JP6529705B1 - 水処理システム及び水処理方法 - Google Patents

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Abstract

被処理水のpHに基づき被処理水のpHを逐次調整することで、被処理水中の有機化合物を効率的に処理可能な水処理システムを得る。処理水3を貯留する処理槽4内に設けられ、放電35を形成する放電装置30と、処理槽4内に設けられ、放電35が形成される空間である放電空間内にアルカリ性廃水である被処理水1を供給する散水部11と、放電空間を通過した被処理水1である処理水3のpHを計測するpH計27と、処理槽4内に酸素及び窒素を供給する気体供給ユニット20と、pHに基づき気体供給ユニット20を制御して、処理槽4内に供給される窒素量を調整する制御装置12と、を備える。

Description

本発明は、放電で生じたオゾンおよびラジカル等の酸化性粒子を用いて被処理水を処理する水処理システム及び水処理方法に関する。
従来は、上下水の処理において、オゾンまたは塩素が広く用いられている。しかし、工業廃水等には、オゾンまたは塩素では分解できない難分解性物質が含まれることがあり問題となっている。この問題に対して、オゾンまたは塩素よりも活性の高いヒドロキシルラジカル(以下、OHラジカルと記す)を放電により発生させ、工業廃水等の被処理水に作用させることで、被処理水に含まれる難分解性物質を除去する方法が提案されている。
特許文献1に記載のアルキルスルホキシド含有廃液の処理方法では、被処理水を窒素と酸素を含む気体成分下、高圧放電空間中に通過させた後、生物処理を行う技術が開示されている。特許文献1に記載のアルキルスルホキシド含有廃液の処理方法では、気体供給手段により処理槽内に供給する窒素と酸素を調整し、高圧放電空間中を通過した後の被処理水である処理水のpHを4程度の酸性状態に調整することで、処理水の生物処理を効率的に行っている。
特開2012−35199
特許文献1に記載のアルキルスルホキシド含有廃液の処理方法では、予め決められた気体成分比で窒素と酸素の供給を行うため、処理水のpHに基づき処理水のpHを逐次調整することはできない。また、特許文献1に記載のアルキルスルホキシド含有廃液の処理方法は、アルキルスルホキシドを含む廃液に対してのみ適用可能であり、アルカリ性廃水に対しては効率的な処理を実行することができない。
本発明は、処理水のpHに基づき処理水のpHを逐次調整することで、アルカリ性の被処理水中の有機化合物を効率的に処理可能な水処理システム及び水処理方法を得ることを目的とする。
本発明に係る水処理システムは、処理水を貯留する処理槽内に設けられ、放電を形成する放電装置と、処理槽内に設けられ、放電が形成される空間である放電空間内にアルカリ性廃水である被処理水を供給する散水部と、放電空間を通過した被処理水である処理水のpHを計測するpH計と、処理槽内に酸素及び窒素を供給する気体供給ユニットと、pHが設定値よりも高い場合に、気体供給ユニットを制御して、処理槽内に供給される窒素量を増加させ、pHが設定値よりも低い場合に、気体供給ユニットを制御して、処理槽内に供給される窒素量を減少させる制御装置と、を備える。
本発明に係る水処理システムは、処理槽の上流から供給されるアルカリ性廃水である被処理水を処理水として貯留する処理槽内に設けられ、放電を形成する放電装置と、処理槽内に設けられ、放電が形成される空間である放電空間内に処理水を供給する散水部と、放電空間を通過した被処理水である処理水のpHを計測するpH計と、処理槽内に酸素及び窒素を供給する気体供給ユニットと、pHが設定値よりも高い場合に、気体供給ユニットを制御して、処理槽内に供給される窒素量を増加させ、pHが設定値よりも低い場合に、気体供給ユニットを制御して、処理槽内に供給される窒素量を減少させる制御装置と、を備える。
本発明に係る水処理システムは、処理水を貯留する処理槽内に設けられ、放電を形成する放電装置と、処理槽内に設けられ、放電が形成される空間である放電空間内にアルカリ性廃水である被処理水を供給する散水部と、放電空間を通過した被処理水である処理水のpHを計測するpH計と、被処理水を貯留する貯留槽と、処理槽内に酸素を供給する酸素供給部と、酸素供給部が供給する酸素の一部を用いて貯留槽に貯留された被処理水を曝気する曝気装置と、を有する気体供給ユニットと、pHが設定値以下の場合に、気体供給ユニットを制御して、貯留槽に供給される酸素量を増加させ、前記pHが前記設定値を超える場合に、前記気体供給ユニットを制御して、前記処理槽内に供給される前記酸素量を減少させる制御装置と、を備える。
本発明に係る水処理方法は処理水を貯留する処理槽内に酸素及び窒素を供給する気体供給ユニットが、処理槽内へ酸素を供給するステップと、放電装置が、放電を形成するステップと、散水部が、アルカリ性廃水である被処理水を放電が形成される空間である放電空間内に供給するステップと、pH計が、電空間を通過した被処理水である処理水のpHを計測するステップと、制御装置が、pHが設定値よりも高い場合に、気体供給ユニットを制御し処理槽内に窒素を増加させ、pHが設定値よりも低い場合に、気体供給ユニットを制御して、処理槽内に供給する窒素量を減少させるステップと、を備える。
本発明に係る水処理システムは、処理水のpHに基づき処理水のpHを逐次調整できるため、アルカリ性の被処理水中の有機化合物を効率的に分解できる。
本発明に係る水処理方法は、処理水のpHに基づき処理水のpHを逐次調整できるため、アルカリ性の被処理水中の有機化合物を効率的に分解できる。
実施の形態1に係る水処理システムの全体構成を示す概略図である。 実施の形態1に係る水処理システムの制御装置の構成を例示した図である。 実施の形態1に係る水処理システムの処理水のpHと、処理槽内に供給される窒素量との関係を例示した図である。 実施の形態1に係る水処理システムの制御フロー図である。 実施の形態2に係る水処理システムの全体構成を示す概略図である。 実施の形態3に係る水処理システムの全体構成を示す概略図である。 実施の形態3に係る水処理システムの処理水のpHと、処理槽内に供給される窒素量との関係を例示した図である。 実施の形態4に係る水処理システムの全体構成を示す概略図である。 実施の形態4に係る水処理システムの処理水のpHと、処理水の炭酸イオン濃度と、処理槽内に供給される窒素量との関係を例示した図である。 実施の形態5に係る水処理システムの全体構成を示す概略図である。 実施の形態6に係る水処理システムの全体構成を示す概略図である。 実施の形態7に係る水処理システムの全体構成を示す概略図である。 実施の形態8に係る水処理システムの全体構成を示す概略図である。
以下、添付図面を参照して、本願が開示する水処理システム及び水処理方法に係る実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は一例であり、これらの実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る水処理システム100の構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る水処理システム100の概略図である。図1に示すように水処理システム100は、有機化合物を含むアルカリ性廃水(以下、被処理水1と称す)を貯留する貯留槽2と、貯留槽2から送られた被処理水1の有機化合物の分解処理を行い、処理水3を貯留する処理槽4と、処理槽4を通過した処理水3である処理後水5を貯留する処理水槽6と、を有する。また、水処理システム100は、処理槽4内に酸素及び窒素を供給する気体供給ユニット20を有する。また、処理槽4内の上部には、放電装置30が設置される。また、水処理システム100は、貯留槽2に貯留された被処理水1を処理槽4へと送る手段として、給水ポンプ7及び給水配管8を有する。また、水処理システム100は、処理槽4内の処理水3を処理水槽6へと排出する手段として、排水ポンプ9及び排水配管10を有する。また、水処理システム100は、気体供給ユニット20を制御して処理槽4内に供給される窒素量を調整する制御装置12を有する。
