JP2007138082A - 末端変性アミック酸オリゴマー溶液を用いたプリプレグの製造方法 - Google Patents

末端変性アミック酸オリゴマー溶液を用いたプリプレグの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、シート状マトリックス材料に、末端変性アミック酸オリゴマー溶液を含浸液として用いて含浸して、プリプレグを調製する際の改良された方法を提供すること。
【解決手段】 シート状マトリックス材料に、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸化合物を主成分とするテトラカルボン酸化合物と、化学量論的に過剰量の芳香族ジアミン化合物と、芳香族ジアミン化合物とテトラカルボン酸化合物との差のモル量の1.8〜2.2倍のモル量の4−(2−フェニルエチニル)フタル酸化合物を反応させて得られた末端変性アミック酸オリゴマー溶液を含浸させてプリプレグを製造する方法において、末端変性アミック酸オリゴマー溶液が、末端変性アミック酸オリゴマーの濃度が15〜45質量%であり、且つ末端変性アミック酸オリゴマーのイミド化率が70%以下であることを特徴とするプリプレグを製造する方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、末端変性アミック酸オリゴマー溶液を用いたプリプレグを製造する方法に関する。
芳香族ポリイミドは、機械的強度、耐熱性、耐薬品性などの物理的及び化学的特性が顕著に優れることから、従来電子機器の基板などの用途に用いられてきたが、近年その優れた特性を生かして航空機や宇宙船を構成する様々な部品の材料としての利用が検討され、一部では既に実用化されている。
これらの中には、例えば、高弾性繊維からなるシート状マトリックス材料に芳香族ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液又は末端変性イミドオリゴマーを含浸させてプリプレグを調製し、該プリプレグを複数枚積層し、次いで加圧及び加熱して得られるシート状マトリックスとポリイミドとからなる硬化複合体がある。
特許文献1には、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物と芳香族ジアミン化合物と4−(2−フェニルエチニル)無水フタル酸とを反応して得られる末端変性イミドオリゴマーと繊維状補強材との複合材を加熱硬化してなる硬化物が開示されている。ここには、末端変性イミドオリゴマー溶液を含浸液とする方法に加えて、末端変性アミック酸オリゴマー溶液も含浸液として用いることができることが記載されている。しかし、シート状マトリックス材料に含浸する末端変性アミック酸オリゴマー溶液について、どのようなものが好適であるについての詳細な検討はなされていなかった。
特開2000−219741号公報
本発明は、繊維からなるシート状マトリックス材料に、末端変性アミック酸オリゴマー溶液を含浸液として用いて含浸して、プリプレグを調製する際の改良された方法を提供することを目的とする。
本発明は、繊維からなるシート状マトリックス材料に、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸化合物を主成分とするテトラカルボン酸化合物と、テトラカルボン酸化合物に対し化学量論的に過剰量の芳香族ジアミン化合物と、芳香族ジアミン化合物のモル量とテトラカルボン酸化合物のモル量との差のモル量の1.8〜2.2倍のモル量の4−(2−フェニルエチニル)フタル酸化合物を反応させて得られた末端変性アミック酸オリゴマー溶液を含浸させてプリプレグを製造する方法において、末端変性アミック酸オリゴマー溶液が、末端変性アミック酸オリゴマーの濃度が15〜45質量%であり、且つ末端変性アミック酸オリゴマーのイミド化率が70%以下であることを特徴とするプリプレグを製造する方法に関する。
