JP2016215189A - プラズマ処理水無害化装置及びプラズマ処理水無害化方法 - Google Patents

プラズマ処理水無害化装置及びプラズマ処理水無害化方法 Download PDF

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正樹 藤金
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Abstract

【課題】プラズマ処理水に含まれる過酸化水素を除去することができるプラズマ処理水無害化装置及びプラズマ処理水無害化方法を提供する。【解決手段】本開示の一態様に係るプラズマ処理水無害化方法は、水の近辺において、または水と接触するようにプラズマを発生させて得られる過酸化水素を含むプラズマ処理水を、活性炭によって濾過する工程と、濾過する工程において濾過されたプラズマ処理水に超音波を印加する工程と、を含む。【選択図】図5

Description

本開示は、プラズマ処理水無害化装置及びプラズマ処理水無害化方法に関する。
従来、プラズマを利用して水の浄化又は殺菌等を行う装置及びその方法が知られている。例えば、特許文献1には、プラズマによって過酸化水素等の活性種を発生し、発生した活性種により微生物及び細菌を殺菌する装置及びその方法が開示されている。
特開2009−255027号公報
しかしながら、上記従来の技術では、プラズマによって処理されることによって浄化又は殺菌等された水(以下、プラズマ処理水と呼ぶ)には過酸化水素が残留している。過酸化水素は、その酸化作用により殺菌等に用いられる。しかし、過酸化水素の残留が不都合な場合がある。例えば、過酸化水素が含まれているプラズマ処理水は、飲用水として用いることができない。例えば、プラズマ処理水を海又は川等に排水する場合、過酸化水素が水生動植物等に悪影響を与える可能性がある。
そこで、本開示は、プラズマ処理水に含まれる過酸化水素を除去することができるプラズマ処理水無害化装置及びプラズマ処理水無害化方法を提供する。
上記課題を解決するため、本開示の一態様に係るプラズマ処理水無害化方法は、水の近辺において、または水と接触するようにプラズマを発生させて得られる過酸化水素を含むプラズマ処理水を、活性炭によって濾過する工程と、前記濾過する工程において濾過されたプラズマ処理水に超音波を印加する工程と、を含む。
本開示によれば、プラズマ処理水に含まれる過酸化水素を除去することができる。
実施の形態に係る液体処理装置の構成の一例を示す図である。 実施の形態に係る第1の金属電極の一例を示す構成図である。 実施の形態に係る第1の金属電極の他の一例を示す構成図である。 実施の形態に係るプラズマ処理水無害化装置の一例を示す外観模式図である。 実施の形態に係る液体処理装置の動作例を示すフローチャートである。 実施の形態に係るプラズマ処理水無害化装置の動作例を示すフローチャートである。 実施の形態に係るプラズマ処理水無害化装置の効果を説明するための図である。
(実施の形態の概要)
本開示の一態様に係るプラズマ処理水無害化方法は、水の近辺において、または水と接触するようにプラズマを発生させて得られる過酸化水素を含むプラズマ処理水を、活性炭によって濾過する工程と、前記濾過する工程において濾過されたプラズマ処理水に超音波を印加する工程と、を含む。
これにより、プラズマ処理水を活性炭で濾過し、濾過したプラズマ処理水に超音波を印加することで、プラズマ処理水に含まれる過酸化水素を除去することができる。
例えば、前記過酸化水素を含むプラズマ処理水は、直径が1マイクロメートル以上のマイクロバブルを含み、前記濾過する工程では、前記活性炭は、前記マイクロバブルを当該活性炭が有する細孔によって除去してもよい。
これにより、プラズマ処理水を活性炭で濾過するときにプラズマ処理水に含まれるマイクロバブルを除去するため、濾過されたプラズマ処理水に超音波を印加するときに、マイクロバブルの影響を受けずにナノバブルを除去することができる。従って、時間経過に伴って過酸化水素を発生させるマイクロバブル及びナノバブルが除去されるため、プラズマ処理水に含まれる過酸化水素を除去することができる。
例えば、前記プラズマは、前記水の中に気体を供給することで発生する気泡内に発生させられてもよい。
これにより、効率良く生成されたプラズマで処理されたプラズマ処理水に含まれる過酸化水素を除去することができる。
本開示の一態様に係るプラズマ処理水無害化装置は、水の近辺において、または水と接触するようにプラズマを発生させて得られる過酸化水素を含むプラズマ処理水が通過する位置に配置された活性炭と、前記活性炭の下流に配置され、当該活性炭を通過して濾過されたプラズマ処理水に超音波を印加する超音波処理部と、を備えてもよい。
これにより、プラズマ処理水を活性炭で濾過し、濾過したプラズマ処理水に含まれる過酸化水素を超音波で除去することができる。
以下では、実施の形態について、図面を参照しながら具体例を説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態)
[1.液体処理装置の構成]
実施の形態に係る液体処理装置100について、図1を用いて説明する。
