JP2007145253A - 制御装置及び車両 - Google Patents

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Kihachi Hayashida
林田  機八
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和昭 澤田
Nobuaki Miki
修昭 三木
Munehisa Horiguchi
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Abstract

【課題】車両の状況に応じた適切な制動力を付与できる制御装置、及びそのような制御装置を備えた車両を提供すること。
【解決手段】本発明の制御装置及び車両によれば、制動状況判断手段によって車両を制動すべき状況である判断された場合に、該状況に応じた制動力を得るために必要とされる舵角の値が、制御トー角取得手段により取得される。そして、アクチュエータ作動手段により、少なくとも1輪の車輪が、取得された舵角でトーイン又はトーアウトされるように、アクチュエータが作動される。よって、車両の状況(例えば、降坂路の傾斜勾配や、カーブの曲率半径や、前方を走行する車両との相対的位置関係など)に応じて適切な制動力を付与することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、転舵可能に構成される車輪と、その車輪を操舵駆動するアクチュエータとを有する車両に対し、アクチュエータを作動させて車輪の操舵動作を制御するための制御装置、及びそのような制御装置を備える車両に関し、特に、状況に応じて車輪の舵角(トー角)を制御することによって車両に適切な制動力を付与することのできる制御装置、及びそのような制御装置を備えた車両に関するものである。
従来より、走行中の車両を制動させるためのブレーキとしては、例えば、駆動力がエンジンによって付与される車両の場合には、運転者によるブレーキペダルの操作によって作動する機械式ブレーキ(ドラムブレーキやディスクブレーキなど)と車輪との間の摩擦を利用して制動するフットブレーキや、運転者によってアクセルが抜かれた場合や変速機のシフトダウンがされた場合に生じるエンジンの回転抵抗を利用して制動するエンジンブレーキが主に採用されている。
運転者は、車両の走行中、種々の状況に応じて、フットブレーキとエンジンブレーキとを適宜使い分けて使用している。ここで、エンジンブレーキは、フットブレーキほどの強い制動力を必要としない状況、例えば、降坂路やカーブにおいて微小な制動力を必要とする状況においてしばしば使用される。特に、長い降坂路を走行する際には、フットブレーキを多用すると、フェード現象やベーパーロック現象による制動力低下が生じるので、エンジンブレーキの使用が好適であるとされている。
しかし、エンジンブレーキは、上記のような利点がある一方で、駆動輪の横力低下に起因して車両の走行挙動が不安定になることがある。そこで、エンジンブレーキ作動時の走行安定性を確保する技術として、例えば、特開昭63−270205号公報(特許文献1)には、エンジンブレーキの作動時に、車輪をトーイン変化させる構造を有するサスペンション装置が開示されている。
この特許文献1に記載されるサスペンション装置は、サスペンションアームの車輪側の揺動軸のうち、車輪中心に対して上に位置する揺動軸を、その後ろ側が車幅方向の外側に向くように傾け、一方で下側の揺動軸を、その後ろ側が下方を向くように傾けた配置にされている。かかる構成によって、エンジンブレーキの作動に伴い、車輪中心の後方側に向かう力が作用すると、該車輪がトーイン変化される。
一方で、駆動力が電動機(電動モータ)によって付与される車両には、該電動機を発電機として作動させ、運動エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリーに回収することで制動をかける回生ブレーキと呼ばれるブレーキがある。
特開昭63−270205号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているサスペンション装置は、エンジンブレーキの作動に伴って作用する力を利用して、機械構造的にトー角(トーイン角)が付与されるので、車両が遭遇し得る多種多様な状況(例えば、降坂路の傾斜勾配の大小や、カーブの曲率半径の大小など)によっては、付与されるトー角が不適切となり得るという問題点があった。
つまり、付与されるトー角が大きすぎる場合には、必要以上の制動力が付与された結果として、無駄なアクセル操作が行われて燃費低下の原因となったり、その一方で、付与されるトー角が小さすぎる場合には、十分な走行安定性が得られなくなったりする。
このような問題点に対しては、運転者の操作に基づくアクセル操作やブレーキ操作(即ち、フットブレーキの作動)によって対応することが可能であるが、降坂路の傾斜勾配の大小やカーブの曲率半径の大小など、車両が遭遇し得る多種多様な状況に対し、運転者の操作による制動力の補完を期待し過ぎることは、運転者に対して過度の負担を強いることになる。
また、エンジンブレーキそのものについても、フットブレーキに比べて微小な制動力を得られるという利点があるものの、MT車(マニュアルトランスミッション車)の場合には、適切な制動力を得るためのギア(変速段)は、運転者によるシフトチェンジ操作によって指定されるので、適切なシフトポジションが得られるまでシフトチェンジ操作を行わねばならず煩雑であるという問題点がある。即ち、例えば、エンジンブレーキを作動させるために、運転者が、ギアを5から3へシフトダウンさせたとしても、エンジンブレーキによる制動力が大きすぎる場合には、運転者は、再度、ギアを3から4へシフトアップしなければならない。
また、AT車(オートマチックトランスミッション車)の場合には、その構造上、エンジンブレーキが効き難く、また、エンジンブレーキが作動するまでにタイムラグが生じるという問題点がある。
また、シフトダウンの際には所謂シフトショックと呼ばれる衝撃が生じることがあり、特に、AT車ではシフトダウンの際に大きな衝撃が生じやすく、乗員にしばしば不快感と不安感を与えることがある。
一方で、駆動力が電動機(電動モータ)によって付与される車両において利用されている回生ブレーキは、回生された電気エネルギーの充電先となるバッテリーの充電度が高い場合には、インバータに過負荷がかかりインバータが破損してしまうという問題点がある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、車両の状況に応じた適切な制動力を付与できる制御装置、及びそのような制御装置を備えた車両を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の制御装置は、複数の車輪と、各車輪を独立に操舵駆動するアクチュエータとを備えた車両を制御するための装置であって、前記車両を制動すべき状況であるかを判断する制動状況判断手段と、その制動状況判断手段によって前記車両を制動すべき状況であると判断された場合に、該状況に応じた制動力を得るために必要とされる舵角の値を取得する制御トー角取得手段と、前記車輪における少なくとも1輪の車輪の舵角を、前記制御トー角取得手段により取得された舵角でトーイン又はトーアウトさせるように前記アクチュエータを作動させるアクチュエータ作動手段とを備えている。
請求項2記載の制御装置は、請求項1記載の制御装置において、前記車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、地図データを記憶する地図データ記憶手段と、その地図データ記憶手段に記憶されている地図データと前記現在位置検出手段により検出された現在位置とに基づき、走行中の道路の形状を把握する道路形状把握手段と、その道路形状把握手段によって把握された走行中の道路の形状に応じて、速度の上限値を取得する速度取得手段と、前記車両の速度を検出する車両速度検出手段とを備え、前記制動状況判断手段は、前記車両速度検出手段により検出された速度が、前記速度取得手段により取得された速度を超えた場合に、前記車両を制動すべき状況であると判断する。
請求項3記載の制御装置は、請求項1又は2に記載の制御装置において、前記車両が走行中の道路の傾斜状況を検出する傾斜状況検出手段を備え、前記制動状況判断手段は、前記傾斜状況検出手段によって検出された前記傾斜状況が、予め規定された閾値を越えて下降傾斜している場合に、前記車両を制動すべき状況であると判断する。
請求項4記載の制御装置は、請求項1から3のいずれかに記載の制御装置において、前記車両とその車両の前方を走行する他車との相対的位置関係を検出する相対関係検出手段を備え、前記制動状況判断手段は、前記相対関係検出手段により検出された相対的位置関係に基づき、前記車両と前記他車とが予め規定された閾値を越えた速度で近づいている、又は前記車両と前記他車との車間距離が予め規定された閾値以下である場合に、前記車両を制動すべき状況であると判断する。
請求項5記載の制御装置は、請求項1から4のいずれかに記載の制御装置において、前記車両のアクセル開度を検出するアクセル開度検出手段を備え、前記制動状況判断手段は、前記アクセル開度検出手段により検出されたアクセル開度が減少した場合に、前記車両を制動すべき状況であると判断する。
請求項6記載の制御装置は、請求項1から5のいずれかに記載の制御装置において、前記車両の変速段の位置を検出するシフト位置検出手段を備え、前記制動状況判断手段は、前記シフト位置検出手段によって前記変速段のシフトダウンが検出された場合に、前記車両を制動すべき状況であると判断する。
請求項7記載の車両は、請求項1から6のいずれかに記載の制御装置を備えている。
請求項1記載の制御装置によれば、制動状況判断手段によって車両を制動すべき状況であると判断された場合に、該状況に応じた制動力を得るために必要とされる舵角の値が、制御トー角取得手段により取得される。そして、アクチュエータ作動手段により、少なくとも1輪の車輪が、取得された舵角でトーイン又はトーアウトされるように、アクチュエータが作動される。
よって、車両の状況(例えば、降坂路の傾斜勾配や、カーブの曲率半径や、前方を走行する車両との相対的位置関係など)に応じて適切な制動力を付与することができる。その結果として、多種多様な状況下においても安全性が保たれると共に、必要以上の制動力の付与に伴う燃費低下の防止を図ることができるなどの効果を奏する。