また、本発明は、前記の末端変性アミック酸オリゴマーが、末端変性アミック酸オリゴマーのイミド化率が10%以下であり、且つ熱イミド化によってイミド化率を100%にしたものを30℃で測定したときのηinh(0.5g/100ml溶媒、但し、溶媒はN−メチル−2−ピリドン)が0.05〜0.15であること、あるいは、前記の末端変性アミック酸オリゴマーが、末端変性アミック酸オリゴマーのイミド化率が10〜70%であり、且つ熱イミド化によってイミド化率を100%にしたものを30℃で測定したときのηinh(0.5g/100ml溶媒、但し、溶媒はN−メチル−2−ピリドン)が0.05〜0.30であることを特徴とする前記のプリプレグを製造する方法に関する。さらに、前記芳香族ジアミン化合物が、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,3−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、及び4,4'−ジアミノジフェニルエーテルのいずれか、或いはそれらの混合物からなることを特徴とする前記のプリプレグを製造する方法に関する。
また、本発明は、前記のプリプレグを製造する方法によって製造されたプリプレグ、および、前記のプリプレグの複数枚を積層した積層体を、加圧下に加熱することを特徴とする硬化複合体の製造方法に関する。
本願発明の方法は、含浸液が高濃度であって且つ長期間安定した粘度を保つことができるものであるから、繊維からなるシート状マトリックス材料に付着させる樹脂量を好適に制御することが可能であり、その結果、好適な樹脂含有率及び揮発分含有率を有するプリプレグを安定的に製造することができる。その結果、欠陥の少ない硬化複合体を安定的に製造することが可能になる。
本発明の末端変性アミック酸オリゴマーは、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物を主成分とするテトラカルボン酸化合物と、テトラカルボン酸化合物に対し化学量論的に過剰量の芳香族ジアミン化合物と、芳香族ジアミン化合物のモル量とテトラカルボン酸化合物のモル量との差のモル量の1.8〜2.2倍のモル量の4−(2−フェニルエチニル)フタル酸化合物とを反応させて好適に得ることができる。
2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物は、テトラカルボン酸化合物の全体量に対して80モル%以上、更に90モル%以上、特に100モル%であることが、得られる硬化複合体の耐熱温度(Tg)を高くできるので好適である。2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物以外のテトラカルボン酸化合物としては、特に限定するものではないが、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物、ピロメリット酸化合物、ビス(3,4−ジカルボキシジフェニル)エーテルを好適に挙げることができる。ここで、テトラカルボン酸化合物とは、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸の低級アルコールエステルなどの、通常のポリアミック酸を調製する際にテトラカルボン酸成分として用いられる化合物であり、一般的にはテトラカルボン酸二無水物が反応を容易に進めることができるので好適に用いられる。
芳香族ジアミン化合物の例としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,3−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、もしくはこれらの混合物を好適に挙げることができる。この他、芳香族ポリイミド樹脂を製造する際に一般的に使用することが知られている各種の芳香族ジアミン化合物を用いることができる。
芳香族ジアミン化合物は、テトラカルボン酸化合物に対して化学量論的に過剰モル量で用いる。例えば、芳香族ジアミン化合物は、テトラカルボン酸化合物1モルに対して1.1〜2.0モルの範囲内の量で用いることが好ましい。