図1は、実施の形態に係る液体処理装置100の構成を示す図である。
液体処理装置100は、プラズマと水とを接触させることによって、水を浄化又は殺菌し、浄化又は殺菌されたプラズマ処理水をさらに無害化する装置である。液体処理装置100は、プラズマと水とを接触させる以外に、水の近辺でプラズマを発生させ、プラズマにより発生した活性種を含む気体を水に接触させてもよい。以下、水の近辺において、または水と接触するようにプラズマを発生させることによる水の浄化又は殺菌をプラズマ処理と呼ばれる場合がある。本開示において、プラズマによって処理される前の液体は「被処理水」と呼ばれる場合があり、プラズマによって処理された後の液体は「プラズマ処理水」と呼ばれる場合がある。
液体処理装置100は、被処理水110を入れる反応槽106内に配置される第1の金属電極101と、反応槽106内に配置される第2の金属電極102と、気体を供給する供給ポンプ105と、第1の金属電極101と第2の金属電極102との間に電圧を印加する電源104とを備える。また、液体処理装置100は、タンク107と循環ポンプ108と配管109と採水口111とを備える。さらに、液体処理装置100は、プラズマ処理水無害化装置1を備える。
第1の金属電極101は、反応槽106の1つの壁を貫通するように配置され、第1の金属電極101の一端側が反応槽106内に位置する。第1の金属電極101については、後述する図2Aで詳細に説明する。
第2の金属電極102は、第1の金属電極101と同様に、反応槽106の1つの壁を貫通するように配置され、第2の金属電極102の一端側が反応槽106内に位置する。第2の金属電極102は、例えば円柱状であり、一端側が反応槽106内の被処理水110に接触するように配置されている。第2の金属電極102は、例えば、銅、アルミニウム及び鉄等の導電性の金属材料を用いて形成してもよい。
電源104は、第1の金属電極101と第2の金属電極102との間に接続され、両電極間に所定の電圧を印加する。具体的には、電源104は、第1の金属電極101と第2の金属電極102との間にパルス電圧又は交流電圧を印加する。例えば、所定の電圧は、2kV〜50kV/cm、1Hz〜100kHzの負極性の高電圧パルスである。電圧波形は、例えば、パルス状、正弦半波形及び正弦波状のいずれでもよい。一対の電極間に流れる電流値は、例えば、1mA〜3Aである。具体的には、電源104は、第1の金属電極101と第2の金属電極102との間にピーク電圧が4kV、パルス幅が1μs、周波数が30kHzのパルス電圧を印加する。例えば、電源104による入力電力は、30Wである。
供給ポンプ105は、第1の金属電極101に接続され、被処理水110中に気泡116を発生させるために必要な気体を第1の金属電極101を介して供給するポンプである。供給する気体には、例えば、空気、He、Ar、又はO等が用いられる。その後、電源104が第1の金属電極101と第2の金属電極102との間に電圧を印加することで、気泡116内にプラズマ115が発生させられる。なお、供給ポンプ105は、例えば、電源104による電圧の印加と同時に、気体の供給を開始してもよい。
反応槽106は、被処理水110で満たされており、反応槽106の1つの壁には第1の金属電極101と第2の金属電極102とが配置される。反応槽106は、循環ポンプ108を備えた配管109でタンク107とプラズマ処理水無害化装置1と接続される。被処理水110は、循環ポンプ108によって反応槽106内とタンク107内を循環し、さらに、プラズマ処理水無害化装置1へ送液される。被処理水110の循環速度は、プラズマ115による浄化速度、反応槽106の容積及びプラズマ処理水無害化装置1への送液量から適切な値に設定される。
タンク107は、被処理水110を貯蔵するタンクである。反応槽106とタンク107とを循環する被処理水110は、プラズマ処理水無害化装置1へ送液された分減っていくため、タンク107には、被処理水110が外部から補充されてもよい。
循環ポンプ108は、被処理水110を反応槽106とタンク107との間で循環させるポンプである。
配管109は、被処理水110がタンク107から反応槽106へ流れ、また、反応槽106でプラズマ処理されたプラズマ処理水が反応槽106からプラズマ処理水無害化装置1又はタンク107へ流れる管である。配管109は、例えば、パイプ、チューブ又はホース等の管状の部材から構成される。配管109は、反応槽106とタンク107とプラズマ処理水無害化装置1との間で二又に分岐している。例えば、配管109の分岐点にバルブ等が設けられ、プラズマ処理水のプラズマ処理水無害化装置1への送液とタンク107への循環とが切り替えられてもよい。
被処理水110は、例えば、プラズマ処理された後に飲用として用いられる水、又は、プラズマ処理された後に海又は川等に排水される水等である。
採水口111は、プラズマ処理水無害化装置1で処理されたプラズマ処理水を例えば採水するための採水口である。なお、被処理水110が排水される水の場合、採水口111は排水口となる。
プラズマ処理水無害化装置1は、プラズマ処理されたプラズマ処理水を無害化する装置である。プラズマ処理水無害化装置1は、活性炭処理部10と超音波処理部20とを備える。プラズマ処理水無害化装置1については、後述する図3で詳細に説明する。
