JP6157763B2 - 水処理装置および水処理方法 - Google Patents

水処理装置および水処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6157763B2
JP6157763B2 JP2016570394A JP2016570394A JP6157763B2 JP 6157763 B2 JP6157763 B2 JP 6157763B2 JP 2016570394 A JP2016570394 A JP 2016570394A JP 2016570394 A JP2016570394 A JP 2016570394A JP 6157763 B2 JP6157763 B2 JP 6157763B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
gas
electrode
treated
discharge space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2016570394A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2016117048A1 (ja
Inventor
学 生沼
学 生沼
稲永 康隆
康隆 稲永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2016117048A1 publication Critical patent/JPWO2016117048A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6157763B2 publication Critical patent/JP6157763B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/72Treatment of water, waste water, or sewage by oxidation
    • C02F1/78Treatment of water, waste water, or sewage by oxidation with ozone
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/46Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods
    • C02F1/4608Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods using electrical discharges
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/72Treatment of water, waste water, or sewage by oxidation
    • C02F1/722Oxidation by peroxides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/46Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods
    • C02F1/461Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis
    • C02F1/46104Devices therefor; Their operating or servicing
    • C02F1/46109Electrodes
    • C02F2001/46152Electrodes characterised by the shape or form
    • C02F2001/46171Cylindrical or tubular shaped
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2101/00Nature of the contaminant
    • C02F2101/30Organic compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2101/00Nature of the contaminant
    • C02F2101/30Organic compounds
    • C02F2101/34Organic compounds containing oxygen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2201/00Apparatus for treatment of water, waste water or sewage
    • C02F2201/78Details relating to ozone treatment devices
    • C02F2201/782Ozone generators
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2305/00Use of specific compounds during water treatment
    • C02F2305/02Specific form of oxidant
    • C02F2305/023Reactive oxygen species, singlet oxygen, OH radical

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Hydrology & Water Resources (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Water Supply & Treatment (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Description