4−(2−フェニルエチニル)フタル酸化合物は、芳香族ジアミン化合物のモル量とテトラカルボン酸化合物のモル量との差のモル量の1.8〜2.2倍のモル量を用いることが好ましい。ここで、4−(2−フェニルエチニル)フタル酸化合物とは、4−(2−フェニルエチニル)フタル酸、4−(2−フェニルエチニル)フタル酸の無水化物、及び4−(2−フェニルエチニル)フタル酸の低級アルコールエステルなどであり、一般には4−(2−フェニルエチニル)フタル酸の無水化物が反応を容易に進めることができるので好適に用いられる。
本発明の末端変性アミック酸オリゴマーは、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物を主成分とするテトラカルボン酸化合物と、芳香族ジアミン化合物と、4−(2−フェニルエチニル)フタル酸化合物とを、溶媒中で、イミド化が進み過ぎないように加熱温度を制御しながら、好ましくは120℃以下、特に100℃以下の反応温度で重合反応させて容易に得ることができる。この末端変性アミック酸オリゴマーは両末端が4−(2−フェニルエチニル)フタル酸に由来した変性基を有しており、テトラカルボン酸化合物と芳香族ジアミン化合物とのモル比によって平均分子量を、また反応時の熱履歴によってイミド化率を制御して得ることができる。すなわち、テトラカルボン酸化合物に対する芳香族ジアミンの過剰量を少なくすると、末端変性アミック酸オリゴマーの平均分子量が大きくすることができ、テトラカルボン酸化合物に対する芳香族ジアミンの過剰量を多くすると、末端変性アミック酸オリゴマーの平均分子量を小さくすることができる。なお、後述するように、本発明では、この平均分子量の大きさを示す指標として末端変性アミック酸オリゴマーを熱イミド化したもののηinhを採用している。また重合反応時の反応温度を室温程度以下に制御すれば、実質的にイミド化率が0%の末端変性アミック酸オリゴマーを得ることができるし、60〜100℃程度で加熱すれば、イミド化率が数十%の末端変性アミック酸オリゴマー溶液を得ることができる。
本発明において、溶媒の選択は、芳香族ポリアミック酸溶媒に関する公知技術を適用することができるが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルカプロラクタムなどを好適に挙げることができる。本発明において、溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドンが特に好適である。
本発明で用いる繊維からなるシート状マトリックス材料は、好ましくは高強度繊維であり、例えばカーボン繊維、ガラス繊維およびチラノ繊維(二酸化チタン繊維)をシート状にしたもので、通常の繊維強化樹脂複合材料に用いられるものを好適に採用することができる。
本発明の方法は、繊維からなるシート状マトリックス材料に、前述の末端変性アミック酸オリゴマー溶液を含浸させてプリプレグを製造する方法において、末端変性アミック酸オリゴマーの濃度が15〜45質量%であり、且つ末端変性アミック酸オリゴマーのイミド化率が70%以下のである末端変性アミック酸オリゴマー溶液を用いることを特徴とする。シート状マトリックス材料に末端変性アミック酸オリゴマー溶液を含浸させた後で、必要により、硬化反応が起こらないような条件下で乾燥処理して、余剰の溶媒を揮発除去させる。そして、得られるプリプレグは、後述する揮発分含有率と樹脂含有率が、それぞれ所定の範囲内になるように調製される。本発明において、揮発分含有率は7〜27質量%特に13〜22質量%が好ましい。揮発分含有率が7質量%未満ではプリプレグのタック性やドープ製が失われる。27質量%を越えるとタック性が過剰になり取扱いが困難になる。また、本発明において、樹脂含有率は20〜70質量%特に30〜50質量%が好ましい。樹脂含有率がこの範囲より少ないと硬化複合体としたときにボイドなどの欠陥を生じやすく、この範囲よりも多いと繊維強化複合材料としての所定の強度を有する硬化複合体が得られなくなるので好適ではない。
本発明では、末端変性アミック酸オリゴマーの濃度が15〜45質量%であり、且つ末端変性アミック酸オリゴマーのイミド化率が70%以下のである末端変性アミック酸オリゴマー溶液を用いて含浸するので、前述の好適な揮発分含有率と樹脂含有率を持ったプリプレグを容易に得ることができる。
末端変性アミック酸オリゴマーの濃度が15質量%未満では、シート状マトリックス材料を含浸したときの末端変性アミック酸オリゴマーの付着量が少なくなり過ぎて、好適な樹脂含有率を有するプリプレグを得るのが難しく、その結果欠陥の少ない硬化複合体を安定的に製造するのが難しくなる。一方、末端変性アミック酸オリゴマーの濃度が45質量%を越えると、含浸溶液の溶液保存性が悪くなって高粘度化やゲル化が容易に起こるために、欠陥の少ないプリプレグ及び硬化複合体を安定的に製造することが難しくなる。
さらに、本発明の方法は、末端変性アミック酸オリゴマーのイミド化率が10%以下であり且つ熱イミド化によってイミド化率を100%にしたものを30℃で測定したときのηinh(0.5g/100ml溶媒、但し、溶媒はN−メチル−2−ピリドン)が0.05〜0.15である末端変性アミック酸オリゴマー溶液を用いること、あるいは、末端変性アミック酸オリゴマーのイミド化率が10〜70%特に10〜50%であり且つ熱イミド化によってイミド化率を100%にしたものを30℃で測定したときのηinh(0.5g/100ml溶媒、但し、溶媒はN−メチル−2−ピリドン)が0.05〜0.30特に0.15〜0.30である末端変性アミック酸オリゴマー溶液を用いることが好適である。
末端変性アミック酸オリゴマーの熱イミド化によってイミド化率を100%にしたものを30℃で測定したときのηinhとは、末端変性アミック酸オリゴマーの平均分子量の大きさを示す指標である。したがって、本発明では、イミド化率が10%以下の比較的低いときには、ηinhが0.05〜0.15の比較的低分子量からなる末端変性アミック酸オリゴマーからなる末端変性アミック酸オリゴマー溶液を用いること、そして、イミド化率が10〜70%と比較的高い時には、ηinhが0.05〜0.30の比較的高分子量も含む末端変性アミック酸オリゴマーからなる末端変性アミック酸オリゴマー溶液を用いることが好適である。
シート状マトリックス材料に樹脂溶液を含浸させる場合には、樹脂溶液の溶液粘度は200ポイズ以下が好ましく、100ポイズ以下が更に好ましい。本発明の末端変性アミック酸オリゴマー溶液においては、イミド化率が10%以下では、溶液粘度が比較的に高くなり易いので、ηinhが0.05〜0.15の比較的低分子量の末端変性アミック酸オリゴマーからなる15〜45質量%の高濃度の末端変性アミック酸オリゴマー溶液を用いることによって、好適な樹脂含有率及び揮発成分含有率を有するプリプレグを容易に調製することが可能になる。一方、イミド化率が10〜70%では、溶液粘度を比較的に低くすることができるので、ηinhが0.05〜0.30の比較的高分子量の末端変性アミック酸オリゴマーからなる15〜45質量%の高濃度の末端変性アミック酸オリゴマー溶液を用いることによって、好適な樹脂含有率及び揮発成分含有率を有するプリプレグを容易に調製することが可能になる。
本発明のプリプレグを製造する方法において、前述の末端変性アミック酸オリゴマー溶液を用いること以外は、通常のプリプレグを製造する公知の技術を好適に採用することができる。例えば、含浸方法はバッチ式でも連続式でも構わないし、含浸後は前述のように、必要により溶媒の一部を加熱などで蒸発除去することができる。また、このプリプレグは、その両面をそれぞれポリエチレンテレフタレートなどの樹脂シート、あるいは紙などの被覆シートにより被覆した状態で保存や輸送することが好ましく、このような被覆状態のプリプレグは通常ロール状に巻かれる。
プリプレグから硬化複合体を製造する方法は既に知られている。例えば、ロール状のプリプレグを所望の寸法に切断し、切断されたプリプレグを複数枚(通常は数枚から100枚程度)積層し、必要なら減圧下に溶媒やイミド化によって発生する水を除去しながら、加熱プレスを利用して加圧及び加熱する方法、あるいはオートクレーブを用いて加圧及び加熱する方法が利用される。この加圧及び加熱により、乾燥及び熱イミド化反応、および末端反応基による硬化反応が起こり、硬化複合体を好適に得ることができる。
本発明において、乾燥及び熱イミド化反応は、140〜280℃特に240〜280℃の温度で5〜240分間程度特に20〜120分間加熱して行なうことが好ましく、末端反応基による硬化反応は260〜500℃特に340〜390℃の温度、1〜1000kg/cmの圧力下で、1〜100分間特に20〜100分間程度加熱することが好ましい。また、このような操作の際には、通常行なわれているように、圧力や加熱温度は段階的に変えることが好ましい。
本発明において、プリプレグの揮発分含有率、及びプリプレグの樹脂含有率は以下の計算式で算出される値である。
(プリプレグの揮発分含有率)
Figure 2007138082
(プリプレグの樹脂含有率)
Figure 2007138082
ここで、硬化複合体重量とは、プリプレグを370℃のオーブン中で1時間加熱処理して硬化体を形成したときの重量である。また、マトリックス重量とは用いた繊維からなるシート状マトリックス材料のFAW(g/m)×プリプレグ面積(m)で算出される重量(g)である。
以下、本願発明について実施例によって説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例において使用した化合物や材料は以下のとおりである。
(使用した化合物)
a−BPDA:2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
MPD:m−フェニレンジアミン
ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
TPE−R:1,3−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
PEPA:4−(2−フェニルエチニル)無水物フタル酸
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
(シート状マトリックス材料)
炭素繊維クロス:東レ株式会社製T800H−12平織、FAW320g/m
実施例において採用した測定方法は以下のとおりである。
(イミド化率)
溶液状態でIRスペクトラムを測定し、1775cm−1と1497cm−1の吸光度比から次の算出式によって算出した。
Figure 2007138082
ここで、加熱処理溶液とは、資料溶液を180℃で4時間加熱して熱イミド化を行なわせた溶液のことである。
(ηinh)
キャノン・フェンスケ粘度計を用い、0.5g/100ml溶媒、溶媒:NMP、30℃にて測定した。
(溶液粘度)
E型粘度計を用い、温度30℃にて測定した。
実施例において使用した装置は以下のとおりである。
(熱風オーブン)
ヤマト科学株式会社製、スーパーテンプオーブンSTPH−201
〔実施例1〕
11.77g(0.04モル)のa−BPDA、10.01g(0.05モル)のODA、4.96g(0.02モル)のPEPAを室温で62gのNMPに溶解した後、40℃で4時間撹拌して、濃度が30質量%で30℃における溶液粘度が28ポイズの末端変性アミド酸オリゴマー溶液を得た。
この溶液中の末端変性アミド酸オリゴマーのイミド化率は0%であった。
また、この溶液の一部を更に180℃で4時間加熱撹拌して熱イミド化を行い、該反応液を100℃まで冷却後イオン交換水に投入して沈殿物を生じさせ、その沈殿物を濾別し、イオン交換水による洗浄と濾別を4回繰り返した後で、120℃で50時間乾燥した末端変性イミドオリゴマーのηinhは0.10であった。
得られた末端変性アミド酸オリゴマー溶液を、炭素繊維からなるシート状マトリックス材料に垂らし、次いでガラス棒で表面をしごいて、末端変性アミド酸オリゴマー溶液をシート状マトリックス材料内部にまで含浸させた。それを150℃の熱風オーブン中で15分間乾燥した。その結果、樹脂含有率が38%、揮発分含有率が17%の均一なプリプレグが得られた。
〔実施例2〕
13.35g(0.0454モル)のa−BPDA、10.01g(0.05モル)のODA、2.25g(0.009モル)のPEPAを室温で102.4gのNMPに溶解した後、70℃で4時間撹拌して、濃度が20質量%で30℃における溶液粘度が2ポイズの末端変性アミド酸オリゴマー溶液を得た。
この溶液中の末端変性アミド酸オリゴマーのイミド化率は38%であった。
また、この溶液の一部を更に180℃で4時間加熱撹拌して熱イミド化を行い、該反応液を100℃まで冷却後イオン交換水に投入して沈殿物を生じさせ、その沈殿物を濾別し、イオン交換水による洗浄と濾別を4回繰り返した後で、120℃で50時間乾燥した末端変性イミドオリゴマーのηinhは0.22であった。
得られた末端変性アミド酸オリゴマー溶液を、炭素繊維からなるシート状マトリックス材料に垂らし、次いでガラス棒で表面をしごいて、末端変性アミド酸オリゴマー溶液をシート状マトリックス材料内部にまで含浸させた。それを150℃の熱風オーブン中で15分間乾燥した。その結果、樹脂含有率が37%、揮発分含有率が19%の均一なプリプレグが得られた。
〔実施例3〕
10.00g(0.034モル)のa−BPDA、3.46g(0.032モル)のMPD、9.34g(0.032モル)のTPE−R、14.88g(0.06モル)のPEPAを室温で56.5gのNMPに溶解した後、40℃で4時間撹拌して、濃度が40質量%で30℃における溶液粘度が34ポイズの末端変性アミド酸オリゴマー溶液を得た。
この溶液中の末端変性アミド酸オリゴマーのイミド化率は0%であった。
また、この溶液の一部を更に180℃で4時間加熱撹拌して熱イミド化を行い、該反応液を100℃まで冷却後イオン交換水に投入して沈殿物を生じさせ、その沈殿物を濾別し、イオン交換水による洗浄と濾別を4回繰り返した後で、120℃で50時間乾燥した末端変性イミドオリゴマーのηinhは0.07であった。
得られた末端変性アミド酸オリゴマー溶液を、炭素繊維からなるシート状マトリックス材料に垂らし、次いでガラス棒で表面をしごいて、末端変性アミド酸オリゴマー溶液をシート状マトリックス材料内部にまで含浸させた。それを150℃の熱風オーブン中で15分間乾燥した。その結果、樹脂含有率が40%、揮発分含有率が18%の均一なプリプレグが得られた。
〔実施例4〕
11.77g(0.04モル)のa−BPDA、10.01g(0.05モル)のODA、4.96g(0.02モル)のPEPAを室温で62.0gのNMPに溶解した後、100℃で1時間撹拌して、濃度が30質量%で30℃における溶液粘度が4ポイズの末端変性アミド酸オリゴマー溶液を得た。
この溶液中の末端変性アミド酸オリゴマーのイミド化率は41%であった。
また、この溶液の一部を更に180℃で4時間加熱撹拌して熱イミド化を行い、該反応液を100℃まで冷却後イオン交換水に投入して沈殿物を生じさせ、その沈殿物を濾別し、イオン交換水による洗浄と濾別を4回繰り返した後で、120℃で50時間乾燥した末端変性イミドオリゴマーのηinhは0.10であった。
得られた末端変性アミド酸オリゴマー溶液を、炭素繊維からなるシート状マトリックス材料に垂らし、次いでガラス棒で表面をしごいて、末端変性アミド酸オリゴマー溶液をシート状マトリックス材料内部にまで含浸させた。それを150℃の熱風オーブン中で15分間乾燥した。その結果、樹脂含有率が40%、揮発分含有率が18%の均一なプリプレグが得られた。
〔比較例1〕
11.77g(0.04モル)のa−BPDA、10.01g(0.05モル)のODA、4.96g(0.02モル)のPEPAを室温で17.8gのNMPに溶解した後、40℃で撹拌して、濃度が60質量%の末端変性アミド酸オリゴマー溶液を得ようとしたが、反応中に溶液粘度が高くなって撹拌不能になった。このような高粘度溶液では、シート状マトリックス材料に含浸するのが極めて難しいことは明らかであった。
〔比較例2〕
11.77g(0.04モル)のa−BPDA、10.01g(0.05モル)のODA、4.96g(0.02モル)のPEPAを室温で62.0gのNMPに溶解した後、180℃で4時間撹拌して、イミド化率が100%の、末端変性イミドオリゴマー溶液と呼ぶべきものを得た。
この溶液を室温で1昼夜放置したところゲル化し、シート状マトリックス材料に含浸することができないものであった。
〔比較例3〕
11.77g(0.04モル)のa−BPDA、10.01g(0.05モル)のODA、4.96g(0.02モル)のPEPAを室温で240.7gのNMPに溶解した後、180℃で1時間撹拌して、イミド化率が100%の、末端変性イミドオリゴマー溶液と呼ぶべきものを得た。
