JP5819135B2 - 水処理方法および水処理装置 - Google Patents

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本発明は、紫外光を利用して水処理を行う水処理方法および水処理装置に関する。
例えば水道水として用いる原水を浄水する過程において、原水中に存在する細菌やウィルスなどの微生物を除去するために、例えば塩素や次亜塩素酸などの塩素系化合物よりなる酸化剤の注入による塩素消毒が従来から行われている。
このような塩素消毒においては、被処理水に対して酸化剤の注入量を多くして遊離塩素の濃度を高くすれば、細菌などの微生物に対して高い不活化力が確保されるが、塩素の副生成物であるトリハロメタンなどの有害物質が生成されるという問題やカルキ臭が発生するという問題がある。また、被処理水に対して酸化剤の注入量を少なくして遊離塩素の濃度を低くすれば、上記問題は回避されるが、細菌などの微生物に対して高い不活化力が得られないという問題がある。
例えば特許文献1には、細菌に対する不活化効果をより高めるため、被処理水に対して、塩素系化合物などの酸化剤の存在下で、波長254nmおよび波長185nmの光を含む紫外光を照射することにより、被処理水中の細菌を死滅させる処理を行う水処理方法が開示されている。また、特許文献1には、波長254nmの紫外光は、細菌の細胞壁および細胞膜を通過して核酸(DNA)に直接作用し、核酸の結合を破壊することにより核酸を不活化させること、および、波長185nmの紫外光は、被処理水中の遊離塩素に作用してラジカルを生成し、当該ラジカルによる酸化力によって細菌の細胞壁および細胞膜を損傷させることにより、細菌自体を死滅させることが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の水処理方法においては、酸化剤として塩素系化合物を用いた場合に、塩素系化合物の存在下で紫外光照射処理が行われることにより、遊離塩素に紫外光が照射され、これにより、トリハロメタンなどの有害物質が生成されるという問題がある。また、波長185nmの紫外光は、水中での透過率が低く、細菌に対して十分な不活化効果が得られないという問題がある。
特開2010−279909号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、酸化剤の使用量を低減しながらも、細菌やウィルスなどの微生物を不活化することができると共にトリハロメタンなどの有害物質の生成を抑制することができる水処理方法および水処理装置を提供することを目的とする。
本発明の水処理方法は、被処理水に対して、波長200nm〜240nmの光を少なくとも含む、クリプトンクロライド(KrCl)エキシマランプより放射された紫外光を照射し、その後、酸化剤を供給することを特徴とする。
本発明の水処理方法においては、前記酸化剤が、塩素系化合物であることが好ましい。
本発明の水処理方法においては、前記被処理水が、遊離塩素を含まないものであることが好ましい。
本発明の水処理装置においては、被処理水が流通する流路に沿って、当該被処理水に波長200〜240nmの光を少なくとも含む紫外光を照射する紫外光照射装置が設けられ、この紫外光照射装置より下流側に酸化剤を供給する酸化剤供給手段が設けられており、
前記紫外光照射装置が、光源としてクリプトンクロライド(KrCl)エキシマランプを備えることを特徴とする。
本発明の水処理装置においては、前記酸化剤供給手段は、塩素系化合物よりなる酸化剤を供給するものであることが好ましい。
本発明の水処理方法および水処理装置によれば、被処理水に対して、特定波長の紫外光を照射し、その後、酸化剤を供給することにより、酸化剤の使用量を低減しながらも、細菌やウィルスなどの微生物を不活化することができると共にトリハロメタンなどの有害物質の生成を抑制することができる。具体的には、被処理水に照射する紫外光が、微生物の細胞壁および細胞膜を構成する蛋白質の分解が可能である波長240nm以下、および、水中での透過率が確保される波長200nm以上の光を少なくとも含むことから、酸化剤の使用量が少量であっても、効率的に細菌やウィルスなどの微生物を不活化することができ、その上、紫外光の照射終了後に酸化剤が供給されることから、遊離塩素に紫外光が照射されないので有害物質の生成を抑制することができる。