以下、処理槽4の上流とは処理槽4へと被処理水1が供給される側、つまり、貯留槽2側を指し、処理槽4の下流とは処理槽4から処理水3が排出される側、つまり、処理水槽6側を指す。
被処理水1は、アルカリ性廃水であり、例えば、生活廃水、工場廃水、事業場廃水及び雨水の混合廃水、事業場廃水等の汚水、側溝等から雨水管を通じて集水される雨水、生活廃水又は工場廃水等である。
なお、アルカリ性廃水とは、被処理水1のpHが7より高い廃水又は処理中の分解生成物によって処理水3のpHが7より高い状態となる廃水を意味する。アルカリ性廃水は、例えば、シアン化合物、アミン化合物又はアミド化合物等を含む廃水である。
貯留槽2に貯留された被処理水1は、給水ポンプ7の稼働によって、給水配管8を介して処理槽4へと送られる。給水配管8の一端は貯留槽2の底部近傍に接続され、給水配管8の他端は処理槽4の内部の上方に配置された散水部11に接続される。散水部11は、筒状配管の側面に複数の細孔が形成され、放電装置30によって放電35が形成される空間である放電空間内へ被処理水1を供給する。なお、散水部11による放電空間への被処理水1の供給方法としては、被処理水1を効率よく放電35へと触れさせるために、放電空間内へ被処理水1を散布することが好ましい。
放電空間内へと被処理水1を供給する構成は、散水部11に限定されるものではなく、放電空間内へと被処理水1を供給する構成として、例えば、スプレーノズル又はシャワープレートを用いることができる。また、散水部11は、筒状である必要はない。また、散水部11は必ずしも放電装置30の上方にある必要はなく、放電装置30の下方又は放電装置30の側方から放電装置30の放電空間内に向けて被処理水1を供給するようにしてもよい。
散水部11から供給された被処理水1は、放電空間内を通過して、処理水3として処理槽4の底部に貯留される。処理槽4の底部に貯留された処理水3は、排水ポンプ9の稼働によって、排水配管10を介して処理水槽6へと送られる。排水配管10の一端は処理槽4の底部近傍に接続され、排水配管10の他端は処理水槽6の底部近傍に接続される。
処理槽4の下流には、硝酸除去剤を用いて処理水3に溶解した硝酸を除去する硝酸除去部13が設置される。具体的には、処理槽4の下流に設置された排水配管10に、硝酸除去部13が設置される。水処理システム100は、硝酸除去部13によって処理水3に溶解した硝酸が除去された処理後水5を処理水槽6に貯留することができる。なお、硝酸除去部13は必須ではなく、処理対象とする被処理水1の素性又は処理後水5の排出基準に応じて要否を判断することができる。
被処理水1は、給水ポンプ7の稼働によって所定の流量で処理槽4へと供給される。処理槽4の底部に貯留された処理水3は、排水ポンプ9の稼働によって所定の流量で処理後水5として処理水槽6へと排出される。
なお、給水ポンプ7の稼働及び排水ポンプ9の稼働は、制御装置12によって制御される。また、制御装置12は、被処理水1が処理槽4に送られて処理後水5として処理水槽6へと排出されるまでの処理槽4の滞留時間に被処理水1に含まれる有機化合物を十分に分解できるように、処理槽4内に貯留される処理水3の量と、給水ポンプ7が被処理水1を処理槽4へと供給する流量と、排水ポンプ9が処理槽4の底部に貯留された処理水3を処理水槽6へと排出する流量とを調整する。
処理槽4の上部には、酸素供給口21と、窒素供給口22と、処理槽排気口23とが設けられる。気体供給ユニット20は、流量調節器24と、酸素供給部25と、窒素供給部26とによって構成される。酸素供給口21には流量調節器24を介して処理槽4内に酸素を供給する酸素供給部25が接続され、窒素供給口22には処理槽4内に窒素を供給する窒素供給部26が接続される。流量調節器24は、酸素供給部25が処理槽4内に供給する酸素流量を制御する。
酸素供給部25は、例えば、PSA(Pressure Swing Adsorption)等の空気から酸素を濃縮する酸素発生器、液化酸素からの気化ガス又は酸素ボンベを用いることができる。また、窒素供給部26は、例えば、処理槽4の外の空気を処理槽4へと供給するエアポンプを用いることができる。また、窒素供給部26は、例えば、窒素を含有するガスのボンベ、液化窒素からの気化ガス又はPSA等の空気から窒素を濃縮する窒素発生器を、流量調節手段と組み合わせて用いることができる。なお、処理槽4に窒素を供給する構成としては、処理槽4の外の空気を処理槽4へと供給するエアポンプを用いて、処理槽4に空気を取り込む構成が簡易に窒素を導入することができる。
処理槽4の内部には、処理槽4の底部に貯留された処理水3のpHを計測するpH計27が設置される。pH計27は、制御装置12と接続される。pH計27は、計測した処理槽4内の処理水3のpHを制御装置12へと出力する。
放電装置30は、接地電極31と、高圧電極32と、高圧導体33とによって構成される。接地電極31及び高圧電極32は金属材料からなる板状部材である。高圧導体33は金属材料からなる棒状部材である。複数の高圧電極32は、高圧導体33に間隔をあけて鉛直方向に配置される。接地電極31と高圧導体33は、水平方向に交互に所定の間隔をあけて配置され、接地電極31と高圧電極32との間に放電空間が形成される。処理槽4の外部には放電装置30に電圧を印加するパルス電源34が備えられる。パルス電源34の電圧出力端子は、高圧導体33に接続される。パルス電源34の電圧出力端子と高圧導体33とを接続するケーブルは、絶縁部材によって覆われる。また、パルス電源34の接地端子及び処理槽4は、電気的に接地される。なお、図1に示すX方向を水平方向、Y方向を鉛直方向とする。
なお、放電装置は、実施の形態1の構成に限定されるものではなく、放電を形成できる構成であればよい。放電装置は、例えば、高圧電極と接地電極を同軸円筒型とした形態、板状電極が水平方向に対して傾斜して設けられ、ワイヤー電極と板状電極が対向配置された形態又は板状電極が水平方向に対して傾斜して設けられ、針電極と板状電極が対向配置された形態とすることもできる。
パルス電源34から出力される電圧の極性、電圧波高値、繰り返し周波数及びパルス幅等は、電極構造及び処理槽4内のガス組成等の諸条件に応じて、適宜決定することができる。一般的に、電圧波高値が1kV未満の場合は、安定した放電が形成されず、電圧波高値が50kV超の場合は、電気絶縁が困難であり、絶縁を担保するために著しくコストが増加する。また、電圧波高値が50kV超の場合は、電源が大型化する。したがって、電圧波高値は、1kV以上50kV以下に設定することが望ましい。
また、一般的に、繰り返し周波数が10pps(pulse−per−second)未満の場合は、十分な放電電力を投入するために非常に高い電圧が必要となり、繰り返し周波数が100kpps超の場合は、電圧パルスが印加されてから次の電圧パルスが印加されるまでの電圧休止期間が短くなる。電圧休止期間が短くなると、高電圧パルスが印加される直前に放電空間に残留するイオン又は電子等の荷電粒子の残留量が増加し、あるいは放電により生じる熱によって放電空間の温度が上昇し、放電空間にスパーク放電が発生し易くなる。したがって、繰り返し周波数は、10pps以上100kpps以下に設定することが望ましい。
なお、放電装置30に電圧を印加する電源は、パルス電源に限定されるものではなく、放電装置30への電圧の印加によって安定した放電が形成できるものであれば、交流電源または直流電源であってもよい。
制御装置12は、pH計27によって計測された処理槽4の底部に貯留された処理水3のpHに基づき窒素供給部26を制御して、処理槽4内部に供給される窒素量を調整する。なお、制御装置12による処理水3のpHに基づいた処理槽4内に供給される窒素量の調整については、後で詳述する。
また、制御装置12は、流量調節器24を制御して、酸素供給部25が処理槽4内に供給する酸素流量を制御する。なお、酸素供給部25が処理槽4内に供給する酸素流量は、水処理システムの処理流量又は被処理水1中の有機物濃度等に応じて決定される。
さらに、制御装置12は、給水ポンプ7、排水ポンプ9及びパルス電源34の稼働を制御する。図2は、制御装置12の構成を例示した図である。制御装置12は、図2に示すようなCPU1000がメモリ1001に記憶されたプログラムを実行するソフトウェア制御によって実現することが可能である。
