JP2007149590A - ラジカル処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】放電によるラジカル処理方法を使用するラジカル処理装置において、水処理などに適用した場合の処理効率の向上を図ることができるラジカル処理装置を提供することにある。
【解決手段】放電によりラジカルを生成するラジカル処理装置10において、高電圧の印加により放電プラズマを発生させる突起部材4の近傍にラジカル処理用ガス6を導入するためのガス流入口7及びラジカルを含むラジカル含有ガス11を噴出するためのガス流出口8を有する構成である。
【選択図】図1

Description

本発明は、放電を利用して発生するラジカルにより、水の浄化処理や、物質の表面処理または表面化異質などの処理に適用できるラジカル処理装置に関する。
近年、例えば水の浄化処理に適用する水処理方法として、塩素を利用した方法以外に、オゾン(O)の酸化反応を利用した水処理方法が注目されている。両方法とも、化学的に強い酸化力を利用して、水中に溶存する有機物質を分解することができる。
一般的に、それらの酸化ポテンシャルは、塩素が1.4ボルトであるのに対し、オゾンは2.07ボルトと高い。これに対して、ヒドロキシルラジカル(OHラジカル)や、酸素原子ラジカル(Oラジカル)は、酸化ポテンシャルがそれぞれ2.85ボルト、2.42ボルトであり、オゾンよりさらに高い。また、有機物質に対する反応速度定数も、オゾンより高い。
このため、OHラジカルやOラジカルを利用すれば、ダイオキシンなどの難分解性物質をすばやく分解することが可能である。ここで、OHラジカルやOラジカルなどを総称して、以下単にラジカルと表記する。また、ラジカルを利用して水処理などを行なう処理をラジカル処理と表記する。このラジカルは、放電を発生させることにより得られ、多湿雰囲気での放電下ではOHラジカルが得られて、酸素雰囲気下ではOラジカルが得られる。
ラジカル処理の先行技術としては、例えばコロナ放電を利用した有害物質を浄化する浄化方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。また、低温プラズマにより反応性ガスを発生させて、オゾンより反応性の高いラジカルを有効に利用するラジカル処理方法も提案されている(例えば、特許文献2及び特許文献3を参照)。さらに、プラズマ放電により、廃水中にラジカルを発生させて浄化する浄化方法も提案されている(例えば、特許文献4を参照)。
特開2001−70946号公報 特開2003−80059号公報 特開2003−80058号公報 特開2000−288547号公報
前述のような放電方法により得られるラジカルは、反応性が非常に高く、発生した直後に消滅する。このラジカルにより水中に溶存する難分解性有機物を分解するには、発生直後に、ラジカルを水中へ溶け込ませる必要がある。従って、単に放電によるラジカル処理方法を適用しただけでは、水処理の効率はそれ程高くないという問題点がある。
そこで、本発明の目的は、放電によるラジカル処理方法を使用するラジカル処理装置において、水処理などに適用した場合の処理効率の向上を図ることができるラジカル処理装置を提供することにある。
本発明の観点は、ラジカル処理用ガスから放電により発生するラジカルにより、例えば水中に溶存する難分解性物質などの分解処理を行なうラジカル処理を、効率的に行なうことができる構造を備えたラジカル処理装置である。
本発明の観点に従ったラジカル処理装置は、放電用の高電圧を発生する電源と、前記電源からの高電圧により放電プラズマを発生させるプラズマ発生用部材を有する高電圧電極と、前記高電圧電極に対向して配置された接地電極と、前記プラズマ発生用部材の近傍にラジカル処理用ガスを導入するためのガス流入部、及び前記放電プラズマにより生成されるラジカルを含むガスを処理対象物に対して噴出するためのガス流出部を有する本体とを備えた構成である。
本発明によれば、放電によるラジカルを含むガスを処理対象に噴出することにより、ラジカルが消滅する前に処理対象との反応を実現することにより、ラジカル処理効率の向上を図るラジカル処理装置を提供できる。特に、水の浄化処理や、物質の表面改質や表面処理に適用した場合に有効である。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態に関するラジカル処理装置の要部を説明するための図である。
ラジカル処理装置10は、図1に示すように、通常ではパルス高電圧を発生する電源1と、先端部でプラズマ5を発生させるプラズマ発生用部材である突起部材4が接続された高電圧電極2と、当該高電圧電極2に対する接地電位となる接地電極3とを有する。
