JP2007140068A - 位相差板、位相差板の製造方法、液晶表示装置 - Google Patents

位相差板、位相差板の製造方法、液晶表示装置 Download PDF

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JP2007140068A JP2005333113A JP2005333113A JP2007140068A JP 2007140068 A JP2007140068 A JP 2007140068A JP 2005333113 A JP2005333113 A JP 2005333113A JP 2005333113 A JP2005333113 A JP 2005333113A JP 2007140068 A JP2007140068 A JP 2007140068A
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Abstract

【課題】液晶表示装置の光学補償に寄与する光学異方性層を有する位相差板等を提供する。
【解決手段】配向膜と、該配向膜上に設けられた、少なくとも一種の液晶性化合物を含む光学異方性層とを有し、前記配向膜が、ESCA測定によって得られるC−O結合を有する炭素原子に由来するピークの強度(A)とC=O結合を有する炭素原子に由来するピークの強度(B)との比率(B/A)が、0.25以下である表面状態を有する、位相差板。
【選択図】 なし

Description

本発明は位相差板およびその製造方法に関する。
液晶表示装置は、通常、液晶セル、偏光板および光学異方性層からなる。透過型液晶表示装置では、通常、二枚の偏光板を液晶セルの両側に取り付け、一枚または二枚の光学異方性層を液晶セルと偏光板との間に配置する。反射型液晶表示装置では、通常、反射板、液晶セル、一枚の光学異方性層、そして一枚の偏光板の順に配置する。液晶セルは、例えば、棒状液晶性化合物層、それを封入するための二枚の基板、棒状液晶性化合物に電圧を加えるための電極層、および棒状液晶性化合物の配向を制御する配向膜層からなる。液晶セルは、通常、棒状液晶性化合物の配向状態の違いで、透過型については、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric LiquidCrystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper TwistedNematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically ControlledBirefringence)、反射型については、TN、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest−Host)のような様々な表示モードが提案されている。
光学異方性層は、画像着色を解消したり、視野角を拡大するために、様々な液晶表示装置で用いられている。光学異方性層としては、延伸複屈折ポリマーフィルムが従来から使用されていた。延伸複屈折フィルムからなる光学異方性層に代えて、支持体上に液晶性化合物から形成された光学異方性層を有する光学異方性層を使用することが提案されている。液晶性化合物には多様な配向形態があるため、液晶性化合物を用いることで、従来の延伸複屈折ポリマーフィルムでは得ることができない光学的性質を実現することが可能になった。
光学異方性層の光学的性質は、液晶セルの光学的性質、具体的には上記のような表示モードの違いに応じて決定する。液晶性化合物を用いると、液晶セルの様々な表示モードに対応する様々な光学的性質を有する光学異方性層を製造することができる。液晶性化合物としては、一般に、棒状液晶性化合物またはディスコティック液晶性化合物が用いられている。液晶性化合物を用いた光学異方性層では、様々な表示モードに対応するものが既に提案されている。
従って、様々な棒状液晶性化合物またはディスコティック液晶性化合物(例えば、2,3,6,7,10,11−ヘキサ{4−(4−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ}トリフェニレン等から形成される光学異方性層を有する光学補償シート(特許文献1等)が知られている)を用い、光学異方性層を製造する必要が生じていたが、それぞれの液晶は配向挙動が大きく異なるため(例えば、ヘテロ環基による3置換ベンゼン型のディスコティック液晶性化合物ではスジの欠陥が生じやすい等)、これらを欠陥の少ない良好配向状態に配向させる技術が求められていた。
特開平8−50206号公報
本発明は、液晶表示装置の光学補償に寄与する光学異方性層を有する位相差板を提供することを課題とする。特に、配向不良等に起因する欠陥のない、または欠陥の軽減されたディスコティック液晶性化合物のハイブリッド配向によって発現された光学異方性層を有する位相差板を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
(1)配向膜と、該配向膜上に設けられた、少なくとも一種の液晶性化合物を含む光学異方性層とを有し、前記配向膜が、ESCA測定によって得られるC−O結合を有する炭素原子に由来するピークの強度(A)とC=O結合を有する炭素原子に由来するピークの強度(B)との比率(B/A)が、0.25以下である表面状態を有する、位相差板。
(2)前記液晶性化合物が、下記一般式(DI)で表される化合物である、(1)に記載の位相差板。
一般式(DI)
Figure 2007140068
(一般式(DI)中、Y11、Y12およびY13はそれぞれ独立に、メチンまたは窒素原子を表し;L1、L2およびL3はそれぞれ独立に、単結合または二価の連結基を表し;H1、H2およびH3はそれぞれ独立に、下記一般式(DI−A)または下記一般式(DI−B)を表し;
一般式(DI−A)
Figure 2007140068
(一般式(DI−A)中、YA1およびYA2はそれぞれ独立に、メチンまたは窒素原子を表し;XAは酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表し;*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。);
一般式(DI−B)
Figure 2007140068
(一般式(DI−B)中、YB1およびYB2はそれぞれ独立に、メチンまたは窒素原子を表し;XBは酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表し;*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。);
1、R2およびR3はそれぞれ独立に、下記一般式(DI−R)を表し;
一般式(DI−R)
*−(−L21−F1n1−L22−L23−Q1
(一般式(DI−R)中、*は一般式(DI)中のH1、H2またはH3に結合する位置を表し;L21は単結合または二価の連結基を表し;F1は少なくとも1種類の環状構造を有する二価の環状連結基を表し;n1は0〜4の整数を表し;L22は*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−、*−O−CO−O−、*−S−、*−NH−、*−SO2−、*−CH2−、*−CH=CH−または*−C≡C−を表し(ここで、*はL23と反対の側に結合する位置を表す);L23は−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、CH=CH−および−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表し;上述の基が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよく;Q1は重合性基または水素原子を表す。)
(3)前記光学異方性層が、下記一般式(I)で表される重合性化合物の少なくとも一種をさらに含有する、(1)または(2)に記載の位相差板。
一般式(I)
Figure 2007140068
(一般式(I)中、X1は二価の連結基を表し、Zは重合性基を有する置換基を表し、Qは、配向膜に吸着して結合が可能な基を表す。)
(4)前記一般式(I)で表される重合性化合物が、下記一般式(II)で表される重合性化合物である、(3)に記載の位相差板。
一般式(II)
Figure 2007140068
(一般式(II)中、R301およびR302は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換のアリール基、または、置換若しくは無置換のヘテロアリール基を表し、置換若しくは無置換のアルキレン連結基または置換若しくは無置換のアリール連結基、あるいは、これらの組み合わせからなる連結基を介して連結してもよい。X1は二価の連結基を表し、Zは重合性基を有する置換基を表す。)
(5)前記配向膜は、一般式(T)で表されるポリマーを用いてなる、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の位相差板。
一般式(T)
Figure 2007140068
(一般式(T)中、Xは任意の重合単位を表し、a、b、cはそれぞれの重合単位のモル分率を表し、50≦a≦100、0≦b≦50、0≦c≦50である。)
(6)配向膜にラビング処理を施す工程を含む、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の位相差板の製造方法。
(7)配向膜の表面の、ESCA測定によって得られるC−O結合を有する炭素原子に由来するピークの強度(A)とC=O結合を有する炭素原子に由来するピークの強度(B)との比率(B/A)を0.25以下となるようにする工程を含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の位相差板の製造方法。
(8)配向膜と、該配向膜上に設けられた液晶性化合物を含む光学異方性層とを有する、位相差板の前記配向膜の表面の、ESCA測定によって得られるC−O結合を有する炭素原子に由来するピークの強度(A)とC=O結合を有する炭素原子に由来するピークの強度(B)との比率(B/A)を0.25以下とする工程を含む、位相差板における液晶性化合物の配向欠陥を減少させる方法。
(9)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の位相差板を用いた液晶表示装置。
本発明によれば、液晶表示装置の光学補償に寄与する光学異方性層を有する位相差板が得られた。特に、配向不良等に起因する欠陥のない、または軽減された、ディスコティック液晶性化合物のハイブリッド配向によって発現された光学異方性を示す位相差板を提供することが可能になった。
以下、本発明について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
まず、本明細書における、Re(λ)、Rth(λ)、チルト角および平均チルト角の詳細について以下に記す。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は、それぞれ、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rth(λ)は前記Re(λ)、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHが算出する。ここで平均屈折率の仮定値はポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する: セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
また、本明細書において、光学異方性層中のディスコティック化合物の分子の平均チルト角とは、光学異方性層の一方の面(本発明の位相差板においては配向膜表面)と光学異方性層中のディスコティック化合物の分子の物理的な対象軸とのなす角度をチルト角θ1、および、他方の面(本発明の位相差板においては空気界面)とのなす角度をチルト角θ2とし、その平均値((θ1+θ2)/2)として定義する。しかしながら、θ1および他方の面のチルト角θ2を、直接的にかつ正確に測定することは困難である。そこで本明細書においては、θ1およびθ2は、以下の手法で算出する。本手法は実際の配向状態を正確に表現していないが、光学フィルムのもつ一部の光学特性の相対関係を表す手段として有効である。
本手法では算出を容易にすべく、下記の2点を仮定し、光学異方性層の2つの界面におけるチルト角とする。
1.光学異方性層はディスコティック液晶性化合物や棒状液晶性化合物を含む層で構成された多層体と仮定する。さらに、それを構成する最小単位の層(ディスコティック液晶性化合物または棒状液晶性化合物のチルト角は該層内において一様と仮定)は光学的に一軸と仮定する。
2.各層のチルト角は光学異方性層の厚み方向に沿って一次関数で単調に変化すると仮定する。
具体的な算出法は下記のとおりである。
(1)各層のチルト角が光学異方性層の厚み方向に沿って一次関数で単調に変化する面内で、光学異方性層への測定光の入射角を変化させ、3つ以上の測定角でレターデーション値を測定する。測定および計算を簡便にするためには、光学異方性層に対する法線方向を0°とし、−40°、0°、+40°の3つの測定角でレターデーション値を測定することが好ましい。このような測定は、KOBRA−21ADHおよびKOBRA−WR(王子計測器(株)製)、透過型のエリプソメーターAEP−100((株)島津製作所製)、M150およびM520(日本分光(株)製)、ABR10A(ユニオプト(株)製)で行うことができる。
(2)上記のモデルにおいて、各層の常光の屈折率をno、異常光の屈折率をne(neは各々すべての層において同じ値、noも同様とする)、および多層体全体の厚みをdとする。さらに各層におけるチルト方向とその層の一軸の光軸方向とは一致するとの仮定の元に、光学異方性層のレターデーション値の角度依存性の計算が測定値に一致するように、光学異方性層の一方の面におけるチルト角θ1および他方の面のチルト角θ2を変数としてフィッティングを行い、θ1およびθ2を算出する。
ここで、noおよびneは文献値、カタログ値等の既知の値を用いることができる。値が未知の場合はアッベ屈折計を用いて測定することもできる。光学異方性層の厚みは、光学干渉膜厚計、走査型電子顕微鏡の断面写真等により測定数することができる。
以下、本発明の位相差板について順次説明する。
1.液晶性化合物由来の光学異方性層
本発明の位相差板は、配向膜上に液晶性化合物組成物由来の光学異方性層を有する。以下に本発明の位相差板に用いられる、棒状液晶性化合物およびディスコティック液晶性化合物、更にこれら液晶性化合物が配向固定化された光学異方性層を形成するための各種添加剤(例えば、光重合開始剤、増感剤、配向制御剤等)の詳細を記す。
(1)棒状液晶性化合物
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性化合物の他、高分子液晶性化合物も用いることができる。
重合性棒状液晶性化合物としては、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号、同5622648号、同5770107号、WO95/22586号、同95/24455号、同97/00600号、同98/23580号、同98/52905号、特開平1−272551号、同6−16616号、同7−110469号、同11−80081号、および特願2001−64627号などに記載の化合物を用いることができる。より好ましくは、下記一般式(V)にて表される化合物である。
一般式(V)
51−L51−Cy51−L52−(Cy52−L53n−Cy53−L54−Q52
(一般式(V)中、Q51およびQ52はそれぞれ独立に重合性基であり、L51およびL54はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L52およびL53はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、Cy51、Cy52およびCy53はそれぞれ独立に二価の環状基であり、nは0、1または2である。)