[1−1.第1の金属電極]
第1の金属電極101の詳細について、図2Aを用いて説明する。
図2Aは、実施の形態に係る第1の金属電極101の一例を示す構成図である。
図2Aに示されるように、第1の金属電極101は、金属電極部211と、金属ネジ部212と、絶縁体213と、保持ブロック214とを備える。第1の金属電極101は、一端側が反応槽106内に位置し、他端側は保持ブロック214で保持され、供給ポンプ105と接続される。
金属電極部211は、図1に示されるように、反応槽106内に配置される。つまり、第1の金属電極101は、反応槽106内の被処理水110に露出している。金属電極部211は、金属ネジ部212に圧入することによって、一体化させて形成される。なお、金属電極部211は、絶縁体213の開口部218より外方に突出しないように設けられている。
金属電極部211は、例えば、直径0.95mmの棒状部材であり、タングステンから構成される。なお、金属電極部211の直径は、これに限らず、プラズマ115が発生する程度の直径であればよく、例えば、直径2mm以下でもよい。金属電極部211の材料は、タングステンに限らず、他の耐プラズマ性の金属材料でもよい。金属電極部211は、耐久性は悪化するが、例えば、銅、アルミニウム、鉄及びこれらの合金から構成されてもよい。さらに、金属電極部211の表面の一部に、導電性物質を添加して、溶射を行ってもよい。この溶射によって、例えば、1〜30Ωcmの電気抵抗率を有する酸化イットリウム膜が得られる。この酸化イットリウムの溶射により、電極寿命が長くなるという効果が得られる。
金属ネジ部212は、例えば、直径3mmの棒状部材であり、鉄から構成される。なお、金属ネジ部212の直径は、これに限らず、例えば、金属電極部211より大きければよい。金属ネジ部212の材料は、鉄に限らず、例えば、一般的なネジに用いられる材料である、銅、亜鉛、アルミニウム、スズ及び真鍮等でもよい。なお、金属ネジ部212と金属電極部211とは、同一の材料、及び、同一のサイズで構成されてもよく、あるいは、異なる材料、及び、異なるサイズで構成されてもよい。金属ネジ部212は、後述する保持ブロック214に物理的に接続固定され、電源104と電気的に接続される。
このように、金属電極部211の部分にプラズマ耐性の高い金属材料を用い、金属ネジ部212に加工し易い金属材料を用いることにより、プラズマ耐性を有しながら製造コストの低い、特性を安定化した第1の金属電極101を実現できる。
金属ネジ部212には、貫通孔215が形成されている。貫通孔215は、絶縁体213によって囲まれている空間216と繋がっている。供給ポンプ105から供給される気体は、貫通孔215を通って空間216に供給される。そして、貫通孔215から供給された気体によって、金属電極部211が覆われる。
ここで、金属ネジ部212に形成された貫通孔215が1つのみの場合、金属電極部211の重力方向下側から気体が供給されるように貫通孔215が形成される。これにより、気体は重力方向と反対側に向かうため金属電極部211を気体で覆いやすくすることができる。貫通孔215の直径は、例えば、0.3mmである。
金属ネジ部212の外周には、ネジ部217が設けられている。例えば、ネジ部217は、雄ネジである。ネジ部217は、後述するネジ部219と螺合する。電源104がネジ部217と螺合可能な構造を有することで、電源104と金属ネジ部212とは螺合し、接触抵抗が安定した電気的接続をすることができる。供給ポンプ105がネジ部217と螺合可能な構造を有することで、供給ポンプ105と金属ネジ部212とは螺合し、供給ポンプ105は気体の供給を安定して行うことができる。
絶縁体213は、金属電極部211を囲うように設けられている。絶縁体213は、金属電極部211との間に空間216を形成する。例えば、絶縁体213は、内径が1mmの管状部材である。絶縁体213は、例えば、アルミナセラミックであるが、マグネシア、石英又は酸化イットリウム等でもよい。
絶縁体213は、開口部218を有する。開口部218は、反応槽106の被処理水110中に気泡116を発生させるときに、気泡116の大きさを調整する。例えば、開口部218の直径は、絶縁体213の内径に等しく、1mmである。
なお、図2Aにおいて、開口部218は、絶縁体213の端面に設けられているが、絶縁体213の側面に設けられてもよい。複数の開口部218が絶縁体213に設けられてもよい。
保持ブロック214は、金属ネジ部212及び絶縁体213を保持するための部材である。保持ブロック214には、ネジ部219が設けられている。ネジ部219は、例えば、雌ネジであり、金属ネジ部212のネジ部217と螺合する。金属ネジ部212を回転させることで、絶縁体213と金属電極部211との位置関係を調整することができる。
このように、供給ポンプ105から絶縁体213と金属電極部211とで形成される空間216内に供給された気体によって金属電極部211は覆われるので、金属電極部211は、反応槽106内の被処理水110に直接接触しない。これにより、金属電極部211は、容易に放電し、容易にプラズマ115を発生させることができる。空間216に気体を供給し続けられた場合、被処理水110中に気泡116が形成される。気泡116は、絶縁体213の開口部218を覆う寸法の柱状の気泡となる。
