JP2007137736A - サファイア基板の製造方法 - Google Patents

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【課題】サファイア基板表面の荒れや潜傷を除去した基板を簡便に製造する方法を提供すること。
【解決手段】200℃以上に加熱したリン酸、硫酸又はこれらの混酸中でサファイア基板の表面を溶解処理する工程、および、溶解処理されたサファイア基板の表面を研磨する工程、を含むことを特徴とするサファイア基板の製造方法であって、好ましくはサファイア基板がウエーハ形状である製造方法、並びにその製造方法により得られたサファイア基板。

Description

本発明は、青色発光ダイオードや電子デバイスなどの基板として好適に用いられるサファイア基板の製造方法又はサファイア単結晶の表面処理方法に関するものである。
サファイアは、雑誌「エレクトロニクス」1994年6月号(第39巻6号)、34−37頁(オーム社編)に掲載されているように、青色発光ダイオードとして、窒化ガリウム膜をMOCVD法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)などで堆積するための基板として用いられている。
この基板上に、高品質の窒化ガリウム膜を堆積するためには、このサファイア表面が、nmオーダーレベルで平坦であること、および、nmオーダーで表面にキズが観察されないこと、また、表面にμmオーダーの加工歪層が残っていないことが重要である。
このような平坦でかつ加工歪層がない表面を得るには、従来は、特許文献1に記載されているように、高温電気炉を用いて大気雰囲気中で熱処理して、基板に内在する潜傷(キズ)を除去するという方法を用いるのが一般的な方法である。
しかしアニールという高温処理は、いわゆる焼きなましであるために、表面にある加工歪層の歪のレベルを低減するだけで、完全に歪を除去できる方法ではない。またキズを除去するためには、1,300−1,900℃という高温に加熱する必要があり、そのときにウエーハ表面に汚れが残っていると、焼付け跡が残ったり、熱で冶具と固着してしまい欠けたりする問題が有る。
次に、平坦でかつ加工歪層がない表面を得るに、特許文献2に記載されているように、pH2以下の酸水溶液で表面処理する方法がある。しかしサファイアは、pH2以下の酸であっても室温では安定でほとんど溶解しない。そのため表面に付着した汚れやゴミは除去できても、結晶内部にある加工歪層まで除去することはできない。
エレクトロニクス、1994年6月号(第39巻6号)、34−37頁(オーム社編) 特開2002−50577号公報 特開2000−281496号公報
本発明が解決しようとする課題は、サファイア基板表面の荒れや潜傷を除去した基板を簡便に製造する方法を提供することである。
上記の課題は以下の手段により達成された。
1)200℃以上に加熱したリン酸、硫酸又はこれらの混酸中でサファイア基板の表面を溶解処理する工程、および、溶解処理されたサファイア基板の表面を研磨する工程、を含むことを特徴とするサファイア基板の製造方法。
上記1)の製造方法により、サファイア基板表面の両側を数μmから数十μmエッチング除去することにより、基板表面およびその内部に内在している加工歪層および潜傷(キズ)を除去し平坦な表面に加工することができる。さらに一方の表面をポリッシュ(研磨)された鏡面、および他の表面をエッチング面とすることで、サファイア単結晶ウエーハ表面の欠陥および歪応力を抑制することが可能になった。又、サファイア基板表面の洗浄も同時に行うことができる。
サファイアはα型アルミナ(六方晶)単結晶材料であり、工業的にはその高絶縁性のために電子回路用基板として使用される。
本発明に使用できるサファイア基板は、通常円盤形状であり、その直径は特に限定されないが、約50.8mm(2インチ)又は約76.2mm(3インチ)が代表的であり、その厚みは0.1〜1.0mmが代表的である。サファイア基板はGaN等をエピタキシャル成長させる前に基板表面を平滑化し基板内部に存在する潜傷を除去する。
従来のサファイア基板の製造方法のフローチャートを図1(a)に、本発明のサファイア基板の製造方法を示すフローチャートを図1(b)に示す。