一般式(V)中、Q51およびQ52はそれぞれ独立に重合性基である。重合性基の重合反応は、付加重合(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。言い換えると、重合性基は、付加重合反応または縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例を示す。
Figure 2007140068
51およびL54はそれぞれ独立に二価の連結基である。L51およびL54はそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR52−、二価の鎖状基、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R52は炭素原子数1〜7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
51およびL54の例を以下に示す。ここで、左側がQ51またはQ52に、右側がCy51またはCy53に結合する。
L−1:−CO−O−二価の鎖状基−O−
L−2:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−
L−3:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−4:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−
L−5:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−CO−O−
L−6:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−O−CO−
L−7:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−8:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−9:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−10:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−
L−11:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−CO−O−
L−12:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−O−CO−
L−13:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−14:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−15:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−16:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−
L−17:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−CO−O−
L−18:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−O−CO−
L−19:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−20:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−21:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
二価の鎖状基は、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基または置換アルキニレン基を意味する。アルキレン基、置換アルキレン基,アルケニレン基または置換アルケニレン基が好ましく、アルキレン基またはアルケニレン基がさらに好ましい。
アルキレン基は分岐を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は1〜12であることが好ましく、2〜10であることがより好ましく、2〜8であることがさらに好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルケニレン基は、分岐を有していてもよい。アルケニレン基の炭素原子数は2〜12であることが好ましく、2〜10であることがより好ましく、2〜8であることがさらに好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルキニレン基は、分岐を有していてもよい。アルキニレン基の炭素原子数は2〜12であることが好ましく、2〜10であることがより好ましく、2〜8であることがさらに好ましい。
置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、上記アルキニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
二価の鎖状基の具体例としては、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、2−メチル−テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、2−ブテニレン基および2−ブチニレン基などが挙げられる。
二価の環状基の定義および例は、後述するCy51、Cy52およびCy53の定義および例と同様である。
52およびL53はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基である。L52およびL53はそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR52−、二価の鎖状基、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基または単結合であることが好ましい。上記R52は炭素原子数が1〜7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。二価の鎖状基、および二価の環状基については、L51およびL54の定義と同義であり、好ましい範囲も同義である。
一般式(V)において、nは、0、1または2である。nが2の場合、2つのL53は同じであっても異なっていてもよく、2つのCy52も同じであっても異なっていてもよい。nは1または2であることがより好ましく、1であることがさらに好ましい。
一般式(V)において、Cy51、Cy52およびCy53は、それぞれ独立に、二価の環状基である。環状基に含まれる環は、5員環、6員環、または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがより好ましく、6員環であることがさらに好ましい。
環状基に含まれる環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることが好ましい。
環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。
ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレン基が好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイル基およびナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイル基が好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。
環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1〜5のアルキル基、炭素原子数が1〜5のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1〜5のアルコキシ基、炭素原子数が1〜5のアルキルチオ基、炭素原子数が2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数が2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2〜6のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数が2〜6のアシルアミノ基が含まれる。
以下に、一般式(V)で表される重合性液晶性化合物の例を示す。本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007140068
Figure 2007140068
Figure 2007140068
Figure 2007140068
(2)ディスコティック液晶性化合物
本発明における、ディスコティック液晶性化合物としては、公知の文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載されているものを採用できる。ディスコティック液晶性化合物の重合については、例えば、特開平8−27284公報に記載のものを採用できる。ディスコティック液晶性化合物を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性化合物のディスコティックコアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、ディスコティックコアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる場合がある。そこで、ディスコティックコアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有するディスコティック液晶性化合物は、下記一般式(VI)で表わされる化合物であることが好ましい。
一般式(VI)
D(−M−P)n6
(一般式(VI)中、Dはディスコティックコアであり;Mは二価の連結基であり;Pは重合性基であり;そして、n6は4〜12の整数である。一般式(VI)のディスコティックコア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、MP(またはPM)は、二価の連結基(M)と重合性基(P)との組み合わせを意味する。
Figure 2007140068
Figure 2007140068
Figure 2007140068
Figure 2007140068
Figure 2007140068
Figure 2007140068
Figure 2007140068
Figure 2007140068
一般式(VI)において、二価の連結基(M)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−および−S−ならびにそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基(M)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基であることがさらに好ましい。二価の連結基(M)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましい。アリーレン基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレン基は、置換基(例えば、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよい。
二価の連結基(M)の例を以下に示す。左側がディスコティックコア(D)に結合し、右側が重合性基(P)に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基を意味し、ARはアリーレン基を意味する。
M1:−AL−CO−O−AL−
M2:−AL−CO−O−AL−O−
M3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
M4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
M5:−CO−AR−O−AL−
M6:−CO−AR−O−AL−O−
M7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
M8:−CO−NH−AL−
M9:−NH−AL−O−
M10:−NH−AL−O−CO−
M11:−O−AL−
M12:−O−AL−O−
M13:−O−AL−O−CO−
M14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
M15:−O−AL−S−AL−
M16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO−
M17:−O−CO−AR−O−AL−CO−
M18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
M19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
M20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
M21:−S−AL−
M22:−S−AL−O−
M23:−S−AL−O−CO−
M24:−S−AL−S−AL−
M25:−S−AR−AL−
一般式(VI)の重合性基(P)は、重合反応の種類に応じて決定する。重合性基(P)の例を以下に示す。
Figure 2007140068
Figure 2007140068
Figure 2007140068
Figure 2007140068
Figure 2007140068
Figure 2007140068
重合性基(P)は、不飽和重合性基(P1、P2、P3、P7、P8、P15、P16、P17)またはエポキシ基(P6、P18)であることが好ましく、不飽和重合性基であることがより好ましく、エチレン性不飽和重合性基(P1、P7、P8、P15、P16、P17)であることがさらに好ましい。
一般式(VI)において、nは4〜12の整数である。具体的な数字は、ディスコティックコア(D)の種類に応じて決定される。なお、複数のMとPの組み合わせは、それぞれ、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。二種類以上のディスコティック液晶性化合物(例えば、二価の連結基に不斉炭素原子を有する分子と有していない分子)を併用してもよい。
[一般式(DI)で表される化合物]
本発明に用いられるディスコティック液晶として、さらに一般式(DI)表される化合物が挙げられる。
一般式(DI)
Figure 2007140068
一般式(DI)中、Y11、Y12およびY13はそれぞれ独立に、メチンまたは窒素原子を表す。Y11、Y12およびY13がそれぞれメチンの場合、該メチンの水素原子は置換基によって置換されていてもよい。メチンが有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子およびシアノ基を挙げることができる。これらの中では、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基がより好ましく、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数2〜12アルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜12アシルオキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基がより好ましい。
11、Y12、Y13は、すべてメチンであることが好ましく、またメチンは無置換であることが好ましい。
一般式(DI)中、L1、L2およびL3はそれぞれ独立に、単結合または二価の連結基である。前記二価の連結基は、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR7−、−CH=CH−、−C≡C−、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R7は炭素原子数が1〜7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。
