JP2017188228A - プラズマ生成方法 - Google Patents

プラズマ生成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017188228A
JP2017188228A JP2016074516A JP2016074516A JP2017188228A JP 2017188228 A JP2017188228 A JP 2017188228A JP 2016074516 A JP2016074516 A JP 2016074516A JP 2016074516 A JP2016074516 A JP 2016074516A JP 2017188228 A JP2017188228 A JP 2017188228A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
liquid
plasma
hydrogen peroxide
oxygen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016074516A
Other languages
English (en)
Inventor
博子 村山
Hiroko Murayama
博子 村山
実 江川
Minoru Egawa
実 江川
大山 達史
Tatsufumi Oyama
達史 大山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2016074516A priority Critical patent/JP2017188228A/ja
Publication of JP2017188228A publication Critical patent/JP2017188228A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)
  • Plasma Technology (AREA)

Abstract

【課題】液体の反応性を効率良く高めることができるプラズマ生成方法を提供する。
【解決手段】プラズマ生成方法は、液体2中に第1の気体を供給し、液体2中の第1の気体内でプラズマを生成することで、過酸化水素を生成するステップと、過酸化水素が存在する液体2中に、第1の気体とは異なる第2の気体を供給し、液体2中の第2の気体内でプラズマを生成することで、亜硝酸を生成するステップとを含む。
【選択図】図6

Description

本開示は、プラズマ生成方法に関する。
従来、亜硝酸などの酸性水を生成し、生成した酸性水を洗浄水として利用する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に開示された技術では、空気中で放電することにより、一酸化窒素、二酸化窒素を含む窒素酸化物のガスを生成する。そして、空気中に生成した窒素酸化物を液体中に気泡として混入して、窒素酸化物を液体中に溶解させて亜硝酸が生成される。また、亜硝酸は、酸性下で過酸化水素と反応すると反応性が高い生成物を生成することが知られている。
特開2007−77666号公報
特許文献1に記載の技術では、過酸化水素も生成しているが、亜硝酸の生成を目的としているため、亜硝酸の生成比率が高く、反応性の高い生成物の生成量は少ない。したがって、液体の反応性を効率良く高めることができない。
そこで、本開示は、液体の反応性を効率良く高めることができるプラズマ生成方法を提供する。
上記課題を解決するため、本開示の一態様に係るプラズマ生成方法は、液体中に第1の気体を供給し、前記液体中の前記第1の気体内でプラズマを生成することで、過酸化水素を生成するステップと、前記過酸化水素が存在する前記液体中に、前記第1の気体とは異なる第2の気体を供給し、前記液体中の前記第2の気体内でプラズマを生成することで、亜硝酸を生成するステップとを含む。
本開示によれば、液体の反応性を効率良く高めることができる。
実施の形態1に係るプラズマ生成装置の構成を示す図である。 実施の形態1に係るプラズマ生成器の構成を示す図である。 実施の形態1に係るプラズマ生成装置がプラズマを生成したときに発生する過酸化水素の濃度を、供給する気体毎に示す図である。 実施の形態1に係るプラズマ生成装置がプラズマを生成したときに発生する亜硝酸の濃度を、供給する気体毎に示す図である。 実施の形態1に係るプラズマ生成装置において、供給する気体に含まれる酸素ガスの割合に対する、プラズマを生成したときに発生する亜硝酸の濃度の関係を示す図である。 実施の形態1に係るプラズマ生成装置の動作(プラズマ生成方法)を示すフローチャートである。 実施の形態1に係るプラズマ生成装置において、亜硝酸の生成を開始する直前の過酸化水素の濃度と、インディゴカーミンの分解速度との関係を示す図である。 実施の形態1の変形例に係るプラズマ生成装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態2に係るプラズマ生成装置の構成を示す図である。 実施の形態3に係るプラズマ生成装置の構成を示す図である。 実施の形態4に係るプラズマ生成装置の構成を示す図である。
(本開示の概要)
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係るプラズマ生成方法は、液体中に第1の気体を供給し、前記液体中の前記第1の気体内でプラズマを生成することで、過酸化水素を生成するステップと、前記過酸化水素が存在する前記液体中に、前記第1の気体とは異なる第2の気体を供給し、前記液体中の前記第2の気体内でプラズマを生成することで、亜硝酸を生成するステップとを含む。
これにより、過酸化水素が存在する液体中で亜硝酸を生成することで、液体の反応性を効率良く高めることができる。
また、例えば、前記第1の気体は、酸素ガス、窒素ガス、又は、酸素ガス及び窒素ガスの第1の混合気体であり、前記第1の混合気体における酸素ガスの割合は、0以上0.1以下、又は、0.8以上1.0以下であってもよい。
これにより、過酸化水素を効率良く生成することができる。したがって、液体中の過酸化水素の濃度を短期間で高めることができるので、亜硝酸の生成の開始を早めることができ、液体の反応性を効率良く高めることができる。
