JP2004188288A - 水処理方法及び水処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外殻の固い芽胞菌や微生物等又は難分解性の有害物質若しくは有機物等を含有した処理対象であっても、効果的に、然も、安全に処理することができる水処理方法及び水処理装置を提供する。
【解決手段】本発明は、被処理水中に超音波を照射する超音波照射装置3と、被処理水に少なくとも一部が浸漬される一対の電解用電極5、6とを備え、超音波照射装置3により被処理水中に超音波を照射し、電解用電極5、6に電流を流し、電気化学的手法により被処理水中に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を生成することにより被処理水を処理する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、被処理水中に超音波を照射する超音波照射装置3と、被処理水に少なくとも一部が浸漬される一対の電解用電極5、6とを備え、超音波照射装置3により被処理水中に超音波を照射し、電解用電極5、6に電流を流し、電気化学的手法により被処理水中に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を生成することにより被処理水を処理する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芽胞菌などの外殻の固い微生物又は有害物質若しくは有機物等を含有する被処理水の水処理方法及び水処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、家庭用飲料水や、厨房などにおいて使用される被処理水には、細菌やカビ、原虫などの微生物やトリハロメタン、環境ホルモンなどの有害物質又はBOD等の有機物が混在しており、これら細菌やカビ、原虫などの微生物や難分解性の有害物質又は有機物を除去するため、種々の方法が採られている。この微生物等を除去する方法の一つとして、例えば被処理水中に次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系薬剤を用いて殺菌・浄化処理を行う方法がある。しかしながら、被処理水中には、塩素耐性菌や固い外殻に覆われた芽胞菌及び原虫などが存在しているため、これらを次亜塩素酸系の薬剤のみで除去するのは困難であった。また、有害物質等は活性炭に吸着させて除去する方法があるが、吸着能が低下したときは活性炭を交換したり再生するなどメンテナンスが煩雑であった。更にまた、有機物等は界面活性剤で除去する方法があるが、排水による水環境の汚染などの問題があった。
【0003】
そこで、オゾンを用いてこれら微生物等の殺菌・浄化処理を行う方法が考えられる。しかしながら、通常オゾンを発生させる方法は、二酸化鉛から構成される電極を用いた電気化学的手法によるものであるため、鉛による健康被害の問題から直接人体に影響を与える場合、即ち、調理用又は野菜や調理機器の洗浄などに用いられる被処理水の殺菌には使用することができないという問題があった。
【0004】
他方、被処理水中に含有される微生物や芽胞菌などを殺菌する方法として、被処理水中に超音波を照射し、更に、この被処理水をオゾンにて処理する方法がある(例えば、特許文献1)。この方法では、被処理水中に含有される微生物や芽胞菌などに超音波を照射することにより、微生物や芽胞菌などの固い外殻に損傷を与え、更に被処理水中にオゾンガスを注入することにより、微生物等の外殻に形成された損傷からオゾンを侵入させ、当該微生物を酸化し、殺菌処理するものであった。
【0005】
他方、従来、水道水中の有害物質を分解、除去するためには、100kHz以上の超音波を照射する方法が採られていた(例えば、特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−216497号公報
【特許文献2】
特開平11−319821号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、被処理水中にオゾンガスを注入することにより、被処理水中に存在する微生物等の処理を化学的に行っているが、オゾンは、存在時間が短いため、効率的に被処理水中に含有される微生物等を殺菌処理することは困難である。
【0008】
また、通常、被処理水中に注入するオゾンガスは、放電により酸素から生成するため、高電圧をかけるため、コストが高くなるという問題がある。また、ガスとして被処理水中にオゾンを注入する場合には、二酸化鉛から構成される電極を用いた電気化学的手法により生成されたオゾンを用いるため、二酸化鉛が電解により消耗してしまうという不都合があった。更に、当該二酸化鉛から構成される電極により直接被処理水を電気化学的手法により処理し、オゾンを生成する場合には、被処理水中に鉛が溶出するため、健康被害の問題から被処理水が限定されるという問題があった。
【0009】
他方、上記従来例では、被処理水中に消毒剤を添加し、微生物等の外殻に形成された損傷から当該消毒剤を侵入させ、当該微生物を酸化し、殺菌処理することが挙げられているが、かかる場合には、消毒剤を被処理水中に添加しなければならないため、消毒剤の保存等のメンテナンス作業性が煩雑となるという問題がある。また、超音波のみで、水道水中の有害物質や有機物を分解、除去するには、大きなエネルギーが必要となる問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、外殻の固い芽胞菌や微生物等又は難分解性の有害物質若しくは有機物等を含有した被処理水であっても、効果的に、然も、安全に処理することができる水処理方法及び水処理装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の水処理方法は、電気化学的手法及び超音波により被処理水を処理することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明の水処理方法は、上記発明において、被処理水中に超音波を照射して処理する超音波処理ステップと、被処理水に電解用電極を浸漬し、該電解用電極に電流を流し、電気化学的手法により被処理水中に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を生成することにより被処理水を処理する電気化学的処理ステップとを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明の水処理方法は、上記発明において、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップを、同時に実行することを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明の水処理方法は、請求項2の発明において、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップの開始と終了を同期させることなくこれらのステップを実行することを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明の水処理方法は、請求項2、請求項3又は請求項4の発明において、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップの前段に、被処理水中の菌又は有害物質若しくは有機物を濃縮するステップを実行することを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明の水処理装置は、被処理水を電気化学的手法により処理する手段と、被処理水を超音波により処理する手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明の水処理装置は、上記発明において、被処理水中に超音波を照射する超音波照射手段と、被処理水に少なくとも一部が浸漬される一対若しくは複数の電解用電極とを備え、超音波照射手段により被処理水中に超音波を照射し、電解用電極に電流を流し、電気化学的手法により被処理水中に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を生成することにより被処理水を処理することを特徴とする。
【0018】
請求項8の発明の水処理装置は、上記発明において、超音波照射手段と、電解用電極は、同一槽に設けられることを特徴とする。
【0019】
請求項9の発明の水処理装置は、上記発明において、超音波照射手段により生成される超音波定在波の腹部に電解用電極を配置することを特徴とする。
【0020】
請求項10の発明の水処理装置は、請求項7の発明において、超音波照射手段と、電解用電極は、別々の槽に設けられることを特徴とする。
【0021】
請求項11の発明の水処理装置は、請求項7の発明において、超音波照射手段と、電解用電極は、同一の配管に設けられることを特徴とする。
【0022】
請求項12の発明の水処理装置は、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10又は請求項11の発明において、被処理水中の水質を検出する水質検出手段を備え、水質検出手段による検出結果に基づき、超音波照射手段の超音波強度若しくは、電解用電極の電解強度を調整することを特徴とする。
【0023】
請求項13の発明の水処理装置は、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11又は請求項12の発明において、電解用電極は、電気化学的手法により次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を発生させることが可能な導電体として、貴金属又は当該貴金属を被覆した導電体、若しくは、炭素系導電体又は当該炭素系導電体を被覆した導電体、若しくは、セラミクス系導電体又は当該セラミクス系導電体を被覆した導電体、若しくは、鉄の合金又は当該鉄の合金を被覆した導電体であることを特徴とする。