なお、本実施の形態に係る液体処理装置100は、第1の金属電極101の代わりに、図2Bに示す第1の金属電極101aを備えてもよい。
図2Bは、実施の形態に係る第1の金属電極101の他の一例を示す構成図である。
図2Bに示される第1の金属電極101aは、図2Aに示される第1の金属電極101と比較して、金属電極部211及び金属ネジ部212の代わりに、金属電極部211a及び金属ネジ部212aを備える点が異なっている。以下では、異なる点を中心に説明する。
金属電極部211aは、中空状の電極である。例えば、金属電極部211aは、外形0.99mmのタングステン製のコイル状の電極である。なお、金属電極部211aは、コイル状に限らず、中空の棒状部材でもよい。
金属ネジ部212aには、例えば、直径1mmの貫通孔215aが金属ネジ部212aの軸中心部分に形成されている。金属電極部211aは、例えば、貫通孔215aに螺合させて接続されている。
このように、図2Bに示される第1の金属電極101aでは、貫通孔215aを大きくすることができるので、貫通孔215aを容易に形成することができ、製造コストを低減することができる。
なお、水の近辺でプラズマを発生させる場合、第1の金属電極101及び第2の金属電極102は、反応槽に入れられた被処理水110の水面より上に配置されてもよい。そして、第1の金属電極101と第2の金属電極102との間に電圧を印加してプラズマを発生させることで、水面より上の気相空間に活性種が発生する。この活性種を含む気体を被処理水110に接触させてもよい。本開示において、「水の近辺」とは、プラズマによって発生した活性種が水に接触できる範囲内で水面から離れた領域を意味し、例えば、水面からの距離が2cm以内の領域を意味する。
[1−2.プラズマ処理水無害化装置]
プラズマ処理水無害化装置1の詳細について、図3を用いて説明する。
図3は、実施の形態に係るプラズマ処理水無害化装置1の一例を示す外観模式図である。
プラズマ処理水無害化装置1は、活性炭処理部10及び超音波処理部20を備える。プラズマ処理水は、例えば、図3に示されるように、パイプ、チューブ又はホース等の管状の部材である管30内を、送液方向に一方通行的に流れ、活性炭処理部10と超音波処理部20とを通過する。つまり、反応槽106からプラズマ処理水無害化装置1へ送液されたプラズマ処理水は、まず、活性炭処理部10の内部を通過し、そして、超音波処理部20を通過し、最後に採水口111から採水又は排水される。
活性炭処理部10は、内部に活性炭が配置され、例えば導入口11と出口12とを有する容器である。活性炭は、過酸化水素を含むプラズマ処理水が通過する位置に配置される。導入口11には例えば配管109が接続され、反応槽106からのプラズマ処理水が活性炭処理部10の内部へ導入される。なお、反応槽106と活性炭処理部10との間の構成は、プラズマ処理水を反応槽106から活性炭処理部10の内部へ導入させる構成であればよく、導入口11に配管109が接続されなくてもよい。出口12には例えば管30が接続され、活性炭処理部10の内部を通過したプラズマ処理水が取り出される。ここで、プラズマ処理水が活性炭処理部10の内部を通過するとは、プラズマ処理水が活性炭処理部10の内部に配置された活性炭に濾過されることを意味する。なお、図3において、活性炭処理部10は、内部に活性炭が配置され、導入口11と出口12とを有する容器であったが、これに限らない。例えば、活性炭処理部10は、反応槽106から送液されたプラズマ処理水が活性炭を通過することができる構成(すなわち、プラズマ処理水が活性炭に濾過される構成)を有するものであればよい。
超音波処理部20は、活性炭処理部10の下流に配置され、活性炭処理部10を通過して濾過されたプラズマ処理水に超音波を印加する。具体的には、超音波処理部20は、例えば超音波洗浄機である。超音波処理部20は、超音波振動子を備える超音波発生器(図示せず)と、超音波を伝導する液体21(例えば水又は有機溶媒)を入れる槽22とを有する。超音波処理部20は、例えば、槽22に入れられた液体21に出力150W、周波数47kHzの超音波を印加する。活性炭処理部10の出口12と接続された管30は、図3に示されるように、超音波処理部20の槽22に入れられた液体21内を、複数回折り返されて通過する。このとき、プラズマ処理水は、管30を介して超音波処理部20を通過する。そして、超音波処理部20を通過したプラズマ処理水は、採水口111から採水又は排水される。ここで、プラズマ処理水が超音波処理部20を通過するとは、プラズマ処理水が超音波処理部20に超音波を印加されることを意味する。なお、管30の槽22の内部での折り返し回数は、管30内を流れるプラズマ処理水の流速及び超音波を印加する時間等により設定されてもよい。このように、超音波処理部20は、プラズマ処理水が流れる管30に超音波を印加することで、プラズマ処理水に超音波を印加する。なお、図3Aにおいて、超音波処理部20は、槽22を通過する管30を介してプラズマ処理水に超音波を印加したが、これに限らない。例えば、超音波処理部20は、プラズマ処理水に超音波を印加することができる構成を有するものであればよい。活性炭処理部10と超音波処理部20とは、管30によって接続されたが、これに限らない。活性炭処理部10と超音波処理部20との間の構成は、活性炭処理部10を通過したプラズマ処理水を超音波処理部20に送液することができる構成であればよく、管30に限定されない。