サファイア基板(サファイアウエーハ)を作製する工程として、サファイア単結晶を融液から所定形状に育成冷却した後に、結晶に残っている熱歪を低減するためにアニール処理を行ってから、ウエーハ径および所定の方位に合わせてインゴットを円研加工する。その円研したブールを内周刃もしくはワイヤーソーでウエーハを所要枚数切出して、ウエーハをダイヤなどの平面研削もしくは遊離砥粒を用いたラップを行って、所定のウエーハ厚みに仕上げる。このときスライス、研削、ラップの各工程において、それぞれウエーハ表面に加工歪層といわれる、結晶構造が乱れた領域を生じてしまう。この加工歪層が残っていると、ウエーハの片面を鏡面に仕上げるポリッシュを行った後に、加工歪層が残っている研削面もしくはラップ面側と、加工歪層がほとんど残っていない鏡面側とに歪応力が生じて、ウエーハが数十から数百μmと弓なりに研削面側もしくはラップ面側に大きく反ってしまう。一例として、ラップ処理後の反りが約90μmである例を図2に示す。
その大きな反りを抑制するために、鏡面に仕上げるポリッシュ工程の前に、従来は1,300℃以上のアニールが必要になっていた。本発明の製造方法によると、このアニール工程は必須ではなくすることができる。
サファイア基板の加工歪層は、一般的に、最大表面粗さ(Rmax)の2〜4倍の深さを有するといわれている。例えば、平面研削で、サファイアウエーハを研削したときのRmax−値を測定して2μmである場合は、加工歪層の厚さは4〜8μmという値になる。実際にRmax2μmに研削したウエーハを4°アングルポリッシュして顕微鏡で観察すると、図3(a)に示すように、ポリッシュ面での長さは約90μmであるから、加工歪層の垂直方向の深さ1が(90×sin4°=90×0.07=)6.3μmという結果となり、Rmaxの約3倍の深さであった。尚、図3(a)の顕微鏡写真内の2本の線は、肉眼で観察される加工歪層の範囲を示している。
本発明の製造方法では、サファイア基板を200℃以上に加熱したリン酸、硫酸又はこれらの混酸中に浸漬して、サファイア基板表面を平坦に溶解する工程を必須とする。
ここで、リン酸としてはオルトリン酸(H3PO4)を使用する。
また、硫酸は濃硫酸として市販されている濃度96%、比重1.84、約36Nのものを使用することができる。濃度が90%以上の濃硫酸も使用することができる。純度は一級、特に試薬特級の純硫酸が好ましく使用できる。
200℃以上に加熱したオキソ酸、例えばリン酸(H3PO4)又は硫酸(H2SO4)は、オキソ酸2分子から水1分子がとれたいわゆるピロ酸を生じ、それぞれ、ピロリン酸(H427)又はピロ硫酸(H227)を生じることが知られている。加熱下におけるこれらのピロ酸がサファイア基板表面の溶解に有効な成分と推定される。特にピロリン酸、ピロ硫酸又はこれらの混酸がサファイア基板の平坦な表面溶解に好ましい。従って、本発明の製造方法は、少なくとも1種のピロ酸の存在下にサファイア基板の表面を平坦に溶解処理する工程、および、溶解処理されたサファイア基板の表面を研磨する工程、を含むことを特徴とするサファイア基板の製造方法、ということもできる。
具体的には以下のような反応が推定されるが、これらの反応機構の真偽は本発明の特許性に影響を与えるものではない。
さて、200℃以上、好ましくは213℃以上、より好ましくは240℃以上に加熱したリン酸は、ピロリン酸に変化して、サファイアに対して下記に示すような反応を生じ、溶解に活性になる。
2H3PO4 → H427 + H2
Al23 + H227 → 2AlPO4 + 2H2
200℃未満のリン酸の場合は、サファイアに対してそれほど溶解活性を示さない。300℃以上の場合は、反応が急速に進みウエーハ表面が荒たり、またAlPO4が、ウエーハ表面に析出してくる。これは、300℃以上ではメタリン酸が生じることと関連している可能性も考えられる。従ってリン酸を使用する場合は、200℃以上300℃未満の温度に、好ましくは200〜280℃の温度に加熱するのが好ましい。
また200℃以上に加熱した硫酸も、サファイアに対して下記に示すような反応を生じ、溶解に関して活性になる。濃度と温度がいずれも高い熱濃硫酸では、酸化力が高くなるためであると考えられる。あるいは上記のピロ硫酸を活性種とする化学反応であるとも考えられる。
Al23 + 3H2SO4 → Al2(SO43 + 3H2