本発明の水処理方法および水処理装置は、後述する実験例からも明らかなように、酸化剤を供給する処理による微生物に対する不活化効果と、紫外光を照射する処理による微生物に対する不活化効果とを単に合計した効果に比べ、極めて高い微生物に対する不活化効果が得られる。
本発明の水処理装置の一例における構成の概略を示す説明図である。 本発明の水処理装置に係る紫外光照射装置の光源として備えられるエキシマランプの構成の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は断面図である。 本発明の水処理方法における細菌やウィルスなどの微生物への作用を説明するための模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本発明において、「水処理」とは、細菌やウィルスなどの微生物を不活化することをいう。
図1は、本発明の水処理装置の一例における構成の概略を示す説明図である。
この水処理装置10は、被処理水Waが流通する流路Rに沿って設けられた、当該被処理水に波長200〜240nmの光を少なくとも含む紫外光UVを照射する紫外光照射装置12と、流路Rにおいて紫外光UVが照射された被処理水Wbが貯留される混和槽14と、混和槽14内に貯留された被処理水Wbに酸化剤Oを供給する酸化剤供給手段13とが備えられている。
本実施例においては、処理水Waは、塩素系化合物よりなる酸化剤によって塩素消毒処理されていないもの、具体的には遊離塩素が含まれないもの、または、遊離塩素が含まれていても極めて少量のものとされる。
流路Rは、互いに同軸上に配置された円筒状の外管11Aおよび円筒状の内管11Bよりなる流路管11において、当該外管11Aの内周面と内管11Bの外周面との間に形成された円筒状空間によって形成される。
流路管11を構成する外管11Aは、特に限定されないが、例えばステンレス鋼よりなるものである。
流路管11を構成する内管11Bは、波長200〜240nmの光を透過するものよりなればよく、例えば石英ガラスよりなるものである。
流路管11の外管11Aには、ポンプP1 により汲み上げられた被処理水Waが流路Rに流入される流入口111と、流路Rにおいて紫外光照射装置12により紫外光UVが照射された被処理水(以下、「紫外光処理水」ともいう。)Wbが連結路Cに流出される流出口112とが設けられている。
流路Rを流通する被処理水Waの流速は、例えば0.1〜300cm/secが好ましい。
紫外光照射装置12は、流路管11を構成する内管11Bの内部に管軸に沿って配置されている。
紫外光照射装置12は、波長200〜240nmの光を少なくとも含む紫外光を放射する光源を備えたものであり、この光源としては、例えばエキシマランプ、特にクリプトンクロライド(KrCl)エキシマランプが好ましい。
なお、波長200〜240nmの光を少なくとも含む紫外光とは、ピーク波長が少なくとも波長200〜240nmの範囲に有するものをいう。
紫外光照射装置12により被処理水Waに照射する紫外光UVの照射量は、例えば5〜200mJ/cm2 が好ましい。
また、紫外光照射装置12の光放射面から内管11Bの内周面までの距離dは、例えば0.1〜10cmが好ましい。
図2は、本発明の水処理装置に係る紫外光照射装置の光源として備えられるエキシマランプの構成の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
このエキシマランプ35は、エキシマ用ガスが気密に封入された放電空間Sを形成する放電容器36を有する。
放電容器36は、互いに対向するそれぞれ矩形状の上壁部分36aおよび下壁部分36bと、上壁部分36aおよび下壁部分36bの周縁部を連結する4つの側壁部分36cよりなる扁平な箱型のものであって、全体が例えば石英ガラスよりなるものである。
放電容器36における上壁部分36aの外面(図2(b)において上面)には、網状の一方の電極37が設けられ、当該放電容器36における下壁部分36bの外面(図2(b)において下面)には、網状の他方の電極38が設けられており、一方の電極37および他方の電極38の各々は、高周波電源(図示せず)に接続されている。
放電容器36内に封入されるエキシマ用ガスとしては、波長200〜240nmの光を少なくとも含む紫外光を放射するエキシマを生成し得るもの、具体的にはクリプトン(Kr)と塩素(Cl)との混合ガスが挙げられる。このようなKrとClとの混合ガスをエキシマ用ガスとして用いると、波長222nmにピークを有する光が放射される。