得られた末端変性イミド酸オリゴマー溶液を、炭素繊維からなるシート状マトリックス材料に垂らし、次いでガラス棒で表面をしごいて、末端変性アミド酸オリゴマー溶液をシート状マトリックス材料内部にまで含浸させた。それを150℃の熱風オーブン中で15分間乾燥した。その結果、樹脂含有率が12%、揮発分含有率が6%の均一なプリプレグが得られた。
〔比較例4〕
11.77g(0.04モル)のa−BPDA、10.01g(0.05モル)のODA、4.96g(0.02モル)のPEPAを室温で240.7gのNMPに溶解した後、40℃で4時間撹拌して、イミド化率が0%の、末端変性アミド酸オリゴマー溶液を得た。
得られた末端変性アミド酸オリゴマー溶液を、炭素繊維からなるシート状マトリックス材料に垂らし、次いでガラス棒で表面をしごいて、末端変性アミド酸オリゴマー溶液をシート状マトリックス材料内部にまで含浸させた。それを150℃の熱風オーブン中で15分間乾燥した。その結果、樹脂含有率が15%、揮発分含有率が8%の均一なプリプレグが得られた。
本発明は、繊維からなるシート状マトリックス材料に、末端変性アミック酸オリゴマー溶液を含浸液として用いて含浸して、プリプレグを調製する際の、好適な樹脂含有率及び揮発成分含有率を有するプリプレグを容易に調製することが可能な改良された方法を提供するものである。この結果、その優れた特性を生かして航空機や宇宙船を構成する様々な部品の材料としての利用が可能な高性能の硬化複合体をボイドなどの欠陥なしに安定して製造することができる。

Claims (6)

  1. 繊維からなるシート状マトリックス材料に、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物を主成分とするテトラカルボン酸化合物と、テトラカルボン酸化合物に対し化学量論的に過剰量の芳香族ジアミン化合物と、芳香族ジアミン化合物のモル量とテトラカルボン酸化合物のモル量との差のモル量の1.8〜2.2倍のモル量の4−(2−フェニルエチニル)フタル酸化合物を反応させて得られた末端変性アミック酸オリゴマー溶液を含浸させてプリプレグを製造する方法において、
    末端変性アミック酸オリゴマー溶液が、末端変性アミック酸オリゴマーの濃度が15〜45質量%であり、且つ末端変性アミック酸オリゴマーのイミド化率が70%以下であることを特徴とするプリプレグを製造する方法。
  2. 末端変性アミック酸オリゴマーが、末端変性アミック酸オリゴマーのイミド化率が10%以下であり、且つ熱イミド化によってイミド化率を100%にしたものを30℃で測定したときのηinh(0.5g/100ml溶媒、但し、溶媒はN−メチル−2−ピリドン)が0.05〜0.15であることを特徴とする前記請求項1に記載のプリプレグを製造する方法。
  3. 末端変性アミック酸オリゴマーが、末端変性アミック酸オリゴマーのイミド化率が10〜70%であり、且つ熱イミド化によってイミド化率を100%にしたものを30℃で測定したときのηinh(0.5g/100ml溶媒、但し、溶媒はN−メチル−2−ピリドン)が0.05〜0.30であることを特徴とする前記請求項1に記載のプリプレグを製造する方法。
  4. 芳香族ジアミン化合物が、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,3−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルのいずれか、或いはそれらの混合物からなることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載のプリプレグを製造する方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかの方法によって製造されたプリプレグ。
  6. 請求項5のプリプレグの複数枚を積層した積層体を、加圧下に加熱することを特徴とする硬化複合体の製造方法。
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