次に、処理槽4において、被処理水1及び処理水3中の有機化合物が分解される原理について説明する。なお、ここでは有機化合物の分解を例にとって説明するが、放電で生じるオゾン及びOHラジカル等が除菌、脱色、及び脱臭に有効であることは周知である。処理槽4内の酸素分子(O)と被処理水1及び処理水3の一部が気化して生じた水分子(HO)は、放電35によって生じた高エネルギーの電子と衝突し、式(1)及び式(2)に示す解離反応が生じる。なお、eは電子、Oは原子状酸素、Hは原子状水素、OHはOHラジカルである。
e+O→e+2O (1)
e+HO→e+H+OH (2)
式(1)に示す反応で発生した原子状酸素の多くは、式(3)に示す反応によってオゾン(O)となる。なお、式(3)に示す反応において、Mは反応の第三体であり、気中のあらゆる分子及び原子を表す。
O+O+M→O+M (3)
また、式(2)に示す反応で生じたOHラジカルの一部は、式(4)に示す反応によって過酸化水素(H)となる。
OH+OH→H (4)
式(1)から式(4)に示す反応によって生成された酸化性粒子(O、OH、O、H)は、式(5)に示す反応によって処理槽4内を落下する被処理水1の有機化合物を酸化分解する。特にOHラジカルは、難分解性物質を含む多くの有機化合物と迅速に反応する。なお、Rは分解対象となる有機化合物である。
R+(O、OH、O、H)→分解生成物 (5)
また、有機化合物と反応しなかった原子状酸素とOHラジカルは、式(3)及び式(4)に示す反応によって長寿命のオゾンと過酸化水素となり、その一部は、式(6)及び式(7)に示す反応によって被処理水1に溶解する。なお、(liq.)は液相を意味する。
→O(liq.) (6)
→H(liq.) (7)
さらに、H(liq.)の一部は、被処理水1及び処理水3中で式(8)に示す反応によってHO とHに解離する。
(liq.)⇔HO +H (8)
式(8)に示す反応は、右辺と左辺で平衡状態にある。さらに、HO とO(liq.)は、式(9)に示す反応によって被処理水1及び処理水3中でOH(liq.)を生成する。
HO +O→OH(liq.)+O +O (9)
式(6)から式(9)に示す反応によって生成されたO(liq.)、H(liq.)及びOH(liq.)は式(10)に示す水中反応によって被処理水1及び処理水3中の有機化合物を分解する。特にOH(liq.)は、難分解性物質を含む多くの有機化合物と迅速に反応する。
R+(O(liq.)、H(liq.)、OH(liq.))
→分解生成物 (10)
処理槽4における水処理は、気中に存在する酸化性粒子による分解(式(5))と、水中に存在する酸化性粒子による分解(式(10))による被処理水1中の有機化合物の分解と、水中に存在する酸化性粒子による分解(式(10))による処理水3中の有機化合物の分解とによって進行する。一般に、被処理水1が放電空間内を通過する時間と比較して、処理水3は長い時間処理槽4の底部に貯留されるため、有機化合物の分解反応は主に処理槽4の底部に貯留された処理水3での水中反応(式(10))によって進行する。
次に、実施の形態1に係る水処理システム100における処理水3中の有機化合物の分解と、処理水3のpHの関係について説明する。式(5)及び式(10)に示す反応によって被処理水1及び処理水3中の有機化合物は、最終的に無機炭素と水にまで分解される。式(5)及び式(10)に示す反応によって生成される無機炭素は、式(11)及び式(12)に示される平衡状態にある。なお、COは二酸化炭素、HCO は重炭酸イオン、CO 2−は炭酸イオンである。
CO+HO⇔HCO +H (11)
HCO ⇔CO 2−+H (12)
式(11)及び式(12)に示す反応において無機炭素の主な物質は、一般にpHが6未満では二酸化炭素であり、pHが6以上8.5未満では重炭酸イオンであり、pHが8.5以上では炭酸イオンとなる。二酸化炭素は気体として被処理水1及び処理水3から迅速に脱離するが、重炭酸イオンと炭酸イオンは、被処理水1及び処理水3中に留まりそれぞれ式(13)及び式(14)に示す反応によりOH(liq.)と反応する。
OH(liq.)+HCO →反応生成物 (13)
OH(liq.)+CO 2−→反応生成物 (14)
式(13)に示す反応の反応速度は、K=1×10(mol/L/s)であり、式(14)に示す反応の反応速度は、K=4×10(mol/L/s)である。つまり、炭酸イオンとOH(liq.)との反応速度は、重炭素イオンとOH(liq.)との反応速度と比較して、1桁以上も高い。一般的な有機化合物とOH(liq.)との反応速度は、K=1×10〜1×1010(mol/L/s)であるため、被処理水1及び処理水3中の炭酸イオン濃度が高まると、有機化合物とOH(liq.)の反応が阻害され、効率的な水処理が行われなくなる。
また、式(8)に示す平衡反応は、処理水3のpHが高いほど右辺寄りとなる。したがって、式(9)に示す反応によるOH(liq.)の生成速度は、処理水3のpHが高いほど大きくなり、処理水3のpHが6未満では著しく低下する。一方、炭酸イオンの蓄積は、処理水3のpHが高いほど、より具体的には処理水3のpHが8.5程度以上において顕著となる。また、pHが8.5を超えるようなアルカリ性廃水では、OH(liq.)の無効消費反応が顕著に生じ、効率的に有機化合物を分解することができない。以上のことから、実施の形態1において、処理水3のpHを6以上8.5以下とすることが、放電で生成された酸化性粒子による有機化合物の分解の観点で好適である。
次に、実施の形態1に係る水処理システム100おいて、処理水3のpHを調整する動作について説明する。窒素供給部26を動作させない場合、処理槽4の内部は、酸素供給部25から供給された酸素と、被処理水1の揮発で生じた水蒸気との混合状態にある。窒素供給部26を動作させると処理槽4に窒素(N)が供給されるため、処理槽4の内部は、酸素と、窒素と、水蒸気とを含む混合ガスの雰囲気となる。処理槽4の内部が、酸素と、窒素と、水蒸気とを含む混合ガスの雰囲気の場合、窒素は放電35に触れることで式(15)に示す反応により原子状窒素(N)となる。
e+N→e+2N (15)
原子状窒素は、式(1)に示す反応によって生じた原子状酸素と結合し、式(16)に示す反応によって一酸化窒素(NO)を生成する。
O+N+M→NO+M (16)
一酸化窒素は、式(17)と式(18)に示す反応によって二酸化窒素(NO)と三酸化窒素(NO)を生成する。
NO+O→NO+O (17)
NO+O→NO+O (18)
さらに、式(19)に示す反応によって二酸化窒素と三酸化窒素が結合することで、五酸化二窒素(N)が生じる。
NO+NO→N (19)
また、式(20)に示す反応によって五酸化二窒素が水と反応することで硝酸(HNO)が生成される。
+HO→2HNO (20)
また、二酸化窒素は、式(21)に示す反応によって、式(2)に示す反応によって生じたOH又は式(9)に示す反応によって生じたOH(liq.)と反応して硝酸となる。
NO+OH→HNO (21)
式(20)及び式(21)に示す反応は、気中及び水中の両方で生じえる。すなわち、気中で生じた硝酸が被処理水1及び処理水3に溶解する場合と、二酸化窒素又は五酸化二窒素が被処理水1及び処理水3に溶解して硝酸となる場合とがある。いずれの場合においても、硝酸によって処理水3のpHは低下する。
式(15)から式(21)に示す反応の反応速度は、処理槽4内のガス組成、放電35の状態、及び被処理水1及び処理水3と処理槽4内ガスとの接触状態に依存する。また、式(15)から式(21)に示す反応の反応速度は、処理槽4内の窒素濃度に大きく依存するため、処理槽4内に供給される窒素量を調整することで硝酸の生成速度を、さらには処理水3のpHを調整することができる。
図3は、実施の形態1に係る水処理システム100の処理水3のpHと処理槽4内に供給される窒素量との関係を例示した図である。制御装置12による処理水3のpHに基づいた処理槽4内に供給される窒素量の調整について、図3を用いて説明する。
なお、処理槽4内に供給される窒素量とは、図3の斜線で示す窒素流量と時間との積である。