【0024】
請求項14の発明の水処理装置は、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11、請求項12又は請求項13の発明において、被処理水中の菌又は有害物質若しくは有機物を濃縮する手段を備えることを特徴とする。
【0025】
請求項1又は請求項6の発明によれば、電気化学的手法及び超音波により被処理水を処理するので、効率的に被処理水を処理することができるようになる。特に、被処理水中に芽胞菌のような外殻の固い微生物又は難分解性の有害物質若しくは有機物、などが含有されている場合であっても、超音波による圧力差で微生物の外殻を破損させたり、有害物質又は有機物の構造を破壊するなど物理的処理を行うことができると共に、電気化学的手法による酸化処理を行うことができる。これにより、被処理水中に芽胞菌のような外殻の固い微生物又は難分解性の有害物質若しくは有機物が含有されている場合であっても被処理水を効果的に処理することができるようになる。
【0026】
請求項2又は請求項7の発明によれば、上記各発明において、被処理水中に超音波照射手段により超音波を照射して処理する超音波処理ステップと、被処理水に電解用電極を浸漬し、該電解用電極に電流を流し、電気化学的手法により被処理水中に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を生成することにより被処理水を処理する電気化学的処理ステップとを実行することにより、効率的に被処理水の処理を行うことができるようになる。特に、被処理水中に芽胞菌のような外殻の固い微生物又は難分解性の有害物質若しくは有機物などが含有されている場合であっても、超音波により被処理水中に生じる圧力差で微生物の外殻を破損させたり、有害物質又は有機物の構造を破壊するなどの物理的処理を行うことができると共に、電気化学的手法により生成される次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素で微生物内部や有害物質若しくは有機物を酸化させ、処理を行うことができる。
【0027】
これにより、被処理水中に芽胞菌のような外殻の固い微生物又は難分解性の有害物質若しくは有機物が含有されている場合であっても効果的に処理することができるようになる。
【0028】
請求項3又は請求項8の発明によれば、上記発明において、超音波照射手段と、電解用電極は、同一槽に設け、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップを、同時に実行するので、被処理水を効率的に処理することができると共に、当該発明を実現する装置の小型化及びコストの低減を図ることができるようになる。
【0029】
請求項9の発明によれば、上記発明において、超音波照射手段により生成される超音波定在波の腹部に電解用電極を配置するので、超音波定在波の腹部で特異的に物理的処理される菌又は有害物質若しくは有機物を効果的に電解用電極により酸化処理することが可能となる。
【0030】
請求項4の発明によれば、請求項2の発明において、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップの開始と終了を同期させることなくこれらのステップを実行するので、物理的処理が困難な処理対象であっても、電気化学的処理ステップで酸化が行われることで、処理対象の構造が脆くなり、超音波処理ステップにおける物理的処理が効率的に実現することができるようになる。
【0031】
請求項10の発明によれば、請求項7の発明において、超音波照射手段と、電解用電極は、別々の槽に設けるので、超音波処理ステップの終了後、別の槽にて電気化学的処理ステップを実行することが可能となり、超音波処理ステップにおいて、被処理水中の芽胞菌などの固い外殻又は難分解性の有害物質若しくは有機物を破壊した後、当該被処理水を電解用電極が設けられる槽に移動させ、電気化学的処理ステップを実行することにより、当該芽胞菌などの破壊された外殻内に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を侵入させ、芽胞菌内部の酸化や断片化した有害物質又は有機物の酸化による効率的な処理を実現することができるようになる。
【0032】
請求項11の発明によれば、請求項7の発明において、超音波照射手段と、電解用電極は、同一の配管に設けられるので、同一の配管内に流動する被処理水を効率的に処理することができる。特に、水耕栽培や下水道などにおいて、配管内を流動する養液や下水などを効率的に処理することができるようになる。
【0033】
請求項12の発明によれば、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10又は請求項11の発明において、被処理水中の水質を検出する水質検出手段を備え、水質検出手段による検出結果に基づき、超音波照射手段の超音波強度若しくは、電解用電極の電解強度を調整するので、被処理水の状態に対応して超音波照射手段による処理及び電解用電極による電気化学的な処理を実現することができ、処理効率を向上させることができるようになる。
【0034】
請求項13の発明によれば、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11又は請求項12の発明において、電解用電極は、電気化学的手法により次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を発生させることが可能な導電体として、貴金属又は当該貴金属を被覆した導電体、若しくは、セラミクス系導電体、フェライト、若しくは、炭素系導電体、若しくはステンレス鋼であるので、容易に被処理水中に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を発生させることが可能となり、効率的に処理を行うことができるようになる。
【0035】
請求項5又は請求項14の発明によれば、請求項2、請求項3、請求項4、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11、請求項12又は請求項13の発明において、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップの前段に、被処理水中の菌又は有害物質若しくは有機物を濃縮する手段を備え、この濃縮ステップを実行するので、より一層効率よく被処理水の処理を行うことができるようになる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の水処理方法を実現するための水処理装置1の概要を示す説明図である。本実施例における水処理装置1は、水道水などの被処理水が循環される例えば風呂やプールなど若しくは、水道水などの被処理水が貯留される家庭用の貯水タンクなどにおいて、外殻の固い芽胞菌や微生物等を含有した被処理水を処理する装置である。
【0037】
この水処理装置1は、内部に貯留室4を構成する貯留槽2と、貯留室4内を上下に区画する濃縮フィルタ(濃縮手段)9と、貯留室4内上部の被処理水に超音波を照射する超音波照射装置(超音波照射手段)3と、貯留室4内上部の被処理水中に少なくとも一部が浸漬するように対向して配置された一対の電解用電極5、6と、該電解用電極5、6に通電するための電源7及び前記超音波照射装置3及び電源7を制御するための制御装置10などから構成されている。尚、本実施例において用いられる超音波照射装置3は、プローブ式の超音波発生器を用いているが、これに限るものではない。また、本実施例では、電解用電極5、6は一対であるが、複数対設けても良いものとする。また、貯留槽2内には内部を撹拌するための撹拌手段を設けても良い。
【0038】
そして、前記貯留室4には、図示しない被処理水の流入口が形成されていると共に、濃縮フィルタ9の下方に位置する貯留室4下部には、濃縮フィルタ9にて処理された後の被処理水を外部に流出する流出口8が形成されいる。また、この濃縮フィルタ9の上方には、濃縮フィルタ9上方の被処理水を外部に流出する流出口14が形成されている。尚、この流出口14には、開閉弁13が設けられ、これにより、当該流出口14の開閉規制が成される。
【0039】
前記電解用電極5、6は、例えば、白金(Pt)又は白金とイリジウム(Ir)の混合物などの貴金属電極、又は、これらを被覆した不溶性の導電体から構成されている。尚、これ以外にも電解用電極5、6は、炭素系導電体又は当該炭素系導電体を被覆した導電体、若しくはフェライトを含むセラミクス系導電体又は当該セラミクス系導電体を被覆した導電体、若しくはステンレスなどの鉄の合金又は当該鉄の合金を被覆した導電体により構成されていてもよいものとする。
【0040】
また、本実施例の水処理装置1は、貯留槽2内に、貯留室4内に貯留される被処理水の導電率を検出するための導電率センサ(水質検出手段)11及び当該被処理水の濁度を検出するための濁度センサ(水質検出手段)12が設けられている。尚、本実施例では、導電率センサ11及び濁度センサ12の両者が設けられているが、一方のみであっても良いものとする。また、被処理水中の水質を検出するものであれば、これ以外のものであっても良いものとする。
【0041】
ここで、図2を参照して、本実施例の水処理装置1の制御装置10について説明する。制御装置10は、時限手段としてタイマ15を内蔵しているものであり、この制御装置10の入力側には、前記導電率センサ11及び濁度センサ12が接続されている。そして、制御装置10の出力側には、超音波照射装置3、電源7及び開閉弁13が接続されている。これにより、制御装置10は、導電率センサ11及び濁度センサ12の出力に基づき、超音波照射装置3のON/OFF及び超音波強度を制御することができると共に、電源7のON/OFF及び電解用電極5、6への電解強度を制御することができる。