1、L2、L3における二価の環状基は、少なくとも1種類の環状構造を有する。二価の環状基は5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがより好ましく、6員環であることがさらに好ましい。環状基に含まれる環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環および複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。環状基は、芳香族環および複素環を含んでいるのが好ましい。
前記二価の環状基のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレン基が好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイル基およびナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイル基が好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。
1、L2またはL3で表される二価の環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルケニル基、炭素原子数1〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。
1、L2およびL3としては、単結合、*−O−CO−、*−CO−O−、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−二価の環状基−、*−O−CO−二価の環状基−、*−CO−O−二価の環状基−、*−CH=CH−二価の環状基−、*−C≡C−二価の環状基−、*−二価の環状基−O−CO−、*−二価の環状基−CO−O−、*−二価の環状基−CH=CH−または*−二価の環状基−C≡C−が好ましい。単結合、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−CH=CH−二価の環状基−または*−C≡C−二価の環状基−がより好ましく、単結合がさらに好ましい。ここで、*は一般式(DI)中のY11、Y12およびY13を含む6員環に結合する位置を表す。
前記式中、H1、H2およびH3はそれぞれ独立に、下記一般式(DI−A)または下記一般式(DI−B)を表す。
一般式(DI−A)
Figure 2007140068
一般式(DI−A)中、YA1およびYA2はそれぞれ独立に、メチンまたは窒素原子を表す。YA1およびYA2は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、双方が窒素原子であることがより好ましい。XAは、酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表し、酸素原子であることが好ましい。*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。
一般式(DI−B)
Figure 2007140068
一般式(DI−B)中、YB1およびYB2は、それぞれ独立にメチンまたは窒素原子を表す。YB1およびYB2は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、双方が窒素原子であることがより好ましい。XBは酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表し、酸素原子であることが好ましい。*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。
1、R2およびR3はそれぞれ独立に、下記一般式(DI−R)を表す。
一般式(DI−R)
*−(−L21−F1n1−L22−L23−Q1
一般式(DI−R)中、*は一般式(DI)中のH1、H2またはH3に結合する位置を表す。
21は単結合または二価の連結基である。L21が二価の連結基の場合、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR7−、−CH=CH−および−C≡C−、ならびに、それらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R7は炭素原子数1〜7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。
21は単結合、**−O−CO−、**−CO−O−、**−CH=CH−または**−C≡C−(ここで、**はF1と反対の側に結合する位置を表す)が好ましい。特に、単結合が好ましい。
一般式(DI−R)中のF1は少なくとも1種類の環状構造を有する二価の環状連結基を表す。二価の環状連結基は5員環、6員環、または7員環構造を有するのが好ましく、5員環または6員環構造を有するのがより好ましく、6員環構造を有するのがさらに好ましい。環状基に含まれる環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環および複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。
1で表される二価の環状連結基のうち、ベンゼン環を有する環状連結基としては、1,4−フェニレン基が好ましい。ナフタレン環を有する環状連結基としては、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−1,6−ジイル基、ナフタレン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイルナフタレン−2,7−ジイル基が好ましい。シクロヘキサン環を有する環状連結基としては1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。ピリジン環を有する環状連結基としてはピリジン−2,5−ジイル基が好ましい。ピリミジン環を有する環状連結基としては、ピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。二価の環状連結基としては、特に、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基および1,4−シクロへキシレン基が好ましい。
1で表される二価の環状連結基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1〜16のアルキル基、炭素原子数が1〜16のアルケニル基、炭素原子数が1〜16のアルキニル基、炭素原子数が1〜16のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1〜16のアルコキシ基、炭素原子数が2〜16のアシル基、炭素原子数が1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数が2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数が2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2〜16のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数が2〜16のアシルアミノ基が含まれる。二価の環状基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が1〜6のハロゲン置換アルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜4のアルキル基、炭素原子数が1〜4のハロゲン置換アルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。
n1は0〜4整数を表す。n1としては、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。なお、n1が0の場合は、一般式(DI−R)中のL22が直接、一般式(D1)中のH1〜H3と結合する。
22は、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−、*−O−CO−O−、*−S−、*−N(R)−、*−CH2−、*−CH=CH−または*−C≡C−を表す。ここで、*はL23と反対の側に結合する位置を表す。好ましくは、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−、*−O−CO−O−、*−CH2−、*−CH=CH−または*−C≡C−であり、より好ましくは、*−O−、*−O−CO−、*−O−CO−O−または*−CH2−である。
23は、−O−、−S−、−C(=O)−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−およびC≡C−並びにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。ここで、−NH−、−CH2−、−CH=CH−の水素原子は、他の置換基に置き換えられていてもよい。他の置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が含まれる。特に、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましい。これらの置換基に置き換えられることにより、前記一般式(DI)で表される化合物の溶媒に対する溶解性を向上させることができ、容易に、塗布液として本発明の組成物を調製することができる。
23は、−O−、−C(=O)−、−CH2−、−CH=CH−およびC≡C−並びにこれらの組み合わせからなる群から選ばれる連結基であることが好ましい。L23は、炭素原子を1〜20個含有することが好ましく、炭素原子を2〜14個を含有することがより好ましい。さらに、L23は−CH2−を1〜16個含有することが好ましく、特に、−CH2−を2〜12個含有することが好ましい。
1は重合性基または水素原子であり、熱安定性の観点から重合性基であることが好ましい。重合反応は、付加重合(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。言い換えると、重合性基は、付加重合反応または縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例を示す。
Figure 2007140068
さらに、重合性基は付加重合反応が可能な官能基であることが特に好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基または開環重合性基が好ましい。
重合性エチレン性不飽和基の例としては、下記の式(M−1)〜(M−6)が挙げられる。
Figure 2007140068
式(M−3)、(M−4)中、Rは水素原子またはアルキル基を表す。Rとしては、水素原子またはメチル基が好ましい。上記(M−1)〜(M−6)の中でも、(M−1)または(M−2)が好ましく、(M−1)が最も好ましい。
開環重合性基として好ましいのは、環状エーテル基であり、中でもエポキシ基またはオキセタニル基がより好ましく、エポキシ基が最も好ましい。
前記一般式(DI)で表される化合物の中でも、下記一般式(DII)で表される化合物または下記一般式(DIII)で表される化合物を用いるのが好ましい。
一般式(DII)
Figure 2007140068
一般式(DII)中、Y31、Y32およびY33は各々、一般式(DI)中のY11、Y12およびY13の定義とそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同義である。
一般式(DII)中、R31、R32およびR33はそれぞれ独立に、下記一般式(DII−R)で表される。
一般式(DII−R)
Figure 2007140068
前記一般式(DII−R)中、A31およびA32はそれぞれ独立に、メチンまたは窒素原子を表す。A31およびA32としては、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、双方が窒素原子であることが最も好ましい。
3は酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表す。X3としては、酸素原子であることが好ましい。
一般式(DII−R)中、F2は6員環状構造を有する二価の環状連結基を表す。環状基に含まれる環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。前記環状連結基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環および複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環、ナフタレン環アントラセン環およびフェナントレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。
二価の環状基のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレン基が好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−1,6−ジイル基、ナフタレン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基およびナフタレン−2,7−ジイル基が好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイル基が好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。二価の環状基としては、特に、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基および1,4−シクロへキシレン基が好ましい。
二価の環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルケニル基、炭素原子数1〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。二価の環状基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数が1〜6のハロゲン置換アルキル基が好ましく、さらに、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲン置換アルキル基が好ましい。特に、ハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基が好ましい。
一般式(DII−R)中、n3は1〜3の整数を表す。n3としては、1または2が好ましい。
一般式(DII−R)中のL31は、一般式(DI−R)中のL22の定義と同一であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(DII−R)中のL32は、一般式(DI−R)中のL23の定義と同一であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(DII−R)中のQ3は、一般式(DI−R)中のQ1の定義と同一であり、好ましい範囲も同様である。
次に、一般式(DIII)で表される化合物の詳細を記す。
一般式(DIII)
Figure 2007140068
一般式(DIII)中、Y41、Y42およびY43は、それぞれ独立にメチンまたは窒素原子を表す。Y41、Y42およびY43がそれぞれメチンの場合、該メチンは置換基を有していてもよい。メチンが有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子およびシアノ基を好ましい例として挙げることができる。これらの置換基の中では、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基がさらに好ましく、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数2〜12アルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜12アシルオキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基が最も好ましい。
41、Y42およびY43は、いずれもメチンであることがより好ましく、メチンは無置換であることが最も好ましい。
41、R42およびR43は、それぞれ独立に下記一般式(DIII−A)、下記一般式(DIII−B)または下記一般式(DIII−C)を表す。波長分散性の小さい位相差板等を作製する場合は、R41、R42およびR43は、それぞれ、一般式(DIII−A)または一般式(DIII−C)で表される基であるのが好ましく、一般式(DIII−A)で表される基であるのがより好ましい。
一般式(DIII−A)
Figure 2007140068
一般式(DIII−A)中、A41、A42、A43、A44、A45およびA46は、それぞれ独立にメチンまたは窒素原子を表す。A41およびA42は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、双方が窒素原子であることがより好ましい。A43、A44、A45およびA46は、少なくとも3つがメチンであることが好ましく、全てメチンであることがより好ましい。A43、A44、A45およびA46がそれぞれメチンの場合、メチンは置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。X41は、酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表し、酸素原子が好ましい。
一般式(DIII−B)
Figure 2007140068
一般式(DIII−B)中、A51、A52、A53、A54、A55およびA56はそれぞれ独立に、メチンまたは窒素原子を表す。A51およびA52は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、双方が窒素原子であることがより好ましい。A53、A54、A55およびA56は、少なくとも3つがメチンであることが好ましく、全てメチンであることがより好ましい。A53、A54、A55およびA56がそれぞれメチンの場合、メチンは置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。X52は、酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表し、酸素原子が好ましい。
一般式(DIII−C)
Figure 2007140068
一般式(DIII−C)中、A61、A62、A63、A64、A65およびA66はそれぞれ独立に、メチンまたは窒素原子を表す。A61およびA62は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、双方が窒素原子であることがより好ましい。A63、A64、A65およびA66は、少なくとも3つがメチンであることが好ましく、全てメチンであることがより好ましい。A63、A64、A65およびA36がそれぞれメチンの場合、該メチンは置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。X63は、酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表し、酸素原子が好ましい。
一般式(DIII−A)中のL41、一般式(DIII−B)中のL51、一般式(DIII−C)中のL61はそれぞれ独立して、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−S−、−NH−、−SO2−、−CH2−、−CH=CH−またはC≡C−を表す。好ましくは、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−であり、より好ましくは、−O−、−O−CO−、−O−CO−O−またはCH2−である。上述の基が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基および炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
一般式(DIII−A)中のL42、一般式(DIII−B)中のL52、一般式(DIII−C)中のL62はそれぞれ独立して、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−およびC≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。ここで、−NH−、−CH2−、−CH=CH−の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基および炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
42、L52およびL62はそれぞれ独立して、−O−、−C(=O)−、−CH2−、−CH=CH−およびC≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれることが好ましい。L42、L52およびL62はそれぞれ独立して、炭素原子を1〜20個含有することが好ましく、炭素原子を2〜14個を含有することがより好ましい。さらにL42、L52およびL62はそれぞれ独立して、−CH2−を1〜16個含有することが好ましく、−CH2−を2〜12個含有することがさらに好ましい。
一般式(DIII−A)中のQ4、一般式(DIII−B)中のQ5および一般式(DIII−C)中のQ6は、一般式(DI−R)中のQ1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
以下に、一般式(DI)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007140068
Figure 2007140068
Figure 2007140068
Figure 2007140068
Figure 2007140068
本発明のディスコティック液晶性化合物が発現する液晶相としては、カラムナー相およびディスコティックネマチック相(ND相)を好ましい例として挙げることができる。これらの液晶相の中では、良好なモノドメイン性を示すディスコティックネマチック相(ND相)がより好ましい。
前記一般式(DI)で表される化合物は、液晶相を20℃〜300℃の範囲で発現することが好ましい。さらに好ましくは40℃〜280℃であり、最も好ましくは60℃〜250℃である。ここで20℃〜300℃で液晶相を発現するとは、液晶温度範囲が20℃をまたぐ場合(具体的に例えば、10℃〜22℃)や、300℃をまたぐ場合(具体的に例えば、298℃〜310℃)も含む。40℃〜280℃と60℃〜250℃に関しても同様である。
本発明に用いられる一般式(DI)で表される化合物の合成は、既知の方法を適用して合成することができる。
(3)液晶性化合物組成物の層形成に用いられるその他の材料
(3)−1 光重合開始剤、および、増感剤
液晶性化合物は、配向状態を維持して固定することが好ましく、固定化は、液晶性化合物に導入した重合性基(例えば、一般式(VI)で表すところのP)の重合反応により実施することが好ましい。固定化には所望の光学異方性の発現と安定化が目的であり、その結果、液晶性が失われる事は何ら差し支えない。そのためには、前記塗布液中には、重合開始剤を含有させるのが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応、光重合開始剤を用いる光重合反応(光硬化)、および電子線を用いるEB硬化が含まれる。このうち、光重合反応およびEB硬化が好ましい。光の作用によりラジカルを発生させる重合開始剤としては、α−カルボニル化合物(例えば、米国特許2367661号、同2367670号の各明細書に記載のもの)、アシロインエーテル(例えば、米国特許2448828号明細書に記載のもの)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(例えば、米国特許2722512号明細書に記載のもの)、多核キノン化合物(例えば、米国特許3046127号、同2951758号の各明細書に記載のもの)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(例えば、米国特許3549367号明細書に記載のもの)、アクリジンおよびフェナジン化合物(例えば、特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書に記載のもの)、オキサジアゾール化合物(例えば、米国特許4212970号明細書に記載のもの)、アセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物およびチオキサントン系化合物等が好ましい。
アセトフェノン系化合物としては、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシメチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、p−ジメチルアミノアセトン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン等が好ましい例として挙げられる。
ベンジル系化合物としては、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が好ましい例として挙げられる。
ベンゾインエーテル系化合物としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が好ましい例として挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーズケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等が好ましい例として挙げられる。
チオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が好ましい例として挙げられる。
このような芳香族ケトン類からなる感光性ラジカル重合開始剤の中でも、アセトフェノン系化合物およびベンジル系化合物が、硬化特性、保存安定性、臭気等の面で特に好ましい。
また、感度を高める目的で重合開始剤に加えて、増感剤を用いてもよい。増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、およびチオキサントン等が含まれる。
重合開始剤は複数種を組み合わせてもよく、使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であることがより好ましい。
液晶性化合物の重合のための光照射は紫外線を用いることが好ましい。
これら液晶性化合物組成物由来の層は、液晶性化合物、および所望により重合性開始剤や他の添加剤を含む液晶性化合物塗布液を塗布し、液晶性化合物を配向、固定化することで形成することができる。液晶性化合物を配向および固定化した後は、支持体を剥離してもよい。すなわち、本発明の位相差板は、支持体を有することを必須の要件としない。
(3)−2 液晶性化合物塗布液の添加剤
液晶性化合物塗布液中には、上述のとおり、重合開始剤以外にも適宜添加剤を添加してもよい。例えば、可塑剤、モノマー、界面活性剤、セルロースエステル、配向制御剤およびカイラル剤等が挙げられる。
以下、配向制御剤について詳細に説明する。
本発明における配向制御剤とは、液晶性化合物塗布液に添加され、塗布後に液晶性化合物の層の表面、つまり、空気界面側に偏在することによって、空気界面側での液晶性化合物の配向を制御するのに寄与する化合物を意味する。この配向制御剤の構造によっては、液晶性化合物を空気界面側で略垂直に配向させたり、逆に略水平に配向させることもできるが、本発明においては、例えば、ディスコティック液晶性化合物を空気界面側で略垂直に配向させる添加剤が好ましく用いられる。ディスコティック液晶性化合物の分子をその様に配向させ得る添加剤としては、特開2000−344734号公報等に記載の下記一般式(VII)で表されるような化合物を例示することができる。
一般式(VII)
(Hb−)mL(−Bu)n
一般式(VII)中、Hbは、炭素原子数が1〜40のフッ素置換アルキル基、炭素原子数が6〜40のフッ素置換アリール基、炭素原子数が6〜60のアルキル基および炭素原子数が1〜60のアルキル置換オリゴシロキサノキシ基からなる群より選ばれる疎水性基であり、Buは少なくとも二つの環状構造を含む排除体積効果を有する基であり、Lは(m+n)価の連結基であり、mおよびnはそれぞれ独立に、1〜12の整数である。
配向制御剤として好ましくは、トリヒドロキシベンゼン骨格およびトリアジン骨格に、フッ素アルキル基や長鎖アルキル基、アリール基が置換した低分子配向制御剤が挙げられる。空気界面側でディスコティック液晶性化合物を垂直に配向させるための配向制御剤の具体例としては、以下のD−1−1、D−2−1等が挙げられ、水平に配向させるための配向制御剤としてD−3−1、D−4−1等が挙げられる。
Figure 2007140068
また、配向制御剤としては、以下に示すような高分子化合物でもよい。添加される高分子配向制御剤は液晶性化合物塗布液に溶解しうるポリマーであればよい。好ましい高分子配向制御剤の一例を以下に示す。
ポリプロピレンオキシド
ポリテトラメチレンオキシド
ポリ−ε−カプロラクトン
ポリ−ε−カプロラクトン ジオール
ポリ−ε−カプロラクトン トリオール
ポリビニルアセテート
ポリメラミン
ポリ(エチレン アジペート)
ポリ(1,4−ブチレン アジペート)
ポリ(1,4−ブチレン グルタレート)
ポリ(1,2−ブチレン グリコール)
ポリ(1,4−ブチレン スクシネート)
ポリ(1,4−ブチレン テレフタレート)
ポリ(エチレンテレフタレート)
ポリ(2−メチル−1,3−プロピレンアジペート)
ポリ(2−メチル−1,3−プロピレン グルタレート)
ポリ(ネオペンチルグリコールアジペート)
ポリ(ネオペンチルグリコール セバケート)
ポリ(1,3−プロピレン アジペート)
ポリ(1,3−プロピレン グルタレート)
ポリビニルブチラール
ポリビニルホルマール
ポリビニルアセタール
ポリビニルプロパナール
ポリビニルヘキサナール
ポリビニルピロリドン
ポリアクリル酸エステル
ポリメタクリル酸エステル
ポリ(3−ヒドロキシブチリックアシッド)
また、高分子配向制御剤として、少なくとも一つのフッ化アルキル基を有するモノマーからなる構成単位を含有したポリマーがより好ましく用いられる。例えば、以下に示したD−5−1のポリマー等が好適に用いられる。
Figure 2007140068
配向制御剤の添加量は、該配向制御剤を添加する液晶性化合物塗布液の組成中、液晶性化合物に対し0.05質量%〜10質量%添加することが好ましく、0.1質量%〜5質量%添加することがより好ましい。
さらに、液晶性化合物塗布液中には、配向膜との密着性を向上せしめるような添加剤を加えてもよい。このような添加剤としては、配向膜上の水酸基と強く相互作用相互作用し、かつ、液晶性化合物の重合性基とも反応するものが好ましい。
配向膜との密着性を向上せしめるような添加剤(密着改良添加剤)として特に好ましいのは、下記一般式(I)で表される化合物である。
一般式(I)
Figure 2007140068
(一般式(I)中、X1は二価の連結基を表し、Zは重合性基を有する置換基を表し、Qは、配向膜に吸着して結合が可能な基を表す。)
1は、単結合、または、−O−、−CO−、−NH−、−CO−NH−、−COO−、−O−COO−、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基および置換もしくは無置換のヘテロアリール基ならびにそれらの組み合わせから選ばれることが好ましく、置換もしくは無置換のアリーレン基であることがより好ましい。
Zは、下記一般式(III)で表される基またはオキシラニル部分もしくはオキセタン部分を有する基である。
