JP2007141520A - 電極材料およびその利用 - Google Patents

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Abstract

【課題】よりよい電池性能を実現する二次電池を構築可能な電極材料および該電極材料を用いた二次電池を提供すること。
【解決手段】所定のイオン1を電荷担体とする二次電池の構築に用いられる電極材料が提供される。該電極材料は、電子伝導性材料により形成された多数のカプセル型構造体20を有する。その構造体20の内部24は、所定サイズの開口部22を通じて外部に開放されている。開口部22のサイズは、電荷担体イオン1が開口部22を通じて構造体20の内部24に出入りすることを許容し、かつ、二次電池の電解液を構成する溶媒分子2が構造体20の内部24に進入することを実質的に阻止し得るサイズである。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池用の電極材料に関する。また、該電極材料を備える二次電池用電極および二次電池に関する。
所定の電荷担体イオンが電極に吸蔵および放出されることにより充電および放電を行う二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)が知られている。このタイプの電池では、正極および負極の少なくとも一方の構成材料として、電子伝導性材料により構成された構造体であってその隙間(内部および/または複数の構造体の間)に電荷担体イオンが出入りし得る構造体を有する電極材料(電極活物質)を好ましく利用し得る。例えば、充電によって電荷担体たるカチオンを隙間に吸蔵(収容)し、放電の際には前記吸蔵されたカチオンを隙間から放出し得る構造体を備えた電極材料は、上記カチオンの吸蔵・放出を繰り返すことで負極活物質としての機能を果たし得る。また、例えば、充電によって電荷担体たるアニオンを隙間に吸蔵(収容)し、放電の際には前記吸蔵されたアニオンを隙間から放出し得る構造体を備えた電極材料は、上記アニオンの吸蔵・放出を繰り返すことで正極活物質としての機能を果たし得る。あるいは、正極または負極を構成する構造体が遷移金属のように酸化還元し得る(すなわち価数変化し得る)物質を含む場合には、電荷担体イオンの極性とは無関係に、該構造体の価数の増減によって、該イオンを正極または負極の構造体の隙間に吸蔵(収容)し、該隙間から放出することにより、電極活物質としての機能を果たすことができる。
電荷担体イオンを吸蔵および放出することにより電極活物質として機能し得る材料として、グラファイト(黒鉛)あるいはソフトカーボン等のようにグラフェン(graphene)シートからなる層構造を主体とする炭素質材料や、ハードカーボンのように上記層構造と非晶質部分とが混在した炭素質材料等が例示される。例えばリチウムイオン二次電池の分野では、このような炭素質材料を負極用の電極材料(負極活物質)に利用することが従来から広く検討されている。
一方、グラファイト構造の外壁により形成されたカーボンナノチューブは、中空構造を有しかつ電子伝導性を示し得ることから、これを二次電池の電極活物質として利用しようとする試みもなされている。典型的な利用形態は、充電時にはカーボンナノチューブの中空部に電荷担体イオンを収容(吸蔵)し、放電時には該中空部にある電荷担体イオンをカーボンナノチューブから放出することにより、該ナノチューブを電極活物質として機能させようとするものである。例えば特許文献1には、非水電解液二次電池の負極活物質として、酸化反応により一端を開裂させたカーボンナノチューブを含有する炭素質材料を用いる技術が記載されている。端部を開放したカーボンナノチューブを負極構成材料として利用することに関する他の従来技術文献として特許文献2および3が挙げられる。
特開平7−14573号公報 特開平10−125321号公報 特開平9−45312号公報
このようにカーボンナノチューブの電極活物質としての利用に期待が寄せられる背景には以下のような事情がある。
現在、携帯電話等の電源に用いられている二次電池は、リチウムイオンを電荷担体とするリチウムイオン二次電池である。該電池の負極活物質には主としてグラファイト(黒鉛)が用いられ、正極活物質には主としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)が用いられている。かかる構成のリチウム二次電池の充放電に伴う反応は、以下の反応式により表されるものと考えられている。なお、下記式(1)〜(3)において左辺から右辺に進む反応が充電時の反応であり、逆に右辺から左辺に進む反応が放電時の反応である。
上記式(1)からわかるように、グラファイトが吸蔵し得るリチウムイオンの量(蓄電量)は、該グラファイトを構成するカーボン(C)6個に対してリチウムイオン(Li+)1個の割合が理論上の上限である。この関係から、電極活物質としてグラファイトを用いる場合には、該活物質の重量エネルギー密度の上限は372mA/g(理論値)と算出される。
一方、ハードカーボンのように非晶質部分を含む炭素質材料は、グラフェンシートの層間以外の部分にもリチウムイオンを吸蔵し得るとされ、グラファイトの理論容量を超える重量エネルギー密度を実現する電極活物質となり得るものと考えられている。しかし、この炭素質材料を電極活物質に用いた二次電池においても重量エネルギー密度の飛躍的な向上は未だ達成されず、あるいは実用化の過程で解決すべき課題が残されており製品化に至った例は少ない状況にある。
カーボンナノチューブの内部(中空部)には、グラファイトの層間とは異なる態様で、より多くのリチウムイオンが吸蔵され得るものと期待される。したがって、カーボンナノチューブを電極活物質に利用することにより、グラファイトの理論値を大幅に超える重量エネルギー密度が実現される可能性がある。
しかし、上記特許文献1〜3に記載された構成は、充放電性能(例えば、初期における不可逆容量)や耐久性等の電池性能の点で満足できるものではなかった。特に、従来の一般的なリチウムイオン二次電池と同等の電池電圧(例えば3〜4V程度)の範囲で安定して充放電を繰り返すことは困難であった。
本発明の一つの目的は、所定の電荷担体イオンが電極に吸蔵および放出されることにより充電および放電を行う二次電池用の電極材料であって、よりよい電池性能を実現する二次電池を構築可能な電極材料を提供することである。本発明の他の一つの目的は、かかる電極材料を用いて構築された二次電池を提供することである。さらに、上記電極材料を効率よく製造する方法を提供することである。
カーボンナノチューブが電極活物質としての性能を十分に発揮するためには、該カーボンナノチューブへの電荷担体イオンの吸蔵および/または放出が適切に行われる必要がある。例えば、カーボンナノチューブを含む負極活物質を備えるリチウムイオン二次電池において、該活物質に吸蔵されたリチウムイオンの一部が不溶性のリチウム塩を生じて析出する現象が知られている。かかる事象の発生は、不可逆容量(特に、初期不可逆容量)の増大、可逆容量の減少、サイクル特性の低下等の不具合を引き起こす一つの要因となり得る。当該析出したリチウム塩に相当する分量のリチウムイオンは、もはや充放電に寄与し得なくなるためである。
本発明者は、電荷担体イオン(例えば、リチウムイオン二次電池ではリチウムイオン)がカーボンナノチューブの内外を行き来する際の出入口(開口部)のサイズを的確に規定することによって、電荷担体イオンの吸蔵および放出を適切に行わせ得ることを見出した。さらに、電子伝導性材料により形成された多数のカプセル型構造体を有する電極材料であれば、該構造体がカーボンナノチューブである場合に限定されることなく、同様の技術思想に基づいて電荷担体イオンの出入口のサイズを規定することにより同様の作用効果が奏されることを見出して本発明を完成した。
すなわち、ここに開示される一つの発明は、所定のイオンを電荷担体(charge carrier)とする二次電池を構築するために用いられる電極材料に関する。その電極材料は、電子伝導性材料により形成された多数のカプセル型構造体を有する。該構造体の内部は所定サイズの開口部を通じて外部に開放されている。ここで、前記開口部のサイズは、前記電荷担体イオン(charge carrier ion)が該開口部を通じて前記構造体の内部に出入りすることを許容し、かつ、前記二次電池の電解液を構成する溶媒分子が前記構造体の内部に進入することを実質的に阻止し得るサイズである。
このような電極材料は、前記開口部を通じてカプセル型構造体の内部に電荷担体イオンを吸蔵し、また該構造体の内部から前記電荷担体イオンを放出することにより、二次電池の電極活物質としての機能を果たすことができる。一方、前記開口部のサイズは、該開口部から電解液の溶媒分子が前記構造体の内部に入り込むことを阻止するように規定されているので、該構造体の内部で前記溶媒分子が好ましからざる副反応(換言すれば、電荷担体イオンの適切な吸蔵および放出を妨げる要因となり得る反応)を起こす事態が未然に回避され得る。このことによって電荷担体イオンの吸蔵および放出をより適切に行わせることができる。かかる構造体を有する電極材料を用いて構築された二次電池によると、よりよい電池性能(例えば充放電特性)が実現され得る。したがって、該電極材料は、電荷担体イオンが電極(電極活物質)に吸蔵および放出されることにより充放電を行う二次電池の電極を構成する材料として有用なものであり得る。