【0042】
以上の構成により、本発明の使用形態について説明する。先ず初めに、貯留槽2に形成された流入口を開放し、流出口8、14を閉鎖することにより貯留槽2の貯留室4内に被処理水を貯留する。尚、流出口14の閉鎖は、制御装置10によって制御される開閉弁13により閉鎖しても良い。尚、本実施例における被処理水は、上述した如く水道水を使用しているため、当該被処理水中には約30ppmの塩素が含有されているものとする。尚、被処理水として水道水を使用しない場合には、該被処理水に塩化ナトリウムなどの塩化物イオンを含有する物質を添加しても良い。
【0043】
貯留室4内に被処理水を貯留することにより、被処理水中に含有される一部の芽胞菌や微生物等は、貯留室4内に設けられる濃縮フィルタ9により濃縮され(濃縮ステップ)、当該濃縮フィルタ9により濃縮処理が成された被処理水は、濃縮フィルタ9の下方に移動し、流出口8より外部に排出される。
【0044】
ここで、制御装置10は、タイマ15により、流入口からの被処理水の供給を停止し、流出口8、14(開閉弁13)を閉鎖してからの時間を計測し、所定時間経過後に、被処理水中の芽胞菌や微生物等を濃縮したものとみなし、又は導電率センサ11や濁度センサ12の検出結果の変化から濃縮ステップを終了する。その後、制御装置10は、超音波処理ステップとして、超音波照射装置3により、超音波を貯留室4内の被処理水に照射する。尚、係る実施例では、例えば20kHzの超音波を照射するものとする。
【0045】
次いで、制御装置10は、電気化学的処理ステップに移行し、電源7をONとし、電解用電極5、6間に電流を供給する。これにより、被処理水中には、塩化物イオン(ハロゲン化物イオンの一例として)が含有されているため、アノードとなる電解用電極5又は6では、塩化物イオンが電子を放出して塩素を生成する。その後、この塩素は、被処理水に溶解し、次亜塩素酸(次亜ハロゲン酸)を生成する。
【0046】
また、アノードとなる電解用電極5又は6は、上述の如く白金又は白金とイリジウムの合金などの貴金属電極により構成されていると共に、被処理水中には塩化物イオンが存在しているため、電位が上昇し、オゾン等の活性酸素が発生する。
【0047】
ここで、図3を参照して超音波強度による菌数の経時変化について説明する。図3は105CFU/ml(図中はN0とする。)の芽胞菌が懸濁された溶液(75又は150ml)にプローブ式の超音波照射装置を挿入し、当該溶液中に超音波を照射したものであり、0、1、5、10分毎にサンプリングを行い、標準寒天培地で48時間培養後、コロニーカウント法により菌数(N)を計測したものである。係る実験において照射された超音波強度は、図3の上から順に0.4W/ml、0.67W/ml、0.8W/ml、1.33W/mlである。
【0048】
これによると、超音波の強度が0.4W/mlの場合、初期の菌数に対する超音波照射後の菌数の比(N/N0)は、1分後に0.75、5分後には、0.48、10分後には、0.5であった。照射強度が比較的低い場合には、所定時間の経過まである一定の菌の減少が見られるが、それ以降は、更なる菌の減少は見られなかった。他方、1.33W/mlの強度の超音波を照射した場合は、1分後に0.4、5分後には、0.25、10分後には、0.15であった。照射強度が比較的高い場合には、超音波照射後直ぐに、菌の減少が見られ、その後も、ほぼ菌が存在しなくなるまで菌が減少していたことが分かる。
【0049】
これにより、比較的高い強度の超音波を照射することにより、効率的に被処理水中の芽胞菌などの外殻を有する菌の殺菌処理が可能であることが分かる。
【0050】
次に、図4を参照して、超音波及び次亜塩素酸による殺菌効果について説明する。図4は、105CFU/ml(N0)の芽胞菌が懸濁された溶液(150ml)を次亜塩素酸濃度10ppmの溶液により殺菌処理を行ったものと、超音波強度0.4W/mlにより殺菌処理を行ったものと、次亜塩素酸濃度10ppmの溶液による殺菌処理及び超音波強度0.4W/mlによる殺菌処理を行ったものであり、0、1、5、10分毎にサンプリングを行い、標準寒天培地で48時間培養後、コロニーカウント法により菌数(N)を計測したものである。
【0051】
これによると、次亜塩素酸のみにより殺菌処理を行った場合、初期の菌数に対する処理後の菌数の比(N/N0)は、1分後、5分後、10分後の何れも、1.0であった。超音波照射のみの殺菌処理を行った場合、1分後に0.75、5分後に、0.48、10分後に、0.5であった。次亜塩素酸及び超音波照射により殺菌処理を行った場合、1分後に0.68、5分後に、0.26、10分後に、0.18であった。
【0052】
これにより、次亜塩素酸による殺菌処理及び超音波照射による殺菌処理を併用することで、効果的に被処理水中の芽胞菌の殺菌処理を行うことができることが分かる。
【0053】
上記実験結果より、本実施例では、超音波処理ステップにおいて、被処理水中に存在してる固い外殻に覆われた芽胞菌や微生物等は、この超音波により被処理水に生じる小気泡の膨張収縮過程に起因する機械的作用で芽胞菌等の外殻に亀裂や損傷(クラック)を生成させる。これにより、芽胞菌等の固い外殻を破損させ、物理的殺菌処理が行われる。また、被処理水中で超音波キャビテーションに由来する高温高圧の反応場が生じ、この反応場において水分子から反応性の高いHラジカルやOHラジカルが生成され、これらのラジカルにより、被処理水中の芽胞菌や微生物等の菌の一部が殺菌処理される。
【0054】
また、電気化学的処理ステップでは、被処理水中の芽胞菌や微生物等の菌は、上述の如く生成された次亜塩素酸(次亜ハロゲン酸)又はオゾン若しくは活性酸素により、効率的に殺菌処理される。ここで、当該被処理水は、超音波処理ステップにおいて、芽胞菌等の固い外殻にクラックが形成されていることから、当該クラックより被処理水を外殻内部に侵入させることができ、これにより、効果的に外殻内部を次亜塩素酸などにより酸化処理することができるようになる。ここでは、芽胞菌の殺菌処理実験を一例として示したが、芽胞菌にとどまらず、他の微生物又は有害物質若しくは有機物に対しても同様の処理効果が期待できる。
【0055】
また、制御装置10は、上記超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップにおいて、導電率センサ11又は濁度センサ12により、貯留室4内の被処理水の導電率又は濁度を検出する。そして、超音波処理ステップでは、この導電率センサ11又は濁度センサ12の出力に基づき、導電率が所定の値よりも高い場合又は、濁度が所定の値よりも高い場合には、超音波照射装置3の超音波強度を上昇させ、他方、導電率が所定の値よりも低い場合又は、濁度が所定の値よりも低い場合には、超音波照射装置3の超音波強度を降下させるものとする。また、電気化学的処理ステップでは、この導電率センサ11又は濁度センサ12の出力に基づき、導電率が所定の値よりも高い場合又は、濁度が所定の値よりも高い場合には、電源7から電解用電極5、6に供給する電力を上昇させ、他方、導電率が所定の値よりも低い場合又は、濁度が所定の値よりも低い場合には、電源7から電解用電極5、6に供給する電力を降下させるものとする。
【0056】
これにより、被処理水の状態に対応して、好適な条件で被処理水を超音波処理及び電気化学的手法による処理を実行することが可能となり、処理効率の向上を図ることができる。
【0057】
ここで、処理される被処理水は、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップの前段に、濃縮ステップを実行していることから、貯留室4内に貯留される被処理水の芽胞菌や微生物等の菌又は有害物質若しくは有機物等を濃縮した状態で、超音波により処理及び電気化学的手法による酸化処理を行うことが可能となり、効率的に被処理水の処理を行うことができるようになる。
【0058】
尚、本実施例では、超音波処理ステップの終了後に電気化学的処理ステップを実行しているが、これら超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップを交互に複数回に渡って実行しても良いものとする。また、これ以外に、これらの処理ステップを同時に実行しても良いものとする。これらの処理ステップを同時に実行する場合には、超音波による物理的処理と電気化学的手法による酸化処理を同時に行うことができ、効率的に処理を行うことができる。また、当該水処理装置1自体の小型化をすることができ、コストの低減を図ることができるようになる。
【0059】
また、電解用電極5、6は、超音波照射装置3により発生する超音波定在波の腹部で特異的に物理的処理されるため、超音波定在波の腹部に対応する位置に設けることが好ましい。これにより、より一層効果的に被処理水の処理を行うことができるようになる。
【0060】
また、上記実施例以外に、図5に示す如く貯留槽2を超音波処理槽20と、電解処理槽21とに分離し、当該超音波処理槽20に前記超音波処理装置3を設け、電解処理槽21に電解用電極5、6を設けても良い。尚、本実施例では、前記濃縮フィルタ9は、超音波処理槽20に設けられるものとする。また、超音波処理槽20にて処理された後の被処理水は、搬送手段としてのポンプ22により電解処理槽21に搬送可能とされるものとする。
【0061】
かかる場合には、超音波処理ステップと電気化学的処理ステップとを別々の槽にて実行することが可能となるため、超音波処理槽20にて超音波照射装置3により被処理水中の芽胞菌などの固い外殻又は難分解性の有害物質若しくは有機物を破壊した後、ポンプ22により当該被処理水を電解処理槽21に移動させ、電解処理槽21にて電解用電極5、6から生成された次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を芽胞菌などの破壊された外殻内に侵入させ、芽胞菌内部の酸化を行ったり、断片化した有害物質又は有機物を酸化することによる効率的な処理を実現することができる。
