JP2004068455A - 繊維強化プラスチックからなる建築資材 - Google Patents

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Sumiyuki Matsubara
松原 澄行
Rokuro Sakai
酒井 麓郎
Minoru Nakamura
中村 実
Atsushi Tsunoda
角田 敦
Kenji Uhara
鵜原 賢二
Hideki Moriyama
森山 英樹
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Fibex Co Ltd
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Abstract

【課  題】耐熱性に優れた新規建築資材を提供すること。
【解決手段】ポリイミド樹脂と連続繊維を含む繊維強化プラスチックからなることを特徴とする建築資材である。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化プラスチックからなる建築資材または前記繊維強化プラスチックの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics:以下、FRPともいう)は、建築資材、浴槽浴室ユニット材料、浄化槽、船舶、自動車または工業機材等として使用されていて、近年その用途の多様性から注目を集めている材料である。中でも、FRPを構成する強化繊維がアラミド繊維、ポリアクリロニトリル系炭素繊維またはガラス繊維等の高強力連続繊維からなるFRP複合材は先端複合材料として様々な産業分野において活用されている。
【0003】
例えば、建築、土木分野において、上記高強力連続繊維からなるFRPのうち、外形形状を棒状に賦形したものは、鉄筋に代わりうる材料として、鉄筋コンクリート部材の鉄筋代替材料またはPC(プレストレストコンクリート)鋼棒代替材料として使用されるに至っている。その理由は鉄筋よりも優れた比物性(引張強度、弾性率)と鉄筋にはない優れた耐食、電磁気的特性を有しているからである。特に、アラミド繊維補強筋は他の繊維補強筋よりも耐衝撃性、破壊靭性、振動減衰特性に優れているとともに非電導、非磁性である点が注目されて、安定した強磁場および強電場を必要とする核磁気共鳴設備や素粒子加速器等の巨大科学研究設備または落雷による誘導電流を嫌う計算機センター等の特殊建築物等の鉄筋に代わる材料として利用されてきており、新たな用途開拓に寄与している。
【0004】
ところで、建設用コンクリート構造物の補強材、例えば鉄筋又は緊張材等に要求される特性は、高強度、高弾性率もしくは高靭性等の力学的特性、耐水性、耐アルカリ性、耐塩水性、耐候性、耐火・耐熱性などである。なかでも、鉄筋コンクリート部材の鉄筋代替の補強材またはPC鋼棒代替緊張材のような建築用途に使用するためには、火災を想定した防・耐火性能が要求される。
しかしながら、前記従来のFRP複合材は鉄筋と比べて耐熱性に乏しいことが数少ない問題点といえる。FRPに用いられるアラミド繊維などの補強用繊維は耐熱性に優れているが、従来より繊維に含浸するための樹脂として多用されているエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂又はビニルエステル樹脂(例えば特開平8−27360号公報または特開平5−171021号公報等)等は熱に弱く、使用上限温度が約150〜200℃程度である。そこで、最近開発された熱に強いタイプのエポキシ樹脂(例えば特開平8−27360号公報または特開平11−116662号公報等)を用いることが考えられるが、かかる樹脂は一般に粘度が高いため繊維への樹脂含浸が困難であり、結果的に生産性が低くなるという難点がある。また、従来使用されている樹脂の耐熱性を何らかの化学的手段によって高めようと種々検討されているが、いまだ上記問題点が解決されるには至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術の問題点に鑑み、本発明は、耐熱性に優れたFRPからなる新規建築資材を提供することを目的とする。また、本発明は、生産性に優れた前記繊維強化プラスチックの製造方法を提供することをも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、種々の樹脂について検討を行った結果、ポリイミド樹脂がFRPへの加工性に優れ、しかもFRPの耐熱性を向上させることができるという知見を得た後、ポリイミド樹脂と連続繊維を含んでなる建築資材を創製することに成功した。さらに本発明者らは、連続繊維をポリイミド樹脂で強化した繊維強化プラスチックからなる建築資材が、熱に対する強度において、従来品よりも優れていることを知見した。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1) ポリイミド樹脂と連続繊維を含む繊維強化プラスチックからなることを特徴とする建築資材、
(2) 連続繊維が、炭素繊維、パラ系アラミド繊維またはガラス繊維であることを特徴とする(1)に記載の建築資材、
