JP2007142141A - 電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電解コンデンサ用の粗面化されたアルミニウム箔に陽極酸化を施す際、減極処理にリン酸水溶液を使用せず、カビ状物質の発生をなくする。
【解決手段】少なくとも陽極酸化工程と、減極処理工程と、修復化成工程とを有する電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法において、
減極処理工程が、少なくともリンを含まない酸性水溶液またはアルカリ性水溶液への浸漬処理を有することを特徴とし、
上記酸性水溶液が、硫酸またはシュウ酸の水溶液であり、上記アルカリ性水溶液が、炭酸ナトリウムまたは水酸化ナトリウムの水溶液であることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも陽極酸化工程と、減極処理工程と、修復化成工程とを有する電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法において、
減極処理工程が、少なくともリンを含まない酸性水溶液またはアルカリ性水溶液への浸漬処理を有することを特徴とし、
上記酸性水溶液が、硫酸またはシュウ酸の水溶液であり、上記アルカリ性水溶液が、炭酸ナトリウムまたは水酸化ナトリウムの水溶液であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法に関するものである。
従来、粗面化されたアルミニウム箔に有機酸による陽極酸化(化成)を施す際、酸化皮膜に生じた欠陥部の閉じた部分を露呈させ、修復するための手段−減極処理−の1つとしてリン酸水溶液への浸漬処理があり、該処理を化成工程の途中で行って、酸化皮膜中の欠陥部を表面に露出させた後、水洗し、再度、所定の電圧まで化成した後、水洗し、乾燥させて、電解コンデンサ用アルミニウム電極箔としていた。
特開2000−021690号公報(第2頁)
永田伊佐也著、「電解液陰極アルミニウム電解コンデンサ」、平成9年2月24日、第2版第1刷、P314
しかしながら、リン酸水溶液浸漬による減極処理を行うと、その後の水洗槽において、カビ状の物質が発生し、箔に付着したまま熱処理されることで、箔への焼き付き、付着物による容量減少という不具合を引き起こす問題があった。
上記のカビ状物質発生に対しては、水洗槽の洗浄を行うことにより対応してきたが、完全に対処することが困難であり、減極処理効果を損なうことなく、カビ状物質の発生を防止する方法が望まれていた。
本発明は、上記課題を解決するもので、少なくとも陽極酸化工程と、減極処理工程と、修復化成工程とを有する電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法において、
減極処理工程が、少なくともリンを含まない酸性水溶液への浸漬処理工程を有することを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法である。
減極処理工程が、少なくともリンを含まない酸性水溶液への浸漬処理工程を有することを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法である。
また、上記酸性水溶液が、硫酸またはシュウ酸の水溶液であることを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法である。
さらに、少なくとも陽極酸化工程と、減極処理工程と、修復化成工程とを有する電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法において、
減極処理工程が、少なくともアルカリ性水溶液への浸漬処理工程を有することを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法である。
減極処理工程が、少なくともアルカリ性水溶液への浸漬処理工程を有することを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法である。
そして、上記アルカリ性水溶液が、炭酸ナトリウムまたは水酸化ナトリウムの水溶液であることを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法である。
有機酸溶液による化成においてリンを含む酸性水溶液を減極処理に用いると、水洗槽にて有機酸とリンによりカビ状物質が発生・成長してしまうが、リンを含まない酸性水溶液、またはアルカリ性水溶液に浸漬し、減極処理することにより、カビ状物質の発生を抑制することができる。その結果、電解コンデンサにおける容量減少を防ぐことができる。
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1−1〜1−6]
粗面化されたアルミニウム箔に、液温80℃、濃度75g/Lのアジピン酸アンモニウム水溶液中で、表1に示す所定の化成電圧を印加して陽極酸化(化成)を行う。
そして、所定の化成電圧に到達後、15〜30分間保持し、水洗後、液温65℃、濃度70g/Lの硫酸水溶液に浸漬する減極処理を行い、水洗した後、再度、上記の化成条件にて化成を行い、所定の化成電圧に到達後、3〜10分間保持し、水洗・乾燥して、アルミニウム電極箔を作製した。
上記の各アルミニウム電極箔について、皮膜耐電圧および静電容量を測定した後、その化成箔を沸騰純水中で60分間浸漬処理し耐水性の評価(煮沸試験)を行った。また、減極処理後の水洗槽におけるカビ状物質の発生の有無についても評価した。
粗面化されたアルミニウム箔に、液温80℃、濃度75g/Lのアジピン酸アンモニウム水溶液中で、表1に示す所定の化成電圧を印加して陽極酸化(化成)を行う。
そして、所定の化成電圧に到達後、15〜30分間保持し、水洗後、液温65℃、濃度70g/Lの硫酸水溶液に浸漬する減極処理を行い、水洗した後、再度、上記の化成条件にて化成を行い、所定の化成電圧に到達後、3〜10分間保持し、水洗・乾燥して、アルミニウム電極箔を作製した。