このように、プラズマ処理水無害化装置1は、反応槽106からプラズマ処理水無害化装置1へ送液されたプラズマ処理水が、活性炭処理部10、超音波処理部20の順に一方通行的に通過する構成を有する。
[2.液体処理装置の動作]
実施の形態に係る液体処理装置100の動作について説明する。
図4は、実施の形態に係る液体処理装置100の動作を示すフローチャートである。
供給ポンプ105は、第1の金属電極101の貫通孔215を介して、絶縁体213と第1の金属電極101の金属電極部211との間で形成される空間216に、気体を供給する(ステップS11)。この気体によって、被処理水110中には、金属電極部211を覆う気泡116が形成される。気泡116は、絶縁体213の開口部218から、図1に示されるように一定距離にわたって途切れることのない、単一の大きな気泡となる。
電源104が第1の金属電極101と第2の金属電極102との間に電圧を印加することにより、第1の金属電極101の金属電極部211近傍から気泡116内にプラズマ115を発生させる(ステップS12)。このとき、第2の金属電極102が被処理水110と接触していることにより、被処理水110全体が同電位となり、気泡116と被処理水110との界面部分が電極として機能する。従って、プラズマ115は、第1の金属電極101の先端部分だけでなく、気泡116内に広く生成される。つまり、気泡116が大きいほど被処理水110の液中で大きな面積の対向電極を形成したことに等しくなり、気泡116の大きさに応じてプラズマ115は大きくなる。そして、気泡116内にプラズマ115が発生しプラズマ115と被処理水110とが接触することで、過酸化水素を含む活性種が発生する。これにより、被処理水110がプラズマ処理され、過酸化水素を含むプラズマ処理水が得られる。なお、第1の金属電極101と第2の金属電極102との間の距離は任意でよい。例えば、第1の金属電極101と第2の金属電極102との間の距離は、50mmより離れていてもプラズマ115を生成することが可能となる。
このように、供給ポンプ105は、液体処理装置100が備える一対の放電電極の一方(例えば金属電極部211)の根元近傍に気体を供給し、金属電極部211を気体で覆う。これにより、電源104が第1の金属電極101と第2の金属電極102との間に電圧を印加することにより、放電を容易に行うことができる。プラズマ115は、被処理水110中に気体を供給することで発生する気泡116内に発生させられる。これにより、プラズマ115は、第1の金属電極101の先端部分だけでなく、気泡116内に広く生成されるため、多量の過酸化水素を含む活性種が発生し、被処理水110を効率よくプラズマ処理することができる。
プラズマ処理水無害化装置1は、過酸化水素を含むプラズマ処理水を無害化する(ステップS13)。ステップS13における動作の詳細について、図5を用いて説明する。
[2−1.プラズマ処理水無害化装置の動作]
図5は、実施の形態に係るプラズマ処理水無害化装置1の動作を示すフローチャートである。
まず、活性炭処理部10は、過酸化水素を含むプラズマ処理水を活性炭によって濾過する(ステップS21)。
活性炭処理部10に配置された活性炭は、例えば過酸化水素のような不安定な化合物を安定な状態になるように分解する。具体的には、活性炭処理部10に配置された活性炭は、触媒として作用し、プラズマ処理水に含まれる過酸化水素を水と酸素とに分解する。このように、過酸化水素を含むプラズマ処理水を活性炭によって濾過することによって、過酸化水素は水と酸素とに分解される。
ステップS12において、プラズマ115と被処理水110とを接触させることで、被処理水110の蒸発及び衝撃波に伴う気化によりマイクロバブルおよびナノバブルが発生する。過酸化水素を含むプラズマ処理水は、例えば、直径が1マイクロメートル以上、100マイクロメートル以下のマイクロバブルを含む。また、過酸化水素を含むプラズマ処理水は、例えば、直径が1マイクロメートル未満のナノバブルを含むと推定される。活性炭処理部10に配置された活性炭は、細孔を有し、細孔の径(ポア径)が1マイクロメートル程度である。従って、濾過する工程(ステップS21)では、活性炭は、マイクロバブルを活性炭が有する細孔によって除去(捕獲)する。一方、ナノバブルは、直径が1マイクロメートル未満であるため、プラズマ処理水が活性炭処理部10を通過するときに活性炭によって除去されないと推定される。
このように、ステップS21において、活性炭処理部10内の活性炭は、プラズマ処理水を濾過する。具体的には、活性炭処理部10は、プラズマ処理水に含まれる過酸化水素を活性炭によって分解し、プラズマ処理水に含まれるマイクロバブルを活性炭によって除去する。