(3) パラ系アラミド繊維が、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維であることを特徴とする(2)に記載の建築資材、
(4) ポリイミド樹脂が、下記物性のうち少なくとも1つを有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の建築資材、
(a)ガラス転移点;200℃以上もしくは明確なガラス転移点を持たない。
(b)示差走査熱量計で測定した熱分解点;350℃以上
に関する。
【0008】
また、本発明は、
(5) ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を連続繊維に含浸し、ついで前記ポリアミック酸を明確なガラス転移点を持たない非熱可塑性ポリイミドに転化せしめることを特徴とする繊維強化プラスチックの製造方法、
(6) ポリイミドが、熱硬化型ポリイミドであることを特徴とする(5)に記載の繊維強化プラスチックの製造方法、
(7) (1)〜(4)のいずれかに記載されている建築資材を用いて構築されている構造物、
に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
上述したように、本発明に係る建築資材は、ポリイミド樹脂と連続繊維を含む繊維強化プラスチックからなっている。該建築資材の必須の構成材料は、連続繊維とポリイミド樹脂であり、各々について下記に詳細に説明する。
【0010】
連続繊維とは、細い連続した繊維の総称であり、短繊維と対をなす概念である。連続繊維の繊維径は、建築資材としての機能を充分に発揮できる繊維径であれば特に限定されない。通常は、連続繊維の繊維径は約5〜30μm程度、好ましくは、約7〜20μm程度である。連続繊維としては、例えばアラミド繊維(全芳香ポリアミド繊維ともいう)、全芳香族ポリエステル繊維もしくはヘテロ環高性能繊維等の有機繊維、または例えば炭素繊維、ガラス繊維もしくはセラミック繊維等の無機繊維等が挙げられ、単独あるいは複数を組み合わせて用いることができる。中でも好ましいのは、高性能繊維である。高性能繊維としては、例えば耐熱性または強度などに優れた繊維が挙げられる。具体的には、例えば、炭素繊維またはガラス繊維等の無機繊維が挙げられる。また、上記高性能繊維が有機繊維である場合、融点若しくは熱分解点約400℃以上、または/および、強度8g/D以上であることが特に好ましい。より具体的には、例えば、アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維またはヘテロ環高性能繊維等の有機繊維が挙げられる。なお、本発明においては、上記熱分解点をJIS K 7120:1987プラスチックスの熱重量測定方法により測定することができる。また、上記引張強さをJIS L 1013:1999 化学繊維フィラメント糸試験方法8.5.1に従って測定することができる。以上例示した繊維の中でも特に好ましいのは、アラミド繊維、炭素繊維またはガラス繊維である。
【0011】
上述した各種繊維は、公知またはそれに準ずる方法により製造することができる。また、市販されている繊維を使用してもよい。具体的には、例えば、全芳香族ポリエステル繊維として、ベクトラン(商品名 株式会社クラレ製)、またはヘテロ環高性能繊維であるポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(東洋紡績株式会社製、商品名“ザイロン”)等が挙げられる。
【0012】
本発明において、特に好ましく使用されるアラミド繊維は、パラ系アラミド繊維またはメタ系アラミド繊維に大別でき、具体的には、パラ系アラミド繊維として、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(東レ・デュポン株式会社製、商品名“ケブラー”)およびコポリパラフェニレン−3,4’−ジフェニルエーテルテレフタルアミド繊維(帝人株式会社製、商品名“テクノーラ”)などが挙げられる。メタ系アラミド繊維としては、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(デュポン株式会社製 商品名“ノーメックス”)などが挙げられる。本発明においては、パラ系アラミド繊維が好適に用いられ、中でも、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(東レ・デュポン株式会社製、商品名“ケブラー”)が特に好適に用いられる。
【0013】
また、本発明において、特に好ましく使用される炭素繊維としては、例えばレーヨン系炭素繊維、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、リグニンポリビニルアルコール系炭素繊維またはピッチ系炭素繊維等が挙げられる。本発明においては、これら炭素繊維は、公知の製造方法に従って製造されたものでもよく、市販品を用いてもかまわない。市販品としては、例えば“トレカ”(商品名、東レ株式会社製)が挙げられる。
