JP2007135546A - ソフトキャンディー - Google Patents

ソフトキャンディー Download PDF

Info

Publication number
JP2007135546A
JP2007135546A JP2005337862A JP2005337862A JP2007135546A JP 2007135546 A JP2007135546 A JP 2007135546A JP 2005337862 A JP2005337862 A JP 2005337862A JP 2005337862 A JP2005337862 A JP 2005337862A JP 2007135546 A JP2007135546 A JP 2007135546A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
fatty acid
acid ester
acid
triglycerin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005337862A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4472621B2 (ja
Inventor
Masao Iizuka
正男 飯塚
Koichi Nakanishi
浩一 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riken Vitamin Co Ltd
Original Assignee
Riken Vitamin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riken Vitamin Co Ltd filed Critical Riken Vitamin Co Ltd
Priority to JP2005337862A priority Critical patent/JP4472621B2/ja
Publication of JP2007135546A publication Critical patent/JP2007135546A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4472621B2 publication Critical patent/JP4472621B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Confectionery (AREA)

Abstract

【課題】噛み出しの柔らかさに優れ、歯に付着し難いソフトキャンディーを提供する。
【解決手段】下記のA成分および/またはB成分を含有することを特徴とするソフトキャンディー;
A成分;ジグリセリン脂肪酸エステル100質量%中、遊離のポリオールの含有量が6質量%以下、モノエステル体の含有量が35質量%以上50質量%未満であるジグリセリン脂肪酸エステル、
B成分;トリグリセリン脂肪酸エステル100質量%中、遊離のポリオールの含有量が6質量%以下、モノエステル体の含有量が35質量%以上50質量%未満であるトリグリセリン脂肪酸エステル。
【選択図】なし

