JP2013138986A - プール用循環システム - Google Patents

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Kenkichi Kagawa
謙吉 香川
Masaya Nishimura
政弥 西村
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Abstract

【課題】安全かつ長時間除菌効果を有するプールの水中における雑菌を除菌できるプール用循環システムを提供する。
【解決手段】プール(100)と、前記プール(100)の水を濾過して循環させる循環路と、を有するプール用循環システムにおいて、前記循環路を循環する循環水を貯水する貯水タンク(61)と、電源部(70)と、貯水タンク(61)内の循環水中で放電を生起し、水酸ラジカルを生成させる電極対(64,65)と、貯水タンク(61)内の循環水に超音波を照射することで、生成した水酸ラジカルが変化して生成する循環水中の過酸化水素を水酸ラジカルに変換させる超音波発生部(94)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、プールの水中における雑菌を除菌できるプール用循環システムに関する。
プールにおいて使用される水の衛生管理では主として、次亜塩素酸ソーダ(NaClO)を水に滴下することによって、病原菌を含む雑菌類の消毒が行われている。プールの衛生管理においては、残留塩素濃度が0.4mg/リットル〜0.8mg/リットルの範囲に納まるように次亜塩素酸ソーダが投入される。
例えば、特許文献1には、強アルカリ性電解水を用いて溶解している油分を剥離させた後、次亜塩素酸ソーダを時間差で注入して有機物等を分解させる技術が記載されている。
特開2004−141838号公報
しかし、次亜塩素酸ソーダの影響により、眼球が充血したり、毛髪が塩素に侵されて茶色に変色したりし、肌荒れ等が生じたりする等のおそれがある。また、次亜塩素酸ソーダを連続的に使用し続けるとアルカリ性側に傾く傾向性をもって除菌効果が極端に落ちることがある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、安全かつ長時間除菌効果を有するプールの水中における雑菌を除菌できるプール用循環システムを提供することを目的とする。
第1の発明は、プール(100)と、前記プール(100)の水を濾過して循環させる循環路と、を有するプール用循環システムにおいて、前記循環路を循環する循環水を貯水する貯水タンク(61)と、電源部(70,70a,70b,70c)と、該電源部(70,70a,70b,70c)に接続され、前記貯水タンク(61)内の前記循環水中で放電を生起し、前記循環水中に水酸ラジカルを生成させる電極対(64,64a,64b,64x,65,65x,65y)と、前記貯水タンク(61)内の前記循環水に超音波を照射することで、生成した水酸ラジカルが変化して生成する前記循環水中の過酸化水素を水酸ラジカルに変換させる超音波発生部(94)とを備えていることを特徴とする。
第1の発明では、放電によって循環水中に発生した水酸ラジカルを用いて循環水の浄化を行うとともに、超音波照射によって過酸化水素から生成した水酸ラジカルを用いて循環水の浄化を行うことができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記貯水タンク(61)と、前記電極対(64,64a,64b,64x,65,65x,65y)と、前記電源部(70,70a,70b,70c)と、前記超音波発生部(94)とが組み合わせられて水浄化ユニット(500)が設けられ、前記水浄化ユニット(500)が前記循環路に設けられていることを特徴とする
第2の発明では、前記貯水タンク(61)と、前記電極対(64,65)と、前記電源部(70)とが組み合わせられて水浄化ユニット(500)を構成しているため、既存のプール用循環システムに設置しやすい。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記循環路は、前記プール(100)の水を常時循環させる常時循環路(110)であることを特徴とする。
第3の発明では、常時循環路(110)の循環水中の雑菌を除去できるため、プール(100)の水の洗浄度を向上できる。
第4の発明は、第1又は第2の発明において、前記循環路は、前記プール(100)からオーバーフローした水を循環させるオーバーフロー循環路(120)であることを特徴とする。
第4の発明においても、オーバーフロー循環路(120)の循環水中の雑菌を除去できるため、プール(100)の水の洗浄度を向上できる。
第5の発明は、第1乃至第4の何れかの発明において、上記貯水タンク(61)に銅イオン又は鉄イオンを供給するイオン供給部(110,124,125)を備えていることを特徴とする。
第5の発明では、イオン供給部(110,124,125)から銅イオンや鉄イオンが貯水タンク(61)へ供給される。過酸化水素を含む水中において、銅イオンや鉄イオンが共存する条件下では、いわゆるフェントン反応(Fenton反応)により、銅イオンや鉄イオンが触媒的に作用して、水酸ラジカルが生成される。よって、貯水タンク(61)の水中では、水酸ラジカルの生成量が増大し、有害物質の分解効率が向上する。
第6の発明は、第1乃至第5の何れかの発明において、前記電極対(64,65)のうち一方の電極(64)は前記貯水タンク(61)の底部に配置されていることを特徴とする。
第6の発明では、活性種や過酸化水素を放電に伴う熱によって貯水タンク(61)内を効率よく対流させることができる。
第7の発明は、第1乃至第6の発明の何れか1つにおいて、前記電極対(64,64a,64b,64x,65,65x,65y)に印加する電圧のオン又はオフを制御する第1制御部(1)と、前記超音波発生部(94)の動作を制御する第2制御部(5)とをさらに備え、前記第1制御部(1)及び前記第2制御部(5)は、前記貯水タンク(61)内の前記循環水に含まれる過酸化水素の濃度が所定の上限値を超えないように、前記電極対(64,64a,64b,64x,65,65x,65y)に印加する電圧のオン又はオフ及び前記超音波発生部(94)の動作をそれぞれ制御することを特徴とする。
第8の発明は、第7の発明において、前記貯水タンク(61)内の前記循環水に含まれる過酸化水素の濃度をモニタするセンサ(7)をさらに備え、前記第1制御部(1)は、前記センサ(7)によるモニタ結果に応じて前記電極対(64,64a,64b,64x,65,65x,65y)に印加する電圧のオン又はオフを制御し、前記第2制御部(5)は、前記センサ(7)によるモニタ結果に応じて前記超音波発生部(94)の動作を制御することを特徴とする。
第9の発明は、第8の発明において、少なくとも前記循環水中の過酸化水素の濃度が前記上限値を越えた場合には、前記第1制御部(1)が、前記電極対(64,64a,64b,64x,65,65x,65y)に印加する電圧をオフにして前記放電を停止させるとともに、前記第2制御部(5)が、前記超音波発生部(94)を動作させることを特徴とする。
第10の発明は、第7乃至第9の発明の何れか1つにおいて、前記第2制御部(5)は、前記貯水タンク(61)内の前記循環水に含まれる過酸化水素の濃度が前記上限値より低い所定の下限値を超える期間中、前記超音波発生部(94)をオン状態にすることを特徴とする。