また、例えば、前記第2の気体は、酸素ガス及び窒素ガスの第2の混合気体であり、前記第2の混合気体における酸素ガスの割合は、0.1より大きく、0.8より小さくてもよい。
これにより、亜硝酸を効率良く生成することができるので、液体の反応性を効率良く高めることができる。
また、例えば、前記液体は、水を含んでもよい。
これにより、水を元にしてプラズマによって過酸化水素を生成することができる。
また、例えば、前記亜硝酸を生成するステップでは、さらに、前記液体を冷却してもよい。
液体に溶け込んだ亜硝酸は、液体が高温になった場合に硝酸に変化しやすい。このため、本態様では、液体を冷却することで、亜硝酸が硝酸に変化するのを抑制することができるので、亜硝酸を効率良く生成することができる。
また、例えば、前記過酸化水素を生成するステップでは、さらに、前記亜硝酸を生成するステップにおける前記液体の温度より高い温度に前記液体を保ってもよい。
これにより、液体の温度を高めることで、過酸化水素の生成を効率良く行うことができる。
また、例えば、前記亜硝酸を生成するステップでは、さらに、前記液体中に供給した前記第2の気体、及び、前記プラズマによって発生した気体を回収し、回収した気体を前記液体中に供給してもよい。
これにより、プラズマによって発生した窒素酸化物などの気体のうち液体に溶け込まなかった気体を回収して液体に供給するので、より多くの窒素酸化物を液体に溶け込ませることができる。したがって、液体に含まれる亜硝酸の濃度を高めることができ、液体の反応性を効率良く高めることができる。
以下では、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態1)
[1.プラズマ生成装置]
まず、実施の形態1に係るプラズマ生成装置の概要について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係るプラズマ生成装置1の構成を示す図である。図2は、本実施の形態に係るプラズマ生成器10の構成を示す図である。なお、図1及び図2において、実線の矢印は、液体2が流れる向きを示し、破線の矢印は、気体が流れる向きを示している。
本実施の形態に係るプラズマ生成装置1は、液体2中に供給された気体(気泡)3内でプラズマを生成する。プラズマによって生成した過酸化水素(H)及び亜硝酸(HNO)などが液体2に溶け込んで、液体2の反応性を高めることができる。
本実施の形態では、液体2は水(HO)を含んでいる。液体2は、例えば、水道水又は純水などであるが、特に限定されない。液体2は、硝酸などを予め含む水溶液などでもよい。
気体3は、液体2中に供給された気体であり、例えば、空気などである。本実施の形態では、過酸化水素を生成する際には、第1の気体が気体3として液体2中に供給される。亜硝酸を生成する際には、第2の気体が気体3として液体2中に供給される。つまり、本実施の形態では、液体2中に供給される気体3は、生成する物質に応じてガス種又はその割合が異なっている。詳細については、後で説明する。
プラズマ生成装置1は、図1に示すように、プラズマ生成器10と、気体供給装置20と、ガス割合調整装置30と、処理槽40とを備える。さらに、プラズマ生成装置1は、配管50及び51と、気体供給管60と、気体排出管61とを備える。
以下では、プラズマ生成装置1の各構成部材について、その詳細を説明する。
[1−1.プラズマ生成器]
プラズマ生成器10は、気体供給装置20からガス割合調整装置30を介して液体2中に供給された気体3(気泡)内でプラズマを生成する。プラズマ生成器10は、気体3内でプラズマを生成することで、過酸化水素又は窒素酸化物(NO)などの所定の物質を生成する。生成された物質は、液体2中に溶け込んで拡散される。
本実施の形態では、プラズマ生成器10は、第1の気体が供給された場合に、第1の気体内でプラズマを生成することで、過酸化水素を生成する。第1の気体は、例えば、酸素ガス(O)、窒素ガス(N)、又は、酸素ガス及び窒素ガスの第1の混合気体である。第1の混合気体における酸素ガスの割合は、例えば、0以上0.1以下、又は、0.8以上1.0以下である。なお、第1の混合気体における酸素ガスの割合とは、第1の混合気体中の窒素ガスの供給量と酸素ガスの供給量との合計に占める酸素ガスの供給量の割合で示される。
プラズマ生成器10は、第1の気体とは異なる第2の気体が供給された場合に、第2の気体内でプラズマを生成することで、亜硝酸を生成する。具体的には、プラズマによって第2の気体内で窒素酸化物が生成され、生成された窒素酸化物が液体2に溶け込んで亜硝酸が生成される。第2の気体は、例えば、酸素ガス及び窒素ガスの第2の混合気体である。第2の混合気体における酸素ガスの割合は、例えば、0.1より大きく、0.8より小さい。なお、第2の混合気体における酸素ガスの割合とは、第2の混合気体中の窒素ガスの供給量と酸素ガスの供給量との合計に占める酸素ガスの供給量の割合で示される。
このように、第2の混合気体は、酸素ガスの割合が所定の範囲内である窒素ガスと酸素ガスとの混合気体である。第1の混合気体は、第2の混合気体より酸素ガスの割合が小さい、又は、大きい窒素ガスと酸素ガスとの混合気体である。具体的には、第1の混合気体の酸素ガスの割合は、上記所定の範囲外である。
図2に示すように、プラズマ生成器10は、第1電極11と、第2電極12と、絶縁体13と、電源14と、保持ブロック15と、反応槽16とを備える。
[1−1−1.第1電極]
第1電極11は、プラズマ生成器10が備える一対の電極の一方である。第1電極11は、少なくとも一部が反応槽16内に配置されている。第1電極11は、反応電極として用いられ、第2電極12との間に所定の電圧が印加された場合に、周囲にプラズマが生成される。第1電極11には、電源14が接続されている。
図2に示すように、第1電極11は、金属電極部11aと、金属ネジ部11bとを備える。金属ネジ部11bには、貫通孔11cが設けられている。
金属電極部11aは、例えば、タングステンなどの金属材料から形成された円柱状の電極である。金属電極部11aは、筒状の絶縁体13の内部に位置している。具体的には、金属電極部11aは、絶縁体13と接触しないように、側方に所定幅の筒状の空隙13aが設けられている。例えば、金属電極部11aと絶縁体13とは各々の軸が一致している。金属電極部11aの先端は、絶縁体13の開口13bより所定距離(例えば、1mm)だけ後退している。