電源1は、高電圧電極2と接地電極3との間に高電圧を印加して、突起部材4の先端部で例えばコロナ放電によるプラズマ5を発生させる。高電圧電極2には、図1及び図3(正面図)に示すように、ラジカル処理用ガス6を導入するためのガス流入口7が設けられている。また、接地電極3には、図1及び図10に示すように、ラジカルを含むガス11を流出(噴出)するためのガス流出口8が設けられている。
ガス流入口7は、図3に示すように、例えば横長のスリット形状である。また、突起部材4は、例えば刃形状(ブレード形状)である。さらに、ガス流出口8は、図10に示すように、例えば横長のスリット形状である。
なお、突起部材4は、刃状で両端が丸く加工を施されている部材でもよい。
次に、図2は、当該ラジカル処理装置10を水処理プラントに適用した場合の構成を示す図である。
水処理プラントは、処理水110を収容するための反応容器100と、当該反応容器100に設置されたラジカル処理装置10とから構成される。処理水110は、例えば難分解性有機物や廃棄物、最終処分場の浸出水、ダイオキシン類、工場の排水、家庭排水等を含有した廃水である。反応容器100は、例えばステンレス材質からなる。
ラジカル処理装置10は、反応容器100の側面で、処理水110の水面より下部に設置されている。なお、ラジカル処理装置10は、反応容器100の底部に設置されてもよい。ラジカル処理装置10では、高電圧電極2は、絶縁部9を介して接地電極3と一体的に構成されている。高電圧電極2と接地電極3との間には、例えば高電圧パルスを発生する電源1から例えばコロナ放電に必要な高電圧が印加される。これにより、突起部材4は、その先端部で例えばコロナ放電によるプラズマ5を発生する。なお、突起部材4は、誘電体材料により覆われていてもよい。
次に、図1と共に図2も参照して、本実施形態に関するラジカル処理装置10の作用効果を説明する。
まず、反応容器100の内部に処理水110が蓄えられると、ラジカル処理装置10によるラジカル処理が行なわれる。ラジカル処理装置10では、図1に示すように、ガス流入口7からラジカル処理用ガス6が導入される。ここで、ラジカル処理用ガス6は、例えば水分を含む空気である。
一方、高電圧電極2と接地電極3との間には、電源1から高電圧パルスが印加される。これにより、高電圧電極2に接続された突起部材4の先端では、コロナ放電によるプラズマ5が発生する。突起部材4の周辺には、ラジカル処理用ガス6が導入されているため、プラズマ5とラジカル処理用ガス6との反応により、ラジカルが発生する。
ガス流出口8からは、プラズマ5内で生成されるラジカルが含まれたラジカル含有ガス11が噴出される。このラジカル含有ガス11が、ガス流出口8から反応容器100の内部に蓄えられた処理水110中に噴出される。ラジカル含有ガス11は、図2に示すように、微小な気泡として処理水110中に吹き込まれて、有機物などを分解処理する。
以下、高電圧電極2からのコロナ放電によるラジカルの生成プロセスの原理を説明する。
放電が酸素(O原子)を含有する空気(ラジカル処理用ガス6)などの雰囲気中で発生した場合、放電内では電子eと気体分子との衝突により、基底状態の酸素原子O(P)や励起状態のO原子O(D)が発生する。これを、下記の化学式(1)で表現する。
e+O→O(D)+O(P)…(1)
ここで、O(D)は水分子と反応し、ヒドロキシラジカル(以下、OHラジカルと表記する)を意味する。すなわち、下記の化学式(2)が成立する。
O(D)+HO→2・OH…(2)
O(P)原子からは、O分子と中性分子Mとの3体衝突により、オゾンOが発生する。すなわち、下記の化学式(3)が成立する。
O(P)+O+M→O+M…(3)
O(P)は、HOとも反応し、下記式(4)に示すように、OHラジカルも発生する。
O(P)+HO→2・OH…(4)
また、水分子に直接電子が衝突することによっても、H原子およびOHラジカルが発生する。これを、下記の化学式(5)で表現する。
e+HO→H+・OH…(5)
また、OHラジカルからは、過酸化水素Hも発生する。これを、下記の化学式(6)で表現する。
・OH+・OH→H…(6)
このようにして生成されたO原子、OHラジカル、オゾンおよび過酸化水素が、ラジカルとして、熱運動、拡散、ガス流により処理水中へ溶け込むことによって処理される。
直接処理では、放電から発生したOHラジカルが処理対象水2の水中へと溶解し、すぐに難分解性有機物と反応する。これにより、水HOと、二酸化炭素COと、過酸化水素に分解する。これを、下記の化学式(7)で表現する。