【0062】
また、かかる場合には、同一の貯留槽2にて超音波による処理と電気化学的手法による処理を行った場合に生じてしまう、超音波の影響による次亜塩素酸の減少を回避することができ、より一層効率的な処理を実現することができるようになる。
【0063】
更にまた、本発明は、図6に示す如く同一の配管30内に超音波照射装置3及び電解用電極5、6を配設することにより、省スペースで、配管30内を流動する被処理水を効率的に処理することができる。尚、この場合において、超音波照射装置3を配管30の上流側に設け、電解用電極5、6を超音波照射装置3の下流側に設けることにより、より一層処理効果を向上させることができる。
【0064】
これにより、例えば、水耕栽培や下水道などに適用した場合、配管30内を流動する養液や下水の処理を効果的に実行することができる。
【0065】
尚、上記各実施例において、電気化学的処理ステップにおいて生成される次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素は、生成直後のものであるため、薬剤として用いられる次亜塩素酸などに比して著しい酸化力を有している。そのため、薬剤による処理に比してより効果的な処理を実現することができる。
【0066】
また、電気化学的処理ステップにおいて得られる次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素は、電解処理により得られるものであるため、放電によりオゾン等を生成させる場合に比して、コストの低減を図ることができるようになる。また、上記各実施例において生成されるオゾンは、二酸化鉛を用いた電解用電極によるものではないため、調理用又は野菜や調理機器の洗浄などに用いられる被処理水の処理にも使用することができるようになる。
【0067】
【発明の効果】
以上詳述した如く請求項1又は請求項6の発明によれば、電気化学的手法及び超音波により被処理水を処理するので、効率的に被処理水を処理することができるようになる。特に、被処理水中に芽胞菌のような外殻の固い微生物又は難分解性の有害物質若しくは有機物などが含有されている場合であっても、超音波による圧力差で微生物の外殻を破損させたり、有害物質の構造又は有機物を破壊するなど物理的処理を行うことができると共に、電気化学的手法による酸化処理を行うことができる。これにより、被処理水中に芽胞菌のような外殻の固い微生物又は難分解性の有害物質若しくは有機物が含有されている場合であっても被処理水を効果的に処理することができるようになる。
【0068】
請求項2又は請求項7の発明によれば、上記各発明において、被処理水中に超音波照射手段により超音波を照射して処理する超音波処理ステップと、被処理水に電解用電極を浸漬し、該電解用電極に電流を流し、電気化学的手法により被処理水中に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を生成することにより被処理水を処理する電気化学的処理ステップとを実行することにより、効率的に被処理水の処理を行うことができるようになる。特に、被処理水中に芽胞菌のような外殻の固い微生物又は難分解性の有害物質若しくは有機物などが含有されている場合であっても、超音波により被処理水中に生じる圧力差で微生物の外殻を破損させたり、有害物質の構造又は有機物を破壊するなどの物理的処理を行うことができると共に、電気化学的手法により生成される次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素で微生物内部又は有害物質若しくは有機物を酸化させ、処理を行うことができる。
【0069】
これにより、被処理水中に芽胞菌のような外殻の固い微生物又は難分解性の有害物質若しくは有機物が含有されている場合であっても効果的に処理することができるようになる。
【0070】
請求項3又は請求項8の発明によれば、上記発明において、超音波照射手段と、電解用電極は、同一槽に設け、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップを、同時に実行するので、被処理水を効率的に処理することができると共に、当該発明を実現する装置の小型化及びコストの低減を図ることができるようになる。
【0071】
請求項9の発明によれば、上記発明において、超音波照射手段により生成される超音波定在波の腹部に電解用電極を配置するので、超音波定在波の腹部で特異的に物理的処理される菌又は有害物質若しくは有機物を効果的に電解用電極により酸化処理することが可能となる。
【0072】
請求項4の発明によれば、請求項2の発明において、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップの開始と終了を同期させることなくこれらのステップを実行するので、物理的処理が困難な処理対象であっても、電気化学的処理ステップで酸化が行われることで、処理対象の構造が脆くなり、超音波処理ステップにおける物理的処理が効率的に実現することができるようになる。
【0073】
請求項10の発明によれば、請求項7の発明において、超音波照射手段と、電解用電極は、別々の槽に設けるので、超音波処理ステップの終了後、別の槽にて電気化学的処理ステップを実行することが可能となり、超音波処理ステップにおいて、被処理水中の芽胞菌などの固い外殻又は難分解性の有害物質若しくは有機物を破壊した後、当該被処理水を電解用電極が設けられる槽に移動させ、電気化学的処理ステップを実行することにより、当該芽胞菌などの破壊された外殻内に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を侵入させ、芽胞菌内部の酸化や断片化した有害物質又は有機物の酸化による効率的な処理を実現することができるようになる。
【0074】
請求項11の発明によれば、請求項7の発明において、超音波照射手段と、電解用電極は、同一の配管に設けられるので、同一の配管内に流動する被処理水を効率的に処理することができる。特に、水耕栽培や下水道などにおいて、配管内を流動する養液や下水などを効率的に処理することができるようになる。
【0075】
請求項12の発明によれば、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10又は請求項11の発明において、被処理水中の水質を検出する水質検出手段を備え、水質検出手段による検出結果に基づき、超音波照射手段の超音波強度若しくは、電解用電極の電解強度を調整するので、被処理水の状態に対応して超音波照射手段による処理及び電解用電極による電気化学的な処理を実現することができ、処理効率を向上させることができるようになる。
【0076】
請求項13の発明によれば、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11又は請求項12の発明において、電解用電極は、電気化学的手法により次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を発生させることが可能な導電体として、貴金属又は当該貴金属を被覆した導電体、若しくは、セラミクス系導電体、フェライト、若しくは、炭素系導電体、若しくはステンレス鋼であるので、容易に被処理水中に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を発生させることが可能となり、効率的に処理を行うことができるようになる。
【0077】
請求項5又は請求項14の発明によれば、請求項2、請求項3、請求項4、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11、請求項12又は請求項13の発明において、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップの前段に、被処理水中の菌又は有害物質若しくは有機物を濃縮する手段を備え、この濃縮ステップを実行するので、より一層効率よく被処理水の処理を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水処理装置の概要を示す説明図である。
【図2】水処理装置の制御装置の電気ブロック図を示す図である。
【図3】超音波強度による菌数の経時変化を示す図である。
【図4】超音波及び次亜塩素酸による殺菌効果を示す図である。
【図5】他の実施例の水処理装置を示す図である。
【図6】もう一つ他の実施例の水処理装置を示す図である。
【符号の説明】
1 水処理装置
2 貯留槽
3 超音波照射装置(超音波照射手段)
4 貯留室
5、6 電解用電極
7 電源
8、14 流出口
9 濃縮フィルタ(濃縮手段)
10 制御装置
11 導電率センサ(導電率検出手段)
12 濁度センサ(濁度検出手段)
13 開閉弁
15 タイマ
20 超音波処理槽
21 電解処理槽
22 ポンプ
30 配管
【発明の属する技術分野】
本発明は、芽胞菌などの外殻の固い微生物又は有害物質若しくは有機物等を含有する被処理水の水処理方法及び水処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、家庭用飲料水や、厨房などにおいて使用される被処理水には、細菌やカビ、原虫などの微生物やトリハロメタン、環境ホルモンなどの有害物質又はBOD等の有機物が混在しており、これら細菌やカビ、原虫などの微生物や難分解性の有害物質又は有機物を除去するため、種々の方法が採られている。この微生物等を除去する方法の一つとして、例えば被処理水中に次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系薬剤を用いて殺菌・浄化処理を行う方法がある。しかしながら、被処理水中には、塩素耐性菌や固い外殻に覆われた芽胞菌及び原虫などが存在しているため、これらを次亜塩素酸系の薬剤のみで除去するのは困難であった。また、有害物質等は活性炭に吸着させて除去する方法があるが、吸着能が低下したときは活性炭を交換したり再生するなどメンテナンスが煩雑であった。更にまた、有機物等は界面活性剤で除去する方法があるが、排水による水環境の汚染などの問題があった。
