JP4904650B2 - 物質処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理対象物を処理する処理室と低温プラズマ生成部を隣接させ、圧力の高い状態で低温プラズマを発生させることにより反応性ガスおよび放電光を発生させこれを用いて上下水処理、汚染水の無害化処理、有害物質処理等の処理を行う物質処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガスの化学的処理、汚染水の無害化処理、有害物質および有害廃棄物処理、表面処理を含めた新材料開発、半導体製造プロセスにおけるレジスト剥離や酸化膜形成などにおける反応処理および反応促進手段として、放電プラズマ法の利用が行なわれている。放電プラズマ法の特長として、処理後の二次生成物質、特に有害物質を伴わないことが適用理由の一つとして挙げられる。
放電プラズマ法の利用は、放電から発生する熱による熱プラズマ(例えばアーク放電)を利用する方法と、高エネルギーの電子を生成し、放電による熱よりもむしろ電子と物質との衝突解離を利用する方法がある。特に後者は、電子温度(電子エネルギー)が高く、ガス温度(中性粒子や各種イオンのエネルギー)の低い、熱的非平衡放電プラズマ(以降、低温プラズマとする)と呼ばれ、コロナ放電やストリーマ放電、電子線照射などにより生成される。放電プラズマ中に導入されるガスの種類により対象分野が区別されるとともに、低温で生じるガスのイオン化や各種ラジカルの発生によりガス反応処理を促進する際の有力な手段となりうる。
低温プラズマを利用したものとしては、活性酸素種およびラジカル種を発生させ利用する上下水や廃液の無害化処理や工業的な酸化処理がある。活性酸素種の一つであるオゾンは、他の活性酸素種に比べて寿命が長いことと、自然界ではフッ素に次ぐ強酸化性を有することを特長とするため、様々な工業的酸化処理工程で用いられる。
従来の上下水処理の中では、例えば特開平5-319807号公報では液中オゾン発生器(以下、開示例1と呼ぶ)について記載されている。図7は、反応性ガスを用いた処理装置を示す断面図である。図において、12は高電圧電極、13は低電圧電極、15は電源、18は原料ガス、30は被処理水、31は中空糸膜である。
以上の構成において、被処理水30で満たされた水槽に高電圧電極12と低電圧電極13を挿入し、前記高電圧電極と前記低電圧電極の間に中空糸膜31を配置させ、前記中空糸膜へ原料ガス18を供給することで微細気泡を発生させ、前期高電圧電極と前記低電圧電極の間に直流、交流あるいはパルス状の高電圧を印加することで前記微細気泡内に局部的なパルス放電を発生させ、反応ガスであるオゾンを発生させる。上記のような構成では、発生している高密度のパルス放電に微細気泡中の酸素が接触することにより効率よくオゾンを生成することができるとともに、発生したオゾンは互いに反応して元の酸素に戻ることなく直ちに液と接触するため水中の有機物質や悪臭成分を効率よく酸化分解することができるようになっている。
同様に微細気泡内放電による活性酸素種やラジカル種の生成方法として、特開2001-9463号公報(以降、開示例2と呼ぶ)では被処理水槽内の水に非接触状態で対向配置された電極に交流パルス電圧を印加し、電位反転の際に誘起されて前記被処理水槽内に発生する電場により水中放電を行なうことで活性酸素種の生成を行っている。
従来の放電プラズマによる直接処理例としては、例えば特開2001-58184号公報(以下、開示例3と呼ぶ)がある。図8は、他の反応性ガス発生装置を示す断面図である。直流の電源15を用いてアーク放電を発生させ、被処理水30を処理する。アーク放電中に水蒸気32を含んだガスを高速で噴射することでプラズマジェット33を形成し、プラズマジェット33による高温(通常400〜1000℃)処理とOHラジカルによる酸化分解処理を同時に進行させることで水中の有害物処理を行っている。
このように、放電プラズマ法を用いたガス発生装置およびそれを用いた処理方法は、前述の開示例1〜3で示されるように活性酸素種およびラジカル種を放電プラズマ法により生成し、また放電熱による高温分解方法を併用させることで被処理対象物と反応処理を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述の開示例1では、電極が水に浸漬した状態では、生成される高酸化性物質(オゾンやOHラジカル等)に常に曝されるため、電極表面が腐食される問題があり、装置の寿命の点で問題がある。前述の開示例1および開示例2では、液体は比誘電率の大きいキャパシタの役目を果たしてしまうため、電極間に投入したエネルギーの多くはジュール熱となって液層の温度を上昇させるために使われ、分解処理に寄与するエネルギー効率の低下を招いていた。処理域を拡大するために電極間の距離を大きくすると、電源の大容量化ならびに大型化が必要となる。また、微細気泡内の放電であるため、処理規模が制限されることがあり、広域的な処理を行うことが難しかった。