エキシマ用ガスの封入圧は、例えば10〜100kPaである。
本発明においては、紫外光照射装置は、光源として波長200〜240nmの励起光を放射する蛍光ランプを用いてもよい。このような蛍光ランプとしては、例えば上記エキシマランプ35における放電容器36において、蛍光体を含む蛍光体層が放電容器36の内表面、すなわち上壁部分36a、下壁部分36bおよび側壁部分36cの内面に形成されてなるものとされる。
この水処理装置10においては、酸化剤供給手段13および混和槽14が紫外光照射装置12の下流側に設けられている。
具体的には、混和槽14は、流路管11の流出口112から流出した紫外光処理水Wbが通過する連結路Cを介して配置されており、酸化剤供給手段13は、混和槽14内に貯留された紫外光処理水Wbに酸化剤Oが供給されるよう、混和槽14の直上位置に配置されている。この酸化剤供給手段13においては、酸化剤Oを滴下することにより、当該酸化剤Oが紫外光処理水Wbに供給される構成とされている。
酸化剤供給手段13により紫外光処理水Wbに供給される酸化剤Oは、微生物を構成する核酸を分解することのできるものであれば特に限定されず、例えば、塩素、次亜塩素酸および次亜塩素酸塩(例えば、次亜塩素酸ナトリウムなど)などの塩素系化合物、オゾン、ハロゲン化物などを用いることができる。
本発明においては、酸化剤としては、特に塩素、次亜塩素酸および次亜塩素酸塩の遊離残留塩素やクロラミンなどの結合残留塩素を用いることが好ましい。
酸化剤Oの供給量は、例えば1〜2mg/Lが好ましい。
このような水処理装置10においては、例えば以下のような水処理が行われる。
被処理水Waは、ポンプP1 により汲み上げられ、流路管11の流入口111から流路Rに流入され、流路Rを軸方向に流通しながら、紫外光照射装置12から放射される紫外光UVが照射される(紫外光照射工程)。紫外光UVが照射された紫外光処理水Wbは、流路管11の流出口112から連結路Cに流出され、連結路Cを通過して、混和槽14に貯留されて、酸化剤供給手段13により酸化剤Oが供給される(酸化剤供給工程)。その後、紫外光処理水Wbと酸化剤Oとが混和槽14内で撹拌処理され、撹拌処理が施された被処理水(以下、「酸化剤処理水」ともいう。)Wcは、ポンプP2 により汲み上げられる。
水処処理が達成された酸化剤処理水Wcは、例えば水道水などとして利用される。
なお、本発明においては、紫外光照射工程と酸化剤供給工程とは、連続的に行われても、所定の時間間隔が設けられていてもよい。
以上のように、本発明によれば、紫外光照射工程後に酸化剤供給工程が行われることにより、被処理水Waに照射する紫外光UVが、微生物の細胞壁および細胞膜を構成する蛋白質の分解が可能である波長240nm以下、および、水中での透過率が確保される波長200nm以上の光を少なくとも含むことから、酸化剤Oの使用量が少量であっても、効率的に細菌やウィルスなどの微生物を不活化することができ、その上、紫外光処理水Wbに対して、紫外光UVの照射終了後に酸化剤Oが供給されることから、遊離塩素に紫外光が照射されないので有害物質の生成を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、本発明の水処理装置においては、被処理水に泥や砂などが含まれている場合、紫外光照射装置より上流側に泥や砂を凝集沈殿させる沈殿槽が設けられていてもよい。
また例えば、本発明の水処理装置においては、酸化剤供給手段により供給される酸化剤は、核酸を分解するためのものであるが、例えば水道水の原水の水処理を行う場合においては、水処理が施された被処理水は、長距離の水道管を流通することから、その流通期間中に、残留した微生物が繁殖する可能性があるため、微生物の繁殖を抑制する目的で、酸化剤供給手段(以下、「第1の酸化剤供給手段」という。)より下流側に別途、第2の酸化剤供給手段が設けられていてもよい。このような構成においては、第1の酸化剤供給手段と第2の酸化剤供給手段とに用いられる酸化剤は、同一のものであっても異なるものであってもよい。
以下、波長200〜240nmの紫外光照射処理および酸化剤供給処理の組み合わせ処理による効果を確認する実験を行った。
〔実験例1:酸化剤供給処理〕
