JP6486569B1 - 水処理装置および水処理方法 - Google Patents

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Abstract

被処理水(20)に対し、効率的に水処理が行える水処理装置の提供を目的とする。
接地電極(5)とそれに対向する高電圧電極(4)を内部に有し、両電極の間で放電(6)を形成するとともに、電極間に被処理水(15)を通過させ放電(6)と接触させて水処理を行う処理槽(1)と、外部から供給された被処理水(20)にガス送気部(29)を介して処理槽(1)内のオゾンを含むガスを供給するオゾン混合部(2)と、オゾン混合部(2)内のガスを処理槽(1)へ送気するガス返送部(31)を備え、オゾン混合部(2)でオゾンによる水処理後に処理槽(1)で放電(6)による水処理を行うようにした。

Description

本願は、放電を用いて、被処理水の浄化を行う水処理装置および水処理方法に関するものである。
工場廃水等には、ダイオキシン類およびジオキサンに代表される難分解性物質が含まれていることがある。この難分解性物質を分解するために、被処理水に対して放電を照射し、放電で発生させたOHラジカル等を被処理水に作用させる放電水処理が提案されている。
放電水処理に対し出願人は、筐体内に、上下に対向するように配置された平板状の接地電極とワイヤ状の高電圧電極からなり、接地電極上を膜状に流下する水面に向かって放電を形成する放電ユニットと、被処理水を貯留しオゾンを供給する水溜部とを交互に複数配置し、放電により生成した過酸化水素とオゾンとを被処理水に溶解させ、被処理水を処理する水処理装置を提案している(特許文献1参照)。
国際公開第2016/117259号公報
放電を用いた水処理装置では、水処理に伴い副次的にオゾンが発生する。発生したオゾンは被処理水に溶解することで、水処理の反応に寄与する。放電により生成されるオゾンの量は、水処理で消費されるオゾンの量よりも多く、放電によって、オゾンの生成と同時に、オゾンの分解反応も同時に生じている。そのため、水処理に寄与せず分解される、あるいは装置外に排気されるオゾンが多く、水処理効率化のためにはオゾンの活用率の向上が望まれている。
本願は上記の課題を解決するための技術を開示するものであり、放電と被処理水を接触させることで被処理水中の有機物を分解する水処理装置において、簡易な装置構成でオゾンの活用率を向上させ、効率的に有機物を分解可能な水処理装置および水処理方法を得ることを目的とする。
本願に開示される水処理装置は、被処理水にオゾンを含んだガスが供給される密閉容器であるオゾン混合部と、接地電極と前記接地電極に対向する高電圧電極とを有する放電ユニットを備え、前記放電ユニットで放電を形成し、前記放電でオゾンを生成するとともに、前記放電に前記被処理水を接触させる前記オゾン混合部とは別体の密閉容器である処理槽と、前記オゾン混合部と前記処理槽を連通し、前記処理槽内のオゾンを含んだガスを前記オゾン混合部内の前記被処理水に供給するガス送気部と、前記オゾン混合部と前記処理槽を連通し、前記オゾン混合部から前記処理槽に前記被処理水を供給する被処理水供給部と、前記オゾン混合部と前記処理槽を連通し、前記オゾン混合部内のガスを前記処理槽へ送気するガス返送部と、を備えたものである。
また、本願に開示される水処理方法は、第一の密閉容器内において貯留された被処理水にオゾンを含むガスを供給する第一の水処理工程と、第二の密閉容器内において前記第一の水処理工程後の被処理水と前記第一の水処理工程後のガスと供給された酸素とを放電に接触させる第二の水処理工程と、前記第二の密閉容器で前記放電により発生したオゾンを含むガスを前記第一の密閉容器に送気し、前記第一および第二の密閉容器を循環する循環ガス流量を調整する工程とを含み、前記第二の水処理工程の前記放電で発生する前記オゾンを第一の水処理工程に用いるものである。
上記構成によれば、被処理水を放電により処理する前に放電により生成したオゾンによる水処理を行うので、簡易な装置構成でオゾンの活用率を向上させ、効率的に有機物を分解可能な水処理装置、および水処理方法を提供することができる。
実施の形態1に係る水処理装置の構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る別の水処理装置の構成を示す断面図である。 実施の形態1に係るさらに別の水処理装置の構成を示す断面図である。 実施の形態1に係るさらに別の水処理装置の構成を示す断面図である。 図4Aの放電ユニットの拡大図である。 実施の形態2に係る水処理装置の構成を示す断面図である。 実施の形態2に係る別の水処理装置の構成を示す断面図である。 実施の形態3に係る水処理装置の構成を示す断面図である。 実施の形態3に係る別の水処理装置の構成を示す断面図である。 実施の形態4に係る水処理装置の構成を示す断面図である。 実施の形態4に係る別の水処理装置の構成を示す断面図である。 実施の形態5に係る水処理装置の構成を示す断面図である。 実施の形態6に係る水処理装置の構成を示す断面図である。 実施の形態6に係る別の水処理装置の構成を示す断面図である。
以下に本願に開示される水処理装置および水処理方法の好適な実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は、同一または相当部分を示すものとする。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る水処理装置の構成を示す断面図である。
図において、水処理装置は、被処理水を通流し、内部に放電を形成する機構を有する金属製の容器である処理槽1と、処理槽1に連結されるオゾン混合部2であって、処理槽1に供給する被処理水を予めオゾンを含むガスに接触させ、被処理水20に含まれる有機物の分解を行うとともにオゾンを被処理水に溶解させるオゾン混合部2とを備える。
[処理槽1の構成]
まず、処理槽1の構成について図1を用いて説明する。
処理槽1は金属製の密閉容器からなり、内部には放電を形成する放電ユニット3が配置される。放電ユニット3は平板状の接地電極5とそれに対向して配置された複数(図中では4個)のワイヤ状の高電圧電極4を有する。図では、高電圧電極4であるワイヤの断面が示されており、ワイヤが紙面の奥行方向に伸びて配置されている。複数の高電圧電極4は、接地電極5の上方に互いに等間隔に配置され、かつ並列に配置された高電圧電極4と接地電極5とが平行になるように一定距離離間して配置される。高電圧電極4は互いに配線で接続されている。また、配線は電流導入端子7を介して処理槽1外部の高電圧パルス電源8に接続される。さらに、電流導入端子7により、高電圧電極4と処理槽1の筐体は電気的に絶縁されている。高電圧パルス電源8により、高電圧電極4に高電圧パルスが印加されることで、高電圧電極4と接地電極5との間の空間に放電6が形成される。
放電ユニット3は傾斜した状態で処理槽1内に配置されている。傾斜した放電ユニット3の上部に、オゾン混合部2に連結された給水口11から被処理水15が供給される。供給された被処理水15は傾斜した接地電極5上を流下する。処理槽1の下部には、水処理された処理水16を水処理装置外へ排水する排水口14が設けられている。
一方、放電を安定化させるため、高電圧電極4と供給される被処理水15とが接触しないように配置する。接地電極5は金属製の部品によって処理槽1内側に固定される。これにより、接地電極5と処理槽1の筐体は電気的に接続され、接地電位となる。
処理槽1とオゾン混合部2とに亘って、すなわち水処理装置内をガスが循環するが、処理槽1には、ガスを処理槽1から送出するガス送気口12と、ガス送気口12から送気され水処理装置内を循環したガスの処理槽1内への戻し口である返送ガス導入口10とが設けられている。
また、処理槽1の上部には、ガスを処理槽1内に供給する導入口であるガス供給口9および処理槽1内のガスを水処理装置外へ排気する排気口13が設けられている。
ガス供給口9は、酸素ガス源17にマスフローコントローラー18を介して接続され、マスフローコントローラー18により、処理槽1へと供給されるガスの流量が制御される。
排気口13にはバルブ32が設けられ、排気するガスの流量が調整される。
処理槽1は密閉構造であり、前述したガス供給口9、返送ガス導入口10、ガス送気口12、排気口13、給水口11および排水口14のみを介してガス、被処理水および処理水が出入りする。
[オゾン混合部2の構成]
次に、オゾン混合部2の構成について図1を用いて説明する。
オゾン混合部2は、金属容器からなり、内部に被処理水20を貯留でき、貯留した被処理水20に対しガスを供給する機構を有する。オゾン混合部2では被処理水20を一度貯留し、ガス(オゾン)を被処理水20に溶解させるとともに、被処理水20をガスと接触させ被処理水20中の有機物を分解する。
オゾン混合部2には給水口22が設けられており、この給水口22に接続された配管を通じて水処理装置の外部から被処理水20が供給され、オゾン混合部2内に貯留される。オゾン混合部2の上部には、オゾン混合部2内のガスの一部を排気する排気口24が設けられている。排気口24にはバルブ33が設けられ、バルブ33により排気するガスの流量が調整される。
オゾン混合部2の給水口22と対向する側に被処理水20を処理槽1に供給するための送り口である送水口25と、オゾン混合部2内のガスを処理槽1へと戻すガス返送口23が設けられている。送水口25は貯留されている被処理水20の水面より低い位置に設けられ、ガス返送口23は被処理水20の水面よりも高い位置に設けられる。
