JPH10265591A - プリプレグ - Google Patents

プリプレグ

Info

Publication number
JPH10265591A
JPH10265591A JP7604397A JP7604397A JPH10265591A JP H10265591 A JPH10265591 A JP H10265591A JP 7604397 A JP7604397 A JP 7604397A JP 7604397 A JP7604397 A JP 7604397A JP H10265591 A JPH10265591 A JP H10265591A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
terminal
prepreg
amic acid
acid oligomer
reactive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7604397A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Ninomiya
宏明 二宮
Nobuaki Oki
信昭 沖
Hideo Nagata
秀夫 永田
Nobuyuki Odagiri
信之 小田切
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP7604397A priority Critical patent/JPH10265591A/ja
Publication of JPH10265591A publication Critical patent/JPH10265591A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】末端反応性アミック酸オリゴマーからなるマト
リックス樹脂を用いる複合材料において、優れた加工性
及び複合材料物性を発現するプリプレグを提供する。 【解決手段】次の構成要素[A]、[B]、[C]から
なるプリプレグであって、[B]が末端反応性アミック
酸オリゴマー、または、末端反応性アミック酸オリゴマ
ーを脱水閉環して得られる末端反応性イミドオリゴマー
からなり、[C]が末端反応性アミック酸オリゴマーか
らなることを特徴とするプリプレグ、およびそのプリプ
レグを成形してなる繊維強化複合材料。 [A]:長繊維からなる強化材 [B]:サイジング剤 [C]:マトリックス樹脂

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、末端架橋ポリイミ
ドをマトリックス樹脂とする複合材料として用いるのに
適したプリプレグに関する。更に詳しくは、プリプレグ
とする際のプロセス性が良好であり、かつ機械的強度、
耐熱性の優れた構造材を与えるプリプレグおよびこれを
成形してなる複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複合材料は強化材の高い比強度、
比剛性を利用して航空機材料に用いられてきた。マトリ
ックス樹脂としては、エポキシ樹脂やフェノール樹脂が
用いられているが、航空機の高速化および一次構造材
(主翼、胴体など)への適用に伴い、これらの材料では
耐熱性、耐水性および高温吸水時の耐衝撃性に問題があ
った。これら上記特性を改良するものとして、近年は耐
熱性に優れた樹脂、例えば、ビスマレイミド系樹脂、ポ
リエーテルケトン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、
ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルイミド
樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を用いた材料の開発が進
められている。
【0003】これら耐熱性に優れた樹脂と強化材からな
る複合材料に適したプリプレグを製造する場合、優れた
集束性、開繊性および耐熱性を共に有するサイジング剤
を付与した強化材を用いるか、またはサイジング剤を付
与しない強化材を用いるのが一般的である。しかし、サ
イジング剤を付与しない強化材では、集束性が低く、毛
羽立ちの発生が多いなど取扱い性に問題がある。そこ
で、耐熱性に優れた樹脂を用いた複合材料においてマト
リックス樹脂の有する耐熱性を損なわないサイジング剤
が求められている。
【0004】さらに、これら耐熱性に優れた樹脂と強化
材からなる複合材料が優れた物性を発現するためには、
強化材にサイジング処理を施して、プリプレグとする際
のプロセス性、すなわちプリプレグ加工性を改善するこ
とが必要である。
【0005】ここでいうプリプレグ加工性とは、例えば
強化材長繊維束に集束性を付与することにより、強化材
長繊維とマトリックス樹脂からプリプレグを作製する際
の毛羽立ちを防止する耐擦過性または耐毛羽性、作業性
などが挙げられる。
【0006】また、複合材料としたときのマトリックス
樹脂と強化材との界面の接着性を改良することも必要で
あり、強化材とマトリックス樹脂との相溶性、濡れ性、
接着性などが良好なことが必要であるばかりでなく、プ
リプレグの含浸性、表面平滑性などの品位が良好である
ことも必要である。
【0007】これまで上記を目的として種々の耐熱性樹
脂でサイジング処理された強化材が検討されてきた。
【0008】例えば、 (1)特開昭53−121872号公報、特開昭58−
160323号公報、特開昭60−32831号公報、
特開昭62−21872号公報などでは、ケルイミド6
01やBTレジンなどのビスマレイミド樹脂でサイジン
グする方法を推奨しているが、ビスマレイミド樹脂が熱
硬化性であるために、サイジング処理された炭素繊維の
硬度が大きくなってプリプレグ加工性が著しく損われて
しまう。更に、このようなビスマレイミド系サイジング
剤は、200℃以上の温度で長期間にわたって晒される
と、熱分解を引き起こし、界面部分の接着性が低下する
という欠点があった。
【0009】(2)特開昭58−8188号公報、特開
昭63−6675号公報などでは、イミドモノマーの溶
液を用いてサイジングを行なうことによって、炭素繊維
に対して良好な含浸性を実現している。しかし、生成す
るアミック酸やポリイミドの被膜が脆いために、軽微な
外力によって被膜が容易に剥がれ落ちてしまい、炭素繊
維の保護が十分に出来ないため、多量の毛羽が生じてし
まうという欠点があった。
【0010】(3)特開昭61−75880号公報、特
開平4−91275号公報などでは、熱可塑性樹脂とし
てポリアミドイミドをサイジング剤として使用している
が、ポリアミドイミドの硬度が大きいために、サイジン
グ処理された炭素繊維の硬度も大きくなってプリプレグ
加工性が著しく損われてしまうという欠点があった。
【0011】(4)特開昭62−299580号公報、
特開昭64−40569号公報などでは、熱可塑性樹脂
として柔軟な構造を有するポリエーテルイミドをサイジ
ング剤として使用することによって炭素繊維の硬度を低
下させてプリプレグ加工性を改善する方法が述べられて
いるが、その効果は十分ではないという欠点があった。
【0012】このように、上記例ではいずれも耐擦過
性、耐毛羽性さらに強化繊維の開繊性などのプリプレグ
加工性において充分でなく、これら問題点を解決した耐
熱性サイジング剤が求められている。
【0013】特に強化材長繊維束の開繊性が低いと、プ
リプレグ作製時にマトリックス樹脂が強化材長繊維束内
部まで充分に含浸できず、成形物に多量のボイドが生成
する可能性がある。さらに、プリプレグには強化材長繊
維束間に隙間ができ、凸凹のある表面平滑性の悪いもの
になる場合がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、複合材料、とりわけ耐熱性に優れた樹脂をマトリッ
クス樹脂とする複合材料において、優れた加工性および
複合材料物性を発現するプリプレグについて鋭意検討し
た結果、本発明に到達したのである。すなわち、本発明
の課題は、末端反応性アミック酸オリゴマーからなるマ
トリックス樹脂を用いる複合材料において、優れた加工
性及び複合材料物性を発現するプリプレグを提供するこ
とにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のプリプレグは前
記課題を解決するため次の構成を有する。すなわち、次
の構成要素[A]、[B]、[C]からなるプリプレグ
であって、[B]が末端反応性アミック酸オリゴマー、
または、末端反応性アミック酸オリゴマーを脱水閉環し
て得られる末端反応性イミドオリゴマーからなり、
[C]が末端反応性アミック酸オリゴマーからなること
を特徴とするプリプレグである。
【0016】 [A]:長繊維からなる強化材 [B]:サイジング剤 [C]:マトリックス樹脂 また、本発明の繊維強化複合材料は前記課題を解決する
ため次の構成を有する。すなわち、前記プリプレグを成
形してなる繊維強化複合材料である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において構成要素[A]
は、長繊維からなる強化材である。本発明に用いる強化
材は、一般に、高性能強化材として用いられる耐熱性及
び引っ張り強度の良好な強化繊維の長繊維からなる。例
えば、そのような長繊維には、炭素繊維、黒鉛繊維、ア
ラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊
維などの長繊維が挙げられる。この内、比強度、比弾性
率が良好で、軽量化に大きな寄与が認められる炭素繊維
や黒鉛繊維の長繊維が本発明には最も良好である。炭素
繊維や黒鉛繊維は用途に応じて、あらゆる種類の炭素繊
維や黒鉛繊維を用いることが可能であるが、引張強度
4.4GPa、引張伸度1.6%以上の高強度高伸度炭
素繊維が適している。さらに好ましくは、引張強度4.
7GPa、引張伸度1.9%以上の高強度高伸度炭素繊
維が望ましい。
【0018】圧縮強度の高い炭素繊維として、繊維の横
断面が非円形である非円形横断面炭素繊維が好適に用い
られる。非円形横断面炭素繊維とは、下式で表される単
繊維横断面の最小断面二次モーメント(Imin)と断
面積(A)の2乗との比(Pmin)が0.085以上
と規定されるものである。すなわち、非円形横断面繊維
の場合、方向によって断面二次モーメントが異なるが、
その中で最小の値を面積の2乗で割った値が0.085
以上とするものである。炭素繊維がこのような非円形横
断面であることによって、圧縮応力に対して座屈しにく
く、繊維強化複合材料の圧縮強度、曲げ強度および曲げ
剛性が向上する。
【0019】Pmin=Imin/A2 ここで、Iminは、単繊維横断面の重心を通る軸に関
する断面二次モーメントのうち最小の値であり、Aは、
単繊維横断面の面積である。
【0020】さらに、下式で表される単繊維横断面の最
大断面二次モーメント(Imax)と面積(A)の2乗
の比(Pmax)もPminと同様に大きいことが好ま
しく、Pmaxが0.13以上と大きければPminが
0.019以上でも圧縮強度向上効果が得られる。
【0021】Pmax=Imax/A2 ここで、Imaxは、単繊維横断面の重心を通る軸に関
する断面二次モーメントのうち最大の値であり、Aは、
単繊維横断面の面積である。
【0022】PminおよびPmaxの上限については
限定されるものではないが、Pmaxを大きくすること
によりPminが小さくなるので、Pmaxの上限は
0.5以下が好ましい。
【0023】繊維横断面形状は、その図心を通る対称面
を少なくとも一つ有するとともに、θ=360°/n
(nは2から10までの整数)で規定される回転対称角
度θにより特定されるものの方が、断面二次モーメント
が等方的であり座屈が起こりにくい傾向がある。
【0024】繊維横断面が回転対称であるとは、図心の
まわりに角度θ回転させたとき全く同じ図形が繰り返さ
れることをいい、そのときの回転角度を回転対称角とい
う。また、対称面とは、繊維横断面で鏡映操作をすると
き図形が左右で自己同一になるようなときの境界面をい
う。
【0025】この非円形横断面形状が対称性であること
により、繊維強化複合材料の縦方向(繊維長手方向)の
歪みに対する断面方向の応力分布を均一にすることがで
きる。これらの作用が総合されることによって、炭素繊
維の優れた機械的特性を繊維強化複合材料に対して有効
に反映されることができる。
【0026】強度および弾性率の高い非円形横断面繊維
を得るには、繊度および比重から算出した炭素繊維の単
糸径(繊維横断面を円形と仮定)で3μm以上7.5μ
m以下、4μm以上6μm以下がよい。単糸径が3μm
未満では、炭素繊維の製造時に単糸切れが多く発生し高
い引張強度を得られない場合がある。
【0027】また、本発明において、長繊維とは、長さ
が5cm以上である繊維、いわゆるフィラメントを意味す
る。強化繊維の長さが短すぎると、繊維の強度を複合材
料として十分に発現させることが困難となる。
【0028】また、炭素繊維や黒鉛繊維と併用して、他
の強化繊維を混合して用いてもかまわない。本発明にお
いて、強化材は、特にその形態を限定するものではない
が、例えば、単一方向、ランダム方向、シート状、マッ
ト状、織物状、組み紐状の形態をとり得る。また、特
に、比強度、比弾性率が高いことを要求される用途に
は、強化材として、長繊維が単一方向に引き揃えられた
形態が最も適しているが、取り扱いの容易な織物状の形
態も本発明には適している。
【0029】本発明において構成要素[B]は、サイジ
ング剤である。本発明におけるサイジング剤は、末端反
応性アミック酸オリゴマー、または、末端反応性アミッ
ク酸オリゴマーを脱水閉環して得られる末端反応性イミ
ドオリゴマーからなる耐熱性サイジング剤である。本発
明において、強化材はこのようなサイジング剤が付与さ
れてなる。
【0030】本発明において構成要素[C]は、マトリ
ックス樹脂である。本発明に用いるマトリックス樹脂
は、末端反応性アミック酸オリゴマーからなる。
【0031】本発明において、末端反応性アミック酸オ
リゴマーは、少なくとも1種の芳香族ジアミンと少なく
とも1種の芳香族ジ酸無水物および末端封止剤から合成
され得る。
【0032】上記芳香族ジアミンとしては、芳香族ジア
ミノ化合物などが挙げられる。芳香族ジアミノ化合物の
好ましい例としては、ジアミノジフェニルメタン、メタ
フェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、ジアミ
ノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルフォ
ン、ジアミノジフェニルスルフィド、ジアミノジフェニ
ルエタン、ジアミノジフェニルプロパン、ジアミノジフ
ェニルケトン、ジアミノジフェニルヘキサフルオロプロ
パン、ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミ
ノフェノキシ)ジフェニルスルフォン、ビス(アミノフ
ェノキシ)ジフェニルプロパン、ビス(アミノフェノキ
シ)ジフェニルヘキサフルオロプロパン、フルオレンジ
アミン、ジアミノジフェニルメタンのジメチル置換体、
ジアミノジフェニルメタンのテトラメチル置換体、ジア
ミノジフェニルメタンのジエチル置換体、ジアミノジフ
ェニルメタンのテトラエチル置換体、ジアミノジフェニ
ルメタンのジメチルジエチル置換体などの芳香族ジアミ
ノ化合物、より好ましくは、ビス(アミノフェノキシ)
ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルスルフ
ォン、ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルプロパン、
ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルヘキサフルオロプ
ロパン、フルオレンジアミン、ジアミノジフェニルメタ
ンのジメチル置換体、ジアミノジフェニルメタンのテト
ラメチル置換体、ジアミノジフェニルメタンのジエチル
置換体、ジアミノジフェニルメタンのテトラエチル置換
体、ジアミノジフェニルメタンのジメチルジエチル置換
体などが挙げられる。
【0033】上記芳香族ジ酸無水物としては芳香族テト
ラカルボン酸二無水物などが挙げられる。芳香族テトラ
カルボン酸二無水物の好ましい例としては、ピロメリッ
ト酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸二無水物などの芳
香族テトラカルボン酸二無水物、より好ましくは、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、3,3’,4,4’−ジフェニルエ−テルテトラカ
ルボン酸二無水物などが挙げられる。
【0034】上記芳香族ジアミンおよび芳香族ジ酸無水
物は、単独で用いてもよいし、適宜組合わせて用いても
よい。
【0035】また、上記末端封止剤としては、末端に付
加重合性基を持つモノアミンおよび/またはモノ酸無水
物である。付加重合性基としては、ナジイミド基、アセ
チレン基、フェニルエチニル基、ベンゾシクロブテン基
などが挙げられ、特にアセチレン基および/またはフェ
ニルエチニル基が好ましい。
【0036】上記末端反応性アミック酸オリゴマーの合
成は通常公知の方法で行なわれるが、例えば、次のよう
にして合成される。
【0037】すなわち、まず、3,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテルと1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼンを有機溶媒中に溶解し、ここに別に有機溶
媒中に加えた3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸ジ無水物および4−フェニルエチニルフタル酸
無水物のスラリーを投入し、窒素雰囲気下で撹拌し、末
端反応性アミック酸オリゴマー溶液を得る。
【0038】上記末端反応性アミック酸オリゴマーの数
平均分子量は2000〜20000が、特に3000〜
10000が好ましい。数平均分子量が2000以下で
あると、それをマトリックス樹脂として用いた場合、繊
維強化複合材料とした時に充分な耐衝撃性が得られない
し、それをサイジング剤として用いた場合には、強化材
長繊維束の開繊性は優れるものの、サイジング剤自体の
耐熱性が低下する場合があり、高い耐熱性の成形物が得
られないことがある。また、数平均分子量が20000
以上であると、それをマトリックス樹脂として用いてプ
リプレグとした際に、充分なドレープ性が得られない
し、それをサイジング剤として用いた場合には、高い耐
熱性は得られるものの、強化材長繊維束の集束性が強す
ぎてプリプレグ化工程での強化材長繊維束の開繊性が充
分でない場合があり、プリプレグに隙間が生じることが
ある。。
【0039】さらに、上記末端反応性アミック酸オリゴ
マーのガラス転移温度は190〜290℃が、特に21
0〜270℃が好ましい。ガラス転移温度が190℃以
下であると、それをマトリックス樹脂に用いた場合に
は、繊維強化複合材料とした時に充分な耐熱性が得られ
ない一方、それをサイジング剤として用いた場合には、
複合材料とした時にマトリックス樹脂の有する耐熱性を
損なう可能性がある。また、ガラス転移温度が290℃
以上であると、樹脂の剛性が高すぎて、それをマトリッ
クス樹脂として用いた場合には、プリプレグとした際に
充分なドレープ性が得られないばかりか、プリプレグと
する際の加工性を大幅に低下させることがある一方、そ
れをサイジング剤として用いた場合には、強化材におい
て充分なドレープ性が得られない。
【0040】なお、上記末端反応性アミック酸オリゴマ
ーを脱水閉環して得られる末端反応性イミドオリゴマー
は、そのガラス転移温度が通常210〜310℃、好ま
しくは230〜290℃である。
【0041】また、上記末端反応性アミック酸オリゴマ
ーはこれを溶解し得る有機溶剤に溶解した状態で好適に
用いられる。上記有機溶剤としては、上記末端反応性ア
ミック酸オリゴマーを溶解し得るものであれば好適に用
いられる。このうち、成形後の繊維強化複合材料におい
てボイドが発生することのないよう、成形過程中におい
て完全に蒸発するものが好ましい。このようなものとし
て、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチ
ルカプロラクタムなどのアミド系有機極性溶媒、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルスルホンなどの硫黄原子を有
する有機極性溶媒、フェノール、クレゾール、ハロゲン
化フェノールなどのフェノール系溶媒などが用いられ、
特にN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが好まし
い。
【0042】上記末端反応性アミック酸オリゴマーを有
機溶媒に溶解した際の末端反応性アミック酸オリゴマー
の含有率は、有機溶媒に対して、10〜80重量%、特
に30〜60重量%が好ましい。10重量%以下である
と粘度が低すぎるためプリプレグを作製する際、離型紙
上で流れやすく、また離型紙にマトリックス樹脂が付着
して強化繊維に転写されにくいなどの問題がある。ま
た、80重量%以上であると、プリプレグを作製する
際、粘度が高すぎるため離型紙上にコーティングできな
い可能性がある。
【0043】本発明において、耐熱性とは、プリプレグ
から繊維強化複合材料を成形する際の成形温度以下での
分解を伴なわず、かつ成形後の繊維強化複合材料の使用
温度において熱変性、熱劣化および熱分解を示さないこ
とである。より具体的にはガラス転移温度が220℃以
上、好ましくはガラス転移温度が240℃以上であるこ
とが望ましい。
【0044】また、構成要素[B]として用いる末端反
応性アミック酸オリゴマーとしては、構成要素[C]と
して用いる末端反応性アミック酸オリゴマーと同様の要
件を満たすことが望ましく、実質的に同一の化合物であ
ることがより望ましい。構成要素[B]として用いるサ
イジング剤が、構成要素[C]として用いるマトリック
ス樹脂と同様の要件を満たす構造の末端反応性アミック
酸オリゴマーであれば、サイジング剤とマトリックス樹
脂との良好な接着性を得ることが期待できる。これによ
り、耐衝撃性などの機械的強度が向上するばかりか、長
期耐熱性におけるクラック発生の抑制効果も期待でき
る。
【0045】また、本発明において、末端反応性アミッ
ク酸オリゴマーは、それをサイジング剤として用いる場
合には、1種の化合物であっても良いし、2種以上の化
合物を適宜配合して用いることも可能である。さらに、
末端反応性アミック酸オリゴマーを強化材に付着させる
際、粘度調整のために低沸点化合物を、より高い耐熱性
を得るためにポリイミド化合物など他の化合物をサイジ
ング剤に含ませてもよい。
【0046】上記サイジング剤の付着量は強化材に対し
て、0.1〜3.0重量%、特に0.2〜1.0重量%
が好ましい。付着量が0.1重量%未満では、強化材の
集束性が低く、高次加工性が不足する場合がある。ま
た、3.0重量%を超えると、集束性が強すぎて、強化
材を構成する長繊維の開繊性が悪くなり、プリプレグ中
でマトリックス樹脂が長繊維内に含浸し難く、かつ開繊
性が不足するため、強化材を構成する長繊維束間に隙間
が生成する可能性がある。このため、成形物はボイドが
生成しやすく、かつ成形物の炭素繊維含有率にバラツキ
が大きくなり機械的物性が低下する。
【0047】本発明において、強化材にサイジング剤が
付与された強化材を得るためには、強化材にサイジング
剤を付与しても良いが、強化材を構成する長繊維、いわ
ゆる連続繊維束にサイジング剤を付与するのが一般的で
ある。また、本発明においては、強化材に末端反応性ア
ミック酸オリゴマーを付与して後、熱的または化学的に
その少なくとも一部の末端反応性アミック酸オリゴマー
を脱水閉環して末端反応性イミドオリゴマーとなす。熱
的に脱水閉環する場合には、強化材に末端反応性アミッ
ク酸オリゴマーを付与後、長繊維束の開繊性を確保する
ため、サイジング剤を構成する末端反応性アミック酸オ
リゴマーと末端反応性イミドオリゴマーの重量比率が2
0:80〜80:20、好ましくは40:60〜60:
40となるよう熱処理して末端反応性アミック酸オリゴ
マーをイミド化するのがよい。具体的には、熱処理温度
を180℃以上250℃以下とするのがよい。180℃
未満では溶媒の除去速度が遅く処理時間が過大になり、
また250℃を超えると末端反応性ポリアミック酸オリ
ゴマーの脱水反応が進行して長繊維束が硬くなり開繊性
が悪くなる。また、熱処理時間は30秒以上5分以下と
するのがよい。30秒未満では、溶媒の除去速度を早め
るため高温処理が必要となり、末端反応性アミック酸オ
リゴマーの脱水反応が進行して長繊維束が硬くなる。ま
た、5分を超えると長繊維を連続的に製造する場合に、
その生産性が低くなり、製造コストが高くなる可能性が
ある。
【0048】強化材にサイジング剤を付与するに際し
て、溶媒を用いる場合には、サイジング剤の溶解度が高
いN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ジグライムなどの非プロト
ン性極性溶媒を用いるのが好ましい。
【0049】上記サイジング剤を長繊維に付与した場合
には、繊維強化複合材料とした際の耐熱性と同時に強化
繊維のプリプレグ加工性をも改善するものであるが、こ
のプリプレグ加工性について例えば、擦過毛羽数および
長繊維束の開繊性を測定することで評価できる。本発明
において、サイジング剤を付与した長繊維の擦過毛羽数
は、15個/m以下、好ましくは10個/m以下である
ことが望ましい。さらに擦過毛羽数が5個/m以下であ
れば、長繊維の単糸切れなどの発生が少なくなり、いっ
そう好ましい。また、長繊維束の開繊性は、長繊維を構
成する単繊維の本数により異なるが、プリプレグを作製
した際、プリプレグの表面平滑性が良好になるよう開繊
できることが望ましい。
【0050】本発明のプリプレグを作製する方法として
は、低粘度のマトリックス樹脂溶液に強化材長繊維を浸
漬するウェット法および高粘度のマトリックス樹脂溶液
を用いるホットメルト法が適しており、とくにホットメ
ルト法が好ましい。
【0051】本発明のプリプレグから複合材料を得る成
形方法としては通常オートクレーブ法が用いられる。
【0052】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
する。
【0053】なお、本実施例において用いた種々の物性
などについては以下の手法を用いた。
【0054】(1)擦過毛羽数 直径10mmのステンレス棒(クロムめっき、表面粗さ
1〜1.5S)5本を50mm間隔で各々平行に、かつ
それらの表面を強化繊維糸条が120゜の接触角で接触
しながら通過し得るように棒をジグザグに配置した擦過
装置を用いた。この装置により入り側の炭素繊維糸条に
1デニール当たり0.09gの張力をかけ、3m/分の
糸速で通過させ、側面から繊維糸条に対して直角にレー
ザー光線を照射し、毛羽数を毛羽検出装置で検出カウン
トし、個/mで表す。
【0055】(2)繊維束の開繊性 上記の擦過毛羽測定において、糸条出側のステンレス棒
での強化繊維束の幅を測定する。開繊性は、測定を10
回行ない平均値を求める。
【0056】(3)積層板の成形方法 プリプレグを所定の枚数および積層構成に積層し、これ
をオートクレーブ中で、まず温度250℃で1時間処理
し脱溶媒し、続いて371℃、圧力1.4MPaで1時
間硬化を行なった。
【0057】(4)衝撃後圧縮強度 プリプレグを32枚疑似等方的に積層・成形して得られ
た擬似等方積層板を縦150mm、横100mmに切削し
て、中心に1500インチ・ホ゜ント゛/インチの落錘衝撃を与えた
後、超音波探傷機により、損傷面積を測定した。次い
で、BSS7260に従って、衝撃後の圧縮強度を測定
した。
【0058】(5)有孔板圧縮強度 プリプレグを24プライ疑似等方的に積層・成形して得
られた疑似等方積層板を縦305mm、横25.4mmに切
削して、中央部に直径6.35mmの孔を穿孔して有孔
板に加工し、BSS7260に従って、圧縮強度を測定
した。また、高温吸湿下有孔板圧縮強度として、78
℃、95%相対湿度の条件下に2週間晒した試験片につ
いて、177℃の雰囲気下で圧縮強度を測定した。
【0059】(6)90゜引張強度 プリプレグを一方向16プライに積層・成形し、約2mm
の厚さを有する複合材料とし、糸方向長さ25.4mm、
幅178mmに切出し、試験長60mm、変位速度2.5mm/
min.で繊維方向と垂直に引張試験を行なった。
【0060】(7)ボイド含有率 90゜引張強度の評価用成形板を用いて面積法にて算出
した。強化繊維に対して垂直な断面について研磨し、5
0倍の倍率で顕微鏡写真を撮影した。任意の5点の箇所
について50mm×50mmの写真を撮影し、その写真
中のボイドの総面積をその写真中の成形板全面積で除し
たものをボイド含有率とした。
【0061】(実施例1) (1)サイジング剤の調整 撹拌機、還流冷却器および窒素導入管を取り付けた反応
容器に3,4’−オキシジアニリン(340g、1.7
モル)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン(87.7g、0.3モル)、N−メチル−2−ピロ
リドン(NMP、550g)を投入し、窒素雰囲気下で
撹拌した。この溶液に、3,3’,4,4’−ビフェニ
ルテトラカルボン酸ジ無水物(535g、1.8モル)
および4−フェニルエチニルフタル酸無水物(89.6
g、0.4モル)をNMP(500g)に加えたスラリ
ーを投入し、窒素雰囲気下で24時間撹拌し、固形分5
0%のポリアミック酸NMP溶液を得た。得られたNM
P溶液を希釈してサイジング溶液として用いた。
【0062】(2)サイジング剤の付着方法 炭素繊維“トレカ”T800Hノーサイズ糸(東レ
(株)社製)を上記(1)のサイジング剤NMP溶液
(濃度0.6重量%)に含浸させ、230℃の加熱空気
中で1分間乾燥させた。サイジング剤付着量は0.3%
であった。強化繊維に付与した後のサイジング剤を構成
する末端反応性アミック酸オリゴマーと末端反応性イミ
ドオリゴマーの比率は、40:60であった。得られた
サイジング処理炭素繊維の擦過毛羽数は、2.0個/m
であり、繊維束の開繊性は11mmであった。
【0063】(3)末端反応性アミック酸オリゴマーの
調整 撹拌機、還流冷却器および窒素導入管を取り付けた反応
容器に3,4’−オキシジアニリン(3400g、17
モル)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン(877g、3モル)、N−メチル−2−ピロリドン
(NMP、5500g)を投入し、窒素雰囲気下で撹拌
した。この溶液に、3,3’,4,4’−ビフェニルテ
トラカルボン酸ジ無水物(5350g、18モル)およ
び4−フェニルエチニルフタル酸無水物(896g、4
モル)をNMP(5000g)に加えたスラリーを投入
し、窒素雰囲気下で24時間撹拌し、固形分50%のア
ミック酸オリゴマーNMP溶液を得た。
【0064】(4)プリプレグ化 上記(3)のアミック酸オリゴマーNMP溶液をナイフ
コーターを用いて離型紙上に塗布した。塗布量は86.
7g/m2であった。この樹脂フィルムを一方向に引き
揃えた上記(2)の炭素繊維の両側から加圧含浸させて
プリプレグを得た。得られたプリプレグ中の樹脂固形分
の重量分率は、27重量%であった。また、単位面積当
たりの炭素繊維量は、145g/m2であった。
【0065】このプリプレグを積層・成形して得られた
繊維強化複合材料の物性を表1に示す。
【0066】(実施例2)サイジング剤の付着量を1.
5%とした以外は実施例1と同様にしてプリプレグを得
た。強化繊維に付与した後のサイジング剤を構成する末
端反応性アミック酸オリゴマーと末端反応性イミドオリ
ゴマーの重量比率は、55:45であった。擦過毛羽数
は、1.1個/mであり、繊維の開繊性は10mmであ
った。得られたプリプレグ中の樹脂固形分の重量分率
は、27重量%であった。単位面積辺りの炭素繊維量
は、145g/m2であった。
【0067】このプリプレグを用いた以外は実施例1と
同様に積層・成形して得られた繊維強化複合材料の物性
を表1に示す。
【0068】(実施例3)サイジング剤および末端反応
性アミック酸オリゴマーの調製において、4−フェニル
エチニルフタル酸無水物のかわりに、4−(3−アミノ
フェノキシ)−4’−フェニルエチニルベンゾフェノン
(サイジング剤:156g、0.4モル、末端反応性ア
ミック酸オリゴマー:1560g、4モル)を用い、こ
れを芳香族ジアミンと共に溶解する以外は実施例1と同
様にしてプリプレグを得た。強化繊維に付与した後のサ
イジング剤を構成する末端反応性アミック酸オリゴマー
と末端反応性イミドオリゴマーの重量比率は、40:6
0であった。サイジング剤処理した強化繊維の擦過毛羽
数は、2.2個/m、繊維束の開繊性は、13mmであ
った。得られたプリプレグ中の樹脂固形分の重量分率は
成形後の状態で、26重量%であった。単位面積辺りの
炭素繊維量は、145g/m2であった。
【0069】このプリプレグを用いた以外は実施例1と
同様に積層・成形して得られた繊維強化複合材料の物性
を表1に示す。
【0070】(実施例4)サイジング剤および末端反応
性アミック酸オリゴマーの調製において、芳香族ジアミ
ノ化合物として、3,4’−オキシジアニリン(サイジ
ング剤:400g、2モル、末端反応性アミック酸オリ
ゴマー:4000g、20モル)、芳香族ジ酸無水物と
して、4,4’−オキシジフタル酸無水物(サイジング
剤:558g、1.8モル、末端反応性アミック酸オリ
ゴマー:5580g、18モル)を用いた以外は実施例
1と同様にしてプリプレグを得た。強化繊維に付与した
後のサイジング剤を構成する末端反応性アミック酸オリ
ゴマーと末端反応性イミドオリゴマーの重量比率は、5
0:50であった。サイジング剤処理した強化繊維の擦
過毛羽数は、2.4個/m、繊維束の開繊性は、10m
mであった。得られたプリプレグ中の樹脂固形分の重量
分率は、28重量%であった。単位面積辺りの炭素繊維
量は、145g/m2であった。
【0071】このプリプレグを用いた以外は実施例1と
同様に積層・成形して得られた繊維強化複合材料の物性
を表1に示す。
【0072】(実施例5)サイジング剤および末端反応
性アミック酸オリゴマーの調製において、芳香族ジアミ
ノ化合物として、3,4’−オキシジアニリン(サイジ
ング剤:400g、2モル、末端反応性アミック酸オリ
ゴマー:4000g、20モル)、芳香族ジ酸無水物と
して、4,4’−オキシジフタル酸無水物(サイジング
剤:558g、1.8モル、末端反応性アミック酸オリ
ゴマー:5580g、18モル)を用いた以外は実施例
3と同様にしてプリプレグを得た。強化繊維に付与した
後のサイジング剤を構成する末端反応性アミック酸オリ
ゴマーと末端反応性イミドオリゴマーの重量比率は、5
0:50であった。サイジング剤処理した強化繊維の擦
過毛羽数は、2.4個/m、繊維束の開繊性は、11m
mであった。得られたプリプレグ中の樹脂固形分の重量
分率は、26重量%であった。単位面積辺りの炭素繊維
量は、145g/m2であった。
【0073】このプリプレグを用いた以外は実施例1と
同様に積層・成形して得られた繊維強化複合材料の物性
を表1に示す。
【0074】(比較例1)サイジング剤にポリエーテル
イミドを塩化メチレンに溶解したものを用いた他は、実
施例1と同様にして一方向プリプレグを作製した。サイ
ジング剤処理した強化繊維の擦過毛羽数は、5.6個/
m、繊維束の開繊性は、8mmであった。得られたプリ
プレグ中の樹脂固形分の重量分率は、26重量%であっ
た。単位面積辺りの炭素繊維量は、145g/m2であ
った。このプリプレグは、サイジング剤を付与した強化
繊維の開繊性がやや低いため表面平滑性の低いプリプレ
グとなった。
【0075】このプリプレグを用いた以外は実施例1と
同様に積層・成形して得られた繊維強化複合材料の物性
を表1に示す。なお、成形後の硬化板断面を観察する
と、ボイドが発生していた。
【0076】(比較例2)サイジング剤の調整におい
て、4−フェニルエチニルフタル酸無水物の代わりにフ
タル酸無水物を用いた他は、実施例1と同様にして一方
向プリプレグを作製した。サイジング剤処理した強化繊
維の擦過毛羽数は、3.2個/m、繊維束の開繊性は、
10mmであった。得られたプリプレグ中の樹脂固形分
の重量分率は、28重量%であった。単位面積辺りの炭
素繊維量は、145g/m2であった。
【0077】このプリプレグを用いた以外は実施例1と
同様に積層・成形して得られた繊維強化複合材料の物性
を表1に示す。なお、成形後の硬化板断面を観察する
と、ボイドが発生していた。
【0078】また、高温吸湿下有孔板圧縮強度の測定に
おいて、加熱加湿処理した試験片の断面を観察すると、
ボイドが発生しており、長期耐熱性に問題があることが
わかった。
【0079】(比較例3)炭素繊維に“トレカ”T80
0Hノーサイズ糸(東レ(株)社製)をそのまま用いた
他は、実施例1と同一の構成よりなる一方向プリプレグ
を作製した。
【0080】得られたプリプレグは毛羽が多発し、品位
の低いものであった。
【0081】
【表1】
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、末端反応性アミック酸
オリゴマーからなるマトリックス樹脂を用いる複合材料
において、優れた高温吸湿下での有孔板圧縮強度および
衝撃後圧縮強度を発現するプリプレグとすることができ
る。
フロントページの続き (72)発明者 小田切 信之 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の構成要素[A]、[B]、[C]から
    なるプリプレグであって、[B]が末端反応性アミック
    酸オリゴマー、または、末端反応性アミック酸オリゴマ
    ーを脱水閉環して得られる末端反応性イミドオリゴマー
    からなり、[C]が末端反応性アミック酸オリゴマーか
