JP2007146042A - カーボンブラック分散液および半導電性ポリイミドベルトの製造方法 - Google Patents

カーボンブラック分散液および半導電性ポリイミドベルトの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カーボンブラックの分散安定性に優れたカーボンブラック分散液、及び電気抵抗値のバラツキが小さく、電子写真記録装置の中間転写ベルトとして使用した場合、印刷シートに転写したトナー像に転写ムラが生じることなく、良好な画像を転写することができる半導電性ポリイミドベルトの製造方法等を提供する。
【解決手段】本発明のカーボンブラック分散液は、両性界面活性剤を用いてカーボンブラックを溶媒に分散させたことを特徴とする。また、本発明の半導電性ポリイミドベルトの製造方法は、両性界面活性剤を用いてカーボンブラックを溶媒に分散することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、カーボンブラック分散液およびこれを用いた半導電性ポリイミドベルトの製造方法等に関し、特に、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置における中間転写ベルト等として有用である。
従来より、電子写真方式で像を形成記録する電子写真記録装置としては、複写機やレーザープリンタ、ビデオプリンタやファクシミリ、それらの複合機等が知られている。この種の装置では、装置寿命の向上などを目的として、感光ドラム等の像担持体にトナー等の記録剤により形成された像を印刷シート上に直接定着させる方式を回避すべく、像担持体上の像を中間転写ベルトに一旦転写(一次転写)し、それを印刷シート上に転写(二次転写)してから定着を行う中間転写方式が検討されている。また、装置の小型化等を目的に、転写ベルトに印刷シートの搬送も兼ねさせる転写ベルトを使用する方式も検討されている。
このような中間転写ベルト等に用いうる半導電性ベルトの一例として、ポリイミド系樹脂に導電性フィラーとしてアセチレンブラック等のカーボンブラックを分散してなる中間転写ベルトが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭63‐311263号公報
しかしながら、電子写真方式で像を形成する装置において、その形成画像はより解像度が高く、鮮明なものが要求されている。これらを達成するに際しては、一連の転写およびクリーニング工程において、従来の技術と比べて多くの点において、より優れた特性が要求される。
汎用カーボンブラックをポリイミド系樹脂に分散させた場合には、温度、湿度等の環境変化に対する電気抵抗値の変動は小さいが、カーボンブラックを均一に分散させることが非常に難しい。一般に、カーボンブラックは二次凝集を起こしやすく、凝集により導通経路が生じ、ベルト内での電気抵抗値のバラツキにつながる。そのようなベルトを電子写真記録装置の中間転写ベルトとして用いた場合、印刷シートに転写したトナー像に転写ムラが生じるなどの問題がある。このように電気抵抗値のバラツキが中間転写に影響するのは、半導電性ベルトの帯電抑制能の不均一化や、導電抑制能の不均一化により局所的な剥離放電や導電が生じやすくなるためと考えられる。一方、電子写真記録装置の中間転写ベルトや転写搬送ベルトに限らず、半導電性ベルトに要求される帯電抑制能や導電抑制能は用途により差があるものの、均一なものほど好ましい。
そこで、本発明の目的は、カーボンブラックの分散安定性に優れたカーボンブラック分散液、電気抵抗値のバラツキが小さい半導電性ポリイミドベルト、ならびにこれを得るための製造方法等を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、種々の添加剤とカーボンブラックの分散安定性との関係について鋭意研究を重ねた結果、両(イオン)性界面活性剤を用いることにより、カーボンブラックの分散安定性を制御できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のカーボンブラック分散液は、両性界面活性剤を用いてカーボンブラックを溶媒に分散させたことを特徴とする。
本発明のカーボンブラック分散液は、溶媒とカーボンブラックとの親和性を高めるため、両性界面活性剤を含有する。本発明の分散液は、カーボンブラックの分散性が極めて高い。また分散安定件にも優れるため、長期保管してもカーボンブラックの凝集を生じにくい。
本発明のカーボンブラック分散ポリアミド酸溶液は、上記分散液にテトラカルボン酸二無水物またはその誘導体とジアミン成分を溶解、重合させて得られることを特徴とする。本発明のポリアミド酸溶液は、カーボンブラックが溶液中に均一に分散されている。このため、このポリアミド酸溶液を用いて作製した半導電性ポリイミドベルトも、樹脂中にカーボンブラックが均一に分散されており、安定した電気特性を発現することができる。