またさらに、本発明において、特に好ましく使用されるガラス繊維としては、例えばEガラス、Dガラス、Tガラス、CガラスまたはHガラス等のガラス繊維が挙げられる。これらガラス繊維は、公知の製造方法に従って製造されたものでもよく、市販品を用いてもかまわない。
【0014】
本発明において用いるポリイミド樹脂としては、高強度、高弾性、高伸張または高硬度等の優れた性質を有しており、さらに、耐熱性においても優れているものが好ましい。優れた耐熱性の指標として、本発明で用いるポリイミド樹脂は、(a)ガラス転移点が200℃以上もしくは明確なガラス転移点を持たない、または/および、(b)示差走査熱量計で測定した熱分解点が350℃以上であるポリイミド樹脂であることが好ましい。ここで、上記物性は、以下に記載の方法、機器を使用して測定することができる。(a)ガラス転移点温度は、RHEOVIBRON−DDV−II−EAにて測定し、SACMA法によって計算することにより求めた損失弾性率(E”)の極大値を言う。また、上記明確なガラス転移点を持たないポリイミド樹脂とは、通常、冷却しても結晶化しないまま固化する非晶性のポリイミド樹脂であるが、本発明において、特に限定されず、公知のものであってよい。上記明確なガラス転移点を持たないポリイミド樹脂として、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)または熱可塑性ポリイミド(PI)などが挙げられる。(b)熱分解点は、TG−DTGで測定することができ、本明細書では、最も重量減少速度の大きい温度を熱分解点と定義する。
【0015】
上記ポリイミド樹脂は、広義のポリイミドをさし、例えば芳香族系ポリイミド、ベンゾフェノンテトラカルボン酸系ポリイミド、マレイン酸系ポリイミドまたは熱可塑性ポリイミド(ポリアミドイミドまたはポリエーテルイミド等)などを例示でき、熱可塑性または非熱可塑性等は問わない。なかでも、非熱可塑性ポリイミド樹脂が好ましく、熱硬化性ポリイミド樹脂がより好ましい。また、ポリイミドの分子構造は問わない。あえて例示するとすれば、好ましくは下記の一般式(1)
【化1】
Figure 2004068455
(式中Rは4価の炭化水素基であり、Rは2価の炭化水素基である)
の繰り返し単位を有するポリイミドが挙げられる。なお、炭化水素基は脂肪族系または芳香族系のいずれでもよい。脂肪族系炭化水素基は鎖状もしくは環状であってもよい。
【0016】
ポリイミドは公知のものであってよい。ポリイミドの合成法は、公知のいずれの方法を用いることもできるが、代表的にはテトラカルボン酸二無水物とジアミノ化合物とを反応させることによって合成することができる。テトラカルボン酸二無水物の好ましい例は、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフロロプロパン二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物、より好ましくは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。また、これらの酸二無水物は、その反応性誘導体であるカルボン酸活性エステル、酸クロライド等の形で用いることもできる。
【0017】
ジアミノ化合物の好ましい例として、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジフェニルスルフィド、ジアミノジフェニルエタン、ジアミノジフェニルプロパン、ジアミノジフェニルケトン、ジアミノジフェニルヘキサフルオロプロパン、ジアミノジフェニルフルオレン、ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルスルフォン、ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルプロパン、ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルヘキサフルオロプロパン、フルオレンジアミン、ジメチル置換体、テトラメチル置換体、ジエチル置換体、テトラエチル置換体、または、ジメチルジエチル置換体などの芳香族ジアミノ化合物等が挙げられる。
【0018】
本発明においては、上記ポリイミドが熱硬化型ポリイミドであることが特に好ましい。本発明において、熱硬化型ポリイミドとは、分子中に1つ以上のイミド基を持ち、加熱により分子鎖が伸長、硬化することを特徴とする化合物を示す。さらに詳しくは、例えばローヌプーラン社製“ケルイミド”もしくは三菱ガス化学株式会社製“BTレジン”などのビスマレイミド型熱硬化型ポリイミド、アメリカ航空宇宙局(NASA)で開発された“PMR−15”もしくは“LARK−160”などのノルボルネン末端反応型熱硬化型ポリイミド、またはHugesエアクラフト社製の”THERMID”などを例示することが出来るが、これに限定するものではない。本発明においては、上記ポリイミド樹脂と上記連続繊維とのブレンド比が、上記連続繊維100重量部に対してポリイミド樹脂約1〜70重量部であるブレンド比であることが好ましい。
【0019】