本発明は、放電で生じたオゾンおよびラジカル等を用いて、被処理水を処理する水処理装置および水処理方法に関するものである。
これまで、上下水の処理において、オゾンまたは塩素が広く用いられてきた。しかしながら、例えば、工業廃水および再利用水等には、オゾンまたは塩素では分解されない難分解性物質が含まれることがある。特に、ダイオキシン類およびジオキサン等の除去が、大きな課題となっている。
一部では、オゾン(O3)と過酸化水素(H22)または紫外線とを組み合わせることで、オゾンまたは塩素よりも活性の高いヒドロキシルラジカル(OHラジカル)を被処理水中で発生させ、難分解性物質の除去を行う方法が実用化されている。しかしながら、この方法は、装置コストおよび運転コストが非常に高く、あまり普及していない。
そこで、放電で発生させたOHラジカルを被処理水に直接作用させることで、高効率に難分解性物質を除去する方法が提案されている。具体的には、線状の高圧電極と、この高圧電極を囲う円筒状の接地電極との間にパルス電圧を印加することで、ストリーマー放電を形成するとともに、水滴状態の被処理水を上方からストリーマー放電空間に供給することで、被処理水を処理する水処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1における水処理装置は、処理室内の気体を吸引するとともに、被処理水を水滴化する前工程で、吸引した気体を被処理水中に気泡状にして供給する気体吸引供給手段を備えている。
従って、特許文献1における水処理装置によれば、ストリーマー放電空間で発生した短寿命のOHラジカルを、被処理水に効率よく作用させることができる。さらに、ストリーマー放電空間で発生するオゾンを無駄なく処理対象物質の分解に用いることができる。この結果、より効率よく処理対象物質を分解処理することができる。
また、線状の高圧電極と、この高圧電極を囲う円筒状の接地電極との間にパルス電圧を印加することで、ストリーマー放電を形成するとともに、水滴状態の被処理水を上方からストリーマー放電空間に供給することで、被処理水を処理する水処理装置において、水滴落下領域に絶縁材のグリッドを複数段形成する水処理装置が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
この非特許文献1における水処理装置によれば、ストリーマー放電空間で発生した短寿命のOHラジカルを、被処理水に効率よく作用させることができる。さらに、落下する水滴がグリッドと衝突することで落下速度が失われ、ストリーマー放電空間における水滴の滞在時間を延長することができる。このため、より高い分解効率と分解速度を実現した水処理装置を得ることができる。
WO2010/055729
T. Sugai et.al., "Increased Efficiency for Setting Insulation Grids for Water Treatment by Pulsed Power Discharge in Air Spraying Water Droplets",IEEE Trans. Dielectr. Electr. Insul., Vol. 19, pp. 2176-83, 2012.
しかしながら、上述の先行技術には、次のような課題がある。すなわち、特許文献1に示された従来の水処理装置は、リアクター1本あたりの水処理量を増加させるためにリアクターの高さを高くすると、水滴がリアクターの下方に進むにつれて、有機物の分解効率が低下してしまう問題がある。このため、高速な水処理と高効率な水処理を両立できないという課題がある。
また、非特許文献1に示された従来の水処理装置は、水滴が落下できるよう、グリッドの目を粗くする必要がある。このため、グリッドから落下する水滴の粒径が大きくなり、OHラジカル等との反応面積が小さくなる。このため、効率的な処理が行われなくなるという課題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、難分解性物質の分解や高濃度の有機汚れの除去を、高効率かつ高速に行うことができる水処理装置および水処理方法を得ることを目的とする。
本発明に係る水処理装置は、長手方向が鉛直方向として設けられた中心電極と、中心電極と軸を同じくし、中心電極を囲うように設けられた外周電極とを備え、中心電極と外周電極との間に高電圧を印加することで、中心電極と外周電極との間の放電空間に放電を形成するとともに、放電空間の上方から放電空間内に、被処理水を水滴状または水膜状として供給することで、被処理水を処理する水処理装置であって、外周電極に接続された再水滴化部をさらに備え、再水滴化部は、放電空間内を落下する被処理水の一部をトラップ水として捕捉し、捕捉されたトラップ水と、ガス配管を介して供給される酸素を含むガスとを混合させることによって再水滴化を行い、再水滴化によって形成された水滴を放電空間に噴出するものである。
また、本発明に係る水処理方法は、長手方向が鉛直方向として設けられた中心電極と、中心電極と軸を同じくし、中心電極を囲うように設けられた外周電極とを備え、中心電極と外周電極との間に高電圧を印加することで、中心電極と外周電極との間の放電空間に放電を形成するとともに、放電空間の上方から放電空間内に、被処理水を水滴状または水膜状として供給することで、被処理水を処理する水処理装置に適用される水処理方法であって、外周電極に接続された再水滴化部において、放電空間内を落下する被処理水の一部をトラップ水として捕捉する工程と、捕捉されたトラップ水と、ガス配管を介して供給される酸素を含むガスとを混合させることによって再水滴化を行う工程と、再水滴化によって形成された水滴を放電空間に噴出する工程とを有するものである。
本発明によれば、被処理水が放電空間を通過する際に、水滴の形成と合一を繰返すことで、被処理水中の有機物濃度とオゾン等の酸化性物質濃度が均一化される。これにより、被処理水が放電空間の下方に進んでも、有機物の分解速度と分解効率が低下しない。さらに、ガスを用いて水滴を形成するため、小さな粒径の水滴が形成され、オゾン等酸化性物質との反応面積が大きくなる。この結果、難分解性物質の分解や高濃度の有機汚れの除去を、高効率かつ高速に行うことができる水処理装置および水処理方法を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係る水処理装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る放電管の断面斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る再水滴化部の横断面図である。 本発明の実施の形態1に係る再水滴化部の縦断面図である。 本発明の実施の形態2に係る放電管の断面斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る再水滴化部の横断面図である。 本発明の実施の形態3に係る水処理装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態4に係る水処理装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態5に係る放電管の断面図である。 本発明の実施の形態5における図9に示した放電管を構成するユニット電極の断面図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る水処理装置を示す断面図である。水処理装置110は、水処理リアクター100、被処理水タンク1、処理後水タンク2を備えて構成されている。水処理リアクター100は、底部の水受け50とその上部に水受け50と気密接続された放電管60とを備えて構成されている。