・OH+R→HO+CO+H…(7)
これに対し、間接処理では、放電から発生したオゾンと過酸化水素との反応により、OHラジカルが発生し、難分解性有機物を分解する。
過酸化水素は、水中に溶解すると解離して、HO と水素イオンHを形成する。これを、下記の化学式(8)で表現する。
→HO +H…(8)
発生したHO は、Oと反応し、O とHOラジカルを形成する。これを、下記の化学式(9)で表現する。
HO +O→O +HO…(9)
発生したHOは解離し、O とHを形成する。これを、下記の化学式(10)で表現する。
HO→O +H(10)
発生したO はオゾンと反応し、O を形成する。これを、下記の化学式(11)で表現する。
+O→O +O…(11)
はHと反応し、HOを形成する。これを、下記の化学式(12)で表現する。
+H→HO…(12)
HOは解離し、OHラジカルを形成する。これを、下記の化学式(13)で表現する。
HO→・OH+O…(13)
以上のようにして、放電により発生したラジカル含有ガス11を、反応容器100の内部に蓄えられた処理水110中に溶解させて、当該ラジカルによる直接処理及び間接処理の2段階により、処理水110に含まれる有機物などの分解処理を含む水処理を行なうことができる。
ここで、本実施形態のラジカル処理装置10は、ガス流入口7からラジカル処理用ガス6を導入し、突起部材4の先端でコロナ放電によるプラズマ5でラジカルを生成し、当該ラジカルが含まれたラジカル含有ガス11を処理水110中に噴出する。従って、プラズマ5で発生したラジカルは、消滅する前に、処理水110中に短時間で溶け込むことが可能となる。従って、溶解したラジカルが、消滅する前の有効な状態で、処理水110中に溶存する難分解性有機物などと反応し、効率的に分解処理することが可能となる。
また、本実施形態のラジカル処理装置10は、図3(A),(B)及び図10(A),(B)に示すように、ガス流入口7からラジカル処理用ガス6を導入し、さらに均一的に設けられたガス流出口8からラジカル含有ガス11を処理水110中に均一的に噴出させることが可能となる。なお、図3及び図10において、同図(B)は同図(A)内のXにおける断面図である。
これにより、処理水110中に溶存する難分解性有機物などとの反応を均一化し、結果として、効率的なラジカル処理を実現することが可能となる。
[第2の実施形態]
図4(A),(B)は、第2の実施形態に関するラジカル処理装置10の高電圧電極2の構造を示す図である。図4において、同図(B)は同図(A)内のXにおける断面図である。
本実施形態において、高電圧電極2の構造以外は、図1、図2および図10(A),(B)に示すような第1の実施形態に関するラジカル処理装置10と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態に関する高電圧電極2には、図4(A),(B)に示すように、ガス流入口7として、少なくとも1つ以上からなる円形状の穴から構成されている。このような構造のガス流入口7であれば十分な圧損が生じることから、ラジカル処理用ガス6を、複数の穴から均一な流速または流量で、突起部材4の先端周辺まで導入することができる。従って、突起部材4では、ラジカル処理用ガス6と放電プラズマ5とが均一に反応し、当該反応により生成されるラジカルが均一に含まれたラジカル含有ガス11(均一なラジカル濃度分布)を、処理水110中に噴出することができる。これにより、処理水110中に溶存する難分解性有機物等とのラジカル反応を均一化し、結果として、効率的なラジカル処理を実現することが可能となる。
[第3の実施形態]
図5(A),(B)は、第3の実施形態に関するラジカル処理装置10の高電圧電極2の構造を示す図である。図5において、同図(B)は同図(A)内のXにおける断面図である。
本実施形態において、高電圧電極2の構造以外は、図1、図2および図10(A),(B)に示すような第1の実施形態に関するラジカル処理装置10と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態では、高電圧電極2上に設けられた突起部材4は針状である。また、第1の本実施形態と同様に、この針状での突起部材4は、誘電体材料により覆われていてもよい。このような構造の突起部材4であれば、その先端部において放電プラズマは、低電力で発生する。即ち、放電プラズマは、突起部材4の先端が鋭角であるほど低電力で発生する。従って、突起部材4の形状を針状とすることにより、結果として低電力でラジカルを発生させることができる。これにより、浄化処理などの水処理に適用する場合に、低消費電力化が可能となるため、水処理プラントの処理効率を高めることが可能となる。