また、車両の状況に応じた舵角を少なくとも1輪の車輪に与えるので、車輪に横力が発生し、減速時における走行安定性を図ることができると共に、フットブレーキに比べたら微小な制動力であるという点においてエンジンブレーキの代替としての利用が可能であるという効果がある。
この場合、車両を制動すべき状況であると判断されると、その状況に応じた舵角が付与されて制動力が発生するので、エンジンブレーキとは異なり、制動力が発生するまでのタイムラグがなく、安定した制動を図ることができるという効果がある。
即ち、エンジンブレーキの場合には、エンジンブレーキが作動するまでにはタイムラグが生じるが(特に、AT車の場合)、そのタイムラグの期間においても、舵角付与によって発生する制動力が作用するので、結果として、エンジンブレーキ作動時に生じるショックが緩和され、快適な乗り心地を提供することができる。
また、舵角付与によって発生する制動力は、エンジンの回転数とは無関係にリニアに作用すると共に、運転者がシフトダウンを行ってからエンジンブレーキが作動するまでの期間においても作用するので、エンジンブレーキの作動時に生じるシフトショックを緩和し、快適な乗り心地を提供することができるという効果がある。
また、舵角付与によって発生する制動力は、制動に伴う電気エネルギーの発生がないので、回生ブレーキと併用することによって、インバータの破損を防止し得るという効果がある。
また、舵角付与によって発生する制動力とエンジンブレーキとを併用することによって、両方の制動力により確実な制動を図ることができる上に、エンジンブレーキの作動による走行安定性の悪化を防止することができるという効果がある。
請求項2記載の制御装置によれば、請求項1記載の制御装置の奏する効果に加えて、走行中の道路の形状が、道路形状把握手段により、地図データ記憶手段に記憶されている地図データと現在位置検出手段により検出された車両の現在位置とに基づいて把握され、そのように把握された走行中の道路の形状に応じて、速度の上限値が、速度取得手段によって取得される。
そして、車両速度検出手段により検出された車両速度が、前記速度取得手段により取得された速度を超えた場合に、制動状況判断手段によって、車両を制動すべき状況であると判断される。
その結果として、制御トー角取得手段により、該状況に応じた制動力を得るために必要とされる舵角の値が取得されるが、この場合には、例えば、車両速度を、速度取得手段により取得された速度の上限値以下とするために必要とされる舵角の値が取得される。すると、車輪の舵角付与(トー角付与)による制動力が作用し、車両速度が該上限値以下とされる。
よって、走行中の道路の形状が、安定に走行し得る速度に限界を生じるような形状、例えば、車両速度に応じた遠心力が生じるカーブや、車両速度が自然加速される下降傾斜(即ち、降坂路)である場合には、運転者による判断とは無関係に、その形状に応じた限界速度(その形状の道路を安定に走行し得る速度の上限値)以下で車両を走行させることができるという効果がある。
請求項3記載の制御装置によれば、請求項1又は2に記載の制御装置の奏する効果に加えて、傾斜状況検出手段によって検出された走行中の道路の傾斜状況が、予め規定された閾値を越えて下降傾斜している場合に、制動状況判断手段によって、車両を制動すべき状況であると判断される。
その結果として、制御トー角取得手段により、該状況に応じた制動力を得るために必要とされる舵角の値が取得されるが、この場合には、例えば、車両速度を所定の速度に保つために必要とされる舵角の値が取得される。すると、車輪の舵角付与(トー角付与)による制動力が作用し、急勾配の降坂路の走行期間において車両速度が所定の速度に保たれる。
なお、ここで、「所定の速度」とは、降坂路へ進入する際又は進入する以前の速度であってもよいし、降坂路の傾斜角度の走行に対して安全なレベルであるとされる速度(計算によって算出された速度又は予め規定された速度)であってもよいし、予め規定された固定値(例えば、法定速度)であってもよい。
よって、自然加速される度合いが強く、危険なレベルにまで速度超過を引き起こしやすい急勾配の降坂路にあっても、安全なレベルで走行していた車両速度を危険なレベルに上げることなく安全に走行させることができるという効果がある。
例えば、降坂路へ進入する際に車両速度を、運転者の操作、又は車両に搭載される制御装置による自動制御によって、該降坂路の傾斜角に対する安全な速度以下に落とした場合には、その安定な対地速度が、該降坂路の走行期間中においてほぼ一定に保たれるので安全な走行が可能である。
また、該降坂路の走行期間中においては車両速度が所定の速度に保たれるので、運転者の操作による過度な(無駄な)減速が防止され、その結果として、運転効率が向上するという効果がある。例えば、降坂路へ進入する際に車両速度が該降坂路の傾斜角に対して最適とされる速度である場合には、運転者による判断とは無関係に、最適な速度で該降坂路を下ることになるので、最適な運転効率を得ることができる。
なお、請求項3において、「傾斜状況検出手段によって検出される走行中の道路の傾斜状況」は、道路に対して直接検出されるものであってもよいし、例えば、車両1の傾斜角度などから間接的に検出されるものであってもよい。
請求項4記載の制御装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の制御装置の奏する効果に加えて、相対関係検出手段により検出された自車両とその前方を走行する他車との相対的位置関係に基づき、自車両が予め規定された閾値を越えた速度で他車に近づいているか、又は自車両と他車との車間距離が予め規定された閾値以下である場合に、制動状況判断手段によって、車両を制動すべき状況であると判断される。
その結果として、制御トー角取得手段により、該状況に応じた制動力を得るために必要とされる舵角の値が取得されるが、この場合には、例えば、自車両と他車との相対的位置関係を略一定に保つために必要とされる舵角の値が取得される。すると、車輪の舵角付与(トー角付与)による制動力が作用し、自車両と他車との相対的位置関係(互いの相対距離(車間距離)や、相対速度など)を略一定に保つことができる。
よって、自車両とその前方を走行する他車との相対的位置関係(互いの相対距離(車間距離)や、相対速度など)が、常時、略一定に保たれるので、自車両が前車に追突することを防止できるという効果がある。
請求項5記載の制御装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の制御装置の奏する効果に加えて、アクセル開度検出手段により検出された車両のアクセル開度が減少した場合に、制動状況判断手段によって、車両を制動すべき状況であると判断される。
その結果として、制御トー角取得手段により、該状況に応じた制動力を得るために必要とされる舵角の値が取得されるが、この場合には、例えば、アクセル開度検出手段により検出されたアクセル開度の減少度合いに応じて、その減少度合いが大きいほど大きな制動力を得るために必要とされる舵角の値が取得される。その結果、車輪の舵角付与(トー角付与)による制動力が作用し、アクセル開度の減少度合いに応じた制動力が付与されることになる。
通常、アクセル開度の減少度合いは、運転者が所望する制動力の大きさに比例する。即ち、運転者が所望する制動力が大きいほど、アクセル開度の減少度合いが大きくなる。よって、アクセル開度の減少度合いに応じて舵角の値を制御することによって、運転者の意図に応じた制動力を発生させることができるという効果がある。
また、運転者によるアクセルペダルの操作によってアクセル開度が閉じられた場合にエンジンブレーキが作動する車両の場合には、アクセル開度の減少度合いに応じた舵角(トー角)を付与することによって、エンジンブレーキの作動による走行安定性の悪化を防止できると共に、エンジンブレーキによる制動力と舵角付与(トー角付与)によって生じる制動力とによって、確実な制動を図ることができるという効果がある。
また、AT車の場合には、エンジンブレーキが作動するまでにタイムラグが生じるが、そのタイムラグの期間においても、舵角の付与による制動力が発生されるので、安定したな制動力を得ることができるという効果がある。
請求項6記載の制御装置によれば、請求項1から5のいずれかに記載の制御装置の奏する効果に加えて、シフト位置検出手段によって車両の変速段のシフトダウンが検出された場合に、制動状況判断手段によって、車両を制動すべき状況であると判断される。
その結果として、制御トー角取得手段により、該状況に応じた制動力を得るために必要とされる舵角の値が取得されるが、この場合には、例えば、シフト位置検出手段により検出された車両の変速段に応じた制動力を得るために必要とされる舵角の値が取得される。すると、車輪の舵角付与(トー角付与)による制動力が作用し、車両の変速段に応じた制動力が付与されることになる。
ここで、運転者によるシフトダウン操作の結果としてエンジンブレーキが作動する車両の場合には、運転者の意図に応じて指定された変速段に応じた舵角を付与することによって、エンジンブレーキの作動による走行安定性の悪化を防止できると共に、エンジンブレーキによる制動力と舵角の付与によって生じる制動力とによって、確実な制動を図ることができるという効果がある。
また、車輪への舵角付与によって発生する制動力は、エンジンの回転数とは無関係にリニアに作用すると共に、運転者がシフトダウンを行ってからエンジンブレーキが作動するまでの期間においても作用するので、エンジンブレーキの作動時に生じるシフトショックを緩和し、快適な乗り心地を提供することができるという効果がある。
請求項7記載の車両によれば、請求項1から6のいずれかに記載の制御装置によって制御されるので、上記した請求項1から6のいずれかに記載の制御装置によって得られる効果と同様の効果を奏する。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態における制御装置10が搭載される車両1を模式的に示した模式図である。なお、図1の矢印FWDは、車両1の前進方向を示す。また、図1では、全車輪2に所定の舵角が付与された状態が図示されている。