オゾン混合部2の下方の被処理水20中には、ガス導入口45に接続された配管42の先端に連結された散気部材19が配置されている。散気部材19は多孔質の円筒あるいは平板状であり、処理槽1より送気されたガスを気泡として被処理水20へと供給する、ガス供給装置に相当する。被処理水20中の白丸は気泡を示している。
オゾン混合部2は処理槽1と同様の密閉構造であり、前述したガス返送口23、排気口24、ガス導入口45、給水口22および送水口25のみを介してガスおよび水が出入りする。被処理水20はオゾン混合部2を通った後に処理槽1に供給される。すなわち、水処理の流れにおいて、オゾン混合部2は処理槽1の前段に位置し、第一段目の水処理が行われる。
なお、被処理水に付した符号は、外部から供給されオゾン混合部2内に貯留された被処理水は20、第一段目の水処理が行われオゾン混合部2から処理槽1へ供給された被処理水は15としている。
[処理槽1とオゾン混合部2との連結部の構成]
処理槽1とオゾン混合部2との間ではガスが循環し、オゾン混合部2から処理槽1へは被処理水が送出される。処理槽1とオゾン混合部2との連結部の構成について説明する。
ガス送気部29は、処理槽1内のガスをオゾン混合部2へと供給する流路であり、配管42と処理槽1内のガスを吸引してオゾン混合部2へ送気する送気手段である送気ポンプ30とを有する。配管42はオゾン混合部2のガス導入口45に接続されて貫通し、処理槽1のガス送気口12とオゾン混合部2内の散気部材19とを連結する。また、送気ポンプ30には送気量調整用のインバータ(図示せず)が接続されている。
ガス返送部31は、オゾン混合部2内のガスを処理槽1へと戻すための流路であり、配管43と流量制御を行うバルブ34とを有し、オゾン混合部2のガス返送口23と処理槽1の返送ガス導入口10に連結されている。
被処理水供給部26は、オゾン混合部2内の被処理水20を処理槽1へと供給するための流路であり、配管41が送水口25と給水口11とに接続される。配管41には被処理水15を処理槽1に供給する送水ポンプ28が設けられている。
[水処理装置の運転動作]
次に、本実施の形態1における水処理装置の運転動作について説明する。
まずガスの循環について説明する。
本実施の形態1における水処理装置は、処理槽1内およびオゾン混合部2内に酸素ガスを供給し水処理を行う。酸素ガスは、酸素ガス源17からマスフローコントローラー18によりあらかじめ設定された流量に調整されて、ガス供給口9から処理槽1内に供給される。処理槽1内の被処理水15から水蒸気が揮発するため、処理槽1内は湿潤高濃度酸素雰囲気となる。オゾン混合部2内に酸素ガスを供給するため、処理槽1内のガスを、送気ポンプ30によってガス送気口12から吸引し、ガス送気部29を介して送気した後、散気部材19からオゾン混合部2内に貯留されている被処理水20に供給する。送気されたガスは被処理水20内で気泡を形成して上昇した後、オゾン混合部2の上部のガス返送口23からガス返送部31を介して返送され、返送ガス導入口10から処理槽1へと戻る。
以上の動作により、処理槽1およびオゾン混合部2内のガスを循環する。すなわち、ガス供給口9から処理槽1内に供給された酸素ガスをオゾン混合部2へ送気し、オゾン混合部2内で被処理水20に供給された後、再度処理槽1へ戻す。
また、処理槽1内のガスは排気口13から排気する。排気口13からの排気流量は、ガス供給口9からの酸素供給流量と等しくなるように制御する。
次に、本水処理装置による水処理の動作について説明する。本水処理装置において、給水口22から供給された被処理水20はオゾン混合部2で一端貯留される。オゾン混合部2内の被処理水20は、前述したガスの循環により散気部材19から吐出されたガスと接触した後、被処理水供給部26の送水ポンプ28によって送水口25から吸引され、給水口11から処理槽1内へ供給される。処理槽1に供給された被処理水15は、放電ユニット3の接地電極5上流部に供給され、接地電極5上で水膜を形成して流下する。
ここで高電圧パルス電源8を動作させることで、放電ユニット3の高電圧電極4と接地電極5の間の空間に放電6が形成される。被処理水15が放電空間を通過するときに放電6と接触させることで水処理を行う。本水処理装置で処理された処理水16は排水口14から排水される。
次に、本水処理装置の処理槽1での水処理の原理と、処理槽1の前段にオゾン混合部2を設ける作用効果について説明する。
[放電による水処理の原理]
本実施の形態1では、被処理水15が接地電極5の上面を流下する際に、放電6と接触することにより、被処理水中の有機物が分解され水処理が行われる。以下にその原理を説明する。なお、ここでは、有機物の分解を例にとって説明するが、放電で生じるOおよびOHラジカルが、除菌、脱色、脱臭にも有効であることは、周知の事実である。
放電6により、処理槽1内の酸素分子(O)、水分子(HO)が高エネルギーの電子と衝突し、下式(1)、(2)の解離反応が生じる。なお、式(1)、(2)において、eは電子、Oは原子状酸素、Hは原子状水素、OHはOHラジカルである。
e+O→2O (1)
e+HO→H+OH (2)
式(1)で発生した原子状酸素の多くは、下式(3)の反応により、オゾン(O)となる。なお、下式(3)において、Mは反応の第三体であり、気中のあらゆる分子および原子を表す。
O+O+M→O (3)
また、式(2)で生じたOHラジカルの一部は、下式(4)の反応により、過酸化水素(H)となる。
OH+OH→H (4)
式(1)から(4)の反応で生成された酸化性粒子(O、OH、O、H)は、下式(5)により、接地電極5の上面を流れる被処理水15の水面近傍の有機物と反応して二酸化炭素(CO)と水に酸化分解する。なお、下式(5)において、Rは処理対象となる有機物である。
R+(O、OH、O、H)→CO+HO (5)
ここで、式(5)で有機物と反応しなかったOとOHは、式(3)、(4)により、比較的寿命の長いOとHになり、その一部は、下式(6)、(7)により、被処理水15に溶解する。なお、下式(6)、(7)において、(L)は液相を意味する。
→O(L) (6)
→H(L) (7)
(L)とH(L)は、水中での反応により、下式(8)の通り、OHラジカルを生成する。
(L)+H(L)→OH(L) (8)
式(6)から(8)で生成されたO(L)、H(L)、OH(L)は、下式(9)により、水中反応により有機物を分解する。
R+(O(L)、H(L)、OH(L))→CO+HO (9)
本実施の形態1では、被処理水15が放電6と直接接する領域、すなわち処理槽1では、式(5)の反応と、式(9)の反応の双方によって、被処理水15中の有機物が分解される。一方、放電と直接接しない領域であるオゾン混合部2では、上式(9)の反応によって、被処理水中の有機物が分解される。
本実施の形態1では、処理槽1内で放電6により発生するオゾンをオゾン混合部2内の被処理水20に供給する。すなわち、別途にオゾン発生器を用いる必要がない。
一般にオゾン発生器は、水蒸気の混入によりオゾン発生効率を著しく損なうため、乾燥状態の酸素ガスを供給する必要がある。また、水に接触させた後のガスは、水蒸気を含有するため、再利用せずに排気される。一方、本実施の形態1では湿潤雰囲気においても安定して放電が形成されオゾンを発生できる。加えて、ガスを循環させることにより、オゾンの活用率を向上させることができる。これにより、オゾンの原料である酸素ガスの消費を抑制し、水処理に必要なコストを低減することができる。
さらに、一般にオゾン含有するガスは排気時に排オゾン分解設備を用いて、オゾンを分解してから排気される。排オゾン分解設備は排気流量が多いほど大規模になる。一方、本実施の形態1ではガス循環により装置外に排気されるガスの流量を削減することができる。すなわち、排オゾン分解設備を小型にすることができ、装置コストを削減することができる。
排オゾン分解設備は図示していないが、バルブ32を介して排気口13に、バルブ33を介して排気口24にそれぞれ接続されている。
[オゾン濃度の調整]
水処理の高効率化には、オゾン濃度の調整が重要である。以下に、本実施の形態1の水処理装置におけるオゾン濃度の調整方法について説明する。
まず、オゾンを発生させるための酸素濃度の調整について説明する。
水処理装置の起動時においては、水処理装置内が空気で満たされ、水処理に必要十分な酸素濃度に満たないことがある。そのため、酸素濃度が低い場合は、以下のように、水処理装置内のガスの置換動作を行う。
酸素ガス源17からマスフローコントローラー18で流量調整された酸素ガスをガス供給口9から処理槽1内に供給する。同時に、処理槽1内およびオゾン混合部2内のガスを、ガス送気部29とガス返送部31を介して循環させる。また、排気口13からガスを水処理装置外に排気する。すなわち、酸素ガスの供給と循環および排気のみを前述の運転動作と同様に行う。
一方、放電ユニット3による放電6の形成と処理槽1への被処理水15の供給は行わない。ガスの置換動作は、水処理装置内の酸素濃度が水処理に必要十分な濃度に到達するまで行う。また、マスフローコントローラー18による酸素供給流量は運転動作時よりも多くなるように調整しても構わない。これにより、短時間で装置内の空気を置換し、水処理に必要十分な酸素濃度に到達することができる。
次に、オゾン濃度の調整について説明する。
ガスの置換動作後、オゾン濃度が低い場合、所定のオゾン濃度になるまで、以下のように、オゾンの生成動作を行う。