    らなることを特徴とするプリプレグ。 [A]:長繊維からなる強化材 [B]:サイジング剤 [C]:マトリックス樹脂
  2. 【請求項2】前記末端反応性アミック酸オリゴマーの末
    端反応性基が付加重合性基であることを特徴とする請求
    項1に記載のプリプレグ。
  3. 【請求項3】前記末端反応性アミック酸オリゴマーの末
    端反応性基が炭素−炭素三重結合を有することを特徴と
    する請求項1に記載のプリプレグ。
  4. 【請求項4】前記末端反応性アミック酸オリゴマーの末
    端反応性基がフェニルエチニル基であることを特徴とす
    る請求項1に記載のプリプレグ。
  5. 【請求項5】構成要素[B]として用いる末端反応性ア
    ミック酸オリゴマーと構成要素[C]として用いる末端
    反応性アミック酸オリゴマーとが実質的に同一の化合物
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    のプリプレグ。
  6. 【請求項6】長繊維が炭素繊維の長繊維であることを特
    徴とする請求頁1〜5のいずれかに記載のプリプレグ。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載のプリプレ
    グを成形してなる繊維強化複合材料。
JP7604397A 1997-03-27 1997-03-27 プリプレグ Pending JPH10265591A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7604397A JPH10265591A (ja) 1997-03-27 1997-03-27 プリプレグ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7604397A JPH10265591A (ja) 1997-03-27 1997-03-27 プリプレグ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10265591A true JPH10265591A (ja) 1998-10-06

Family

ID=13593778

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7604397A Pending JPH10265591A (ja) 1997-03-27 1997-03-27 プリプレグ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10265591A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007138082A (ja) * 2005-11-21 2007-06-07 Ube Ind Ltd 末端変性アミック酸オリゴマー溶液を用いたプリプレグの製造方法
JP2018012313A (ja) * 2016-07-22 2018-01-25 三菱製紙株式会社 炭素短繊維樹脂構造体及び炭素短繊維樹脂構造体の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007138082A (ja) * 2005-11-21 2007-06-07 Ube Ind Ltd 末端変性アミック酸オリゴマー溶液を用いたプリプレグの製造方法
JP2018012313A (ja) * 2016-07-22 2018-01-25 三菱製紙株式会社 炭素短繊維樹脂構造体及び炭素短繊維樹脂構造体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101408880B1 (ko) 탄소섬유
WO2014115762A1 (ja) サイジング剤塗布炭素繊維束、炭素繊維束の製造方法およびプリプレグ
KR20140114355A (ko) 열가소성 수지 함침 테이프
KR100383455B1 (ko) 프리프래그및탄소섬유강화복합재료
KR20140147827A (ko) 열가소성 성형 프리폼
JPH03115432A (ja) 低吸水率アミド―イミド共重合体樹脂と同樹脂から造られる複合材
JP3387100B2 (ja) プリプレグ,その製造方法および積層複合体
US6027794A (en) Prepregs, processes for their production, and composite laminates
US20130309925A1 (en) Carbon fiber fabric
US20130309490A1 (en) Carbon fiber braid
JP7489335B2 (ja) 繊維強化樹脂成形体及びこれに用いる炭素繊維シートの製造方法
US20140343218A1 (en) Carbon fiber
JPH10265591A (ja) プリプレグ
US20130253096A1 (en) Carbon fiber
JP3546591B2 (ja) 炭素繊維およびプリプレグ
EP0632087B1 (en) Prepreg, method of manufacturing the same, and laminated composite
JP2024501071A (ja) プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料
US20130309492A1 (en) Chopped carbon fiber
JPH10279714A (ja) プリプレグ
US5081196A (en) Terminal-modified aromatic imide oligomer composition
JP3593367B2 (ja) 炭素繊維強化熱硬化性樹脂プリプレグ
US20240010805A1 (en) Bmi resin formulation for carbon fiber reinforced composite material, method for making it and bmi prepreg
JP2597186B2 (ja) イミド樹脂マトリックス複合材
JP2004068455A (ja) 繊維強化プラスチックからなる建築資材
JP4817919B2 (ja) 繊維強化プリプレグ及びそれから得られる複合材料