前記開口部のサイズは、前記溶媒分子のファンデルワールス半径の二倍よりも小さいサイズであることが好ましい。このことによって、前記構造体の外部にある溶媒分子が、電荷担体イオンに溶媒和している状態、二分子以上が会合している状態、および単独で存在している状態等のいずれの状態にあるとしても、該溶媒分子が前記開口部から前記構造体の内部に進入することを効果的に阻止し得る。したがって、該構造体への電荷担体イオンの吸蔵および放出をより適切に行わせることができる。
好ましい一つの態様では、前記開口部のサイズは、前記電解液の支持塩を構成するイオンのうち前記電荷担体イオンとは逆極性のイオンが前記構造体の内部に進入することを実質的に阻止し得るサイズである。このような開口部サイズとすることにより、前記逆極性のイオン(前記支持塩が電荷担体イオンの塩である場合には、該電荷担体イオンのカウンターイオン)が前記構造体の内部で好ましからざる副反応を起こす事態が未然に回避され得る。このことによって、該構造体への電荷担体イオンの吸蔵および放出をより適切に行わせることができる。
より好ましくは、前記開口部のサイズが、前記電解液の支持塩を構成するイオンのうち前記電荷担体イオンとは逆極性のイオンのイオン半径の二倍よりも小さいサイズである。このことによって、該逆極性のイオンが前記構造体の内部に進入することをより効果的に阻止することができる。
ここに開示される電極材料の好ましい一つの態様では、前記カプセル型構造体の形状がチューブ状である。そして、該チューブ状構造体の長手方向の少なくとも一方の端部に前記開口部が形成されている。このような形状を呈する構造体の端部は、例えば該構造体の側面に比べて、該構造体の外部にある電荷担体イオンの接近および離隔が容易な傾向にある。したがって、該構造体の端部に設けられた開口部によると、電荷担体イオンの吸蔵および放出をより効率よく行うことができる。
なお、ここで「端部」とはチューブ形状の端末およびその近傍をいい、長手方向の最も端の箇所(典型的には端面)に限定されない。例えば、該カプセル状構造体がカーボンナノチューブである場合、ほぼ同径に成長した筒状部分が縮径し始める(典型的には、該カーボンナノチューブの壁面を構成するグラファイト構造において6員環に5員環が混ざることにより実現される。)部分から該筒が閉じる部分(最も端の箇所)までの範囲は、ここでいう「端部」の概念に含まれ得る。
好ましい他の一つの態様では、前記カプセル型構造体の形状がチューブ状であって、それらの構造体が高配向に配置されている。このように構造体の向きがよく揃った電極材料によると、電荷担体イオンの吸蔵および脱離をより効率よく行うことができる。前記構造体の特定の箇所(例えば端部)に開口部が設けられている場合には、それらの構造体が高配向に配置された構成とすることによる効果が特によく発揮され得る。
前記構造体は密集して配置されていることが好ましい。このことによって、単位体積当たりの電池容量の向上、該構造体(ひいては電極材料)の耐久性向上、該構造体の変形防止、該構造体を有する電極材料を用いて構築された二次電池における充放電性能の向上、等のうち一または二以上の効果が実現され得る。かかる観点から、例えば上述のようにチューブ状のカプセル型構造体が高配向に配置された電極材料では、それらの構造体が幅方向(チューブの径方向)に密集して配置されていることが好ましい。
ここに開示される電極材料の好ましい一つの態様では、前記構造体が電子伝導可能な基材に保持されている。かかる態様の電極材料は取扱性および耐久性に優れる。例えば、このような電極材料を用いて構築された二次電池において、充放電の繰り返し等によって該電極材料を構成する構造体が電解液中に散逸したり、それらの構造体の配置(例えば、高配向かつ高密度の配置)が当初の状態から乱れたりすることが抑制され得る。
ここに開示される電極材料におけるカプセル型構造体の特に好適な一例として、カーボンナノチューブにより構成された構造体が挙げられる。例えば、カーボンナノチューブの少なくとも一方の端部(先端部)に上述のような所定サイズの開口部が設けられた態様の構造体が好ましい。
好ましい一つの態様では、前記カーボンナノチューブが、炭化ケイ素(SiC)の表面分解により形成されたカーボンナノチューブである。このようにして形成されたカーボンナノチューブは、炭化ケイ素基材上に高配向かつ高密度に配置された(成長した)ものであり得る。したがって、かかるカーボンナノチューブ(カプセル型構造体)を有する電極材料は、取扱性および耐久性に優れたものであり得る。また、該電極材料は、良好な電池特性(例えば充放電特性)を示す二次電池を構築するのに適した材料であり得る。
ここに開示される電極材料は、例えば、リチウムイオンを電荷担体とする二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)の構築に用いられる電極材料として好ましく利用され得る。かかる用途向けの電極材料においては、前記開口部の開口直径を0.15nm以上0.6nm以下とすることが好ましい。開口部のサイズを上記範囲とすることによって、該開口部を通じてカプセル型構造体(例えばカーボンナノチューブ)にリチウムイオンが出入りすることを許容し、かつ、リチウムイオン二次電池の分野において汎用の電解液溶媒が前記構造体の内部に進入することを適切に阻止することができる。
上述したいずれかの電極材料は、例えば、負極の構成材料として好適に使用され得る。したがって、本発明の他の側面として、上述したいずれかの電極材料を負極構成材料(例えば負極活物質)として使用する方法が提供される。
ここに開示される他の一つの発明は、上述したいずれかの電極材料を備える電極を正極および負極の少なくとも一方に用いて構築された二次電池である。かかる電極材料によると、電荷担体イオンの吸蔵および放出を適切に行うことができる。したがって、該材料を備えた電極を用いて(好ましくは負極に用いて)構成された二次電池によると、よりよい電池性能(例えば充放電特性)が実現され得る。
上記二次電池の好ましい一つの態様では、前記電極材料を構成する前記カプセル型構造体がチューブ状であって、該チューブ状構造体が高配向に配置されている。その配向方向は、該電極材料を有する電極からその対極に向かう方向と略一致する方向である。そして、該構造体の少なくとも前記対極側の端部に前記開口部が設けられている。
かかる構成の二次電池によると、前記電極材料を有する電極(例えば負極)からその対極(例えば正極)に向かって前記構造体が配向していること、および、該構造体への電荷担体イオンの出入口が前記対極側(例えば正極側)の端部に設けられていることにより、前記電荷担体イオンが両極間を効率よく移動することができる。このことによって、よりよい電池性能が実現され得る。
ここに開示される他の一つの発明は、所定のイオンを電荷担体とする二次電池の構築に用いられる電極材料であって、電子伝導性材料により形成された多数のカプセル型構造体を含み、該構造体の内部が開口部を通じて外部に開放された電極材料を製造する方法に関する。その製造方法は、前記カプセル型構造体の内部を外部に開放するために該構造体が備えるべき開口部のサイズを決定することを含む。また、その決定されたサイズの開口部を備えるカプセル型構造体を製造することを含む。ここで、前記開口部のサイズは、前記電荷担体イオンが該開口部を通じて前記構造体の内部に出入りすることを許容し、かつ、前記二次電池の電解液を構成する溶媒分子が前記構造体の内部に進入することを実質的に阻止し得るように決定される。
かかる方法では、電荷担体イオンの出入りを許容し、かつ溶媒分子の進入を阻止するという観点から開口部のサイズを決定し、その決定されたサイズの開口部を有するカプセル型構造体を製造することにより、電荷担体イオンの吸蔵および放出をより適切に行い得る電極材料を、より効率よく製造することができる。この製造方法は、例えば、上述したいずれかの電極材料を製造する方法として好適に採用され得る。
前記電極材料製造方法の好ましい一つの態様では、前記決定されたサイズの開口部を備えるカプセル型構造体を製造することが、電子伝導性材料により形成された多数の閉カプセル型の構造体を含む原電極材料を用意することと、その閉カプセル型構造体に前記決定されたサイズの開口部を形成することを包含する。
かかる方法では、まず閉カプセル型構造体(典型的には、電荷担体イオンの出入りが可能な大きさの開口を有しないカプセル型構造体)を含む原電極材料を用意し、その閉カプセル型構造体に前記決定されたサイズの開口部をに形成する。これにより、電荷担体イオンの吸蔵および放出をより適切に行い得る電極材料を、より効率よく製造することができる。例えば、開口部のサイズをよりよく制御することができる。なお、原電極材料は、閉カプセル型構造体に加えて、前記決定されたサイズの開口部を有するカプセル型構造体を含んでいてもよい。
なお、ここに開示される電極材料製造方法には、あらかじめ形成された閉カプセル型構造体に前記決定されたサイズの開口部を形成する態様の他、例えば、カプセル型構造体を形成する途中で開口部を設ける態様も含まれ得る。この場合、前記開口部は、最終的に形成されたカプセル型構造体において前記決定されたサイズとなるように設けられればよい。したがって、例えば、開口部のサイズを前記決定されたサイズに維持しつつカプセル型構造体を成長させてもよく、あるいは開口部のサイズが前記決定されたサイズとなるように調整しつつカプセル型構造体を成長させてもよい。
上記電極材料製造方法は、他の側面として、該電極材料の設計方法としても把握され得る。すなわち、ここに開示される技術には、前記カプセル型構造体の内部を外部に開放するために該構造体が備えるべき開口部のサイズを決定することと、その決定されたサイズの開口部を備えるカプセル型構造体を製造することとを含む電極材料設計方法が含まれる。ここで、前記開口部のサイズは、前記電荷担体イオンが該開口部を通じて前記構造体の内部に出入りすることを許容し、かつ、前記二次電池の電解液を構成する溶媒分子が前記構造体の内部に進入することを実質的に阻止し得るように決定される。
かかる設計方法の好ましい一つの態様は、電子伝導性材料により形成された多数の閉カプセル型構造体を含む原電極材料を用意することと、その閉カプセル型構造体の内部を外部に開放するために該構造体に形成すべき開口部のサイズを決定することと、前記閉カプセル型構造体にその決定されたサイズの開口部を形成することとを含み得る。前記開口部のサイズは、前記電荷担体イオンが該開口部を通じて前記構造体の内部に出入りすることを許容し、かつ、前記二次電池の電解液を構成する溶媒分子が前記構造体の内部に進入することを実質的に阻止し得るように決定される。
また、ここに開示される技術には、さらに、上述したいずれかの電極材料(または、上記製造方法あるいは設計方法を適用して製造された電極材料)を用意することと、該電極材料を用いて二次電池を構築することとを含む、二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)の製造方法が含まれる。
なお、ここに開示される電極材料または該電極材料を用いた電池により実現される充電放電の機構は、電気二重層キャパシタにおける機構とはその特性において大きく異なる。すなわち、電気二重層キャパシタでは、定電流充電をすると電圧は直線的に上昇するため、該電圧は電解液および/または電解質塩の分解電圧を容易に超え、このことによって電解液および/または電解質塩の分解が生じ、充電放電を行うことができなくなる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、電解液の調製方法や充填方法、電池の封止方法等の、二次電池の構築に関する一般的事項)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここに開示される技術は、種々のイオンを電荷担体とする二次電池または該二次電池を構築するための電極材料に適用され得る。該電荷担体イオンは、例えば、リチウムイオン(Li+,イオン半径0.073nm)、ナトリウムイオン(Na+,同0.113nm)、カリウムイオン(K+,同0.152nm)等の一価のカチオン;マグネシウムイオン(Mg2+,イオン半径0.071nm)、カルシウムイオン(Ca2+,同0.114nm)、チタニウムイオン(Ti2+,同0.100)等の二価のカチオン;アルミニウムイオン(Al3+,イオン半径0.053nm)等の三価のカチオン;等であり得る。また、フッ素イオン(F-,イオン半径0.119nm)、塩素イオン(Cl-,同0.167nm)、臭素イオン(Br-,同0.182nm)等のアニオンであってもよい。
好ましい一つの態様では、前記電極材料が、充電時に電荷担体たるカチオンを吸蔵し、放電時には該カチオンを放出する負極材料(負極活物質)として用いられる。かかる態様の電極材料(負極材料)または該材料を用いて構築された二次電池によると、ここに開示される構成の適用効果が特によく発揮され得る。上記電荷担体カチオンとしてはイオン半径が比較的小さいものが好ましい。また、充電時の還元電位の下でも還元され難い(換言すれば、イオン化傾向の大きい)カチオンが好ましい。かかる観点から特に好ましく選択される電荷担体としてリチウムイオンが挙げられる。
以下、主として電荷担体がリチウムイオンである場合につき説明するが、本発明における電荷担体をリチウムイオンに限定する意図ではない。
また、ここに開示される技術は、各種組成の電解液を備えた二次電池または該二次電池を構築するための電極材料に適用され得る。例えば、非水系溶媒を含む電解液(典型的には、非水系溶媒に支持塩を溶解させた電解液)を備えた二次電池およびその電極材料に好ましく適用され得る。上記非水系溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル;ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状炭酸エステル;γーブチロラクトンのような環状カルボン酸エステル;メチルアセテートのような鎖状カルボン酸エステル;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等の環状エーテル;1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等の鎖状エーテル;等を例示することができる。これらのうち一種のみを使用してもよく、二種以上の混合溶媒を使用してもよい。好ましい電解液組成の一例として、環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルとの混合溶媒に支持塩(例えば、リチウムイオン二次電池の電解液であれば、該電解液を構成する溶媒に溶解可能なリチウム塩が好ましく用いられる。)を溶解させた組成の電解液が挙げられる。
ここに開示される電極材料は、多数のカプセル型構造体を含む。該カプセル型構造体の全体形状(外形)は、前記電荷担体イオンを吸蔵(収容)可能な中空部を形成するものであればよく、特に限定されない。例えば、中空の球状、一軸方向にやや引き伸ばされた球状(鶏卵状、ラグビーボール状等)、一軸方向にやや圧縮された球状、チューブ状(軸に垂直な断面形状が円形、楕円形、長円形、多角形等の各種形状であり得る。)、中空の円錐状または角錐状等の形状であり得る。あるいは、不規則な外形を有するカプセル型構造体であってもよい。好ましい一例としてチューブ状のカプセル型構造体が挙げられる。該チューブの外形は全体として直線状であることが好ましいが、湾曲した部分および/または折れ曲がった部分を有していてもよい。
ここに開示される電極材料は、このようなカプセル型構造体が電子伝導可能な基材に保持された形態であり得る。典型的には、該基材のうち少なくとも該構造体を保持する表面が電子伝導性材料により構成されている。前記カプセル型構造体は、かかる基材に化学結合していてもよく、あるいは単に機械的に保持されていてもよい。例えば、チューブ状の構造体の一方の端部が基材に保持された形態の電極材料であり得る。それらの構造体が基材表面に高配向で密集して配置されていることが好ましい。上記構造体の配向方向が基材表面に対してほぼ垂直な方向である電極材料がさらに好ましい。
上記構造体の内部(中空部)は、所定のサイズの開口部を通じて外部に開放されている。その開口部のサイズは、前記電荷担体イオンが該開口部から前記構造体の内部に入ること、および、該イオンが前記開口部から前記構造体の外部に出ることを許容し得る(換言すれば、前記開口部を電荷担体イオンが通過し得る)ように規定されている。例えば、該開口部の開口形状が概ね円形である場合には、その円の直径(すなわち開口部の直径)が電荷担体イオンのイオン半径の2倍(例えば、リチウムイオンでは0.146nm)と同等以上であれば該イオンの出入りを許容し得る。円で近似することが困難な開口形状の開口部の場合には、例えば、該開口部に内接する円の直径が電荷担体イオンのイオン半径の2倍と同等以上であれば、該電荷担体イオンが該開口部を通過することができる。上記構造体の強度および耐久性等の観点から、通常は、該開口部の形状が概ね円形であることが好ましい。
また、上記開口部のサイズは、前記二次電池の電解液を構成する溶媒分子が前記構造体の内部に進入することを実質的に阻止し得るように規定されている。
ここで、上記電解液に含まれる溶媒分子は、(1)電荷担体イオンに溶媒和している状態(電荷担体イオンと該イオンに溶媒和している溶媒分子とが緩い集合体を形成している状態)、(2)二以上の溶媒分子が会合している状態(二分子以上の溶媒分子が緩い集合体を形成している状態)、(3)単独で存在している状態(該溶媒分子が特に溶媒和や会合に関与していない状態)等であり得る。上記(1)の状態にある溶媒分子は電荷担体イオンとともに移動しようとする。前記構造体に電荷担体イオンを吸蔵させる際(充電時)、該構造体の開口部のサイズが適切に規定されていないと、電荷担体イオンに溶媒和した溶媒分子が該イオンと一緒に前記構造体の内部に進入してしまうこととなる。