本発明の半導電性ポリイミドベルトは、上記ポリアミド酸溶液を用いて得られることを特徴とする。本発明の半導電性ポリイミドベルトは、カーボンブラックの分散がよく、電気抵抗値のバラツキが小さい。このため、電子写真記録装置の中間転写ベルトとして使用した場合、印刷シートに転写したトナー像に転写ムラが生じることなく、良好な画像を転写することが可能となる。
本発明の半導電性ポリイミドベルトの製造方法は、カーボンブラック分散液にテトラカルボン酸二無水物またはその誘導体とジアミン成分を溶解し、重合して得られるカーボンブラック分散ポリアミド酸溶液を用いる半導電性ポリイミドベルトの製造方法において、両性界面活性剤を用いてカーボンブラックを溶媒に分散することを特徴とする。
本発明の方法によれば、溶媒にカーボンブラックを分散させる際、両性界面活性剤を共存させることによりカーボンブラックを溶液中に均一に分散させることができる。よってこの分散液からポリアミド酸溶液を作製し、これを用いて半導電性ポリイミドベルトを製造すれば、ポリイミド樹脂中に均一にカーボンブラックが分散した半導電性ポリイミドベルトを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の半導電性ポリイミドベルトは、カーボンブラックを含有するポリイミド樹脂からなる。本発明の半導電性ポリイミドベルトは、電子写真記録装置の中間転写ベルトとして用いられる場合、その表面抵抗率が10〜1014Ω/□であることが好ましく、1010〜1013Ω/□であることがより好ましい。
本発明の半導電性ポリイミドベルトを製造するには、原料として本発明のカーボンブラック分散液を用いる。本発明のカーボンブラック分散液は、例えば次のようにして製造することができる。まず、有機極性溶媒中にカーボンブラックを分散させ、カーボンブラック分散液を作製する。
本発明に用いる有機極性溶媒は、カーボンブラックの分散性を高めるものであれば特に制限されないが、カーボンブラックの分散用と重合反応の溶媒用として兼用できるN‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド等が用いられる。
本発明に用いるカーボンブラックとしては、例えばチャンネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等が挙げられ、これらは単独で使用することもでき、また複数種類のカーボンブラックを併用してもよい。これらのカーボンブラックの種類は、目的とする導電性により適宜選択することができ、中間転写ベルトや転写搬送ベルト等の中抵抗から高抵抗域(表面抵抗10〜1014Ω/□)において制御が必要である場合は、特にチャンネルブラックやファーネスブラックが好適に用いられ、その用途によっては酸化処理、グラフト処理等の酸化劣化を防止したものや溶媒への分散性を向上させたものを用いることが好ましい。
カーボンブラックの含有量については、その目的に応じ、添加するカーボンブラックの種類により適宜決定されるが、画像形成装置用機能性ベルトとしては、その機械的強度等から、ポリイミド樹脂固形分に対し3〜40重量%、より好ましくは3〜30重量%である。
本発明に用いるカーボンブラック分散液には、前記カーボンブラックと前記有機極性溶媒との親和性を高めるため両界面活性剤(両イオン性界面活性剤ともいう。)を使用する。両性界面活性剤としては、アルキルアミンオキシド(アルキルアミンオキサイドともいう。)型、アルキルカルボキシベタイン(アルキルベタインともいう。)型、アミノ酸型、イミダゾリン型の界面活性剤が挙げられるが、アルキルアミンオキシド型またはアルキルカルボキシベタイン型の界面活性剤が好ましい。好ましいアルキルアミンオキシド型界面活性剤の構造を下記式(1)に示す。下記式中、Rはアルキル基を示す。
Figure 2007146042
好ましいアルキルカルボキシベタイン型界面活性剤の構造を下記式(2)に示す。下記式中、Rはアルキル基を示す。
Figure 2007146042
アルキルアミンオキシド型界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド等が挙げられるが、ラウリルジメチルアミンオキシドが好ましい。
アルキルカルボキシベタイン型界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。また、これらは例えば以下の市販品アンヒトール20BS、24B、86B、20YB(花王社製)として容易に入手可能である。
カーボンブラックの分散方法には公知の分散方法を適用でき、上記界面活性剤を溶解した溶液にカーボンブラックを添加した後、例えば、ボールミル、サンドミル、バスケットミル、三本ロールミル、プラネタリーミキサー、ビーズミル、超音波分散等を用いることが効果的であり、これらの方法を適宜選択して分散作業を行うことができる。