図3(a)に示すように、処理水3のpHが設定値を超える場合は、制御装置12は、窒素供給部26を制御して一定の流量で外気(窒素)を処理槽4内に供給する。制御装置12が窒素供給部26を制御することによって処理槽4内に窒素が供給されると、前述の反応により硝酸が生成され、処理水3のpHは低下する。処理水3のpHが設定値以下の場合は、制御装置12は、窒素供給部26を停止させる。制御装置12が窒素供給部26を停止させると、処理槽4内の窒素濃度の低下によって硝酸生成速度が低下し、貯留槽2から送られるアルカリ性廃水である被処理水1によって処理水3のpHは上昇する。なお、制御装置12は、処理水3のpHに関わらず、酸素供給部25からの酸素の供給を継続する。
制御装置12は、処理水3のpHが設定値よりも高い場合に窒素供給部26が処理槽4内に供給する窒素流量を増加させ、処理水3のpHが設定値よりも低い場合に窒素供給部26が処理槽4内に供給する窒素流量を減少させることで、処理水3のpHに基づき処理槽4内に供給される窒素量を調整して処理水3のpHを設定値の近傍に調整する。
また、pHの設定値は、処理対象とする対象廃水の成分等に応じて決定される値であり、有機化合物の分解の観点で好適な6以上8.5以下の値に設定することができ、例えば、pH=7である。処理水3のpHの設定値を中性(pH=7)とする理由は、窒素濃度の変化に対する処理水3のpHの応答性が高くないためである。窒素濃度の変化に対する処理水3のpHの応答性が高くないため、処理水3のpHは設定値からオーバーシュートする。したがって、処理水3のpHが設定値からオーバーシュートした場合でも処理水3のpHを有機化合物の分解の観点で好適な6以上8.5以下に調整するために、処理水3のpHの設定値を中性(pH=7)とする。
なお、水処理システム100は、処理水3のpHが予め決められた分解の観点で好適な範囲内の値となるように処理水3のpHに基づき処理槽4内へ供給される窒素量を調整できればよく、例えば、処理槽4内に窒素を供給するための設定値(第1設定値)と、処理槽4内への窒素の供給を停止するための設定値(第2設定値)とをそれぞれ異なる値に設定してもよい。
また、図3(b)に示すように、制御装置12は、処理水3のpHの計測値と、設定値との差に応じて、窒素供給部26が処理槽4内に供給する窒素流量を変化させるように制御することもできる。つまり、制御装置12は、処理水3のpHが設定値よりも高い場合において、処理水3のpHが設定値よりも高いほど窒素供給部26が処理槽4内に供給する窒素流量を高くし、処理水3のpHが設定値よりも低い場合には窒素供給部26を停止する。なお、図3(b)では、処理水3のpHが設定値よりも低い場合には窒素供給部26を停止する構成としたが、処理水3のpHが設定値よりも低いほど窒素供給部26が処理槽4内に供給する窒素流量を減少させる構成としてもよい。
図3(b)に示すように制御装置12を用いて窒素供給部26を制御することによって、図3(a)に示すように制御装置12を用いて窒素供給部26を制御する場合と比較して、より高い精度での処理水3のpHの調整が可能となる。
なお、制御装置12を用いた処理槽4内への窒素の供給量の制御方法として、フィードバック制御等の公知の制御方法を用いることができるのはいうまでもない。また、水処理システム100の水処理方法として、制御装置12がpH計27によって計測された処理槽4内の処理水3のpHに基づき窒素供給部26のみを制御する構成を説明したが、pH計27によって計測された処理槽4内の処理水3のpHに基づき流量調節器24及び窒素供給部26を制御して処理槽4内に供給される酸素量及び窒素量の比率を調整する構成としてもよい。
図4は、実施の形態1に係る水処理システム100の制御フロー図である。水処理システム100を用いた水処理方法の手順について、図4に示す制御フロー図を用いて説明する。なお、被処理水1はアルカリ性であり、処理水3のpHの設定値を中性(pH=7)とする場合について説明する。
ステップS1では、制御装置12が流量調節器24を動作させることで、酸素供給部25は、流量調節器24を介して酸素供給口21から処理槽4内部へと酸素を供給し、処理槽4の内部を高酸素濃度雰囲気とする。処理槽4の内部に供給された酸素量と同等量の気体が処理槽排気口23を通って処理槽4から排気される。
ステップS2では、制御装置12がパルス電源34を動作して高圧導体33にパルス状の高電圧を印加することで、放電装置30は、接地電極31と高圧電極32の間である放電空間に放電35を形成する。
ステップS3では、制御装置12は、給水ポンプ7及び排水ポンプ9を稼働させる。貯留槽2に貯留された被処理水1は、給水ポンプ7によってくみ上げられ、給水配管8を介して散水部11から供給される。散水部11から供給された被処理水1は放電空間内をシャワー状に落下し、被処理水1の一部は接地電極31に付着して水膜状に落下する。被処理水1が放電空間内を通過する際に放電35と接触し、被処理水1中の有機化合物が酸化分解される。被処理水1は放電35で生成された酸化性粒子を取り込み、放電空間内を通過後、処理水3として処理槽4の底部に貯留される。処理槽4の底部に貯留された処理水3は、取り込まれた酸化性粒子の反応によって、処理水3中の有機化合物が酸化分解される。処理槽4の底部に貯留された処理水3は、排水ポンプ9によって排水配管10を介して処理水槽6へと送られる。
ステップS4では、pH計27は、処理槽4の底部に貯留された処理水3のpHを計測し、計測したpHを制御装置12へと出力する。制御装置12は、受信したpHを設定値と比較する。pH計27によって計測された処理水3のpHが設定値を超える場合はステップS5へと進み、pH計27によって計測された処理水3のpHが設定値以下の場合はステップS6へと進む。
ステップS5では、制御装置12は、窒素供給部26を稼働させ、処理槽4内に窒素を供給する。ステップS6では、制御装置12は、窒素供給部26を停止させる。
実施の形態1に係る水処理システム100は、制御装置12がpH計27によって計測された処理槽4内の処理水3のpHに基づき窒素供給部26を制御して、処理槽4内に供給される窒素量を調整することで、処理水3のpHを調整することができる。したがって、水処理システム100は、放電により生成された酸化性粒子により、アルカリ性廃水中の有機化合物を効率的に分解可能となり、効率的な水処理を行うことができる。
実施の形態1に係る水処理システムは、処理水を貯留する処理槽内に設けられ、放電を形成する放電装置と、処理槽内に設けられ、放電が形成される空間である放電空間内にアルカリ性廃水である被処理水を供給する散水部と、放電空間を通過した被処理水である処理水のpHを計測するpH計と、処理槽内に酸素及び窒素を供給する気体供給ユニットと、pHに基づき気体供給ユニットを制御して、処理槽内に供給される窒素量を調整する制御装置と、を備える。
また、実施の形態1に係る水処理システムの制御装置は、処理水のpHが予め決められた値となるように処理槽内に供給される窒素量を調整することを特徴とする。
また、実施の形態1に係る水処理システムの制御装置は、pHが設定値を超える場合に気体供給ユニットによって供給される窒素量を増加させ、pHが設定値以下の場合に気体供給ユニットによって供給される窒素量を減少させることを特徴とする。
また、処理槽の下流に配置され、処理槽で処理された後の処理水から硝酸を除去する硝酸除去部を備えることを特徴とする。
以上の構成によって、実施の形態1に係る水処理システム100は、被処理水のpHが変動した場合又は処理過程で分解生成物によって処理水のpHが変動した場合でも、制御装置によって処理槽内の窒素濃度を逐次調整するため、処理水のpHを設定値へと調整することができる。したがって、実施の形態1に係る水処理システム100は、処理水3中の有機化合物を効率的に分解可能となり、効率的な水処理を行うことができる。
また、実施の形態1に係る水処理システム100は、処理水のpHに応じて処理槽内に供給される窒素量を調整するため、処理槽の内部で過剰な硝酸を生成することなく、pHの調整に必要な量の硝酸を生成することができる。したがって、実施の形態1に係る水処理システム100は、処理後水中の全窒素濃度を抑制することができる。