まず、車両1の概略構成について説明する。車両1は、図1に示すように、車体フレームBFと、その車体フレームBFに支持される複数(本実施形態では4輪)の車輪2と、それら各車輪2を独立に回転駆動する車輪駆動装置3と、各車輪2を独立に操舵駆動するアクチュエータ装置4とを主に備えている。
次いで、各部の詳細構成について説明する。車輪2は、図1に示すように、車両1の進行方向前方側に位置する左右の前輪2FL,2FRと、進行方向後方側に位置する左右の後輪2RL,2RRとの4輪を備え、これら前後輪2FL〜2RRは、ステアリング装置20,30により操舵可能に構成されている。
ステアリング装置20,30は、各車輪2を操舵するための操舵装置であり、図1に示すように、各車輪2を揺動可能に支持するキングピン21と、各車輪2のナックルアーム(図示せず)に連結されるタイロッド22と、そのタイロッド22にアクチュエータ装置4の駆動力を伝達する伝達機構部23とを主に備えて構成されている。
また、各車輪2(2FL〜2RR)には、非図示のフットブレーキ装置(例えば、摩擦力を利用したドラムブレーキやディスクブレーキ)が設けられており、ブレーキペダル52の操作に連動してフットブレーキ装置が作動し、各車輪2が車輪駆動装置3に対して相対的に制動されるように構成されている。
アクチュエータ装置4は、上述したように、各車輪2を独立に操舵駆動するための操舵駆動装置であり、図1に示すように、4個のアクチュエータ(FL〜RRアクチュエータ4FL〜4RR)を備えて構成されている。運転者がハンドル51を操作した場合には、アクチュエータ装置4の一部(例えば、前輪2FL,2FRのみ)又は全部が駆動され、ハンドル51の操作量に応じた舵角が付与される。
ここで、本実施形態では、FL〜RRアクチュエータ4FL〜4RRが電動モータで構成されると共に、伝達機構部23がねじ機構で構成される。電動モータが回転されると、その回転運動が伝達機構部23により直線運動に変換され、タイロッド22に伝達される。その結果、各車輪2がキングピン21を揺動中心として揺動駆動され、各車輪2に所定の舵角が付与される。
また、運転者によるハンドル51の操作が行われていない場合であっても、必要に応じて、車輪2に対応するアクチュエータ装置4(FL〜RRアクチュエータ4FL〜4RR)を適宜駆動し、ブレーキペダル52やアクセルペダル53の操作とは無関係に作動する制動力又は駆動力を得ることができる。
特に、本実施形態では、図3のフローチャートを参照しつつ後述するように、車両1を制動すべき状況(所定の曲率半径を超えるカーブ)であることが検出された場合に、左右前輪2FL,2FRに対応するFLアクチュエータ4FL及びFRアクチュエータ4FRを駆動し、左右前輪2FL,2FRにトーイン方向の舵角(トーイン角)を付与することによって、制動力を発生することができる。
なお、車両1を制動すべき状況であると検出された場合に車輪2(本実施形態では、左右前輪2FL,2FR)に付与される舵角も、ハンドル51の操作に応じて各車輪2に付与される舵角も、アクチュエータ装置4(FL〜RRアクチュエータ4FL〜4RR)の駆動によって付与されるという点において同義である。よって、車両1を制動すべき状況であると検出された場合に車輪2に付与される舵角を、その他の場面において使用される舵角(例えば、舵角センサ31によって検出される見かけ上の舵角や、ハンドル51の操作に応じて各車輪2に付与される舵角や)と区別し、「トー角」と称するものとする。この場合において、トーイン方向に付与される舵角を「トーイン角」と称する。なお、説明を容易にするために、本実施形態では、車両1が直進する際のトー角を0°とする。
車輪駆動装置3は、各車輪2を独立に回転駆動するための回転駆動装置であり、図1に示すように、4個の電動モータ(FL〜RRモータ3FL〜3RR)を各車輪2ごとに(即ち、インホイールモータとして)配設して構成されている。運転者がアクセルペダル53を操作した場合には、各車輪駆動装置3から回転駆動力が各車輪2に付与され、各車輪2がアクセルペダル53の操作量に応じた回転速度で回転される。
なお、車輪駆動装置3は、4個の電動モータ(FL〜RRモータ3FL〜3RR)と対応する各車輪2(2FL〜2RR)との間に、それぞれ、4個のオートマチックトランスミッション(図示せず)が配設されており、対地速度(車両速度)とアクセルペダル53の踏み込み量(アクセル開度)とに基づいてCPU71から出力される制御信号によって変速段のシフトが自動で行われるように構成されている。
また、車両1には、運転者によって操作される変速シフトレバー54が配設されており、この変速シフトレバー54の操作位置に応じた制御信号がCPU71から出力されることによって、オートマチックトランスミッションのギア(変速段)を切り換えることができる。例えば、変速シフトレバー54の操作位置が、D(Drive)レンジ→2(Second)レンジ→1(Low)レンジへと順次シフトダウンした場合には、その都度、オートマチックトランスミッション(図示せず)におけるギアが下がる。
また、車輪駆動装置3は、変速シフトレバー54の操作位置に応じた回転方向の駆動力を各車輪2(2FL〜2RR)へ付与することができる。例えば、変速シフトレバー54の操作位置がDレンジである場合には、アクセルペダル53が操作されると、車輪駆動装置3から順方向の回転駆動力が各車輪2へと付与され、その結果として、車両1は前進する。一方で、変速シフトレバーの操作位置がR(Reverse)レンジにある場合に、アクセルペダル53が操作されると、車輪駆動装置3から逆方向の回転駆動力が各車輪2へと付与され、その結果として、車両1はバックする。
制御装置10は、上述のように構成された車両1の各部を制御するための制御装置であり、例えば、アクセルペダル53が操作された場合などには、車輪駆動装置3の駆動制御を行う一方、ハンドル51やアクセルペダル52やブレーキペダル53が操作された場合などには、アクチュエータ装置4の駆動制御(操舵制御)を行う。また、上述したように、制御装置10は、車両1を制動すべき状況であるか否かを監視し、該制御すべき状況であることを検出した場合に、後述するトー角制御処理(図3参照)を実行する。ここで、図2を参照して、制御装置10の詳細構成について説明する。
図2は、制御装置10の電気的構成を示したブロック図である。制御装置10は、図2に示すように、CPU71と、ROM72と、RAM73と、ハードディスク74(以下、HDD74と称する)とを備え、これらはバスライン74を介して入出力ポート75に接続されている。また、入出力ポート75には、車輪駆動装置3やアクチュエータ装置4等の複数の装置が接続されている。
CPU71は、バスライン74により接続された各部を制御する演算装置である。ROM72は、CPU71により実行される制御プログラムや固定値データ等を格納した書き換え不能な不揮発性のメモリである。なお、後述する図3に示すフローチャートを実行するプログラムは、このROM72に格納されている。また、RAM73は、制御プログラムの実行時に各種のデータを書き換え可能に記憶するためのメモリである。
HDD74は、書き換え可能な不揮発性の大容量メモリであり、地図データベース74
a(以下、地図DB74aと称する)を備えている。地図DB74aは、地図データを記憶するデータベースである。地図データには、道路網に関する各種情報、例えば、道路の配置や、カーブの曲率半径や傾斜角などの道路の形状が含まれている。このような地図データは、例えば、非図示のデータ読込装置(例えば、DVD装置)によって媒体(例えば、DVD)から読み取られたり、外部の情報センタ等から非図示の通信装置を介して受信したりすることによって、地図DB74aに記憶される。
車輪駆動装置3は、上述したように、各車輪2(図1参照)を回転駆動するための装置であり、各車輪2に回転駆動力を付与する4個のFL〜RRモータ3FL〜3RRと、これらの4個のFL〜RRモータ3FL〜3RRからの回転駆動力を、車速に合った適切なギアで対応する各車輪2(FL2〜RR2)に伝える4個のオートマチックトランスミッション(図示せず)と、それらのオートマチックトランスミッションをCPU71からの命令に基づいて制御する制御回路(図示せず)とを備えている。ここで、オートマチックトランスミッション(図示せず)は、変速シフトレバー54の操作位置に応じた制御信号がCPU71から入力された場合に、その制御信号に応じたギア(変速段)にシフトチェンジ(シフトアップ又はシフトダウン)する。
また、アクチュエータ装置4は、上述したように、各車輪2を操舵駆動するための装置であり、各車輪2に操舵駆動力を付与する4個のFL〜RRアクチュエータ4FL〜4RRと、それら各アクチュエータ4FL〜4RRをCPU71からの命令に基づいて駆動制御する駆動回路(図示せず)とを備えている。
舵角センサ装置31は、各車輪2の舵角を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、各車輪2の舵角をそれぞれ検出する4個のFL〜RR舵角センサ31FL〜31RRと、それら各舵角センサ31FL〜31RRの検出結果を処理してCPU71に出力する処理回路(図示せず)とを備えている。
ここで、舵角センサ装置31により検出される舵角は、各車輪2の中心線と車両1(車体フレームBF)の基準線(各線ともに図示せず)とがなす角度であり、車両1の進行方向とは無関係に定まる見かけ上の角度である。よって、舵角センサ装置31により検出される舵角は、ハンドル51の操作に応じて付与される舵角と、ハンドル51の操作とは無関係に車輪2に付与されるトー角との合算値である。
車両速度センサ装置32は、路面に対する車両1の対地速度(絶対値及び進行方向)を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、前後及び左右方向加速度センサ32a,32bと、それら各加速度センサ32a,32bの検出結果を処理してCPU71に出力する処理回路(図示せず)とを備えている。
前後方向加速度センサ32aは、車両1(車体フレームBF)の前後方向(図1上下方向)の加速度を検出するセンサであり、左右方向加速度センサ32bは、車両1(車体フレームBF)の左右方向(図1左右方向)の加速度を検出するセンサである。CPU71は、車両速度センサ装置32から入力された各加速度センサ32a,32bの検出結果(加速度値)を時間積分して、2方向(前後及び左右方向)の速度をそれぞれ算出すると共に、それら2方向成分を合成することで、車両1の対地速度(絶対値及び進行方向)を算出する。
