JP6917597B2 - 接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する装置および接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する方法 - Google Patents

接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する装置および接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する方法 Download PDF

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Description

本発明は、接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する装置および接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する方法に関する。
特許文献1に記載された技術は、ラジカル機能液の製造装置に関する(段落0029)。
特許文献1に記載された技術においては、アルゴンガス、窒素ガス、酸素ガス、二酸化炭素ガスまたは空気に放電を生じさせプラズマガスが発生させられ、発生させられたプラズマガスがガス導入部を介して貯留部に導入され、貯留部に貯留されたイオン交換水に気泡状のプラズマガスが接触させられ、プラズマガスに起因するラジカルがイオン交換水に溶解させられラジカル機能液が作製される(段落0049および0050)。作製されたラジカル機能液は、対象物の洗浄、殺菌・消毒、消臭、表面改質、親水化・撥水化処理等に使用される(段落0028)。ラジカル機能液の効果の持続時間は、pH調整剤、ラジカル安定剤またはラジカル抑制剤等を溶解させることにより制御される(段落0046)。
特許文献2および3に記載された技術においては、インディゴカーミンに対する脱色能力によりプラズマ処理水の能力が測定される。インディゴカーミンに対する脱色能力は酸化力を示すため、特許文献2および3に記載された技術においては、酸化力によりプラズマ処理水の能力が測定される。しかし、酸化力と殺菌力との関係は不明であるため、特許文献2および3に記載された技術におけるプラズマ処理水が殺菌力を有するか否かは不明である。また、特許文献2および3に記載された技術においては、供給される気体の種類によるインディゴカーミンに対する脱色能力の違いが不明である。
特開2015−93864号公報 特許第5362934号明細書 特許第5796174号明細書
特許文献1に記載された技術においては、プラズマガスがガス導入部を介して貯留部に導入される間に放電により発生したプラズマまたはラジカルが失活し、プラズマの発生のために消費されたエネルギーが無駄になり、生成されるラジカル機能液の殺菌力が低下する。
また、特許文献1に記載された技術においては、プラズマ生成用ガスによるラジカルの濃度の変化が明らかにされているが、殺菌力を向上できるプラズマ生成用ガスが不明である。
本発明は、これらの問題を解決することを目的とする。本発明が解決しようとする課題は、プラズマの発生のために消費されたエネルギーを無駄にすることなく高い殺菌力を有する殺菌水を生成することにある。
接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する装置は、容器、供給機構、発生機構、電極群および印加機構を備える。
容器に形成される空間に水または水溶液からなる液体が入れられる。
供給機構は、窒素ガスおよび酸素ガスの少なくとも一方を含むガスを供給する。
発生機構には、供給機構からガスが供給される。発生機構は、液体の中にガスの気泡を発生させる。
電極群は、第1の電極および第2の電極を備える。第1の電極および第2の電極は液体に浸される。第2の電極は、間隙を挟んで第1の電極に対向する。電極群は、気泡が間隙に導入されるように配置される。
印加機構は、第1の電極と第2の電極との間にパルス電圧を印加する。
本発明は、接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する方法にも向けられる。
プラズマの発生のために消費されたエネルギーを無駄にすることなく高い殺菌力を有する殺菌水が生成される。
この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
第1実施形態の殺菌水を生成する装置を図示する模式図である。 第1実施形態の殺菌水を生成する装置に備えられる電極群の付近を図示する拡大断面図である。 第2実施形態の電極群の付近を図示する拡大断面図である。 第3実施形態の殺菌水を生成する装置を図示する模式図である。 第3実施形態の殺菌水を生成する装置に備えられる電極群の付近を図示する拡大断面図である。 窒素割合による菌生存率の変化を示すグラフである。 処理水が生成されてからの経過時間による菌生存率の変化を示すグラフである。 第4実施形態の殺菌水を生成する装置を図示する模式図である。 第4実施形態の殺菌水を生成する装置に備えられる電極構造の付近を図示する拡大断面図である。 第4実施形態の殺菌水を生成する装置における気泡の状態を図示する断面図である。 第4実施形態の殺菌水を生成する装置における気泡の状態を図示する断面図である。 第4実施形態の殺菌水を生成する装置における気泡の状態を図示する断面図である。 第4実施形態の殺菌水を生成する装置における気泡の状態を図示する断面図である。 第5実施形態の電極構造の付近を図示する拡大断面図である。 第6実施形態の被処理物を殺菌する方法を示すフローチャートである。 窒素割合による菌生存率の変化を示すグラフである。 窒素割合による処理水中の硝酸イオンの濃度の変化を示すグラフである。 窒素割合による処理水のpHの変化を示すグラフである。
1 第1実施形態
1.1 序
第1実施形態は、殺菌水を生成する装置および殺菌水を生成する方法に関する。
1.2 殺菌水を生成する装置の構成
図1は、第1実施形態の殺菌水を生成する装置を図示する模式図である。図2の模式図は、第1実施形態の殺菌水を生成する装置に備えられる電極群の付近を図示する拡大断面図である。
図1に図示される殺菌水を生成する装置1000は、リアクター1020、供給機構1022および印加機構1024を備える。装置1000がこれらの構成物以外の構成物を備えてもよい。
殺菌水を生成する装置1000においては、水1040がリアクター1020に入れられ、供給機構1022がリアクター1020に窒素ガスおよび酸素ガスからなる混合ガスを供給し、印加機構1024がリアクター1020に高圧のパルス電圧を印加する。リアクター1020は、水1040の中に混合ガスの気泡1050を発生させ、気泡1050の中に放電を発生させる。発生した放電により、気泡1050の中にプラズマが発生し、発生したプラズマが水1040に接触する。発生したプラズマに含まれるラジカルおよび発生したプラズマが水1040に接触することにより生成するラジカルが水1040に溶解し、殺菌水が生成される。生成された殺菌水は、食品の洗浄、衛生管理、清掃、手洗い等に使用される。生成された殺菌水により殺菌が行われる場合は、生成された殺菌水に溶解したラジカルが菌に作用する。
リアクター1020は、容器1060、発生機構1062、排出機構1064、電極群1066および支持体1068を備える。リアクター1020がこれらの構成物以外の構成物を備えてもよい。
容器1060は、ガラス管1080、シリコーン栓1082およびシリコーン栓1084を備える。シリコーン栓1082は、ガラス管1080の一方の開口端に挿入される。シリコーン栓1084は、ガラス管1080の他方の開口端に挿入される。これにより、ガラス管1080、シリコーン栓1082およびシリコーン栓1084に囲まれる空間1100が容器1060に形成される。形成される空間1100には、水1040が入れられる。容器1060の構造が変更されてもよい。
発生機構1062は、管1120およびバブラー1122を備える。管1120は、シリコーン栓1082を貫通する。管1120の一端は、空間1100の外部にある。管1120の他端は、空間1100の内部にある。バブラー1122は、空間1100の内部にあり、水1040に浸され、管1120の他端に結合される。発生機構1062には、供給機構1022から混合ガスが供給される。発生機構1062は、水1040の中に混合ガスの気泡1050を発生させる。発生機構1062に混合ガスが供給される場合は、管1120の一端に混合ガスが供給される。管1120は、管1120の一端に供給される混合ガスを管1120の他端まで導き、導いた混合ガスをバブラー1122に供給する。バブラー1122は、供給された混合ガスを水1040の中に放出し、混合ガスを水1040の中に放出する際に混合ガスの気泡1050を発生させる。混合ガスの気泡1050の発生は、混合ガスにセラミックス多孔質体を通過させることにより行われる。セラミックス多孔質体が他の種類の多孔質体に置き換えられてもよい。例えば、セラミックス多孔質体が樹脂多孔質体に置き換えられてもよい。発生機構1062の構造が変更されてもよい。
排出機構1064は、管1130を備える。管1130は、シリコーン栓1084を貫通する。管1130の一端は、空間1100の内部にあるが、水1040に浸されない。管1130の他端は、空間1100の外部にある。管1130は、水1040の水面から放出されリアクター1020から排出される混合ガスを管1130の一端から管1130の他端に導く。排出機構1064の構造が変更されてもよい。水1040の上面から放出された混合ガスを圧縮し圧縮した混合ガスを蓄積する機構が空間1100の中に配置されてもよく、当該機構が空間1100の中に配置される場合は排出機構1064が省略されてもよい。
電極群1066は、図2に示されるように、電極1140および1142を備える。電極1140および1142の各々は、空間1100の内部にあり、水1040に浸される。電極1142は、間隙1160を挟んで電極1140に対向する。電極群1066は、バブラー1122の鉛直方向上方に配置される。これにより、気泡1050が間隙1160を通って浮上し、気泡1050が間隙1160を通る場合に気泡1050が電極1140および1142に同時に接触する。気泡1050が電極1140および1142に接触している間に電極1140と電極1142との間にパルス電圧が印加された場合は、電極1140と電極1142との間に放電が発生し、気泡1050の中に放電が発生する。発生した放電は、気泡1050の中にプラズマを発生させる。気泡1050は、混合ガスと水1040との界面に囲まれるため、プラズマおよびそれに含まれるラジカルはほとんど失活することなく水1040に接触する。このことは、プラズマの発生に使用されたエネルギーを無駄にすることなく高い殺菌力を有する殺菌水を生成することに寄与する。
電極1142は、電極1140から水平方向に離される。これにより、間隙1160の鉛直方向下方に気泡1050の通過を妨げる構成物が配置されず、気泡1050が間隙1160に侵入しやすくなる。このことは、プラズマの発生量を増やし高い殺菌力を有する殺菌水を生成することに寄与する。
電極1140は、針状電極である。電極1142は、平板状電極である。電極1140は、水平方向に延在し、電極1142の主面1220の法線方向に延在する。電極1140の尖った先端1200は、電極1142の主面1220に向けられる。気泡1050が間隙1160を通過する場合は、気泡1050が電極1140の尖った先端1200および電極1142の主面1220に同時に接触する。電極群1066の構造が変更されてもよい。
支持体1068は、電極群1066を支持する。支持体1068が省略され、電極群1066が容器1060に直接的に支持されてもよい。
混合ガスにおける窒素ガスの分圧および酸素ガスの分圧の合計に対する窒素ガスの分圧の比は、望ましくは0.5以上であり、さらに望ましくは0.7以上であり、特に望ましくは0.8以上である。当該比は、望ましくは0.95以下である。したがって、当該比は、望ましくは0.5以上0.95以下であり、さらに望ましくは0.7以上0.95以下であり、特に望ましくは0.8以上0.95以下である。これにより、高い殺菌力を有する殺菌水が生成される。当該比が約0.9である場合に生成される殺菌水の殺菌力が最高になる。
混合ガスが窒素ガスおよび酸素ガス以外のガスを含んでもよい。例えば、混合ガスが二酸化炭素ガス、アルゴンガス、水蒸気等を含んでもよい。したがって、混合ガスが空気であってもよい。混合ガスが、空気に窒素富化膜を通過させることにより得られる、空気よりも窒素ガスを多く含むガスであってもよい。混合ガスが窒素ガスおよび酸素ガス以外のガスを含む場合においても、窒素ガスおよび酸素ガスの一方は主成分であり、窒素ガスおよび酸素ガスの他方は最も多く含まれる副成分である。望ましくは、窒素ガスは主成分であり、酸素ガスは最も多く含まれる副成分である。
印加機構1024は、パルス電源1240、電気配線1242および電気配線1244を備える。電気配線1242は、パルス電源1240の正極を電極1140に電気的に接続する。電気配線1244は、パルス電源1240の負極を電極1142に電気的に接続し、電極1142およびパルス電源1240の負極を接地する。これにより、パルス電源1240により発生させられたパルス電圧が電極1140と電極1142との間に印加され、電極1140がアノードとなり、電極1142がカソードとなる。電極1140がカソードとなり電極1142がアノードとなることも許される。
水1040は、純水である。水1040がわずかな不純物を含んでもよい。例えば、水1040が水道水であってもよい。水1040が純水または水道水であることにより、殺菌水に溶解しているラジカルが失活した後に殺菌水の後処理を行うことが不要になる。
水1040は、電気伝導率を著しく上昇させる不純物を含まない。これにより、電極1140と電極1142との間にパルス電圧が印加された場合に水1040に電流が流れにくくなり、気泡1050の中に放電を容易に発生させることができる。
殺菌水に含まれるラジカルは、殺菌水が使用された後に失活する。このため、殺菌水が使用された後には殺菌水に残留物がほとんど残存せず、殺菌水が接触するものに錆び等が発生すること等が抑制される。また、殺菌水が使用された後に殺菌水の後処理を行う必要はない。
これに対して、殺菌に広く使用される次亜塩素酸、電解水、オゾン水等の殺菌水においては、殺菌水が使用された後に殺菌水に塩素等の残留物が残存し、殺菌水が接触するものに錆び等が発生する。
また、特開2015−93864号公報に記載された技術においてpH調整剤、ラジカル安定剤またはラジカル抑制剤などが溶解させられた場合は、pH調整剤、ラジカル安定剤またはラジカル抑制剤などの後処理が必要になる可能性がある。
2 第2実施形態
第2実施形態は、第1実施形態の殺菌水を生成する装置に備えられる電極群を置き換える電極群に関する。
図3の模式図は、第2実施形態の電極群の付近を図示する拡大断面図である。
図3に図示される電極群2066は、電極2140および2142を備える。電極2140および2142の各々は、空間1100の内部にあり、水1040に浸される。電極2142は、間隙2160を挟んで電極2140に対向する。電極群2066は、バブラー1122の鉛直方向上方に配置される。これにより、気泡1050が間隙2160を通って浮上し、気泡1050が間隙2160を通る場合に気泡1050が電極2140および2142に同時に接触する。気泡1050が電極2140および2142に接触している間に電極2140と電極2142との間にパルス電圧が印加された場合は、電極2140と電極2142との間に放電が発生し、気泡1050の中に放電が発生する。発生した放電は、気泡1050の中にプラズマを発生させる。気泡1050は、混合ガスと水1040との界面に囲まれるため、プラズマまたはそれに含まれるラジカルはほとんど失活することなく水1040に接触する。このことは、プラズマの発生に使用されたエネルギーを無駄にすることなく高い殺菌力を有する殺菌水を生成することに寄与する。
電極2142は、電極2140から水平方向に離される。
電極2140および2142の各々は、平板状電極である。電極2142の主面2220は、電極2140の主面2200と平行をなす。電極2140の主面2200の法線方向および電極2142の主面2220の法線方向の各々は、水平方向である。気泡1050が間隙2160を通過する場合は、気泡1050が電極2140の主面2200および電極2142の主面2220に同時に接触する。
電極2140は、電気配線1242によりパルス電源1240の正極に電気的に接続される。電極2142は、電気配線1244によりパルス電源1240の負極に電気的に接続される。これにより、パルス電源1240により発生させられたパルス電圧が電極2140と電極2142との間に印加され、電極2140がアノードとなり、電極2142がカソードとなる。
3 第3実施形態
3.1 序
第3実施形態は、殺菌水を生成する装置および殺菌水を生成する方法に関する。
3.2 殺菌水を生成する装置の構成
図4は、第3実施形態の殺菌水を生成する装置を図示する模式図である。図5の模式図は、第3実施形態の殺菌水を生成する装置に備えられる電極群の付近を図示する拡大断面図である。
図4に図示される殺菌水を生成する装置3000は、リアクター3020、供給機構3022および印加機構3024を備える。装置3000がこれらの構成物以外の構成物を備えてもよい。
殺菌水を生成する装置3000においては、水3040がリアクター3020に入れられ、供給機構3022がリアクター3020に窒素ガスおよび酸素ガスからなる混合ガスを供給し、印加機構3024がリアクター3020に高圧のパルス電圧を印加する。リアクター3020は、水3040の中に混合ガスの気泡3050を発生させ、気泡3050の中に放電を発生させる。放電により、気泡3050の中にプラズマが発生し、発生したプラズマが水3040に接触する。発生したプラズマに含まれるラジカルおよび発生したプラズマが水3040に接触することにより生成するラジカルが水3040に溶解し、殺菌水が生成される。
リアクター3020は、容器3060、発生機構3062、排出機構3064および電極群3066を備える。リアクター3020がこれらの構成物以外の構成物を備えてもよい。
容器3060は、ガラス管3080、シリコーン栓3082およびシリコーン栓3084を備える。シリコーン栓3082は、ガラス管3080の一方の開口端に挿入される。シリコーン栓3084は、ガラス管3080の他方の開口端に挿入される。これにより、ガラス管3080、シリコーン栓3082およびシリコーン栓3084に囲まれる空間3100が容器3060に形成される。形成される空間3100には、水3040が入れられる。容器3060の構造が変更されてもよい。
発生機構3062は、管3120を備える。管3120は、シリコーン栓3082を貫通する。管3120の一端は、空間3100の外部にある。管3120の他端は、空間3100の内部にあり、水3040に浸される。発生機構3062には、供給機構3022から混合ガスが供給される。発生機構3062は、水3040の中に混合ガスの気泡3050を発生させる。発生機構3062に混合ガスが供給される場合は、管3120の一端に混合ガスが供給される。管3120は、管3120の一端に供給される混合ガスを管3120の他端まで導き、供給された混合ガスを管3120の他端から水3040の中に放出し、混合ガスを水3040の中に放出する際に混合ガスの気泡3050を発生する。発生機構3062の構造が変更されてもよい。
排出機構3064は、第1実施形態の殺菌水を生成する装置1000に備えられる排出機構1064と同様のものである。
電極群3066は、図5に示されるように、電極3140および3142を備える。電極3140および3142の各々は、空間3100の内部にあり、水3040に浸される。電極3142は、間隙3160を挟んで電極3140に対向する。気泡3050は、間隙3160に導入され、間隙3160を通って浮上し、間隙3160を通る場合に電極3140および3142に同時に接触する。気泡3050が電極3140および3142に接触している間に電極3140と電極3142との間にパルス電圧が印加された場合は、電極3140と電極3142との間に放電が発生し、気泡3050の中に放電が発生する。発生した放電は、気泡3050の中にプラズマを発生させる。気泡3050は、混合ガスと水3040との界面に囲まれるため、プラズマまたはそれに含まれるラジカルはほとんど失活することなく水3040に接触する。このことは、プラズマの発生に使用されたエネルギーを無駄にすることなく高い殺菌力を有する殺菌水を生成することに寄与する。
電極3142は、電極3140から鉛直方向に離され、電極3140の鉛直方向上方に配置される。電極3140は、針状電極である。電極3142は、平板状電極である。電極3140は、鉛直方向に延在し、電極3142の主面3220の法線方向に延在する。電極3140の尖った先端3200は、電極3142の主面3220に向けられる。これにより、間隙3160の鉛直方向下方に気泡3050の通過をほとんど妨げない電極3140が配置され、間隙3160の鉛直方向上方に気泡3050の通過を妨げる電極3142が配置され、気泡3050が間隙3160に侵入しやすくなるとともに気泡3050が間隙3160に滞留する時間が長くなる。このことは、プラズマの発生量を増やし高い殺菌力を有する殺菌水を生成することに寄与する。気泡3050が間隙3160を通過する場合は、気泡3050が電極3140の尖った先端3200および電極3142の主面3220に同時に接触する。電極群3066の構造が変更されてもよい。
混合ガスは、第1実施形態の殺菌水を生成する装置1000に備えられる供給機構1022により供給される混合ガスと同様のものである。
印加機構3024は、パルス電源3240、電気配線3242および電気配線3244を備える。電気配線3242は、パルス電源3240の正極を電極3140に電気的に接続する。電気配線3244は、パルス電源3240の負極を電極3142に電気的に接続し、電極3142およびパルス電源3240の負極を接地する。これにより、パルス電源3240により発生させられたパルス電圧が電極3140と電極3142との間に印加され、電極3140がアノードとなり、電極3142がカソードとなる。電極3140がカソードとなり電極3142がアノードとなることも許される。
水3040は、第1実施形態の水の殺菌水を生成する装置1000に備えられる容器1060の空間1100に入れられる水と同様のものである。
4 第1の実験
第1実施形態の殺菌水を生成する装置1000を試作し、試作した装置1000を使用して殺菌水である処理水を生成した。処理水の生成においては、60ミリリットルの純水を空間1100に入れ、2リットル/分の流量を有する混合ガスを供給機構1022からリアクター1020に供給した。混合ガスとしては、20体積部の窒素ガスと80体積部の酸素ガスとの混合物、30体積部の窒素ガスと70体積部の酸素ガスとの混合物、50体積部の窒素ガスと50体積部の酸素ガスとの混合物、80体積部の窒素ガスと20体積部の酸素ガスとの混合物、および90体積部の窒素ガスと10体積部の窒素ガスとの混合物を使用した。また、混合ガスに代えて窒素ガスを使用して処理水を生成した。これにより、窒素ガスの分圧および酸素ガスの分圧の合計に対する窒素ガスの分圧の比である窒素割合が20%,30%,50%,80%,90%および100%の各々である場合について処理水を生成した。
続いて、生成した処理水を大腸菌と混合することにより殺菌処理を行い、混合液を得た。
続いて、得た混合液を寒天培地に塗布した。
続いて、寒天培地において培養を行い、菌数評価用の試料を得た。
続いて、菌数評価用の試料を使用して殺菌処理後の菌数を測定し、殺菌処理前の菌数に対する殺菌処理後の菌数の比である菌生存率を求めた。菌生存率、殺菌処理後の菌数および殺菌処理前の菌数の間には、(式1)に示される関係がある。
菌生存率=殺菌処理後の菌数/殺菌処理前の菌数・・・(式1)
例えば殺菌処理前の菌数が1CFU/mlであり殺菌処理後の菌数が10−7CFU/mlである場合は、菌生存率は10−7となる。菌生存率は、処理水の殺菌力を示す指標となり、菌生存率が小さくなるほど処理水の殺菌力が高くなる。
図6は、窒素割合による菌生存率の変化を図示するグラフである。
図6に図示されるように、窒素割合が90%である場合に菌生存率は最も小さくなる。また、窒素割合が20%以上90%以下である場合は、窒素割合が大きくなるほど菌生存率が小さくなるが、窒素割合が50%以上である場合に菌生存率が小さくなり、窒素割合が70%以上である場合に菌生存率がさらに小さくなり、窒素割合が80%以上である場合に菌生存率が特に小さくなる。
5 第2の実験
第1実施形態の殺菌水を生成する装置1000を試作し、試作した装置1000を使用して殺菌水である処理水を生成した。処理水の生成においては、60ミリリットルの純水を空間1100に入れ、2リットル/分の流量を有する混合ガスを供給機構1022からリアクター1020に供給した。混合ガスとしては、90体積部の窒素ガスと10体積部の窒素ガスとの混合物を使用した。
続いて、生成された直後の処理液を大腸菌と混合することにより殺菌処理を行い、混合液を得た。また、生成されてから24時間が経過した処理液を大腸菌と混合することにより殺菌処理を行い、混合液を得た。
続いて、得た混合液を寒天培地に塗布した。
続いて、寒天培地において培養を行い、菌数評価用の試料を得た。
続いて、菌数評価用の試料を使用して殺菌処理後の菌数を測定し、殺菌処理前の菌数に対する殺菌処理後の菌数の比である菌生存率を求めた。
図7は、処理水が生成されてからの経過時間による菌生存率の変化を図示するグラフである。
図7に図示されるように、生成された直後の処理液が大腸菌と混合された場合は菌生存率が10−7を下回るが、生成されてから24時間が経過した処理液が大腸菌と混合された場合は菌生存率が1に近づく。このことは、処理液が生成されてから24時間が経過した場合は処理液に溶解していたラジカルはほとんど失活していることを示す。
6 第4実施形態
6.1 序
第4実施形態は、殺菌水を生成する装置および殺菌水を生成する方法に関する。
6.2 殺菌水を生成する装置の構成
図8は、第4実施形態の殺菌水を生成する装置を図示する模式図である。図9の模式図は、第4実施形態の殺菌水を生成する装置に備えられる電極構造の付近を図示する拡大断面図である。
図8に図示される殺菌水を生成する装置4000は、リアクター4022、供給機構4024および印加機構4026を備える。装置4000がこれらの構成物以外の構成物を備えてもよい。
殺菌水を生成する装置4000においては、リアクター4022に水または水溶液からなる液体4042が入れられ、供給機構4024がリアクター4022にガス4062を供給し、印加機構4026がリアクター4022にパルス電圧を印加する。リアクター4022は、ガス4062の気泡4082を液体4042の中に発生させ、気泡4082の中にストリーマ放電を発生させる。発生させられたストリーマ放電により、気泡4082の中にプラズマが発生し、発生させられたプラズマが液体4042に接触する。発生させられたプラズマに含まれるラジカルその他の活性種が液体4042に溶解し、発生させられたプラズマが液体4042に接触することにより生成される活性種が液体4042に溶解し、殺菌水が生成される。生成された殺菌水は、食品の洗浄、衛生管理、清掃、手洗い等に使用される。生成された殺菌水により殺菌が行われる場合は、生成された殺菌水に溶解した活性種が菌に作用する。
リアクター4022は、容器4102、発生機構4104、排出機構4106、電極構造4108および支持体4110を備える。リアクター4022がこれらの構成物以外の構成物を備えてもよい。
容器4102は、ガラス管4122、シリコーン栓4124およびシリコーン栓4126を備える。ガラス管4122の内径は、例えば数mmから数10mmであり、典型的には約30mmである。シリコーン栓4124は、ガラス管4122の一方の開口端に挿入される。シリコーン栓4126は、ガラス管4122の他方の開口端に挿入される。これにより、ガラス管4122、シリコーン栓4124およびシリコーン栓4126に囲まれる空間4142が容器4102に形成される。空間4142には、液体4042が入れられる。容器4102の構造が変更されてもよい。
発生機構4104は、管4162およびエアーストーン4164を備える。管4162は、シリコーン栓4124を貫通する。管4162の一端は、空間4142の外部にある。管4162の他端は、空間4142の内部にある。エアーストーン4164は、空間4142の内部にあり、液体4042に浸され、管4162の他端に結合される。発生機構4104には、供給機構4024からガス4062が供給される。発生機構4104は、ガス4062の気泡4082を液体4042の中に発生させる。発生機構4104にガス4062が供給される場合は、管4162の一端にガス4062が供給される。管4162は、管4162の一端に供給されたガス4062を管4162の他端まで導き、導いたガス4062をエアーストーン4164に供給する。エアーストーン4164は、供給されたガス4062を液体4042の中に放出し、供給されたガス4062を液体4042の中に放出する際に供給されたガス4062の気泡4082を発生させる。ガス4062の気泡4082の発生は、ガス4062にセラミックス多孔質体を通過させることにより行われる。セラミックス多孔質体が他の種類の多孔質体に置き換えられてもよい。例えば、セラミックス多孔質体が樹脂多孔質体に置き換えられてもよい。発生機構4104の構造が変更されてもよい。例えば、発生機構4104が、エアーストーン4164に代えて、金属、樹脂等からなるものに孔加工を施したものを備えてもよい。発生機構4104および電極構造4108が一体化されてもよい。
排出機構4106は、管4182を備える。管4182は、シリコーン栓4126を貫通する。管4182の一端は、空間4142の内部にあるが、液体4042に浸されない。管4182の他端は、空間4142の外部にある。管4182は、液体4042の上面から放出されたガス4062を管4182の一端から管4182の他端に導き、導いたガス4062をリアクター4022から排出する。排出機構4106の構造が変更されてもよい。液体4042の上面から放出されたガス4062を圧縮し圧縮したガス4062を蓄積する機構が空間4142の中に配置されてもよく、当該機構が空間4142の中に配置される場合は排出機構4106が省略されてもよい。
電極構造4108は、電極および必要な付属物を備える構造であって、図9に示されるように、電極4202、電極4204、樹脂板4206、樹脂板4208および樹脂板4210を備える。電極構造4108がこれらの構成物以外の構成物を備えてもよい。電極構造4108が電極のみからなり付属物を備えないことも許される。
電極4202は、空間4142の内部にあり、液体4042に浸される。電極4204は、空間4142の内部にあり、液体4042に浸され、間隙4222を挟んで電極4202に対向する。
電極構造4108は、エアーストーン4164の鉛直方向上方に配置される。これにより、気泡4082が浮上した場合に、気泡4082が電極構造4108に到達し、気泡4082が間隙4222に導入される。導入された気泡4082は、間隙4222を通過する時に電極4202および4204に同時に接触する。気泡4082が電極4202および4204に接触している間に電極4202および4204の間にパルス電圧が印加された場合は、電極4202および4204の間にストリーマ放電が発生し、気泡4082の中にストリーマ放電が発生する。発生させられたストリーマ放電は、気泡4082の中にプラズマを発生させる。気泡4082は、液体4042とガス4062との界面4242に囲まれるため、プラズマおよびそれに含まれる活性種はほとんど失活することなく液体4042に接触する。このことは、プラズマの発生に使用されたエネルギーを無駄にすることなく高い殺菌力を有する殺菌水を生成することに寄与する。気泡4082が電極4202および4204の少なくとも一方に接触しない場合であっても、殺菌水を生成するストリーマ放電が発生する場合もある。ストリーマ放電とは異なる放電により殺菌水が生成する場合もある。
電極構造4108に備えられる対向物4262は、電極4202および樹脂板4206を備える。電極構造4108に備えられる対向物4264は、電極4204および樹脂板4208を備える。対向物4264の対向面4284は、通路4302を挟んで対向物4262の対向面4282と対向する。これにより、電極構造4108は、対向面4282および4284を含み通路4302を定義する面4322を有するようになる。
電極4202は、針状であり、樹脂板4206を厚さ方向に貫通し、対向面4282から対向面4284に向かって突出する。電極4204は、平板状またはシート状であり、樹脂板4208の主面4342に貼り付けられ、対向面4284に含まれる主面4362を有する。これにより、通路4302が間隙4222を含むようになり、気泡4082が通路4302を通過する途中で気泡4082が間隙4222を通過するようになる。気泡4082は、間隙4222を通過する時に電極4202の先端4382および電極4204の主面4362に同時に接触する。電極4202の直径は、例えば数100μmから数mmであり、典型的には約2mmである。
電極構造4108は、気泡4082が通路4302を通過するように配置される。対向面4282の法線方向は水平方向と平行をなし、対向面4284の法線方向は水平方向および対向面4282の法線方向と平行をなすため、気泡4082が通路4302を通過する場合には、通路4302が気泡4082を鉛直方向4402に案内し、面4322が鉛直方向4402と垂直をなす水平方向4404に気泡4082が拡がることを規制する。気泡4082が鉛直方向4402と異なる案内方向に案内されてもよく、当該案内方向と垂直をなす規制方向に気泡4082が拡がることが規制されてもよい。
電極構造4108は、気泡4082が通路4302に入る直前における水平方向4404についての気泡4082の大きさが、水平方向4404についての通路4302の大きさの1倍より大きく2倍以下であるように構成される。水平方向4404についての気泡4082の大きさが水平方向4404についての通路4302の大きさの1倍より大きくなることにより、気泡4082が通路4302に入るときに気泡4082が水平方向4404に押しつぶされ、気泡4082と面4322との間の摩擦が増加し、気泡4082が通路4302を進む速度が低下し、気泡4082が間隙4222を通過するのに要する時間が長くなる。水平方向4404についての気泡4082の大きさが水平方向4404についての通路4302の大きさの2倍以下となることにより、気泡4082が通路4302に入りにくくなることが抑制される。これらのことは、プラズマの発生量を増やし高い殺菌力を有する殺菌水を生成することに寄与する。
水平方向4404についての通路4302の大きさ、すなわち、対向面4282から対向面4284までの距離は、望ましくは0.5mm以上10mm以下である。
電極4202および4204は、電極4204が電極4202から水平方向4404に離され、気泡4082が間隙4222に入る場合に気泡4082が水平方向4404と異なる鉛直方向4402に進むように配置される。これにより、気泡4082が間隙4222に入ることが電極4202および4204に妨げられなくなる。このことは、プラズマの発生量を増やし高い殺菌力を有する殺菌水を生成することに寄与する。電極4204が電極4202から水平方向4404と異なる離間方向に離されてもよく、気泡4082が当該離間方向と異なる進行方向に進んでもよい。
樹脂板4210は、通路4302の上端を閉塞するように配置される。
電極4202は、銅からなる。電極4202が銅以外の導電体からなることも許される。例えば、電極4202が、合金または銅以外の金属からなることも許される。電極4204は、アルミニウムからなる。電極4204がアルミニウム以外の導電体からなることも許される。例えば、電極4204が合金またはアルミニウム以外の金属からなることも許される。
樹脂板4206、4208および4210の各々である各樹脂板は、樹脂からなる。各樹脂板が樹脂以外の絶縁体からなる板に置き換えられてもよい。例えば、各樹脂板がセラミックス板に置き換えられてもよい。
支持体4110は、電極構造4108を支持する。支持体4110が省略され、電極構造4108が容器4102に直接的に支持されてもよい。
ガス4062は、窒素ガスおよび酸素ガスの少なくとも一方を含む。ガス4062が窒素ガスおよび酸素ガス以外のガスを含んでもよい。例えば、ガス4062が二酸化炭素ガス、アルゴンガス、水蒸気等を含んでもよい。したがって、ガス4062が空気であってもよい。ガス4062が、空気に窒素富化膜を通過させることにより得られる、空気よりも窒素ガスを多く含むガスであってもよい。ガス4062が窒素ガスおよび酸素ガス以外のガスを含む場合においても、窒素ガスおよび酸素ガスの一方は主成分である。
窒素ガスが主成分である場合は、ガス4062は、窒素ガスを含み、望ましくは酸素ガスをさらに含む。ガス4062が窒素ガスおよび酸素ガスを含む場合は、ガス4062における窒素ガスの分圧および酸素ガスの分圧の合計に対する窒素ガスの分圧の比は、望ましくは0.75以上0.85以下である。これらのことは、高い殺菌力を有する殺菌水を生成することに寄与する。空気における窒素ガスの分圧および酸素ガスの分圧の合計に対する窒素ガスの分圧の比である約0.79は0.75以上0.85以下という範囲に含まれるため、ガス4062が空気である場合は高い殺菌力を有する殺菌水が生成される。
酸素ガスが主成分である場合は、ガス4062は、望ましくは酸素ガスからなる。このことは、高い殺菌力を有する殺菌水を生成することに寄与する。
印加機構4026は、パルス電源4422、電気配線4424および電気配線4426を備える。電気配線4424は、パルス電源4422の正極を電極4202に電気的に接続する。電気配線4426は、パルス電源4422の負極を電極4204に電気的に接続し、電極4204およびパルス電源4422の負極を接地する。これにより、パルス電源4422により発生させられたパルス電圧が電極4202および4204の間に印加され、電極4202がアノードとなり、電極4204がカソードとなる。電極4202がカソードとなり電極4204がアノードとなることも許される。電気配線4424が省略されパルス電源4422の正極が電極4202に直結されてもよい。電気配線4426が省略されパルス電源4422の負極が電極4204に直結されてもよい。
パルス電源4422は、誘導エネルギー蓄積型である。誘導エネルギー蓄積型であるパルス電源4422は、誘導性素子に磁界の形で蓄積したエネルギーを短時間で放出する。誘導エネルギー蓄積型であるパルス電源4422は、容量性素子に電界の形で蓄積したエネルギーを短時間で放出する容量エネルギー蓄積型であるパルス電源と比較して、著しく大きいエネルギーを高い繰り返し頻度で投入することができる。このことは、高い殺菌力を有する殺菌水を生成することに寄与する。このように高い殺菌力を有する殺菌水は、被処理物に接触させることにより被処理物を殺菌する間接処理に好適であり、電解水、オゾン水等の代替物となる。間接処理によれば、被処理物にプラズマを直接的に照射する必要がなくなる。
パルス電源4422が誘導エネルギー蓄積型である場合は、パルス電源4422により発生させられたパルス電圧が電極4202および4204の間に印加された場合に気泡4082の中にストリーマ放電が発生する。発生させられたストリーマ放電は、気泡4082の中において拡がり、界面4242に接触する。誘導エネルギー蓄積型でないパルス電源であって気泡4082の中にストリーマ放電を発生させることができるパルス電源が開発された場合は、パルス電源4422がそのようなパルス電源であってもよい。
発生させられるパルス電圧のパルス幅は、望ましくは半値全幅で表現された場合に0.1μ秒以上10μ秒以下である。発生させられるパルス電圧の周波数は、望ましくは0.1kHz以上10kHz以下である。発生させられるパルス電圧のピーク電圧は、望ましくは3kV以上20kV以下であり、さらに望ましくは3kV以上10kV以下である。
液体4042は、初期状態においては、水または水溶液であり、望ましくは水であり、さらに望ましくは純水である。液体4042は、最終的に殺菌水になる。液体4042が初期状態において水である場合は、生成された殺菌水に溶解している活性種が失活した後に生成された殺菌水の後処理を行うことが不要になる。水がわずかな不純物を含んでもよい。例えば、水が水道水であってもよい。
6.3 殺菌水を生成する装置における気泡の状態
図10から13までの各々の模式図は、第4実施形態の殺菌水を生成する装置における気泡の状態を図示する。
気泡4082は、図10に示されるように通路4302の下端にある入口4442の直下に到達する。気泡4082が入口4442の直下に到達した時に、水平方向4404についての気泡4082の大きさは、水平方向4404についての通路4302の大きさの1倍より大きく2倍以下となっている。
入口4442の直下に到達した気泡4082は、さらに浮上し、入口4442を経由して通路4302に入る。気泡4082が通路4302に入った時に、気泡4082は水平方向4404に押しつぶされ、水平方向4404についての気泡4082の大きさは、水平方向4404についての通路4302の大きさと同じになる。
通路4302に入った気泡4082は、さらに浮上し、図11に示されるように、間隙4222に到達し電極4202の先端4382および電極4204の主面4362に同時に接触する。
気泡4082が電極4202の先端4382および電極4204の主面4362に同時に接触している状態において電極4202および4204の間にパルス電圧が印加された場合は、図12に示されるように、電極4202の先端4382と電極4204の主面4362との間にストリーマ放電4462が発生する。ストリーマ放電4462は、気泡4082の中に広がり、液体4042とガス4062との界面4242に達する。ストリーマ放電4462は、気泡4082の中にプラズマを発生させる。発生させられたプラズマは、気泡4082の中に活性種を発生させる。ストリーマ放電4462が界面4242に達するため、発生させられたプラズマおよび活性種はほとんど失活することなく液体4042に直接的に接触し、液体4042の中に活性種を発生させる。したがって、殺菌水を生成する装置4000においては、放電により消費された電力がプラズマおよび活性種の失活により無駄になることが抑制され、電力効率が向上する。
気泡4082の中でストリーマ放電4462が発生した場合は、図13に示されるように、ストリーマ放電4462により生成される衝撃波により気泡4082が細かく破砕され、気泡4082が多数の気泡4482になる。
6.4 ガスが窒素ガスを含む場合の殺菌水の生成
ガス4062が窒素ガスを含む場合は、パルス電源4422が、液体4042のpHが4.0以下になるようにパルス電圧を発生する先の動作を行い、液体4042が殺菌水になるようにパルス電圧を発生する後の動作を行う。
先の動作においては、ストリーマ放電4462を発生させることにより生成される少なくとも1種類の化学種が液体4042に溶解する。これにより、硝酸が生成され、生成された硝酸により液体4042のpHが4.0以下になる。当該少なくとも1種類の化学種の各々は、窒素原子を含む化学種である。当該少なくとも1種類の化学種は、典型的にはNOラジカル、NO等の活性種を含む。当該少なくとも1種類の化学種がNOラジカルおよびNO以外の化学種を含むことも許される。当該少なくとも1種類の化学種がNOラジカルまたはNOを含まないことも許される。
後の動作は、液体4042のpHが4.0以下である状態において行われる。後の動作においては、ストリーマ放電4462を発生させることにより生成される少なくとも1種類の化学種が液体4042に溶解する。当該少なくとも1種類の化学種は、典型的には活性種を含む。これにより、液体4042は、殺菌水になる。殺菌水は、少なくとも1種類の活性種を含む。当該少なくとも1種類の活性種は、典型的にはHO およびONOOを含む。当該少なくとも1種類の活性種がHO およびONOO以外の活性種を含むことも許される。当該少なくとも1種類の活性種がHO またはONOOを含まないことも許される。液体4042を殺菌水にすることに寄与するHO 、ONOO等の活性種は、液体4042のpHが4.0以下である状態において多く発生する。このため、液体4042のpHが4.0以下である状態において後の動作を行うことは、殺菌水に含まれる活性種を多くすることにより殺菌水の殺菌力を高くすることに寄与し、殺菌水に含まれる活性種が失活するまでに要する時間を長くすることにより殺菌力の持続時間を長くすることに寄与する。また、液体4042のpHが4.0以下である状態において後の動作を行うことは、電力効率を向上することに寄与する。
望ましくは、液体4042のpHが2.5以上4.0以下になるように先の動作が行われ、液体4042のpHが2.5以上4.0以下である状態において後の動作が行われる。液体4042のpHが2.5以上4.0以下である場合は、殺菌水に接触する構成物の腐食が抑制され、殺菌水に接触する被処理物の腐食が抑制される。ただし、液体4042のpHが2.5未満である場合、例えば液体4042のpHが2.0程度である場合においても、条件によってはこの効果が得られる。
先の動作は、後の動作に先立って行われる。先の動作により、液体4042のpHを4.0以下にするためにpH調整剤を液体4042に添加する必要がなくなる。ただし、先の動作を行うことに代えてpH調整剤を液体4042に添加することも許される。
6.5 ガスが酸素ガスからなる場合の殺菌水の生成
ガス4062が酸素ガスからなる場合は、パルス電源4422が、液体4042が殺菌水になるようにパルス電圧を発生する動作を行う。
動作においては、ストリーマ放電4462を発生させることにより生成される少なくとも1種類の化学種が液体4042に溶解する。これにより、液体4042は、殺菌水になる。生成される殺菌水は、少なくとも1種類の活性種を含む。少なくとも1種類の活性種は、典型的にはO、HO 、O −*、1重項酸素、OHおよびHを含む。少なくとも1種類の活性種がO、HO 、O −*、1重項酸素、OHおよびH以外の活性種を含むことも許される。少なくとも1種類の活性種がO、HO 、O −*、1重項酸素、OHまたはHを含まないことも許される。O、HO 等の活性種は、長寿命を有する。このため、O、HO 等の活性種を含む殺菌水は、被処理物の殺菌に利用できる殺菌力を有する。
気泡4082の中に発生したオゾンは、液体4042に溶解せず、排出機構4106により排出される。このため、生成される殺菌水のオゾン濃度は0.02ppm未満になる。これにより、殺菌水に含まれるオゾンが使用者の健康に影響することを防止できる。
酸素は、空気の酸素比率を調整することにより調達できる。また、液体4042は、水道水であることも許容される。これらのことは、空気および水道水以外の材料を不要にすることに寄与する。
7 第5実施形態
第5実施形態は、第4実施形態の電極構造4108を置き換える電極構造に関する。
図14は、第5実施形態の電極構造の付近を図示する拡大断面図である。
図14に図示される電極構造5000は、電極5022、電極5024、電極5026、電極5028、電極5030、電極5032、樹脂板5034、樹脂板5036および樹脂板5038を備える。
電極5022、5024および5026は、空間4142の内部にあり、液体4042に浸される。電極5028、5030および5032は、空間4142の内部にあり、液体4042に浸され、それぞれ間隙5042、5044および5046を挟んで電極5022、5024および5026と対向する。
電極構造5000は、エアーストーン4164の鉛直方向上方に配置される。これにより、気泡4082が浮上した場合に、気泡4082が電極構造5000に到達し、気泡4082が間隙5042、5044および5046を順次に通過する。気泡4082は、間隙5042を通過する時に電極5022および5028に同時に接触し、間隙5044を通過する時に電極5024および5030に同時に接触し、間隙5046を通過する時に電極5026および5032に同時に接触する。気泡4082が電極5022および5028に接触している間に電極5022および5028の間にパルス電圧が印加された場合は、電極5022および5028の間にストリーマ放電が発生し、気泡4082の中にストリーマ放電が発生する。気泡4082が電極5024および5030に接触している間に電極5024および5030の間にパルス電圧が印加された場合は、電極5024および5030の間にストリーマ放電が発生し、気泡4082の中にストリーマ放電が発生する。気泡4082が電極5026および5032に接触している間に電極5026および5032の間にパルス電圧が印加された場合は、電極5026および5032の間にストリーマ放電が発生し、気泡4082の中にストリーマ放電が発生する。発生させられたストリーマ放電は、気泡4082の中にプラズマを発生させる。気泡4082は、液体4042とガス4062との界面4242に囲まれるため、プラズマおよびそれに含まれる活性種はほとんど失活することなく液体4042に接触する。このことは、プラズマの発生に使用されたエネルギーを無駄にすることなく高い殺菌力を有する殺菌水を生成することに寄与する。
電極構造5000に備えられる対向物5062は、電極5022、電極5024、電極5026および樹脂板5034を備える。電極構造5000に備えられる対向物5064は、電極5028、電極5030、電極5032および樹脂板5036を備える。対向物5064の対向面5084は、通路5102を挟んで対向物5062の対向面5082と対向する。これにより、電極構造5000は、対向面5082および5084を含み通路5102を定義する面5122を有するようになる。
電極5022、5024および5026の各々は、針状であり、樹脂板5034を厚さ方向に貫通し、対向面5082から対向面5084に向かって突出する。電極5028、5030および5032の各々は、平板状またはシート状であり、樹脂板5036の主面5142に貼り付けられる。電極5028、5030および5032は、それぞれ対向面5084に含まれる主面5162、5164および5166を有する。これにより、通路5102が間隙5042、5044および5046を含むようになり、気泡4082が通路5102を通過する途中で気泡4082が間隙5042、5044および5046を順次に通過する。気泡4082は、間隙5042を通過する時に電極5022の先端5182および電極5028の主面5162に同時に接触し、間隙5044を通過する時に電極5024の先端5184および電極5030の主面5164に同時に接触し、間隙5046を通過する時に電極5026の先端5186および電極5032の主面5166に同時に接触する。
電極構造5000は、気泡4082が通路5102を通過するように配置される。気泡4082が通路5102を通過する場合には、通路5102が気泡4082を鉛直方向5202に案内し、面5122が鉛直方向5202と垂直をなす水平方向5204に気泡4082が拡がることを規制する。
電極5022、5024および5026は、気泡4082が案内される案内方向に配列される。電極5028、5030および5032は、気泡4082が案内される案内方向に配列される。間隙5042、5044および5046は、気泡4082が案内される案内方向に配列される。これにより、気泡4082の中にストリーマ放電が発生させられている時間が長くなる。
電極構造5000は、気泡4082が通路5102に入る直前における水平方向5204についての気泡4082の大きさが、水平方向5204についての通路5102の大きさの1倍より大きく2倍以下であるように構成される。水平方向5204についての気泡4082の大きさが水平方向5204についての通路5102の大きさの1倍より大きくなることにより、気泡4082が通路5102に入る場合に気泡4082が水平方向5204に押しつぶされ、気泡4082と面5122との間の摩擦が増加し、気泡4082が通路5102を進む速度が低下し、気泡4082が間隙5042、5044および5046を通過するのに要する時間が長くなる。水平方向5204についての気泡4082の大きさが水平方向5204についての通路5102の大きさの2倍以下となることにより、気泡4082が通路5102に入りにくくなることが抑制される。これらのことは、プラズマの発生量を増やし高い殺菌力を有する殺菌水を生成することに寄与する。
水平方向5204についての通路5102の大きさ、すなわち、対向面5082から対向面5084までの距離は、望ましくは0.5mm以上10mm以下である。
電極5022および5028は、電極5028が電極5022から水平方向5204に離され気泡4082が間隙5042に入る場合に気泡4082が水平方向5204と異なる鉛直方向5202に進むように配置される。これにより、気泡4082が間隙5042に入ることが電極5022および5028に妨げられなくなる。電極5024および5030は、電極5030が電極5024から水平方向5204に離され気泡4082が間隙5044に入る場合に気泡4082が水平方向5204と異なる鉛直方向5202に進むように配置される。これにより、気泡4082が間隙5044に入ることが電極5024および5030に妨げられなくなる。電極5026および5032は、電極5032が電極5026から水平方向5204に離され気泡4082が間隙5046に入る場合に気泡4082が水平方向5204と異なる鉛直方向5202に進むように配置される。これにより、気泡4082が間隙5046に入ることが電極5026および5032に妨げられなくなる。これらのことは、プラズマの発生量を増やし高い殺菌力を有する殺菌水を生成することに寄与する。
電極5022、5024および5026からなる3個の電極が、2個以下または4個以上の電極に置き換えられてもよい。電極5028、5030および5032からなる3個の電極が、2個以下または4個以上の電極に置き換えられてもよい。2個以上の電極が共通する1個の電極に対向してもよい。
樹脂板5038は、通路5102の上端を閉塞するように配置される。
電極5022、5024および5026は、銅からなる。電極5028、5030および5032は、アルミニウムからなる。
樹脂板5034、5036および5038は、樹脂からなる。
第4実施形態の殺菌水を生成する装置4000に備えられる電極構造4108に対して行われる変形と同様の変形が、第5実施形態の電極構造5000に対して行われてもよい。
8 第6実施形態
第6実施形態は、被処理物を殺菌する方法に関する。
図15は、第6実施形態の被処理物を殺菌する方法を示すフローチャートである。
図15に示されるように、ステップS601においては、殺菌水が生成される。殺菌水は、第1実施形態の殺菌水を生成する装置1000により生成されてもよいし、第1実施形態の殺菌水を生成する装置1000に備えられる電極群1066を第2実施形態の電極群2066に置き換えることにより得られる殺菌水を生成する装置により生成されてもよいし、第3実施形態の殺菌水を生成する装置3000により生成されてもよいし、第4実施形態の殺菌水を生成する装置4000により生成されてもよいし、第4実施形態の殺菌水を生成する装置4000に備えられる電極構造4108を第5実施形態の電極構造5000に置き換えることにより得られる殺菌水を生成する装置により生成されてもよい。
ステップS601に続くステップS602においては、殺菌水が被処理物に振り掛けられる。これにより、被処理物が殺菌水に接触させられ、殺菌水に含まれる活性種が被処理物に作用して被処理物が殺菌される。殺菌水を被処理物に振り掛けることにより被処理物を殺菌水に接触させることに代えて、被処理物を殺菌水に浸漬することにより被処理物を殺菌水に接触させることが行われてもよい。
9 第3の実験
第4実施形態の殺菌水を生成する装置4000を試作し、試作した装置4000を使用して殺菌水である処理水を生成した。処理水の生成においては、60ミリリットルの純水を空間4142に入れ、2リットル/分の流量を有するガス4062を供給機構4024からリアクター4022に供給した。ガス4062としては、酸素ガス、20体積部の窒素ガスと80体積部の酸素ガスとの混合物、30体積部の窒素ガスと70体積部の酸素ガスとの混合物、50体積部の窒素ガスと50体積部の酸素ガスとの混合物、80体積部の窒素ガスと20体積部の酸素ガスとの混合物、90体積部の窒素ガスと10体積部の窒素ガスとの混合物および窒素ガスを使用した。これにより、窒素ガスの分圧および酸素ガスの分圧の合計に対する窒素ガスの分圧の比である窒素割合が0%、20%、30%、50%、80%、90%および100%の各々である場合について処理水を生成した。放電を継続した時間は10分間である。放電中に投入された電力は10Wである。間隙の幅は、3mmである。
続いて、生成した処理水を大腸菌と混合することにより殺菌処理を行い、混合液を得た。
続いて、得た混合液を寒天培地に塗布した。混合液が得られてから混合液が塗布されるまでの時間は、20分とした。
続いて、寒天培地において一晩かけて培養を行い、菌数評価用の試料を得た。
続いて、菌数評価用の試料を使用して殺菌処理後の菌数を測定し、殺菌処理前の菌数に対する殺菌処理後の菌数の比である菌生存率を求めた。菌生存率、殺菌処理後の菌数および殺菌処理前の菌数の間には、(式2)に示される関係がある。
菌生存率=殺菌処理後の菌数/殺菌処理前の菌数・・・(式2)
例えば殺菌処理前の菌数が1CFU/mlであり殺菌処理後の菌数が10−7CFU/mlである場合は、菌生存率は10−7となる。菌生存率は、処理水の殺菌力を示す指標となる。菌生存率が小さくなるほど処理水の殺菌力は高くなる。
図16は、窒素割合による菌生存率の変化を図示するグラフである。図16のグラフにおいては、窒素割合が横軸にとられ、菌生存率が縦軸にとられている。
図16に図示されるように、窒素割合が90%である場合に菌生存率が最も小さくなる。窒素割合が20%以上90%以下である場合は、窒素割合が大きくなるほど菌生存率が小さくなるが、窒素割合が概ね85%以上である場合に菌生存率が特に小さくなる。窒素割合が90%以上100%以下である場合は、窒素割合が小さくなるほど菌生存率が小さくなるが、窒素割合が概ね95%以下である場合に菌生存率が特に小さくなる。
図16に図示されるように、窒素割合が0%である場合も、菌生存率が小さくなる。
図17は、窒素割合による処理水中の硝酸イオンの濃度の変化を示すグラフである。図17のグラフにおいては、窒素割合が横軸にとられ、処理水中の硝酸イオンの濃度が縦軸にとられている。図18は、窒素割合による処理水のpHの変化を示すグラフである。図18のグラフにおいては、窒素割合が横軸にとられ、処理水のpHが縦軸にとられている。
図17および18からは、ガス4062が窒素ガスを含む場合は処理水が数10ppmの硝酸イオンを含むようになり処理水のpHが約3.8になることを把握できる。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
1000 殺菌水を生成する装置
1020 リアクター
1022 供給機構
1024 印加機構
1040 水
1050 気泡
1060 容器
1062 発生機構
1064 排出機構
1066 電極群
1068 支持体
1100 空間
1140 電極
1142 電極
1160 間隙
2066 電極群
2140 電極
2142 電極
3000 殺菌水を生成する装置
3020 リアクター
3022 供給機構
3024 印加機構
3040 水
3060 容器
3062 発生機構
3064 排出機構
3066 電極群
3100 空間
3140 電極
3142 電極
3160 間隙
4000 殺菌水を生成する装置
4022 リアクター
4024 供給機構
4026 印加機構
4042 液体
4062 ガス
4102 容器
4104 発生機構
4108 電極構造
4202 電極
4204 電極
4422 パルス電源
5000 電極構造
5022 電極
5024 電極
5026 電極
5028 電極
5030 電極
5032 電極

Claims (13)

  1. 水または水溶液からなる液体が入れられる空間が形成される容器と、
    窒素ガスおよび酸素ガスの少なくとも一方を含むガスを供給する供給機構と、
    前記供給機構から前記ガスが供給され前記液体の中に前記ガスの気泡を発生させる発生機構と、
    第1の少なくとも1個の電極及び第2の少なくとも1個の電極を備え、前記第1の少なくとも1個の電極が前記液体に浸され、前記第2の少なくとも1個の電極が前記液体に浸され少なくとも1個の間隙を挟んで前記第1の少なくとも1個の電極と対向し、前記気泡が前記少なくとも1個の間隙に導入されるように配置される電極群と、
    前記第1の少なくとも1個の電極と前記第2の少なくとも1個の電極との間にパルス電圧を印加する印加機構と、
    を備え
    前記第1の少なくとも1個の電極は、尖った先端を有する針状電極を備え、
    前記第2の少なくとも1個の電極は、前記尖った先端が向けられる主面を有する平板状電極を備え、前記第1の少なくとも1個の電極から水平方向に離される、
    接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する装置。
  2. 前記電極群を備え、前記少なくとも1個の間隙を含む通路を定義する面を有し、前記気泡が前記通路を通過するように配置され、前記気泡が前記通路を通過する場合に前記通路が前記気泡を鉛直方向に案内し前記面が前記鉛直方向と垂直をなす前記水平方向に前記気泡が拡がることを規制し、前記気泡が前記通路に入る直前における前記水平方向についての前記気泡の大きさが前記水平方向についての前記通路の大きさの1倍より大きく2倍以下であるように構成される電極構造
    をさらに備える
    請求項の接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する装置。
  3. 前記水平方向についての前記通路の大きさは、0.5mm以上10mm以下である
    請求項の接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する装置。
  4. 前記電極構造は、
    前記面に含まれる第1の対向面を有する第1の対向物と、
    前記通路を挟んで前記第1の対向面に対向し前記面に含まれる第2の対向面を有する第2の対向物と、
    を備える
    請求項またはの接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する装置。
  5. 前記第1の対向物は、前記第1の少なくとも1個の電極を備え、
    前記第2の対向物は、前記第2の少なくとも1個の電極を備える
    請求項の接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する装置。
  6. 前記第1の少なくとも1個の電極の各々は、針状であり、前記第1の対向面から前記第2の対向面に向かって突出し、
    前記第2の少なくとも1個の電極の各々は、平板状またはシート状であり、前記第2の対向面に含まれる主面を有する
    請求項の接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する装置。
  7. 前記ガスは、窒素ガスを含み、
    前記印加機構は、ストリーマ放電を発生させることにより生成される第1の少なくとも1種類の化学種が前記液体に溶解することにより前記液体が前記殺菌水になるように前記パルス電圧を発生する第1の動作を前記液体のpHが4.0以下である状態において行うパルス電源を備えており、
    前記パルス電源は、前記ストリーマ放電を発生させることにより生成される第2の少なくとも1種類の化学種が前記液体に溶解することにより前記液体のpHが4.0以下になるように前記パルス電圧を発生する第2の動作を前記第1の動作に先立って行う
    請求項1からまでのいずれかの接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する装置。
  8. 前記第2の少なくとも1種類の化学種は、NOラジカルおよびNOからなる群より選択される少なくとも1種類の化学種を含み、
    前記第2の動作において、前記第2の少なくとも1種類の化学種が前記液体に溶解することにより生成される硝酸により前記液体のpHが4.0以下になる
    請求項の接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する装置。
  9. 水または水溶液からなる液体が入れられる空間が形成される容器と、
    窒素ガスおよび酸素ガスの少なくとも一方を含むガスを供給する供給機構と、
    前記供給機構から前記ガスが供給され前記液体の中に前記ガスの気泡を発生させる発生機構と、
    第1の少なくとも1個の電極及び第2の少なくとも1個の電極を備え、前記第1の少なくとも1個の電極が前記液体に浸され、前記第2の少なくとも1個の電極が前記液体に浸され少なくとも1個の間隙を挟んで前記第1の少なくとも1個の電極と対向し、前記気泡が前記少なくとも1個の間隙に導入されるように配置される電極群と、
    前記第1の少なくとも1個の電極と前記第2の少なくとも1個の電極との間にパルス電圧を印加する印加機構と、
    を備え
    前記第1の少なくとも1個の電極は、第1の主面を有する第1の平板状電極を備え、
    前記第2の少なくとも1個の電極は、前記第1の主面と平行をなす第2の主面を有する第2の平板状電極を備え、前記第1の少なくとも1個の電極から水平方向に離される、
    接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する装置。
  10. 水または水溶液からなる液体が入れられる空間が形成される容器と、
    窒素ガスおよび酸素ガスの少なくとも一方を含むガスを供給する供給機構と、
    前記供給機構から前記ガスが供給され前記液体の中に前記ガスの気泡を発生させる発生機構と、
    第1の少なくとも1個の電極及び第2の少なくとも1個の電極を備え、前記第1の少なくとも1個の電極が前記液体に浸され、前記第2の少なくとも1個の電極が前記液体に浸され少なくとも1個の間隙を挟んで前記第1の少なくとも1個の電極と対向し、前記気泡が前記少なくとも1個の間隙に導入されるように配置される電極群と、
    前記第1の少なくとも1個の電極と前記第2の少なくとも1個の電極との間にパルス電圧を印加する印加機構と、
    を備え
    前記第1の少なくとも1個の電極は、尖った先端を有する針状電極を備え、
    前記第2の少なくとも1個の電極は、前記尖った先端が向けられる主面を有し前記針状電極の鉛直方向上方に配置される平板状電極を備え、前記第1の少なくとも1個の電極から鉛直方向に離される、
    接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する装置。
  11. a) 窒素ガスおよび酸素ガスの少なくとも一方を含むガスを供給する工程と、
    b) 水または水溶液からなる液体の中に前記ガスの気泡を発生させる工程と、
    c) 前記液体に浸され互いに対向する第1の少なくとも1個の電極と第2の少なくとも1個の電極とに挟まれる少なくとも1個の間隙に前記気泡を導入する工程と、
    d) 前記第1の少なくとも1個の電極と前記第2の少なくとも1個の電極との間にパルス電圧を印加する工程と、
    を備え
    前記工程c)において、
    前記第1の少なくとも1個の電極は、尖った先端を有する針状電極を備え、
    前記第2の少なくとも1個の電極は、前記尖った先端が向けられる主面を有する平板状電極を備え、前記第1の少なくとも1個の電極から水平方向に離される、
    接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する方法。
  12. a) 窒素ガスおよび酸素ガスの少なくとも一方を含むガスを供給する工程と、
    b) 水または水溶液からなる液体の中に前記ガスの気泡を発生させる工程と、
    c) 前記液体に浸され互いに対向する第1の少なくとも1個の電極と第2の少なくとも1個の電極とに挟まれる少なくとも1個の間隙に前記気泡を導入する工程と、
    d) 前記第1の少なくとも1個の電極と前記第2の少なくとも1個の電極との間にパルス電圧を印加する工程と、
    を備え
    前記工程c)において、
    前記第1の少なくとも1個の電極は、第1の主面を有する第1の平板状電極を備え、
    前記第2の少なくとも1個の電極は、前記第1の主面と平行をなす第2の主面を有する第2の平板状電極を備え、前記第1の少なくとも1個の電極から水平方向に離される、
    接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する方法。
  13. a) 窒素ガスおよび酸素ガスの少なくとも一方を含むガスを供給する工程と、
    b) 水または水溶液からなる液体の中に前記ガスの気泡を発生させる工程と、
    c) 前記液体に浸され互いに対向する第1の少なくとも1個の電極と第2の少なくとも1個の電極とに挟まれる少なくとも1個の間隙に前記気泡を導入する工程と、
    d) 前記第1の少なくとも1個の電極と前記第2の少なくとも1個の電極との間にパルス電圧を印加する工程と、
    を備え
    前記工程c)において、
    前記第1の少なくとも1個の電極は、尖った先端を有する針状電極を備え、
    前記第2の少なくとも1個の電極は、前記尖った先端が向けられる主面を有し前記針状電極の鉛直方向上方に配置される平板状電極を備え、前記第1の少なくとも1個の電極から鉛直方向に離される、
    接触する被処理物を殺菌する殺菌水を生成する方法。
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