第11の発明は、第1乃至第6の発明の何れか1つにおいて、前記電極対(64,64a,64b,64x,65,65x,65y)に印加する電圧のオン又はオフの制御、及び前記超音波発生部(94)の動作の制御を行う制御部とをさらに備え、前記制御部は、前記貯水タンク(61)内の前記循環水に含まれる過酸化水素の濃度が所定の上限値を超えないように、前記電極対(64,64a,64b,64x,65,65x,65y)に印加する電圧のオン又はオフ、及び前記超音波発生部(94)の動作を制御することを特徴とする。
第12の発明は、第11の発明において、前記制御部は、前記貯水タンク(61)内の前記循環水に含まれる過酸化水素の濃度が所定の上限値を超えた場合には、前記電極対(64,64a,64b,64x,65,65x,65y)に印加する電圧をオフにして前記放電を停止させ、前記循環水に含まれる過酸化水素の濃度が前記上限値より低い所定の下限値を超える期間中、前記超音波発生部(94)をオン状態にすることを特徴とする。
第13の発明において、第1乃至第12の発明の何れか1つにおいて、前記貯水タンク(61)内の前記循環水中に泡を吐出する吐出手段(119)と、前記吐出手段(119)に気体を送る送出手段(99)とをさらに備え、前記電極対(64,65)は、板状であって、互いに対向するよう配置されており、前記電源(70b)は、前記電極対(64,65)にパルス電圧を印加し、前記吐出手段(119)は、前記電極対(64,65)の間であって、前記貯水タンク(61)の底部に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、放電によって水酸ラジカルを生成させて循環水の浄化を行うとともに、この水酸ラジカルが変化して生じた過酸化水素を超音波照射により水酸ラジカルに戻すことによって、過酸化水素濃度を上げずに循環水の浄化を行うことができる。更に過酸化水素の残留性により、長時間除菌効果を有する。
第2の発明によれば、水浄化ユニット(500)を構成しているため、既存のプール用循環システムに設置しやすい。
第3の発明によれば、常時循環路(110)の循環水中の雑菌を除去してプール(100)の水の洗浄度を向上できる。
第4の発明によれば、オーバーフロー循環路(120)の循環水中の雑菌を除去してプール(100)の水の洗浄度を向上できる。
第5の発明によれば、過酸化水素の存在下に鉄イオン又は銅イオンを供給することで、フェントン反応を利用して多量の水酸ラジカルを発生できる。従って、この水酸ラジカルを用いて水中の有害物質等を効果的に除去できる。
第6の発明によれば、活性種や過酸化水素を貯水タンク(61)内を効率よく対流させることにより的確に水中の有害物質等を除去できる。
図1は、実施形態1に係るプール用循環システムの構成図である。 図2は、実施形態1に係る水浄化ユニットの全体構成図であり、水浄化動作を開始する前の状態を示すものである。 図3は、実施形態1に係る絶縁ケーシングの斜視図である。 図4(a)、(b)は、超音波発生部の具体例を示す拡大断面図である。 図5は、実施形態1における水浄化ユニットによる水処理の基本サイクルを示す図である。 図6は、(a)は、水中の過酸化水素の濃度を用いてフィードバック制御を行う場合の運転制御の一例を示すタイムチャートであり、(b)は、過酸化水素の濃度変化の測定値を用いてフィードフォワード制御を行う場合の運転制御の一例を示すタイムチャートである。 図7は、実施形態1に係る水浄化ユニットの全体構成図であり、水浄化動作を開始して気泡が形成された状態を示すものである。 図8は、実施形態2に係る水浄化ユニットの全体構成図である。 図9は、実施形態2に係る絶縁ケーシングの斜視図である。 図10は、実施形態3に係る水浄化ユニットの全体構成図であり、水浄化動作を開始する前の状態を示すものである。 図11は、実施形態3に係る水浄化ユニットの全体構成図であり、水浄化動作を開始して気泡が形成された状態を示すものである。 図12は、実施形態3の変形例に係る絶縁ケーシングの蓋部の平面図である。 図13は、実施形態4に係るプール用循環システムの構成図である。 図14は、実施形態5に係る水浄化ユニットを示す構成図である。 図15は、実施形態6に係る水浄化ユニットを示す構成図である。 図16は、実施形態7に係る水浄化ユニットを示す構成図である。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明するが、当該実施形態は本発明の原理の理解を容易にするためのものであり、本発明の範囲は、下記の実施形態に限られるものではなく、当業者が以下の実施形態の構成を適宜置換した他の実施形態も、本発明の範囲に含まれる。
《実施形態1》
図1は本発明の実施形態1におけるプール用循環システム(900)の構成図である。プール用循環システム(900)は、プール(100)の水を循環濾過させることでプール(100)内の水質を維持させるものであり、水泳等用の水が貯留されるプール(100)と、プール(100)の水を常時循環させる常時循環路(110)と、前記プール(100)からオーバーフローした水を循環させるオーバーフロー循環路(120)と、を備える。
常時循環路(110)は、常時プール(100)内の水を循環させているものであり、常時循環路(110)の一端はプール(100)の側面に設けられた第一循環流入口(111)に接続され、他端はプール(100)の側面に設けられた第一給水口(114)に接続される。常時循環路(110)には、循環水を矢印方向に循環させる第一循環ポンプ(112)及び循環水を濾過する第一濾過装置(113)が配設される。
オーバーフロー循環路(120)は、オーバーフロー水を循環させるものであり、オーバーフローしたプール(100)の水を排出する第一配管(124)と、その第一配管(124)を通ってオーバーフローした循環水を貯留するオーバーフロー水槽(123)と、オーバーフロー水槽(123)に貯留されたオーバーフロー水を再びプール(100)に循環させる第二配管(125)と、を有して構成される。
プール(100)の上面周囲にオーバーフロー溝(121)が設けられ、オーバーフロー溝(121)において所定位置の底部に第二循環流入口(122)が設けられている。また、プール(100)の側面には、第二給水口(126)が設けられている。
第一配管(124)の一端は第二循環流入口(122)に接続されており、他端はオーバーフロー水槽(123)に接続されている。第二配管(125)の一端はオーバーフロー水槽(123)に接続されており、他端は第二給水口(126)に接続している。
第二配管(125)には、循環水を矢印方向に循環させる第二循環ポンプ(140)と循環水を濾過する第二濾過装置(141)とが設けられている。
第二配管(125)において、第二濾過装置(141)の下流側には、流量計や差圧計等の検知器(142)が設けられている。プール(100)をオーバーフローさせて循環濾過する時には、プール(100)内の水圧や水位等を検知器(142)により検知し、第二循環ポンプ(140)の流量をインバータ(143)によって制御させる。このように、オーバーフロー循環路(120)では、プール(100)のオーバーフローに必要な流量となるように第二循環ポンプ(140)を効率よく制御させる。
常時循環路(110)、第一配管(124)及び第二配管(125)は、例えば銅管で構成されている。銅管で構成することにより、その内壁から銅イオンを生成することで、後述する貯水タンク(61)に銅イオンを供給するイオン供給部を構成している。
常時循環路(110)には、第一濾過装置(113)と第一給水口(114)との間において、水浄化ユニット(500)が配設される。