さらに本発明で用いるポリイミド樹脂には、本発明の目的を損なわない限り、種々の添加剤や改質剤が含まれていてもよい。前記添加剤としては、例えば熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワックスなどの有機滑剤などが挙げられ、かかる添加剤は通常添加される程度含まれていてよい。また、前記ポリイミド樹脂は表面の易滑性や耐磨耗性、耐スクラッチ性等を付与するために、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カリオン、タルク、湿式または乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナもしくはジルコニア等の無機粒子またはアクリル酸類、スチレン等を構成成分とする有機粒子等を含有していてもよい。さらに、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等によって析出する、いわゆる内部粒子を含有していてもよいし、界面活性剤を含有していてもよい。また、本発明で用いるポリイミド樹脂に所望により種々の充填剤を配合し、望ましい特性を付与することもできるが、そのような充填剤の例としては、黒鉛、フッ素樹脂、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミニウム、銀、銅、鉛または各種金属酸化物等が挙げられる。
【0020】
本発明の建築資材は、公知の方法に従って容易に製造することができる。好ましくは、▲1▼繊維製品を作製する工程、▲2▼上記ポリイミド樹脂またはポリイミド前駆体に上記▲1▼で作製した繊維製品を含浸する工程、▲3▼上記▲2▼で得られたポリイミド樹脂またはポリイミド前駆体に含浸させた繊維製品を乾燥させる工程、▲4▼上記▲3▼で得られた乾燥物を加熱処理する工程、▲5▼所望により上記▲4▼で得られたFRPを切断する工程を経て、本発明の建築資材は製造され得る。また、コンクリートとの接着力を向上させるため、所望に応じて、ポリイミド樹脂またはポリイミド前駆体溶液に上記繊維製品を含浸させた後、その含浸させた繊維製品に砂等の固形粉状物を付着させる工程を含むことができる。以下、各工程について詳細に述べる。
【0021】
上記▲1▼の繊維製品を作製する工程は、上記繊維製品を作製できれば特に限定されず、公知の方法等を適宜用いてよい。ここで、上記繊維製品は、上記連続繊維を含んでなる製品であれば、特に限定されない。上記繊維製品として、例えば組紐等の紐、または、織物、編物または不織布等の布帛などが挙げられる。上記▲1▼の工程を繊維製品の種類に応じて、すなわち、組紐を作製する工程、織物を作製する工程、編物を作製する工程または不織布を作製する工程に分けてさらに詳細に説明する。
上記組紐を作製する工程は、上記組紐を作製できれば特に限定されず、公知の方法等を適宜用いてよい。例えば、組紐機(製紐機)を用いて、丸打ち、角打ちまたは平打ち等の製紐方法により、所望の組紐を作製することができる。より具体的には、例えば、4本のフィラメントを準備し、右側または左側の糸を交互に真中に配置させて組み上げていくことで、組紐が得られる。製紐に用いるフィラメントの数は、4本に限らず、8本、12本または16本等、所望の本数を用いてよい。
上記織物を作製する工程は、上記織物を作製できれば特に限定されず、公知の方法等を適宜用いてよい。例えば、織機(ジェット織機またはスルザー織機等)を用いて、平織、綾織、朱子織または斜文織等の所望の織物を作製することができる。
上記編物を作製する工程は、上記編物を作製できれば特に限定されず、公知の公知の方法等を適宜用いてよい。例えば、編機(縦編機または横編機等)を用いて、横編み、平編み又はゴム編み等の所望の編物を作製することができる。
上記不織布を作製する工程は、上記不織布を作製できれば特に限定されず、公知の方法等を適宜用いてよい。例えば、不織布機を用いて、湿式法、トウ開繊法などの乾式法、スパンボンド法、メルトブロー法またはフラッシュ紡糸法などにより、所望の不織布を作製することができる。より具体的に例えば、上記湿式法を用いる場合、繊維を短く切断し、抄紙機で抄紙後、乾燥させることによって湿式不織布を作製することができる。
【0022】
上記▲2▼の上記ポリイミド樹脂またはポリイミド前駆体に上記▲1▼で作製した繊維製品を含浸する工程は、前記繊維製品が上記▲1▼で作製された上記連続繊維を含んでなる紐あるいは布帛などの繊維製品を上記ポリイミド樹脂またはポリイミド前駆体に含浸できれば特に限定されず、公知の方法などを適宜用いてよい。具体的には、例えば、ポリイミド樹脂またはポリイミド前駆体溶液に組紐または布帛などの繊維製品を浸漬するか、あるいはスプレーなどにより散布する方法等により、所望の繊維製品をポリイミド樹脂またはポリイミド前駆体に含浸することができる。本発明においては、上記▲2▼の工程の含浸作業を、約10〜60℃程度の温度で行うことが好ましく、約20〜40℃程度の温度で行うことがより好ましい。また、上記▲2▼の工程の含浸後、余分な樹脂等を、例えばスクイズ等で拭い去ることが特に好ましい。次いで、所望によりコンクリート付着性をさらに向上させるために、繊維製品表面に、例えば、砂またはシリカ等の粒状物を付着させてもよい。前記粒状物を付着させる場合、前記粒状物の粒径は、本発明の目的を損なわない限りどのような大きさでもかまわないが、約0.1〜5mm程度であることが好ましい。
【0023】
本発明においては、上記▲2▼でポリイミド樹脂に繊維製品を含浸する場合、上記ポリイミド樹脂の粘度が上記繊維製品を容易に含浸できるぐらい低い粘度であることが特に好ましい。より具体的には、上記ポリイミド樹脂の粘度が40℃の温度で粘度約100cst以下であることが特に好ましい。例えば、ポリイミド樹脂を分散剤に分散させたり、乳化剤を用いて乳化させたりすることにより、低粘度化することができる。分散剤、乳化剤としては、公知のものを用いてよい。また、本発明においては、上記▲2▼でポリイミド樹脂に繊維製品を含浸する場合、上記ポリイミド樹脂を溶媒に溶かして用いることも特に好ましい。前記溶媒は、上記ポリイミド樹脂を溶かす溶媒であれば特に限定されず、有機溶媒であってもよいし、無機溶媒であってもよい。上記ポリイミド樹脂を溶かす溶媒として、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、カプロラクタム、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、フェノール、クレゾール、キシレノール、クロロフェノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グライム、ジグライムまたはトリグライムなどを用いることができる。
【0024】
本発明においては、上記▲2▼でポリイミド前駆体に繊維製品を含浸する場合、上記ポリイミド前駆体を溶媒に溶かして用いることが特に好ましい。ここで上記ポリイミド前駆体としては、ポリイミドに転化されるものであれば、特に限定されず、公知のものを用いてよい。なかでも、熱や化学的にイミド化され、ポリイミドに転化する前駆体が特に好ましい。本発明におけるポリイミド前駆体は、通常、一部がイミド化されたものであるが、本発明において、特に限定されず、公知のものであってよい。また、上記ポリイミド前駆体として、例えば、テトラカルボン酸二無水物と(メタ)アクリル基含有アルコールとを反応させてテトラカルボン酸ジエステルを生じさせ、このテトラカルボン酸ジエステルとジアミノ化合物を材料とする縮合重合によって得られるもの、または、テトラカルボン酸二無水物と(メタ)アクリル基を含まないアルコールと反応させてテトラカルボン酸ジエステルを生じさせ、このテトラカルボン酸ジエステルと不飽和二重結合を含有するジアミノ化合物を材料とした縮合重合によって得られるもの等を用いることができる。本発明においては、上記ポリイミド前駆体として、ポリアミック酸(ポリアミド酸ともいう。)を用いることが特に好ましい。本発明におけるポリイミド前駆体と共に用いる溶媒は、上記ポリイミド前駆体を溶かす溶媒であれば、特に限定されず、有機溶媒であってもよいし、無機溶媒であってもよい。上記有機溶媒として、例えば、メタノールまたはエタノールなどのアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたはN−メチルカプロラクタム等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン、ピリジンまたはエチレングリコール等を用いることができる。これらの有機溶媒を、ベンゼン、トルエン、ベンゾニトリル、キシレン、ソルベントナフサまたはジオキサンのような他の有機溶媒と混合して用いてもよい。また、上記ポリイミド前駆体溶液として、例えば、商品名Pyre−ML(登録商標)(Industrial summit Technology株式会社製)などの市販品を用いてもよい。また、ポリイミド前駆体溶液には、後述する加熱処理工程において、ポリイミド前駆体がイミド化しやすいように、脱水剤および所望により触媒が含まれていることが特に好ましい。脱水剤として、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸または無水酪酸などの脂肪族酸無水物、ギ酸無水物などの脂環式酸無水物、または、安息香酸無水物などの芳香族酸無水物などを用いることができる。本発明においては、上記脱水剤として無水酢酸を用いることが特に好ましい。また前記触媒として、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類、ピリジン、ピコリンまたはイソキノリン等の複素環式第3級アミン類またはそれら二種以上の混合物などの有機第三級アミン等が挙げられる。
【0025】
上記▲3▼の上記▲2▼で上記ポリイミド樹脂または上記ポリイミド前駆体に含浸させた繊維製品を乾燥させる工程は、上記▲2▼で上記ポリイミド樹脂または上記ポリイミド前駆体に含浸させた繊維製品が乾燥さえすれば特に限定されず、公知の方法等を適宜用いてよい。本発明においては、上記▲2▼で溶媒を用いた場合、本工程でもって、上記ポリイミド樹脂または上記ポリイミド前駆体に付着している溶媒を除去することが特に好ましい。より具体的に例えば、上記▲2▼で溶媒を用いた場合、本工程では、例えば、乾燥機等を用いて、好ましくは上記▲2▼で用いた溶媒の沸点に近い温度で、好ましくは約5分〜2時間乾燥させること等により、上記▲2▼で上記ポリイミド樹脂またはポリイミド前駆体溶液に含浸させた繊維製品に付着している溶媒を除去し、所望の乾燥物を得ることができる。