放電管60は、長手方向が鉛直に設置された外周電極である円筒電極10、円筒電極10の上部と下部にそれぞれ備えられたリング形状の上部絶縁体11と下部絶縁体12、上部絶縁体11および下部絶縁体12にそれぞれ備えられ、外周から円筒電極10の中心に向けて伸びる棒状の上部保持体13および下部保持体14、上部保持体13と下部保持体14の間に円筒電極10と軸を同じくするように取り付けられた中心電極であるワイヤー電極15を備えて構成されている。
円筒電極10とワイヤー電極15との間には空隙が存在し、この空隙が放電空間25となっている。上部絶縁体11と円筒電極10と下部絶縁体12の内部の空間は、鉛直方向に連なるように気密接続されている。上部絶縁体11の最上部には、放電管60を覆う天板16が気密接続されている。また、天板16の中心付近のワイヤー電極15と軸を同じくする位置には、ノズル17が鉛直下向きに取付けられている。
また、放電管60には、長手方向に並ぶ3個の再水滴化部44a、44b、44cが備えられている。水受け50の上部には、吸気口22が備えられている。また、吸気口22には、循環配管23が取り付けられている。さらに、循環配管23には、ガス吸気部であるコンプレッサー24が備えられている。
循環配管23は、コンプレッサー24の後段で23a、23b、23cの3系統に分岐されている。そして、分岐された循環配管23a、23b、23cのそれぞれは、再水滴化部44a、44b、44cと接続されている。
被処理水タンク1とノズル17は、給水配管18により接続されており、給水配管18には、給水ポンプ19が備えられている。
また、水受け50の底部近傍と処理後水タンク2とは、排水配管20により接続されている。さらに、排水配管20には、排水ポンプ21が備えられている。
上部絶縁体11には導入端子27が備えられ、高電圧電源28とワイヤー電極15が、導入端子27を介して電線29により接続されている。また、円筒電極10は、電気的に接地されている。
水受け50には、ガス供給口30が形成されている。また、ガス供給口30と酸素ガス供給源31は、流量調節器32を介して、ガス配管33により接続されている。さらに、水受け50の上部には、排気口34が形成されている。また、排気口34に繋がれた排気配管35には、逆止弁36が取り付けられている。
図2は、本発明の実施の形態1に係る放電管60の断面斜視図である。また、図3は、本発明の実施の形態1に係る再水滴化部44の横断面図である。さらに、図4は、本発明の実施の形態1に係る再水滴化部44の縦断面図である。以下、図2、図3、図4を用いて、本実施の形態1における具体的な水処理について説明する。
円筒電極10には、再水滴化部44が備えられている。本実施の形態1における再水滴化部44は、円筒電極10の外面を覆うリング形状の循環ガス流路52と、円筒電極10の内面に沿うように取り付けられたリング形状の絶縁体で構成される水滴形成部材46(捕捉部材)とを備えて構成されている。
水滴形成部材46は、ワイヤー電極15と接触しないよう、所定の空隙を有して、円筒電極10に取り付けられている。水滴形成部材46の上面側は、中心付近が最も低くなるような傾斜面47(収集部)を有している。そして、傾斜面47の最低部から縦方向に、複数の水流路48が形成されている。なお、水流路48は、水滴形成部材46の底部を貫通しないように形成されている。
水滴形成部材46は、ガス流路49を有している。そして、ガス流路49は、水滴形成部材46を外周から内周に向けて斜め下方に貫通するように形成されている。さらに、ガス流路49は、水滴形成部材46の内周に形成された噴出し口54に通じている。ガス流路49と水流路48は、交差部51において互いに交差している。
円筒電極10には、管壁を貫通する複数の貫通孔53が備えられている。貫通孔53は、ガス流路49と連なる位置に形成されており、循環ガス流路を流れるガスが、貫通孔53からガス流路49を通り、放電空間25に抜ける構造となっている。また、ガス流路49は、交差部51において、その断面積が最も小さくなっている。
次に、図1〜図4を用いて、本実施の形態1における水処理動作を説明する。酸素ガス供給源31から供給された酸素ガスは、ガス配管33を通り、流量調節器32によって所定の流量に調節された後、ガス供給口30から水受け50内に供給される。
排気配管35からは、供給された酸素ガスと同量の流量で、ガスが外部に排気される。ここで、逆止弁36により、排気配管35内のガスの流れは、水受け50から外部に向かう一方向に制限されている。
コンプレッサー24を駆動させることで、吸気口22から水処理リアクター100内のガスが吸引され、循環配管23を通り、再水滴化部44a、44b、44cに供給される。
一方、給水ポンプ19を駆動させることで、被処理水タンク1内の被処理水3が吸引され、給水配管18を通ってノズル17に供給される。被処理水3は、ノズル17によって水滴化され、上部絶縁体11、円筒電極10、下部絶縁体12の内部を落下し、水受け50内に溜め水5として溜まる。
このとき、ノズル17から落下する水滴4の一部は、円筒電極10の内壁に付着し、水膜45を形成しながら流下し、再水滴化部44aの水滴形成部材46の傾斜面47を流れ落ちて、トラップ水55となる。
また、ノズル17により形成された水滴4の一部は、円筒電極10内部を落下する過程で、水滴形成部材46の上面に衝突し、傾斜面47を伝わって流下することで、トラップ水55となる。
そして、トラップ水55は、水流路48を流れ落ち、ガス流路49を流れる循環ガス8によって、交差部51を経由して、噴出し口54から水滴状に噴出される。
このとき、ガス流路49は、交差部51において、その断面積が最も小さくなっている。このため、ベンチュリー効果によって水流路48に負圧が発生し、トラップ水55が吸引される。この結果、トラップ水55と循環ガス8とが混合して、水滴化される。
以下、放電管60内を落下する被処理水3は、その一部が再水滴化部44b、44cにおいても、再水滴化部44aと同様に、捕捉と再水滴化を繰り返すこととなる。その後、被処理水3は、水受け50に到達し、溜め水5として溜め置かれ、排水ポンプ21によって排水配管20を通って、処理後水タンク2に搬送され、処理後水6となる。
ここで、放電管60内を被処理水3が落下する過程で、高電圧電源28を動作させ、ワイヤー電極15にパルス状の高電圧を印加すると、ワイヤー電極15と円筒電極10との間の放電空間25で放電7が形成され、OHラジカル、O3等の酸化性粒子が生成される。その結果、放電管60内を落下する被処理水3の中の有機物が、OHラジカル、O3等の酸化性粒子と反応して分解されることで水処理が行われる。
次に、本実施の形態1に示す水処理装置によって、被処理水3の水処理が行われる原理を説明する。ここでは、有機物の分解を例にとって説明するが、放電で生じるO3やOHラジカルが、除菌、脱色、脱臭にも有効であることは、周知の事実である。
ワイヤー電極15にパルス電圧を印加することで、放電空間25で放電7が生じる。このとき、酸素分子(O2)、水分子(H2O)が高エネルギーの電子と衝突し、下式(1)、下式(2)の解離反応が生じる。ここで、eは、電子、Oは、原子状酸素、Hは、原子状水素、OHは、OHラジカルである。
e + O2 → 2O (1)
e + H2O → H + OH (2)
上式(1)で発生した原子状酸素の多くは、下式(3)の反応により、オゾン(O3)となる。ここで、Mは、反応の第三体であり、気中のあらゆる分子や原子を表す。