このような状態を、該電極材料をリチウムイオン二次電池の負極に用いる場合を例として、図4に模式的に示す。符号1は電荷担体たるリチウムイオン、符号2は該イオンに溶媒和している溶媒分子(通常は、一つのリチウムイオンに対して複数の溶媒分子が溶媒和している。)、符号3はリチウムイオン1と該イオンに溶媒和した溶媒分子2との集合体(すなわち、溶媒和した状態にあるリチウムイオン;以下、リチウムイオンと該リチウムイオンに溶媒和した溶媒分子との集合体を「溶媒和イオン」ということもある。)である。負極用の電極材料を構成するチューブ状構造体220は、該チューブの末端に設けられた開口部222を通じて外部に開放されている。その開口部222のサイズは、溶媒和イオン3がそのまま通過可能なサイズである。このため、充電電圧の印加によりリチウムイオン1が構造体220に静電的に引き寄せられる際、該リチウムイオン1は溶媒和した状態のままで(すなわち、該イオン1に溶媒和している溶媒分子2を伴って)構造体220の内部224に容易に進入することができる。したがって、充電によって、溶媒和イオン3が構造体220の内部224に取り込まれる。
チューブ状構造体の内部に取り込まれた溶媒分子は、リチウムイオンの適切な吸蔵および放出を妨げる要因となり得る反応を引き起こし得る。例えば、充電時の還元電位によって構造体の内部で溶媒分子の一部が分解され得る。特に、従来の一般的なリチウムイオン電池と同等の電池電圧(例えば3〜4V程度)が得られるように充電を行う場合には、より低い電池電圧で充放電を行う場合に比べて溶媒分子の分解がより起こりやすくなる傾向にある。その溶媒分子の分解生成物がリチウムイオンと反応し、不溶性のリチウム塩を生じて析出すると、電荷担体として機能し得るリチウムイオンの総量が減少するため充放電特性が低下する。また、該析出したリチウム塩によってリチウムイオンの円滑な移動が妨げられ得る。さらに、溶媒分子が分解されてガスが生じることがある。例えば、リチウムイオン二次電池の電解液として用いられる代表的な溶媒では、還元分解によってエタン(C24)、炭酸ガス(CO2)等のガスが発生し得る。かかる分解ガスが構造体220の内部に滞留すると、リチウムイオンの移動が顕著に妨げられる不具合が生じる。
これに対して、例えば図1に示すカプセル状構造体20では、その末端20Aに設けられた開口部22のサイズが、溶媒分子2で溶媒和した状態にあるリチウムイオン3は通過できず、かつ、単独の状態にある(溶媒和していない)リチウムイオン1は通過し得るサイズに規定されている。典型的には、該開口部22のサイズが、リチウムイオン1のイオン半径の二倍よりも大きく、かつ、溶媒和した状態にあるリチウムイオン3のファンデルワールス半径の二倍よりも小さいサイズである。かかるサイズの開口部22を有する構造体20によると、充電時の静電力によって構造体20の開口部22に引き付けられる溶媒和イオン3から、該イオン3を構成するリチウムイオン1を単独で(すなわち、該イオン3を構成する溶媒分子2から分離して)構造体20の内部24に進入させることができる。これにより、溶媒和イオン3を構成する溶媒分子2を該開口部22の外部に残しつつ(符号4は、外部に取り残された溶媒分子を表している。)、該イオン3を構成するリチウムイオン1を構造体20の内部24に取り込むことができる。すなわち、開口部22のサイズを利用してリチウムイオン1と溶媒分子2とを篩い分けることができる。その結果、構造体20の内部に進入した溶媒分子に起因する上述の事象(溶媒分子の還元分解、リチウム塩の析出、分解ガスの滞留等)の発生が防止される。
上記(2)の状態(二以上の溶媒分子が会合している状態)にある溶媒分子は、電荷担体イオンを含まないことから、通常、上記(1)の状態にある溶媒分子ほど強くカプセル状構造体に引き付けられることはない。したがって、少なくとも上記(1)の状態にある溶媒分子の進入を阻止し得るサイズの開口部とすることによって、上記構造体内部への電解液の取り込みが効果的に防止され得る。また、上記(2)の状態(二以上の溶媒分子が会合している状態)にある溶媒分子の進入をも阻止し得るサイズの開口部とすることにより、溶媒分子の進入をより高度に防止することができる。
また、上記(3)の状態にある溶媒分子(単独の溶媒分子)の進入をも阻止し得るサイズの開口部とすることにより、該開口部の溶媒分子の進入をさらに高度に防止することができる。例えば、開口部のサイズ(概ね円形の開口部では該円の直径)を、溶媒分子のファンデルワールス半径の二倍よりも小さいサイズにするとよい。
各種溶媒分子のファンデルワールス半径の値としては、公知文献に記載された値を採用することができる。あるいは、溶媒の分子量、密度およびアボガドロ数から該溶媒の一分子当たりの体積を求め、溶媒分子の形状を真球状とみなして該溶媒分子の直径を算出し、その値をファンデルワールス半径の二倍に代えて採用してもよい。なお、文献によればプロピレンカーボネートのファンデルワールス半径は0.276nmであり、その二倍(すなわち直径)は0.552nmである。一方、溶媒の分子量、密度およびアボガドロ数から算出したプロピレンカーボネートの直径(計算値)は0.646nmである。また、γーブチロラクトンのファンデルワールス半径(文献値)を二倍して得られた直径は0.556nmであり、上記計算値は0.624nmである。該計算値は、エチレンカーボネートについては0.597nm、ジメチルカーボネートについては0.645nm、ジエチルカーボネートについては0.748nmと算出される。
ここに開示される二次電池の電解液としては、上述のような溶媒(典型的には非水系溶媒)に、支持塩として電荷担体イオン(典型的にはカチオン、例えばリチウムイオン)とその対イオン(すなわち、電荷担体イオンがリチウムイオン等のカチオンである場合にはアニオン)との塩が溶解されたものが好ましく使用され得る。好ましい一つの態様では、上記開口部のサイズが上記対イオンの進入をも阻止し得るサイズである。かかる態様は、例えば、上記電極材料が負極用の電極材料である場合に好適である。一般に、溶媒分子に比べて上記対イオン(例えばアニオン)は電気化学的に安定な傾向にあるが、該対イオンの進入を防ぐことによって、その進入時あるいは上記構造体の内部における副反応(還元分解等)をより高度に抑制することができる。
電荷担体イオンがカチオン(例えばリチウムイオン)である場合、上記対イオンは、例えばBF4 -,PF6 -,ClO4 -,AsF6 -,SbF6 -,NbF6 -,TaF6 -等の無機アニオンであり得る。これらのうち好ましい例としてBF4 -,PF6 -が挙げられる。また、該対イオンは、Cn2n+1SO3 -(n=1〜8)、(Cx2x+1SO2)(Cy2y+1SO2)N-(x,y=1〜8)、(Cn2n+1CH2OSO22-(n=1〜2)、(C6x5-x4-(x=0〜4)、(O26x4-x2-(x=0〜4)等の一般式で表される有機アニオンであり得る。これらのアニオンのうちいくつかについてイオン半径の二倍(すなわち直径)の値を例示すれば、以下のとおりである。BF4 -=0.458nm、PF6 -=0.508、ClO4 -=0.474、AsF6 -=0.520nm、CF3SO3 -=0.540nm、(CF3SO22-=0.650nm。
これらの値を概観しつつ、電荷担体がリチウムイオンである場合について、開口部のサイズの好ましい範囲およびその決定方法の好適例を説明する。
すなわち、上記構造体の内部に溶媒分子が進入することを阻止する効果を発揮するためには、開口部のサイズを、少なくとも溶媒和した状態のリチウムイオン(リチウムイオンと該イオンに溶媒和した溶媒分子との集合体)と同等以下のサイズとすることが好ましい。また、該開口部のサイズは、溶媒分子の会合体と同等以下のサイズであることが好ましい。通常、電解液を構成する溶媒分子の多くは3分子またはそれ以上が会合した会合体の状態で存在する。一分子の溶媒の直径(ファンデルワールス半径の二倍または上記計算値を採用し得る。)が例えば0.6nm程度である場合、その3分子からなる会合体の直径は概ね1.2nmとなる。したがって、開口部のサイズ(直径)を1.2nm程度またはそれよりも小さくすることが好ましい。なお、リチウムイオンと該イオンに溶媒和した溶媒分子との集合体のサイズは、該溶媒の会合体のサイズよりも大きい傾向にある。
溶媒分子の進入をより高度に阻止するためには、開口部のサイズを該溶媒分子のファンデルワールス半径の二倍程度またはそれ以下(より好ましくは、該ファンデルワールス半径の1.8倍程度またはそれ以下)とすることが適当である。例えば、上述のような非水形溶媒またはこれと同程度のファンデルワールス半径を有する溶媒を用いた電解液を備える二次電池に使用される電極材料であれば、開口部のサイズを概ね0.6nm以下とすることが好ましく、0.55nm以下とすることがより好ましい。