次に水浄化ユニット(500)の詳細構造について説明する。プール用循環システム(900)は、水浄化ユニット(500)を備えている。水浄化ユニット(500)は、水中での放電によって水中にOHラジカル(水酸ラジカル)等の浄化成分を生成するとともに水酸ラジカルから生成した過酸化水素を超音波照射によって水酸ラジカルに戻し、この浄化成分によって冷却水の浄化を行うものである。図2に示されるように、水浄化ユニット(500)は、貯水タンク(61)と、放電ユニット(62)と、貯水タンク(61)内の水に超音波を照射する超音波発生部(94)とを有している。
また、本実施形態のプール用循環システム(900)は、高電圧発生部(70)に接続された放電波形発生部(3)と、電極対(64,65)に印加する電圧のオン又はオフを制御する制御部(1)と、増幅器(9)を介して超音波発生部(94)に所定の周波数の交流電圧を供給する超音波波形発生部(8)と、超音波波形発生部(8)を介して超音波発生部(94)の動作を制御する制御部(5)と、貯水タンク(61)内の水の過酸化水素濃度をモニタするセンサ(7)とを備えている。
なお、図示しないが、センサ(7)のモニタ結果に基づいて制御部(1,5)を制御する中央演算装置(CPU)が設けられていてもよい。制御部(1,5)による放電ユニット(62)及び超音波発生部(94)の制御方法については、後に説明する。なお、後述のいわゆるフィードフォワード制御を行う場合、センサ(7)は必ずしも設けられなくてもよい。
貯水タンク(61)は密閉型の容器状に形成され、貯水タンク(61)への流入側の流入側流路(110a)及び流出側の流出側流路(110b)が接続されている。
放電ユニット(62)は、電極A(64)及び電極B(65)と、この電極対(64,65)に電圧を印加する高電圧発生部(電源部)(70)と、電極A(64)を内部に収容する絶縁ケーシング(71)とを備えている。
電極対(64,65)は、水中で放電を生起するためのものである。電極対(64,65)の一方の電極である電極A(64)は、絶縁ケーシング(71)の内部に配置されている。絶縁ケーシング(71)は貯水タンク(61)の底部に配置されている。そのため電極A(64)は、絶縁ケーシング(71)の底面を介して貯水タンク(61)の底部に配置されている。電極A(64)を貯水タンク(61)の底部に配置することにより、後述するように発生した過酸化水素を放電に伴う熱によって貯水タンク(61)内を対流させて拡散を促進させるためである。電極A(64)は、上下に扁平な板状に形成されている。電極A(64)は、高電圧発生部(70)に接続されている。
電極対(64,65)の他方の電極である電極B(65)は、絶縁ケーシング(71)の外部に配置されている。電極B(65)は、もう一方の電極A(64)の上方に設けられている。電極B(65)は、上下に扁平な板状であって、且つ上下に複数の貫通孔(66)を有するメッシュ形状ないしパンチングメタル形状に構成されている。電極B(65)は、電極A(64)と略平行に配設されている。電極B(65)は、高電圧発生部(70)に接続されている。これらの電極(64,65)は、耐腐食性の高い導電性の材料で構成されている。
高電圧発生部(70)は、例えば電極対(64,65)に所定の電圧を印加する電源で構成されていてもよい。即ち、高電圧発生部(70)は、電極対(64,65)に対して瞬時的に高電圧を繰り返し印加するようなパルス電源ではなく、電極対(64,65)に対して常に数キロボルトの電圧を印加する電源であってもよい。また、高電圧発生部(70)には、電極対(64,65)の放電電力を一定に制御する定電力制御部が設けられている(図示省略)。
絶縁ケーシング(71)は、例えばセラミックス等の絶縁材料で構成されている。絶縁ケーシング(71)は、一面(上面)が開放された容器状のケース本体(72)と、該ケース本体(72)の上方の開放部を閉塞する板状の蓋部(73)とを有している。
ケース本体(72)は、角型筒状の側壁部(72a)と、該側壁部(72a)の底面を閉塞する底部(72b)とを有している。電極A(64)は、底部(72b)の上側に敷設されている。絶縁ケーシング(71)では、蓋部(73)と底部(72b)との間の上下方向の距離が、電極A(64)の厚さよりも長くなっている。つまり、電極A(64)と蓋部(73)との間には、所定の間隔が確保されている。これにより、絶縁ケーシング(71)の内部では、電極A(64)とケース本体(72)と蓋部(73)との間に空間(S)が形成される。
図2及び図3に示すように、絶縁ケーシング(71)の蓋部(73)には、該蓋部(73)を厚さ方向に貫通する1つの開口(74)が形成されている。この開口(74)により、電極A(64)と電極B(65)との間の電界の形成が許容されている。蓋部(73)の開口(74)の内径は、0.02mm以上0.5mm以下であることが好ましい。
以上のように、絶縁ケーシング(71)は、電極対(64,65)のうちの一方の電極(電極A(64))のみを内部に収容し、且つ電極対(64,65)の間の電流経路の電流密度を上昇させる電流密度集中部を成す開口(74)を有する絶縁部材を構成している。
加えて、絶縁ケーシング(71)の開口(74)内では、電流経路の電流密度が集中することで、水がジュール熱によって気化して気泡(B)が形成される。つまり、絶縁ケーシング(71)の開口(74)は、該開口(74)に気相部を成す気泡(B)を形成する気相形成部として機能する。
次に、図2に示す例において、超音波発生部(94)は、板状の圧電セラミックス(95)と、間に圧電セラミックス(95)を挟むように設けられた一対の金属板(96a,96b)とで構成される。超音波発生部(94)を封入するケース(97)は密閉され、貯水タンク(61)の底部に配置されている。超音波発生部(94)は、電極対(64,65)よりも、貯水タンク(61)の給水口に近い位置(言い換えれば、注水口から遠い位置)に配置される。
金属板(96a,96b)には、増幅器(9)によって増幅された超音波波形発生部(8)の出力信号(交流電圧)が供給される。これにより、超音波発生部(94)は任意の周波数の超音波を貯水タンク(61)内の水に照射する。ただし、過酸化水素を分解して水酸ラジカルを効率良く発生させるためには、超音波の周波数が、100kHz以上程度であれば特に好ましい。
なお、超音波発生部(94)は、貯水タンク(61)内の水に超音波を照射できる範囲で任意の位置に設置されていてもよい。例えば、図4(a)に示すように、超音波発生部(94)が貯水タンク(61)の底部外側に設置されていてもよく、貯水タンク(61)の内部において、電極対(64,65)よりも注水口(流入側の開口部)に近い位置に設置されていてもよい。超音波発生部(94)が貯水タンク(61)の底部外側に設置されている場合、超音波は貯水タンク(61)の壁面を介して水に伝達される。
また、超音波発生部(94)の構成は、図2に示す例に限られない。例えば、図4(b)に示すように、金属ケース(97a)の上部と金属板(96)とで板状の圧電セラミックス(95)を挟み、両者の間に交流電圧を供給する構成であってもよい。
以上のように構成された本実施形態に係るプール用循環システム(900)について、以下その使用態様を説明する。
常時循環路(110)では、プール(100)内の水を第一循環流入口(111)から流出させて、第一循環ポンプ(112)及び第一濾過装置(113)を通過させ、再び第一給水口(114)からプール(100)に戻す。