前述の開示例3では、アーク放電によるプラズマジェットを使用するため、アーク放電による電極消耗が激しく、長期に渡って安定した処理効率を得ることが難しかった。熱プラズマを利用した高温処理を併用しているため、活性酸素種やラジカル種等の反応性ガスの分解を招き、前記反応性ガスの利用率の低下を招いていた。また、投入されたエネルギーの大半は熱として放出され、その多くは液層の温度を上げるために使用されていた。
そこで、本発明は上記の点を考慮してなされたもので、小型でエネルギー効率が高く、安定した放電が得られ、かつ、生成される活性酸素種やラジカル種等をオゾン処理以外の処理に有効利用できる反応性ガスを用いた物質処理装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明の一の観点によれば、パルス高電圧を発生させる電源と、原料ガスの導入部と、高電圧電極及び低電圧電極を所定の放電空間を介して対向させ、前記高電圧電極及び前記低電圧電極間に前記パルス高電圧を印加することにより、前記原料ガスから反応性ガスを生成する反応器と、前記反応器から前記反応性ガス及び放電光を取り出す取出部と、前記取出部の出口に隣接し、被処理対象物を処理する処理室とを備え、 前記放電空間の圧力が前記取出部の出口の圧力よりも高くなるように前記原料ガスを前記導入部から導入し、前記パルス高電圧を印加して低温プラズマを発生させることにより、前記反応性ガス及び放電光を前記処理室に導き、前記被処理対象物に接触及び照射することにより、前記反応ガスによる化学反応及び前記放電光による光化学反応を併用して処理を行なう物質処理装置であって、前記取出部には、前記反応器から前記反応性ガスを取り出すノズル部が設けられ、前記ノズル部の内面を前記低電圧電極とし、さらに内方の前記反応空間となる空隙を介して前記低電圧電極に対抗するように前記高電圧電極が設けられるとともに、前記空隙は、前記原料ガスの導入部よりも小さい断面積とし、前記高電圧電極の前記ノズル部出口側に新たな空隙を介して第2の低電圧電極を設け、さらに前記第2の低電圧電極の前記ノズル部出口側に前記放電光の波長を選択する光透過窓を設けた物質処理装置が適用される。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。図1から図6は本発明の反応性ガスを用いた物質処理装置の断面図である。図において、共通する部分には同一符号を用いてあり、10は反応器、11は処理室、12は高電圧電極、13は低電圧電極、13aは第1の低電圧電極、13bは第2の低電圧電極、14aおよび14bは誘電体、16はガスの導入部、17はガスの取出部、18は原料ガス、19は生成された反応性ガス、20は発生した放電光、21は低温プラズマ、21 aは第1の低温プラズマ、21 bは第2の低温プラズマ、24はノズル部、25は光透過窓、26は放電光発生部である。
次に、本装置の動作について図1を参照しながら説明する。被処理対象物の配置されている処理室11よりも高い圧力下にて原料ガス18を導入部16を介して反応器10内部へ導入すると、反応性ガス19の取出部17と前記処理室との境界付近でガスの流れが妨げられるため、前記反応器内部は前記処理室よりも高い圧力が発生する。この状態の下、前記取出部近傍に配置された高電圧電極12と低電圧電極13の間に電源15よりパルス高電圧を印加すると、ガス圧力の増加に伴い中性粒子密度が増加することにより高気圧放電が形成され、高密度の低温プラズマ21が発生する。高密度の前記低温プラズマにより活性酸素種やラジカル種を含んだ高密度な前記反応性ガスが発生する。同時に、前記低電圧電極をメッシュ状の電極構造にしているため、前記低温プラズマにより発生する放電光20が前記反応性ガスと同時に前記取出部より照射される。前記反応性ガスは前記取出部付近と隣接する前記処理室の圧力差を利用して前記処理室へ直ちに送り込まれ被処理対象物と接触し化学反応処理が行われるとともに、放電光による光化学反応処理が行なわれる。
(第1実施例)