金属ネジ部11bは、例えば、鉄などの金属材料から形成された円柱状の部材である。金属ネジ部11bは、保持ブロック15に保持されている。金属ネジ部11bの外側面には雄ネジ(図示せず)が設けられ、保持ブロック15に設けられた雌ネジと螺合する。金属ネジ部11bを軸周りに回転させることで、金属ネジ部11bが軸方向に移動可能となる。これにより、金属電極部11aの絶縁体13の開口13bからの後退量(又は突出量)を調整することができる。
貫通孔11cは、空隙13aと連通している。具体的には、貫通孔11cは、一方の端部(後端)がガス割合調整装置30に接続されており、気体3を液体2中に供給する際の気体3の通り道になる。
[1−1−2.第2電極]
第2電極12は、プラズマ生成器10が備える一対の電極の他方である。第2電極12は、少なくとも一部が反応槽16内に配置されている。第2電極12には、電源14が接続されており、第1電極11との間に所定の電圧が印加される。
第2電極12は、例えば、タングステンなどの金属材料から形成された円柱状の電極である。第2電極12は、例えば、第1電極11の金属電極部11aと同じ構成を有する。
図2に示す例では、第2電極12は、第1電極11と対向する位置に配置されているが、これに限らない。例えば、第2電極12は、絶縁体13の外側の側方に配置されていてもよい。
[1−1−3.絶縁体]
絶縁体13は、第1電極11の金属電極部11aを囲むように配置され、金属電極部11aとの間に空隙13aを形成する。空隙13aは、貫通孔11cと連通している。空隙13aは、貫通孔11cを介して気体3が供給された場合に、気体3によって満たされる。これにより、金属電極部11aは、気体3によって覆われる。
絶縁体13は、例えば、アルミナセラミック、石英などから形成される筒状の絶縁体である。絶縁体13の形状は、例えば円筒状であるが、角筒状でもよい。絶縁体13は、開口13bを有する。空隙13aを満たした気体3は、開口13bを介して反応槽16内に放出される。
[1−1−4.電源]
電源14は、第1電極11と第2電極12との間に所定の電圧を印加する。所定の電圧は、具体的には、パルス電圧又は交流電圧である。例えば、所定の電圧は、2kV〜50kV/cm、1Hz〜100kHzの負極性の高電圧パルスである。電圧波形は、例えば、パルス状、正弦半波形及び正弦波状のいずれでもよい。第1電極11と第2電極12との間に流れる電流値は、例えば、1mA〜3Aである。一例として、電源14は、ピーク電圧が4kV、パルス幅が1μs、周波数が30kHzのパルス電圧を印加する。例えば、電源14による入力電力は、30Wである。
[1−1−5.保持ブロック]
保持ブロック15は、第1電極11及び絶縁体13を保持する。保持ブロック15は、金属ネジ部11bの雄ネジに螺合する雌ネジ(図示せず)を有する。保持ブロック15は、例えば、反応槽16に固定されている。なお、保持ブロック15は、反応槽16と一体に形成されてもよく、あるいは、別体で設けられてもよい。
[1−1−6.反応槽]
反応槽16は、液体2が容れられる容器であり、大きさ及び形状はいかなるものでもよい。例えば、反応槽16は、タンクなどの所定の容量を貯めることができる容器であるが、配管の一部などでもよい。
反応槽16は、例えば、耐酸性の樹脂材料又は金属材料などで形成される。例えば、反応槽16は、ポリ塩化ビニル、ステンレス又はセラミックなどから形成される。なお、反応槽16が金属材料で形成される場合には、めっき又は塗装などにより、錆を防止する処理が施されてもよい。また、反応槽16が金属材料で形成される場合には、第1電極11及び第2電極12の短絡を防止するために各々に対して電気的に絶縁されている。あるいは、反応槽16そのものが第2電極12として機能してもよい。
なお、プラズマ生成器10は、例えば、反応槽16を備えなくてもよい。具体的には、第1電極11、第2電極12及び絶縁体13などが配管50などに配置されていてもよい。
[1−2.気体供給装置]
気体供給装置20は、液体2中に供給する気体3の供給源として機能する。本実施の形態では、気体供給装置20は、所定の気体をガス割合調整装置30に供給する。気体供給装置20が供給した気体は、ガス割合調整装置30によって気体の割合が調整された後に、気体供給管60を介してプラズマ生成器10に供給される。
気体供給装置20は、例えば、周囲の空気を取り込んで、ガス割合調整装置30に供給する。気体供給装置20は、酸素ガス、窒素ガス、アルゴンガス(Ar)などを供給してもよい。例えば、第1の気体として酸素ガスのみを液体2中に供給する場合に、気体供給装置20は、酸素ガスだけでなく、アルゴンガスなどの不活性ガスを供給してもよい。
[1−3.ガス割合調整装置]
ガス割合調整装置30は、気体供給装置20から供給された気体の割合を調整する。ガス割合調整装置30は、気体の割合を調整することで、第1の気体と、第1の気体とは異なる第2の気体とを生成して液体2中に気体供給管60を介して供給する。本実施の形態では、ガス割合調整装置30は、気体供給装置20から供給された空気に含まれる酸素ガスの割合及び窒素ガスの割合を調整することで、第1の混合気体及び第2の混合気体を生成して液体2中に供給する。
ガス割合調整装置30は、例えば、酸素富化膜を備える。酸素富化膜は、膜中に気体の分子が溶け込むという性質を有する膜である。膜の端部(出口)を減圧することで、気体の分子(酸素分子、窒素分子)が膜側に引っ張られて膜に溶け込んで、膜内で拡散し、膜の減圧側に離脱する。このとき、酸素分子は、窒素分子よりも膜を通り抜ける速度が速いため、減圧側で取り出した空気の酸素濃度を高めることができる。このため、減圧側で取り出した空気を、例えば、第2の混合気体(酸素ガスの割合が0.1より大きく、0.8より小さい)として利用することができる。
あるいは、ガス割合調整装置30は、中空糸膜を備えてもよい。中空糸膜は、酸素を通しやすい材料を用いて形成されている。例えば、ガス割合調整装置30は、複数の中空糸膜を束ねて収納される円筒状の容器(例えば、シリンダー)を備える。シリンダーの端部の一方から圧縮空気を入れた場合、酸素、二酸化炭素などの分子径の小さい分子は、中空糸膜の側方(外側)に排出され、分子径の大きい窒素は、そのまま中空糸膜を通り抜けて、シリンダーの端部の他方から排出される。