O + O2 + M → O3 (3)
また、上式(2)で生じたOHラジカルの一部は、下式(4)の反応により、過酸化水素(H22)となる。
OH + OH → H22 (4)
上式(1)〜(4)の反応で生成された酸化性粒子(O、OH、O3、H22)は、下式(5)により水滴4と水膜45の表面の有機物と反応して、二酸化炭素(CO2)と水に酸化分解する。ここで、Rは、処理対象となる有機物である。
R + (O、OH、O3、H22
→ CO2 + H2O (5)
一方、上式(3)と上式(4)で生じたO3とH22の一部は、下式(6)、下式(7)により、水滴4と水膜45の表面から被処理水3に溶解する。ここで、(l)は、液相を意味する。
3 → O3(l) (6)
22 → H22(l) (7)
さらに、O3(l)とH22(l)の反応により、下式(8)の通り、水中でOHラジカルが生成される。
3(l) + H22(l) → OH(l) (8)
上式(6)〜(8)で生成されたO3(l)、H22(l)、OH(l)は、下式(9)に従って、水中反応により有機物を分解する。
R +(O3(l)、H22(l)、OH(l))
→ CO2 + H2O (9)
以上に述べたように、本実施の形態1による被処理水3中の有機物の分解は、上式(5)に示した反応による水滴4と水膜45の表層の有機物の分解と、上式(9)に示した反応による水中での有機物の分解、の双方によって進行すると考えられる。
次に、本実施の形態1による水処理装置で、難分解性物質の分解、および高濃度の有機汚れの除去を高効率かつ高速に行うことができる理由を説明する。
水滴4が放電空間25を落下する際、または水膜45が円筒電極10の内壁を流下する際、水滴4と水膜45の表層の有機物が、上式(5)の反応によって分解される。この結果、水滴4と水膜45の表層の有機物が減少し、OHラジカル等の酸化性物質と有機物の反応頻度が低下し、OH等の酸化性物質が無効消費される割合が増大する。
また、水滴4と水膜45の中の有機物は、上式(9)の反応によっても分解される。しかしながら、O3(l)やH22(l)の水中での拡散は、遅いため、水滴4と水膜45の表層近傍にO3(l)、H22(l)、OH(l)が集中的に分布し、水滴4の内部や水膜45の深部に広がらない。
このため、水滴4が放電空間25を落下し始めた直後、または水膜45が円筒電極10の内壁を流下し始めた直後に、表面近傍の有機物が分解されると、水滴4と水膜45の表層においては、O3(l)、H22(l)、OH(l)濃度が高くなり、有機物濃度が低くなり、逆に、水滴4の内部や水膜45の深部においては、O3(l)、H22(l)、OH(l)濃度が低くなり、有機物濃度が高くなる。このため、いずれの領域でも、上式(5)、(9)の反応頻度が低下し、水処理の効率が低下する。
一方、本実施の形態1においては、ノズル17で形成された水滴4と水膜45は、再水滴化部44aに到達するまでの間に、上式(5)と上式(9)の反応により、表面近傍の有機物が分解される。次に、水滴4の一部と水膜45が再水滴化部44aの傾斜面47に衝突することで、トラップ水55として、他の水滴と合一する。この過程で、有機物、O3(l)、H22(l)が撹拌されて濃度が均一化され、トラップ水55の全体で、上式(9)の反応が生じるようになる。
さらに、再水滴化部44aで形成された新たな水滴4は、有機物濃度が均一化されて再び放電空間25に供給される。このため水滴の表面に新たな有機物が現れ、上式(5)の反応が再び活発に生じるようになり、有機物の分解が進行する。以下、再水滴化部44b、44cを通過する際にも、同様の過程を繰り返す。
すなわち、本実施の形態1においては、被処理水3が放電空間25を落下する際、水滴の形成と合一が繰り返される。そして、その都度、O3(l)、H22(l)が撹拌されて均一化されることに加え、水滴4の表面に新たな有機物が現れる。その結果、OHラジカル等の酸化性物質の無効消費が抑制され、上式(5)と上式(9)による有機物の分解が効率的に生じる。
ここで、水膜状に流下する被処理水中の有機物の分解効果は、水滴状に落下する被処理水中の有機物の分解効果に比べて、悪い。これは、同じ体積の水で比較した場合、水膜45の表面積は、水滴4の表面積と比べて小さく、上式(5)〜(7)の反応の頻度が低くなるためである。
一方、本実施の形態1では、図3に示すように、再水滴化部44a、44b、44cにおいて、円筒電極10の内壁を流下する水膜45は、全て捕捉された後、放電空間25に水滴状に噴出される。このため、有機物の分解効率が低い水膜45が、有機物の分解効率が高い水滴4に変形されることにより、全体としての水処理効率が高まる。
また、同じ体積の水で比較した場合、水滴4の寸法(水滴の径)が小さいほど、表面積が大きくなり、より効率的に有機物が分解される。すなわち、径の大きな水滴4が少数あるより、径の小さな水滴4が多数ある方が、水処理の効率を高めることができる。
本実施の形態1によれば、再水滴化部44a、44b、44cにおいて、トラップ水55は、循環ガス8によって水滴化される。このため、例えば、非特許文献1にあるように、グリッドに捕捉された被処理水3が重力によって落下する場合と比較して、より小さな径の水滴4を形成することができ、水処理の効率が向上する。
また、図1に示すように、本実施の形態1では、再水滴化部44a、44b、44cにおいて、水滴は、斜め下方に噴出される。このため、水滴が垂直落下する場合と異なり、横方向への移動が伴うことになる。この結果、水滴が垂直落下する場合と比較して、放電空間25内での移動距離が長くなり、OHラジカル等の酸化性物質と、より多く接触することになり、有機物の分解が迅速に進む。
また、水滴4が斜め下方に噴出されるため、その一部は、ワイヤー電極15に衝突して付着する。このため、放電で温度が上昇したワイヤー電極15が、水滴4の付着により冷却される効果が得られる。これにより、高い放電電力を投入した場合であっても、ワイヤー電極15の破断を防ぎ、長時間安定的に装置を稼働させることができる。
また、本実施の形態1では、循環ガス8を再水滴化部44a、44b、44cに供給することで、水滴4を形成している。従って、別途のガスを用意する必要がない。このため、酸素ガス供給源31から供給する酸素ガス量は、有機物の分解によって消費される分と、被処理水3への溶解によって消費される分を補うだけでよく、ガスコストを増加させることなく、効率的かつ高速な水処理を行うことができる。
さらに、本実施の形態1では、再水滴化に別途のガスを供給しない。このため、供給された酸素ガスが放電空間25に長時間滞在することになり、オゾンガス濃度が高まる。ここで、上式(6)のオゾン溶解反応は、オゾンガス濃度が高いほど進行する。このことから、結果的に溶存オゾン濃度(O3(l))も高まり、上式(9)による有機物の分解が、高速かつ効率的に生じる。
さらに、本実施の形態1では、循環ガス8中に、放電7で生成されたオゾン等の酸化性粒子が含まれている。従って、再水滴化部44で水滴を形成する際に、酸化性粒子を含む循環ガス8と被処理水3とが接触し、オゾンの被処理水3への溶解が促進される。これにより、高速かつ効率的な水処理を行うことができる。
なお、本実施の形態1においては、ノズル17によって水滴4を形成している。しかしながら、水滴4の形成手段は、ノズル17に限定されない。例えば、水滴4の形成手段として、シャワーヘッドを用いることもできるし、超音波噴霧や静電噴霧を用いることもできる。
また、形成される水滴の粒径に特に制限はない。しかしながら、一般的には、粒径が小さいほど気液界面の面積が増加して、水処理が高速かつ効率的に進行する。