超音波処理部20は、活性炭処理部10が濾過したプラズマ処理水に超音波を印加する(ステップS22)。
超音波処理部20による超音波は、例えば過酸化水素のような不安定な化合物に対して化学反応を引き起こす。具体的には、超音波処理部20による超音波は、過酸化水素を水と酸素とに分解することができる。したがって、濾過されたプラズマ処理水に過酸化水素が残存または発生している場合に、プラズマ処理水に超音波を印加することで、この過酸化水素を水と酸素とに分解することができる。
上述したように、ステップS12において、プラズマ115と被処理水110とを接触させることで、被処理水110の蒸発及び衝撃波に伴う気化によりマイクロバブルおよびナノバブルが発生する。マイクロバブルは、ステップS21において、プラズマ処理水が活性炭処理部10を通過するときに活性炭によって捕獲されたが、ナノバブルは活性炭によって捕獲されないと推定される。言い換えると、活性炭処理部10によって濾過されたプラズマ処理水は、ナノバブルを含んでいると推定される。超音波処理部20による超音波は、活性炭処理部10によって濾過されたプラズマ処理水に含まれるナノバブルを除去することができると推定される。
このように、ステップS22において、超音波処理部20は活性炭処理部10が濾過したプラズマ処理水に超音波を印加する。具体的には、超音波処理部20は、活性炭処理部10が濾過したプラズマ処理水に含まれる過酸化水素を超音波によって分解する。超音波処理部20は、活性炭処理部10が濾過したプラズマ処理水に超音波を印加することで、プラズマ処理水に含まれるナノバブルを除去すると推定される。
以上のように、プラズマ処理水無害化装置1は、活性炭処理部10において、過酸化水素の分解及びマイクロバブルの除去を行い、超音波処理部20において、過酸化水素の分解及びナノバブルの除去を行う。
[3.効果等]
本実施の形態に係るプラズマ処理水無害化装置1による効果の一例について、図6を用いて詳細に説明する。
図6は、実施の形態に係るプラズマ処理水無害化装置1の効果を説明する図である。被処理水110のモデルとして炭酸水素ナトリウムを0.25mM、塩化カルシウム二水和物を0.25mM、硫酸マグネシウム七水和物を0.25mM、炭酸水素カリウムを0.025mM含む水(標準合成水)が100ml用いられた。まず、図1に示される液体処理装置100(プラズマ処理水無害化装置1を除く)で、100mlの被処理水110がプラズマ処理されることで100mlのプラズマ処理水が生成された。そして、プラズマ処理水のそれぞれは、図6に示されるように、超音波の印加及び/又は活性炭での濾過の処理がされた。図6に示される各データ(×で示されるデータを除く)は、プラズマ処理水が超音波の印加及び/又は活性炭での濾過の処理がされてから、所定の時間放置した後における、プラズマ処理水の過酸化水素濃度を示す。
×で示されるデータは、プラズマ処理水に何も処理がされなかったときのプラズマ処理水の過酸化水素濃度を示す。*で示されるデータは、超音波処理部20で10分間超音波が印加された後のプラズマ処理水の過酸化水素濃度を示す。+で示されるデータは、超音波処理部20で60分間超音波が印加された後のプラズマ処理水の過酸化水素濃度を示す。◇で示されるデータは、活性炭処理部10で活性炭によって濾過された後のプラズマ処理水の過酸化水素濃度を示す。□で示されるデータは、超音波処理部20で10分間超音波が印加され、次に、活性炭処理部10で活性炭によって濾過された後のプラズマ処理水の過酸化水素濃度を示す。△で示されるデータは、超音波処理部20で60分間超音波が印加され、次に、活性炭処理部10で活性炭によって濾過された後のプラズマ処理水の過酸化水素濃度を示す。○で示されるデータは、活性炭処理部10で活性炭によって濾過され、次に、超音波処理部20で10分間超音波が印加された後のプラズマ処理水の過酸化水素濃度を示す。つまり、○で示されるデータは、プラズマ処理水無害化装置1を通過したプラズマ処理水の過酸化水素濃度を示す。なお、過酸化水素濃度は、図6に示される処理が行われた100mlのプラズマ処理水それぞれに過マンガン酸カリウムによる滴定(JIS K−1463)を5mlずつ3回行ったときの平均値から求められた。
プラズマ処理水に何も処理がされなかったとき(×で示されるデータ)、プラズマ処理水の過酸化水素濃度は約15ppmとなり、プラズマ処理水に過酸化水素が含まれていた。何も処理がされなかったプラズマ処理水に含まれる過酸化水素濃度は時間経過に伴って増加した。これは、上述したプラズマ処理水に含まれるマイクロバブル及びナノバブルが時間経過に伴って過酸化水素を発生させ、過酸化水素濃度を増加させたためと推定される。
プラズマ処理水に超音波処理部20で10分間超音波が印加されたとき(*で示されるデータ)、プラズマ処理水の過酸化水素濃度は約13ppmとなった。この濃度は、プラズマ処理水に何も処理がされなかったときの濃度よりも低い。つまり、プラズマ処理水に超音波が印加されることで過酸化水素が分解された。しかし、10分間超音波が印加されても、このプラズマ処理水には過酸化水素が残っていた。これは、超音波によるエネルギーが直径の大きいマイクロバブルに吸収されて、過酸化水素の分解に十分なエネルギーが与えられなかったためと推定される。また、超音波によるエネルギーがマイクロバブルに吸収されることによって、ナノバブル、あるいは、ナノバブルとマイクロバブルの一部とが除去されずに残り、残ったマイクロバブル及び/又はナノバブルが過酸化水素を発生させたと推定される。過酸化水素濃度が時間経過に伴って増加した要因も、残ったマイクロバブル及び/又はナノバブルが過酸化水素を発生させる現象に基づくものと推定される。