Description

本発明は、ソフトキャンディーに関する。
ソフトキャンディーは文字どおり軟質性のキャンディーであり、それ故歯に付着しやすいという問題がある。この問題を解決する手段の一つとして、従来乳化剤の添加が行われており、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステルが配合されたソフトキャンディー(特許文献1参照)、ショ糖脂肪酸エステル(HLB値3〜7)、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびクエン酸モノグリセライドが必須成分として配合されたソフトキャンディー(特許文献2参照)、HLB値が6.0以下のモノグリセリン脂肪酸エステルが配合されたソフトキャンディ(特許文献3参照)、ソルビタン脂肪酸エステルおよびHLB11のショ糖脂肪酸エステルが配合されたソフトキャンディ(特許文献4参照)などが提案されている。
しかしながら、上記技術では、ソフトキャンディーの歯への付着の問題を十分に解決できたとは言えず、より有効な手段が求められていた。
特開平5−7459号公報 特開平5−227893号公報 特開平8−38056号公報 再表02/009530号公報、実施例1
本発明は、噛み出しの柔らかさに優れ、歯に付着し難いソフトキャンディーを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、遊離のポリオールの含有量が少なく、且つモノエステル体の含有量が特定の範囲に限定されたジグリセリン脂肪酸エステルおよび/またはトリグリセリン脂肪酸エステルをキャンディー生地に添加することにより目的とするソフトキャンディーが得られることを見いだし、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
(1)下記のA成分および/またはB成分を含有することを特徴とするソフトキャンディー;
A成分:ジグリセリン脂肪酸エステル100質量%中、遊離のポリオールの含有量が6質量%以下、モノエステル体の含有量が35質量%以上50質量%未満であるジグリセリン脂肪酸エステル、
B成分:トリグリセリン脂肪酸エステル100質量%中、遊離のポリオールの含有量が6質量%以下、モノエステル体の含有量が35質量%以上50質量%未満であるトリグリセリン脂肪酸エステル、からなっている。
本発明のソフトキャンディーは噛み出しの柔らかさに優れ、しかも歯への付着が著しく少ない。
本発明は、下記のA成分および/またはB成分を必須成分として含有することを特徴とするソフトキャンディーに関するものである。
A成分:
本発明でA成分として用いられるジグリセリン脂肪酸エステルは、ジグリセリンと脂肪酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応など自体公知の方法で製造される。
A成分として用いられるジグリセリン脂肪酸エステルの原料として用いられるジグリセリンとしては、通常グリセリンに少量の酸またはアルカリを触媒として添加し、窒素または二酸化炭素などの任意の不活性ガス雰囲気下で、例えば約180℃以上の温度で加熱し、重縮合反応させて得られるグリセリンの平均重合度が約1.5〜2.4、好ましくは平均重合度が約2.0であるジグリセリン混合物が挙げられる。また、ジグリセリンはグリシドールまたはエピクロルヒドリンなどを原料として得られるものであっても良い。反応終了後、必要であれば中和、脱塩、脱色などの処理を行ってよい。
本発明のA成分においては、上記ジグリセリン混合物を、例えば蒸留またはカラムクロマトグラフィーなど自体公知の方法を用いて精製し、グリセリン2分子からなるジグリセリンを約50質量%以上、好ましくは約85質量%以上に高濃度化した高純度ジグリセリンが、好ましく用いられる。
A成分として用いられるジグリセリン脂肪酸エステルの原料として用いられる脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸など)または不飽和脂肪酸(例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、リシノール酸、縮合リシノール酸など)が挙げられ、好ましくは炭素数16〜18の飽和または不飽和脂肪酸から選ばれる一種またはニ種以上の脂肪酸の混合物である。とりわけパルミチン酸および/またはステアリン酸を約50質量%以上、より好ましくは約90質量%以上含有する脂肪酸混合物を用いるのが好ましい。
A成分として用いられるジグリセリン脂肪酸エステルの好ましい例として、遊離のポリオールの含有量が6質量%以下、好ましくは約3質量%以下で、且つモノエステル体の含有量が約35質量%以上50質量%未満であるジグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。このような組成のジグリセリン脂肪酸エステルは、ジグリセリンと脂肪酸(例えば、ステアリン酸)を約1:0.8〜1:1.2、好ましくは約1:1のモル比でエステル化反応させて得られる反応混合物から、未反応のジグリセリンを除去することにより得ることができる。例えば、ジグリセリン1モルと脂肪酸(例えば、ステアリン酸)1モルを反応させた場合、無差別分布則に基づく計算によれば、エステル化生成物中の未反応のジグリセリンの推定含量は約12質量%、モノエステル体の推定含量は約42質量%となる。従って、この仕込み比率で反応して得られた反応混合物から、例えば約10質量%に相当する量の未反応のジグリセリンを除去すると、計算上では未反応のジグリセリンの含量が約2.4質量%、モノエステル体の含量が約46.9質量%のジグリセリン脂肪酸エステルが得られることになる。なお、未反応のジグリセリンは、未反応のジグリセリンを含有するポリオールとして除去され得る。ここでポリオールとは、分子中に2個以上の水酸基をもつアルコールを指し、例えばグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリンまたはテトラグリセリン以上のポリグリセリンおよび環状グリセリンなどが挙げられる。
反応混合物から未反応のジグリセリンを除去する方法としては、液液抽出、吸着分離など自体公知の方法が挙げられるが(特開平7−173380参照)、好ましくは反応混合物中にグリセリンを添加して混合し、その後未反応のジグリセリンを含むグリセリン相を分離し、除去する方法である。