2Al23 + 3H227 →2Al2(SO43 + 3H2
やはり200℃未満の硫酸の場合は、サファイアに対してそれほど活性を示さない。300℃以上の場合は、反応が急速に進みウエーハ表面が荒たり、またAl3SO4が、ウエーハ表面に析出したり、さらに、硫酸が分解して、人体に有毒な亜硫酸ガスが発生するので、硫酸を使用する場合も、200以上300℃未満の温度で使用するのが好ましく、200〜280℃の加熱がより好ましい。
そこで200℃以上に、好ましくは200以上300℃未満に、より好ましくは200〜280℃に加熱したリン酸若しくは硫酸又はこれらの混酸中に所定時間、サファイアウエーハを浸漬することで、サファイアウエーハ表面にある平面研削で生じた加工歪層を除去することができる。リン酸と硫酸との混酸を使用する場合には、任意の重量比で混合することができる。例えば6μmの厚さの歪層を完全に除去するために、例えば10μmの厚さをエッチングする。この表面溶解によって、表面は研削面又はラップ面はエッチング面となり、そのエッチング面を4°アングルポリッシュして顕微鏡で観察すると、図3(b)に示すように、加工歪層がほとんど無くなっていることが判明した。尚、図3(b)の顕微鏡写真内の破線は、加工歪層がないことを示している。
加熱時間は、加熱温度に依存するが、1〜20時間、好ましくは2〜20時間が一般的である。サファイア基板の表面を所定の厚さを溶解除去するために必要な時間加熱すれば良い。
本発明の製造方法では、サファイア基板を200℃以上に加熱したリン酸、硫酸又はこれらの混合液中に浸漬して、サファイア基板表面を溶解した後、続いて溶解処理されたサファイア基板の表面を研磨する工程を必須とする。
このエッチングしたウエーハの片面を鏡面に仕上げるポリッシュを行った後でも、加工歪層が無くなっているエッチング面と、加工歪層が低減された鏡面側とには、歪応力は生じないため、ウエーハが数十から数百μmと弓なりに鏡面側に大きく反ってしまうことは無く、反っても2インチのウエーハで最大で数μm以下であった。このため、ウエーハを高温のオキソ酸によりエッチングすることによって、鏡面に仕上げる前に高温でのアニール処理を行う必要が無くなった。
ウエーハの両面の平行度を改善し、所定の厚さに仕上げるために、ダイヤモンドもしくは炭化ホウ素、あるいは炭化ケイ素研磨材で粗研磨(ラッピング)される。
また研削工程又はラップ工程で生じた、砥粒残渣がウエーハ表面に残ったり、また研削工程又はラップ工程で生じたサファイアの微小粉が表面に残ったりして、純水や界面活性剤を含む水溶液では、それらを洗浄除去することが困難であったが、このエッチング処理を行うことで、それらの残渣や微小粉を簡単に除去できるようになり、洗浄効果も得られるようになった。
従って、このエッチング処理したサファイアウエーハは、表面が鏡面に仕上げたポリッシュ面となり、裏面は、研削もしくはラップ面がエッチングされた面になり、いずれの面においても、加工歪層がない清浄な面に仕上げることができる。
次に、加工歪層が残っている場合、歪層の中に、研削で生じたキズが生じている。この研削面又はラップ面をポリッシュして鏡面に仕上げるときに、その加工歪層を完全に取り除かないと、ポリッシュ後に、キズが残って、窒化ガリウム等のエピタキシャル成長層を堆積したときに、キズが浮き出てしまう現象が生じて、青色発光ダイオードにしたときに、発光特性に劣化が生じてしまう。
そのため、サファイアウエーハをポリッシュするときは、単に最大表面粗さRmaxを小さくするためだけでなく、そのRmaxの2〜4倍の加工歪層の深さを勘案して、その深さ以上の厚み、例えばRmaxの5倍の厚みをポリッシュしなくてはならない。
しかし、サファイアウエーハを先ほどの方法で加工歪層の深さ以上に、あらかじめエッチング処理を行っておけば、エッチング後は、加工歪層が無いため、次のポリッシュ工程では、単に表面粗さRmaxを小さくするために、Rmaxの2倍の厚みをポリッシュすればよく、ポリッシュ工程の短縮にもつながる。
このような上記のエッチング処理を行ってから、一方の面をポリッシュしたサファイアウエーハの上に、窒化ガリウム等のエピタキシャル成長層を堆積すれば、キズが浮き出る現象が無くなり、またウエーハが反ることもないため、青色発光ダイオードにしたときに、発光特性に劣化が生じなかった。