プラズマ処理水に超音波処理部20で60分間超音波が印加されたとき(+で示されるデータ)、プラズマ処理水の過酸化水素濃度は約11ppmとなった。この濃度は、10分間超音波が印加されたときの濃度よりも低い。つまり、プラズマ処理水に超音波が長時間印加されることでさらに過酸化水素が分解された。しかし、60分間超音波が印加されても、このプラズマ処理水には過酸化水素が残っていた。これは、超音波によるエネルギーが直径の大きいマイクロバブルに吸収されて、過酸化水素の分解に十分なエネルギーが与えられなかったためと推定される。また、超音波によるエネルギーがマイクロバブルに吸収されることで、ナノバブル、あるいは、ナノバブルとマイクロバブルの一部とが除去されずに残り、残ったマイクロバブル及び/又はナノバブルが過酸化水素を発生させたと推定される。過酸化水素濃度が時間経過に伴って増加した要因も、残ったマイクロバブル及び/又はナノバブルが過酸化水素を発生させる現象に基づくものと推定される。
プラズマ処理水が活性炭処理部10で活性炭によって濾過されたとき(◇で示されるデータ)、プラズマ処理水の過酸化水素濃度は約7ppmとなった。この濃度は、プラズマ処理水に60分間超音波が印加されたときの濃度よりも低い。つまり、プラズマ処理水が活性炭によって濾過されることで、プラズマ処理水に60分間超音波が印加されるときよりも過酸化水素がより分解された。しかし、活性炭によって濾過されても、このプラズマ処理水には過酸化水素が残っていた。これにより、活性炭による分解効果が十分でないことが推定される。活性炭によってマイクロバブルは除去されるが、ナノバブルは除去されず、残ったナノバブルが過酸化水素を発生させていると推定される。過酸化水素濃度が時間経過に伴って増加した要因も、残ったナノバブルが過酸化水素を発生させる現象に基づくものと推定される。
プラズマ処理水に超音波処理部20で10分間超音波が印加され、次に、超音波が印加されたプラズマ処理水が、活性炭処理部10で活性炭によって濾過されたとき(□で示されるデータ)、プラズマ処理水の過酸化水素濃度は約4ppmとなった。この濃度は、プラズマ処理水が活性炭によって濾過されたときの濃度よりも低い。しかし、超音波処理部20、活性炭処理部10の順番で処理された場合であっても、このプラズマ処理水には過酸化水素が残っていた。これは、超音波によるエネルギーが直径の大きいマイクロバブルに吸収されて、超音波による過酸化水素の分解が抑制されたためと推定される。また、このプラズマ処理水に含まれる過酸化水素濃度は、時間経過に伴って増加した。これは、超音波の印加及び次の活性炭による濾過を経ても、ナノバブルが除去されずに残り、残ったナノバブルが過酸化水素を時間経過に伴って発生させたためと推定される。
プラズマ処理水に超音波処理部20で60分間超音波が印加され、次に、超音波を印加されたプラズマ処理水が活性炭処理部10で活性炭によって濾過されたとき(△で示されるデータ)、プラズマ処理水の過酸化水素濃度は約4ppmとなった。この濃度は、超音波処理部20で10分間超音波が印加され、次に、超音波を印加されたプラズマ処理水が活性炭処理部10で活性炭によって濾過されたときの濃度と同じである。つまり、超音波の印加を行う時間を延ばしても、超音波処理部20、活性炭処理部10の順番で処理する場合には、プラズマ処理水の過酸化水素が完全に分解されなかった。また、超音波の印加を行う時間を延ばしても、プラズマ処理水に含まれる過酸化水素濃度は、時間経過に伴って増加した。これは、長時間の超音波の印加及び次の活性炭による濾過を経ても、ナノバブルは除去されずに残り、残ったナノバブルが過酸化水素を時間経過に伴って発生させたためと推定される。
プラズマ処理水が活性炭処理部10で活性炭によって濾過され、次に、活性炭によって濾過されたプラズマ処理水に超音波処理部20で10分間超音波が印加されたとき(○で示されるデータ)、プラズマ処理水の過酸化水素濃度は0ppmとなり、過酸化水素が完全に除去された。また、プラズマ処理水に含まれる過酸化水素濃度は時間経過に伴って増加しなかった。これは、活性炭による濾過でまずマイクロバブルが除去され、次の超音波の印加で、マイクロバブルの影響を受けずにナノバブルが除去され、その結果、マイクロバブル及びナノバブルによる過酸化水素の発生が抑止されたためと推定される。
このように、実施の形態に係るプラズマ処理水無害化装置1によれば、プラズマ処理水に含まれる過酸化水素を分解することができる。プラズマ処理水無害化装置1は、プラズマ処理水に含まれるマイクロバブル及びナノバブルを除去できるため、時間が経過した後で過酸化水素が発生しない。従って、プラズマ処理水に含まれている過酸化水素を完全に除去することができる。
