JP2013138646A - 浄化装置及び浄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水耕栽培に用いる水を効率的に浄化できるようにする。
【解決手段】水耕栽培用の水を浄化する浄化装置は、植物(200)に与える水が貯留される貯留槽(61)内に設けられ、該貯留槽(61)内の水中で放電を行う放電部(62)と、貯留槽(61)内の水に超音波を照射する超音波発生部(94)とを備えている。放電部(62)は、水中で放電を生起する電極対(64,65、464,465、564,565、664,665)と、電源部(70)とを有し、放電によって水中に水酸ラジカルを生成するように構成されている。超音波発生部(94)は、水酸ラジカルから変換されて生成される水中の過酸化水素を水酸ラジカルに変換するように構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、水耕栽培システムの水の浄化を行う浄化装置、及び浄化方法に関する。
植物の水耕栽培では、植物を栽培するための養液を、配管(養液用配管)を使って栽培床と養液用タンクなどの間を循環させるものがある。この養液用配管には様々な有機栄養分が流れるので、養液中では雑菌が増殖する。また、養液の調整に用いる水に雑菌が含まれている場合がある。
これに対しては、例えば、水を電気分解することで殺菌を行う例がある(例えば特許文献1を参照)。また、塩素を入れた水を電気分解して次亜塩素酸を発生して酸化を行う例がある(例えば特許文献2を参照)。
特開2002−79251号公報 特開2002−104908号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、電極近傍や電極に付着した菌には有効だが、大量の水や広い範囲の除菌には適していない。また、特許文献2の方法では、次亜塩素酸が植物にダメージを与える可能性がある。また、河川や井戸などの塩素を含まない水を利用する場合には、塩素を生成する原料を水に注入する必要がある。
本発明は前記の問題に着目してなされたものであり、水耕栽培に用いる水を効率的に浄化できるようにすることを目的としている。
本発明に係る浄化装置の第1の態様は、水耕栽培用の水を浄化する浄化装置を対象とし、植物(200)に与える水が貯留される貯留槽(61)内に設けられ、該貯留槽(61)内の水中で放電を行う放電部(62)と、貯留槽(61)内の水に超音波を照射する超音波発生部(94)とを備え、放電部(62)は、水中で放電を生起する電極対(64,65、464,465、564,565、664,665)と、電極対(64,65、464,465、564,565、664,665)に電圧を印加する電源部(70)とを有し、放電によって水中に水酸ラジカルを生成するように構成されており、超音波発生部(94)は、生成した水酸ラジカルが変化して生成する水中の過酸化水素を水酸ラジカルに変換するように構成されている。
第2の態様として、放電部(62)及び超音波発生部(94)の運転及び停止を制御する制御部(103)をさらに備え、制御部(103)は、貯留槽(61)内の水に含まれる過酸化水素の濃度が所定の範囲内となるように、放電部(62)及び超音波発生部(94)の運転及び停止を制御してもよい。
この場合において、制御部(103)は、貯留槽(61)内の水に含まれる過酸化水素の濃度が、予め設定した下限値に達するまでは、放電部(62)を運転状態とし、超音波発生部(94)を停止状態とし、下限値に達した後、予め設定した上限値に達するまでは、放電部(62)及び超音波発生部(94)を運転状態とし、上限値に達した後、下限値に達するまでは、放電部(62)を停止状態とし、超音波発生部(94)を運転状態とすることが好ましい。
この場合において、貯留槽(61)内の水に含まれる過酸化水素の濃度を測定するセンサをさらに備えていることが好ましい。
第3の態様として、電極対(564,565)は、互いに対向するよう配置された板状の電極により構成され、電源部(70)は、電極対(564,565)にパルス電圧を印加するパルス電源であり、放電部(62)は、電極対(564,565)の間において水中に気泡を発生させる気泡発生部(520)を有していてもよい。
第4の態様として、貯留槽(61)には、水が流入する配管(51)と、水が流出する配管(52)がそれぞれ接続され、貯留槽(61)内には、水の除塵を行うフィルタ(104)及び水中の化学物質を吸着するフィルタ(105)の少なくとも一方が設けられ、放電部(62)は、フィルタ(104,105)よりも上流側に配置されていてもよい。
本発明に係る浄化方法は、水耕栽培用の水の浄化方法を対象とし、植物(200)に与える水を貯留槽(61)に貯留するステップと、貯留槽(61)内の水中で放電を行い水中に水酸ラジカルを発生させ、生成した水酸ラジカルが変化して生成した過酸化水素を含む水に超音波を照射して水中の過酸化水素を水酸ラジカルに変換することにより浄化を行う浄化ステップとを備えている。
本発明に係る浄化装置によれば、水耕栽培に用いる水を効率的に浄化できる。
本発明の実施形態に係る水耕栽培システムの構成を示す図である。 実施形態1に係る水浄化ユニットの構成図であり、水浄化動作を開始する前の状態を示すものである。 実施形態1に係る絶縁ケーシングの斜視図である。 超音波発生部の変形例を示す図である。 超音波発生部の変形例を示す図である。 実施形態1に係る水浄化ユニットの放電部の構成図であり、水浄化動作中に気泡が安定した状態を示すものである。 浄化ユニットにおける処理の基本サイクルを示す図である。 浄化ユニットの駆動の一例を示すタイミングチャートである。 浄化ユニットの駆動の一例を示すタイミングチャートである。 浄化ユニットの制御部の一例を示すブロック図である。 放電ユニットの第1変形例を示す図である。 放電ユニットの第1変形例における絶縁ケーシングの斜視図である。 放電ユニットの第2変形例を示す図であり、水浄化動作を開始する前の状態を示すものである。 放電ユニットの第2変形例を示す図であり、水浄化動作中に気泡が安定した状態を示すものである。 放電ユニットの第3変形例の絶縁ケーシングの蓋部の平面図である。 水浄化タンクの変形例を示す図である。 実施形態2に係る浄化ユニットを示す図である。 実施形態3に係る浄化ユニットを示す図である。 実施形態4に係る浄化ユニットを示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