【0003】
そこで、オゾンを用いてこれら微生物等の殺菌・浄化処理を行う方法が考えられる。しかしながら、通常オゾンを発生させる方法は、二酸化鉛から構成される電極を用いた電気化学的手法によるものであるため、鉛による健康被害の問題から直接人体に影響を与える場合、即ち、調理用又は野菜や調理機器の洗浄などに用いられる被処理水の殺菌には使用することができないという問題があった。
【0004】
他方、被処理水中に含有される微生物や芽胞菌などを殺菌する方法として、被処理水中に超音波を照射し、更に、この被処理水をオゾンにて処理する方法がある(例えば、特許文献1)。この方法では、被処理水中に含有される微生物や芽胞菌などに超音波を照射することにより、微生物や芽胞菌などの固い外殻に損傷を与え、更に被処理水中にオゾンガスを注入することにより、微生物等の外殻に形成された損傷からオゾンを侵入させ、当該微生物を酸化し、殺菌処理するものであった。
【0005】
他方、従来、水道水中の有害物質を分解、除去するためには、100kHz以上の超音波を照射する方法が採られていた(例えば、特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−216497号公報
【特許文献2】
特開平11−319821号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、被処理水中にオゾンガスを注入することにより、被処理水中に存在する微生物等の処理を化学的に行っているが、オゾンは、存在時間が短いため、効率的に被処理水中に含有される微生物等を殺菌処理することは困難である。
【0008】
また、通常、被処理水中に注入するオゾンガスは、放電により酸素から生成するため、高電圧をかけるため、コストが高くなるという問題がある。また、ガスとして被処理水中にオゾンを注入する場合には、二酸化鉛から構成される電極を用いた電気化学的手法により生成されたオゾンを用いるため、二酸化鉛が電解により消耗してしまうという不都合があった。更に、当該二酸化鉛から構成される電極により直接被処理水を電気化学的手法により処理し、オゾンを生成する場合には、被処理水中に鉛が溶出するため、健康被害の問題から被処理水が限定されるという問題があった。
【0009】
他方、上記従来例では、被処理水中に消毒剤を添加し、微生物等の外殻に形成された損傷から当該消毒剤を侵入させ、当該微生物を酸化し、殺菌処理することが挙げられているが、かかる場合には、消毒剤を被処理水中に添加しなければならないため、消毒剤の保存等のメンテナンス作業性が煩雑となるという問題がある。また、超音波のみで、水道水中の有害物質や有機物を分解、除去するには、大きなエネルギーが必要となる問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、外殻の固い芽胞菌や微生物等又は難分解性の有害物質若しくは有機物等を含有した被処理水であっても、効果的に、然も、安全に処理することができる水処理方法及び水処理装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の水処理方法は、電気化学的手法及び超音波により被処理水を処理することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明の水処理方法は、上記発明において、被処理水中に超音波を照射して処理する超音波処理ステップと、被処理水に電解用電極を浸漬し、該電解用電極に電流を流し、電気化学的手法により被処理水中に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を生成することにより被処理水を処理する電気化学的処理ステップとを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明の水処理方法は、上記発明において、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップを、同時に実行することを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明の水処理方法は、請求項2の発明において、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップの開始と終了を同期させることなくこれらのステップを実行することを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明の水処理方法は、請求項2、請求項3又は請求項4の発明において、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップの前段に、被処理水中の菌又は有害物質若しくは有機物を濃縮するステップを実行することを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明の水処理装置は、被処理水を電気化学的手法により処理する手段と、被処理水を超音波により処理する手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明の水処理装置は、上記発明において、被処理水中に超音波を照射する超音波照射手段と、被処理水に少なくとも一部が浸漬される一対若しくは複数の電解用電極とを備え、超音波照射手段により被処理水中に超音波を照射し、電解用電極に電流を流し、電気化学的手法により被処理水中に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を生成することにより被処理水を処理することを特徴とする。
【0018】
請求項8の発明の水処理装置は、上記発明において、超音波照射手段と、電解用電極は、同一槽に設けられることを特徴とする。
【0019】
請求項9の発明の水処理装置は、上記発明において、超音波照射手段により生成される超音波定在波の腹部に電解用電極を配置することを特徴とする。
【0020】
請求項10の発明の水処理装置は、請求項7の発明において、超音波照射手段と、電解用電極は、別々の槽に設けられることを特徴とする。
【0021】
請求項11の発明の水処理装置は、請求項7の発明において、超音波照射手段と、電解用電極は、同一の配管に設けられることを特徴とする。
【0022】
請求項12の発明の水処理装置は、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10又は請求項11の発明において、被処理水中の水質を検出する水質検出手段を備え、水質検出手段による検出結果に基づき、超音波照射手段の超音波強度若しくは、電解用電極の電解強度を調整することを特徴とする。
【0023】
請求項13の発明の水処理装置は、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11又は請求項12の発明において、電解用電極は、電気化学的手法により次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を発生させることが可能な導電体として、貴金属又は当該貴金属を被覆した導電体、若しくは、炭素系導電体又は当該炭素系導電体を被覆した導電体、若しくは、セラミクス系導電体又は当該セラミクス系導電体を被覆した導電体、若しくは、鉄の合金又は当該鉄の合金を被覆した導電体であることを特徴とする。
【0024】
請求項14の発明の水処理装置は、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11、請求項12又は請求項13の発明において、被処理水中の菌又は有害物質若しくは有機物を濃縮する手段を備えることを特徴とする。
【0025】
請求項1又は請求項6の発明によれば、電気化学的手法及び超音波により被処理水を処理するので、効率的に被処理水を処理することができるようになる。特に、被処理水中に芽胞菌のような外殻の固い微生物又は難分解性の有害物質若しくは有機物、などが含有されている場合であっても、超音波による圧力差で微生物の外殻を破損させたり、有害物質又は有機物の構造を破壊するなど物理的処理を行うことができると共に、電気化学的手法による酸化処理を行うことができる。これにより、被処理水中に芽胞菌のような外殻の固い微生物又は難分解性の有害物質若しくは有機物が含有されている場合であっても被処理水を効果的に処理することができるようになる。
【0026】
請求項2又は請求項7の発明によれば、上記各発明において、被処理水中に超音波照射手段により超音波を照射して処理する超音波処理ステップと、被処理水に電解用電極を浸漬し、該電解用電極に電流を流し、電気化学的手法により被処理水中に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を生成することにより被処理水を処理する電気化学的処理ステップとを実行することにより、効率的に被処理水の処理を行うことができるようになる。特に、被処理水中に芽胞菌のような外殻の固い微生物又は難分解性の有害物質若しくは有機物などが含有されている場合であっても、超音波により被処理水中に生じる圧力差で微生物の外殻を破損させたり、有害物質又は有機物の構造を破壊するなどの物理的処理を行うことができると共に、電気化学的手法により生成される次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素で微生物内部や有害物質若しくは有機物を酸化させ、処理を行うことができる。
【0027】
これにより、被処理水中に芽胞菌のような外殻の固い微生物又は難分解性の有害物質若しくは有機物が含有されている場合であっても効果的に処理することができるようになる。