接地荷重センサ33は、各車輪2と路面との間に発生する接地荷重を検出すると共に、その結果をCPU71に出力するための装置であり、各車輪2の接地荷重をそれぞれ検出するFL〜RR荷重センサ33FL〜33RRと、それら各荷重センサ33FL〜33RRの検出結果を処理してCPU71に出力する制御回路(図示せず)とを主に備えている。
なお、本実施形態では、各荷重センサ33FL〜33RRがピエゾ抵抗型の3軸荷重センサとして構成されている。これら各荷重センサ33FL〜33RRは、各車輪2を保持するアクチュエータ装置4に配設され、上述した接地荷重を車両1の前後方向(図1における上下方向)、左右方向(図1における左右方向)、及び上下方向(図1における紙面表裏方向)で検出する。
この接地荷重センサ33の制御回路から出力された各荷重センサ33FL〜33RRの検出結果によって、CPU71は、各車輪2の接地荷重と共に、各車輪2の接地面における摩擦係数を得ることができる。
アクセル開度センサ40は、運転者によるアクセルペダル53の踏み込み量(踏み込み角度)を検出するセンサである。アクセル開度センサ40による検出結果はCPU71へ出力され、CPU71は、その検出結果に基づいて、アクセルペダル53の踏み込み量を算出すると共に、その踏み込み量を時間微分することによってアクセルペダル53の操作速度(アクセル踏み込み速度又はアクセル抜き速度)を算出する。
シフト位置検出センサ41は、運転者による変速シフトレバー54の操作位置(例えば、Dレンジ、Rレンジ)を検出するセンサである。シフト位置検出センサ41による検出結果はCPU71へ出力され、CPU71は、入力された検出結果に応じた(即ち、変速シフトレバー54の操作位置に応じた)制御信号を、車輪駆動装置3のオートマチックトランスミッション(図示せず)へ出力する。
ミリ波レーダ装置43は、対象物までの距離及び速度の計測を行い、その結果をCPU71へ出力する装置であり、ミリ波(30GHz〜300GHz程度の電磁波)を発信する発信部(図示せず)と、対象物から反射してきた電磁波を受信する受信部(図示せず)と、その受信部で受信した電磁波に基づいて、元信号との周波数差を計測する計測部(図示せず)とから構成されるものである。
なお、本実施形態では、前方に1つのミリ波レーダ装置43が設けられており、車両1の前方を走行する他車との間の相対的位置関係(例えば、車間距離や相対速度)を計測することができる。
車載カメラ44は、車両1の周囲を撮像可能な小型CCDカメラである。本実施形態では、前方に1つの車載カメラ48が設けられており、車両1の前方を走行する車両を撮像することができるように構成されている。この車載カメラ44による撮像画像データは、CPU71へ出力されて、CPU71において画像解析され、前方車両の存在及び概略的な相対位置を示す情報とされる。車載カメラ44による撮像画像に基づいて得られた情報は、ミリ波レーダ装置43による前方車両との相対的位置関係を検出するための補助データとして利用される。
傾斜角センサ46は、車両1の前後方向の傾斜角度を検出するセンサである。傾斜角センサ46による検出結果はCPU71へ出力され、CPU71は、その検出結果に基づいて、車両1の前後方向の傾斜角度を検出する。
GPS受信機47は、GPS衛星(図示せず)から位置情報(例えば、緯度情報及び経度情報)を、アンテナ47aを介して受信する装置であり、このGPS受信機47により位置情報が受信されると、その位置情報と、車両速度センサ装置32により検出された対地速度(車両速度)と、ジャイロセンサ(図示せず)により検出される車両1の回転角速度とに基づいて、CPU71において車両1の現在位置が求められる。
次に、図3のフローチャートを参照して、上記のように構成される本実施形態の制御装置10による、車両1周囲の状況に応じた車輪2(左右前輪2FL,2FR)に対するトー角制御について説明する。図3は、車両1の制御装置10(CPU71)で実行されるトー角制御処理1を示すフローチャートである。
このトー角制御処理1は、制御装置10に電源が投入されている間、CPU71によって所定時間毎(例えば、20msec毎)に繰り返し実行される処理であり、まず、GPS受信機47に受信されたGPS衛星(図示せず)からの位置情報(緯度及び経度情報)に基づいて、車両1の現在位置を検出し(S301)、車両速度センサ装置32により車両1の対地速度を検出する(S302)。
次いで、地図DB74aに記憶されている地図データを参照し、S301により検出された車両1の現在位置付近(例えば、現在位置から半径200m以内)に、制御対象となるカーブがあるかを確認する(S303)。なお、本実施形態では、S303における「制御対象のカーブ」は、所定の閾値以下の曲率半径Rを有するカーブ(例えば、最小曲率半径Rが400m以下のカーブ)であるとする。
S303の処理によって確認した結果、制御対象となるカーブがある場合には(S303:Yes)、制御対象となるカーブの曲率半径Rに基づいて、そのカーブを走行車線(センターラインない道路の場合は道路幅)から逸脱することなく旋回可能な速度(以下、この速度を「旋回可能速度」と称する)の上限値を取得する(S304)。
S304において、旋回可能速度の上限値は、カーブの旋回半径Rや車両1のスペック(車両重量など)の値などを用い、所定の演算式に基づいて取得されるものであってもよいし、カーブの旋回半径Rと旋回可能速度の上限値とを対応付けた制御可能速度マップをメモリ(例えば、HDD74)に予め記憶させておき、そのマップに基づいて旋回制御速度の上限値を得るようにしてもよい。また、制御対象のカーブ毎に旋回可能速度の上限値を対応付けた制御可能速度マップを利用するような構成であってもよい。なお、天候や路面状況などの旋回可能速度の上限値に影響を与え得るパラメータの値を検出するセンサを車両1に設け、検出された値を演算式において利用したり、あるいは、検出された値で制御可能速度マップの値を補正するように構成してもよい。
S304の処理後、車両1の対地速度が、旋回可能速度の上限値を超えるかを確認し(S305)、車両1の対地速度が旋回可能速度の上限値を超える(車両1の対地速度>旋回可能速度の上限値)場合には(S305:Yes)、車両1の対地速度から、旋回可能速度の上限値を差し引くことによって必要減速量を得る(S306)。
次いで、車両1の現在位置から制御対象のカーブ区間の入口に到達するまでに、S306において得られた必要減速量だけ減速するための制動力Fを、車両1の重量や、路面の摩擦係数などを考慮しつつ所定の演算式に基づいて計算する(S307)。なお、カーブ区間の入口の位置座標は地図データにおいて規定されているものとする。
次いで、S307において得られた制動力Fを得るためのトーイン角θを取得する(S308)。S308において、トーイン角θは、必要な制動力Fに応じたトーイン角θの値を記憶するトー角制御マップをメモリ(例えば、HDD74)に予め記憶させておき、そのマップに基づいて取得するようにしてもよいし、車両1のスペック(車両重量など)の値や、各車輪2の接地荷重や、路面の摩擦係数などの値などを用い、所定の演算式に基づいて取得されるものであってもよい。なお、各車輪2の接地荷重及び路面の摩擦係数は、接地荷重センサ装置33による検出結果から得ることができる。
S308の処理後、取得したトーイン角θが左右前輪2FL,2FRに付与されるように、FLアクチュエータ4FL及びFRアクチュエータ4FRを制御し(S309)、このトー角制御処理1を終了する。
S309の結果として、左右前輪2FL,2FRがトーインされたことに伴う制動力Fが発生し、車両1の減速が開始される。そして最終的に、カーブ区間の入口において、車両1の対地速度は旋回可能速度にまで減速される。
なお、本実施形態における「カーブ区間の入り口」は直線だけでなく、カーブである場合も含まれる。カーブを走行中、即ち、該カーブを旋回するための舵角が運転者によるハンドル51の操作によって車輪2に付与されている状況においては、S309の結果として、ハンドル51の操作量に応じた舵角とトーイン角θとの合算値が左右前輪2FL,2FRに付与されることになる。
例えば、左右前輪2FL,2FRに、それぞれ左方向に25°の舵角が与えられるべき状況において、S308においてトーイン角θ=5°が取得された場合には、S309の結果として、左前輪2FL及び右前輪2FRの見かけ上の舵角(舵角センサ31FL,31FRによって検出される舵角)は、それぞれ、左方向に20°(=25°−5°)及び30°(=25°+5°)となる。
一方で、S303の処理により確認した結果、制御対象となるカーブがない場合(S303:No)、及び、S305の処理により確認した結果、車両1の対地速度が旋回可能速度の上限値以下(車両1の対地速度≦旋回可能速度の上限値)である場合(S305:No)には、左右前輪2FL,2FRのトーイン角θが0°となるように、FLアクチュエータ4FL及びFRアクチュエータ4FRを制御し(S310)、このトー角制御処理1を終了する。
なお、S310の処理の結果として、左右前輪2FL,2FRのトーイン角θが0°とされるが、ハンドル51の操作量に応じた舵角は維持される。即ち、S310の処理の結果として、舵角センサ31FL,31FRによって検出される左前輪2FL及び右前輪2FRの見かけ上の舵角は、ハンドル51の操作量に応じた舵角である。
従って、本実施形態の制御装置10によれば、車両1の対地速度が、現在位置付近に存在するカーブに対する旋回可能速度を超えていた場合に、左右前輪2FL,2FRにトーイン角θが付与され、その結果として、車両1の対地速度が、カーブ区間に入る前に旋回可能速度にまで減速される。よって、カーブ区間において、遠心力によって車両1が走行車線(センターラインがない道路の場合は道路幅)から逸脱することを防止できるので、カーブ区間における事故を防止することができるのである。
このように、本実施形態の制御装置10によれば、車両1の置かれている状況(本実施形態では、車両1の現在位置付近に制御対象となるカーブが存在したという状況)に応じて、左右前輪2FL,2FRのトー角(トーイン角θ)が制御されるが、トー角の制御による制動制御を行うべき状況であるか否かは、トー角制御処理1の中で、運転者による判断とは無関係に判断される。よって、運転者に過度の負担を強いることなく、状況に応じた車両の制動制御を行うことができるのである。