シャーレ内にpH7.0のリン酸緩衝液210mL(液温20℃)を投入し、さらに、大腸菌ファージMS2(以下、単に「MS2」という。)107 〜108 個/mLを投入し、撹拌してサンプルを作製した。このサンプルに対して、濃度が0.1〜0.6mg/Lとなるよう次亜塩素酸ナトリウム水溶液の供給処理(以下、「処理(a)」ともいう。)を行った。処理前後のMS2濃度および残留塩素濃度を測定した。得られたMS2濃度を用いて下記式(1)により求められる不活化率とその対数値を算出した。結果を表1に示す。なお、MS2濃度は重層寒天培地法により測定し、残留塩素濃度は、DPD吸光度法により測定した。
式(1):不活化率=(処理後のMS2濃度)/(処理前のMS2濃度)
〔実験例2:低圧水銀ランプ照射処理〕
実験例1において、処理(a)に代えて、サンプルに対して、ピーク波長が254nmおよび185nmに有する低圧水銀ランプによる紫外光の照射処理(以下、「処理(b)」ともいう。)を行ったことの他は同様にして、MS2の不活化率の対数値を算出した。結果を表1に示す。なお、サンプル表面と低圧水銀ランプの光放射面との距離を38.9cmとし、また、低圧水銀ランプの照射量を24.3mJ/cm2 および58.32mJ/cm2 とした。
〔実験例3:クリプトンクロライド(Kr−Cl)エキシマランプ照射処理〕
実験例1において、処理(a)に代えて、サンプルに対して、ピーク波長が222nmに有するKr−Clエキシマランプによる紫外光の照射処理(以下、「処理(c)」ともいう。)を行ったことの他は同様にして、MS2の不活化率の対数値を算出した。結果を表1に示す。なお、サンプル表面とKr−Clエキシランプの光放射面との距離を48.9cmとし、また、Kr−Clエキシマランプの照射量を13.6mJ/cm2 、24.48mJ/cm2 および27.2mJ/cm2 とした。
以上の実験例1〜3により、処理(a)〜(c)(単独処理)について、単独処理による不活化率の対数値の合計値、すなわち処理(a)および処理(b)の不活化率の対数値の合計値(X)、並びに、処理(a)および処理(c)の処理の不活化率の対数値の合計値(X)を求めた。結果を表1に示す。
〔実験例4:低圧水銀ランプ照射処理の後、酸化剤供給処理〕
実験例1において、処理(a)に代えて、サンプルに対して、処理(b)の後、処理(a)を行った(以下、「処理(d)」ともいう。)ことの他は同様にして、MS2の不活化率の対数値を算出した。結果を表2に示す。
〔実験例5:Kr−Clエキシマランプ照射処理の後、酸化剤供給処理〕
実験例1において、処理(a)に代えて、サンプルに対して、処理(c)の後、処理(a)を行った(以下、「処理(e)」ともいう。)ことの他は同様にして、MS2の不活化率の対数値を算出した。結果を表2に示す。
以上の実験例4および5により、処理(d)および処理(e)の処理(組み合わせ処理)について、相乗効果を求めた。具体的には、相乗効果は、単独処理による不活化率の対数値の合計値(X)に対する組み合わせ処理の不活化率の対数値(Y)の比率により求めた。結果を表2に示す。
なお、表1および表2に示すCt値は、残留塩素濃度と接触時間(酸化剤投入後1分間経過後)との積である。このCt値と不活化率の対数値とは比例関係にあることが知られている。
以上の結果より、本発明に係る処理(e)(Kr−Clエキシマランプ照射後、酸化剤供給)については、当該処理(e)に係る不活化率の対数値(Y)は、処理(a)(酸化剤供給)および処理(c)(Kr−Clエキシマランプ照射)の不活化率の対数値の合計値(X)に比べて大きく、従って、より高い不活化効果が得られることが確認された。また、紫外光の照射量が大きくなるに従って、不活化効果も大きくなることが確認された。
以上のように、本発明の水処理方法は、酸化剤を供給する処理による微生物に対する不活化効果と、特定波長の紫外光を照射する処理による微生物に対する不活化効果とを単に合計した効果に比べ、極めて高い不活化効果が得られ、従って、酸化剤を供給する処理と特定波長の紫外光を照射する処理との相乗作用により、高い不活化効果が得られることが確認された。
本発明においては、以上のような効果が得られる理由としては、以下のように推測される。
図3に示すように、細菌やウィルスなどの微生物20は、核酸(DNA)23と、この核酸23を取り囲む、蛋白質よりなる細胞膜22および細胞壁21とから構成されている(図3(a)参照)。このような微生物20が存在する被処理水に対して、蛋白質の分解が可能な波長240nm以下の紫外光を照射することにより、蛋白質の一部または全部を分解し、これにより、微生物20の細胞壁21および細胞膜22が損傷し(図3(b)参照)、その後、酸化剤を供給することにより、損傷された細胞壁21や細胞膜22の亀裂から酸化剤が流入し、核酸23が分解されると考えられる(図3(c)参照)。