中空糸膜の側方から排出された気体は、酸素ガスの割合の高い気体であり、例えば、第2の混合気体として利用することができる。なお、酸素ガスの割合をさらに高めることで、中空糸膜の側方から排出された気体は、第1の混合気体(酸素ガスの割合が0.8以上)として利用してもよい。中空糸膜を通り抜けた気体は、窒素ガスの割合の高い気体であり、例えば、第1の混合気体(酸素ガスの割合が0.1以下)として利用することができる。
あるいは、ガス割合調整装置30は、圧縮変動吸着法(PSA:Pressure Swing Adsorption)によって酸素ガスの割合を調整してもよい。例えば、酸素を吸着する合成ゼオライトなどの吸着剤を用いて、空気中から酸素ガスを選択的に取り出すことができる。選択的に取り出した酸素ガスを、気体供給装置20から供給された空気、又は、窒素ガスなどと混合することで、第1の混合気体及び第2の混合気体を生成することができる。なお、選択的に取り出した酸素ガスのみを、第1の気体として液体2中に供給してもよい。
[1−4.処理槽]
処理槽40は、液体2を貯めるための容器であり、大きさ及び形状はいかなるものでもよい。例えば、処理槽40は、タンクなどの所定の容量を貯めることができる容器であるが、配管の一部などでもよい。処理槽40には、配管50及び51と気体排出管61とが接続されている。液体2は、配管50から処理槽40に流入し、配管51へ流出する。また、液体2中に溶け込まなかった気体3は、気体排出管61を介して処理槽40から外部に排出される。
処理槽40は、例えば、耐酸性の樹脂材料又は金属材料などから形成される。例えば、処理槽40は、ポリ塩化ビニル、ステンレス又はセラミックなどから形成される。なお、処理槽40が金属材料で形成される場合には、めっき又は塗装などにより、錆を防止する処理が施されていてもよい。
[1−5.配管]
配管50及び51は、液体2の流路を形成するための管状の部材である。配管50及び51は、例えば、パイプ、チューブ又はホースなどの管状の部材である。配管50及び51は、例えば、耐酸性の樹脂材料又は金属材料などから形成されている。例えば、配管50及び51は、ポリ塩化ビニル、ステンレス又はセラミックなどから形成される。
本実施の形態では、配管50及び51はそれぞれ、プラズマ生成器10の反応槽16と処理槽40とを接続している。これにより、反応槽16、配管50、処理槽40、配管51、反応槽16の順で液体2の循環経路が形成されている。
配管50には、反応槽16から処理槽40に向けて、液体2だけでなく、液体2中に供給された気体3、及び、プラズマによって発生した気体(例えば、窒素酸化物)などが流れている。気体3などは、処理槽40で液体2と分離されて気体排出管61を介して外部に排出される。配管51には、処理槽40から反応槽16に向けて液体2が流れている。図示しないが、配管50及び51の少なくとも一方には、液体2を循環させるためのポンプなどの送液装置が設けられている。
[1−6.気体供給管及び気体排出管]
気体供給管60は、液体2中に気体3を供給するための管である。本実施の形態では、気体供給管60は、気体供給装置20とプラズマ生成器10の反応槽16とを接続する管であり、途中にガス割合調整装置30が接続されている。気体供給管60は、図2に示すように、第1電極11の金属ネジ部11bの貫通孔11cに接続されている。これにより、気体供給管60を通る気体3は、貫通孔11c、空隙13a及び開口13bを介して反応槽16内の液体2中に供給される。
気体排出管61は、気体3を外部に排出するための管である。本実施の形態では、気体排出管61は、処理槽40に接続されている。気体排出管61は、反応槽16から液体2と共に処理槽40に流れてきた気体3を外部に排出する。
気体供給管60及び気体排出管61は、酸素及び窒素などに対して不活性な材料から形成される。なお、気体排出管61は、さらに、窒素酸化物などに対して不活性な材料から形成される。例えば、気体供給管60及び気体排出管61は、配管50などと同じ材料を用いて形成される。
[2.ガス種と生成される物質との関係]
ここで、液体2中に供給する気体3のガス種と、生成される物質との関係について説明する。
図3は、本実施の形態に係るプラズマ生成装置1がプラズマを生成したときに発生する過酸化水素の濃度を、供給する気体毎に示す図である。図3において、横軸は、放電時間(プラズマ処理時間)を示し、縦軸は、過酸化水素の濃度を示している。三角のプロットは、気体3として大気(すなわち、酸素ガスの割合が約2割の窒素ガスと酸素ガスとを含む混合気体)を供給した場合を示している。四角のプロット及び菱型のプロットはそれぞれ、窒素ガスのみ、酸素ガスのみを気体3として供給した場合を示している。
図3に示すように、気体3が大気である場合、過酸化水素はほとんど生成されていない。一方で、気体3が窒素ガスである場合、過酸化水素の濃度は、放電時間が約30分までは放電時間に応じて上昇し、その後は、略一定の濃度で飽和している。また、気体3が酸素ガスである場合、過酸化水素の濃度は、放電時間に応じて上昇している。
したがって、窒素ガスのみ又は酸素ガスのみを気体3として供給した場合には、過酸化水素を生成することができる。また、酸素ガスのみを気体3として供給した場合には、窒素ガスのみを供給する場合に比べて、短期間でより多くの過酸化水素を生成することができる。一方で、大気(空気)を気体3として供給したとしても、過酸化水素を生成することができない。
図4は、本実施の形態に係るプラズマ生成装置1がプラズマを生成したときに発生する亜硝酸の濃度を、供給する気体毎に示す図である。図4において、横軸は、放電時間(プラズマ処理時間)を示し、縦軸は、亜硝酸イオンの濃度を示している。三角、四角、菱型の各プロットは、図3と同様である。
図4に示すように、気体3が窒素ガスのみ又は酸素ガスのみである場合、亜硝酸イオンはほとんど生成されていない。一方で、気体3が大気である場合、放電時間に応じて亜硝酸イオンの濃度が上昇している。
したがって、酸素ガスのみ又は窒素ガスのみを気体3として供給したとしても、亜硝酸を生成することができないことが分かる。亜硝酸を生成するためには、所定の割合以上の酸素ガスを含む酸素ガスと窒素ガスとの混合気体を気体3として供給すればよい。