〈全体構成〉
図1は、本発明の実施形態に係る水耕栽培システム(10)の構成を示す図である。この水耕栽培システム(10)は、いわゆる施設園芸(例えばビニールハウス)や、閉鎖環境で人工光を用いて植物を栽培する植物工場等で使用される。図1に示すように、水耕栽培システム(10)は、栽培床(101)、配管(51,52)、ポンプ(102)、水浄化ユニット(60)(浄化装置)、及び制御部(103)を備えている。この水耕栽培システム(10)では、栽培床(101)、ポンプ(102)、及び水浄化ユニット(60)は、配管(51,52)で互いに接続され、水が循環する。図1では、水の循環方向を矢印で示してある。なお、配管(51,52)は、樹脂配管、銅配管、鉄配管などで構成できる。
栽培床(101)には、植物(200)が植えつけられる。栽培床(101)は、水(L)を、所定の量だけ溜めるようになっている。栽培床(101)内に溜められている水(L)には、植物(200)を栽培するために必要な養分等も含まれている。栽培床(101)には水が流入する流入孔と、水が流出する流出孔が設けられ、流出孔には配管(51)、流入孔には配管(52)がそれぞれ接続されている。
水浄化ユニット(60)は、水中での放電によって水中に水酸ラジカルを経て過酸化水素を生成し、生成した過酸化水素を超音波により水酸ラジカルに変換することにより水の浄化を行う。水の浄化とは、水中の雑菌の殺菌、水中に存在する汚れの発生原因となる有機物の分解等を含む概念である。水浄化ユニット(60)の構成は後に詳述する。この水浄化ユニット(60)には水が流入する流入孔と、水が流出する流出孔が設けられ、流入孔が栽培床(101)よりも下流側の配管(51)に接続され、栽培床(101)を通過した水が該配管(51)で供給されている。また、水浄化ユニット(60)の流出孔には、配管(52)が接続されている。
ポンプ(102)は、水を循環させるためのポンプである。このポンプ(102)の吸入孔は、水浄化ユニット(60)の流出孔と配管(52)で接続され、吐出孔は、栽培床(101)の流入孔と配管(52)で接続されている。このポンプ(102)の運転状態は、制御部(103)が制御する。
制御部(103)は、ポンプ(102)及び水浄化ユニット(60)に所定の制御信号(SIG)を出力し、ポンプ(102)の運転状態(オンオフ)の制御と、水浄化ユニット(60)の運転状態(放電部及び超音波発生部のオンオフ)の制御を行う。
<水浄化ユニット(60)の構成>
図2は、水浄化ユニット(60)の構成例を示す図である。水浄化ユニット(60)は、水中での放電によって水中に水酸ラジカルを経て過酸化水素を生成し、生成した過酸化水素を超音波により水酸ラジカルに変換することにより水の殺菌を行う。水浄化ユニット(60)は、水浄化タンク(61)(貯留槽)と放電部(62)と超音波発生部(94)とを有している。
水浄化タンク(61)は、密閉型の容器状に形成され、栽培床(101)の水が流入する。具体的に、水浄化タンク(61)には、栽培床(101)の流出孔に繋がる配管(51)と、ポンプ(102)の吸入孔に繋がる配管(52)が接続されている。すなわち、水浄化タンク(61)は、栽培床(101)の下流側に配設されている。
放電部(62)は、第1電極(64)及び第2電極(65)とからなる電極対(64,65)と、この電極対(64,65)に電圧を印加する電源部(70)と、第1電極(64)を内部に収容する絶縁ケーシング(71)とを備えている。
電極対(64,65)は、水中で放電を生起するためのものである。第1電極(64)は、絶縁ケーシング(71)の内部に配置されている。第1電極(64)は、上下に扁平な板状に形成されている。第1電極(64)は、電源部(70)と接続されている。第1電極(64)は、例えばステンレス、銅等の導電性の金属材料で構成されている。
第2電極(65)は、絶縁ケーシング(71)の外部に配置されている。第2電極(65)は、第1電極(64)の上方に設けられている。第2電極(65)は、上下に扁平な板状であって、且つ上下に複数の貫通孔(66)を有するメッシュ形状ないしパンチングメタル形状に構成されている。第2電極(65)は、第1電極(64)と略平行に配設されている。第2電極(65)は、電源部(70)と接続されている。第2電極(65)は、例えばステンレス、真鍮等の導電性の金属材料で構成されている。
電源部(70)は、電極対(64,65)に所定の電圧を印加する。電源部(70)は、電極対(64,65)に対して瞬時的に高電圧を繰り返し印加するようなパルス電源であってもよいが、電極対(64,65)に対して常に数キロボルトの電圧を印加する直流電源でかまわない。直流電源の場合には電源部(70)のうち、第2電極(65)が接続される負極側を、アースと接続すればよい。また、電源部(70)には、電極対(64,65)の放電電力を一定に制御する定電力制御部が設けられている(図示省略)。なお、電源部(70)を電極対(64,65)に対して瞬時的に高電圧を繰り返し印加するようなパルス電源としてもよい。電源部(70)が直流電源である場合には、電源部(70)がパルス電源である場合と比べて放電発生時の音を小さくすることができる。
絶縁ケーシング(71)は、水浄化タンク(61)の底部に設置されている。絶縁ケーシング(71)は、例えばセラミックス等の絶縁材料で構成されている。絶縁ケーシング(71)は、一面(上面)が開放された容器状のケース本体(72)と、該ケース本体(72)の上方の開放部を閉塞する板状の蓋部(73)とを有している。