一般式(III)
Figure 2007140068
一般式(III)中、R303は水素原子またはメチル基であり、水素原子が好ましい。L301は、単結合または−O−、−CO−、−NH−、−CO−NH−、−COO−、−O−COO−、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基および置換もしくは無置換のヘテロ環基、ならびに、それらの組み合わせから選ばれる二価の連結基であり、単結合、−CO−NH−または−COO−が好ましく、単結合または−CO−NH−がより好ましい。
Zとして、具体的には、アクリレート基、メタクリレート基、スチリル基、ビニルケトン基、ブタジエン基、ビニルエーテル基、オキシラニル基、アジリジニル基またはオキセタン基が好ましく、(メタ)アクリレート基、スチリル基、オキシラニル基またはオキセタン基がより好ましく、(メタ)アクリレート基またはスチリル基がさらに好ましい。
Qは、配向膜のヒドロキシル基と結合できる基が好ましい。Qとして好ましくは、−SiX303(X303はハロゲン原子またはアルコキシ基)、アルデヒド基、エステル、カルボキシル基、イソシアネート、ボロン酸、またはボロン酸エステルある。
一般式(I)はより好ましくは、一般式(II)で表される化合物である。
一般式(II)
Figure 2007140068
(一般式(II)中、R301およびR302は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換のアリール基、または、置換若しくは無置換のヘテロアリール基を表し、置換若しくは無置換のアルキレン連結基または置換若しくは無置換のアリール連結基、あるいは、これらの組み合わせからなる連結基を介して連結してもよい。X1は二価の連結基を表し、Zは重合性基を有する置換基を表す。)
一般式(II)中、R301とR302は結合して環を形成してもよい。
302およびR302における、脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基が好ましい例として挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−ノルボルニル基等の直鎖状、分枝状、または環状のアルキル基が好ましい。
アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基等の直鎖状、分枝状、または環状のアルケニル基が好ましい。
アルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−オクチニル基等が好ましい。
アリール基の具体例としては、1〜4個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と不飽和五員環とが縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としてはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナブテニル基、フルオレニル基、ピレニル基等が挙げられる。
ヘテロアリール基は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を1個以上含むヘテロアリール基が好ましく、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を1個以上含む複素芳香環上の水素原子を1個除し、ヘテロアリール基としたものがより好ましい。窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を1個以上含む複素芳香環の具体例としては、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、チアナフテン環、ジベンゾチオフェン環、インダゾールベンズイミダゾール環、アントラニル環、ベンズイソオキサゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、プリン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、アクリジン環、イソキノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、キノキザリン環、ナフチリジン環、フェナントロリン環、プテリジン環等が挙げられる。
上記の基は、任意の置換基によって1個以上置換されていてもよい。置換基としては水素を除く1価の非金属原子団を挙げることができ、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基およびその共役塩基基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)およびその共役塩基基、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、N−アシルスルファモイル基およびその共役塩基基、N−アルキルスルホニルスルファモイル基(−SO2NHSO2(alkyl))およびその共役塩基基、N−アリールスルホニルスルファモイル基(−SO2NHSO2(aryl))およびその共役塩基基、N−アルキルスルホニルカルバモイル基(−CONHSO2(alkyl))およびその共役塩基基、N−アリールスルホニルカルバモイル基(−CONHSO2(aryl))およびその共役塩基基、アルコキシシリル基(−Si(Oalkyl)3)、アリーロキシシリル基(−Si(Oaryl)3)、ヒドロキシシリル基(−Si(OH)3)およびその共役塩基基、ホスホノ基(−PO32)およびその共役塩基基、ジアルキルホスホノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO3H(alkyl))およびその共役塩基基、モノアリールホスホノ基(−PO3H(aryl))およびその共役塩基基、ホスホノオキシ基(−OPO32)およびその共役塩基基、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPO3H(alkyl))およびその共役塩基基、モノアリールホスホノオキシ基(−OPO3H(aryl))およびその共役塩基基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
また、これらの置換基は、可能であるならば置換基同士、または置換している炭化水素基と結合して環を形成してもよい。
さらに、R301およびR302は、置換若しくは無置換のアルキレン連結基または置換若しくは無置換のアリール連結基、あるいは、これらの組み合わせからなる連結基を介してB(ホウ素)と連結してもよい。ここで、アリール連結基とは、アリール基を含む連結基のことをいい、アリーレン基を含む趣旨である。
一般式(II)中のR301およびR302として好ましくは水素原子である。
また、一般式(II)中のX1およびZは、それぞれ、一般式(I)中のX1およびZと同義であり、好ましい範囲も同義である。
以下に一般式(I)で表される好ましい重合性化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2007140068
本発明で用いられる一般式(I)で表される重合性化合物の液晶性化合物に対する割合は、好ましくは0.01重量%〜40重量%、より好ましくは0.05重量%〜30重量%、さらに好ましくは0.05重量%〜20重量%である。
液晶性化合物塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましい。有機溶媒の例には、アミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例えば、ピリジン)、炭化水素(例えば、トルエン、ヘキサン)アルキルハライド(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例:酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例:アセトン、2−ブタノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)などが含まれる。この中でアルキルハライド、ケトンが好ましい。2種類以上の有機溶剤を併用してもよい。
液晶性化合物塗布液中の液晶性化合物およびその他の添加剤の固形分濃度は、0.1質量%〜60質量%であることが好ましく、0.5質量%〜50質量%であることがより好ましく、2質量%〜40質量%であることがさらに好ましい。また、液晶性化合物塗布液の粘度は、0.01cp〜100cpであることが好ましく、0.1cp〜50cpであることがより好ましい。
(4)光学異方性層の形成方法
本発明の位相差板は、例えば、支持体上に形成され、且つ、配向性が付与された配向膜上に液晶性化合物由来の層を形成する工程を含む。このような方法としては、液晶性化合物を可溶できる溶媒に溶解して調製した液晶性化合物塗布液を、配向膜上に塗布して、液晶性化合物塗布層とする方法が挙げられる。また、可能であれば蒸着により同様の層を形成してもよいが、塗布により形成する方法が好ましい。塗布方法としてはカーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーテティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、ワイヤーバー法等の公知の塗布方法が挙げられる。次いで、25℃〜130℃において用いた溶媒を乾燥すると同時に、液晶性化合物を配向させ、更に、所望により紫外線照射等によって固定化することによって、液晶性化合物由来の光学異方性層が形成される。重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。このようにして形成された光学異方性層の厚さは、用途に応じて、例えば、最適なレターデーションの値に応じて、その好ましい範囲も異なる。
2.配向膜
次に本発明に用いられる配向膜について以下に説明する。
2−1.配向膜用ポリマー
本発明に用いられる配向膜は下記一般式(T)で表されるポリビニールアルコール類を含んで成ることが好ましい。
一般式(T)
Figure 2007140068
(一般式(T)中、Xは任意の重合単位を表し、a、b、cはそれぞれの重合単位のモル分率を表し、50≦a≦100、0≦b≦50、0≦c≦50である。)
Xで表される構造単位は一般式(T)で表されるポリマーあるいはその前駆体を重合する際に、共重合可能なモノマー成分に由来するものであり、それ以外は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、特に制限はない。また、ビニルアルコール、酢酸ビニルのいずれかの構造単位を化学的に修飾、変換して得られる構造単位であってもよく、二種類以上の構造単位から成ってもよい。
Xで表される構成単位は一種類の構造単位から成ってもよく、二種類以上の構造単位から成ってもよい。また、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
Xで表される構造単位を構成するモノマーとしては、オレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、3−ジメチルアミノプロピルアクリレートなど)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸アリル、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N,N−ジメチルアクリルアミド、N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシアクリルアミド等)、メタクリルアミド類(N,N‐ジメチルメタクリルアミド)、アクリロニトリル等、カルボキシル基含有ビニルモノマー(アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等)が好ましく、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、カルボキシル基含有ビニルモノマー類がより好ましく、アクリルアミド類、メタクリルアミド類がさらに好ましい。
また、Xで表される構造単位は上記モノマー群が連続して重合して成るシーケンスのブロックを含んで成ってもよい。このような様態である場合、上記モノマーから成るブロックの他、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカルボナート、ポリアミド、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリウレタン、ポリウレイドの構造を有するブロックが好ましく、ポリエーテル、ポリアミド、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリウレタン、ポリウレイドの構造を有するブロックがより好ましく、ポリアミド、ポリアミック酸、ポリイミドがさらに好ましい。
Xで表される構造単位は架橋性基を有する構成単位を含んでいてもよい。架橋性基を有する構成単位を含むポリマーを用いて配向膜を形成すると、液晶性化合物が重合性基を有する場合等は、配向膜用ポリマーと液晶性化合物が架橋基によって架橋され、配向膜層と光学異方性層との密着性の改善に寄与するので好ましい。Xで表される構造単位に含まれる架橋性基は、付加、縮合、置換反応性基など特に制限なく用いることができる。一方で、液晶性化合物としては、アクリロイル基、メタクリロイル基などエチレン性不飽和基を有する材料を用いて、光ラジカル重合開始剤の存在下で紫外線照射により固定するのが好ましく、配向膜用ポリマーも紫外線照射により、架橋反応し得る架橋性基を有することが好ましい。紫外線照射により架橋しうる反応の好ましい例として、紫外線照射によりカチオンを発生する化合物を併用したエポキシ環、オキセタン環などのヘテロ環状化合物の開環重合反応と紫外線照射によりラジカルを発生する化合物を併用したエチレン性不飽和基を有する化合物のラジカル重合反応が挙げられる。これらのうちポリマー中に含まれる(すなわちXで表される構造単位に含まれる)最も好ましい架橋性基はエチレン性不飽和基(例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基等)である。また、前記配向膜用ポリマー中への架橋性基導入方法としては特に制限はない。
以下にXで表される構造単位の具体例を示すが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
Figure 2007140068
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本発明に用いられる配向膜の表面は高い水酸基の占める割合が高く、アセチル基等疎水性の基が少ないことが好ましい。このような表面状態の情報を得るに当たっては、ESCA測定が好適である。すなわち、本発明では、配向膜の、C−O結合を形成している炭素原子に由来するピークの強度AとC=O結合を形成している炭素原子に由来するピークの強度Bとの比、すなわちB/Aの値が0.25以下であり、0.20以下であることがより好ましく、0.15以下であることがさらに好ましい。
このような表面状態を得る手段としては下記に示す二つの手法が挙げられる。
(I)水酸基の含率が高いポリビニルアルコール類を用いる方法
水酸基の含率が高いポリビニルアルコール類を用いることにより、配向膜全体の水酸基の含率を高くすることができる。すなわち、一般式(T)において、aの値が高くb、cの値が低くなることが好ましい。この場合、好ましくは90≦a≦100、0≦b≦10、0≦c≦10であり、より好ましくは95≦a≦100、0≦b≦5、0≦c≦5であり、さらに好ましくは98≦a≦100、0≦b≦2、0≦c≦2である。
このような配向膜用ポリマーを用いる場合、後述するラビング条件の許容幅が広くなり、製造工程の負荷が軽減される等の利点が見込まれる。
(II)強いラビング処理による方法