なお、この第1実施形態では、「車両1を制動すべき状況」としてカーブの曲率半径のみを考慮する構成であったが、その他のファクター(例えば、カーブの長さや追突事故の起こりやすさなど)を考慮して、車両1を制動すべき状況であるか否かを判断するようにしてもよい。
また、この第1実施形態では、S302において求められた対地速度を利用してトー角(トーイン角θ)の制御を図るように構成したが、通常の車速を利用してトー角(トーイン角θ)の制御を図る構成であってもよい。
次に、図4を参照して、第2実施形態の制御装置10による、車両1周囲の状況に応じた車輪2に対するトー角制御について説明する。上記した第1実施形態の制御装置10による車輪2(左右前輪2FL,2FR)に対するトー角制御は、車両1の現在位置付近に制御対象となるカーブが存在し、車両1の対地速度が該カーブの旋回可能速度を超えた場合に、左右前輪2FL,2FRに対し、必要減速量を得るためのトーイン角θを付与する構成であった。
これに対し、この第2実施形態の制御装置10は、車両1の置かれている状況が、車両1が所定の傾斜角以上に下降傾斜する降坂路を走行する状況において、車輪2(左右前輪2FL,2FR)に対するトー角制御を行う。なお、この第2実施形態において、第1実施形態と同一の部分については、その同一の部分に関する説明は省略する。
第2実施形態の制御装置10のRAM73は、下り坂フラグ73aと、設定値メモリ73bと、目標車速メモリ73cとを備えている(いずれも図示せず)。
下り坂フラグ73aは、車両1が、所定の閾値以上の下降傾斜角度を有する降坂路を走行中であるかを示すフラグである。この下り坂フラグ73aは、制御装置10への電源投入と共にオフに初期化され、車両1が前下がりに所定の閾値角以上傾いていることが傾斜角センサ46によって検出された場合に、車両1が所定の閾値以上の下降傾斜角度を有する降坂路を走行しているとみなされ、この下り坂フラグ73aがオンされる、一方で、車両1の前下がりの傾斜角が所定の閾値未満であることが傾斜角センサ46によって検出された場合に、下り坂フラグ73aはオフされる。
設定値メモリ73bは、左右前輪2FL,2FRに付与するトー角の値(トーイン角θ)の値を記憶するものである。この設定値メモリ73bは、制御装置10への電源と共にオフに0に初期化される。
目標車速メモリ73cは、所定の閾値以上の下降傾斜角度を有する降坂路を走行する車両1の目標車両速度を記憶するものである。この目標車速メモリ73cは、制御装置10への電源投入と共に所定の初期値(例えば、時速50km)が記憶されるように構成されている。
また、第2実施形態の制御装置10のHDD74は、トー角初期値マップ74b(図示せず)を備えている。このトー角初期値マップ74bは、傾斜角センサ46によって検出された車両1の傾斜角と、左右前輪2FL,2FRに付与するトーイン角θの初期値とを対応づけたマップである。
図4は、第2実施形態の制御装置10(CPU71)で実行されるトー角制御処理2を示すフローチャートである。なお、図4に示すトー角制御処理2を実行するプログラムは、ROM72に格納されている。このトー角制御処理2もまた、第1実施形態におけるトー角制御処理1と同様に、制御装置10に電源が投入されている間、CPU71によって所定時間毎(例えば、20msec毎)に繰り返し実行される処理である。
図4に示すように、トー角制御処理2では、まず、傾斜角センサ46により車両1の前後方向の傾斜角を検出し(S401)、車両速度センサ装置32により車両1の対地速度を検出する(S402)。
S402の処理後、S401において検出された傾斜角の値が、車両1が前下がりに所定の閾値(例えば、2.5°)以上に傾いていることを示す値であるかを確認する(S403)。
S403の処理により確認した結果、検出された傾斜角の値が、車両1が前下がりに所定の閾値以上に傾いていることを示す値である場合には(S403:Yes)、下り坂フラグ73a(図示せず)がオンであるかを確認し(S404)、オフであれば(S404:No)、車両1が所定の閾値以上の下降傾斜角度を有する降坂路に入ったことを示すので、下り坂フラグ73aをオンし(S405)、トー角初期値マップ74b(図示せず)を参照し、トーイン角θの値を車両1の傾斜角に応じた初期値(例えば、傾斜角が2.5°の場合に2.5°)に設定する(S406)。
S406の処理後、初期値として設定されたトーイン角θの値を、設定値メモリ73b(図示せず)に記憶し(S407)、設定値メモリ73bに記憶されているトーイン角θが左右前輪2FL,2FRに付与されるように、FLアクチュエータ4FL及びFRアクチュエータ4FRを制御し(S408)、このトー角制御処理2を終了する。
S408の結果として、左右前輪2FL,2FRがトーインされたことに伴う制動力Fが発生し、車両1の減速が開始される。
一方で、S404の処理により確認した結果、下り坂フラグ73aがオンであれば(S404)、S403において検出された車両1の対地速度から、目標車速メモリ73c(図示せず)に記憶されている値を差し引くことによって速度増分を得る(S414)。
S414の処理後、得られた速度増分が0を超える(速度増分>0)であるかを確認し(S415)、速度増分>0であれば(S415:Yes)、その速度増分が、所定時間後(例えば、20msec後)に0となるように減速するための制動力Fを、車両1の重量や、降坂路の傾斜角度に対応する車両1の傾斜角度や、路面の摩擦係数などを考慮しつつ所定の演算式に基づいて計算する(S416)。
次いで、S416において得られた制動力Fを得るためのトーイン角θを取得する(S417)。S417において、トーイン角θは、上記した第1実施形態におけるS308と同様に、メモリ(例えば、HDD74)に予め記憶させておいたトー角制御マップに基づいて取得するようにしてもよいし、所定の演算式に基づいて取得されるものであってもよい。
S417の処理後、取得したトーイン角θの値を、設定値メモリ73bに記憶し(S418)、S408へ移行し、設定値メモリ73bに記憶されているトーイン角θが左右前輪2FL,2FRに付与されるように、FLアクチュエータ4FL及びFRアクチュエータ4FRを制御して、このトー角制御処理2を終了する。
よって、S418の結果として、左右前輪2FL,2FRに制動力Fが発生し、車両1の減速が図られる。そして、最終的に、S414において算出された速度増分が0とされるまで、即ち、目標車速メモリ73cに記憶されている速度にまで減速される。よって、車両1が所定の閾値以上の下降傾斜角度を有する降坂路を走行している期間中は、車両1の対地速度が目標車速メモリ73cに記憶されている速度に保たれることになる。
一方で、S415の処理により確認した結果、速度増分≦0であれば(S415:No)、トー角制御による制動力Fを付与する必要がないので、S406へ移行し、トー角初期値マップ74bを参照して、トーイン角θを、S401で検出された車両1の傾斜角に応じた初期値に設定する。
また、S403の処理により確認した結果、S401において検出された傾斜角の値が、車両1が前下がりに所定の閾値未満で傾いていることを示す値である場合には(S403:No)、S402において検出された対地速度を目標車速メモリ73cに記憶する(S409)。
このように、車両1の傾斜角が閾値以上に傾斜していない場合に、S409の処理によって、車両1の対地速度が目標車速メモリ73cに対地速度が記憶されるので、S414において速度増分を算出するために用いられる目標車速メモリ73cの値は、下り坂フラグ73aがオンされる直前に実行されたトー角制御処理2におけるS402において検出された対地速度であるか、制御装置10への電源投入時に記憶される初期値であるかのいずれかということになる。
従って、本実施形態の制御装置10は、車両1が所定の閾値以上の下降傾斜角度を有する降坂路を走行する場合に、その対地速度が、該降坂路に進入する前の速度か、予め規定された初期値(例えば、時速50km)のいずれかに保つためのトーイン角θが左右前輪2FL,2FRに付与されるように制御を行っているのである。
S409の処理後、下り坂フラグ73aがオンであるかを確認し(S410)、オンであれば(S410:Yes)、車両1が所定の閾値以上の下降傾斜角度を有する降坂路から脱したことを示すので、下り坂フラグ73aをオフし(S411)、トーイン角θを0°に設定する(S412)。
次いで、設定されたトーイン角θの値を設定値メモリ73bに記憶し(S413)、S408へ移行し、設定値メモリ73bに記憶されているトーイン角θが左右前輪2FL,2FRに付与されるように、FLアクチュエータ4FL及びFRアクチュエータ4FRを制御して、このトー角制御処理2を終了する。
一方で、S410の処理により確認した結果、下り坂フラグ73aがオフであれば(S410:No)、そのまま、このトー角制御処理2を終了する。
従って、本実施形態の制御装置10によれば、車両1が所定の閾値以上の下降傾斜角度を有する降坂路を走行している期間中は、車両1の対地速度を目標車速メモリ73cに記憶されている速度に保つように、左右前輪2FL,2FRにトーイン角θが付与される。
よって、降坂路において車両1が自然加速されることがあっても、目標車速メモリ73cに記憶されている速度に保たれるので、速度超過による事故を防止することができる。特に、目標車速メモリ73cに記憶されている速度が安全なレベルの速度であれば、自然加速によって車両1の対地速度が危険なレベルにまで引き上げられることもなく、確実な事故防止を行うことができるのである。
また、降坂路の走行期間中においては車両1の対地速度が、降坂路に進入する前の速度に保たれるので、運転者の操作による過度な(無駄な)減速を防止でき、その結果として、運転効率が向上される。即ち、降坂路へ進入する際における車両1の対地速度が該降坂路の傾斜角に対して最適とされる速度である場合には、運転者による判断とは無関係に、最適な速度で該降坂路を下ることになるので、最適な運転効率を得ることができるのである。