【0026】
上記▲4▼の上記▲3▼で得られた乾燥物を加熱処理する工程は、前記乾燥物を硬化する目的で行う。本工程は、前記乾燥物が硬化すれば、特に限定されず、公知の方法等を適宜用いてよい。具体的には、例えば、ヒーター等を用いて、約150℃〜300℃の温度で約10分〜10時間加熱すること等により、前記乾燥物を硬化させることができる。上記一連の乾燥及び加熱処理により、ポリイミド樹脂に含浸した場合は、ポリイミド樹脂が硬化する。また、上記▲3▼の工程で、繊維製品にポリイミド前駆体を含浸した場合は、ポリイミド前駆体が脱水剤や触媒の作用により、イミド化し、ポリイミド樹脂を形成する。このとき、通常は硬化するが、形成されたポリイミド樹脂が、さらなる加熱処理により硬化する場合もある。
【0027】
また、本発明においては、得られるFRPの耐熱性をより向上させるために例えば上記▲4▼の工程で硬化した繊維強化プラスチックをさらに加熱処理する等のポストキュア処理(後養生処理ともいう)を行うことができる。本発明において、上記ポストキュア処理は、特に限定されないが、例えば、ヒーター等を用いて、上記▲4▼の工程で硬化した繊維強化プラスチックを約200℃〜400℃の温度で約5分〜10時間加熱すること等が特に好ましい。
本発明においては、これら上記▲4▼の上記▲3▼で得られた乾燥物を加熱処理する工程および所望によりポストキュア処理することで、FRPを得ることができる。
【0028】
上記▲5▼の上記▲4▼で得られたFRPを切断する工程は、上記▲4▼で得られたFRPを切断さえすれば、特に限定されず、公知の切断方法などを適宜用いた工程であってよい。本発明におけるFRPを切断する方法として、例えば、所望の大きさになるように、カッター等の切断機などを用いて切断すること等が挙げられる。このように上記FRPを切断すれば所望の形状の建築資材を得ることができる。
【0029】
本発明の建築資材の形状は、特に限定されず、どのような形態をとっていてもよい。すなわち本発明に係る建築資材の形状は、平面状でも、曲げ状でもよい。曲げ状としては、例えばコの字型、L字型、U字型、螺旋状、または、三角形、四角形、五角形あるいは六角形等の多角形等が挙げられる。しかし、これらに限られるものではなく、所望によりさまざまな形状に曲げたものを使用することが可能である。
【0030】
上述のようにして製造される本発明にかかる建築資材は、耐熱性に優れている。ポリイミド樹脂を含浸させたパラ系アラミド繊維補強材の場合、実質的に熱間強度が約250℃まで、冷間強度が約450℃まで強度が低下することなく、保持され得ることが好ましい。ここで、本発明にかかる建築資材の熱間強度試験および冷間強度試験は、下記実施例に記載の方法で行うことができる。
さらに、本発明にかかる建築資材は、高温下におけるコンクリートとの接着性にも優れているという利点を有する。
【0031】
本発明の建築資材は、優れた性質を多数有するため、その用途も多方面にわたる。また、鉄筋と異なり、軽量であるため、取り扱いが容易であるという性質も有し、例えば建物だけでなく、橋梁、道路または地下構造物等を建築する際に、本発明の建築資材が好適に用いられる。さらに、鉄筋とは異なり、錆びて腐食することもないので、風雨にさらされる場所においても適用可能である。またさらに、鉄筋とは異なり、磁化を帯びることが実質的にないため、安定した磁場および電場を必要とする構造物にも好ましく使用される。
【0032】
本発明に係る構造物は、上記建築資材を用いて構築されているものであれば特に限定されない。上記構造物として、例えばITビル、病院、電子計算機センター、データセンター、核融合施設、原子力発電所、研究施設、教育施設、橋梁、鉄道、道路、地下構造物または一般住宅等が挙げられる。中でも特に火災の危険性が高い建物に好適に用いられる。
【0033】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、下記実施例において、熱間強度試験は、被検物を所定の温度まで加熱し(昇温速度;2℃/分)、被検物の温度を当該所定温度に保った状態で引張載荷(載荷速度;600MPa/分)を測定することにより行われた。また、本発明にかかる建築資材の冷間強度試験は、被検物を所定の温度で10分間加熱した後、室温(25℃)まで冷却した状態で引張載荷(載荷速度;600MPa/分)を測定することにより行われた。また、ガラス転移点は、RHEOVIBRON−DDV−II−EA、熱分解点は、TG−DTGを用いて測定した。
【0034】