A成分として用いられるジグリセリン脂肪酸エステルの製法の概略は以下の通りである。例えば、攪拌機、加熱用のジャケット、邪魔板などを備えた通常の反応容器に、ジグリセリンと脂肪酸を約1:1のモル比で仕込み、通常触媒として水酸化ナトリウムを加えて攪拌混合し、窒素ガス雰囲気下で、エステル化反応により生成する水を系外に除去しながら、所定温度で加熱する。反応温度は通常、約180〜260℃の範囲、好ましくは約200〜250℃の範囲である。また、反応圧力条件は常圧下または減圧下で、反応時間は約0.5〜15時間、好ましくは約1〜3時間である。反応の終点は、通常反応混合物の酸価を測定し、約12以下を目安に決められる。得られた反応液は、未反応の脂肪酸、未反応のジグリセリン、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル、ジグリセリンジ脂肪酸エステル、ジグリセリントリ脂肪酸エステルおよびジグリセリンテトラ脂肪酸エステルなどを含む混合物である。
エステル化反応終了後、反応混合物中に残存する触媒を中和する。その際、エステル化反応の温度が200℃以上の場合は液温を約180〜200℃に冷却してから中和処理を行うのが好ましい。また反応温度が200℃以下の場合は、そのままの温度で中和処理を行ってよい。触媒の中和は、例えば、触媒として水酸化ナトリウムを使用し、これをリン酸(85質量%)で中和する場合、以下に示す中和反応式(1)で計算されるリン酸量を0.85で除した量以上のリン酸(85質量%)を、好ましくは中和反応式(1)で計算されるリン酸量を0.85で除した量の約2〜3倍量のリン酸(85質量%)を反応混合物に添加して、良く混合することにより行われる。中和後、その温度で好ましくは約0.5時間以上、更に好ましくは約1〜10時間放置する。未反応のジグリセリンが下層に分離した場合はそれを除去する。
* 水酸化ナトリウムの使用量を1.0gとすると、約0.96gとなる。
Figure 2007135546
次に、上記反応混合物を、必要なら冷却して、約60℃以上180℃未満、好ましくは約120℃以上180℃未満、更に好ましくは約130〜150℃に保ち、反応仕込み時のジグリセリンと脂肪酸の合計質量の約0.5〜10倍量、好ましくは約0.5〜5倍量のグリセリンを添加する。反応混合物とグリセリンを良く混合した後、その温度で約0.5時間以上、好ましくは約1〜10時間放置し、二相に分離した下層(未反応のジグリセリンを含むグリセリン相)を抜き取るか、または遠心分離し、未反応のジグリセリンを含むグリセリン相を除去する。反応混合物に対するグリセリンの添加量が少ないと未反応のジグリセリンの除去が不十分となる。また、グリセリンの添加量が多すぎると、グリセリン相の分離と除去に時間がかかり、生産性の低下を招き好ましくない。
上記処理により得られたジグリセリン脂肪酸エステルを、好ましくは、更に減圧下で蒸留して残存するグリセリンを留去し、必要であれば脱塩、脱色、ろ過などの処理を行い、最終的に、遊離のポリオールを6質量%未満、好ましくは約3質量%以下に減少せしめ、且つモノエステル体を約35質量%以上50質量%未満含むジグリセリン脂肪酸エステルを得る。該ジグリセリン脂肪酸エステルは、遊離のポリオールの含有量が少ないため、単位質量当たりの界面活性剤としての効果が優れており、更にモノエステル体を約35質量%以上50質量%未満にすることにより、ソフトキャンディーに添加される乳化剤として特に優れた歯付き抑制効果が発揮される。
B成分:
本発明でB成分として用いられるトリグリセリン脂肪酸エステルは、トリグリセリンと脂肪酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応など自体公知の方法で製造される。
B成分として用いられるトリグリセリン脂肪酸エステルの原料として用いられるトリグリセリンとしては、通常グリセリンに少量の酸またはアルカリを触媒として添加し、窒素または二酸化炭素などの任意の不活性ガス雰囲気下で、例えば約180℃以上の温度で加熱し、重縮合反応させて得られるグリセリンの平均重合度が約2.5〜3.4、好ましくは平均重合度が約3.0のトリグリセリン混合物が挙げられる。また、トリグリセリンはグリシドールまたはエピクロルヒドリンなどを原料として得られるものであっても良い。反応終了後、必要であれば中和、脱塩、脱色などの処理を行ってよい。
本発明のB成分においては、上記トリグリセリン混合物を、例えば蒸留またはカラムクロマトグラフィーなど自体公知の方法を用いて精製し、グリセリン3分子からなるトリグリセリンを約50質量%以上、好ましくは約85質量%以上に高濃度化した高純度トリグリセリンが、好ましく用いられる。
B成分として用いられるトリグリセリン脂肪酸エステルの原料として用いられる脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸など)または不飽和脂肪酸(例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、リシノール酸、縮合リシノール酸など)が挙げられ、好ましくは炭素数16〜18の飽和または不飽和脂肪酸から選ばれる一種またはニ種以上の脂肪酸の混合物である。とりわけパルミチン酸および/またはステアリン酸を約50質量%以上、より好ましくは約90質量%以上含有する脂肪酸混合物を用いるのが好ましい。
B成分として用いられるトリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい例として、遊離のポリオールの含有量が6質量%以下、好ましくは約3質量%以下で、且つモノエステル体の含有量が約35質量%以上50質量%未満であるトリグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。このような組成のトリグリセリン脂肪酸エステルは、トリグリセリンと脂肪酸(例えば、ステアリン酸)を約1:0.8〜1:1.2、好ましくは約1:1のモル比でエステル化反応させて得られる反応混合物から、未反応のトリグリセリンを除去することにより得ることができる。例えば、トリグリセリン1モルと脂肪酸(例えば、ステアリン酸)1モルを反応させた場合、無差別分布則に基づく計算によれば、エステル化生成物中の未反応のトリグリセリンの推定含量は約15質量%、モノエステル体の推定含量は約41質量%となる。従って、この仕込み比率で反応して得られた反応混合物から、例えば約10質量%に相当する量の未反応のトリグリセリンを除去すると、計算上では未反応のトリグリセリンの含量が約5.6質量%、モノエステル体の含量が約45.6質量%のトリグリセリン脂肪酸エステルが得られることになる。なお、未反応のトリグリセリンは、未反応のトリグリセリンを含有するポリオールとして除去され得る。ここでポリオールとは、分子中に2個以上の水酸基をもつアルコールを指し、例えばグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン以上のポリグリセリンおよび環状グリセリンなどが挙げられる。
反応混合物から未反応のトリグリセリンを除去する方法としては、液液抽出、吸着分離など自体公知の方法が挙げられるが(特開平7−173380参照)、好ましくは反応混合物中にグリセリンを添加して混合し、その後未反応のトリグリセリンを含むグリセリン相を分離し、除去する方法である。