前記界面活性剤を溶解した溶液に、カーボンブラックを分散させると、カーボンブラック粒径の小さい分散性の高いカーボンブラック分散液が得られる。このようにカーボンブラックの分散性が高いカーボンブラック分散液を原料としてポリイミドベルトを作製すると、ベルト内におけるカーボンブラックの分散性も高いものとなり、表面抵抗値のバラツキの小さい半導電性ベルトが得られる。また前記界面活性剤を用いたカーボンブラック分散液は、保管時にカーボンブラックの凝集・沈殿が起こらず、また溶液の粘度が高くなりにくい長期分散の安定した分散液となる。
この両性界面活性剤は、一般に水溶液のpHによって親油基の部分がプラスに帯電したり、マイナスに帯電したりするものである。しかし本発明のような有機極性溶媒中でのカーボンブラックとの作用については未だ明確になっていない。
分散液中の前記界面活性剤の含有量としては、0.01〜2重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜1重量%であるが、これに限定されるものではない。
また分散液中のカーボブラックの含有量は、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%である。カーボンブラック含有量が高いほど分散が困難となり、またカーボンブラックの凝集・沈殿が発生しやすく保存安定性が著しく低下する。
本発明の半導電性ポリイミドベルトは、前記カーボンブラック分散液を用いて次のように作製することができる。まず、前記カーボンブラック分散液にテトラカルボン酸二無水物またはその誘導体とジアミン成分を溶解、重合させて本発明のカーボンブラック分散ポリアミド酸溶液を作製する。
テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラサルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ベリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、ジアミン成分としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン(PDA)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ−第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−6−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、へキサメチレンジアミン、へプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロポキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルへプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等が挙げられる。
重合反応の際のモノマー濃度(溶媒中におけるテトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分の濃度)は、種々の条件に応じて設定されるが、通常、5〜30重量%程度が好ましい。また反応温度は80℃以下、特に5〜50℃に設定することが好ましい。
上記反応により得られたポリアミド酸溶液粘度は、その溶液粘度が上昇するが、そのまま加熱を行うとポリアミド酸溶液の粘度が低下する。この現象を利用して、ポリアミド酸溶液を所定の粘度に調整することができる。このときの加熱温度は50〜90℃が好ましい。
このように得られたカーボンブラック分散ポリアミド酸溶液を用いて、本発明のベルトは、例えば次のように作製される。円筒金型内に上記ポリアミド酸溶液を供給し、回転遠心成形法により金型内周面に遠心力により均一に展開する。このとき溶液の粘度はB型粘度計で1〜1000Pa・s(25℃)が好ましい。これ以外の場合は、遠心成形の際、均一に展開することが困難であり、ベルトの厚みバラツキの原因となる。製膜後、80〜150℃にて加熱を行い、溶媒を除去する。次いで300〜450℃の高温で加熱することにより、閉環イミド化反応を進行させた後、金型から取り出す。この溶媒除去およびイミド化反応時の加熱は均等に行う必要がある。不均等であると、溶剤蒸発時においてもカーボンブラックの凝集バラツキが発生し、ベルトの抵抗値にバラツキが生じる。均等に加熱する方法としては、金型を回転させながら加熱する、熱風の循環を改善する等の方法や、低温で投入し、昇温速度を小さくするなどの方法がある。