(他の実施の形態)
以上、実施の形態に係るプラズマ処理水無害化装置及びプラズマ処理水無害化方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、及び、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
上記実施の形態では、液体処理装置100は供給ポンプ105を備え、プラズマ115は供給ポンプ105が供給した気体による気泡116内に発生させられたが、これに限らない。例えば、液体処理装置100は供給ポンプ105を備えなくてもよく、瞬間沸騰現象を用いて瞬間的に液体を気化することで発生した気泡にプラズマが発生させられてもよい。
上記実施の形態では、プラズマ処理水無害化装置1は、活性炭処理部10を備えたが、プラズマ処理水無害化装置1の構成は、これに限定されない。例えば、プラズマ処理水無害化装置1は、活性炭処理部10の替わりに、1マイクロメートル以上のマイクロバブルを除去または捕獲できるフィルタが配置されたフィルタ処理部を備えてもよい。より具体的には、フィルタが有する細孔または隙間に内接する円の平均径が10μm以下であればよく、5μm以下でもよい。フィルタは、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエーテルサルフォン、四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、酢酸セルロース等を使用してもよい。
上記実施の形態では、プラズマ処理水が活性炭処理部10で活性炭によって濾過され、次に、超音波処理部20で10分間超音波処理されたが、これに限らない。例えば、超音波を印加する時間は、過酸化水素濃度によって10分未満又は10分以上されてもよい。
上記の各実施の形態は、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、過酸化水素を含むプラズマ処理水を無害化できるプラズマ処理水無害化装置として利用でき、例えば、水浄化装置、排水装置等に利用することができる。
1 プラズマ処理水無害化装置
10 活性炭処理部(活性炭)
11 導入口
12 出口
20 超音波処理部
21 液体
22 槽
30 管
100 液体処理装置
101、101a 第1の金属電極
102 第2の金属電極
104 電源
105 供給ポンプ
106 反応槽
107 タンク
108 循環ポンプ
109 配管
110 被処理水
111 採水口
115 プラズマ
116 気泡
211、211a 金属電極部
212、212a 金属ネジ部
213 絶縁体
214 保持ブロック
215、215a 貫通孔
216 空間
217、219 ネジ部
218 開口部

Claims (8)

  1. 水の近辺において、または水と接触するようにプラズマを発生させて得られる過酸化水素を含むプラズマ処理水を活性炭によって濾過する工程と、
    前記濾過する工程において濾過されたプラズマ処理水に超音波を印加する工程と、を含む、
    プラズマ処理水無害化方法。
  2. 前記過酸化水素を含むプラズマ処理水は、直径が1マイクロメートル以上のマイクロバブルを含み、
    前記濾過する工程では、前記活性炭は、前記マイクロバブルを当該活性炭が有する細孔によって除去する、
    請求項1に記載のプラズマ処理水無害化方法。
  3. 前記プラズマは、前記水の中に気体を供給することで発生する気泡内に発生させられる、
    請求項1又は2に記載のプラズマ処理水無害化方法。
  4. 水の近辺において、または水と接触するようにプラズマを発生させて得られる過酸化水素を含むプラズマ処理水をフィルタによって濾過する工程と、
    前記濾過する工程において濾過されたプラズマ処理水に超音波を印加する工程と、を含む、
    プラズマ処理水無害化方法。
  5. 前記過酸化水素を含むプラズマ処理水は、直径が1マイクロメートル以上のマイクロバブルを含み、
    前記濾過する工程では、前記フィルタは、前記マイクロバブルを当該フィルタが有する細孔又は隙間によって除去する、
    請求項4に記載のプラズマ処理水無害化方法。
  6. 前記プラズマは、前記水の中に気体を供給することで発生する気泡内に発生させられる、
    請求項4又は5に記載のプラズマ処理水無害化方法。
  7. 水の近辺において、または水と接触するようにプラズマを発生させて得られる過酸化水素を含むプラズマ処理水が通過する位置に配置された活性炭と、
    前記活性炭の下流に配置され、当該活性炭を通過して濾過されたプラズマ処理水に超音波を印加する超音波処理部と、を備える、
    プラズマ処理水無害化装置。
  8. 水の近辺において、または水と接触するようにプラズマを発生させて得られる過酸化水素を含むプラズマ処理水が通過する位置に配置されたフィルタと、
    前記フィルタの下流に配置され、当該フィルタを通過して濾過されたプラズマ処理水に超音波を印加する超音波処理部と、を備える、
    プラズマ処理水無害化装置。
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