また、実施の形態1に係る水処理システム100は、薬剤の注入なしに処理水のpHの調整が可能であるため、薬剤貯蔵設備及び薬剤注入設備を備える必要がなく、装置の簡素化と低コスト化が可能となる。また、実施の形態1に係る水処理システム100は、pHの調整のために定期的に薬剤を補充する必要がないため、運転の簡素化と運転コストの削減が可能となる。
実施の形態1に係る水処理方法は、処理水を貯留する処理槽内に酸素及び窒素を供給する気体供給ユニットが、処理槽内へ酸素を供給するステップと、放電装置が、放電を形成するステップと、散水部が、アルカリ性廃水である被処理水を放電が形成される空間である放電空間内に供給するステップと、pH計が、電空間を通過した被処理水である処理水のpHを計測するステップと、制御装置が、pHに基づき気体供給ユニットを制御し処理槽内に窒素を供給するステップと、を備える。
以上の構成によって、実施の形態1に係る水処理方法は、処理水のpHに基づいて処理槽内に供給される窒素量を調整し、処理水のpHを逐次調整できるため、処理水3中の有機化合物を効率的に分解できる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る水処理システム200の構成について説明する。なお、実施の形態1と同一または対応する構成については、その説明を省略し、構成の異なる部分のみを説明する。
図5は、実施の形態2に係る水処理システム200の概略図である。図5に示すように、水処理システム200は、処理槽4の上方部に設けられた吸気口41と、処理槽4の底部に貯留された処理水3に浸漬配置された散気部42と、吸気口41と散気部42とを連通する循環配管43と、を備える。循環配管43には、吸気口41から処理槽4内の気体を吸入し、散気部42に吸気口41から吸入した気体を供給する循環ポンプ44が備えられる。散気部42は、処理水3に吸気口41から吸入された処理槽4内の気体を供給する。散気部42、循環配管43及び循環ポンプ44は、気体循環部40を構成している。
なお、気体循環部40は、必ずしも散気部42、循環配管43及び循環ポンプ44から構成される必要はなく、例えば、循環ポンプ44の替わりにブロワー又はコンプレッサなどを用いることもできる。また、気体を直接循環させるのではなく、処理槽4の底部に貯留された処理水3をポンプで循環させるとともに、エジェクター等により処理槽4内の気体を吸入して混合するようにしてもよい。つまり、気体循環部40の構成は、処理槽4内の気体が処理水3と接触するように気体が循環できれば、散気部42、循環配管43及び循環ポンプ44に限定されるものではない。
実施の形態1に係る水処理システム100では、気中で生じた硝酸が被処理水1及び処理水3に溶解する場合と、二酸化窒素又は五酸化二窒素が被処理水1及び処理水3に溶解して硝酸となる場合とによって処理水3のpHは低下する。しかし、気中で生じた硝酸、二酸化窒素及び五酸化二窒素によって処理水3のpHが低下する過程は、長時間を要するため、処理槽4内の窒素濃度を変化させてから処理水3のpHが変化するまでの応答時間が長くなる。
一方、実施の形態2に係る水処理システム200では、気中で生じた硝酸、二酸化窒素及び五酸化二窒素は、気体循環部40によって処理槽4の底部に貯留された処理水3に供給され、迅速に処理水3に溶解する。したがって、実施の形態2に係る水処理システム200は、処理槽4内の窒素濃度の変化に対する処理水3のpHの応答性が向上するため、処理水3のpHが目標のpHに近い状態で効率的な水処理を実行することができる。
実施の形態2に係る水処理システムは、処理槽内の気体を吸入し、処理槽に貯留された処理水に気体を供給する気体循環部を備える。
以上の構成によって実施の形態2に係る水処理システム200は、処理槽内の窒素濃度の変化に対する処理水のpHの応答性が向上するため、処理水のpHが目標のpHに近い状態で維持され、効率的な水処理を実行することができる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る水処理システム300の構成について説明する。なお、実施の形態1と同一または対応する構成については、その説明を省略し、構成の異なる部分のみを説明する。
図6は、実施の形態3に係る水処理システム300の概略図である。図6に示すように、水処理システム300は、実施の形態1に係る水処理システム100と同様の構成である。
実施の形態3に係る水処理システム300は、処理水3のpHが設定値よりも高い場合に、所定の時間空気を供給し続ける空気供給時と、所定の時間空気の供給を止めるpH安定化時を交互に行う構成である。つまり、実施の形態3に係る水処理システム300の制御装置12は、窒素供給部26を間欠動作で制御する。
実施の形態1に係る水処理システム100は、処理水3のpHが設定値よりも高い場合に、窒素供給部26を動作させて、処理槽4に対して連続的に空気を導入する構成である。しかし、処理槽4内の窒素濃度の変化と、処理水3のpHの変化とには時間差が生じるため、処理水3のpHが設定値を下回り、処理水3のpHが設定値からオーバーシュートすることがある。処理水3のpHが設定値を下回り酸性となると、必要量以上の硝酸が処理水3に取り込まれ全窒素濃度が高まることに加え、処理水3のpHが設定値から外れることによって有機化合物の分解速度が遅くなる。したがって、処理水3のpHが設定値からオーバーシュートしないように処理水3のpHを設定値の近傍で安定的に調整することが望ましい。
図7は、実施の形態3に係る水処理システム300の処理水3のpHと処理槽4内に供給される窒素量との関係を例示した図である。実施の形態3に係る水処理システム300では、処理水3のpHが設定値を上回る場合に、一定の流量で所定の時間窒素を供給し続ける窒素供給時と、所定の時間窒素の供給を止めるpH安定化時を交互に行う。つまり、制御装置12は、窒素供給時のみ窒素供給部26を動作させ、pH安定化時は窒素供給部26を停止させる。
制御装置12は、窒素供給部26を間欠動作で制御するため、処理水3のpHは設定値に対して漸近的に近づく。したがって、水処理システム300は、処理水3のpHが設定値からオーバーシュートすることを抑制することができる。水処理システム300では、結果的に過剰な硝酸の生成が抑制されるため、処理水3のpHが設定値に近い状態で維持され、効率的な水処理を実行することができる。
実施の形態3に係る水処理システムの気体供給ユニットは、処理槽内に酸素を供給する酸素供給部と、処理槽内に窒素を供給する窒素供給部とを備え、制御装置は、窒素供給部を間欠動作で制御して処理槽内に供給される窒素量を調整することを特徴とする。
以上の構成によって、実施の形態3に係る水処理システム300は、処理水のpHが設定値からオーバーシュートすることを抑制でき、高効率な水処理を実行することができる。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係る水処理システム400の構成について説明する。なお、実施の形態1と同一または対応する構成については、その説明を省略し、構成の異なる部分のみを説明する。
図8は、実施の形態4に係る水処理システム400の概略図である。図8に示すように水処理システム400は、処理槽4の内部に処理槽4の底部に貯留された処理水3の炭酸イオン濃度を計測する炭酸イオン濃度計51が設置される。
実施の形態4に係る水処理システム400では、処理水3のpHに加えて、処理水3の炭酸イオン濃度に基づき処理水3のpHを調整する。
炭酸イオン濃度計51は、制御装置12と接続される。炭酸イオン濃度計51は、計測した処理槽4の底部に貯留された処理水3の炭酸イオン濃度を制御装置12へと出力する。
図9は、実施の形態4に係る水処理システム400の処理水3のpHと、処理水3の炭酸イオン濃度と、処理槽4内に供給される窒素量との関係を例示した図である。図9に示すように、制御装置12は、pH計27によって計測された処理槽4の底部に貯留された処理水3のpHと、炭酸イオン濃度計51によって計測された処理槽4の底部に貯留された処理水3の炭酸イオン濃度とがいずれも設定値を超えた場合に、窒素供給部26が処理槽4内に供給する窒素流量を増加させ、pH計27によって計測された処理槽4の底部に貯留された処理水3のpHと、炭酸イオン濃度計51によって計測された処理槽4の底部に貯留された処理水3の炭酸イオン濃度と、の少なくとも一方が設定値以下の場合に窒素供給部26が処理槽4内に供給する窒素流量を減少させる。