【0028】
請求項3又は請求項8の発明によれば、上記発明において、超音波照射手段と、電解用電極は、同一槽に設け、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップを、同時に実行するので、被処理水を効率的に処理することができると共に、当該発明を実現する装置の小型化及びコストの低減を図ることができるようになる。
【0029】
請求項9の発明によれば、上記発明において、超音波照射手段により生成される超音波定在波の腹部に電解用電極を配置するので、超音波定在波の腹部で特異的に物理的処理される菌又は有害物質若しくは有機物を効果的に電解用電極により酸化処理することが可能となる。
【0030】
請求項4の発明によれば、請求項2の発明において、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップの開始と終了を同期させることなくこれらのステップを実行するので、物理的処理が困難な処理対象であっても、電気化学的処理ステップで酸化が行われることで、処理対象の構造が脆くなり、超音波処理ステップにおける物理的処理が効率的に実現することができるようになる。
【0031】
請求項10の発明によれば、請求項7の発明において、超音波照射手段と、電解用電極は、別々の槽に設けるので、超音波処理ステップの終了後、別の槽にて電気化学的処理ステップを実行することが可能となり、超音波処理ステップにおいて、被処理水中の芽胞菌などの固い外殻又は難分解性の有害物質若しくは有機物を破壊した後、当該被処理水を電解用電極が設けられる槽に移動させ、電気化学的処理ステップを実行することにより、当該芽胞菌などの破壊された外殻内に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を侵入させ、芽胞菌内部の酸化や断片化した有害物質又は有機物の酸化による効率的な処理を実現することができるようになる。
【0032】
請求項11の発明によれば、請求項7の発明において、超音波照射手段と、電解用電極は、同一の配管に設けられるので、同一の配管内に流動する被処理水を効率的に処理することができる。特に、水耕栽培や下水道などにおいて、配管内を流動する養液や下水などを効率的に処理することができるようになる。
【0033】
請求項12の発明によれば、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10又は請求項11の発明において、被処理水中の水質を検出する水質検出手段を備え、水質検出手段による検出結果に基づき、超音波照射手段の超音波強度若しくは、電解用電極の電解強度を調整するので、被処理水の状態に対応して超音波照射手段による処理及び電解用電極による電気化学的な処理を実現することができ、処理効率を向上させることができるようになる。
【0034】
請求項13の発明によれば、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11又は請求項12の発明において、電解用電極は、電気化学的手法により次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を発生させることが可能な導電体として、貴金属又は当該貴金属を被覆した導電体、若しくは、セラミクス系導電体、フェライト、若しくは、炭素系導電体、若しくはステンレス鋼であるので、容易に被処理水中に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を発生させることが可能となり、効率的に処理を行うことができるようになる。
【0035】
請求項5又は請求項14の発明によれば、請求項2、請求項3、請求項4、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11、請求項12又は請求項13の発明において、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップの前段に、被処理水中の菌又は有害物質若しくは有機物を濃縮する手段を備え、この濃縮ステップを実行するので、より一層効率よく被処理水の処理を行うことができるようになる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の水処理方法を実現するための水処理装置1の概要を示す説明図である。本実施例における水処理装置1は、水道水などの被処理水が循環される例えば風呂やプールなど若しくは、水道水などの被処理水が貯留される家庭用の貯水タンクなどにおいて、外殻の固い芽胞菌や微生物等を含有した被処理水を処理する装置である。
【0037】
この水処理装置1は、内部に貯留室4を構成する貯留槽2と、貯留室4内を上下に区画する濃縮フィルタ(濃縮手段)9と、貯留室4内上部の被処理水に超音波を照射する超音波照射装置(超音波照射手段)3と、貯留室4内上部の被処理水中に少なくとも一部が浸漬するように対向して配置された一対の電解用電極5、6と、該電解用電極5、6に通電するための電源7及び前記超音波照射装置3及び電源7を制御するための制御装置10などから構成されている。尚、本実施例において用いられる超音波照射装置3は、プローブ式の超音波発生器を用いているが、これに限るものではない。また、本実施例では、電解用電極5、6は一対であるが、複数対設けても良いものとする。また、貯留槽2内には内部を撹拌するための撹拌手段を設けても良い。
【0038】
そして、前記貯留室4には、図示しない被処理水の流入口が形成されていると共に、濃縮フィルタ9の下方に位置する貯留室4下部には、濃縮フィルタ9にて処理された後の被処理水を外部に流出する流出口8が形成されいる。また、この濃縮フィルタ9の上方には、濃縮フィルタ9上方の被処理水を外部に流出する流出口14が形成されている。尚、この流出口14には、開閉弁13が設けられ、これにより、当該流出口14の開閉規制が成される。
【0039】
前記電解用電極5、6は、例えば、白金(Pt)又は白金とイリジウム(Ir)の混合物などの貴金属電極、又は、これらを被覆した不溶性の導電体から構成されている。尚、これ以外にも電解用電極5、6は、炭素系導電体又は当該炭素系導電体を被覆した導電体、若しくはフェライトを含むセラミクス系導電体又は当該セラミクス系導電体を被覆した導電体、若しくはステンレスなどの鉄の合金又は当該鉄の合金を被覆した導電体により構成されていてもよいものとする。
【0040】
また、本実施例の水処理装置1は、貯留槽2内に、貯留室4内に貯留される被処理水の導電率を検出するための導電率センサ(水質検出手段)11及び当該被処理水の濁度を検出するための濁度センサ(水質検出手段)12が設けられている。尚、本実施例では、導電率センサ11及び濁度センサ12の両者が設けられているが、一方のみであっても良いものとする。また、被処理水中の水質を検出するものであれば、これ以外のものであっても良いものとする。
【0041】
ここで、図2を参照して、本実施例の水処理装置1の制御装置10について説明する。制御装置10は、時限手段としてタイマ15を内蔵しているものであり、この制御装置10の入力側には、前記導電率センサ11及び濁度センサ12が接続されている。そして、制御装置10の出力側には、超音波照射装置3、電源7及び開閉弁13が接続されている。これにより、制御装置10は、導電率センサ11及び濁度センサ12の出力に基づき、超音波照射装置3のON/OFF及び超音波強度を制御することができると共に、電源7のON/OFF及び電解用電極5、6への電解強度を制御することができる。
【0042】
以上の構成により、本発明の使用形態について説明する。先ず初めに、貯留槽2に形成された流入口を開放し、流出口8、14を閉鎖することにより貯留槽2の貯留室4内に被処理水を貯留する。尚、流出口14の閉鎖は、制御装置10によって制御される開閉弁13により閉鎖しても良い。尚、本実施例における被処理水は、上述した如く水道水を使用しているため、当該被処理水中には約30ppmの塩素が含有されているものとする。尚、被処理水として水道水を使用しない場合には、該被処理水に塩化ナトリウムなどの塩化物イオンを含有する物質を添加しても良い。
【0043】
貯留室4内に被処理水を貯留することにより、被処理水中に含有される一部の芽胞菌や微生物等は、貯留室4内に設けられる濃縮フィルタ9により濃縮され(濃縮ステップ)、当該濃縮フィルタ9により濃縮処理が成された被処理水は、濃縮フィルタ9の下方に移動し、流出口8より外部に排出される。
【0044】
ここで、制御装置10は、タイマ15により、流入口からの被処理水の供給を停止し、流出口8、14(開閉弁13)を閉鎖してからの時間を計測し、所定時間経過後に、被処理水中の芽胞菌や微生物等を濃縮したものとみなし、又は導電率センサ11や濁度センサ12の検出結果の変化から濃縮ステップを終了する。その後、制御装置10は、超音波処理ステップとして、超音波照射装置3により、超音波を貯留室4内の被処理水に照射する。尚、係る実施例では、例えば20kHzの超音波を照射するものとする。
【0045】
次いで、制御装置10は、電気化学的処理ステップに移行し、電源7をONとし、電解用電極5、6間に電流を供給する。これにより、被処理水中には、塩化物イオン(ハロゲン化物イオンの一例として)が含有されているため、アノードとなる電解用電極5又は6では、塩化物イオンが電子を放出して塩素を生成する。その後、この塩素は、被処理水に溶解し、次亜塩素酸(次亜ハロゲン酸)を生成する。
【0046】
また、アノードとなる電解用電極5又は6は、上述の如く白金又は白金とイリジウムの合金などの貴金属電極により構成されていると共に、被処理水中には塩化物イオンが存在しているため、電位が上昇し、オゾン等の活性酸素が発生する。
【0047】