一方、粒径の小さい水滴を形成するには、粒径の大きな水滴を形成する場合と比較して、より高いエネルギーが必要になる。このため、水滴の粒径は、水処理の効率と速度を勘案して適宜決定することが好ましい。
また、本実施の形態1において、ワイヤー電極15を用いているが、この材質や線径は、高電圧電源28の仕様と水処理装置110の稼働率、さらに被処理水3の水質に応じて、適宜決定することができる。例えば、ワイヤー電極15の線形を細くすると、電界が集中して、より低い電圧で放電を形成でき、この結果、高電圧電源28に求められる性能を緩和できる。
一方、線形を細くすると、破断の可能性が高まる。この結果、ワイヤー電極15を頻繁に交換することが必要となり、メンテナンスコストの増加や装置稼働率の低下を引き起こす。
また、ワイヤー電極15の材質としては、耐食性に優れるステンレスやチタンが望ましいが、コストと寿命を考慮して適宜選定するとよい。また、中心電極は、本実施の形態1のようにワイヤー形状である必要はなく、例えば、ロッド形状、突起を有するロッド形状、ネジ形状等を用いることもできる。
また、本実施の形態1において、水処理リアクター100内に酸素ガスを供給したが、供給ガスは、酸素に限定されるものではない。酸素を含むガス中であれば、上式(1)〜(9)の反応が生じるため、水処理を行うことが可能である。例えば、酸素とアルゴン等の希ガスの混合ガスを、水処理リアクター100内に供給するガスとして用いることができる。
希ガスを混合させると、一般的に、放電の形成に必要な電圧が低下する。このため、高電圧電源28から出力される電圧を低減でき、装置価格の低減につなげることができる。また、酸素と窒素の混合ガス、特に、空気を用いれば、ガス供給源は必要なくなり、大気雰囲気で水処理を行うことができる。
ただし、放電によるオゾンの生成速度は、ガス中の酸素濃度が高いと大きくなる。このため、一般に酸素濃度が高いほど、水処理の速度が向上する。従って、ガスのコストと水処理速度とを勘案して、ガスの組成を決定することが望ましい。
また、本実施の形態1においては、再水滴化部44を3個備えているが、この数に制限はなく、1個以上備えていれば、本発明の効果が得られる。一般的には、再水滴化部44の数が多いほど水滴の形成と合一が高い頻度で繰り返されるため、水処理の効率と速度が向上する。その一方で、再水滴化部44の数を過剰にすると、その効果は、飽和する傾向を示す。従って、再水滴化部44の数は、被処理水3の流量、放電管60の高さ、水滴4の粒径等を考慮して決めるのが望ましい。
また、本実施の形態1において、水処理リアクター100内の圧力は、被処理水3の供給と排水が容易となるように、大気圧近傍にすることが望ましい。しかしながら、水処理リアクター100内の圧力は、必要に応じて、陽圧、あるいは陰圧にすることもできる。水処理リアクター100内を陽圧にした場合には、外部からの空気の混入が抑制され、雰囲気を管理しやすくなる。
また、水処理リアクター100内を陰圧にした場合には、比較的低い電圧で放電が形成されるようになり、高電圧電源28の小型化や簡素化が可能となる。また、圧力が低いほど放電が広がりやすいため、広い領域で被処理水3が放電7と接するようになり、水処理効率と速度が向上する。
また、本実施の形態1において、再水滴化部44から噴出される水滴の方向は、必ずしも図2のように斜め下方を向く必要はなく、任意に設定することができる。例えば、ガス流路49を水滴形成部材46の外周側で低く、中心側で高くなるような傾斜を設けて形成すれば、噴出し口54から噴き出される水滴4は、斜め上方を向くことになる。
この場合、形成された水滴は、一度斜め上方に進んだ後、重力により落下するという挙動を取ることになり、下方に向けて噴出した場合と比べて、放電管60内における滞在時間が延長する。これにより、水処理効率と速度が向上する。
なお、本実施の形態1において、高電圧電源28からパルス電圧を出力して放電7を形成した。しかしながら、安定して放電が形成できる限りにおいては、必ずしもパルス電圧である必要はなく、例えば、交流電圧や、直流電圧であってもよい。また、パルス電圧の極性、電圧波高値、繰返し周波数、パルス幅などは、電極構造やガス種等の諸条件に応じて、適宜決定することができる。
一般的に、電圧波高値は、1kV〜50kVが望ましい。電圧波高値が1kV未満では、安定した放電が形成されず、また、電圧波高値が50kVを超えるようにするには、電源の大型化や電気絶縁の困難化により、コストが著しく増加するためである。
また、繰返し周波数は、10pps(pulse per second)〜100kppsとすることが望ましい。繰返し周波数が10pps未満では、十分な放電電力を投入するために非常に高い電圧が必要となり、逆に、繰返し周波数が100kppsを超えるようにすると、水処理の効果が飽和し、電力効率が低下するためである。また、被処理水3の流量や処理対象物質の濃度に応じて、電圧、パルス幅、パルス繰返し周波数を調整するようにしてもよい。
また、本実施の形態1においては、再水滴化部44に循環ガス8を供給することでトラップ水55を水滴化した。しかしながら、再水滴化部44に供給するガスは、必ずしも循環ガスである必要はない。例えば、酸素ガス供給源31からの酸素ガスを、ガス供給口30から供給するのではなく、再水滴化部44から供給するようにしてもよい。または、再水滴化部44に供給するガス源を別途用意して用いてもよい。
しかしながら、酸化性粒子を含む循環ガス8と被処理水3とが接触して、オゾンの被処理水3への溶解が促進される効果や、ガスの使用量を削減して低コストで効率的かつ高速な水処理を行う効果は、循環ガスを用いることで得られる。従って、本実施の形態1のように、循環ガス8を用いて再水滴化部44において水滴4を形成することが、より好適である。
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2に係る放電管60の断面斜視図である。また、図6は、本発明の実施の形態2に係る再水滴化部44の横断面図である。先の実施の形態1と比較すると、本実施の形態2は、再水滴化部44の構成が異なる。図5および図6において、本実施の形態2における再水滴化部44は、循環ガス流路52、貫通孔53、および捕捉部材である反し板58を備えて構成されている。
円筒電極10には、外周を貫通するように、複数の貫通孔53が、同一高さの円周上に形成されている。円筒電極10の内側の貫通孔53の直下に、反し板58が備えられている。ここで、反し板58は、ワイヤー電極15と接触しないように、空隙を介して配置されている。循環ガス流路52は、円筒電極10の外周から貫通孔53を覆うように備えられており、円筒電極10と気密接続されている。その他の構成は、先の実施の形態1と同様である。
次に、図5および図6を用いて本実施の形態2における水処理動作を説明する。円筒電極10内を落下する水滴4の一部と水膜45は、収集部である反し板58の上面で捕捉され、トラップ水55となって反し板58の上に溜まる。ここで、循環ガス8を、循環ガス流路52から貫通孔53を通って円筒電極10の内部に向けて流す。これにより、トラップ水55は、循環ガス8と混合して弾き飛ばされ、水滴となって円筒電極10の中を落下する。その他の動作は、先の実施の形態1と同様である。
本実施の形態2によれば、被処理水3の水滴形成と合一の繰返しを、先の実施の形態1よりも簡素な構成で実現できる。この結果、先の実施の形態1と同様に、高効率かつ高速な水処理が達成される。