つまり、制御装置12は、処理水3のpHと炭酸イオン濃度がいずれも設定値を超える場合に窒素供給部26によって供給される窒素量を増加させ、処理水3のpHと炭酸イオン濃度の少なくとも一方が設定値以下の場合に窒素供給部26によって供給される窒素量を減少させる。
なお、pHの設定値は、処理対象とする水の素性又は排出基準に応じて決定される値であり、例えば、pH=7である。また、炭酸イオン濃度の設定値は、処理対象とする有機化合物の物性及び濃度等に応じて決定される値であり、例えば、処理対象とする有機化合物の10%以上100%以下である。
処理水3のpHが高い状況では、処理水3中の炭酸イオン濃度が高まり、式(14)に示す反応によってOH(liq.)を無効消費し水処理の効率が低下する。しかし、被処理水1の有機化合物の濃度が低い場合と、処理後水5の有機化合物濃度を被処理水1と比べて大幅に減らす必要がない場合とでは、処理水3のpHが設定値より高い状態であっても、処理水3の炭酸イオン濃度は比較的低く抑えられ、式(14)に示す反応によるOH(liq.)の無効消費反応はあまり問題とならない。
処理水3のpHが設定値より高い状態であっても、式(14)に示す反応によるOH(liq.)の無効消費反応が問題とならない場合は、硝酸を生成して処理水3のpHを低下させる必要はなく、硝酸を生成せずに処理水3の全窒素濃度を増加させないことが望ましい。一方、処理水3のpHと、処理水3中の炭酸イオン濃度とがいずれも設定値を超えており、処理水3中の有機化合物の分解反応を阻害する状況においては、処理水3のpHを調整して効率的な水処理を行うことが好適である。
実施の形態4に係る水処理システムは、処理槽に貯留された処理水の炭酸イオン濃度を計測する炭酸イオン濃度計を備え、制御装置は、pHと炭酸イオン濃度がいずれも設定値を超える場合に気体供給ユニットによって供給される窒素量を増加させ、pHと炭酸イオン濃度の少なくとも一方が設定値以下の場合に気体供給ユニットによって供給される窒素量を減少させることを特徴とする。
以上の構成によって、実施の形態4に係る水処理システム400は、不必要な硝酸の生成を抑制して、処理水中の全窒素濃度の増加を抑制するとともに、効果的な有機化合物の分解が行われる。
実施の形態5.
本発明の実施の形態5に係る水処理システム500の構成について説明する。なお、実施の形態1と同一または対応する構成については、その説明を省略し、構成の異なる部分のみを説明する。
図10は、実施の形態5に係る水処理システム500の概略図である。図10に示すように水処理システム500は、気体供給ユニット20としてPSA(Pressure Swing Adsorption)酸素発生器61が接続される。
PSA酸素発生器61は、ゼオライト等の吸着材に対する酸素と窒素の吸着特性の差を利用して、空気から酸素を分離するものである。すなわち、加圧下で空気が吸着材を通過する際、比較的吸着されやすい窒素が選択的に吸着され、比較的吸着されにくい酸素は通過する。つまり、PSA酸素発生器61は、ゼオライト等の吸着材に対する酸素と窒素の吸着特性を利用して、吸着材の加圧と減圧を繰り返すことで、空気から高純度の酸素を取り出すものである。
PSA酸素発生器61で生成される酸素の純度、すなわち不純物として含まれる窒素濃度は、PSA酸素発生器61の動作条件によって変化する。具体的には、吸着材に投入する空気の圧力が高く供給される空気量が少ないほど高純度の酸素が得られ、投入する空気の圧力が低く供給される空気量が多いほど低純度の酸素が得られる。
水処理システム500では、気体供給ユニットとしてPSA酸素発生器を用いる場合について示したが、例えば、VPSA(Vacuum Pressure Swing Adsorption)方式又は深冷式酸素発生器等を用いてもよい。
制御装置12は、処理水3のpHが設定値を超える場合にPSA酸素発生器61によって処理槽4内に供給される酸素の純度を低下させる。つまり、制御装置12は、処理水3のpHが設定値を超える場合に処理槽4内に供給される窒素量を増加させる。
高純度の酸素を得るためには、コストを要するため、実施の形態1に示すように酸素供給部25によって高純度の酸素を処理槽4内に供給しつつ、処理水3のpHに基づいて窒素供給部26を制御して処理槽4内に供給される窒素量を調整するよりも、実施の形態5に示すように処理水3のpHに基づいてPSA酸素発生器61を制御して処理槽4内に供給される窒素量を調整する方がコストを抑制することができる。
実施の形態5に係る水処理システムの気体供給ユニットは、空気から酸素を分離する酸素発生器であることを特徴とする。
以上の構成によって、実施の形態5に係る水処理システム500は、処理水のpHに基づき空気から酸素を分離する酸素発生器を制御して、処理槽に供給される窒素量を調整するため、消費電力を抑制することができる。
実施の形態6.
本発明の実施の形態6に係る水処理システム600の構成について説明する。なお、実施の形態1と同一または対応する構成については、その説明を省略し、構成の異なる部分のみを説明する。
図11は、実施の形態6に係る水処理システム600の概略図である。図11に示すように水処理システム600は、酸素供給部25から供給される酸素の一部を貯留槽2に貯留される被処理水1へと供給する構成である。なお、図11では、水処理システム600は窒素供給部26を備えない構成を例示しているが、水処理システム600は窒素供給部26を備える構成としてもよい。
水処理システム600の気体供給ユニット20は、貯留槽2に貯留された被処理水1に浸漬配置された曝気部71と、一端が酸素供給部25と流量調節器24との間の配管に接続され、他端が曝気部71とに接続された曝気配管72と、を有する。また、曝気配管72は、酸素供給部25が被処理水1に供給する酸素流量を調整する供給量調節器73を有する。また、貯留槽2の上部には、貯留槽排気口74が設けられる。曝気部71、曝気配管72及び供給量調節器73は、曝気装置70を構成している。
被処理水1中の緩衝成分が少ない場合は、処理水3に少量の硝酸が溶解することによって処理水3のpHが設定値を大幅に下回り、水処理の効率が損なわれるおそれがある。また、被処理水1中の緩衝成分が少ない場合は、処理槽4内に窒素を供給しない場合でも、被処理水1に溶解した溶存窒素が処理槽4内で窒素分圧の減少に伴い揮発して硝酸が生じ処理水3のpHが著しく低下するおそれがある。
水処理システム600は、緩衝成分が少ない被処理水1に対して曝気を行い、緩衝成分が少ない被処理水1中の溶存窒素を酸素へと置換する。水処理システム600の制御装置12は、処理水3のpHが設定値以下の場合に供給量調節器73を制御して曝気部71へ供給する酸素流量を増加させ、処理水3のpHが設定値を超える場合に供給量調節器73を制御して曝気部71へ供給する酸素流量を減少させる。
実施の形態6に係る水処理システムは、処理水を貯留する処理槽内に設けられ、放電を形成する放電装置と、処理槽内に設けられ、放電が形成される空間である放電空間内にアルカリ性廃水である被処理水を供給する散水部と、放電空間を通過した被処理水である処理水のpHを計測するpH計と、被処理水を貯留する貯留槽と、処理槽内に酸素を供給する酸素供給部と、酸素供給部が供給する酸素の一部を用いて貯留槽に貯留された被処理水を曝気する曝気装置と、を有する気体供給ユニットと、pHに基づき気体供給ユニットを制御して、貯留槽に供給される酸素量を調整する制御装置と、を備える。
また、実施の形態6に係る水処理システムの制御装置は、pHが設定値以下の場合に酸素供給部が曝気装置へ供給する酸素流量を増加させ、pHが設定値を超える場合に酸素供給部が曝気装置へ供給する酸素流量を減少させることを特徴とする。
以上の構成によって、実施の形態6に係る水処理システム600は、少量の硝酸によってpHが著しく変化するような処理水に対しても、効果的にpHを調整することができ、高効率な水処理を実行できる。また、実施の形態6では、生成される硝酸の量が微量であるため、硝酸除去部を設置する必要がなく、装置の簡素化が可能となる。
実施の形態7.