酸素ガス源17からマスフローコントローラー18で流量調整された酸素ガスをガス供給口9から処理槽1内に供給する。同時に、処理槽1内およびオゾン混合部2内のガスを、ガス送気部29とガス返送部31を介して循環させる。また、排気口13からガスを水処理装置外に排気する。さらに、放電ユニット3により放電6の形成を行う。すなわち、酸素ガスの供給と循環と排気および放電の形成のみを前述の運転動作と同様に行う。一方、処理槽1への被処理水15の供給は行わない。これにより、処理槽1内で水処理は行わず、放電6によるオゾンの発生と蓄積のみを行う。
オゾン生成動作は、所定の濃度に到達するまで行い、所定のオゾン濃度に到達後、処理槽1に被処理水15を供給して水処理を開始する。
処理槽1内での水処理は、オゾン濃度が高い方が高効率で水処理を行うことができるため、前述のオゾン生成動作を行ってオゾン濃度を調整後に水処理を行うことが望ましい。
オゾン生成動作を行わない場合、水処理開始直後のオゾン濃度は低く、時間経過とともにオゾン濃度は増加して定常となる濃度で飽和する。そのため、オゾン濃度が飽和するまでの間の水処理の効率は、定常状態よりも低くなる。効率をあげるためには、処理槽1およびオゾン混合部2の規模を大きくすることになってしまう。
オゾンの生成動作を行うことにより、装置を大型化することなく、水処理の効率化が可能となる。
以上のとおり、本実施の形態1によれば、被処理水20を放電6により処理する前に放電により生成したオゾンによりオゾン混合部2で水処理を行うので、簡易な装置構成でオゾンの活用率を向上させ、効率的に有機物を分解可能となる。
すなわち、オゾン混合部2において被処理水20をオゾンと接触させることにより、オゾンで処理可能な有機物を分解できる。オゾンで分解可能な有機物は処理槽1においてOHラジカルで処理するよりも、オゾン混合部2においてオゾンで分解したほうが高効率で処理できる。したがって、前段のオゾン混合部2においてそれらの物質を分解しておくことで、後段の処理槽1においてOHラジカルを難分解性物質と選択的に反応させることができ、全体としての水処理効率を向上させることができる。
また、オゾン混合部2を前段、処理槽1を後段と容器も別体とすることで、簡易な構成で水処理の効率が向上する。
なお、本実施の形態1では、処理槽1内を高濃度酸素雰囲気としているが、酸素を含んでさえいれば、オゾンおよび活性種が生成されるため、水処理を行うことができる。しかし、酸素濃度が高いほど、オゾンおよび活性種の濃度が増加し、反応を高速化できるため、高濃度酸素雰囲気が好適である。
運転動作中の水処理装置への酸素供給流量は処理槽1内のガスの分析結果に基づき調整される。例えば、処理槽1内の酸素濃度を測定し、これが90%未満にならないように酸素供給流量を調整する。一般に酸素富化器により生成されるガスの酸素濃度は90%以上であり、酸素濃度が90%を下回る場合は、酸素の供給量が不足しているため、酸素供給流量を増加させる必要がある。これにより、水処理に必要な最低限の酸素のみ補充して装置を動作させ、酸素のコストを抑制することが可能である。
また、水処理装置へ供給する酸素供給流量は被処理水の水質に基づいて決定してもよい。水処理に必要な酸素量は、被処理水に溶解する酸素量および有機物の分解に必要な酸素量の合計となる。したがって、有機物の濃度が高い場合は必要な酸素量が増加するため、酸素供給流量を増加することが望ましい。
水処理装置から外部への排気は排気口13だけでなく、排気口24で行うこともできる。もしくはその両方から同時に排気することができる。ただし、排気口13からの排気流量と排気口24からの排気流量は、その合計が酸素供給流量と等しくなるようにそれぞれに設けられたバルブ32およびバルブ33で制御する。
例えば、被処理水に窒素または二酸化炭素などの気体が多く溶解している場合、前段の処理のためのオゾン供給に伴い、それら窒素または二酸化炭素が追い出されてガス中に気化することが想定される。この場合、オゾン混合部2の酸素濃度の低下が想定されるので、排気口24からの排気流量の割合を増やすとよい。これにより、処理槽1の酸素濃度の低下を最小限に抑制することができる。
また、排気流量を酸素供給流量と等しくすることで、オゾンを含むガスの外部への流出および外部からの空気の混入を防ぎ、酸素濃度の低下を抑制することができる。
本実施の形態1において、送気ポンプ30に接続されたインバータ(図示せず)は送気ポンプ30の流量制御器に相当する。そのため、ガス送気部29に設けられた送気ポンプ30とガス返送部31に設けられたバルブ34により、ガス送気部29およびガス返送部31を介して循環するガスの流量を調整できる。
また、水処理装置の運転動作中は循環ガス流量を酸素供給流量よりも多くなるように調整するのがよい。例えば、循環ガス流量を酸素供給流量の20倍以上かつ1000倍以下となるように調整する。循環ガス流量が酸素供給流量の20倍未満であると、オゾン混合部2における被処理水20へのオゾンの供給が不足し、有機物の分解が不十分となる。循環ガス流量が多いほど、ガスを放電6に曝す機会が増加し、より効率的にオゾンを生成でき、有機物の分解を効率的に行える。一方、循環ガス流量が酸素供給流量の1000倍を超えると、送気ポンプ30による消費電力が増加し、送気ポンプ30からの発熱が増加する。これにより、循環するガスの温度が上昇するとオゾンの分解が増加するため、反応が阻害され、処理効率が低下する。
循環ガス流量を被処理水の分析結果に基づき制御することもできる。例えば、オゾン混合部2内の被処理水20の溶存オゾン濃度を測定し、濃度が低くなった場合に循環ガス流量を増加させて、オゾン供給量を増加させる。このような動作によって、オゾンの供給量を適切に制御することが可能になる。
処理槽1内およびオゾン混合部2内の内圧は、水処理装置での給排水が容易となるように、大気圧もしくはその近傍とすることが望ましい。
オゾン混合部2内の圧力は、ガス返送部31に設けられたバルブ34により、制御することが可能である。例えば、バルブ34によりガス返送部31を流れるガス流量を絞ることによってオゾン混合部2内をより高圧としてもよい。一般に気相のガス圧力が高まるほどオゾンの水への溶解効率が高まる。そのため、オゾン混合部2内でオゾンを効率的に被処理水に溶解させ、有機物を効率的に分解できる。この場合、処理槽1内の内圧が陰圧となるため、処理槽1の下部に処理水16の水溜め部を設け、処理水16の水面を排水口14よりも高くすることが好ましい。図2に、処理槽1の下部に処理水16の水溜め部46設けた水処理装置の図を示す。これにより処理槽1内への空気の混入を防ぐことができる。
本実施の形態1では、オゾン混合部2から処理槽1への被処理水の供給は、被処理水供給部26のみを介して行う。被処理水供給部26は、被処理水で充填されており送水ポンプ28へのガスの混入を防ぐことができる。
また、オゾン混合部2内での被処理水20へのガスの供給により、被処理水20に溶存する窒素を、供給されたガス中の酸素により気相に追い出し、排気口13もしくは排気口24から水処理装置外に排出できる。オゾン混合部2内および処理槽1内での水処理では、被処理水中の溶存窒素は酸化され硝酸を生成し、被処理水のpHを低下させる。本実施の形態で示した水処理技術においては、中性域でもっとも反応効率がよくなることが知られている。そのため、本実施の形態の水処理装置の運転動作に伴い、溶存窒素を除去することで、pHの低下を抑制すること可能となり、高効率な処理を行うことが可能となる。
本実施の形態1において、高電圧電極4と接地電極5と距離は、処理水が流れ放電が形成できれば特に限定しないが、5mm以上で15mm以下であることが望ましい。5mm以上であれば被処理水の水膜が通過していても高電圧電極4と接地電極5との空間が水没することがなく均一な放電を安定して形成することができる。一方、空間が広くなるほど放電の形成に高電圧を必要とする。電圧が高くなるほど非放電部の絶縁が難しくなるため、絶縁のための装置コストが増加することになる。
図1では放電ユニット3は平板状の接地電極5と複数のワイヤ状の高電圧電極4から構成されているが、放電ユニット3の構成は、高電圧電極と接地電極が一定間隔の空間を保って対向し、その空間に放電を形成するものであれば、放電ユニット3の形状は制限しない。また、高電圧電極4は電界を集中させ放電を形成できる形状であるならば、その形状を制限しない。また、図中では被処理水15は、傾斜面を水膜の形状で放電空間を通過しているが、被処理水が放電空間を通過するのであれば、被処理水の通過時の形状および移動の方向は制限しない。
また、図中では放電ユニット3が1つの例を示したが、複数の放電ユニット3を被処理水の通過方向に対して並列あるいは直列に処理槽1内に備えていてもよい。複数の放電ユニットを備えた場合には単位時間当たりに処理できる被処理水の量が増加し、より高速に処理を行うことができ、有機物濃度の高い被処理水も処理することが可能となる。
なお、処理槽1およびオゾン供給部2は金属製の密閉容器であることを例示したが、水処理装置を構成する部材としては、部耐腐食性に優れた素材を用いることが望ましい。金属であれば例えばステンレス鋼またはチタンを用いることができる。誘電体であれば例えばフッ素樹脂、ガラスまたはセラミック等を用いることができる。
図1および図2においては、傾斜した放電ユニット3の上部に、オゾン混合部2に連結された給水口11から被処理水15が供給される例について示したが、以下に別の放電ユニットを用いた水処理装置の例について説明する。
図3は、実施の形態1に係る別の水処理装置の構成を示す断面図である。また、図3の水処理装置は、前述の図1および図2の水処理装置の処理槽1の構成と、被処理水供給部26のオゾン混合部2および処理槽1との接続位置が異なる。