なお、本実施形態では、降坂路の走行期間中においては車両1の対地速度が降坂路に進入する前の速度に保つように構成したが、制動制御の規準となる速度を、降坂路の傾斜角度の走行に対して安全なレベルであるとされる速度(計算によって算出された速度又は予め規定された速度)や、予め規定された固定値(例えば、法定速度)とするように構成してもよい。
このように、本実施形態の制御装置10によれば、車両1の置かれている状況(本実施形態では、車両1が所定の閾値以上の下降傾斜角度を有する降坂路を走行するという状況)に応じて、左右前輪2FL,2FRのトー角(トーイン角θ)が制御されるが、トー角の制御による制動制御を行うべき状況であるか否かは、トー角制御処理1の中で、運転者による判断とは無関係に判断される。よって、運転者に過度の負担を強いることなく、状況に応じた車両の制動制御を行うことができるのである。
なお、本実施形態では、トー角制御処理2におけるS406において、車両1の傾斜角に応じてトーイン角θの初期値が設定される構成としたが、トー角初期値マップ34bの構成を、車両1の対地速度と車両1の傾斜角とに応じたトーイン角θの初期値を記憶するものとし、S40において、車両1の対地速度と車両1の傾斜角とに応じたトーイン角θの初期値を付与するような構成としてもよい。
次に、図5を参照して、第3実施形態の制御装置10による、車両1周囲の状況に応じた車輪2(左右前輪2FL,2FR)に対するトー角制御について説明する。この第3実施形態の制御装置10は、車両1の置かれている状況が、前方を走行する他車(以下、「前車」と称する)に対する自車(車両1)の相対速度が正の値、即ち、車両1が前車に近づいている状況において、車輪2(左右前輪2FL,2FR)に対するトー角制御を行う。なお、この第3実施形態において、第1実施形態と同一の部分については、その同一の部分に関する説明は省略する。
第3実施形態の制御装置10のRAM73は、前回値メモリ73d(図示せず)を備えている。この前回値メモリ73dは、タイマインタラプト処理であるトー角制御処理3の前回実行時に検出された他車との車間距離を記憶するものである。なお、この前回値メモリ73dは、制御装置10への電源投入時と、他車との相対速度が0以下となった場合とにおいて記憶されている値がクリアされる。
図5は、第3実施形態の制御装置10(CPU71)で実行されるトー角制御処理3を示すフローチャートである。なお、図5に示すトー角制御処理3を実行するプログラムは、ROM72に格納されている。このトー角制御処理3もまた、第1実施形態におけるトー角制御処理1と同様に、制御装置10に電源が投入されている間、CPU71によって所定時間毎(例えば、20msec毎)に繰り返し実行される処理である。
図5に示すように、トー角制御処理3では、まず、ミリ波レーダ装置43による検出結果及び車載カメラ44による撮像画像に基づいて、前車との車間距離を検出し(S501)、検出された車間距離が所定の閾値(例えば、150m)以下であるかを確認し(S502)、車間距離が所定の閾値を超える場合には(S502:Yes)、このトー角制御処理3を終了する。
一方で、S502の処理により確認した結果、車間距離が所定の閾値以下であれば(S502:No)、前回値メモリ73d(図示せず)の値から、S501において検出された車間距離を差し引いたものを、車間距離の検出時間間隔(即ち、トー角制御処理3の起動間隔)で除することによって、前車に対する自車(車両1)の相対速度(以下、前車に対する自車(車両1)の相対速度を単に「相対速度」と称する)を得る(S503)。S503の処理後、S501において検出された車間距離を前回値メモリ73dに記憶する(S504)。
次いで、S503の処理の結果として得られた相対速度の値は0を超えるか、即ち、車両1が前車に近づきつつあるかを確認し(S505)、相対速度>0であれば(S505:Yes)、算出された相対速度を0(ゼロ)とするための制動力Fを、車両1の重量や、路面の摩擦係数などを考慮しつつ所定の演算式に基づいて計算する(S506)。
次いで、S506において得られた制動力Fを得るためのトーイン角θを取得する(S507)。S507において、トーイン角θは、上記した第1実施形態におけるS308と同様に、メモリ(例えば、HDD74)に予め記憶させておいたトー角制御マップに基づいて取得するようにしてもよいし、所定の演算式に基づいて取得されるものであってもよい。
S507の処理後、取得したトーイン角θが左右前輪2FL,2FRに付与されるように、FLアクチュエータ4FL及びFRアクチュエータ4FRを制御し(S508)、S509へ移行する。
S508の結果として、左右前輪2FL,2FRがトーインされたことに伴う制動力Fが発生し、車両1の減速が開始される。そして最終的に、前車との相対速度がゼロとなるまで減速される。
一方で、S505の処理により確認した結果、相対速度の値が0以下(相対速度≦0)である場合、即ち、車両1と前車との車間距離に変化がないか、車両1と前車との車間距離が離れつつある場合には(S505:No)、トーイン角θを0°に設定し(S512)、前回値メモリ73dの値をクリアして(S513)、S508へ移行し、S512において設定されたトーイン角θ(トーイン角θ=0°)が左右前輪2FL,2FRに付与されるように、FLアクチュエータ4FL及びFRアクチュエータ4FRを制御する。
次いで実行されるS509では、S503の処理の結果として得られた相対速度の値が0未満(相対速度<0)であるかの確認を行う。S509の処理により確認した結果、相対速度<0、即ち、自車(車両1)と前車との車間距離が離れつつある場合には(S509:Yes)、算出された相対速度を0(ゼロ)とするための駆動力F’を、車両1の重量や、路面の摩擦係数などを考慮しつつ所定の演算式に基づいて計算する(S510)。次いで、計算された駆動力F’が各車輪2(2FL〜2RR)に付与されるように車輪駆動装置3を制御し(S511)、このトー角制御処理3を終了する。
一方で、S509の処理により確認した結果、相対速度の値が0以上(相対速度≧0)である場合、即ち、車両1と前車との車間距離に変化がないか、車両1と前車との車間距離が近づきつつある場合には(S509:No)、S510,S511の処理をスキップして、このトー角制御処理3を終了する。
従って、本実施形態の制御装置10によれば、前車に対する自車(車両1)の相対速度が正の値である場合、即ち、車両1が前車に近づきつつある場合に、左右前輪2FL,2FRにトーイン角θが付与され、その結果として、該相対速度が0(ゼロ)、即ち、車両1と前車との車間距離が不変な状態となるように車両1の対地速度が減速される。
よって、車両1とその前方を走行する他車との相対的な位置関係(車間距離や相対速度など)が、常時、略一定に保たれるので、車両1が前方を走行する車両に追突することを防止することができるのである。
このように、本実施形態の制御装置10によれば、車両1の置かれている状況(本実施形態では、車両1が前車に近づきつつあるという状況)に応じて、左右前輪2FL,2FRのトー角(トーイン角θ)が制御されるが、トー角の制御による制動制御を行うべき状況であるか否かは、トー角制御処理1の中で、運転者による判断とは無関係に判断される。よって、運転者に過度の負担を強いることなく、状況に応じた車両の制動制御を行うことができるのである。
なお、本実施形態では、前車に対する自車(車両1)の相対速度に基づいてトーイン角θを制御する構成であったが、相対速度とは無関係に、自車(車両1)と前車との相対的距離(車間距離)に応じてトーイン角θを制御する構成であってもよい。
次に、図6及び図7を参照して、第4実施形態の制御装置10による、車両1周囲の状況に応じた車輪2(左右前輪2FL,2FR)に対するトー角制御について説明する。この第4実施形態の制御装置10は、車両1の置かれている状況が、運転者によってアクセルが抜かれた、即ち、運転者がアクセルペダル53の踏み込み量を減少させた状況において車輪2(左右前輪2FL,2FR)に対するトー角制御を行う。なお、この第4実施形態において、第1実施形態と同一の部分については、その同一の部分に関する説明は省略する。
第4実施形態の制御装置10のHDD74は、トー角制御マップ74c(図6参照)を備えている。図6は、トー角制御マップ74cを示す模式図である。図6に示すように、トー角制御マップ74cは、アクセル開度センサ40による検出結果に基づいて得られるアクセル抜き速度(アクセルペダル53の踏み込み量の減少速度)74c1と、左右前輪2FL,2FRに付与するトーイン角θ74c2とを対応付けたマップである。
図6に示すように、トー角制御マップ74cでは、アクセル抜き速度74c1が速い程、トーイン角θ74c2が大きな値とされ、トーイン角θの付与によって生じる制動力Fが大きくなるように構成されている。
図7は、第4実施形態の制御装置10(CPU71)で実行されるトー角制御処理4を示すフローチャートである。なお、図7に示すトー角制御処理4を実行するプログラムは、ROM72に格納されている。このトー角制御処理4もまた、第1実施形態におけるトー角制御処理1と同様に、制御装置10に電源が投入されている間、CPU71によって所定時間毎(例えば、20msec毎)に繰り返し実行される処理である。
図7に示すように、トー角制御処理4では、まず、アクセル開度センサ40による検出結果に基づいて得られるアクセルの入力状況(アクセルペダル53の踏み込み量、及びアクセルペダル53の操作速度(アクセル踏み込み速度又はアクセル抜き速度))を取得する(S701)。
S701の処理後、アクセルの入力があるか、即ち、アクセルペダル53の踏み込みがあるかを確認し(S702)、アクセルの入力がなければ(S702:No)、アクセルが抜かれたか、即ち、運転者がアクセルペダル53の踏み込み量を0(ゼロ)としたかを確認する(S703)。
S703の処理により確認した結果、アクセルが抜かれた場合には(S703:Yes)、トー角制御マップ74c(図6参照)を参照し、S701において取得されたアクセル抜き速度に基づいて、トーイン角θを取得する(S704)。
S704の処理後、取得したトーイン角θが左右前輪2FL,2FRに付与されるように、FLアクチュエータ4FL及びFRアクチュエータ4FRを制御し(S705)、このトー角制御処理4を終了する。すると、S705の結果として、左右前輪2FL,2FRがトーインされたことに伴う制動力Fが発生し、車両1の減速が開始される。
一方で、S702の処理により確認した結果、アクセルの入力があれば(S702:Yes)、アクセルペダル53の踏み込み量に応じた(アクセル開度に応じた)通常の走行を行うために、トーイン角θを0°に設定し(S706)、S705へ移行し、設定されたトーイン角θ(トーイン角θ=0°)が左右前輪2FL,2FRに付与されるように、FLアクチュエータ4FL及びFRアクチュエータ4FRを制御する。
また、S703の処理により確認した結果、アクセルが抜かれていない場合には(S703:No)、そのまま、このトー角制御処理4を終了する。
従って、本実施形態の制御装置10によれば、運転者によってアクセルが抜かれた場合(アクセル開度が閉じられた場合)に、その際のアクセル抜き速度が速いほど、より大きなトーイン角θが左右前輪2FL,2FRに付与される。その結果、運転者によるアクセルの抜き速度が速いほどより大きな減速度で、車両1の対地速度の減速が図られることになる。
運転者によるアクセルの抜き速度は、通常において、運転者が所望する制動力の大きさに比例するので、本実施形態の制御装置10によれば、ブレーキペダル52の操作に連動して作動するフットブレーキ装置によって発生される制動力(フットブレーキ)と比較して微小な制動力を、運転者の意図を反映しつつ作用させることができる。よって、上述したように、状況に応じてトーイン角θが付与されることに伴って発生する制動力を、エンジンブレーキの代替として利用することができる。
なお、本実施形態では、アクセルが完全に抜かれた場合(運転者がアクセルペダル53の踏み込み量を0(ゼロ)とした場合)に、トーイン角θの制御を行う構成としたが、アクセルペダル53の踏み込み量の減少があった場合に、その減少速度に応じたトーイン角θを付与する構成であってもよい。
あるいは、トー角制御マップ74cを用いることなく、アクセルが完全に抜かれた場合に、予め規定された固定値のトーイン角θ(例えば、5°)を付与する構成であってもよい。
次に、図8を参照して、第5実施形態の制御装置10による、車両1周囲の状況に応じた車輪2(左右前輪2FL,2FR)に対するトー角制御について説明する。この第5実施形態の制御装置10は、車両1の置かれている状況が、運転者によって変速シフトレバー54が操作されてギア(変速段)がシフトダウンされた状況において車輪2(左右前輪2FL,2FR)に対するトー角制御を行う。なお、この第5実施形態において、第1実施形態と同一の部分については、その同一の部分に関する説明は省略する。
第5実施形態の制御装置10のHDD74は、トー角制御マップ74d(図示せず)を備えている。この第5実施形態で使用されるトー角制御マップ74dは、運転者によってなされたシフトダウンの状態と、左右前輪2FL,2FRに付与するトーイン角θとを対応付けたマップである、本実施形態のトー角制御マップ74dは、シフトダウンの度合いが大きいほど大きなトーイン角θが対応付けられている。例えば、シフトダウンの状態がDレンジから2レンジへのシフトダウンである場合に対し、トーイン角θ=2.5°が対応付けられ、Dレンジから1レンジへのシフトダウンである場合に対し、トーイン角θ=5°が対応付けられている。
図8は、第5実施形態の制御装置10(CPU71)で実行されるトー角制御処理5を示すフローチャートである。なお、図8に示すトー角制御処理5を実行するプログラムは、ROM72に格納されている。このトー角制御処理5もまた、第1実施形態におけるトー角制御処理1と同様に、制御装置10に電源が投入されている間、CPU71によって所定時間毎(例えば、20msec毎)に繰り返し実行される処理である。
図8に示すように、トー角制御処理5では、まず、シフト位置検出センサ41により変速シフトレバー54の操作位置、即ち、運転者によって選択されているギア(変速段)を検出し(S801)、アクセル開度センサ40による検出結果に基づいて得られるアクセルの入力状況(アクセルペダル53の踏み込み量、及びアクセルペダル53の操作速度(アクセル踏み込み速度又はアクセル抜き速度))を取得する(S802)。
S802の処理後、S801の検出結果に基づいて、運転者によるシフトダウン操作があったかを確認し(S803)、シフトダウン操作があった場合には(S803:Yes)、アクセルの入力があるか、即ち、アクセルペダル53の踏み込みがあるかを確認する(S804)。
S804の処理により確認した結果、アクセルの入力がなければ(S804:No)、S803の処理で確認されたシフトダウン操作は、運転者が制動力作動を意図したシフトダウン操作であるので、トー角制御マップ74d(図示せず)を参照し、S801において取得されたシフトダウンの状態に基づいて、トーイン角θを取得する(S805)。
S805の処理後、取得したトーイン角θが左右前輪2FL,2FRに付与されるように、FLアクチュエータ4FL及びFRアクチュエータ4FRを制御し(S806)、このトー角制御処理5を終了する。すると、S806の結果として、左右前輪2FL,2FRがトーインされたことに伴う制動力Fが発生し、車両1の減速が開始される。
一方で、S804の処理により確認した結果、アクセルの入力があれば(S804:Yes)、S803の処理で確認されたシフトダウン操作は、より大きな加速トルク得る目的でなされたシフトダウン操作であるので、トーイン角θを0°に設定し(S808)、S806へ移行し、設定されたトーイン角θ(トーイン角θ=0°)が左右前輪2FL,2FRに付与されるように、FLアクチュエータ4FL及びFRアクチュエータ4FRを制御する。
また、S803の処理により確認した結果、シフトダウン操作がなければ(S803:No)、アクセルの入力があるかを確認する(S807)。S807の処理により確認した結果、アクセルの入力があれば(S807:Yes)、S808へ移行して、アクセルペダル53の踏み込み量に応じた(アクセル開度に応じた)通常の走行を行うために、トーイン角θを0°に設定する。一方で、アクセルの入力がなければ(S807:No)、そのまま、このトー角制御処理5を終了する。
従って、本実施形態の制御装置10によれば、運転者によるギア(変速段)のシフトダウンが図られた状況において、そのシフトダウンの度合いが大きいほど、より大きなトーイン角θが左右前輪2FL,2FRに付与され、その結果として、より大きな減速度で、車両1の対地速度の減速が図られることになる。
運転者が制動力の付与を意図してシフトダウン操作を行う場合には、通常において、そのシフトダウンの度合いの大きさが、運転者によって所望される制動力の大きさに比例するので、本実施形態の制御装置10によれば、ブレーキペダル52の操作に連動して作動するフットブレーキ装置によって発生される制動力(フットブレーキ)と比較して微小な制動力を、運転者の意図を反映しつつ作用させることができる。よって、上述したように、状況に応じてトーイン角θが付与されることに伴って発生する制動力を、エンジンブレーキの代替として利用することができる。
以上説明したように、本発明の制御装置10(第1〜第5実施形態の制御装置10)によれば、車両1の状況(例えば、降坂路の傾斜勾配や、カーブの曲率半径や、前方を走行する車両との相対的位置関係など)に応じたトーイン角θが左右前輪2EL,2FRに付与され、該状況に応じた適切な制動力Fが付与される。
よって、車両1が遭遇する多種多様な状況下においても、安全性が保たれると共に、必要以上の制動力が付与された結果として無駄な駆動力の付与が余儀なくされて燃費低下を招くなどの不都合を回避することができる。
また、左右前輪2FL,2FRへのトーイン角θの付与によって車両1に制動力を付与するので、減速の際における走行安定性の悪化を防止することができると共に、フットブレーキ装置により発生される制動力(フットブレーキ)に比べたら微小な制動力であるという点においてエンジンブレーキの代替としての利用が可能である。
この場合、車両1を制動すべき状況であると判断されると、その状況に応じたトーイン角θが付与されて制動力Fが発生するので、エンジンブレーキとは異なり、制動力が発生するまでのタイムラグがなく、安定した制動を図ることができる。
即ち、エンジンブレーキが作動するまでのタイムラグの期間においても、舵角付与によって発生する制動力が作用するので、結果として、エンジンブレーキ作動時に生じるショックが緩和され、快適な乗り心地を提供することができるのである。
また、トーイン角θの付与によって発生する制動力は、エンジンの回転数とは無関係にリニアに作用すると共に、運転者がシフトダウン操作を行ってからエンジンブレーキが作動するまでの期間においても作用するので、エンジンブレーキの作動時に生じるシフトショックを緩和し、快適な乗り心地を提供することができる。
特に、第1〜3実施形態の制御装置10によれば、運転者の判断に依存することなく、車両1を制動すべき状況であるか否かの判断がなされるので、運転者に過度の負担を強いることなく、上記のような好適な制動制御が可能となる。
なお、上記第1〜第5実施形態では、各車輪2(2FL〜2RR)は、ブレーキペダル52の操作に連動して作動されるフットブレーキ装置(図示せず)により発生される制動される構成であったが、車輪駆動装置3が回生ブレーキとして作用する構成であっても、本発明の制御装置10(第1〜第5実施形態の制御装置10)が奏した効果と同様の効果を奏する。
さらに、回生ブレーキを採用する車両の場合には、回生された電気エネルギーの充電先であるバッテリーの充電度が高い場合には、インバータに過負荷がかかりインバータが破損してしまうことがあったが、トーイン角θの付与によって発生する制動力を併用することによって、電気エネルギーの回生量を減少させることができるので、インバータへの負荷を軽減させ、インバータの破損を防止することができる。
例えば、バッテリーの充電度が高い場合には、上記各実施形態において説明したような状況の発生時に、通常より大きなトーイン角θを車輪2(左右前輪2FL,3FR)に付与し、トーイン角θの付与によって発生する制動量を増やすようにすればよい。
また、エンジンを動力源とし、エンジンブレーキが作動する構成を有する車両であっても、本発明の制御装置10(第1〜第5実施形態の制御装置10)が奏した効果と同様の効果を奏する。