[実施例1]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル29.15g(146mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド224gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌した。30分から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物30.7988g(141mmol)を数回に分けて投入した。さらに1時間攪拌してポリアミック酸溶液(ポリイミド前駆体溶液)を得た。ここで得られたポリアミック酸は40Pasであった。
得られたポリアミック酸を東レ・デュポン株式会社製“ケブラー”49を使用した直径7mmの組紐を連続的に、組紐内部まで含浸し、余分な樹脂を絞った。得られたポリアミック酸含浸ケブラー組紐をステンレスバットに並べ、100℃90分間加熱乾燥した。さらに200℃30分、300℃20分、400℃5分で熱処理し、ポリイミド含浸ケブラー組紐を得た。得られた組紐の冷間、熱間強度、ガラス転移点温度、熱分解温度を測定し、結果を後掲する表1、2、3に示した。
【0035】
[実施例2]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−メチレンジアニリン14.51g(73mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド119.55gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌する。30分攪拌後、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物3.892g(24mmol)を加えて攪拌した。さらに30分から1時間後にかけてベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物15.94g(49mmol)を数回に分けて投入し、ポリアミック酸を得た。ここで得られたポリアミック酸は5Pasであった。
得られたポリアミック酸に東レ・デュポン株式会社製“ケブラー”49を使用した直径7mmの組紐を連続的に、組紐内部まで含浸し、余分な樹脂を絞った。得られたポリアミック酸含浸ケブラー組紐をステンレスバットに並べ、100℃90分間加熱乾燥した。さらに200℃30分、300℃20分、400℃5分で熱処理し、ポリイミド含浸ケブラー組紐を得た。得られた組紐の冷間、熱間強度、ガラス転移点温度、熱分解温度を測定し、結果を表1、2、3に示した。
【0036】
[実施例3]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−メチレンジアニリン14.51g(73mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド119.55gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌した。30分攪拌後、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物3.892g(24mmol)を加えて攪拌した。さらに30分から1時間後にかけてベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物15.94g(49mmol)を数回に分けて投入し、ポリアミック酸を得た。
ここで得られたポリアミック酸は5Pasであった。これをポリアミック酸溶液Aという。別のDCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル29.15g(146mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド224gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌した。30分から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物30.7988g(141mmol)を数回に分けて投入した。さらに1時間攪拌してポリアミック酸溶液(ポリイミド前駆体溶液)を得た。ここで得られたポリアミック酸は40Pasであった。これをポリアミック酸溶液Bという。
得られたポリアミック酸溶液Aに東レ・デュポン株式会社製“ケブラー”49を使用した直径7mmの組紐を連続的に、組紐内部まで含浸し、余分な樹脂を絞った。得られたポリアミック酸A含浸ケブラー組紐をポリアミック酸溶液Bに入れ、常圧で5分間放置した。得られたポリアミック酸含浸ケブラー組紐をステンレスバットに並べ、100℃90分間加熱乾燥した。さらに200℃30分、300℃20分、400℃5分で熱処理し、ポリイミド含浸ケブラー組紐を得た。得られた組紐の冷間、熱間強度、ガラス転移点温度、熱分解温度を測定し、結果を表1、2、3に示した。
【0037】
[実施例4]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル29.15g(146mmol)およびN,N’−ジメチルアセトアミド224gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌した。30分から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物30.7988g(141mmol)を数回に分けて投入した。さらに1時間攪拌してポリアミック酸溶液(ポリイミド前駆体溶液)を得た。ここで得られたポリアミック酸は40Pasであった。