[第4の実施形態]
図6(A),(B)は、第4の実施形態に関するラジカル処理装置10の高電圧電極2の構造を示す図である。図6において、同図(B)は同図(A)内のXにおける断面図である。
本実施形態において、高電圧電極2の構造以外は、図1、図2および図10(A),(B)に示すような第1の実施形態に関するラジカル処理装置10と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態では、高電圧電極2上に設けられた突起部材4は針状であり、かつ、ガス流入口7は少なくとも1つ以上からなる円形状の穴から構成されている。なお、突起部材4は、誘電体材料により覆われていてもよい。
このような構造の突起部材4であれば、前述の第3の実施形態と同様に、その先端部において、放電プラズマを低電力で発生させることができる。従って、低電力でラジカルを発生させることができるため、浄化処理などの水処理に適用する場合に、低消費電力化が可能となるため、水処理プラントの処理効率を高めることが可能となる。
また、ガス流入口7を円形の穴とすることにより、前述の第2の実施形態と同様に、十分な圧損が生じることから、ラジカル処理用ガス6を、複数の穴から均一な流速または流量で、突起部材4の先端周辺まで導入することができる。これにより、ラジカル処理用ガス6は、突起部材4の先端付近を均一に流れるようになるため、放電プラズマ5により発生するラジカルを含むラジカル含有ガス11のラジカル濃度分布も、均一となる。従って、処理水110中に溶存する難分解性有機物等とのラジカル反応を均一化し、結果として、効率的な水処理を実現することが可能となる。
[第5の実施形態]
図7(A),(B)は、第5の実施形態に関するラジカル処理装置10の高電圧電極2の構造を示す図である。図7において、同図(B)は同図(A)内のXにおける断面図である。
本実施形態において、高電圧電極2の構造以外は、図1、図2および図10(A),(B)に示すような第1の実施形態に関するラジカル処理装置10と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態では、高電圧電極2上に設けられた突起部材4は、中空円錐形状である。さらに、突起部材4の中空部がガス流入口7で、ガス流入口7は、円形状の穴から構成されて、導入されるラジカル処理用ガス6を突起部材4の円錐状の先端部の穴に送り出す。なお、突起部材4は、誘電体材料により覆われていてもよい。
このような構造の突起部材4であれば、その先端部が針状で鋭角であるため、放電プラズマは低電力で発生する。従って、低電力でラジカルを発生させることができるため、これにより、浄化処理などの水処理に適用する場合に、低消費電力化が可能となるため、水処理プラントの処理効率を高めることが可能となる。
また、突起部材4を中空円錐状とすることにより、突起部材4とガス流入口7とを一体化できるため、高電圧電極2の構成を単純化することが可能となる。さらに、ガス流入口7は円形の穴とすることにより、前述の第2の実施形態と同様に、十分な圧損が生じることから、ガス流入口7のそれぞれから均一にラジカル処理用ガス6が流れるようになる。さらに、突起部材4の先端では放電プラズマ5が発生することから、その先端部に設けられたガス流入口7を流れるラジカル処理用ガス6は、確実に放電プラズマ5に接することになる。従って、放電プラズマ内で発生するラジカルを含むラジカル含有ガス11を、効率よく処理水110中に吹き込むことが可能となる。
[第6の実施形態]
図8(A),(B)は、第6の実施形態に関するラジカル処理装置10の高電圧電極2の構造を示す図である。図8(A)は正面図であり、図8(B)は図(A)内のXにおける断面図である。
本実施形態において、高電圧電極2の構造以外は、図1、図2および図10(A),(B)に示すような第1の実施形態に関するラジカル処理装置10と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態では、高電圧電極2上には突起部材4が設けられず、図8(A)に示すように、高電圧電極2が例えばガラス部材などの誘電体12で覆われている構成である。なお、高電圧電極2に高電圧を印加する高電圧発生電源1は、交流発生電源でもよい。
本実施形態のラジカル処理装置10では、誘電体12に覆われた高電圧電極2と接地電極3との間に印加される高電圧により、放電プラズマが発生する。このとき、高電圧電極2は誘電体13により覆われているため、放電はコロナ放電ではなく、高電圧電極2と接地電極3との間に、極めて短時間で消滅するマイクロ放電が発生する。