なお、本実施の形態2において、反し板58は、図5および図6のように、必ずしも水平に取り付ける必要はない。例えば、反し板58の上面が円筒電極10の外周側で低く、中心側で高くなるような傾斜を有していてもよい。この場合には、再水滴化部44で形成される水滴は、斜め上方に向けて噴出され、より長時間、放電管60の内部に存在することになる。これにより、水処理の効率と速度を高めることができる。
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3に係る水処理装置を示す断面図である。本実施の形態3は、水処理リアクター100が、3本の放電管60a、60b、60cと、1つの水受け50を備えて構成されている点が、先の実施の形態1と異なる。図7において、被処理水タンク1から繋がる給水配管18が、3系統(18a、18b、18c)に分岐されており、それぞれが放電管60a、60b、60cに接続されている。
つまり、それぞれの放電管60a、60b、60cは、被処理水タンク1に対して並列的に接続されている。また、放電管60a、60b、60cは、それぞれ循環ガス流路52a、52b、52cが備えられており、いずれも、円筒電極10a、10b、10cを覆うように備えられている。
また、循環配管23a、23b、23cが、それぞれ循環ガス流路52a、52b、52cと接続されており、循環配管23a、23b、23cは、いずれも水受け50に繋がる循環配管23と繋がっている。
また、放電管60a、60b、60cのそれぞれに備えられたワイヤー電極15a、15b、15cは、高電圧電源28(図示せず)に対して並列に接続されている。また、円筒電極10a、10b、10cは、いずれも電気的に接地されている。その他の構成は、先の実施の形態1と同様である。
次に、図7を用いて、本実施の形態3における水処理動作を説明する。被処理水タンク1中の被処理水3は、給水ポンプ19によって輸送され、給水配管18、および18a、18b、18cを通って、並列に設けられた放電管60a、60b、60cのそれぞれに、水滴状として供給される。このとき、高電圧電源28(図示せず)を駆動させて、ワイヤー電極15a、15b、15cに高電圧パルス電圧を印加することで、放電管60a、60b、60c内において放電を形成させる。
さらに、コンプレッサー24を動作させ、水受け50内のガスを吸引し、吸引したガスを循環ガス流路52a、52b、52cを通って放電管60a、60b、60cに供給することで、被処理水3の水滴化を行う。再水滴化部の詳細、およびその他の動作は、先の実施の形態1と同様である。
本実施の形態3によれば、1台の高電圧電源28に対して並列的に接続された3本の放電管60a、60b、60cそれぞれに、放電を形成することができる。この結果、先の実施の形態1のように放電管が1本の場合と比べて、水処理の速度が向上する。
また、1台のコンプレッサー24に対して、3系統の循環配管23a、23b、23cおよび循環ガス流路52a、52b、52cが接続されている。このため、コンプレッサー24を駆動させることで、3本の放電管60a、60b、60cそれぞれで被処理水3の水滴化を行うことができる。従って、例えば、先の実施の形態1に示す水処理装置を3台用いる場合と比較して、大幅に装置の簡素化を図ることができる。
また、本実施の形態3によれば、循環ガス流路52a、52b、52cが、円筒電極10a、10b、10cを覆うように備えられており、二重管構造となっている。このため、放電管1本につき、再水滴化部44は、3個備えられているが、先の実施の形態1と異なり、循環配管23は、1本ずつでよく、装置構成が簡素化される。
なお、図7において、循環配管23a、23b、23cは、コンプレッサー24に対して直列的に接続されているが、循環配管23を3系統に分岐して、コンプレッサー24に対して並列的に接続するようにしてもよい。すなわち、循環ガス流路52aと52bと52cが、配管によって繋がっていて、一つの連なる空間を形成していればよい。
実施の形態4.
図8は、本発明の実施の形態4に係る水処理装置を示す断面図である。本実施の形態4では、吸気口22が円筒電極10の最上部近傍に備えられている。また、吸気口22とコンプレッサー24との間の循環配管23には、気液分離器56が備えられている。そして、気液分離器56の気体出口は、コンプレッサー24と繋がれており、気液分離器56の液体出口は、ドレイン配管57と繋がれている。さらに、ドレイン配管57は、水受け50と接続されている。その他の構成は、先の実施の形態1と同様である。
次に、本実施の形態4における水処理動作を説明する。コンプレッサー24を動作させることで、放電管60の内部のガスを吸気する。この際、吸気口22からガスとともに被処理水3を吸引してしまう場合がある。しかしながら、本実施の形態4においては、気液分離器56によって被処理水3が分離され、ドレイン配管57を通って水受け50に送られる。
一方、気液分離器56によって分離されたガスは、コンプレッサー24を通って循環ガス8として再水滴化部44a、44b、44cに送られる。その他の動作は、先の実施の形態1と同様である。
本実施の形態4によれば、吸気口22が円筒電極10の最上部近傍に形成されている。このため、放電管60内のガスの流れは、再水滴化部44c、44b、44aから吸気口22へ向けた上方向の流れとなる。この結果、ガスの流れは、落下する被処理水3とは対向流となり、放電管60内のオゾン等と被処理水3との接触が促進され、水処理の速度と効率を向上させることができる。
実施の形態5.
図9は、本発明の実施の形態5に係る放電管60の断面図である。また、図10は、本発明の実施の形態5における図9に示した放電管60を構成するユニット電極70の断面図である。
図9において、放電管60は、ボルト73で縦方向に締結された4個のユニット電極70a、70b、70c、70d、ユニット電極70aの上に取り付けられた上部絶縁体11、ユニット電極70dの下に取り付けられた下部絶縁体12、および上部絶縁体11に組みつけられた上部保持体13と下部絶縁体12に組みつけられた下部保持体14とで保持されたワイヤー電極15、を備えて構成されている。
図10において、ユニット電極70は、金属で構成される円筒管部71、円筒管部の上下端に備えられた締結部72、円筒管部の内側に形成された水滴形成部材46、および円筒管部71を外周から覆うように取り付けられた循環ガス流路52、を備えて構成されている。再水滴化部44は、水滴形成部材46と循環ガス流路52により構成されている。
本実施の形態5においては、それぞれが再水滴化部44と円筒管部71を備える複数のユニット電極70を締結することで、放電管60を形成している。このため、先の実施の形態1のように、1本の円筒電極10によって放電管60を形成する場合と比較して、組立てが容易になり、量産性が向上する。
また、ユニット電極70の取付け数は、適宜決めることができる。このため、被処理水3中の分解対象有機物の種類や濃度に応じて、最適な放電管60の高さを形成することができる。
なお、本発明において、ガス吸気部は、コンプレッサーに限定されるものではなく、例えば、ブロアやポンプ等であってもよい。また、本発明において水滴とは、気中に存在する液体状態の水分子の集合体を意味し、その粒径および数密度は、特に限定されるものではない。
また、本発明に置いて、捕捉部材である水滴形成部材46と反し板58の材料に制限はないが、ガラス、セラミック、樹脂等の絶縁体で形成することが好ましい。捕捉部材を金属等の導電性材料で形成した場合、ワイヤー電極15との距離が近くなり、局所的に強い放電が形成され、水処理の効率が低下することがあるためである。