B成分として用いられるトリグリセリン脂肪酸エステルの製法の概略は以下の通りである。例えば、攪拌機、加熱用のジャケット、邪魔板などを備えた通常の反応容器に、トリグリセリンと脂肪酸を約1:1のモル比で仕込み、通常触媒として水酸化ナトリウムを加えて攪拌混合し、窒素ガス雰囲気下で、エステル化反応により生成する水を系外に除去しながら、所定温度で加熱する。反応温度は通常、約180〜260℃の範囲、好ましくは約200〜250℃の範囲である。また、反応圧力条件は常圧下または減圧下で、反応時間は約0.5〜15時間、好ましくは約1〜3時間である。反応の終点は、通常反応混合物の酸価を測定し、約12以下を目安に決められる。得られた反応液は、未反応の脂肪酸、未反応のトリグリセリン、トリグリセリンモノ脂肪酸エステル、トリグリセリンジ脂肪酸エステル、トリグリセリントリ脂肪酸エステル、トリグリセリンテトラ脂肪酸エステルおよびトリグリセリンペンタ脂肪酸エステルなどを含む混合物である。
エステル化反応終了後、反応混合物中に残存する触媒を中和する。その際、エステル化反応の温度が200℃以上の場合は液温を約180〜200℃に冷却してから中和処理を行うのが好ましい。また反応温度が200℃以下の場合は、そのままの温度で中和処理を行ってよい。触媒の中和は、例えば、触媒として水酸化ナトリウムを使用し、これをリン酸(85質量%)で中和する場合、以下に示す中和反応式(1)で計算されるリン酸量を0.85で除した量以上のリン酸(85質量%)を、好ましくは中和反応式(1)で計算されるリン酸量を0.85で除した量の約2〜3倍量のリン酸(85質量%)を反応混合物に添加して、良く混合することにより行われる。中和後、その温度で好ましくは約0.5時間以上、更に好ましくは約1〜10時間放置する。未反応のトリグリセリンが下層に分離した場合はそれを除去する。
* 水酸化ナトリウムの使用量を1.0gとすると、約0.96gとなる。
Figure 2007135546
次に、上記反応混合物を、必要なら冷却して、約60℃以上180℃未満、好ましくは約120℃以上180℃未満、更に好ましくは約130〜150℃に保ち、反応仕込み時のトリグリセリンと脂肪酸の合計質量の約0.5〜10倍量、好ましくは約0.5〜5倍量のグリセリンを添加する。反応混合物とグリセリンを良く混合した後、その温度で約0.5時間以上、好ましくは約1〜10時間放置し、二相に分離した下層(未反応のトリグリセリンを含むグリセリン相)を抜き取るか、または遠心分離し、未反応のトリグリセリンを含むグリセリン相を除去する。反応混合物に対するグリセリンの添加量が少ないと未反応のトリグリセリンの除去が不十分となる。また、グリセリンの添加量が多すぎると、グリセリン相の分離と除去に時間がかかり、生産性の低下を招き好ましくない。
上記処理により得られたトリグリセリン脂肪酸エステルを、好ましくは、更に減圧下で蒸留して残存するグリセリンを留去し、必要であれば脱塩、脱色、ろ過などの処理を行い、最終的に、遊離のポリオールを6質量%未満、好ましくは約3質量%以下に減少せしめ、且つモノエステル体を約35質量%以上50質量%未満含むトリグリセリン脂肪酸エステルを得る。該トリグリセリン脂肪酸エステルは、遊離のポリオールの含有量が少ないため、単位質量当たりの界面活性剤としての効果が優れており、更にモノエステル体を約35質量%以上50質量%未満にすることにより、ソフトキャンディーに添加される乳化剤として特に優れた歯付き抑制効果が発揮される。
本発明のソフトキャンディー中のA成分および/またはB成分の含有量は、特に限定されないが、例えば、約0.01〜5質量%、好ましくは約0.05〜1質量%である。
本発明で言うところのソフトキャンディーとは、糖類または糖類に、例えば乳製品、油脂、果実、果汁若しくは種実(加工品を含む)、でん粉、小麦粉、ゼラチン、卵白、アルブミン、酸味料、香料、着色料、水などを加えたものを原材料とし、水分約6〜10質量%のあめ状に煮詰めたキャンディー生地を冷却し、整形して得られる軟質なキャンディーであり、具体的には例えばキャラメル、ヌガーなどが挙げられる。
糖類としては、例えばキシロース、ぶどう糖、果糖、蜂蜜、メープルシロップ、砂糖、麦芽糖、乳糖、異性化液糖(ぶどう糖果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖、高果糖液糖など)、砂糖混合異性化液糖、水あめ、粉あめ、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、パラチノース、イソマルトオリゴ糖、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、マルチトール、エリスリトール、還元水あめおよび還元パラチノースなどが挙げられる。これら糖類は一種類で用いても良いし、二種類以上を任意に組み合わせて用いても良い。
乳製品としては、例えば牛乳、牛乳を遠心分離して得られるクリーム類、ヨーグルトなどの発酵乳、加糖れん乳、無糖れん乳、濃縮乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダーおよびバターミルクパウダーなどの粉乳類、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、ホエイチーズ、濃縮ホエイおよびカゼインナトリウムなどが挙げられる。これら乳製品は一種類で用いても良いし、二種類以上を任意に組み合わせて用いても良い。
油脂としては、例えばオリーブ油、キャノーラ油、米ぬか油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、大豆油、コーン油、なたね油、パーム油、パーム核油、ひまわり油、ハイオレイックひまわり油、綿実油、やし油および落花生油などの植物油脂、牛脂、豚脂、魚油および乳脂などの動物油脂、これらの動植物油脂を分別処理したもの(例えばパームオレイン、パームステアリンなど)または水素添加処理したもの、さらにこれらの動植物油脂単独または二種類以上を任意に組み合わせてエステル交換処理したものなどが挙げられる。これらの油脂は一種類で用いても良いし、二種類以上を任意に組み合わせて用いても良い。
果実、果汁としては、例えばマンゴー、パイン、洋なし、もも、オレンジ、ミカン、ブドウ、リンゴ、メロンまたはコケモモなどの果実または果汁が挙げられる。果実は乾燥果実であってもよい。種実としては、例えばアーモンド、カシューナッツ、マカデミアナッツ、ピスタチオまたはピーナッツなどが挙げられる。でん粉としては、例えば馬鈴薯でん粉、コーンスターチ、小麦でん粉、タピオカでん粉、またはそれらの加工でん粉などが挙げられる。酸味料としては、例えばクエン酸、クエン酸ナトリウム、DL−リンゴ酸、L−シュウ酸または乳酸などが挙げられる。着色料としては、例えばベニコウジ色素、β−カロテン、アントシアニン系色素、クチナシ色素、ベニバナ赤色素、ベニバナ黄色素、ウコン色素、カラメル色素またはアナトー色素などが挙げられる。これらは一種類を単独で使用してもよく、また二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