オーバーフロー循環路(120)では、プール(100)からオーバーフローした水は、第二循環流入口(122)から第一配管(124)を通ってオーバーフロー水槽(123)に流入して貯留され、更にオーバーフロー水槽(123)から第二配管(125)を通って再びプール(100)の側面に設けられた第二給水口(126)からプール(100)に流入する。
本実施形態のプール用循環システム(900)では、水浄化ユニット(500)が運転されることで、第一循環ポンプ(112)を流れる水の浄化がなされる。このような水浄化ユニット(500)による水の浄化動作について詳細に説明する。
水浄化ユニット(500)の運転の開始時には、図2に示すように、絶縁ケーシング(71)の内の空間(S)が浸水した状態となっている。例えば、高電圧発生部(70)から電極対(64,65)に所定の電圧(例えば1kV)が印加され、電極B(65)に負極が接続され、電極A(64)に正極が接続された場合、電極対(64,65)の間に電界が形成される。この際、電極A(64)の周囲は、絶縁ケーシング(71)で覆われている。このため、電極対(64,65)の間での漏れ電流が抑制されるとともに、開口(74)内の電流経路の電流密度が集中した状態となる。
開口(74)内の電流密度が上昇すると、開口(74)内のジュール熱が大きくなる。その結果、絶縁ケーシング(71)では、開口(74)の近傍において、水の気化が促進されて気泡(B)が形成される。気泡(B)は、図7に示すように、開口(74)のほぼ全域を覆う状態となり、電極B(65)に導通する負極側の水と、正極側の電極A(64)との間に気泡(B)が介在する。従って、この状態では、気泡(B)が、電極A(64)と電極B(65)との間での水を介した導電を阻止する抵抗として機能する。これにより、電極A(64)と電極B(65)との間の漏れ電流が抑制され、電極対(64,65)間では、所望とする電位差が保たれることになる。すると、気泡(B)内では、絶縁破壊に伴い放電が発生する。
以上のようにして、気泡(B)で放電が行われると、貯水タンク(61)内の水中では、水酸ラジカル等の活性種や、水酸ラジカルが変化した過酸化水素等が生成される。水酸ラジカル等の活性種や過酸化水素は、放電に伴う熱によって貯水タンク(61)内を対流する。これにより、水中での活性種や過酸化水素の拡散が促される。また、気泡(B)で放電が行われると、この放電に伴ってこの気泡(B)でイオン風を生成し易くなる。よって、貯水タンク(61)内では、このイオン風を利用して、活性種や過酸化水素の拡散効果を更に向上できる。
また、上述したように、貯水タンク(61)には、常時循環路(110)、第一配管(124)及び第二配管(125)から析出した銅イオンが供給される。過酸化水素と銅イオンの存在下では、フェントン反応(Fenton反応)により、銅イオンが触媒的に作用して水酸ラジカルの生成が促進される。これにより、水酸ラジカルによる水の浄化効率が向上する。加えて、銅イオンは菌の繁殖を抑制する効果があるため、水中での殺菌作用も高くなる。
以上のようにして、水中に拡散した水酸ラジカル等の活性種は、水中に含まれる被処理成分(例えばアンモニア等)を酸化分解して水の浄化に利用される。また、水中に拡散した過酸化水素は、水の殺菌に利用される。
さらに、本実施形態に係るプール用循環システムの貯水タンク(61)内では、放電により生成された過酸化水素が超音波照射により水酸ラジカルに変換されることで、消毒及び有機物の除去が行われる。これを含めた水の浄化方法について、以下説明する。
図5は、水浄化ユニット(500)における水処理の基本サイクルを示す図である。同図に示すように、貯水タンク(61)内に溜められた水は、まず、電極対(64,65)間に生起される放電によって浄化される。この際には、放電によって水中に水酸ラジカル等の活性種が生成し、有機物等の分解や殺菌などが行われる(図5中のステップSt1、St2)。水酸ラジカルは短時間で過酸化水素に変化する(ステップSt3)。
次に、超音波発生部(94)から水へと超音波を伝搬させ、水中の過酸化水素を分解し、水酸ラジカルに変化させる(ステップSt4)。超音波照射により発生した水酸ラジカルは、再度過酸化水素に変化する。ただし、除菌等、水の浄化反応に使われた水酸ラジカルは水に変化するので、放電を停止して超音波照射のみを行った場合には、過酸化水素の濃度は低下してゆくことになる。
なお、上記の水の浄化は、1回ごとに貯水タンク(61)内の水を全て入れ替える、いわゆるバッチ処理によって行ってもよい。あるいは、流入側流路(110a)から貯水タンク(61)への注水と貯水タンク(61)から流出側流路(110b)への水の流出を連続的に行う連続処理によって浄化を行ってもよい。
次に、放電と超音波処理を組み合わせた水の浄化制御の具体例について説明する。図6(a)は、水中の過酸化水素の濃度を用いて水の浄化のフィードバック制御を行う例を示すタイムチャートである。以下の方法では、水中の過酸化水素はセンサ(7)によって検知される。
この方法において、まず貯水タンク(61)内に水が溜まった状態で運転を開始する。制御部(1)は、電極対(64,65)間に所定の電圧を印加させ、放電を生起させる。この際、超音波発生部(94)はオフ状態にしておく。これにより、水が浄化されるとともに、水中の過酸化水素の濃度が上昇する。
次いで、水の過酸化水素濃度があらかじめ設定された下限値を超えた場合、制御部(1)は電極対(64,65)への電圧供給を継続させ、制御部(5)は、超音波発生部(94)をオン状態にして水に超音波を照射させる。これにより、放電により生成された水酸ラジカルと、過酸化水素から生成された水酸ラジカルとによって水が浄化される。放電によって生成される過酸化水素の量は超音波によって分解される過酸化水素の量よりも多いので、この期間中も液中の過酸化水素の濃度は上昇する。
次に、水の過酸化水素濃度があらかじめ設定された上限値を超えた場合、制御部(1)は電極対(64,65)への電圧供給を停止し、放電を停止させる。制御部(5)は、引き続き超音波発生部(94)をオン状態にして水に超音波を照射させる。これにより、過酸化水素から生成された水酸ラジカルによって水が浄化される。この期間中、超音波によって過酸化水素が分解されるので、液中の過酸化水素の濃度は減少する。
次いで、水の過酸化水素濃度が上述の下限値を下回った時点で、制御部(1)は電極対(64,65)への電圧供給を再開する。これにより、液中の過酸化水素の濃度は再び上昇する。これ以後、同様に超音波照射のみを行う期間と超音波照射と放電とを組み合わせる期間とを繰り返すことで、水の過酸化水素濃度を下限値以上、且つ上限値以下の範囲に制御しつつ、水を浄化する。
以上の方法において、制御部(1)は、動作開始後に水の過酸化水素濃度が上限値に達するまでは放電を生起させて水酸ラジカルを発生させ、水を浄化することができる。また、制御部(5)は、水の過酸化水素濃度が所定の下限値を超える期間中に超音波発生部(94)をオン状態にする、言い換えれば、過酸化水素濃度が所定の下限値を下回る期間中には超音波発生部(94)をオフ状態にする。つまり、液中に十分な過酸化水素が存在する場合に超音波によって水酸ラジカルを発生させているので、水を効果的に浄化することができる。さらに、十分な濃度の過酸化水素の存在下で超音波を継続的に照射することで、継続的に水酸ラジカルを生成することができるので、強い浄化能力を所定の期間中維持することができる。
さらに、上述の方法によれば、貯水タンク(61)から流出側流路(110b)へと供給される水中の過酸化水素の濃度を上限値以下に抑えることができるので、過酸化水素を除去するための工程を容易にすることができる。
本実施形態のプール用循環システムによれば、上述のように、液中での放電と、水への超音波照射とを組み合わせることで、水の過酸化水素濃度を上昇させずに浄化能力の向上を図ることが可能になる。
なお、水を連続処理する場合には、図2に示すように、超音波発生部(94)を電極対(64,65)よりも給水口側に配置することにより、放電によって生じた過酸化水素から超音波照射により効果的に水酸ラジカルを発生させることができる。
また、図2では、電極対(64,65)に印加する電圧のオン又はオフを制御する制御部(1)と、超音波発生部(94)の動作を制御する制御部(5)とを別個に設けたが、1つの制御部で電極対(64,65)に印加する電圧のオン又はオフと超音波発生部(94)の動作とを制御することもできる。
なお、本実施形態の水浄化ユニット(500)では、放電及び超音波照射によって生じる水酸ラジカルによって、水の浄化処理と同時に貯水タンク(61)内に繁殖する細菌等を効果的に殺菌することもできる。以上のように、本実施形態のプール用循環システム(900)では、循環水の清浄度が高いレベルで保たれる。
<実施形態1の変形例>
以下、本実施形態に係る水浄化ユニット(500)における水の浄化方法の変形例について説明する。
図6(b)は、過酸化水素の濃度変化の測定値を用いて水の浄化のフィードフォワード制御を行う例を示すタイムチャートである。
ここで用いられるプール用循環システム(900)には、必ずしもセンサ(7)が設けられていなくてもよい。ただし、放電のみを行った場合に貯水タンク(61)内の水の過酸化水素濃度が0から下限値に達するまでに要する時間T1、放電と超音波照射とを同時に行った場合に水の過酸化水素濃度が下限値から上限値になるまでに要する時間T2、超音波照射のみを行った場合に上限値から下限値に達するのに要する時間T3を、それぞれあらかじめ測定しておき、それらの測定データを制御部(1,5)の内部又は外部に設けられたメモリ(図示せず)に記憶させておく。制御部(1,5)は測定データに基づいて以下の制御を行う。制御部(1,5)の内部又は外部には、時間をカウントするタイマを設けておく。
本変形例に係る方法において、まず制御部(1)は、電極対(64,65)間に所定の電圧を印加させ、放電を生起させる。この際、超音波発生部(94)はオフ状態にしておく。これにより、水が浄化されるとともに、水中の過酸化水素の濃度が上昇する。
次いで、運転開始から時間T1が経過した時点で、制御部(1)は電極対(64,65)への電圧供給を継続させ、制御部(5)は、超音波発生部(94)をオン状態にして水に超音波を照射させる。これにより、放電により生成された水酸ラジカルと、過酸化水素から生成された水酸ラジカルとによって水が浄化される。この期間中も液中の過酸化水素の濃度は上昇する。
次に、時間T2が経過した時点で、制御部(1)は電極対(64,65)への電圧供給を停止し、放電を停止させる。制御部(5)は、引き続き超音波発生部(94)をオン状態にして水に超音波を照射させる。これにより、過酸化水素から生成された水酸ラジカルによって水が浄化される。この期間中、液中の過酸化水素の濃度は減少する。
次いで、さらに時間T3が経過した時点で、制御部(1)は電極対(64,65)への電圧供給を再開し、この状態を時間T2の間継続する。これにより、液中の過酸化水素の濃度は再び上昇する。これ以後、同様に超音波照射のみを行う期間(時間T3)と超音波照射と放電とを組み合わせる期間(時間T2)とを繰り返すことで、水の過酸化水素濃度を下限値以上且つ上限値以下の範囲に制御しつつ、水を浄化する。
以上の方法によっても水中の過酸化水素の濃度を下限値以上、且つ上限値以下の範囲に制御しつつ、水を浄化することができる。なお、これは浄化方法の一変形例であって、他の方法によっても水の浄化を行うことができる。
《実施形態2》
上述の実施形態1では、絶縁ケーシング(71)の蓋部(73)に1つの開口(74)が形成されている。しかしながら、例えば図8及び図9に示すように、絶縁ケーシング(71)の蓋部(73)に複数の開口(74)を形成してもよい。この変形例では、絶縁ケーシング(71)の蓋部(73)が、略正方形板状に形成され、この蓋部(73)に複数の開口(74)が等間隔を置きながら碁盤目状に配列されている。一方、電極A(64)及び電極B(65)は、全ての開口(74)に跨るような正方形板状に形成されている。
この変形例においても、各開口(74)が、電界密度集中部、及び気相形成部として機能する。これにより、高電圧発生部(70)から電極対(64,65)に電圧が印加された場合、各開口(74)の電流密度が上昇し、各開口(74)で気泡(B)が形成される。その結果、各気泡(B)でそれぞれ放電が生起され、水酸ラジカル等の活性種や、過酸化水素が生成される。
《実施形態3》
実施形態3に係るプール用循環システム(900)は、上述した実施形態1と放電ユニット(62)の構成が異なるものである。以下には、上記実施形態1と異なる点を主として説明する。
図10に示すように、実施形態3の放電ユニット(62)は、貯水タンク(61)の外側から内部に向かって挿入されて固定される、いわゆるフランジユニット式に構成されている。また、実施形態3の放電ユニット(62)は、電極A(64)と電極B(65)と絶縁ケーシング(71)とが一体的に組立てられている。
実施形態3の絶縁ケーシング(71)は、大略の外形が円筒状に形成されている。絶縁ケーシング(71)は、ケース本体(72)と蓋部(73)とを有している。
実施形態3のケース本体(72)は、例えばガラス質又は樹脂製の絶縁材料で構成されている。ケース本体(72)は、円筒状の基部(76)と、該基部(76)から貯水タンク(61)側に向かって突出する筒状壁部(77)と、該筒状壁部(77)の外縁部から更に貯水タンク(61)側に向かって突出する環状凸部(78)とを有している。また、ケース本体(72)には、環状凸部(78)の先端側に先端筒部(79)が一体に形成されている。基部(76)の軸心部には、円柱状の挿入口(76a)が軸方向に延びて貫通形成されている。筒状壁部(77)の内側には、挿入口(76a)と同軸となり、且つ挿入口(76a)よりも大径となる円柱状の空間(S)が形成されている。
実施形態3の蓋部(73)は、略円板状に形成されて環状凸部(78)の内側に嵌合している。蓋部(73)は、例えばセラミックス材料で構成されている。蓋部(73)の軸心には、実施形態1と同様、蓋部(73)を上下に貫通する円形状の1つの開口(74)が形成されている。
電極A(64)は、軸直角断面が円形状となる縦長の棒状の電極で構成されている。電極A(64)は、基部(76)の挿入口(76a)に嵌合している。これにより、電極A(64)は、絶縁ケーシング(71)の内部に収容されている。実施形態3では、電極A(64)のうち貯水タンク(61)とは反対側の端部が、貯水タンク(61)の外部に露出される状態となる。このため、貯水タンク(61)の外部に配置される高電圧発生部(70)と、電極A(64)とを電気配線によって容易に接続することができる。
電極A(64)のうち貯水タンク(61)側の端部(64a)は、絶縁ケーシング(71)の内部の空間(S)に臨んでいる。なお、図10に示す例では、電極A(64)の端部(64a)が、挿入口(76a)の開口面よりも上側(貯水タンク(61)側)に突出しているが、この端部(64a)の先端面を挿入口(76a)の開口面と略面一としてもよいし、端部(64a)を挿入口(76a)の開口面よりも下側に陥没させてもよい。また、電極A(64)は、実施形態1と同様、開口(74)を有する蓋部(73)との間に所定の間隔が確保されている。