Claims (10)

  1. 長手方向が鉛直方向として設けられた中心電極と、
    前記中心電極と軸を同じくし、前記中心電極を囲うように設けられた外周電極と
    を備え、前記中心電極と前記外周電極との間に高電圧を印加することで、前記中心電極と前記外周電極との間の放電空間に放電を形成するとともに、前記放電空間の上方から前記放電空間内に、被処理水を水滴状または水膜状として供給することで、前記被処理水を処理する水処理装置であって、
    前記外周電極に接続された再水滴化部をさらに備え、
    前記再水滴化部は、前記放電空間内を落下する前記被処理水の一部をトラップ水として捕捉し、捕捉された前記トラップ水と、ガス配管を介して供給される酸素を含むガスとを混合させることによって再水滴化を行い、再水滴化によって形成された水滴を前記放電空間に噴出する
    水処理装置。
  2. 前記中心電極と、前記外周電極と、前記外周電極の下方に設けられて、前記放電空間内を落下した処理後の前記被処理水を溜める水受けとを含んで構成される水処理リアクターと、
    前記水処理リアクターから前記酸素を含むガスを吸気し、ガス配管を介して前記再水滴化部に供給するガス吸気部と
    をさらに備える請求項1に記載の水処理装置。
  3. 前記水処理リアクターから前記酸素を含むガスを吸気するための吸気口が、前記再水滴化部よりも上部の前記外周電極に設けられている
    請求項2に記載の水処理装置。
  4. 1対の前記中心電極と前記外周電極、および1個以上の前記再水滴化部を含んで構成される放電管を並列的に接続してなる複数の放電管を備え、
    前記複数の放電管が前記水受けに対して気密接続されており、
    前記水処理リアクターから前記酸素を含むガスを吸気するための吸気口が、前記水受けに設けられており、
    前記複数の放電管に対応した再水滴化部のそれぞれは、前記ガス吸気部により前記吸気口および前記ガス配管を介して給気された前記酸素を含むガスと、前記捕捉された被処理水とを混合させることによって再水滴化を行い、再水滴化によって形成された水滴を前記放電空間に噴出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の水処理装置。
  5. 前記再水滴化部は、前記再水滴化によって形成された前記水滴を、前記鉛直方向に対して傾斜した方向で、前記放電空間に噴出する
    請求項1から4のいずれか1項に記載の水処理装置。
  6. 前記再水滴化部は、
    前記外周電極の内面に沿って設けられた捕捉部材と、
    前記外周電極の外面に沿って備えられたガス流路と
    を有し、
    前記外周電極は、前記ガス流路から連なる貫通孔が形成されており、
    前記再水滴化部は、
    前記捕捉部材により、前記放電空間内を落下する前記被処理水の一部を前記トラップ水として捕捉し、
    前記ガス配管を介して供給される前記酸素を含むガスを、前記ガス流路と前記貫通孔を介して前記放電空間に供給し、前記トラップ水と前記酸素を含むガスとを混合させることによって前記再水滴化を行う
    請求項1から5のいずれか1項に記載の水処理装置。
  7. 前記捕捉部材は、
    前記トラップ水を収集する収集部と、
    前記収集部から下方に向けて伸長する水流路と
    を有し、
    前記再水滴化部は、前記水流路と前記ガス流路が交差した交差部において、前記トラップ水と前記酸素を含むガスとを混合させることによって前記再水滴化を行う
    請求項6に記載の水処理装置。
  8. 前記ガス流路は、前記交差部において、断面積が最小となっている
    請求項7に記載の水処理装置。
  9. 円筒形状の円筒管部と、
    前記円筒管部の両端に備えられた締結部と、
    前記円筒管部の内面に取り付けられた前記捕捉部材と、
    前記円筒管部の外面に取り付けられた前記ガス配管と
    を有して構成されるユニット電極を前記鉛直方向に複数接続することで、前記外周電極と前記再水滴化部を形成する
    請求項から8のいずれか1項に記載の水処理装置。
  10. 長手方向が鉛直方向として設けられた中心電極と、
    前記中心電極と軸を同じくし、前記中心電極を囲うように設けられた外周電極と
    を備え、前記中心電極と前記外周電極との間に高電圧を印加することで、前記中心電極と前記外周電極との間の放電空間に放電を形成するとともに、前記放電空間の上方から前記放電空間内に、被処理水を水滴状または水膜状として供給することで、前記被処理水を処理する水処理装置に適用される水処理方法であって、
    前記外周電極に接続された再水滴化部において、
    前記放電空間内を落下する前記被処理水の一部をトラップ水として捕捉する工程と、
    捕捉された前記トラップ水と、ガス配管を介して供給される酸素を含むガスとを混合させることによって再水滴化を行う工程と、
    前記再水滴化によって形成された水滴を前記放電空間に噴出する工程と
    を有する水処理方法。
JP2016570394A 2015-01-21 2015-01-21 水処理装置および水処理方法 Expired - Fee Related JP6157763B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2015/051504 WO2016117048A1 (ja) 2015-01-21 2015-01-21 水処理装置および水処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016117048A1 JPWO2016117048A1 (ja) 2017-04-27
JP6157763B2 true JP6157763B2 (ja) 2017-07-05

