JP2007138151A - 難燃性ポリアミド系樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリアミド系樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ハロゲン化合物、アンチモン化合物を含有せず、また、樹脂に添加した場合、機械特性、耐衝撃性、低発煙性、電気特性、耐熱性及び難燃性を高度にバランスさせることのできる難燃剤組成物を提供するものである。
【解決手段】(A)ポリアミド系樹脂100重量部に対し、(B)ホスファゼン化合物、ホスフィン酸塩から選ばれる少なくとも一種5〜70重量部、(C)シリカ、石炭灰、ゼオライト、珪酸塩から選ばれる少なくとも一種0.1〜15重量部からなる難燃性ポリアミド系樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ハロゲン化合物、アンチモン化合物を含まないことにより、環境への負荷が小さい、高度に難燃化され成形品外観に優れたポリアミド樹脂組成物に関する。
エンジニアリング樹脂の中で、ポリアミド樹脂は、耐熱性が高く、成形流動性が極めてよいという特徴によって、電子・電気用途、OA機器用途、自動車用途等に広く使われており、これら用途では難燃性が要求され、難燃性ポリアミド樹脂組成物が多用される。
ポリアミド樹脂を難燃化する手法としては、フィラー無添加のポリアミド樹脂はメラミンシアヌレート、ガラス繊維や無機フィラーを添加したポリアミド樹脂は、臭素化ポリスチレンと酸化アンチモンが主流となっている。フィラー無添加難燃ポリアミド樹脂では、ハロゲンを使っていないので、環境負荷は小さく、この点では優れた難燃化手法と言えるが、メラミンシアヌレートの難燃力が不足することもあり、性能改良が更に要求される場合もある。
ポリアミド樹脂は冬場、成形直後のドライ状態で折れ割れが発生したり、1年を通じての季節変化に対応した湿度変化による吸水寸法変化が問題となる。折れ割れ改良のためには、エラストマー等の耐衝撃強度付与材を添加することが有効と考えられ、また、吸水寸法変化には、ポリプロピレン等吸水しない樹脂を添加することが考えられるが、これら、エラストマー、ポリプロピレン等どの樹脂を添加すると、ポリアミド樹脂の難燃化は更に困難となり、現在のメラミンシアヌレートでは、UL94V−0を達成するレベルまで難燃性を向上させることが困難であった。
フィラー添加ポリアミド樹脂は、フィラーがろうそくの芯の働きをして燃焼を加速するため、やはりメラミンシアヌレートでは難燃力が不足してハロゲン系難燃剤を使わざるを得ないのが実態である。メラミンシアヌレート以外の非ハロゲン難燃剤においても、十分な難燃力を有していなかったり、熱分解、加水分解等によってブリードアウトを起こす等実用上の問題があり、より高度な難燃化手法が求められていた。
特許文献1には、ポリアミド樹脂にポリフェニレンエーテル系樹脂とホスファゼン化合物を添加して難燃化する方法が開示されている。また、特許文献2では芳香族ポリアミドにホスファゼン化合物を添加する試みもなされている。しかし、いずれも十分な難燃性付与効果を得る為には難燃剤成分を多量に添加する必要があり、難燃性付与効果と耐吸湿性、機械特性等とのバランスが未だに不十分であった。
特許文献3にはポリアミド6/66とポリアミド6からなる樹脂に無機粒子を添加する技術が開示されている。しかしこの技術は無機粒子添加により艶消し性を向上させる技術であり、ホスファゼン化合物と併用することによる難燃性向上効果は見られず、難燃性付与効果は未だ不十分である。
特許文献4にはポリスチレン系樹脂に対し、難燃剤としてリン酸エステルを、難燃助剤として少量のタルクを使用する手法が開示されている。しかし、この技術では十分な難燃性を付与することできないだけでなく、耐熱性、流動性、耐衝撃性が低下する傾向があった。
特開2002−53751号公報 特開2001-131409号公報 特開2001−106900号公報 特開2000−129071号公報
本発明は、ハロゲン化合物、アンチモン化合物を含まず、難燃性、低発煙性、耐衝撃性、機械特性、耐熱性、電気特性、加工性等の諸特性をバランス良く付与することができる難燃性ポリアミド系樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、(A)ポリアミド系樹脂に対して、(B)リン系難燃剤だけでなく、(C)シリカ、石炭灰、ゼオライト、珪酸塩から選ばれる少なくとも一種を添加することにより、高温加熱時の炭化層の形成を大幅に促進し、優れた難燃性を付与するとともに、優れた機械特性、低発煙性、耐衝撃性、耐熱性、電気特性、加工性を有する難燃性ポリアミド系樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
1.(A)ポリアミド系樹脂100重量部に対し、(B)ホスファゼン化合物、ホスフィン酸塩から選ばれる少なくとも一種5〜70重量部、(C)シリカ、石炭灰、ゼオライト、珪酸塩から選ばれる少なくとも一種0.1〜15重量部からなる難燃性ポリアミド系樹脂組成物、
2.(B)成分がホスファゼン化合物であることを特徴とする上記1.に記載の難燃性ポリアミド系樹脂組成物、
3.更に(D)炭化性樹脂5〜150重量部含有することを特徴とする上記1.又は2.に記載の難燃性ポリアミド系樹脂組成物、
4.(D)炭化性樹脂が、ポリフェニレンエーテル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、サーモトロピック液晶、ポリフェニレンスルフィド系樹脂から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記1.〜3.いずれか一つに記載の難燃性ポリアミド系樹脂組成物、
5.更に(E)充填材を10〜200重量部含有することを特徴とする上記1.〜4.いずれか一つに記載の難燃性ポリアミド系樹脂組成物、
6.上記1.〜5.いずれか一つに記載の樹脂組成物からなる成型体、
である。
本発明の難燃性ポリアミド系樹脂組成物は、ハロゲン化合物、アンチモン化合物を含有せず、機械特性、耐熱性、電気特性、加工性、難燃性のバランスに優れるポリアミド系樹脂組成物である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明においては、(A)ポリアミド系樹脂に対し、(B)ホスファゼン化合物及びホスフィン酸塩から選ばれる少なくとも一種だけでなく、(C)シリカ、石炭灰、ゼオライト、珪酸塩から選ばれる少なくとも一種からなる難燃剤を組み合わせることにより、優れた難燃性を付与することができるとともに、低発煙性、耐熱性、機械特性、耐衝撃性、電気特性を付与することができる。
以下、諸成分について説明する。
(A)ポリアミド系樹脂
本発明で使用されるポリアミド系樹脂としては、従来公知のものが好適に用いられ、特に限定されない。
これらポリアミド系樹脂を合成するためのモノマーは、アミンとしては例えば、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2-メチルペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、2-メチルオクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、2,4-ジエチル-1,6-ヘキサンジアミン、2,2-ジメチル-1,7-ヘプタンジアミン、2,3-ジメチル-1,7-ヘプタンジアミン、2,4-ジメチル-1,7-ヘプタンジアミン、2,5-ジメチル-1,7-ヘプタンジアミン、2-メチル-1,8-オクタンジアミン、3-メチル-1,8-オクタンジアミン、4-メチル-1,8-オクタンジアミン、1,3-ジメチル-1,8-オクタンジアミン、1,4-ジメチル-1,8-オクタンジアミン、2,4-ジメチル-1,8-オクタンジアミン、3,4-ジメチル-1,8-オクタンジアミン、4,5-ジメチル-1,8-オクタンジアミン、2,2-ジメチル-1,8-オクタンジアミン、3,3-ジメチル-1,8-オクタンジアミン、4,4-ジメチル-1,8-オクタンジアミン、5-メチル-1,9-ノナンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチルアミン、トリシクロデカンジメチルアミン等を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
また、ジカルボン酸としては、アジピン酸、オクタメチレンジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ジメチルマロン酸、3,3-ジエチルコハク酸、2,2-ジメチルグルタル酸、2-メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,4-フェニレンジオキシジ酢酸、1,3-フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸、4,4’-オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン-4,4’-ジカルボン酸、ジフェニルスルホン-4,4’-ジカルボン酸、デカメチレンジカルボン酸、ウンデカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸等、アミノ酸として、ペンタメチレンアミノカルボン酸、デカメチレンアミノカルボン酸、ウンデカメチレンアミノカルボン酸等、ラクタム類としては、カプロラクタム、ラウロラクタム等を好適に用いることができ、これらは1種又は二種以上を用いることができる。
これらのモノマーを組み合わせて得られるポリアミド系樹脂の一例を挙げると、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド66/6、ポリアミド46、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6I、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミドMXD6、ポリアミド66/6I、ポリアミド66/6T、ポリアミド6T/6I、ポリアミド66/6I/6、ポリアミド 66/6I/11、ポリアミド66/6I/12、ポリアミド 66/6I/610、ポリアミド 66/6I/612、ポリアミドM5T、ポリアミド9T、ポリアミド10T、ポリアミド12T等が挙げられ、これらは一種単独又は二種以上の混合物として用いることができる。
本発明のポリアミド系樹脂の重合反応方法は、一般的なポリアミドの重合方法であれば特に限定しない。通常、ジアミンとジカルボン酸とから重合する場合、アミンと酸の当量塩を作り、もしくは、別々に当量添加して縮重合反応する。ラクタムから重合する場合、開環触媒として、少量の水、アミノ酸、鉱酸等を添加し、縮重合反応する。モノマーもしくはモノマー水溶液を加熱し、水分を除去しながら重合を進める溶融重合は工業的に汎用されている。ここで、重合度コントロール剤として、アミンや酸を添加することは周知のことである。また、モノマーを密閉容器中、水の存在下加熱してオリゴマーをプレ重合し、これをニーダーもしくは押出機で後重合する方法もある。モノマーの種類によっては、モノマー段階から、ニーダーもしくは押出機で重合する方法もある。
本発明のポリアミド系樹脂を製造するに際して、触媒として、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、それらの塩またはエステルを添加することができる。上記の塩またはエステルとしては、リン酸、亜リン酸または次亜リン酸とカリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモン等の金属との塩;リン酸、亜リン酸または次亜リン酸のアンモニウム塩;リン酸、亜リン酸または次亜リン酸のエチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエステル、ステアリルエステル、フェニルエステル等を挙げることができる。
本発明において、芳香環を有するポリアミド系樹脂を用いる場合、主鎖中の芳香環成分含有率が好ましくは5〜75重量%、より好ましくは25〜65重量%、更に好ましくは31〜55重量%である。主鎖中の芳香環成分含有率は式(1)で表される。
芳香環成分含有率(φ)=(芳香環を構成する炭素および水素の総原子量)/(ポリアミドの繰り返し単位の総原子量)×100 (%) ・・・式(1)
なお、コポリアミドの場合、式(2)で求められる。
芳香環成分含有率(φ)=Σφi×αi×100 (%) ・・・式(2)
φi:i番目コポリアミド成分の芳香環成分含有率
αi:i番目コポリアミド成分のポリアミド全量に対する重量分率
具体的には、ポリアミド6I、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミドMXD6、ポリアミド66/6I、ポリアミド66/6T、ポリアミド6T/6I、ポリアミド66/6I/6、ポリアミド66/6I/11、ポリアミド66/6I/12、ポリアミド66/6I/610、ポリアミド66/6I/612、ポリアミド9T、ポリアミド10T、ポリアミド12T等を挙げることができ、これらは一種単独又は二種以上の混合物として用いることができる。
本発明で使用されるポリアミド系樹脂としては、特定範囲内の重合度、すなわち相対粘度を有するものが好ましい。好ましい相対粘度は、JIS K 6810に従って98%硫酸中濃度1%、温度25℃で測定した値で半芳香族ポリアミドについては、1.5〜4.0、より好ましくは1.8〜3.0の範囲である。材料強度、流動性、成形性や製品外観等より、適度な相対粘度を有することが好ましい。
本発明のポリアミド系樹脂の末端は封止されていてもよく、末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル基と反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限はなく、モノカルボン酸、モノアミン、無水フタル酸等の酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類等を用いることができるが、反応性および封止末端の安定性等の点からモノカルボン酸またはモノアミンが好ましく、取り扱いいの容易さ等の点からモノカルボン酸がより好ましい。
末端封止剤として使用されるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、α-ナフタレンカルボン酸、β-ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸等を挙げることができる。これらは1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、反応性、封止末端の安定性、価格等の点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸が好ましい。
末端封止剤として使用されるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン等を挙げることができる。これらは1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、反応性、高沸点、封止末端の安定性および価格等の点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンが好ましい。
(B)成分
本発明においては、ホスファゼン化合物又はホスフィン酸塩を用いることが必要であり、これらは単独又は二種以上の混合物として使用することができる。
(B−1)ホスファゼン化合物
本発明で用いることができるホスファゼン化合物としては、従来公知のものを広く用いることができる。本発明で好適に用いられるホスファゼン化合物の構造は、例えばJames E. Mark, Harry R. Allcock, Robert West 著、”Inorganic Polymers” Pretice-Hall International, Inc., 1992, p61-p140に記載されている。例えば、下記一般式(1)で示される環状ホスファゼン化合物及び/又は下記一般式(2)で示される鎖状ホスファゼン化合物が挙げられ、その中でもこれらの構造を有するホスファゼン化合物を95重量%以上含有するものが好ましい。
Figure 2007138151
Figure 2007138151
(式中のnは3〜25の整数、mは3〜10000の整数であり、置換基Xは、炭素数が1〜6のアルキル基、炭素数が6〜11のアリール基、フッ素原子、下記一般式(3)で示される置換基を有するアリールオキシ基、ナフチルオキシ基、炭素数が1〜6のアルコキシ基およびアルコキシ置換アルコキシ基で表される置換基から選ばれる置換基であり、それぞれ異なっていても、同じでもよい。置換基上の水素は一部又は全部がフッ素、水酸基、シアノ基に置換されていても構わない。また、式中のYは-N=P(O)(X)又は-N=P(X)3を表し、Zは-P(X)4又は-P(O)(X)2を表す。)
Figure 2007138151
(式中のY、Y、Y、Y及びYは、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数が1〜5のアルキル基またはアルコキシ基、フェニル基、ヘテロ元素含有基の中からなる群より選ればれる置換基を表す。)
これらの化合物は、単独で用いても、二種以上の混合物として用いてもよい。
難燃性を決める因子の一つとして、分子中に含有するリン原子の濃度が挙げられる。ホスファゼン化合物において、鎖状構造を有する鎖状ホスファゼンは分子末端に置換基を有することから、環状ホスファゼン化合物よりもリン含有率が低くなり、同量を添加する場合、鎖状ホスファゼン化合物よりも環状ホスファゼン化合物の方がより難燃性付与効果が高いと考えられることから、本発明においては、環状構造を有するホスファゼン化合物の使用が好ましく、環状ホスファゼン化合物を95重量%以上含有するものが好ましい。