また、本発明のソフトキャンディーには、コーヒー抽出液、紅茶抽出液、茶抽出液またはプロポリスなどのエキス類、ビタミンCまたはビタミンEなどのビタミン類、或いはカルシウム、マグネシウムまたは鉄などのミネラル類などを含有させても良い。これらは一種類を単独で使用してもよく、また二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
更に、ソフトキャンディーの食感を改良する目的で、本発明の効果を損なわない範囲で、アラビアガム、カラギナン、カラヤガム、キサンタンガム、グアーガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、タラガム、トラガントガム、ペクチン、ローカストビーンガムなどの増粘安定剤を含有させても良い。増粘安定剤は、一種類を単独で使用してもよく、また二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
また、本発明のソフトキャンディーには、上記のA成分またはB成分の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で各種の乳化剤を含有させることができる。該乳化剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンなどが挙げられる。ここで、グリセリン脂肪酸エステルには、グリセリンと脂肪酸のエステルの外、グリセリン有機酸脂肪酸エステル(例えば、グリセリン酢酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルなど)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(前記A成分、B成分を除く)およびポリグリセリン縮合リシノール酸エステルが含まれる。またレシチンとしては、大豆レシチンおよび卵黄レシチンなど油分を含む液状レシチン、液状レシチンから油分を除き乾燥した粉末レシチン、液状レシチンを分別精製した分別レシチン並びにレシチンを酵素で処理した酵素分解レシチンおよび酵素処理レシチンなどが挙げられる。
本発明のソフトキャンディーの製造方法に特に制限はなく、本発明のソフトキャンディーは、例えば慣用の装置等を用いて、常法により製造することができる。
例えばキャラメルの製造方法の概略は以下の通りである。例えば、砂糖、水あめなどの糖類に糖類が溶けるだけの水を加えて溶解し、更に所望により乳製品、油脂、でん粉または小麦粉などを加え、好ましくは約60〜80℃に加熱して混合し、原材料混合液とする。得られた原材料混合液を常圧下または減圧下にて好ましくは約120〜125℃に加熱し、所望する水分(好ましくは約6〜10質量%)となるまで煮詰めて濃縮液を得る。得られた濃縮液を冷却(好ましくは約100℃)し、製造しようとするキャラメルの種類に応じて果実若しくは種実類、酸味料、香料、色素などを加えて均一に混練し、キャラメル生地とするのが好ましい。
本発明で用いられる前記A成分および/またはB成分は上記原材料混合液または濃縮液のいずれに添加してもよい。また、A成分および/またはB成分は固体または液体のまま直接添加してもよく、また予めA成分および/またはB成分を水に分散した分散液を調製して添加してもよい。
次に、上記キャラメル生地を品温、好ましくは約40〜50℃に冷却した後成形機にて整形するか、或いはロールなどでシート状に整形した後カッターなどで切断するのが好ましい。整形または切断されたキャラメル生地は、更に好ましくは約20〜25℃程度まで冷却することによって、キャラメルを得ることができる。得られたキャラメルは、例えば、パラフィン紙または合成樹脂製のシートや小袋などで個包装するのが好ましい。
以下に本発明を実施例に基づいて、より具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[製造例1]
攪拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた反応釜にグリセリン20kgを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム20w/v%水溶液100mLを加え、窒素ガス気流中250℃で4時間グリセリン縮合反応を行った。
得られた反応生成物を約90℃まで冷却し、リン酸(85質量%)約20gを添加して中和した後ろ過し、ろ液を160℃、250Paの条件下で減圧蒸留してグリセリンを除き、続いて200℃、20Paの高真空条件下で分子蒸留してグリセリン3質量%、ジグリセリン92質量%、トリグリセリン5質量%を含む留分(ジグリセリン混合物)約3.0kgを得た。
更に蒸留残液を、240℃、20Paの高真空条件下で分子蒸留し、グリセリン0.2質量%、ジグリセリン5質量%、トリグリセリン88質量%およびテトラグリセリン6質量%、環状グリセリン0.8質量%を含む留分(トリグリセリン混合物)約1.5kgを得た。
次に、各留分に対して1質量%の活性炭を加え、減圧下にて脱色処理した後ろ過した。得られたジグリセリン混合物の水酸基価は約1359で、その平均重合度は約2.0、トリグリセリン混合物の水酸基価は約1170で、その平均重合度は約3.0であった。
[製造例2]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコに、製造例1で得たジグリセリン混合物166g(約1.0モル)、およびパルミチン酸(商品名:パルミチン酸98;ミヨシ油脂社製)100g、ステアリン酸(商品名:NAA−180;日本油脂社製)230g(C16・C18混合脂肪酸として約1.2モルに相当)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム10w/v%水溶液10mLを加え、窒素ガス気流中240℃で、酸価3以下となるまで、約2時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物を約180℃まで冷却し、リン酸(85質量%)2.3gを添加して触媒を中和し、その温度で約1時間放置し、分離した未反応のジグリセリンを含むポリオール約5gを除去した。次に、反応混合物を約150℃まで冷却し、グリセリン335gを加えて均一に混合後その温度で約1時間放置し、分離したグリセリン相約270gを除去した。得られたジグリセリン脂肪酸エステルを、約150℃、約400Paの条件で減圧蒸留して残留するグリセリンを留去し、ジグリセリン脂肪酸エステル(試作品1)約435gを得た。このものの酸価は約0.8であった。