電極B(65)は、円筒状の電極本体(65a)と、該電極本体(65a)から径方向外方へ突出する鍔部(65b)とを有している。電極本体(65a)は、絶縁ケーシング(71)のケース本体(72)に外嵌している。鍔部(65b)は、貯水タンク(61)の壁部に固定されて放電ユニット(62)を保持する固定部を構成している。放電ユニット(62)が貯水タンク(61)に固定された状態では、電極B(65)の電極本体(65a)の一部が浸水された状態となる。
電極B(65)は、電極本体(65a)よりも小径の内側筒部(65c)と、該内側筒部(65c)と電極本体(65a)との間に亘って形成される連接部(65d)とを有している。内側筒部(65c)及び連接部(65d)は、貯水タンク(61)内の水中に浸漬している。内側筒部(65c)は、その内部に円柱空間(67)を形成している。内側筒部(65c)の軸方向の一端は、蓋部(73)と当接して該蓋部(73)を保持する保持部を構成している。また、電極本体(65a)と内側筒部(65c)と連接部(65d)の間には、ケース本体(72)の先端筒部(79)が内嵌している。内側筒部(65c)の軸方向の他端側には、円柱空間(67)を覆うようにメッシュ状の漏電防止材(68)が設けられている。この漏電防止材(68)は、電極B(65)と接触することで、実質的にアースされている。これにより、漏電防止材(68)は、貯水タンク(61)の内部の空間(水中)のうち、円柱空間(67)の内側から外側への漏電を防止している。
電極B(65)は、電極本体(65a)の一部が貯水タンク(61)の外部に露出される状態となる。このため、高電圧発生部(70)と電極B(65)とを電気配線によって容易に接続することができる。
実施形態3のプール用循環システム(900)においても、水浄化ユニット(500)が運転されることで、常時循環路(110)を流れる水の浄化がなされる。
水浄化ユニット(500)の運転の開始時には、図10に示すように、絶縁ケーシング(71)の内の空間(S)が浸水した状態となっている。高電圧発生部(70)から電極対(64,65)に所定の電圧(例えば1kV)が印加されると、開口(74)の内部の電流密度が上昇していく。
図10に示す状態から、電極対(64,65)へ更に電圧が継続して印加されると、開口(74)内の水が気化されて気泡(B)が形成される(図11を参照)。この状態では、気泡(B)が開口(74)のほぼ全域を覆う状態となり、円柱空間(67)内の負極側の水と、電極A(64)との間に気泡(B)の抵抗が付与される。これにより、電極A(64)と電極B(65)との間の電位差が保たれ、気泡(B)で放電が発生する。その結果、水中では、水酸ラジカルや過酸化水素を生成され、これらの成分が冷却水の浄化に利用される。
なお、上記実施形態3では、円板状の蓋部(73)の軸心に1つの開口(74)を形成しているが、この蓋部(73)に複数の開口(74)を形成してもよい。図12に示す例では、蓋部(73)の軸心を中心とする仮想ピッチ円上に、5つの開口(74)が等間隔置きに配列されている。このように蓋部(73)に複数の開口(74)を形成することで、各開口(74)の近傍でそれぞれ放電を生起させることができる。
《実施形態4》
上述の実施形態1乃至3においては、水浄化ユニット(500)は常時循環路(110)に配設された。しかし本発明の範囲はこのような実施形態に限定されない。実施形態4においては、図13に示されるように、オーバーフロー循環路(120)に水浄化ユニット(500)が配設される。
水浄化ユニット(500)は、検知器(142)と第二給水口(126)との間に配設されており、貯水タンク(61)には、貯水タンク(61)への流入側の流入側流路(125a)及び流出側の流出側流路(125b)が接続されている。その他の構成及び動作については上述の実施形態1乃至3と共通である。
本実施形態のプール用循環システム(900)では、水浄化ユニット(500)が運転されることで、第二循環ポンプ(140)を流れる水の浄化がなされ、水中に拡散した水酸ラジカル等の活性種は、水中に含まれる被処理成分(例えばアンモニア等)を酸化分解して水の浄化に利用される。また、水中に拡散した過酸化水素は、水の殺菌に利用される。これにより、本実施形態のプール用循環システム(900)においても、循環水の清浄度が保たれる。また、超音波処理によって処理後の水の過酸化水素の濃度は許容範囲を超えないようになっているので、安全性も向上している。
上述した実施形態1乃至3においては、水浄化ユニット(500)は常時循環路(110)に配設され、実施形態4においてはオーバーフロー循環路(120)に配設された。しかしながら本発明の範囲はこのような実施形態に限定されることはなく、水浄化ユニット(500)は常時循環路(110)及びオーバーフロー循環路(120)の双方に配設されることも可能である。
上述した各実施形態の高電圧発生部(70)には、放電の放電電力を一定に制御する定電力制御部を用いている。しかしながら、定電力制御部に代えて、放電時の放電電流を一定に制御する定電流制御部を設けることもできる。この定電流制御を行うと、洗浄水の導電率によらず放電が安定するため、スパークの発生も未然に回避できる。
また、上述した各実施形態では、高電圧発生部(70)が直流電源である場合には、正極に電極A(64)を接続し、高電圧発生部(70)の負極に電極B(65)を接続することを説明した。しかしながら、高電圧発生部(70)の負極に電極A(64)を接続し、高電圧発生部(70)の正極に電極B(65)を接続することで、電極対(64,65)の間で、いわゆるマイナス放電を行うようにしてもよい。
また、上述した各実施形態では、常時循環路(110)、第一配管(124)及び第二配管(125)を銅管とすることで、銅イオンのイオン供給部としている。しかしながら、イオン供給部としては、例えば鉄イオンを生成する鉄製の配管を用いることもできる。鉄イオンも銅イオンと同様、過酸化水素の存在下でフェントン反応を促進させるため、水酸ラジカルの生成量を増大できる。また、例えば銅片や鉄片を貯水タンク(61)内に浸漬することで、これらをイオン供給部とすることもできる。
《実施形態5》
図14は、本発明の実施形態5における水浄化ユニットを示す構成図である。同図では、実施形態1に係る水浄化ユニット(500)と同様の構成については図2と同じ符号を付している。また、放電波形発生部(3)、制御部(1,5)、増幅器(9)及びセンサ(7)は図14では図示を省略しているが、実際には本実施形態の水浄化ユニット(500)に設けられている。以下では、主に実施形態1に係る水浄化ユニット(500)と異なる点について説明する。
本実施形態の水浄化ユニット(500)は、貯水タンク(61)と、貯水タンク(61)内に配置された電極対(64x,65x)と、電極対(64x,65x)に接続された高電圧発生部(電源部)(70a)と、貯水タンク(61)の底部に設置された超音波発生部(94)とを備えている。
電極(64x)は絶縁ケーシング(71a)の内部に収納され、電極(65x)は絶縁ケーシング(71b)の内部に収納されている。電極(64x)及び電極(65x)は、それぞれ扁平な板状に形成されている。また、電極(64x)及び電極(65x)はステンレス、銅等の導電性の金属材料で構成されている。高電圧発生部(70a)は、数キロボルト程度の交流電圧を電極対(64x,65x)に供給する。
絶縁ケーシング(71a,71b)は、例えばセラミックス等の絶縁材料で構成されており、図1に示す絶縁ケーシング(71)と同様の構成を有している。