図1は、本発明の第1実施例を示す反応性ガスを用いた物質処理装置の断面図である。反応性ガス19の取出部17の近傍に高電圧電極12と低電圧電極13を所定のギャップ長を介して対向配置している。低電圧電極13の表面は、平滑面ではなく凹凸面としている。凹凸面により、突起の先端部で強電界場を形成することができ、高エネルギーの電子を生成することができるとともに、低温プラズマ21の発生部の圧力上昇に伴い高密度状態での放電発生を比較的容易にすることができる。また、低電圧電極を多数の孔を有する構造とすることで反応性ガスとともに低温プラズマより発生する放電光20を処理室11へ照射することができる。また、反応性ガスの生成部と被処理対象物が配置された処理室を隣接することで、比較的寿命の長い活性酸素種ならびにラジカル種を化学反応処理に有効に利用することが可能となる。また、生成した反応性ガスの利用率を向上することができる。
(第2実施例)
図2は、本発明の第2実施例を示す反応性ガスを用いた物質処理装置の断面図である。反応器10の内部に誘電体14aで被覆された多数の孔を有する高電圧電極12と、誘電体14bで覆われた多数の孔を有する低電圧電極13を対向配置し、取出部17の近傍に設けている。両電極ともに多数の孔を有する構造としたことで、無理なく反応性ガスと放電光を処理室へ導くことができる。孔の大きさ、形、単位面積当たりの数を調整することで低温プラズマが発生する放電空間内の圧力を調整することができるため、複雑なノズル形状を必要としない。高電圧電極を平滑面ではなく凹凸面としたことにより突起の先端部で強電界場を形成することができ、高密度状態での放電の発生を比較的容易にする効果がある。また、両電極表面を誘電体で被覆したため、放電によるスパッタや反応性ガスと放電光による腐食を緩和することができるとともに、メンテナンス性も向上し、放電くずのないクリーンな反応性ガスを供給することができる。
(第3実施例)
図3は、本発明の第3実施例を示す反応性ガスを用いた物質処理装置の断面図、図4は要部の拡大断面図である。反応器10内部の中心軸上に誘電体14aで被覆された多数の孔を有する高電圧電極12を配置し、誘電体14bで被覆された低電圧電極13をスプリング22で高電圧電極12に平行に押さえつけられるように配置されている。低電圧電極13は可動することができるため、スプリング22の強度により生成される反応性ガス19のガス密度を容易に調整することができるとともに、原料ガスの流れ方向に対して放射状に反応性ガス19を供給することができる。また、反応性ガス19の圧力が低下した場合には取出部17が閉じられるため安全弁としての役目も果たすことができる。高電圧電極を平滑面ではなく凹凸面としたことにより突起の先端部で強電界場を形成することができ、高密度状態での放電の発生を比較的容易にする効果がある。また、両電極を誘電体で被覆することにより放電によるスパッタや反応性ガスによる電極表面の劣化を抑制する効果がある。
(第4実施例)
図5は、本発明の第4実施例を示す反応性ガスを用いた物質処理装置の断面図、図6は、図5要部の拡大断面図である。反応性ガス19の取出部17にノズル部24を設け、ノズル部24の近傍に高電圧電極12と第1の低電圧電極13aを所定のギャップ長を介して対向配置し、ノズル部24の近傍の中心部近傍に高電圧電極12と第2の低電圧電極13bを対向配置し、表面に光透過窓25を設けている。高電圧電極12と第1の低電圧電極13aにより第1の低温プラズマ21aならびに第2の低温プラズマ21bを形成するためのガスを生成する反応性ガスの種類に応じて変更することで、光化学反応に適した波長を有する放電光20を照射できるとともに、反応性ガス19による化学反応と放電光20による光化学反応のバランスを容易に調整することができる。また、取出部17をノズル構造としたことでガスの流れにストレスを与えることなく滑らかなガス流を得ることができ、反応性ガス19の安定した供給を行うことができる。また、ノズル部17では反応性ガス19が高速噴射すると同時に放電光20が照射されるため、局部的な処理も行うことが可能となる。
図1から図6に示される反応性ガスを用いた物質処理装置は、反応性ガス19による化学反応処理と放電光20による光化学反応処理の併用による促進効果が現れる。例えば、原料ガス18が酸素で被処理対象物またはその雰囲気が液層もしくは水溶媒である場合は、反応性ガスであるオゾン(O3)による酸化反応が発生すると同時に、放電光の紫外成分により反応性の非常に高いOHラジカルが生成される。