支持塩を構成する対イオン(電荷担体イオンとは逆極性のイオン)の進入を阻止するためには、開口部のサイズを該対イオンのイオン半径の二倍程度またはそれ以下とすることが適当である。例えば、支持塩の対イオンがBF4 -である電解液を備える二次電池に使用される電極材料(典型的には、負極用の電極材料)であれば、開口部のサイズを概ね0.46nm以下とすることが好ましい。
一方、開口部のサイズが小さすぎると、リチウムイオンが該開口部を通過(通り抜け)できないか、あるいは該通過に対する障壁が大きくなり、このことが充電に要するエネルギーに反映されて、より高い充電電圧を要するようになる。該充電電圧がリチウム金属の析出電圧を上回ると、リチウムイオンが開口部から前記構造体の内部に進入する代わりに、該構造体の表面で金属リチウムとして析出してしまう。すると、負極に金属リチウムを用いる金属リチウム二次電池の場合と同様に、リチウムデンドライトの発生により充放電の繰り返しができなくなる。したがって、リチウムイオンの出入り(通過)を許容するために、開口部のサイズは少なくとも0.146nm(イオン半径の二倍)以上とすることが適当である。リチウムイオンをより容易に通過させる(該通過に対する障壁を小さくする)という観点からは、該開口部のサイズを0.15nm以上とすることが好ましい。また、グラファイトの層間距離(0.3354nm)から炭素原子の直径(0.124nm)を差し引いた値は0.211nmであり、これがグラファイトの層間に形成された隙間のサイズに相当する。したがって、この隙間のサイズとほぼ同等またはそれよりも大きなサイズ(例えば0.2nm以上、好ましくは0.211nm以上、さらに好ましくは0.25nm以上)の開口部とすることにより、リチウムイオンの出入りに対するエネルギー障壁をグラファイトと同等以下に抑えることができる。
この開口部のサイズは電荷担体イオンの通過のし易さを決定する一つの主要な要因である。したがって、該開口部のサイズ(典型的には開口径)をグラファイトの層間の隙間とほぼ同等またはそれよりも大きなサイズ(好ましくは該隙間よりも大きなサイズ)とすることにより、かかる開口部を有する多数のカプセル型構造体を有する(各カプセル型構造体の開口部のサイズがほぼ均一であることが好ましい。)電極材料において、該構造体にリチウムイオンが吸蔵される電位(リチウムイオン挿入電位)を、グラファイトへのリチウムイオン挿入電位である0.14V(対Li+/Li)よりも貴な電位とすることができる。このようにして、前記構造体へのリチウムイオン挿入電位を例えば0.2V(対Li+/Li)程度とすることにより、ハイブリッド自動車用等として適したリチウムイオン二次電池を実現することができる。
なお、ここでは電荷担体がリチウムイオンである場合について説明したが、他の電荷担体イオンについても同様にして(例えば、電荷担体イオンのイオン半径、溶媒分子のファンデルワールス半径、支持塩の対イオンのイオン半径等に基づいて)開口部のサイズの好ましい範囲を決定することができる。
また、カプセル型構造体の有する開口部のサイズを把握する方法としては、(a)該構造体を透過型電子顕微鏡、トンネル顕微鏡等により観察する方法;(b)N2吸着法による比表面積を測定する方法;および、(c)電気化学的手法により電気二重層容量を測定する方法;を例示することができる。あるいは、上記電極材料を用いて実際に二次電池を作製し、該二次電池の電池性能(充放電曲線、電池容量等)を測定してもよい、その結果を理論値(理論容量等)と比較することにより、開口部のサイズを推定することができる。
上述のような機能を発揮し得る限り、カプセル型構造体における開口部の形成箇所は特に限定されない。カプセル型構造体の有する開口部の数にも特に制限はなく、各構造体が一つまたは二つ以上の開口部を通じて外部に開放されたものであり得る。一つのカプセル型構造体が二つ以上の開口部を有する場合、それらの開口部は該構造体の一部に集中的に配置されていてもよく、該構造体の全体にほぼ均等に配置されていてもよい。カプセル型構造体の形状がチューブ状である場合、該開口部は長手方向の端部に形成されていてもよく、チューブの側面(例えば、長手方向の中央部)に形成されていてもよく、これらの両方の部分に形成されていてもよい。好ましい一つの態様では、その長手方向の少なくとも一方の端部に一または二以上の前記開口部が形成されている。例えば、長手方向の末端部に一または二以上の前記開口部が形成されている。このような形態の構造体は、チューブ状構造体の末端部に小孔を有し、該チューブの内部が空洞であることから、万華鏡の形状に例えることができる。すなわち、かかる形態のカプセル型構造体は、特に「万華鏡型構造体」として把握され得る。
上記カプセル型構造体の構成材料は、電子伝導性を示す材料であればよく、特に限定されない。例えば、銅、ステンレス、アルミニウム、スズまたはこれらを主体とする合金等の金属材料;酸化スズ系、酸化ルテニウム系、二酸化コバルト系、過酸化ニッケル系、二酸化マンガン系等の金属酸化物;ポリアニリン、ポリピロール等の導電性高分子;不純物をドープしたシリコン、窒化ケイ素、炭化ケイ素のような化合物半導体;炭素質材料;等であり得る。電気化学的反応により構造が変化する現象を起こし難い材料が好ましい。また、電荷担体イオンとの合金化等の副反応を起こしにくい材料が好ましい。かかる観点から、二次電池(例えば、リチウムイオン二次電池)の負極材料として好適なカプセル型構造体構成材料として、銅、ステンレス鋼および炭素質材料が例示される。電気化学的安定性(例えば、還元電位に対する安定性)が高いことから、グラファイト構造を基本とする炭素質材料により構成されたカプセル型構造体が特に好ましい。
ここに開示される電極材料(典型的には、負極用の電極材料)の好ましい一つの態様では、該電極材料が、カーボンナノチューブにより構成された多数のカプセル型構造体を有する。一般にカーボンナノチューブは、グラファイト構造の外壁が円筒形(チューブ状)に成長して形成されている。通常は、該円筒の先端部が閉じた状態でカーボンナノチューブが成長するため、製造されたままのカーボンナノチューブは電荷担体イオンの出入りが可能な開口部をもたない閉カプセル型の構造体となっている。かかる閉カプセル型構造体に所定サイズの開口部を形成する(換言すれば、該構造体の外壁に貫通孔を形成する)ことにより、電極活物質として機能し得るカプセル型構造体(所定の開口部を有するカーボンナノチューブ)を得ることができる。
好ましい一つの態様では、該開口部がカーボンナノチューブの先端部に設けられている。該先端部には、例えば以下の手法によって開口部を形成することができる。すなわち、製造されたままのカーボンナノチューブの閉じた先端部(すなわちキャップ部分)は、6員環のみからなる通常のグラファイト構造とは異なり、一部に5員環を含むグラファイト構造によって形成されている。該5員環は6員環に比べて相対的に不安定である。この性質を利用して、該カーボンナノチューブを高温の酸化性雰囲気(典型的には大気雰囲気)に曝す酸化処理を行うことにより、5員環を構成する炭素原子を優先的に酸化して該カーボンナノチューブから除去する(蒸発させる)ことができる。このことによって、該5員環のあった位置に開口部を形成することができる。
ここで、該酸化処理を過剰に進行させると、例えば図4に示すように、開口部222のサイズが大きくなりすぎて、溶媒和した状態にある電荷担体イオン(溶媒和イオン)3がそのまま構造体220(端部が大きく開放されたカーボンナノチューブ)の内部に進入し得るようになってしまう。その結果、この構造体220がリチウムイオン二次電池の負極に用いられる場合を例として説明したように、構造体220の内部224に取り込まれた溶媒分子2の分解、その分解物と電荷担体イオン(例えばリチウムイオン)との反応による不溶性塩の析出、分解ガスの発生およびその滞留による電荷担体イオンの移動阻害、等の不具合が発生し、充放電特性が低下する。特許文献1(特開平7−14573号公報)の図2には、初回の充電および続く放電において、充電容量に比べて放電容量が20%近く低下する様子が示されている。このことは、カーボンナノチューブに吸蔵されたものの放出されないリチウムイオンが相当量にのぼることを意味している。特許文献1に記載の技術ではカーボンナノチューブの端部を単純に開放しているため、溶媒和した状態にあるリチウムイオンがそのまま(すなわち、溶媒分子を伴って)カーボンナノチューブに進入した結果、上述のような好ましからざる事象が引き起こされて、大きな(20%前後の)初期不可逆容量が観察されたものと推察される。
一方、上述した適切な大きさの開口部が形成されるようにカーボンナノチューブの酸化処理条件(例えば、温度、時間、酸化雰囲気ガス組成等のうち一または二以上の条件)を設定することにより、図1に示すように、溶媒和イオン3を構成する電荷担体イオン1のみを開口部22から内部24に導入し、該イオン3を構成する溶媒分子2は構造体20(端部に所定の大きさの開口部が形成されたカーボンナノチューブ)の外部に残すことができる。このことによって、溶媒分子2の分解およびこれに起因する不具合の発生が回避されるので、該カーボンナノチューブを有する電極材料(典型的には負極材料)を用いて構築された二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)において良好な充放電特性を実現することができる。かかる二次電池の好ましい一つの態様では、上記初期不可逆容量が10%以下であり得る。