ここで、図3を参照して超音波強度による菌数の経時変化について説明する。図3は105CFU/ml(図中はN0とする。)の芽胞菌が懸濁された溶液(75又は150ml)にプローブ式の超音波照射装置を挿入し、当該溶液中に超音波を照射したものであり、0、1、5、10分毎にサンプリングを行い、標準寒天培地で48時間培養後、コロニーカウント法により菌数(N)を計測したものである。係る実験において照射された超音波強度は、図3の上から順に0.4W/ml、0.67W/ml、0.8W/ml、1.33W/mlである。
【0048】
これによると、超音波の強度が0.4W/mlの場合、初期の菌数に対する超音波照射後の菌数の比(N/N0)は、1分後に0.75、5分後には、0.48、10分後には、0.5であった。照射強度が比較的低い場合には、所定時間の経過まである一定の菌の減少が見られるが、それ以降は、更なる菌の減少は見られなかった。他方、1.33W/mlの強度の超音波を照射した場合は、1分後に0.4、5分後には、0.25、10分後には、0.15であった。照射強度が比較的高い場合には、超音波照射後直ぐに、菌の減少が見られ、その後も、ほぼ菌が存在しなくなるまで菌が減少していたことが分かる。
【0049】
これにより、比較的高い強度の超音波を照射することにより、効率的に被処理水中の芽胞菌などの外殻を有する菌の殺菌処理が可能であることが分かる。
【0050】
次に、図4を参照して、超音波及び次亜塩素酸による殺菌効果について説明する。図4は、105CFU/ml(N0)の芽胞菌が懸濁された溶液(150ml)を次亜塩素酸濃度10ppmの溶液により殺菌処理を行ったものと、超音波強度0.4W/mlにより殺菌処理を行ったものと、次亜塩素酸濃度10ppmの溶液による殺菌処理及び超音波強度0.4W/mlによる殺菌処理を行ったものであり、0、1、5、10分毎にサンプリングを行い、標準寒天培地で48時間培養後、コロニーカウント法により菌数(N)を計測したものである。
【0051】
これによると、次亜塩素酸のみにより殺菌処理を行った場合、初期の菌数に対する処理後の菌数の比(N/N0)は、1分後、5分後、10分後の何れも、1.0であった。超音波照射のみの殺菌処理を行った場合、1分後に0.75、5分後に、0.48、10分後に、0.5であった。次亜塩素酸及び超音波照射により殺菌処理を行った場合、1分後に0.68、5分後に、0.26、10分後に、0.18であった。
【0052】
これにより、次亜塩素酸による殺菌処理及び超音波照射による殺菌処理を併用することで、効果的に被処理水中の芽胞菌の殺菌処理を行うことができることが分かる。
【0053】
上記実験結果より、本実施例では、超音波処理ステップにおいて、被処理水中に存在してる固い外殻に覆われた芽胞菌や微生物等は、この超音波により被処理水に生じる小気泡の膨張収縮過程に起因する機械的作用で芽胞菌等の外殻に亀裂や損傷(クラック)を生成させる。これにより、芽胞菌等の固い外殻を破損させ、物理的殺菌処理が行われる。また、被処理水中で超音波キャビテーションに由来する高温高圧の反応場が生じ、この反応場において水分子から反応性の高いHラジカルやOHラジカルが生成され、これらのラジカルにより、被処理水中の芽胞菌や微生物等の菌の一部が殺菌処理される。
【0054】
また、電気化学的処理ステップでは、被処理水中の芽胞菌や微生物等の菌は、上述の如く生成された次亜塩素酸(次亜ハロゲン酸)又はオゾン若しくは活性酸素により、効率的に殺菌処理される。ここで、当該被処理水は、超音波処理ステップにおいて、芽胞菌等の固い外殻にクラックが形成されていることから、当該クラックより被処理水を外殻内部に侵入させることができ、これにより、効果的に外殻内部を次亜塩素酸などにより酸化処理することができるようになる。ここでは、芽胞菌の殺菌処理実験を一例として示したが、芽胞菌にとどまらず、他の微生物又は有害物質若しくは有機物に対しても同様の処理効果が期待できる。
【0055】
また、制御装置10は、上記超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップにおいて、導電率センサ11又は濁度センサ12により、貯留室4内の被処理水の導電率又は濁度を検出する。そして、超音波処理ステップでは、この導電率センサ11又は濁度センサ12の出力に基づき、導電率が所定の値よりも高い場合又は、濁度が所定の値よりも高い場合には、超音波照射装置3の超音波強度を上昇させ、他方、導電率が所定の値よりも低い場合又は、濁度が所定の値よりも低い場合には、超音波照射装置3の超音波強度を降下させるものとする。また、電気化学的処理ステップでは、この導電率センサ11又は濁度センサ12の出力に基づき、導電率が所定の値よりも高い場合又は、濁度が所定の値よりも高い場合には、電源7から電解用電極5、6に供給する電力を上昇させ、他方、導電率が所定の値よりも低い場合又は、濁度が所定の値よりも低い場合には、電源7から電解用電極5、6に供給する電力を降下させるものとする。
【0056】
これにより、被処理水の状態に対応して、好適な条件で被処理水を超音波処理及び電気化学的手法による処理を実行することが可能となり、処理効率の向上を図ることができる。
【0057】
ここで、処理される被処理水は、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップの前段に、濃縮ステップを実行していることから、貯留室4内に貯留される被処理水の芽胞菌や微生物等の菌又は有害物質若しくは有機物等を濃縮した状態で、超音波により処理及び電気化学的手法による酸化処理を行うことが可能となり、効率的に被処理水の処理を行うことができるようになる。
【0058】
尚、本実施例では、超音波処理ステップの終了後に電気化学的処理ステップを実行しているが、これら超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップを交互に複数回に渡って実行しても良いものとする。また、これ以外に、これらの処理ステップを同時に実行しても良いものとする。これらの処理ステップを同時に実行する場合には、超音波による物理的処理と電気化学的手法による酸化処理を同時に行うことができ、効率的に処理を行うことができる。また、当該水処理装置1自体の小型化をすることができ、コストの低減を図ることができるようになる。
【0059】
また、電解用電極5、6は、超音波照射装置3により発生する超音波定在波の腹部で特異的に物理的処理されるため、超音波定在波の腹部に対応する位置に設けることが好ましい。これにより、より一層効果的に被処理水の処理を行うことができるようになる。
【0060】
また、上記実施例以外に、図5に示す如く貯留槽2を超音波処理槽20と、電解処理槽21とに分離し、当該超音波処理槽20に前記超音波処理装置3を設け、電解処理槽21に電解用電極5、6を設けても良い。尚、本実施例では、前記濃縮フィルタ9は、超音波処理槽20に設けられるものとする。また、超音波処理槽20にて処理された後の被処理水は、搬送手段としてのポンプ22により電解処理槽21に搬送可能とされるものとする。
【0061】
かかる場合には、超音波処理ステップと電気化学的処理ステップとを別々の槽にて実行することが可能となるため、超音波処理槽20にて超音波照射装置3により被処理水中の芽胞菌などの固い外殻又は難分解性の有害物質若しくは有機物を破壊した後、ポンプ22により当該被処理水を電解処理槽21に移動させ、電解処理槽21にて電解用電極5、6から生成された次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を芽胞菌などの破壊された外殻内に侵入させ、芽胞菌内部の酸化を行ったり、断片化した有害物質又は有機物を酸化することによる効率的な処理を実現することができる。
【0062】
また、かかる場合には、同一の貯留槽2にて超音波による処理と電気化学的手法による処理を行った場合に生じてしまう、超音波の影響による次亜塩素酸の減少を回避することができ、より一層効率的な処理を実現することができるようになる。
【0063】
更にまた、本発明は、図6に示す如く同一の配管30内に超音波照射装置3及び電解用電極5、6を配設することにより、省スペースで、配管30内を流動する被処理水を効率的に処理することができる。尚、この場合において、超音波照射装置3を配管30の上流側に設け、電解用電極5、6を超音波照射装置3の下流側に設けることにより、より一層処理効果を向上させることができる。
【0064】
これにより、例えば、水耕栽培や下水道などに適用した場合、配管30内を流動する養液や下水の処理を効果的に実行することができる。
【0065】
尚、上記各実施例において、電気化学的処理ステップにおいて生成される次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素は、生成直後のものであるため、薬剤として用いられる次亜塩素酸などに比して著しい酸化力を有している。そのため、薬剤による処理に比してより効果的な処理を実現することができる。
【0066】
また、電気化学的処理ステップにおいて得られる次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素は、電解処理により得られるものであるため、放電によりオゾン等を生成させる場合に比して、コストの低減を図ることができるようになる。また、上記各実施例において生成されるオゾンは、二酸化鉛を用いた電解用電極によるものではないため、調理用又は野菜や調理機器の洗浄などに用いられる被処理水の処理にも使用することができるようになる。
【0067】
【発明の効果】
以上詳述した如く請求項1又は請求項6の発明によれば、電気化学的手法及び超音波により被処理水を処理するので、効率的に被処理水を処理することができるようになる。特に、被処理水中に芽胞菌のような外殻の固い微生物又は難分解性の有害物質若しくは有機物などが含有されている場合であっても、超音波による圧力差で微生物の外殻を破損させたり、有害物質の構造又は有機物を破壊するなど物理的処理を行うことができると共に、電気化学的手法による酸化処理を行うことができる。これにより、被処理水中に芽胞菌のような外殻の固い微生物又は難分解性の有害物質若しくは有機物が含有されている場合であっても被処理水を効果的に処理することができるようになる。