このマイクロ放電は、誘電体12のバラスト効果により電極2,3間に、均一かつ無数に発生する。このため、高電圧電極2に設けられたガス流入口7から導入されるラジカル処理用ガス6は、多くのマイクロ放電と接する。従って、ラジカル密度が高いラジカル含有ガス11が、生成されてガス流出口8から処理水110中に吹き込まれる。これにより、高濃度のラジカルを含有したガス11を処理水110中に送り込むことになり、高効率の浄化処理などの水処理を行なうことが可能となる。
[第7の実施形態]
図9(A),(B)は、第7の実施形態に関するラジカル処理装置10の高電圧電極の構造を示す図である。図9において、同図(B)は同図(A)内のXにおける断面図である。
本実施形態において、高電圧電極の構造以外は、図1、図2および図10(A),(B)に示すような第1の実施形態に関するラジカル処理装置10と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態では、基本的には前述の第6の実施形態と同様の構造であり、誘電体12に覆われた高電圧電極2と接地電極3との間に印加される高電圧により、放電プラズマが発生する。このとき、高電圧電極2は誘電体12により覆われているため、放電はコロナ放電ではなく、高電圧電極2と接地電極3との間に、極めて短時間で消滅するマイクロ放電が発生する。また、高電圧電極2上に設けられたガス流入口7は、少なくとも1つ以上からなる円形状の穴から構成されている。
本実施形態の構造であれば、前述の第6の実施形態と同様に、マイクロ放電が、誘電体12のバラスト効果により電極2,3間に、均一かつ無数に発生するため、高電圧電極2に設けられたガス流入口7から導入されるラジカル処理用ガス6は、多くのマイクロ放電と接する。従って、ラジカル密度が高いラジカル含有ガス11が、生成されてガス流出口8から処理水110中に吹き込まれる。これにより、高濃度のラジカルを含有したガス11を処理水110中に送り込むことになり、高効率の浄化処理などの水処理を行なうことが可能となる。
また、ガス流入口7を円形状の穴とすることにより、前述の第5の実施形態と同様に、十分な圧損が生じることから、ガス流入口7のそれぞれから均一にラジカル処理用ガス6が流れるようになる。
[第8の実施形態]
図11(A),(B)は、第8の実施形態に関するラジカル処理装置10の接地電極3の構造を示す図である。図11において、同図(B)は同図(A)内のXにおける断面図である。
図10(A),(B)は、前述したように、第1の実施形態に関するラジカル処理装置10の接地電極3の構造を示す図である。第8の実施形態において、接地電極の構造以外は、図1、図2および図10(A),(B)に示すような第1の実施形態に関するラジカル処理装置10と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態では、基本的には第1の実施形態と同様であり、接地電極3にはガス流出口8が設けられている。ガス流出口8は、図11(A),(B)に示すように、少なくとも一つ以上の円形の穴から構成されている。
まず、図10(A),(B)に示す場合と同様に、ガス流出口8を接地電極3に設けることにより、放電プラズマをガス相で発生させつつ、放電プラズマ内で生成されるラジカルをラジカル含有ガス11として、瞬時に処理水110中に吹き込ませることが可能となる。このことから、寿命の短いラジカルを処理水110中で活性化させた状態で、有効に水処理に利用できるようになる。
さらに、図11(A),(B)に示すように、ガス流出口8を円形の穴とすることにより、ラジカル含有ガス11に十分に圧力損を発生させることができる。従って、ガス流出口8から処理水110中に均一にラジカルを噴出できるため、高い効率のラジカル処理を実現することができる。なお、図10及び図11において、高電圧電極側の面は誘電体で覆われていてもよい。