さらに、トーイン角θの付与によって発生する制動力とエンジンブレーキとを併用することによって、両方の制動力により確実な制動を図ることができる上に、エンジンブレーキの作動による走行安定性の悪化を防止することができる。
なお、請求項1記載の制動状況判断手段は、トー角制御処理1におけるS303の処理、トー角制御処理2におけるS403の処理、トー角制御処理3におけるS502の処理、トー角制御処理4におけるS703の処理、トー角制御処理5におけるS803の処理が該当する。
また、請求項1記載の制御トー角取得手段としては、トー角制御処理1におけるS308の処理、トー角制御処理2におけるS417の処理、トー角制御処理3におけるS507の処理、トー角制御処理4におけるS704の処理、トー角制御処理5におけるS8805の処理が該当する。
また、請求項1記載のアクチュエータ作動手段としては、トー角制御処理1におけるS309の処理、トー角制御処理2におけるS408の処理、トー角制御処理3におけるS508の処理、トー角制御処理4におけるS705の処理、トー角制御処理5におけるS806の処理が該当する。
また、請求項2記載の現在位置検出手段としては、トー角制御処理1におけるS301の処理が該当し、請求項2記載の道路形状把握手段としては、トー角制御処理1におけるS303において、「地図DB74aに記憶されている地図データを参照し、制御対象となるカーブ」を把握することが該当する。また、請求項2記載の速度取得手段としては、トー角制御処理1におけるS304の処理が該当し、請求項2記載の車両速度検出手段としては、トー角制御処理1におけるS302の処理が該当する。
また、請求項3記載の傾斜状況検出手段としては、トー角制御処理2におけるS401の処理が該当する。また、請求項4記載の相対関係検出手段としては、トー角制御処理3におけるS501,S503の処理が該当する。
また、請求項5記載のアクセル開度検出手段としては、トー角制御処理4におけるS701の処理が該当する。また、請求項6記載のシフト位置検出手段としては、トー角制御処理5におけるS801の処理が該当する。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
また、上記各実施形態では、車両1は4輪の車輪2(2FL〜2RR)を有するものとして構成したが、車両における車輪の総数は4輪に限定されるものではなく、2輪以上(偶数又は奇数)の車輪を有する車両であればよい。
また、上記各実施形態では、左右前輪2FL,2FRにトーイン角θを付与することによって制動力Fを得るように構成したが、左右前輪に限定されず、少なくとも1輪の車輪にトーイン角θを付与して制動力Fを得るような構成であってもよい。例えば、前輪と左右後輪との3輪から構成される車両において、前輪のみにトー角(トーイン又はトーアウト)を付与して制動を図るような構成であってもよい。当然、上記実施形態のように、車両1が有する全ての車輪2(2FL〜2RR)に対してトーイン角θを付与して制動力Fを得るような構成であってもよい。
また、複数の車輪にトーイン角θを付与する場合には、上記各実施形態では左右前輪2FL,2FRのように、対称的な関係にある左右の車輪であることに限定されない。ただし、対称的な関係にある一対の車輪にトー角(トーイン角θ又はトーアウト角)を付与することが、制動時の安定性の点において好ましい。
また、上記各実施形態では、トーイン方向のトー角(トーイン角)を車輪に付与することによって制動力を得る構成としたが、トーアウト方向のトー角を付与して制動を図る構成であってもよい。
また、上記各実施形態では、車両1が直進する際のトー角を0°としたが、車両1が直進する際のトー角が0°以外の初期値に初期設定されている場合には、状況に応じたトー角制御を終了してトー角を元に戻す場合(例えば、第1実施形態のトー角制御処理1(図3参照)におけるS310の処理)において、トーイン角θを0°に設定したが、この値を初期値に戻すような構成にすればよい。
また、上記各実施形態によって説明したトー角制御による制動は、ハンドル51の操作に応じた舵角には依存しない。即ち、車両1が直進する場合であっても、カーブ(旋回)する場合であっても適用可能である。例えば、カーブの走行中には、(ハンドル51の操作に応じた舵角が付与されている状態)において、車輪2の見かけ上の舵角(舵角センサ31によって検出される舵角)は、ハンドル51の操作に応じた舵角と、状況に応じて得られたトーイン角θとの合算値となる。
また、上記各実施形態において説明したトー角制御処理1〜5のいくつかを組み合わせた制御を行ってもよい。この場合、例えば、複数の「車両を制御すべき状況」に対して得られる値(例えば、降坂路の傾斜勾配や、カーブの曲率半径や、前方を走行する車両との相対速度など)を考慮したトー角制御マップを設けておき、実際に得られた値から、トー角制御マップに基づいて、車輪2に付与すべきトー角(トーイン角θ又はトーアウト角)を得るように構成することができる。あるいは、各状況毎に、状況に応じたトー角(トーイン角θ又はトーアウト角)を取得し、その中で最も大きいトー角を選択するような構成としてもよい。
また、上記第2実施形態では、傾斜角センサ46を用いて降坂路の下降傾斜の大きさを判断するように構成したが、地図DB74aの地図データを用いて降坂路の下降傾斜を判断するように構成してもよい。あるいは、付近を走行する車両や周囲の状況などを車載カメラ44による撮像画像や、ミリ波レーダ装置43などのセンサ装置による検出結果などを利用することによって、降坂路の下降傾斜の大きさを判断するような構成であってもよい。
また、上記各実施形態では、制御装置10を搭載する車両1をAT車としたが、MT車に搭載することも当然可能であり、制御装置10をMT車に搭載した場合であっても同様の効果を得ることができる。
本発明の第1実施形態における制御装置が搭載される車両を模式的に示した模式図である。 制御装置の電気的構成を示したブロック図である。 第1実施形態の制御装置で実行されるトー角制御処理1を示すフローチャートである。 第2実施形態の制御装置で実行されるトー角制御処理2を示すフローチャートである。 第3実施形態の制御装置で実行されるトー角制御処理3を示すフローチャートである。 トー角制御マップを示す模式図である。 第4実施形態の制御装置で実行されるトー角制御処理4を示すフローチャートである。 第5実施形態の制御装置で実行されるトー角制御処理5を示すフローチャートである。
符号の説明
10 制御装置
1 車両
2 車輪
2FL 前輪(車輪)
2FR 前輪(車輪)
2RL 後輪(車輪)
2RR 後輪(車輪)
4 アクチュエータ装置(アクチュエータ)
4FL〜4RR FL〜RRアクチュエータ(アクチュエータ)
74a 地図DB(地図データ記憶手段)

Claims (7)

  1. 複数の車輪と、各車輪を独立に操舵駆動するアクチュエータとを備えた車両の制御装置であって、
    前記車両を制動すべき状況であるかを判断する制動状況判断手段と、
    その制動状況判断手段によって前記車両を制動すべき状況であると判断された場合に、該状況に応じた制動力を得るために必要とされる舵角の値を取得する制御トー角取得手段と、
    前記車輪における少なくとも1輪の車輪の舵角を、前記制御トー角取得手段により取得された舵角でトーイン又はトーアウトさせるように前記アクチュエータを作動させるアクチュエータ作動手段とを備えていることを特徴とする制御装置。
  2. 前記車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
    地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
    その地図データ記憶手段に記憶されている地図データと前記現在位置検出手段により検出された現在位置とに基づき、走行中の道路の形状を把握する道路形状把握手段と、
    その道路形状把握手段によって把握された走行中の道路の形状に応じて、速度の上限値を取得する速度取得手段と、
    前記車両の速度を検出する車両速度検出手段とを備え、
    前記制動状況判断手段は、前記車両速度検出手段により検出された速度が、前記速度取得手段により取得された速度を超えた場合に、前記車両を制動すべき状況であると判断することを特徴とする請求項1記載の制御装置。
  3. 前記車両が走行中の道路の傾斜状況を検出する傾斜状況検出手段を備え、
    前記制動状況判断手段は、前記傾斜状況検出手段によって検出された前記傾斜状況が、予め規定された閾値を越えて下降傾斜している場合に、前記車両を制動すべき状況であると判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記車両とその車両の前方を走行する他車との相対的位置関係を検出する相対関係検出手段を備え、
    前記制動状況判断手段は、前記相対関係検出手段により検出された相対的位置関係に基づき、前記車両と前記他車とが予め規定された閾値を越えた速度で近づいている、又は前記車両と前記他車との車間距離が予め規定された閾値以下である場合に、前記車両を制動すべき状況であると判断することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の制御装置。
  5. 前記車両のアクセル開度を検出するアクセル開度検出手段を備え、
    前記制動状況判断手段は、前記アクセル開度検出手段により検出されたアクセル開度が減少した場合に、前記車両を制動すべき状況であると判断することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の制御装置。
  6. 前記車両の変速段の位置を検出するシフト位置検出手段を備え、
    前記制動状況判断手段は、前記シフト位置検出手段によって前記変速段のシフトダウンが検出された場合に、前記車両を制動すべき状況であると判断することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の制御装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の制御装置を備えていることを特徴とする車両。
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