ここで、O*は励起酸素原子であり、O2 *は励起酸素分子であり、オゾンと同じ活性酸素種の一つである。また、OHラジカルを被処理対象物の近傍で発生させる構造を有するため、オゾンによる効果とラジカル種による効果を併用することができ、反応処理の促進効果が得られる。また、低温プラズマ21,21aにより発生する寿命の短いラジカル種を含んだ反応性ガスは寿命が短いが、放電光の照射により反応性ガスの失活を緩和することができる。
高電圧電極12および低電圧電極13,13a,13bは、低温プラズマ21,21a,21bの発生部において適度のギャップ長で保持されかつ平行に配置されるものとし、誘電体14aおよび14bは電極の腐食防止や放電の安定性向上等を目的とする場合は、実施例の有無に関係なく使用してもよい。
高電圧電極12および低電圧電極13,13a,13bの低温プラズマ21,21a,21bの発生部の形状は、平面状、突起状および孔を有する形状のいずれの組み合わせを行うことができ、突起形状は溝切り凹凸形状、らせん突起形状、同心円突起形状、ワイヤ等の電極表面に凹凸形状を構成できるものを配置した形状、ワイヤおよびロッド形状、針形状等であり、孔を有する形状はメッシュ形状やパンチメタル形状等であり、いずれの形状も不平等電界場を形成できる構造であればよく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の形状であればその形状は問わない。
高電圧電極12および低電圧電極13に多数の孔を設ける場合は、原料ガス18と接する導入部16側の電極の孔の大きさを、取出部17に接する側の電極の孔の大きさよりも大きくするか、または単位面積当たりの数を多くする。これにより、低温プラズマ21発生部の圧力を高くすることができるとともに、原料ガスと接する電極による圧力影響を少なくすることができる。また、原料ガスの導入部16の入口および取出部の数は1ヶ所である必要はなく、低温プラズマ発生部において大気圧以上もしくは被処理対象物の雰囲気圧力以上の圧力を形成できる構造であればその形状は問わない。
ノズル部24を用いる場合は、反応器10の内部は導入部16から反応性ガス19の取出部17に向かい原料ガス18の流れ方向に対して垂直方向の断面積が小さくなる構造、もしくは通気路全体が加圧される構造としてもよい。また、ノズル部24の有無によらず、導入部16および取出部17の数は1ヶ所である必要はなく、低温プラズマ21、21aの発生部において大気圧以上もしくは被処理対象物の雰囲気圧力以上の圧力を形成できる構造であればその形状は問わない。
生成される反応性ガス19の性質により、高電圧電極12および低電圧電極13に冷却構造を設けることで、低温プラズマ21、21a発生部および被処理対象物との反応処理が行われるまでの部分で発生する反応性ガスの熱的分解や、高密度状態の低温プラズマにより発生された反応性ガスの温度上昇に伴う爆発等の抑制、および反応性ガスの生成効率の改善を行うことができる。
反応性ガス19の取出部17は、被処理対象物の反応器10内部への逆流防止機構を備えた構造を付加してもよい。
高電圧電極12および低電圧電極13,13a,13bは絶縁構造や反応器10の使用雰囲気、ならびに低温プラズマ21,21a,21bの特性により高電圧部と低電圧部を入れ替えた構造としてもよい。
前述の実施例4における低温プラズマ21aおよび21bは別電源にて発生させることもでき、低温プラズマ21bは原料ガス18と同一のガスを用いず必要とする放電光20の波長によって異なるガスを選択してもよい。また、光透過窓24の材質により発生する前記放電光の波長を選択してもよく、ガス圧力を低くした状態にしてもよい。
図1〜図6の反応性ガスを用いた物質処理装置に電源15より印加されるパルス高電圧は、いずれの場合も単極性または両極性のパルス高電圧を使用することができる。
原料ガス18は空気や酸素等の酸素を含有した気体であればよく、効率よく活性酸素種やラジカル種を生成させるためには酸素を使用するのが好ましい。反応性の高いOHラジカルを処理反応に効率よく寄与させる目的で、原料ガス中に霧状の水(H2O)もしくは飽和水蒸気に比例した水分を含ませてもよい。また、処理室11を反応器10内に配置してもよく、被処理対象物を原料ガスと同時に霧状にして反応器へ導入してもよい。
なお、本発明は前述の実施例に記載された活性酸素種、ラジカル種を含めた反応性ガスの生成のみに限定されるものではなく、例えば排ガス(NO分解)やダイオキシン等の有害物質処理に用いる反応器、半導体プロセスの酸化処理工程、表面加工処理、食品加工や病院等で用いられる殺菌・滅菌処理等、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲のガス発生装置およびその発生方法の応用分野にも適用され、また種々の変更を加え得ることはむろんである。