以下の実施例ではc面を結晶成長面とするc面サファイア基板について説明するが、a面、m面又はr面を結晶成長面とするa面サファイア基板、m面サファイア基板又はr面サファイア基板も本発明の方法により製造することができる。
また上記c面、a面又はr面に対して任意のオフ角、好ましくは±2°以内だけ傾いたオフ基板を本発明の方法により製造することもできる。
(実施例1)
ワイヤーソーで550μmの厚みに切出したc面の2インチサファイア単結晶ウエーハを平面研削盤でダイヤ#600番定ホイルで(最大表面粗さ)Rmax2.5μmの面粗さにて、ウエーハ両面を研削し、480μmの厚みに仕上げた。このウエーハを4°アングルポリッシュして顕微鏡で観察すると、加工歪層が8μmという結果となり、Rmaxの約3.2倍の深さであった。
テフロン(登録商標)容器にリン酸を入れて250℃に加熱し、先ほどの研削したウエーハを入れて約12時間エッチングすると、片側の面で、15μmエッチングされ、ウエーハ厚が450μmになった。
エッチング後のウエーハを4°アングルポリッシュして顕微鏡で観察すると、加工歪層がほとんどみられなかった。このとき、ウエーハ面全面が、三角形のエッチングピット面になっており、砥粒や研削残渣が残っていない、きれいな透明感がある面になっていた。またエッチング後のRmaxは1.8μmであった。
このウエーハの片面を、ダイヤパウダーおよびコロイダルシリカで約20μm研磨すると、鏡面になり、片面が鏡面、他面がエッチング面である厚さ430μmのc面サファイア単結晶ウエーハが得られた。
この鏡面ウエーハの反りを測定すると、エッチング面側に凸で高さ3μmのきれいなおわん状になっていた。
この鏡面ウエーハの表面を原子間力顕微鏡(以下「AFM」という。)で観察すると、nmオーダーレベルでのキズが観察されなかった。
(実施例2)
ワイヤーソーで550μmの厚みに切出したc面の2インチサファイア単結晶ウエーハを両面ラップ盤でBN砥粒#320でRmax6μmの面粗さにて、ウエーハ両面を研削し、480μmの厚みに仕上げた。このウエーハを4°アングルポリッシュして顕微鏡で観察すると、加工歪層が15μmという結果となり、Rmaxの約2.5倍の深さであった。
テフロン(登録商標)容器に硫酸を入れて210℃に加熱し、先ほどの研削したウエーハを入れて約15時間エッチングすると、片側の面で、16μmエッチングされ、ウエーハ厚が450μmになった。
エッチング後のウエーハを4°アングルポリッシュして顕微鏡で観察すると、加工歪層がほとんどみられなかった。このとき、ウエーハ面全面が、リン酸エッチングした場合とほぼ同じ三角形のエッチングピット面になっており、砥粒や研削残渣が残っていない、きれいな透明感がある面になっていた。またエッチング後のRmaxは4μmであった。
このウエーハの片面を、ダイヤパウダーおよびコロイダルシリカで約20μm研磨すると、鏡面になり、片面が鏡面、他面がエッチング面である厚さ430μmのc面サファイア単結晶ウエーハが得られた。
この鏡面ウエーハの反りを測定すると、エッチング面側に凸で5μmのきれいなおわん状になっていた。
この鏡面ウエーハの表面をAFMで観察すると、nmオーダーレベルでのキズが観察されなかった。
(実施例3)
内周刃切断装置で550μmの厚みに切出したc面の2インチサファイア単結晶ウエーハを両面ラップ盤でSiC砥粒#500を用いてRmax5μmの面粗さにて、ウエーハ両面を研削し、480μmの厚みに仕上げた。このウエーハを4°アングルポリッシュして顕微鏡で観察すると、加工歪層が12μmという結果となり、Rmaxの約2.4倍の深さであった。
テフロン(登録商標)容器にリン酸80%硫酸20%(重量比)の混酸を入れて240℃に加熱し、先ほどの研削したウエーハを入れて約16時間エッチングすると、片側の面で、15μmエッチングされ、ウエーハ厚が450μmになった。
エッチング後のウエーハを4°アングルポリッシュして顕微鏡で観察すると、加工歪層がほとんどみられなかった。このとき、ウエーハ面全面が、三角形のエッチングピット面になっており、砥粒や研削残渣が残っていない、きれいな透明感がある面になっていた。またエッチング後のRmaxは4μmであった。
このウエーハの片面を、ダイヤパウダーおよびコロイダルシリカで約20μm研磨すると、鏡面になり、片面が鏡面、他面がエッチング面である厚さ430μmのc面サファイア単結晶ウエーハが得られた。