すなわち、絶縁ケーシング(71a)は、一面(図14では右側の面)が開放された容器状のケース本体(180a)と、該ケース本体(180a)の上記開放部を閉塞する板状の蓋部(73a)とを有している。また、絶縁ケーシング(71b)は、一面(図14では左側の面)が開放された容器状のケース本体(180b)と、該ケース本体(180b)の上記開放部を閉塞する板状の蓋部(73b)とを有している。
絶縁ケーシング(71a)の蓋部(73a)には、該蓋部(73a)を厚さ方向に貫通する1つの開口(74a)が形成されている。絶縁ケーシング(71b)の蓋部(73b)にも、該蓋部(73b)を厚さ方向に貫通する1つの開口(74b)が形成されている。これらの開口(74a,74b)により、電極(64x)と電極(65x)との間の電界の形成が許容されている。開口(74a,74b)の内径は、0.02mm以上0.5mm以下であることが好ましい。以上のような開口(74a,74b)は、電極対(64x,65x)の間の電流経路の電流密度を上昇させる電流密度集中部を構成する。
絶縁ケーシング(71a,71b)は、貯水タンク(61)内の互いに対向する側面に、蓋部(73a,73b)同士が対向するように設置されている。言い換えれば、電極(64x)と電極(65x)とは互いに対向するよう配置されている。
絶縁ケーシング(71a,71b)の開口(74a,74b)内では、電流経路の電流密度が上昇することで、水がジュール熱によって気化して気泡が形成される。つまり、絶縁ケーシング(71a,71b)の開口(74a,74b)は、該開口(74a,74b)に気相部としての気泡を形成する気相形成部として機能する。この構成により、交流電圧が電極対(64x,65x)に供給された場合に電極対(64x,65x)間の気泡内に放電を生起させることができる。
なお、超音波発生部(94)の具体的な構成は実施形態1に係る水浄化ユニット(500)と同様である。
以上の構成をとることにより、交流電圧を電極対(64x,65x)に供給する場合でも、電極対(64x,65x)間に放電を生起させることができ、高い浄化能力を発揮することができる。
なお、高電圧発生部(70a)から電極対(64x,65x)へは交流電圧を印加してもよいが、矩形波を印加しても電極対(64x,65x)間に放電を生起することができる。
本実施形態の水浄化ユニット(500)を、図6(a)、(b)に示す方法で運転することにより、水中の過酸化水素の濃度を所定の範囲内に保持しつつ、貯水タンク(61)内の水を効果的に浄化することができる。
《実施形態6》
図15は、本発明の実施形態6における水浄化ユニット(500)を示す構成図である。同図では、実施形態1に係る水浄化ユニット(500)と同様の構成については図2と同じ符号を付している。また、放電波形発生部(3)、制御部(1,5)、増幅器(9)及びセンサ(7)は図15では図示を省略しているが、実際には本実施形態の水浄化ユニット(500)に設けられている。以下では、主に実施形態1に係る水浄化ユニット(500)と異なる点について説明する。
本実施形態の水浄化ユニット(500)は、貯水タンク(61)と、貯水タンク(61)内に配置された電極対(64,65)と、電極対(64,65)に接続された高電圧発生部(電源部)(70b)と、貯水タンク(61)の底部に設置された超音波発生部(94)とを備えている。
本実施形態の水浄化ユニット(500)においては、電極A(64)及び電極B(65)がそれぞれ高電圧発生部(70b)の正極側及び負極側にそれぞれ接続され、高電圧発生部(70b)から電極対(64,65)に高電圧のパルス電圧が供給される。
また、電極A(64)を囲む絶縁ケーシング(71)は設けられない。電極A(64)及び電極B(65)は共に板状であり、貯水タンク(61)内の側面に、互いに対向するように設置される。
さらに、水浄化ユニット(500)には、例えば貯水タンク(61)の底部など、少なくとも電極対(64,65)の間であって、電極対(64,65)よりも低い位置に設けられたノズル(吐出手段)(119)と、ノズル(119)に空気等の気体を送るエアポンプ(送出手段)(99)とが設けられている。エアポンプ(99)によって貯水タンク(61)内の気体は、ノズル(119)を介して循環される。ただし、エアポンプ(99)によって貯水タンク(61)内に外部から気体を供給してもよい。
超音波発生部(94)の構成は実施形態1に係る水浄化ユニット(500)と同様であり、貯水タンク(61)の底部に設置されていてもよいが、貯水タンク(61)内の水に超音波を照射できる限りにおいて任意の位置に設置可能である。
少なくとも放電処理を行う期間中、ノズル(119)から水中へと泡が吐出される。水中に泡が存在する状態で電極対(64,65)にパルス電圧を供給することにより、泡の内部で放電が生起され、水酸ラジカルが生成する。
本実施形態の水浄化ユニット(500)では、実施形態1に係る水浄化ユニット(500)と基本的に同じ方法、すなわち図6(a)、(b)に示す方法で、放電と超音波照射とを組み合わせた水浄化が行われる。ただし、図6(a)、(b)に示す放電処理の期間中は、高電圧発生部(70b)から電極対(64,65)へとパルス電圧が間欠的に供給され、電極対(64,65)間に間欠的に放電が生起される。
以上の構成及び方法によれば、電極対(64,65)間にパルス放電を発生させる場合でも、超音波照射と組み合わせることで、過酸化水素濃度を上昇させずに、高い浄化能力を発揮することができる。
《実施形態7》
図16は、本発明の実施形態7における水浄化ユニット(500)を示す構成図である。同図では、実施形態1、実施形態5に係る水浄化ユニット(500)と同様の構成については図2及び図14と同じ符号を付している。また、放電波形発生部(3)、制御部(1,5)、増幅器(9)及びセンサ(7)は図16では図示を省略しているが、実際には本実施形態の水浄化ユニット(500)に設けられている。以下では、主に実施形態5に係る水浄化ユニット(500)と異なる点について説明する。
本実施形態の水浄化ユニット(500)は、貯水タンク(61)と、貯水タンク(61)内に配置された電極対(64b,65y)と、電極対(64b,65y)に接続された高電圧発生部(電源部)(70c)と、貯水タンク(61)の底部に設置された超音波発生部(94)とを備えている。
電極(64b)と電極(65y)とは、それぞれ貯水タンク(61)内の側面に、互いに対向するように設置されている。
電極(64b)は、少なくとも1つの導電部(164)と、導電部(164)を囲む絶縁部(165)とを有している。
電極(65y)は、少なくとも1つの導電部(166)と、導電部(166)を囲む絶縁部(167)とを有している
以上のように、電極(64b)における導電部(164)の露出面、及び電極(65y)における導電部(166)の露出面の面積は小さいので、電圧を電極対(64b,65y)に供給した場合には導電部(164,166)の表面で電流密度の集中部が形成される。そのため、導電部(164,166)の表面では水がジュール熱によって気化して気泡が形成される。この泡によって導電部(164,166)の露出面が覆われた状態で高電圧発生部(70c)からの電圧供給を継続することにより、泡の内部で放電が生起される。
なお、超音波発生部(94)の具体的な構成は実施形態1及び実施形態5に係る水浄化ユニット(500)と同様である。
本実施形態の水浄化ユニット(500)を、図6(a)、(b)に示す方法で運転することにより、水中の過酸化水素の濃度を所定の範囲内に保持しつつ、貯水タンク(61)内の水を効果的に浄化することができる。
以上の構成によっても、電極対(64b,65y)間での放電と、超音波照射と組み合わせることで、過酸化水素濃度を上昇させずに、高い浄化能力を発揮することができる。
以上で説明した実施形態において、各部材の形状、配置、材質等、あるいは水浄化ユニット(500)の運転方法は本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
以上説明したように、本発明は、雑菌が除去された冷却水を得ることができるプール用循環システムについて有用である。
1,5 制御部
3 放電波形発生部
7 センサ
9 増幅器
61 貯水タンク
62 放電ユニット
64 電極A
65 電極B
66 貫通孔
67 円柱空間
68 漏電防止材
70,70a,70b,70c 高電圧発生部
70 高電圧発生部
71,71a,71b 絶縁ケーシング
72,180a,180b ケース本体
73 蓋部
74 開口
94 超音波発生部
95 圧電セラミックス
96 金属板
97 ケース
97a 金属ケース
99 エアポンプ
100 プール
110 常時循環路
111 第一循環流入口
112 第一循環ポンプ
113 第一濾過装置
114 第一給水口
119 ノズル
120 オーバーフロー循環路
121 オーバーフロー溝
122 第二循環流入口
123 オーバーフロー水槽
124 第一配管
125 第二配管
126 第二給水口
140 第二循環ポンプ
141 第二濾過装置
142 検知器
164,166 導電部
165,167 絶縁部
500 水浄化ユニット
900 プール用循環システム

Claims (13)

  1. プール(100)と、前記プール(100)の水を濾過して循環させる循環路と、を有するプール用循環システムにおいて、
    前記循環路を循環する循環水を貯水する貯水タンク(61)と、
    電源部(70,70a,70b,70c)と、
    該電源部(70,70a,70b,70c)に接続され、前記貯水タンク(61)内の前記循環水中で放電を生起し、前記循環水中に水酸ラジカルを生成させる電極対(64,64a,64b,64x,65,65x,65y)と、
    前記貯水タンク(61)内の前記循環水に超音波を照射することで、生成した水酸ラジカルが変化して生成する前記循環水中の過酸化水素を水酸ラジカルに変換させる超音波発生部(94)とを備えていることを特徴とするプール用循環システム。
  2. 請求項1において、
    前記貯水タンク(61)と、前記電極対(64,64a,64b,64x,65,65x,65y)と、前記電源部(70,70a,70b,70c)と、前記超音波発生部(94)とが組み合わせられて水浄化ユニット(500)が設けられ、前記水浄化ユニット(500)が前記循環路に設けられていることを特徴とするプール用循環システム。
  3. 請求項1又は2において、
    前記循環路は、前記プール(100)の水を常時循環させる常時循環路(110)であることを特徴とするプール用循環システム。
  4. 請求項1又は2において、
    前記循環路は、前記プール(100)からオーバーフローした水を循環させるオーバーフロー循環路(120)であることを特徴とするプール用循環システム。
  5. 請求項1乃至4の何れか1つにおいて、
    上記貯水タンク(61)に銅イオン又は鉄イオンを供給するイオン供給部(110,124,125)を備えていることを特徴とするプール用循環システム。
  6. 請求項1乃至5の何れか1つにおいて、
    前記電極対(64,65)のうち一方の電極(64)は前記貯水タンク(61)の底部に配置されていることを特徴とするプール用循環システム。
  7. 請求項1乃至6の何れか1つにおいて、
    前記電極対(64,64a,64b,64x,65,65x,65y)に印加する電圧のオン又はオフを制御する第1制御部(1)と、
    前記超音波発生部(94)の動作を制御する第2制御部(5)とをさらに備え、
    前記第1制御部(1)及び前記第2制御部(5)は、前記貯水タンク(61)内の前記循環水に含まれる過酸化水素の濃度が所定の上限値を超えないように、前記電極対(64,64a,64b,64x,65,65x,65y)に印加する電圧のオン又はオフ及び前記超音波発生部(94)の動作をそれぞれ制御することを特徴とするプール用循環システム。
  8. 請求項7において、
    前記貯水タンク(61)内の前記循環水に含まれる過酸化水素の濃度をモニタするセンサ(7)をさらに備え、
    前記第1制御部(1)は、前記センサ(7)によるモニタ結果に応じて前記電極対(64,64a,64b,64x,65,65x,65y)に印加する電圧のオン又はオフを制御し、
    前記第2制御部(5)は、前記センサ(7)によるモニタ結果に応じて前記超音波発生部(94)の動作を制御することを特徴とするプール用循環システム。
  9. 請求項8において、
    少なくとも前記循環水中の過酸化水素の濃度が前記上限値を越えた場合には、前記第1制御部(1)が、前記電極対(64,64a,64b,64x,65,65x,65y)に印加する電圧をオフにして前記放電を停止させるとともに、前記第2制御部(5)が、前記超音波発生部(94)を動作させることを特徴とするプール用循環システム。
  10. 請求項7乃至9の何れか1つにおいて、
    前記第2制御部(5)は、前記貯水タンク(61)内の前記循環水に含まれる過酸化水素の濃度が前記上限値より低い所定の下限値を超える期間中、前記超音波発生部(94)をオン状態にすることを特徴とするプール用循環システム。
  11. 請求項1乃至6の何れか1つにおいて、
    前記電極対(64,64a,64b,64x,65,65x,65y)に印加する電圧のオン又はオフの制御、及び前記超音波発生部(94)の動作の制御を行う制御部とをさらに備え、
    前記制御部は、前記貯水タンク(61)内の前記循環水に含まれる過酸化水素の濃度が所定の上限値を超えないように、前記電極対(64,64a,64b,64x,65,65x,65y)に印加する電圧のオン又はオフ、及び前記超音波発生部(94)の動作を制御することを特徴とするプール用循環システム。
  12. 請求項11において、
    前記制御部は、前記貯水タンク(61)内の前記循環水に含まれる過酸化水素の濃度が所定の上限値を超えた場合には、前記電極対(64,64a,64b,64x,65,65x,65y)に印加する電圧をオフにして前記放電を停止させ、前記循環水に含まれる過酸化水素の濃度が前記上限値より低い所定の下限値を超える期間中、前記超音波発生部(94)をオン状態にすることを特徴とするプール用循環システム。
  13. 請求項1乃至12の何れか1つにおいて、
    前記貯水タンク(61)内の前記循環水中に泡を吐出する吐出手段(119)と、
    前記吐出手段(119)に気体を送る送出手段(99)とをさらに備え、
    前記電極対(64,65)は、板状であって、互いに対向するよう配置されており、
    前記電源(70b)は、前記電極対(64,65)にパルス電圧を印加し、
    前記吐出手段(119)は、前記電極対(64,65)の間であって、前記貯水タンク(61)の底部に配置されていることを特徴とするプール用循環システム。
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