図3及び図4に示した結果から、酸素ガスと窒素ガスとの混合気体において、酸素ガスの割合を変化させることで、プラズマを生成したときに生成される物質を変化させることができることが分かる。
そこで、酸素ガスと窒素ガスとを含む混合気体において、酸素ガスの割合を変化させた場合に、生成される亜硝酸イオンの濃度を測定した。測定結果を図5に示す。
図5は、本実施の形態に係るプラズマ生成装置1において、供給する気体に含まれる酸素ガスの割合に対する、プラズマを生成したときに発生する亜硝酸の濃度の関係を示す図である。横軸が、気体3に含まれる酸素ガスの割合を示し、縦軸は、亜硝酸イオンの濃度を示している。なお、図5には、参考として、空気(酸素ガスの割合が約0.21)を利用したときの亜硝酸イオンの濃度も示している(三角のプロット)。
図5に示すように、酸素ガスの割合が0又は1などの場合、亜硝酸はほとんど生成されていない。これは、図4に示した結果と同じである。一方で、酸素ガスの割合が0.1より大きく0.8より小さい範囲では、亜硝酸イオンの濃度が9mmol/L〜15mmol/Lである。
以上のことから、酸素ガスの割合が約0.21の大気(空気)に限らず、窒素ガスと酸素ガスとの混合気体であって、酸素ガスの割合が0.1より大きく0.8より小さい混合気体(すなわち、第2の混合気体)を気体3として供給した場合でも、亜硝酸を充分に生成することができる。
[3.動作]
続いて、本実施の形態に係るプラズマ生成装置1の動作(プラズマ生成方法)について、図6を用いて説明する。図6は、本実施の形態に係るプラズマ生成装置1の動作を示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、プラズマ生成装置1は、第1の気体を供給しながらプラズマを生成することで過酸化水素を生成する(S10)。具体的には、プラズマ生成装置1は、液体2中に気体3として酸素ガス(第1の気体)を供給し、供給した酸素ガス内でプラズマを生成することで、過酸化水素を生成する。
例えば、気体供給装置20が周囲の空気を取り込んでガス割合調整装置30に供給する。ガス割合調整装置30は、供給された気体に含まれる酸素ガスの割合を0.8以上に高めて反応槽16に供給する。プラズマ生成器10では、電源14が第1電極11と第2電極12との間に電圧を印加することで、供給された気体内でプラズマを生成する。供給された気体に含まれる酸素ガスの割合が0.8以上であるので、図5に示すように、過酸化水素を生成することができる。
過酸化水素の生成は、予め定められた所定期間が経過するまで行われる(S15でNo)。ここで、所定期間は、液体2中の過酸化水素の濃度が10ppm以上になるまでに要する時間である。所定期間は、液体2の容量、印加する電圧などに基づいて定められる。
所定期間が経過した場合(S15でYes)、プラズマ生成装置1は、供給する気体を変更する(S20)。具体的には、プラズマ生成装置1は、第1の気体から第2の気体に変更する。例えば、ガス割合調整装置30は、供給する気体に含まれる酸素ガスの割合を0.1より大きく、0.8より小さくすることで、第2の気体を液体2中に供給する。
なお、プラズマ生成装置1の全体の動作を制御する制御回路(図示せず)は、例えば、タイマを有している。制御回路は、電圧の印加を開始してから所定期間が経過した場合に、ガス割合調整装置30を制御することで、供給する気体を第1の気体から第2の気体に変更させる。
例えば、ガス割合調整装置30は、酸素ガスの割合を高めた第1の気体と、気体供給装置20から供給された空気とを混合することで、第2の気体を生成する。あるいは、ガス割合調整装置30は、空気から酸素ガスと窒素ガスとを分離した場合には、分離した酸素ガスと窒素ガスとを再び混合して第2の気体として供給してもよい。あるいは、ガス割合調整装置30は、気体供給装置20から供給された空気をそのまま供給してもよい。
プラズマ生成装置1は、第2の気体を供給しながらプラズマを生成することで亜硝酸を生成する(S30)。具体的には、ガス割合調整装置30から供給された第2の気体中でプラズマを生成することで、亜硝酸を生成する。
なお、本実施の形態では、電源14が印加する電圧は、過酸化水素を生成する工程(S10)と亜硝酸を生成する工程(S30)とで同じである。つまり、各々の工程に専用の電源を備えなくてよく、プラズマ生成装置1は、単一の電源14を備えればよい。これにより、プラズマ生成装置1を小型化することができる。
[4.効果など]
続いて、本実施の形態に係るプラズマ生成装置1による効果について説明する。
発明者は、亜硝酸の生成を開始する前に液体2中に含まれる過酸化水素の濃度(以下、初期濃度と記載する)と、亜硝酸を生成した後の液体2の反応性との関係を調べるために、以下の実験を行った。
具体的には、まず、初期濃度が10ppmのインディゴカーミンと、所定の初期濃度の過酸化水素とを含む、水量100mLの液体2を用意した。ここでは、5種類の液体2を用意し、各々の液体2に含まれる過酸化水素の初期濃度は、0ppm、3ppm、30ppm、300ppm、3000ppmである。液体2の導電率は、いずれも20mS/mであった。用意した5種類の液体2の各々に対して、上述したプラズマ生成装置1を用いて、大気(空気)を供給しながら投入電力30Wでプラズマを生成した。このときの液体2に含まれるインディゴカーミンの分解速度を測定した。測定結果を図7に示す。
図7は、本実施の形態に係るプラズマ生成装置1において、亜硝酸の生成を開始する直前の過酸化水素の濃度に対する、プラズマを生成したときに発生する亜硝酸の濃度の関係を示す図である。図7では、横軸は、亜硝酸の生成を開始する直前の過酸化水素の濃度を示し、縦軸は、インディゴカーミンの分解速度を示している。
図7に示すように、過酸化水素の初期濃度が3ppmの場合、インディゴカーミンの分解速度は、0.54ppm/minであった。なお、横軸が対数目盛であるために図示していないが、過酸化水素の初期濃度が0ppmである場合、インディゴカーミンの分解速度は、0.49ppm/minであった。