ホスファゼン化合物中の置換基Xは特に制限はなく、一例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、イソアミル基等のアルキル基、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、4-ターシャリーブチルフェニル基、2-メチル-4-ターシャリーブチルフェニル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、s−ブチルオキシ基、n−アミルオキシ基、イソアミルオキシ基、tert−アミルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、メトキシエトキシメトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、メトキシプロピルオキシ基等のアルコキシ置換アルコキシ基、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2−エチルフェノキシ基、3−エチルフェノキシ基、4−エチルフェノキシ基、2,6−ジエチルフェノキシ基、2,5−ジエチルフェノキシ基、2,4−ジエチルフェノキシ基、3,5−ジエチルフェノキシ基、3,4−ジエチルフェノキシ基、4−n−プロピルフェノキシ基、4−イソプロピルフェノキシ基、4−ターシャリーブチルフェノキシ基、2−メチル−4−ターシャリーブチルフェノキシ基、2−フェニルフェノキシ基、3−フェニルフェノキシ基、4−フェニルフェノキシ基等のアルキル置換フェノキシ基、アリール置換フェノキシ基ナフチル基、ナフチルオキシ基等が挙げられ、これらの基の一部又は全部の水素がフッ素及び/又はヘテロ元素を含有する基に置き換わっていても構わない。ここで、ヘテロ元素を含有する基とは、B、N、O、Si、P、S原子を含有する基であり、一例を挙げると、アミノ基、アミド基、アルデヒド基、グリシジル基、カルボキシル基、水酸基、シアノ基、メルカプト基、シリル基等を含有する基が挙げられる。
さらに、これらの化合物は国際公開番号WO00/09518号に開示されている技術により、フェニレン基、ビフェニレン基および下記に示す基(4)からなる群より選ばれた架橋基によって架橋されていてもよい。
Figure 2007138151
(式中、Xは、―C(CH−、−SO−、−S−、または−O−を、yは0又は1を表す。)
これらの架橋構造を有するホスファゼン化合物は、具体的にはジクロルホスファゼンオリゴマーにフェノールのアルカリ金属塩および芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ金属塩を反応させることにより製造される。これらのアルカリ金属塩は、ジクロロホスファゼンオリゴマーに対して理論量よりもやや過剰に添加される。
これらのホスファゼン化合物は単独で用いても、二種以上の混合物として用いてもよい。
また、ホスファゼン化合物は環状三量体、環状四量体等の環状体や鎖状ホスファゼンといった構造の異なる混合物であるが、樹脂に添加した場合の加工性は環状三量体、四量体含有率が高いほど好ましい傾向にあり、好ましくは環状三量体及び/又は四量体化合物を80重量%以上含むホスファゼン化合物、より好ましくは三量体及び/又は四量体化合物を85重量%以上、さらに好ましくは93重量%以上含有するホスファゼン化合物である。
また、本発明においては、好ましくは三量体を70重量%以上、より好ましくは三量体を76重量%以上、更に好ましくは三量体を80重量%以上、特に好ましくは三量体を85重量%以上含有するホスファゼン化合物を用いる場合、(C)成分と効果的に相乗効果特を発現し、優れた難燃性付与効果が得られる上、優れた機械特性の向上効果が得られる。
また、ホスファゼン化合物は、置換基の種類や構造の違いによっても異なるが、液状、ワックス状、固体状等、さまざまな形態を取ることができ、本発明の効果を損なわないものであれば、どのような形状でも構わない。固体状態の場合、嵩密度が好ましくは0.45g/cm以上、より好ましくは0.45g/cm以上、且つ0.75g/cm以下である。
該ホスファゼン化合物中に含有するナトリウム、カリウム等のアルカリ金属成分はそれぞれ好ましくは200ppm以下、より好ましくは50ppm以下であり、さらに好ましくは、全アルカリ金属成分が50ppm以下である。
また、一般式(1)中の置換基Xのうち少なくとも一つが水酸基であるホスファゼン化合物、即ちP−OH結合を含有するホスファゼン化合物の含有量が1重量%未満であることが望ましく、且つ、塩素含有量が1000ppm以下、好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下であることが望ましい。
置換基Xのうち少なくとも一つが水酸基であるホスファゼン化合物は、下記一般式(5)で表されるオキソ体構造をとることもあるが、このようなオキソ体化合物も水酸基含有ホスファゼン化合物と同様に1重量%未満であることが望ましい。上記一般式(2)で表される鎖状構造を有するホスファゼン化合物でも同様である。
Figure 2007138151
(式中のa+b=nであり、nは3以上の整数である。また、式中のXは同じであっても異なってもよいアリールオキシ基、及び/又はアルコキシ基を示す。)
本発明において好適に使用されるホスファゼン化合物に含有する水分量は、電気特性、耐加水分解性等を考慮した場合、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは800ppm以下、さらに好ましくは650ppm以下、特に好ましくは500ppm以下、最も好ましくは300ppm以下であり、且つJIS K6751に基づき測定された酸価が好ましくは1.0以下、より好ましくは0.5以下である。
また、本発明で好適に使用されるホスファゼン化合物においては、耐加水分解性、耐吸湿性の観点から、水への溶解度(サンプルを0.1g/mLの濃度で蒸留水に混合し、室温で1時間攪拌後に水中に溶け込んだサンプルの量を指す)が好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm、さらに好ましくは、25ppm以下である。
本発明のホスファゼン化合物においては、(C)成分と併用して用いた場合の、難燃性、燃焼時の低発煙性、低揮発性等を考慮すると、TGAによる不活性ガス雰囲気下、昇温速度10℃/minで常温から600℃まで加熱した時の、50重量%重量減少時の温度と、5重量%重量減少時の温度との差が、好ましくは20〜150℃、より好ましくは20〜120℃である。また、樹脂に対して用いた場合、燃焼時の炭化層形成促進効果による難燃効率を考えると、50重量%の重量減少時の温度が320〜500℃であるものが好ましく、より好ましくは350〜460℃である。
本発明で好適に用いられるホスファゼン化合物においては、含有する置換基の種類や構造の違いによっても異なるが、液状、ワックス状、固体状等、さまざまな形態を取ることができ、本発明の効果を損なわないものであれば、どのような形状でも構わない。取り扱い性、作業性等を考慮する必要がある場合、固体状態であるものが好ましい。
(B−2)ホスフィン酸塩
本発明で用いることができるホスフィン酸塩は、下記一般式(6)及び/又は(7)で表されるホスフィン酸塩及び/又はこれらのポリマーから選ばれる少なくとも一種である。
Figure 2007138151
Figure 2007138151
(式中、Q、Q、Q、Qは、水素原子、炭素数が1〜12のアルキル基、炭素数が1〜12のアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基を表し、Qは炭素数が1〜18のアルキレン、アリールアルキレン、アリーレン、アルキルアリーレン、ジアリーレンから選ばれる基を表す。式中n、mはそれぞれ1〜3の整数であり、xは1又は2である。また、Mは、周期表第四周期以降の金属原子、アミド、アンモニウム基及びメラミン誘導体から選ばれる基を表し、xが2の場合は同じ基であっても異なる基であってもよい。)
本発明に用いるホスフィン酸塩の中でも、ホスフィン酸金属塩は、ホスフィン酸と金属炭酸塩、金属水酸化物または金属酸化物を用いて水溶液中で製造され、本質的にモノマー性化合物であるが、反応条件に依存して、環境によっては縮合度が1〜3のポリマー性ホスフィン酸塩も含まれる。
ホスフィン酸としては、ジメチルホスフィン酸、エチルメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、メチル−n−プロピルホスフィン酸、メタンジ(メチルホスフィン酸)、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)、メチルフェニルホスフィン酸及びジフェニルホスフィン酸等が挙げられる。また金属成分としては、周期表第四周期以降の金属原子であれば特に制限されないが、特にカリウム、セシウム等のアルカリ金属を除く周期表第四周期以降の金属元素であることが好ましい。より好ましくは、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、錫、ゲルマニウム、チタン、鉄、ジルコニウム、亜鉛、ビスマス、ストロンチウム、マンガンを含む金属炭酸塩、金属水酸化物または金属酸化物が挙げられる。特に好ましくは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン及び/または亜鉛を含む金属炭酸塩、金属水酸化物または金属酸化物が挙げられる。ホスフィン酸塩としてはジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸マグネシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸マグネシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸カルシウムが挙げられる。
また、ジエチルホスフィン酸マグネシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸チタン、メチル−n−プロピルホスフィン酸カルシウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸マグネシウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸アルミニウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸亜鉛、メチル−n−プロピルホスフィン酸チタン、メタンジ(メチルホスフィン酸)カルシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)マグネシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)アルミニウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)亜鉛、メタンジ(メチルホスフィン酸)チタン、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)カルシウム、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)マグネシウム、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)アルミニウム、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)亜鉛、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)チタンが挙げられる。
また、メチルフェニルホスフィン酸カルシウム、メチルフェニルホスフィン酸マグネシウム、メチルフェニルホスフィン酸アルミニウム、メチルフェニルホスフィン酸亜鉛、メチルフェニルホスフィン酸チタン、ジフェニルホスフィン酸カルシウム、ジフェニルホスフィン酸マグネシウム、ジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ジフェニルホスフィン酸亜鉛、ジフェニルホスフィン酸チタン等が挙げられる。特に難燃性、電気特性の観点からジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛が好ましい。
本発明のポリアミド系樹脂組成物を成形して得られる成形品の機械的強度、成形品外観の点でホスフィン酸塩の粒径は好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下に粉砕した粉末を用いるのがよい。0.5〜20μmの粉末を用いると高い難燃性を発現するばかりでなく成形品の強度が著しく高くなるので特に好ましい。
本発明において好適に用いられる(B)成分の中で、特に耐加水分解性、取り扱い性、加工流動性を考慮する必要がある場合、ホスファゼン化合物が特に好適に用いられる。
(C)成分
本発明においては、シリカ、石炭灰(フライアッシュ)、ゼオライト、珪酸塩から選ばれる少なくとも一種を用いることが、難燃性向上効果の観点から必要である。
具体的にはシリカ、フライアッシュI種、II種、III種、IV種、ゼオライトや、ウォラストナイト、カオリナイト等の蛇紋石−カオリン族、タルク、ケロライト等のタルク−パイロフィライト族、モンモリロナイト、サポナイト等のスメクタイト族、3八面体型バーミキュライト等のバーミキュライト族、黒雲母、白雲母等の雲母族(マイカ)、緑泥石族等の珪酸塩が挙げられる。また、これらは、天然に産出されるものでもよいし、人工的に合成されたものや、焼成等の処理をされたものでもよい。
(D)炭化性樹脂
本発明のポリアミド系樹脂組成物は、炭化性樹脂(D)を含んでいてもよい。
炭化性樹脂は、燃焼時に炭化皮膜を形成し易い樹脂であれば特に規定はされず、従来公知の炭化性樹脂を用いることができる。炭化性樹脂の一例を挙げると、ASTM D2863に基づいて測定された酸素指数が好ましくは23以上、より好ましくは24以上、さらに好ましくは25以上である。一例を挙げると、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、サーモトロピック液晶、フェノール系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂が挙げられる。その中でも特に優れた難燃性付与効果が必要な場合、フェノール系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂が好適に用いられ、特に好適にはフェノール系樹脂が用いられる。これらの樹脂は一種単独で用いても、二種以上を併用して用いてもよい。
(D−1)ポリフェニレンエーテル系樹脂
本発明で好適に用いることができるポリフェニレンエーテル樹脂は、下記一般式(8)及び/または(9)で表される繰り返し単位を有する単独重合体、あるいは共重合体であることが好ましい。
Figure 2007138151
(ここで、R、Rは独立に炭素1〜4のアルキル基、アリール基、水素を表す。)
Figure 2007138151
(ここで、R、R、R、Rは独立に炭素1〜4のアルキル基、アリール基、水素を表す。但し、R、Rは同時に水素ではない。)
ポリフェニレンエーテル系樹脂の単独重合体の代表例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−14−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル等のホモポリマーが挙げられる。
この中で、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが好ましく、特開昭63−301222号公報等に記載されている、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニットや2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット等を部分構造として含んでいるポリフェニレンエーテルは特に好ましい。
ここでポリフェニレンエーテル共重合体とは、フェニレンエーテル構造を主単量体単位とする共重合体である。その例としては、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体あるいは2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノール及びo−クレゾールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールと下記一般式(10)で示されるビスフェノールとの共重合体等がある。
Figure 2007138151
(ここで、R、R、R、R10は、それぞれ、独立に炭素1〜4のアルキル基、アリール基、水素を表す。また、式中Xは、―C(CH−、−SO−、−S−、または−O−を、yは0又は1を表し、zは1又は2を表す。)
本発明においては、ポリフェニレンエーテル樹脂の一部または全部に、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、シリル基、水酸基、無水ジカルボキシル基等の反応性官能基を、グラフト反応や、共重合等何らかの方法で導入した変性ポリフェニレンエーテル樹脂も本発明の目的を損なわない範囲で使用できる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリフェニレンエーテル樹脂の一部又は全部を、不飽和カルボン酸又はその官能的誘導体で変性された変性ポリフェニレンエーテル樹脂は、特開平2−276823号公報、特開昭63−108059号公報、特開昭59−59724号公報等に記載されており、例えばラジカル開始剤の存在下または非存在下において、ポリフェニレンエーテル樹脂に不飽和カルボン酸やその官能的誘導体を溶融混練し、反応させることによって製造される。あるいは、ポリフェニレンエーテルと不飽和カルボン酸やその官能的誘導体とをラジカル開始剤存在下または非存在下で有機溶剤に溶かし、溶液下で反応させることによって製造される。
不飽和カルボン酸又はその官能的誘導体としては、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ハロゲン化マレイン酸、シス−4−シクロヘキセン1,2−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ(2.2.1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等や、これらジカルボン酸の酸無水物、エステル、アミド、イミド等、さらにはアクリル酸、メタクリル酸等や、これらモノカルボン酸のエステル、アミド等が挙げられる。また、飽和カルボン酸であるが変性ポリフェニレンエーテルを製造する際の反応温度でそれ自身が熱分解し、本発明で用いる官能的誘導体となり得る化合物も用いることができ、具体的にはリンゴ酸、クエン酸等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いることのできるポリフェニレンエーテルの分子量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、何等制限されるものではない。具体的には、数平均分子量が500〜30000のものを好適に用いることができる。成型加工性に特に優れた組成物を得る必要がある場合には、ポリフェニレンエーテルの数平均分子量が500以上、5000以下のものが好ましく、より好ましくは1200以上、4000以下のものである。耐熱性が特に優れた組成物を得る必要がある場合には、ポリフェニレンエーテルの数平均分子量が5000を超えるものを用いることが好ましい。ポリフェニレンエーテルは、樹脂組成物とした場合に特に求められている特性に合わせて、適宜適当な分子量のものを用いればよい。
(D−2)フェノール系樹脂
フェノール系樹脂としては、従来公知のものを広く用いることができる。一例を挙げると、フェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒で付加、縮合して得られるレゾール型フェノール樹脂、フェノール類とアルデヒド類を酸触媒で付加、縮合して得られるノボラック型フェノール樹脂等、フェノールアラルキル樹脂、ポリビニルフェノール樹脂等がある。中でもノボラック型フェノール樹脂が好適に用いられる。好適に用いられるフェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール等の炭素数が1〜10のアルキル基を置換基として1〜4個有するフェノール類が挙げられ、好適に用いられるアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドや、ホルミル基を有するベンゼン類等が挙げられる。
また、これらのフェノール系樹脂は単独でも二種以上を併用して用いてもよい。また、これらのフェノール系樹脂はカシュー、オイル、ゴム等で変性されていてもよい。
フェノールノボラック樹脂には、フェノール性水酸基に対してメチレン結合がオルソ位で結合しているものが多いハイオルソフェノールノボラック樹脂、オルソ位、パラ位が混在しているランダムフェノールノボラック樹脂等がある。トリアジン類(メラミン、ベンゾグアナミン等)が共重合したトリアジン類変性フェノールノボラック樹脂も含む。
本発明に用いることのできるフェノール系樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は、特に制限はされないが、難燃性付与効果、機械特性の向上及び加工性とのバランスを考慮すると、2000〜100000のものが好適に用いられ、より好ましくは2000〜80000、更に好ましくは2000〜50000、特に好ましくは3000〜30000である。
本発明に用いることのできるフェノール系樹脂は、難燃性、加工流動性、機械特性、低発煙性等のバランスを考慮すると、遊離モノマー及び二核体の合計含有量がフェノール系樹脂全体の15重量%以下であることが好ましく、より好ましくは11重量%以下である。また、三核体成分の含有量が好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下、特に好ましくは7重量%以下である。
また、低揮発性が特に求められる場合、TGAによる不活性ガス雰囲気下、昇温速度20℃/minで常温から700℃まで加熱した時の、350℃における減少重量が好ましくは15重量%以下、より好ましくは12重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下であるフェノール系樹脂が好ましい。
このようなフェノール樹脂の製造方法としては何等規定されないが、一例としては、特開2004−323822号公報や特開平11−246643号公報に記載の方法等が挙げられる。
(D−3)ポリカーボネート樹脂
本発明で好適に用いることができるポリカーボネート樹脂は、下記一般式(11)で表される繰り返し単位を有する重合体であることが好ましい。
Figure 2007138151
(式中のArは、二価の炭素数4〜200の芳香族含有基であり、一例を挙げると、フェニレン、ビフェニレン、ターフェニレン、ナフチレンや、下記一般式(12)で示される基である)
Figure 2007138151
(式中Xは、−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、下記一般式(13)又は(14)で表される基である。)
Figure 2007138151
(式中、R11、R12はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数が1〜20アルキル基、アリール基を表し、置換基上の水素原子はフッ素原子で置換していてもよい。)
Figure 2007138151
(式中、R13、R14、R15、R16はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数が1〜20アルキル基、アリール基を表し、置換基上の水素原子はフッ素原子で置換していてもよい。)
また、本発明で用いることのできるポリカーボネート樹脂は、分岐構造を有していてもよい。また、オルガノシロキサンで変性されたポリオルガノシロキサン変性ポリカーボネート系樹脂も好適に用いることができる(例えば、特開平6−100684号公報、特開平10−182832号公報等に記載の樹脂等)。
これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリカーボネート樹脂の末端基としては、本発明の効果が得られるものであれば特に規定はされない。例示すると、アルキル基、アルキルカーボネート基、アリール基、アリールカーボネート基等が挙げられ、末端基として一種以上の基を結合することができる。
本発明で用いることのできるポリカーボネート樹脂の分子量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、何等制限されるものではない。具体的には、ポリスチレン換算数平均分子量が好ましくは1000〜100000のもの、より好ましくは2000〜70000のもの、さらに好ましくは5000〜25000のものを好適に用いることができる。ポリカーボネート樹脂は、樹脂組成物とした場合に特に求められている特性に合わせて、適宜適当な分子量のものを用いればよい。
本発明で用いることのできるポリカーボネート樹脂の製造方法は従来公知の方法を広く用いることができ、何等規定されるものではない。一例を挙げると、ホスゲン法、エステル交換法等で製造されたものを好適に用いることができる。
(D−4)ポリフェニレンスルフィド系樹脂
本発明で用いることができるポリフェニレンスルフィド系樹脂は、本発明の効果を発揮するものであれば従来公知のものを広く用いることができ、特に制限されない。一例を挙げると、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドケトン、ポリビフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン等が挙げられ、特にポリフェニレンスルフィドを好適に用いることができる。
ポリフェニレンスルフィドにおける300℃における溶融粘度(剪断速度1,000/秒)が100〜10,000ポイズの中から任意に選ぶことができ、構造は直鎖状、分岐状いずれでもよく、中でも直鎖状のものを好適に用いることができる。
また、ポリフェニレンスルフィドは、−SX基(Sは硫黄原子、Xはアルカリ金属または水素原子である。)量が、好ましくは15μmol/g以上、より好ましくは18〜35μmol/g、さらに好ましくは20〜30μmol/gであるものが好ましい。
本発明において用いることのできるポリフェニレンスルフィド系樹脂の製造方法は、通常、ハロゲン置換芳香族化合物、例えばp-ジクロルベンゼンを硫黄と炭酸ソーダの存在下で重合させる方法、極性溶媒中で硫化ナトリウムあるいは硫化水素ナトリウムと水酸化ナトリウムまたは硫化水素と水酸化ナトリウムあるいはナトリウムアミノアルカノエートの存在下で重合させる方法、p-クロルチオフェノールの自己縮合方法等が挙げられるが、中でもN-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒やスルホラン等のスルホン系溶媒中で硫化ナトリウムとp-ジクロルベンゼンを反応させる方法が好適である。
ポリフェニレンスルフィドの製造方法は、公知の方法で得られるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、米国特許第2513188号明細書、特公昭44-27671号公報、特公昭45-3368号公報、特公昭52-12240号公報、特開昭61-225217号および米国特許第3274165号明細書、英国特許第1160660号さらに特公昭46-27255号公報、ベルギー特許第29437号明細書、特開平5-222196号公報等に記載された方法やこれら特許等に例示された先行技術の方法で得ることが出来る。
(D−5)サーモトロピック液晶
本発明で用いることのできるサーモトロピック液晶は、本発明の効果を発揮するものであれば従来公知のものを広く用いることができ、特に制限されない。一例を挙げると、p−ヒドロキシ安息香酸及びエチレンテレフタレートを主構成単位とするサーモトロピック液晶ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸及び2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸を主構成単位とするサーモトロピック液晶ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸及び4,4’−ヒドロキシビフェニル並びにテレフタル酸を主構成単位とするサーモトロピック液晶ポリエステル等が挙げられ、特に制限はない。
本発明で用いることのできるサーモトロピック液晶は、必要に応じて本発明の特徴と効果を損なわない程度の少量の範囲で、他の芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸から生成する構造単位を導入することができる。
本発明のサーモトロピック液晶の溶融時での液晶状態を示し始める温度(以下、液晶開始温度という)は、好ましくは150〜350℃、さらに好ましくは180〜320℃である。液晶開始温度をこの範囲にすると、色調と耐熱性と成形加工性バランスが向上する。
本発明で用いることのできるサーモトロピック液晶の見かけの溶融粘度(液晶 開始温度+30℃でずり速度100/秒)は本発明の効果が得られる範囲であれば特に規定はないが、特に流動性が必要な場合の溶融粘度は10〜3,000Pa・sであることが好ましく、より好ましくは10〜2,000Pa・s、特に好ましくは10〜1,000Pa・sである。
(配合割合)
本発明の難燃性ポリアミド系樹脂組成物における各成分の配合割合は、難燃性付与効果と機械特性、加工性等のバランスを考慮すると、(A)ポリアミド系樹脂100重量部に対し、(B)ホスファゼン化合物及びホスフィン酸塩から選ばれる少なくとも一種5〜70重量部であることが必要であり、好ましくは7〜60重量部、より好ましくは10〜50重量部、(C)シリカ、石炭灰(フライアッシュ)、ゼオライト、珪酸塩から選ばれる少なくとも一種は0.1〜15重量部であることが必要であり、好ましくは0.5〜15重量部、更に電気特性等も考慮する必要がある場合には、0.5〜11重量部であることが好ましく、更には1〜11重量部であるものが好ましい。
また、(D)炭化性樹脂を用いる場合の配合割合は、好ましくは5〜150重量部、より好ましくは10〜120重量部、さらに好ましくは15〜100重量部である。
(E)充填材
本発明の難燃性ポリアミド系樹脂組成物には、機械物性等の諸特性を向上させる目的で、従来公知の充填材を配合することができる。例えば、酸化チタン、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス繊維、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、硼酸アルミニウム、硼酸マグネシウムや、ケナフ繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、石英繊維等の繊維状補強剤や、非繊維状補強剤等が挙げられる。これらは単独で用いても、二種以上を併用してもよい。また、これらは、有機物や無機物等で被覆されていてもよい。
また、充填材としてガラス繊維を用いる場合、長繊維タイプのロービング、短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバー等から選択して用いることが出来る。ガラス繊維は使用する樹脂用に表面処理した物を用いるのが好ましい。
充填材は配合されることによって、燃焼時に生成する不燃層(又は炭化層)の強度を一層向上させることができる。燃焼時に一度生成した不燃層(又は炭化層)が破損しにくくなり、安定した断熱能力を発揮できるようになり、より大きな難燃効果が得られる。さらに、材料に高い剛性も付与することができる。
充填材の配合量は、本発明の効果を発揮できる範囲であれば特に規定はされない。充填材配合による上記効果を効率的に得る為の配合量は、ポリアミド系樹脂100重量部に対して、充填材を好ましくは10〜200重量部、より好ましくは20〜150重量部、さらに好ましくは20〜120重量部、特に好ましくは20〜100重量部である。
(窒素系化合物)
本発明においては更に難燃効果を高める目的で、更に窒素含有化合物を添加してもよい。
一例を挙げると、トリアリールアミン、ジアルキルアリールアミン、アルキルジアリールアミン等の三級アミン類や四級アンモニウム塩、メラミン、メラム、メレム、メロン、メチレンジメラミン、エチレンジメラミン、デカメチレンジメラミン、1,3−シクロヘキシルジメラミン、4,4’−ジエチレンジメラミン、ジエチレントリメラミン、ベンゾグアナミン、ジベンゾグアナミン、サクシノグアナミン、メチルグアナミン、アセトグアナミン、メラミン樹脂等や、上記化合物のシアヌル酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硼酸塩、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−S−トリアジン、2−N−フェニルアミノ−4,6−ジメルカプト−S−トリアジン、2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジン、トリアリルシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート等のトリアジン系化合物や、ポリリン酸塩等が挙げられる。耐熱性を特に必要とする場合には、トリアジン系化合物、ポリリン酸塩が好適に用いられる。更に熱安定性、耐揮発性等が必要な場合、メラム、メレム、メロン等のメラミン縮合物や、上記トリアジン系化合物とシアヌル酸との反応物、ポリリン酸塩、特にメラミンとシアヌル酸との反応物であるメラミンシアヌレート、ポリリン酸塩が好適に用いられる。また、トリアジン系化合物とシアヌル酸との反応物の水酸基及び/又はアミノ基の一部又は全部が他の置換基で置換されていてもよい。
本発明で用いることのできるメレム、メラム、メロン等のメラミン縮合物の製造方法は特に限定されない。一例を挙げると、メラミンまたはメラミン塩を不活性ガス雰囲気下若しくは真空下で、無触媒下又は有機酸触媒下で約280〜320℃に加熱することにより、自己縮合することにより得ることができる。
本発明で好適に用いることのできるメラミンシアヌレートは、メラミンとシアヌル酸との等モル反応物である。例えば90〜100℃程度の温度下で、メラミン水溶液とシアヌル酸水溶液とを攪拌混合し、反応して得られた生成物を沈殿・濾過することにより、白色固体として得ることができ、粉砕して微粉末状にして使用するのが好ましい。上記窒素含有化合物は、一種単独で用いてもよいし、二種以上の混合物として用いてもよい。また、これら化合物は必ずしも完全に純品である必要はなく、未反応物が多少残存していてもよい。
本発明で用いることのできるポリリン酸塩としては、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン等が挙げられる。
例えば、工業的に入手できるポリリン酸アンモニウムとしては、ポリリン酸アンモニウムをメラミン樹脂等で処理し、水に難溶性としたタイエンS[太平化学産業(株)製]、スミセ−フP、スミセ−フPM[以上、住友化学工業(株)製]、Exolit 462(ヘキスト社製)、AMGARD MC(アルブライトアンド ウイルソン社製)、FR CROS(ブーデンハイム・イベリカ社製)、TERRAJU(ブーデンハイム・イベリカ社製)等を挙げられる。さらに、ポリリン酸アンモニウムに他の補助成分を加え、より難燃効果を改良したExolit VP IFR−23(ヘキスト社製)、SPINFLAM MF80/PP、SPINFLAM MF82/PP、SPINFLAM MF82/PS(以上、モンテカチ−ニ社製)等もまた挙げる事が出来る。
また、ポリリン酸アンモニウムを構成するポリリン酸とはいわゆる縮合リン酸と呼ばれるものであり、鎖状ポリリン酸、環状ポリメタリン酸等が挙げられる。本発明において、これらの縮合度は本願の効果を得られる範囲であれば特に規定はしないが、特に耐熱性が必要な場合、縮合度は5以上であることが好ましい。
本発明に用いることのできるポリリン酸系メラミンとは、メラミンと上記リン酸、ピロリン酸またはポリリン酸との実質的に等モルから形成されるメラミン付加物を意味し、一部酸官能基が一部遊離の状態にあってもよい。
本発明で用いることのできるポリリン酸メラミンとは、メラミンとリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸との実質的に等モルの反応生成物から得られる物を意味し、製法には特に制約はない。通常、リン酸メラミンを窒素雰囲気下、加熱縮合して得られるポリリン酸メラミン等を挙げることができる。ここでリン酸メラミンを構成するリン酸としては、具体的にはオルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸等が挙げられるが、特にオルトリン酸、ピロリン酸を用いたメラミンとの付加物を縮合したポリリン酸メラミンが難燃剤としての効果が高く、好ましい。特に耐熱性の点からかかるポリリン酸メラミンの縮合度nは5以上が好ましい。
また、ポリリン酸メラミンはポリリン酸とメラミンの等モルの付加塩であっても良く、メラミンとの付加塩を形成するポリリン酸としては、いわゆる縮合リン酸と呼ばれる鎖状ポリリン酸、環状ポリメタリン酸が挙げられる。これらポリリン酸の縮合度nには特に制約はないが、ポリリン酸メラミン付加塩の耐熱性の点でここに用いるポリリン酸の縮合度nは5以上が好ましい。かかるポリリン酸メラミン付加塩はメラミンとポリリン酸との混合物を例えば水スラリーとなし、よく混合して両者の反応生成物を微粒子状に形成させた後、このスラリーを濾過、洗浄、乾燥し、さらに必要であれば焼成し、得られた固形物を粉砕して得られる粉末である。
本発明組成物を成形して得られる成形品の機械的強度、成形品外観の点でポリリン酸メラミンの粒径は好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下に粉砕した粉末を用いるのがよい。0.5〜20μmの粉末を用いると高い難燃性を発現するばかりでなく成形品の強度が著しく高くなるので特に好ましい。
また、ポリリン酸メラミンは必ずしも完全に純粋である必要はなく、未反応のメラミンあるいはリン酸、ポリリン酸が多少残存していてもよい。ポリリン酸メラミン中にリン原子として10〜18重量%含有するものが、成形加工時に成形金型に汚染性物質が付着する現象が少なく特に好ましい。
これらの窒素系化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
窒素系化合物の添加量は、本発明の効果を発揮できる量であれば規定されないが、好適には(A)ポリアミド系樹脂100重量部に対して、1〜200重量部、より好ましくは5〜150重量部、更に好ましくは10〜120重量部である。
(他の難燃剤、難燃助剤)
本発明においては、本発明の効果が達成できる範囲で、従来公知のノンハロゲン、ノンアンチモンの難燃剤、難燃助剤を併用することができる。例示すると、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、アルミン酸カルシウム等の金属水酸化物、酸化銅、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の金属酸化物類、硼酸、硼酸亜鉛化合物等の硼素含有化合物、ポリオルガノシロキサン、シルセスキオキサン、シリコン樹脂等の珪素含有化合物、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、フェニルクレジルホスフェート、フェニルキシレニルホスフェート、クレジルキシレニルホスフェート等のリン酸エステル類、ビスフェノールA、ビスフェノールS、レゾルシン、ハイドロキノン等で架橋された縮合リン酸エステル、トリアリールホスフィンやトリアルキルホスフィン等の三級ホスフィンやそれらの酸化物や硫化物等を添加して、更なる難燃性の向上も可能である。
(その他の樹脂)
本発明の難燃性ポリアミド系樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の樹脂と組み合わせて使用することができる。使用に供される樹脂は何等規定されるものではなく、公知の硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が好適に使用される。一例を挙げると、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、シンジオタクテックポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、AS系樹脂、生分解性樹脂、ポリカーボネート−ABS樹脂のアロイ、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリアルキレンアリレート系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、キシレン樹脂、トリアジン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ウレタン樹脂、オキセタン樹脂、ケトン樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、スチリルピリジン樹脂、シリコン樹脂、合成ゴム等が挙げられる。
本発明で使用することの出来るその他の樹脂は、単独でも、二種以上の樹脂を組み合わせて用いてもよい。
(添加剤)
本発明の難燃性ポリアミド系樹脂組成物には、剛性や寸法安定性等の他の特性を付与するため、本発明の効果を損なわない範囲で他の添加剤、例えば可塑剤、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤、光安定剤等の安定剤、硬化剤、硬化促進剤、帯電防止剤、導電性付与剤、応力緩和剤、離型剤、結晶化促進剤、加水分解抑制剤、潤滑剤、衝撃付与剤、摺動性改良剤、相溶化剤、核剤、強化剤、補強剤、流動調整剤、染料、増感材、着色用顔料、ゴム質重合体、増粘剤、沈降防止剤、タレ防止剤、消泡剤、カップリング剤、防錆剤、抗菌・防カビ剤、防汚剤、導電性高分子等を添加することも可能である。
(配合順序)
本発明の難燃性ポリアミド系樹脂組成物における各成分の配合順序は、本発明の効果が達成できる方法であれば特に規定するものでない。すべての成分を予め混合して用いてもよいし、適宜順番に混合して用いてもよい。
(配合方法)
本発明の難燃性ポリアミド系樹脂組成物の配合方法は、本発明の効果が達成できる方法であれば特に規定するものではない。例えば、押出機、加熱ロール、ニーダー、ローラミキサー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練製造することができる。その中でも押出機による混練りが、生産性の面で好ましい。混練り温度は、ベース樹脂の好ましい加工温度に従えばよく、好ましくは140〜340℃の範囲、より好ましくは180〜330℃の範囲である。
また本発明の該組成物の成形体は、射出成形、シート成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、インフレーション成形、プレス成形、押出成形、発泡成形、フィルム成形等、公知の方法で成形することが可能であり、圧空成形、真空成形等の二次加工成形法も用いることができる。
また、硬化性樹脂に配合する場合には、樹脂組成物を製造するための成分を、無溶媒で、若しくは、必要に応じて均一に混合できる溶媒を用いて混合した後、溶媒を除去して樹脂混合物を得て、これを金型内へ注形し硬化させた後冷却し、型から取り出すことにより成型品を得る方法でもよい。また、型に注型し、熱プレスにより硬化させることもできる。各成分を溶解させる為の溶媒は各種材料を均一に混合することができ、且つ、使用することによって本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されるものではない。一例としてはトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、ジエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、メチルセルソルブ、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、n−ヘキサン、n−ペンタン等が挙げられる。
また、加熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機等の混練機を用いて混練製造した後、冷却、粉砕し、さらにトランスファー成形、射出成形、圧縮成形等により成形を行う方法も一例として挙げることができる。また、硬化方法は使用する硬化剤により異なるが、特に限定はされない。例としては、熱硬化、光硬化、UV硬化、圧力による硬化、湿気による硬化等が挙げられるが、本発明の効果が達成できる硬化方法であれば規定されるものではない。各成分を混合させる順序は、本発明の効果が達成できる方法であれば特に規定するものではない。樹脂組成物の製造方法は、それぞれの樹脂の適性に応じて、好ましい方法を用いることができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
(1)難燃性
UL−94 垂直燃焼試験に基づき、約0.8mm厚みの射出成形試験片を用いて測定し、5本の試験片を各二回計10回接炎時の燃焼時の滴下物による脱脂綿着火の有無を評価した。また、5本の試験片における第一回目の接炎時の平均燃焼時間及び、第一接炎時の綿着火の有無を評価した。
(2)発煙性
発煙性の評価は上記難燃性試験をUL燃焼テストチャンバー(HVUL−C;(株)東洋精機製作所製)を用いて行い、燃焼試験時に発生する煙がチャンバーからほとんど漏れでなかった場合は○、少し漏れ出た場合は△、多量に漏れ出た場合は×として、目視により評価を行った。
(3)荷重たわみ温度(HDT)
ASTM−D−648に基づき、厚さ3.2mmの試験片を用いて、18.6kg荷重にて測定した。
(4)耐衝撃性(IZOD ノッチ付き)
ASTM−D−256に基づき、厚さ3.2mmの試験片(ノッチ付)を用いて測定を行った。
(5)耐トラッキング性
射出成形機(東芝機械製:IS150E)を用いて、シリンダー温度270℃、金型温度80℃で、100×90×3mmの射出成形板を得た。この平板を日立化成(株)製 耐トラッキング試験機 HAT−500−3型にセット、IEC Publication 112規格に従って、100〜600Vの電圧下、0.1%塩化アンモニウム水溶液を30秒毎に滴下し試験片がトラッキングを起こすことなく、50滴で破壊しない最大電圧を求めた。この値が高いものほど耐トラッキング性に優れる。
(6)引張特性
ASTM−D−638に従い、厚さ3.2mmのダンベル型試験片を用いて引張強度を測定した。
(7)曲げ特性
ASTM−D−790に基づき、厚さ3.2mmの試験片を用いて測定を行った。
実施例及び比較例で用いた各成分は以下のものである。
(A)ポリアミド系樹脂
(A−1)
ポリアミド66樹脂(レオナ1300;旭化成ケミカルズ(株)社製)
(A−2)
テレフタル酸664g(4.0mol)、1,12-ドデカンジアミン802g(4.0mol)、安息香酸1.95g(0.016mol)、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.148g(0.0014mol)および蒸留水1500gを、内容積5.0リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換した。攪拌しながら1.5時間かけて内部温度を240℃に昇温した。この時、オートクレーブは3.0MPa まで昇圧した。その後、290℃まで水蒸気を徐々に抜いて圧力を3.0MPaに保ちながら反応させた。次に、75分かけて圧力を常圧まで下げ、オートクレーブの排出バルブよりポリマーを採取した。得られた粉砕ポリマーを窒気流下、90℃で24時間、乾燥した。ηr=2.5。
(A−3)ポリアミドMXD6
メタキシリレンジアミン50モル%、アジピン酸50モル%を縮重合して得られるポリアミド ηr=2.4
(A−4) PA66/6I樹脂
ヘキサメチレンジアミン50モル%、アジピン酸41モル%、イソフタル酸9モル%を縮重合して得られる共重合ポリアミド ηr=2.3
(B)成分
(B−1)ホスファゼン化合物
下記化学式(15)においてn=3が93.6重量%、n=4が4.0重量%、n≧5が2.4重量%であるフェノキシホスファゼン。5%減量温度;336℃、50%減量温度;398℃、500℃残渣量;4.7重量%、酸価;0.17、含有水分量;182ppm。
Figure 2007138151
(B−2)ホスファゼン化合物
2,6−キシレノールと水酸化カリウムから調整した2,6−キシレノールのカリウム塩とクロロホスファゼン(三量体 91.5%、四量体5.4%、五量体以上の多量体3.1%)と反応させた後、フェノールと水酸化カリウムから調整したカリウムフェノキサイドとを反応させ、洗浄・精製を行って得られたフェノキシキシレノキシホスファゼンで、フェノキシ基とキシレノキシ基の比が1:2であるホスファゼン。
(C)成分
(C−1)タルク
SG−2000(日本タルク(株)社製)
(C−2)ゼオライト
まつらの華(九州電力(株)製)
(C−3)シリカ
S30−71((株)マイクロン社製)
(C−4)シリカ
SC8200−SQ(アドマテックス(株)社製)
(C−5)シリカ
サイロホービック507(富士シリシア化学(株)社製)
(C−6)シリカ
サイリシア710(富士シリシア化学(株)社製)
(C−7)フライアッシュ
フライアッシュI種(ファイナッシュ;四電ビジネス(株)社製)
(C−8)フライアッシュ
フライアッシュII種(東北フライアッシュ;東北発電工業(株)社製)
(C−9)フライアッシュ
フライアッシュIV種(エコアッシュ;四電ビジネス(株)社製)
(D)炭化性樹脂
(D−1)
フェノールノボラック型樹脂(PR−53195;住友ベークライト(株)社製)
(D−2)
フェノールノボラック型樹脂(PR−50731;住友ベークライト(株)社製)
(D−3)
フェノールノボラック型樹脂(PR−55307;住友ベークライト(株)社製)
(D−4)フェノールアラルキル樹脂
XL−225(三井化学(株)社製)
(D−5)ポリフェニレンエーテル系樹脂
30℃のクロロホルム溶液で測定したηsp/cが0.41のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)100重量部に無水マレイン酸0.5重量部を配合し、2軸押出機で330℃、300rpmで混練押出して、無水マレイン酸変性PPEペレットを得た。
(E)充填剤
ガラス繊維(GF) T−275(日本電気硝子(株)製)
(その他の成分)
・メラミンシアヌレート(MCA) MCA C−0 (三菱化学(株)社製)
・滴下防止剤 PTFE 6C−J(三井デュポンフロロケミカル(株)社製)
[実施例1〜22、比較例1〜3]
上流側と下流側にそれぞれ1箇所の供給口を備えたZSK−25二軸回転押出機[ウェルナー&フライデラー社製]を用いて、加熱シリンダーの設定温度を275℃(実施例1〜21、比較例1〜3)又は305℃(実施例22)に設定し、上流側供給口よりGF以外の各成分を表1〜4に示す割合で混合して投入し、下流側供給口よりGFを表1〜4に示す量で供給し、スクリュー回転数300rpmで溶融混練し、ストランドを冷却裁断して樹脂組成物ペレットを得た。
次に、得られた樹脂組成物ペレットを、日精樹脂工業株式会社製PS−40E射出成型機にて下記温度設定で物性試験片を成形し、上記試験法により物性試験を行い、表1〜4の結果を得た。
実施例1〜21、比較例1〜3:バレル温度 275℃、金型温度 80℃
実施例22:バレル温度 305℃、金型温度 90℃
Figure 2007138151
Figure 2007138151
Figure 2007138151
Figure 2007138151
[実施例23〜26、比較例4]
ZSK−25二軸回転押出機[ウェルナー&フライデラー社製]を用いて、加熱シリンダーの設定温度を実施例23、25、26、比較例4では280℃、実施例24では310℃に設定し、表5に示す割合で混合して投入し、スクリュー回転数300rpmで溶融混練し、ストランドを冷却裁断して樹脂組成物ペレットを得た。
次に、得られた樹脂組成物ペレットを、東芝機械株式会社製IS−80C射出成型機にて、実施例24ではバレル温度310℃、金型温度90℃、その他のものはバレル温度300℃、金型温度80℃にて物性試験片を成形し、上記試験法により物性試験を行い、表5の結果を得た。
Figure 2007138151
[比較例5〜8]
上流側と下流側にそれぞれ1箇所の供給口を備えたZSK−25二軸回転押出機[ウェルナー&フライデラー社製]を用いて、加熱シリンダーの設定温度を240℃に設定し、上流側供給口よりGF以外の各成分を表6に示す割合で混合して投入し、下流側供給口よりGFを表6に示す量で供給し、スクリュー回転数300rpmで溶融混練し、ストランドを冷却裁断して樹脂組成物ペレットを得た。
次に、得られた樹脂組成物ペレットを、日精樹脂工業株式会社製PS−40E射出成型機にてバレル温度240℃、金型温度60℃にて物性試験片を成形し、上記試験法により物性試験を行い、表6の結果を得た。
Figure 2007138151
本発明による、難燃性ポリアミド系樹脂組成物は、コイルボビン、フライバックトランス、コネクター、偏光ヨーク等の電気・電子機器部品、プリント配線板、プリント基板、封止剤、電気絶縁材料、電気被覆剤、積層板、高速演算用ワニス、先端複合材料、電線、アンテナ剤、ケーブル、高性能成型材料等の電気・電子材料用途、塗料、接着剤、コーティング材、食器、ボタン、繊維・紙処理剤、化粧板、UV硬化型インキ、シーラント、合成皮革、断熱緩衝材料、塗膜防水材、防食ライニング、鋳型用バインダー、ラッカー、ペイント、インキの改質材、樹脂変性材、航空機内装剤、複合材料用マトリックス、家庭用品、OA機器、AV機器、電池電装用、照明機器、自動車部品用途、ハウジング用途、ETC、ITC、携帯電話等に最適に使用される。

Claims (6)

  1. (A)ポリアミド系樹脂100重量部に対し、(B)ホスファゼン化合物、ホスフィン酸塩から選ばれる少なくとも一種5〜70重量部、(C)シリカ、石炭灰、ゼオライト、珪酸塩から選ばれる少なくとも一種0.1〜15重量部からなる難燃性ポリアミド系樹脂組成物。
  2. (B)成分がホスファゼン化合物であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性ポリアミド系樹脂組成物。
  3. 更に(D)炭化性樹脂5〜150重量部含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の難燃性ポリアミド系樹脂組成物。
  4. (D)炭化性樹脂が、ポリフェニレンエーテル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、サーモトロピック液晶、ポリフェニレンスルフィド系樹脂から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載の難燃性ポリアミド系樹脂組成物。
  5. 更に(E)充填材を10〜200重量部含有することを特徴とする請求項1〜4いずれか一項に記載の難燃性ポリアミド系樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5いずれか一項に記載の樹脂組成物からなる成型体。
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