ケース本体(72)は、角型筒状の側壁部(72a)と、該側壁部(72a)の底面を閉塞する底部(72b)とを有している。第1電極(64)は、底部(72b)の上側に敷設されている。絶縁ケーシング(71)では、蓋部(73)と底部(72b)との間の上下方向の距離が、第1電極(64)の厚さよりも長くなっている。つまり、第1電極(64)と蓋部(73)との間には、所定の間隔が確保されている。これにより、絶縁ケーシング(71)の内部では、第1電極(64)とケース本体(72)と蓋部(73)との間に空間(S)が形成される。
図2及び図3に示すように、絶縁ケーシング(71)の蓋部(73)には、該蓋部(73)を厚さ方向に貫通する1つの開口(74)が形成されている。この開口(74)により、第1電極(64)と第2電極(65)との間の電界の形成が許容されている。蓋部(73)の開口(74)の内径は、0.02mm以上0.5mm以下であることが好ましい。以上のような開口(74)は、電極対(64,65)の間の電流経路の電流密度を上昇させる電流密度集中部を構成する。
以上のように、絶縁ケーシング(71)は、電極対(64,65)のうちの一方の電極(第1電極(64))のみを内部に収容し、且つ電流密度集中部としての開口(74)を有する絶縁部材を構成している。
加えて、絶縁ケーシング(71)の開口(74)内では、電流経路の電流密度が上昇することで、水がジュール熱によって気化して気泡(B)が形成される。つまり、絶縁ケーシング(71)の開口(74)は、該開口(74)に気相部としての気泡(B)を形成する気相形成部として機能する。
超音波発生部(94)は、板状の圧電セラミックス板(95)と、圧電セラミックス板(95)を挟むように設けられた一対の金属板(96a,96b)とにより構成されている。超音波発生部(94)を封入するケース(97)は密閉され、水浄化タンク(61)の底部に配置されている。
金属板(96a,96b)には、増幅器(309)によって増幅された超音波波形発生部(308)の出力信号(交流電圧)が供給される。これにより、超音波発生部(94)は任意の周波数の超音波を水浄化タンク(61)内の水に照射できる。但し、過酸化水素を分解して水酸ラジカルを効率良く発生させるためには、超音波の周波数が、100kHz以上程度であれることが好ましい。
なお、超音波発生部(94)は、水浄化タンク(61)内の液体に超音波を照射できる範囲で任意の位置に設置されていてよい。例えば、図4に示すように、超音波発生部(94)は水浄化タンク(61)の底部外側に設置されていてもよい。超音波発生部(94)が水浄化タンク(61)の底部外側に設置されている場合、超音波は水浄化タンク(61)の壁面を介して水に伝達される。
また、超音波発生部(94)は、図5に示すように、金属ケース(97a)の上部と金属板(96)とで板状の圧電セラミックス板(95)を挟み、両者の間に交流電圧を供給する構成であってもよい。
なお、水の循環を連続的に行っている場合には、放電部(62)を運転しても、水浄化タンク(61)内の過酸化水素濃度が、放電部(62)よりも流入側では高くならない可能性がある。このため、超音波発生部(94)は、放電部(62)よりも流出側に設ける方が好ましい。しかし、ポンプ(102)の停止時に水浄化タンク(61)内の水の殺菌を行うような場合には、超音波発生部(94)が放電部(62)よりも流入側に設けられていても問題ない。
<水耕栽培システム(10)の動作>
水耕栽培システム(10)では、制御部(103)によって、ポンプ(102)がオン状態にされると、水が栽培床(101)に供給される。栽培床(101)では、それぞれの植物(200)が必要量の水を吸収する。植物(200)に吸収されなかった水は、栽培床(101)から配管(51)を通って流出し、水浄化ユニット(60)を通過する。水浄化ユニット(60)から出た水は、配管(52)を通過する。水浄化ユニット(60)から出た水は、不足した成分や水が補われ、再び栽培床(101)に流入する。水の成分調整や量の調整を行う装置は、図1では図示を省略してある。なお、水の循環は、連続的に行ってもよいし、適当な時間間隔をあけて行うようにしてもよい。
<本実施形態における浄化>
水耕栽培システム(10)において水を浄化(殺菌)するには、水浄化ユニット(60)で放電を行わせると共に超音波照射を行う。また、ポンプ(102)はオフにする。具体的には、制御部(103)が水浄化ユニット(60)をオンにし、ポンプ(102)をオフにする。この例では、ポンプ(102)をオフにすることによって、水浄化タンク(61)内に水を貯留し、貯留した水を除菌する。
水浄化ユニット(60)の運転の開始時には、図2に示すように、絶縁ケーシング(71)の内の空間(S)が浸水した状態となっている。電源部(70)から電極対(64,65)に所定の電圧(例えば1kV)が印加されると、電極対(64,65)の間に電界が形成される。この際、第1電極(64)の周囲は、絶縁ケーシング(71)で覆われている。このため、電極対(64,65)の間での漏れ電流が抑制されるとともに、開口(74)内の電流経路の電流密度が上昇した状態となる。
開口(74)内の電流密度が上昇すると、開口(74)内のジュール熱が大きくなる。その結果、絶縁ケーシング(71)では、開口(74)の近傍において、水の気化が促進されて気泡(B)が形成される。この気泡(B)は、図6に示すように、開口(74)のほぼ全域を覆う状態となり、第2電極(65)と第1電極(64)との間に気泡(B)が介在する。従って、この状態では、気泡(B)が、第1電極(64)と第2電極(65)との間での水を介した導電を阻止する抵抗として機能する。これにより、第1電極(64)と第2電極(65)との間の漏れ電流が抑制され、電極対(64,65)間では、所望とする電位差が保たれることになる。すると、気泡(B)内では、絶縁破壊に伴い放電が発生する。