得られたポリアミック酸に東レ・デュポン株式会社製“ケブラー”49を使用した直径7mmの組紐を連続的に、組紐内部まで含浸し、余分な樹脂を絞った。ベータピコリン、無水酢酸等量混合溶液をステンレスバットに入れ、この中に得られたポリアミック酸含浸ケブラー組紐を浸して化学的にポリアミック酸をイミド化させる。得られた含浸ケブラー組紐をステンレスバットに並べ、100℃90分間加熱乾燥した。さらに200℃30分、300℃20分、400℃5分で熱処理し、ポリイミド含浸ケブラー組紐を得た。得られた組紐の冷間、熱間強度、ガラス転移点温度、熱分解温度を測定し、結果を表1、2、3に示した。
【0038】
[実施例5]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル29.15g(146mmol)およびN,N’−ジメチルアセトアミド224gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌した。30分から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物30.4813g(140mmol)を数回に分けて投入した。さらに1時間攪拌してポリアミック酸溶液(ポリイミド前駆体溶液)を得た。ここで得られたポリアミック酸は5Pasであった。
得られたポリアミック酸に東レ・デュポン株式会社製“ケブラー”49を使用した直径7mmの組紐を連続的に、組紐内部まで含浸し、余分な樹脂を絞った後、DMAcに6%PMDAを溶解した溶液に1分間浸した。
得られたポリアミック酸含浸ケブラー組紐をステンレスバットに並べ、100℃90分間加熱乾燥した。さらに200℃30分、300℃20分、400℃5分で熱処理し、ポリイミド含浸ケブラー組紐を得た。得られた組紐の冷間、熱間強度、ガラス転移点温度、熱分解温度を測定し、結果を表1、2、3に示した。
【0039】
[比較例1]
ビスフェノール系エポキシ樹脂100部(ジャパンエポキシレジン株式会社製エピコート828)100部にアミン系硬化剤(ピティーアイジャパン社製)55部を混ぜた混合溶液に東レ・デュポン株式会社製“ケブラー”49を使用した直径7mmの組紐を連続的に、組紐内部まで含浸し、余分な樹脂を絞った。得られたエポキシ含浸ケブラー組紐をステンレスバットに並べ、170℃で30分間加熱乾燥した。得られた樹脂含浸硬化した組紐の冷間(熱処理:2時間)、熱間強度、ガラス転移点温度、熱分解温度を測定し、結果を表1、2、3に示した。
【0040】
【表1】
Figure 2004068455
【0041】
【表2】
Figure 2004068455
【0042】
【表3】
Figure 2004068455
【0043】
【発明の効果】
本発明の建築資材は、熱に対する強度およびコンクリートとの接着性に優れている。従って、本発明の建築資材は、現在のFRPを用いた建築資材に要望されていながら有していなかった性能を満足しており、その結果土木建築分野に多大な貢献ができる。

Claims (7)

  1. ポリイミド樹脂と連続繊維を含む繊維強化プラスチックからなることを特徴とする建築資材。
  2. 連続繊維が、炭素繊維、パラ系アラミド繊維またはガラス繊維であることを特徴とする請求項1に記載の建築資材。
  3. パラ系アラミド繊維が、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維であることを特徴とする請求項2に記載の建築資材。
  4. ポリイミド樹脂が、下記物性のうち少なくとも1つを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の建築資材。
    (a)ガラス転移点;200℃以上もしくは明確なガラス転移点を持たない。
    (b)示差走査熱量計で測定した熱分解点;350℃以上
  5. ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を連続繊維に含浸し、ついで前記ポリアミック酸を明確なガラス転移点を持たない非熱可塑性ポリイミドに転化せしめることを特徴とする繊維強化プラスチックの製造方法。
  6. ポリイミドが、熱硬化型ポリイミドであることを特徴とする請求項5に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載されている建築資材を用いて構築されている構造物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2013035538A1 (ja) * 2011-09-09 2015-03-23 独立行政法人産業技術総合研究所 複合材

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