この鏡面ウエーハの反りを測定すると、エッチング面側に凸で4μmのきれいなおわん状になっていた。
この鏡面ウエーハの表面をAFMで観察すると、nmオーダレベルでのキズが観察されなかった。
実施例1〜3いずれか1つに記載のサファイア基板に非特許文献1に記載の方法によりダブルヘテロ構造のGaN膜を成長させると、青色発光する半導体素子が得られる。
(比較例1)
ワイヤーソーで550μmの厚みに切出したc面の2インチサファイア単結晶ウエーハを平面研削盤でダイヤ#600番定ホイルでRmax2.5μmの面粗さにて、ウエーハ両面を研削し、480μmの厚みに仕上げた。このウエーハを4°アングルポリッシュして顕微鏡で観察すると、加工歪層が8μmという結果となり、Rmaxの約3.2倍の深さであった。
実施例1〜3で示したエッチングを行わずに、このウエーハの片面を、ダイヤパウダーおよびコロイダルシリカで約20μm研磨すると、鏡面になり、片面が鏡面、他面が研削面という430μmのc面サファイア単結晶ウエーハが得られた。
この鏡面ウエーハの反りを測定すると、エッチング面側に凸で120μmの大きなおわん状になってしまった。
この鏡面ウエーハの表面をAFMで観察すると、nmオーダレベルでのキズが全面に観察された。
(比較例2)
ワイヤーソーで550μmの厚みに切出したc面の2インチサファイア単結晶ウエーハを平面研削盤でダイヤ#600番定ホイルでRmax2.5μmの面粗さにて、ウエーハ両面を研削し、480μmの厚みに仕上げる。このウエーハを4°アングルポリッシュして顕微鏡で観察すると、加工歪層が8μmという結果となり、Rmaxの約3.2倍の深さであった。
実施例で示したエッチングを行わずに、アニール前にウエーハに付着している研削粉を除去するために、界面活性剤およびアルカリ水溶液、純水で入念に洗浄してから、1400℃の大気雰囲気にてこのウエーハを12時間アニールした。
この片面をダイヤパウダーおよびコロイダルシリカで約20μm研磨すると、鏡面になり、片面が鏡面、他面が研削面である厚さ430μmのc面サファイア単結晶ウエーハが得られた。
この鏡面ウエーハの反りを測定すると、エッチング面側に凸で6μmの大きなおわん状に低減できたが、この鏡面ウエーハの表面をAFMで観察すると、nmオーダレベルでのキズが全面に観察された。
そこで、同じ条件で、研削してアニールを行った後に、ダイヤパウダーおよびコロイダルシリカで約30μm研磨すると、鏡面になり、片面が鏡面、他面が研削面である厚さ420μmのc面サファイア単結晶ウエーハが得られた。
この鏡面ウエーハの反りを測定すると、エッチング面側に凸で5μmの大きなおわん状に低減でき、この鏡面ウエーハの表面をAFMで観察すると、nmオーダーレベルでのキズは観察されなかったが、10μm多くポリッシュしないと、キズが取れなかった。
本発明は、サファイア基板の製造に使用することができる。本発明の方法により得られたサファイア基板は、GaN等の半導体をエピタキシャル成長させるために使用することができる。
(a)は従来のサファイア基板の製造方法を示すフローチャートであり、(b)は本発明のサファイア基板の製造方法を示すフローチャートである。 従来の製造方法により加工されたサファイア基板のラップ処理後の反りを示すグラフである。 (a)は、サファイア基板の表面のラップ処理後の顕微鏡写真であり、(b)は、サファイア基板の表面のエッチング加工後の顕微鏡写真である。
符号の説明
1 ポリッシュ面における加工歪層の大きさ

Claims (4)

  1. 200℃以上に加熱した硫酸、リン酸又はこれらの混酸中でサファイア基板の表面を溶解処理する工程、および、
    溶解処理されたサファイア基板の表面を研磨する工程、を含むことを特徴とする
    サファイア基板の製造方法。
  2. サファイア基板がウエーハ形状である請求項1記載の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法により得られたサファイア基板。
  4. 請求項3記載のサファイア基板を用いて製造された半導体発光素子。

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