比較的低ケン化度のポリビニルアルコール類(ビニルアルコール単位の含量が低い)を用いることによっても、十分にラビング処理を施すことにより、B/Aが本発明の要件を満たすような表面状態とすることができる。この場合の各構造単位の好ましい組成は、50≦a≦100、0≦b≦50、0≦c≦50であり、より好ましくは、60≦a≦100、0≦b≦40、0≦c≦40であり、特に好ましくは70≦a≦100、0≦b≦30、0≦c≦30である。
このような配向膜用ポリマーを用いる場合には、Xの成分にもよるが、皮膜を形成した後ラビング処理を施す前の表面の水酸基量はポリマー全体から予想されるより少ないことが多い。しかしながら、十分にラビング処理を施すことにより表面水酸基量が相対的に上昇し、前記の好ましい表面状態とすることができる。尚、この機構については、ラビングにより表面に偏析していた疎水性の成分を多く含む層が削れる、或いは表面官能基の再配置が起こるものと考えられるが、詳細は不明である。この場合、幅広いポリマーが配向膜用ポリマーとして使用可能となり、配向膜に光学異方性層との密着性等の新たな機能を付与することが可能となる。
本発明における配向膜用ポリマーは、付加、縮合、置換反応など種々の方法により製造することができる。一方、配向膜用ポリマーが、架橋性基を有する構成単位を含む場合、該配向膜用ポリマーは、(a)対応するモノマー(即ち、架橋性基となる置換基を有するモノマー)を重合して、直接エチレン性不飽和基を導入する手法;または(b)任意の官能基を有するモノマーを重合して得られたポリマーに、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する手法;により合成することができる。前記高分子反応は、I)例えば2−クロロエチル基から塩酸を脱離させるようなエチレン性不飽和基をプレカーサー化した官能基を含むポリマーを生成させた後に、官能基変換(脱離反応、酸化反応、還元反応、脱保護反応など)によりエチレン性不飽和基に誘導する方法;およびII)任意の官能基を含むポリマーを生成させた後に、該ポリマー中の官能基と結合生成反応が進行し、共有結合を生成し得る官能基とエチレン性不飽和基の両方を有する化合物(以降、「反応性モノマー」と称する。)を反応させる方法が挙げられる。また、前記I)およびII)の方法を組み合わせて、前記配向膜用ポリマーを合成してもよい。ここで、結合形成反応とは、一般に有機合成分野で用いられる結合生成反応のなかで共有結合を形成する反応であれば特に制限なく使用できる。一方で、配向膜用ポリマーに含まれるエチレン性不飽和基が反応中に熱重合し、ゲル化してしまう場合があるので、できるだけ低温(好ましくは60℃以下、より好ましくは室温(例えば、30℃)以下)で反応が進行するものが好ましい。また反応の進行を促進させる目的で触媒を用いてもよく、ゲル化を抑制する目的で重合禁止剤を用いてもよい。
前記配向膜用ポリマーの分子量範囲は、重量平均分子量で1000〜100万が好ましく、2000〜20万がより好ましく、3000〜10万がさらに好ましい。
表1に、本発明における、水酸基の含率が高いポリビニルアルコール類である、一般式(T)で表されるポリマーの具体例を示す。また、表2に、強いラビング処理による方法に適するポリマーである、一般式(T)で表されるポリマーの具体例を示す。本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
Figure 2007140068
Figure 2007140068
2−2.配向膜塗布液および配向膜形成方法
本発明における配向膜用ポリマーは、上記の架橋性官能基とは別に、架橋剤を用いて架橋させてもよい。架橋剤の例には、アルデヒド、N−メチロール化合物、ジオキサン誘導体、カルボキシル基を活性化することにより作用する化合物、活性ビニル化合物、活性ハロゲン化合物、イソキサゾールおよびジアルデヒド澱粉が含まれる。また、二種類以上の架橋剤を併用してもよい。具体的には、例えば特開2002−62426号公報の段落番号[0023]〜[0024]記載の化合物等が挙げられる。反応活性の高いアルデヒドが好ましく、グルタルアルデヒドがより好ましい。
架橋剤の添加量は、配向膜に使用されるポリマーに対して0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。配向膜に残存する未反応の架橋剤の量は、1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。このように調節することで、配向膜を液晶表示装置に長期使用、あるいは高温高湿の雰囲気下に長期間放置しても、レチキュレーション発生のない充分な耐久性がより得られやすくなる。
配向膜は、基本的に、配向膜用ポリマー、架橋剤を含む配向膜塗布液を支持体上に塗布した後、加熱乾燥(架橋させ)し、ラビング処理することにより形成することができる。架橋反応は、支持体上に塗布した後、任意の時期に行ってよい。ポリビニルアルコールのような水溶性ポリマーを配向膜用ポリマーとして用いる場合には、配向膜塗布液は消泡作用のある有機溶媒(例えば、メタノール)と水の混合溶媒とすることが好ましく、その比率は質量比で水:メタノールが0:100〜99:1が好ましく、0:100〜91:9であることがさらに好ましい。これにより、泡の発生が抑えられ、配向膜、更には光学異方層の層表面の欠陥をより効果的に減少させることができる。
配向膜の塗布方法は、スピンコーティング法、ジップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、ロッドコーティング法またはロールコーティング法が好ましく、ロッドコーティング法がより好ましい。また、乾燥後の膜厚は0.1〜10μmが好ましい。加熱乾燥は、20℃〜110℃で行なうことができる。より充分な架橋を形成するためには60℃〜100℃が好ましく、80℃〜100℃よりが好ましい。乾燥時間は、例えば、1分〜36時間で行なうことができるが、好ましくは1分〜30分である。pHも、使用する架橋剤に最適な値に設定することが好ましく、グルタルアルデヒドを使用した場合は、pH4.5〜5.5が好ましく、5がより好ましい。
配向膜は、通常、支持体上または上記下塗層上に設けられる。配向膜は、上記のとおり、例えば、配向膜用ポリマーを架橋したのち、表面をラビング処理することにより得ることができる。
ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を適用することができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル、レーヨン繊維などを用いて一定方向に擦ることにより、配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さおよび太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
前記の如く水酸基の含率が高い配向膜用ポリマーを用いる場合、比較的穏和なラビング条件でも好ましい表面組成を得ることができるが、水酸基の含率の低い配向膜用ポリマーを用いる場合には、十分にラビング処理を施すことが必要である。具体的には、ラビングの回数、ラビングの圧力等を高めることが挙げられ、用いるポリマーの組成に応じて実験的に決定できる。
3.支持体
位相差板は、支持体を有していてもよく、該支持体は、透明支持体であるのが好ましい。前記支持体は、主に、光学的等方性で、光透過率が80%以上であれば、特に材料の制限はないが、ポリマーフィルムが好ましい。ポリマーの具体例として、セルロースエステル類(例えば、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート)、ノルボルネン系ポリマー類、ポリ(メタ)アクリレートエステル類のフィルムなどを挙げることができ、多くの市販のポリマーを好適に用いることが可能である。このうち、光学性能の観点からセルロースエステル類が好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下脂肪酸で、炭素原子数は、2、3、4であることが好ましい。具体的には、セルロースアセテート、セルロースプロピオネートまたはセルロースブチレートが挙げられる。この中でも、セルローストリアセテートが特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。また、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであっても、例えば、国際公開第00/26705号パンフレットに記載の分子を修飾することで該発現性を低下させたもの等も用いることができる。
以下、支持体として好ましく使用されるセルロースエステルについて詳述する。
セルロースエステルとしては、酢化度が55.0〜62.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。特に酢化度が57.0〜62.0%であることが好ましい。酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。セルロースエステルの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。また、本発明に使用するセルロースエステルは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜1.7であることが好ましく、1.3〜1.65であることがさらに好ましく、1.4〜1.6であることが最も好ましい。
セルロースエステルでは、セルロースの2位、3位、6位の水酸基が全体の置換度の1/3ずつに均等に分配されるわけではなく、6位水酸基の置換度が小さくなる傾向がある。セルロースの6位水酸基の置換度が、2位、3位に比べて多いほうが好ましい。全体の置換度に対して6位の水酸基が30%〜40%の割合でアシル基によって置換されていることが好ましく、31%以上がアシル基によって置換されていることがより好ましく、32%以上がアシル基によって置換されていることがさらに好ましい。6位の置換度は、0.88以上であることが好ましい。6位水酸基は、アセチル基以外に炭素原子数3以上のアシル基(例えば、プロピオニル基、ブチリル基、バレロイル基、ベンゾイル基、アクリロイル基)で置換されていてもよい。各位置の置換度の測定は、NMRによって求める事ができる。6位水酸基の置換度が高いセルロースエステルは、特開平11−5851号公報の段落番号0043〜0044に記載の合成例1、段落番号0048〜0049に記載の合成例2、段落番号0051〜0052に記載の合成例3の方法を参照して合成することができる。
支持体として用いるポリマーフィルム、特にセルロースアセテートフィルムは、レターデーション値を調整するために、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物をレターデーション上昇剤として使用することが好ましい。このようなレターデーション上昇剤を使用する場合、レターデーション上昇剤は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲で使用することが好ましく、0.05〜15質量部の範囲で使用することがより好ましく、0.1〜10質量部の範囲で使用することがさらに好ましい。さらに、レターデーション上昇剤として、2種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。
ここでいう芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環の他、芳香族性ヘテロ環を含む趣旨である。
本発明で用いることができるレターデーション上昇剤が有する芳香族環は、少なくとも1つが6員環(すなわち、ベンゼン環)であることがより好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性ヘテロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が含まれる。芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が好ましく、ベンゼン環および1,3,5−トリアジン環がさらに好ましい。芳香族化合物は、少なくとも一つの1,3,5−トリアジン環を有することが特に好ましい。
芳香族化合物が有する芳香族環の数は、2〜20であることが好ましく、2〜12であることがより好ましく、2〜8であることがさらに好ましく、2〜6であることが最も好ましい。二つの芳香族環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)単結合で直結する場合および(c)連結基を介して結合する場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は形成できない)。結合関係は、(a)〜(c)のいずれでもよい。このようなレターデーション上昇剤としては、国際公開第01/88574号パンフレット、国際公開第00/2619号パンフレット、特開2000−111914号公報、同2000−275434号公報および特開2002−363343号公報に記載のものが好ましい。
セルロースアセテートフィルムは、調製されたセルロースアセテート溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法により製造することが好ましい。ドープには、前記のレターデーション上昇剤を添加してもよい。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18〜35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法については、例えば、米国特許2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載の方法を採用できる。ドープは、表面温度が10℃以下のドラム上またはバンド上に流延することが好ましい。流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフィルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100〜160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させてもよい。以上の方法は、例えば、特公平5−17844号公報の記載に従って行うことができる。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
ドープは、原料フレークをハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、エステル類(蟻酸メチル、酢酸メチル等)、エーテル類(ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエーテル等)等の溶剤にて溶解する。セルロースアシレートを溶解するための溶剤としては、ジクロロメタンが代表的である。しかし、地球環境や作業環境の観点では、溶剤はジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を実質的に含まないことが好ましい。「実質的に含まない」とは、有機溶剤中のハロゲン化炭化水素の割合が5質量%未満(好ましくは2質量%未満)であることを意味する。
ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を実質的に含まないセルロースアシレートフィルムおよびその製造法については発明協会公開技報(公技番号2001−1745、 2〜6頁、2001年3月15日発行、以下公開技報2001−1745号と略す)に記載されている。
調製したセルロースアセテート溶液(ドープ)を用いて、ドープを2層以上流延することによりフィルム化することもできる。ドープは、ドラム上またはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が10〜40質量%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。複数のセルロースアセテート溶液を流延する場合、支持体の進行方向に間隔をおいて設けた複数の流延口からセルロースアセテートを含む溶液をそれぞれ流延させて、それらを積層させながらフィルムを作製してもよい。例えば、特開昭61−158414号、特開平1−122419号、および特開平11−198285号の各公報に記載の方法を用いることができる。また、2つの流延口からセルロースアセテート溶液を流延することによりフィルム化してもよい。例えば、特公昭60−27562号、特開昭61−94724号、特開昭61−947245号、特開昭61−104813号、特開昭61−158413号、および特開平6−134933号の各公報に記載の方法を用いることができる。また、特開昭56−162617号公報に記載の、高粘度セルロースアセテート溶液の流れを低粘度のセルロースアセテート溶液で包み込み、高粘度および低粘度のセルロースアセテート溶液を同時に押出すセルロースアセテートフィルムの流延方法を用いてもよい。
セルロースアセテートフィルムは、さらに延伸処理によりレターデーション値を調整することができる。延伸倍率は、0〜100%の範囲にあることが好ましい。本発明で用いるセルロースアセテートフィルムを延伸する場合には、テンター延伸が好ましく使用され、遅相軸を高精度に制御するために、左右のテンタークリップ速度、離脱タイミング等の差をできる限り小さくすることが好ましい。
セルロースエステルフィルムには、機械的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルホスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジ−2−エチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、o−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)、o−アセチルクエン酸およびトリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。この中でも、フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられ、DEPおよびDPPがより好ましい。可塑剤の添加量は、セルロースエステルの量の0.1〜25質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましく、3〜15質量%であることがさらに好ましい。
セルロースエステルフィルムには、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン類)や紫外線防止剤を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載のものを採用できる。
劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01〜1質量%であることが好ましく、0.01〜0.2質量%であることがさらに好ましい。添加量を0.01質量%以上とすることにより、劣化防止剤の効果がより発揮されやすい傾向にある。また、添加量を1質量%以下とすることにより、フィルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)をより少なくできる傾向にある。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を挙げることができる。紫外線防止剤は、特開平7−11056号公報に記載のものを採用できる。
セルロースアセテートフィルムは、表面処理を施すことが好ましい。具体的方法としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理が挙げられる。また、特開平7−333433号公報に記載のように、下塗り層を設けることも好ましく利用される。フィルムの平面性を保持する観点から、これら処理においてセルロースアセテートフィルムの温度をガラス転移温度(Tg)以下、具体的には150℃以下とすることが好ましい。
セルロースアセテートフィルムの表面処理は、配向膜などとの接着性の観点から、酸処理またはアルカリ処理、すなわちセルロースアセテートに対するケン化処理を実施することが好ましい。
以下、アルカリ鹸化処理を例に、具体的に説明する。
アルカリ鹸化処理は、フィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられる。水酸化イオンの規定濃度は、0.1〜3.0Nの範囲にあることが好ましく、0.5〜2.0Nの範囲にあることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温(例えば、25℃)〜90℃の範囲にあることが好ましく、40〜70℃の範囲にあることがさらに好ましい。
また、セルロースアセテートフィルムの表面エネルギーは、55mN/m以上であることが好ましく、60〜75mN/mの範囲にあることがさらに好ましい。
セルロースアセテートフィルムの厚さは、5〜500μmの範囲が好ましく、20〜250μmの範囲がより好ましく、30〜180μmの範囲がさらに好ましく、30〜110μmの範囲が最も好ましい。
位相差板は、偏光膜と組み合わせて楕円偏光板の用途に供することができる。さらに、透過型、反射型および半透過型液晶表示装置に、偏光膜と組み合わせて適用することにより、視野角の拡大に寄与する。以下に、位相差板を利用した楕円偏光板および液晶表示装置について説明する。
[楕円偏光板]
本発明の位相差板と偏光膜を積層することによって楕円偏光板を作製することができる。本発明の位相差板を利用することにより、液晶表示装置の視野角を拡大し得る楕円偏光板を提供することができる。前記偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸は、フィルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。
偏光膜は、位相差板の光学異方性層側に積層する。偏光膜の位相差板を積層した側と反対側の面に保護膜(好ましくは透明保護膜)を形成することが好ましい。保護膜は、光透過率が80%以上であるのが好ましい。保護膜は、好ましくはセルロースエステルフィルムが、より好ましくはトリアセチルセルロースフィルムが用いられる。セルロースエステルフィルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。保護膜の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、50〜200μmであることがより好ましい。
[液晶表示装置]
本発明の位相差板は、液晶表示装置の視野角の拡大に寄与する。液晶表示装置は、通常、液晶セル、偏光板および位相差板(光学補償シート)を有する。前記偏光板は、一般に偏光膜と保護膜からなり、偏光膜と保護膜については、上記楕円偏光で説明したものを用いることができる。TNモードの液晶セル用位相差板(光学補償シート)は、例えば、特開平6−214116号公報、米国特許5583679号、同5646703号、ドイツ特許公報3911620A1号の各明細書の記載に従って作製することができる。また、IPSモードまたはFDCモードの液晶セル用位相差板は、例えば、特開平10−54982号公報の記載に従って作製することができる。さらに、OCBモードまたはHANモードの液晶セル用位相差板は、例えば、米国特許5805253号明細書および国際公開WO96/37804号公報の記載に従って作製することができる。さらにまた、STNモードの液晶セル用位相差板は、例えば、特開平9−26572号公報の記載に従って作製することができる。そして、VAモードの液晶セル用位相差板は、例えば、特許登録第2866372号公報の記載に従って作製することができる。
本発明の位相差板は、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−PDane Switching)、FDC(FerroeDectric Diquid CrystaD)、OCB(OpticaDDy Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(VerticaDDy ADigned)およびHAN(Hybrid ADigned Nematic)モード等の様々な表示モードの液晶表示装置に用いることができる。本発明の位相差板は、TN(Twisted Nematic)およびOCB(OpticaDDy Compensatory Bend)モードの液晶表示装置の光学補償に特に効果がある。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
1.ディスコティック液晶性化合物D3−10の合成
下記スキームに従って合成した。
Figure 2007140068
(D3−10Aの合成)
3−シアノ安息香酸クロライド2.5gをテトラヒドロフラン(THF)20mlに溶解させ、3−クロロ−1−プロパノール1.3ml、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)3.0mlを添加後、室温で1時間撹拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を減圧濃縮した。残渣をメタノール(MeOH)100mlに溶解させ、50%ヒドロキシルアミン溶液2.8mlを添加後、40℃で1時間撹拌した。冷却後、反応液に水を加え、析出した結晶を濾別、乾燥し、D3−10Aを3.4g得た。
(D3−10Bの合成)
3.4gのD3−10Aをジメチルアセトアミド(DMAc)10mlに溶解させ、ピリジン(Pyridine)1.2ml、トリメシン酸クロライド1.2gを添加後、120℃で1時間撹拌した。冷却後、メタノールを添加し、析出した結晶を濾取して乾燥し、3.9gのD3−10Bを得た。
(D3−10の合成)
3.9gのD3−10Bをジメチルアセトアミド50mlに溶解させ、炭酸カリウム3.7g、ヨウ化ナトリウム2.0g、アクリル酸1.9mlを添加後、100℃で3時間撹拌した。反応液に水を加え、析出した結晶をろ過により濾取した。カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、3.0gのD3−10を得た。得られたD3−10のNMRスペクトルは以下の通りであった。
1H−NMR(溶媒:CDCl3、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):2.30(6H、quint)、4.40(6H、t)、4.55(6H、t)、5.85(3H、dd)、6.15(3H、dd)、6.45(3H、dd)、7.65(3H、t)、8.25(3H、d)、8.45(3H、d)、8.90(3H、s)、9.30(3H、s)。
得られたD3−10の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。その結果、温度を上げていき115℃付近で結晶相からディスコティックネマチック液晶相に変わり、178℃を超えると等方性液体相に変わった。すなわち、D3−10は115℃から178℃の間でディスコティックネマチック液晶相を呈することが分った。
2.配向膜用ポリマー(P−4)の合成
以下のスキームに従って、配向膜用ポリマー(P−4)を合成した。
Figure 2007140068
100mLの三口フラスコにメタノール(15g)、酢酸ビニル(15.5g)、アクリルアミド(0.284g)、アゾイソブチロニトリル(0.2g)を入れ、窒素を35ml/分の流量で流しながら55℃に加熱した。そこに、アクリルアミド(1.14g)、メタノール(1.6g)の溶液を3時間掛けて滴下した。滴下終了後、そのままの温度で3時間反応させた。その後、反応系を室温に戻した後、反応溶液を1000mLの三口フラスコに移し、メタノール300mLを加え希釈した。この溶液を室温で攪拌しつつ、水酸化ナトリウム(7.8g)のメタノール(150g)溶液をゆっくりと添加した。そのまま4時間攪拌し、析出したポリマーを吸引ろ過によって取り出し、更にメタノールで洗浄し、乾燥した。このようにして本発明の配向膜塗布液に用いられるポリマー(P−4)を15.2g得た。得られたポリマーの比率は1H−N.M.Rより確認した。
3.位相差板の作製
[透明支持体の作製]
下記に示すセルロースアセテート溶液組成の各成分をミキシングタンクに投入し、加熱攪拌して、セルロースアセテート溶液(以下、ドープと呼ぶことがある)を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアセテート溶液組成
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酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート 6.5質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート 5.2質量部
下記のレターデーション上昇剤(1) 0.1質量部
下記のレターデーション上昇剤(2) 0.2質量部
メチレンクロライド 310.25質量部
メタノール 54.75質量部
1−ブタノール 10.95質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
レターデーション上昇剤(1)
Figure 2007140068
レターデーション上昇剤(2)
Figure 2007140068
得られたドープを流延口から0℃に冷却したドラム上に流延した。溶媒含有率70質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をピンテンターで固定し、溶媒含有率が3〜5質量%の領域で、幅方向(機械方向に垂直な方向)の延伸率が3%となる間隔を保ちつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、120℃を越える領域で機械方向の延伸率が実質0%、幅方向の延伸率と機械方向の延伸率との比が0.75となるように調整して、厚さ100μmのセルロースアセテートフィルムを作製した。作製したフィルムのレターデーション値を波長632.8nmで測定したところ、厚み方向のレターデーション値が40nm、面内のレターデーション値が4nmであった。作製したセルロースアセテートフィルムを透明支持体として用いた。
(第1下塗り層の形成)
上記透明支持体の上に、下記の組成の第1下塗り層塗布液を28mD/m2塗布し、乾燥して、第1下塗り層を形成した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第1下塗り層塗布液組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ゼラチン 5.44質量部
ホルムアルデヒド 1.38質量部
サリチル酸 1.62質量部
アセトン 391質量部
メタノール 158質量部
メチレンクロライド 406質量部
水 12質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(第2下塗り層の形成)
第1下塗り層の上に、下記の組成の第2下塗り層塗布液を7mD/m2塗布し、乾燥して、第2下塗り層を形成した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第2下塗り層塗布液組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記のアニオン性ポリマー 0.77質量部
クエン酸モノエチルエステル 10.1質量部
アセトン 200質量部
メタノール 877質量部
水 40.5質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
アニオン性ポリマー
Figure 2007140068
(バック層の形成)
透明支持体の反対側の面に、下記の組成のバック層塗布液を25mD/m2塗布し、乾燥して、バック層を形成した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
バック層塗布液組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
酢化度55%のセルロースジアセテート 6.56質量部
シリカ系マット剤(平均粒子サイズ:1μm) 0.65質量部
アセトン 679質量部
メタノール 104質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
[配向膜の形成]
(1)配向膜(AF1)の形成(本発明)
上記一般式(T)で表されるポリマーの例であるP−1に相当するポリマーとして、PVA103(ポリビニルアルコール、クラレ製)とグルタルアルデヒド(前記PVA103に対して5質量%)を水/メタノール混合液に、4質量%となるように希釈し、配向膜塗布液を調液した。該配向膜塗布液を、上記透明支持体(幅150mm、長さ200mに裁断したもの)の第2下塗り層の表面に塗布して、配向膜塗布層を形成した。該配向膜塗布層を120℃で2分間加熱して、乾燥し、厚さ1μmの膜を形成した。次いで、透明支持体の長手方向(搬送方向)にラビング処理を実施した。ラビング処理は金属筒表面にレーヨンを貼り付けたラビングローラー(直径65mm)を用い、下記条件の下でラビング処理を実施し、AF1の配向膜を得た。
ラビング布とフィルム面との距離(d):*mm
ラビングローラー回転数:1000rpm
支持体搬送速度:0.3m/min
(2)配向膜(AF2〜18)の調整(本発明)
上記AF1において用いる配向膜用ポリマー、添加剤、ラビング布とフィルム面との距離(d)を表3のように変えた以外はAF1と同様に行い、AF2〜18の配向膜を得た。
(3)配向膜(AF19〜21)の調整(比較例)
AF1において用いる配向膜用ポリマー、添加剤、ラビング布とフィルム面との距離(d)を表3のように変えた以外はAF1と同様に行い、AF19〜21の配向膜を得た。尚、表3中、PVA505は、(株)クラレ製ポリビニルアルコール(ケン化度72.5〜74.5mol%)を示している。
[配向膜表面組成測定]
得られたAF1〜21の配向膜の表面組成を決定すべく、ESCA測定を行った。C−O結合を形成している炭素原子に由来するピーク(287.5eV)の強度AとC=O結合を形成している炭素原子に由来するピーク(290.5eV)の強度Bとの比、つまりB/Aの値を表3に併記した。なお、測定にはKRATOS ANALYTICAL社製ESCAを用い、以下の条件で測定した。
X線源:MgKα
加速電圧:12kV
電流値:12mA
パスエネルギー:75eV
Figure 2007140068
[光学異方性層の形成]
(1)棒状液晶性分子組成物層の形成
上記のように形成した配向膜の上に、下記の組成の塗布液(RL−1)をバーコーターを用いて連続的に塗布した。塗布層を80℃で30秒間加熱して、棒状液晶性分子を配向させた。その温度で10秒間、600mj/cm2の紫外線を照射し、棒状液晶性分子を重合させ、配向状態を固定した。このようにして棒状液晶性分子組成物由来の層を形成した。この層の厚みは約80nmであった。
───────────────────────────────────
棒状液晶性分子組成物層の塗布液組成
───────────────────────────────────
下記の棒状液晶性化合物 V−1 14.4質量%
下記の増感剤 0.14質量%
下記の光重合開始剤 0.42質量%
メチルエチルケトン 85.04質量%
───────────────────────────────────
Figure 2007140068
Figure 2007140068
Figure 2007140068
(2)ディスコティック液晶性分子組成物層の形成−1
上記のように形成した配向膜の上に、下記の組成の塗布液(RL−2)をバーコーターを用いて連続的に塗布した。塗布層を125℃で1分間加熱して、ディスコティック液晶性分子を配向させた。その温度で4秒間、600mj/cm2の紫外線を照射してディスコティック液晶性分子を重合させ、配向状態を固定した。このようにして光学異方性層(厚み1.5μm)を形成た。
───────────────────────────────────
ディスコティック液晶性分子(VI−1)組成物層の塗布液組成−1
───────────────────────────────────
下記のディスコティック液晶性化合物 VI−1 14.5質量%
下記の増感剤 0.15質量%
下記の光重合開始剤 0.45質量%
下記の配向制御剤 D−5 0.10質量%
メチルエチルケトン 84.8質量%
───────────────────────────────────
Figure 2007140068
(3)ディスコティック液晶性分子組成物層の形成−2
上記のように形成した配向膜の上に、下記の組成の塗布液(RL−3)を、バーコーターを用いて連続的に塗布した。塗布層を125℃で1分間加熱して、ディスコティック液晶性分子を配向させた。その温度で4秒間、600mj/cm2の紫外線を照射してディスコティック液晶性分子を重合させ、配向状態を固定した。このようにして光学異方性層(厚み1.5μm)を形成した。
───────────────────────────────────
ディスコティック液晶性分子(VI−1)組成物層の塗布液組成−2
───────────────────────────────────
上記のディスコティック液晶性化合物 VI−1 14.5質量%
上記の増感剤 0.15質量%
上記の光重合開始剤 0.45質量%
上記の配向制御剤 D−5 0.10質量%
例示化合物 I−6(密着性改良添加剤) 0.07質量%
メチルエチルケトン 84.73質量%
───────────────────────────────────
(4)ディスコティック液晶性分子組成物層の形成−3
ラビング処理を行った配向膜の上に、下記の組成の塗布液(RL−4)を、バーコーターを用いて連続的に塗布した。塗布層を120℃で1分間加熱して、ディスコティック液晶性分子を配向させた。その温度で4秒間、600mj/cm2の紫外線を照射してディスコティック液晶性分子を重合させ、配向状態を固定した。このようにして光学異方性層(厚み1.0μm)を形成し、本発明の位相差板を作製した。
───────────────────────────────────
ディスコティック液晶性分子(D3−10)組成物層の塗布液組成−1
───────────────────────────────────
・例示化合物 D3−10 14.13質量%
・イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))
0.42質量%
・ジエチルチオキサントン(重合開始剤) 0.14質量%
・メチルエチルケトン 85.3質量%
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(5)ディスコティック液晶性分子組成物層の形成−4
ラビング処理を行った配向膜の上に、下記の組成の塗布液(RL−5)をバーコーターを用いて連続的に塗布した。塗布層を120℃で1分間加熱して、ディスコティック液晶性分子を配向させた。その温度で4秒間、600mj/cm2の紫外線を照射してディスコティック液晶性分子を重合させ、配向状態を固定した。このようにして光学異方性層(厚み1.0μm)を形成し、本発明の位相差板を作製した。
───────────────────────────────────
ディスコティック液晶性分子(D3−10)組成物層の塗布液組成−1
───────────────────────────────────
・例示化合物 D3−10 14.13質量%
・イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))
0.42質量%
・ジエチルチオキサントン(重合開始剤) 0.14質量%
・例示化合物 I−6(密着性改良添加剤) 0.07質量%
・メチルエチルケトン 85.24質量%
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
4.位相差板の評価
上記の方法により作製した位相差板(後述する表4の実施例1〜28および比較例1〜6に相当するもの)について下記評価を行った。
(平均チルト角の測定)
上述した方法により、KOBRA−WRを用いθ1及びθ2を算出した(λ=589nm)。この値の平均値((θ1+θ2)/2)を求め、平均チルト角とした。
(配向欠陥の測定)
上記方法で得られた位相差板を、偏光顕微鏡下で観察し、配向欠陥の評価を行った。評価は以下の基準に基づき行った。
著しい欠陥(スジ状、点状)が観られる:×
正常領域中に欠陥(スジ状、点状)が観られる:△
欠陥がほとんど観られない:〇
このようにして評価した各位相差板の配向欠陥の評価を以下の表4に記載した。
5.偏光板の作製
厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して偏光膜を得た。偏光膜の一方の面に、ケン化処理したロール状セルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フィルム(株)製)と、他方の面にケン化処理したロール状光学異方性層の透明支持体を、連続して貼り合わせ、偏光板を作製した。
6.液晶表示装置の作製
ITO透明電極が設けられたガラス基板の上に、ポリイミド配向膜を設け、ラビング処理を行った。5μmのスペーサーを介して、二枚の基板を配向膜面が向き合い、かつ配向膜のラビング方向が直交するように配置した。二枚の基板の間隙に、棒状液晶性化合物(ZD4792、メルク社製)を注入し、棒状液晶性化合物層を形成した。棒状液晶性化合物のΔnは0.0969であった。以上のようにして作製したTN液晶セルの両側に、上記で作製した位相差板のうちディスコティック液晶性化合物を用いたものをそれぞれ二枚配置し、光学異方性層が液晶セルの基板と対面するように貼り付けた。さらにそれらの外側に、上記のようにして作製した偏光板二枚を貼り付けて液晶表示装置を作製した。位相差板の配向膜のラビング方向と、それに隣接する液晶セルの配向膜のラビング方向とは、反平行になるように配置した。また、偏光板の吸収軸と、液晶セルのラビング方向とは平行になるように配置した。
それぞれ作製した液晶表示装置の液晶セルに電圧を印加し、白表示2V、黒表示5Vにおける白表示と黒表示との透過率をコントラスト比として、上下左右でコントラスト比10、かつ階調反転のない領域を視野角として測定した。また、白表示時と黒表示時における色味の角度依存性を目視にて行った。その結果を表4に示した。
Figure 2007140068
表4の結果から本発明の位相差板(実施例1〜29)は、棒状液晶性分子、ディスコティック液晶性分子のいずれを用いても、配向欠陥が少ない良好な面状を得られ、これらの位相差板を用いた液晶表示装置では角度による色身変化が少なかった。また、従来配向欠陥が少ない配向が困難であったヘテロ環基による3置換ベンゼン型のディスコティック液晶分子を用いても、配向欠陥が少ない良好な面状を得られ、これらの位相差板を用いた液晶表示装置では角度による色身変化が少なかった。これに対し、比較例の位相差板(比較例1〜6)ではヘテロ環基による3置換ベンゼン型のディスコティック液晶分子を用いた場合に配向欠陥が多く、結果として所望の液晶セルの補償ができず、色味変化などが目視で顕著に観察された。本発明に用いられた配向膜は表面の水酸基量が高く、このような配向膜を用いる事でヘテロ環基による3置換ベンゼン型のディスコティック液晶分子を含む多様な液晶性化合物を欠陥が少ない状態で均一に配向させることが確認された。


Claims (7)

  1. 配向膜と、該配向膜上に設けられた、少なくとも一種の液晶性化合物を含む光学異方性層とを有し、前記配向膜が、ESCA測定によって得られるC−O結合を有する炭素原子に由来するピークの強度(A)とC=O結合を有する炭素原子に由来するピークの強度(B)との比率(B/A)が、0.25以下である表面状態を有する、位相差板。
  2. 前記液晶性化合物が、下記一般式(DI)で表される化合物である、請求項1に記載の位相差板。
    一般式(DI)
    Figure 2007140068

    (一般式(DI)中、Y11、Y12およびY13はそれぞれ独立に、メチンまたは窒素原子を表し;L1、L2およびL3はそれぞれ独立に、単結合または二価の連結基を表し;H1、H2およびH3はそれぞれ独立に、下記一般式(DI−A)または下記一般式(DI−B)を表し;
    一般式(DI−A)
    Figure 2007140068
    (一般式(DI−A)中、YA1およびYA2はそれぞれ独立に、メチンまたは窒素原子を表し;XAは酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表し;*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。);
    一般式(DI−B)
    Figure 2007140068
    (一般式(DI−B)中、YB1およびYB2はそれぞれ独立に、メチンまたは窒素原子を表し;XBは酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表し;*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。);
    1、R2およびR3はそれぞれ独立に、下記一般式(DI−R)を表す;
    一般式(DI−R)
    *−(−L21−F1n1−L22−L23−Q1
    (一般式(DI−R)中、*は一般式(DI)中のH1、H2またはH3に結合する位置を表し;L21は単結合または二価の連結基を表し;F1は少なくとも1種類の環状構造を有する二価の環状連結基を表し;n1は0〜4の整数を表し;L22は*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−、*−O−CO−O−、*−S−、*−NH−、*−SO2−、*−CH2−、*−CH=CH−または*−C≡C−を表し(ここで、*はL23と反対の側に結合する位置を表す);L23は−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、CH=CH−および−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表し;上述の基が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよく;Q1は重合性基または水素原子を表す。))
  3. 前記光学異方性層が、下記一般式(I)で表される重合性化合物の少なくとも一種をさらに含有する、請求項1または2に記載の位相差板。
    一般式(I)
    Figure 2007140068
    (一般式(I)中、X1は二価の連結基を表し、Zは重合性基を有する置換基を表し、Qは、配向膜に吸着して結合が可能な基を表す。)
  4. 前記一般式(I)で表される重合性化合物が、下記一般式(II)で表される重合性化合物である、請求項3に記載の位相差板。
    一般式(II)
    Figure 2007140068
    (一般式(II)中、R301およびR302は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換のアリール基、または、置換若しくは無置換のヘテロアリール基を表し、置換若しくは無置換のアルキレン連結基または置換若しくは無置換のアリール連結基、あるいは、これらの組み合わせからなる連結基を介して連結してもよい。X1は二価の連結基を表し、Zは重合性基を有する置換基を表す。)
  5. 前記配向膜は、一般式(T)で表されるポリマーを用いてなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の位相差板。
    一般式(T)
    Figure 2007140068
    (一般式(T)中、Xは任意の重合単位を表し、a、b、cはそれぞれの重合単位のモル分率を表し、50≦a≦100、0≦b≦50、0≦c≦50である。)
  6. 配向膜にラビング処理を施す工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の位相差板の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の位相差板を用いた液晶表示装置。
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