図3において、処理槽1は被処理水15を貯留し、被処理水15の水面近くの水面下に配置された複数の開口を有する平板状の接地電極5aと複数(図中では4個)のワイヤ状の高電圧電極4とを有する放電ユニット3aを備えている。ワイヤ状の高電圧電極4は被処理水15の水面の上方に水面と平行になるように等間隔に配置される。接地電極5aは処理槽1の筐体と電気的に接続され接地電位となっている。給水口11aは処理槽1の底部に設けられ、送水口25aはオゾン混合部2の底部に備えられ、被処理水供給部26は給水口11aと送水口25aを接続するように水処理装置下部に備えられる。なお、給水口11aは処理槽1の下方であれば底部でなくてもよく、送水口25aはオゾン混合部2の下方であれば底部でなくてもよい。
また、処理槽1のガス送気口12aは、処理槽1の上方、被処理水15の水面より上方に設けられる。その他の構成は図1および図2と同様である。
次に、図3の水処理装置の動作について説明する。
図3の水処理装置では、オゾン混合部2から処理槽1内に被処理水15を一定量になるまで供給する。一定量とは、平板状の接地電極5aが水面下近くの水面下に浸り、ワイヤ状の高電圧電極4が水面に接しない水面の高さに至る水量である。被処理水15が一定量になると被処理水15の処理槽1への供給を停止する。被処理水15の処理槽1への供給が停止している間は、排水口14からの排水も停止する。ここで高電圧パルス電源8を動作することで、放電ユニット3aの高電圧電極4と被処理水15の水面間の空間にストリーマ放電6を形成する。放電6が直接被処理水15と接触することで水処理が行われる。水処理を行う間、処理槽1内にはオゾンが発生する。
一定時間後に、処理槽1内の被処理水15に含まれる有機物が分解されると、被処理水15は処理済の処理水16となる。排水口14から、処理槽1内に貯留されていた処理水16はすべて排水される。処理水が排水された後、オゾン混合部2から被処理水供給部26を介して被処理水15が処理槽1へ供給される。
また、オゾン混合部2内部には被処理水20が貯留される。ここで、図1と同様に処理槽1内のガスをガス送気部29を介してオゾン混合部2へ供給し、オゾン混合部2内のガスをガス返送部31を介して返送することで循環させる。これにより、図1と同様の原理で、オゾン混合部2内の被処理水20に含まれる有機物をオゾンに接触させて分解するとともに、オゾンを被処理水20に溶解させる。処理槽1からオゾン混合部2へのガスの送気は処理槽1で水処理を行う期間によらず行ってもよい。オゾン混合部2の被処理水20は、第一段の水処理を経た被処理水15として処理槽1へと供給される。
図3において、接地電極5aは被処理水15の水面下に配置できれば、その形状を問わない。棒状あるいはワイヤ状の接地電極5を用いても構わない。また、本実施の形態4では貯留された被処理水15が接地電極5と同様の役割を有するため、接地電極5aを備えなくても構わない。被処理水15と高電圧電極4との間で放電させて水処理を行うことも可能である。
一方、被処理水15の導電率が1mS/cm以下の場合は、放電6に伴う電流が被処理水中を流れてジュール損失が大きくなり、水処理に寄与しないエネルギー消費が増加するため、水処理効率が低下する。そのため、接地電極5aを備えるほうが好適である。
また、接地電極5aは水面下5mmから10mmの間に設けることが望ましい。水面下10mmよりも下方に接地電極5aを設けた場合、被処理水の電気抵抗が大きくなり、水処理効率が低下する。一方で水面下5mmより上方に接地電極5aを備える場合には、接地電極5a上の水の分布に偏りが生じ、高電圧電極4と接地電位である被処理水の水面または高電圧電極4と接地電極5aの間の距離が不均一になることで、スパーク放電が生じやすくなる。
また、接地電極5aは平板状であるほうが電気抵抗を小さくでき好適である。一方で、接地電極5が平板であると、接地電極5aの上下で被処理水15を攪拌し難く、下方の放電から離れた位置の被処理水15の水処理が進行しなくなる。そのため、接地電極5が平板状である場合は開口部を設け、接地電極5aの上下で被処理水を攪拌できることが望ましい。
また、図において高電圧電極4はワイヤ状の電極で示したが、電界を集中し、放電を形成して、被処理水と放電を接触させるならば、その形状を制限しない。例えば、水面を挟んで接地電極5aと対向している単数もしくは複数の針電極である高電圧電極、または水面を挟んで接地電極5aと対向する剣山形状の高電圧電極でも構わない。また、水面を挟んで接地電極5と平行に配置した平板状の高電圧電極であってもよい。
被処理水15は処理槽1内に一定量が供給されていればよい。一度処理層へ供給された被処理水15は水処理が終了するまで、処理槽1内から排水しない。
また、図1の水処理装置では被処理水中の難分解性物質の含有量が多い場合に、放電ユニットの数の増加、投入電力の増加等の処理条件で調整したが、図3の水処理装置では処理時間の調整をすればよく、放電ユニットの数は必要最低限でよく、装置コストの抑制に寄与する。
以下にさらに別の放電ユニットを用いた水処理装置の例について説明する。
図4Aは、実施の形態1に係るさらに別の水処理装置の構成を示す断面図である。図4Aの水処理装置は、図1から3の水処理装置の構成と、処理槽1内の放電ユニット3の構成が異なる。処理槽1の内部には、円筒状の接地電極5bがその中心軸が鉛直となるように設けられる。接地電極5bは金属部材により処理槽1の筐体側面に固定される。これにより、接地電極5bと筐体は電気的にも接続され、接地電位となる。接地電極5bの内部には、接地電極5bの中心軸に沿ってワイヤ状の高電圧電極4bが配置される。すなわち、高電圧電極4bと接地電極5bの内面との間には均一な距離を保った空隙を有する。高電圧電極4bは配線により電流導入端子7を介して処理槽1外部の高電圧パルス電源8に接続される。電流導入端子7により、高電圧電極4と処理槽1の筐体は電気的に絶縁されている。また、給水口11は被処理水15を水滴化して散布するためのノズル40を備える。その他の構成は図1と同様である。
次に、図4Aの水処理装置の動作について説明する。
図4Aの水処理装置では、被処理水供給部26を通じて処理槽1へと供給された被処理水15は、給水口11に設けられたノズル40によって水滴化され散布される。水滴化した被処理水15は鉛直に落下し、高電圧電極4bと接地電極5b間との空隙を通過する。また一部の被処理水は接地電極5bの内面に衝突し、水膜を形成して流下する。ここで高電圧パルス電源8を動作させると、高電圧電極4bから接地電極5bの内面に向かって均一なストリーマ放電6が形成され、被処理水15の水滴および接地電極5bの内面を流下する被処理水15にそれぞれ放電6と接触させることで、水処理を行う。この放電6によりオゾンが発生するため、処理槽1内のガスを、ガス送気部29を通じてオゾン混合部2へ供給し、オゾン混合部2内のガスを、ガス返送部31を通じて処理槽1へ戻して、ガスを循環させる。このガスの循環によりオゾン混合部2にオゾンが供給され、図1と同様にオゾン混合部2内で被処理水20中の有機物を分解するとともに、オゾンを被処理水20に溶解させることが可能である。
また、被処理水15を水滴化することによって、被処理水15と放電の接触面積を増加させることができる。これにより、被処理水15に供給される活性種の量が増加するため、高速かつ効率的に水処理を行うことが可能である。
図4Bは、放電ユニット3bの拡大図で、上側は放電ユニット3bを上から見た図、下側は縦断面を示したものである。高電圧電極4bを4本のワイヤで構成し、ワイヤはすべて接地電極5bの中心軸から等距離に配置した例を示す。このように複数本のワイヤとし接地電極5bに対向する複数の高電圧電極にすることで、電流を分散し電流密度を低下させることができ、安定したストリーマ放電を形成できる。すなわち、円筒の接地電極5b内で均一な放電を形成することができる。
図4Aでは、接地電極5bは円筒管として示しているが、ワイヤ状の高電圧電極4bと同軸中心の円筒であるならば、接地電極5bの側面に開口を設けていてもよい。開口を有することによって接地電極5bの内面に衝突する水滴が減少し、内面を流下する水膜が薄くなる。これにより、水膜厚みの偏りによる空隙の間隔のばらつきが減少し、安定して均一な放電6を形成することができる。
また、図4Aには放電ユニット3bは処理槽1内にひとつのみ示しているが、処理槽1内に複数並列に備えていても構わない。さらに、図中では放電ユニット3bは、ワイヤ状の高電圧電極4bと円筒状の接地電極5bから構成されているが、高電圧電極と接地電極が一定間隔の空間を保って対向し、その空間に放電を形成するものであれば、放電ユニット3bの形状は特に制限しない。
図4Aではノズル40により、被処理水15を鉛直方向下向きに散布しているが、被処理水15を散布する方向は、水滴化して散布した被処理水15を、放電6を形成している空間を通過し、放電6と接触させることができるならば、その向きを限定しない。
例えば、接地電極5bの側面に水滴が追加できる大きさの開口を複数設け、側面から水平に被処理水を散布しても構わない。この場合、散布された被処理水15の水滴を水平に移動させながら、接地電極5bに設けた開口および放電を形成する空間を通過し、放電と接触させて水処理を行うことができる。さらに、同様の放電ユニット3が複数並列備えられていれば、被処理水の水滴が、第一の放電ユニット3を通過した後に第二の放電ユニット3で放電と接触することができる。つまり、被処理水を水平に散布することで、被処理水が落下するまでの時間が長くなり、放電と接触する機会が増加することで、高効率に処理を行うことができる。
実施の形態2.
図5は、実施の形態2に係る水処理装置の構成を示す断面図である。
本実施の形態2は、給水口22に処理槽1内のガスを吸引し被処理水20と混合してオゾン混合部2へと供給するエジェクター37を備える点で、実施の形態1と異なる。ガス送気部29の一端がエジェクター37に接続され、ガス送気部29にバルブ35を備える。一方、実施の形態1の散気部材19と送気ポンプ30を具備しない。ガス送気部29の配管44はエジェクター37のガス吸入部に接続されるが、ガス送気部29はオゾン混合部2を貫通する必要はなく、オゾン混合部2の周囲を迂回していてもよい。その他の構成は、先の実施の形態1と同様である。
実施の形態2における水処理装置の動作について図5を用いて説明する。
本実施の形態2における水処理装置は、水処理装置外部からオゾン混合部2へ被処理水20を給水する時に、エジェクター37によって処理槽1からガス送気口12およびガス送気部29を介してガスを吸引し、被処理水20とガスを混合しながらオゾン混合部2内へ供給する。すなわち、エジェクター37はガス供給装置と処理槽1からのガス送気手段に相当する。ガス流量はバルブ35によって調整する。さらに、オゾン混合部2に供給されたガスをオゾン混合部2の上部に滞留させた後、ガス返送口23に接続されたガス返送部31を介して返送ガス導入口10から処理槽1へと戻すことで処理槽1およびオゾン混合部2の間でガスを循環させる。
オゾン混合部2内でオゾンと被処理水20中の有機物反応させて分解する。被処理水20は、送水ポンプ28により吸引され、被処理水供給部26を介して処理槽1へと供給される。供給された被処理水15は実施の形態1と同様に処理槽1内で処理される。
本実施の形態2では、エジェクター37を動作させるための新たな動力を必要としない。また、処理槽1内のガスをエジェクター37により吸引するため、別途にガスを送気する動力を必要としない。したがって、動力コストが抑制される。
さらに、エジェクター37内で被処理水とガスが混合することから、オゾンの溶解効率が向上し、溶解したオゾンによる有機物の分解を促進させることが可能である。そのため、オゾン混合部2を小型化することができ、装置コストの低減が可能である。
以上のように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を奏する。
また、エジェクター37を用いるので、オゾンの被処理水への溶解効率が高まり、オゾンによる有機物の分解も促進される。そのため、オゾン混合部2の小型化が可能となる。さらに、エジェクター37を用いるので、処理槽1からガスを送気するポンプも不要となり、装置の小型化とともに動力抑制に寄与する。
上記図5の構成では、エジェクター37を給水口22に設けたが、オゾン混合部2内の被処理水20を循環させるバイパス給水口52を設け、バイパス給水口52にエジェクター37を設けてもよい。
図6は、実施の形態2に係る別の水処理装置の構成を示す断面図である。オゾン混合部2は、バイパス送水口53とバイパス給水口52との間にバイパス水循環部39を備える。バイパス水循環部39は、バイパス送水口53に接続された配管44とポンプ38とバルブ35を介して配管42に接続されエジェクター37を有し、オゾン混合部2内の被処理水20を循環させる。ポンプ38にはインバータが接続されている(図示せず)。バイパス水循環部39の吐出口であるバイパス給水口52は、給水口22より下方に設けられ、給水口22と同様にオゾン混合部2内の送水口25と対向する側壁に設けられる。ガス送気部29の配管44はエジェクター37のガス吸入部に接続されるが、ガス送気部29はオゾン混合部2を貫通する必要はなく、オゾン混合部2の周囲を迂回していてもよい。
その他の構成は図5と同様である。
本実施の形態2の図6に示された水処理装置の動作について説明する。
図6の水処理装置において、エジェクター37はオゾン供給装置とガス送気手段に相当する。ポンプ38により、オゾン混合部2内の被処理水を吸引し、バイパス水循環部39を通じてオゾン混合部2内を循環させることにより、エジェクター37で処理槽1内のガスを吸引し、ガスを被処理水と混合してオゾン混合部2へ供給する。ポンプ38を駆動するインバータ(図示せず)はポンプ38の流量制御器の役割を担い、バイパス水循環部39における被処理水20の循環流量を所定の値に制御する。また、ガス流量は被処理水の循環流量およびバルブ35によって所定の値に調整する。
オゾン混合部2に供給されたガスはオゾン混合部2の下部に設けられたバイパス給水口52から被処理水20と反応しながら、上方に向かい滞留する。ガス返送口23に接続されたガス返送部31を介して返送ガス導入口10から処理槽1へとガスを戻すことにより、処理槽1とオゾン混合部2との間でガスを循環させる。オゾン混合部2内でオゾンと被処理水20中の有機物反応させて分解する。被処理水20は、送水ポンプ28により吸引され、被処理水供給部26を介して処理槽1へと供給される。供給された被処理水15は実施の形態1と同様に処理槽1内で処理される。
図6の水処理装置の構成によれば、ガス循環流量をより広範に制御することが可能である。先に示した図5の水処理装置の構成では、給水口22から給水される被処理水の流量で最大の循環流量が制限されるが、本実施の形態では、ポンプ38で循環する水の流量を増加させることで、循環流量を任意の量まで増加することができる。さらに、オゾン混合部2内の被処理水20がバイパス水循環部39による水循環によって撹拌されるため、オゾンを被処理水に溶解させやすくなり、加えて被処理水20を繰り返しオゾンに反応させるように作用するので、一層有機物の分解効率を向上させることができるとともに装置の小型化に寄与する。
なお、図5および図6にも図2で示した水溜め部46を設けることができる。
実施の形態3.
上述の実施の形態1および2では、オゾンによる有機物の分解(第一段)、放電による有機物の分解(第二段)の二段階の有機物の分解を行うことで、オゾンの効率的活用と水処理効率の向上を行った。第二段目の放電による有機物の分解促進のためには、放電の安定化が重要となる。
一方、自然界の水にはマンガンおよび鉄等の金属イオンが含まれていることが多い。さらに、工場では材料および塗料等に金属が含まれることが多いことから、工場廃水には難分解性物質に加えて、高濃度にマンガンおよび鉄等の金属イオンが含まれる。
被処理水中に金属イオンが含まれる場合、放電で生成されたオゾンおよびラジカル類によって金属イオンが酸化され、不溶化して析出する。そのため、特許文献1および本開示で示される放電を用いた水処理装置では、特に放電を形成する電極に金属が析出して電界集中生じないように対処する必要があり、水処理効率の低下および電極の劣化を生じさせないことが求められている。
次に、被処理水に金属イオンが含有されている場合に、放電が不安定化する原理を説明する。
水に溶解している鉄イオン(Fe2+)およびマンガンイオン(Mn2+)は、オゾンおよびOHによって速やかに酸化される。例えば、オゾン(O)により下式(10)から(12)のような反応により、酸化され不溶化する。
2Fe2++O+HO→2Fe3++O+2OH (10)
Fe3++3HO→Fe(OH)↓+3H (11)
Mn2++O+HO→MnO↓+O+2H
(12)
金属イオンを含む被処理水が直接処理槽1に供給された場合、処理槽1内の放電により発生したオゾンおよびOHラジカルにより上式(10)から(12)のように酸化され、固体の金属酸化物または金属水酸化物となり不溶化する。接地電極5の上面で被処理水の水はねなどが生じると、不溶化した固体が高電圧電極4に付着する虞がある。あるいは、高電圧電極4に付着した被処理水中で上式(10)から(12)の反応が生じ、高電圧電極4に金属酸化物または金属水酸化物が析出する。高電圧電極4に金属酸化物または金属水酸化物のような固体が付着すると、高電圧電極4と接地電極5の間の空隙が局所的に狭くなる。これにより、固体が付着した箇所の電界強度が局所的に強くなり、スパーク放電が発生する。スパーク放電は一度発生すると持続的に発生するようになる。結果的に、放電が局在化し、スパークが発生した箇所以外では放電が発生しにくくなる。
水処理は実施の形態1中で示した式(5)および式(9)によって進行する。そのため、式(5)を効率的に生じさせるためには、放電6と被処理水15の接触面積を広くすることが重要である。また、式(9)を生じさせるには式(6)および式(7)によりオゾンと過酸化水素を被処理水に溶解させる必要がある。しかし、スパーク放電が生じると放電が局在化する。スパーク放電はガス温度が1000℃以上に上昇し、オゾンおよび過酸化水素を熱分解してしまう。さらに、スパーク放電は電極のスパッタリングまたは加熱を引き起こすため、高電圧電極4および接地電極5の劣化または破損を引き起こす可能性がある。そのため、スパーク放電の発生は水処理に好ましくない。
以上のように、被処理水に金属イオンが含有されていると、スパーク放電が発生し、水処理に作用する放電が不安定化してしまう。したがって、放電による水処理の前に、金属イオンを除去しておくことが望ましい。
図7は、実施の形態3に係る水処理装置の構成を示す断面図である。図7は、実施の形態1における図1の水処理装置の被処理水供給部26に固液分離装置に相当するろ過装置27を配設したものである。その他の構成は図1と同様である。
被処理水供給部26は、オゾン混合部2内の被処理水20を処理槽1へと供給するための流路であり、配管41にはろ過装置27の後段に被処理水を処理槽1に供給する送水ポンプ28が設けられている。
次に、本実施の形態3に係る水処理装置の動作について図7を用いて説明する。
図7において、給水口22から供給された被処理水20はオゾン混合部2で一端貯留される。オゾン混合部2内の被処理水20は、ガスの循環により散気部材19から吐出されたガスと接触した後、送水ポンプ28によって送水口25から吸引される。吸引された被処理水20は被処理水供給部26のろ過装置27によって固体21が除去され、給水口11から処理槽1内へ供給される。処理槽1に供給された被処理水15は、放電ユニット3の接地電極5上流部に供給され、接地電極5上で水膜を形成して流下する。
ここで高電圧パルス電源8を動作させることで、放電ユニット3の高電圧電極4と接地電極5の間の空間に放電6が形成される。被処理水15が放電空間を通過するときに放電6と接触させることで水処理を行う。本水処理装置で処理された処理水16は排水口14から排水される。
[金属イオンの除去]
次に本実施の形態3による金属イオンを除去した効率的な水処理方法について説明する。
オゾン混合部2に貯留した被処理水20に処理槽1からガスが供給される。ガスにはオゾンが含まれており、このオゾンが被処理水20に溶解する。被処理水20にオゾンが溶解しているため、式(10)から(12)の反応により、オゾン混合部2内で金属イオンがオゾンと反応して金属酸化物または金属水酸化物となり固体21として析出するため不溶化する。さらに、被処理水20を、被処理水供給部26を通して処理槽1に供給するため、被処理水供給部26に設けられたろ過装置27により、固体21と被処理水が分離される。したがって、処理槽1に供給される被処理水15は固体21を含まないため、処理槽1内の高電圧電極4に固体を付着させることがない。また、オゾン混合部2において金属イオンが除去されるため、処理槽1内で放電による金属酸化物または金属水酸化物の析出が抑制される。
以上により、スパーク放電が抑制され、安定して放電させることが可能になる。
本実施の形態3では、実施の形態1および2と同様に処理槽1内で放電6により発生するオゾンをオゾン混合部2内の被処理水20に供給する。本実施の形態では、別途にオゾン発生器を用いることなく、オゾン混合部2内では、有機物の分解とともに金属イオンを不溶化し、ろ過装置27により除去することができる。
以上のとおり、本実施の形態3によれば、簡易な装置構成でオゾンの活用率を向上させ、効率的に有機物を分解可能となり、実施の形態1と同様の効果を奏する。すなわち、オゾン混合部2において被処理水20をオゾンと接触させることにより、オゾンで処理可能な有機物も分解できる。オゾンで分解可能な有機物は処理槽1においてOHラジカルで処理するよりも、オゾン混合部2においてオゾンで分解したほうが高効率で処理できる。したがって、前段のオゾン混合部2においてそれらの物質を分解しておくことで、後段の処理槽1においてOHラジカルを難分解性物質と選択的に反応させることができ、全体としての水処理効率を向上させることができる。
さらに、被処理水20に含まれる金属イオンをオゾン混合部2及びろ過装置27によって除去し、処理槽1内での金属イオンの析出を抑制することができる。このため、スパーク放電を抑制でき、放電が安定化し効率的な水処理が達成できるとともに、電極の劣化または破損が抑制できる。
オゾン混合部2を前段、処理槽1を後段と容器も別体とすることで、処理槽1への金属イオンおよび金属イオンの析出物の供給を抑制でき、簡易な構成で水処理の効率が向上する。
なお、本実施の形態3におけるオゾン濃度の調整および酸素供給量の調整については実施の形態1で示した考え方に、金属イオンの除去にオゾンを利用する点を考慮して行えばよい。また、被処理水20の水質に基づいて調整するようにすればよい。例えば水処理に必要な酸素量は、被処理水に溶解する酸素量、有機物の分解に必要な酸素量および金属イオンの除去に必要な酸素量の合計となる。したがって、有機物および金属イオンの濃度が高い場合は必要な酸素量が増加するため、酸素供給流量を増加することが望ましい。
また、本実施の形態3においても、実施の形態1と同様にガス送気部29に設けられた送気ポンプ30とガス返送部31に設けられたバルブ34により、ガス送気部29およびガス返送部31を介して循環するガスの流量を調整できる。
水処理装置の運転動作中は循環ガス流量を酸素供給流量よりも多くなるように調整するのがよい。例えば、循環ガス流量を酸素供給流量の20倍以上かつ1000倍以下となるように調整する。循環ガス流量が酸素供給流量の20倍未満であると、オゾン混合部2における被処理水20へのオゾンの供給が不足し、金属イオンの不溶化および除去が不十分となる。循環ガス流量が多いほど、ガスを放電6に曝す機会が増加し、より効率的にオゾンを生成でき、有機物の分解および金属イオンの除去を効率的に行える。一方、循環ガス流量が酸素供給流量の1000倍を超えると、送気ポンプ30による消費電力が増加し、ポンプからの発熱が増加する。これにより、循環するガスの温度が上昇するとオゾンの分解が増加するため、反応が阻害され、処理効率が低下する。
循環ガス流量を被処理水の組成によって調整することが好適である。例えば、被処理水20中の金属イオン濃度が高い場合には循環流量を多くすることで、被処理水に供給するオゾンを増加し、高速に金属イオンを除去できる。
また、実施の形態1と同様、オゾン混合部2内の被処理水20の溶存オゾン濃度を測定し、濃度が低くなった場合に循環ガス流量を増加させて、オゾン供給量を増加させるように制御することもできる。このような動作によって、オゾンの供給量を適切に制御することが可能になる。
処理槽1内およびオゾン混合部2内の内圧は、水処理装置での給排水が容易となるように、大気圧もしくはその近傍とすることが望ましい。
オゾン混合部2内の圧力は、ガス返送部31に設けられたバルブ34により、制御することが可能である。例えば、バルブ34によりガス返送部31を流れるガス流量を絞ることによってオゾン混合部2内をより高圧としてもよい。一般に気相のガス圧力が高まるほどオゾンの水への溶解効率が高まる。そのため、オゾン混合部2内でオゾンを効率的に被処理水に溶解させ、有機物の分解のみならず金属イオンを効率的に除去できる。この場合、処理槽1内の内圧が陰圧となるため、処理槽1の下部に処理水16の水溜め部を設け、処理水16の水面を排水口14よりも高くすることが好ましい。図8に、処理槽1の下部に処理水16の水溜め部46設けた水処理装置の図を示す。これにより処理槽1内への空気の混入を防ぐことができる。
本実施の形態3では、オゾン混合部2から処理槽1への被処理水の供給は、被処理水供給部26のみを介して行う。すなわち、処理槽1へと供給される被処理水は被処理水供給部26のろ過装置27を通過することになる。そのため、固体21の除去工程を経た被処理水のみ処理槽1に供給することができる。また、ろ過装置27への通水と処理槽1への供給を一台のポンプで行うことができ、ポンプ台数を削減し、動力コストを抑制することができる。
また、被処理水供給部26は、被処理水で充填される。これにより送水ポンプ28へのガスの混入を防ぐことができる。同配管内にガスが入らないことから、ろ過装置27が直接高濃度の気相オゾンに曝されることがない。そのため、オゾンによるろ過装置27の劣化を最小限に抑制することが可能である。さらに、送水ポンプ28をろ過装置27の後段に設けるため、送水ポンプ28には固体が除去された被処理水を供給できる。これにより、送水ポンプ28へ固体の混入を抑制でき、ポンプのメンテナンス回数を減らすことが可能となる。
また、オゾン混合部2内での被処理水20へのガスの供給により、被処理水20に溶存する窒素を、供給されたガス中の酸素により気相に追い出し、排気口13もしくは排気口24から水処理装置外に排出できる。オゾン混合部2内の金属イオンの除去および処理槽1内での水処理では、被処理水中の溶存窒素は酸化され硝酸を生成し、被処理水のpHを低下させる。本実施の形態で示した水処理技術においては、中性域でもっとも反応効率がよくなることが知られている。そのため、本実施の形態の水処理装置の運転動作に伴い、溶存窒素を除去することで、pHの低下を抑制すること可能となり、高効率な処理を行うことが可能となる。
放電ユニット3の個数および高電圧電極4と接地電極5との距離、水処理装置を構成する部材等については、実施の形態1と同様に変更可能である。
実施の形態4.
図9は、実施の形態4に係る水処理装置の構成を示す断面図である。
本実施の形態4は、給水口22に処理槽1内のガスを吸引し被処理水20と混合してオゾン混合部2へと供給するエジェクター37を備える点で実施の形態3と異なる。ガス送気部29の一端がエジェクター37に接続され、ガス送気部29にバルブ35を備え、オゾン混合部2に固体沈殿部36を備える。一方、実施の形態3の散気部材19と送気ポンプ30とろ過装置27を具備しない。ガス送気部29の配管44はエジェクター37のガス吸入部に接続されるが、ガス送気部29はオゾン混合部2を貫通する必要はなく、オゾン混合部2の周囲を迂回していてもよい。その他の構成は、先の実施の形態1および3と同様である。
また、図9は実施の形態2の図5においてオゾン混合部2に固体沈殿部36を備えたものに相当する。
本実施の形態4に係る水処理装置の動作について図9を用いて説明する。
図9において、水処理装置外部からオゾン混合部2へ被処理水20を給水する時に、エジェクター37によって処理槽1からガス送気口12およびガス送気部29を介してガスを吸引し、被処理水20とガスを混合しながらオゾン混合部2内へ供給する。すなわち、エジェクター37はガス供給装置と処理槽1からのガス送気手段に相当する。ガス流量はバルブ35によって調整する。さらに、オゾン混合部2に供給されたガスをオゾン混合部2の上部に滞留させた後、ガス返送口23接続されたガス返送部31を介して返送ガス導入口10から処理槽1へと戻すことで処理槽1およびオゾン混合部2の間でガスを循環させる。
オゾン混合部2内でオゾンと金属イオンを反応させて析出した金属酸化物または金属水酸化物の固体21は、固体沈殿部36において沈殿させる。すなわち固体沈殿部36は固液分離装置に相当する。固体沈殿部36で固体と分離した被処理水20を、送水ポンプ28により吸引し、被処理水供給部26を介して処理槽1へと供給し、実施の形態3と同様に処理槽1内で処理する。
本実施の形態4では、エジェクター37を動作させるための新たな動力を必要としない。また、処理槽1内のガスをエジェクター37により吸引するため、別途にガスを送気する動力を必要としない。したがって、動力コストが抑制される。
さらに、エジェクター37内で被処理水とガスが混合することから、オゾンの溶解効率が向上し、有機物の分解のみならず溶解したオゾンによる金属イオンの不溶化を促進させることが可能である。そのため、オゾン混合部2を小型化することができ、装置コストの低減が可能である。
本実施の形態4では、固体沈殿部36は、処理槽1内で給水口22と対向する位置に仕切り板51を設けて、給水口22から供給される被処理水20の流れが遮られて構成されている。これにより、固体沈殿部36内は給水および気泡の上昇に伴ってオゾン混合部2内で発生する被処理水20の流れが遮られ、被処理水20の流速が遅い状態になるため、オゾン混合部2内で不溶化した固体21を固体沈殿部36の下部に沈殿させることが可能となる。実施の形態3のろ過装置27を用いず、固液分離装置として固体沈殿部36を設けたので、被処理水供給部26の圧力損失を抑えることができ、送水ポンプ28の動力抑制が可能である。被処理水中の金属イオンの濃度が高く、固体の粒径が大きくなる場合により好適である。
本実施の形態4によれば、固体沈殿部36ではオゾン混合部2内において被処理水の流れを遮り、流速を遅くすることで固体21を沈殿する。そのため、固体沈殿部36の構造は仕切り板51で区切られた空間に限定されない。さらに、固体沈殿部36はオゾン混合部2の底部に備えられているが、処理槽1に供給する被処理水から固体21を沈殿させ除去するものであるならば、その位置は制限しない。たとえば、固体沈殿部36を被処理水供給部26内の配管41において送水ポンプ28よりオゾン混合部2に窪み部を備えるようにしてもよい。
以上のように、実施の形態4によれば、実施の形態3と同様の効果を奏する。すなわち、簡易な装置構成でオゾンの活用率を向上させ、効率的に有機物を分解するとともに金属イオンの除去も可能となり、効率的な水処理装置を提供可能となる。
また、エジェクター37を用いるので、オゾンの被処理水への溶解効率が高まり、オゾンによる金属イオンの不溶化も促進される。そのため、オゾン混合部2の小型化が可能となる。さらに、エジェクター37を用いるので、処理槽1からガスを送気するポンプも不要となり、装置の小型化とともに動力抑制に寄与する。
さらに、金属イオンが析出した金属酸化物または金属水酸化物である固体を分離するために、配管中にろ過装置を用いることなく、沈殿させるようにしたので、圧力損失が低減し、被処理水20を処理槽1へ送る送水ポンプの負荷が低減し動力抑制に寄与する。
なお、上記図9の構成では、ろ過装置を用いない例を示したが、固液分離装置として固体沈殿部36と実施の形態3で示した被処理水供給部26内に設置されたろ過装置27を併用してもよい。
図10に、実施の形態4に係る別の水処理装置の断面図を示す。図10においては、固体沈殿部36とろ過装置27を併用した例である。オゾン混合部2中の固体の大部分を固体沈殿部36で分離するが、被処理水20の流れで被処理水供給部26運搬される一部の固体をろ過装置27で分離するようにすれば水処理装置の効率は向上する。この場合、ろ過装置27で捕集される固体の量が実施の形態3の水処理装置よりも減少するので、ろ過装置27のメンテナンスの回数を削減できる。あるいは実施の形態3の水処理装置のろ過装置27よりも圧損の低い小型のものを使用することができる。
なお、仕切り板51を配置すると、被処理水供給部26へ流れる処理水の流速を減少させることができ、ろ過装置27および送水ポンプ28への気泡の巻き込みも抑制できる。
実施の形態5.