以上のようにして、気泡(B)で放電が行われると、水浄化タンク(61)内の水中では、水酸ラジカルが発生する。発生した水酸ラジカルは急速に反応して過酸化水素となる。このため、水浄化タンク(61)内の過酸化水素濃度が次第に上昇する。過酸化水素濃度が十分に上昇した後、水に超音波を照射すると、水中の過酸化水素が分解され再び水酸ラジカルが発生する。超音波照射により発生した水酸ラジカルは再び結合して過酸化水素に戻る。このため、図7に示すように過酸化水素から水酸ラジカルへの変換と、水酸ラジカルから過酸化水素への変換とが循環して生じる。但し、殺菌等の水の浄化に使われた水酸ラジカルは水に変化するので、放電を停止して超音波照射のみを行った場合には、過酸化水素の濃度は徐々に低下する。
過酸化水素により水を十分に殺菌しようとすると、水中の過酸化水素の濃度を高くしなければならない。過酸化水素は、低濃度では比較的安全であるが濃度が高くなると植物に悪影響をおよぼすおそれがある。一方、水酸ラジカルは、過酸化水素と比べてはるかに高い殺菌能力を有している。従って、低い濃度においても水を十分に殺菌することができる。しかし、水酸ラジカルは不安定であり直ぐに反応して過酸化水素となってしまう。このため、水酸ラジカルにより水の殺菌を行うためには、水酸ラジカルを連続的に発生させなければならない。
放電の場合、水が分解されて水酸ラジカルが発生するため、連続的に運転を行うと水中の過酸化水素濃度がどんどん上昇してしまう。一方、超音波照射の場合には、過酸化水素から水酸ラジカルへの変換は生じるが、水の分解は生じない。このため、水酸ラジカルの生成を連続的に行っても、過酸化水素の濃度が上昇することはない。従って、放電により過酸化水素を発生させ、超音波により水酸ラジカルを発生させることにより、放電のみを用いて殺菌を行う場合よりもはるかに効率良く殺菌を行うことができる。また、過酸化水素の濃度を低く抑えることができるので、より安全な浄化装置を実現することができる。
水酸ラジカルは反応性が高いため、栽培床(101)において栽培している植物(200)に水酸ラジカルが直接接すると、植物(200)に悪影響が生じるおそれがある。しかし、水酸ラジカルの寿命は非常に短いため、水浄化タンク(61)外においては水酸ラジカルはほとんど存在しない。一方、低濃度の過酸化水素は、植物(200)にほとんど影響を与えない。このため、水浄化ユニット(60)を栽培床(101)から独立させることにより、栽培床(101)において栽培する植物(200)が水酸ラジカルの影響を受けることがなくなるという利点が得られる。
水中の過酸化水素は、放電に伴う熱によって水浄化タンク(61)内を対流する。これにより、水中での活性種や過酸化水素の拡散が促される。また、気泡(B)で放電が行われると、この放電に伴ってこの気泡(B)でイオン風を生成し易くなる。よって、水浄化タンク(61)内では、このイオン風を利用して、活性種や過酸化水素の拡散効果をさらに向上できる。
この過酸化水素には、水中の雑菌を殺菌する作用がある。そのため、水浄化タンク(61)内では、殺菌が行われる。なお、過酸化水素は、一般的には、植物には安全である。
また、水浄化タンク(61)内に浸漬した銅片からは、銅イオンが水中に溶出する。すなわち、この銅片はイオン供給部として機能する。過酸化水素と銅イオンの存在下では、フェントン反応により、銅イオンが触媒的に作用して水酸ラジカルの生成が促進される。これにより、水酸ラジカルによる水の浄化効率が向上する。加えて、銅イオンは菌の繁殖を抑制する効果があるため、水中での殺菌作用も高くなる。
放電部(62)と超音波発生部(94)とを常に動作状態としてもかまわないが、水中の過酸化水素濃度が低い場合には、超音波を照射しても十分な水酸ラジカルの発生が望めない。また、放電部(62)を動作させ続けると水中の過酸化水素濃度が高くなりすぎるおそれもある。このため、図8に示すような運転を行うことが好ましい。まず、放電部(62)のみを運転して、水浄化タンク(61)内の過酸化水素を上昇させた後、超音波発生部(94)の運転を開始し水酸ラジカルの生成を開始する。その後、水浄化タンク(61)内の過酸化水素濃度が十分に上昇した時点で放電部(62)の運転を休止し、超音波発生部(94)のみを運転する。水浄化タンク(61)内の過酸化水素の濃度が低下した時点で、再び放電部(62)の運転を開始し、水浄化タンク(61)内の過酸化水素濃度を上昇させる。
以上のような、制御は予め設定したタイミングに基づいて行ってもよいが、水浄化タンク(61)内の過酸化水素濃度の測定値に基づいて図9に示すような制御を行ってもよい。この場合には、図10に示すように過酸化水素濃度を測定するセンサ(307)を水浄化タンク(61)内に設け、センサ出力に基づいて、制御部(103)により、放電部(62)及び超音波発生部(94)を制御すればよい。制御部(103)は、中央演算装置(CPU)を備えた演算回路等とすればよい。また、ポンプ(102)についても制御する構成を示したが、ポンプ(102)の制御と、放電部(62)及び超音波発生部(94)の制御は独立して行う構成としてもよい。
なお、放電部(62)の運転中に超音波発生部(94)の運転を開始する例を示したが、放電部(62)の運転を休止してから超音波発生部(94)の運転を開始してもよい。また、放電部(62)の再運転する場合に、超音波発生部(94)を休止した状態としてもよい。
<本実施形態における効果>
以上のように、本実施形態によれば、水浄化ユニット(60)において発生した水酸ラジカルや過酸化水素によって水中の雑菌の殺菌ができる。この除菌は、水浄化タンク(61)内の放電で行うので、まとまった量の水を処理できる。また、水中(水中)で放電を行って水酸ラジカルを発生させるので、例えばオゾンを溶解させるものと比べ、水酸ラジカルを効率的に利用することができる。