本発明の実施の形態7に係る水処理システム700の構成について説明する。なお、実施の形態1と同一または対応する構成については、その説明を省略し、構成の異なる部分のみを説明する。実施の形態1では、パルス電源34の逐次制御を行わない構成であったが、実施の形態7に係る水処理システム700は、パルス電源34の逐次制御を行う構成である。
放電装置30によって形成される放電35は、気体供給ユニット20によって処理槽4に窒素が供給されると処理槽4内のガス組成が変化するため、特性が変化する。一般に、放電35を形成するのに必要な電圧は、処理槽4内の窒素濃度が高くなるに従い低下する。つまり、印加電圧が一定の場合に処理槽4内の窒素濃度が高くなると放電エネルギーが増加する。放電エネルギーの増加によって、放電35が不安定化することにより、水処理効率の低下又はスパーク放電が発生するおそれがある。
しかし、実施の形態7に係る水処理システム700では、パルス電源34の逐次制御を行うため、処理槽4内の窒素濃度が変化した場合でも、放電35を安定的に形成することができる。
図12は、実施の形態7に係る水処理システム700の概略図である。図12に示すように水処理システム700の制御装置12は、処理槽4に供給される窒素量又はパルス電源34から送られる電流もしくは電圧出力信号に基づき、パルス電源34の電圧出力の波高値、繰り返し周波数又はパルス幅の少なくとも一つを制御する構成である。
パルス電源34は、制御装置12と接続される。パルス電源34は、パルス電源34の電圧出力信号又は電流出力信号の少なくとも一つを制御装置12へと出力する。
また、制御装置12は、パルス電源34の電圧出力信号又は電流出力信号を受信し、放電35の形成状態が正常であるかを判断し、放電35の形成状態が正常ではない場合に、パルス電源34の電圧出力の波高値、繰り返し周波数又はパルス幅の少なくとも一つを制御する構成としてもよい。
実施の形態7に係る水処理システムの制御装置は、放電装置に電圧を印加する電源の、電圧出力信号又は電流出力信号の少なくとも一つに基づき、電源の、電圧出力の波高値、繰り返し周波数又はパルス幅の少なくとも一つを制御することを特徴とする。
実施の形態7に係る水処理システムの制御装置は、処理槽に供給される窒素量に基づき、放電装置に電圧を印加する電源の、電圧出力の波高値、繰り返し周波数又はパルス幅の少なくとも一つを制御することを特徴とする。
以上の構成によって、実施の形態7に係る水処理システム700は、処理槽内の窒素濃度が変化した場合でも、放電を安定的に形成し、高効率な水処理を行うことができる。
実施の形態8.
本発明の実施の形態8に係る水処理システム800の構成について説明する。なお、実施の形態1と同一または対応する構成については、その説明を省略し、構成の異なる部分のみを説明する。
図13は、実施の形態8に係る水処理システム800の概略図である。図13に示すように水処理システム800は、処理槽4の底部に貯留された処理水3を、散水部11から放電装置30の放電空間へと供給する処理水循環部80を備える構成である。
水処理システム800は、一端が処理槽4の底部近傍に接続され、他端が散水部11に接続された水循環配管81を有する。水循環配管81には、水循環ポンプ82が備えられる。処理水循環部80は、水循環配管81及び水循環ポンプ82によって構成される。
給水配管8の一端は貯留槽2の底部近傍に接続され、給水配管8の他端は処理槽4の底部近傍に接続される。給水配管8には、給水ポンプ7が備えられる。
水処理システム800では、被処理水1は、給水ポンプ7の稼働によって給水配管8を介して所定の流量で処理水3として処理槽4へと供給される。処理水3は、水循環ポンプ82の稼働によって水循環配管81を介して散水部11から放電装置30の放電空間内へと供給される。処理槽4の底部に貯留された処理水3は、排水ポンプ9の稼働によって所定の流量で処理後水5として処理水槽6へと排出される。
被処理水1の有機化合物濃度が高い場合及び被処理水1が難分解性物質を含む場合は、被処理水1は放電装置30の放電空間内を一度通過したのみでは十分な処理が行われない場合がある。しかし、実施の形態8に係る水処理システム800は、水循環ポンプ82を稼働させて、処理水3を、水循環配管81を介して散水部11から放電装置30の放電空間内へと供給することによって、処理水3を循環させながら繰り返し処理する構成である。
水処理システム800は、処理水3を放電装置30の放電空間内へと繰り返し供給するため、被処理水1の有機化合物濃度が高い場合と、難分解性物質を含む場合とにおいても効果的な水処理を行うことができる。また、水処理システム800は、処理水3を放電装置30の放電空間内へと繰り返し供給するため、放電装置30で生成された硝酸、二酸化窒素及び五酸化二窒素が迅速に処理水3に溶解し、処理槽内の窒素濃度の変化に対する処理水3のpHの応答性が向上する。したがって、水処理システム800は、処理水3のpHを目標のpHに近い状態に維持でき、効率的な水処理を実行することができる。
制御装置12は、給水ポンプ7及び排水ポンプ9の稼働の制御に加えて、水循環ポンプ82の稼働を制御する。
なお、給水ポンプ7が被処理水1を処理槽4へと供給する流量と、水循環ポンプ82が処理水3を散水部11へと供給する流量と、排水ポンプ9が処理槽4の底部に貯留された処理水3を処理水槽6へと排出する流量とは被処理水1が処理槽4に送られて処理水槽6へと排出されるまでの期間に処理水3に含まれる有機化合物を分解処理できる流量である。
実施の形態8に係る水処理システムは、処理槽の上流から供給されるアルカリ性廃水である被処理水を処理水として貯留する処理槽内に設けられ、放電を形成する放電装置と、処理槽内に設けられ、放電が形成される空間である放電空間内に処理水を供給する散水部と、放電空間を通過した被処理水である処理水のpHを計測するpH計と、処理槽内に酸素及び窒素を供給する気体供給ユニットと、pHに基づき気体供給ユニットを制御して、処理槽内に供給される窒素量を調整する制御装置と、を備える。
以上の構成によって、実施の形態8に係る水処理システム800は、被処理水1の有機化合物濃度が高い場合と、難分解性物質を含む場合とにおいても効果的な水処理を行うことができる。また、処理槽内の窒素濃度の変化に対する処理水のpHの応答性が向上するため、処理水のpHが目標のpHに近い状態で維持され、効率的な水処理を実行することができる。
本発明は、発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせることや、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
100,200,300,400,500,600,700,800 水処理システム、
1 被処理水、2 貯留槽、3 処理水、4 処理槽、5 処理後水、6 処理水槽、
7 給水ポンプ、8 給水配管、9 排水ポンプ、10 排水配管、11 散水部、
12 制御装置、13 硝酸除去部、
20 気体供給ユニット、21 酸素供給口、22 窒素供給口、23 処理槽排気口、
24 流量調節器、25 酸素供給部、26 窒素供給部、27 pH計、
30 放電装置、31 接地電極、32 高圧電極、33 高圧導体、34 パルス電源、
35 放電、
40 気体循環部、41 吸気口、42 散気部、43 循環配管、44 循環ポンプ、
51 炭酸イオン濃度計、
61 PSA酸素発生器、
71 曝気部、72 曝気配管、73 供給量調節器、74 貯留槽排気口、
80 処理水循環部、81 水循環配管、82 水循環ポンプ、
1000 CPU、1001 メモリ。

Claims (16)

  1. 処理水を貯留する処理槽内に設けられ、放電を形成する放電装置と、
    前記処理槽内に設けられ、前記放電が形成される空間である放電空間内にアルカリ性廃水である被処理水を供給する散水部と、
    前記放電空間を通過した前記被処理水である前記処理水のpHを計測するpH計と、
    前記処理槽内に酸素及び窒素を供給する気体供給ユニットと、
    前記pHが設定値よりも高い場合に、前記気体供給ユニットを制御して、前記処理槽内に供給される窒素量を増加させ、前記pHが前記設定値よりも低い場合に、前記気体供給ユニットを制御して、前記処理槽内に供給される前記窒素量を減少させる制御装置と、