【0006】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の反応性ガスを用いた物質処理装置によれば、つぎの効果がある。
(1)放電空間の圧力が取出部の圧力よりも高くなるように原料ガスを導入し、この状態でパルス高電圧を印加して低温プラズマを発生させ、反応性ガスと放電光とを処理室に噴射させているので、高密度の反応性ガスを供給できるとともに、低温プラズマにより発生する放電光を同時に被処理対象物に照射できる。このため、化学反応と光化学反応が複合した効率の良い処理ができる。また、処理室が反応性ガスの取出部に隣接しているため、反応性ガスの被処理対象物への到達時間を短縮でき、活性酸素種等を効率よく利用できる。
(2)高電圧電極および低電圧電極の少なくとも一方は、複数の孔を有し、反応性ガスの取出部近傍に設けているので、低温プラズマより発する放電光を無理なく処理室へ導くことができる。
(4)板形状の低電圧電極を原料ガスの流れ方向と直角に配置して、原料ガスが当たるようにし、かつ原料ガスの圧力に応じて可動する可動手段が付設されているので、反応性ガスのガス密度を調整することができる。
(5)反応性ガスの取出部にノズル部を設けて低電圧電極とし、このノズル部の空間部に高電圧電極を設け、高電圧電極の先端部に空隙を介して第2の低電圧電極を設け、さらに第2の低電圧電極に放電光の波長を選択する光透過窓を設けたので、放電光発生用のガスは、原料ガスと異なるガス種を導入することが可能となり、光化学反応に必要な波長を選択して得ることができる。また光透過窓材を使用することで波長の選択性を向上することができる。
(6)原料ガスおよび反応性ガスを特定したので、オゾンよりも反応性の高い活性酸素種を有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す反応性ガスを用いた物質処理装置の断面図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す反応性ガスを用いた物質処理装置の断面図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す反応性ガスを用いた物質処理装置の断面図である。
【図4】図3における要部の拡大断面図である。
【図5】本発明の第4実施例を示す反応性ガスを用いた物質処理装置の断面図である。
【図6】図5における要部の拡大断面図である。
【図7】従来の反応性ガスを用いた処理装置を示す断面図である。
【図8】従来の他の反応性ガス発生装置を示す断面図である。
【符号の説明】
10 反応器
11 処理室
12 高電圧電極
13 低電圧電極
14a, 14b 誘電体
15 電源
16 導入部
17 取出部
18 原料ガス
19 反応性ガス
20 放電光
21 低温プラズマ
22 スプリング
23 軸
24 ノズル部
25光透過窓
26 放電光発生部
30 被処理水
31 中空糸膜
32 水蒸気
33 プラズマジェット
Claims (1)
- パルス高電圧を発生させる電源と、
原料ガスの導入部と、
高電圧電極及び低電圧電極を所定の放電空間を介して対向させ、前記高電圧電極及び前記低電圧電極間に前記パルス高電圧を印加することにより、前記原料ガスから反応性ガスを生成する反応器と、
前記反応器から前記反応性ガス及び放電光を取り出す取出部と、
前記取出部の出口に隣接し、被処理対象物を処理する処理室とを備え、
前記放電空間の圧力が前記取出部の出口の圧力よりも高くなるように前記原料ガスを前記導入部から導入し、前記パルス高電圧を印加して低温プラズマを発生させることにより、前記反応性ガス及び放電光を前記処理室に導き、前記被処理対象物に接触及び照射することにより、前記反応ガスによる化学反応及び前記放電光による光化学反応を併用して処理を行なう物質処理装置であって、
前記取出部には、前記反応器から前記反応性ガスを取り出すノズル部が設けられ、
前記ノズル部の内面を前記低電圧電極とし、さらに内方の前記反応空間となる空隙を介して前記低電圧電極に対抗するように前記高電圧電極が設けられるとともに、
前記空隙は、前記原料ガスの導入部よりも小さい断面積とし、
前記高電圧電極の前記ノズル部出口側に新たな空隙を介して第2の低電圧電極を設け、さらに前記第2の低電圧電極の前記ノズル部出口側に前記放電光の波長を選択する光透過窓を設けたことを特徴とする物質処理装置。
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