上記の各アルミニウム電極箔について、皮膜耐電圧および静電容量を測定した後、その化成箔を沸騰純水中で60分間浸漬処理し耐水性の評価(煮沸試験)を行った。また、減極処理後の水洗槽におけるカビ状物質の発生の有無についても評価した。
[実施例2−1〜2−6]
上記の減極処理を、液温65℃、濃度30g/Lのシュウ酸水溶液にて行う以外は、上記実施例1−1〜1−6と同様のアルミニウム箔を用い、同様の化成を行ってアルミニウム電極箔を作製し、測定、評価を行った。
上記の減極処理を、液温65℃、濃度30g/Lのシュウ酸水溶液にて行う以外は、上記実施例1−1〜1−6と同様のアルミニウム箔を用い、同様の化成を行ってアルミニウム電極箔を作製し、測定、評価を行った。
[実施例3−1〜3−6]
上記の減極処理を、液温45℃、濃度5g/Lの炭酸ナトリウム水溶液にて行う以外は、上記実施例1−1〜1−6と同様のアルミニウム箔を用い、同様の化成を行ってアルミニウム電極箔を作製し、測定、評価を行った。
上記の減極処理を、液温45℃、濃度5g/Lの炭酸ナトリウム水溶液にて行う以外は、上記実施例1−1〜1−6と同様のアルミニウム箔を用い、同様の化成を行ってアルミニウム電極箔を作製し、測定、評価を行った。
[実施例4−1〜4−6]
上記の減極処理を、液温30℃、濃度1g/Lの水酸化ナトリウム水溶液にて行う以外は、上記実施例1−1〜1−6と同様のアルミニウム箔を用い、同様の化成を行ってアルミニウム電極箔を作製し、測定、評価を行った。
上記の減極処理を、液温30℃、濃度1g/Lの水酸化ナトリウム水溶液にて行う以外は、上記実施例1−1〜1−6と同様のアルミニウム箔を用い、同様の化成を行ってアルミニウム電極箔を作製し、測定、評価を行った。
(従来例1−1〜1−6)
上記の減極処理を、液温60℃、濃度28g/Lのリン酸水溶液にて行う以外は、上記実施例1−1〜1−6と同様のアルミニウム箔を用いて、同様の化成、測定、評価を行った。
上記の減極処理を、液温60℃、濃度28g/Lのリン酸水溶液にて行う以外は、上記実施例1−1〜1−6と同様のアルミニウム箔を用いて、同様の化成、測定、評価を行った。
上記実施例、従来例の化成箔について、皮膜耐電圧および静電容量を測定した結果を表1に示す。
上記実施例の化成箔を、沸騰純水中で60分間浸漬処理した後、一定電流印加時における皮膜耐電圧までの到達時間を測定した結果、および減極処理後の水洗槽におけるカビ状物質の発生状況を表2に示す。
ここで、カビ状物質の発生状況は、30日経過後に調査した。
ここで、カビ状物質の発生状況は、30日経過後に調査した。
表1から明らかなように、リン酸水溶液の代わりに、硫酸、シュウ酸、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム水溶液による減極処理を行った場合、皮膜耐電圧および静電容量に差がないことが確認できた。
また、表2から明らかなように、リン酸水溶液の代わりに、硫酸、シュウ酸、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムの水溶液による減極処理を行った場合、カビ状物質の発生がなく、皮膜の耐水性(煮沸試験結果)に差がないことが確認できた。
Claims (4)
- 少なくとも陽極酸化工程と、減極処理工程と、修復化成工程とを有する電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法において、
減極処理工程が、少なくともリンを含まない酸性水溶液への浸漬処理を有することを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法。 - 上記酸性水溶液が、硫酸またはシュウ酸の水溶液であることを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法。
- 少なくとも陽極酸化工程と、減極処理工程と、修復化成工程とを有する電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法において、
減極処理工程が、少なくともアルカリ性水溶液への浸漬処理を有することを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法。 - 上記アルカリ性水溶液が、炭酸ナトリウムまたは水酸化ナトリウムの水溶液であることを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法。
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02174213A (ja) * | 1988-12-27 | 1990-07-05 | Elna Co Ltd | 電解コンデンサ用アルミニウム箔の化成方法 |
JPH0774055A (ja) * | 1993-06-17 | 1995-03-17 | Elna Co Ltd | 電解コンデンサおよびそのタブ端子 |
JPH1032146A (ja) * | 1996-07-16 | 1998-02-03 | Nichicon Corp | アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法 |
JP2000021690A (ja) * | 1998-06-30 | 2000-01-21 | Rubycon Corp | アルミニウム電解コンデンサ及びその製造方法並びにアルミニウム電解コンデンサ用電極箔及びその製造方法 |
-
2005
- 2005-11-18 JP JP2005333688A patent/JP2007142141A/ja active Pending
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