    を備える水処理システム。
  2. 処理槽の上流から供給されるアルカリ性廃水である被処理水を処理水として貯留する前記処理槽内に設けられ、放電を形成する放電装置と、
    前記処理槽内に設けられ、前記放電が形成される空間である放電空間内に前記処理水を供給する散水部と、
    前記放電空間を通過した前記被処理水である前記処理水のpHを計測するpH計と、
    前記処理槽内に酸素及び窒素を供給する気体供給ユニットと、
    前記pHが設定値よりも高い場合に、前記気体供給ユニットを制御して、前記処理槽内に供給される窒素量を増加させ、前記pHが前記設定値よりも低い場合に、前記気体供給ユニットを制御して、前記処理槽内に供給される前記窒素量を減少させる制御装置と、
    を備える水処理システム。
  3. 前記処理槽に貯留された前記処理水を前記散水部へと送る水循環部を備える請求項1または請求項2に記載の水処理システム。
  4. 前記処理槽内の気体を吸入し、前記処理槽に貯留された前記処理水に前記気体を供給する気体循環部を備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の水処理システム。
  5. 前記気体供給ユニットは、前記処理槽内に酸素を供給する酸素供給部と、前記処理槽内に窒素を供給する窒素供給部とを備え、
    前記制御装置は、前記窒素供給部を間欠動作で制御して前記処理槽内に供給される窒素量を調整することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の水処理システム。
  6. 前記気体供給ユニットは、空気から酸素を分離する酸素発生器であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の水処理システム。
  7. 前記制御装置は、前記処理水のpHが予め決められた値となるように前記処理槽内に供給される窒素量を調整することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の水処理システム。
  8. 処理水を貯留する処理槽内に設けられ、放電を形成する放電装置と、
    前記処理槽内に設けられ、前記放電が形成される空間である放電空間内にアルカリ性廃水である被処理水を供給する散水部と、
    前記放電空間を通過した前記被処理水である前記処理水のpHを計測するpH計と、
    前記処理槽内に酸素及び窒素を供給する気体供給ユニットと、
    前記pHに基づき前記気体供給ユニットを制御して、前記処理槽内に供給される窒素量を調整する制御装置と、
    前記処理槽に貯留された前記処理水の炭酸イオン濃度を計測する炭酸イオン濃度計と、を備える水処理システムであって、
    前記制御装置は、前記pHと前記炭酸イオン濃度がいずれも設定値を超える場合に前記気体供給ユニットによって供給される窒素量を増加させ、前記pHと前記炭酸イオン濃度の少なくとも一方が設定値以下の場合に前記気体供給ユニットによって供給される前記窒素量を減少させることを特徴とする水処理システム。
  9. 処理槽の上流から供給されるアルカリ性廃水である被処理水を処理水として貯留する前記処理槽内に設けられ、放電を形成する放電装置と、
    前記処理槽内に設けられ、前記放電が形成される空間である放電空間内に前記処理水を供給する散水部と、
    前記放電空間を通過した前記被処理水である前記処理水のpHを計測するpH計と、
    前記処理槽内に酸素及び窒素を供給する気体供給ユニットと、
    前記pHに基づき前記気体供給ユニットを制御して、前記処理槽内に供給される窒素量を調整する制御装置と、
    前記処理槽に貯留された前記処理水の炭酸イオン濃度を計測する炭酸イオン濃度計と、を備える水処理システムであって、
    前記制御装置は、前記pHと前記炭酸イオン濃度がいずれも設定値を超える場合に前記気体供給ユニットによって供給される窒素量を増加させ、前記pHと前記炭酸イオン濃度の少なくとも一方が設定値以下の場合に前記気体供給ユニットによって供給される窒素量を減少させることを特徴とする水処理システム。
  10. 処理水を貯留する処理槽内に設けられ、放電を形成する放電装置と、
    前記処理槽内に設けられ、前記放電が形成される空間である放電空間内にアルカリ性廃水である被処理水を供給する散水部と、
    前記放電空間を通過した前記被処理水である前記処理水のpHを計測するpH計と、
    前記被処理水を貯留する貯留槽と、
    前記処理槽内に酸素を供給する酸素供給部と、前記酸素供給部が供給する酸素の一部を用いて前記貯留槽に貯留された前記被処理水を曝気する曝気装置と、を有する気体供給ユニットと、
    前記pHが設定値以下の場合に、前記気体供給ユニットを制御して、前記貯留槽に供給される酸素量を増加させ、前記pHが前記設定値を超える場合に、前記気体供給ユニットを制御して、前記処理槽内に供給される前記酸素量を減少させる制御装置と、
    を備える水処理システム。
  11. 前記制御装置は、前記pHが設定値以下の場合に前記酸素供給部が前記曝気装置へ供給する酸素流量を増加させ、前記pHが設定値を超える場合に前記酸素供給部が前記曝気装置へ供給する酸素流量を減少させることを特徴とする請求項10に記載の水処理システム。
  12. 前記制御装置は、前記放電装置に電圧を印加する電源の、電圧出力信号又は電流出力信号の少なくとも一つに基づき、前記電源の、電圧出力の波高値、繰り返し周波数又はパルス幅の少なくとも一つを制御することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の水処理システム。
  13. 前記制御装置は、前記処理槽に供給される前記窒素量に基づき、前記放電装置に電圧を印加する電源の、電圧出力の波高値、繰り返し周波数又はパルス幅の少なくとも一つを制御することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の水処理システム。
  14. 前記処理槽の下流に配置され、前記処理水から硝酸を除去する硝酸除去部を備えることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の水処理システム。
  15. 処理水を貯留する処理槽内に酸素及び窒素を供給する気体供給ユニットが、前記処理槽内へ酸素を供給するステップと、
    放電装置が、放電を形成するステップと、
    散水部が、アルカリ性廃水である被処理水を前記放電が形成される空間である放電空間内に供給するステップと、
    pH計が、記放電空間を通過した前記被処理水である前記処理水のpHを計測するステップと、
    制御装置が、前記pHが設定値よりも高い場合に、前記気体供給ユニットを制御し前記処理槽内に供給する窒素量を増加させ、前記pHが前記設定値よりも低い場合に、前記気体供給ユニットを制御して、前記処理槽内に供給する前記窒素量を減少させるステップと、
    を備える水処理方法。
  16. 処理水を貯留する処理槽内に酸素及び窒素を供給する気体供給ユニットが、前記処理槽内へ酸素を供給するステップと、
    放電装置が、放電を形成するステップと、
    散水部が、アルカリ性廃水である被処理水を前記放電が形成される空間である放電空間内に供給するステップと、
    pH計が、記放電空間を通過した前記被処理水である前記処理水のpHを計測するステップと、
    炭酸イオン濃度計が、前記処理槽に貯留された前記処理水の炭酸イオン濃度を計測するステップと、
    制御装置が、前記pHと前記炭酸イオン濃度がいずれも設定値を超える場合に前記気体供給ユニットによって供給する窒素量を増加させ、前記pHと前記炭酸イオン濃度の少なくとも一方が前記設定値以下の場合に前記気体供給ユニットによって供給する前記窒素量を減少させるステップと、
    を備える水処理方法。
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