[製造例3]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコに、製造例1で得たジグリセリン混合物166g(約1.0モル)、およびパルミチン酸(商品名:パルミチン酸98;ミヨシ油脂社製)100g、ステアリン酸(商品名:NAA−180;日本油脂社製)230g(C16・C18混合脂肪酸として約1.2モルに相当)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム10w/v%水溶液10mLを加え、窒素ガス気流中240℃で、酸価3以下となるまで、約2時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物を約180℃まで冷却し、リン酸(85質量%)2.3gを添加して触媒を中和し、その温度で約1時間放置し、分離した未反応のジグリセリン約5gを除去し、ジグリセリン脂肪酸エステル(試作品2)約460gを得た。このものの酸価は約1.0であった。
[製造例4]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコに、製造例1で得たジグリセリン混合物166g(約1.0モル)、およびパルミチン酸(商品名:パルミチン酸98;ミヨシ油脂社製)133g、ステアリン酸(商品名:NAA−180;日本油脂社製)307g(C16・C18混合脂肪酸として約1.6モルに相当)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム10w/v%水溶液10mLを加え、窒素ガス気流中240℃で、酸価3以下となるまで、約2時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物を約180℃まで冷却し、リン酸(85質量%)2.3gを添加して触媒を中和し、その温度で約1時間放置し、未反応のジグリセリンの分離がほとんど認められないことを確認し、ジグリセリン脂肪酸エステル(試作品3)約570gを得た。このものの酸価は約2.0であった。
[製造例5]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコに、製造例1で得たトリグリセリン混合物240g(約1.0モル)、およびパルミチン酸(商品名:パルミチン酸98;ミヨシ油脂社製)120g、ステアリン酸(商品名:NAA−180;日本油脂社製)120g(C16・C18混合脂肪酸として約0.89モルに相当)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム10w/v%水溶液10mLを加え、窒素ガス気流中240℃で、酸価12以下となるまで、約2時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物を約180℃まで冷却し、リン酸(85質量%)2.3gを添加して触媒を中和し、その温度で約1時間放置し、分離した未反応のトリグリセリンを含むポリオール約40gを除去した。次に、反応混合物を約150℃まで冷却し、グリセリン400gを加えて均一に混合後その温度で約1時間放置し、分離したグリセリン相約320gを除去した。得られたトリグリセリン脂肪酸エステルを、約150℃、約400Paの条件で減圧蒸留して残留するグリセリンを留去し、トリグリセリン脂肪酸エステル(試作品4)約390gを得た。このものの酸価は約1.6であった。
[製造例6]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコに、製造例1で得たトリグリセリン混合物240g(約1.0モル)、およびパルミチン酸(商品名:パルミチン酸98;ミヨシ油脂社製)120g、ステアリン酸(商品名:NAA−180;日本油脂社製)120g(C16・C18混合脂肪酸として約0.89モルに相当)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム10w/v%水溶液10mLを加え、窒素ガス気流中240℃で、酸価12以下となるまで、約2時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物を約180℃まで冷却し、リン酸(85質量%)2.3gを添加して触媒を中和し、中和後液温を約150℃まで冷却してその温度で約1時間放置し、分離した未反応のトリグリセリンを含むポリオール約40gを除去し、トリグリセリン脂肪酸エステル(試作品5)約410gを得た。このものの酸価は約1.6であった。
[製造例7]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコに、製造例1で得たトリグリセリン混合物240g(約1.0モル)、およびパルミチン酸(商品名:パルミチン酸98;ミヨシ油脂社製)216g、ステアリン酸(商品名:NAA−180;日本油脂社製)216g(C16・C18混合脂肪酸として約1.6モルに相当)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム10w/v%水溶液10mLを加え、窒素ガス気流中240℃で、酸価5以下となるまで、約2時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物を約180℃まで冷却し、リン酸(85質量%)2.3gを添加して触媒を中和し、中和後液温を約150℃まで冷却してその温度で約1時間放置し、未反応のトリグリセリンを含むポリオールの分離がほとんど認められないことを確認し、トリグリセリン脂肪酸エステル(試作品6)約640gを得た。このものの酸価は約2.0であった。
[試験例1]
製造例2〜7で得たジグリセリン脂肪酸エステルおよびトリグリセリン脂肪酸エステル(試作品1〜6)中の遊離のポリオールおよびモノエステル体の含有量を測定した。結果を表1に示した。
[遊離のポリオール含有量測定法]
ガラス製カラム(長さ:21cm、直径:2cm)に、逆相系シリカゲル(商品名:イナートシルODS−3;ジーエルサイエンス社)約30gを乾式法で充填した。試料約10gを精密に量り、25容量%メタノール水溶液50mLに溶解してカラム上層に流し込み、続いて25容量%メタノール水溶液200mLを流速1mL/1分間で通液し、流出した液を回収した。この流出液を重量既知の濃縮フラスコに洗い込み、ロータリーエバポレーターを用いて、約90℃、約4kPaの条件で濃縮後、デシケーター中で放冷し、総重量を精密に量り、次式により遊離のポリオール含有量(質量%)を求めた。
Figure 2007135546