また、水浄化タンク(61)内に、フェントン反応を生起させるためのイオン供給部を設けてもよい。具体的には銅片を水浄化タンク(61)内に浸漬することで、水浄化タンク(61)内にイオンを供給することができる。イオンを供給することによりフェントン反応が生じ過酸化水素から水酸ラジカルへの変換がより促進され、銅片(イオン供給部)の周辺において、より強力に殺菌や汚れ分解(付着防止)を行うことが可能になる。
《放電部の変形例1》
実施形態1では、絶縁ケーシング(71)の蓋部(73)に1つの開口(74)が形成されている。しかしながら、例えば図11及び図12に示すように、絶縁ケーシング(71)の蓋部(73)に複数の開口(74)を形成してもよい。この変形例では、絶縁ケーシング(71)の蓋部(73)が、略正方形板状に形成され、この蓋部(73)に複数の開口(74)が等間隔を置きながら碁盤目状に配列されている。一方、第1電極(64)及び第2電極(65)は、全ての開口(74)に跨るような正方形板状に形成されている。
この変形例においても、各開口(74)が、電流密度集中部、及び気相形成部として機能する。これにより、電源部(70)から電極対(64,65)に電圧が印加されると、各開口(74)の電流密度が上昇し、各開口(74)で気泡(B)が形成される。その結果、各気泡(B)でそれぞれ放電が生起され、水酸ラジカル等の活性種や、過酸化水素が生成される。
《放電部の変形例2》
放電部(62)は以下のような構成としてもよい。図13に示すように、実施形態2の放電部(62)は、水浄化タンク(61)の外側から内部に向かって挿入されて固定される、いわゆるフランジユニット式に構成されている。また、実施形態2の放電部(62)は、第1電極(64)と第2電極(65)と絶縁ケーシング(71)とが一体的に組み立てられている。
実施形態2の絶縁ケーシング(71)は、大略の外形が円筒状に形成されている。絶縁ケーシング(71)は、ケース本体(72)と蓋部(73)とを有している。
実施形態2のケース本体(72)は、ガラス質又は樹脂製の絶縁材料で構成されている。ケース本体(72)は、円筒状の基部(76)と、該基部(76)から水浄化タンク(61)側に向かって突出する筒状壁部(77)と、該筒状壁部(77)の外縁部からさらに水浄化タンク(61)側に向かって突出する環状凸部(78)とを有している。また、ケース本体(72)には、環状凸部(78)の先端側に先端筒部(79)が一体に形成されている。基部(76)の軸心部には、円柱状の挿入口(76a)が軸方向に延びて貫通形成されている。筒状壁部(77)の内側には、挿入口(76a)と同軸となり、且つ挿入口(76a)よりも大径となる円柱状の空間(S)が形成されている。
実施形態2の蓋部(73)は、略円板状に形成されて環状凸部(78)の内側に嵌合している。蓋部(73)は、セラミックス材料で構成されている。蓋部(73)の軸心には、実施形態1と同様、蓋部(73)を上下に貫通する円形状の1つの開口(74)が形成されている。
第1電極(64)は、軸直角断面が円形状となる縦長の棒状の電極で構成されている。第1電極(64)は、基部(76)の挿入口(76a)に嵌合している。これにより、第1電極(64)は、絶縁ケーシング(71)の内部に収容されている。実施形態2では、第1電極(64)のうち水浄化タンク(61)とは反対側の端部が、水浄化タンク(61)の外部に露出される状態となる。このため、水浄化タンク(61)の外部に配置される電源部(70)と、第1電極(64)とを電気配線によって容易に接続することができる。
第1電極(64)のうち水浄化タンク(61)側の端部(64a)は、絶縁ケーシング(71)の内部の空間(S)に臨んでいる。なお、図13に示す例では、第1電極(64)の端部(64a)が、挿入口(76a)の開口面よりも上側(水浄化タンク(61)側)に突出しているが、この端部(64a)の先端面を挿入口(76a)の開口面と略面一としてもよいし、端部(64a)を挿入口(76a)の開口面よりも下側に陥没させてもよい。また、第1電極(64)は、実施形態1と同様、開口(74)を有する蓋部(73)との間に所定の間隔が確保されている。
第2電極(65)は、円筒状の電極本体(65a)と、該電極本体(65a)から径方向外方へ突出する鍔部(65b)とを有している。電極本体(65a)は、絶縁ケーシング(71)のケース本体(72)に外嵌している。鍔部(65b)は、水浄化タンク(61)の壁部に固定されて放電部(62)を保持する固定部を構成している。放電部(62)が水浄化タンク(61)に固定された状態では、第2電極(65)の電極本体(65a)の一部が浸水された状態となる。
第2電極(65)は、電極本体(65a)よりも小径の内側筒部(65c)と、該内側筒部(65c)と電極本体(65a)との間に亘って形成される連接部(65d)とを有している。内側筒部(65c)及び連接部(65d)は、水浄化タンク(61)内の水中に浸漬している。内側筒部(65c)は、その内部に円柱空間(67)を形成している。内側筒部(65c)の軸方向の一端は、蓋部(73)と当接して該蓋部(73)を保持する保持部を構成している。また、電極本体(65a)と内側筒部(65c)と連接部(65d)の間には、ケース本体(72)の先端筒部(79)が内嵌している。内側筒部(65c)の軸方向の他端側には、円柱空間(67)を覆うようにメッシュ状の漏電防止材(68)が設けられている。この漏電防止材(68)は、第2電極(65)と接触することで、実質的にアースされている。これにより、漏電防止材(68)は、水浄化タンク(61)の内部の空間(水中)のうち、円柱空間(67)の内側から外側への漏電を防止している。
第2電極(65)は、電極本体(65a)の一部が水浄化タンク(61)の外部に露出される状態となる。このため、電源部(70)と第2電極(65)とを電気配線によって容易に接続することができる。
<水浄化ユニットの運転動作>
変形例2においても、放電部(62)が運転されることにより過酸化水素が生成される。