このようにして得られた半導電性ポリイミドベルトは、カーボンブラックの分散がよく、電気抵抗値のバラツキが小さく、電子写真記録装置の中間転写ベルトとして使用した場合、印刷シートに転写したトナー像に転写ムラが生じることなく、良好な画像を転写することが可能となる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。実施例等における評価項目は下記の方法に従い測定を行った。なお、本発明がかかる実施例、評価方法に限定されるものでないことはいうまでもない。
<実施例1>
885.7gのN‐メチル‐2‐ピロリドン中に14.3gの両性界面活性剤であるラウリルジメチルアミンオキシド(花王(株)製 アンヒトール20N 有効成分35%)を溶解し、乾燥した100.0gのカーボンブラック(三菱化学(株)製 MA‐100)を添加した。次に、この溶液をボールミルにて室温で12時間混合を行い、10wt%のカーボンブラック分散液を得た。この溶液800.0gにN‐メチル‐2‐ピロリドン991.3gを投入し、次いで248.2gの3,3’,4,4’‐ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と45.6gのp‐フェニレンジアミン(PDA)と84.4gの4,4’‐ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とを窒素雰囲気中で室温にて投入した。重合反応により増粘後、70℃で15時間加熱を続け、120Pa・sのカーボンブラック分散ポリアミド酸溶液を得た。
この溶液を内径180mm、長さ500mmのドラム金型内周面に、ディスペンサにて最終の厚さが75μmとなるよう塗布し、1500rpmで10分間回転させて、均一な展開層を得た。熱風を均等に循環させた120℃の乾燥炉内にて250rpmでドラム金型を回転させながら、30分間加熱し、溶剤を除去した。さらに2℃/minの速度で360℃まで昇温させ、そのまま10分加熱を続け、イミド化を進行させた。室温に冷却した後、金型内面より剥離し、75μmの半導電性ポリイミドベルトを得た。
<比較例1>
895.0gのN‐メチル‐2‐ピロリドン中に、5.0gの非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル(花王(株)製 エマルゲン707 有効成分100%)を溶解し、乾燥した100.0gのカーボンブラック(三菱化学(株)製 MA‐100)を添加した以外は、実施例1と同様の操作を行い、75μmの半導電性ポリイミドベルトを得た。
<評価方法>
1.分散液の粘度測定
分散液の粘度を評価するにあたり、振動式粘度計ビスコメイトVM‐1A‐L(山一電機(株)製)を用い、25℃にて評価を行った。
2.表面抵抗率の測定
ベルトの表面抵抗率を評価するにあたり、ハイレスタIP MCP‐HT260(三菱化学(株)製、プローブUR−100)を用い、印加電圧100V、1分間の測定条件にて25℃、60%RHで評価した。
表面抵抗率および表面抵抗率のバラツキは、ベルトの幅方向3点、周方向4点の計12点を計測し、その平均値を表面抵抗率とし、測定した表面抵抗率の最大値と最小値の対数値の差を、表面抵抗率のバラツキとした。
3.カーボンブラック分散液の保存安定性試験
カーボンブラック分散液の保存安定性を評価するため、分散液作製後30日間、25℃にて保管したものを用い、粘度の評価および実施例1と同様の操作にて、75μmの半導電性ポリイミドベルトを作製し、表面抵抗率を評価した。
Figure 2007146042
実施例1の分散液では、30日後もカーボンブラックが安定して分散していることが確認された。一方、比較例1の分散液では、30日後にカーボンブラック凝集による沈殿が発生し、使用が困難となった。また、ベルトの電気抵抗率については、比較例1の分散液を用いてベルトを作製した場合、カーボンブラック含有量を実施例1と同じ(ポリイミド樹脂100部に対しカーボンブラック23部)にしたにも関わらず、表面抵抗率が低いものとなった。分散液中のカーボンブラックの分散が十分ではないためである。また、実施例1のベルトは、比較例1のベルトに比べて表面抵抗率のバラツキが小さいことがわかる。

Claims (4)

  1. 両性界面活性剤を用いてカーボンブラックを溶媒に分散させたことを特徴とするカーボンブラック分散液。
  2. 請求項1記載の分散液にテトラカルボン酸二無水物またはその誘導体とジアミン成分を溶解、重合させて得られるカーボンブラック分散ポリアミド酸溶液。
  3. 請求項2記載のポリアミド酸溶液を用いて得られる半導電性ポリイミドベルト。
  4. カーボンブラック分散液にテトラカルボン酸二無水物またはその誘導体とジアミン成分を溶解し、重合して得られるカーボンブラック分散ポリアミド酸溶液を用いる半導電性ポリイミドベルトの製造方法において、両性界面活性剤を用いてカーボンブラックを溶媒に分散することを特徴とする半導電性ポリイミドベルトの製造方法。
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