なお、参考のために、3000ppmの濃度の過酸化水素のみを含む液体であって、プラズマ処理をしていない液体についても実験した結果を図7には示している(四角のプロット)。プラズマ処理をしていない液体では、インディゴカーミンの分解は見られなかった。このため、過酸化水素の初期濃度が低い場合であっても、プラズマ処理をすることでインディゴカーミンの分解を行うことができることが分かる。
さらに、図7に示すように、過酸化水素の初期濃度が30ppmより大きい範囲では、インディゴカーミンの分解速度が急速に上昇している。例えば、過酸化水素の初期濃度が300ppmの場合は、インディゴカーミンの分解速度が1.32ppm/minとなり、初期濃度が3ppm以下の場合の2倍以上の分解速度が得られた。
以上のことから、亜硝酸の生成を開始する前に、液体2の過酸化水素の濃度を高めておくことで、液体2の反応性を高めることができることが分かる。例えば、液体2の過酸化水素の濃度が10ppm以上である場合には、液体2の反応性を効率良く高めることができる。
本実施の形態に係るプラズマ生成装置1は、液体2中に第1の気体を供給し、液体2中の第1の気体内でプラズマを生成することで、過酸化水素を生成するステップと、過酸化水素が存在する液体2中に、第1の気体とは異なる第2の気体を供給し、液体2中の第2の気体内でプラズマを生成することで、亜硝酸を生成するステップとを含む。
これにより、第1の気体を供給することで液体2中に過酸化水素を溶け込ませることができ、液体2中の過酸化水素の濃度を高めることができる。プラズマ生成装置1では、液体2中に過酸化水素が存在する状態で、第2の気体を供給して亜硝酸を生成するので、図7で示したように、液体2の反応性を効率良く高めることができる。
また、過酸化水素の生成と亜硝酸の生成とは、供給する気体の種別を変更するだけでよいので、簡易な構成のデバイスで上記効果を得ることができる。したがって、例えば、プラズマ生成装置1の小型化及び軽量化を実現することができる。
[5.変形例]
図6に示す例では、制御回路がタイマを有し、所定期間が経過したか否かに基づいて、供給する気体を第1の気体から第2の気体に変更する例について示したが、制御回路は、過酸化水素の濃度を測定するセンサを有してもよい。センサは、反応槽16又は処理槽40に設けられ、液体2に含まれる過酸化水素の濃度を測定する。
図8は、本実施の形態の変形例に係るプラズマ生成装置1の動作を示すフローチャートである。図8に示す例では、図6と比較して、ステップS15の代わりに、ステップS15aが行われる。
具体的には、本変形例では、過酸化水素の濃度を測定するセンサからの測定結果に基づいて、過酸化水素の濃度が10ppm以上になるまで、過酸化水素の生成を行う(S15aでNo)。過酸化水素の濃度が10ppm以上になった場合(S15aでYes)、プラズマ生成装置1は、供給する気体を第1の気体から第2の気体に変更する(S20)。
なお、本変形例では、過酸化水素の濃度が10ppmより大きい所定の閾値を超えた場合に、供給する気体を変更してもよい。図7で示したように、過酸化水素の初期濃度が高い程、液体2の反応性を高めることができる。したがって、液体2に要求される反応性に応じて、過酸化水素の初期濃度の閾値を適宜変更してもよい。
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2に係るプラズマ生成装置について説明する。
図9は、本実施の形態に係るプラズマ生成装置101の構成を示す図である。図9に示すように、本実施の形態に係るプラズマ生成装置101は、図1に示す実施の形態1に係るプラズマ生成装置1と比較して、さらに、温度調整装置70を備える点が相違する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、同じ点については説明を省略又は簡略化する。
温度調整装置70は、液体2の温度を調整する装置である。温度調整装置70は、液体2を所定の温度に保つことができる。
本実施の形態では、温度調整装置70は、亜硝酸を生成する工程(図6のステップS30)では、液体2を冷却する。具体的には、温度調整装置70は、処理槽40を冷却することで、内部に貯められる(循環される)液体2を冷却する。冷却温度は、例えば、5℃〜20℃である。一例として、温度調整装置70は、液体2を10℃の温度に冷却し、この温度を維持する。温度調整装置70の冷却方式は、空冷式及び水冷式のいずれでもよい。
液体2に溶け込んだ亜硝酸は、液体2の温度が高くなると、硝酸に変化する。温度調整装置70は、液体2の温度を低く保つことで、亜硝酸が硝酸に変化するのを抑制することができる。
また、温度調整装置70は、過酸化水素を生成する工程(図6のステップS10)では、亜硝酸を生成する工程における液体2の温度より高い温度に液体2を保つ。例えば、温度調整装置70は、液体2を室温〜40℃に保つ。これにより、過酸化水素を効率良く生成することができる。
以上のように、本実施の形態に係るプラズマ生成装置101によれば、過酸化水素を生成する工程(ステップS30)と亜硝酸を生成する工程(ステップS10)とにおいて、各々の工程に適した温度に液体2を保つことができる。これにより、過酸化水素及び亜硝酸をそれぞれ効率良く生成することができるので、液体2の反応性を効率良く高めることができる。
なお、図9に示す例では、温度調整装置70は、処理槽40の温度を調整するが、これに限らない。温度調整装置70は、プラズマ生成器10(具体的には、反応槽16)の温度を調整してもよい。あるいは、温度調整装置70は、配管50又は51の温度を調整してもよい。
(実施の形態3)
続いて、実施の形態3に係るプラズマ生成装置について説明する。
図10は、本実施の形態に係るプラズマ生成装置102の構成を示す図である。図10に示すように、本実施の形態に係るプラズマ生成装置102は、図1に示す実施の形態1に係るプラズマ生成装置1と比較して、さらに、気液接触部材80を備える点が相違する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、同じ点については説明を省略又は簡略化する。
気液接触部材80は、プラズマが生成した窒素酸化物(気体3)と液体2とを接触させることで、液体2への窒素酸化物の溶け込みを促進し、亜硝酸の生成を促進する。具体的には、気液接触部材80は、窒素酸化物と液体2との接触面積又は接触時間を増やす部材である。
気液接触部材80は、チューブ、ホース又はパイプなどの中空の長い管である。具体的には、気液接触部材80は、ロール状に巻かれたホースである。例えば、気液接触部材80は、管の内径に対する管の長さの比が50以上の管である。
気液接触部材80は、液体2の循環経路において、プラズマ生成器10より下流側に配置されている。具体的には、図10に示すように、気液接触部材80は、配管50に設けられている。気液接触部材80の内部を液体2と気体3とが通過することで、プラズマ生成器10から処理槽40までの距離を長くすることができる。これにより、プラズマによって発生した窒素酸化物と液体2との接触時間が長くなるので、窒素酸化物の液体2への溶け込みが促進される。
なお、気液接触部材80は、処理槽40に設けられていてもよい。例えば、気液接触部材80は、窒素酸化物(気体3)と液体2との接触面積を増やすためのフィルタでもよい。例えば、気液接触部材80は、多孔質膜などでもよい。液体2と気体3とが多孔質膜を通過することにより、気体3が細分化されて、液体2との接触面積を増加させることができる。
気液接触部材80は、例えば、耐酸性の樹脂材料又は金属材料から形成される。例えば、気液接触部材80は、ポリ塩化ビニル、ステンレス又はセラミックなどから形成される。
以上のように、本実施の形態に係るプラズマ生成装置102によれば、窒素酸化物の液体2への溶け込みが促進されるので、液体2中の亜硝酸の濃度を高めることができる。これにより、液体2の反応性を効率良く高めることができる。
(実施の形態4)
続いて、実施の形態4に係るプラズマ生成装置103について説明する。
図11は、本実施の形態に係るプラズマ生成装置103の構成を示す図である。図11に示すように、本実施の形態に係るプラズマ生成装置103は、図1に示す実施の形態1に係るプラズマ生成装置1と比較して、さらに、気体回収管90を備える点が相違する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、同じ点については説明を省略又は簡略化する。
気体回収管90は、液体2中に供給した気体3、及び、プラズマによって発生した気体(例えば、窒素酸化物)を回収し、回収した気体を液体2中に供給するための管である。本実施の形態では、図11に示すように、気体回収管90は、気体排出管61と気体供給管60とを接続している。具体的には、実施の形態1では気体排出管61から排出されていた気体が、気体回収管90を介して、気体供給管60へ回収される。気体供給管60へ回収された気体は、再び反応槽16に供給される。
気体回収管90は、酸素、窒素及び窒素酸化物などに対して不活性な材料から形成される。例えば、気体回収管90は、配管50などと同じ材料を用いて形成される。
以上のように、本実施の形態に係るプラズマ生成装置103によれば、プラズマによって発生した窒素酸化物などの気体のうち液体2に溶け込まなかった気体を回収して液体2に供給するので、より多くの窒素酸化物を液体2に溶け込ませることができる。したがって、液体2に含まれる亜硝酸の濃度を高めることができ、液体2の反応性を効率良く高めることができる。
(他の実施の形態)
以上、1つ又は複数の態様に係るプラズマ生成方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、及び、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
例えば、上記の実施の形態では、ガス割合調整装置30が酸素富化膜などの空気から酸素ガスの割合を高める、又は、低くすることで、第1の混合気体及び第2の混合気体を生成したが、これに限らない。例えば、気体供給装置20は、ガスボンベなどの酸素ガスの供給源と窒素ガスの供給源とを有してもよい。ガス割合調整装置30は、酸素ガスの供給源及び窒素ガスの供給源の各々に設けられたバルブなどを調整することで、酸素ガスのみ、窒素ガスのみ、又は、酸素ガスと窒素ガスとの混合気体を液体2に供給してもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、1つのプラズマ生成器10が過酸化水素の生成と亜硝酸の生成とを行ったが、これに限らない。プラズマ生成装置1は、複数のプラズマ生成器10を備えてもよい。複数のプラズマ生成器10の1つが過酸化水素を生成し、他の1つが亜硝酸を生成してもよい。
また、上記の各実施の形態は、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、液体の反応性を効率良く高めることができるプラズマ生成方法として利用でき、例えば、殺菌方法、液体の浄化方法、材料の加工方法などに利用することができる。
1、101、102、103 プラズマ生成装置
2 液体
3 気体
10 プラズマ生成器
11 第1電極
11a 金属電極部
11b 金属ネジ部
11c 貫通孔
12 第2電極
13 絶縁体
13a 空隙
13b 開口
14 電源
15 保持ブロック
16 反応槽
20 気体供給装置
30 ガス割合調整装置
40 処理槽
50、51 配管
60 気体供給管
61 気体排出管
70 温度調整装置
80 気液接触部材
90 気体回収管

Claims (7)

  1. 液体中に第1の気体を供給し、前記液体中の前記第1の気体内でプラズマを生成することで、過酸化水素を生成するステップと、
    前記過酸化水素が存在する前記液体中に、前記第1の気体とは異なる第2の気体を供給し、前記液体中の前記第2の気体内でプラズマを生成することで、亜硝酸を生成するステップとを含む
    プラズマ生成方法。
  2. 前記第1の気体は、酸素ガス、窒素ガス、又は、酸素ガス及び窒素ガスの第1の混合気体であり、
    前記第1の混合気体における酸素ガスの割合は、0以上0.1以下、又は、0.8以上1.0以下である
    請求項1に記載のプラズマ生成方法。
  3. 前記第2の気体は、酸素ガス及び窒素ガスの第2の混合気体であり、
    前記第2の混合気体における酸素ガスの割合は、0.1より大きく、0.8より小さい
    請求項1又は2に記載のプラズマ生成方法。
  4. 前記液体は、水を含む
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラズマ生成方法。
  5. 前記亜硝酸を生成するステップでは、さらに、前記液体を冷却する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマ生成方法。
  6. 前記過酸化水素を生成するステップでは、さらに、前記亜硝酸を生成するステップにおける前記液体の温度より高い温度に前記液体を保つ
    請求項5に記載のプラズマ生成方法。
  7. 前記亜硝酸を生成するステップでは、さらに、前記液体中に供給した前記第2の気体、及び、前記プラズマによって発生した気体を回収し、回収した気体を前記液体中に供給する
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のプラズマ生成方法。
JP2016074516A 2016-04-01 2016-04-01 プラズマ生成方法 Pending JP2017188228A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016074516A JP2017188228A (ja) 2016-04-01 2016-04-01 プラズマ生成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016074516A JP2017188228A (ja) 2016-04-01 2016-04-01 プラズマ生成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017188228A true JP2017188228A (ja) 2017-10-12

Family

ID=60045695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016074516A Pending JP2017188228A (ja) 2016-04-01 2016-04-01 プラズマ生成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017188228A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6529705B1 (ja) * 2018-07-24 2019-06-12 三菱電機株式会社 水処理システム及び水処理方法
WO2023162102A1 (ja) * 2022-02-24 2023-08-31 株式会社Fuji プラズマ照射装置、およびプラズマ処理液体製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6529705B1 (ja) * 2018-07-24 2019-06-12 三菱電機株式会社 水処理システム及び水処理方法
WO2020021635A1 (ja) * 2018-07-24 2020-01-30 三菱電機株式会社 水処理システム及び水処理方法
WO2023162102A1 (ja) * 2022-02-24 2023-08-31 株式会社Fuji プラズマ照射装置、およびプラズマ処理液体製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6734621B2 (ja) オゾン水供給方法及びオゾン水供給装置
JP6095203B2 (ja) 水素生成装置及び水素生成装置を備えた燃料電池システム
JP5779321B2 (ja) 高濃度オゾン水の製造方法及び高濃度オゾン水の製造装置
US9856144B2 (en) Nitrous acid generator
JP4997491B2 (ja) No発生装置
JP6678338B2 (ja) 液体処理装置
JP2016064386A (ja) ガス溶解水製造装置および製造方法
Yamatake et al. Water treatment by fast oxygen radical flow with DC-driven microhollow cathode discharge
JP2017188228A (ja) プラズマ生成方法
JP2013206767A (ja) プラズマ生成方法及び装置
SG194658A1 (en) Plasma generating method and generating device
JP2014117628A (ja) 循環式オゾン水供給方法、及び循環式オゾン水供給装置
SG10201900882TA (en) Gas-dissolved liquid producing apparatus
JP6917597B2 (ja) 接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する装置および接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する方法
JP2016002533A (ja) 原水に含まれる溶存酸素を原料としてオゾン水を製造するオゾン水の製造装置及びオゾン水の製造方法
KR102576749B1 (ko) 수중 플라즈마 발생을 이용한 질소산화물 함유 수 제조 장치 및 그 제조 방법
JP6643649B2 (ja) プラズマ生成装置
JP2016215189A (ja) プラズマ処理水無害化装置及びプラズマ処理水無害化方法
JP2015167903A (ja) ガス処理装置
RU107161U1 (ru) Плазмохимотрон
Byun et al. Effect of hydrogen generated by dielectric barrier discharge of NH3 on selective non-catalytic reduction process
JP6529705B1 (ja) 水処理システム及び水処理方法
JP2012197205A (ja) 二酸化窒素製造方法および二酸化窒素製造装置
Sakoda et al. Development of novel ozonizer using micro-barrier discharges formed in water
Sakoda et al. Ozone generation using micro barrier discharge in water