水浄化ユニット(60)の運転の開始時には、図13に示すように、絶縁ケーシング(71)の内の空間(S)が浸水した状態となっている。電源部(70)から電極対(64,65)に所定の電圧(例えば1kV)が印加されると、開口(74)の内部の電流密度が上昇してく。
図13に示す状態から、電極対(64,65)へさらに電圧が継続して印加されると、開口(74)内の水が気化されて気泡(B)が形成される(図14を参照)。この状態では、気泡(B)が開口(74)のほぼ全域を覆う状態となり、円柱空間(67)内の負極側の水と、第1電極(64)との間に気泡(B)の抵抗が付与される。これにより、第1電極(64)と第2電極(65)との間の電位差が保たれ、気泡(B)で放電が発生する。その結果、水中では、水酸ラジカルを経て過酸化水素が生成される。
《放電部の変形例3》
変形例2では円板状の蓋部(73)の軸心に1つの開口(74)を形成する例を示したが、この蓋部(73)に複数の開口(74)を形成してもよい。図15に示す例では、蓋部(73)の軸心を中心とする仮想ピッチ円上に、5つの開口(74)が等間隔置きに配列されている。このように蓋部(73)に複数の開口(74)を形成することで、各開口(74)の近傍でそれぞれ放電を生起させることができる。
なお、実施形態1及び各変形例の電源部(70)には、放電の放電電力を一定に制御する定電力制御部を用いている。しかし、定電力制御部に代えて、放電時の放電電流を一定に制御する定電流制御部を設けることもできる。この定電流制御を行うと、洗浄水の導電率によらず放電が安定するため、スパークの発生も未然に回避できる。
また、実施形態1及び各変形例において、電源部(70)が直流電源の場合には正極に第1電極(64)を接続し、電源部(70)の負極に第2電極(65)を接続すればよい。しかし、電源部(70)の負極に第1電極(64)を接続し、電源部(70)の正極に第2電極(65)を接続して、電極対(64,65)の間で、いわゆるマイナス放電を行うようにしてもよい。なお、電源部(70)は交流電源又はパルス電源等であってもよい。
《水浄化タンクの変形例》
水浄化タンクに、図16に示すように、除塵フィルタ(104)及び吸着フィルタ(105)を追加してもよい。
除塵フィルタ(104)は、水中の菌や固形物を主に捕らえるフィルタである。また、吸着フィルタ(105)は、水内の化学物質を主に捕らえるフィルタである。本実施形態の放電部(62)は、これらのフィルタ(104,105)よりも上流側に配置されている。このようにすることで、これらのフィルタ(104,105)上に濃縮された対象物に対して、高濃度の活性種を作用させることができる。それゆえ、本実施形態ではより効率的に水の除菌、浄化ができる。
なお、必ずしも2種類のフィルタ(104,105)を設ける必要はなく、いずれか一方だけでもよい。
(実施形態2)
図17は、実施形態2に係る水浄化ユニット(60B)を示す構成図である。図17では、実施形態1の水浄化ユニット(60)と同様の構成については図2と同じ符号を付している。また、図17では、制御部(103)等の記載は省略している。以下においては、主に実施形態1に係る水浄化ユニット(60)と異なる点について説明する。
本実施形態の水浄化ユニット(60B)は、水浄化タンク(61)と、水浄化タンク(61)内に配置された放電部と、超音波発生部(94)とを備えている。放電部は、電極対(464,465)と、電極対(464,465)に接続された電源部(70)とを有している。超音波発生部(94)は、水浄化タンク(61)の底部に設置されている。
電極(464)は絶縁ケーシング(471a)の内部に収納され、電極(465)は絶縁ケーシング(471b)の内部に収納されている。電極(464)及び電極(465)は、それぞれ扁平な板状に形成されている。また、電極(464)及び電極(465)はステンレス、銅等の導電性の金属材料で構成されている。電源部(70)は、数キロボルト程度の交流電圧を電極対(464,465)に供給する。
絶縁ケーシング(471a,471b)は、例えばセラミックス等の絶縁材料で構成されており、図2に示す絶縁ケーシング(71)と同様の構成を有している。
すなわち、絶縁ケーシング(471a)は、一面(図17では右側の面)が開放された容器状のケース本体(480a)と、該ケース本体(480a)の上記開放部を閉塞する板状の蓋部(473a)とを有している。また、絶縁ケーシング(471b)は、一面(図17では左側の面)が開放された容器状のケース本体(480b)と、該ケース本体(480b)の開放部を閉塞する板状の蓋部(473b)とを有している。
絶縁ケーシング(471a)の蓋部(473a)には、該蓋部(473a)を厚さ方向に貫通する1つの開口(474a)が形成されている。絶縁ケーシング(471b)の蓋部(473b)にも、該蓋部(473b)を厚さ方向に貫通する1つの開口(474b)が形成されている。これらの開口(474a,474b)により、電極(464)と電極(465)との間の電界の形成が許容されている。開口(474a,474b)の内径は、0.02mm以上0.5mm以下であることが好ましい。以上のような開口(474a,474b)は、電極対(464,465)の間の電流経路の電流密度を上昇させる電流密度集中部を構成する。
絶縁ケーシング(471a,471b)は、水浄化タンク(61)内の互いに対向する側面に、蓋部(473a,473b)同士が対向するように設置されている。言い換えれば、電極(464)と電極(465)とは互いに対向するよう配置されている。
絶縁ケーシング(471a,471b)の開口(474a,474b)内では、電流経路の電流密度が上昇することで、液体がジュール熱によって気化して気泡が形成される。つまり、絶縁ケーシング(471a,471b)の開口(474a,474b)は、該開口(474a,474b)に気相部としての気泡を形成する気相形成部として機能する。この構成により、交流電圧が電極対(464,465)に供給された場合に電極対(464,465)間の気泡内に放電を生起させることができる。
