剤として分子内に2
個以上のフェノール性水酸基と1個以上のカルボキシル
基を有する化合物の総量を100重量部ならびに(3)
カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、アミド
基及びエポキシ基の少なくとも1を有するアクリル系共
重合体50〜300重量部を含有する接着剤組成物。 - 【請求項2】 (2)の分子内に2個以上のフェノール
性水酸基と1個以上のカルボキシル基を有する化合物が
下記一般式(I)で表される化合物である請求項1に記
載の接着剤組成物。 【化1】 (式中、R1 〜R4 は水素原子又は低級アルキル基を表
し、これらは互いに同じでも異なっていてもよく、nは
0〜6の整数である。) - 【請求項3】 アクリル系共重合体のTgが−20℃〜
30℃であり、重量平均分子量が30,000〜30
0,000である請求項1または2に記載の接着剤組成
物。 - 【請求項4】 さらに(4)硬化促進剤0.01〜10
重量部を配合した請求項1〜3のいずれか1項に記載の
接着剤組成物。 - 【請求項5】 さらに(5)カップリング剤0.01〜
10重量部を配合した請求項1〜4のいずれか1項に記
載の接着剤組成物。 - 【請求項6】 さらに(6)イオン捕捉剤0.01〜1
0重量部を配合した請求項1〜5のいずれか1項に記載
の接着剤組成物。 - 【請求項7】 さらに(7)溶剤を配合した請求項1〜
6のいずれかに記載の接着剤組成物。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の接
着剤組成物をフィルム化した接着フィルム。 - 【請求項9】 請求項8記載の接着フィルムを接着して
なる半導体チップ搭載用基板。 - 【請求項10】 請求項8に記載の接着フィルムを用い
て製造される半導体装置。
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