JP2012197205A - 二酸化窒素製造方法および二酸化窒素製造装置 - Google Patents

二酸化窒素製造方法および二酸化窒素製造装置 Download PDF

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Abstract


【課題】本発明は、従来の非工業的二酸化窒素製造法と比べて、高いエネルギー消費効率で、大量かつ高濃度の二酸化窒素(NO)ガスを高速かつ安価に製造する方法及び製造装置
を提供することを目的とする。
【解決手段】 亜酸化窒素(NO)ガス及び亜酸化窒素(NO)ガスを混合したガスのいずれかから選択される少なくとも1種を含む原料ガスを活性化状態とし、活性化された後のガスを捕集することにより、二酸化窒素(NO)ガスを得ることを特徴とする、二酸化窒素ガス製造方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガス殺菌・滅菌や化学物質製造の原料、物体表面の洗浄や改質に用いて好適な、高濃度の二酸化窒素(NO)ガスの製造方法および製造装置に関する。
二酸化窒素(NO)ガスは高い反応性を有するため、化学物質を製造する際の原料として大量に生産され、大量に消費されている。また、化学実験においても、原料ガスとして高い頻度で用いられるガスである。
近年では、二酸化窒素(NO)ガスは広範の細菌に対して、殺菌・滅菌作用を有することが注目され、オゾンガスやエチレンオキサイドガス、ホルムアルデヒドに代わる殺菌・滅菌用ガスとして注目されている。二酸化窒素(NO)ガスが、エチレンオキサイドガスやホルムアルデヒドに比べて、人体に対する毒性が低いこと、環境中で速やかに分解除去あるいは水圏中に溶解し無害化されること、殺菌・滅菌対象物を変質させる程度が低いこと、などの特徴を有することから、たとえば手術室や製薬工場などの大空間を殺菌・滅菌するのに最適なガスといえる。
加えて、二酸化窒素(NO)ガスは高い酸化力を有するため、低濃度では脱臭効果、高濃度では漂白効果を示す。特に湿度が高い条件下、あるいは水に濡れている表面に対しては、二酸化窒素(NO)ガスが水分に吸収され、亜硝酸と硝酸を生じ脱臭効果、殺菌効果、漂白効果が顕著に現れる。このため、たとえばトイレのような空間に二酸化窒素(NO)ガスを噴霧することで、脱臭効果と殺菌効果の両方が期待できる。
ところが、純度の高い二酸化窒素(NO)ガスをボンベに封入することは一般的ではなく、市場流通していない。また、ガスボンベに封入された99.99%の二酸化窒素(NO)ガスの価格は10Lで23万円程度ときわめて高価であるため、大空間の殺菌用途で使用するのには適していない。
加えて、純度の高い二酸化窒素(NO)ガスは高い酸化力を持つため、ガスボンベに封入した際に、ボンベ構造材や減圧弁などを腐食させるので、安全面からも問題が多い。
こうした問題点から、二酸化窒素(NO)を消費されるところで製造し、製造直後に消費するという形態が一般的である。
製薬工場における新しい微生物制御システムの提案, 阿久津東眞, 三宅康夫, PHARM TECH JAPAN Vol. 26, No. 7 (89(1143)-93(1147)), 2010
従来の非工業的二酸化窒素製造方法には、空気中でコロナ放電あるいはグロー放電を発生させ空気中の酸素と窒素を化合させる手法、あるいは硝酸に銅版を投じて発生する一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO)の混合物を酸素で酸化して二酸化窒素(NO)にする手法がある。しかし、前者は高濃度の二酸化窒素(NO)を得ることが原理的に困難であり、後者は硝酸の価格が高いため実験室レベルでの製造に限られる。また、両者とも、製造量が少なく、消費するエネルギーも大きいという問題を有する。
こうした問題に対し、殺菌・滅菌用の二酸化窒素(NO)製造装置として、空気をプラズマ生成用ガスとし、マイクロ波により大気圧下でプラズマを生成し、酸素と窒素を直接化合させて二酸化窒素(NO)を得る手法が開発されている(非特許文献1参照)。しかし、本手法ではマイクロ波によるプラズマ生成のため、プラズマのガス温度が低くエネルギー利用効率の高い二酸化窒素(NO)製造方法とはならない。加えて、空気を原料としているので、窒素、酸素、二酸化窒素(NO)の化学平衡条件を超える濃度の二酸化窒素(NO)を製造することは理論上不可能である。
以上のような点に鑑み、本発明は、従来の非工業的二酸化窒素製造方法と比べて、高いエネルギー消費効率で、大量かつ高濃度の二酸化窒素(NO)ガスを高速かつ安価に製造する方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、原料ガスとして亜酸化窒素(NO)ガスを用いることにより、上記課題が解決されるという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る二酸化窒素ガス製造方法は、亜酸化窒素(NO)ガス及び亜酸化窒素(NO)ガスを混合したガスのいずれかから選択される少なくとも1種からなる原料ガスを活性化状態とし、二酸化窒素(NO)ガスを得ることを特徴とする。
本発明によれば、あらゆる発生方式のプラズマでも窒素、酸素、二酸化窒素(NO)の化学平衡条件を超える濃度の二酸化窒素(NO)を製造することが理論上可能である。
また、大気圧プラズマとして数MHzから数十MHzの高周波電力を誘導的にプラズマ生成用ガスに供給してプラズマを生成する誘導結合プラズマを用いると、わずかな電力でも高温のプラズマがを得られるため、高いエネルギー消費効率で高濃度の二酸化窒素(NO)を高速かつ大量に製造することが可能である。
更に、原料として混合する亜酸化窒素(NO)ガスは、圧縮すると常温では液体となるため、液化ガスとしてガスボンベに封入することができ、通常の圧縮ガスに比べて一度に多量のガスを運搬することができる。このため、原料ガスを安価に安全に輸送、供給することが可能である。また、液化亜酸化窒素(NO)ガスは、麻酔用のガスとして一般に流通しているため、安価であり、流通のインフラも整備されており、新たな流通システムを構築する必要がない。
本発明に係る二酸化窒素ガス製造方法においては、前記原料ガスを大気圧又は大気圧近傍の圧力下でプラズマ化することで、活性化状態を得ることを特徴とする。
本発明によれば、原料ガスに亜酸化窒素を混合させることで、プラズマの温度が上昇し、少ない投入エネルギーで高い活性化状態を得ることができ、その結果高いエネルギー消費効率で高濃度の二酸化窒素(NO)を高速かつ大量に製造することができる。
本発明に係る二酸化窒素ガス製造方法においては、 前記原料ガスを活性化状態とし、活性化された当該原料ガスを一時的に容器、または配管内に滞留させ二酸化窒素(NO)ガスを得ることを特徴とする。
本発明によれば、プラズマ化された原料ガスを、一定の時間内容器内にとどめることで、プラズマ中で発生した一酸化窒素(NO)を二酸化窒素(NO)に自然酸化させ、より高濃度の二酸化窒素(NO)ガスを得ることができる。
本発明に係る二酸化窒素ガス製造方法においては、前記原料ガスを活性化状態とし、活性化された当該原料ガスを保温し、二酸化窒素(NO)ガスを得ることを特徴とする。
本発明によれば、プラズマ化された原料ガスを、保温された条件下でとどめることで、プラズマ中で発生した一酸化窒素(NO)を二酸化窒素(NO)に自然酸化させ、より高濃度の二酸化窒素(NO)ガスを得ることができる。
本発明に係る二酸化窒素ガス製造方法においては、 前記原料ガスを活性化状態とし、活性化された当該原料ガスに酸素又は空気を混合することで二酸化窒素(NO)ガスを得ることを特徴とする。
本発明によれば、プラズマ化された原料ガスに、空気もしくは酸素を混合することで、プラズマ中で発生した一酸化窒素(NO)を二酸化窒素(NO)に酸化させ、より高濃度の二酸化窒素(NO)ガスを得ることができる。
本発明は、原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、当該原料ガスをプラズマ化する活性化手段と、プラズマ発生に必要なエネルギーを供給する手段と、プラズマ化された当該原料ガスを捕集する手段とを備え、前記活性化手段により亜酸化窒素(NO)ガス及び亜酸化窒素(NO)ガスを混合したガスのいずれかから選択される少なくとも1種からなる原料ガスを活性化状態とすることを特徴とする、二酸化窒素製造装置も提供する。
(1)本発明は、高いエネルギー消費効率で、二酸化窒素(NO)ガスを製造できる。
(2)また、本発明は大量の二酸化窒素ガス(NO)を製造できる。
(3)また、本発明は高速で二酸化窒素ガス(NO)を製造できる。
(4)また、本発明は安価に二酸化窒素ガス(NO)を製造できる。
(5)また、本発明は液化亜酸化窒素(NO)ガスを原料とすることで、原料の価格を低価格に抑えることができる。
(6)また、本発明は液化亜酸化窒素(NO)ガスを原料とすることで、流通コストを低減可能である。
(7)本発明は液化亜酸化窒素(NO)ガスを原料とすることで、新規のインフラの整備が不要である。
亜酸化窒素(NO)の熱平衡時における状態図 本発明に係る亜酸化窒素(NO)ガスを原料とする二酸化窒素ガス製造方法の具体的な実施の形態の説明図 本発明の実施形態にかかわる装置の概略図 図3においてプラズマを発生したときの様子を示す写真図 図2の亜酸化窒素(NO)ガスを原料とする二酸化窒素ガス製造方法により得られた二酸化窒素(NO)濃度とプラズマに印加された電力の関係を示すグラフの図 プラズマ発生装置から排出されるガスを貯留した経過時間と、ガス中に含まれる一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO)濃度の関係を示すグラフの図
以下、本発明の二酸化窒素製造方法および二酸化窒素製造装置について、図1から図6を用いて説明する。
本発明の実施の形態においては、亜酸化窒素(NO)ガスを含む原料ガスを活性化状態とし、活性化された後のガスを再度捕集することで二酸化窒素(NO)ガスを得る手法であれば特に限定されない。製造効率を考慮すると、当該原料ガスをプラズマ発生部において大気圧又は大気圧近傍の圧力下でプラズマ化することが好ましい。
尚、本発明において、活性化状態とは、窒素(N)や酸素(O)、亜酸化窒素(NO)が一部解離し、その一部が励起している状態をいう。
本発明において用いられる原料ガスは、少なくとも亜酸化窒素(NO)ガスを含み、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよいものである。
当該原料ガス中の亜酸化窒素(NO)ガスの含有量としては、5〜100%であることが好ましく、更に15〜30%であることが好ましい。
まず、本実施形態における原理を説明する。本実施形態で用いるプラズマトーチ内のプラズマの回転温度を、OHの回転スペクトルである307.30 nm, 307.44 nm, 307.70 nm, 308.40nm,308.90 nmの発光強度を測定し、この値をボルツマンプロット法により温度を算出した。その結果、空気のみをプラズマ発生用ガスとして用いた場合3323Kであるが、亜酸化窒素(NO)ガスを25%と空気を75%含むプラズマ発生用ガスを用いた場合、7857Kであった。
図1は、NOと温度との関係を数値計算した結果をグラフにしたものである。すなわち、図1のグラフは時間的にも温度的にも完全な熱平衡を仮定した場合のNOの状態図であり、NOを何度に固定するとどんな状態で存在するかを示したものである。これによると、7000K以上ではプラズマトーチ内のプラズマ中には安定なNとOが存在しているものと考えられる。徐々に温度を下げていくとNとOが減少していく一方、N、O、NO等が混在した成分状態に変化していくことが分かる。NOについては、約6000℃から約4000℃に温度が低下する間に増加していることが分かる。
以上のことから、プラズマトーチの内部でプラズマ化されるとともに分解されたNOの一部が、プラズマトーチ内のプラズマの発生方向における下流側に移動し、プラズマトーチの外部に排出されて冷却される過程でNOに変化し、さらに、このNOが酸化されて安定なNO(二酸化窒素)として捕集される。
このとき、空気のみをプラズマ発生ガスとしてプラズマ化した場合、プラズマの回転温度が3323Kであるため、図1が示すようにNOの生成はグラフの山の左側部分のみがNOの生成に寄与するにとどまるが、亜酸化窒素(NO)ガスを25%と空気を75%含むプラズマ発生用ガスを用いた場合は回転温度が7857Kであるため、NOの生成はグラフの山全体がNOの生成に寄与する。このため、空気のみをプラズマ発生ガスとして用いた場合より、大量のNOが、すなわちNOを得ることが可能となる。
また、図1のグラフは亜酸化窒素(NO)が100%の条件での状態図であるが、7000K以上ではプラズマトーチ内のプラズマ中には安定なNとOが存在していることを示している。すなわちこれは、窒素と酸素の混合物である空気であっても、7000K以上の高温を履歴通過する反応系においては、亜酸化窒素(NO)と同一の状態図を適用することができると考えられる。
すなわち、空気と亜酸化窒素(NO)ガスの混合物をプラズマ発生用ガスとして用いた場合、亜酸化窒素(NO)だけでなく、空気も二酸化窒素(NO)に転換されるため、高い原料消費効率で二酸化窒素(NO)を得ることが可能となる。
つぎに、本実施形態にかかわる装置について図2により説明する。本実施形態の装置は、原料ガスを供給する原料ガス供給システム1と、原料ガスを活性化状態とし、プラズマ化する活性化手段としてのプラズマ発生装置2と、プラズマを発生させるために必要なエネルギーを供給する電源3と、プラズマ化された原料ガスを捕集するガス捕集システム4、酸化促進システム5とからなる。なお、酸化促進システム5は省略してもかまわない。
前記原料ガス供給システム1としては、原料ガスとして空気を用いる場合、当該空気は、圧縮ガスボンベにより流通している圧縮空気を用いるほか、空気圧縮機(図示せず)により製造される圧縮空気でもよい。空気圧縮機により製造される圧縮空気を原料として用いる場合は、望ましくはエアドライヤー(図示せず)により水分を取り除き、エアフィルター(図示せず)により油滴や微粒子などの不純物を除去するシステムを備える。
また、原料ガスとして用いられる亜酸化窒素(NO)ガスは、液化ガスボンベにより流通している液化亜酸化窒素(NO)ガスを気化させ、適切な気圧、多くは数気圧に圧力調整されたものを用いる。
当該亜酸化窒素(NO)ガスは、純度が高い必要はなく、たとえば手術用麻酔ガスとして患者に投与された後に呼気として排気されるものでもよい。この場合、望ましくはエアドライヤー(図示せず)により水分を取り除き、エアフィルター(図示せず)により油滴や微粒子などの不純物を除去するシステムを備える。
前記プラズマ発生装置2としては、大気圧下において、アルゴン、ヘリウム、窒素、酸素、二酸化炭素、亜酸化窒素、空気、及びこれらの混合ガスを安定に熱プラズマ化することができる誘導結合プラズマ発生装置6を用いる。この装置は、図3に示すように、内部でプラズマを発生可能な管状のプラズマトーチ7を有する。このプラズマトーチ7の基端部には原料ガスである空気と亜酸化窒素(NO)ガスの混合物を導入可能な原料ガス導入口9が形成されており、原料ガスはプラズマトーチ7の中央部まで給送されるようになっている。また、プラズマトーチ7の基端部の外周面には、例えば4重に巻かれたコイル8が配置されており、電源部(図示せず)より直流、交流、マイクロ波等の電力を印加することが可能となっている。
本実施形態においては、原料ガス導入口9より導入された空気および亜酸化窒素(NO)、厳密には、2L/minのNO、10L/min程度の空気が全てプラズマトーチ7内に給送され、前記電源部からの電圧印加によってプラズマ化するようになっている。プラズマトーチ3の内径は約34mmが好ましい。また、コイル5の巻径はそれよりも12mm大きく形成されている。
図5は原料ガスとして2L/minのNO、10L/minの空気を導入し、プラズマ発生装置2としては、誘導結合プラズマ発生装置を用い、プラズマトーチ7の内径は約34mmの条件で、コイル8に印加する高周波の周波数を40.68MHzとし、入力電力を変化させ、ガス捕集システム4で捕集されるNOの濃度を示している。この条件下では入力電力は400〜700Wが好ましいことが確認された。
なお、前記空気と亜酸化窒素(NO)ガスは事前に混合されていてもよいが、プラズマトーチ3に原料ガス導入口を複数設け、個別に導入されてもよい。
前記プラズマ発生装置1としては、前述の誘導結合プラズマ発生装置ではなく空気や亜酸化窒素(NO)ガスを大気圧近傍の圧力下で安定に、かつ連続的にプラズマ化でき、さらに高い回転温度が得られるプラズマ発生法であればよい。その一例として、数GHzの高周波電力を用いるマイクロ波誘導プラズマ源、直流の高電圧を用いるアーク放電プラズマ源が事前のプラズマ源として望ましく、あるいはバリア放電プラズマ源、グロー放電プラズマ源などでもよい。
前記ガス捕集システム3としては、プラズマトーチの下流側に備えられており、プラズマ化されたガスをすべて捕集するために存在する。ここに捕集されるガスは窒素、酸素、亜酸化窒素(NO)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO)の混合物であるため、使用目的に応じて、二酸化窒素(NO)の純化を行い、使用に供する。
二酸化窒素(NO)の生成効率を高めるために、プラズマ発生装置2とガス捕集システム4の間に、酸化促進システム5を設けてもよい。これは、プラズマ中で発生する一酸化窒素(NO)を酸化させ二酸化窒素(NO)に変換することで、より多くの二酸化窒素(NO)を得るためのものである。
酸化促進システム5の一例として、最も簡単なものは、プラズマ発生装置から排出されるプラズマ、あるいはプラズマとガスの混合物を一時期滞留させるための容器、または配管である。図6はプラズマ発生装置から排出されるガスを貯留し、滞留容器に含まれる一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO)の濃度を、滞留時間を変化させて測定したグラフである。
図6に示すように、本実施形態によれば、当初2%程度であった一酸化窒素(NO)が、7秒間滞留容器内に滞留させることで、0.5%まで減少し、その一方、当初0.8%程度であった二酸化窒素(NO)が、7秒間滞留容器内に滞留させることで、2.5%まで増加していることが明らかである。プラズマ発生装置2から排出されるガスは、窒素、酸素、亜酸化窒素(NO)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO)の混合物であるが、この中の酸素と一酸化窒素(NO)が反応して二酸化窒素(NO)に酸化されるには時間がかかるため、これらの混合ガスを滞留容器で滞留させることで、酸化反応を促進させることが可能である。
酸化促進システム5の一例として、プラズマ発生装置から排出されるプラズマ、あるいはプラズマとガスの混合物の温度を下げないようにする保温システムがある。当該保温システム内の温度は、200〜1000℃が好ましく、更に400〜500℃が好ましい。プラズマの温度を徐々に低下させることで、図1で示した一酸化窒素(NO)の発生する温度領域を長時間保つことができ、有効に原料ガスが一酸化窒素(NO)へと転換される。また、反応空間の温度を高く保つことで、発生した一酸化窒素(NO)の酸化反応が促進される。この2つの作用で、より高濃度かつ大量の二酸化窒素(NO)が得られる。
酸化促進システム5の一例として、プラズマ発生装置から排出されるプラズマ、あるいはプラズマとガスの混合物に酸素または空気を混合させるシステムがある。排出される混合ガスに含まれる一酸化窒素(NO)に酸素が供給されることで、一酸化窒素(NO)の酸化反応が促進され、より高濃度かつ大量の二酸化窒素(NO)が得られる。なお、この場合、供給される酸素または空気の温度は、プラズマ発生装置の温度によっては、常温よりも高い温度、もしくは低い温度に温調されたものを用いてもよい。
本実施形態においては、原料ガスを活性化することで二酸化窒素(NO)を発生させているが、活性化の手段としてはプラズマの代わりに、化学燃焼や電熱線、レーザーや紫外線照射、赤外線照射などを用いてもよい。例えば、アセチレンバーナーを用いてもよい。そして、この場合についても、前述の実施形態と同様に、燃焼処理後のガスを滞留させて、あるいは保温して、あるいは酸素や空気を混合して、燃焼処理後に含まれる二酸化窒素(NO)の生成量を増加させることができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて変更することができる。
1 原料ガス供給システム
2 プラズマ発生装置(活性化手段)
3 プラズマ発生用の電源
4 ガス捕集システム
5 酸化促進システム
6 誘導結合プラズマ発生装置
7 プラズマトーチ
8 コイル
9 原料ガス導入口
10 プラズマ
A プラズマの発生方向

Claims (8)

  1. 亜酸化窒素(NO)ガス及び亜酸化窒素(NO)ガスを混合したガスのいずれかから選択される少なくとも1種からなる原料ガスを活性化状態とし、二酸化窒素(NO)ガスを得ることを特徴とする、二酸化窒素ガス製造方法。
  2. 前記原料ガスを大気圧又は大気圧近傍の圧力下でプラズマ化することで、活性化状態を得ることを特徴とする、請求項1に記載の二酸化窒素製造方法。
  3. 前記原料ガスを活性化状態とし、活性化された当該原料ガスを一時的に容器、または配管内に滞留させ二酸化窒素(NO)ガスを得ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の二酸化窒素製造方法。
  4. 前記原料ガスを活性化状態とし、活性化された当該原料ガスを保温し、二酸化窒素(NO)ガスを得ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の二酸化窒素製造方法。
  5. 前記原料ガスを活性化状態とし、活性化された当該原料ガスに酸素又は空気を混合することで二酸化窒素(NO)ガスを得ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の二酸化窒素製造方法。
  6. 原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、当該原料ガスをプラズマ化する活性化手段と、プラズマ発生に必要なエネルギーを供給する手段と、プラズマ化された当該原料ガスを捕集する手段とを備え、
    前記活性化手段により亜酸化窒素(NO)ガス及び亜酸化窒素(NO)ガスを混合したガスのいずれかから選択される少なくとも1種からなる原料ガスを活性化状態とすることを特徴とする、二酸化窒素製造装置。
  7. 前記活性化手段において、前記原料ガスを大気圧又は大気圧近傍の圧力下でプラズマ化することを特徴とする、請求項6に記載の二酸化窒素製造装置。
  8. 前記活性化手段において、活性化された前記原料ガスに請求項3乃至5のいずれか一項に記載の手段を少なくとも1つ以上施すことを特徴とする、請求項6又は7に記載の二酸化窒素製造装置。
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