Family

ID=56416614

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016570394A Expired - Fee Related JP6157763B2 (ja) 2015-01-21 2015-01-21 水処理装置および水処理方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9914655B2 (ja)
JP (1) JP6157763B2 (ja)
CN (1) CN107207291B (ja)
WO (1) WO2016117048A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6400259B1 (ja) * 2018-03-14 2018-10-03 三菱電機株式会社 水処理装置及び水処理方法
USD855139S1 (en) 2018-09-26 2019-07-30 David John Fischer Firearm holster support
US11320235B2 (en) 2018-09-26 2022-05-03 David John Fischer Barrel held firearm carrier

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3232860A (en) * 1962-02-19 1966-02-01 Petrolite Corp Electric treater
JPH0421540Y2 (ja) * 1988-04-07 1992-05-18
JP2000279977A (ja) 1999-03-30 2000-10-10 Shinko Pantec Co Ltd 流体処理方法及び流体処理装置
JP4073240B2 (ja) * 2002-04-26 2008-04-09 株式会社東芝 ラジカル処理装置
JP4930912B2 (ja) * 2002-05-27 2012-05-16 独立行政法人科学技術振興機構 プラズマ殺菌装置
DE10303402A1 (de) * 2003-01-24 2004-08-12 Pva Tepla Ag Vorrichtung zum Erzeugen eines breiten Aktivgasstrahls auf Basis eines Gasentladungsplasmas
ES2430552T3 (es) 2005-04-29 2013-11-21 Vlaamse Instelling Voor Technologisch Onderzoek N.V. (Vito) Aparato y procedimiento para la purificación y desinfección de sustancias líquidas o gaseosas
EP1782841A1 (en) * 2005-10-31 2007-05-09 Vlaamse Instelling voor Technologisch Onderzoek Atmospheric multi-phasic controlled injection discharge plasma process and reactor for disinfection and purification of liquids and gases
CN102216225B (zh) * 2008-11-12 2013-07-17 积水化学工业株式会社 水处理装置
JP2011161362A (ja) * 2010-02-09 2011-08-25 Sekisui Chem Co Ltd 水処理装置および水処理用モジュール
JP5534846B2 (ja) * 2010-02-15 2014-07-02 積水化学工業株式会社 水処理装置
US20120153168A1 (en) * 2010-04-19 2012-06-21 Willem Gerhardus Johannes Langeveld Radioactive/nuclear threat monitoring using long detectors
JP6208968B2 (ja) * 2013-04-08 2017-10-04 Global Energy Trade株式会社 水処理方法及び水処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN107207291B (zh) 2018-10-02
US9914655B2 (en) 2018-03-13
JPWO2016117048A1 (ja) 2017-04-27
CN107207291A (zh) 2017-09-26
WO2016117048A1 (ja) 2016-07-28
US20180022624A1 (en) 2018-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2015111240A1 (ja) 水処理装置及び水処理方法
JP6161839B2 (ja) 水処理装置および水処理方法
JP6157763B2 (ja) 水処理装置および水処理方法
JP2003320373A (ja) ラジカル処理装置
JP6129447B2 (ja) 水処理装置および水処理方法
KR102026185B1 (ko) 미세기포에 의한 수처리효율을 향상시킨 플라즈마 수처리장치
JP6486569B1 (ja) 水処理装置および水処理方法
JP6400259B1 (ja) 水処理装置及び水処理方法
JP4760567B2 (ja) 放電装置、空気浄化装置、及び液処理装置
JP5534846B2 (ja) 水処理装置
JP6722903B2 (ja) 空間改質装置
JP2014117639A (ja) 被処理水中のジオキサン分解処理方法
JP2022551036A (ja) コロナ放電区域内で成分どうしをオゾンなしで分離するための方法及び装置
JP6430076B1 (ja) 水処理装置
JP6029605B2 (ja) 水処理装置及び水処理方法
KR102038921B1 (ko) 고전압 방전을 이용한 공기 중 입자상 물질과 악취 제거시스템
RU2136602C1 (ru) Устройство для очистки и обеззараживания воды
JP2010194527A (ja) 水処理装置
JP2007136444A (ja) 液体製造装置、処理装置および表面加工装置
KR20160021666A (ko) 공기정화장치
JP2020192496A (ja) 水処理装置
JP2019051101A (ja) 脱臭装置
JP2005087393A (ja) 空気清浄機および空気清浄方法
WO2016066895A1 (en) Pulsed corona discharge reactor, system and method for solution treatment

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170130

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20170130

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20170222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170322

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170606

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6157763

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees