JP2007138359A - 防炎性ポリエステル織物およびその製造方法および防炎性繊維製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】極めて防炎性に優れた防炎性ポリエステル織物およびその製造方法および防炎性繊維製品を提供する。
【解決手段】防炎剤をポリエステルポリマー中に含み、その繊維表面に油剤が付着した防炎性ポリエステル繊維糸条を経糸および/または緯糸に配して織物を製織し、後加工により該織物に防炎剤が付与したのち、洗浄することにより該織物に付着した油剤量(残油率)を0.50重量%以下とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、極めて防炎性に優れた防炎性ポリエステル織物およびその製造方法および防炎性繊維製品に関するものである。
従来、ポリエステル繊維製品に防炎性を付与する方法としては、ポリエステル繊維を形成するポリエステルポリマー中に防炎剤を共重合および/またはブレンドする方法や、後加工により防炎剤を付与する方法などが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
他方、近年では、防炎性能に対する要求が益々厳しくなっており、フランス規格NFP92−503(1995年12月)、フランス規格NFP92−504(1995年12月)、およびフランス規格NFP92−505(1995年12月)に合格するほどの極めて優れた防炎性が求められている。
しかしながら、これらの規格全てに合格するほど極めて防炎性に優れた防炎性ポリエステル繊維製品はこれまであまり提案されていない。
特公平4−44029号公報 特許第3382180号公報 特開平11−1872号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、極めて防炎性に優れた防炎性ポリエステル織物およびその製造方法および防炎性繊維製品を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、防炎剤をポリエステルポリマー中に含む防炎性ポリエステル繊維糸条を用いて織物を織成した後、後加工により該織物に防炎剤を付与し、その際、繊維を紡糸する際に繊維表面に付着した油剤の残油率を小さくすることにより、極めて優れた防炎性を有する防炎性ポリエステル織物が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「防炎剤をポリエステルポリマー中に含み防炎性ポリエステル繊維糸条Aが経糸および/または緯糸に配されてなる織物であって、
後加工により該織物に防炎剤が付与されており、かつ該織物を構成する繊維の表面に、油剤が繊維重量に対して0.50重量%以下付着していることを特徴とする防炎性ポリエステル織物。」が提供される。
その際、防炎性ポリエステル繊維糸条Aに含まれる防炎剤がリン系防炎剤であることが好ましい。また、防炎性ポリエステル繊維糸条Aの総繊度が30〜1000dtexの範囲内であることが好ましい。また、防炎性ポリエステル繊維糸条Aに仮撚捲縮加工が施されていることが好ましい。
本発明の防炎性ポリエステル織物において、後加工により付与される防炎剤が、臭素化シクロアルカン類防炎剤またはリン系防炎剤であることが好ましい。また、織物の目付けが200g/m以上であることが好ましい。また、遮光率が99.4%以上であることが好ましい。防炎性能としては、フランス規格NFP92−503(1995年12月)に規定された火炎反応試験において、布帛からの着炎した溶融物の落下がなく、かつ火炎を取り除いたときに布帛への着炎が5秒未満であることが好ましい。また、フランス規格NFP92−504(1995年12月)に規定された火炎反応試験において、布帛からの着炎した溶融物の落下がなく、かつ火炎を取り除いたときに布帛への着炎が2秒未満であることが好ましい。さらには、フランス規格NFP92−505(1995年12月)に規定された火炎反応試験において、布帛からの着炎した溶融物の落下がなく、かつ布帛の下に設置された綿が、布帛の溶融落下物により着炎しないことが好ましい。
また、本発明によれば、「防炎剤をポリエステルポリマー中に含みかつその繊維表面に油剤が付着した防炎性ポリエステル繊維糸条Aを経糸および/または緯糸に配して織物を製織した後、
後加工により該織物に防炎剤を付与し、該織物を洗浄することにより、該織物を構成する繊維表面に付着した油剤量を繊維重量に対して0.50重量%以下とすることを特徴とする、前記に記載の防炎性ポリエステル織物の製造方法。」が提供される。
また、本発明によれば、前記の防炎性ポリエステル織物を用いてなる、防炎性カーテン、防炎性衣服、椅子被覆材、およびカーシートからなる群より選択されるいずれかの防炎性繊維製品が提供される。