なお、超音波発生部(94)の具体的な構成は実施形態1と同様にすればよく、水浄化タンク(61)の底部に設置されていることが好ましいが、水浄化タンク(61)内の液体に超音波を照射できる限りにおいて任意の位置に設置可能である。
以上の構成をとることにより、交流電圧を電極対(464,465)に供給する場合でも、電極対(464,465)間に放電を生起させることができ、過酸化水素の濃度を抑えながら高い浄化能力を発揮させることができる。
なお、電源部(70)から電極対(464,465)へは交流電圧を印加してもよいが、矩形波を印加しても電極対(464,465)間に放電を生起することができる。
本実施形態の水浄化ユニット(60B)においても、図8又は図9に示すような制御を行うことが好ましい。
(実施形態3)
図18は、本発明の実施形態3に係る水浄化ユニット(60C)を示す構成図である。図18では、実施形態1の水浄化ユニット(60)と同様の構成については図2と同じ符号を付している。また、図18では、制御部(103)等の図示は省略している。以下においては、主に実施形態1に係る水浄化ユニットと異なる点について説明する。
本実施形態の水浄化ユニット(60C)は、水浄化タンク(61)と、水浄化タンク(61)内に配置された放電部と、超音波発生部(94)とを備えている。放電部は、水浄化タンク(61)内に設けられた電極対(564,565)と、電極対(564,565)に接続された電源部(70)と、気泡発生部(520)とを有している。超音波発生部(94)は、水浄化タンク(61)の底部に設置されている。
本実施形態の水浄化ユニット(60C)においては、電源部(70)は、第1電極(64)及び第2電極(565)に高電圧のパルス電圧が供給される。
また、第1電極(564)を囲む絶縁ケーシングは設けなくてよい。第1電極(564)及び第2電極(565)は共に板状であり、水浄化タンク(61)内の側面に、互いに対向するように設置される。
気泡発生部520は、例えば水浄化タンク(61)の底部など、少なくとも電極対(564,565)の間であって、電極対(564,565)よりも低い位置に設けられたノズル(吐出手段)(519)と、ノズル(519)に空気等の気体を送るエアポンプ(送出手段)(518)とを有している。エアポンプ(518)によって送出された気体は、ノズル(519)を介して水浄化タンク(61)内に送り込まれ水浄化タンク(61)内に気泡を発生させる。なお、水浄化タンク(61)内の気体を循環させる構成としても、外部から気体を取り入れる構成としてもよい。
超音波発生部(94)の構成は実施形態1と同様にすればよく、水浄化タンク(61)の底部に設置されていることが好ましいが、水浄化タンク(61)内の液体に超音波を照射できる限りにおいて任意の位置に設置可能である。
少なくとも放電処理を行う期間中、ノズル(519)から水中へ気体が送り込まれ、気泡が発生する。水中に気泡が存在する状態で電極対(564,565)にパルス電圧を供給すると、気泡の内部において放電が生起され、水酸ラジカルが生成し、水酸ラジカルから過酸化水素が生成する。
本実施形態の水浄化ユニット(60B)においても、図8又は図9に示すような制御を行うことが好ましい。
以上の構成及び方法によれば、電極対(564,565)間にパルス放電を発生させる場合でも、超音波照射と組み合わせることで、過酸化水素の濃度を抑えながら高い浄化能力を発揮させることができる。
(発明の実施形態4)
図19は、本発明の実施形態4に係る水浄化ユニット(60D)を示す構成図である。図19では、実施形態1の水浄化ユニット(60)と同様の構成については図2と同じ符号を付している。また、図19では、制御部(103)等の記載は省略している。以下においては、主に実施形態1に係る水浄化ユニット(60)と異なる点について説明する。
本実施形態の水浄化ユニット(60D)は、水浄化タンク(61)と、水浄化タンク(61)内に配置された放電部と、超音波発生部(94)とを備えている。放電部は、電極対(664,665)と、電極対(664,665)に接続された電源部(70)とを有している。超音波発生部(94)は、水浄化タンク(61)の底部に設置されている。電源部(70)は、例えば交流電源で構成されているが、直流電源で構成されていてもよいし、矩形波やパルス電圧を供給する電源で構成されていてもよい。
電極(664)と電極(665)とは、それぞれ水浄化タンク(61)内の側面に、互いに対向するように設置されている。
電極(664)は、少なくとも1つの導電部(654)と、導電部(654)を囲む絶縁部(655)とを有している。電極(665)は、少なくとも1つの導電部(656)と、導電部(656)を囲む絶縁部(657)とを有している。
以上のように、電極(664)における導電部(654)の露出面、及び電極(665)における導電部(656)の露出面の面積は小さいので、電圧を電極対(664,665)に供給した場合には導電部(654,656)の表面で電流密度の集中部が形成される。そのため、導電部(654,656)の表面では液体がジュール熱によって気化して気泡が形成される。この泡によって導電部(654,656)の露出面が覆われた状態で電源部(70)からの電圧供給を継続することにより、気泡の内部で放電が生起される。
なお、超音波発生部(94)の具体的な構成は実施形態1と同様にすればよく、水浄化タンク(61)の底部に設置されていることが好ましいが、水浄化タンク(61)内の液体に超音波を照射できる限りにおいて任意の位置に設置可能である。
以上の構成によっても、電極対(664,665)間での放電と、超音波照射とを組み合わせることにより、過酸化水素濃度を抑えながら高い浄化能力を発揮させることができる。
本実施形態の水浄化ユニット(60D)においても、図8又は図9に示すような制御を行うことが好ましい。
<イオン供給部の構成>
銅片を水浄化タンク(61)に浸漬することで、イオン供給部とする例を示した。しかし、イオン供給部としては、例えば鉄イオンを生成する鉄片を用いることもできる。鉄イオンも銅イオンと同様、過酸化水素の存在下でフェントン反応を促進させるため、水酸ラジカルの生成量を増大できる。但し、イオン供給部は設けなくてもよい。
なお、水浄化ユニット(60)による除菌中にポンプ(102)を運転状態して、水をある程度流しつつ除菌を行うことも可能である。
また、水浄化タンク(61)は新たに設ける他に、水耕栽培に使用する既存のタンク(養液の成分を調整するタンクや、養液の濾過などを行うタンク)などを利用してもよい。
また、水浄化ユニット(60)は、水の循環経路に組み込む他に、水耕栽培システム(10)に水を補給する補給経路に組み込んでもよい。
本発明は、水耕栽培システムの水の除菌を行う浄化装置、及び浄化方法として有用である。
10 水耕栽培システム
51 配管
52 配管
60 水浄化ユニット
60B 水浄化ユニット
60C 水浄化ユニット
60D 水浄化ユニット
61 水浄化タンク
62 放電部
64 第1電極
64a 端部
65 第2電極
65a 電極本体
65b 鍔部
65c 内側筒部
65d 連接部
66 貫通孔
67 円柱空間
68 漏電防止材
70 電源部
71 絶縁ケーシング
72 ケース本体
72a 側壁部
72b 底部
73 蓋部
74 開口
76 基部
76a 挿入口
77 筒状壁部
78 環状凸部
79 先端筒部
94 超音波発生部
95 圧電セラミックス板
96 金属板
97 ケース
97a 金属ケース
101 栽培床
102 ポンプ
103 制御部
104 除塵フィルタ
105 吸着フィルタ
200 植物
307 センサ
308 超音波波形発生部
309 増幅器
464 電極
465 電極
471a 絶縁ケーシング
471b 絶縁ケーシング
473a 蓋部
473b 蓋部
474a 開口
474b 開口
480a ケース本体
480b ケース本体
518 エアポンプ
519 ノズル
520 気泡発生部
564 第1電極
565 第2電極
654 導電部
655 絶縁部
656 導電部
657 絶縁部
664 電極
665 電極

Claims (7)

  1. 水耕栽培用の水を浄化する浄化装置であって、
    植物(200)に与える水が貯留される貯留槽(61)内に設けられ、該貯留槽(61)内の水中で放電を行う放電部(62)と、前記貯留槽(61)内の水に超音波を照射する超音波発生部(94)とを備え、
    前記放電部(62)は、水中で前記放電を生起する電極対(64,65、464,465、564,565、664,665)と、前記電極対(64,65、464,465、564,565、664,665)に電圧を印加する電源部(70)とを有し、前記放電によって水中に水酸ラジカルを生成するように構成されており、
    前記超音波発生部(94)は、生成した水酸ラジカルが変化して生成する水中の過酸化水素を水酸ラジカルに変換するように構成されていることを特徴とする浄化装置。
  2. 前記放電部(62)及び超音波発生部(94)の運転及び停止を制御する制御部(103)をさらに備え、
    前記制御部(103)は、前記貯留槽(61)内の水に含まれる過酸化水素の濃度が所定の範囲内となるように、前記放電部(62)及び超音波発生部(94)の運転及び停止を制御することを特徴とする請求項1に記載の浄化装置。
  3. 前記制御部(103)は、前記貯留槽(61)内の水に含まれる過酸化水素の濃度が、
    予め設定した下限値に達するまでは、前記放電部(62)を運転状態とし、前記超音波発生部(94)を停止状態とし、
    前記下限値に達した後、予め設定した上限値に達するまでは、前記放電部(62)及び前記超音波発生部(94)を運転状態とし、
    前記上限値に達した後、前記下限値に達するまでは、前記放電部(62)を停止状態とし、前記超音波発生部(94)を運転状態とすることを特徴とする請求項2に記載の浄化装置。
  4. 前記貯留槽(61)内の水に含まれる過酸化水素の濃度を測定するセンサをさらに備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の浄化装置。
  5. 前記電極対(564,565)は、互いに対向するよう配置された板状の電極により構成され、
    前記電源部(70)は、前記電極対(564,565)にパルス電圧を印加するパルス電源であり、
    前記放電部(62)は、前記電極対(564,565)の間において水中に気泡を発生させる気泡発生部(520)を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の浄化装置。
  6. 前記貯留槽(61)には、水が流入する配管(51)と、水が流出する配管(52)がそれぞれ接続され、
    前記貯留槽(61)内には、水の除塵を行うフィルタ(104)及び水中の化学物質を吸着するフィルタ(105)の少なくとも一方が設けられ、
    前記放電部(62)は、前記フィルタ(104,105)よりも上流側に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の浄化装置。
  7. 水耕栽培用の水の浄化方法であって、
    植物(200)に与える水を貯留槽(61)に貯留するステップと、
    前記貯留槽(61)内の水中で放電を行い水中に水酸ラジカルを発生させ、生成した水酸ラジカルが変化して生成した過酸化水素を含む水に超音波を照射して水中の過酸化水素を水酸ラジカルに変換することにより浄化を行う浄化ステップとを備えていることを特徴とする浄化方法。
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