従って、波長200〜240nmの紫外光を先に照射することによって予め蛋白質を分解し、その後、核酸を分解する酸化剤を投入することよって損傷された細胞壁や細胞膜の亀裂から酸化剤が流入し、効率的に核酸を分解することができたものと考えられる。
なお、蛋白質は、アミノ酸がペプチド結合により重合したものであり、このアミノ酸にはトリプトファンやチロシンなどが含まれており、これらは、波長220nmの近傍において紫外光の吸収スペクトルのピークがあることから、紫外光としては、ピーク波長が波長220nm±10の範囲内にある光を利用することが好ましい。
一方、比較例に係る処理(d)(低圧水銀ランプ照射後、酸化剤供給)については、当該処理(d)に係る不活化率の対数値(Y)は、処理(a)(酸化剤供給)および処理(b)(低圧水銀ランプ照射)の不活化率の対数値の合計値(X)と比べても、大きな差はなく、従って、高い不活化効果が得られないことが確認された。また、紫外光の照射量を大きくしても高い不活化効果が得られないことが確認された。これは、低圧水銀ランプから放射される紫外光は、波長254nmと波長185nmを含む光であるが、波長254nmは、蛋白質を殆ど分解することができず、また、波長185nmは水中での透過率が低いことから蛋白質にほとんど到達していないものと推測されるからである。
本発明の水処理方法は、例えば、水道水の原水の水処理、ペットボトルの洗浄水の水処理、半導体などの化学薬品洗浄用の純水精製過程における水処理、下水の水処理、船舶のバラスト水の水処理、空気清浄機の水処理、水族館や養殖場等における水生生物用の水処理などとして用いることができる。なお、被処理水に遊離塩素が含有された状態で、紫外光を照射すると、トリハロメタンなどの有害物質が生成されるおそれがあることから、紫外光が照射される前の被処理水は、水中の鉄およびマンガンを酸化させる目的で塩素注入が行なわれた、いわゆる前塩素処理されたものであって、遊離塩素を含まないものであることが好ましい。ここで、遊離塩素を含まないものとは、例えば水源地が周囲の環境によって原水に遊離塩素が混入することがあるので、水道水の原水として利用される程度に、極めて少量の遊離塩素を含むものであってもよく、人為的に遊離塩素を含ませていないものをいう。従って、水道水の原水の水処理に用いられることが好ましい。
10 水処理装置
11 流路管
11A 外管
11B 内管
111 流入口
112 流出口
12 紫外光照射装置
13 酸化剤供給手段
14 混和槽
20 微生物
21 細胞壁
22 細胞膜
23 核酸
35 エキシマランプ
36 放電容器
36a 上壁部分
36b 下壁部分
36c 側壁部分
37 一方の電極
38 他方の電極
C 連結路
O 酸化剤
1 ,P2 ポンプ
R 流路
S 放電空間
UV 紫外光
Wa,Wb,Wc 被処理水

Claims (5)

  1. 被処理水に対して、波長200nm〜240nmの光を少なくとも含む、クリプトンクロライド(KrCl)エキシマランプより放射された紫外光を照射し、その後、酸化剤を供給することを特徴とする水処理方法。
  2. 前記酸化剤が、塩素系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の水処理方法。
  3. 前記被処理水が、遊離塩素を含まないものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水処理方法。
  4. 被処理水が流通する流路に沿って、当該被処理水に波長200〜240nmの光を少なくとも含む紫外光を照射する紫外光照射装置が設けられ、この紫外光照射装置より下流側に酸化剤を供給する酸化剤供給手段が設けられており、
    前記紫外光照射装置が、光源としてクリプトンクロライド(KrCl)エキシマランプを備えることを特徴とする水処理装置。
  5. 前記酸化剤供給手段は、塩素系化合物よりなる酸化剤を供給するものであることを特徴とする請求項4に記載の水処理装置。
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