[モノエステル体含有量測定法]
HPLCを用いてエステル組成分析を行い、定量は絶対検量線法により行った。即ち、データ処理装置によってクロマトグラム上に記録された被検試料のモノエステル体に相当するピーク面積を測定し、順相系カラムクロマトグラフィーにより精製したジグリセリンモノステアリン酸エステルまたはトリグリセリンモノステアリン酸エステルを標準試料として作成した検量線から、被検試料のモノエステル体含有量(質量%)を求めた。
HPLC分析条件を以下に示した。
〈HPLC分析条件〉
装置 島津高速液体クロマトグラフ
ポンプ(型式:LC−10A;島津製作所社製)
カラムオーブン(型式:CTO−10A;島津製作所社製)
データ処理装置(型式:C−R7A;島津製作所社製)
カラム GPCカラム(型式:SHODEX KF−802;昭和電工社製)
2本連結
移動相 THF
流量 1.0mL/min
検出器 RI検出器(型式:RID−6A;島津製作所社製)
カラム温度 40℃
検液注入量 15μL(in THF)
Figure 2007135546
[実施例1]
〈キャラメルの作製〉
上白糖57g、水あめ90g、食塩0.3g、水50gを混合、溶解し、更に加糖れん乳120gおよび表3に記載の乳化剤(試作品1または4)1.2gを加えて混合し、攪拌しながら約80℃に加温した。次いでバター27g、パーム核極度硬化油4.5gを加え、混合、乳化した。得られた乳化液(キャラメル生地原液)を、常法により攪拌しながら加熱して煮詰め、液温が約120℃となったところで加熱を止めて金属製のバットに流し込み、室温で約50℃まで冷却した。得られたキャラメル生地を15mm厚のローラーを通してシート状とし、更にカッターで18×18mmにカットし、キャラメル試料(No.1または4)を得た。得られたキャラメルの水分は、いずれも約7.0質量%であった。
[比較例1]
〈キャラメルの作製〉
表3に記載の乳化剤(試作品1または4)1.2gに換えて、表3に記載の乳化剤(試作品2、3、5または6)1.2gを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、キャラメル試料(No.2、3、5または6)を得た。得られたキャラメルの水分は、いずれも約7.0質量%であった。
〈キャラメルの評価〉
(1)キャラメル試料(No.1〜6)をパラフィン紙で包み、アルミラミネート袋に入れて25℃で7日間保った後、下記表2に示す評価基準に従い噛み出しの軟らかさと歯への付着性を評価した。
Figure 2007135546
官能試験は10名のパネラーで行い、結果は10名の評点の平均値として求め、以下の基準に従って記号化した。結果を表3に示した。
○ 評点の平均値が2.5以上
△ 評点の平均値が1.5以上、2.5未満
× 評点の平均値が1.5未満
Figure 2007135546
実施例のキャラメル試料(No.1および4)は噛み出しが軟らかく、歯への付着性も良好で、優れた食感のキャラメルであることが明らかである。一方、比較例のキャラメル試料(No.2、3、5および6)は噛み出しの軟らかさおよび歯への付着性の評価が低く、実施例のキャラメルに比べて劣っていた。
(2)キャラメル試料(No.1〜6)をパラフィン紙で包み、アルミラミネート袋に入れて25℃で7日間保った後、物性評価・試験機にてキャラメルのそしゃく試験を行い、硬さと粘着性を測定した。
[キャラメルの物性測定方法]
装置:島津テクスチャーアナライザー EZ Test(島津製作所社製)
方法:下部圧盤上にキャラメル試料を置き、歯形押し棒Bプローブを速度20mm/分で押し当て、深さ7mmまで進入させ、かかった最大荷重(N)を硬さとした。次に、該棒Bプローブを速度20mm/分で引き上げ、そのときの応力総量(N・mm)を粘着性とした。硬さの数値が小さいほどキャラメルが軟らかいことを示し、粘着性が小さいほど歯へ付着し難く歯離れがよいことを示している。結果を表4に示した。
Figure 2007135546
実施例のキャラメル試料(No.1および4)は軟らかく、粘着性も小さかった。一方、比較例のキャラメル試料(No.2、3、5および6)は相対的に硬くまた粘着性も大きかった。物性評価・試験機による測定結果は、前記官能試験の評価結果と良く一致していた。
[実施例2]
〈キャラメルの作製〉
上白糖90g、水あめ123g、水75gを混合、溶解し、更に加糖れん乳60gおよび表5に記載の乳化剤(試作品1または4)1.5gを加えて混合し、攪拌しながら約80℃に加温した。次いでやし極度硬化油25.5gを加え、混合、乳化した。得られた乳化液(キャラメル生地原液)を、常法により攪拌しながら加熱して煮詰め、液温が約120℃となったところで加熱を止めて金属製のバットに流し込み、室温で約50℃まで冷却した。得られたキャラメル生地を15mm厚のローラーを通してシート状とし、更にカッターで18×18mmにカットし、キャラメル試料(No.7または8)を得た。得られたキャラメルの水分は、いずれも約8.0質量%であった。
[比較例2]
〈キャラメルの作製〉
表5に記載の乳化剤(試作品1または4)1.5gに換えて、表5に記載の乳化剤(市販品A〜F)1.5gを用いたこと以外は、実施例2と同様の操作を行い、キャラメル試料(No.9〜14)を得た。得られたキャラメルの水分は、いずれも約8.0質量%であった。なお、市販品A〜Fは、以下を使用した。
市販品A:グリセリンモノベヘネート(商品名:ポエムB−100;理研ビタミン社製)
市販品B:テトラグリセリンモノステアレート(商品名:ポエムJ−4081;理研ビタミン社製)
市販品C:ヘキサグリセリンモノステアレート(商品名:SY−グリスターMS−5S;阪本薬品工業社製)
市販品D:ポリグリセリンポリリシノレート(商品名:ポエムPR−300;理研ビタミン社製)
市販品E:ソルビタントリステアレート(商品名:ポエムS−65V;理研ビタミン社製)
市販品F:レシチン(商品名:SLPペースト;辻製油社製)
〈キャラメルの評価〉
キャラメル試料(No.7〜14)をパラフィン紙で包み、アルミラミネート袋に入れて25℃で7日間保った後、前記表2に示す評価基準に従い噛み出しの軟らかさと歯への付着性を評価した。官能試験は10名のパネラーで行い、結果は10名の評点の平均値として求め、以下の基準に従って記号化した。結果を表5に示した。
○ 評点の平均値が2.5以上
△ 評点の平均値が1.5以上、2.5未満
× 評点の平均値が1.5未満
Figure 2007135546
実施例のキャラメル試料(No.7および8)は噛み出しが軟らかく、歯への付着性も良好で、優れた食感のキャラメルであることが明らかである。一方、比較例のキャラメル試料(No.9)は、歯離れは良かったが、かなり硬く、またキャラメル試料(No.10〜14)は歯への付着性の評価が低く、実施例のキャラメルに比べて劣っていた。