図11は、実施の形態5に係る水処理装置の構成を示す断面図である。
本実施の形態5は、エジェクター37が給水口22に設けられず、バイパス給水口52に設けられている点で実施の形態4と異なる。オゾン混合部2は、バイパス送水口53とバイパス給水口52との間にバイパス水循環部39を備える。バイパス水循環部39は、バイパス送水口53に接続された配管44とポンプ38とバルブ35を介して配管42に接続されエジェクター37を有し、オゾン混合部2内の被処理水20を循環させる。ポンプ38にはインバータが接続されている(図示せず)。バイパス水循環部39の吐出口であるバイパス給水口52は、給水口22より下方に設けられ、給水口22と同様にオゾン混合部2内の送水口25と対向する側壁に設けられる。ガス送気部29の配管44はエジェクター37のガス吸入部に接続されるが、ガス送気部29はオゾン混合部2を貫通する必要はなく、オゾン混合部2の周囲を迂回していてもよい。また、実施の形態3同様に被処理水供給部26内にろ過装置27が備えられている。バイパス送水口53は、バイパス給水口52より下方、例えば図11に示すように固体沈殿部36以外の底部に設けられる。
その他の構成は実施の形態3および4と同様である。
また、図11は実施の形態2の図6においてオゾン混合部2に固体沈殿部36を備えかつ被処理水供給部26内にろ過装置27備えたものに相当する。
本実施の形態5における水処理装置の動作について図11を用いて説明する。
図11において、エジェクター37はオゾン供給装置とガス送気手段に相当する。ポンプ38により、オゾン混合部2内の被処理水を吸引し、バイパス水循環部39を通じてオゾン混合部2内を循環させることにより、エジェクター37で処理槽1内のガスを吸引し、ガスを被処理水と混合してオゾン混合部2へ供給する。ポンプ38を駆動するインバータ(図示せず)はポンプ38の流量制御器の役割を担い、バイパス水循環部39における被処理水20の循環流量を所定の値に制御する。また、ガス流量は被処理水の循環流量およびバルブ35によって所定の値に調整する。
オゾン混合部2に供給されたガスはオゾン混合部2の下部に設けられたバイパス給水口52から被処理水20と反応しながら、上方に向かい滞留する。ガス返送口23に接続されたガス返送部31を介して返送ガス導入口10から処理槽1へとガスを戻すことにより、処理槽1およびオゾン混合部2の間でガスを循環させる。オゾン混合部2内でオゾンとの反応により有機物が分解するとともに、オゾンとの反応により金属イオンが不溶化して固体21として析出し、固体沈殿部36に沈殿する。さらに、固体沈殿部36で固体と分離した被処理水20を送水ポンプ28により吸引し、被処理水供給部26内のろ過装置27により残留する固体と分離する。すなわち固体沈殿部36とろ過装置27の双方が固液分離装置に相当する。その後に被処理水15を処理槽1へと供給し、実施の形態3と同様に処理槽1内で処理される。
本実施の形態5によれば、ガス循環流量をより広範に制御することが可能である。先の実施の形態4では、給水口22から給水される被処理水の流量で最大の循環流量が制限されるが、本実施の形態では、ポンプ38で循環する水の流量を増加させることで、循環流量を任意の量まで増加することができる。さらに、オゾン混合部2内の被処理水20がバイパス水循環部39による水循環によって撹拌されるため、オゾンを被処理水に溶解させやすくなり、有機物の分解のみならず効率的に金属イオンの除去を行うことができ、オゾン混合部2を小型化することができる。
また、固液分離装置として固体沈殿部36とろ過装置27の双方を備えることで、固体沈殿部36で粒径の大きな固体を分離し、ろ過装置27で粒径の小さな固体を分離することができる。これにより、固体沈殿部36のみでは分離しきれない可能性があった固体を分離できるとともに、ろ過装置27のみの構成よりもろ過装置27にかかる負荷を低減し、ろ過装置27のメンテナンス回数を減らすことが可能である。
以上のように、実施の形態5によれば、実施の形態3および実施の形態4と同様の効果を奏する。すなわち、簡易な装置構成でオゾンの活用率を向上させ、効率的に有機物を分解するとともに金属イオンの除去も可能となり、効率的な水処理装置を提供可能となる。
また、オゾン混合部2内の被処理水20をバイパス水循環部39で循環させるので、オゾン混合部2内の被処理水20を撹拌し、被処理水20を繰り返しオゾンに反応させるように作用し、有機物の分解促進および金属イオンの除去効率を向上させることができるとともに装置の小型化が可能となる。
実施の形態6.
図12は、実施の形態6に係る水処理装置の構成を示す断面図である。
本実施の形態6の水処理装置は、前述の実施の形態3の水処理装置の処理槽1の構成と、被処理水供給部26のオゾン混合部2および処理槽1との接続位置が異なる。処理槽1は被処理水15を貯留し、被処理水15の水面近くの水面下に配置された複数の開口を有する平板状の接地電極5aと複数(図中では4個)のワイヤ状の高電圧電極4とを有する放電ユニット3aを備えている。ワイヤ状の高電圧電極4は被処理水15の水面の上方に水面と平行になるように等間隔に配置される。接地電極5aは処理槽1の筐体と電気的に接続され接地電位となっている。給水口11aは処理槽1の底部に設けられ、送水口25aはオゾン混合部2の底部に備えられ、被処理水供給部26は給水口11aと送水口25aを接続するように水処理装置下部に備えられる。なお、給水口11aは処理槽1の下方であれば底部でなくてもよく、送水口25aはオゾン混合部2の下方であれば底部でなくてもよい。
また、処理槽1のガス送気口12aは、処理槽1の上方、被処理水15の水面より上方に設けられる。その他の構成は実施の形態3と同様である。
図12は実施の形態1の図3において被処理水供給部26内にろ過装置27備えたものに相当する。
本実施の形態6における水処理装置の動作について図12を用いて説明する。
図12の水処理装置では、オゾン混合部2から処理槽1内に被処理水15を一定量になるまで供給する。一定量とは、平板状の接地電極5aが水面下近くの水面下に浸り、ワイヤ状の高電圧電極4が水面に接しない水面の高さに至る水量である。被処理水15が一定量になると被処理水15の処理槽1への供給を停止する。被処理水15の処理槽1への供給が停止している間は、排水口14からの排水も停止する。ここで高電圧パルス電源8を動作することで、放電ユニット3aの高電圧電極4と被処理水15の水面間の空間にストリーマ放電6を形成する。放電6が直接被処理水15と接触することで水処理が行われる。水処理を行う間、処理槽1内にはオゾンが発生する。
一定時間後に、処理槽1内の被処理水15に含まれる有機物が分解されると、被処理水15は処理済の処理水16となる。排水口14から、処理槽1内に貯留されていた処理水16はすべて排水される。処理水が排水された後、オゾン混合部2から被処理水供給部26を介して被処理水15が処理槽1へ供給される。
また、オゾン混合部2内部には被処理水20が貯留される。ここで、実施の形態3と同様に処理槽1内のガスを、ガス送気部29を介してオゾン混合部2へ供給し、オゾン混合部2内のガスを、ガス返送部31を介して返送することで、循環させる。これにより、実施の形態3と同様の原理で、オゾン混合部2内の被処理水20に含まれる有機物を分解するとともに金属イオンとオゾンを反応により不溶化させ、固体21析出させる。処理槽1からオゾン混合部2へのガスの送気は処理槽1で水処理を行う期間によらず行ってもよい。オゾン混合部2の被処理水20は、被処理水供給部26内のろ過装置27により固体21が除去され、金属イオンの除去された被処理水15として処理槽1へと供給される。
以上のように、実施の形態6によれば、実施の形態3と同様の効果を奏する。すなわち、簡易な装置構成でオゾンの活用率を向上させ、効率的に有機物を分解するとともに金属イオンの除去も可能となり、効率的な水処理装置を提供可能となる。
本実施の形態6において、放電ユニット3aの構成は、実施の形態1の図3と同様であり、高電圧電極4、接地電極5aおよび被処理水15の位置関係、高電圧電極4および接地電極5aの形状等も実施の形態1と同様に変更することができる。
本実施の形態6において、被処理水は処理槽1内に一定量が供給されていればよい。一度処理層へ供給された被処理水15は水処理が終了するまで、処理槽1内から排水しない。
また、実施の形態3では被処理水中の難分解性物質の含有量が多い場合、放電ユニットの数の増加、投入電力の増加等の処理条件で調整したが、本実施の形態6では処理時間の調整をすればよく、放電ユニットの数は必要最低限でよく、装置コストの抑制に寄与する。
実施の形態7.