なお、具体的な好ましい酸化処理条件は、処理対象となるカーボンナノチューブの性状等により異なり得る。したがって特に限定するものではないが、上述した適切な大きさの開口部が形成されるようなカーボンナノチューブの酸化処理条件は、例えば、大気雰囲気中、500℃〜1000℃(より好ましくは600℃〜800℃)の範囲から選択される加熱温度と、0.2分〜120分(より好ましくは0.5分〜60分)の範囲から選択される加熱時間との組み合わせであり得る。
カーボンナノチューブの先端部に開口部を形成する他の方法としては、上記キャップ部分に含まれる5員環を電気化学反応により酸化し、炭酸ガスとして除去する方法が挙げられる。6員環と5員環とでは電気化学的な電極反応電位が異なる。かかる性質を利用して所定のサイズの開口部を精度よく形成することができる。この方法は、例えば、一つの5員環のみを除去するような制御を行う場合にも好適に採用することができる。
また、上記開口部を電気化学的に形成する他の方法として、開口部形成前のカーボンナノチューブを含む電極材料を用いて二次電池を作製し、該電極材料を有する電極が正極となるようにして充電を行う(充電電圧を印加する)方法が挙げられる。このことによって、該電極材料に含まれるカーボンナノチューブを電気化学的に酸化し、所定サイズの開口部を形成することができる。
あるいは、開口部の形成方法として、レーザ加熱、プラズマエッチング、CVD(Chemical Vapor Deposition)、PVD(Physical
Vapor Deposition)等の、各種材料の微細加工に用いられる従来公知の方法を適宜選択して用いてもよい。また、過酸化物のような強酸化剤を含む溶液を用いて湿式エッチングを行う方法も採用可能である。これらのうち二以上の方法を組み合わせて行ってもよく、いずれかの方法を繰り返し行ってもよい。かかる開口部形成方法は、該開口部の形成対象たる閉カプセル型構造体が閉じたカーボンナノチューブである場合に限定されることなく適用可能である。すなわち、他の閉カプセル型構造体に開口部を形成する方法としても好適に採用し得る。
カプセル型構造体を構成するカーボンナノチューブは、外壁が単層のグラファイト構造(グラフェンシート)からなるカーボンナノチューブ(単層カーボンナノチューブ)であってもよく、外壁が多層(例えば2〜10層)のグラファイト構造からなるカーボンナノチューブ(多層カーボンナノチューブ)であってもよい。耐久性(例えば、電荷担体イオンが開口部を繰り返し出入りすることに対する耐久性)の観点からは、多層カーボンナノチューブを好ましく選択し得る。また、より高い電子伝導性を有することから、グラファイト構造においてカーボンがアームチェア型に配列しているカーボンナノチューブ(アームチェア型のカーボンナノチューブ)が好ましい。
カーボンナノチューブの直径は、上述した所定のサイズの開口部を形成可能であればよく、特に限定されない。電荷担体イオンを体積効率よく吸蔵するという観点からは、カーボンナノチューブの内径(中空部の直径)は大きいほうが有利である。例えば、内径が凡そ1nm以上(典型的には、凡そ1nm〜20nm)のカーボンナノチューブが好ましい。カーボンナノチューブの強度と体積効率のバランス等を考慮すれば、通常は、該カーボンナノチューブの内径としては内径が凡そ2nm〜10nm(例えば5nm程度)のカーボンナノチューブが適当である。また、カーボンナノチューブの長さは特に限定されない。もっとも、カーボンナノチューブの一方の端部のみに開口部を有する態様では、該カーボンナノチューブの長さが大きくなると該チューブの中空部全体(特に、開口部から遠い側の端部付近)を電荷担体の吸蔵放出に有効利用することが困難となる場合がある。かかる態様においては、中空部の利用効率の観点から、カーボンナノチューブの長さが凡そ100μm以下(例えば0.3μm〜30μm程度)であることが好ましい。
ここに開示される電極材料の好ましい一つの態様では、上記カーボンナノチューブの一方の端部が電子伝導可能な基材に保持されている。該基材表面にカーボンナノチューブが高配向に配置されていることが好ましく、高密度に(密集して)配置されていることがより好ましい。該カーボンナノチューブの好ましい配向方向は、基材表面に対してほぼ垂直な方向である。例えば、基材表面に形成されたカーボンナノチューブのうち50%以上(より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上)の本数が、該基材表面に垂直な方向から45°以下(より好ましくは30°以下、更に好ましくは15°以下)の角度範囲に収まるように配向している電極材料が好ましい。
このような構成の電極材料は、例えば、炭化ケイ素(SiC)の表面分解を利用して製造することができる。かかる表面分解法は、SiC基材の表面部からケイ素原子(Si)を除去して該基材上にカーボンナノチューブを成長させるものであって、例えば、SiC結晶を減圧下で該SiC結晶からケイ素原子が失われる程度の温度に加熱するか、あるいはケイ素原子の除去を促進し得るガス(COガス、COガス、フッ素ガス、CFガス、酸素ガス、水蒸気等)が存在する雰囲気下で該SiC結晶からケイ素原子が失われる程度の温度に加熱することにより実施することができる。
上記構成の電極材料の好適な製造方法として、炭化ケイ素(SiC)基材を用意すること;該炭化ケイ素基材を表面分解させて該基材表面にカーボンナノチューブを形成すること;および、そのカーボンナノチューブの先端部(基材とは反対側の端部)に開口部を形成すること;を包含する製造方法が例示される。上記開口部の形成方法としては、上述したいずれかの開口部形成方法(例えば、酸化性雰囲気中で加熱する方法、電気化学的に酸化する方法等)を適宜採用することができる。かかる方法によると、基材表面にカーボンナノチューブが高配向かつ高密集度(高密度)で配置された電極材料が製造され得る。
なお、上記表面分解法に使用するSiC基材は、SiC単結晶からなるものであってもよく、多結晶であってもよい。該基材を構成するSiCの結晶構造は、α型(α−SiC)であってもよく、β型(β−SiC)であってもよい。あるいは、これらの結晶構造が混在していてもよい。例えば、α−SiCの(0001)面および/またはβ−SiCの(111)面が露出したSiC基材を好ましく使用し得る。かかる結晶面は、該結晶面にほぼ垂直な方向によく配向したカーボンナノチューブを形成するのに適している。
また、例えば鉄等の金属を種結晶としてカーボンナノチューブを成長させる場合には、該カーボンナノチューブはランダムな方向に成長する(配向性を示さない、あるいは配向性に乏しい)。上述のような表面分解法によって高配向で成長したカーボンナノチューブは、ランダムに成長したカーボンナノチューブに比べてカーボンナノチューブの体積密度(体積当たりの本数)を向上させやすいという点で有利である。
図2は、適切なサイズの開口部を有するカーボンナノチューブ(チューブ状のカプセル型構造体)が基材に保持された態様の電極材料の好ましい一例を模式的に示す説明図である。この電極材料10では、基材30の一方の表面にカプセル型構造体(ここではカーボンナノチューブ)20の一方の端部が保持されている。該構造体20は、基材30の表面にほぼ垂直な(直立する)方向に高度に配向して形成されている。構造体20の先端部(基材30とは反対側)には、溶媒和イオン3は通過できず、かつ、単独の状態にあるリチウムイオン1は通過し得るサイズの開口部22が形成されている。このことによって、図1に示す例と同様に、溶媒和イオン3を構成するリチウムイオン1を単独で(溶媒分子から分離して)構造体20の内部24に進入させることができる。基材30は、カプセル型構造体20が形成されている側の表面に形成されたグラファイト層32と、その下方にあるSiC層34とを有する。これによりグラファイト層32の電子伝導性を利用して、充電電流の供給および放電電流の取り出しを適切に行うことができる。このような構成の電極材料10は、例えば、SiCの表面分解を利用する上記方法を適用して好適に製造され得る。
なお、チューブ状のカプセル型構造体(典型的にはカーボンナノチューブ)が高配向に配置された態様の電極材料(好ましくは負極材料)において、それらの構造体は密集して配置されていることが好ましい。これにより電池の内部容積をより有効に利用することができ、単位体積当たりの電池容量の向上に寄与し得る。また、高配向の構造体が高度に密集して配置された態様(換言すれば、該構造体が密集して林立している態様)によれば、それらの構造体相互の隙間(典型的には、複数の構造体の外壁に囲まれた箇所)に電解液の溶媒分子が進入することを防止または抑制することができる。その結果、溶媒分子の分解およびそれに起因する不具合をより高レベルで防止することができる。