【0068】
請求項2又は請求項7の発明によれば、上記各発明において、被処理水中に超音波照射手段により超音波を照射して処理する超音波処理ステップと、被処理水に電解用電極を浸漬し、該電解用電極に電流を流し、電気化学的手法により被処理水中に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を生成することにより被処理水を処理する電気化学的処理ステップとを実行することにより、効率的に被処理水の処理を行うことができるようになる。特に、被処理水中に芽胞菌のような外殻の固い微生物又は難分解性の有害物質若しくは有機物などが含有されている場合であっても、超音波により被処理水中に生じる圧力差で微生物の外殻を破損させたり、有害物質の構造又は有機物を破壊するなどの物理的処理を行うことができると共に、電気化学的手法により生成される次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素で微生物内部又は有害物質若しくは有機物を酸化させ、処理を行うことができる。
【0069】
これにより、被処理水中に芽胞菌のような外殻の固い微生物又は難分解性の有害物質若しくは有機物が含有されている場合であっても効果的に処理することができるようになる。
【0070】
請求項3又は請求項8の発明によれば、上記発明において、超音波照射手段と、電解用電極は、同一槽に設け、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップを、同時に実行するので、被処理水を効率的に処理することができると共に、当該発明を実現する装置の小型化及びコストの低減を図ることができるようになる。
【0071】
請求項9の発明によれば、上記発明において、超音波照射手段により生成される超音波定在波の腹部に電解用電極を配置するので、超音波定在波の腹部で特異的に物理的処理される菌又は有害物質若しくは有機物を効果的に電解用電極により酸化処理することが可能となる。
【0072】
請求項4の発明によれば、請求項2の発明において、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップの開始と終了を同期させることなくこれらのステップを実行するので、物理的処理が困難な処理対象であっても、電気化学的処理ステップで酸化が行われることで、処理対象の構造が脆くなり、超音波処理ステップにおける物理的処理が効率的に実現することができるようになる。
【0073】
請求項10の発明によれば、請求項7の発明において、超音波照射手段と、電解用電極は、別々の槽に設けるので、超音波処理ステップの終了後、別の槽にて電気化学的処理ステップを実行することが可能となり、超音波処理ステップにおいて、被処理水中の芽胞菌などの固い外殻又は難分解性の有害物質若しくは有機物を破壊した後、当該被処理水を電解用電極が設けられる槽に移動させ、電気化学的処理ステップを実行することにより、当該芽胞菌などの破壊された外殻内に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を侵入させ、芽胞菌内部の酸化や断片化した有害物質又は有機物の酸化による効率的な処理を実現することができるようになる。
【0074】
請求項11の発明によれば、請求項7の発明において、超音波照射手段と、電解用電極は、同一の配管に設けられるので、同一の配管内に流動する被処理水を効率的に処理することができる。特に、水耕栽培や下水道などにおいて、配管内を流動する養液や下水などを効率的に処理することができるようになる。
【0075】
請求項12の発明によれば、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10又は請求項11の発明において、被処理水中の水質を検出する水質検出手段を備え、水質検出手段による検出結果に基づき、超音波照射手段の超音波強度若しくは、電解用電極の電解強度を調整するので、被処理水の状態に対応して超音波照射手段による処理及び電解用電極による電気化学的な処理を実現することができ、処理効率を向上させることができるようになる。
【0076】
請求項13の発明によれば、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11又は請求項12の発明において、電解用電極は、電気化学的手法により次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を発生させることが可能な導電体として、貴金属又は当該貴金属を被覆した導電体、若しくは、セラミクス系導電体、フェライト、若しくは、炭素系導電体、若しくはステンレス鋼であるので、容易に被処理水中に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を発生させることが可能となり、効率的に処理を行うことができるようになる。
【0077】
請求項5又は請求項14の発明によれば、請求項2、請求項3、請求項4、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11、請求項12又は請求項13の発明において、超音波処理ステップ及び電気化学的処理ステップの前段に、被処理水中の菌又は有害物質若しくは有機物を濃縮する手段を備え、この濃縮ステップを実行するので、より一層効率よく被処理水の処理を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水処理装置の概要を示す説明図である。
【図2】水処理装置の制御装置の電気ブロック図を示す図である。
【図3】超音波強度による菌数の経時変化を示す図である。
【図4】超音波及び次亜塩素酸による殺菌効果を示す図である。
【図5】他の実施例の水処理装置を示す図である。
【図6】もう一つ他の実施例の水処理装置を示す図である。
【符号の説明】
1 水処理装置
2 貯留槽
3 超音波照射装置(超音波照射手段)
4 貯留室
5、6 電解用電極
7 電源
8、14 流出口
9 濃縮フィルタ(濃縮手段)
10 制御装置
11 導電率センサ(導電率検出手段)
12 濁度センサ(濁度検出手段)
13 開閉弁
15 タイマ
20 超音波処理槽
21 電解処理槽
22 ポンプ
30 配管
Claims (14)
- 電気化学的手法及び超音波により被処理水を処理することを特徴とする水処理方法。
- 被処理水中に超音波を照射して処理する超音波処理ステップと、
前記被処理水に電解用電極を浸漬し、該電解用電極に電流を流し、電気化学的手法により前記被処理水中に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を生成することにより前記被処理水を処理する電気化学的処理ステップとを含むことを特徴とする請求項1の水処理方法。 - 前記超音波処理ステップ及び前記電気化学的処理ステップを、同時に実行することを特徴とする請求項2の水処理方法。
- 前記超音波処理ステップ及び前記電気化学的処理ステップの開始と終了を同期させることなくこれらのステップを実行することを特徴とする請求項2の水処理方法。
- 前記超音波処理ステップ及び前記電気化学的処理ステップの前段に、前記被処理水中の菌又は有害物質若しくは有機物を濃縮するステップを実行することを特徴とする請求項2、請求項3又は請求項4の水処理方法。
- 被処理水を電気化学的手法により処理する手段と、前記被処理水を超音波により処理する手段とを備えることを特徴とする水処理装置。
- 被処理水中に超音波を照射する超音波照射手段と、前記被処理水に少なくとも一部が浸漬される一対若しくは複数の電解用電極とを備え、
前記超音波照射手段により前記被処理水中に超音波を照射し、
前記電解用電極に電流を流し、電気化学的手法により前記被処理水中に次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を生成することにより前記被処理水を処理することを特徴とする請求項6の水処理装置。 - 前記超音波照射手段と、前記電解用電極は、同一槽に設けられることを特徴とする請求項7の水処理装置。
- 前記超音波照射手段により生成される超音波定在波の腹部に前記電解用電極を配置することを特徴とする請求項8の水処理装置。
- 前記超音波照射手段と、前記電解用電極は、別々の槽に設けられることを特徴とする請求項7の水処理装置。
- 前記超音波照射手段と、前記電解用電極は、同一の配管に設けられることを特徴とする請求項7の水処理装置。
- 前記被処理水中の水質を検出する水質検出手段を備え、
前記水質検出手段による検出結果に基づき、前記超音波照射手段の超音波強度若しくは、前記電解用電極の電解強度を調整することを特徴とする請求項7、請求項8、請求項9、請求項10又は請求項11の水処理装置。 - 前記電解用電極は、電気化学的手法により次亜ハロゲン酸又はオゾン若しくは活性酸素を発生させることが可能な導電体として、貴金属又は当該貴金属を被覆した導電体、若しくは、炭素系導電体又は当該炭素系導電体を被覆した導電体、若しくは、セラミクス系導電体又は当該セラミクス系導電体を被覆した導電体、若しくは、鉄の合金又は当該鉄の合金を被覆した導電体であることを特徴とする請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11又は請求項12の水処理装置。
- 前記被処理水中の菌又は有害物質若しくは有機物を濃縮する手段を備えることを特徴とする請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11、請求項12又は請求項13の水処理装置。
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