本発明によれば、極めて防炎性に優れた防炎性ポリエステル織物およびその製造方法および防炎性繊維製品が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明の防炎性ポリエステル織物は、防炎剤をポリエステルポリマー中に含み、防炎性ポリエステル繊維糸条Aが経糸および/または緯糸(好ましくは経糸および緯糸)に配された織物である。
ここで、ポリエステルポリマー中に含ませる防炎剤としては、(2−カルボキシエチル)メチルホスフィン酸、(2−カルボキシエチル)フェニルホスフィン酸、(2−メトキシカルボニルエチル)フェニルホスフィン酸、(2−ヒドロキシエトキシカルボニルエチル)フェニルホスフィン酸、p−(2−カルボキシエチル)クロロフェニルホスフィン酸、(2−フェノキシカルボニルエチル)ヘキシルホスフィン酸等のリン系防炎剤が好ましく例示される。このうち特に好ましくは(2−カルボキシエチル)メチルホスフィン酸、(2−カルボキシエチル)フェニルホスフィン酸などのリン系防炎剤であることが好ましい。これらの防炎剤は通常ポリエステルに共重合しているが、ブレンドしていてもよい。その際、含有量としては、リン系防炎剤であればリン元素として0.1〜3.0重量%(特に好ましくは0.2〜0.6重量%)の範囲内であることが好ましい。
前記のポリエステルとしては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、炭素数2〜6のアルキレングリコール、すなわちエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールからなる群より選ばれた少なくとも1種のグリコール、特に好ましくはエチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルが例示される。かかるポリエステルには共重合成分を有していてもよい。また、かかるポリエステルは再生ポリエステルであってもよい。かかる再生ポリエステルには、ペットボトルを原料とし、加熱して溶融また溶剤により溶解してペレット化し、再度、溶融紡糸することなどにより得られる再生ポリエステル、およびケミカルリサイクルにより得られる再生ポリエステルを含む。
前記ポリエステル中には、防炎剤だけでなく、必要に応じて、艶消し剤、微細孔形成剤、カチオン可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、着色剤(例えば黒色)、帯電防止剤、吸湿剤、抗菌剤、マイナスイオン発生剤等を1種又は2種以上を添加してもよい。特にポリエステル中に黒色の着色剤が練りこまれていると、本発明の防炎性ポリエステル織物に遮光性が付加され好ましい。
前記の防炎性ポリエステル繊維糸条Aにおいて、総繊度が30〜1000dtexの範囲内であることが好ましい。また、単繊維繊度が0.1〜5.0dtex、フィラメント数が30〜300本の範囲内であることが好ましい。糸条の形態としては、短繊維でもよいし長繊維(マルチフィラメント)でもよいが、後者が好ましい。かかる長繊維には通常の仮撚捲縮加工が施されていることが好ましい。さらには、撚糸や空気加工が施されていてもよい。単糸の横断面形状も特に限定されるものではなく、通常の丸型だけでなく、扁平、くびれ付き扁平、三角、Y型、T型、U型などの異型であってもよい。
本発明の防炎性ポリエステル織物において、防炎性ポリエステル繊維糸条Aが経糸および緯糸のうちどちらか一方にのみ配される場合、他方に配する糸条としては、ポリエステル繊維糸条であることが好ましい。かかるポリエステル繊維糸条としては、防炎剤を含まないこと以外は、前記の防炎性ポリエステル繊維糸条Aと同様のものでよい。
本発明の防炎性ポリエステル織物は、さらに後加工により防炎剤が付与されている。かかる防炎剤としては、特公昭53−8840号公報に示されている化合物、例えば、1,2,3,4,5,6−ヘキサブロムシクロペンタン、1,2,5,6,9,10−ヘキサブロムシクロドデカンなどの環構成炭素原子7ないし12個と、この環構成炭素原子に結合している臭素原子4ないし6個を持つ臭素化シクロアルカン類、および、ヘキサブロムナフタレン、ヘキサブロムジフェニルエーテル、テトラブロムジフェニルエーテルなどの芳香環2ないし3個と、該芳香環に結合している臭素原子4ないし10個を有する臭素化多核芳香族化合物が好ましく、特に臭素化シクロアルカン類が好ましい。そのなかでも、ヘキサブロムシクロドデカンが特に好ましい。また、後加工に用いる防炎剤として、前記のようなリン系防炎剤も好ましい。
後加工で使用する防炎剤の量としては、ポリエステル織物重量に対して固形分で2.5〜15.0重量%の範囲内であることが好ましい。2.5重量%未満では、十分な防炎効果が得られないおそれがある。逆に15.0重量%を超えると、繊維物性が低下するおそれがある。
次に、本発明の防炎性ポリエステル織物において、該織物を構成する繊維表面に、油剤が繊維重量に対して0.50重量%以下(特に好ましくは0.10〜0.45重量%)付着していることが肝要である。かかる油剤の付着量(以下、残油率ということもある。)が0.50重量%よりも大きいと、本発明が目的とするほどの極めて優れた防炎性が得られず好ましくない。かかる残油率は防炎性の点で小さければ小さいほど好ましいが、0.10重量%よりも小さくすると洗浄コストがアップするおそれがある。なお、かかる残油率は下記式により算出される。
残油率(重量%)=(W1−W2)/W2×100
ただし、W1は脱油前の絶乾(温度105℃×2時間)のサンプル重量であり、W2は脱油後の絶乾(温度105℃×2時間)のサンプル重量である。
本発明の防炎性ポリエステル織物は、例えば以下の方法により製造することができる。すなわち、まず、防炎剤をポリエステルポリマー中に含みかつその繊維表面に油剤が付着した防炎性ポリエステル繊維糸条Aを経糸および/または緯糸に配して織物を製織する。その際、繊維表面に付着している油剤としては、繊維の紡績工程、紡糸工程で使用される油剤や仮撚加工工程で使用される油剤や製織編工程で使用される機械油であって、これらの油剤の成分としては、例えば、鉱物油、エステル系平滑剤、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドの共重合体等のエーテル系平滑剤、シリコーン油、各種ワックス、ノニオン系、アニオン系、カチオン系等の各種界面活性剤、乳化安定剤、制電剤、集束剤等を挙げることができる。
具体的には、鉱物油としては、ナフテン系やパラフィン系鉱物油及びこれらの混合物等、エステル系平滑剤としては、高級アルコールと脂肪酸とのエステル、ジイソオクチルフタレート、ジイソオクチルアジペート、ジイソオクチルアゼレート等のアジピン酸、アゼライン酸、フタル酸、トリメリット酸等の多塩基性酸と高級アルコールとのエステル、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコールと高級脂肪酸とのエステル、芳香族カルボン酸エステル、高級脂肪酸エステル等、シリコーン油としては、アミノ変性シリコーン油等が挙げられる。油剤総付着量としては、通常繊維重量に対して、0.1〜5.0質量%、特に0.2〜1.0質量%である。
また、織物組織は特に制限されず、たて二重織、よこ二重織等の片二重織組織、完全二重織組織、完全三重組織織物、両面サテン組織など公知の織物組織を採用することができる。また、織物のカバーファクター(CF)が優れた遮光率を得る上で3000以上(好ましくは3500〜5000)であることが好ましい。
ここで、カバーファクター(CF)は次式で表されるものである。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
ただし、DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。
次いで、後加工により該織物に防炎剤を付与する。その際、防炎剤を付与する方法は、通常の液流染色機を使用して温度130〜135℃、20〜40分の条件で染色と同浴加工することが好ましい。もちろん、染色加工の前および/または後に防炎剤を付与してもなんらさしつかえない。
次いで、該織物を、界面活性剤0.5〜3.0gr/リットル使用し、温度60〜90℃、20〜80分で洗浄することにより、繊維表面に付着した油剤を洗い落とし、織物の残油率を0.50重量%以下とすることにより、本発明の防炎性ポリエステル織物が得られる。なお、洗浄の際に使用する界面活性剤は特に限定されずアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などいずれでもよい。
かくして得られた防炎性ポリエステル織物において、織物の目付けが200g/m以上(好ましくは、200〜300g/m)であると優れた遮光率が得られ好ましい。かかる遮光率としては99.4%以上であることが好ましい。
本発明の防炎性ポリエステル織物には、前記の防炎性ポリエステル繊維糸条Aが含まれ、かつ後加工により該織物に防炎剤が付与されており、しかも織物の残油率が小さいので極めて優れた防炎性を呈する。
かかる防炎性としては、フランス規格NFP92−503(1995年12月)に規定された火炎反応試験において、布帛からの着炎した溶融物の落下がなく、かつ火炎を取り除いたときに布帛への着炎が5秒未満であることが好ましい。また、フランス規格NFP92−504(1995年12月)に規定された火炎反応試験において、布帛からの着炎した溶融物の落下がなく、かつ火炎を取り除いたときに布帛への着炎が2秒未満であることが好ましい。また、フランス規格NFP92−505(1995年12月)に規定された火炎反応試験において、布帛からの着炎した溶融物の落下がなく、かつ布帛の下に設置された綿が、布帛の溶融落下物により着炎しないことが好ましい。特には、これら3つの防炎性能を同時に満足することが特に好ましい。
なお、本発明の防炎性ポリエステル織物には、常法のアルカリ減量加工、染色加工、吸水加工、撥水加工、起毛加工、紫外線遮蔽あるいは制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
本発明の防炎性ポリエステル織物は極めて優れた防炎性を呈するので、防炎性カーテン、防炎性衣服、椅子被覆材、カーシートなどの繊維製品を得ると、極めて防炎性に優れた繊維製品が得られる。なかでも、防炎性カーテンとして好適に使用することができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
(1)遮光率
JIS L1055 6.1A法(照度10万ルックス)により測定した。
(2)残油率(重量%)
試料(重量:3gr)をソックスレー(溶剤:シクロヘキサン)で90℃×3時間脱油した後、下記式により残油率(重量%)を算出した。
残油率(重量%)=(W1−W2)/W2×100
ただし、W1は脱油前の絶乾(105℃×2時間)の重量であり、W2は脱油後の絶乾(105℃×2時間)の重量である。
(3)防炎性
フランス規格NFP92−503(1995年12月)に規定された火炎反応試験(30度傾斜での測定)、フランス規格NFP92−504(1995年12月)に規定された火炎反応試験(垂直での測定)、およびフランス規格NFP92−505(1995年12月)に規定された火炎反応試験(綿への延焼測定)に従い、防炎性を評価した。
[実施例1]
通常の方法で得られ、その繊維表面に油剤が付着したフルダルポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸条84dtex/72fil(帝人ファイバー(株)製)を経糸に、特公昭53−13479号公報の例1と同様の方法により得られ、2−カルボキシエチル−メチルホスフィン酸(リン含有で0.5%)と着色剤(黒色)とをポリマー中に含み、その繊維表面に油剤が付着したポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸条330dtex/96fil(防炎性ポリエステル繊維糸条A)を緯糸に使用して、常法により7枚両面サテン組織で織物を製織した後、該織物を通常の液流染色機を使用して防炎加工(浴比1:10、防炎剤YM88(第一工業製薬製、ヘキサブロムシクロドデカン)、10%owf)と、染色加工(分散染料1.0%owf)とを同浴で行い、その後、界面活性剤を1gr/リットル使用し、80℃×40分間の条件で洗浄することにより、防炎性ポリエステル織物を得た。
得られた防炎性ポリエステル織物において、経密度332本/2.54cm、緯密度70本/2.54cm、遮光率99.9%、目付け225gr/m、残油率0.39重量%であった。また、フランス規格NFP92−503(1995年12月)に規定された火炎反応試験(30度傾斜での測定)で「着炎した溶融物の落下なし」「布帛への着炎0秒」、フランス規格NFP92−504(1995年12月)に規定された火炎反応試験(垂直での測定)で「着炎した溶融物の落下なし」「布帛への着炎0秒」、フランス規格NFP92−505(1995年12月)に規定された火炎反応試験(綿への延焼測定)で「着炎した溶融物の落下なし」「綿の着火なし」であった。
また、かかる防炎性ポリエステル織物を用いてカーテンを縫製した。
[実施例2]
実施例1において、防炎剤を含むセミダルポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸条84dtex/36fil(防炎性ポリエステル繊維糸条A)を経糸にも配すること以外は実施例1と同様にした。
得られた防炎性ポリエステル織物において、経密度332本/2.54cm、緯密度70本/2.54cm、遮光率99.7%、目付け224gr/m、残油率0.40重量%であった。また、フランス規格NFP92−503(1995年12月)に規定された火炎反応試験(30度傾斜での測定)で「着炎した溶融物の落下なし」「布帛への着炎0秒」、フランス規格NFP92−504(1995年12月)に規定された火炎反応試験(垂直での測定)で「着炎した溶融物の落下なし」「布帛への着炎0秒」、フランス規格NFP92−505(1995年12月)に規定された火炎反応試験(綿への延焼測定)で「着炎した溶融物の落下なし」「綿の着火なし」であった。
また、かかる防炎性ポリエステル織物を用いてカーテンを縫製した。
[実施例3]
実施例1において、防炎加工における防炎剤の使用量を20%owf、洗浄を2回行うこと以外は実施例1と同様にした。
得られた防炎性ポリエステル織物において、経密度332本/2.54cm、緯密度70本/2.54cm、遮光率99.9%、目付け225gr/m、残油率0.13重量%であった。また、フランス規格NFP92−503(1995年12月)に規定された火炎反応試験(30度傾斜での測定)で「着炎した溶融物の落下なし」「布帛への着炎0秒」、フランス規格NFP92−504(1995年12月)に規定された火炎反応試験(垂直での測定)で「着炎した溶融物の落下なし」「布帛への着炎0秒」、フランス規格NFP92−505(1995年12月)に規定された火炎反応試験(綿への延焼測定)で「着炎した溶融物の落下なし」「綿の着火なし」であった。
[比較例1]
実施例1において、着色剤(黒色)をポリマー中に含み、防炎剤を含まず、かつその繊維表面に油剤が付着したポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸条330dtex/60filを緯糸に使用して、洗浄時間を20分間に変更すること以外は実施例1と同様にした。
得られた防炎性ポリエステル織物において、経密度332本/2.54cm、緯密度70本/2.54cm、遮光率99.9%、目付け225gr/m、残油率0.68重量%であった。また、フランス規格NFP92−503(1995年12月)に規定された火炎反応試験(30度傾斜での測定)で「着炎した溶融物の落下あり」「布帛への着炎0秒」、フランス規格NFP92−504(1995年12月)に規定された火炎反応試験(垂直での測定)で「着炎した溶融物の落下あり」「布帛への着炎0秒」、フランス規格NFP92−505(1995年12月)に規定された火炎反応試験(綿への延焼測定)で「着炎した溶融物の落下あり」「綿の着火なし」であった。
本発明によれば、極めて防炎性に優れた防炎性ポリエステル織物およびその製造方法および防炎性繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (12)

  1. 防炎剤をポリエステルポリマー中に含み防炎性ポリエステル繊維糸条Aが経糸および/または緯糸に配されてなる織物であって、
    後加工により該織物に防炎剤が付与されており、かつ該織物を構成する繊維の表面に、油剤が繊維重量に対して0.50重量%以下付着していることを特徴とする防炎性ポリエステル織物。
  2. 防炎性ポリエステル繊維糸条Aに含まれる防炎剤がリン系防炎剤である、請求項1に記載の防炎性ポリエステル織物。
  3. 防炎性ポリエステル繊維糸条Aの総繊度が30〜1000dtexの範囲内である、請求項1または請求項2に記載の防炎性ポリエステル織物。
  4. 防炎性ポリエステル繊維糸条Aに仮撚捲縮加工が施されてなる、請求項1〜3のいずれかに記載の防炎性ポリエステル織物。
  5. 後加工により付与される防炎剤が、臭素化シクロアルカン類防炎剤またはリン系防炎剤である、請求項1〜4のいずれかに記載の防炎性ポリエステル織物。
  6. 織物の目付けが200g/m以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の防炎性ポリエステル織物。
  7. 遮光率が99.4%以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の防炎性ポリエステル織物。
  8. フランス規格NFP92−503(1995年12月)に規定された火炎反応試験において、布帛からの着炎した溶融物の落下がなく、かつ火炎を取り除いたときに布帛への着炎が5秒未満である、請求項1〜7のいずれかに記載の防炎性ポリエステル織物。
  9. フランス規格NFP92−504(1995年12月)に規定された火炎反応試験において、布帛からの着炎した溶融物の落下がなく、かつ火炎を取り除いたときに布帛への着炎が2秒未満である、請求項1〜8のいずれかに記載の防炎性ポリエステル織物。
  10. フランス規格NFP92−505(1995年12月)に規定された火炎反応試験において、布帛からの着炎した溶融物の落下がなく、かつ布帛の下に設置された綿が、布帛の溶融落下物により着炎しない、請求項1〜9のいずれかに記載の防炎性ポリエステル織物。
  11. 防炎剤をポリエステルポリマー中に含みかつその繊維表面に油剤が付着した防炎性ポリエステル繊維糸条Aを経糸および/または緯糸に配して織物を製織した後、
    後加工により該織物に防炎剤を付与し、該織物を洗浄することにより、該織物を構成する繊維表面に付着した油剤量を繊維重量に対して0.50重量%以下とすることを特徴とする、請求項1に記載の防炎性ポリエステル織物の製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の防炎性ポリエステル織物を用いてなる、防炎性カーテン、防炎性衣服、椅子被覆材、およびカーシートからなる群より選択されるいずれかの防炎性繊維製品。
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