また、高配向のカプセル型構造体が密集して配置された態様によると、例えば図2に示すように該構造体20の先端部に所定サイズの開口部22が形成されている場合、静電力により引き付けられた溶媒和イオン3が開口部22から進入しようとすることによって、構造体20に開口部22を径方向外側に拡張しようとする力が加わり得る。このとき、構造体20が密集して配置されていれば、ある構造体20の開口部22が外方に拡張しようとすると隣接する構造体20に押し付けられることとなる。このように隣接する構造体20が相互に押し付けられることによって(換言すれば、相互に補強し合うことによって)、全体として開口部22の拡張が抑制されることとなる。すなわち、かかる密接配置によると、開口部22の変形(拡張)を抑える補強材として他の構造体20を利用することができる。その結果、構造体20の内部24に溶媒分子が進入することをより高度に防止することができる。また、このように溶媒分子の進入を防止する効果の耐久性を高めることができる。したがって、該電極材料を用いた二次電池は、良好なサイクル特性を示すものとなり得る。
なお、上述した好ましい形状(直径、長さ等)および配置(配向、密集度等)は、カーボンナノチューブにより構成されたカプセル型構造体に限らず、本発明に係る他のチューブ状のカプセル型構造体にも同様に適用され得る。
ここに開示される電極材料は、各種二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)の電極または該電極の構成材料として好適である。この二次電池用電極(好ましくは負極)は、例えば、該電極材料が適当な電子伝導性部材(集電体)に保持された態様であり得る。上記電子伝導性部材は、導電性のよい金属(アルミニウム、銅、銀、ステンレス鋼等)を主体に形成されたものであり得る。該部材の形状は特に限定されず、例えば棒状、板状、箔状、網状等であり得る。かかる部材に電極材料を保持させる方法としては、該電極材料と適当なバインダ(結着剤)とを含む組成物を調製し、該組成物を上記部材に付与する方法等を適宜採用することができる。あるいは、該電極材料自体を(例えば、集電体に保持することなく)電極に用いてもよい。電子伝導可能な基材にカプセル型構造体が保持された態様の電極材料は、このように電極材料自体を電極として利用するのに適している。
ここに開示される二次電池は、このような二次電池用電極を正極および負極の少なくとも一方に用いて構築されている。好ましい一つの態様では、該二次電池が、上述したいずれかの電極材料を備える負極を用いて構築されたリチウムイオン二次電池である。典型的には、該電極材料に含まれるカプセル型構造体が負極活物質として利用される。一方、該二次電池の正極に用いられる正極活物質は、従来この種の二次電池で用いられているものであればよく、特定の種類の活物質に限定されない。一般的なリチウムイオン二次電池に用いられる層状構造またはスピネル構造のリチウム複合酸化物等を好ましく用いることができる。例えば、リチウムコバルト系複合酸化物(典型的にはLiCoO2)、リチウムニッケル系複合酸化物(典型的にはLiNiO2)、リチウムマンガン系複合酸化物(典型的にはLiMn24)等を正極活物質として用いることができる。
かかる二次電池の一つの典型的な態様として、セパレータを挟んで配置された正極および負極が電解液とともに電池容器に収容された構成のリチウムイオン二次電池が例示される。該二次電池を構成するセパレータの材質、電解液の組成、電池容器の形状および材質等は、電荷担体イオンの種類や電池の使用目的等に応じて適宜選択され得る。これらの構成材料を用いたリチウムイオン二次電池の構築は、従来の一般的なリチウムイオン二次電池の製造と同様の手法により行うことができる。
好ましい一つの態様では、前記電極材料を構成する電極(好ましくは負極)がチューブ状のカプセル型構造体を有する。該電極において前記構造体は高配向に配置されている。その配向方向は、該電極材料を有する電極からその対極に向かう方向と略一致する方向である。そして、構造体の少なくとも前記対極側の端部に前記開口部が設けられている。かかる構成を備える二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)の一例を図3に示す。この図に示す二次電池100は、セパレータ106を挟んで対向配置された正極120と負極130とを備える。これらの部材が電解液104とともに電池容器102に収容されている。正極120は、正極端子122と、正極活物質(例えばコバルト酸リチウム)125を含む正極材料124とを備える。負極130は、負極端子132と、負極活物質136と、該活物質136を保持する基材137とを備える。負極活物質136は、基材137の表面に対して垂直に配向した多数のチューブ状のカプセル状構造体20を含む。それらの構造体20の先端部には所定サイズの開口部22が形成されている。負極130は、該構造体20の配向方向が負極130から正極120に向かう方向と略一致するように配置されている。このように、カプセル状構造体20が正極130に向かって延びるように配向し、その先端部(正極側)に開口部22が設けられた構成の二次電池100は、充放電にともなう電荷担体イオン1の移動効率が良い(移動距離が短い)ので好ましい。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
6H−SiC単結晶基材の(0001)面(以下、「C面」ともいう。)に鏡面研磨を施した。これを10mm×10mmに切り出して、裏面(すなわち(0001)面)から50μの厚さまで薄片化することにより試験片1を用意した。また、CVD法で成長させた(111)面配向の3C−SiC配向性多結晶基材のC面に鏡面研磨を施した後、試験片1と同様に切り出しおよび薄片化を行って試験片2を用意した。
これら試験片1,2のそれぞれを、アセトン中で10分間、次いでエタノール中で10分間の超音波洗浄を行った。それらの試験片を、研磨面を上にして真空炉内にセットし、1×10-2Torr(約1.3Pa)の真空中において昇温速度15℃/分で1900℃まで昇温し、引き続き1900℃にて40時間加熱した。その結果物の厚み方向に切断した断面を透過型電子顕微鏡により観察したところ、いずれの試験片についても、上記研磨面の表面全体にわたって長さ約5μmのカーボンナノチューブが密に形成されていた。それらのカーボンナノチューブは、前記表面に垂直方向に極めてよく配向して成長していた。また、該カーボンナノチューブの下部(基材側)には、厚さ約45μmにわたって、サイズ50〜100μm程度の結晶子が配向性をもって粗に配置された構造を有するグラファイト層が形成されていた。
続いて、このようなカーボンナノチューブ(閉カプセル型構造体)が形成された試験片1,2を高温の酸化性雰囲気に曝す酸化処理を行うことにより、該カーボンナノチューブの先端部に開口部を形成した。すなわち、カーボンナノチューブが形成された面を上にして、各試験片を所定温度に加熱された大気炉中で所定時間加熱した。このときの加熱温度は620℃から800℃の範囲から選択し、加熱時間は0.5分から20分の間から選択した。そして、加熱温度と加熱時間との組み合わせ(すなわち酸化処理条件)を種々変更して、それらの条件が開口部のサイズに与える影響を調べたところ、上記範囲から選択される加熱温度および加熱時間の組み合わせにより、カーボンナノチューブの先端部(キャップ部分)に形成される開口部のサイズを直径0.2nm〜5nm程度の範囲で調節し得ることが確認された。この結果は、上記加熱温度と加熱時間との適切な組み合わせによって、リチウムイオン二次電池の負極材料として好適なサイズの開口部(例えば、開口直径が0.15nm以上0.6nm以下の開口部)をカーボンナノチューブの先端部に効率よく形成し得ることを支持するものである。
上記実施例により得られた、先端部に開口部を有するカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡(TEM)による観察像を図5および図6に示す。図5は、上記酸化処理条件を620℃、10分間として得られたカプセル型構造体を示すTEM像である。チューブ状のカプセル型構造体の一方の端部(最先端からやや下がった部分であって、チューブの径が細くなり始める部分)に、直径約0.5nmの孔が開いている(矢印で示す部分)ことがわかる。このようなサイズの開口部を有するカプセル型構造体は、一般的な組成の電解液を備えるリチウムイオン二次電池(例えば、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒にLiBF4あるいはLiPFを溶解させた電解液を備えるリチウムイオン二次電池)の負極活物質として好適に利用され得る。
一方、図6は、上記酸化処理条件を620℃、20分間として得られたカプセル型構造体のTEMによる観察像である。チューブ状のカプセル型構造体の一方の端部に、図5と比較して著しく大きな開口部が形成されていることが判る。この開口部の直径は少なくとも2nm以上である。本発明の意図する作用効果に鑑みれば、このようなサイズの開口部を有するカプセル型構造体は、上記のような一般的な組成の電解液を備えるリチウムイオン二次電池の負極活物質として用いるのに適切であるとはいえない。