図13は、実施の形態7に係る水処理装置の構成を示す断面図である。
本実施の形態7の水処理装置は、実施の形態3の水処理装置の構成と、処理槽1内の放電ユニット3の構成が異なる。処理槽1の内部には、円筒状の接地電極5bがその中心軸が鉛直となるように設けられる。接地電極5bは金属部材により処理槽1の筐体側面に固定される。これにより、接地電極5bと筐体は電気的にも接続され、接地電位となる。接地電極5bの内部には、接地電極5bの中心軸に沿って複数のワイヤ状の高電圧電極4bが配置される。すなわち、高電圧電極4bと接地電極5bの内面との間には均一な距離を保った空隙を有する。高電圧電極4bは配線により電流導入端子7を介して処理槽1外部の高電圧パルス電源8に接続される。電流導入端子7により、高電圧電極4と処理槽1の筐体は電気的に絶縁されている。また、給水口11は被処理水15を水滴化して散布するためのノズル40を備える。その他の構成は実施の形態3と同様である。
図13は実施の形態1の図4Aにおいて被処理水供給部26内にろ過装置27備えたものに相当し、図4Bに示したように高電圧電極4bは複数のワイヤを有し放電を安定化している。
本実施の形態7における水処理装置の動作について図13を用いて説明する。
図13において、被処理水供給部26を通じて処理槽1へと供給された被処理水15は、給水口11に設けられたノズル40によって水滴化され散布される。水滴化した被処理水15は鉛直に落下し、高電圧電極4bと接地電極5b間との空隙を通過する。また一部の被処理水は接地電極5bの内面に衝突し、水膜を形成して流下する。ここで高電圧パルス電源8を動作させると、高電圧電極4bから接地電極5bの内面に向かって均一なストリーマ放電6が形成され、被処理水15の水滴および接地電極5bの内面を流下する被処理水15にそれぞれ放電6と接触させることで、水処理を行う。この放電6によりオゾンが発生するため、処理槽1内のガスを、ガス送気部29を通じてオゾン混合部2へ供給し、オゾン混合部2内のガスを、ガス返送部31を通じて処理槽1へ戻して、ガスを循環させる。このガスの循環によりオゾン混合部2にオゾンが供給され、実施の形態3と同様にオゾン混合部2内で有機物を分解するとともに金属イオンを不溶化させ、ろ過装置27で不溶化した固体21を除去することが可能である。
本実施の形態7によれば、実施の形態3と同様の効果を奏する。すなわち、簡易な装置構成でオゾンの活用率を向上させ、効率的に有機物を分解するとともに金属イオンの除去も可能となり、効率的な水処理装置を提供可能となる。
また、実施の形態1の図4Aの説明でも述べたが、被処理水を水滴化することによって、被処理水と放電の接触面積を増加させることができる。これにより、被処理水に供給される活性種の量が増加するため、高速かつ効率的に水処理を行うことが可能である。
オゾン混合部2において被処理水20にガスを供給して有機物を分解するとともに金属イオンを不溶化し、その後にろ過装置27により除去することで、実施の形態3と同様に、処理槽1内における金属酸化物または金属水酸化物の析出を抑制し放電を安定化することができる。また、ろ過装置27により処理槽1に供給する被処理水から固体21を除去するため、ノズル40での詰まりが生じにくい。
本実施の形態7において、放電ユニット3bの構成は、実施の形態1の図4A、図4Bと同様であり、高電圧電極4bおよび接地電極5bの形状、両者の位置関係、放電ユニットの個数等も実施の形態1と同様に変更することができる。
また、本実施の形態7において、ノズル40の構成も、実施の形態1の図4Aと同様であり、被処理水15の散布方向についても同様に変更することができる。
実施の形態1から7において、放電ユニットはいずれも1つの接地電極に対し4本のワイヤからなる高電圧電極を対向するように配置した例を示したが、4本に限るものではない。放電の安定性およびパルス電源の容量等を考慮し、加減することができる。
本開示は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1:処理槽、 2:オゾン混合部、 3、3a、3b:放電ユニット、 4、4b:高電圧電極、 5、5a、5b:接地電極、 6:放電、 7:電流導入端子、 8:高電圧パルス電源、 9:ガス供給口、 10:返送ガス導入口、 11、11a:給水口、 12、12a:ガス送気口、 13:排気口、 14:排水口、 15:被処理水(処理槽内)、 16:処理水、 17:酸素ガス源、 18:マスフローコントローラー、 19:散気部材、 20:被処理水(オゾン混合部内)、 21:固体、 22:給水口、 23:ガス返送口、 24:排気口、 25、25a:送水口、 26:被処理水供給部、 27:ろ過装置、 28:送水ポンプ、 29:ガス送気部、 30:送気ポンプ、 31:ガス返送部、 32、33、34、35:バルブ、 36:固体沈殿部、 37:エジェクター、 38:水循環ポンプ、 39:バイパス水循環部、 40:ノズル、 41、42、43、44:配管、 45:ガス導入口、 46:水溜め部、 51:仕切り板、 52:バイパス給水口、 53:バイパス送水口。

Claims (11)

  1. 被処理水にオゾンを含んだガスが供給される密閉容器であるオゾン混合部と、
    接地電極と前記接地電極に対向する高電圧電極とを有する放電ユニットを備え、前記放電ユニットで放電を形成し、前記放電でオゾンを生成するとともに、前記放電に前記被処理水を接触させる前記オゾン混合部とは別体の密閉容器である処理槽と、
    前記オゾン混合部と前記処理槽を連通し、前記処理槽内のオゾンを含んだガスを前記オゾン混合部内の前記被処理水に供給するガス送気部と、
    前記オゾン混合部と前記処理槽を連通し、前記オゾン混合部から前記処理槽に前記被処理水を供給する被処理水供給部と、
    前記オゾン混合部と前記処理槽を連通し、前記オゾン混合部内のガスを前記処理槽へ送気するガス返送部と、
    を備えた水処理装置。
  2. 前記ガス返送部は、前記オゾン混合部から前記処理槽へ送気するガスの流量を制御する流量制御器を備えた請求項1に記載の水処理装置。
  3. 前記ガス送気部は、前記処理槽から前記オゾン混合部へ送気するガスの流量を制御する流量制御器を備えた請求項1または2に記載の水処理装置。
  4. 前記処理槽は酸素ガスが供給されるガス供給口を備え、前記ガス返送部及び前記ガス送気部がそれぞれ備えた前記流量制御器により前記オゾン混合部と前記処理槽とを循環する循環ガス流量を前記供給される酸素供給流量より多くなるように調整する請求項3に記載の水処理装置。
  5. 前記オゾン混合部でオゾンが供給されて前記被処理水中に析出した固体を分離する固液分離部を備え、前記被処理水供給部は前記処理槽に固体の分離された前記被処理水を供給する請求項1からのいずれか一項に記載の水処理装置。
  6. 前記固液分離部は前記被処理水供給部に設けられた請求項に記載の水処理装置。
  7. 前記固液分離部は前記オゾン混合部に設けられた請求項またはに記載の水処理装置。
  8. 前記オゾン混合部は、前記オゾン混合部の内部のガスを前記オゾン混合部の外部に排出する排気口を備えた請求項1からのいずれか一項に記載の水処理装置。
  9. 前記放電ユニットは、1つの前記接地電極に対向するように複数の前記高電圧電極が配置された請求項1からのいずれか一項に記載の水処理装置。
  10. 第一の密閉容器内において貯留された被処理水にオゾンを含むガスを供給する第一の水処理工程と、
    第二の密閉容器内において前記第一の水処理工程後の被処理水と前記第一の水処理工程後のガスと供給された酸素とを放電に接触させる第二の水処理工程と、
    前記第二の密閉容器で前記放電により発生したオゾンを含むガスを前記第一の密閉容器に送気し、前記第一および第二の密閉容器を循環する循環ガス流量を調整する工程とを含み、
    前記第二の水処理工程の前記放電で発生する前記オゾンを第一の水処理工程に用いる水処理方法。
  11. 前記第一の水処理工程において、前記被処理水中の金属イオンから析出された固体を前記被処理水から分離後、第二の水処理工程を行う請求項10に記載の水処理方法。
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