また、第1から第8の各実施形態では、ラジカル処理装置10を、浄水処理などの水処理プラントに適用した場合を想定したが、これに限ることなく、表面処理プロセスに適用してもよい。具体的には、処理対象物として、例えばディスプレイ用のガラス基板がある。また、使用済みの有機ELパネルやPCB含有紙などであり、表面洗浄や表面改質、表面処理用に用いることが可能である。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1の実施形態に関するラジカル処理装置の要部を説明するための図。 第1の実施形態に関するラジカル処理装置を水処理装置に適用した場合の構成を示す図。 第1の実施形態に関するラジカル処理装置の高電圧電極の構造を説明するための図。 第2の実施形態に関するラジカル処理装置の高電圧電極の構造を説明するための図。 第3の実施形態に関するラジカル処理装置の高電圧電極の構造を説明するための図。 第4の実施形態に関するラジカル処理装置の高電圧電極の構造を説明するための図。 第5の実施形態に関するラジカル処理装置の高電圧電極の構造を説明するための図。 第6の実施形態に関するラジカル処理装置の高電圧電極の構造を説明するための図。 第7の実施形態に関するラジカル処理装置の高電圧電極の構造を説明するための図。 第1の実施形態に関するラジカル処理装置の接地電極の構造を説明するための図。 第8の実施形態に関するラジカル処理装置の接地電極の構造を説明するための図。
符号の説明
1…電源、2…高電圧電極、3…接地電極、4…突起部材、5…プラズマ、
6…ラジカル処理用ガス、7…ガス流入口、8…ガス流出口、9…絶縁部、
10…ラジカル処理装置、11…ラジカル含有ガス、12…誘電体、
100…反応容器、110…処理水。

Claims (12)

  1. 放電用の高電圧を発生する電源と、
    前記電源からの高電圧により放電プラズマを発生させるプラズマ発生用部材を有する高電圧電極と、
    前記高電圧電極に対向して配置された接地電極と、
    前記プラズマ発生用部材の近傍にラジカル処理用ガスを導入するためのガス流入部、及び前記放電プラズマにより生成されるラジカルを含むガスを処理対象物に対して噴出するためのガス流出部を有する本体と
    を具備したことを特徴とするラジカル処理装置。
  2. 前記電源は、パルス高電圧発生電源であることを特徴とする請求項1に記載のラジカル処理装置。
  3. 前記本体は、
    前記ガス流入部から導入された前記ラジカル処理用ガスを、前記プラズマ発生用部材の周辺に供給するためのガス流路を有することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のラジカル処理装置。
  4. 前記ガス流入部は、前記高電圧電極と一体的に構成されて、スリット形状の流入口を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のラジカル処理装置。
  5. 前記ガス流入部は、前記高電圧電極と一体的に構成されて、円形状の複数の穴からなる流入口を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のラジカル処理装置。
  6. 前記プラズマ発生用部材は、刃形状の突起部材であり、周辺に前記ラジカル処理用ガスを流すためのガス流路を有する構成であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のラジカル処理装置。
  7. 前記プラズマ発生用部材は、針形状の突起部材であり、周辺に前記ラジカル処理用ガスを流すためのガス流路を有する構成であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のラジカル処理装置。
  8. 前記プラズマ発生用部材は、中空円錐構造であり、内部に前記ラジカル処理用ガスを流すためのガス流路を有する構成であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のラジカル処理装置。
  9. 前記プラズマ発生用部材は、誘電体材料で覆われている構成であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のラジカル処理装置。
  10. 前記ガス流出部は、前記接地電極と一体的に構成されて、スリット形状の流入口を有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のラジカル処理装置。
  11. 前記ガス流出部は、前記接地電極と一体的に構成されて、円形状の流入口を有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のラジカル処理装置。
  12. 前記接地電極は、誘電体材料で覆われている構成であることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のラジカル処理装置。
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