なお、リチウムイオン二次電池の負極活物質として従来から使用されているグラファイトでは、グラフェンシートの間(グラファイトの層間)に吸蔵されたリチウムイオンが最も安定に存在する位置が限定されている。すなわち、該リチウムイオンの上下に位置するグラフェンシートにおいて該イオンを囲む6員環の中央部が最も安定な位置である。このため、該グラファイトに安定的に吸蔵し得るリチウムイオンの量(理論量)は、カーボン6個に対してリチウムイオン1個の割合に制限される。
一方、ここに開示されるカプセル型構造体(典型的にはカーボンナノチューブ)は、その内部にグラファイトの層間よりも広い中空部(空洞)を有するものであり得る。例えば、上記構造体がカーボンナノチューブである場合、そのカーボンナノチューブは、カーボンの個数当たり、グラファイトよりも多くのリチウムイオンを吸蔵し得る。ここに開示される電極材料の好ましい一つの態様では、カーボン2個に対して1個以上の割合でリチウムイオンを吸蔵することができる。
カプセル型構造体が内径5nmのカーボンナノチューブである場合について、該カーボンナノチューブの中空部に収容し得ると期待されるリチウムイオンの量と、該中空部と同体積のグラファイトが吸蔵し得るリチウムイオンの量とを比較すれば、以下のとおりである。すなわち、リチウムイオンの直径は0.146nmであるから、直径5nmの中空部の径方向には約34個のリチウムイオンを並べることができる。一方、この中空部の直径5nmは、グラファイトの層間距離(0.3354nm)の約14倍である。換言すれば、該中空部の直径の長さはグラフェンシート14層分の厚みに相当する。グラファイトでは各層間に1個づつのリチウムイオンが吸蔵されるので、5nmの厚み内に吸蔵されるリチウムイオンの数は約14個となる。したがって、カーボンナノチューブの軸に垂直な平面について考える場合、その中空部の径方向(平面方向)には、グラファイトの厚み方向の約2.5倍(すなわち、34/14)の密度でリチウムイオンを収容し得るといえる。このことは、カーボンナノチューブの軸方向に対するリチウムイオンの収容密度がグラファイトの面方向に対する収容密度と同一であると仮定すると、カーボンナノチューブの中空部にはグラファイトの約2.5倍のリチウムイオンを収容し得ることを示している。グラファイトの面方向におけるリチウムイオンの配置(すなわち、6員環の中央部にそれぞれ1個のリチウムイオンが配置する)とは異なり、カーボンナノチューブの中空部ではその軸方向に対してもリチウムイオンが自由に配置し得ることを考慮すると、該中空部にはさらに多くのリチウムイオンを収容できる可能性がある。
以上より、カーボンナノチューブの先端部に所定サイズの開口部が設けられたカプセル状構造体は、例えばリチウムイオン二次電池の負極活物質として利用されて、少なくともグラファイトの約2.5倍の体積エネルギーを実現するものとなり得るといえる。換言すれば、2.5分の1の体積の負極活物質によってグラファイトと同程度の電池容量が得られる。二次電池に占める負極活物質の体積は通常20%程度であるから、該負極活物質をグラファイトから上記カプセル状構造体に置き換えることによって約8%の小型化およびエネルギー密度の増大が達成され得ることとなる。また、カーボンナノチューブの軸方向(長さ方向)には、グラファイトの面方向(カーボン6員環毎に1個)に対するリチウムイオンの収容密度を超える密度でリチウムイオンを収容し得る可能性がある。これにより、さらに高度の小型化およびエネルギー密度の増大が実現され得る。
このような、先端部に所定サイズの開口部が設けられたカーボンナノチューブをカプセル状構造体として有する電極材料(例えば、リチウムイオン二次電池用の負極材料)は、ここに開示される電極材料の特に好ましい一態様である。
適切なサイズの開口部を有するカプセル型構造体の一構造例を模式的に示す説明図である。 適切なサイズの開口部を有するカプセル型構造体が基材に保持された電極材料の一例を模式的に示す説明図である。 本発明の電極材料を用いて構築された二次電池の一構成例を模式的に示す説明図である。 開口部のサイズが不適切なカプセル型構造体の一構造例を模式的に示す説明図である。 実施例により得られたカプセル型構造体の一例を示すTEM像である。 実施例により得られたカプセル型構造体の他の例を示すTEM像である。
符号の説明
1 リチウムイオン(電化担体イオン)
2 リチウムイオン(電荷担体イオン)に溶媒和している溶媒分子
3 リチウムイオン(電荷担体イオン)と溶媒分子との集合体(溶媒和イオン)
10 電極材料
20 カプセル型構造体(カーボンナノチューブ)
22 開口部
24 内部(中空部)
30 基材
100 二次電池
104 電解液
106 セパレータ
134 負極材料
136 負極活物質(カプセル型構造体)
137 基材

Claims (17)

  1. 所定のイオンを電荷担体とする二次電池の構築に用いられる電極材料であって、
    電子伝導性材料により形成された多数のカプセル型構造体を有し、
    該構造体の内部は所定サイズの開口部を通じて外部に開放されており、
    ここで、前記開口部のサイズは、前記電荷担体イオンが該開口部を通じて前記構造体の内部に出入りすることを許容し、かつ、前記二次電池の電解液を構成する溶媒分子が前記構造体の内部に進入することを実質的に阻止し得るサイズである、電極材料。
  2. 前記開口部のサイズは、前記溶媒分子のファンデルワールス半径の二倍よりも小さいサイズである、請求項1に記載の材料。
  3. 前記開口部のサイズは、前記電解液の支持塩を構成するイオンのうち前記電荷担体イオンとは逆極性のイオンが前記構造体の内部に進入することを実質的に阻止し得るサイズである、請求項1または2に記載の材料。
  4. 前記開口部のサイズは、前記逆極性のイオンのイオン半径の二倍よりも小さいサイズである、請求項3に記載の材料。
  5. 前記構造体の形状はチューブ状であり、そのチューブの長手方向の少なくとも一方の端部に前記開口部が形成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の材料。
  6. 前記構造体の形状がチューブ状であって高配向に配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の材料。
  7. 前記構造体は径方向に密集して配置されている、請求項6に記載の材料。
  8. 前記構造体が電子伝導可能な基材に保持されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の材料。
  9. 前記構造体がカーボンナノチューブにより構成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の材料。
  10. 前記カーボンナノチューブは、炭化ケイ素の表面分解により形成されたカーボンナノチューブである、請求項9に記載の材料。
  11. 前記電荷担体イオンがリチウムイオンである、請求項1から10のいずれか一項に記載の材料。
  12. 前記開口部の開口直径が0.15nm以上0.6nm以下である、請求項11に記載の材料。
  13. 負極の構成材料として使用される、請求項1から12のいずれか一項に記載の材料。
  14. 請求項1から12のいずれか一項に記載の電極材料を備える電極を正極および負極の少なくとも一方に用いて構築された二次電池。
  15. 前記電極材料を構成する前記カプセル型構造体はチューブ状であって高配向に配置されており、その配向方向は該電極材料を有する電極からその対極に向かう方向と略一致する方向であって、該構造体の少なくとも前記対極側の端部に前記開口部が設けられている、請求項14に記載の電池。
  16. 所定のイオンを電荷担体とする二次電池の構築に用いられる電極材料であって、電子伝導性材料により形成された多数のカプセル型構造体を含み、該構造体の内部が開口部を通じて外部に開放されている電極材料を製造する方法であって、
    前記カプセル型構造体の内部を外部に開放するために該構造体が備えるべき開口部のサイズを決定すること、ここで前記開口部のサイズは、前記電荷担体イオンが該開口部を通じて前記構造体の内部に出入りすることを許容し、かつ、前記二次電池の電解液を構成する溶媒分子が前記構造体の内部に進入することを実質的に阻止し得るように決定される;および、
    その決定されたサイズの開口部を備えるカプセル型構造体を製造すること;
    を包含する、電極材料の製造方法。
  17. 前記決定されたサイズの開口部を備えるカプセル型構造体を製造することは、
    電子伝導性材料により形成された多数の閉カプセル型の構造体を含む原電極材料を用意すること;および、
    その閉カプセル型構造体に前記決定されたサイズの開口部を形成すること;
    を包含する、請求項16に記載の方法。
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