Claims (1)

  1. 下記のA成分および/またはB成分を含有することを特徴とするソフトキャンディー;
    A成分:ジグリセリン脂肪酸エステル100質量%中、遊離のポリオールの含有量が6質量%以下、モノエステル体の含有量が35質量%以上50質量%未満であるジグリセリン脂肪酸エステル、
    B成分:トリグリセリン脂肪酸エステル100質量%中、遊離のポリオールの含有量が6質量%以下、モノエステル体の含有量が35質量%以上50質量%未満であるトリグリセリン脂肪酸エステル。
JP2005337862A 2005-11-22 2005-11-22 ソフトキャンディー Expired - Fee Related JP4472621B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005337862A JP4472621B2 (ja) 2005-11-22 2005-11-22 ソフトキャンディー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005337862A JP4472621B2 (ja) 2005-11-22 2005-11-22 ソフトキャンディー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007135546A true JP2007135546A (ja) 2007-06-07
JP4472621B2 JP4472621B2 (ja) 2010-06-02

Family

ID=38199142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005337862A Expired - Fee Related JP4472621B2 (ja) 2005-11-22 2005-11-22 ソフトキャンディー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4472621B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008104448A (ja) * 2006-09-26 2008-05-08 Riken Vitamin Co Ltd ソフトキャンディー
JP2008306933A (ja) * 2007-06-12 2008-12-25 Riken Vitamin Co Ltd 成形ポテトチップス生地改良剤
JP2011200246A (ja) * 2006-09-26 2011-10-13 Riken Vitamin Co Ltd ソフトキャンディー
JP2017221152A (ja) * 2016-06-16 2017-12-21 株式会社昭和冷凍プラント 窒素水を使用した菓子の製造方法
JPWO2019225285A1 (ja) * 2018-05-25 2021-05-27 株式会社ロッテ ゼラチン以外のたんぱく質及び油脂配合ソフトキャンディを含有するチューインガム

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008104448A (ja) * 2006-09-26 2008-05-08 Riken Vitamin Co Ltd ソフトキャンディー
JP2011200246A (ja) * 2006-09-26 2011-10-13 Riken Vitamin Co Ltd ソフトキャンディー
JP2008306933A (ja) * 2007-06-12 2008-12-25 Riken Vitamin Co Ltd 成形ポテトチップス生地改良剤
JP2017221152A (ja) * 2016-06-16 2017-12-21 株式会社昭和冷凍プラント 窒素水を使用した菓子の製造方法
JPWO2019225285A1 (ja) * 2018-05-25 2021-05-27 株式会社ロッテ ゼラチン以外のたんぱく質及び油脂配合ソフトキャンディを含有するチューインガム
JP7242662B2 (ja) 2018-05-25 2023-03-20 株式会社ロッテ ゼラチン以外のたんぱく質及び油脂配合ソフトキャンディを含有するチューインガム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4472621B2 (ja) 2010-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6276050B2 (ja) 水中油型乳化物
JP4472621B2 (ja) ソフトキャンディー
JP6038664B2 (ja) ホイップクリーム用水中油型乳化組成物及びその製造方法
JP2006333740A (ja) ホイップクリーム用水中油型乳化組成物
JP6505479B2 (ja) 起泡性水中油型乳化組成物
JP6854679B2 (ja) 冷凍菓子用ミックスおよびそれを使用した冷凍菓子
JP4648855B2 (ja) 含気チョコレート
JP2007236345A (ja) ケーキ用流動状ショートニング
JP5921834B2 (ja) 多孔性食品素材に油脂性食品素材を含浸させた複合食品の製造方法
JP6855272B2 (ja) 起泡性水中油型乳化組成物用乳化剤
JP4772727B2 (ja) ソフトキャンディー
JP2007269714A (ja) カプシノイド含有乳化組成物の製造方法
JP5257889B2 (ja) クリーム用油脂組成物
EP2893814B1 (en) Foamable oil-in-water emulsified oil or fat composition
JP4870045B2 (ja) ポテトチップスの製造方法
JP4944264B2 (ja) ソフトキャンディー
JP2009247288A (ja) 乳成分含有飲料
JP2007061009A (ja) 乳成分含有飲料
JP6512566B2 (ja) 気泡含有チョコレート用油脂組成物
JP2014124095A (ja) アイスクリーム類の製造方法
CN106857881A (zh) 甘三酯组合物及其制备方法
JP2015146737A (ja) 加熱殺菌飲料用粉末状乳化油脂および該粉末状乳化油脂を含有する加熱殺菌飲料
JP5964014B2 (ja) 固形カラメル用食感改良剤
JP2019068771A (ja) チョコレート用油脂
JP2010168476A (ja) 油脂の結晶成長抑制剤およびそれを含んでなる可塑性油脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080624

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100302

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100303

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4472621

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140312

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees